説明

不織マット、該不織マットの製造方法、及びファイバ複合材料

本発明は、溶融ファイバとしての高性能熱可塑性物質と補強ファイバとを備える半製品としての不織マットに関し、そして、この種の不織マットを製造する方法、及び前記不織マットから製造されるファイバ複合材料にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融ファイバとしての高性能可塑性物質と補強ファイバとを含む半製品としての不織マット、このようなタイプの不織マットを製造する方法、及び前記不織マットから製造されるファイバ複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
最先端技術によると、紙製品由来の生産過程の典型的な方式における湿式方法による不織布の生産が知られている。「不織布(Viley-VCH, Vilay VCH Press, Weinheim 2000)の235ページ以下には、この種の方法が記載されている。ここでこの方法では、水にファイバが分散するように実施され、次に、濾過とこれに続く圧縮によってワイヤベルト上に連続的な不織構成物を作用させ、形成された不織物の乾燥及び巻き取りが行われる。
【0003】
この種の方法は、基本的に紙製品、例えば合成繊維紙、ティーバッグ紙、空気フィルタ紙やタバコ巻紙などに用いられている。
【0004】
最先端技術の方法は、従って、最終製品としての特別な紙または特別な工業技術の紙の製造にのみ適用されていた。
【0005】
本技術の状況によれば、溶融ファイバと補強ファイバとから形成されるモールド品も知られている。EP0 774 343 A1には、コア層とカバー層を備え、該コア層が溶融ファイバ及び補強ファイバから形成されたモールド品が開示されている。しかしながら、このモールド品は、上記欧州出願で言及された使用目的にのみ適していることが示されている。EP0 774 343 A1によれば、実際に、このモールド品は密度及び強度に関して不十分な特性を備え、故にその適用性に限定されてしまっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、高密度のファイバ複合材料を製造するための半製品として好適な新規な不織マットを提供することである。更に、この観点から、本発明の目的は、この種の不織マットを製造するための方法を示すことである。加えて、この方法は、この方法によって達成できる有用な構成品及び特性の可変性を得ることを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、不織マットについては請求項1の特有な特徴から達成され、不織マットの製造方法については請求項22の特徴から達成され、ファイバ複合材料については請求項30の特徴から達成される。これらの従属項は、有利な応用を示している。
【0008】
本発明によれば、故に、高性能の可塑性物質からなる少なくとも一つの第1のファイバ層を溶融ファイバとして含み、高性能材料からなる少なくとも一つの第2のファイバ層を補強ファイバとして含む不織マットが提案される。不織マット中で個々のファイバはバインダによって接合される。本発明の主題に関しては、前記不織マットにおいて、前記溶融ファイバが前記補強ファイバより短いファイバ長さを有することが必須である。ここで、溶融ファイバは前記不織マットに30〜90重量%の重量割合で含まれており、前記補強ファイバは前記不織マットに10〜70重量%の重量割合で含まれている。
【0009】
前記溶融ファイバのファイバ長さが前記補強ファイバのファイバ長さより短いという事実の結果、二種のファイバの均質な混合が達成され、更に引き続き行われる半製品の処理に関し、ファイバ複合材料における補強ファイバの一様で均一な分配が達成される。この層におけるファイバのファイバ配向は、等方性及び/又は異方性とすることができる。
【0010】
本発明に基づく方法に関しては、従って、溶融ファイバが0.1mm〜30mmであることが好ましく、好適には2mm〜6mmであり、特に好ましくは2.5mm〜3mmである。更に、ファイバ長さはできるだけ均一であることが確保されるべきであり、これにより、不織マットにおいて溶融ファイバの均一な分配を可能な限り達成することができる。高性能材料からなる補強ファイバも同様に0.1mm〜30mmの長さを持つことができるが、請求項1で定義されているように、それぞれ常に溶融ファイバより長い。補強ファイバに適した長さは6mm〜18mmであり、特に好ましくは6mm〜12mmである。補強ファイバに関しても、ファイバ長さができるだけ均一であることが確保されるべきである。
【0011】
材料の観点からは、本発明は、溶融ファイバに関し最先端技術で知られている、高性能可塑性物質からなる全てのファイバを含む。この種のファイバの例としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ-P-フェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)又はポリエーテルサルフォン(PES)及び/又はこれらの混合物からなるファイバがある。
