不織布用熱融着装置および不織布の熱融着施工方法
【課題】 熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を均一にしかも確実に熱融着させることができる不織布用熱融着装置を提供する。
【解決手段】 熱融着可能な不織布の接合縁部の接合面間に挿入された熱風ヘッド5が接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔5aから熱風を噴出し、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッド5の後方に配置された上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3が加圧することにより、不織布の接合縁部同士が熱融着される。熱風ヘッド5はその上下に付設されたガイドピン5b,5cにより接合面に対して非接触状態に保持されているため、熱損失が抑制されて高温の熱風を熱風噴出孔から噴出する。熱風噴出孔は接合面の幅方向に沿う列状に配列されて複数開口されているため、高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出される。
【解決手段】 熱融着可能な不織布の接合縁部の接合面間に挿入された熱風ヘッド5が接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔5aから熱風を噴出し、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッド5の後方に配置された上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3が加圧することにより、不織布の接合縁部同士が熱融着される。熱風ヘッド5はその上下に付設されたガイドピン5b,5cにより接合面に対して非接触状態に保持されているため、熱損失が抑制されて高温の熱風を熱風噴出孔から噴出する。熱風噴出孔は接合面の幅方向に沿う列状に配列されて複数開口されているため、高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、相互にオーバラップして重なる不織布の接合縁部同士を熱融着させる不織布用熱融着装置およびこの不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法に関する。詳しくは、廃棄物投棄用の窪地面などに敷設される長尺の不織布を幅方向に連続させてマット状に一体化するのに好適な不織布用熱融着装置および不織布の熱融着施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、廃棄物投棄用の窪地面などには、各種の化学汚染物質が地下に浸透するのを防止するための遮水構造が施される。その一例として、廃棄物投棄用の窪地面には、クッション性を有する不織布と、遮水性を有する防水シートとが交互に敷設される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここで、前記防水シートは、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系熱可塑性樹脂や、これらとゴム成分とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を成分とした長尺シートからなり、幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように敷設される。そして、各長尺の防水シートは、相互にオーバラップして重なる接合縁部同士が適宜の熱融着装置により熱融着されることで幅方向に連続したマット状に一体化される(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−179321号公報
【特許文献2】特開2001−248270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された不織布は、廃棄物投棄用の窪地面に対して単に平面的に敷き詰められるものであるため、位置ずれを起こして隙間が開くことがあり、防水シートの破損を十分に防止できなくなることがある。もっとも、各不織布を縫着により面方向に連結してマット状に一体化すれば、このような問題は解消されるが、この場合には、縫着という多大な手間が掛かる。
【0005】
そこで、不織布として熱融着可能な長尺の不織布を使用し、この不織布を熱融着装置により熱融着して幅方向に連続させることが考えられるが、従来一般に知られている熱融着装置は、熱融着が容易な熱可塑性樹脂シートを対象としたものであって、この熱融着装置を不織布の熱融着用に単に転用しただけでは、不織布を確実に熱融着させることができないおそれがある。
【0006】
そこで、この発明は、熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を均一にしかも確実に熱融着させることができる不織布用熱融着装置およびこの不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る不織布用熱融着装置は、熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を熱融着させる装置であって、前記接合縁部の接合面間に挿入された状態で接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出する熱風ヘッドと、この熱風ヘッドの移動方向の後方に配置されることで前記熱風噴出孔から熱風が吹き付けられた接合面を加圧して前記接合縁部同士を熱融着させる上下の加圧ローラとを備え、前記熱風ヘッドの上下には、前記接合面に摺接することにより熱風ヘッドを接合面に対して非接触状態に保持するガイドピンが付設されており、前記熱風ヘッドの熱風噴出孔は、前記接合面の幅方向に沿う列状に配列されて複数開口されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る不織布用熱融着装置では、熱融着可能な不織布の接合縁部の接合面間に挿入された熱風ヘッドが接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出し、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッドの後方に配置された上下の加圧ローラが加圧することにより、不織布の接合縁部同士が熱融着される。
