説明

不飽和オルガノ珪素化合物の製造法

一般式(R1O)3−n2nSi−X−OC(O)C(R3)=CR32 (I)〔式中、R1は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、1〜10個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わし、R2は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、SiC結合された、1〜10個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基、またはシル(オキサン)イル基を表わし、Xは、酸素原子で中断されていてよい、1〜40個の炭素原子を有する置換されていてよい2価の炭化水素基を表わし、R3は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、1〜40個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わし、nは0、1、2または3である〕で示される不飽和のカルボニルオキシ有機基含有オルガノシランの製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不飽和のカルボキシオキシ有機含有オルガノ珪素化合物を第3ホスフィンの存在下で製造する方法に関する。
【0002】
不飽和の有機カルボニルオキシ官能基を有する珪素化合物、例えば3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランは、無機材料と有機材料との間の付着助剤として、即ち例えばガラス繊維のためのサイズ剤中の付着助剤としてまたは有機ポリマー中の交叉架橋剤として広く普及している。
【0003】
この種の化合物を製造するための種々の方法は、公知である。即ち、なかんずくドイツ連邦共和国特許第2851456号明細書C2には、不飽和有機分子、例えばアリルメタクリレートを有するSiH結合含有クロロシランを金属加水分解下にヒドロシリル化して相応する不飽和の有機官能化クロロシランに変えることが記載されている。前記方法の欠点は、相応するアルコキシ官能化されたシランを得るために必要とされる次のアルコール分解工程が不飽和の有機官能性の高い重合傾向のために大抵の場合に連続的には実施され得ないという事実にある。
【0004】
また、前記方法と共に、例えばドイツ連邦共和国特許第3832621号明細書C1の記載から、金属触媒反応下でのSiH結合含有アルコキシシランと不飽和の有機分子との直接の反応は、公知である。しかし、この方法は、実施のために必要とされる、部分的に高毒性の分解傾向のあるアルコキシシランは、特に安全性の危険をはらんでいるという大きな欠点を有する。
【0005】
これに対して、特に、欧州特許出願公開第242627号明細書A2および欧州特許出願公告第437653号明細書B1に記載の方法の場合、記載された化合物は、不飽和有機酸の金属塩またはアンモニウム塩とハロゲンオルガノ官能化シランとの求核置換反応によって得られる。この場合、不飽和有機酸の塩は、種々の方法で取得される。欧州特許出願公開第242627号明細書A2に記載の方法によれば、不飽和有機酸と第3アミンとの反応によって、アンモニウム塩が取得され、このアンモニウム塩は、直ちに同じ反応容器中でハロゲン有機珪素化合物と反応されることができる。しかし、この場合には、不飽和有機酸のアンモニウム塩の僅かな反応性は、欠点として作用し、このことは、極めて長い反応時間、ひいては生成物が重合するという大きな危険をまねく。欧州特許出願公告第437653号明細書B1には、2つの他の選択可能な方法が記載されている。1つの方法の場合、不飽和有機酸の単離されたナトリウム塩またはカリウム塩が使用される。これは、前記塩が最初に固有の工程で合成され、費用を掛けて乾燥されなければならないと欠点を有する。それと共に、不飽和有機酸の金属塩は、不飽和有機酸との反応による相応するアルコール中の相応する金属アルコラートの反応によって得ることもできる。更に、ハロゲンオルガノ官能化珪素化合物の添加およびアルコールの蒸留による除去の後、反応は、同じ反応容器中で行なうことができる。この方法は、使用される金属アルコラートが一般に腐食性であり、高反応性であり、極めて費用がかかり、付加的に大量のそれぞれ部分的に毒性のアルコールを溶剤として必要とするという欠点をはらんでおり、このことは、この方法の魅力を明らかに低下させる。欧州特許出願公開第1249454号明細書A1には、不飽和のカルボニルオキシ有機基含有オルガノ珪素化合物を相間移動触媒としてのホスホニウム塩の存在下で製造する方法が記載されている。この方法の欠点は、使用される触媒が極めて高価であり、多くの場合に固体であることであり、このことは、触媒の計量供給を著しく困難にする。
【0006】
安価な方法による試験の場合には、意外なことに、第3ホスフィンは反応条件下で極めて効率的な相間移動触媒であることが証明されることが見出された。この化合物は、対応するホスホニウム塩よりも明らかに安価であり、その上、多くの場合に液状であり、このことは、この方法の反応を工業的規模で著しく簡易化する。
【0007】
本発明の対象は、一般式IV
43P (IV)
〔式中、R4は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子および/または窒素原子で中断されていてよい、1〜20個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わす〕で示される少なくとも1つの第3ホスフィンの存在下での式
(R1O)−HR2Si−X−Y (II)
〔式中、R1、R2、Xおよびnは、上記の意味を有し、Yは、ハロゲン原子を表わす〕で示されるハロゲンオルガノ官能性珪素化合物と式
+-OC(O)C(R3)=CR32o (III)
〔式中、
3は、上記の意味を有し、Mは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表わし、oは、M1または2の原子価に相当していてよい〕で示される不飽和有機カルボン酸の塩との反応による、一般式
