説明

不飽和ポリエステル樹脂

【課題】
本発明の目的は、繊維強化品のバインダー樹脂として強度、衝撃強度等の機械的性能、耐水性等の耐久性に優れ、焼却処理しても地球温暖化に影響を及ぼさないバイオマス資源より誘導される原料を用いた不飽和ポリエステルを提供することである。
【解決手段】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂は、酸成分が、芳香族ジカルボン酸、モノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸、アルコール成分が、3価以上の多価アルコール及び2価アルコールから構成され、前記酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.15〜0.65であり、前記アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールの占めるモル比が0.1〜0.75である不飽和ポリエステル100重量部を重合性単量体20〜120重量部に溶解してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル樹脂に関し、特に、不飽和ポリエステル樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
不飽和ポリエステル樹脂は、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維等により強化された繊維強化成形品のバインダー樹脂として運輸、電気、建築、土木、住宅設備等、広範な用途に使用されている。しかしながら、熱硬化性樹脂であるが故にリサイクルが難しく、使用後の成形品あるいは成形時に発生する端材の処理が問題となってきた。最近、廃棄成形品をモノマーまで分解して再生利用する技術が開発されたが、まだ普及はしていない。いまだに埋め立て処理または焼却処理が一般的である。そのため、微生物による分解あるいは焼却時に発生する二酸化炭素が温室効果ガスとして地球温暖化を促進するという問題点がある。
【0003】
近年、再生可能なバイオマス資源より得られる原料を用いたプラスチックの開発が盛んになってきている。これらバイオマス資源より生産されるプラスチックの意義の一つは、これらのプラスチックを埋め立て処理時あるいは焼却処理時に発生する二酸化炭素をまた植物が吸収してバイオマスを再生産することにより、実質的に環境中の二酸化炭素量に影響を及ぼさない、いわゆるカーボンニュートラルの実現にある。
【0004】
従来、不飽和ポリエステル樹脂において、バイオマス資源より誘導される原料として油脂より誘導される脂肪族ジカルボン酸類、脂肪族モノカルボン酸類が使用される例はあるが用途に応じた性能付与が主たる目的であり、積極的に環境負荷低減のためにバイオマス資源より誘導される原料を使用する提案は見当たらない。非特許文献1にはロジン−無水マレイン酸付加物を飽和酸として用いた不飽和ポリエステルは耐アルカリ性、耐酸性等に優れるとの記述があるが、本発明の不飽和ポリエステルとはその構造が異なる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】滝山栄一郎著 プラスチック材料講座10 ポリエステル樹脂、25頁日刊工業新聞社(昭和45年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の述べたように、石油由来の原料を用いた不飽和ポリエステル樹脂に比べて同等以上の性能を有し、環境へ及ぼす負荷の小さい不飽和ポリエステル樹脂の開発が望まれているが、かかる技術はこれまでのところ知られていない。
【0007】
このような現状に鑑み、本発明の目的は、繊維強化品のバインダー樹脂として強度、衝撃強度等の機械的性能、耐水性等の耐久性に優れ、焼却処理しても地球温暖化に影響を及ぼさないバイオマス資源より誘導される原料を用いた不飽和ポリエステルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の不飽和ポリエステル樹脂は、酸成分が、芳香族ジカルボン酸、モノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸、アルコール成分が、3価以上の多価アルコール及び2価アルコールから構成され、前記酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.15〜0.65であり、前記アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールの占めるモル比が0.1〜0.75である不飽和ポリエステル100重量部を重合性単量体20〜120重量部に溶解してなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂の好ましい実施態様において、前記モノカルボン酸が、ロジン系化合物及びバイオマスより誘導される炭素数4〜36の脂肪族モノカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂の好ましい実施態様において、前記3価以上の多価アルコール成分が、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンおよびペンタエリスリトールからなる群より少なくとも1種であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂の好ましい実施態様において、前記酸成分として脂肪族ポリカルボン酸がさらに含まれることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂の好ましい実施態様において、前記酸成分として芳香族モノカルボン酸及び/又は3価以上の芳香族ポリカルボン酸がさらに含まれることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂の好ましい実施態様において、前記アルコール成分としてモノアルコールがさらに含まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、焼却処理しても地球温暖化に影響を及ぼさないバイオマス資源を利用可能であり、環境に優しく、かつ従来と同等の性能を有する樹脂を提供することが可能であるという有利な効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明の不飽和ポリエステル樹脂は、酸成分が、芳香族ジカルボン酸、モノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸、アルコール成分が、3価以上の多価アルコール及び2価アルコールから構成され、前記酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.15〜0.65であり、前記アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールの占めるモル比が0.1〜0.75である不飽和ポリエステル100重量部を重合性単量体20〜120重量部に溶解してなる。