【0009】
その際、熱風ヘッドはその上下に付設されたガイドピンにより接合面に対して非接触状態に保持されているため、熱損失が抑制されて高温の熱風を熱風噴出孔から噴出する。ここで、熱風噴出孔は接合面の幅方向に沿う列状に配列された小孔が複数開口されているため、高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出される。
【0010】
一方、この発明の不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法は、熱融着可能な長尺の不織布を幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように地面に敷設し、前記接合縁部の接合面間に挿入した熱風ヘッドを接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出させ、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッドの後方に配置された上下の加圧ローラにより加圧することにより、長尺の不織布の幅方向の接合縁部同士を熱融着させることを特徴とする。
【0011】
この不織布の熱融着施工方法は、廃棄物投棄用の窪地面に不織布を敷設する際に適用することができる。この場合、窪地面に不織布を防水シートと交互に多層に敷設すると、各層の不織布のクッション性により各層の防水シートの破損を防止でき、また、幅方向に相互に熱融着された各層の不織布が防水性の向上にも寄与するため、窪地面の防水性能が向上する。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る不織布用熱融着装置によれば、熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を熱融着させる際に、熱風ヘッドの熱風噴出孔から高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出されるため、不織布の接合縁部同士を均一にしかも確実に熱融着させることができる。
【0013】
また、この発明に係る不織布の熱融着施工方法によれば、例えば廃棄物投棄用の窪地面などに敷設された長尺の不織布を幅方向に連続させてマット状に一体化することができ、このマット状の不織布を防水シートと交互に多層に敷設することで、廃棄物投棄用の窪地面などの遮水性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明に係る不織布用熱融着装置の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る不織布用熱融着装置の全体構造を概略的に示す斜視図である。
【0015】
一実施形態に係る不織布用熱融着装置は、図1に示すように、後端部に上側加圧ローラ1を有する上側アーム2と、後端部に下側加圧ローラ3を有する下側アーム4と、下端部に熱風ヘッド5を有する熱風ユニット6とを備えている。また、上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3を等速度で相互に反対方向に回転駆動するための駆動モータ(図示省略)を内蔵した電源ユニット7と、前記モータの回転を減速させる減速ギヤ機構(図示省略)を内蔵したギヤボックス8とを備えている。
【0016】
図2に示すように、下側アーム4は、平面視において概略コの字形に形成された中空の伝動ケースからなり、前後に間隔を開けて左右方向に延びる前部ケース4aおよび後部ケース4bと、前部ケース4aおよび後部ケース4bの外端部に位置して前後方向に延びる側部ケース4cと、前部ケース4aの内端部から上方に突出する縦ケース4dとが一体に形成されている。
【0017】
後部ケース4bの内端部には、滑り止めのローレット加工が周面に施された下側加圧ローラ3が回転自在に支持されていると共に、この下側加圧ローラ3の下部を覆って接地するシュースライダ4eが固定されている。また、後部ケース4bと側部ケース4cとの間に掛け渡して形成された補強アーム4fを支持部材として、下側加圧ローラ3の前方には、ローラ4g,4hが回転自在に支持されている。そして、縦ケース4d、前部ケース4a、側部ケース4cおよび後部ケース4bの内部には、下側加圧ローラ3を反時計廻りに回転駆動するためのチェーン伝動機構が内蔵されている。
【0018】
一方、上側アーム2は、下側アーム4の上方に配置されて前後方向に延びる中空の伝動ケースからなり、その後端部には、滑り止めのローレット加工が周面に施された上側加圧ローラ1が回転自在に支持されている。この上側アーム2は、上側加圧ローラ1が下側加圧ローラ3に対して接近、離間できるように、前端部が下側アーム4の縦ケース4dに対し枢支連結されている。そして、この上側アーム2の内部には、上側加圧ローラ1を時計廻りに回転駆動するためのチェーン伝動機構が内蔵されている。この上側アーム2内のチェーン伝動機構は、縦ケース4dのチェーン伝動機構に反転ギヤ機構(図示省略)を介して伝動構成されている。