【0012】
補強ファイバに関しては、高性能材料から製造されるファイバを用いることができる。これらの例としては、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、メタルファイバ、グラスファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、セラミックファイバ、天然ファイバ及び/又はこれらの混合物からなるファイバがある。
【0013】
既に述べたように、本発明の不織マットは、個々のファイバが共にバインダによって接合されるように構成される。これによりファイバそれ自身はなお、それが最初からあったように存在し、単に交点又は接触点においてバインダによって相互に接着されるだけである。補強ファイバが離れて広がってしまうこと及び/又は不均質な混合は回避しなければならないので、後に製造される混合材料にとって、この不織マットの構成は重要である。
【0014】
ここで、バインダ自身は物理的に作用する及び/又は接着によるバインダとすることができる。
【0015】
物理的に作用するバインダが用いられれば、このバインダによるファイバの締め付け/引っ掛けによって接合効果が達成される。この理由から、バインダとして、フィラメント、フィブリッド及び/又は繊維質バインダが好適である。
【0016】
この種のバインダの長所は、引き続き行われる加圧及び加熱下における更なる処理の間において、基本的に組織からそのバインダを除去する必要がなくその代わりに完成材料内に保持されたまま残るので、この材料の特性も一定に制御できることである。
【0017】
その融点が溶融ファイバの融点より低い場合には溶融接着バインダ(熱接着)を選択することができ、これにより接着効果が生じる。
【0018】
バインダに関しては、本発明によれば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセテート(PVAC)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン(PUR)、樹脂特にメラミン樹脂又はフェノール樹脂、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、芳香族ポリアミド(アラミド)、及びこれらの共重合体に基づくバインダを使用することができる。
【0019】
バインダは分散物質であってもよく、又はフィラメント、フィブリッドの形状であることも可能であり、又は繊維のような特性を有することもできる。この種のバインダについては、長さ/幅/高さの比に関する幾何的構造は、個々のパラメータの他のパラメータに対する比は1:1から1:100,000の範囲で変化させることができる。
【0020】
本発明の不織マットは、当然、更なる添加物を含むことができる。このような添加物は、不織マットの特性に影響を与え、これによって該不織マットによって製造される次のファイバ複合物の特性にも影響を与えるために用いられる。本発明によれば、従って、電気伝導性、熱伝導性、摩擦的性質、耐温度性、衝撃強さ、強度又は摩擦抵抗のような特性に影響を与えるために添加物を用いることができる。この種の添加物は、例えば、繊維、フィラメント、フィブリッド又はパルプの形態で使用することができる。添加物は、PTFE繊維又は粉末剤、PI繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、又は、金属及び/又はセラミック粉末剤及び有機粉末剤とすることができる。ナノスケールのC-ファイバは特に好適である。従って、この不織マットは機能層としても機能する。
【0021】
ここで、本発明の不織マットは単位重量が非常に小さいことが重要である。厚さに関し縦方向及び横方向に、このシートが高い均一性を有することも特徴である。使用される補強ファイバ及び溶融ファイバとこれらの重量比率により、不織マットは8から400g/m2、好ましくは50から150g/m2の単位面積重量を有することができ、30から500kg/m3、好ましくは100から200kg/m3の密度を有することができる。本発明の不織マットは、好ましくは0.1mmから4mm、特に好ましくは0.5mmから2mmの厚さである。この小さい単位面積重量によって、次の圧縮処理において極めて薄いモールド品を生産することが可能になる。
【0022】
更に、本発明の不織マットは、平坦な基体を該不織マットの外側の少なくとも一方に取り付けて構成されるようにすることもできる。この平坦な基体は例えば機能層となるように構成することができ、これは更なる処理工程すなわち半製品が最終製品へと処理されるときにおいてこの機能層が後に伝導性のような特定の機能や特別の接着機能を果たすことができるという利点がある。これに関しては、平坦な基体は織布、編んだ布、紙または不織物とすることが可能である。本発明の不織マットの更なる代替によれば、少なくとも二つの不織マットが上下に配置されたもの、すなわち、追加の不織マットが平坦な基体として機能する、二つの不織マットの複合材料が提供される。
【0023】
