説明

不燃性組成物、これを用いた建築用不燃性成形品及びこれの製造方法

本発明は不燃性組成物、これを用いた建築用不燃性成形品及びこれの製造方法に関するもので、より詳しくは、有機繊維又は無機繊維、フライアッシュ又はボトムアッシュ、火炎防止剤及び硬化用難燃樹脂を含む不燃性組成物と、上記不燃性組成物を混合した後、高圧熱プレスを用いて所定の形態に圧縮、成形するか、ローラープレス又はオートクレーブにより成形する不燃性成形品の製造方法及び上記方法で製造された成形品に関するものである。
本発明によると、廃資材を利用しながら、環境にやさしく、既存資材に比べて物理的及び化学的な短所を補強して、優れた硬度、強度、耐水性などを有し、安価且つ組成比率により不燃性能が著しい不燃性組成物及びこれにより製造された建築用仕上げ及び内装資材を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不燃性組成物、これを用いた建築用不燃性成形品及びこれの製造方法に関するもので、更に具体的には建築用仕上げ及び内装材料として使用する場合、火災から安全であり、火炎の拡散防止と有毒ガスが発生しない特性を有する不燃性組成物、これを用いた建築用不燃性成形品及びこれの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、国内外において建築用仕上げ及び内装材料としてよく使用される代表的な建築用資材は、MDF、合板、石膏ボード板、セメント木毛板などかある。
【0003】
しかし、これらの製品は、種類別に異なる物性と短所があるため、相互補完的な方法で材料の多様な組成変化を通じて様々な種類の難燃性材料が開発されたが、建築用仕上げ及び内装材料としての必要、充分条件を満たしておらず、使用に制限があるなど、部分的な特性のみを有する資材として使用されている実情である。
【0004】
以下、該当分野の従来技術を説明する。
【0005】
難燃性のある資材の開発は、大体難燃性能が全くないMDF合板に、難燃性のある塗料又は薄板を塗布するか付着する方式により、難燃性を確保するように組成物質を少しずつ異にして製造するか、石膏ボードに難燃性のある合板又は不燃材である鉄板、アルミニウム板を付着するなどが主になされている。
【0006】
MDFや合板は、木材チップを有機接着剤を使用して圧縮、成形する方式で製造した板材であって、現在最も多用されている建築用仕上げ及び内装材料であるが、これら材料は火炎により燃えやすいなど難燃性のない資材である。
【0007】
この点を改善するために、有機接着剤の代わりに無機接着剤を使用する方式があるが、このように製造した製品は、層間剥離と破損のため、生産性が低下し、接着剤のみが無機質であって主材料が可燃性の木材チップであるから、結局、難燃性能(不燃、準不燃、難燃性)が発揮できない等の問題があって商品化されなかった。
【0008】
尚、難燃性のある石膏ボードを利用した場合には、石膏ボードに難燃性合板を付着する方式の技術と、不燃材である鉄板、アルミニウム板を付着する方式などの多様な技術が開発されつつあるが、石膏ボードの主成分である石膏素材が重くて仕上げのための加工ができず、石膏素材を代替できる技術は国内外でいまだに開発されていないので、難燃性のある建築用仕上げ及び内装材料としては、現在、石膏ボードが代表製品である言える。
【0009】
その他の素材として、セメント木毛板があるが、これら素材はセメントに多様な素材を添加して開発したものである。その特徴としては、まず、軽い紙粒子、パーライト、スタイロフォーム粒子、バーミキュライト、ボトムアッシュなどの素材を利用しており、大部分がこれら素材中の一部又は少なくとも2種類の素材を組成比率によって混合し、使用目的に応じて各種添加剤を添加する方式の開発が主になっている。
【0010】
しかし、殆どは、セメント板の物性を少々変えただけで根本的な物性変化がないため、建築用仕上げ及び内装材料としてというよりは、外装又は天井材料として一部活用されている。
【0011】
最近は不燃性であるアルミナパウダー(Al)を圧縮、成形して製造した建築用不燃仕上げ及び内装材料が開発され販売されているが、この材料は値段がMDFや合板に比べて10倍以上であるため、特殊の用途に一部使用されているのみで、火災安全のための建築用仕上げ及び内装材料としてはほぼ使用されていない。
【0012】
現在の建築基準法と消防法には、建築物内部に使用される仕上げ及び内装材料には、不燃、準不燃、難燃材料を使用するように規制しており、火災の拡散防止と人命保護のために一定規模以上の建物には防火区画を設け、これを通過するドアは防火ドアを設置するようにして火災に30分ないし1時間が耐えられる資材を使用することを法律で規定している。
【0013】
このような法的規制に基づく基準と性能試験方法は、仕上げ及び内装材料の場合、韓国産業標準規格KS F2271(建築物の難燃性能の試験方法)により、難燃1級(不燃材料)、難燃2級(準不燃材料)、難燃3級(難燃材料)の性能基準を満すように定められており、特に防火ドアの場合には韓国産業標準規格KS F2257による火災試験を1時間実施する甲種と、30分間実施する乙種に分け、上記の性能基準に適合する場合のみ使用できるように規定されている。
【0014】
これは、韓国のみならず全世界で採択している規定であって、内容に若干違いはありえるが、性能基準に適合するものを使用可能にした規定はほぼ同じであろう。これは火災に対する対策として、火炎の拡散防止と燃焼時に発生する有毒ガスから人命と財産の安全を確保するためである。
【0015】
しかし、上記のように現在使用されている様々な建築用仕上げ及び内装材料は、その使用目的に適していないものが多く、一部の不燃、準不燃、難燃の性能基準は満たすが、建築用仕上げ及び内装材料として使用できるその他の条件を満たしていない状況である。
【0016】
現在にも、不燃、準不燃、難燃性の性能のある建築用仕上げ及び内装材料に対する様々な開発がなされているが、優れた性能を有する製品が少ない理由は、MDFや合板は加工性と施工性、軽量性及び安価であるとの特性があって現在最も多用されている建築用内装製品であるが、耐水性が劣り、可燃性素材であるので不燃、準不燃、難燃性の性能がないので、火炎により燃焼しやすく、火災が拡散されるから現在法律の上その使用が制限されている。
【0017】
尚、石膏ボードは、肥料工場又は発電所から出る廃化学石膏、プラスターなどを組成して製造したもので、優れた加工性と施工性を有し、安価かつ不燃、準不燃、難燃の性能があるので、現在使用されている不燃、準不燃、難燃の性能基準を備える代表的な建築用内装及び仕上げ資材ではあるが、水分に非常に弱く、強度が低くて破損されやすく、加工時に粉塵の発生と、廃石膏ボードのリサイクルができないなどの環境汚染の問題があり、表面に紙が付着されているため多様な形態のデザインと用途に使用するには制限がある。
【0018】
尚、セメント木毛板は、強度が高く、優れた不燃、準不燃、難燃性能を有し、耐水性が良い反面、加工性と施工性が悪く、重くて、衝撃により割れやすいなどの問題があって建築物の外壁や、表面材料として主に使用されるだけで、建築用仕上げ及び内装材料としては殆ど使用されていない。
【0019】
本発明は、上記のような問題点を解決するために、既存の建築用仕上げ及び内装材料にあった難燃性能の不足、多様な仕上げ材としての適用ができない点など、既存資材の物理的及び化学的短所を補強及び改善するためになされたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、主に廃資材を利用し、環境にやさしく、優れた硬度、強度、耐水性などを有し、安価でありかつ組成比率によって火災から安全な難燃性能を有する多様な不燃性組成物を提供することにある。
【0021】
更に、本発明の目的は、上記組成物を利用して不燃性はもとより、建築資材としての必要及び充分条件が満たされる建築用不燃性成形品の製造方法を提供することにある。
【0022】