【0019】
ここで、図1に示すように、下側アーム4の縦ケース4dにはギヤボックス8が固定され、このギヤボックス8には電源ユニット7が連設されている。そして、電源ユニット7内の駆動モータ(図示省略)の回転動力がギヤボックス8内の減速ギヤ機構(図示省略)を介して縦ケース4d内のチェーン伝動機構に伝達されるようになっている。
【0020】
図3に示すように、上側アーム2には、これを上下に揺動操作するための操作レバー9が連結されている。この操作レバー9は、前端部に形成された枢着孔9aがギヤボックス8(図1参照)側の図示しない支持ピンに嵌合して上下に揺動自在に支持されており、後端部には操作グリップ9bが付設されている。この操作レバー9の枢着孔9aより若干後ろ側の下部には枢支ピン9cが突設されており、この枢支ピン9cには、六角筒状のターンバックル部材10の上端部の係合リング10aが枢支されている。このターンバックル部材10は、逆ねじ機構により伸縮調整可能な部材であり、その下端部の係合リング(図示省略)が上側アーム2の凹部2a内に架設された支持ピン(図示省略)に枢支されている。
【0021】
また、下方に揺動操作された操作レバー9をその揺動位置に保持するストッパプレート11が操作レバー9の側方に配置されている。このストッパレバー11は、前端部がギヤボックス8(図1参照)側の図示しない支持部に固定されており、後端部の側面には係止突起11aが形成されている。この係止突起11aは、操作レバー9が下方に揺動操作されると、その側面に沿って側方に弾性的に退避した後、操作レバー9の上面に弾性的に突出して操作レバー9の上方揺動を規制する。
【0022】
図1に示すように、熱風ユニット6は、ヒータ、送風ファン、ファンモータなど(図示省略)を内蔵した本体部6aを備え、この本体部6aから引き出された電源コード6bが電源ユニット7に接続されている。そして、本体部6aには熱風を送風する送風管6cが接続されており、この送風管6cの下端部に熱風ヘッド5が連設されている。また、送風管6cの途中部分は、下側アーム4の縦ケース4dに固定された支持ロッド6dに対し、その軸方および軸周りに位置調節自在に支持されている。
【0023】
ここで、図4に示すように、熱風ヘッド5は、送風管6cの下端部に連続する横長の扁平な形状を有し、その先端部は閉塞されている。この熱風ヘッド5は、前後が円弧状に形成された略クサビ状の側面形状を有し、その後側の大きい円弧の後面には、複数の熱風噴出孔5aが熱風ヘッド5の長手方向に沿って一列に開口されている。
【0024】
熱風ヘッド5の上方にはその長手方向に沿って延びる前後一対のガイドピン5b,5bが配設され、熱風ヘッド5の下方にはその長手方向に沿って延びる前後一対のガイドピン5c,5cが配設されている。ガイドピン5b,5bは、例えばU字状に折り曲げ加工されたロッドで構成されており、その中間の折り曲げ部分が熱風ヘッド5の上面側に連続する送風管6cの下端部に溶接されることで、熱風ヘッド5の直前の直上方および直後の直上方に配置されている。同様に、ガイドピン5c,5cは、例えばU字状に折り曲げ加工されたロッドで構成されており、その中間の折り曲げ部分が熱風ヘッド5の下面側に連続する送風管6cの下端部に溶接されることで、熱風ヘッド5の直前の直下方および直後の直下方に配置されている。
【0025】
以上のように構成された一実施形態の不織布用熱融着装置は、例えば廃棄物投棄用の窪地面などの遮水構造として、図5に示すように、クッション性を有する不織布Fと、遮水性を有する防水シートBとを地面G上に交互に敷設する際、長尺の不織布Fを幅方向に連続させてマット状に一体化するために使用される。
【0026】
ここで、不織布Fは、コットン、羊毛などの天然繊維や、アクリル系繊維、レーヨンなどの化学繊維のほかに、例えば低融点のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系熱可塑性樹脂の繊維を含むことにより、熱融着可能に構成されている。この不織布Fは、厚さが10〜20mm程度であり、幅方向の接合縁部が相互に所定幅(熱風ヘッド5の長さ程度)オーバラップして重なるように敷設される。
【0027】
一方、防水シートBは、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系熱可塑性樹脂や、これらとゴム成分とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を成分とした長尺シートからなり、幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように敷設される。
【0028】
ここで、幅方向に相互にオーバラップして重なる不織布Fの接合縁部同士を図1に示した一実施形態の不織布用熱融着装置により熱融着させる際、まず、図6に示すように、左側に配置される不織布F1の幅方向右側の接合縁部の下面側に下側アーム4の後部ケース4bおよび補強アーム4fを挿入し、側部ケース4cの内側を不織布F1の右縁に突き当てる。この状態では、下側加圧ローラ3、ローラ4g,4hが左側に配置される不織布F1の下側に位置し、前部ケース4aが不織布F1の上側に位置する。
【0029】
つぎに、図1に示した熱風ユニット6を支持ロッド6dの軸方向および軸廻りに位置調整することにより、送風管6cの下端部に連続する熱風ヘッド5の直下のガイドピン5c,5cを図7に示す左側の不織布F1の幅方向右側の接合縁部の上面に載せる。そして、右側に配置される不織布F2の幅方向左側の接合縁部を熱風ヘッド5の直上のガイドピン5b,5bの上に被せる。
【0030】
