説明

不正開封防止電子ロックシール

遠隔監視式不正開封防止電子シール(図1A)が、シャフト部分(10)と;センサ(28)と;監視可能なように、該シャフト部分(10)と該センサ(28)とを係合するべく配置されたソケット(18)と;該シャフト部分(10)と、該センサ(28)と、該ソケット(18)との少なくとも一つに接続された無線発信機(12)であって、少なくとも一つの監視可能な事象の遠隔的に監視可能な指示を提供するようになっている無線発信機と;を具備していて;該センサ(28)が、該シャフト部分(10)を該ソケット(18)から分離しようとする企ての際に該電子シールに作用する力を検出するようになっていて、かつ該作用する力を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子シール(electronic seal)特に不正開封防止電子シール(tamper-resistant electronic seal)に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の米国特許が従来技術の代表的なものである。
【0003】
すなわち特許文献1−11である。
【特許文献1】米国特許第4750197号明細書
【特許文献2】米国特許第5056837号明細書
【特許文献3】米国特許第5097253号明細書
【特許文献4】米国特許第5127687号明細書
【特許文献5】米国特許第5169188号明細書
【特許文献6】米国特許第5189396号明細書
【特許文献7】米国特許第5406263号明細書
【特許文献8】米国特許第5421177号明細書
【特許文献9】米国特許第5587702号明細書
【特許文献10】米国特許第5656996号明細書
【特許文献11】米国特許第6069563号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は改善した電子シールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明における好適な実施形態において、遠隔監視式不正開封防止電子シールが提供されていて、該電子シールは、シャフト部分と;センサと;監視可能なように、該シャフト部分と該センサとを係合するべく配置されたソケットと;該シャフト部分と、該センサと、該ソケットとの少なくとも一つに接続された無線発信機であって、少なくとも一つの監視可能な事象の遠隔的に監視可能な指示を提供するようになっている無線発信機と;を具備していて;該センサが、該シャフト部分を該ソケットから分離しようとする企ての際に該電子シールに作用する力を検出するようになっていて、かつ該作用する力を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている。
【0006】
該センサが、該シャフトと該センサとの係合解除を検出し、かつ該係合解除を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている。
【0007】
本発明における他の好適な実施形態において、遠隔監視式不正開封防止電子シールが該シャフト部分に取り付けられ、かつ該センサを支持している検出用キャップをさらに具備していて、該センサが温度センサを具備していて、該温度センサは、該ソケットの加熱を監視するようになっていて、かつ所定のしきい値を超える該ソケットの加熱を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている。
【0008】
本発明における他の好適な実施形態において、該遠隔監視式不正開封防止電子シールが、該検出用キャップを該シャフト部分に対して独立的に該ソケットの中に保持するために、該ソケットと該シャフト部分とに係合する少なくとも一つの保持リングを具備していて;該シャフト部分はこわれやすい部分を含んでおり、従って該ソケットから該シャフト部分を分離するべく作用する力が、該こわれやすい部分において該検出用キャップと該シャフト部分との間の破損をもたらしていて、その破損は該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとなっている。
【0009】
本発明における他の好適な実施形態において、該ソケットが使い捨てのソケットを備えている。代りに、該ソケットが機械的にロック可能なソケットである。
【0010】
本発明における他の好適な実施形態において、該ソケットがトランスポンダを備えていて、該シャフト部分がインダクタを備えており、該トランスポンダは該ソケットに関する情報をインダクタを介して該無線通信機に伝送するようになっている。好ましくは、該トランスポンダがRFトランスポンダを備えていて、該インダクタがRF受信/発信インダクタを備えており、該インダクタは、該シャフト部分を貫通して該無線通信機に延伸している少なくとも一つの導体を介して通信している。
【0011】
本発明における他の好適な実施形態において、該シャフト部分が該シャフト部分と該センサとの係合解除に応答して遮断される少なくとも一つの導体を含んでいて、該係合解除は該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとなっている。
