説明

不連続ステム領域を有するウェブ

【課題】本発明により、整形に用いられる圧縮巻き物品または包帯の構造体に有用であり、ケーブル、整形用物品、おむつ、運動保護物品、衣類またはパッケージング材料を固定する弾性ラップとして用いることができる、メカニカルファスナーとして有用な、不連続領域のステムを有するウェブ構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ウェブ(10)の少なくとも第1の側部(18)に互いに距離をおいて多数の不連続の領域またはパッチ(14)を有する材料のウェブ(10)、およびそのウェブ(10)の製造方法に関し、複数のステム(12)が各パッチ(14)から伸張しており、ウェブ(10)および不連続量のポリマー材料を提供する工程を含み、不連続ファスナーパッチ(14)は、フック・アンド・ループ再固定可能なメカニカルファスナーの雄コンポーネントとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカニカルファスナーとして有用なステムウェブ構造体に関する。特に、本発明は、不連続領域のステムを有するウェブ構造体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フック・アンド・ループファスナーのようなステムウェブは長年にわたって用いられてきた。これらのウェブは、通常、ウェブに固定されたステムを有している。ステムは通常、ループ材料と噛み合うように構成されたフックへと形成される。本明細書において、例えば、布地やポリマーの小さなループやメッシュを係合することのできる小さな突出部は、実際に、フックの形状またはその他の形状であってもフックと呼ぶ。フックの通常の形態はマッシュルーム形状で、別のフックを係合するメカニカルファスナーとしても用いることができる。
【0003】
特許文献1、特許文献2および特許文献3には、ポリマーステムウェブを形成する方法が開示されている。これらの特許において、熱可塑性樹脂がキャビティの配列を有するツールへと押し出される。ツールから分離される際に、熱可塑性樹脂はステムの配列を形成する。続いて、ステムをカレンダー加工して、ステムの上部に広いヘッドを作成する。ヘッドの形状、寸法および角精度、そしてステム密度により、捕捉のし易さおよびループ保持の靭性が決まる。また、特許文献4には、ウェブの両側にステムがあるステムウェブの製造方法が開示されている。この特許によれば、2種類の異なる材料を押し出して2つの基部を形成し、材料がその間を通過する2つのローラーのキャビティに材料を充填することによってフックを形成している。
【0004】
これらの特許は許容されるステムウェブを開示しているが、別の用途や目的に容易に適合されるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,056,593号明細書
【特許文献2】米国特許第4,959,265号明細書
【特許文献3】米国特許第5,077,870号明細書
【特許文献4】米国特許第5,393,475号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明は、少なくとも2つの主側部を有する材料のウェブに関する。ウェブは、少なくとも第1の主側部に複数の不連続領域を有しており、複数のステムが各不連続領域から伸張している。複数のステムを溶融し、ウェブの少なくとも第1の主側部に形成する。ステムは、メカニカルファスナーとして用いるよう構成することができ、1つ以上の異なる構成および配向を有していてもよい。例えば、ステムは、別のフックまたはループと噛み合わせるのに好適なフック構成とすることができる。あるいは、ステムは実質的にマッシュルーム形状であってもよい。ステムは、ウェブに対して垂直に配向しても、ウェブに対して90度より少ない角度で配向してもよい。一実施形態において、ウェブは、局部平面を画定し、複数のステムが複数の角度において局部平面に配向されている。かかる角度で、局部平面に並行に、そして角度のついたステムに対して力をかけたとき、ステムは改善されたメカニカルファスナー効果を与える。ある実施形態において、ウェブの少なくとも一部は、複数のステムと係合するように構成および配置されている。
【0007】
複数のステムは、ステム形成ツール(後述する)においてキャビティに流れて、ウェブをツールから外す前に急冷または固化されるポリマーまたはポリマー混合物から形成することができる。有用なポリマーは、ポリウレタン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート変性エチレン酢酸ビニルポリマーおよびエチレンアクリル酸コポリマーをはじめとする代表的な熱可塑性材料である。ウェブは、天然および合成ゴム、イソプレン、ブタジエンまたはエチレン(ブチレン)ブロックを含有するスチレンブロックコポリマー、メタロセン−触媒ポリオレフィン、ポリウレタンおよびポリジオルガノシロキサンのような少なくとも1種類の弾性材料を含んでいてもよい。あるいは、ウェブはステムと同じポリマーからできていてもよいし、織または不織材料のようなループ材料であってもよい。
【0008】
本発明はさらに、ウェブの不連続領域またはパッチから伸張する複数のステムを有するウェブの製造方法に関する。この方法には、ウェブおよび不連続量のポリマー材料を軟化状態で提供する工程が含まれる。不連続量のポリマー材料をウェブに溶融して、複数のステムを不連続量のポリマー材料のそれぞれに形成する。不連続量またはパッチのポリマー材料は、ステムが形成されるのと実質的に同時にウェブに溶融してもよい。不連続量のポリマー材料は、ドットからクロスウェブストリップの形態でウェブに押し出すことにより提供してもよい。あるいは、不連続量のポリマー材料は、1つ以上の回転切刃により提供してもよい。