まず、本発明の不飽和ポリエステル樹脂は、酸成分が芳香族ジカルボン酸及びモノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸、アルコール成分が、3価以上の多価アルコール及び2価アルコールから構成される。具体的には、芳香族ジカルボンと3価以上の多価アルコールを反応させて分岐を有するポリオール構造を生成させ、そのポリオールの水酸基にモノカルボン酸のカルボキシル基を反応させる。
【0017】
本発明において、酸成分として用いられる芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4‘−ビフェニルジカルンボン酸等が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、これらの芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルあるいは無水物も使用できる。これらの芳香族ジカルボン酸は単独で用いられても、二種以上が併用されても良い。原料の入手のし易さと得られる不飽和ポリエステルの性能とのバランスという観点から、望ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及びこれらの低級アルキルエステルあるいは無水物である。さらに望ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらの低級アルキルエステルの1種以上である。テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらの低級アルキルエステルを芳香族ジカルボン酸として用いることにより機械的性能、耐水性、耐薬品性に優れる不飽和ポリエステル樹脂が得られる。
【0018】
本発明において、酸成分として用いられるモノカルボン酸は、ロジン系化合物及びバイオマスより誘導される炭素数4〜36の脂肪族モノカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0019】
ロジンとは、松類から得られる天然樹脂であり、その主成分は、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマル酸、デヒドロアビエチン酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、ジヒドロアビエチン酸等の樹脂酸及びこれらの混合物である。
【0020】
ロジンは、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松ヤニから得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等に大別される。本発明に用いられるロジン系化合物は、精製ロジン、不均化ロジン、水添ロジンから選ばれる1種以上とすることができる。ロジン系化合物を原料として不飽和ポリエステルを合成する際の安定性の観点から、特に望ましくは不均化ロジン及び/又は水添ロジンである。
【0021】
精製ロジンとは、ここでは蒸留等の精製処理を施したロジンであり、不均化や水添処理を施していないロジンを指す。分子内に共役二重結合を有するアビエチン酸の含量が多いため、不飽和ジカルボン酸との間でディールス・アルダー反応を起こす可能性があり、重縮合反応中に増粘、ゲル化のような好ましくない場合がある。不均化ロジンとは、主成分としてアビエチン酸を含むロジンを貴金属触媒あるいはハロゲン触媒の存在化で高温加熱することによって、分子内の不安定な共役二重結合を消失させたもので、主成分として、デヒドロアビエチン酸とジヒドロアビエチン酸との混合物である。水添ロジンとは、ロジンをパラジウムカーボン、ニッケル、白金、コバルト等の水添触媒の存在下に高温・高圧下で水素と反応させることによって、分子内の二重結合を消失もしくは減少させたものである。
【0022】
本発明において、酸成分として用いられるバイオマスより誘導される炭素数4〜36の脂肪族モノカルボン酸を例示すると、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガルリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコペンタエン酸、ダイマー酸等がある。これらの脂肪族モノカルボン酸は単独で用いられても、二種以上が併用されても良い。
【0023】
本発明において、酸成分として用いられる不飽和カルボン酸を例示すると、マレイン酸及びその無水物、フマル酸、イタコン酸及びその無水物、シトラコン酸及びその無水物等がある。これらの不飽和ジカルボン酸は単独で用いられても、二種以上が併用されても良い。
【0024】
また、本発明において、酸成分として脂肪族ジカルボン酸を用いることができる。脂肪族ポリカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類、炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸、ダイマー酸などが挙げられる。
【0025】
さらに、本発明において、芳香族ジカルボン酸及びモノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸以外の酸成分として、芳香族モノカルボン酸、3価以上の芳香族ポリカルボン酸から選ばれる1種以上を用いることができる。芳香族モノカルボン酸として、例えば、安息香酸、p−メチル安息香酸、m−メチル安息香酸、p−ターシャルブチル安息香酸等が挙げられる。3価以上のポリカルボン酸も用いることができる。3価以上のポリカルボン酸として、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