更に本発明は、上述の不織マットの製造方法に関する。本発明のこの方法は、溶融ファイバと補強ファイバとが分散媒、好ましくは水に分散され、濾過によって連続的な不織布形成がワイヤベルト上に達成され、続いて不織マットの圧縮および乾燥が達成される。ここで、バインダは分散工程の間及び/又は不織布形成工程の間に加えることができる。
【0024】
最先の技術から既に本来的に知られているように、本発明の方法は、斜め移動するワイヤで実施される。
【0025】
更に、バインダが分散状態で加えられればより好ましい。ここで、前記分散工程の間及び前記不織布形成工程の間の両方において、バインダを追加することが達成できる。
【0026】
同様に、前記分散工程の間または前記不織布形成工程の間に添加剤を加えることができる。
【0027】
分散物の材料組成及び/又は斜めワイヤに向けた分散物の供給速度及び/又はその輸送速度によって、不織布の単位面積重量、密度及び厚さをコントロールできることは、本発明の方法の利点である。これにより、上述のように8から400g/m2の単位面積重量を備え30から500kg/m3の密度を備える不織マットを製造することができる。本発明の方法では、抽出物の分散物の形態で均質な混合物を作ることが可能であることが重要であり、それ故に、ワイヤ上にこの分散物を集積する間に、種々のファイバ即ち溶融ファイバ及び補強ファイバの均質な分布が達成される。本発明の方法に関し、特に驚くべきことは、上述のファイバから製造された不織マットが優れた復元性を備えていたことである。当然、更なる処理工程を経てこの不織マットを最終製品に加工処理することができる。
【0028】
外側の少なくとも一方に平坦な基体を備える不織マットを製造するために、傾斜ワイヤ上に配設されたシート材によって形成された不織構成物が提供される。このシート材は、編まれた布、織布又は不織物とすることができる。
【0029】
本発明は更に、請求項30の特徴に基づくファイバ混合材料に関する。
【0030】
本発明のファイバ複合材料は、特に、複合材料の重量割合に対して30から90重量%の重量割合の補強ファイバが均一に複合材料中に分布されている点に特徴がある。ファイバ複合材料のマトリクス中のファイバの配向は等方性及び/又は非等方性とすることができる。ここでファイバ複合材中のファイバのファイバ長さは0.1mmから30mmであり、好ましくは6mmから18mmであり、極めて好ましくは6mmから12mmである。これに関しファイバは、最先の技術で知られているような高性能材料からなるファイバから選択される。この不織マットの説明について言及する。
【0031】
本発明のファイバ複合材のマトリクスは、好適には高性能熱可塑性材料から形成される。材料の観点については、不織マットのケースで既に上述されたものと同様な高性能熱可塑性材料を用いることができる。
【0032】
本発明のファイバ複合材料は0.25から6g/cm3の間の密度を有することが重要である。本発明のファイバ複合材料によって得ることができる密度は、達成可能な最大密度の30%から100%の間であることが明らかになった。この達成可能な最大密度は、個々の初期材料すなわち補強ファイバ及びマトリクスの密度から計算される。この結果、金属材料と類似の特性を備える高性能材料が初めて入手可能となった。故にこの材料はプラスチックシートメタルとして表現できるかもしれない。
【0033】
本発明によるファイバ複合材料は、好ましくは平坦構造の形状にあるが、当然、更に三次元構造に成形することもできる。平坦構造の形状でのファイバ複合材料の厚さは、好ましくは0.01から0.2mmの間である。
【0034】
本発明によるファイバ複合材料は、更なる別の機能層を備えることができる。この機能層は、本発明のファイバ複合材料の少なくとも一つの側に備えられる。
【0035】
本発明のファイバ複合材料は、好ましくは、請求項1乃至20の少なくとも一つに基づく少なくとも一つの不織マットを加熱された機器内で圧縮することによって製造される。この点では好適な圧力は0.05−15N/mm2である。製造されるファイバ複合材料の密度は、加えられる圧力及び/又は使用される補強ファイバによって調節できる。
【0036】
本発明は、製造物の例及び図面への言及と共に、引き続き詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
例1:不織マットの製造物例
VP00054の下、例として不織物を製造した。
PPS カット長さ3mm 81重量%
カーボンファイバ カット長さ6mm 19重量%
相対的に:
接合ファイバPVA 4mm 10重量%
単位面積重量 128g/m2
厚さ 0.95mm
密度 0.135g/cm3
【0038】
例2:ファイバ複合材料のための製造物例
一層圧縮
圧縮温度 350℃
表面圧力 3.3N/mm2
厚さ 110μm
密度 1.17 g/cm3
【0039】
