説明

不織布の製造方法、不織布およびその使用

本発明は、セルロースカルバメート溶液を、複数の開口部を有するノズルブロックを通じて再生槽内へ押出すことによって、複数のフィラメント糸に紡糸する不織布の製造方法であって、該フィラメント糸を次いでガス状媒体および/または液体の流れにさらして交絡させる不織布の製造方法に関する。同様に、本発明は、こうしたタイプの不織布およびその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースカルバメート溶液を複数の開口部を有するノズルブロックを通じて再生槽内へ押出すことによって、複数のフィラメント糸に紡糸する不織布の製造方法であって、該フィラメント糸を次いでガス状媒体および/または流体の流れにさらして交絡(intermingling)させる、不織布の製造方法に関する。同様に、本発明は、こうしたタイプの不織布およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布は、織ることまたは編むことによってではなく、かみ合わせたり(interlocking)また時には繊維を交絡させた後に接着することによって繊維を確実に凝集させた織物である。利用にあたって選択肢が広いことや製造コストが低いことから、不織布製造の年間成長率は依然として高い。こうした不織布という素材の利点は、特に高吸湿性、密度および厚さの高可変性、さらに広域の表面異方性にあり、これらの利点から利用にあたって無数の選択肢が生ずる。例えば、医療における(例:手術用シーツ、ベッドシーツ、外科用包帯、ガーゼ、脱脂綿パッドなど)衛生用製品、家庭や産業用ふき取り製品(wipes)、装飾的不織布(テーブルクロス、食卓用ナプキン、カーテン)、衣料産業における不織布ライナー、さらには無数の技術的応用例(例:建築産業における保温ジャケット)があげられる。
【0003】
原則として、不織布の形成は、短繊維、ステープルファイバー、または長繊維(連続フィラメント)から行うことが可能である。「スパンボンディング」または「スパンレーシング」と呼ばれるフィラメントからの不織布形成方法には、繊維の紡糸および不織布への形成を1つのプロセスで行うという利点があり、またこのことは本発明の主題である。繊維を形成する多数のポリマーは、不織布用開始材料として用いることができる。長繊維からなる不織布は、好ましくはポリエステル、ポリアクリルニトリル、またはポリプロピレンなどの合成繊維から製造する。ビスコース繊維は、好ましくは不織布製造用の短繊維またはステープルファイバーとして用いる。
【0004】
依然として大部分のセルロース再生繊維がビスコース法により製造されているが、このビスコース法はかなりの環境被害をもたらすことと、投資コストが高いために、ビスコース法に代わる方法のために既に長年にわたって幅広い試みがなされてきた。例えば、N-メチルモルホリン-N-オキサイド(NMMNO)および水からなる系内でセルロース溶液を沈殿させてセルロース成型体を製造する方法が開発されており(米国特許第3767756号明細書、独国特許発明第2830685号明細書)、これは、不織布製品の製造にも用いることができる(国際公開第WO00/18991号パンフレット、国際公開第WO98/07911号パンフレット)。いわゆる「ベムリース(Bemliese)」法においては、コットンリンターを銅アンモニア法に従って紡糸し、不織布に加工する(米国特許第3833438号明細書)。両方法にはさらに、不織布製品を直接的な方法で長繊維から製造できるという利点がある。
【0005】
長く知られてきた再生セルロースから成型体を製造する方法はセルロースカルバメート溶液の沈殿を行うものであり(欧州特許出願公開第57105号明細書、欧州特許出願公開第178292号明細書)、セルロースを尿素で変換し、該尿素をイソシアン酸とアンモニアとに熱的に分解し、該イソシアン酸と該セルロースのOH基とを反応させてセルロースカルバメートを形成する。セルロースカルバメートは冷希水酸化ナトリウム溶液に可溶性でありかつ加熱した水酸化ナトリウム溶液中にて再びセルロースに再生できる。
【特許文献1】米国特許第3767756号明細書
【特許文献2】独国特許発明第2830685号明細書
【特許文献3】国際公開第WO00/18991号パンフレット
【特許文献4】国際公開第WO98/07911号パンフレット