更に、本発明の他の目的は、上記方法により製造され、建築用仕上げ及び内装材料の板材として使用時、火災から安全でありかつ火炎の拡散防止と有毒ガスが発生しないなどの性能と物性を有する建築用不燃性成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するための本発明の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び硬化用難燃樹脂1〜30重量%を含む。
【0024】
上記本発明の目的を達成するための他の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、難燃性硬化剤1〜60重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び硬化用難燃樹脂1〜30重量%を含む。
【0025】
本発明の目的を達成するための建築用不燃性成形品の製造方法は、有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び硬化用難燃樹脂1〜30%を含む上記不燃性組成物を混合した後、高圧熱プレスを使用して所定の形態に圧縮成形して構成される。
【0026】
本発明の目的を達成するための建築用不燃性成形品の他の製造方法は、フライアッシュ又はボトムアッシュ、及び火炎防止剤を混合する段階;上記混合物に難燃性硬化剤を噴射してから、有機又は無機繊維を分散/投入して混合する段階;上記混合物を押出システムへ押出し、乾燥システムにおいて乾燥した後、粉砕機で必要な粒子サイズに粉砕する段階;及び上記粉砕物に硬化用難燃樹脂及び火炎防止剤を混合し、その混合物を高圧熱プレスを使用して所定の形態に圧縮成形する段階を含む。
【0027】
本発明の目的を達成するための建築用不燃性成形品は、上記製造方法により製造され、防火ドア、不燃ボード又は耐火ボードなどに成形される。
【0028】
上記目的を達成するための本発明の又他の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び難燃性硬化剤1〜60重量%を含む。
【0029】
本発明の目的を達成するための建築用不燃性成形品の又他の製造方法は、上記の不燃性組成物を提供する段階;有機又は無機繊維、フライアッシュ又はボトムアッシュ及び火炎防止剤を夫々計量してミキサーで分散/混合してから、水と難燃性硬化剤を噴射して混合する段階;上記混合組成物のペイストをローラープレスにより成形する段階;及び上記成形物を10〜200℃まで温度調節できる乾燥機により養生させる段階を含む。
【0030】
本発明の目的を達成するための建築用不燃性成形品は、上記の製造方法により製造され、アルミニウム又はスチルプレート複合パネル、調理台のボディ及びドア、備え付け家具のボディ及びドア、一般家具、トイレのパーティション、一般間仕切壁,廊下、OAフロア、階段板、強化フロア又は天井仕上げ材などの不燃材、内、外装材のパネルの芯材に成形される。
【0031】
上記の目的を達成するための本発明の防火ドア(壁)用の他の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%、硬化用難燃樹脂1〜30重量%及び不燃性中空体フィラー1〜40重量%を含む。
【0032】
本発明の目的を達成するための上記組成物を利用した又他の防火ドア(壁)の製造方法は、上記の不燃性組成物を提供する段階;上記フライアッシュ又はボトムアッシュ、火炎防止剤及び硬化用難燃樹脂を混合する段階;上記混合物に有機繊維又は無機繊維を分散/投入して粉砕/混合した後、エアを利用した混合機で不燃性中空体を最終混合する段階;上記混合物を高圧熱プレスにより板材又は角材に圧縮成形する段階;及び上記板材及び/又は角材で防火ドア(壁)の骨組を構成し、その内部に不燃性芯材を埋め込む段階を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明をより具体的に説明する。
【0034】
上記のように、本発明の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維(a)1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)1〜80重量%、火炎防止剤(c)1〜80重量%、及び硬化用難燃樹脂(d)1〜30重量%を含む。上記組成物は乾式圧縮成形工法に適合する。
【0035】
本発明の他の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維(a)1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)1〜80重量%、火炎防止剤(c)1〜80重量%、硬化用難燃樹脂(d)1〜30重量%、及び難燃性硬化剤(e)1〜60重量%を含む。上記組成物は、湿式及び乾式圧縮成形プロセスに適合する。
【0036】
尚、本発明の組成物は、不燃性軽量化剤(f)、及び/又はその他の添加剤、例えば硬化促進固着剤、界面活性剤及び/又は着色剤を更に含むことができ、水を含むこともできる。
【0037】
本発明の他の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維(a)1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)1〜80重量%、火炎防止剤(c)1〜80重量%及び難燃性硬化剤(e)1〜60重量%を含む。尚、本発明の組成物は、不燃性軽量化剤(f)、その他の添加剤、例えば硬化促進固着剤、界面活性剤及び/又は着色剤を更に含み、水を含むことができる。
【0038】
本発明による防火ドア(壁)の板材及び/又は角材用の他の不燃性組成物は、有機繊維又は無機繊維(a)1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)1〜80重量%、火炎防止剤(c)1〜80重量%、硬化用難燃樹脂(d)1〜30重量%及び不燃性中空体フィラー(k)1〜40重量%を含む。
【0039】
尚、本発明の組成物は不燃性の軽量化剤(f)及び/又はその他の添加剤、例えば硬化促進固着剤、界面活性剤及び/又は着色剤を更に含むことができる。
【0040】
本発明によると、上記の有機繊維又は無機繊維(a)の使用量は1〜80重量%が好ましく、上記の有機繊維としては繊維質状で破砕した紙粉砕物、木材粉砕物、廃繊維、米糠、植物性ファイバー又はこれらの混合物等があり、上記無機繊維としては、岩綿、ガラスウール、玄武岩綿、セラミックウール又はこれらの混合物などが使用できる。上記の成分は一部廃材料を使用できる。
【0041】
上記の有機繊維又は無機繊維(a)は、本発明の組成物で製造した成形品が、MDFや合板の木材特性を発揮させるためのもので、ナイフでも加工を可能にし、サイズ別に多様に製作できるのみならず壁に付着する施工時、スクリューなどとの結合力も上記繊維質の重要な役割である。
【0042】
上記の有機繊維又は無機繊維(a)の使用量が1重量%未満である場合、難燃性能は向上されうるが、硬度が高いので加工性やスクリューなどとの結合力が落ちる問題があり、組成比率が80重量%を超えると強度が低下し、難燃性成形品の形態を維持しがたい問題が発生する可能性がある。
【0043】
尚、表面強度と滑らかな表面を維持するために、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)を使用し、その組成比率によって密度と表面及び圧縮強度が調節できる。
【0044】
本明細書で使用される用語である‘フライアッシュ’とは、火力発電所で燃料として使用される石炭の残留物のうち、大体軽い残留物を意味し、‘ボトムアッシュ’はフライアッシュよりは重くて沈殿する残留物を意味する。
【0045】