【0009】
本発明の他の実施形態は、連続ストリップまたはリボンの形態の不連続領域のステムを有するウェブを作成するものである。この実施形態において、不連続領域は、直線またはジグザグパターンでダウンウェブ方向に伸張する連続ストリップで構成してもよい。ストリップ間はステムのないウェブ表面の部分である。
【0010】
さらに他の実施形態において、本発明の方法は、ポリマーウェブと、不連続領域に配置された複数のステム形成孔またはキャビティを備えた表面を有するツールとを提供する工程を含む。ツールの総表面積の部分は、不連続領域に構成されたかかる孔を有し、孔に占有される領域の間の表面部分は平滑である。あるいは、全表面が孔に占有されている場合には、ステム形成キャビティの部分をマスクする。キャビティを充填する過剰量のポリマー材料を含むウェブを、圧力をかけてツール表面に押し付けて、ウェブの表面にステムの領域またはパッチを形成する。各パッチはウェブに接合される。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の本発明の詳細な説明および請求項から明白となろう。本開示の原理の上記概要は、例示の各実施形態または本開示のそれぞれの実施を説明することを意図するものではない。以下の図面および詳細な説明により、ここに開示された原理を利用した特定の好ましい実施形態により詳細に実証する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態により構成および配置された複数のステム領域の断面側面図。
【図2】本発明の他の実施形態により構成および配置された複数のステム領域の断面側面図。
【図3】本発明の他の実施形態による複数のステム領域の上部平面図。
【図4】本発明の他の実施形態による複数のステム領域の上部平面図。
【図5】ステム形成材料をウェブに分配するためにドットコーターを用いてステムウェブを作成する第1の方法に用いる装置の概略図。
【図6】ステム形成材料をウェブに分配するためにナイフカッターを用いてステムウェブを作成する第2の方法に用いる装置の概略図。
【図7】ステム形成材料をウェブに分配するためにマスクを用いて、本発明に従ってステムウェブを作成する第3の方法に用いる装置の概略図。
【図8】本発明の実施に従って構成および配置されたステム領域の顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の詳細な説明
本発明のウェブの少なくとも一つの主側部には、多数のステムの突出する複数の不連続パッチまたは領域がある。パッチまたは領域の間には、たとえあったとしても僅かしかステムのない中間不連続領域または中領域がある。
【0014】
図1に、ウェブ表面18に数多くの不連続パッチまたは領域14が配置されたステム12を有するウェブ10を示す。ステム12の不連続パッチまたは領域14は、中領域16により互いに分離されている。ステム12はウェブ10から伸張する突出部であり、ウェブ10はステム12の形成および保持のために構成された基材である。図1において、領域14はウェブ10によってのみ互いに連結されている。このように、中領域16は、ウェブ10の露出された突出部を見せて、ステム12を形成するのに用いた熱可塑性材料に遮られていない。
【0015】
図1において、ステム12はウェブ10の上部表面18上にのみ配置され、下部表面19には配置されていない。しかしながら、本発明の様々な実施形態において、ステム12は上部および下部表面18、19のいずれか、または両方に配置することができるものと考えられる。また、ステム12は、メカニカルファスナーの有用なコンポーネントとなるように形成することもできる。例えば、ステム12は、フック・アンド・ループファスナーと共に用いるフックとしてもよい。あるいは、ステム12はマッシュルーム形状メカニカルファスナーに形成することができる。本発明のさらに他の実施形態において、ステム12はウェブ10により画定される局部平面に対して1つ以上の角度で配向することができる。
【0016】
本発明の特定の実施形態において、不連続領域14は、それが配置されるウェブ10の表面の20〜80パーセントを占める。他の実施形態において、不連続領域14は、それが配置されるウェブ10の表面の1〜99パーセント、5〜70パーセント、10〜50パーセント、または5〜25パーセントを占める。不連続領域14は様々な距離で互いに分離してよい。例えば、領域14は平均約0.05〜30センチメートル、または平均1〜4センチメートルで分離されていてよい。ある実施形態において、領域14の間の距離は、近接するステムの中心の間の距離の10倍といったように、ステム間の距離の倍数として識別される。このように、例えば、領域のステムが.05センチメートル離れているときは、領域は0.5センチメートル離すことができる。他の実施形態において、ステムは、ステムの中心間の距離の2倍、50倍、300倍以上である。ある実施形態において、領域14は、ジグザグまたは直線構成でダウンウェブに延びるリボンのように一方向に連続していてもよい。
【0017】