図1は、本発明に基づく不織マットを製造するために用いられた傾斜ワイヤ装置の概要図を示している。ここで装置1は、斜め移動ワイヤ2と、溶融ファイバ及び補強ファイバの分散物を斜め移動ワイヤ2に供給する水平供給機構4とを備える。ここで斜め移動ワイヤ2は、水分除去が可能なように構成されている。この目的のために対応する収集コンテナ4が設けられている。不織物の厚さを生じさせるため、厚さ調節をコントロールするための調節可能な対応する装置5が配設されている。上述のように、ファイバを含む分散物は水平チャネル3を通り、ローラ6によって指向される回転ベルトまでガイドされる。分散物を供給した後は、バインダによる個々のファイバの接合を確実にするために、不織物は乾燥機構7に通過するようガイドされる。次に、このように製造された不織マットを取り除く。
【0040】
図2及び3は、本発明のファイバ複合材料の電子顕微鏡画像を示している。図2及び3のファイバ複合材料は、補強ファイバとしてのグラスファイバと溶融ファイバとしてのPPSとを含む不織マットから製造された複合材料である。図2及び3の電子顕微鏡画像が示すように、補強ファイバ9が熱可塑性物質マトリクス中で均一に分布されている。対応するファイバ複合材料がほとんど変化せずに、特に短くされることなく存在していることが、図2及び3から明らかになっている。これは、全く補強されていない熱可塑性フィルムと比べ、モジュールにおける材料の弾力性と特に引っ張り強さとを増加させるのに決定的に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】不織マットを製造する機器の概要図を示している。
【図2】本発明のファイバ複合材料の電子顕微鏡画像を示している。
【図3】本発明のファイバ複合材料の電子顕微鏡画像を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半製品としての不織マットであって、
前記不織マットの全体に対して30から90%の重量割合であり、高性能の熱可塑性物質からなる溶融ファイバとしての少なくとも一つの第1のファイバと、
前記不織マットの全体に対して10から70%の重量割合であり、前記溶融ファイバと比較して温度安定度が高い高性能材料からなる少なくとも一つの第2の補強ファイバと、
前記不織マットの全体に対して1から10%の重量割合のバインダと、
を含み、
前記溶融ファイバのファイバ長さが前記補強ファイバのファイバ長さより短い不織マット。
【請求項2】
前記溶融ファイバ及び前記補強ファイバのファイバ長さが0.1mmから30mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の不織マット。
【請求項3】
前記溶融ファイバの長さが2mmから6mmであることを特徴とする請求項2に記載の不織マット。
【請求項4】
前記溶融ファイバの長さが2.5mmから3.5mmであることを特徴とする請求項3に記載の不織マット。
【請求項5】
前記補強ファイバの長さが6mmから18mmであることを特徴とする請求項2に記載の不織マット。
【請求項6】
前記補強ファイバの長さが6mmから12mmであることを特徴とする請求項5に記載の不織マット。
【請求項7】
前記溶融ファイバは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ-P-フェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド及び/又はポリエーテルサルフォン及び/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項8】
前記補強ファイバは、グラスファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、セラミックファイバ、メタルファイバ、ポリイミドファイバ、ポリベンゾオキサゾールファイバ及び天然ファイバ及び/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項9】
前記バインダは、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、樹脂、ポリオレフィン、芳香族ポリアミド、又はこれらの共重合体に基づく化合物、又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項10】
前記バインダは、フィラメント、フィブリッド及び/又は繊維質バインダから選択され、その幾何形状は比について個々のパラメータの長さ/幅/高さ比が他のパラメータに対して1:1から1:100,000の範囲内で変更されることを特徴とする請求項9に記載の不織マット。
【請求項11】
前記不織マットが更に添加物を含んでいることを特徴する請求項1乃至10のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項12】
前記添加物は、潤滑添加物、ファイバ、フィラメント、フィブリッド、パルプ、金属又はセラミックパウダ、又は有機パウダから作られる添加物、及び/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11に記載の不織マット。
【請求項13】
PTFEファイバ又はパウダ、PIファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ又はパウダ、及び/又は金属パウダが添加物として用いられることを特徴とする請求項12に記載の不織マット。