これらのフライアッシュ又はボトムアッシュ(b)は、セメントよりは軽い比重であるが、本難燃性成形品をなす組成物のなかでは比重が高い組成物に該当されるので、その組成比率が高い場合は軽量化に問題がある可能性があるが、相対的に強度を向上し、堅個な難燃性成形品が得られる。
【0046】
上記フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)の組成比率が1重量%未満である場合には、適切な硬度、表面効果及び滑らかな成形品を作りにくい問題があり、組成比率が80重量%を超える場合には比重が高く、軽い衝撃にも割れやすい現状が発生して、板材や角材の用途として使用するには適しない問題がある。
【0047】
本発明において、上記の有機繊維又は無機繊維(a)は、材料によって可燃性素材の場合もあるので、火炎発生時に燃焼及び煙を最小化して不燃、準不燃性能を確保する火炎防止剤(c)、例えば炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、その他の炭酸塩又はこれらの混合物が使用できる。
【0048】
又、火炎の温度が500℃を超える場合、成分(c)が分解され二酸化炭素(CO)が板材内部から発生して火炎が消化されるように調節でき、成分(c)によって上記3成分のみでも性能基準において準不燃級であったのを不燃級に、難燃級であったのを準不燃級以上の性能になるように改善できる。
【0049】
上記の火炎防止剤(c)の使用量は、1〜80重量%が好ましく、1重量%未満であれば火炎防止剤としての役割が期待し難く、80重量%を超過すると組成物の強度低下に影響を与える。
【0050】
しかし、上記成分のみで不燃性はある程度確保できるが、不燃性よりも重要な建築資材としての十分な圧縮/引張強度の不足、養生時の変形、多様な仕上げ材の付着が不可能である点など、深刻な短所がある。
【0051】
よって、このような建築資材としての深刻な短所を解決するべく、硬化用難燃樹脂(d)、例えばフェノール樹脂、難燃ポリエステル樹脂又はメラミン樹脂を使用すれば建築資材としての性能と不燃性能を同時に満たす成形品を製造できる。
【0052】
上記硬化用難燃樹脂(d)の使用量は、1〜30重量%が好ましく、1重量%未満であれば組成物の硬化が不可能である反面、30重量%を超えるとこれ以上の難燃樹脂としての硬化の役割が向上されることなく製造コストのみ上がる結果になる。
【0053】
このような組成を有する本発明の不燃性組成物をよく混合した後、高圧熱プレス、好ましくは高周波加熱機を備える高圧熱プレスを使用して所望の形態に圧縮成形して不燃性成形品を製造することができる。
【0054】
一方、上記有機繊維又は無機繊維(a)に不燃性をさらに向上させるために、難燃性硬化剤(e)、例えばケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム又はこれら混合物を1〜60重量%で選択的に使用でき、その組成比率によって成形された板材の強度と加工性が調節でき、尚、火が付かない程度を調節できる。
【0055】
上記難燃性硬化剤(e)の組成比率が1重量%未満である場合には、それぞれの組成物を結束できないため、強度及び硬度が低下されるなど、成形物の役割を果たせない問題が発生され、その組成比率が60重量%を超える場合には表面硬化速度差異による成形物の変形などの問題が発生する可能性がある。
【0056】
しかし、上記難燃性硬化剤(e)を使用して成形品を製造するためには湿式及び乾式工程で混合しなければならない。まず、難燃性硬化剤(e)の特性を得るための1次湿式工程と、前記建築資材としての深刻な問題の解決のために硬化用難燃樹脂(e)、例えばフェノール樹脂、難燃ポリエステル樹脂又はメラミン樹脂を使用して最終成形品を完成する2次乾式工程を適用することによって、ようやく要求される建築資材としての性能と不燃性能を同時に満たす成形品が完成できる。
【0057】
尚、難燃性成形品の軽量化のために不燃性軽量化剤(f)を選択的に使用でき、その組成比率によって多様な比重を有する建築仕上げ及び内装材料を製造できる。不燃性軽量化剤(f)は、例えば微粒子パーライト、微粒子バーミキュライト、岩綿廃棄物、珪藻土、ゼオライト又はこれらの混合物を使用できる。上記微粒子パーライト又は微粒子バーミキュライトは廃資材を使用できる。
【0058】
上記不燃性軽量化剤(f)の使用量は、1〜50重量%の範囲内で多様な比重を有する成形品を製造できるが、組成物の比率が1重量%未満である場合には、比重にほぼ影響を与えないので本来の軽量化剤としての役割を果たせず、その組成比率が50重量%を超過する場合には、表面状態が粗く強度が低下し、組成物の原料が分離され均一な分布の混合物が得られないという問題が発生しうる。
【0059】
本発明において、また他の選択事項としては、上記の組成物で製造した成形品に対する生産性を向上させ、養生過程で発生できる収縮と変形を最小化するためのその他の添加剤としては、難燃性硬化剤(e)の成分を迅速に固着して形態を維持させる1〜10重量%の硬化促進固着剤(g)、例えばマグネシア、石膏プラスター、無機酸又は有機酸の混合物、ケイ酸カルシウム又はこれらの少なくとも一つの混合物を混合したものを使用でき、上記難燃性硬化剤(e)の組成比率により硬化時間を調節できる。
【0060】
又、成形品の断熱特性と軽量化向上及び耐水及び撥水性を高めるための界面活性剤(h)、例えば表面張力が大きなアルキルベンゼンスルホン酸系列の界面活性剤を使用でき、これによって水に対する抵抗と水の吸収率を低めて水中でも形態が維持できる特性を与え、とりわけ難燃性成形品の内部に数多くの多孔性の空気層を作り断熱と軽量化を向上できる。しかし、その組成比率によって多少強度低下の原因になりえるので、組成比率は0.1〜0.3重量%が好ましい。
【0061】
上記成分の組成物で製造した難燃性成形品の特性上、成分(a)及び成分(b)が黒灰色であって全体色に影響する可能性があるため、濃い灰色では多様な色を表現する建築用仕上げ及び内装材料の特性上問題があって、これを改善、補完するため火炎に強く、優れた隠蔽力を有する1〜10重量%の白色無機着色剤(i)、例えば二酸化チタン(TiO)を追加使用してベース色を薄い灰白色にして、成形品に塗装及び木目柄塗布などの表面処理が簡単になるように改善できる。
【0062】
特に、多様な色を出すために赤色又は黄色無機着色剤(j)を適宜混合して難燃性成形品のベース色を多様にして別途の表面着色なしでも、本来色をそのまま使用できる。
【0063】
尚、本発明の組成物は水1〜60重量%を更に含むことができる。難燃性硬化剤のみで混合した場合、混合ペイストを円滑にすべく水を添加するが、1重量%未満であれば硬くなって混合ペイストが円滑にできず、60重量%を超えると乾燥時間が長くなる問題がある。
【0064】
一方、不燃性防火ドア(壁)の軽量化及び吸音性能の向上のために特別に防火ドア(壁)の断熱及び耐火性能を向上すべく、不燃性の中空体フィラー(k)を使用し、その組成比率によって要求される耐火性能を満たす材料が製造できる。上記不燃性中空体フィラー(k)は、例えば、パーライト中空体、フライアッシュ中空体、セラミック中空体、シラスバルーン、シリカバルーン、脈斑岩バルーン、ミネラルバルーンなどの無機質中空体又はこれらの一つ以上の混合物が使用できる。
【0065】
上記の不燃性中空体フィラー(k)の組成比率は、1〜40重量%の範囲内で多様な比重を有する成形品が製造できるが、組成物の比率が1重量%未満である場合には、比重、吸音及び断熱/耐火性能にほぼ影響しないので本来の役割が期待できず、その組成比率が40重量%を超えると表面が粗く、組成物の強度が低下する問題が発生する。
【0066】
上記のような成分を含む本発明の不燃性組成物及びこの不燃性組成物で製造された成形品の製造方法は、乾式圧縮成形工法と、1次湿式及び2次乾式圧縮成形工法で区分できる。
【0067】
以下、本発明の組成物を利用して建築用不燃性成形品を製造する方法を説明するが、下記の製造方法は本発明を詳細に説明するためのものであり、下記の製造方法以外の方法によっても不燃性成形品が製造できることはいうまでもない。