続いて、図3に示した操作レバー9の操作グリップ9bを下方に押動操作し、ターンバックル部材10を介して上側アーム2を下方に揺動させ、操作レバー9の上面をストッパプレート11の係止突起11aに係止させることにより、上側アーム2の後端部の上側加圧ローラ1を図7に示す右側の不織布F2の幅方向左側の接合縁部の上面に圧接させる。
【0031】
このような準備の後、図1に示した不織布用熱融着装置を運転すると、図7に示す左側の不織布F1の接合縁部と右側の不織布F2の接合縁部とを上下方向から加圧した上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3が相互に等速度で矢印方向に回転する。これに伴ない、左側の不織布F1の接合縁部と右側の不織布F2の接合縁部の接合面間に挿入された熱風ヘッド5が接合縁部の長手方向に沿って矢印方向に移動しつつその移動方向後方へ向けて複数の熱風噴出孔5aから熱風を噴出する。
【0032】
そして、この熱風が吹き付けられた左側の不織布F1の接合縁部と右側の不織布F2の接合縁部との接合面を上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3が加圧することにより、左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部同士が熱融着される。
【0033】
その際、熱風ヘッド5は、その直上に配置されたガイドピン5b,5bおよびその直下に配置されたガイドピン5c,5cにより左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部の接合面に対して非接触状態に保持されているため、熱損失が抑制されて高温の熱風を複数の熱風噴出孔5aから噴出する。ここで、各熱風噴出孔5aは左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部における接合面の幅方向に沿って一列に配列されているため、高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出される。
【0034】
従って、一実施形態に係る不織布用熱融着装置によれば、左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部同士を均一にしかも確実に熱融着させてマット状に一体化することができる。
【0035】
なお、幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように敷設され防水シートBの接合縁部同士も一実施形態の不織布用熱融着装置を使用して同様に熱融着させることにより、マット状に一体化することができる。そして、このようなマット状の不織布Fと防水シートBとを多層に敷設することで、廃棄物投棄用の窪地面などの遮水性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の一実施形態に係る不織布用熱融着装置の全体構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示した上側アームおよび下側アームを拡大して示す斜視図である。
【図3】図2に示した上側アームに連結された操作レバーを示す斜視図である。
【図4】図1に示した熱風ヘッドを拡大して示す斜視図である。
【図5】図1に示した不織布用熱融着装置により熱融着される不織布が敷設された廃棄物投棄用の窪地面などの遮水構造の断面図である。
【図6】図1に示した不織布用熱融着装置の使用例を示す下側アーム部分の部分斜視図である。
【図7】図1に示した不織布用熱融着装置の使用例を示す熱風ヘッド、上側加圧ローラおよび下側加圧ローラの部分斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 上側加圧ローラ
2 上側アーム
3 下側加圧ローラ
4 下側アーム
5 熱風ヘッド
5a 熱風噴出孔
5b ガイドピン
5c ガイドピン
6 熱風ユニット
7 電源ユニット
8 ギヤボックス
9 操作レバー
10 ターンバックル部材
11 ストッパプレート
B 防水シート
F 不織布
F1 左側に配置される不織布
F2 右側に配置される不織布
【技術分野】
【0001】
この発明は、相互にオーバラップして重なる不織布の接合縁部同士を熱融着させる不織布用熱融着装置およびこの不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法に関する。詳しくは、廃棄物投棄用の窪地面などに敷設される長尺の不織布を幅方向に連続させてマット状に一体化するのに好適な不織布用熱融着装置および不織布の熱融着施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、廃棄物投棄用の窪地面などには、各種の化学汚染物質が地下に浸透するのを防止するための遮水構造が施される。その一例として、廃棄物投棄用の窪地面には、クッション性を有する不織布と、遮水性を有する防水シートとが交互に敷設される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここで、前記防水シートは、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系熱可塑性樹脂や、これらとゴム成分とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を成分とした長尺シートからなり、幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように敷設される。そして、各長尺の防水シートは、相互にオーバラップして重なる接合縁部同士が適宜の熱融着装置により熱融着されることで幅方向に連続したマット状に一体化される(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−179321号公報