【請求項14】
前記不織マットが8から400g/m2の単位面積重量を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項15】
前記不織マットが30から500kg/m3の密度を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項16】
前記不織マットが0.1mmから4mmの厚さを有することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項17】
前記不織マットの外側の少なくとも一方に平坦な基体を備えることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項18】
織物、編み物、紙又は不織物の形態の絡み合い構造となっていることを特徴とする請求項17に記載の不織マット。
【請求項19】
前記不織マットは少なくとも二つの不織マットの複合材料であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項20】
前記溶融ファイバと補強ファイバとが前記マット中に均質に分布され存在することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項21】
前記溶融ファイバと補強ファイバとが前記マット中に非均質に分布されて存在することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項22】
請求項1乃至21の少なくとも一つに基づく不織マットを製造する方法であって、
好ましくは水からなる分散媒に前記溶融ファイバと前記補強ファイバとを分散させ、
濾過及び後の圧縮によりワイヤベルト上で連続的な不織物形成を達成すると共にその不織の絡み合い物の乾燥を実行し、前記バインダを前記分散の工程の間及び/又は前記不織物形成の間に加えることを特徴とする方法。
【請求項23】
斜め移動ワイヤを用いて実行を行うことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記バインダをファイバの形態で分散媒に加えることを特徴とする請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記添加物をファイバ又はパウダの形態で添加することを特徴とする請求項22乃至24の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項26】
前記添加物を、前記分散の工程の間及び/又は前記不織物形成の間に添加し又は散布することを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記不織物の単位面積重量及び厚さを、前記分散物の材料組成及び/又は前記分散物の前記斜めワイヤに向けた供給速度及び/又はその輸送速度によってコントロールすることを特徴とする請求項22乃至26の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項28】
前記斜めワイヤ上に配設されたシート材によって前記不燃物形成を達成することを特徴とする請求項22乃至27の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項29】
編物、織物又は不織物をシート材として用いることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも一つの補強ファイバと熱可塑性物質から作られたマトリクスとを含むファイバ複合材料であって、
0.1から30mmのファイバ長さを有する高性能材料から選択された補強ファイバを30重量%から90重量%含み、前記高性能材料のマトリクス中で前記補強ファイバが非等方性となっていることを特徴とするファイバ複合材料。
【請求項31】
前記補強ファイバは、グラスファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、セラミックファイバ又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項30に記載のファイバ複合材料。
【請求項32】
前記マトリクスは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ-P-フェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド及び/又はポリエーテルサルフォンから選択される高性能熱可塑性物質を有することを特徴とする請求項30又は31に記載のファイバ複合材料。
【請求項33】
前記ファイバ複合材料が0.25g/cm3から6g/cm3の密度を有することを特徴とする請求項30乃至32のいずれか1項に記載のファイバ複合材料。
【請求項34】
前記ファイバ複合材料の密度が、前記マトリクス材料と前記補強ファイバとの密度から計算される達成可能な最大密度の30から100%であることを特徴とする請求項33に記載のファイバ複合材料。
【請求項35】
