不要食材利用システム
【課題】 自分の希望に沿える不要食材を探せるようにする。
【解決手段】 食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、各食材提供者の食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、システムのホームページ7にアクセスした不要食材を欲する利用者の情報を収集する利用者情報収集部8と、利用者が不要食材を希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて食材提供者情報記憶部5内、食材情報記憶部6内の少なくとも一方のデータに基づいて食材提供者を探す検索部9と、検索された食材提供者に情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部11を備えた。
【解決手段】 食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、各食材提供者の食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、システムのホームページ7にアクセスした不要食材を欲する利用者の情報を収集する利用者情報収集部8と、利用者が不要食材を希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて食材提供者情報記憶部5内、食材情報記憶部6内の少なくとも一方のデータに基づいて食材提供者を探す検索部9と、検索された食材提供者に情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部11を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食用できる不要な食材を有効利用するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境意識の高まりから、生ゴミなどの有機廃棄物を回収し、堆肥などの有用物にリサイクルする方法、装置などの開発が盛んに行われている。例えば、下記特許文献1には、生ゴミ処理装置で分解した処理残さ物を回収し、その処理残さ物を発酵させ堆肥に再生し、堆肥を需要家に提供する生ゴミリサイクルシステムにおいて、生ゴミ処理装置を設置し、生ゴミ処理装置の処理残さ物に相当する料金の一部または全額を支払いする生ゴミリサイクル管理システムが開示されている。このようなシステムであれば、生ゴミを有効利用しようとする者は金銭を受け取ることができるので生ゴミの回収が促進される利点がある。また、生ゴミ処理装置も各種提案されており、業務用厨房、家庭用流し台に粉砕機を備えることによって、微生物による分解を促進できるようにした技術も提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−321760「生ゴミリサイクル管理システム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、生ゴミだけでなく、人間が食用できる安全・高品質な食材も頻繁かつ多量に廃棄されているのが現状である。安全かつ高品質な食材が廃棄されるのは下記の原因によるものと思われる。
(A)スーパーなどでは野菜の規格が厳しく、極端に曲がった芋、キュウリなどは引き取ってもらえない場合が多く、そのような野菜を臨機応変に集荷場又は農場まで取りに行くことがコスト的に難しい。また、豊作などの生産調整のために野菜を廃棄する場合は、どんな形であれ、野菜そのものが市場に出回ることによって、その野菜の価格を低下させてしまうため、仕方なく廃棄処分が行われることが多い。
【0005】
(B)食品加工工場において、食材の所定部分だけを使用し、他の部分は捨ててしまうという場合がある。このような場合、食材自体は高品質であるにもかかわらず、必要部分以外はムダになってしまうことになる。その不要部分を他の食品加工に利用したり、又は有用な食材として再利用できれば良いが、現実には生ゴミとして廃棄されているのが現状である。これは再利用する業者が近くにあれば、個別に引き取ることもできるが、現実にはそのような業者を捜すことが難しく、また、不要部分の廃棄量が少なすぎる、又は多すぎる、加工工場までの距離が遠く、運送費用を考えると市販の材料を購入した方が安い場合もある。また、使用している食材が第三者に分かると食品加工の製造ノウハウ、営業秘密などが漏れてしまうというような不都合もある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、不要食材利用システムを提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)簡単な処理で、従来廃棄していた食材を回収し、貴重な食料資源を有効に活用するとともに、ゴミの発生を低減できるシステムを提供する。
(b)食材を廃棄していた者と食材を利用しようとする者の利害関係を合理的に調整できるシステムを提供する。
(c)食材を廃棄しようとする場合、製造ノウハウ、営業秘密を守った上で、最も要望に添った形で不要食材を引き取ってくれる者を見つけることができるようにする。
(d)食材を廃棄しようとする者と不要食材を利用しようとする者が強制ではなく、自発的な情報交換ができる状態で、効率的な食材の利用関係を構築できるシステムを提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、食材を廃棄する者が持っている食材情報を、その有効利用を図る管理組織(管理会社、組合等)が把握して、不要な食材を提供する者と食材を利用する者との情報の仲介を行って、食材の有効利用を行えるようにするシステムである。
本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。なお、下記各発明において各符号は後述する実施形態との対応関係を分かりやすくするために一例として示したものであり、本発明の各構成要素は、実施形態に記載した符号に係る構成に限定されないことは言うまでもない。
【0008】
第1発明の不要食材利用システムは、例えば、図2及び図3に示すように、人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、
通信ネットワーク4において利用者がアクセスできるホームページ7と、
前記ホームページ7にアクセスした不要食材を欲する利用者の情報を収集する利用者情報収集部8と、
前記ホームページ7に連係して、前記利用者が前記不要食材を希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて、前記食材提供者情報記憶部5内、食材情報記憶部6内の少なくとも一方のデータに基づいて入力情報に合致する食材提供者を探す検索部9と、
検索された食材提供者に、情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部11を備えたことを特徴とする。
【0009】
第2発明の不要食材利用システムは、例えば、図2及び図9に示すように、人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、食材情報又は食材提供者情報の開示レベル情報を記憶した開示レベル情報記憶部12と、
通信ネットワーク4において利用者がアクセスできるホームページ7と、
前記ホームページ7に連係して、利用者が食材に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材情報に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部9と、
検索された食材において、開示レベル情報記憶部12内の開示レベル情報に基づいて、前記検索を行った利用者に対して、検索された食材情報の開示を制御する開示情報制御部13とを備えたことを特徴とする。
【0010】
第3発明の不要食材利用システムは、例えば、図2、図3及び図9に示すように、人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、少なくとも食材の種類と食材提供の地域に関する情報が含まれており、複数の食材提供者の食材の情報を記憶した食材情報記憶部6と、
通信ネットワーク4において利用者がアクセスできるホームページ7と、
前記ホームページ7に連係して、利用者が希望する食材の種類と食材提供の地域に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材提供者情報と前記食材情報の少なくとも一方に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部9と、本システムの管理の基で、利用者と食材提供者との間で食材の取り引きについて通信ネットワーク4上で情報交換を行う送受信部11とを備えたことを特徴とする。
【0011】
第4発明は、第1発明から第3発明のいずれか一つに記載の発明において、開示した食材情報の数、量の少なくとも一方に応じて食材情報を提供した者に開示の数、量に見合う報酬を与える報酬付与部22を備えたことを特徴とする。
第5発明は、第1発明から第4発明のいずれか一つに記載の発明において、開示した食材情報の開示レベルに応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部22を備えたことを特徴とする。
【0012】
第6発明は、第1発明から第5発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、その食材の利用者についての要望の情報と、その要望に対する食材提供者の対処情報が含まれており、前記検索部9が要望情報又は対処情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してあることを特徴とする。
第7発明は、第1発明から第6発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、その食材提供者に関する情報が含まれており、前記検索部9が食材提供者に関する情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第8発明は、第1発明から第7発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、食材の品質情報が含まれていることを特徴とする。
第9発明は、第1発明から第8発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、その利用者のアンケート情報が含まれていることを特徴とする。
【0014】
第10発明は、例えば、図2、図3及び図15に示すように、第1発明から第9発明のいずれか一つに記載の発明において、前記食材提供者が提供する食材を二次加工品に処理する工場を設け、前記食材提供者が提供する食材を種類毎に自動判別して種類毎に区分けする食材種類判別部31と、通信ネットワーク4を介して種類毎に分けられた食材情報を知り得る二次加工工場端末32と、生成された二次加工品を前記ホームページ7内に掲載する掲載処理部33と、食材利用者からの二次加工品についての注文情報を前記二次加工工場端末32に自動送信する送受信部11とを備えたことを特徴とする。
【0015】
上記第1発明〜第10発明についてさらに説明する。
本明細書において「食材」とは人間が食べられる程度の品質を備えた食材を言う。また、食品の原材料となる澱粉、魚粉に加工できる食材であっても良い。
「食材提供者」とは、例えば、前記したように食品加工会社、食品製造会社、農家、食品卸問屋、食品関係商社など、人間が食することのできる食材を有料又は無料で提供できる者(自然人、法人、社団等を含む)を言う。
【0016】