【特許文献5】米国特許第3833438号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第57105号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第178292号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、優れた製品特性を有するセルロースカルバメート製不織布を一続きのプロセスで製造する方法を提供することを目的とする。本発明はさらに、低投資コストや製造コストさらには低環境被害に関する要件を満たす方法を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する方法および請求項21および23に記載の特徴を有する不織布によって達成される。本発明による不織布の使用については請求項28から32に記載する。さらに従属請求項により、有利な成果がいくつか明らかにしてある。
【0008】
本発明により、セルロースカルバメート溶液を、少なくとも20の開口部(例:複数のノズル)を有するノズルブロックを通じて再生槽内へ押出すことによって、複数のフィラメント糸に紡糸する不織布の製造方法であって、該フィラメント糸を次いでガス状媒体および/または流体の流れにさらして交絡させ、不織布を形成する、不織布の製造方法が提供される。
【0009】
意外なことに、カルバメート法によってさえも、一続きのプロセスにおいて紡糸繊維を不織布に加工できることが明らかになった。
【0010】
ノズルブロック(例えば幅に対して長さがある長方形表面)上に配置する開口部の数は、製造したい製品の幅と厚さに依存し、好ましくは少なくとも10000である。
【0011】
ノズルブロックの開口部は、特に好ましくはアレイ様に配置する。ただし、ノズルビームの複数の開口部を線状に配置することも同様に可能である。したがってノズルの長さ対直径の比(L/D比)は、好ましくは1から20の間である。
【0012】
本方法の好ましい態様の変形例においては、フィラメント糸の再生槽内への紡糸は垂直に底部から頂部へと行う。
【0013】
さらに好ましくは、フィラメント糸の紡糸を湿潤状態にて行う。
【0014】
紡糸後、好ましくはフィラメント糸を下方のスロット形状のファンネル内へと誘導し、ガス状媒体および/または流体を用いた交絡をファンネルの出口にて行う。フィラメント糸をよりよく交絡させるため、さらに好ましくはファンネルを振動させる。
【0015】
好ましくは、空気および/または水をガス状媒体および/または流体として用いる。
【0016】
さらに好ましくは、交絡後に、フィラメント糸をコンベヤベルトに載せる。好ましくは、コンベヤベルトの振動によりフィラメント糸をさらに交絡させる。
【0017】
好ましくは、セルロースカルバメート溶液に含まれるセルロースカルバメートの割合が該溶液に対して少なくとも6から12重量%、好ましくは7から9重量%であるセルロースカルバメート溶液を用いる。
【0018】
再生槽は好ましくは50から200g/l、特に好ましくは70から100g/lの濃度の硫酸とさらに100から300g/l、特に好ましくは150から200g/lの濃度の硫酸ナトリウムとを含有する。
【0019】
さらに有利な本方法の態様の変形例においては、既述の工程に続いて、不織布を洗浄し、プレスし、乾燥させる。この洗浄は好ましくは高圧にて水を噴射し行うことができる。
【0020】
セルロースカルバメートは好ましくは再生槽内でセルロースに再生する。
【0021】
特に好ましくは、0.3から1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を含む再生槽内で60から95℃の温度でセルロースカルバメートをセルロースに再生する。その結果、再生セルロースから不織布を製造することが可能になる。第一の有利な変形例においては、押出しと交絡との間に再生を実施することが可能である。さらに好ましい変形例においては、交絡後に再生を実施する。
【0022】
本発明によれば、セルロースカルバメート製フィラメント糸のランダムな配向によっても不織布が同様に提供される。したがって好ましくは、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法にしたがって本発明による不織布を製造することができる。
【0023】
本発明によれば、再生セルロース製フィラメント糸のランダムな配向によっても不織布が同様に提供される。該再生セルロースは好ましくは、残留窒素含量(残留N−含有量)が0.3から0.5、特に好ましくは0.1から1.2である。
【0024】
該不織布は、好ましくは気孔率が1から10%の気孔構造を有する。
【0025】
さらに好ましくは、小角X線散乱(SAXS)を用いて測定する不織布の内部比表面積が20から50m/cmである。
【0026】
特に好ましくは、本発明による不織布を、請求項17から20のいずれか1項に記載の方法にしたがって製造できる。
【0027】
