説明

不要物処理システム

【課題】建設現場における不要物16の処理を正確に管理する。
【解決手段】端末装置26から管理サーバ18に対して、不要物16を処理する情報を送信する。建設現場12の邸を特定する邸識別ラベル34と、不要物16の搬出単位毎に添附される不要物識別ラベル36を使用する。ラベルに印刷されたコードパタン38は全てユニークな数字や記号である。読み取り装置28は邸識別ラベル34と不要物識別ラベル36のコードパタン38を読み取る。撮影装置32は、搬出準備中の全ての不要物16を撮影する。送信処理手段30は、読み取り装置28が読み取ったコード情報46と、撮影装置32が取得した画像情報50と、端末装置26を識別する端末識別情報44とを管理サーバ18に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場等における不要物の処理と管理のための不要物処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の建設現場では多量の廃棄物が発生する。同時に、リサイクル可能な資源塵も発生する。これらを搬出して廃棄物処理場に集積し、分別して的確に処理をするための運用システムが各種開発されている(特許文献1)(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−265003号公報
【特許文献1】特開2005−314065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
建設材料の現場合わせが伴う注文住宅では、特に多種多様な廃棄物や資源塵が発生する。廃棄物の品種毎に処理方法も様々で、処理費用も一定ではない。排出や運搬のための費用の効率的な管理も必要である。これらの不要物の処理費用は予め建設費用の中に組み込まれているが、その費用の見積もりが適正かどうかの再評価も継続的に行わなければならない。また、端材の発生を抑制し廃棄物の量を減らす一方、リサイクル可能な資材の利用を促進していくためにも、建物の設計と施工と廃棄物や資源塵の種別や量との関係を正確に把握することが必要になっている。
上記の課題を解決するために、本発明は、建設現場等における不要物の処理を正確に管理することができる不要物処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
建設現場で発生した不要物を処理するための情報を収集し分析する処理を実行するための管理サーバが設けられ、前記管理サーバに対して、ネットワークを通じて不要物を処理する情報を送信する端末装置が接続されており、前記端末装置から前記管理サーバに対して前記不要物を処理する情報を送信するために、前記端末装置に設けた読み取り装置により光学的に読み取り可能なコードパタンを印刷したラベルが使用され、前記ラベルは、前記建設現場の邸を特定するために前記建設現場のいずれかの場所に添附される邸識別ラベルと、容器に収容されもしくは結束された不要物の搬出単位毎に当該不要物に添附される不要物識別ラベルを含み、前記コードパタンは、数字またはそれ自体意味を持たない記号もしくはそれらの数字または記号を符号化したもののみで構成され、前記不要物に添附される不要物識別ラベルのコードパタンは全てユニークなものであって、前記端末装置には、前記管理サーバに対して、前記不要物を処理する情報を送信するための送信処理手段が設けられており、前記端末装置に設けた読み取り装置が、前記邸識別ラベルと搬出準備中の全ての前記不要物に添付された不要物識別ラベルのコードパタンを読み取り、前記端末装置に設けられた撮影装置が、前記搬出準備中の全ての不要物を撮影して当該不要物の画像情報を取得し、前記送信処理手段は、前記読み取り装置が読み取ったコード情報と、前記撮影装置が取得した画像情報と、前記端末装置を識別する端末識別情報とを前記管理サーバに送信することを特徴とする不要物処理システム。
【0006】
〈構成2〉
構成1に記載の不要物処理システムにおいて、前記端末装置に設けた読み取り装置により光学的に読み取り可能なコードパタンを印刷したラベルに代えて、前記端末装置に設けた読み取り装置により電磁的に読み取り可能なコードパタンを記録したラベルが使用されることを特徴とする不要物処理システム。
【0007】
〈構成3〉
構成1または2に記載の不要物処理システムにおいて、前記コードパタンは、一連番号を表示する数値またはこの数値と記号の組み合わせとからなることを特徴とする不要物処理システム。
【0008】
〈構成4〉
構成1乃至3のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、前記管理サーバは、前記端末装置から受信した、前記読み取り装置が読み取ったコード情報と、前記撮影装置が取得した画像情報と、前記端末装置を識別する端末識別情報とを記憶する記憶装置と、前記邸識別ラベルのコードパタンと前記邸を特定する邸識別コードとを対応させた参照データベースを記憶する記憶装置と、前記参照データベースを使用して、前記コード情報に含まれた邸識別ラベルのコードパタンに対応する邸識別コードを取得し、この邸識別コードと、前記端末識別情報と、前記端末装置から受信した時刻を示す時刻情報と、前記コード情報に含まれた前記不要物識別ラベルのコードパタン群と、前記搬出準備中の全ての不要物を撮影した前記画像情報とを関係付けた管理データを生成する管理データ生成手段を備えたことを特徴とする不要物処理システム。
【0009】
〈構成5〉
構成1乃至4のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、前記搬出単位毎に添附する不要物識別ラベルには、当該不要物の品目を指定してその結果を記入するための、不要物品目リストが印刷されていることを特徴とする不要物処理システム。