「利用者」とは、食品加工会社、食品製造会社、食品卸問屋、食品関係商社、食材提供会社などを含むことは当然として、個人などの自然人であっても良い。特に、祭りなどの協賛品などを提供するグループ、被災地の人や恵まれない人に無料で食材を提供するNPO、各種福祉団体などが利用者になっても良い。食材そのものは人間が安全に食べられるものを前提にしているからである。
【0017】
「不要食材」とは、提供者にとって不要であるということであり、人間が食べられるものであれば品質の良い悪いは関係ない。例えば、ある食品業者が、需要予測を間違って必要以上の食材を買い入れて、冷凍倉庫などの保管費用が高いので安い価格で良いので売却したい場合や、会社の資金繰りが苦しく倒産の恐れがあるので、手持ちの食材を早く現金化したいとう場合も考えられる。また、前記したように、食材の所定部分だけを使用し、他の部分は捨ててしまうという場合には、不要部分の品質は高いけれども、その不要部分の食材を利用する人が見つからない場合は生ゴミとして廃棄せざるを得ず、生ゴミの廃棄費用を考えると、その不要部分の発生時に応じて臨機応変に不要部分の食材を引き取ってもらえれば、無料で不要部分の食材を提供しても良いという場合も食品加工会社では多々生じるケースである。
また、タコ,ウニのように現地では食用とならず、日本では立派な食材となるものも多数あり、その逆もある。このような日本、世界における不要食材の有効利用を考えるためのシステムである。
【0018】
開示に見合う報酬を与える前記報酬付与部22としては、例えば、以下の実施形態などが考えられる。
(イ)食材情報の数、開示レベルに応じて、金銭を「食材情報提供者」の銀行口座に振込む手段。
(ロ)インターネットなどで使用できる各種ポイントを与える手段。
(ハ)例えば、食材提供者と管理機関の間の契約において個々の食材情報の提供に伴う金銭対応物などの報酬を受けるのではなく、一括的に所定の利益、例えば、無料で本管理システムに参加できる、無料で利用者を紹介するなどの利益を与える方法や、利益の種類を記憶した利益供与データを記憶手段に設けることなどがある。
【発明の効果】
【0019】
以下、各発明の効果などについて説明する。
第1発明であれば、利用者が入力した入力情報に基づいて合致する食材提供者を探す検索部を設けたので、利用者にしてみれば、自分が欲しい食材を、無料又は非常に安価に提供してくる食材提供者を発見できる可能性が高まる。
また、食材提供者側からすれば、自社に興味を持って検索してきた利用者の情報を検索結果とともに通信ネットワークを介して得ることができるので、本システムに食材提供者の情報を登録しておくだけで不要な食材の利用者層を広げることができ、不要食材の廃棄費用を不要、低減したり、又は不要食材によって金銭などの対価を得ることが可能になる。
【0020】
第2発明であれば、通信ネットワークのホームページに利用者がアクセスし、食材に関する検索データを入力したことに応答して検索部が食材情報に基づいて検索データに合致する食材を探し、開示情報制御部が、検索された食材において開示レベル情報記憶部内の開示レベル情報に基づいて、その食材情報の提供者が許可した開示レベルで検索された食材情報の開示を制御する。
したがって、利用者にしてみれば、安価に欲しい食材を数多くの食材提供者が提供する食材情報から探すことができ、人的繋がり、商売の繋がりに限定されず、ビジネスライクに探索することができる。このような不要食材の情報は、通常の食材で作られたものとは異なる不要の食材であるから、利用者にとっては通常の食材に比べて安い価格で入手できる可能性が高いとともに食材提供者にとっては廃棄費用が不要になったり、対価を得る可能性も高く、双方にとって利用度が高い。
また、そのような個別の食材情報の開示は、食材提供者の許可を得た開示レベル範囲内で行われるので、不要食材を利用者が探索する場合に、食材提供者が知られたくない情報、例えば会社名、会社所在地や、製造ノウハウ、営業秘密、各種権利等が漏れる惧れもなくなる。
【0021】
第3発明であれば、他の食材提供者が提供できる食材情報を利用したい人は、まず、ホームページにアクセスして、食材の種類と食材提供の地域を検索データとして入力し、必要な食材情報が希望する地域で本システム内にあるか否かを確認することができる。そして、送受信部によって利用者と食材提供者との間で食材の取り引きについて通信ネットワーク上で情報交換を行うことができるので、数多くのマッチングを簡単に行うことができる。さらに、上記取り引きの情報交換は、本システムの管理の基で行われるので前記情報交換を把握できるとともに、情報漏れ、詐欺などの不都合の発生を抑制することが可能になる。
【0022】
第4発明であれば、開示した食材情報の数、量に応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部を備えたので、食材情報の提供者は、それぞれ自分が提供できる不要な食材を数多く公開することで多くの報酬を得ることができ、本システムに登録される食材提供者の数を増やすことができ、実用的なシステムにすることができる。
【0023】
第5発明であれば、開示した食材情報の開示レベルに応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部を備えたので、各食材提供者はそれぞれ自分に関する食材の開示レベルを上げることで、多くの報酬を得ることができ、本システムに登録される食材情報の質を高めることができ、実用的なシステムにすることができる。
【0024】
第6発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、その食材の利用者についての要望の情報と、その要望に対する食材提供者の対処情報が含まれているので、その食材がどのような要望に答えるように工夫されているか初めて見たものでも良く分かるので、同じ要望を有する利用者が有益な情報を得ることができる。また、食材提供者が工夫した食材ならば、その食材情報を参照することにより、他の食材提供者が利用者の要望に対して、どのように対応したかよいかという参考を数多く得ることができる。
【0025】
第7発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、その食材提供者に関する情報が含まれているので、例えば、食材提供者の名前、利用者の近くに住んでいる食材提供者を一覧で表示するなど、数多くの食材提供者から自分の希望にあった食材情報を検索することが可能になる。
第8発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、食材の品質情報が含まれているので、品質を重視する利用者においても本システムを有効利用することができる。
【0026】
第9発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、その利用者のアンケート情報が含まれているので、他の利用者にそのアンケート情報を開放した場合には、食材取引時における食材提供者の対応などの具体的な情報を把握することができ、他の利用者がその食材提供者の食材を選ぶ場合の有益な情報を蓄積することができる。また、管理機関としては、そのアンケート情報を収集することによって、その食材提供者の善し悪し、食材提供者へのアドバイスを行うことができる。
また、管理機関がアンケートを実施することにより、利用者が食材提供者に気がねなく自由な意見を採取でき、食材提供者に対する利用者の率直な評価を集積することができる。さらに、管理機関には複数の食材提供者が施工した食材情報があるので、これらの情報とアンケート情報を蓄積することにより、ある程度、各食材提供者の食材の質、その食材提供者としてのレベルを評価することができる。また、このような評価を利用者が適宜、見ることができるシステムを構築することが可能であり、食材提供者は不要食材とはいえ、自分の提供する食材に対してある程度の責任を持つようにならざるを得ず、食材の品質等の維持に努めるにようになる。
【0027】
第10発明であれば、二次加工工場端末を用いて、日本国中などで、次々出てくる不要食材をその種類毎に迅速に知ることができる。例えば、澱粉として加工する不要食材、魚粉として加工する不要食材、冷凍野菜として処理する不要食材の提供される場所とその量、種類を把握できるので、二次加工品の生産量をかなり正確に予測することができる。また、掲載処理部は生成された二次加工品を前記ホームページ内に掲載し、送受信部は食材利用者からの二次加工品についての注文情報を二次加工工場端末に自動送信するので、食材利用者の需要に応じて、二次加工品の加工処理、配送処理を極めて円滑に行うことができる。
さらに、食材を管理機関が管理又は委託した二次加工工場に持ち込み、二次加工品に処理することで、鮮度、品質の劣化が早い食材であっても、食材の品質を落とすことなく、利用者の満足する安価で高品質な二次加工品を提供できる。
【0028】
上記各発明によれば、多数の食材提供者が提供できる食材情報が収集されるので、必要に応じて管理機関によって不要な食材を用いて二次加工品を安価に製造するなど、不要食材提供ビジネスをコーデネイトできる。
また、他の食材提供者が提供する食材をある程度、知ることができるので、強制ではなく、自発的な情報交換が起こる。これによって複数の会社が協同した効率的な不要食材の利用関係が構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
この第1実施形態は、後述する管理会社などの管理機関が日本の所定地域内、日本全国、又は世界各国に存在する食材情報、食材提供者情報、利用者情報を管理することにより、現在、ゴミとして廃棄されている有用な食材を再利用することを目的とする不要食材利用システムである。この不要食材利用システムは、管理機関と少なくとも複数の食材提供者と複数の利用者が連係した形態で実施される。
本システムは、本発明者が、不要食材が有効利用されないのは、食材を廃棄する側とその不要食材を利用する側において情報のやり取りを行うにもその手段と方法が分からないというところに根本原因があることを見いだして、各実施形態に係る発明を行ったものである。
【0030】
また、この不要食材利用システムは、現実に日々、廃棄される不要食材について、その食材を欲しがっている利用者が日本国中、世界中に多数存在するという現状を前提として考えられているシステムである。そして、このシステムの一例によれば、食材提供者と利用者の自発的な交流を促して、食材提供者側と利用者側のそれぞれの事情を考慮した不要食材の利用方法を考えることができるシステムを提供する。
【0031】
図1は、不要食材利用システムの仕組みの一例を示す概略的な説明図である。
このシステムは、少なくとも食材提供者と管理機関の間について、インターネット上に設けられたシステムにおいて、不要食材利用システムに参加するという登録処理を行う。利用者と管理機関との間にも前記食材利用システムへの登録を行い、食材情報、食材提供者情報、利用者情報の授受を行えるようにする。
利用者及び食材提供者の登録はインターネット上の登録ページで会社名、住所、連絡先、連絡担当者、提供できる食材、欲しい食材、食材の量などを入力し、後述する食材提供者情報、利用者情報を登録する者が自ら、入力することに行えるようにする。なお、本システムに参加するための最終的な登録は、郵送によって代表者と管理機関との契約書を交わすことによって行うようにする。
この提供契約は、各種の内容を含んでおり、例えば、提供する食材の種類、量、提供間隔、提供期間などを定期的に又は変更が生じた場合は速やかに情報をホームページにおいて、更新処理をすることを約束することなどがある。そして、特定の利用者と不要食材について無料引き渡しの契約又は売買契約が生じた場合は、必ず、管理機関に報告し、適宜、ホームページへの登録を抹消する。
一方、無料引き取りの場合は、その食材に伴う一定期間(例えば、1年間)、利用者に本システムへの協賛金を提供するように契約を交わしても良い。
【0032】