【0068】
(乾式圧縮成形工法による建築内装用板材の製造)
本発明の圧縮、成形工法による優れた不燃性を有する建築内装用板材成形品の製造方法は、混合、板材成形及び乾燥を含む。まず、成分(a)、(b)、(c)、及び(d)と、選択的に成分(f)、(g)、(h)及び/又は(i)を計量システムが備えられたサイロで夫々の成分を保管し、サイロから提供される組成物を混合すべく混合室へ移送し、混合室下段の30〜50馬力のコンプレッサーが吹き込む強力な気流により組成物を事前に分散、混合する。
【0069】
1次混合は、ミキサー、例えば低速リボンミキサーで行い、製品によって選択的に1次混合された組成物を、2次で刃がついた高速粉砕ミキサーで均一に粉砕しながら混合した後、最終混合された組成物はプレス、例えば500〜3、000トンの高圧熱プレスを使用して板材に成形する。成形された板材は適当な高さで積載して自然養生を施して完成された難燃性板材成形品を製造する。
【0070】
本発明によると、上記成形品の圧縮及び引張強度を増加させるためには、プレス内に混合した組成物を投与しながら、その上/下部の内部にガラスフィバーで構成された補強メッシュを敷いて圧縮/成形すると、より高い圧縮及び引張強度を有する板材成形品が完成できる。
【0071】
(乾式圧縮成形工法による建築内装用角材の製造)
優れた不燃性のある建築内装用角材を製造するあたり、ただ製品成形のためのモールドを要求される角材サイズと同一なモールドを使用して上記建築内装用板材の圧縮、成形工法に類似な方法で完成された不燃性角材成形品が製造でき、又、既に完成された板材を切断用鋸を利用して要求される大きさに加工して所望の角材が得られる。
【0072】
本発明によると、上記成形品の圧縮及び引張強度を向上するためにアルミニウム、スチル、アクリル又は木材を角材又は板状の補強材で内部に埋め込んで補強することができる。
【0073】
(湿式及び乾式圧縮成形工法による建築内装用板材の製造)
圧縮、成形工法は、1次湿式工法と2次乾式工法を順番に施すが、1次湿式工法は、まず水分吸収率が低いフライアッシュ又はボトムアッシュ(b)及び火炎防止剤(c)を計量システムを経てミキサーで混合し、その後難燃性硬化剤(e)を噴射して均一に混合した状態の混合組成物ペイストを作り、追加に、水分吸収率の高い有機又は無機繊維(a)を分散/投入して均一に再混合した後、必要に応じて一定量の成分(e)と水を供給する。
【0074】
その後、湿式ペイストが終わった組成物を押出システムへ移送して迅速な乾燥のために、細く押出してコンベアライン又はロータリキルンで形成された乾燥装置を通過して完全に乾燥した後、粉砕機に投入して必要な粒子サイズに粉砕して2次乾式工程のために貯蔵タンクに保管する。
【0075】
続いて2次乾式工程は、1次湿式工程を経た粉砕物は成分(e)により不燃性と、十分ではないがある程度の硬度を確保した状態であるので、この粉砕物に強度増加、変形防止、仕上げ材の付着を可能にするための硬化用難燃樹脂(d)と、成分(d)の不完全な不燃性を補完するための成分(c)を混合し、必要に応じて選択的に成分(g)と(i)及び/又は(j)を追加し混合して最終的に完成される成形品の用途に応じて要求される比重が異なるが、要求される比重に合わせて選択的に適当量の成分(f)を混合する。
【0076】
たとえば、廊下のように要求される成形品の比重が1.1〜1.2g/cu・cmである場合には、比重を調節するための成分(f)の追加使用が要らないが、一般の建築内装材用板材の場合、比重は0.7〜0.9g/cu・cmが最も適当な関係であって、このような場合には要求される比重にいたるように成分(f)を調節/混合しなければならない。
【0077】
このように要求される比重に合わせて混合された組成物は、一定の厚さと規格で成形すべく高圧熱プレス(500〜3、000トン)を使用し、温度は60〜120℃、時間は1〜60分で高圧熱プレス内において圧縮/成形して不燃性板材成形品を完成する。
【0078】
この時、高周波加熱機能を追加した高圧熱プレスを使用すると成分(d)の硬化反応を迅速に進行できるので、それによりプレス内における成形時間を相当部分短縮できる。
【0079】
付加的に、板材の圧縮及び引張強度を増加するためにプレス内に混合された組成物を投与しながらその上/下部内部にガラスフィバーからなる補強用メッシュを敷いて圧縮/成形すると、より優れた圧縮及び引張強度を有する板材成形品が完成できる。
【0080】
(湿式及び乾式圧縮成形工法による建築内装用角材の製造)
優れた不燃性を有する建築内装用角材の製造は、上記建築内装用板材の圧縮、成形工法に類似な方法により不燃性角材成形品を製造できる。
【0081】
本発明によると、上記成形品の圧縮及び引張強度を増加するためには、アルミニウム、スチル、アクリル又は木材を角材又は板状の補強材で内部に埋め込んで補強できる。
【0082】
一方、優れた不燃性を有する本発明の成形品は、製作工法により多様な特性があるが、まず乾式圧縮成形工法による成形品は表面が滑らかで、養生過程に変形と収縮がなく、優れた強度を持つが、湿式及び乾式圧縮成形工法に比べて難燃性が落ちる可能性もある。
【0083】
本発明による成形品は、優れた不燃性又は難燃性及び物理的特性があるので、下記の多様な分野で使用できる。
【0084】
(1)木材防火ドア
本発明による不燃性板材、構成角材成形品を使用して製作された防火ドアは、完璧な耐、防火機能はもとより、用意な加工性、多様な仕上げ処理など、スチル防火ドアにない数多くの長所があり、特にアパートなどの共同住宅の内部木材ドアも上記木材防火ドアで設置すれば、これを境に内部火災の際に火炎拡散と有毒ガスを遮断して内部にいる人命を保護できるので、新住居環境が提供できる。
【0085】
(2)防火壁
本発明による不燃性製品を使用する場合、製造コスト及び荷重の減少はもとより既存の防火壁の厚さ(平均200m/m)も相当減少され、内部有効使用面積の増加にも寄与できる。
【0086】
(3)耐火被服用ボード
本発明による不燃性成形品でスチル部材4面を仕上げ処理して耐火被服の機能と仕上げを同時に解決できる。
【0087】
(4)不燃ボード
本発明による不燃性成形品は、石膏ボードの一部短所を改善した製品で、不燃性はもとより、加工性、ネジ支持力、多様な仕上げ材料と付着可能、廃棄物リサイクルなどのすべての面で建築用仕上げ及び内装材料として望ましい建築資材であって、優れた建築資材として活用できる。
【0088】
(5)構成板材
本発明による不燃性板材成形品を強化フロア、廊下、OAフロア、階段板、防火壁、一般間仕切壁、トイレパーティション、壁体仕上げ内装材、天井仕上げ内装材、備え付け家具、調理台、机、書類保管箱又はテーブルの構成板材として使用する場合、不燃性、軽量性、経済性などを満たした製品として使用できる。
【0089】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明をより具体的に説明するが、下記の例に本発明のカテゴリが限定されるわけではない。
【0090】
下記の実施例及び比較例により測定した各種物性の測定方法を説明する。
【0091】
1)不燃、準不燃、難燃性能特性;韓国産業標準規格KS F2271(建築物の難燃性能試験方法)に基づく難燃1級(不燃材料)、難燃2級(準不燃材料)、難燃3級(難燃材料)による測定
2)比重及び密度;韓国産業標準規格KS L5316(石膏板材料の物理的特性試験方法)に基づく比重及び密度測定
3)耐火炎性;韓国産業標準規格KS F3507(石膏ボード製品)に基づく耐火炎性測定
4)沈水安定性;韓国産業標準規格KS F5307(石膏ボード製品)に基づく沈水安定性測定