【0010】
〈構成6〉
構成1乃至5のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、前記建設現場の、前記搬出準備中の全ての前記不要物を撮影できる場所に設置した撮影装置を、ネットワークを通じて前記管理サーバに接続して、前記不要物を撮影した画像情報を自動的に前記管理サーバに送信する画像送信手段を設けたことを特徴とする不要物処理システム。
【0011】
〈構成7〉
構成1乃至6のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、前記端末装置には、前記管理サーバに送信するべき全ての情報を一時的に記憶しておく記憶装置と、前記管理サーバに前記情報を送信する処理が中断したとき、前記不要物を積載して搬出する車両に前記端末装置が搭載されて移動するときまたは移動後に、前記情報を送信する処理を再開する再送制御手段を備えたことを特徴とする不要物処理システム。
【0012】
〈構成8〉
構成1乃至7のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、前記不要物識別ラベルに記入された品目の不要物を搬入して集積する集積場において、前記不要物識別ラベルのコードパタンを読み取るコード読み取り機と、搬出単位毎に当該不要物の重量を計る計量装置と、前記コード読み取り機の読み取ったコード情報と前記計量装置から取得した計量情報と集積場を特定する集積場識別情報とを前記管理サーバに送信する送信装置を設けたことを特徴とする不要物処理システム。
【0013】
〈構成9〉
構成8に記載の不要物処理システムにおいて、前記管理サーバの管理データ生成手段は、前記邸別に、前記不要物の品目毎の総重量を計算し、廃棄物となる不要物の処理費用と、資源塵となる不要物の売却費用を計算して、不要物処理総額を算出することを特徴とする不要物処理システム。
【0014】
〈構成10〉
構成1乃至9のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、前記管理サーバには、前記管理データ生成手段の生成した管理データ中の、搬出準備中の不要物の個数をカウントして、前記建設現場から不要物を搬出するための車両の配車計画を作成する搬出計画手段を備えたことを特徴とする不要物処理システム。
【0015】
〈構成11〉
構成1乃至10のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、管理サーバの記憶装置には、各邸の建設現場に搬出待ちのために蓄積できる不要物の許容量を示すデータを記憶させておき、同時期に不要物の搬出を予定している複数の建設現場があるとき、前記搬出計画手段は、少なくとも、各建設現場の前記許容量の合計値に基づいて、不要物搬出用の車両を選択することを特徴とする不要物処理システム。
【0016】
〈構成12〉
構成1に記載の不要物処理システムに使用するものであって、端末装置のコンピュータを、前記邸識別ラベルと搬出準備中の全ての前記不要物に添付された不要物識別ラベルのコードパタンを読み取る読み取り装置と、前記搬出準備中の全ての不要物を撮影して当該不要物の画像情報を取得する撮影装置と、前記読み取り装置が読み取ったコード情報と、前記撮影装置が取得した画像情報と、前記端末装置を識別する端末識別情報とを、管理サーバに送信する送信処理手段、として機能させるコンピュータプログラム。
【0017】
〈構成13〉
構成12に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0018】
〈構成1の効果〉
建設現場で発生した全ての不要物に、搬出単位でラベルが添附される。邸識別ラベルも不要物識別ラベルも、それ自体意味を持たない数字や記号のみからなるコードパタンを使用しており、たとえ紛失しても個人情報が流出するおそれがない。不要物識別ラベルのコードパタンと不要物識別ラベルを添附した搬出準備中の全ての不要物を撮影した画像を管理サーバに送信するので、搬出する不要物の搬出単位の個数と荷姿を同時に照合し確認できる。
〈構成2の効果〉
磁気記録のような記録媒体や、ICタグのような情報記憶素子を一体化したラベルを使用することができる。
〈構成3の効果〉
一連番号を表示する数値や記号との組み合わせならば、ラベルを自動的に画一的に廉価に製造できる。ICタグの場合でも同様である。
〈構成4の効果〉
管理データの邸識別コードは、不要物を排出する邸を特定する。端末識別情報は、不要物を搬出する搬出担当者を特定する。端末装置から受信した時刻を示す時刻情報は、不要物の搬出時刻を特定する。不要物識別ラベルのコードパタン群は、搬出された不要物を搬出単位毎に識別する。搬出準備中の全ての不要物を撮影した画像情報は、搬出される不要物の荷姿や個数を目視確認するために使用される。これらにより、不要物の搬出状況を確実に正確に管理できる。
〈構成5の効果〉
不要物の搬出は搬出単位毎に行い、不要物は品目別に集積場に送られる。例えば、不要物を容器に収容する分別担当者が、不要物識別ラベルの不要物品目リストにチェックマークを記入して、不要物の品目を指定することができる。搬出担当者は指定された品目を見て、品目別に不要物を集積場に送ることができる。
〈構成6の効果〉
全ての不要物を撮影した画像情報が自動的に送信される。また、同時に建設現場に置かれた搬出準備中の不要物を自動的に遠隔監視できる。
〈構成7の効果〉
通信障害等で、端末装置から管理サーバに情報を送信できないときには、不要物を積載して搬出する車両が移動中かあるいは移動後に、端末装置が自動的に通信を再開する。これにより、例えば、建設現場が携帯電話の繋り難い地域であっても、情報送信処理を支障なくできる。