(R1O)3−n2nSi−X−OC(O)C(R3)=CR32 (I)
〔式中、
1は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、1〜10個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
2は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、SiC結合された、1〜10個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基、またはシル(オキサン)イル基を表わし、Xは、酸素原子で中断されていてよい、1〜40個の炭素原子を有する置換されていてよい2価の炭化水素基を表わし、
3は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、1〜40個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
nは、0、1、2または3である〕で示される不飽和のカルボニルオキシ有機基含有オルガノシランの製造法である。
【0008】
基R1の例は、1〜10個の炭素原子を有する、基R3に記載の基である。
【0009】
好ましくは、R1は、酸素原子で中断されていてよい、1〜10個の炭素原子を有する、窒素、硫黄または燐で置換されていてよい炭化水素基、特に有利にメチル基、エチル基、2−メトキシエチル基、フェニル基またはイソプロピル基、殊にエチル基またはメチル基である。
【0010】
基R2の例は、1〜10個の炭素原子を有する、基R3に対して記載された基ならびに式(V)R3Si−(OSiR2p−〔式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、R1に対して記載された意味を有し、pは、0または1〜100の整数を意味し、但し、基Rは、直接に、即ちSiC結合していてよく、ならびに酸素を介して珪素原子に結合していてよいものとする〕で示されるシル(オキサン)イル基を表わす。
【0011】
好ましくは、基R2は、酸素原子で中断されていてよい、1〜10個の炭素原子を有する、窒素、硫黄または燐で置換されていてよい炭化水素基、ならびに式(V)のシル(オキサン)イル基、特に有利にフェニル−、エチル−、メチル−またはペンタメトキシジシロキシ基、殊にメチル基またはエチル基である。
【0012】
基Xの例は、アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、第三ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、第三ペンチレン基、ヘキシレン基、例えばn−ヘキシレン基;ヘプチレン基、例えばn−ヘプチレン基;オクチレン基、例えばn−オクチレン基およびイソオクチレン基、例えば2,2,4−トリメチルペンチレン基;ノニレン基、例えばn−ノニレン基;デシレン基、例えばn−デシレン基;ドデシレン基、例えばn−ドデシレン基;オクタデシレン基、例えばn−オクタデシレン基;アルケニレン基、例えばビニレン基およびn−プロペニレン基;アリーレン基、例えばフェニレン基、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、1−フェニルプロピレン基および2−フェニルプロピレン基、ならびに式(VI)−(CH2q(OZ)m−〔式中、mは、1〜100の整数であり、qは、1〜6の整数であり、Zは、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基またはイソブチレン基を意味する〕で示される(ポリ)アルキレンオキシ基である。
【0013】
好ましくは、Xは、酸素原子で中断されていてよい、1〜10個の炭素原子を有する窒素、硫黄または燐で置換されていてよい2価の炭化水素基、特に有利にn−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、メチレン基、エチレン基またはフェニレン基、殊にメチレン基またはn−プロピレン基である。
【0014】
置換されていてよい炭化水素基R3の例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−n−ブチル基、2−n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基;ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基;ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基;オクチル基、例えばn−オクチル基およびイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基;ノニル基、例えばn−ノニル基;デシル基、例えばn−デシル基;ドデシル基、例えばn−ドデシル基;オクタデシル基、例えばn−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびメチルシクロヘキシル基;アルケニル基、たとえばビニル基、1−プロペニル基および2−プロペニル基;アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基およびエチルフェニル基、およびアラルキル基、例えばベンジル基、α−フェニルエチルおよびβ−フェニルエチル基、ならびにジアルキルアミノアルキル基、例えばジメチルアミノメチル基、2−ジメチルアミノエチル基および2−ジメチルアミノプロピル基である。
【0015】
好ましくは、R3は、水素原子であるかまたは酸素原子で中断されていてよい、1〜10個の炭素原子を有する、窒素、硫黄または燐で置換されていてよい炭化水素基、特に有利に水素原子、メチル基またはエチル基、殊に水素原子またはメチル基である。
【0016】
好ましくは、nは0または1を意味する。
【0017】