組成物による成形品の難燃性及び物理的特性は、圧縮、成形工法及び湿式工法により成形品を製造して比較しており、本発明で達成しようとする最も重要な性能基準、つまり、不燃、準不燃、難燃の性能基準に関する事項は、韓国産業標準規格KS F2271により難燃1級である不燃と、難燃2級である準不燃、難燃3級である難燃レベルに区分して、組成物の配合比率及び成形品種類により比較した。
【0092】
尚、組成物の配合比率による単位面積当たり重量変化を比較しており、本発明の組成物により成形される成形品の火災安全性は耐火炎性によって比較した。
【0093】
特に、大体の建築用仕上げ及び内装材料は、沈水安定性を要求するのでこれに対する性能を測定してその測定結果を比較した。
【0094】
(実施例1〜実施例3)
下記表1に記載された成分と量を有する本発明の組成物を混合するために混合室へ移送させ、混合室下段のコンプレッサーが吹き込む強力な気流で組成物を事前に10分間混合した。本格的な混合は低速リボンミキサーと、必要に応じて高速粉砕ミキサーで行い、混合された組成物は500トンの高圧熱プレスを使用して20m/m厚さ、500×800の大きさの板材で成形した。
【0095】
このように成形された板材は3日間自然養生を実施して完成された難燃性板材成形品を製造し、上述の測定方法により成形品の物性を評価し、その測定結果を下記表1に示した。
【0096】
乾式圧縮成形工法により製造した不燃性成形品の物性測定結果
【0097】
【表1】

上記表1の実施例1のように、乾式圧縮成形工法により製造した板材の単位面積当たり重量は0.8〜1.2の範囲程度であると確認されており、難燃性能と耐火炎性は難燃1級及び不燃性の性能を示し、水分に対する沈水安定性は全て水中でその形状を維持するなど水分に安定した。
【0098】
(実施例4〜実施例6)
下記表2において、フライアッシュ、7重量%の火炎防止剤及び選択的に5重量%の軽量化剤を計量システムを経てミキサーで10分間混合し、以後難燃性硬化剤15重量%を噴射して均一に混合した状態の混合組成物ペイストを作り、追加に水分吸収率が高い有機又は無機繊維を分散/投入して10分間均一に再混合してから、残りの難燃性硬化剤15重量%と10重量%の水を供給した。
【0099】
以後、湿式練りが終わった組成物を押出システムへ移動して細く押出してコンベアラインで形成された乾燥装置を通過して30分間完全に乾燥させた後、粉砕機に投入して粉砕した。
【0100】
ここに硬化用難燃樹脂10重量%と上記難燃樹脂の不完全な不燃性を補完するために炭酸カルシウムの残余量3%を最終混合した後、上記混合物を約150℃で約30分間高圧熱プレス内において圧縮/成形して20m/m厚さ、500×800の大きさで不燃性板材成形品を製造し、上記の測定方法により成形品の物性を評価し、その測定結果を表2に示した。
【0101】
湿式及び乾式圧縮成形工法により製造した不燃性成形品の測定結果
【0102】
【表2】

1)は、固形分含量が50%の液状で添加される
上記表2の実施例から、本発明による組成物の配合比率のフライアッシュの使用比(重量比)が高いほど比重が高くなり、廃紙粉砕物の使用比(重量比)が高いほど難燃性能と耐火炎性のレベルが低くなることがわかる。
【0103】
(比較例1〜比較例5)
まず、本発明に関して現在よく使用されている建築用仕上げ及び内装資材の製品5種類、MDF/合板、一般石膏ボード、防火石膏ボード、スレート板、セメント木毛板を上記の測定方法により物性を評価し、その測定結果を下記表3に示した。
【0104】
現在よく使用されている建築仕上げ及び内装用製品に対する物性測定結果
【0105】
【表3】

上記表3の結果から、比較例1(MDF/合板)の場合は難燃性能がなく、比較例2(一般石膏ボード)及び比較例3(防火石膏ボード)は、難燃2級及び難燃1級に表示され、火災安全には問題がない製品として認め、比較例4(スレート板)及び比較例5(セメント木毛板)の場合はもっとも火災安全に問題のない不燃性であった。
【0106】
しかし単位面積当たり重量の場合は、表3の結果のように不燃性は比較例4及び比較例5が最も優れていたが、軽量性に問題があり、水分に対する安全性に対しては石膏ボードが最も問題が大きかった。
【0107】
よって建築用仕上げ及び内装材料としてよく使用されるMDFや合板は根本的に火災安全に問題があって、建築基準法及び消防法の上使用できない材料であり、石膏ボードは建築物の用途と場所による使用制限があり、スレート板及びセメント木毛板の場合は単位面積あたり重量がMDF及び石膏ボードに比べて非常に重くて施工性が劣れた。
【0108】
一方、上記実施例と比較例を比較すれば、上記表1の実施例2及び実施例3に該当する板材の場合には、上記表3の比較例4及び比較例5に該当するスレート板及びセメント木毛板の難燃性能と同じ難燃1級であって、耐火炎性も不燃性であり、表3の比較例4と比較例5に該当するスレート板とセメント木毛板の単位面積当たり重量が1.0〜1.4であるのように、表1の実施例2及び実施例3場合の単位面積当り重量が1.0〜1.2であることが確認できた。
【0109】
本発明による優れた不燃性の上記建築内装用板材と、板材の間に断熱性能と耐火性能を向上させるために使用される不燃性の芯材成形品を製造するための方法は、
上記不燃性組成物を提供する段階;
有機又は無機繊維、フライアッシュ又はボトムアッシュ、及び火炎防止剤を夫々計量してミキサーで分散/混合した後、水と難燃性硬化剤を噴射して混合する段階;
上記混合組成物ペイストをローラープレスにより成形する段階;及び
上記成形物を10〜200℃まで温度調節ができる乾燥機で乾燥養生する段階を含む。
【0110】
その製造方法を具体的に下記する。
【0111】
(湿式工法による建築内装用芯材の製造)
まず、有機繊維又は無機繊維(a)、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)、及び火炎防止剤(c)と選択的に不燃性軽量化剤(f)、硬化促進固着剤(g)及び/又は無機着色剤(j)及び/又は(i)を夫々のサイロで組成物の種類により夫々の組成物を保管し、計量システムを備えたサイロから提供される組成物を分散、混合するための混合室へ移送し、混合室下段の30〜50馬力のコンプレッサーが吹き込む強力な気流により組成物を分散、混合する。
【0112】
混合はミキサーでし、ミキサー上段に設置された水注入口を通じて一定量の水を供給し、水の供給が終わると又他の噴射口を通じて難燃性硬化剤(e)を噴射する。その後、選択的に水に界面活性剤(h)を溶解して希釈した液状界面活性剤と、空気を気泡発生機に吹き込んで気泡を生成し、その気泡を混合組成物に供給する。
【0113】
このような組成物を均一な混合組成物ペイスト状態になるまで一定時間混合する。
【0114】
混合の後、混合組成物ペイストをコンベアによって移動させながらローラープレスにより一定厚さの芯材を成形する。
【0115】
このように成形された芯材は、例えば10〜200℃まで温度調節できる乾燥機で養生を実施して完成された不燃性芯材成形品を製造する。
【0116】
本発明の方法によると、上記難燃性硬化剤(e)と水の乾燥を迅速に進行すべく、オートクレーブ養生機を使用でき、上記ローラープレスに高周波加熱機能を与えることもできる。
【0117】
このように本発明の湿式工法で製造された不燃性芯財の場合、非常に軽量であり且つ内部の一定な多孔性の空気層を生かせるので、断熱性が良い。
【0118】
よって、本発明で製造した成形品は、優れた不燃性又は難燃性、断熱性及び物理的特性を有するので、防火ドア、防火壁、アルミニウム又はスチルプレート複合パネル、調理台のボディ及びドア、備え付け家具のボディ及びドア、一般家具、トイレパーティション、一般間仕切壁、廊下、OAフロア、階段板、強化フロア、天井仕上げ材などの不燃、内、外装材のパネルの芯材として使用する場合、不燃性、断熱性、軽量性、経済性などを満たす製品として使用することができる。
【0119】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の例に本発明のカテゴリが限定されるわけではない。
【0120】