【特許文献2】特開2001−248270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された不織布は、廃棄物投棄用の窪地面に対して単に平面的に敷き詰められるものであるため、位置ずれを起こして隙間が開くことがあり、防水シートの破損を十分に防止できなくなることがある。もっとも、各不織布を縫着により面方向に連結してマット状に一体化すれば、このような問題は解消されるが、この場合には、縫着という多大な手間が掛かる。
【0005】
そこで、不織布として熱融着可能な長尺の不織布を使用し、この不織布を熱融着装置により熱融着して幅方向に連続させることが考えられるが、従来一般に知られている熱融着装置は、熱融着が容易な熱可塑性樹脂シートを対象としたものであって、この熱融着装置を不織布の熱融着用に単に転用しただけでは、不織布を確実に熱融着させることができないおそれがある。
【0006】
そこで、この発明は、熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を均一にしかも確実に熱融着させることができる不織布用熱融着装置およびこの不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る不織布用熱融着装置は、熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を熱融着させる装置であって、前記接合縁部の接合面間に挿入された状態で接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出する熱風ヘッドと、この熱風ヘッドの移動方向の後方に配置されることで前記熱風噴出孔から熱風が吹き付けられた接合面を加圧して前記接合縁部同士を熱融着させる上下の加圧ローラとを備え、前記熱風ヘッドの上下には、前記接合面に摺接することにより熱風ヘッドを接合面に対して非接触状態に保持するガイドピンが付設されており、前記熱風ヘッドの熱風噴出孔は、前記接合面の幅方向に沿う列状に配列されて複数開口されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る不織布用熱融着装置では、熱融着可能な不織布の接合縁部の接合面間に挿入された熱風ヘッドが接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出し、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッドの後方に配置された上下の加圧ローラが加圧することにより、不織布の接合縁部同士が熱融着される。
【0009】
その際、熱風ヘッドはその上下に付設されたガイドピンにより接合面に対して非接触状態に保持されているため、熱損失が抑制されて高温の熱風を熱風噴出孔から噴出する。ここで、熱風噴出孔は接合面の幅方向に沿う列状に配列された小孔が複数開口されているため、高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出される。
【0010】
一方、この発明の不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法は、熱融着可能な長尺の不織布を幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように地面に敷設し、前記接合縁部の接合面間に挿入した熱風ヘッドを接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出させ、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッドの後方に配置された上下の加圧ローラにより加圧することにより、長尺の不織布の幅方向の接合縁部同士を熱融着させることを特徴とする。
【0011】
この不織布の熱融着施工方法は、廃棄物投棄用の窪地面に不織布を敷設する際に適用することができる。この場合、窪地面に不織布を防水シートと交互に多層に敷設すると、各層の不織布のクッション性により各層の防水シートの破損を防止でき、また、幅方向に相互に熱融着された各層の不織布が防水性の向上にも寄与するため、窪地面の防水性能が向上する。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る不織布用熱融着装置によれば、熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を熱融着させる際に、熱風ヘッドの熱風噴出孔から高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出されるため、不織布の接合縁部同士を均一にしかも確実に熱融着させることができる。
【0013】
また、この発明に係る不織布の熱融着施工方法によれば、例えば廃棄物投棄用の窪地面などに敷設された長尺の不織布を幅方向に連続させてマット状に一体化することができ、このマット状の不織布を防水シートと交互に多層に敷設することで、廃棄物投棄用の窪地面などの遮水性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明に係る不織布用熱融着装置の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る不織布用熱融着装置の全体構造を概略的に示す斜視図である。
【0015】