前記ファイバ複合材料は、該材料の少なくとも一の側に機能層を備えていることを特徴とする請求項30乃至34の1項に記載のファイバ複合材料。
【請求項36】
前記ファイバ複合材料は0.01mmから1.6mmの厚さを有することを特徴とする請求項30から35の1項に記載のファイバ複合材料。
【請求項37】
請求項1乃至20の少なくとも1項の不織マットの少なくとも二つを加熱された機器内で圧縮することにより製造することができる請求項30から36の1項に記載のファイバ複合材料。
【請求項38】
前記圧縮は、0.05‐15N/mm2の圧力で生成されたことを特徴とする請求項37に記載のファイバ複合材料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半製品としての不織マットであって、
前記不織マットの全体に対して30から90%の重量割合であり、0.1から30mmのファイバ長さを備え、熱可塑性物質からなる溶融ファイバとしての少なくとも一つの第1のファイバと、
前記不織マットの全体に対して10から70%の重量割合であり、0.1から30mmのファイバ長さを備え、前記第1のファイバと比較して温度安定度が高い少なくとも一つの第2の補強ファイバと
含み、
前記不織マットの全体に対して1から10重量%のバインダによって、前記第一のファイバと前記少なくとも一つの補強ファイバとが単に交差点又は接触点で接合されており、
前記第1のファイバのファイバ長さが前記補強ファイバのファイバ長さより短く、前記不織マットが8から400g/m2の単位面積重量を備える不織マット。
【請求項2】
前記第1のファイバの長さが2mmから6mmであることを特徴とする請求項に記載の不織マット。
【請求項3】
前記第1のファイバの長さが2.5mmから3.5mmであることを特徴とする請求項に記載の不織マット。
【請求項4】
前記補強ファイバの長さが6mmから18mmであることを特徴とする請求項に記載の不織マット。
【請求項5】
前記補強ファイバの長さが6mmから12mmであることを特徴とする請求項に記載の不織マット。
【請求項6】
前記第1のファイバは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ-P-フェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド及び/又はポリエーテルサルフォン及び/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項7】
前記補強ファイバは、グラスファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、セラミックファイバ、メタルファイバ、ポリイミドファイバ、ポリベンゾオキサゾールファイバ及び天然ファイバ及び/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項8】
前記バインダは、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、樹脂、ポリオレフィン、芳香族ポリアミド、又はこれらの共重合体に基づく化合物、又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項9】
前記バインダは、フィラメント、フィブリッド及び/又は繊維質バインダから選択され、その幾何形状は比について個々のパラメータの長さ/幅/高さ比が他のパラメータに対して1:1から1:100,000の範囲内で変更されることを特徴とする請求項に記載の不織マット。
【請求項10】
前記不織マットが更に添加物を含んでいることを特徴する請求項1乃至のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項11】
前記添加物は、潤滑添加物、ファイバ、フィラメント、フィブリッド、パルプ、金属又はセラミックパウダ、又は有機パウダから作られる添加物、及び/又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項10に記載の不織マット。
【請求項12】
PTFEファイバ又はパウダ、PIファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ又はパウダ、及び/又は金属パウダが添加物として用いられることを特徴とする請求項11に記載の不織マット。
【請求項13】
前記不織マットが30から500kg/m3の密度を有することを特徴とする請求項1乃至12の少なくとも1項に記載の不織マット。
【請求項14】
前記不織マットが0.1mmから4mmの厚さを有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項15】
前記不織マットの外側の少なくとも一方に平坦な基体を備えることを特徴とする請求項1乃至14の少なくとも1項に記載の不織マット。
【請求項16】
織物、編物、紙又は不織物の形態の絡み合い構造となっていることを特徴とする請求項15に記載の不織マット。
【請求項17】
前記不織マットは少なくとも二つの不織マットの複合材料であることを特徴とする請求項1乃至16の少なくとも1項に記載の不織マット。