金融機関は、管理機関、食材提供者、食材利用者による金銭、各種ポイントなどの利益の授受を行うために本システムに参加する。
管理機関の形態は、通常、食材情報、食材提供者情報、利用者情報を管理する株式会社形態の管理会社とされるが、他の形態であってもかまわない。例えば、管理機関は食材提供者の組合・団体や他の会社、その他の組合・団体・財団等であっても良い。
【0033】
図2はこの不要食材利用システムの一構成例を示す図であり、本システムは、通信ネットワーク4に管理会社が統括するコンピュータを使用した管理部1と、利用者端末(1〜n)2と、食材提供者端末(1〜n)3とが接続してある。
管理部1は、通信ネットワーク4上に設けられる管理サーバー16と、管理サーバー16の管理下におかれ、後述する情報を記憶するデータベース18、データベースサーバー19と、検索エンジンなどの各種プログラム部20、通信サーバー21などを含んで構成してある。管理部1は管理サーバー16を介して管理機関としての管理会社によって管理運営される。利用者端末(1〜n)2と、食材提供者端末(1〜n)3はそれぞれ携帯電話などの携帯端末であってもよい。
【0034】
通信ネットワーク4は、電話回線などの通信回線、無線通信、光ファイバー回線などにより接続される各種のネットワークで構成してある。通信ネットワーク4として、通常はインターネットが採用される。
図3は、上記管理サーバー、各種データベース、各種プログラム部などで構成される管理部1の構成を模式的な機能ブロックで示した図である。
【0035】
管理部1には、各食材提供者に関する情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、複数の食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、通信ネットワーク4において利用者がアクセスできる不要食材利用のホームページ7と、利用者情報を収集する利用者情報収集部8と、収集された利用者情報を記憶する利用者情報記憶部24と、前記ホームページ7に連係して利用者が希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて入力情報に合致する食材提供者を探す検索部9と、検索の結果、表示された食材提供者に、情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部11を含んで構成してある。通常、送受信部11は送受信プログラム部、メールサーバーなどで構成される。
【0036】
なお、本実施形態を示す図3では、便宜上、管理部1内に食材情報記憶部6、食材提供者情報記憶部5、ホームページ7などを描いているが、そのような実現手段は、アプリケーションサービスプロバイダー、通信サーバー、データベースサーバーなどの形態で通信ネットワーク4上に分散させて配置してもよく、通常はそのように構成される。
【0037】
図4は食材情報記憶部に記憶される食材情報の一例を示す図である。前記した食材情報記憶部6には、個別の不要の食材を特定する食材コード毎に、食材の種類、食材を提供する住所又は地域、食材提供者コード、食材の量、対価の有無、kg当たり20円というような対価の額、開示レベル情報、食材の提供期間、食材の名前,名称、アンケート情報、画像等情報、その他付随情報などの情報を含んで構成してある。なお、食材の種類の情報を設けず、食材コードの情報に食材の種類情報を含めても良い。
食材の提供期間とは、例えば、毎日、不要食材が提供できるとか、又は1週間毎に提供できるとか、8月中においてのみ提供できるというような情報である。
アンケート情報は定期的又は不定期に、管理会社側からのアンケートに利用者が回答する形で得られた情報や、食材提供者から自ら提供した文章などが記憶される。
付随情報には契約情報を含めることができ、その場合は、食材の提供に関する契約関係情報が適宜、記憶される。
なお、前記開示レベル情報については後述する。
【0038】
以下に食材情報の一例を示す。
(1)食材コード:ADyts00348967
(2)食材の種類:サツマイモの端部の切れ端
(3)食材を提供する住所:兵庫県□●市△○町1丁目6番地3号
(4)食材提供者コード:ST00303
(5)食材の量:1週間毎に500kg
(6)対価の有無:なし
(7)対価の額:無料
(8)開示レベル情報:開示レベル1
(9)食材の提供期間:1年中(1週間毎)
(10)食材の名前,名称:サツマイモ、広義名前:イモ類、野菜
(11)アンケート情報:利用者のコメント「対応が良好」、食料提供者のコメント「来年の3月から排出量が3倍になるので、できるだけ早く引き取ってもらえる利用者を探しています。」
(12)画像等情報(画像又は映像情報):sathumaimo.mpg3,image2.jpg
(13)その他付随情報: なし
【0039】
図5は利用者がホームページにおいて食材情報を検索する画面の一例である。
図5に示すように、食材情報検索と食材提供者検索とキーワード検索の各欄が設けられ、食材コード、食材の種類、提供地域、食材の量などの各項目毎に入力欄36が設けてある。各欄の論理積、論理和などの条件は、各欄の下側に設けられた条件検索(AND,OR,NOT)の条件選択マークをマウス等で選択することによって選ぶ。なお、条件検索のAND,OR,NOTは食材情報検索欄、食材提供者検索欄、キーワード検索欄内の各入力欄36の後ろにそれぞれ設けて、例えば、「提供地域」と「食材の種類」の論理積、論理和などを個別に設定入力できるように構成することが好ましい。各入力欄に記入しない場合はその記入欄の項目は無視される。
このような検索画面の構成であれば、細かい条件で利用者の欲しい食材情報を素早く検索することが可能になる。
【0040】
図6は上記検索画面の検索によって表示された食材情報の検索結果表示画面の一例を示す図である。図6に示すように、検索項目に合致するヒット件数(この場合は12件)と、そのページ番号(この場合は1/4ページ)とともに、食材情報、食材提供者情報が食材毎に表示される。ここで、後述するように開示レベル情報が非開示になっていることに基づいて、「No2」の提供食材は、「イモ、穀物など」というような抽象的な表現になっており、食材提供者の名前や、細かい住所は「非開示」になっている。これに対して、開示レベルの高い「No1」の食材情報は、会社名、提供食材、食材提供地域、連絡先などが完全に開示されている。また、添付した画像ファイル、動画ファイルの縮小画像が表示され、そのファイル部分をダブルクリックすることで、元ファイルを参照することが可能になっている。
【0041】
図6において(メール送信)の欄は所定の食材情報、例えば、マウス等で「No1」を選択して反転させた状態で、メール送信の(実行)ボタン37を選択すると、管理部1内の送受信部11が起動して、ホームページ内で利用者が食材提供者にメールを送信できるようになっている。この送信メールはあくまで、食材利用システム内で作成されるメールソフトであり、必要に応じてその問い合わせ情報などは管理機関が管理することができる。
【0042】
図7は図3に示す食材提供者情報記憶部5に記憶された食材提供者情報の一例を示す図である。
図7に示すように、個々の食材提供者を特定する食材提供者コード毎に、食材提供者名、電話番号、連絡担当者名、本社住所など、開示レベル情報、管理会社との契約レベル情報などの情報で構成してある。要するに、食材提供者情報を設けることで、食材提供者の会社などの基本的情報を記録したデータベースが構築される。
契約情報とは、例えば、その食材提供者と管理機関との契約など、利用者と食材提供者との契約、確認事項などを記憶した情報である。
【0043】
図3の利用者情報記憶部24に記憶される利用者情報には、例えば、利用者の会社名・氏名・団体名、連絡先住所、担当者名、食材を利用する住所、必要とする食材の種類などが記憶されている。その情報は会員IDを取得する段階において、インターネットにおいて良く用いられる利用者登録画面から入力され、その入力された情報にシステムの種々の管理情報が付加されて記憶される。
【0044】
図8は、上記第1発明の一実施例に係る不要食材利用システムの食材提供者検索処理を説明するフローチャートの一例である。
図8のステップSP101において、利用者が管理会社が統括するホームページ7(図3参照、以下同様)にアクセスし、ステップSP102において利用者の会社又は氏名など、連絡先住所、食材利用住所等の利用者情報を入力して会員IDを取得し、ステップSP103においてホームページの検索部9において、入手したい検索食材を入力し、ステップSP104において管理部1の検索部9が入力情報に合致する既に提供されている食材情報を探し、ステップSP105において検索結果である食材提供者の情報を表示するか又はその検索された食材提供者のホームページのリンク情報を表示するなどして利用者がその食材提供者の連絡先を知ることができるようにし、ステップSP106において検索された食材提供者に、検索結果と利用者情報収集部8において集められた利用者情報を付加して電子メールなどの送受信部11等により通知する。
【0045】
本実施形態であれば、食材提供者の情報が全く知らない者に自由に利用されることを防ぐことができる。
また、この実施形態であれば、利用者が食材提供者の連絡先に電話等を行うことで個別に商談を進めることが可能になる。また、食材提供者はどのような利用者が自分の提供できる食材に興味を持っているか知ることができ、食材提供者の方から利用者に連絡を取ることも可能になる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9、図10を参照しつつ説明する。
図9に示すように、本実施形態では、第1実施形態で示した構成要素(図3参照)に加えて、さらに、管理部1に開示レベル情報記憶部12と開示情報制御部13とを含んで構成してある。
開示レベル情報記憶部12は、各食材提供者が提供する食材の情報をどの程度開示するかのレベルを、食材提供者自らが決定した情報を記憶したものである。開示情報制御部13は、各食材の開示レベル情報を調べ、ホームページなどの表示の程度を制御するものである。
【0047】
図10は、本実施形態における開示レベル制御の基本的な処理を示すフローチャートである。
図10のステップSP201において、管理部1(図9参照、以下同様)は、個人などの利用者がホームページにアクセスしたことを検知し、ステップSP202において検索部9を用いて、例えば、希望する食材の種類、食材を提供できる地域等の検索項目を入力したことを検知し、ステップSP203において開示情報制御部13が、検索部9によって検索されヒットした食材の開示レベル情報を調べ、ステップSP204において、その開示レベル情報に基づいて、例えばホームページ7上でそのヒットした食材の情報を開示する。
【0048】
前記開示レベル情報は、食材提供者と管理会社の契約によって、例えば、下記のような各種の項目のそれぞれについて、開示してもよいレベルが設定される。
(1)食材提供者の情報
(レベル1)開示せず
(レベル2)業種(食品加工業、漁業関係など)と各都道府県の区別のみ
(レベル3)具体的会社名と連絡先と住所
(2)食材の具体的な種類と量
(レベル1)概念表示、例えば、イモ類、穀物、野菜、肉、魚介類と大まかな量のみ
(レベル2)具体的な食材の名前と具体的な提供量
(レベル3)レベル3に加えて個別の状態、例えば、冷凍状態、魚の特定部分のみであるというような情報などの食材提供者が提示した全ての情報
【0049】
(3)アンケート情報の開示
(レベル1)開示せず
(レベル2)食材提供者の対応を5段階レベルで表示する。(極めて良い、良い、普通、悪い、極めて悪い)
(レベル3)レベル2に加えて、要望、アンケート情報などの具体的情報を開示する
【0050】
これらの各項目は、食料提供者に対して個別に提示して、食料提供者の承諾を受けながら設定しても良いし、前記複数の項目を所定レベルで区分けした3段階〜5段階のパッケージを提示して、決定するようにしても良い。