【0012】
好ましくは、該無線通信機が、検出回路及び該シャフト部分に一体に形成された無線通信機ハウジングとに設置されている。
【0013】
本発明における他の好適な実施形態において、少なくとも一つの近接したスイッチが該少なくとも一つの導体に接続されていて、該スイッチは該ソケットに接続したアクチュエータにより作動されるようになっており、該シャフト部分が該ソケットから分離される場合、該スイッチは開となり、そして該少なくとも一つの導体の電路が遮断され、該少なくとも一つの監視可能な事象の一つを発生する。好ましくは、該少なくとも一つの近接したスイッチが、少なくとも一つのマグネティックスイッチを備えていて、該アクチュエータはマグネットを備えている。
【0014】
本発明における好適な実施形態において、該シャフト部分がロック可能部分を有しているこわれやすい部分を備えていて;該ソケットは該ロック可能部を取り外し可能に係合するべく配置されたロッキング要素を備えており、従って該ロッキング要素と該シャフト部分との係合解除が該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、添付図面を用いた以下の詳細な説明で、より詳しく理解することができる。
図1A,1B及び1Cは、本発明の好適な実施形態により作られ作動可能な圧入式電子シールの概略図及び断面図である。
【0016】
図1A,1B及び1Cにおいて、好ましくはシャフト部分10を備えた不正開封防止電子シールが図示されていて、シャフト部分10は検出回路及びトランシーバ部分12と一体に形成あるいは固定されている。シャフト部分10は、好ましくはほぼ円筒状形状であって、圧入式先端14で終点となっていて、その圧入式先端14は、その前方端部に形成された凹部17の中に固定された検出用キャップ16を含んでおり、かつ、ソケット18に圧入係合するようになっている。シャフト部分10の先端14と、ソケット18との間の圧入係合は、好ましくはシャフト部分10が破損しないかぎり先端14はソケット18から外れることが不可能なようになっている。圧入式先端14とソケット18との間の圧入係合は、ソケット18又はシャフト10への小さな力の作用でも検出用キャップ16を含めた圧入式先端14の一部がシャフト部分10から分離するようになっている。図2Aを用いて後述する。
【0017】
シャフト部分10が弱められたこわれやすい部分22,24及び25を含んでいる。こわれやすい部分22,24及び25は、シャフト10の他の部分より薄くなっている。こわれやすい部分22は、好ましくは検出回路とトランシーバー部分12との中間でほぼシャフト部分10に配置されている。こわれやすい部分24及び25は、好ましくはシャフト部分10における先端14に隣接した場所に配置されている。こわれやすい部分22,24及び25の一般的な位置を図1A及び1Bに図示する。
【0018】
少なくとも一つの導電ループ26は、好ましくは検出回路及びトランシーバー部分12とからシャフト部分10を貫通して好ましくは凹部17の中へ延伸していて、すなわちシャフト部分10に形成されかつ取りつけられており、シャフト部分10の破損が導電ループ26の電磁気的、機械的及び/又は熱的特性のような特性の不連続又は著しい変化をもたらすようになっている。本発明の好適な実施形態において、検出用キャップ16は導電ループ26と接触、好ましくは電気的接触するように、圧入式先端14に取り付けられている。検出用キャップ16は、好ましくは温度センサ又は他の適切なセンサのような少なくとも一つのセンサ28を含んでいる。センサ28は、好ましくはクリンプのようなものにより導電ループ26に接続されている。導電ループ26は情報をセンサ28から検出回路30へ伝送するべく作動可能であって、その検出回路30は検出回路及びトランシーバー部分12を形成している。
【0019】
例示の実施形態において、センサ28は検出用キャップ16に設置されているけれども、代りに一つ以上のセンサ28が導電ループ26と導通しているいずれの適切な位置に設置されていてもよい。
【0020】
ソケット18が、好ましくはシールリング32とシールリング34とを備えていて、シールリング32は、好ましくはこわれやすい部分24を形成している凹部に係合し、シールリング34は、好ましくはこわれやすい部分25を形成している凹部に係合している。シールリング32及び34は、好ましくは圧入式先端14とソケット18との間に圧入係合を提供している。
【0021】
本発明における好適な実施形態において、トランシーバー、好ましくはRFトランシーバー38も検出回路及びトランシーバー部分12を形成している。検出回路30は、好ましくは導電ループ26に電気的に接続されていて、その完全性を検出するようになっている。他の好適な実施形態において、検出回路30もセンサ28から温度変化のような信号を受信するようになっていて、その温度変化は、例えば、何者かがソケット18を加熱することにより電子シールを不正開封することにより生じる。代りに、検出回路30が、シールリング32及び34又はソケット18に対するシャフト部分10の係合又は係合解除の信号を受信するようになっていてもよい。