一実施形態に係る不織布用熱融着装置は、図1に示すように、後端部に上側加圧ローラ1を有する上側アーム2と、後端部に下側加圧ローラ3を有する下側アーム4と、下端部に熱風ヘッド5を有する熱風ユニット6とを備えている。また、上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3を等速度で相互に反対方向に回転駆動するための駆動モータ(図示省略)を内蔵した電源ユニット7と、前記モータの回転を減速させる減速ギヤ機構(図示省略)を内蔵したギヤボックス8とを備えている。
【0016】
図2に示すように、下側アーム4は、平面視において概略コの字形に形成された中空の伝動ケースからなり、前後に間隔を開けて左右方向に延びる前部ケース4aおよび後部ケース4bと、前部ケース4aおよび後部ケース4bの外端部に位置して前後方向に延びる側部ケース4cと、前部ケース4aの内端部から上方に突出する縦ケース4dとが一体に形成されている。
【0017】
後部ケース4bの内端部には、滑り止めのローレット加工が周面に施された下側加圧ローラ3が回転自在に支持されていると共に、この下側加圧ローラ3の下部を覆って接地するシュースライダ4eが固定されている。また、後部ケース4bと側部ケース4cとの間に掛け渡して形成された補強アーム4fを支持部材として、下側加圧ローラ3の前方には、ローラ4g,4hが回転自在に支持されている。そして、縦ケース4d、前部ケース4a、側部ケース4cおよび後部ケース4bの内部には、下側加圧ローラ3を反時計廻りに回転駆動するためのチェーン伝動機構が内蔵されている。
【0018】
一方、上側アーム2は、下側アーム4の上方に配置されて前後方向に延びる中空の伝動ケースからなり、その後端部には、滑り止めのローレット加工が周面に施された上側加圧ローラ1が回転自在に支持されている。この上側アーム2は、上側加圧ローラ1が下側加圧ローラ3に対して接近、離間できるように、前端部が下側アーム4の縦ケース4dに対し枢支連結されている。そして、この上側アーム2の内部には、上側加圧ローラ1を時計廻りに回転駆動するためのチェーン伝動機構が内蔵されている。この上側アーム2内のチェーン伝動機構は、縦ケース4dのチェーン伝動機構に反転ギヤ機構(図示省略)を介して伝動構成されている。
【0019】
ここで、図1に示すように、下側アーム4の縦ケース4dにはギヤボックス8が固定され、このギヤボックス8には電源ユニット7が連設されている。そして、電源ユニット7内の駆動モータ(図示省略)の回転動力がギヤボックス8内の減速ギヤ機構(図示省略)を介して縦ケース4d内のチェーン伝動機構に伝達されるようになっている。
【0020】
図3に示すように、上側アーム2には、これを上下に揺動操作するための操作レバー9が連結されている。この操作レバー9は、前端部に形成された枢着孔9aがギヤボックス8(図1参照)側の図示しない支持ピンに嵌合して上下に揺動自在に支持されており、後端部には操作グリップ9bが付設されている。この操作レバー9の枢着孔9aより若干後ろ側の下部には枢支ピン9cが突設されており、この枢支ピン9cには、六角筒状のターンバックル部材10の上端部の係合リング10aが枢支されている。このターンバックル部材10は、逆ねじ機構により伸縮調整可能な部材であり、その下端部の係合リング(図示省略)が上側アーム2の凹部2a内に架設された支持ピン(図示省略)に枢支されている。
【0021】
また、下方に揺動操作された操作レバー9をその揺動位置に保持するストッパプレート11が操作レバー9の側方に配置されている。このストッパレバー11は、前端部がギヤボックス8(図1参照)側の図示しない支持部に固定されており、後端部の側面には係止突起11aが形成されている。この係止突起11aは、操作レバー9が下方に揺動操作されると、その側面に沿って側方に弾性的に退避した後、操作レバー9の上面に弾性的に突出して操作レバー9の上方揺動を規制する。
【0022】
図1に示すように、熱風ユニット6は、ヒータ、送風ファン、ファンモータなど(図示省略)を内蔵した本体部6aを備え、この本体部6aから引き出された電源コード6bが電源ユニット7に接続されている。そして、本体部6aには熱風を送風する送風管6cが接続されており、この送風管6cの下端部に熱風ヘッド5が連設されている。また、送風管6cの途中部分は、下側アーム4の縦ケース4dに固定された支持ロッド6dに対し、その軸方および軸周りに位置調節自在に支持されている。
【0023】
ここで、図4に示すように、熱風ヘッド5は、送風管6cの下端部に連続する横長の扁平な形状を有し、その先端部は閉塞されている。この熱風ヘッド5は、前後が円弧状に形成された略クサビ状の側面形状を有し、その後側の大きい円弧の後面には、複数の熱風噴出孔5aが熱風ヘッド5の長手方向に沿って一列に開口されている。
【0024】
熱風ヘッド5の上方にはその長手方向に沿って延びる前後一対のガイドピン5b,5bが配設され、熱風ヘッド5の下方にはその長手方向に沿って延びる前後一対のガイドピン5c,5cが配設されている。ガイドピン5b,5bは、例えばU字状に折り曲げ加工されたロッドで構成されており、その中間の折り曲げ部分が熱風ヘッド5の上面側に連続する送風管6cの下端部に溶接されることで、熱風ヘッド5の直前の直上方および直後の直上方に配置されている。同様に、ガイドピン5c,5cは、例えばU字状に折り曲げ加工されたロッドで構成されており、その中間の折り曲げ部分が熱風ヘッド5の下面側に連続する送風管6cの下端部に溶接されることで、熱風ヘッド5の直前の直下方および直後の直下方に配置されている。
【0025】
以上のように構成された一実施形態の不織布用熱融着装置は、例えば廃棄物投棄用の窪地面などの遮水構造として、図5に示すように、クッション性を有する不織布Fと、遮水性を有する防水シートBとを地面G上に交互に敷設する際、長尺の不織布Fを幅方向に連続させてマット状に一体化するために使用される。
【0026】
ここで、不織布Fは、コットン、羊毛などの天然繊維や、アクリル系繊維、レーヨンなどの化学繊維のほかに、例えば低融点のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系熱可塑性樹脂の繊維を含むことにより、熱融着可能に構成されている。この不織布Fは、厚さが10〜20mm程度であり、幅方向の接合縁部が相互に所定幅(熱風ヘッド5の長さ程度)オーバラップして重なるように敷設される。
【0027】
一方、防水シートBは、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのオレフィン系熱可塑性樹脂や、これらとゴム成分とを含むオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を成分とした長尺シートからなり、幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように敷設される。
【0028】
ここで、幅方向に相互にオーバラップして重なる不織布Fの接合縁部同士を図1に示した一実施形態の不織布用熱融着装置により熱融着させる際、まず、図6に示すように、左側に配置される不織布F1の幅方向右側の接合縁部の下面側に下側アーム4の後部ケース4bおよび補強アーム4fを挿入し、側部ケース4cの内側を不織布F1の右縁に突き当てる。この状態では、下側加圧ローラ3、ローラ4g,4hが左側に配置される不織布F1の下側に位置し、前部ケース4aが不織布F1の上側に位置する。
【0029】
つぎに、図1に示した熱風ユニット6を支持ロッド6dの軸方向および軸廻りに位置調整することにより、送風管6cの下端部に連続する熱風ヘッド5の直下のガイドピン5c,5cを図7に示す左側の不織布F1の幅方向右側の接合縁部の上面に載せる。そして、右側に配置される不織布F2の幅方向左側の接合縁部を熱風ヘッド5の直上のガイドピン5b,5bの上に被せる。
【0030】
続いて、図3に示した操作レバー9の操作グリップ9bを下方に押動操作し、ターンバックル部材10を介して上側アーム2を下方に揺動させ、操作レバー9の上面をストッパプレート11の係止突起11aに係止させることにより、上側アーム2の後端部の上側加圧ローラ1を図7に示す右側の不織布F2の幅方向左側の接合縁部の上面に圧接させる。
【0031】
このような準備の後、図1に示した不織布用熱融着装置を運転すると、図7に示す左側の不織布F1の接合縁部と右側の不織布F2の接合縁部とを上下方向から加圧した上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3が相互に等速度で矢印方向に回転する。これに伴ない、左側の不織布F1の接合縁部と右側の不織布F2の接合縁部の接合面間に挿入された熱風ヘッド5が接合縁部の長手方向に沿って矢印方向に移動しつつその移動方向後方へ向けて複数の熱風噴出孔5aから熱風を噴出する。
【0032】
そして、この熱風が吹き付けられた左側の不織布F1の接合縁部と右側の不織布F2の接合縁部との接合面を上側加圧ローラ1および下側加圧ローラ3が加圧することにより、左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部同士が熱融着される。
【0033】
その際、熱風ヘッド5は、その直上に配置されたガイドピン5b,5bおよびその直下に配置されたガイドピン5c,5cにより左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部の接合面に対して非接触状態に保持されているため、熱損失が抑制されて高温の熱風を複数の熱風噴出孔5aから噴出する。ここで、各熱風噴出孔5aは左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部における接合面の幅方向に沿って一列に配列されているため、高温の熱風が接合面の幅方向に均一に噴出される。
【0034】
従って、一実施形態に係る不織布用熱融着装置によれば、左側の不織布F1と右側の不織布F2の接合縁部同士を均一にしかも確実に熱融着させてマット状に一体化することができる。
【0035】
なお、幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように敷設され防水シートBの接合縁部同士も一実施形態の不織布用熱融着装置を使用して同様に熱融着させることにより、マット状に一体化することができる。そして、このようなマット状の不織布Fと防水シートBとを多層に敷設することで、廃棄物投棄用の窪地面などの遮水性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の一実施形態に係る不織布用熱融着装置の全体構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示した上側アームおよび下側アームを拡大して示す斜視図である。
【図3】図2に示した上側アームに連結された操作レバーを示す斜視図である。
【図4】図1に示した熱風ヘッドを拡大して示す斜視図である。
【図5】図1に示した不織布用熱融着装置により熱融着される不織布が敷設された廃棄物投棄用の窪地面などの遮水構造の断面図である。
【図6】図1に示した不織布用熱融着装置の使用例を示す下側アーム部分の部分斜視図である。
【図7】図1に示した不織布用熱融着装置の使用例を示す熱風ヘッド、上側加圧ローラおよび下側加圧ローラの部分斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 上側加圧ローラ
2 上側アーム
3 下側加圧ローラ
4 下側アーム
5 熱風ヘッド
5a 熱風噴出孔
5b ガイドピン
5c ガイドピン
6 熱風ユニット
7 電源ユニット
8 ギヤボックス