【0026】
本発明において、アルコール成分として用いる3価以上の多価アルコールは、特に限定されるものでないが、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンおよびペンタエリスリトールからなる群より少なくとも1種を用いることができる。これら3価以上の多価アルコールは、本発明における酸成分として用いられる芳香族ジカルボン酸と反応し、適度な分岐を有するポリオール構造を形成する。このポリオール中の未反応水酸基にロジン化合物及び脂肪族モノカルボン酸がエステル化反応することにより不飽和ポリエステル樹脂として適度な分子鎖長をもちつつ、バイオマスより誘導されるロジン化合物及び脂肪族モノカルボン酸を大量に含有させることが可能となる。3価以上の多価アルコールを用いずにアルコール成分として2価のアルコールのみを用いた場合、バイオマス資源より誘導されるロジン化合物及び脂肪族モノカルボン酸により分子末端が封止されるため必要な分子鎖長の樹脂が得られない虞がある。一方、必要な分子鎖長まで伸ばすとバイオマス資源より誘導されるロジン化合物及び脂肪族モノカルボン酸を大量には含有できない場合がある。このように3価以上の多価アルコールを用いることにより本発明の目的であるバイオマス資源より誘導される原料を活用した環境負荷の小さい不飽和ポリエステルの提供が可能となるのである。3価以上の多価アルコールの中では、特にバイオマスより誘導されるグリセリンが本発明の目的からも望ましい。
【0027】
また、本発明において、アルコール成分として2価アルコールが用いられる。2価アルコールとして脂肪族ジオール、脂環族ジオール、エーテル化ジフェノール、ポリアルキレングリコール等、分子内にアルコール性水酸基を2個有する化合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。脂肪族ジオールの例としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンメタノール、1,3−シクロヘキサンメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等が挙げられる。エーテル化ジフェノールとして、例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。ポリアルキレングリコールとして、例えば、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。本発明の目的からバイオマス資源より誘導される2価アルコールが望ましく、例えば、バイオマス資源より誘導されるエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
【0028】
その他、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等の脂環族ポリカルボン酸、ヘット酸、テトラブロム無水フタル酸等の含ハロゲンジカルボン酸、乳酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸等を用いることもできる。
【0029】
本発明において用いられる重合性単量体として、例えば、従来から使用されているスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が例示できる。これらは、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0030】
本発明において、前記酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比は0.15〜0.65、好ましくは、0.2〜0.5、より好ましくは、0.25〜0.4である。前記酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.15未満だと耐水性が低下するため好ましくない。前記酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.65を越すと芳香族ジカルボン酸あるいは不飽和ジカルボン酸のモル比が低下し、機械的性能、耐薬品性、硬化性の低下をもたらすため好ましくない。モノカルボン酸成分中におけるロジン化合物と脂肪族モノカルボン酸の比率は不飽和ポリエステル樹脂に求められる性質により任意に変えることができる。ロジン化合物を増やすことにより得られる不飽和ポリエステル樹脂硬化物のガラス転移温度、熱変形温度等で評価される耐熱性を上げることができる。脂肪族モノカルボン酸を増やすことにより得られる不飽和ポリエステル樹脂硬化物の伸び率等で評価される柔軟性や耐衝撃性を上げることができる。
【0031】
本発明において、前記アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールの占めるモル比は0.1〜0.75、好ましくは、0.2〜0.5、より好ましくは、0.2〜0.4である。前記アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールの占めるモル比が0.1未満であるとバイオマス資源より誘導されるロジン化合物及び脂肪族モノカルボン酸の占める割合が低下し、耐水性が低下するため好ましくない。前記アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールのモル比が0.75を超えると重縮合反応中にゲル化を起こしやすくなるため好ましくない。
【0032】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂は、前記所定の酸成分、アルコール成分を原料として、公知慣用の製造方法によって調製され、その反応方法としては、エステル交換反応または直接エステル化反応のいずれも適用可能である。また、加圧して反応温度を高くする方法、減圧法または常圧下で不活性ガスを流す方法によって重縮合を促進することもできる。上記反応においては、アンチモン、ゲルマニウム、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウムおよびマンガンより選ばれる少なくとも一種の金属化合物など公知慣用の反応触媒が用いられ、反応が促進されてもよい。これら反応触媒の添加量は、酸成分とアルコール成分の総量100部に対して、0.01〜1.0部が好ましい。