【0022】
トランシーバー38は、伝送された情報を提供するようになっている検出回路30から出力を受信していて、その情報は、導電ループ26が導電ループ26を介してセンサ28から受信した他の情報と同様に変化していないかどうかを表示している。従来形の無線式モニタリング回路(図示せず)が、RFトランシーバー38により発信された情報を受信するべく使用されてもよくて、その情報は、導電ループ26の破損をもたらすシールの不正開封及び/又はソケット18の加熱又はシャフト部分10の係合あるいは係合解除のようなセンサ28から受信されたいずれかの情報を表示している。
【0023】
他の好適な実施形態において、シールリング34が少なくとも一つの係合突起40を含んでいて、こわれやすい部分25は少なくとも一つの対応する係合凹部42を含んでいる。本実施形態において、小さな力がシャフト部分10からの検出用キャップ16及び先端部分14との分離をもたらすように、こわれやすい部分25はシールリング34によりロックされている。以下に図2Aを参照して詳述する。代りに、少なくとも一つの係合突起(図示せず)が、検出用キャップ16に設置された少なくとも一つの係合スロット(図示せず)に係合するソケット18に設置されていてもよい。
小さな力で検出用キャップ16をシャフト部分10から分離できるように、係合凹部42への係合突起40の挿入は、好ましくは検出用キャップ16をソケット18にロックしている。以下に図2Aを参照して詳述する。係合突起40は係合位置42での容易な係合を提供するためにフレキシブルであってもよい。代りに、係合突起40及び係合凹部42が必要とされなくてもよい。
【0024】
図2A,2B及び2Cは、不正開封により図1A、図1B及び1Cにおける圧入式電子シールに発生した種々の異なるタイプの破損を例示している。前述したように、ソケット18からシャフト部分10を分離するために、図1A−1Cにおけるシールに力を作用しても、まずシャフト部分10が破損しない限り、先端14をソケット18からはずすことはできない。図2Aにおいて、シールを開くために回転力及び/又は横向きの力のような小さな力を作用することが、こわれやすい部分25の破損を招き、導電ループ26における著しい変化又は断線を生じる。シャフト部分10がシールリング32により係合されている場合シールは破損されないけれども、好ましくは検出回路30は導電ループ26における変化を検出する。
【0025】
図2Bに図示するように、ソケット18をシャフト部分10からはずそうとすることにより発生されるような大きな力を作用すると、こわれやすい部分24が破損し導電ループ26の断線を招く。
【0026】
図2Cは、図2Bに図示するのと同様にもたらされるこわれやすい部分22における破損を図示している。この破損も導電ループ26の断線をもたらすことが理解される。
【0027】
電子シールを不正開封しようとする場合、図2Aにおける破損を独立的に説明してきたけれど、図2B及び2Cに図示する破損が、図2Aにおける破損により先行されるかも知れない。
【0028】
図2D,2E及び2Fにおいて、図1A〜1Cの圧入式電子シールを不正開封する別の試みが図示されている。図2Dに図示するように、この試みは不正開封防止電子シールのシャフト部分10からソケット18を、シャフト部分10の先端14領域においてソケット18をのこぎり切断することにより、分離する試みである。図2Eは、ソケット18の切断結果を図示しているが、シャフト部分10は切断されていない。図2Fに図示するように、ソケット18の分離がこわれやすい部分25に沿っての破損をもたらし、導電ループ26の断線を招いている。
【0029】
導電ループ26における電磁気的、機械的及び/又は熱的特性のような特性の著しい変化又は断線は、検出回路30により検出されRFトランシーバー38により発信される。
【0030】
図3A及び3Bは、本発明の好適な実施形態により作られた作動可能なロック式電子シールの概略図であって、それぞれロック解除及びロックされている場合のものである。
【0031】
図3A及び3Bにおいて、好ましくはシャフト部分50を備えた形の再利用可能なロック式不正開封防止電子シールが図示されていて、シャフト部分50は検出回路及びトランシーバ部分52と一体に形成あるいは固定されている。シャフト部分50は、好ましくはほぼ円筒状形状であって、ロック式先端54で終点となっていて、好ましくはアンダーカット溝56が形成されていて、アンダーカット溝56は、ロック60の部品を形成している対応するロックエレメント58とロック係合するようになっている。そのロック60はマグネット61のようなアクチュエータを含んでいるソケットを形成している。ロック60は、キー作動ロックとして図示されているけれど、他の適切なタイプのロックが使用されてもよい。シャフト部分50の先端54と、ロックエレメント58との間のロック係合は、好ましくはシャフト部分50が破損しないかぎり先端54はロックエレメント58から外れることが不可能なようになっている。ロック可能な先端54は、好ましくは検出用キャップ62に取り付けられるか、又は検出用キャップ62と一体に形成されている。