〈構成8の効果〉
品目毎に不要物を搬入して集積する集積場で、コードパタンを読み取り、計量をして、管理サーバに通知することで、管理サーバ側で、搬出単位毎の不要物の品目や総重量を管理するデータを生成できる。
〈構成9の効果〉
このシステムにより、自動的に正確に不要物処理総額の計算をすることができる。
〈構成10の効果〉
生成した管理データから、自動的に不要物を搬出するための車両の配車計画を作成することができる。
〈構成11の効果〉
複数の建設現場の不要物をまとめて搬出する計画をする。許容量の合計値により、搬出待ちの不要物の最大量が予想できる。この結果に基づいて、不要物搬出用の車両の車種選択や、台数選択をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のシステムの具体例を示す説明図である。
【図2】ラベルの構造と端末装置から送信されるデータの説明図である。
【図3】実施例2の不要物処理システムを示す説明図である。
【図4】不要物の集積場のシステムを示す説明図である。
【図5】管理サーバの実施例を示す説明図である。
【図6】管理サーバの演算処理動作の説明図である。
【図7】端末装置のアプリケーションプログラム動作フローチャートである。
【図8】データ取得作業完了後の携帯電話の動作フローチャートである。
【図9】端末装置の制御画面例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[概要]
図1は、本発明の不要物処理システム10の具体例を示す説明図である。
この図1を用いて、本発明の概略を説明する。廃棄物や資源塵は建物(以下邸と呼ぶ)14の建設現場12で不要物として取り扱う。これらの不要物16は、発生するたびに逐次建設現場12から搬出される。これらの不要物16のうち、廃棄物は廃棄物処理場に集積されて廃棄される。また、資源塵はリサイクル業者側に集積されて引き渡される。これらの不要物16の流れを管理サーバ18で正確に管理する。
【0021】
即ち、建設現場12で発生した不要物16を処理するための情報を収集し分析する処理を実行するために、管理サーバ18が設けられている。管理サーバ18は建設工事の管理者が勤務する場所等、任意の場所に設けられる。この管理サーバ18に対して、ネットワーク24を通じて、不要物16を処理する情報を送信する端末装置26が接続されている。この端末装置は、例えば、携帯電話である。
【0022】
建設現場12では、分別担当者62が不要物16を分別して、容器に収容したり結束したりして、搬出単位にまとめる。情報管理のために、2種のラベルを使用する。一方のラベル34(邸識別ラベル)は邸毎に用意され、邸識別のために使用される。もう一方のラベル36(不要物識別ラベル)は搬出のために袋詰め等がされた不要物16に貼付される。不要物16に貼付された不要物識別ラベル36には、分別担当者62によって不要物16の品目が記入される。
【0023】
搬出担当者64は、携帯電話等の端末装置26により、邸識別ラベル34と不要物識別ラベル36とから読み取った情報を管理サーバ18に送信する。さらに、搬出準備中の全ての不要物16を撮影した画像を送信する。これにより、管理サーバ18側では、不要物搬出の時点で、搬出する不要物16の搬出単位の全数と荷姿を照合し確認できる。不要物を収納する袋や容器を半透明なものにすると、内容物が外部から認識できる。さらに、各不要物16は、処分場やリサイクル業者の集積場に品目毎に集積されて、計量される。その結果を管理サーバ18に送信する。これにより、管理サーバ18では、搬出された全ての不要物16について、邸毎に、品目別に総重量を取得して集計し、不要物処理費用を算出できる。以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
[端末装置の機能]
図1において、邸識別ラベル34は、不要物16を一時保管するための例えば駐車場の壁等に貼り付けられる。搬出担当者64の所持する端末装置26には、情報を管理サーバ18に送信するための専用のアプリケーションプログラムがインストールされている。このプログラムを起動することにより、端末装置26は、読み取り装置28、送信処理手段30、撮影装置32、記憶装置33、及び再送制御手段78として機能する。
【0025】
読み取り装置28は、例えば、2次元コード読み取りプログラム等により機能し、読み取ったデータが記憶装置33に一時記憶される。撮影装置32は、携帯電話に付属のディジタルカメラ等による。撮影した画像は記憶装置33に一時蓄積される。送信処理手段30は、記憶装置33に一時蓄積されたデータを一括して管理サーバ18に送信する機能を持つ。このとき同時に、管理サーバ18には、携帯電話の個体識別情報が通知される。これにより、端末装置26を識別する端末識別情報44を管理サーバ18側で取得する。
【0026】
記憶装置22は、管理サーバ18に送信するべき全ての情報を一時的に記憶しておくことができる。これにより、もし、管理サーバ18に情報を送信する処理が中断したとき、不要物16を積載して搬出する搬出車両76に端末装置26が搭載されて移動するときまたは移動後に、再送制御手段78が情報を送信する処理を自動的に再開する。
【0027】
即ち、再送制御手段78は、携帯電話の通話圏外でデータ送信操作されたときに、その後通話圏内まで移動してから、記憶装置33に記憶されたデータを自動的に再送する機能を持つ。従って、搬出担当者64は意識することなく安心してデータ送信処理を実行し、不要物16を搬出できる。その結果、管理サーバ18では、不要物の画像40と端末識別情報44とコード情報46とを取得する。時刻情報48はこれらのデータを取得した時刻を示す情報である。また、このほかに、後で説明するように、建設現場12に設置した監視カメラ等により不要物16を撮影して取得した画像情報50も管理サーバに転送される。