本発明による不織布は、好ましくは医療において用い、特に手術用シーツ、ベッドシーツ、外科用包帯、ガーゼ、または脱脂綿パッドとして用いる。同様に該不織布はまた、衛生材料または家庭用ふき取り製品としても使用できる。本発明による不織布のさらなる用途分野としては、装飾的不織布、特にテーブルクロス、ナプキンまたはカーテン、さらに衣料産業における不織布ライナーがあげられる。
【0028】
さらなる使用例としては、建築産業における断熱ジャケットやガラス繊維マットの代用物等としての補強マットに関するものがあげられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明による主題を以下の実施例の図面を参照してさらに詳細に説明するが、本主題は、ここに記載の態様の変形例に制限されるものではない。
【0030】
図1は、本発明による方法における過程の概略を示す。
【0031】
図2は、本発明によるスロット形状のファンネルを示し、このファンネルの出口にて交絡が行われる。
【0032】
図1に、本発明の方法の主な過程を例示する。ここで紡糸溶液1を、紡糸ポンプ2を経て多数のノズルを有するノズルビーム3を用いて再生槽4内へ押出す。紡糸は、再生槽内へ垂直に底部から頂部へと行う。該繊維はデフレクションローラ5を経て水平方向に引き出す。この伸張させた繊維上に、任意で第1洗浄槽および伸縮性布地を配置できる。さらにデフレクションローラ6によって、繊維束は次いで下方のスロット形状のファンネル7内へと導かれる。ファンネル7の出口にて、該繊維束は両側共に空気または水の流れにさらされる。こうして交絡させた繊維をその下に位置するコンベヤベルト8に載せ、布設装置またはコンベヤベルトを走行方向に対して横に振動させることによってさらに交絡させる。該ベルトは高圧のウォータージェット(水の噴射)を作り出すことができる洗浄ノズル9を備える洗浄槽を貫通している。したがって該繊維素材がスパンレーシングの意でさらに圧縮される。該コンベヤベルトは、好ましくは金属製の目の粗いネットからなり、迅速な洗浄用液体の排出を確実に行う。続いて、該繊維素材を対応する乾燥装置内で乾燥させることができる。しかしながらこの水はさらに一対のローラーを使い圧迫して排出でき、これによって同時に不織布の圧縮を達成できる。
【0033】
図2は、本発明によるスロット形状のファンネルの構成を示す。該繊維は繊維入口1を経て先述のファンネル内に導入できる。したがって該ファンネルを通じた該繊維の搬送は、水の噴射原理に代わるベンチュリノズルによって可能になる。水、空気、またはさらにこれらの混合物の供給は、開口部3を通じて行われる。ベンチュリプロフィル(Venturi profile)に基づき、該供給の流れが該チャネル4を通過することで、低圧力が生じ、これによって該繊維がチャネル4を通じて搬送される。該ファンネルの下端5には、繊維出口が位置しており、ここからフィラメント糸をさらに搬送できる。
【実施例】
【0034】
(実施例1)
DP(Cuoxam)(Cuoxam法による重合度)が520である800gのパルプを12重量%のNaOH、30重量%の尿素、58重量%の水からなる3200gの溶液とニーダ内で1時間、25℃で激しく混合し、次いで23℃で48時間、DP(Cuoxam)が300になるまで熟成させる。該湿潤アルカリセルロースと、1200gの固形結晶性尿素とを、5リットル容ニーダ内にて室温で30分間混練する。続いて該ニーダの温度を140℃に上昇させ、存在する水分を取り除く。製品温度140℃に到達後、この塊をさらに120分間混練し、続いて該ニーダから排出する。純粋なセルロースカルバメートを得るため、この乾燥した砕けやすい塊を脱イオン水で浴比1:16にて3回洗浄、フリットを経て吸引除去後、室温にて乾燥させる。この緩く砕けやすい産物の窒素含有量が3.0%、DP(Cuoxam)が290である。これを溶解タンク内に-5℃から+2℃にて撹拌機を用いて溶解し、7.5%セルロースおよび9%水酸化ナトリウム溶液とする。該溶液をろ過し、真空下で脱気し、140g/lの硫酸および240g/lの硫酸ナトリウムを含有する25℃の紡糸槽内へ1000本の毛細繊維を有するフィラメント糸に紡糸し、ローラーシステム上を誘導し交絡ノズル(図2)へ搬送、ここで水流中で交絡させ連続的にコンベヤベルトに載せて不織布を形成、これを洗浄、乾燥した。不織布の坪量は100g/mであった。
【0035】
(実施例2)