【0032】
シャフト部分50が弱められたこわれやすい部分63,64及び65を含んでいる。こわれやすい部分63,64及び65は、シャフト50の他の部分より薄くなっている。こわれやすい部分63は、好ましくは検出回路とトランシーバー部分52との中間でほぼシャフト部分50に配置されている。こわれやすい部分64及び65は、好ましくはシャフト部分50における先端54に隣接した場所に配置されている。こわれやすい部分63,64及び65の一般的な位置を図3A及び3Bに図示する。
【0033】
少なくとも一つの導電ループ66は、好ましくは検出回路及びトランシーバー部分12とからシャフト部分50を貫通して延伸していて、すなわちシャフト部分50に形成されかつ取りつけられており、シャフト部分50の破損が導電ループ56の電磁気的、機械的及び/又は熱的特性のような特性の著しい変化をもたらすようになっている。好ましくは導電ループ66に直列に接続された近接したスイッチ(propinquity switch)が提供されていて、そのスイッチはソケットにおけるアクチュエータが少なくともしきい値の距離だけ離間される場合に作動するようになっている。好ましくは、近接したスイッチは、磁気的に作動されるスイッチ68で、そのスイッチは、シャフト部分50がロック60とロック可能な又はロック係合する場合のようなマグネット61に近接する場合だけに閉となる。
【0034】
シャフト部分50が一つ以上の追加の導電ループを備えていてもよくて、各導電ループはスイッチを含んでいてもよくて、スイッチの作動はロック60の作動とリンクしていてもよいし、していなくてもよくて、電子シールの完全性に関する追加の情報を提供してもよい。
【0035】
さらに本発明における好適な実施形態において、検出用キャップ62が導電ループ66と電気的に接続している。検出用キャップ62は、好ましくは温度センサ又は他の適切なセンサのような少なくとも一つのセンサ70を含んでいて、導電ループ66を介して検出回路72と導通している。
【0036】
例示の実施形態において、センサ70はロック可能な先端54に隣接して配置されているけれども、代りに一つ以上のセンサ70が導電ループ66と導通しているいずれの適切な場所に配置されていてもよい。
【0037】
本発明における好適な実施形態において、検出回路72及びR.F.トランシーバ74が、検出回路及びトランシーバ区画52に収容されている。検出回路72は導電ループ66と電気的に接続されていて、そして導電ループの完全性を検出するようになっている。さらに、検出回路72もセンサ70から温度変化のような信号を受信するようになっていて、その温度変化は、例えば、何者かがロック60を加熱することにより電子シールを不正開封することにより生じる。トランシーバー74は、伝送された情報を提供するようになっている検出回路72から出力を受信していて、その情報は導電ループ66が導電ループ66を介してセンサ28から受信した他の情報と同様に変化していないかどうかを表示している。
【0038】
従来形の無線モニタ回路(図示されていない)が、RFトランシーバ74により伝送された情報を受信するために、かつシャフト部分50がロック60とロック可能又はロック係合位置にある場合、及びシャフト部分50が、シャフト部分50の破損であるシールの不正開封にもとずき、又はロック60を解除するためにキーを使用することによるシャフト部分50とロック60との係合解除にもとずきロック60から分離している場合とを表示するために使用されてもよい。
【0039】
スイッチ68を準備することにより;検出回路72は、シャフト部分50がロック60とロック係合可能位置にある場合、及びシャフト部分50がいずれの理由にしろロック60から分離している場合とを、検出回路72が検出することを可能にしていて;シャフト部分50とロック60との係合及び係合解除を記録することが可能となっていることが理解されるであろう。
【0040】
図3A〜3Bにおける例示の実施形態に図示するスイッチは、図1A〜2Fにおける実施形態において使用されてもよい。
【0041】
図4A及び4Bは、本発明の好適な実施形態により作られた作動可能なロック式電子シールの概略図であって、それぞれロック解除及びロックされている場合のものである。
【0042】
図4A及び4Bにおいて、好ましくはシャフト部分150を備えた形の再利用可能なロック式不正開封防止電子シールが図示されていて、シャフト部分150は検出回路及びトランシーバ部分152と一体に形成あるいは固定されている。シャフト部分150は、好ましくはほぼ円筒状形状であって、ロック式先端154で終点となっていて、好ましくはアンダーカット溝156が形成されていて、アンダーカット溝156は、ロック160の部品を形成している対応するロックエレメント158とロック係合するようになっている。そのロック160はマグネット161のようなアクチュエータを含んでいるソケットを形成している。ロック160は、キー作動ロックとして図示されているけれど、他の適切なタイプのロックが使用されてもよい。シャフト部分150の先端154と、ロックエレメント158との間のロック係合は、好ましくはシャフト部分150が破損しないかぎり先端154はロックエレメント158から外れることが不可能なようになっている。ロック可能な先端154は、好ましくは検出用キャップ162に取り付けられるか、又は検出用キャップ162と一体に形成されている。