例えば、開示レベルの(大)を選択すれば、上記各項目において全てレベル3に設定され、開示レベルの(中)を選択すれば全てレベル2に設定され、開示レベルの(小)を選択すれば全てレベル1に設定されるような方式である。
なお、このような情報の開示レベルを設定する理由は、食品加工会社では、どのような食材を用いて食品を作っているか、または食材をどのように加工しているかは、企業秘密に係わることであり、秘密を守ることのできる信頼できる使用者のみに、不要食材を提供しても良いという場合があるからである。
また、一部の利用者には自分は不要食材を利用する意志がないのにもかかわらず、不要食材の情報を集める場合も予想され、そのような不正な利用を抑制する機能もある。
【0051】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示すフローチャートである。この不要食材利用システムの構成は、図3及び図9に示した構成とほぼ同様の構成で実施できるものである。
図11のステップSP301において、管理部1(図9参照、以下同様)が、利用者のホームページ7の検索部9を用いて所望の食材情報を検索している状態を監視し、ステップSP302においてホームページ7にアクセスした利用者が、検索部9においてヒットした食材情報の利用を提供者に求めるか否かを利用者の入力により判別し、利用者がどの程度の開示レベルで食材情報の開示を求めると入力したことに応答して、ステップSP303において送受信部11を用いてヒットした食材を提供している提供者へ食材の利用を欲する人がいること、その利用者の情報、及び欲する開示レベルを通知し、ステップSP304において食材提供者がその食材情報の利用を認めたか否かを判別し、認めたと判別された場合は、ステップSP305において認めた開示レベル範囲内で食材情報を開示し、拒否の回答があった場合には、ステップSP306において送受信部11を用いて拒否の回答を通知する。
【0052】
上記ステップSP301〜ステップSP306までの処理は管理部1の所定の制御部が自動的に行うようにする。
利用者と食材情報の開示レベルの交渉については、送受信部11によって送られる電子メールに開示レベル情報の段階を示したマーク欄が設けてある。そして、利用者と提供者の相互が必要とする開示レベルをマークすることにより意志を示し、管理部1が電子メール内のそのマークを自動的に読み取るように構成する。この構成により、個々の食材情報の利用に応じて、提供者が利用者の信用度などに応じて、適宜、自分で食材情報の開示レベルを設定することができる。
【0053】
(第4実施形態)
図12は第4実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示す機能ブロック図、図13はそのフローチャートの一例である。なお、図12は図9に示す管理部1内に、さらに報酬付与部22と報酬情報記憶部23とを加えた実施形態を示している。
図13のステップSP501において通信ネットワークを用いて利用者が必要な食材の情報を検索し、ステップSP502において、その検索の結果、得られた食材情報を利用者に提示し、ステップSP503において前記食材情報の利用に応じて、管理部1は、情報利用契約に基づいて、図12に示す報酬付与部22がそれぞれ食材提供者、食材利用者、管理機関に相当の対価を支払う処理を行って一連の処理を終了する。
【0054】
(第5実施形態)
図14、図15はそれぞれ第5実施形態を説明するための図であり、図14は、本実施形態の一例を示す説明図、図15は第4実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示す機能ブロック図である。なお、図14において管理機関は省略して描いているが実際は存在し、システムの情報と二次加工工場の情報を管理している。
【0055】
本実施形態では、不要食材利用システムに二次加工工場が参加する。この二次加工工場は、管理機関が管理して、食材提供者からの食材を利用者が利用しやすい状態に加工する。
二次加工工場は、日本内に少なくとも一カ所設けられる。例えば、穀物加工は第1工場、魚類加工は第2工場というように加工処理毎に分けても良く、さらに、全ての加工処理を行う工場を関東地方に二カ所、関西地方に二カ所、九州地方に一カ所というに地域別に設けても良い。また、このような二次加工工場は、大型冷蔵倉庫、大型冷凍倉庫を備えており、物流センターを隣設していることが好ましい。
【0056】
図15に示すように、本システムでは、食材提供者が提供する不要食材について、図4に示した食材情報の各項目の他に、食品の大分類と、食品の小分類、食品の個別名称を区分して入力する箇所があり、管理部1の食材種類判別部31はその食材提供者が入力した情報又は入力時の前記区分けを自動判別して、対応する二次加工工場の端末32へ送信する。
【0057】
具体的な送信方法としては、
(1)前記した食材毎の加工工場を設けた構成では、その食材の対応する加工工場へその食材情報を送信する、
(2)また、地域毎の加工工場ならば、食材情報の提供場所に近い、二次加工工場へ送信する、
方法がある。
そして、掲載処理部33は生成された二次加工品を前記ホームページ7内に掲載し、送受信部11は食材利用者からの二次加工品についての注文情報を二次加工工場端末32に自動送信するので、食材利用者の需要に応じて、二次加工品の加工処理、配送処理を極めて円滑に行うことができる。
このような処理によって、鮮度が劣化しやすい食材であっても即座に回収でき、二次加工処理、二次加工品の利用者への配送処理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は本発明に係る不要食材利用システムの仕組みの一例を示す説明図である。
【図2】図2は本発明に係る複数の食材提供者及び利用者と連係した不要食材利用システムの概略構成図である。
【図3】図3は本発明の実施形態を説明するための概略的な機能ブロック図である。
【図4】図4は食材情報の一例を示す図である。
【図5】図5は利用者がホームページにおいて食材情報を検索する画面の一例である。
【図6】図6は検索によって表示された食材情報の検索結果表示画面の一例を示す図である。
【図7】図7は食材提供者情報の一例を示す図である。
【図8】図8は食材の探索処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は本発明の第2実施形態を説明するための概略的な機能ブロック図である。
【図10】図10は開示レベル情報に基づいて食材情報を開示するフローチャートの一例である。
【図11】図11は本発明の第3実施形態における開示承諾処理を示すフローチャートの一例である。
【図12】図12は本発明の第4実施形態を説明するための概略的な機能ブロック図である。
【図13】図13は対価支払い処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】図14は本発明の第5実施形態の一例を示す説明図である。
【図15】図15は第5実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
1…管理部、2…利用者端末、3…食材提供者端末、4…通信ネットワーク、5…食材提供者情報記憶部、6…食材情報記憶部、7…ホームページ、8…利用者情報収集部、9…検索部、11…送受信部、12…開示レベル情報記憶部、13…開示情報制御部、15…金融機関端末、22…報酬付与部、23…報酬情報記憶部、24…利用者情報記憶部、31…食材種類判別部、32…二次加工工場端末、33…掲載処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は食用できる不要な食材を有効利用するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境意識の高まりから、生ゴミなどの有機廃棄物を回収し、堆肥などの有用物にリサイクルする方法、装置などの開発が盛んに行われている。例えば、下記特許文献1には、生ゴミ処理装置で分解した処理残さ物を回収し、その処理残さ物を発酵させ堆肥に再生し、堆肥を需要家に提供する生ゴミリサイクルシステムにおいて、生ゴミ処理装置を設置し、生ゴミ処理装置の処理残さ物に相当する料金の一部または全額を支払いする生ゴミリサイクル管理システムが開示されている。このようなシステムであれば、生ゴミを有効利用しようとする者は金銭を受け取ることができるので生ゴミの回収が促進される利点がある。また、生ゴミ処理装置も各種提案されており、業務用厨房、家庭用流し台に粉砕機を備えることによって、微生物による分解を促進できるようにした技術も提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−321760「生ゴミリサイクル管理システム」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、生ゴミだけでなく、人間が食用できる安全・高品質な食材も頻繁かつ多量に廃棄されているのが現状である。安全かつ高品質な食材が廃棄されるのは下記の原因によるものと思われる。
(A)スーパーなどでは野菜の規格が厳しく、極端に曲がった芋、キュウリなどは引き取ってもらえない場合が多く、そのような野菜を臨機応変に集荷場又は農場まで取りに行くことがコスト的に難しい。また、豊作などの生産調整のために野菜を廃棄する場合は、どんな形であれ、野菜そのものが市場に出回ることによって、その野菜の価格を低下させてしまうため、仕方なく廃棄処分が行われることが多い。
【0005】
(B)食品加工工場において、食材の所定部分だけを使用し、他の部分は捨ててしまうという場合がある。このような場合、食材自体は高品質であるにもかかわらず、必要部分以外はムダになってしまうことになる。その不要部分を他の食品加工に利用したり、又は有用な食材として再利用できれば良いが、現実には生ゴミとして廃棄されているのが現状である。これは再利用する業者が近くにあれば、個別に引き取ることもできるが、現実にはそのような業者を捜すことが難しく、また、不要部分の廃棄量が少なすぎる、又は多すぎる、加工工場までの距離が遠く、運送費用を考えると市販の材料を購入した方が安い場合もある。また、使用している食材が第三者に分かると食品加工の製造ノウハウ、営業秘密などが漏れてしまうというような不都合もある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、不要食材利用システムを提供することにある。
具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)簡単な処理で、従来廃棄していた食材を回収し、貴重な食料資源を有効に活用するとともに、ゴミの発生を低減できるシステムを提供する。
(b)食材を廃棄していた者と食材を利用しようとする者の利害関係を合理的に調整できるシステムを提供する。
(c)食材を廃棄しようとする場合、製造ノウハウ、営業秘密を守った上で、最も要望に添った形で不要食材を引き取ってくれる者を見つけることができるようにする。
(d)食材を廃棄しようとする者と不要食材を利用しようとする者が強制ではなく、自発的な情報交換ができる状態で、効率的な食材の利用関係を構築できるシステムを提供する。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、食材を廃棄する者が持っている食材情報を、その有効利用を図る管理組織(管理会社、組合等)が把握して、不要な食材を提供する者と食材を利用する者との情報の仲介を行って、食材の有効利用を行えるようにするシステムである。
本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。なお、下記各発明において各符号は後述する実施形態との対応関係を分かりやすくするために一例として示したものであり、本発明の各構成要素は、実施形態に記載した符号に係る構成に限定されないことは言うまでもない。