【0028】
[ラベルの構造]
図2はラベルの構造と端末装置から送信されるデータの説明図である。
(a)は邸識別のために使用される邸識別ラベル34の実施例を示す。(b)は不要物16に貼り付ける不要物識別ラベル36の実施例を示す。この例のラベルは、白紙の上に2次元コードを印刷したものである。2次元コードの代わりに、文字や記号をそのまま印刷したものや、一次元コード等を用いてもよい。いずれも既知の撮影装置やスキャナと読み取り処理プログラムを利用して、光学的に読み取ることができる。また、ICタグのような、電磁的に読み取りできるものを用紙に固定してもよい。
【0029】
端末装置26に設けられた読み取り装置28(図1)で読み取って、その情報を管理サーバ18に送信できればよい。例えば、端末装置26の撮影装置32(図1)で撮影をして、画像データをそのまま管理サーバ18に送信しても構わない。管理サーバ18側でコード化すればよい。邸識別ラベル34から読み取ることができる情報をコードパタン38aと呼び、不要物識別ラベル36から読み取ることができる情報をコードパタン38bと呼ぶことにする。また、コードパタン38aとコードパタン38bとを一括して、コード情報46と呼ぶことにする。
【0030】
コードパタン38aとコードパタン38bはいずれも、例えば、一連番号を表示する数値またはこの数値と記号の組み合わせによるものが好ましい。邸識別ラベル34は、建設中の全ての邸を区別して、どの邸から搬出された不要物かを区別する情報を取得するために使用される。多数の建設現場に邸識別ラベル34を割り付けるために、図2(a)に示すようなラベルを多数印刷する。いずれも、ユニークなものであれば、任意の邸に任意の邸識別ラベル34を割り付けることができる。
【0031】
管理サーバ側では、どの邸にどのコードパタン38aの邸識別ラベル34が割り付けられたかの通知を受ける。これにより図2(d)に示す参照データベース56を生成する。邸識別ラベル34のコードパタン38aと邸識別コードとを一対一で対応づけたデータベースである。
【0032】
邸識別ラベル34は図1に示すように、建設現場12の不要物16の保管場所近くに貼り付けられる。それ自体意味を持たない数字や記号を用いるので、この邸識別ラベル34を第3者に見られても、個人情報は漏洩しない。不要物識別ラベル36は、不要物16の搬出単位毎に添附されて、処分場等へ搬出されるが、それ自体意味を持たないユニークな数字や記号を用いれば、不要物識別ラベル36がどこへ持ち出されても個人情報は漏洩しない。
【0033】
また、例えば、一つの邸のために準備した不要物識別ラベル36が余った場合には、無条件で他の邸に利用できるという効果もある。さらに、建設工事が終了した邸で使用した邸識別ラベル34は、新たに建設を開始する邸にも使用できる。なお、それ自体意味を持たない連番の数字や文字のみを使用すればよいので、自動的に連番の数字を記録して生産されたICタグに置き換えることが可能である。そのときは、携帯電話にICタグ読み取り装置を組み込むか、あるいは、ICタグ読み取り装置と携帯電話とを接続して、読み取ったデータを記憶装置33に記憶させるといった処理が可能である。
【0034】
図2の(b)に示すように、不要物識別ラベル36には、コードパタン38bのほかに、不要品の品目を指定するための不要品品目リスト66が印刷されている。各品目名の右側にチェックボックスが印刷されている。袋等の容器に不要物16を梱包した分別担当者62(図1)は、その不要物16の品目を良く認識している。従って、分別担当者62は不要物識別ラベル36の該当するチェックボックスにペン等を用いてチェックマーク68を記入する。各種の機材を用いれば、電磁的に不要物識別ラベル36に品目の情報を記録することが可能である。しかしながら、この実施例では、不要物識別ラベル36を目視で確認できるという便宜のために、不要物の品目を指定してその結果を記入するという構成にした。
【0035】
これにより、搬出担当者64も目視により不要物16を容易に分別できる。集積場の係員も同様に目視により適切な計量装置まで搬入できる。品目について、特別な読み取り装置を使用しないで認識できるという利便性を優先している。同一の品目については、同一の集積場に集積される。集積場の計量結果を一括して管理サーバ18に送信すると、それらの不要物16は全て、その集積場で処理される特定の品目にかかわるものであることが自動的に分かる。
【0036】
[端末装置による不要物の画像]
図2(c)に示した不要物の画像40は端末装置26(図1)により撮影された、搬出準備中の全ての不要物の画像である。この画像は管理上重要な意味を持つ。例えば、8個の不要物16に貼付された8枚の不要物識別ラベル36について、そのコードパタン38bを読み取って管理サーバ18に送信したとする。それらが、図のような荷姿と個数で搬出されたことが確認できると、集積場にそのままの状態で届いたかどうかの確認ができる。これにより、不法投棄や対象外の不要物の混入を発見できる。
【実施例2】
【0037】
[監視カメラによる不要物の画像]
図3は実施例2の不要物処理システムを示す説明図である。
この図の実施例では、建設現場12に撮影装置32を設置している。撮影装置32は、ウェブカメラといった防犯用の監視カメラが適する。この撮影装置32で、搬出準備中の全ての不要物16を撮影する。搬出準備中の不要物16を一時保管する場所全体を撮影できるように、撮影装置32を設置して置けばよい。撮影装置32をネットワークを通じて管理サーバ18に接続をしておけば、不要物16を撮影した画像が送信できる。