【請求項18】
前記第1のファイバと補強ファイバとが前記マット中に均質に分布され存在することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の不織マット。
【請求項19】
前記第1のファイバと補強ファイバとが前記マット中に不均質に分布されて存在することを特徴とする請求項1乃至18の少なくとも1項に記載の不織マット。
【請求項20】
請求項1乃至19の少なくとも一つに基づく不織マットを製造する方法であって、
好ましくは水からなる分散媒に前記第1のファイバと前記補強ファイバとを分散させ、
濾過及び後の圧縮によって斜め移動するワイヤベルト上で連続的な不織物形成を達成すると共にその不織の絡み合い物の乾燥を実行し、前記バインダを前記分散の工程の間及び/又は前記不織物形成の間に加えることを特徴とする方法。
【請求項21】
前記バインダをファイバの形態で分散物に加えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記添加物をファイバ又はパウダの形態で添加することを特徴とする請求項20又は21の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項23】
前記添加物を、前記分散の工程の間及び/又は前記不織物形成の間に添加し又は散布することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記不織物の単位面積重量及び厚さを、前記分散物の材料組成及び/又は前記分散物の前記斜めワイヤに向けた供給速度及び/又はその輸送速度によってコントロールすることを特徴とする請求項20乃至23の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項25】
前記斜めワイヤ上に配設されたシート材によって前記不燃物形成を達成することを特徴とする請求項20乃至24の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項26】
編物、織物又は不織物をシート材として用いることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1に記載の不織マットから製造されるファイバ複合材料であって、
前記材料が0.1mmから30mmのファイバ長さを有する補強ファイバを30重量%から90重量%含み、
記材料のマトリクス中で前記補強ファイバが非等方性となっており、
前記材料が0.25g/cm3から6g/cm3の密度を有することを特徴とするファイバ複合材料。
【請求項28】
前記補強ファイバは、グラスファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、セラミックファイバ又はこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項27に記載のファイバ複合材料。
【請求項29】
前記マトリクスは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ-P-フェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド及び/又はポリエーテルサルフォンから選択される熱可塑性物質を有することを特徴とする請求項27又は28に記載のファイバ複合材料。
【請求項30】
前記ファイバ複合材料の密度が、前記マトリクス材料と前記補強ファイバとの密度から計算される達成可能な最大密度の30から100%であることを特徴とする請求項27に記載のファイバ複合材料。
【請求項31】
前記ファイバ複合材料は、該材料の少なくとも一の側に機能層を備えていることを特徴とする請求項27乃至30の1項に記載のファイバ複合材料。
【請求項32】
前記ファイバ複合材料は0.01mmから1.6mmの厚さを有することを特徴とする請求項27から31の1項に記載のファイバ複合材料。
【請求項33】
請求項1乃至20の少なくとも1項の不織マットの少なくとも二つを加熱された機器内で圧縮することにより製造することができる請求項27から32の1項に記載のファイバ複合材料。
【請求項34】
前記圧縮は、0.05‐15N/mmの圧力で生成されたことを特徴とする請求項33に記載のファイバ複合材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−524755(P2006−524755A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504951(P2006−504951)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003470
【国際公開番号】WO2004/097111
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505398251)フレンツェリート−ヴェルケ ゲーエムベーハー ウントゥ コー.カーゲー (1)
【Fターム(参考)】