説明

不飽和ポリマー中の炭素−炭素二重結合の連続水素化方法

【課題】不飽和ポリマー中の炭素−炭素二重結合の連続水素化方法を提供する。
【解決手段】溶媒および均一または不均一触媒の存在下における、水素化ポリマーを製造するための、共役ジオレフィンと少なくとも1つの他の共重合性モノマーとをベースとする不飽和ポリマー中の炭素−炭素二重結合の連続水素化方法であって、前記不飽和ポリマー、前記均一または不均一触媒および水素を、静的内部要素を備えた反応器を通過させる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒および触媒、好ましくは均一触媒の存在下における、水素化ポリマーを製造するための、共役ジオレフィンと少なくとも1つの他の共重合性モノマーとをベースとする不飽和ポリマー中の炭素−炭素二重結合の連続水素化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学反応は、バッチ様式(バッチモード)、連続様式(連続モード)またはセミバッチ様式(セミバッチモード)の操作で行うことができる。触媒を使用するジエンベースのポリマーの水素化は通常、今まではセミバッチプロセスによって実現されている。
【0003】
(特許文献1)および(特許文献2)は、セミバッチモードで有機金属触媒を使用する水素化ポリマーの製造を教示している。
【0004】
さらに、ほとんどの場合、連続プロセスは、運転、保守、製造およびコストの観点からより有利である。一般に、連続プロセスに使用される反応器の最も普通のタイプは、連続撹拌タンク反応器および管型反応器である。不均一水素化反応系(使用される触媒は固相にあるが、不飽和ポリマーは液相にある)のためには、流動床反応器、気泡塔およびスラリー反応器が典型的には使用される。例えば、固定床不均一水素化触媒が、ヒドロキシルなどの官能基を含有していてもよい低分子量ポリジエンを水素化するために使用される(特許文献3)。
【0005】
時々、プロセスの処理能力に依存して、2つ以上の反応器が使用され、(特許文献4)は、グルコースの3相スラリー水素化が一連の連続撹拌タンク反応器と気孔塔とで行われるような適用を議論している。
【0006】
静的ミキサー(スタティックミキサー)反応器は、その低いエネルギー必要量のために注目を集めつつある。(特許文献5)は、どのように静的混合栓流反応器をシリコーンコポリマーの製造のために使用するかを開示している。それはまた、1)液体混合物の流量、2)ミキサー要素の長さ、3)反応体の相対的混和性および4)特に高粘性ポリマーを処理するための静的ミキサー反応器の特定の内部形状を選ぶ際に考慮される静的ミキサー要素の設計および構成によって影響を受ける剪断の強さなどの様々な一般因子を開示している。彼らは、直列のまたは並列の少なくとも2つ以上の静的ミキサーがシリコーンコポリマーを製造するために使用される方法を開発した。反応器のこの種の配列の利点は、非常に高粘性のコポリマーをより低い剪断力およびより低いエネルギー入力で製造できることである。また、彼らが研究したプロセスは単相反応体からなる。
【0007】
(特許文献6)は、不均一触媒でのジエンポリマーの水素化方法を議論している。彼らは、彼らの発明においてアップフロー固定床反応器を使用した。このタイプの反応器の欠点は、幾つかのホットスポットが固定床に発生しうるほどに伝熱が効率的ではなく、かつまた、このタイプの反応器で発生する圧力降下が静的ミキサー反応器と比較して非常に高いことである。
【0008】
(特許文献7)は、ポリマーの連続官能化方法であって、ポリマーを含む液体と官能化剤を有するガスとが分散ゾーンに連続的に導入され、分散ゾーンが、Koch engineering製のタイプSulzer SMX(登録商標)もしくはSMXL(登録商標)の静的ミキサーかまたはChemineer Inc製のKenics(登録商標)螺旋ミキサーである方法を公開している。彼らの発明は、特に、エステル官能化エチレン−ブテン−1ポリマーのカルボニル化またはそれらの製造のための連続プロセスの詳細を示している。
【0009】
(特許文献8)は、ベータ−ケトエステルのエナンチオ選択的接触水素化のための連続法であって、幾つかのインラインミキサーを備えた静的ミキサーが、溶液中への水素の物質移動(吸収)を高めるために使用される方法に関する。彼らによって提案された方法は、非常に短い(ほぼ15〜30分程度の)平均滞留時間で非ポリマーの水素化を目的として使用される。
【0010】
上記文献全てにおいて、静的ミキサーは主として高い物質移動を生み出すため(それらは高い界面面積を生み出すので)か、一様な気泡サイズが必要とされる分散機としてかのいずれかで使用される。また、上に引用された発明において、静的ミキサーは、高い平均滞留時間で運転されるワンパス反応器としてはほとんど使用されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,561,197号明細書
【特許文献2】米国特許第5,258,467号明細書
【特許文献3】米国特許第5,378,767号明細書