【0033】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂の製造方法においては、上記種々の反応中、常圧でも直接エステル化法を採用することができる。この直接エステル化法においては、例えば、アルコール成分は反応開始時に全量を仕込み、160℃程度まで昇温してから酸成分を仕込む。その後、徐々に温度を上げながらエステル化により生成する水を系外に留出させて反応を進める。この際、充填塔を設けて塔頂温度を水の沸点以下に保つことにより水以外の成分の留出を防ぎながらエステル化反応を進めることが望ましい。反応系内を加圧として、反応温度を高くすることにより反応を促進しても良い。反応温度は、180℃から280℃、好ましくは200℃から260℃である。反応の終期において、反応系内を減圧として反応を促進しても良い。
【0034】
本発明においては、総てのアルコール成分、酸成分を同時に仕込んで反応させることもできるが、不飽和ジカルボン酸成分を除く酸成分とアルコール成分とを予め反応させた後、不飽和ジカルボン酸成分を投入して反応を継続させることも好ましい態様である。不飽和ジカルボン酸成分を除く酸成分とアルコール成分とを予め反応させることにより不飽和ジカルボン酸共存下では苛酷な反応条件を採用できるため効率的に反応を進めることが可能となる。飽和ジカルボン酸成分を除く酸成分とアルコール成分とを予め反応させる段階では可能な限り反応を進めておくことが望ましい。特にモノカルボン酸成分として反応性に乏しい三級カルボキシル基を有するロジン化合物を使用する場合は酸価として20mgKOH/g以下、望ましくは10mgKOH/g以下、更に望ましくは5mgKOH/g以下である。
【0035】
不飽和ポリエステル樹脂は、所定量の不飽和ポリエステルと重合性単量体とを混合して相互に溶解させ、または相互に混合することにより調製される。本発明においては、不飽和ポリエステル100重量部を重合性単量体20〜120重量部に溶解する。好ましくは、不飽和ポリエステル100重量部を重合性単量体40〜100重量部に溶解する。不飽和ポリエステル100重量部に対する重合性単量体の量が40部未満だと、極めて高い粘度になり成形性に劣る虞がある。不飽和ポリエステル100重量部に対する重合性単量体の量が100部を超えると、得られる硬化成形物の性能が劣る虞がある。不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解あるいは混合する際、ゲル化させることなく安定に調製するために、および調製された不飽和ポリエステル樹脂の成形時の可使時間確保のために、更には調製された不飽和ポリエステル樹脂の貯蔵安定性のために通常重合禁止剤が添加される。重合禁止剤は、例えば、ハイドロキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ターシャリブチルカテコール等の多価フェノール系重合禁止剤が挙げられる。これらの重合禁止剤は、本発明の不飽和ポリエステル樹脂中、通常0.001〜0.5重量%、好ましくは0.005〜0.15重量%が用いられる。
【0036】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂において、不飽和ポリエステル樹脂に通常使用されているラジカル硬化剤と必要に応じて硬化促進剤を添加することにより、常温下あるいは加熱下に硬化させることができる。また、光ラジカル開始剤を添加し、可視光線、紫外線、電子線を照射することにより硬化させることができる。
【0037】
ラジカル硬化剤として、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド系、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド系、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル系、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド系、ジクミルパーオキサイドなどジアルキルパーオキサイド系等、従来より知られているものが使用できる。硬化剤の添加量は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.05〜5重量部である。
【0038】
硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等金属石鹸類、バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート類、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン,4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等のアミン類等、従来より知られているものが使用できる。硬化促進剤の添加量は、0.05〜5重量部である。
【0039】
光ラジカル開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイルベンゾエートなどのベンゾフェノン系、ベンゾインアルキルエーテルのようなベンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系等、従来より知られているものが使用できる。光ラジカル開始剤の添加量は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部である。
【0040】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂において、繊維補強材及び又は充填材を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物とすることができる。使用される繊維補強材として、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維等、従来より知られているものが使用できる。特に好ましいのはガラス繊維である。平織り、朱子織り、不織布、マット、ロービング、チョップ等、種々の形態のものが使用できる。不飽和ポリエステル樹脂組成物に占める繊維補強材の割合は、10〜50重量%が好ましい。