DP(Cuoxam)(Cuoxam法による重合度)が520である800gのパルプを12重量%のNaOH、30重量%の尿素、58重量%の水からなる3200gの溶液とニーダ内で1時間、25℃で激しく混合し、次いで23℃で48時間、DP(Cuoxam)が300になるまで熟成させる。該湿潤アルカリセルロースと、1200gの固形結晶性尿素とを、5リットル容ニーダ内にて室温で30分間混練する。続いて該ニーダの温度を140℃に上昇させ、存在する水分を取り除く。製品温度140℃に到達後、この塊をさらに120分間混練し、続いて該ニーダから排出する。純粋なセルロースカルバメートを得るため、この乾燥した砕けやすい塊を脱イオン水で浴比1:16にて3回洗浄、フリットを経て吸引除去後、室温にて乾燥させる。この緩く砕けやすい産物の窒素含有量が3.0%、DP(Cuoxam)が290である。これを溶解タンク内に-5℃から+2℃にて撹拌機を用いて溶解し、7.5%セルロースおよび9%水酸化ナトリウム溶液とする。該溶液をろ過し、真空下で脱気し、90g/lの硫酸および240g/lの硫酸ナトリウムを含有する25℃の紡糸槽内へ1000本の毛細繊維を有するフィラメント糸に紡糸し、ローラーシステムおよび延伸フレームを経て25%引っ張り、交絡ノズル(図2)へ誘導、ここで水流中で交絡させ連続的にコンベヤベルトに載せて不織布を形成、これをスプレーノズルを使って高圧にて洗浄、乾燥した。不織布の坪量は75g/mであった。
【0036】
(実施例3)
DP(Cuoxam)(Cuoxam法による重合度)が520である800gのパルプを12重量%のNaOH、30重量%の尿素、58重量%の水からなる3200gの溶液とニーダ内で1時間、25℃で激しく混合し、次いで23℃で48時間熟成させる。該湿潤アルカリセルロースと、1200gの固形結晶性尿素とを、5リットル容ニーダ内にて室温で30分間混練する。続いて該ニーダの温度を140℃に上昇させ、存在する水分を取り除く。製品温度140℃に到達後、この塊をさらに120分間混練し、続いて該ニーダから排出する。純粋なセルロースカルバメートを得るため、この乾燥した砕けやすい塊を脱イオン水で浴比1:16にて3回洗浄、フリットを経て吸引除去後、室温にて乾燥させる。この緩く砕けやすい産物の窒素含有量が3.0%、DP(Cuoxam)が290であった。これを溶解タンク内に-5℃から+2℃にて撹拌機を用いて溶解し、7.5%セルロースおよび9%水酸化ナトリウム溶液とする。該溶液をろ過し、真空下で脱気し、140g/lの硫酸および240g/lの硫酸ナトリウムを含有する25℃の紡糸槽内へ1000本の毛細繊維を有するフィラメント糸に紡糸し、ローラーシステム上を誘導し交絡ノズル(図2)へ搬送、ここで水流中で交絡させ連続的にコンベヤベルトに載せて不織布を形成した。該不織布を0.5%水酸化ナトリウム溶液に通した後、洗浄、乾燥した。不織布の坪量は85g/mであった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による方法における過程の概略を示す図である。
【図2】本発明によるスロット形状のファンネルを示し、このファンネルの出口にて交絡が行われる図である。
【符号の説明】
【0038】
1 紡糸溶液、 2 紡糸ポンプ、 3 ノズルビーム、 4 再生槽、 5 デフレクションローラ、 6 デフレクションローラ、 7 ファンネル、 8 コンベヤベルト、 9 洗浄ノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースカルバメート溶液を、少なくとも20の開口部を有するノズルブロックを通じて再生槽内へ押出すことによって、複数のフィラメント糸に紡糸する不織布の製造方法であって、前記フィラメント糸を次いでガス状媒体および/または流体の流れにさらして交絡させる、不織布の製造方法。
【請求項2】
少なくとも10000の開口部を有するノズルブロックを使用することを特徴とする請求項1に記載の不織布の製造方法。
【請求項3】
前記ノズルブロックの開口部を線状またはアレイ様に配置することを特徴とする請求項1または2に記載の不織布の製造方法。
【請求項4】
前記ノズルの長さ対直径の比が1から20であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項5】
前記フィラメント糸を該再生槽内へ垂直に底部から頂部へ紡糸することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項6】
前記フィラメント糸の紡糸を湿潤状態で行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項7】
スロット形状のファンネル内へ紡糸後、該フィラメント糸を下方に誘導し、前記ガス状媒体および/または流体を用いた交絡を前記ファンネルの出口にて行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項8】
前記ファンネルの振動によって前記フィラメント糸をさらに交絡させることを特徴とする請求項7に記載の不織布の製造方法。
【請求項9】
空気および/または水をガス状媒体および/または流体として使用することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項10】