【0038】
これにより、図2で説明したような、不要物の画像40を自動的に取得することができる。取得した画像情報50は、画像送信手段74により管理サーバ18に自動的に送信される。画像送信手段74は、撮影装置32に内蔵されていればよい。既知のウェブカメラ等により実現できる。これにより、端末装置26で撮影をしなくても確認用の画像情報50が取得できる。また、あるいは端末装置26で撮影をした画像をさらに別の観点から確認することもできる。
【実施例3】
【0039】
[不要物の集積場]
図4は不要物の集積場のシステムを示す説明図である。
上記のようにして建設現場12から搬出された不要物16は、品目毎に分別されて集積場に集積される。この集積場は一時的な集積場所であってもよいし、最終処分場であってもよい。いずれの場合でも、不要物識別ラベル36のコードパタン38を読み取るコード読み取り機80で、全ての不要物が搬出単位毎にコード情報を読み取られる。その後、計量装置82により搬出単位毎に計量装置82で計量される。
【0040】
その結果、コードパタン38と計量情報84とを対応付けた計量情報84が生成される。さらに、その集積場には固有の品目が集積されることが分かっているから、集積場識別情報86を管理サーバ18に送信すれば、品目情報72を送信したことになる。このために、集積場70には、コード読み取り機80の読み取ったコード情報46と計量装置82から取得した計量情報84と集積場70を特定する集積場70識別情報とを管理サーバ18に送信する送信装置88を設けた。
【0041】
管理サーバ18側では、これらの情報を取得することにより、搬出単位毎に、その搬出単位を特定するコードパタン38bと、邸識別コードと、不要物16の品目とを対応付けたデータベースを生成することができる。その結果、後で説明するように、不要物16の品目別の総重量90等を計算できる。
【実施例4】
【0042】
[管理サーバの構成]
図5は管理サーバの実施例を示す説明図である。
管理サーバ18には、ネットワーク24を通じて、建設現場12や集積場70から既に説明したような情報が送信される。管理サーバ18は演算処理装置20と記憶装置22とを備える。管理サーバ18の演算処理装置20は、通信装置19と管理データ生成手段58と1搬出計画手段00により、所定の処理を実行する。通信装置19と管理データ生成手段58と搬出計画手段100とは、管理サーバ18のコンピュータに各機能を付与するコンピュータプログラムにより動作する。
【0043】
記憶装置22には、不要物の画像40と端末識別情報44とコード情報46と時刻情報48と画像情報50とが記憶される。これらは、既に説明したようにして、端末装置26や撮影装置32(図4)から受信したデータである。参照データベース56は、邸識別ラベル34のコードパタンと邸を特定する邸識別コード52とを対応させたもので、管理データ生成手段58が生成する。管理データ60は、邸識別コード52と端末識別情報44と時刻情報48と複数の不要物識別ラベル36のコードパタン群54と画像情報50とを関係付けたデータである。そのデータ入力責任者として、分別担当者62や搬出担当者64の情報も記録しておく。携帯電話の個体識別情報に加えて担当者の識別情報も管理サーバ18に受信されるようにすると、より正確な管理ができる。
【0044】
管理データ生成手段58は、邸別に、不要物16の品目毎の総重量90を計算し、廃棄物となる不要物16の処理費用92と、資源塵となる不要物16の売却費用94を計算して、両者を加算し、不要物16処理総額96を算出する機能を持つ。こうして、自動的に正確に不要物16処理総額96の計算をする。このデータにより、邸別に工事費用の損益計算処理ができる。さらに、不要物16処理総額96を精密に正確に算出できるようになれば、建物の建設費用の見積もりの精度が上がり、建物の価格にも反映できる。
【実施例5】
【0045】
[管理サーバの演算処理]
図6は管理サーバの演算処理動作の説明図である。
管理サーバ18では、既に説明したように、不要物の画像40、端末識別情報44、コード情報46、時刻情報48、画像情報50および搬出担当者64(を特定する情報)を含む管理データ60を生成して、記憶装置22に記憶させる。このコード情報46は、邸識別ラベル34のコードパタン38aと不要物識別ラベル36のコードパタン38bとを含んでいる。コードパタン38aから参照データベース56を利用して、邸識別コード52を求める。多数の不要物16に添附された38bからコードパタン群54を得る。また、集積場からは、計量情報84と集積場識別情報86が送信される。集積場識別情報86から品目を取得する。これらが全て管理データ60に含められる。
【0046】
即ち、どの邸のいつ搬出した袋に何が入っていて、何キログラムあって、廃棄物で処理されたとか、資源塵で処理されたというデータが、管理サーバ18に蓄積される。また、別ルートで搬出された不要物16についても、同様にして、搬出単位毎の識別コードと品目と重量と処分日と処分費用等のデータを取得して、管理サーバ18に蓄積するとよい。
【0047】
以上の管理データ60を利用すれば、コード情報46と不要物の画像40等を照合することにより、各建設現場12から全ての不要物16が集積場70に間違いなく搬送されて集積されたことを確認できる。携帯電話の個体識別情報により搬出担当者64を特定して搬出に使用した車両を確認する。また、時刻情報48により搬出時刻を確認する。さらに、邸別に、廃棄物について、品目毎に総重量と処理費用を計算することができる。また、資源塵について、品目毎に総重量と売却費用を計算することができる。一方、邸識別コード52とコードパタン群54とが管理サーバ18に取得された時点で、不要物16の個数をカウントすることができる。これにより、建設現場12について、不要物16を搬出するための車両の配車計画98を生成することができる。