好ましくは、Yは、沃素原子、臭素原子または塩素原子、特に有利に塩素原子を意味する。
【0018】
Mの例は、アルカリ金属原子、例えばLi、Na、KおよびRb、ならびにアルカリ土類金属原子、例えばMg、Ca、SrおよびBaである。
【0019】
好ましくは、Mは、ナトリウムまたはカリウム、殊にカリウムである。
【0020】
Mがアルカリ金属原子である場合には、式(III)中のoは1を意味し、Mがアルカリ土類金属原子である場合には、oは2を意味する。
【0021】
本発明による方法により製造しうる、一般式(I)のカルボニルオキシ有機基含有の不飽和オルガノシランの例は、アクリルオキシメチルトリメトキシシラン、アクリルオキシメチルトリエトキシシラン、アクリルオキシメチルトリフェノキシシラン、アクリルオキシメチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アクリルオキシメチルトリイソプロポキシシラン、アクリルオキシメチル(ジメトキシ)メチルシラン、アクリルオキシメチル(ジエトキシ)メトキシシラン、アクリルオキシメチル(ジフェノキシ)メチルシラン、アクリルオキシメチル(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、アクリルオキシメチル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、アクリルオキシメチル(ジメチル)メトキシシラン、アクリルオキシメチル(ジメチル)エトキシシラン、アクリルオキシメチル(ジメチル)フェノキシシラン、アクリルオキシメチル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シラン、アクリルオキシメチル(ジメチル)イソプロポキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリフェノキシシラン、メタクリルオキシメチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メタクリルオキシメチルトリイソプロポキシシラン、メタクリルオキシメチル(ジメトキシ)メチルシラン、メタクリルオキシメチル(ジエトキシ)メチルシラン、メタクリルオキシメチル(ジフェノキシ)メチルシラン、メタクリルオキシメチル−ビス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、メタクリルオキシメチル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、メタクリルオキシメチル(ジメチル)メトキシシラン、メタクリルオキシメチル(ジメチル)エトキシシラン、メタクリルオキシメチル(ジメチル)フェノキシシラン、メタクリルオキシメチル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シラン、メタクリルオキシメチル(ジメチル)イソプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリフェノキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジフェノキシ)メチルシラン、3−アクリルオキシプロピルビス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジメチル)メトキシシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジメチル)エトキシシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジメチル)フェノキシシラン、3−アクリルオキシプロピル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シラン、3−アクリルオキシプロピル(ジメチル)イソプロポキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリフェノキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジフェノキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシプロピルビス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジメチル)メトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジメチル)エトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジメチル)フェノキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シランおよび3−メタクリルオキシプロピル(ジメチル)イソプロポキシシランである。
【0022】
本発明による方法で使用される式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物の例は、クロロメチルトリメトキシシラン、ブロモメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ブロモメチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリフェノキシシラン、ブロモメチルトリフェノキシシラン、クロロメチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ブロモメチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、クロロメチルトリイソプロポキシシラン、ブロモメチルトリイソプロポキシシラン、クロロメチル(ジメトキシ)メチルシラン、ブロモメチル(ジメトキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジエトキシ)メチルシラン、ブロモメチル(ジエトキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジフェノキシ)メチルシラン、ブロモメチル(ジフェノキシ)メチルシラン、クロロメチルビス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、ブロモメチルビス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、ブロモメチル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジメチル)メトキシシラン、ブロモメチル(ジメチル)メトキシシラン、クロロメチル(ジメチル)エトキシシラン、ブロモメチル(ジメチル)エトキシシラン、クロロメチル(ジメチル)フェノキシシラン、ブロモメチル(ジメチル)フェノキシシラン、クロロメチル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シラン、ブロモメチル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シラン、クロロメチル(ジメチル)イソプロポキシシラン、ブロモメチル(ジメチル)イソプロポキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリフェノキシシラン、3−ブロモプロピルトリフェノキシシラン、3−クロロプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−ブロモプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ブロモプロピルトリイソプロポキシシラン、3−クロロプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−ブロモプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−クロロプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ブロモプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−クロロプロピル(ジフェノキシ)メチルシラン、3−ブロモプロピル(ジフェノキシ)メチルシラン、3−クロロプロピルビス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、3−ブロモプロピルビス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、3−クロロプロピル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、3−ブロモプロピル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、3−クロロプロピル(ジメチル)メトキシシラン、3−ブロモプロピル(ジメチル)メトキシシラン、3−クロロプロピル(ジメチル)エトキシシラン、3−ブロモプロピル(ジメチル)エトキシシラン、3−クロロプロピル(ジメチル)フェノキシシラン、3−ブロモプロピル(ジメチル)フェノキシシラン、3−クロロプロピル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シラン、3−ブロモプロピル(ジメチル)(2−メトキシエトキシ)シラン、3−クロロプロピル(ジメチル)イソプロポキシシラン、3−ブロモプロピル(ジメチル)イソプロポキシシランである。
【0023】
有利に、本発明により使用される式(II)の珪素化合物は、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチル(ジメトキシ)メトキシシラン、クロロメチル(ジエトキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジメチル)メトキシシラン、クロロメチル(ジメチル)エトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−クロロプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−クロロプロピル(ジメチル)メトキシシランおよび3−クロロプロピル(ジメチル)エトキシシランであり、この場合クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチル(ジメトキシ)メチルシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランおよび3−クロロプロピル(ジメトキシ)メチルシランは、特に有利である。
【0024】
本発明による方法で使用される式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物は、市販の製品であるかまたは化学的に常用の方法により製造可能である。
【0025】
本発明による方法で使用される、式(III)の不飽和有機カルボン酸の塩の例は、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、E−ブト−2−エン酸カリウム塩、Z−ブト−2−エン酸カリウム塩、E−ブト−2−エン酸ナトリウム塩、Z−ブト−2−エン酸ナトリウム塩、E−2−メチルブト−2−エン酸カリウム塩、Z−2−メチル−ブト−2−エン酸カリウム塩、E−2−メチル−ブト−2−エン酸ナトリウム塩およびZ−2−メチル−ブト−2−エン酸ナトリウム塩である。
【0026】
本発明による方法で使用される式(III)の塩は、市販の製品であるかまたは化学的に常用の方法により製造可能である。
【0027】