【0008】
第1発明の不要食材利用システムは、例えば、図2及び図3に示すように、人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、
通信ネットワーク4において利用者がアクセスできるホームページ7と、
前記ホームページ7にアクセスした不要食材を欲する利用者の情報を収集する利用者情報収集部8と、
前記ホームページ7に連係して、前記利用者が前記不要食材を希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて、前記食材提供者情報記憶部5内、食材情報記憶部6内の少なくとも一方のデータに基づいて入力情報に合致する食材提供者を探す検索部9と、
検索された食材提供者に、情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部11を備えたことを特徴とする。
【0009】
第2発明の不要食材利用システムは、例えば、図2及び図9に示すように、人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、食材情報又は食材提供者情報の開示レベル情報を記憶した開示レベル情報記憶部12と、
通信ネットワーク4において利用者がアクセスできるホームページ7と、
前記ホームページ7に連係して、利用者が食材に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材情報に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部9と、
検索された食材において、開示レベル情報記憶部12内の開示レベル情報に基づいて、前記検索を行った利用者に対して、検索された食材情報の開示を制御する開示情報制御部13とを備えたことを特徴とする。
【0010】
第3発明の不要食材利用システムは、例えば、図2、図3及び図9に示すように、人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、少なくとも食材の種類と食材提供の地域に関する情報が含まれており、複数の食材提供者の食材の情報を記憶した食材情報記憶部6と、
通信ネットワーク4において利用者がアクセスできるホームページ7と、
前記ホームページ7に連係して、利用者が希望する食材の種類と食材提供の地域に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材提供者情報と前記食材情報の少なくとも一方に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部9と、本システムの管理の基で、利用者と食材提供者との間で食材の取り引きについて通信ネットワーク4上で情報交換を行う送受信部11とを備えたことを特徴とする。
【0011】
第4発明は、第1発明から第3発明のいずれか一つに記載の発明において、開示した食材情報の数、量の少なくとも一方に応じて食材情報を提供した者に開示の数、量に見合う報酬を与える報酬付与部22を備えたことを特徴とする。
第5発明は、第1発明から第4発明のいずれか一つに記載の発明において、開示した食材情報の開示レベルに応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部22を備えたことを特徴とする。
【0012】
第6発明は、第1発明から第5発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、その食材の利用者についての要望の情報と、その要望に対する食材提供者の対処情報が含まれており、前記検索部9が要望情報又は対処情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してあることを特徴とする。
第7発明は、第1発明から第6発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、その食材提供者に関する情報が含まれており、前記検索部9が食材提供者に関する情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第8発明は、第1発明から第7発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、食材の品質情報が含まれていることを特徴とする。
第9発明は、第1発明から第8発明のいずれか一つに記載の発明において、前記検索部9が検索する食材情報に、その利用者のアンケート情報が含まれていることを特徴とする。
【0014】
第10発明は、例えば、図2、図3及び図15に示すように、第1発明から第9発明のいずれか一つに記載の発明において、前記食材提供者が提供する食材を二次加工品に処理する工場を設け、前記食材提供者が提供する食材を種類毎に自動判別して種類毎に区分けする食材種類判別部31と、通信ネットワーク4を介して種類毎に分けられた食材情報を知り得る二次加工工場端末32と、生成された二次加工品を前記ホームページ7内に掲載する掲載処理部33と、食材利用者からの二次加工品についての注文情報を前記二次加工工場端末32に自動送信する送受信部11とを備えたことを特徴とする。
【0015】
上記第1発明〜第10発明についてさらに説明する。
本明細書において「食材」とは人間が食べられる程度の品質を備えた食材を言う。また、食品の原材料となる澱粉、魚粉に加工できる食材であっても良い。
「食材提供者」とは、例えば、前記したように食品加工会社、食品製造会社、農家、食品卸問屋、食品関係商社など、人間が食することのできる食材を有料又は無料で提供できる者(自然人、法人、社団等を含む)を言う。
【0016】
「利用者」とは、食品加工会社、食品製造会社、食品卸問屋、食品関係商社、食材提供会社などを含むことは当然として、個人などの自然人であっても良い。特に、祭りなどの協賛品などを提供するグループ、被災地の人や恵まれない人に無料で食材を提供するNPO、各種福祉団体などが利用者になっても良い。食材そのものは人間が安全に食べられるものを前提にしているからである。
【0017】
「不要食材」とは、提供者にとって不要であるということであり、人間が食べられるものであれば品質の良い悪いは関係ない。例えば、ある食品業者が、需要予測を間違って必要以上の食材を買い入れて、冷凍倉庫などの保管費用が高いので安い価格で良いので売却したい場合や、会社の資金繰りが苦しく倒産の恐れがあるので、手持ちの食材を早く現金化したいとう場合も考えられる。また、前記したように、食材の所定部分だけを使用し、他の部分は捨ててしまうという場合には、不要部分の品質は高いけれども、その不要部分の食材を利用する人が見つからない場合は生ゴミとして廃棄せざるを得ず、生ゴミの廃棄費用を考えると、その不要部分の発生時に応じて臨機応変に不要部分の食材を引き取ってもらえれば、無料で不要部分の食材を提供しても良いという場合も食品加工会社では多々生じるケースである。
また、タコ,ウニのように現地では食用とならず、日本では立派な食材となるものも多数あり、その逆もある。このような日本、世界における不要食材の有効利用を考えるためのシステムである。
【0018】
開示に見合う報酬を与える前記報酬付与部22としては、例えば、以下の実施形態などが考えられる。
(イ)食材情報の数、開示レベルに応じて、金銭を「食材情報提供者」の銀行口座に振込む手段。
(ロ)インターネットなどで使用できる各種ポイントを与える手段。
(ハ)例えば、食材提供者と管理機関の間の契約において個々の食材情報の提供に伴う金銭対応物などの報酬を受けるのではなく、一括的に所定の利益、例えば、無料で本管理システムに参加できる、無料で利用者を紹介するなどの利益を与える方法や、利益の種類を記憶した利益供与データを記憶手段に設けることなどがある。
【発明の効果】
【0019】
以下、各発明の効果などについて説明する。
第1発明であれば、利用者が入力した入力情報に基づいて合致する食材提供者を探す検索部を設けたので、利用者にしてみれば、自分が欲しい食材を、無料又は非常に安価に提供してくる食材提供者を発見できる可能性が高まる。
また、食材提供者側からすれば、自社に興味を持って検索してきた利用者の情報を検索結果とともに通信ネットワークを介して得ることができるので、本システムに食材提供者の情報を登録しておくだけで不要な食材の利用者層を広げることができ、不要食材の廃棄費用を不要、低減したり、又は不要食材によって金銭などの対価を得ることが可能になる。
【0020】
第2発明であれば、通信ネットワークのホームページに利用者がアクセスし、食材に関する検索データを入力したことに応答して検索部が食材情報に基づいて検索データに合致する食材を探し、開示情報制御部が、検索された食材において開示レベル情報記憶部内の開示レベル情報に基づいて、その食材情報の提供者が許可した開示レベルで検索された食材情報の開示を制御する。
したがって、利用者にしてみれば、安価に欲しい食材を数多くの食材提供者が提供する食材情報から探すことができ、人的繋がり、商売の繋がりに限定されず、ビジネスライクに探索することができる。このような不要食材の情報は、通常の食材で作られたものとは異なる不要の食材であるから、利用者にとっては通常の食材に比べて安い価格で入手できる可能性が高いとともに食材提供者にとっては廃棄費用が不要になったり、対価を得る可能性も高く、双方にとって利用度が高い。
また、そのような個別の食材情報の開示は、食材提供者の許可を得た開示レベル範囲内で行われるので、不要食材を利用者が探索する場合に、食材提供者が知られたくない情報、例えば会社名、会社所在地や、製造ノウハウ、営業秘密、各種権利等が漏れる惧れもなくなる。
【0021】
第3発明であれば、他の食材提供者が提供できる食材情報を利用したい人は、まず、ホームページにアクセスして、食材の種類と食材提供の地域を検索データとして入力し、必要な食材情報が希望する地域で本システム内にあるか否かを確認することができる。そして、送受信部によって利用者と食材提供者との間で食材の取り引きについて通信ネットワーク上で情報交換を行うことができるので、数多くのマッチングを簡単に行うことができる。さらに、上記取り引きの情報交換は、本システムの管理の基で行われるので前記情報交換を把握できるとともに、情報漏れ、詐欺などの不都合の発生を抑制することが可能になる。
【0022】
第4発明であれば、開示した食材情報の数、量に応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部を備えたので、食材情報の提供者は、それぞれ自分が提供できる不要な食材を数多く公開することで多くの報酬を得ることができ、本システムに登録される食材提供者の数を増やすことができ、実用的なシステムにすることができる。
【0023】
第5発明であれば、開示した食材情報の開示レベルに応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部を備えたので、各食材提供者はそれぞれ自分に関する食材の開示レベルを上げることで、多くの報酬を得ることができ、本システムに登録される食材情報の質を高めることができ、実用的なシステムにすることができる。
【0024】
第6発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、その食材の利用者についての要望の情報と、その要望に対する食材提供者の対処情報が含まれているので、その食材がどのような要望に答えるように工夫されているか初めて見たものでも良く分かるので、同じ要望を有する利用者が有益な情報を得ることができる。また、食材提供者が工夫した食材ならば、その食材情報を参照することにより、他の食材提供者が利用者の要望に対して、どのように対応したかよいかという参考を数多く得ることができる。
【0025】