【0048】
また、各建設現場12では、それぞれ、搬出待ちのために蓄積できる不要物16の許容量102が決まっている。同時期に不要物16の搬出を予定している複数の建設現場12があるとき、例えば、一台の車両で全ての不要物16を搬出できるように、不要物16搬出用の車両を選択をすることができる。この場合、搬出計画手段100(図5)が、各建設現場12の許容量102の合計値を最大積載量として、車両を選択する。複数の車両に分けて積載をするときは、車両の車種選択と台数選択をする。もちろん、該当する全ての建設現場12の搬出待ちの不要物16の量を示す情報が最新のもので、内容が確定している場合には、それらの合計値により、車両の車種選択と台数選択をするとよい。
【0049】
[配車処理]
建設現場から不要物16を搬出する方法には次の方法がある。まず、施工者が建設現場12から持ち帰る方法である。これは、配車が不要で、処分費用はプラスマイナスゼロとして記録するとよい。記録をすれば、全体として不要物16の発生を減少させるために役立つ。従って、他の不要物と同様に、上記の管理データ60を生成することが好ましい。
【0050】
次に、建設資材を搬入したとき、その帰り車を利用して不要物を搬出する方法がある。これは搬出コストが低減できるので、建設計画と突き合わせて配車計画を作成するとよい。建設計画には、建設資材搬入のための配車スケジュールが含まれている。これと、不要物搬出のための配車スケジュールとを突き合わせる。同一の建設現場であれば、建設資材搬入後に不要物搬出というスケジュールを組む。近隣の建設現場であれば、建設資材搬入後に該当する建設現場に移動して不要物搬出というスケジュールを組む。
【0051】
また、不要品(廃棄物や資源塵)の回収専門業者による搬出がある。これも配車が不要で、処分費用の報告を受ければよい。データ処理はこれまでの実施例と全く同様でよい。なお、袋詰めしたものや結束をしたものでは、車両の積載量と搬出単位との関係がや不正確になるおそれがある。例えば、搬出単位をコンテナとかパレット使用に統一すると、より正確に配車計画ができる。
【0052】
以上のシステムによれば、邸別に、品目別の不要物16の重量を算出できるから、各邸の設計データや施工計画データと突き合わせをすることにより、不要物16の排出量を減少させるための設計や施工方法の開発に役立てることができる。また、不要物16の搬出のための配車計画98も総合的に効率化できる。例えば、設計の一部を見直すことが、端材の発生を抑制したり、リサイクル可能な資材をより多く採用する設計を工夫できる。また、全ての邸の不要物16の量を品目別に集計することにより、全体として最も効果的に不要物16の減量を図る方法を開発したり、リサイクル可能な資材の利用を検討することが可能になる。
【実施例6】
【0053】
[端末装置のプログラム]
上記の端末装置26には携帯電話を例示した。しかし、端末装置26として、パーソナルコンピュータやスマートフォンあるいはタブレットPC等の各種のモバイル端末装置を使用することができる。不要物16を処理する情報は搬出担当者64が入力する。もちろん、分別担当者62が入力作業を補助して構わない。このデータの入力や送信負荷を可能な限り軽減して、入力ミスを防止し、正確なデータの収集をする環境を作ることが望ましい。また、管理サーバ18に送信する情報には個人情報も含まれおそれがあるから、管理サーバ18と暗号化通信をしたり、搬出担当者64の携帯電話に残らないように自動処理する。従って、携帯電話に専用のアプリケーションプログラムをインストールして使用するとよい。以下、このアプリケーションプログラムの実施例を説明する。
【0054】
図7と図8は、端末装置のアプリケーションプログラム動作フローチャートである。また、図9は端末装置の制御画面例の説明図である。
ステップS11では、端末装置を操作して、「不要物搬出報告」と称するアプリケーションプログラムを起動する。その最初の画面G1で、「位置情報取得」というボタン操作をする。位置情報取得機能の無い端末装置の発明には、この画面は表示されない。ボタン操作により、画面G2に取得した位置情報(ここでは住所)が表示される。
【0055】
ステップS12で、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)データが正常に取得されたかどうかという判断をする。画面G2に表示された住所が正確ならば、「OK」ボタンを操作する。住所が表示されないか、あるいは誤りがあったら、「NO」ボタンを操作する。「OK」のときはステップS13の処理に移行し、ノーのときはステップS14の処理に移行する。ステップS13では、取得した位置情報を記憶装置に記憶する。
【0056】
ステップS14では、画面G3で位置情報取得にラベルを使用するかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS15の処理に移行し、ノーのときはステップS16の処理に移行する。GPSデータを利用しない場合とGPSデータ取得に失敗した場合には、画面G3で「邸識別ラベル読み取り」というボタンが表示される。ステップS15では、ボタンを操作して、邸識別ラベルの読み取りをし、ステップS16でそのコードパタンを記憶装置に記憶する。ステップS12からステップS16により、GPSかあるいは邸識別ラベルの読み取りで、処理対象の邸を特定する処理が完了する。
【0057】