(実施例7〜実施例9)
下記表1に記載された量で、有機繊維又は無機繊維(a)、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)及び火炎防止剤(c)と選択的に不燃性軽量化剤(f)を計量システムを備えたサイロから提供される組成物を分散、混合すべく混合室へ移送し、混合室下段の30〜50馬力のコンプレッサーが吹き込む強力な気流によって組成物を分散、混合した。
【0121】
混合はミキサーでし、ミキサー上段に設置された水注入口を通じて水を供給し、水の供給が終わると、他の噴射口を通じて難燃性硬化剤(e)を噴射した。
【0122】
組成物は均一な混合組成物ペイスト状態になるまで、10分間混合した後、混合組成物ペイストをコンベアにより移動しながらローラープレスによって20m/m厚さの芯材を成形した。このように成形された芯材を約100℃に維持する乾燥機で12時間乾燥及び養生を実施して完成された不燃性芯材成形品を製造した。
【0123】
(実施例10)
下記表4に記載された量で、有機繊維又は無機繊維(a)、フライアッシュ又はボトムアッシュ(b)、火炎防止剤(c)及び不燃性軽量化剤(f)を計量システムを備えたサイロから提供された組成物を分散、混合すべく混合室へ移送し、混合室下段の30〜50馬力のコンプレッサーが吹き込む強力な気流により組成物を分散、混合した。
【0124】
混合はミキサーでし、ミキサー上段に設置された水注入口を通じて一定量の水を供給し、水供給が終わると他の噴射口を通じて難燃性硬化剤(e)を噴射した。その後、水1、000gに界面活性剤20gを溶解して希釈した液状界面活性剤(h)と空気を気泡発生器に吹き込み気泡を生成し、その気泡を混合組成物に供給した。
【0125】
組成物が均一な混合組成物ペイスト状態になるまで10分間混合した後、混合組成物ペイストをコンベアにより移動しながらローラープレスにより20m/m厚さ及び500×800大きさの芯材を成形した。このように成形された芯材を約100℃を維持する乾燥機で12時間乾燥及び養生を実施して完成された不燃性芯材成形品を製造した。
【0126】
上記の測定方法に基づいて各実施例により製造された成形品の物性を評価し、その測定結果を表4に示した。
【0127】
湿式工法により製造した不燃性成形品の物性測定結果
【0128】
【表4】

1)は固形分含量が50%の液状で添加される
上記表4の実施例から、実施例7、実施例8及び実施例9に該当する芯材の場合は、単位面積当たり重量が0.4〜0.7の範囲で軽く、難燃性能は難燃1級に該当し、耐火炎性による測定結果は不燃性であって、建築/内装用仕上げ資材の芯材として使用するに適するものであると確認された。
【0129】
それと共に、実施例10の場合は、粉砕物の重量比が低くなりフライアッシュの使用比が高くなっているにもかかわらず内部気泡の影響で自体重量は軽く、表面は比較的硬度がよい芯材が製作できた。
【0130】
それと共に、本発明による組成物の配合比率でフライアッシュの使用比(重量比)が高いほど比重が高くなり、岩綿粉砕物の使用比(重量比)が高いほど沈水安定性が低くなった。
【0131】
本発明の不燃性板材及び角材を製造するための製造方法によると、上記圧縮、成形工法は1次混合過程と2次圧縮過程を順番に施さなければならないが、1次混合過程は、まずフライアッシュ又はボトムアッシュ(b)、火炎防止剤(c)及び硬化用難燃樹脂(d)、選択的に不燃性軽量化剤(f)などのパウダー形態の物質を計量システムを経てミキサーで混合し、以後有機繊維又は無機繊維(a)を分散/投入する。
【0132】
例えば、スーパー(ヘンシェルミキサー(商標登録))ミキサーのように刃が高速に回転しながら混合し、均一に粉砕/混合する原理のミキサー機を利用して混合した後、不燃性中空体フィラー(k)を混合するが、この際適当に粉砕された成分(a)が再凝集されることを防止するためにエアを利用して短時間内に混合することが望ましく、その後の2次圧縮工程のための貯蔵タンクに保管して待機させる。
【0133】
一方、1次混合工程を経て完成される混合物は、最終的に完成される成形品の用途によって要求される比重が異なるが、その要求される比重に合わせて適当量の混合がなされる。
【0134】
例えば、木材防火ドア(壁)の角材のように要求される成形品の比重が1.0〜1.2g/cu・cmである場合には、比重と強度を向上するために成分(b)の重量比が高くなるが、普通の建築内装板材の場合、比重は0.7〜0.9g/cu・cmが最も適当であるので要求される比重に至るように成分(b)の重量比を低め、その代わり成分(a)の重量比を高めるようにして調節/混合しなければならない。
【0135】
要求される比重に合わせて混合された組成物を予定の厚さとサイズで成形すべく、高圧熱プレス(500〜3、000トン)を使用し、温度は60〜200℃、時間は1〜60分で高圧熱プレス内において圧縮/成形して不燃性板材成形品を完成する。
【0136】
この際、高周波加熱機能を追加した高圧熱プレスを使用すると成分(d)の硬化反応を迅速に進行できるので、その分プレス内の成形時間を相当短縮することができる。
【0137】
付加的に、成形される板材の圧縮及び引張強度を増加させるために、プレス内に混合された組成物を投与しながら、その上/下部又は内部にガラスフィバーからなる補強用メッシュを敷いて圧縮/成形すればより高い圧縮及び引張強度を有する板材成形品を完成できる。
【0138】
一方、優れた不燃性の防火ドア(壁)用角材を製造するに当たって、上記建築内装用板材の圧縮、成形工法に類似な方法で完成された不燃性角材成形品を製造でき、上記建築内装用板材を使用して製作することもできる。
【0139】
優れた不燃性を有する本発明の成形品は、製作工法によって多様な製品的特性があるが、まず圧縮、成形工法による成形品は表面が滑らかで、養生過程に変形と収縮がなく、強度が高い。
【0140】
共に、上記圧縮成形段階における角材の圧縮及び引張強度を増加するためにアルミニウム、スチル、アクリル又は木材を角材又は板状に上記角材内に補強することもできる。
【0141】
本発明において、上記不燃性板材及び/又は角材で防火ドア(壁)の骨組を構成した後、その内部に不燃性芯材を埋め込んで不燃性防火ドア(壁)を製造する。
【0142】
上記芯材は軽量気泡コンクリート、オートクレーブ軽量コンクリート、軽量気泡ミネラルボード、軽量気泡ガラスボード、バルクやブランケット又はマット状の岩綿、玄武岩綿、ガラスウール又はセラミックウールでもいい。
【0143】
尚、上記芯材は、上記有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、上記フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、上記火炎防止剤1〜80重量%及び難燃性硬化剤1〜60重量%を含む不燃性組成物を混合させてから、ローラープレス又はオートクレーブにより成形して製造された不燃性芯材でもある。
このような芯材は、本出願人により出願されてある。
【0144】
又、防火ドアの一部をなすフレームは、基本的に上記不燃性板材や角材で製作して完成されるが、既存のスチルフレームやステンレスフレームを活用して代わりにしても防火機能など基本的な機能を問題なく行える。
【0145】
必要に応じて、上記防火ドア(壁)の一面以上に不燃性鉄板、ミネラルボード、岩綿ボード、シリカボード、石膏ボード、マグネシウムボード又はアルミナボードを更に付着することができ、上記防火ドア(壁)の一面以上にMDF、合板、天然木目柄、インテリアフィルム、アルミニウム板又は装飾紙を更に付着することができる。
【0146】
下記の実施例及び比較例をもって本発明を具体的に説明するが、下記例に本発明のカテゴリが限定されるわけではない。
【0147】
(実施例11〜実施例14)