中領域16は、ステム12によりロックするループ構造体を含んでいても、またステム12でロックするには不向きなウェブ10の部分を露出していてもよい。織および不織繊維のようなウェブ10自身がループ構造体を含む実施形態においては、中領域16はステム12をロックする場所を提供してもよい。さらに、ステム12は、ウェブ10の逆側部19でロックするように構成することができる。
【0018】
ウェブ10は、例えば、織または不織で、連続フィルムまたは多数の繊維からできていてもよい。選んだウェブ材料は、弾性、可撓性、馴染み易さ、通気性、多孔性および剛性のような最終生成物の特性に影響する。ある実施形態において、ウェブ10はセルロース、ナイロン、ポリプロピレンまたは綿のような繊維から構成されている。他の実施形態において、ウェブは熱可塑性フィルムのような単一または多層フィルムである。ウェブ10は、天然および合成ゴム、イソプレン、ブタジエンまたはエチレン(ブチレン)ブロックを含有するスチレンブロックコポリマー、メタロセン−触媒ポリオレフィン、ポリウレタンおよびポリジオルガノシロキサンのような弾性材料から任意で構築されている。あるいは、ウェブ10は金属シートまたは様々な繊維およびフィルムの複合体である。このように、本発明は、数多くの可撓性および非可撓性ウェブ材料を必要とする用途に好適であると考えられる。
【0019】
図2にステム22を有するウェブ20を示す。図1とは対照的に、図2においては、ステム22を形成する熱可塑性材料は、領域24の間で連続または実質的に連続しており、ウェブ20およびステム22は同じ材料であってもよい。このように、中領域26はウェブ20を覆う熱可塑性材料の薄いフィルムを有している。しかしながら、図1と図2のいずれにおいても、中領域16、26にはステムは含まれていないことに着目されたい。図2に示すように、中領域26が熱可塑性材料を含むときでも、中領域26にはステム22がないのが好ましい。特定の実施形態において、ウェブ20は弾性であり、中領域26はウェブ20が伸張されるにつれて伸張および切断されるよう十分に薄い。他の実施形態において、ウェブは熱可塑性材料で、一部が少なくとも一つの表面の不連続領域においてステムに再成形されている。
【0020】
図3および4に、ステムが分離された領域に配置された本発明の2つの実施形態を示す。図3に、ステムが概して円形分離領域34に配置されたウェブ30を示す(個々のステムは図示されていない)。各領域34は、少なくとも3個のステム、好ましくは少なくとも10個のステム、より好ましくは少なくとも50個のステムを含む。領域34の間の中領域36にはステムは含まれない。図4のウェブ40は、「4X」の文字が示された飾りのある分離された領域44a、44bで配置されたステムを有している。
【0021】
本発明の方法において、不連続量のポリマー材料は、断続的な量の溶融ポリマーをウェブに押し出すことにより提供してよい。この量によって、ウェブを溶融しステムが形成される。あるいは、不連続量またはスポットのポリマー材料は、1つ以上の回転切刃により提供してもよい。さらに、ポリマー材料は、ウェブの主面を横切るバンドか連続ストリップのいずれかとして提供してもよい。
【0022】
フックは、ここに参考文献として組み込まれる米国特許第5,077,870号に開示されたように、ステムをキャッピングし、マッシュルームヘッドを形成する、またはそれらを曲げることによりステムに形成することができる。ステムの先端を加熱表面と接触させて、ステムの形状を変える。
【0023】
ステムを成形して、方向性フッキング能を与えてもよい。かかる方向性フックを用いると、選択した方向に締め付け、逆の方向に緩めることによりフック・アンド・ループファスナー構造に方向安定性を与えることができる。方向性ステムは、ポリマー材料を、様々な構成のダウンウェブまたはクロスウェブに配置された同じ方向または複数の方向に角度または傾斜をつけた複数の孔を有するツールに押し付けることにより作成することができる。ステムはダウンウェブおよびクロスウェブへと傾斜をつけることができ、ステムのパッチや領域は、列のダウンウェブまたはクロスウェブに、または六角形、円形または図4に示すようなグラフィックパターンのようなその他の構造に配置することができる。
【0024】
ツールの孔は、レーザーで形成することができ、ツールの表面または正接に関して例えば、45°または60°のような様々な角度で穿孔することができる。熱硬化性ツールのレーザー穿孔の方法は、ここに参考文献として組み込まれる米国特許第5,792,411号に記載されており、ツール表面をレーザーエネルギーで機械加工して、複数の幾何学構造を基材に作成する方法が挙げられる。各幾何学構造は、ステムが形成される位置に対応している。かかるツールにより形成されるステムは、傾斜しているためループ表面と係合させるためにキャッピングさせる必要はない。傾斜のついたステムを有する得られるファスナー表面によって、引っ張ってステムの機械的交絡を緩め、緩めて機械的交絡を得ることにより、本発明のウェブを堅く締めることができる。ステムは2つ以上の方向について角度をつけてもよい。フックを2つ以上の方向について角度をつけると、ループ材料との機械的交絡により側部の滑りに対する抵抗性が得られる。
【0025】
図5に、装置51で製造されているウェブ50を示す。装置51を用いてウェブ50にステム52を作成する。ステム52は不連続パッチまたは領域54で配列されている。装置51にはポリマー材料の供給源53が含まれる。供給源53は、ポリマー材料を融点まで加熱して、溶融ポリマー材料を不連続部分55としてウェブ50に堆積させるのが好ましい。図示した実施形態において、供給源53には、ポリマー材料を圧力下でウェブ50に押し出す押出し機が含まれる。