ステップS17では、画面G4で、「不要物の画像撮影」というボタンを表示して、撮影をする。このボタンを操作すると撮影された画像が表示される。ここで、画面G5に表示された画像が適切ならば、「OK」ボタンを操作する。画像が不適切ならば、「NO」ボタンを操作して、再度撮影をする。ステップS18では、撮影した画像を記憶装置に記憶する。ステップS19では、画面G6に「不要物識別ラベル読取」というボタンを表示する。このボタンを操作すると、不要物識別ラベルのコードパタンが読み取られて、ステップS20で、コードパタンを記憶装置に記憶する。
【0058】
ステップS21では、不要物識別ラベルを全部読み取ったかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS22の処理に移行し、ノーのときはステップS19の処理に戻る。即ち、搬出準備中の全ての不要物について、ラベル読み取り操作をくりかえす。画面6には不要物識別ラベルを読み取るたびに、読み取り合計個数を表示する。読み取り個数を確認し、読み取りが全部終了すると、画面6の「報告」というボタンを操作する。その後、自動的に、ステップS22で記憶したデータの暗号化をする。以上で、管理サーバに報告をするデータ取得作業が完了する。
【0059】
図8で、データ取得作業完了後の携帯電話の後処理手順を説明する。
不要物16の処理は、不法投棄等を排除するために厳格に管理しなければならない。従って、正常に報告が完了しない場合には、搬出作業を中止するといった取扱も必要である。このため、ステップS31〜34の処理を設けた。また、携帯電話の通話可能圏外で報告操作が行われた場合に、搬出車両が携帯電話の通話可能範囲に移動後に自動的に送信されるよう、ステップS36〜39の処理を設けた。
【0060】
まず、ステップS31で、図8の画面G6の「報告」ボタンが操作されたかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS32の処理に移行し、ノーのときは待機する。ステップS32では、記憶装置に記憶した全てのデータの点検をする。これにより、ステップS33で、必要な操作が全て完了したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS35の処理に移行し、ノーのときはステップS34の処理に移行する。
【0061】
ステップS34では、画面G7により、不要物搬出中止の指示を表示する。その結果は管理サーバに送信する必要があるから、その後ステップS35に進む。ステップS35では、記憶装置に記憶したデータの暗号化をする。ステップS36では、暗号化済みのデータを管理サーバに送信する。ステップS37では、送信が正常終了したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときは画面G8を表示して処理を終了する。ノーのときはステップS38の処理に移行する。ステップS38では、携帯電話が送信可能領域に移動したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS39の処理に移行し、ノーのときは待機する。ステップS39では、データの再送信をして、画面G9を表示し全ての処理を終了する。
【符号の説明】
【0062】
10 不要物処理システム
12 建設現場
14 建設現場の邸
16 不要物
18 管理サーバ
19 通信装置
20 演算処理装置
22 記憶装置
24 ネットワーク
26 端末装置
28 読み取り装置
30 送信処理手段
32 撮影装置
33 記憶装置
34 邸識別ラベル
36 不要物識別ラベル
38 コードパタン
40 不要物の画像
44 端末識別情報
46 コード情報
48 時刻情報
50 画像情報
52 邸識別コード
54 コードパタン群
56 参照データベース
58 管理データ生成手段
60 管理データ
62 分別担当者
64 搬出担当者
66 不要物品目リスト
68 チェックマーク
70 集積場
72 品目情報
74 画像送信手段
76 搬出車両
78 再送制御手段
80 コード読み取り機
82 計量装置
84 計量情報
86 集積場識別情報
88 送信装置
90 総重量
92 処理費用
94 売却費用
96 処理総額
98 配車計画
00 搬出計画手段
02 許容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設現場で発生した不要物を処理するための情報を収集し分析する処理を実行するための管理サーバが設けられ、
前記管理サーバに対して、ネットワークを通じて不要物を処理する情報を送信する端末装置が接続されており、
前記端末装置から前記管理サーバに対して前記不要物を処理する情報を送信するために、前記端末装置に設けた読み取り装置により光学的に読み取り可能なコードパタンを印刷したラベルが使用され、
前記ラベルは、前記建設現場の邸を特定するために前記建設現場のいずれかの場所に添附される邸識別ラベルと、容器に収容されもしくは結束された不要物の搬出単位毎に当該不要物に添附される不要物識別ラベルを含み、
前記コードパタンは、数字またはそれ自体意味を持たない記号もしくはそれらの数字または記号を符号化したもののみで構成され、前記不要物に添附される不要物識別ラベルのコードパタンは全てユニークなものであって、
前記端末装置には、前記管理サーバに対して、前記不要物を処理する情報を送信するための送信処理手段が設けられており、
前記端末装置に設けた読み取り装置が、前記邸識別ラベルと搬出準備中の全ての前記不要物に添付された不要物識別ラベルのコードパタンを読み取り、前記端末装置に設けられた撮影装置が、前記搬出準備中の全ての不要物を撮影して当該不要物の画像情報を取得し、