まず表1に記載された成分と量でフライアッシュ又はボトムアッシュ(b)、火炎防止剤(c)及び硬化用難燃樹脂(d)を計量システムを経てミキサーで混合し、以後有機繊維又は無機繊維(a)を分散/投入してスーパー(ヘンシェルミキサー(商標登録))ミキサー機を利用して均一に粉砕し混合してから、不燃性中空体フィラー(k)を混合するが、この際、適当に粉砕された成分(a)が再凝集されることを防止するためにエアを利用して10分間混合した後、2次圧縮工程のために貯蔵タンクに保管して待機した。
【0148】
その後、上記組成物を約150℃の温度で約30分間高圧熱プレス(約1、000トン)内で35m/m厚さと900×2、100大きさで圧縮/成形して不燃性板材成形品を製造し、上記のような測定方法で成形品の物性を評価し、その測定結果を表1に示した。
【0149】
圧縮、成形工法により製造した不燃性成形品の物性測定結果
【0150】
【表5】

上記表5の実施例11及び実施例12のように圧縮、成形工法で製造した板材と、実施例13及び実施例14のように圧縮、成形工法により製造した角材は圧縮、成形工法による組成物の配合比率で、岩綿の使用比(重量比)が高いほど比重が低くなることを確認でき、各実施例ともに難燃性能と耐火炎性のレベルには変化がなかった。
【0151】
(比較例6〜比較例10)
一方、本発明に関して現在多用されている建築仕上げ及び内装用資材の製品5種類、MDF/合板、一般石膏ボード、防火石膏ボード、スレート板、セメント木毛板を上記の測定方法により物性を評価し、その測定結果を下記表6に示した。
【0152】
現在多用されている建築仕上げ及び内装用製品に対する物性測定結果
【0153】
【表6】

上記のように、上記の表6の比較例6(MDF、合板)の場合には難燃性能が全くなく、比較例7(一般石膏ボード)及び比較例8(防火石膏ボード)は難燃性能が夫々難燃2級及び難燃1級であるので、火災安全には問題のない製品であることが確認できた。比較例9(スレート板)及び比較例10(セメント木毛板)の場合が最も火災に安全な不燃性である。
【0154】
しかし、表6の結果のように、不燃性は比較例9及び比較例10が最も優れていたが、単位面積当たり重量は1.0〜1.4で重くて軽量性に問題があり、水分に対する沈水安定性に対しては石膏ボードが最も問題があった。
【0155】
よって、建築用仕上げ及び内装材料として多用されるMDFや合板は根本的に火災安全に問題があって、建築基準法及び消防法の上使用できない材料であり、石膏ボードは建築物の用途と場所による使用制限があり、スレート板及びセメント木毛板の場合、単位面積当たり重量がMDF及び石膏ボードに比べて非常に重くて施工性が劣る。
【0156】
以下、上記の実施例と比較例の測定結果を比較する。
【0157】
上記表6の実施例11及び実施例12のように圧縮、成形工法により製造した板材の単位面積当たり重量は0.7〜0.9の範囲で、表2の比較例6のMDFに類似な重量であるが、難燃性能と耐火炎性は比較例8の防火石膏ボードと類似な性能であり、水分に対する沈水安定性は全て水中でその形状が維持できるなど水分に安定していた。
【0158】
上記表6の実施例13及び実施例14のように圧縮、成形工法により製造した角材の場合、表6の比較例9に該当するスレート板と、比較例10に該当するセメント木毛板の難燃性能のような難燃1級であって、耐火炎性も不燃性であり、表6の比較例9に該当するスレート板と比較例10に該当するセメント木毛板の単位面積当たり重量が、1.0〜1.4の範囲であるように、表5の実施例13及び実施例14の場合単位面積当たり重量が1.0〜1.2の範囲を有すると確認された。
【0159】
(試験例1)
上記表5の実施例11による板材と、実施例13による角材を利用して防火ドアの骨組とフレームを形成し、その内部に芯材としてセラミックウールを埋め込み、一面は合板で仕上げ処理して35m/m厚さと900×2、100の大きさで製作された不燃性防火ドアを国家公認試験機関である韓国建設技術研究院で韓国産業標準規格KS F2257による火災試験、つまり1時間実施する甲種防火ドア試験を実施して表7のような防火試験規定に適合する試験結果が得られた。
【0160】
板材、角材、芯材で製造した不燃性防火ドアの物性試験結果
【0161】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明によると、不燃/準不燃/難燃性の板材及び角材の製造に提供される不燃性組成物の1〜70重量%は、廃資材をリサイクルできるので低いコストで製造でき、構成組成物の全てが火災が発生して接触しても火炎及び有毒ガスが発生しないので、建築用仕上げ及び内装材料として適切に使用できる。
【0163】
尚、加工性(鋸加工、スクリュー締結、かんな掛け加工、木目柄及びフィルム紙の接着、塗装など)が容易で、優れた製品強度及び耐水性を有し、変形がなく、不燃性である上に木材やボードのような用途で使用できるので、多様な建築用内/外装材料として使用でき、これを建築用板材として使用時に、火災発生の場合、火災の拡散防止はもちろん、火炎と有毒ガスから大切な人命と財産が保護できる安全な生活空間を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び硬化用難燃樹脂1〜30重量%を含むことを特徴とする不燃性組成物。
【請求項2】
有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%、硬化用難燃樹脂1〜30重量%及び難燃性硬化剤1〜60重量%を含むことを特徴とする不燃性組成物。
【請求項3】
有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び難燃性硬化剤1〜60重量%を含むことを特徴とする不燃性組成物。
【請求項4】
有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%、硬化用難燃樹脂1〜30重量%及び不燃性中空体フィラー1〜40重量%を含むことを特徴とする防火ドア(壁)用の不燃性組成物。
【請求項5】
上記有機繊維が繊維質状態に破砕した紙粉砕物、木材粉、廃繊維、米糠、植物性フィバー又はこれらの混合物であり、上記無機繊維が岩綿、ガラスウール、玄武岩綿、セラミックウール又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の不燃性組成物。
【請求項6】
上記難燃性硬化剤が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の不燃性組成物。
【請求項7】
上記火炎防止剤が、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、その他の炭酸塩又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の不燃性組成物。
【請求項8】
上記硬化用難燃樹脂は、フェノール樹脂、難燃ポリエステル樹脂又はメラミン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2又は4に記載の不燃性組成物。
【請求項9】
上記組成物が微粒子パーライト、微粒子バーミキュライト、岩綿廃棄物、珪藻土、ゼオライト又はこれらの混合物からなる群から選択された不燃性軽量化剤1〜50重量%を更に含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の不燃性組成物。
【請求項10】
上記組成物が、硬化促進固着剤、界面活性剤及び無機着色剤からなる群から少なくとも一つ選択されたその他の添加剤1〜10重量%、及び/又は水1〜60重量%を更に含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の不燃性組成物。
【請求項11】
上記硬化促進固着剤が、マグネシア、石膏プラスター、無機酸又は有機酸の混合物、ケイ酸カルシウム又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項10に記載の不燃性組成物。