【0026】
不連続部分55は、ツールロール56と接触するまでウェブ50に沿って動く。ツールロール56は、ステムを形成するよう構成された複数のキャビティ(図示せず)を有する連続円柱状加工表面57を有する。これらのキャビティは、外部の真空源(図示せず)により、任意で、真空排気してもよい。ポリマー材料の不連続部分55が円柱状ツールロール56の表面57と接触するにつれて、部分55がキャビティに同時に押されてウェブ50へと溶融される。
【0027】
図示した実施形態において、鋳造ロール58は、ポリマー材料が冷却されるにつれて、ウェブ50の裏側部に圧力を与え、これによって、ポリマー材料をツールロール56の加工表面57にあるキャビティに押し付け、ポリマー材料がウェブ50へと溶融されるのが促される。ウェブ50は、剥がれる点59に達するまでツールロール56に沿っており、この点でウェブ50は加工表面57から離れて、固化されたポリマー材料がツールロール56から剥がれて、新しく形成されたステム52が露出される。この実施形態において、ポリマー材料の各不連続部分55は、ステム52の別個の分離されたパッチまたは領域54を形成する。基材50とパッチまたは領域54の間の接合は、業界に知られた接着剤、結合層または表面処理により改善することができる。
【0028】
装置の操作温度は当業者であれば選択できる。本発明を導く実験において、ロール56および58は温度制御しなかった。広い温度範囲を使うことができる。ただし、温度があまりに高いと加工表面57からステムが剥がれる能力に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0029】
ポリマー部分55の位置およびサイズを変えることにより、ステムの最終構成および配置を制御および操作することができる。大きなポリマー部分は大きな領域に対応し、小さなポリマー部分は小さな領域に対応する。本発明の一実施形態において、ジグザグ配向の線のようなウェブを下がる連続線またはストリップで供給源53はポリマー部分55に堆積する。得られるウェブ50は、長さに沿って延びるステムの1つ以上のバンドを有する。他の実施形態において、供給源53は一連のクロスウェブラインにポリマー部分55を堆積する。これらのクロスウェブラインは、ウェブの長さに沿ってクロスウェブバンドにおいて伸張するステム52の領域54となる。
【0030】
ポリマー材料の供給源53は、ポリマー材料をウェブに適用するための複数の別個のノズルを有していてもよい。一実施形態において、ポリマー材料は、それぞれ独立に操作されるソレノイドバルブにより制御される一連のノズルから押し出される。ステムの領域の所望の最終位置に応じて、ポリマー材料を適正に配置するために、例えば、タイマーにより個々のノズルをターンオン、オフする。ノズルは1種類以上のポリマー材料を堆積させることができるものと考えられる。供給源53はまたスクリーンプリンターであってもよい。
【0031】
図6に、不連続領域のステムを作成する別の方法を示す。図6に、図5で示したの同じ装置61で製造されているウェブ60を示す。装置61にはポリマー材料の供給源63が含まれる。供給源63は、回転刃67の通路にポリマー材料を放出する。刃67は、ポリマー材料を切断し、ウェブ60に分散する。特定の実施形態において、刃67は長さ1〜4インチで、1分間に500〜1000回転する。回転刃67はポリマー材料を切断する、これがウェブ60に堆積され、複数のステム62へと形成される。ポリマー材料は、概して丸い粒子、長いストランド、または刃の速度、ポリマー材料の粘度およびその他特性に応じたその他様々な形状およびサイズで分散される。ポリマー材料は、ツールロール66と接触するまで不連続部分65としてウェブ60に沿って動く。ツールロール66は、領域64にステム62を形成するよう構成された複数のキャビティ(図示せず)を有する連続円柱状ツール表面69を有する。ポリマー材料の不連続部分65がツールロール66と接触するにつれて、部分65がキャビティに同時に押されてウェブ60へと溶融され、非溶融状態まで冷却される。
【0032】
図7に示す方法は、ポリマーウェブ70、供給源73からポリマー材料、そして加工表面79を有するツールロール76を提供するものである。加工表面79には複数のステム形成孔がある。ツールロール76の表面表面79は、表面79の不連続部分以外の全てを覆うマスク77で覆われている。ポリマー材料75を加工ロール76のマスクカバー表面に適用する。任意で、材料75をウェブ70に適用して、マスクカバーツール表面79に圧力をかけて押し付けて、ウェブ70の表面にステム領域を形成する。これらの不連続部分はステムの領域74に対応する。領域74は、これらの領域のみが2つのローラーの間のニップにおいてツール76のマスク表面と接触するため、ステムを形成する。任意で、ポリマー材料75は2つ以上の層であってもよい。
【0033】
傾斜のついたステムの先端は、キャッピングしない場合は、比較的密度の高いループ材料に浸透するよう十分に鋭いのが好ましく、このようにしてループ材料の選択の幅が広がる。傾斜のついたステムを有する本発明のウェブは、メーティングまたはループ材料から完全に外すかわりに、ウェブの端部から引っ張ることにより堅く締めることができる。
【0034】
本発明のウェブは、全表面がフックまたはステムで覆われていないことから、ステムまたはフック側部を形成するのに用いる原材料が少なくてよい。また、勾配締め付け(きつく、または緩く)、そして二重側部ウェブ機能性(両側部が機能する)という利点もある。