置換されていてよい炭化水素基R4の例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−n−ブチル基、2−n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基;ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基;ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基;オクチル基、例えばn−オクチル基およびイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基;ノニル基、例えばn−ノニル基;デシル基、例えばn−デシル基;ドデシル基、例えばn−ドデシル基;オクタデシル基、例えばn−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびメチルシクロヘキシル基;アルケニル基、たとえばビニル基、1−プロペニル基および2−プロペニル基;(置換されていてよい)アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−、m−、p−トリル基、キシリル基およびエチルフェニル基;およびアラルキル基、例えばベンジル基、α−フェニルエチルおよびβ−フェニルエチル基である。
【0028】
有利には、少なくとも1つの第3ホスフィンが使用されるが、しかし、種々の第3ホスフィンの任意の混合物が使用されてもよい。本発明による方法で使用される一般式(IV)の第3ホスフィンの殊に好ましい例は、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンまたはトリフェニルホスフィンである。
【0029】
本発明による方法で使用される式(IV)の第3ホスフィンは、市販の製品であるかまたは化学的に常用の方法により製造可能である。
【0030】
式(III)の不飽和有機酸の塩と式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物との本発明による反応は、有利に60〜150℃、特に有利に70〜120℃の温度で実施される。
【0031】
本発明による方法は、有利に100〜1000hPa、特に有利に200〜300hPaの圧力で実施される。
【0032】
本発明による方法の場合、式(III)の塩と式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物とのモル比は、有利に0.5〜1.5、特に有利に0.9〜1.1、殊に1〜1.05の間にある。
【0033】
本発明による方法は、空気中または不活性ガス雰囲気下、但し、この場合不活性ガスとは、反応混合物中に含有されている成分が所定の反応条件下で非反応性であることを意味するものとし、例えば窒素またはアルゴン、またはこれらの混合物の下で実施されてよい。好ましくは、本方法は、不活性ガス雰囲気下、特に有利に窒素雰囲気下で実施される。必要な場合には、本発明による反応は、酸素0.1〜2%を含有する窒素雰囲気下で実施されてよい。
【0034】
本発明による方法は、有利に水痕跡の十分な排除下で実施され、このことは、反応容器中に存在する成分からの水痕跡の除去のための常法によって、例えば有機溶剤の乾燥または不活性ガス雰囲気等によって達成されうる。
【0035】
本発明による方法の場合、第3ホスフィンは、それぞれ使用される式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物に対して有利に0.1〜20モル%、特に有利に0.5〜10モル%、殊に1〜5モル%の量で使用される。
【0036】
式(II)のハロゲンオルガノ官能性化合物と式(III)の塩との本発明による反応は、有機溶剤の存在下または不在下で実施されてよく、この場合有機溶剤の使用、殊に極性の非プロトン性溶剤の使用は、好ましい。
【0037】
本発明による方法で有機溶剤を使用する場合には、それぞれ使用される式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物の量に対して有利に5〜300質量%、特に有利に10〜100質量%、殊に20〜50質量%の量は、重要である。
【0038】
本発明による方法で使用されてよい、極性の非プロトン性の有機溶剤の例は、本発明による反応を支持するもの、例えばアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールジエチルエーテルであり、この場合には、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンが好ましく、ならびにN,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
【0039】
必要な場合には、本発明による方法は、抑制剤、即ち不飽和有機官能基による目的化合物の望ましくない重合を阻止する化合物の存在下で実施されてよい。本発明による方法の場合、抑制剤は、有利に使用される。
【0040】
本発明による方法で使用されてよい抑制剤の例は、芳香族アミン、キノン、ヒドロキノン、立体障害フェノールまたは安定なラジカル、例えばN,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−第三ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)メチルフェノールおよび2,2,6,6,−テトラメチルピペリジル−N−オキシドであり、この場合前記化合物は、個別的に使用されてもよいし、混合物として使用されてもよい。
【0041】
本発明による方法で抑制剤を使用する場合には、それぞれ使用される式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物の量に対して有利に0.01〜1質量%、特に有利に0.05〜0.4質量%の量が重要である。
【0042】
本発明による方法の場合には、式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物、式(III)の不飽和有機カルボン酸の塩、式(IV)の第3ホスフィン、場合によっては極性の非プロトン性の有機溶剤および場合によっては抑制剤の他に、なお求核性置換反応にとって常用の他の添加剤、例えばアルカリ金属沃化物が使用されてよい。