前記送信処理手段は、前記読み取り装置が読み取ったコード情報と、前記撮影装置が取得した画像情報と、前記端末装置を識別する端末識別情報とを前記管理サーバに送信することを特徴とする不要物処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の不要物処理システムにおいて、
前記端末装置に設けた読み取り装置により光学的に読み取り可能なコードパタンを印刷したラベルに代えて、前記端末装置に設けた読み取り装置により電磁的に読み取り可能なコードパタンを記録したラベルが使用されることを特徴とする不要物処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の不要物処理システムにおいて、
前記コードパタンは、一連番号を表示する数値またはこの数値と記号の組み合わせとからなることを特徴とする不要物処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記端末装置から受信した、前記読み取り装置が読み取ったコード情報と、前記撮影装置が取得した画像情報と、前記端末装置を識別する端末識別情報とを記憶する記憶装置と、
前記邸識別ラベルのコードパタンと前記邸を特定する邸識別コードとを対応させた参照データベースを記憶する記憶装置と、
前記参照データベースを使用して、前記コード情報に含まれた邸識別ラベルのコードパタンに対応する邸識別コードを取得し、この邸識別コードと、前記端末識別情報と、前記端末装置から受信した時刻を示す時刻情報と、前記コード情報に含まれた前記不要物識別ラベルのコードパタン群と、前記搬出準備中の全ての不要物を撮影した前記画像情報とを関係付けた管理データを生成する管理データ生成手段を備えたことを特徴とする不要物処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、
前記搬出単位毎に添附する不要物識別ラベルには、当該不要物の品目を指定してその結果を記入するための、不要物品目リストが印刷されていることを特徴とする不要物処理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、
前記建設現場の、前記搬出準備中の全ての前記不要物を撮影できる場所に設置した撮影装置を、ネットワークを通じて前記管理サーバに接続して、前記不要物を撮影した画像情報を自動的に前記管理サーバに送信する画像送信手段を設けたことを特徴とする不要物処理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、
前記端末装置には、前記管理サーバに送信するべき全ての情報を一時的に記憶しておく記憶装置と、前記管理サーバに前記情報を送信する処理が中断したとき、前記不要物を積載して搬出する車両に前記端末装置が搭載されて移動するときまたは移動後に、前記情報を送信する処理を再開する再送制御手段を備えたことを特徴とする不要物処理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、
前記不要物識別ラベルに記入された品目の不要物を搬入して集積する集積場において、前記不要物識別ラベルのコードパタンを読み取るコード読み取り機と、搬出単位毎に当該不要物の重量を計る計量装置と、前記コード読み取り機の読み取ったコード情報と前記計量装置から取得した計量情報と集積場を特定する集積場識別情報とを前記管理サーバに送信する送信装置を設けたことを特徴とする不要物処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の不要物処理システムにおいて、
前記管理サーバの管理データ生成手段は、前記邸別に、前記不要物の品目毎の総重量を計算し、廃棄物となる不要物の処理費用と、資源塵となる不要物の売却費用を計算して、不要物処理総額を算出することを特徴とする不要物処理システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、
前記管理サーバには、前記管理データ生成手段の生成した管理データ中の、搬出準備中の不要物の個数をカウントして、前記建設現場から不要物を搬出するための車両の配車計画を作成する搬出計画手段を備えたことを特徴とする不要物処理システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の不要物処理システムにおいて、
管理サーバの記憶装置には、各邸の建設現場に搬出待ちのために蓄積できる不要物の許容量を示すデータを記憶させておき、同時期に不要物の搬出を予定している複数の建設現場があるとき、前記搬出計画手段は、少なくとも、各建設現場の前記許容量の合計値に基づいて、不要物搬出用の車両を選択することを特徴とする不要物処理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の不要物処理システムに使用するものであって、
端末装置のコンピュータを、
前記邸識別ラベルと搬出準備中の全ての前記不要物に添付された不要物識別ラベルのコードパタンを読み取る読み取り装置と、
前記搬出準備中の全ての不要物を撮影して当該不要物の画像情報を取得する撮影装置と、
前記読み取り装置が読み取ったコード情報と、前記撮影装置が取得した画像情報と、前記端末装置を識別する端末識別情報とを、管理サーバに送信する送信処理手段、として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−208568(P2012−208568A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71818(P2011−71818)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】