【0035】
本発明のステムウェブは、他のステムウェブ同様のいずれの用途にも実質的に用いることができ、整形に用いられる圧縮巻き物品または包帯の構造体に特に有用である。例えば、弾性ファスナーは、ケーブル、整形用物品、おむつ、運動保護物品、衣類またはパッケージング材料を固定する弾性ラップとして用いることができる。凝集および接着医療ラップおよび包帯を用いる場合に関連した欠点なしに、特定の用途に求められる強度、弾性および締め付け特性を有するように医療ラップまたは包帯を作成することができる。凝集および接着医療ラップは、容易に剥すことができず、適用してしまうと調整が難しい。例えば、接着医療ラップは、患者にいったん適用してしまうときつくしたり、緩めたりするのが難しい。
【0036】
図8は、複数のステム82、83を有するパッチまたは領域84を持つウェブ80の一部を示す顕微鏡写真である。図8から明らかなように、示された実施形態のステムは実質的に2つの方向に配向または傾斜している。ステム82はステム83とは逆に配向されている。ステム82、83が逆に配向されているため、領域84が2つの異なる方向に保持力を与えることができる。
【実施例】
【0037】
本発明をさらに、以下の実施例によりさらに例証する。ただし、これは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実施例における部、比率、パーセンテージはすべて、特に断らない限り、重量基準である。以下の試験材料および方法を用いた。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例1および2
実施例1および2は、通気可能な弾性基材と2方向ステム構成を用いるものである。
【0040】
実施例1において、弾性通気可能な基材である基材Aをまず次のようにして作成した。HL−8156ブロックコポリマー感圧接着剤(PSA)(HBヒューラー社、ミネソタ州、セントポール)でできたブローマイクロファイバー感圧接着剤(BMF−PSA)ウェブを、固形接着剤をグリッド溶融システム(J&Mラボラトリ社、ジョージア州、ドーソンヴィル)に通し、次に、2.0kg/時の速度で30.5cm幅のブローマイクロファイバー(BMF)ダイに通して処理することにより作成した。グリッド溶融システムは、40kgの保持容量と40kg/時の溶融能のホッパーを備えていた。溶融ポンプ体積は1.68cc/revで、プロセス温度は135℃であった。BMF−PSAを、2つの40.6cm幅のシリコーンコートロールにより形成された垂直ニップ点の上約10cmにある円形平滑表面オリフィス(8/cm)を有する溶融ブローダイから放出した。
【0041】
ポリプロピレンスパンボンド不織材料(秤量15g/m、製品番号150A0299A、ファーストクオリティプロダクツ社(ペンシルバニア州、マックアイハッタン))の層をBMFダイのニップ上流の下部ローラーの周囲に供給した。同時に、ポリプロピレンスパンボンド不織材料(製品番号150A0299A)の第2の層、横糸挿入ポリエステルスクリム(製品番号924864、ミリケン社、サウスカロライナ州、スパータンバーグ)および280デニールのGlospan(登録商標)弾性フィラメント(グローブマニュファクチュアリングカンパニー、ノースカロライナ州、ガストニア)を、BMFダイの「下流」側からニップの上部ローラー周辺に供給した。ポリエステルスクリムは、機械方向に18×40デニールのヤーン/2.5cm、クロスウェブ方向に9×15デニールのヤーン/2.5cmであった。
【0042】
弾性フィラメントのクロスウェブ密度は2.75フィラメント/cm、延伸比2:1であった。BMF−PSAが不織層の「上流」にブローされるように、フィラメントは不織層の上部に位置させ、複合体全体が接合するよう弾性フィラメントと接触させた。ニップ力は30.5cm幅の複合体について418Nで、ニップ速度は9.1m/分であった。ニップ通過後、基材構造体は、BMF内部層近傍に第1の側部と、弾性フィラメント層近傍に第2の側部とを備えた不織/BMF−PSA/弾性フィラメント/不織であった。ニップから出る際、基材を弛緩させて、フィラメントを収縮させた。低秤量不織外側層(「カバーウェブ」)と可撓性BMF−PSAファイバーが柔らかいプリーツに容易に曲がったのが観察された。得られたシャーリング弾性基材をボール紙ロール上に集めた。
【0043】
ステム形成可能な材料であるAspun(登録商標)6806をグリッド溶融システムに0.5kg/時の速度で通過させ、次に、16ビードの先端ノズルを有する30.5cm幅のダイを通過させた。ビード先端ノズルは円形出口直径1.5mmで、1秒当たり5パルスの周波数で空気圧により律動した。溶融ポンプ体積は1.68cc/revで、プロセス温度は205℃であった。溶融Aspun6806材料をダイから直接基材Aへスポットで放出した。ウェブを2つの40.6cm幅のシリコーンコートされたロールにより形成された垂直ニップへ4.6m/分の速度で約20cm送った。30.5cm幅のウェブにかかるニップ力は1.7kNであった。第1のロールは、直径約0.25mm、深さ約0.80mmを超え、間隔約0.635mmのキャビティを有する加工表面を有しており、ステム密度が約248ステム/cm(約1600ステム/in)のステム配列となった。キャビティは、交互の方向に、ロール表面の正接から45度の角度であった。第2のロールは平滑表面を有していた。上述した弾性基材Aの層を、第2の側部を平滑ロールの表面と向き合うようにして、ニップの平滑ロールの周囲に供給した。ステム形成可能な材料のスポットまたは不連続領域は、加工表面と対向し、ニップに入るにつれて基材と接触した。得られたウェブを加工表面から剥して、ステム形成可能な材料の領域にロッド状のステム突出部を有するステム表面ウェブを得た。各ステムの直径は約0.25mm、高さ約0.6mmでウェブの表面から伸張していた。ステムは、ウェブ表面に法線で、ダウンウェブ方向にウェブの断面に対して平行な面において法線から+45度または−45度のいずれかの列であった。各領域はやや円形形状で、面積は0.2〜0.3cmで50〜75個のステムを有していた。各領域は近接する領域から約1.0〜1.5cm離れていた。