【0043】
シャフト部分150が弱められたこわれやすい部分163,164及び165を含んでいる。こわれやすい部分163,164及び165は、シャフト150の他の部分より薄くなっている。こわれやすい部分163は、好ましくは検出回路とトランシーバー部分152との中間でほぼシャフト部分150に配置されている。こわれやすい部分164及び165は、好ましくはシャフト部分150における先端154に隣接した場所に配置されている。こわれやすい部分163,164及び165の一般的な位置を図4A及び4Bに図示する。
【0044】
少なくとも一つの導電ループ166は、好ましくはシャフト部分150を貫通して延伸していて、すなわちシャフト部分150に形成されかつ取りつけられており、シャフト部分150の破損が導電ループ156の電磁気的、機械的及び/又は熱的特性のような特性の著しい変化をもたらすようになっている。好ましくは導電ループ166に直列に接続された近接したスイッチが提供されていて、そのスイッチはソケットにおけるアクチュエータが少なくともしきい値の距離だけ離間される場合に作動するようになっている。好ましくは、近接したスイッチは、磁気的に作動されるスイッチ168で、そのスイッチは、シャフト部分150がロック160とロック可能な又はロック係合する場合のようなマグネット161に近接する場合だけに閉となる。
【0045】
シャフト部分150が一つ以上の追加の導電ループを備えていてもよくて、各導電ループはスイッチを含んでいてもよくて、スイッチの作動はロック160の作動とリンクしていてもよいし、していなくてもよくて、電子シールの完全性に関する追加の情報を提供してもよい。
【0046】
さらに本発明における好適な実施形態において、検出用キャップ162が導電ループ166と電気的に接続している。検出用キャップ162は、好ましくは温度センサ又は他の適切なセンサのような少なくとも一つのセンサ170を含んでいて、導電ループ166を介して検出回路172と導通している。
【0047】
例示の実施形態において、センサ170はロック可能な先端154に隣接して配置されているけれども、代りに一つ以上のセンサ170が導電ループ166と導通しているいずれの適切な場所に配置されていてもよい。
【0048】
本発明における好適な実施形態において、検出回路172及びR.F.トランシーバ172が、検出回路及びトランシーバ区画152に収容されている。検出回路172は導電ループ166と電気的に接続されていて、そして導電ループの完全性を検出するようになっている。さらに、検出回路172もセンサ170から温度変化のような信号を受信するようになっていて、その温度変化は、例えば、何者かがロック160を加熱することにより電子シールを不正開封することにより生じる。トランシーバー174は、伝送された情報を提供するようになっている検出回路172から出力を受信し、その情報は、導電ループ166が導電ループ166を介してセンサ128から受信した他の情報と同様に変化していないかどうかを表示している。
【0049】
従来形の無線モニタ回路(図示されていない)が、RFトランシーバ174により伝送された情報を受信するために、かつシャフト部分150がロック160とロック可能又はロック係合位置にある場合と、シャフト部分150が、シャフト部分150の破損であるシールの不正開封にもとずき、又はロック160を解除するためにキーを使用することによるシャフト部分150とロック160との係合解除にもとずきロック160から分離している場合とを表示するために使用されていてもよい。
【0050】
図4A及び4Bに図示するように、再利用可能なロック式不正開封防止電子シールは、好ましくはRFトランスポンダチップのようなトランスポンダ180を含んでいて、シャフト部分150は、好ましくはRF受信/発信インダクタのようなインダクタ182を含んでいる。トランスポンダ180は、ロック160に関する情報をシャフト部分150に設置されたインダクタ182を介して検出回路172へ伝送するようになっている。
【0051】
トランスポンダ180及びインダクタ182を準備することにより、検出回路172がトランスポンダ180により伝送されたロック160に関する情報を記録できるようになっていて、その情報は、例えばロック160の通し番号であり、シャフト部分150がロック係合している事実である。さらに、トランスポンダ180及びインダクタ182を準備することにより、検出回路172は、シャフト部分がロック160とロック可能あるいはロック係合位置にある場合、又はシャフト部分150が何等かの理由でロック160と分離している場合を検出できるようになっていて、そしてシャフト部分150とロック160との係合及び係合解除を記録できるようになっている。
【0052】