【0041】
充填材として、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、ガラス粉末、ガラスバブル、金属粉、珪砂、砂利、砕石等、従来より知られているものが使用できる。不飽和ポリエステル樹脂組成物に占める充填材の割合は、1〜90重量%が好ましい。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお、以下においては、部数は総て重量部を表す。
【0043】
(1)注型板作製方法及びその試験法
硬化促進剤として市販の6%ナフテン酸コバルト0.5%を所定の樹脂に添加混合し、硬化剤として55%メチルエチルケトンパーオキサイドをその樹脂に1%添加混合し硬化させた。注型板の作製はJIS K 6919、5.2.3項に準拠した。硬化条件は、室温で24時間硬化後、80℃×2時間+120℃×2時間の後硬化を行って試験に供した。注型板の曲げ強さおよびその弾性率はJIS K 7171に、熱変形温度及び吸水率はJISK6911にそれぞれ従い測定した。
【0044】
(2)積層板作製方法及びその試験法
所定の樹脂に、硬化促進剤として市販の6%ナフテン酸コバルト0.5%を添加混合し、次いで硬化剤として市販の55%メチルエチルケトンパーオキサイドを1%添加混合する。次に予め用意しておいた450g/mのチョップドストランドマット3プライに上記樹脂を含浸、積層して3mm厚の積層板を作製した。硬化条件は、室温で24時間硬化後、80℃×2時間+120℃×2時間の後硬化を行って試験に供した。積層板の曲げ強さおよびその弾性率はJIS K 7171に、引張り強さおよびその弾性率、伸び率はJISK7113に、アイゾット衝撃強さはJISK7110にそれぞれ従い測定した。
【0045】
(3)バイオマス度の算出方法
以下の式よりバイオマス度(%)を算出した。
【0046】
バイオマス度=
(バイオマス成分仕込量)×100/(総仕込量−理論脱水量)
【0047】
ただし、バイオマス成分仕込量は以下のように算出する。すなわち、バイオマス成分が酸の場合はその分子量よりOH相当分の分子量である17.01を、バイオマス成分がアルコールの場合はその分子量よりH相当の分子量である1.01をそれぞれ引いた値にモル数を乗して算出する。たとえば、バイオマス由来のグリコールの場合はその分子量より2.02を引いた値を、バイオマス由来のジカルボン酸の場合はその分子量より34.02を引いた値を用いる。
【0048】
なお、本発明の合成例において、不均化ロジン、水添ロジン、ラウリン酸、カプリル酸、グリセリン、1,3−プロパンジオールとしてバイオマス由来のものを原料に用いた。
【0049】
(4)酸価
不飽和ポリエステルを1/10規定水酸化カリウム溶液により滴定して求めた。
【0050】
(5)数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた。
【0051】
(6)粘度
25℃において固形分濃度60%の不飽和ポリエステル樹脂の粘度を回転粘度計により求めた。
【0052】
合成例1(BUG-03)
攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イソフタル酸135部、不均化ロジン(酸当量356.9)405部、グリセリン100部、1,3−プロパンジオール226部、ジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら250℃まで昇温し、酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。次いで、200℃に冷却し、フマル酸267部を加えた後、215℃に昇温し、同温度で脱水縮合反応を進め、酸価14mgKOH/g、数平均分子量1500の不飽和ポリエステルを得た。該不飽和ポリエステル600部にスチレンモノマー400部およびトルハイドロキノン0.06部を加えて不飽和ポリエステル樹脂Aを得た。
【0053】
合成例2(BUG-05)
合成例1において、イソフタル酸140部、水添ロジン(酸当量328.7)386部、グリセリン103部、1,3−プロパンジオール234部、フマル酸276部を用いた以外は合成例1と同様にして酸価16mgKOH/g、数平均分子量1600の不飽和ポリエステル樹脂Bを得た。
【0054】
合成例3(BUG-08)
攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イソフタル酸133部、水添ロジン263部、ラウリン酸 160部、グリセリン98部、1,3−プロパンジオール223部、ジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら250℃まで昇温し、酸価が3mgKOH/g以下になるまで反応させた。次いで、200℃に冷却し、フマル酸263部を加えた後、215℃に昇温し、同温度で脱水縮合反応を進め、酸価13mgKOH/g、数平均分子量1900の不飽和ポリエステルを得た。該不飽和ポリエステル600部にスチレンモノマー400部およびトルハイドロキノン0.06部を加えて不飽和ポリエステル樹脂Cを得た。
【0055】
合成例4
表1に示す配合割合とすることを除き、合成例3と同様にしてポリエステル樹脂Dを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。表1中の括弧内の数値は、モル%を示す。
【0056】
【表1】

合成例5〜8
表2に示す配合割合とすることを除き、合成例3と同様にしてポリエステル樹脂E〜Hを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表2に示す。表2中の括弧内の数値は、モル%を示す。
【0057】
【表2】

【0058】
合成例9〜11
表3に示す配合割合とすることを除き、合成例3と同様にしてポリエステル樹脂I〜Lを得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表3に示す。表3の括弧内の数値は、モル%を示す。