第7発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、その食材提供者に関する情報が含まれているので、例えば、食材提供者の名前、利用者の近くに住んでいる食材提供者を一覧で表示するなど、数多くの食材提供者から自分の希望にあった食材情報を検索することが可能になる。
第8発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、食材の品質情報が含まれているので、品質を重視する利用者においても本システムを有効利用することができる。
【0026】
第9発明であれば、前記検索部が検索する食材情報に、その利用者のアンケート情報が含まれているので、他の利用者にそのアンケート情報を開放した場合には、食材取引時における食材提供者の対応などの具体的な情報を把握することができ、他の利用者がその食材提供者の食材を選ぶ場合の有益な情報を蓄積することができる。また、管理機関としては、そのアンケート情報を収集することによって、その食材提供者の善し悪し、食材提供者へのアドバイスを行うことができる。
また、管理機関がアンケートを実施することにより、利用者が食材提供者に気がねなく自由な意見を採取でき、食材提供者に対する利用者の率直な評価を集積することができる。さらに、管理機関には複数の食材提供者が施工した食材情報があるので、これらの情報とアンケート情報を蓄積することにより、ある程度、各食材提供者の食材の質、その食材提供者としてのレベルを評価することができる。また、このような評価を利用者が適宜、見ることができるシステムを構築することが可能であり、食材提供者は不要食材とはいえ、自分の提供する食材に対してある程度の責任を持つようにならざるを得ず、食材の品質等の維持に努めるにようになる。
【0027】
第10発明であれば、二次加工工場端末を用いて、日本国中などで、次々出てくる不要食材をその種類毎に迅速に知ることができる。例えば、澱粉として加工する不要食材、魚粉として加工する不要食材、冷凍野菜として処理する不要食材の提供される場所とその量、種類を把握できるので、二次加工品の生産量をかなり正確に予測することができる。また、掲載処理部は生成された二次加工品を前記ホームページ内に掲載し、送受信部は食材利用者からの二次加工品についての注文情報を二次加工工場端末に自動送信するので、食材利用者の需要に応じて、二次加工品の加工処理、配送処理を極めて円滑に行うことができる。
さらに、食材を管理機関が管理又は委託した二次加工工場に持ち込み、二次加工品に処理することで、鮮度、品質の劣化が早い食材であっても、食材の品質を落とすことなく、利用者の満足する安価で高品質な二次加工品を提供できる。
【0028】
上記各発明によれば、多数の食材提供者が提供できる食材情報が収集されるので、必要に応じて管理機関によって不要な食材を用いて二次加工品を安価に製造するなど、不要食材提供ビジネスをコーデネイトできる。
また、他の食材提供者が提供する食材をある程度、知ることができるので、強制ではなく、自発的な情報交換が起こる。これによって複数の会社が協同した効率的な不要食材の利用関係が構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
この第1実施形態は、後述する管理会社などの管理機関が日本の所定地域内、日本全国、又は世界各国に存在する食材情報、食材提供者情報、利用者情報を管理することにより、現在、ゴミとして廃棄されている有用な食材を再利用することを目的とする不要食材利用システムである。この不要食材利用システムは、管理機関と少なくとも複数の食材提供者と複数の利用者が連係した形態で実施される。
本システムは、本発明者が、不要食材が有効利用されないのは、食材を廃棄する側とその不要食材を利用する側において情報のやり取りを行うにもその手段と方法が分からないというところに根本原因があることを見いだして、各実施形態に係る発明を行ったものである。
【0030】
また、この不要食材利用システムは、現実に日々、廃棄される不要食材について、その食材を欲しがっている利用者が日本国中、世界中に多数存在するという現状を前提として考えられているシステムである。そして、このシステムの一例によれば、食材提供者と利用者の自発的な交流を促して、食材提供者側と利用者側のそれぞれの事情を考慮した不要食材の利用方法を考えることができるシステムを提供する。
【0031】
図1は、不要食材利用システムの仕組みの一例を示す概略的な説明図である。
このシステムは、少なくとも食材提供者と管理機関の間について、インターネット上に設けられたシステムにおいて、不要食材利用システムに参加するという登録処理を行う。利用者と管理機関との間にも前記食材利用システムへの登録を行い、食材情報、食材提供者情報、利用者情報の授受を行えるようにする。
利用者及び食材提供者の登録はインターネット上の登録ページで会社名、住所、連絡先、連絡担当者、提供できる食材、欲しい食材、食材の量などを入力し、後述する食材提供者情報、利用者情報を登録する者が自ら、入力することに行えるようにする。なお、本システムに参加するための最終的な登録は、郵送によって代表者と管理機関との契約書を交わすことによって行うようにする。
この提供契約は、各種の内容を含んでおり、例えば、提供する食材の種類、量、提供間隔、提供期間などを定期的に又は変更が生じた場合は速やかに情報をホームページにおいて、更新処理をすることを約束することなどがある。そして、特定の利用者と不要食材について無料引き渡しの契約又は売買契約が生じた場合は、必ず、管理機関に報告し、適宜、ホームページへの登録を抹消する。
一方、無料引き取りの場合は、その食材に伴う一定期間(例えば、1年間)、利用者に本システムへの協賛金を提供するように契約を交わしても良い。
【0032】
金融機関は、管理機関、食材提供者、食材利用者による金銭、各種ポイントなどの利益の授受を行うために本システムに参加する。
管理機関の形態は、通常、食材情報、食材提供者情報、利用者情報を管理する株式会社形態の管理会社とされるが、他の形態であってもかまわない。例えば、管理機関は食材提供者の組合・団体や他の会社、その他の組合・団体・財団等であっても良い。
【0033】
図2はこの不要食材利用システムの一構成例を示す図であり、本システムは、通信ネットワーク4に管理会社が統括するコンピュータを使用した管理部1と、利用者端末(1〜n)2と、食材提供者端末(1〜n)3とが接続してある。
管理部1は、通信ネットワーク4上に設けられる管理サーバー16と、管理サーバー16の管理下におかれ、後述する情報を記憶するデータベース18、データベースサーバー19と、検索エンジンなどの各種プログラム部20、通信サーバー21などを含んで構成してある。管理部1は管理サーバー16を介して管理機関としての管理会社によって管理運営される。利用者端末(1〜n)2と、食材提供者端末(1〜n)3はそれぞれ携帯電話などの携帯端末であってもよい。
【0034】
通信ネットワーク4は、電話回線などの通信回線、無線通信、光ファイバー回線などにより接続される各種のネットワークで構成してある。通信ネットワーク4として、通常はインターネットが採用される。
図3は、上記管理サーバー、各種データベース、各種プログラム部などで構成される管理部1の構成を模式的な機能ブロックで示した図である。
【0035】
管理部1には、各食材提供者に関する情報を記憶した食材提供者情報記憶部5と、複数の食材情報を記憶した食材情報記憶部6と、通信ネットワーク4において利用者がアクセスできる不要食材利用のホームページ7と、利用者情報を収集する利用者情報収集部8と、収集された利用者情報を記憶する利用者情報記憶部24と、前記ホームページ7に連係して利用者が希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて入力情報に合致する食材提供者を探す検索部9と、検索の結果、表示された食材提供者に、情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部11を含んで構成してある。通常、送受信部11は送受信プログラム部、メールサーバーなどで構成される。
【0036】
なお、本実施形態を示す図3では、便宜上、管理部1内に食材情報記憶部6、食材提供者情報記憶部5、ホームページ7などを描いているが、そのような実現手段は、アプリケーションサービスプロバイダー、通信サーバー、データベースサーバーなどの形態で通信ネットワーク4上に分散させて配置してもよく、通常はそのように構成される。
【0037】
図4は食材情報記憶部に記憶される食材情報の一例を示す図である。前記した食材情報記憶部6には、個別の不要の食材を特定する食材コード毎に、食材の種類、食材を提供する住所又は地域、食材提供者コード、食材の量、対価の有無、kg当たり20円というような対価の額、開示レベル情報、食材の提供期間、食材の名前,名称、アンケート情報、画像等情報、その他付随情報などの情報を含んで構成してある。なお、食材の種類の情報を設けず、食材コードの情報に食材の種類情報を含めても良い。
食材の提供期間とは、例えば、毎日、不要食材が提供できるとか、又は1週間毎に提供できるとか、8月中においてのみ提供できるというような情報である。
アンケート情報は定期的又は不定期に、管理会社側からのアンケートに利用者が回答する形で得られた情報や、食材提供者から自ら提供した文章などが記憶される。
付随情報には契約情報を含めることができ、その場合は、食材の提供に関する契約関係情報が適宜、記憶される。
なお、前記開示レベル情報については後述する。
【0038】
以下に食材情報の一例を示す。
(1)食材コード:ADyts00348967
(2)食材の種類:サツマイモの端部の切れ端
(3)食材を提供する住所:兵庫県□●市△○町1丁目6番地3号
(4)食材提供者コード:ST00303
(5)食材の量:1週間毎に500kg
(6)対価の有無:なし
(7)対価の額:無料
(8)開示レベル情報:開示レベル1
(9)食材の提供期間:1年中(1週間毎)
(10)食材の名前,名称:サツマイモ、広義名前:イモ類、野菜
(11)アンケート情報:利用者のコメント「対応が良好」、食料提供者のコメント「来年の3月から排出量が3倍になるので、できるだけ早く引き取ってもらえる利用者を探しています。」
(12)画像等情報(画像又は映像情報):sathumaimo.mpg3,image2.jpg
(13)その他付随情報: なし
【0039】
図5は利用者がホームページにおいて食材情報を検索する画面の一例である。
図5に示すように、食材情報検索と食材提供者検索とキーワード検索の各欄が設けられ、食材コード、食材の種類、提供地域、食材の量などの各項目毎に入力欄36が設けてある。各欄の論理積、論理和などの条件は、各欄の下側に設けられた条件検索(AND,OR,NOT)の条件選択マークをマウス等で選択することによって選ぶ。なお、条件検索のAND,OR,NOTは食材情報検索欄、食材提供者検索欄、キーワード検索欄内の各入力欄36の後ろにそれぞれ設けて、例えば、「提供地域」と「食材の種類」の論理積、論理和などを個別に設定入力できるように構成することが好ましい。各入力欄に記入しない場合はその記入欄の項目は無視される。
このような検索画面の構成であれば、細かい条件で利用者の欲しい食材情報を素早く検索することが可能になる。
【0040】
図6は上記検索画面の検索によって表示された食材情報の検索結果表示画面の一例を示す図である。図6に示すように、検索項目に合致するヒット件数(この場合は12件)と、そのページ番号(この場合は1/4ページ)とともに、食材情報、食材提供者情報が食材毎に表示される。ここで、後述するように開示レベル情報が非開示になっていることに基づいて、「No2」の提供食材は、「イモ、穀物など」というような抽象的な表現になっており、食材提供者の名前や、細かい住所は「非開示」になっている。これに対して、開示レベルの高い「No1」の食材情報は、会社名、提供食材、食材提供地域、連絡先などが完全に開示されている。また、添付した画像ファイル、動画ファイルの縮小画像が表示され、そのファイル部分をダブルクリックすることで、元ファイルを参照することが可能になっている。