スイッチ168を準備することにより;検出回路172は、シャフト部分150がロック160とロック係合可能位置にある場合と、シャフト部分150がいずれの理由にしろロック160から分離している場合とを、検出することを可能にしていて;シャフト部分150とロック160との係合及び係合解除を記録することが可能となっていることが理解されるであろう。
【0053】
図5A,5B及び5Cは、本発明の別の好適な実施形態により作られ作動可能な圧入式電子シールの概略図である。
【0054】
図5A,5B及び5Cにおいて、好ましくは再利用可能なシャフト部分250を備えた再利用可能な不正開封防止電子シールが図示されていて、シャフト部分250は検出回路及びトランシーバ部分252と一体に形成あるいは固定されている。シャフト部分250は、好ましくはほぼ円筒状形状であって、圧入式先端254で終点となっていて、その圧入式先端254は、その前方端部に形成された凹部(図示せず)の中に固定された検出用キャップ256を含んでおり、かつ、使い捨てのロッキングソケット18に圧入係合するようになっている。シャフト部分250の先端254と、ソケット258との間の圧入係合は、好ましくはシャフト部分250又は使い捨てのロッキングソケット258のどちらかが破損しないかぎり先端254は使い捨てのソケット258から外れることが不可能なようになっている。圧入式先端254と使い捨てのソケット258との間の圧入係合は、使い捨てのソケット258又はシャフト部分250への小さな力の作用でも検出用キャップ256を含めた圧入式先端254の一部がシャフト部分250から分離するようになっている(図2Aを用いて前述したように。)。
【0055】
シャフト部分250が弱められたこわれやすい部分263を含んでいて、こわれやすい部分22は、好ましくは検出回路とトランシーバー部分12との中間に配置されている。こわれやすい部分263は、シャフト250の他の部分より薄くなっている。こわれやすい部分(図示せず)はシャフト部分250に沿った適切な場所に含まれていてもよい。
【0056】
少なくとも一つの導電ループ266は、好ましくは検出回路及びトランシーバー区画252とからシャフト部分250及び先端254とを貫通して延伸していて、すなわちシャフト部分250に形成されかつ取りつけられており、シャフト部分250の破損が導電ループ266の電磁気的、機械的及び/又は熱的特性のような特性の不連続又は著しい変化をもたらすようになっている。本発明の好適な実施形態において、検出用キャップ256は導電ループ266と接触、好ましくは電気的接触するように、圧入式先端254に取り付けられている。検出用キャップ256は、好ましくは温度センサ又は他の適切なセンサのような少なくとも一つのセンサ270を含んでいる。センサ266は、好ましくは導電ループ266に電気的に接続されていて、導電ループ26を介して情報を検出回路272へ伝送するべく作動可能である。
【0057】
例示の実施形態において、センサ270は検出用キャップ256に設置されているけれども、代りに一つ以上のセンサ270が導電ループ266と導通しているいずれの適切な位置に設置されていてもよい。
【0058】
本発明における好適な実施形態において、検出回路272及びR.F.トランシーバ274のようなトランシーバが、検出回路及びトランシーバ区画252に収容されている。検出回路272は導電ループ266と電気的に接続されていて、そして導電ループの完全性を検出するようになっている。さらに、検出回路272もセンサ270から温度変化のような信号を受信するようになっていて、その温度変化は、例えば、何者かが使い捨てのソケット258を加熱することにより電子シールを不正開封することにより生じる。代りに、検出回路272が、使い捨てのロッキングソケット258に対するシャフト部分250の係合又は係合解除の信号を受信するようになっていてもよい。
【0059】
トランシーバー274は伝送された情報を提供するようになっている検出回路272から出力を受信し、その情報は導電ループ266が導電ループ266を介してセンサ270から受信した他の情報と同様に変化していないかどうかを表示している。従来形の無線式モニタリング回路(図示せず)が、RFトランシーバー274により発信された、情報を受信するべく使用されてもよくて、その情報は、導電ループ266の破損をもたらすシールの不正開封及び/又は使い捨てのロッキングソケット258の加熱又は取り外しのようなセンサ270から受信されたいずれかの情報を表示している。
【0060】
図5A及び5Bに図示するように、使い捨てのロッキングソケット258は、好ましくはRFトランスポンダチップのようなトランスポンダ280を含んでいて、シャフト部分250は、好ましくはRF受信/発信インダクタのようなインダクタ282を含んでいる。トランスポンダ280は、使い捨てのロッキングソケット258に関する情報をシャフト部分250に設置されたインダクタ282を介して検出回路272へ伝送するようになっている。トランスポンダ280及びインダクタ282を準備することにより、検出回路272が使い捨てのロッキングソケット258に関する情報を記録できるようになっていて、その情報は、例えば使い捨てのロッキングソケット258の通し番号であり、シャフト部分250がロック係合している事実である。さらに、トランスポンダ280及びインダクタ282を準備することにより、検出回路272は、シャフト部分250が使い捨てのロッキングソケット258と係合する場合、又はシャフト部分250が何等かの理由で使い捨てのロッキングソケット258と分離している場合を検出できるようになっている。