【0043】
更に、特に他の物質は、使用されない。
【0044】
本発明による方法に使用される成分は、それぞれ、前記成分の1種類でもよいし、それぞれの成分の少なくとも2種の種類の混合物でもよい。
【0045】
本発明による方法の場合、使用される成分は、任意の順序で互いに混合されてよい。
【0046】
本発明による反応の終結後に、得られたカルボニルオキシ有機基含有の不飽和オルガノ珪素化合物は、自体公知の方法により、例えば生成される金属ハロゲン化物の濾過または遠心分離、蒸留、精留、薄膜蒸留等によって単離されるかまたは精製される。
【0047】
得られたカルボニルオキシ有機基含有の不飽和のオルガノ珪素化合物は、これまでにこの種の化合物が使用された全ての目的に使用されてよい。
【0048】
本発明による方法の1つの好ましい実施態様によれば、式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物は、式(III)の不飽和有機カルボン酸の塩と、式(IV)の第3ホスフィン、極性の非プロトン性有機溶剤および抑制剤の存在下で反応される。
【0049】
本発明による方法は、バッチ法で実施されてよいし、連続的に実施されてもよい。
【0050】
本発明による方法は、簡単に実施され、公知技術水準に対して効率的で安価な方法でカルボニルオキシ有機基含有の不飽和オルガノ珪素化合物を製造することができるという利点を有する。
【0051】
本発明による方法は、殊に第3ホスフィンを使用することによって反応中に分解生成物が形成されないという利点を有し、このことは、高純度の生成物の獲得を明らかに簡易化する。
【0052】
更に、本発明による方法は、第3ホスフィンを極性の非プロトン性溶剤の使用と組み合わせて使用することにより、式(I)の目的生成物は、極めて短時間で極めて温和な条件下で得ることができる。
【0053】
更に、本発明による方法は、全ての使用される溶剤を再使用することができ、それによって資源および環境の特に注意深い回避が可能になる。
【0054】
以下に記載される実施例では、部およびパーセンテージで示される全ての記載は、別記しない限り、質量に対するものである。他に記載がない限り、以下の実施例は、周囲大気の圧力、即ち約1000hPaで、かつ室温、即ち約20℃で、もしくは反応物を室温で付加的な加熱または冷却なしに共に供給する際に生じる温度で実施される。例に挙げられた全ての粘度の記載は、25℃の温度を基準とするものである。例中に記載された全ての反応は、窒素からなる不活性ガス雰囲気中で実施される。
【0055】
例1
クロロメチルトリメトキシシラン170.7g(1モル)、トリ−n−ブチルホスフィン6.1g(0.03モル)およびフェノチアジン0.1g(シランに対して0.05モル%)を90℃で装入し、カリウムメタクリレート130.4g(1.05モル)を少量ずつ1時間以内で添加する。更に、90℃で2時間の攪拌の後、反応は、完結する。生じた塩化カリウムの濾過後、生成物を短路蒸発器(Kurzwegverdampfer)により蒸留し、この場合には、98.5%の純度を有するメタクリルオキシメチルトリメトキシシラン207.1g(94%)が得られる。
【0056】
例2
例1と同様に、クロロメチルトリエトキシシラン212.7g(1モル)をトリ−n−ブチルホスフィン6.1g(0.03モル)およびフェノチアジン0.1gの存在下にカリウムメタクリレート130.4g(1.05モル)と反応される。反応は、カリウムメタクリレートの計量供給の終結から4時間後に完結する。後処理後、純度99.0%のメタクリルオキシメチルトリエトキシシラン250.0g(95%)が得られる。
【0057】
例3
例1と同様に、3−クロロプロピルトリエトキシシラン198.7g(1モル)をトリ−n−ブチルホスフィン6.1g(0.03モル)およびフェノチアジン0.1gの存在下にカリウムメタクリレート130.4g(1.05モル)と90℃で反応させる。反応は、カリウムメタクリレートの計量供給の終結から10時間後に完結する。後処理後、純度98.3%の3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン221.0g(89%)が得られる。
【0058】
例4
クロロメチルトリメトキシシラン170.7g(1モル)、トリ−n−ブチルホスフィン11.1g(0.03モル)およびフェノチアジン0.1g(シランに対して0.05モル%)を90℃で装入し、カリウムメタクリレート130.4g(1.05モル)を少量ずつ1時間以内で添加する。更に、90℃で1時間の攪拌の後、反応は、完結する。生じた塩化カリウムの濾過後、生成物を短路蒸発器(Kurzwegverdampfer)により蒸留し、この場合には、98.8%の純度を有するメタクリルオキシメチルトリメトキシシラン209.3g(95%)が得られる。
【0059】
例5
例4と同様に、クロロメチルトリエトキシシラン212.7g(1モル)をトリ−n−ブチルホスフィン11.1g(0.03モル)およびフェノチアジン0.1gの存在下にカリウムメタクリレート130.4g(1.05モル)と90℃で反応させる。反応は、カリウムメタクリレートの計量供給の終結から3時間後に完結する。後処理後、純度99.2%のメタクリルオキシメチルトリエトキシシラン244.7g(93%)が得られる。
【0060】
例6
例1と同様に、3−クロロプロピルトリメトキシシラン198.7g(1モル)をトリ−n−ブチルホスフィン6.1g(0.03モル)およびフェノチアジン0.1gの存在下にカリウムメタクリレート130.4g(1.05モル)と90℃で反応させる。反応は、カリウムメタクリレートの計量供給の終結から9時間後に完結する。後処理後、純度98.3%の3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン226.0g(91%)が得られる。
【0061】
例7