9 操作レバー
10 ターンバックル部材
11 ストッパプレート
B 防水シート
F 不織布
F1 左側に配置される不織布
F2 右側に配置される不織布
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を熱融着させる装置であって、
前記接合縁部の接合面間に挿入された状態で接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出する熱風ヘッドと、この熱風ヘッドの移動方向の後方に配置されることで前記熱風噴出孔から熱風が吹き付けられた接合面を加圧して前記接合縁部同士を熱融着させる上下の加圧ローラとを備え、
前記熱風ヘッドの上下には、前記接合面に摺接することにより熱風ヘッドを接合面に対して非接触状態に保持するガイドピンが付設されており、前記熱風ヘッドの熱風噴出孔は、前記接合面の幅方向に沿う列状に配列された小孔が複数開口されていることを特徴とする不織布用熱融着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法であって、
熱融着可能な長尺の不織布を幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように地面に敷設し、前記接合縁部の接合面間に挿入した熱風ヘッドを接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出させ、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッドの後方に配置された上下の加圧ローラにより加圧することにより、長尺の不織布の幅方向の接合縁部同士を熱融着させることを特徴とする不織布の熱融着施工方法。
【請求項3】
請求項2に記載の不織布の熱融着施工方法であって、前記地面が廃棄物投棄用の窪地面であり、この窪地面に前記不織布が防水シートと交互に多層に敷設されることを特徴とする不織布の熱融着施工方法。
【請求項1】
熱融着可能な不織布の相互にオーバラップして重なる接合縁部同士を熱融着させる装置であって、
前記接合縁部の接合面間に挿入された状態で接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出する熱風ヘッドと、この熱風ヘッドの移動方向の後方に配置されることで前記熱風噴出孔から熱風が吹き付けられた接合面を加圧して前記接合縁部同士を熱融着させる上下の加圧ローラとを備え、
前記熱風ヘッドの上下には、前記接合面に摺接することにより熱風ヘッドを接合面に対して非接触状態に保持するガイドピンが付設されており、前記熱風ヘッドの熱風噴出孔は、前記接合面の幅方向に沿う列状に配列された小孔が複数開口されていることを特徴とする不織布用熱融着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の不織布用熱融着装置を使用した不織布の熱融着施工方法であって、
熱融着可能な長尺の不織布を幅方向の接合縁部が相互にオーバラップして重なるように地面に敷設し、前記接合縁部の接合面間に挿入した熱風ヘッドを接合縁部の長手方向に沿って移動しつつその移動方向後方へ向けて熱風噴出孔から熱風を噴出させ、この熱風が吹き付けられた接合面を熱風ヘッドの後方に配置された上下の加圧ローラにより加圧することにより、長尺の不織布の幅方向の接合縁部同士を熱融着させることを特徴とする不織布の熱融着施工方法。
【請求項3】
請求項2に記載の不織布の熱融着施工方法であって、前記地面が廃棄物投棄用の窪地面であり、この窪地面に前記不織布が防水シートと交互に多層に敷設されることを特徴とする不織布の熱融着施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2006−77346(P2006−77346A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260962(P2004−260962)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000176774)三菱化学エムケーブイ株式会社 (29)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【出願人】(000178712)山水産業株式会社 (1)
【出願人】(000201490)前田工繊株式会社 (118)
【出願人】(593157091)株式会社タツノ化学 (4)
【出願人】(000109037)ダイニック株式会社 (55)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【出願人】(504342402)日本シート工業 株式会社 (1)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000176774)三菱化学エムケーブイ株式会社 (29)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【出願人】(000178712)山水産業株式会社 (1)
【出願人】(000201490)前田工繊株式会社 (118)
【出願人】(593157091)株式会社タツノ化学 (4)
【出願人】(000109037)ダイニック株式会社 (55)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【出願人】(504342402)日本シート工業 株式会社 (1)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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