前記フィラメント糸を交絡後にコンベヤベルトに載せることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項11】
前記コンベヤベルトの振動によって前記フィラメント糸をさらに交絡させることを特徴とする請求項10に記載の不織布の製造方法。
【請求項12】
前記セルロースカルバメートを水酸化ナトリウム溶液に溶解することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項13】
前記セルロースカルバメート溶液中の前記セルロースカルバメートの割合が該溶液に対して少なくとも6から12重量%、特に7から9重量%であることを特徴とする請求項12に記載の不織布の製造方法。
【請求項14】
前記再生槽が50から200g/l、特に70から100g/lの濃度の硫酸とさらに100から300g/l、特に150から200g/lの濃度の硫酸ナトリウムとを含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項15】
前記不織布を次いで洗浄し、プレスし、乾燥させることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項16】
前記洗浄を、高圧力にて水を噴射して行うことを特徴とする請求項15に記載の不織布の製造方法。
【請求項17】
再生槽内で前記セルロースカルバメートをセルロースに再生することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【請求項18】
前記再生槽が、水中で0.3から1重量%の水酸化ナトリウムを含み、前記再生が60から95℃の温度で行われることを特徴とする請求項17に記載の不織布の製造方法。
【請求項19】
前記再生が、押出しと交絡との間に実施されることを特徴とする請求項18に記載の不織布の製造方法。
【請求項20】
前記再生が前記不織布の製造後に実施されることを特徴とする請求項18に記載の不織布の製造方法。
【請求項21】
セルロースカルバメート製でランダムな配向のフィラメント糸からなる不織布。
【請求項22】
前記不織布が、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法にしたがって製造できることを特徴とする請求項21に記載の不織布。
【請求項23】
再生セルロース製でランダムな配向のフィラメント糸からなる不織布。
【請求項24】
残留窒素含量(残留N-含有量)が0.3から0.5%、特に0.1から0.2%であることを特徴とする請求項23に記載の不織布。
【請求項25】
前記不織布が気孔率1から10%の気孔構造を有することを特徴とする請求項23または24に記載の不織布。
【請求項26】
小角X線散乱(SAXS)を用いて測定する内部比表面積が20から50m/cmであることを特徴とする請求項23から25のいずれか1項に記載の不織布。
【請求項27】
前記不織布が、請求項17から20のいずれか1項に記載の不織布の製造方法によって製造できることを特徴とする請求項23から26のいずれか1項に記載の不織布。
【請求項28】
前記不織布を医療、特に手術用シーツ、ベッドシーツ、外科用包帯、ガーゼまたは脱脂綿パッドとして使用する、請求項21から27のいずれか1項に記載の不織布の使用。
【請求項29】
前記不織布を衛生材料または家庭用ふき取り製品として使用する、請求項21から27のいずれか1項に記載の不織布の使用。
【請求項30】
前記不織布を装飾的不織布、特にテーブルクロス、ナプキンまたはカーテンとして使用する、請求項21から27のいずれか1項に記載の不織布の使用。
【請求項31】
前記不織布を衣料産業において不織布ライナーとして使用する、請求項21から27のいずれか1項に記載の不織布の使用。
【請求項32】
前記不織布を建築産業において補強マットおよび保温ジャケットとして使用する、請求項21から27のいずれか1項に記載の不織布の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2007−522359(P2007−522359A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553533(P2006−553533)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001632
【国際公開番号】WO2005/080660
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(504380482)フラウンホファー−ゲゼルシャフト ツア フェデルンク デア アンゲヴァンテン フォルシュンク エーファウ (5)
【Fターム(参考)】