【0044】
ステム表面ウェブは通気可能(ポーラス)で弾性があった。いずれかの方向に対象物を包んで、両側を合わせて押すことにより締め付けると、ウェブは、圧縮ラッピング構造体として好適に堅く締め付けられた。フックまたはステムのパッチは、弾性基材にあるステムまたはフックよりさらに堅いベースを有し、ループとさらに良く係合させることができる。
【0045】
基材のBMF−PSAを、4.0kg/時の流量でグリッド溶融システムによりポンピングし、ポリエステルスクリムを構造に含めなかった以外は実施例1と同様にして実施例2を作成した。得られたラミネートはやや凝集を示し、得られたステム表面ウェブは、対象物を包み、それ自身に締め付けたとき、側部の滑りが実質的になかった。
【0046】
実施例3〜5
実施例3〜5は、別の形状のステム領域を有する構造体である。実施例3〜5は、クロスウェブ方向に連続していて、ウェブのダウンウェブ方向に実質的に垂直なステム領域を有する。
【0047】
実施例1と同じ基材を用いて実施例1と同様の方法で実施例3を作成した。しかしながら、ステム形成可能な材料は、ビード先端ノズルではなく、円形の平滑表面オリフィス(8/cm)の一列の小さなオリフィスダイ先端を用いて堆積させた。小さなオリフィスダイ先端は、直径0.51mmの円形平滑表面オリフィス(8/cm)を有していた。ステム形成可能な材料を、0.7kg/時の速度で堆積させた。
【0048】
得られたステム表面領域は、幅約0.5cmのクロス方向ストリップであり、互いに約2cm離れていた。各領域は、その幅と16列/cmクロスウェブに平均約8個のステムを有していた。ウェブは非常に延性があって通気可能であり、対象物をいずれかの方向に包むと自身に締め付けられた。
【0049】
多数のオリフィスダイ先端の代わりに0.25mmの間隙を有するスロット先端を用い、ステム形成可能な材料の流量を0.8kg/時とした以外は実施例3と同様にして実施例4を作成した。得られたステム表面領域は、幅約0.6cmのクロス方向ストリップであり、最も近接するステム領域から約2cm離れていた。ウェブは非常に延性があって通気可能であり、対象物をいずれかの方向に包むと自身に締め付けられた。
【0050】
断続的な静止ダイ先端の代わりに交差ビード先端ノズルを用いた以外は実施例3と同様にして実施例5を作成した。ステム形成可能な材料を1.8kg/時で堆積し、クロスウェブを1秒当たり6ストリップの周波数で交差させた。基材を9.1m/分の速度で動かした。得られたステム表面領域は、幅約0.3cmのクロスウェブ方向ストリップであり、互いに約1.5〜2.0cm離れていた。ウェブは非常に延性があって通気可能であり、対象物をいずれかの方向に包むと自身に締め付けられた。
【0051】
実施例6
実施例6は、非弾性基材を有する構造体と、ステム形成可能な材料の不連続領域を作成する他のプロセスを示すものである。
【0052】
ステム形成可能な材料Morthane(登録商標)440を、グルーガン(ファスニングテクノロジー社(ノースカロライナ州、シャーロット)よりPAM600Spraymatic(登録商標)として入手可能)に通過させた。グルーガンの円形出口は直径約1.5mmであり、プロセス温度は約232℃であった。ガンの引き金を押したり引いたりするのを繰り返して、1秒当たり1.0パルスの周波数で溶融材料を不連続量でガンから放出した。材料の不連続量またはスポットを直接基材Bに堆積させた。ウェブを2つの40.6cm幅のシリコーンコートされたロールにより形成された垂直ニップ点へ4.6m/分の速度で約20cm送った。30.5cm幅のウェブにかかるニップ力は1.7kNであった。第1のロールは、直径約0.25mm、深さ約0.80mmを超え、間隔約0.635mmのキャビティを有する加工表面を有しており、ステム密度が約248ステム/cm(約1600ステム/in)のステム配列となった。キャビティは、機械方向にロール表面の正接から45度の角度であり、他の各列については交互の方向に傾斜していた。第2のロールは平滑表面を有していた。
【0053】
基材Bを、第2の側部が平滑ロールの表面と向き合うようにして、ニップの平滑ロールの周囲に供給した。ステム形成可能な材料は、加工表面と対向し、ニップに入るにつれて基材と接触した。得られたウェブを加工表面から剥して、ステム形成可能な材料の領域にロッド状のステム突出部を有するステム表面ウェブを得た。各ステムの直径は約0.25mm、高さ約0.6mmでウェブの表面から伸張していた。ステムは、ウェブ表面に垂直で、ダウンウェブ方向にウェブの断面に対して平行な面において垂直から+45度または−45度のいずれかの列であった。各領域はやや円形形状で、面積は1.0〜1.5cmで約240〜370個のステムを有していた。各領域は近接する領域から約4〜5cm離れていた。ステム表面ウェブは通気可能で可撓性があった。