【0061】
図5Cは、使い捨てのロッキングソケット258の破損と再利用可能なシャフト部分250の分離とを図示している。
【0062】
図3A−3Bの例示の実施形態に図示するスイッチは図5A−5Cにおける実施形態に使用されてもよい。
【0063】
本発明は詳細に前述したものに限定されるものではないことが当業者において理解されるであろう。本発明の範囲は、前述の種々の実施形態の組合せ及び明細書を読むことにより当業者において思いつく変更と修正とを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1A】図1Aは、本発明の好適な実施形態により作られ作動可能な圧入式電子シールアセンブリの概略図である。
【図1B】図1Bは、本発明の好適な実施形態により作られ作動可能な圧入式電子シールアセンブリの概略図である。
【図1C】図1Cは、図1A及び図1Bにおける圧入式電子シールの断面図である。
【図2A】図2Aは、図1A−1Cにおける圧入式電子シールに発生する破損を例示しているものである。
【図2B】図2Bは、図1A−1Cにおける圧入式電子シールに発生する破損を例示しているものである。
【図2C】図2Cは、図1A−1Cにおける圧入式電子シールに発生する破損を例示しているものである。
【図2D】図2Dは、図1A−1Cにおける圧入式電子シールを不正に破損した結果の概略図である。
【図2E】図2Eは、図1A−1Cにおける圧入式電子シールを不正に破損した結果の概略図である。
【図2F】図2Fは、図1A−1Cにおける圧入式電子シールを不正に破損した結果の概略図である。
【図3A】図3Aは、本発明の好適な実施形態により作られ作動可能なロック式電子シールの概略図であって、ロック解除されている場合のものである。
【図3B】図3Bは、本発明の好適な実施形態により作られ作動可能なロック式電子シールの概略図であって、ロックされている場合のものである。
【図4A】図4Aは、本発明の他の好適な実施形態により作られ作動可能なロック式電子シールの概略図であって、ロック解除されている場合のものである。
【図4B】図4Bは、本発明の他の好適な実施形態により作られ作動可能なロック式電子シールの概略図であって、ロックされている場合のものである。
【図5A】図5Aは、本発明のさらなる好適な実施形態により作られ作動可能なロック式電子シールの概略図であって、ある作動状態のものである。
【図5B】図5Bは、本発明のさらなる好適な実施形態により作られ作動可能なロック式電子シールの概略図であって、ある作動状態のものである。
【図5C】図5Cは、本発明のさらなる好適な実施形態により作られ作動可能なロック式電子シールの概略図であって、ある作動状態のものである。







【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト部分と;
センサと;
監視可能なように、該シャフト部分と該センサとを係合するべく配置されたソケットと;
該シャフト部分と、該センサと、該ソケットとの少なくとも一つに接続された無線発信機であって、少なくとも一つの監視可能な事象の遠隔的に監視可能な指示を提供するようになっている無線発信機と;
を具備する遠隔監視式不正開封防止電子シールにおいて:
該センサが、該シャフト部分を該ソケットから分離しようとする企ての際に該電子シールに作用する力を検出するようになっていて、かつ該作用する力を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている;
遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項2】
該センサが、該シャフトと該センサとの係合解除を検出し、かつ該係合解除を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項3】
該シャフト部分に取り付けられ、かつ該センサを支持している検出用キャップをさらに具備する、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項4】
該センサが温度センサを具備していて、該温度センサは、該ソケットの加熱を監視するようになっていて、かつ所定のしきい値を超える該ソケットの加熱を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項5】