クロロメチルトリメトキシシラン170.7g(1モル)、トリフェニルホスフィン7.9g(0.03モル)およびフェノチアジン0.1g(シランに対して0.05モル%)を90℃で装入し、カリウムメタクリレート130.4g(1.05モル)を少量ずつ1時間以内で添加する。更に、90℃で6時間の攪拌の後、反応は、完結する。生じた塩化カリウムの濾過後、生成物を短路蒸発器(Kurzwegverdampfer)により蒸留し、この場合には、98.4%の純度を有するメタクリルオキシメチルトリメトキシシラン193.9g(95%)が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式IV
43P (IV)
〔式中、R4は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子および/または窒素原子で中断されていてよい、1〜20個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わす〕で示される少なくとも1つの第3ホスフィンの存在下での式
(R1O)−HR2Si−X−Y (II)
〔式中、R1、R2、Xおよびnは、上記の意味を有し、Yは、ハロゲン原子を表わす〕で示されるハロゲンオルガノ官能性珪素化合物と式
+-OC(O)C(R3)=CR32o (III)
〔式中、R3は、上記の意味を有し、Mは、アルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を表わし、oは、M1または2の原子価に相当していてよい〕で示される不飽和有機カルボン酸の塩との反応による、一般式
(R1O)3−n2nSi−X−OC(O)C(R3)=CR32 (I)
〔式中、
1は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、1〜10個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
2は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子で中断されていてよい、SiC結合された、1〜10個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基、またはシル(オキサン)イル基を表わし、Xは、酸素原子で中断されていてよい、1〜40個の炭素原子を有する置換されていてよい2価の炭化水素基を表わし、
3は、同一でも異なっていてもよく、酸素原子を表すかまたは酸素原子で中断されていてよい、1〜40個の炭素原子を有する置換されていてよい1価の炭化水素基を表わし、
nは0、1、2または3である〕で示される不飽和のカルボニルオキシ有機基含有オルガノシランの製造法。
【請求項2】
第3ホスフィンは、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンまたはトリフェニルホスフィンであることができる、請求項1記載の不飽和のカルボニルオキシ有機基含有オルガノシランの製造法。
【請求項3】
式(III)の塩と式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物とのモル比は、0.5〜1.5である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
方法を不活性ガス雰囲気下で実施する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第3ホスフィンを使用される式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物の量に対して0.5〜10質量%の量で使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
式(III)の塩として、式(VII)M(OH)k〔式中、Mは、請求項1にそのために記載された意味を有し、kは、M1または2の原子価に依存する〕で示される金属水酸化物の水溶液(i)を式
HOC(O)C(R3)=CR32 (IV)
〔式中、R3は、請求項1に記載の意味を有する〕で示される不飽和有機カルボン酸(ii)と、水と共沸混合物を形成しかつ液状の形で水で2相系を形成する有機溶剤(iii)の存在下で反応させ、引続きa)共沸蒸留によって水を除去し、ならびにさらに引続きb)使用された有機溶剤の10〜100質量%を蒸留により分離することによって得られる塩を使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
有機溶剤の存在下で実施する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物を式(III)の不飽和の有機カルボン酸の塩と、少なくとも1つの第3ホスフィン、極性の非プロトン性有機溶剤および抑制剤の存在下で反応させる、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
式(II)のハロゲンオルガノ官能性珪素化合物を式(III)の不飽和の有機カルボン酸の塩と、少なくとも1つの第3ホスフィン、極性の非プロトン性有機溶剤および抑制剤の存在下で反応させ、この場合式(III)の塩は、式(VII)の金属水酸化物の水溶液(i)を式(IV)の不飽和有機カルボン酸(ii)と、水と共沸混合物を形成しかつ液状の形で水と2相系を形成する有機溶剤(iii)の存在下で反応させることによって形成し、引続きa)共沸蒸留によって水を除去し、ならびにさらに引続きb)使用された有機溶剤の10〜100質量%を蒸留により分離することによって得られる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2009−517437(P2009−517437A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542721(P2008−542721)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068743
【国際公開番号】WO2007/063011
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】