【0041】
図6において(メール送信)の欄は所定の食材情報、例えば、マウス等で「No1」を選択して反転させた状態で、メール送信の(実行)ボタン37を選択すると、管理部1内の送受信部11が起動して、ホームページ内で利用者が食材提供者にメールを送信できるようになっている。この送信メールはあくまで、食材利用システム内で作成されるメールソフトであり、必要に応じてその問い合わせ情報などは管理機関が管理することができる。
【0042】
図7は図3に示す食材提供者情報記憶部5に記憶された食材提供者情報の一例を示す図である。
図7に示すように、個々の食材提供者を特定する食材提供者コード毎に、食材提供者名、電話番号、連絡担当者名、本社住所など、開示レベル情報、管理会社との契約レベル情報などの情報で構成してある。要するに、食材提供者情報を設けることで、食材提供者の会社などの基本的情報を記録したデータベースが構築される。
契約情報とは、例えば、その食材提供者と管理機関との契約など、利用者と食材提供者との契約、確認事項などを記憶した情報である。
【0043】
図3の利用者情報記憶部24に記憶される利用者情報には、例えば、利用者の会社名・氏名・団体名、連絡先住所、担当者名、食材を利用する住所、必要とする食材の種類などが記憶されている。その情報は会員IDを取得する段階において、インターネットにおいて良く用いられる利用者登録画面から入力され、その入力された情報にシステムの種々の管理情報が付加されて記憶される。
【0044】
図8は、上記第1発明の一実施例に係る不要食材利用システムの食材提供者検索処理を説明するフローチャートの一例である。
図8のステップSP101において、利用者が管理会社が統括するホームページ7(図3参照、以下同様)にアクセスし、ステップSP102において利用者の会社又は氏名など、連絡先住所、食材利用住所等の利用者情報を入力して会員IDを取得し、ステップSP103においてホームページの検索部9において、入手したい検索食材を入力し、ステップSP104において管理部1の検索部9が入力情報に合致する既に提供されている食材情報を探し、ステップSP105において検索結果である食材提供者の情報を表示するか又はその検索された食材提供者のホームページのリンク情報を表示するなどして利用者がその食材提供者の連絡先を知ることができるようにし、ステップSP106において検索された食材提供者に、検索結果と利用者情報収集部8において集められた利用者情報を付加して電子メールなどの送受信部11等により通知する。
【0045】
本実施形態であれば、食材提供者の情報が全く知らない者に自由に利用されることを防ぐことができる。
また、この実施形態であれば、利用者が食材提供者の連絡先に電話等を行うことで個別に商談を進めることが可能になる。また、食材提供者はどのような利用者が自分の提供できる食材に興味を持っているか知ることができ、食材提供者の方から利用者に連絡を取ることも可能になる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9、図10を参照しつつ説明する。
図9に示すように、本実施形態では、第1実施形態で示した構成要素(図3参照)に加えて、さらに、管理部1に開示レベル情報記憶部12と開示情報制御部13とを含んで構成してある。
開示レベル情報記憶部12は、各食材提供者が提供する食材の情報をどの程度開示するかのレベルを、食材提供者自らが決定した情報を記憶したものである。開示情報制御部13は、各食材の開示レベル情報を調べ、ホームページなどの表示の程度を制御するものである。
【0047】
図10は、本実施形態における開示レベル制御の基本的な処理を示すフローチャートである。
図10のステップSP201において、管理部1(図9参照、以下同様)は、個人などの利用者がホームページにアクセスしたことを検知し、ステップSP202において検索部9を用いて、例えば、希望する食材の種類、食材を提供できる地域等の検索項目を入力したことを検知し、ステップSP203において開示情報制御部13が、検索部9によって検索されヒットした食材の開示レベル情報を調べ、ステップSP204において、その開示レベル情報に基づいて、例えばホームページ7上でそのヒットした食材の情報を開示する。
【0048】
前記開示レベル情報は、食材提供者と管理会社の契約によって、例えば、下記のような各種の項目のそれぞれについて、開示してもよいレベルが設定される。
(1)食材提供者の情報
(レベル1)開示せず
(レベル2)業種(食品加工業、漁業関係など)と各都道府県の区別のみ
(レベル3)具体的会社名と連絡先と住所
(2)食材の具体的な種類と量
(レベル1)概念表示、例えば、イモ類、穀物、野菜、肉、魚介類と大まかな量のみ
(レベル2)具体的な食材の名前と具体的な提供量
(レベル3)レベル3に加えて個別の状態、例えば、冷凍状態、魚の特定部分のみであるというような情報などの食材提供者が提示した全ての情報
【0049】
(3)アンケート情報の開示
(レベル1)開示せず
(レベル2)食材提供者の対応を5段階レベルで表示する。(極めて良い、良い、普通、悪い、極めて悪い)
(レベル3)レベル2に加えて、要望、アンケート情報などの具体的情報を開示する
【0050】
これらの各項目は、食料提供者に対して個別に提示して、食料提供者の承諾を受けながら設定しても良いし、前記複数の項目を所定レベルで区分けした3段階〜5段階のパッケージを提示して、決定するようにしても良い。
例えば、開示レベルの(大)を選択すれば、上記各項目において全てレベル3に設定され、開示レベルの(中)を選択すれば全てレベル2に設定され、開示レベルの(小)を選択すれば全てレベル1に設定されるような方式である。
なお、このような情報の開示レベルを設定する理由は、食品加工会社では、どのような食材を用いて食品を作っているか、または食材をどのように加工しているかは、企業秘密に係わることであり、秘密を守ることのできる信頼できる使用者のみに、不要食材を提供しても良いという場合があるからである。
また、一部の利用者には自分は不要食材を利用する意志がないのにもかかわらず、不要食材の情報を集める場合も予想され、そのような不正な利用を抑制する機能もある。
【0051】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示すフローチャートである。この不要食材利用システムの構成は、図3及び図9に示した構成とほぼ同様の構成で実施できるものである。
図11のステップSP301において、管理部1(図9参照、以下同様)が、利用者のホームページ7の検索部9を用いて所望の食材情報を検索している状態を監視し、ステップSP302においてホームページ7にアクセスした利用者が、検索部9においてヒットした食材情報の利用を提供者に求めるか否かを利用者の入力により判別し、利用者がどの程度の開示レベルで食材情報の開示を求めると入力したことに応答して、ステップSP303において送受信部11を用いてヒットした食材を提供している提供者へ食材の利用を欲する人がいること、その利用者の情報、及び欲する開示レベルを通知し、ステップSP304において食材提供者がその食材情報の利用を認めたか否かを判別し、認めたと判別された場合は、ステップSP305において認めた開示レベル範囲内で食材情報を開示し、拒否の回答があった場合には、ステップSP306において送受信部11を用いて拒否の回答を通知する。
【0052】
上記ステップSP301〜ステップSP306までの処理は管理部1の所定の制御部が自動的に行うようにする。
利用者と食材情報の開示レベルの交渉については、送受信部11によって送られる電子メールに開示レベル情報の段階を示したマーク欄が設けてある。そして、利用者と提供者の相互が必要とする開示レベルをマークすることにより意志を示し、管理部1が電子メール内のそのマークを自動的に読み取るように構成する。この構成により、個々の食材情報の利用に応じて、提供者が利用者の信用度などに応じて、適宜、自分で食材情報の開示レベルを設定することができる。
【0053】
(第4実施形態)
図12は第4実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示す機能ブロック図、図13はそのフローチャートの一例である。なお、図12は図9に示す管理部1内に、さらに報酬付与部22と報酬情報記憶部23とを加えた実施形態を示している。
図13のステップSP501において通信ネットワークを用いて利用者が必要な食材の情報を検索し、ステップSP502において、その検索の結果、得られた食材情報を利用者に提示し、ステップSP503において前記食材情報の利用に応じて、管理部1は、情報利用契約に基づいて、図12に示す報酬付与部22がそれぞれ食材提供者、食材利用者、管理機関に相当の対価を支払う処理を行って一連の処理を終了する。
【0054】
(第5実施形態)
図14、図15はそれぞれ第5実施形態を説明するための図であり、図14は、本実施形態の一例を示す説明図、図15は第4実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示す機能ブロック図である。なお、図14において管理機関は省略して描いているが実際は存在し、システムの情報と二次加工工場の情報を管理している。
【0055】
本実施形態では、不要食材利用システムに二次加工工場が参加する。この二次加工工場は、管理機関が管理して、食材提供者からの食材を利用者が利用しやすい状態に加工する。
二次加工工場は、日本内に少なくとも一カ所設けられる。例えば、穀物加工は第1工場、魚類加工は第2工場というように加工処理毎に分けても良く、さらに、全ての加工処理を行う工場を関東地方に二カ所、関西地方に二カ所、九州地方に一カ所というに地域別に設けても良い。また、このような二次加工工場は、大型冷蔵倉庫、大型冷凍倉庫を備えており、物流センターを隣設していることが好ましい。
【0056】
図15に示すように、本システムでは、食材提供者が提供する不要食材について、図4に示した食材情報の各項目の他に、食品の大分類と、食品の小分類、食品の個別名称を区分して入力する箇所があり、管理部1の食材種類判別部31はその食材提供者が入力した情報又は入力時の前記区分けを自動判別して、対応する二次加工工場の端末32へ送信する。
【0057】
具体的な送信方法としては、
(1)前記した食材毎の加工工場を設けた構成では、その食材の対応する加工工場へその食材情報を送信する、
(2)また、地域毎の加工工場ならば、食材情報の提供場所に近い、二次加工工場へ送信する、
方法がある。
そして、掲載処理部33は生成された二次加工品を前記ホームページ7内に掲載し、送受信部11は食材利用者からの二次加工品についての注文情報を二次加工工場端末32に自動送信するので、食材利用者の需要に応じて、二次加工品の加工処理、配送処理を極めて円滑に行うことができる。
このような処理によって、鮮度が劣化しやすい食材であっても即座に回収でき、二次加工処理、二次加工品の利用者への配送処理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は本発明に係る不要食材利用システムの仕組みの一例を示す説明図である。
【図2】図2は本発明に係る複数の食材提供者及び利用者と連係した不要食材利用システムの概略構成図である。
【図3】図3は本発明の実施形態を説明するための概略的な機能ブロック図である。
【図4】図4は食材情報の一例を示す図である。
【図5】図5は利用者がホームページにおいて食材情報を検索する画面の一例である。
【図6】図6は検索によって表示された食材情報の検索結果表示画面の一例を示す図である。
【図7】図7は食材提供者情報の一例を示す図である。
【図8】図8は食材の探索処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は本発明の第2実施形態を説明するための概略的な機能ブロック図である。