該検出用キャップを該シャフト部分に対して独立的に該ソケットの中に保持するために、該ソケットと該シャフト部分とに係合する少なくとも一つの保持リングを具備していて;該シャフト部分はこわれやすい部分を含んでおり、従って該ソケットから該シャフト部分を分離するべく作用する力が、該こわれやすい部分において該検出用キャップと該シャフト部分との間の破損をもたらしていて、その破損は該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとなっている、請求項3に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項6】
該ソケットが使い捨てのソケットを備えている、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項7】
該ソケットが機械的にロック可能なソケットである、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項8】
該ソケットがトランスポンダを備えていて、該シャフト部分がインダクタを備えており、該トランスポンダは該ソケットに関する情報をインダクタを介して該無線通信機に伝送するようになっている、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項9】
該トランスポンダがRFトランスポンダを備えていて、該インダクタがRF受信/発信インダクタを備えており、該インダクタは、該シャフト部分を貫通して該無線通信機に延伸している少なくとも一つの導体を介して通信している、請求項7に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項10】
該シャフト部分が該シャフト部分と該センサとの係合解除に応答して遮断される少なくとも一つの導体を含んでいて、該係合解除は該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとなっている、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項11】
該無線通信機が、検出回路と該シャフト部分に一体に形成された無線通信機ハウジングとに設置されている、請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項12】
少なくとも一つの近接したスイッチが該少なくとも一つの導体に接続されていて、該スイッチは該ソケットに接続したアクチュエータにより作動されるようになっており、該シャフト部分が該ソケットから分離される場合、該スイッチは開となり、そして該少なくとも一つの導体の電路が遮断され、該少なくとも一つの監視可能な事象の一つを発生する、請求項10に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項13】
該少なくとも一つの近接したスイッチが、少なくとも一つのマグネティックスイッチを備えていて、該アクチュエータはマグネットを備えている、請求項12に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項14】
該シャフト部分がロック可能部分を有しているこわれやすい部分を備えていて;
該ソケットは該ロック可能部を取り外し可能に係合するべく配置されたロッキング要素を備えており、従って該ロッキング要素と該シャフト部分との係合解除が該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとなっている;請求項1に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項15】
該センサが温度センサを具備していて、該温度センサは、該ソケットの加熱を監視するようになっていて、かつ所定のしきい値を超える該ソケットの加熱を該少なくとも一つの監視可能な事象の一つとして指示するようになっている、請求項14に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項16】
該ソケットがトランスポンダを備えていて、該シャフト部分がインダクタを備えており、該トランスポンダは該ソケットに関する情報をインダクタを介して該無線通信機に伝送するようになっている、請求項14に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。
【請求項17】
該トランスポンダがRFトランスポンダを備えていて、該インダクタがRF受信/発信インダクタを備えており、該インダクタは、該シャフト部分を貫通して該無線通信機に延伸している少なくとも一つの導体を介して通信している、請求項16に記載の遠隔監視式不正開封防止電子シール。

【公表番号】特表2006−509934(P2006−509934A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558335(P2004−558335)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/IL2003/001051
【国際公開番号】WO2004/053626
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505071697)ハイ−ジー−テック リミティド (1)