【0054】
実施例7〜11
実施例7〜11は様々な非弾性基材を有する構造体である。
【0055】
基材を変更し、異なるダイ先端を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例7を作成した。基材は非弾性不織ウェブの基材Cであり、ダイ先端は実施例3で用いた小さなオリフィスダイ先端であった。得られたステム表面ウェブは、実施例3に記載されたものと同様のステム領域を有していた。ステム表面ウェブは通気可能で可撓性があり、ラップのいずれの方向においても自身に締め付けることができる。
【0056】
実施例8において、基材Dとした以外は実施例7と同様にして不連続ステム表面フィルムを作成した。ステム表面ウェブは通気可能で可撓性があり、ラップのいずれの方向においても自身に締め付けることができる。
【0057】
材料を変更し、加工表面を変化させた以外は実施例1と同様の方法で実施例9を作成した。基材はスパンボンドポリプロピレンの基材Eであり、ステム形成可能な材料はEscorene(登録商標)3505であった。加工表面は、直径約280マイクロメートル(11ミル)、深さ約2.5mm(100ミル)を超え、間隔約813マイクロメートル(32ミル)のキャビティを有しており、ステム密度が約140ステム/cm(約900ステム/in)のステム配列となった。キャビティはロール表面の正接に垂直であった。第2のロールは平滑表面を有していた。基材Eの層を、第2の側部が平滑ロールの表面と向き合うようにして、ニップの平滑ロールの周囲に供給した。ステム形成可能な材料の不連続領域は、加工表面と対向し、ニップに入るにつれて基材と接触した。得られたウェブを加工表面から剥して、ステム形成可能な材料の領域にロッド状のステム突出部を有するステム表面ウェブを得た。各ステムの直径は約0.3mm、高さ約0.7mmでウェブの表面から伸張していた。ステム表面を138℃(280°F)に加熱したロールに露出することにより、ステム表面ウェブのステムにキャップを形成した。ステム表面ウェブは通気可能で可撓性があり、自身に締め付けることができる。
【0058】
基材がマイクロポーラス膜の基材Fであり、ステムを後にキャップしなかった以外は、実施例9と同様の方法で実施例10を作成した。ステム表面ウェブは実施例9に比べて通気可能および可撓性が少なかった。
【0059】
基材が紙の基材Gであり、ステムを後にキャップしなかった以外は、実施例9と同様の方法で実施例11を作成した。ステム表面ウェブは実施例10に比べて通気可能および可撓性が少なかった。
【0060】
実施例12
実施例12は、不連続領域を作成する他の方法を示すものである。
【0061】
ステム形成可能な材料であるDowlex(登録商標)3445ポリプロピレンを、直径約32mm(1.25インチ)、L/Dが24/1、軸速度が15rpm、約215℃まで上がる温度プロフィールを有する単軸押出し機に供給した。熱可塑性Dowlex3445材料を押出し機に通し、少なくとも0.7MPa(100psi)の圧力で加熱ネックチューブを通じて、25.4cm(14in)幅のフィルムダイ(Cloeren社より入手可能なCLOEREN(登録商標)EBR III96−151)に据え付けられた3層調整可能な羽根供給ブロック(Cloeren社(テキサス州、オレンジ)より入手可能なCLOEREN(登録商標)型番86−120−398、2層についてセットアップされたもの)の1つのポートに連続的に放出した。弾性材料であるVector(登録商標)4111を、直径約64mm(2.5in)、L/Dが24/1、軸速度が5rpm、約215℃まで上がる温度プロフィールを有する第2の単軸押出し機に供給した。弾性材料を、少なくとも約1.4MPa(200psi)の圧力で、加熱ネックチューブを通じて、3層供給ブロックの第2のポートに連続的に放出した。供給ブロックおよびダイを約215℃に設定した。ダイ間隙は約0.5mm(20ミル)に設定した。2層の溶融構造体を、ダイから放出し、約1.5m/分(5fpm)で、約0.2KPa(30psi)のニップ圧力を有する2つのロールにより形成されたニップへと滴下供給した。第1のロールは、55℃まで加熱され、直径約280マイクロメートル(11ミル)、深さ約2.5mm(100ミル)を超え、間隔約813マイクロメートル(32ミル)のキャビティを有する加工表面を有しており、ステム密度が約140ステム/cm(約900ステム/in)のステム配列となった。7×7mmの正方形ダイアモンドの開口部を有するテフロン(登録商標)網掛け構造のマスクを、スクリーンパターンの穴のいくつかを覆うように加工表面にかぶせた。第2のロールは、同じく55℃まで加熱されたクロムメッキ表面を有していた。構造体の熱可塑性材料は加工表面と対向しており、弾性層はクロム表面と対向していた。得られた鋳造フィルムを加工表面から剥して、ロッド状のステム突出部を有するダイアモンド形状の領域を備えたステム表面ウェブを得た。各ステムの直径は約300マイクロメートル、高さ約700マイクロメートルでフィルムの表面から伸張していた。各領域は凹みにより分離されていた。
【0062】
このようにして作成されたステム表面フィルムを伸張すると、凹みのあるステム形成可能な材料が破ける(破断される)と、ダイアモンド形状の領域が互いに分離された。得られたフィルムは弾性体となった。
【0063】
実施例13
実施例13は、不連続領域を作成する他の方法を示すものである。
【0064】