【図10】図10は開示レベル情報に基づいて食材情報を開示するフローチャートの一例である。
【図11】図11は本発明の第3実施形態における開示承諾処理を示すフローチャートの一例である。
【図12】図12は本発明の第4実施形態を説明するための概略的な機能ブロック図である。
【図13】図13は対価支払い処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】図14は本発明の第5実施形態の一例を示す説明図である。
【図15】図15は第5実施形態に係る不要食材利用システムの一例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0059】
1…管理部、2…利用者端末、3…食材提供者端末、4…通信ネットワーク、5…食材提供者情報記憶部、6…食材情報記憶部、7…ホームページ、8…利用者情報収集部、9…検索部、11…送受信部、12…開示レベル情報記憶部、13…開示情報制御部、15…金融機関端末、22…報酬付与部、23…報酬情報記憶部、24…利用者情報記憶部、31…食材種類判別部、32…二次加工工場端末、33…掲載処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部と、
通信ネットワークにおいて利用者がアクセスできるホームページと、
前記ホームページにアクセスした不要食材を欲する利用者の情報を収集する利用者情報収集部と、
前記ホームページに連係して、前記利用者が前記不要食材を希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて、前記食材提供者情報記憶部内、食材情報記憶部内の少なくとも一方のデータに基づいて入力情報に合致する食材提供者を探す検索部と、
検索された食材提供者に、情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部を備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【請求項2】
人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部と、食材情報又は食材提供者情報の開示レベル情報を記憶した開示レベル情報記憶部と、
通信ネットワークにおいて利用者がアクセスできるホームページと、
前記ホームページに連係して、利用者が食材に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材情報に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部と、
検索された食材において、開示レベル情報記憶部内の開示レベル情報に基づいて、前記検索を行った利用者に対して、検索された食材情報の開示を制御する開示情報制御部とを備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【請求項3】
人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部と、少なくとも食材の種類と食材提供の地域に関する情報が含まれており、複数の食材提供者の食材の情報を記憶した食材情報記憶部と、
通信ネットワークにおいて利用者がアクセスできるホームページと、
前記ホームページに連係して、利用者が希望する食材の種類と食材提供の地域に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材提供者情報と前記食材情報の少なくとも一方に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部と、本システムの管理の基で、利用者と食材提供者との間で食材の取り引きについて通信ネットワーク上で情報交換を行う送受信部とを備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、開示した食材情報の数、量の少なくとも一方に応じて食材情報を提供した者に開示の数、量に見合う報酬を与える報酬付与部を備えた、不要食材利用システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、開示した食材情報の開示レベルに応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部を備えた、不要食材利用システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、その食材の利用者についての要望の情報と、その要望に対する食材提供者の対処情報が含まれており、前記検索部が要望情報又は対処情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してある、不要食材利用システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、その食材提供者に関する情報が含まれており、前記検索部が食材提供者に関する情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してある、不要食材利用システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、食材の品質情報が含まれている、不要食材利用システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、その利用者のアンケート情報が含まれている、不要食材利用システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記食材提供者が提供する食材を二次加工品に処理する工場を設け、前記食材提供者が提供する食材を種類毎に自動判別して種類毎に区分けする食材種類判別部と、通信ネットワークを介して種類毎に分けられた食材情報を知り得る二次加工工場端末と、生成された二次加工品を前記ホームページ内に掲載する掲載処理部と、食材利用者からの二次加工品についての注文情報を前記二次加工工場端末に自動送信する送受信部とを備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【請求項1】
人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部と、
通信ネットワークにおいて利用者がアクセスできるホームページと、
前記ホームページにアクセスした不要食材を欲する利用者の情報を収集する利用者情報収集部と、
前記ホームページに連係して、前記利用者が前記不要食材を希望する食材の種類を入力した場合にその入力情報に基づいて、前記食材提供者情報記憶部内、食材情報記憶部内の少なくとも一方のデータに基づいて入力情報に合致する食材提供者を探す検索部と、
検索された食材提供者に、情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する送受信部を備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【請求項2】
人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部と、各食材提供者の不要な食材情報を記憶した食材情報記憶部と、食材情報又は食材提供者情報の開示レベル情報を記憶した開示レベル情報記憶部と、
通信ネットワークにおいて利用者がアクセスできるホームページと、
前記ホームページに連係して、利用者が食材に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材情報に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部と、
検索された食材において、開示レベル情報記憶部内の開示レベル情報に基づいて、前記検索を行った利用者に対して、検索された食材情報の開示を制御する開示情報制御部とを備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【請求項3】
人間が食することができる不要な食材を提供する食材提供者の情報を記憶した食材提供者情報記憶部と、少なくとも食材の種類と食材提供の地域に関する情報が含まれており、複数の食材提供者の食材の情報を記憶した食材情報記憶部と、
通信ネットワークにおいて利用者がアクセスできるホームページと、
前記ホームページに連係して、利用者が希望する食材の種類と食材提供の地域に関する検索データを入力したことに応答して、前記食材提供者情報と前記食材情報の少なくとも一方に基づいて検索データに合致する食材を探す検索部と、本システムの管理の基で、利用者と食材提供者との間で食材の取り引きについて通信ネットワーク上で情報交換を行う送受信部とを備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、開示した食材情報の数、量の少なくとも一方に応じて食材情報を提供した者に開示の数、量に見合う報酬を与える報酬付与部を備えた、不要食材利用システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、開示した食材情報の開示レベルに応じて食材情報を提供した者に開示に見合う報酬を与える報酬付与部を備えた、不要食材利用システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、その食材の利用者についての要望の情報と、その要望に対する食材提供者の対処情報が含まれており、前記検索部が要望情報又は対処情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してある、不要食材利用システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、その食材提供者に関する情報が含まれており、前記検索部が食材提供者に関する情報に基づいて食材情報を検索できるように構成してある、不要食材利用システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、食材の品質情報が含まれている、不要食材利用システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記検索部が検索する食材情報に、その利用者のアンケート情報が含まれている、不要食材利用システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の不要食材利用システムにおいて、前記食材提供者が提供する食材を二次加工品に処理する工場を設け、前記食材提供者が提供する食材を種類毎に自動判別して種類毎に区分けする食材種類判別部と、通信ネットワークを介して種類毎に分けられた食材情報を知り得る二次加工工場端末と、生成された二次加工品を前記ホームページ内に掲載する掲載処理部と、食材利用者からの二次加工品についての注文情報を前記二次加工工場端末に自動送信する送受信部とを備えたことを特徴とする、不要食材利用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−165317(P2008−165317A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351396(P2006−351396)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(504383690)P・ボール株式会社 (4)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(504383690)P・ボール株式会社 (4)
[ Back to top ]