【請求項12】
上記無機着色剤が、二酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求項10に記載の不燃性組成物。
【請求項13】
有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び硬化用難燃樹脂1〜30重量%を含む請求項1による不燃性組成物を混合させた後、高圧熱プレスを用いて所定の形態に圧縮成形することを特徴とする不燃性成形品の製造方法。
【請求項14】
請求項2による不燃性組成物の成分比の範囲内で、
フライアッシュ又はボトムアッシュ、及び火炎防止剤を混合させる段階;
上記混合物に難燃性硬化剤を噴射してから、有機又は無機繊維を分散/投入して混合する段階;
上記混合物を押出システムで押し出し、乾燥システムにおいて乾燥した後、粉砕機で必要な粒子サイズに粉砕する段階;及び
上記粉砕物に硬化用難燃樹脂及び火炎防止剤を混合し、その混合物を高圧熱プレスを用いて所定の形態に圧縮成形する段階を含むことを特徴とする不燃性成形品の製造方法。
【請求項15】
上記成形品が建築用板材又は角材であることを特徴とする請求項13又は14に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項16】
上記成形品が板材である場合、ガラスフィバーからなるメッシュを補強する段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項17】
上記成形品が角材である場合、アルミニウム、スチル、アクリル又は木材を角材又は板状の補強材で内部に埋め込んで補強させる段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項18】
上記有機又は無機繊維を分散/投入して混合させる段階の後に難燃性硬化剤と水を供給する段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項19】
上記圧縮成形する段階において、成形物の比重によって不燃性軽量化剤が更に添加されることを特徴とする請求項13又は14に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項20】
請求項13又は14による製造方法で製造されることを特徴とする建築用不燃性成形品。
【請求項21】
上記成形品が防火ドアの板材及び/又は角材、不燃ボード又は耐火ボードであることを特徴とする請求項20に記載の建築用不燃性成形品。
【請求項22】
請求項3による不燃性組成物を提供する段階;
有機又は無機繊維、フライアッシュ又はボトムアッシュ、及び火炎防止剤を夫々計量しミキサーで分散/混合した後、水と難燃性硬化剤を噴射して混合させる段階;
上記混合組成物ペイストをローラープレスにより成形させる段階;及び
上記成形物を10〜200℃まで温度調節できる乾燥機で乾燥養生する段階を含むことを特徴とする不燃性成形品の製造方法。
【請求項23】
上記ローラープレスは高周波加熱機能を有することを特徴とする請求項22に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項24】
上記方法が難燃性硬化剤と水の乾燥を迅速に進行させるためのオートクレーブ養生機の使用を含むことを特徴とする請求項22に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項25】
上記成形品が建築用の仕上げ及び内装材料の芯材であることを特徴とする請求項22に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項26】
上記方法がローラープレス又はオートクレーブへ移動前に水と界面活性剤の混合物と、空気を気泡発生器に導入して生成した気泡を混合物に供給してから混合する段階を更に含むことを特徴とする請求項22又は24に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項27】
請求項22ないし25のいずれか一項の製造方法により製造されたことを特徴とする建築用不燃性成形品。
【請求項28】
上記成形品が防火ドア、防火壁、アルミニウム又はスチルプレート複合パネル、調理台のボディ及びドア、備え付け家具のボディ及びドア、一般家具、トイレパーティション、一般間仕切壁、廊下、OAフロア、階段板、強化フロア又は天井仕上げ材パネルの芯材であることを特徴とする請求項20又は27に記載の建築用不燃性成形品。
【請求項29】
請求項4による不燃性組成物を提供する段階;
上記フライアッシュ又はボトムアッシュ、火炎防止剤及び硬化用難燃樹脂を混合させる段階;
上記混合物に有機繊維又は無機繊維を分散/投入して粉砕/混合した後、
エアを利用した混合機で不燃性中空体を最終混合する段階;
上記混合物を高圧熱プレスを用いて板材又は角材で圧縮成形する段階;及び
上記板材及び/又は角材で防火ドア(壁)の骨組を構成し、その内部に不燃性芯材を埋め込む段階を含むことを特徴とする不燃性成形品の製造方法。
【請求項30】
上記圧縮成形段階において板材の圧縮及び引張強度の増加のためにガラスフィバーからなるメッシュを上記板材の内部及び/又は外部に補強する段階を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項31】
上記圧縮成形段階において、角材の圧縮及び引張強度の増加のためにアルミニウム、スチル、アクリル又は木材を角材又は板状で上記角材内に補強する段階を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項32】
上記方法がフライアッシュ又はボトムアッシュ、火炎防止剤及び硬化用難燃性樹脂の混合時に不燃性軽量化剤、硬化促進固着剤及び/又は無機着色剤を混合する段階を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項33】
上記不燃性芯剤が、軽量気泡コンクリート、オートクレーブ軽量コンクリート、軽量気泡ミネラルボード、軽量気泡ガラスボード、バルク、ブランケット又はマット状の岩綿、玄武岩綿、ガラスウール又はセラミックウールであることを特徴とする請求項29に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項34】
上記不燃性芯材が、有機繊維又は無機繊維1〜80重量%、フライアッシュ又はボトムアッシュ1〜80重量%、火炎防止剤1〜80重量%及び難燃性硬化剤1〜60重量%を含む不燃性組成物を混合させてから、ローラープレス又はオートクレーブにより成形し製造されたことを特徴とする請求項29に記載の不燃性成形品の製造方法。
【請求項35】
請求項29ないし34のいずれか一項の方法により製造されたことを特徴とする不燃性成形品。
【請求項36】
上記成形品の少なくとも一面に不燃性鉄板、ミネラルボード、岩綿ボード、シリカボード、石膏ボード、マグネシウムボード又はアルミナボードを更に付着させることを特徴とする不燃性成形品。
【請求項37】
上記成形品の少なくとも一面にMDF、合板、天然木目柄、インテリアフィルム、アルミニウム板又は装飾紙を更に付着することを特徴とする請求項35に記載の不燃性成形品。

【公表番号】特表2007−507579(P2007−507579A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532073(P2006−532073)
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002447
【国際公開番号】WO2005/030671
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506106006)
【Fターム(参考)】