ステム形成可能な材料であるDowlex(登録商標)3445を、曲がりリップと、直径6.3mm(0.25in)の開口部を有するダイを備えた単軸押出し機に供給した。そこから溶融材料が放出された。材料を飛行切断デバイスに入れた。このデバイスは、直径12.5cm(0.5”in)の金属ロッドを有しており、2つの軸のある一方の端部のシャフトに沿ってステンレス鋼刃がついていた。刃は、ロッド表面に垂直に、そしてロッドの長軸に並行にロッドから外側へと延びていた。シャフトは、1分間に約700回転のモーターによりその長軸に沿って回転した。刃が回転するにつれて、ダイのリップに偏向し、溶融材料片をこすりとった。刃がダイを払うと、刃が弾かれて、実施例1に記載したニップ構成を通過する基材Gに溶融材料が放出された。ウェブは、直径約3mmのスポットの溶融材料を、加工表面の隣にあるポリプロピレン材料のスポットと共にニップに運んだ。ニップ圧力により、溶融材料が加工表面の孔へと押し込まれ、そこで固化された。同時に、ポリマー溶融物がウェブの繊維状表面で交絡して効果的な接合を形成した。
【0065】
得られたステム表面フィルムは通気可能で可撓性があった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブの少なくとも第1の主側部に複数の不連続領域と、
各不連続領域から伸張している複数のステムとを含み、
前記複数のステムが溶融され、前記ウェブの少なくとも前記第1の主側部を形成している、少なくとも2つの主側部を有する材料のウェブ。
【請求項2】
前記複数のステムが、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート変性エチレン酢酸ビニルポリマーおよびエチレンアクリル酸コポリマーからなる群より選択される熱可塑性材料から構成されている請求項1記載のウェブ。
【請求項3】
前記不連続領域が、前記ウェブの前記第1の主側部の5〜25パーセントを覆っている請求項1記載のウェブ。
【請求項4】
前記ウェブの少なくとも一部が、前記複数のステムと係合するように構成および配置されている請求項1記載のウェブ。
【請求項5】
前記ウェブが弾性のある材料を含む請求項1記載のウェブ。
【請求項6】
前記弾性のある材料が、天然および合成ゴム、イソプレン、ブタジエンまたはエチレン(ブチレン)ブロックを含有するスチレンブロックコポリマー、メタロセン−触媒ポリオレフィン、ポリウレタンおよびポリジオルガノシロキサンからなる群より選択される請求項5記載のウェブ。
【請求項7】
前記ウェブが局部平面を画定し、前記複数のステムが複数の角度において前記局部平面に配向されている請求項1記載のウェブ。
【請求項8】
1つ以上の前記ステムを成形して、方向性フッキング能が与えられた請求項1記載のウェブ。
【請求項9】
(a)ウェブを提供する工程と、
(b)不連続量のポリマー材料をその軟化点より高い温度で提供する工程と、
(c)前記不連続量のポリマー材料を前記ウェブに溶融する工程と、
(d)前記不連続量のポリマー材料のそれぞれに複数のステムを形成する工程と
を含む、ウェブの不連続領域から伸張する複数のステムを有するウェブ材料の製造方法。
【請求項10】
前記不連続量のポリマー材料の前記ウェブへの溶融は、前記不連続量のポリマー材料のそれぞれに複数のステムを形成するのと同時に行われる請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記不連続量ポリマー材料が、断続的な量および連続リボンから選ばれる形態で溶融ポリマーを押し出すことにより提供される請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記不連続量のポリマー材料が、ポリマー材料の供給源と前記ウェブの中間に配置された1つ以上の回転切刃により提供され、前記切刃が前記ポリマー材料を不連続量に切断する請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記ステムを加熱表面で変形して、前記ステムに拡大端部を作成する工程をさらに含む請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記ステムに加熱表面を再配向する工程をさらに含む請求項9記載の方法。
【請求項15】
(a)ポリマーを含むポリマーウェブをその軟化点より高い温度で提供する工程と、
(b)不連続領域に構成された複数のステム形成孔を備えた表面を有するツールを提供する工程と、
(c)前記ウェブを圧力をかけて前記ツール表面に押し付けて、前記ウェブの表面にステムの領域を形成する工程と
を含む、ウェブの少なくとも片側から伸張する複数のステムを有するウェブ材料の製造方法。
【請求項16】
前記ステム形成孔の不連続領域が、工程(b)の前記ツールにおいて前記ステム形成孔の部分をマスクすることにより形成される請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−183231(P2011−183231A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147438(P2011−147438)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【分割の表示】特願2000−600828(P2000−600828)の分割
【原出願日】平成12年1月20日(2000.1.20)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】