【0059】
【表3】

合成例12
攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イソフタル酸275部、水添ロジン623部、グリセリン166部、1,3−プロパンジオール34部、ジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら250℃まで昇温し、酸価が3mgKOH/g以下になるまで反応させた。次いで、200℃に冷却し、フマル酸51部を加えた後、215℃に昇温し、同温度で脱水縮合反応を進めたが、反応後半にゲル化を起こし、樹脂を得ることができなかった。
【0060】
合成例13
攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えた反応容器に、無水フタル酸177部、無水マレイン酸217部、プロピレングリコール168部、ジプロピレングリコール229部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら215℃まで昇温し、酸価17mgKOH/g、数平均分子量1600の不飽和ポリエステルを得た。該不飽和ポリエステル600部にスチレンモノマー400部およびトルハイドロキノン0.06部を加えて不飽和ポリエステル樹脂Mを得た。特性値を表3に示す。
【0061】
実施例1〜8
合成例1〜8より得た樹脂A〜Hについて注型板を作製し、各種性能を測定した。結果を表4に示す。
【0062】
【表4】

【0063】
比較例1〜4
合成例9〜11より得た樹脂I〜K及び合成例13より得た樹脂Mについて注型板を作製し、各種性能を測定した。結果を表5に示す。
【0064】
【表5】

【0065】
表5中の樹脂Iは、酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.65を越す場合の比較例である。実施例である表4中の樹脂A〜Hに比べて強度、弾性率、熱変形温度が低下していることが判る。表5中の樹脂Jは、酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.15に満たない場合の比較例である。実施例である表4中の樹脂A〜Hに比べて常温吸水率および煮沸吸水率が上昇していることが判る。表5中の樹脂Kは、アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールのモル比が0.1未満の場合の比較例である。実施例である表4中の樹脂A〜Hに比べて常温吸水率および煮沸吸水率が上昇していることが判る。表5中の樹脂Mは、モノカルボン酸および3価以上の多価アルコールを使用しない樹脂の場合の比較例である。実施例である表4中の樹脂A〜Hに比べて常温吸水率および煮沸吸水率が上昇していることが判る。
【0066】
実施例9〜11
合成例1〜3より得た樹脂A〜Cについて積層板を作製し、各種性能を測定した。結果を表6に示す。
【0067】
【表6】

【0068】
比較例5
合成例13より得た樹脂Mについて積層板を作製し、各種性能を測定した。結果を表6に示す。
【0069】
表4〜5より本発明の不飽和ポリエステル樹脂は高いバイママス度を有しながらも従来の不飽和ポリエステル樹脂と比べて、ほぼ同等の機械的性能と低い吸水率を示すことがわかる。表6より本発明の不飽和ポリエステル樹脂はガラス繊維で強化することにより更に従来の不飽和ポリエステルの性能に近づくことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
運輸、電気、建築、土木、住宅設備等、広範な用途における繊維強化成形品に用いられる環境負荷の小さいポリエステル樹脂を提供可能であり、広範な分野において適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸成分が、芳香族ジカルボン酸、モノカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸、アルコール成分が、3価以上の多価アルコール及び2価アルコールから構成され、前記酸成分中に占めるモノカルボン酸のモル比が0.15〜0.65であり、前記アルコール成分中に占める3価以上の多価アルコールの占めるモル比が0.1〜0.75である不飽和ポリエステル100重量部を重合性単量体20〜120重量部に溶解してなることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂。
【請求項2】
前記モノカルボン酸が、ロジン系化合物及びバイオマスより誘導される炭素数4〜36の脂肪族モノカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂。
【請求項3】
前記3価以上の多価アルコール成分が、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンおよびペンタエリスリトールからなる群より少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2項に記載の不飽和ポリエステル樹脂。
【請求項4】
前記酸成分として脂肪族ポリカルボン酸がさらに含まれることを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載の不飽和ポリエステル樹脂。
【請求項5】
前記酸成分として芳香族モノカルボン酸及び/又は3価以上の芳香族ポリカルボン酸がさらに含まれることを特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項に記載の不飽和ポリエステル樹脂。
【請求項6】
前記アルコール成分としてモノアルコールがさらに含まれることを特徴とする請求項1〜5項のいずれか1項に記載の不飽和ポリエステル樹脂。

【公開番号】特開2010−235777(P2010−235777A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85356(P2009−85356)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000230364)日本ユピカ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】