【特許文献4】米国特許第6,080,372号明細書
【特許文献5】米国特許第6,593,436号明細書
【特許文献6】米国特許第4,629,767号明細書
【特許文献7】米国特許第6,037,445号明細書
【特許文献8】米国特許第7,057,064号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
不飽和ポリマー中の炭素−炭素二重結合の水素化方法であって、装置およびエネルギーの両方についてコストをかけずに、高い水素化度を連続プロセスで達成することができる方法を提供することが本発明の目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、溶媒および触媒の存在下における、水素化ポリマーを製造するための、共役ジオレフィンと少なくとも1つの他の共重合性モノマーとをベースとする不飽和ポリマー中の炭素−炭素二重結合の連続水素化方法であって、前記不飽和ポリマー、前記触媒および水素を、静的内部要素を備えた反応器に通過させる方法によって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態では、不飽和ポリマー、触媒および水素を、オープン羽根形状を有する、静的内部要素を備えた反応器に通過させる。
【0015】
静的内部要素は、非常に粘稠であるジエンポリマーを含む作業流体内で十分な強度の渦および渦巻きを生み出す反応器の能力に強い影響を及ぼし、かつ、水素化の良好な性能を確実にすることが分かった。
【0016】
内部要素は好ましくはオープン羽根形状を有する。
【0017】
水素化反応は、特にまさに反応の開始時に、極めて発熱性であり、従って、極めて効率的な触媒、特に有機金属触媒、好ましくはロジウム、ルテニウム、オスミウムまたはイリジウム金属錯体触媒が使用されるときに特に、温度制御は極めて重要である。
【0018】
本発明の連続プロセスにより水素化されるポリマーは、炭素−炭素二重結合を含有し、かつ、共役ジオレフィンと少なくとも1つの他の共重合性モノマーとをベースとするポリマーである。
【0019】
共役ジオレフィンは好ましくは、ブタジエン、イソプレン、ピペリレンおよび2,3−ジメチルブタジエン、より好ましくはブタジエンおよび/またはイソプレンから選択される1つ以上の物質、最も好ましくはブタジエンである。
【0020】
少なくとも1つの他の共重合性モノマーは好ましくは、アクリロニトリル、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルメタクリレート、メタクリロニトリル、ブチルメタクリレートおよびスチレン、最も好ましくはアクリロニトリルおよびスチレンから選択される1つ以上の物質である。
【0021】
好適なモノマーのさらなる例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸などのエチレン性不飽和モノ−またはジカルボン酸の、一般に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノールなどのC〜C12アルカノール、またはシクロペンタノールもしくはシクロヘキサノールなどのC〜C10シクロアルカノールとのエステル、これらのうちで好ましくはアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステルであり、例は、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、第三ブチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートおよび第三ブチルアクリレートである。
【0022】
ポリマーの水素化は溶液で行われる。ポリマーおよび水素化法のための好ましい溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンおよびテトラヒドロフランが含まれ、モノクロロベンゼンおよびテトラヒドロフランがより好ましく、モノクロロベンゼンが最も好ましい。溶媒中の不飽和ポリマーの濃度は、約1〜約40重量%、好ましくは約2〜20重量%であってもよい。
【0023】
水素化は、好ましくは有機金属触媒、最も好ましくは、金属としてかまたは好ましくは金属化合物の形態でかのいずれかのロジウム、ルテニウム、チタン、オスミウム、パラジウム、白金、コバルト、ニッケルまたはイリジウムである、均一または不均一触媒の存在下に行われる(例えば、米国特許第3,700,637号明細書、独国特許出願公開第A−25 39 132号明細書、欧州特許出願公開A−0 134 023号明細書、独国特許出願公開第A−35 41 689号明細書、独国特許出願公開第A−35 40 918号明細書、欧州特許出願公開A−0 298 386号明細書、独国特許出願公開第A−35 29 252号明細書、独国特許出願公開第A−34 33 392号明細書、米国特許第4,464,515号明細書および米国特許第4,503,196号明細書を参照されたい)。
【0024】
不均一触媒用に好ましい金属は、白金、パラジウム、ニッケル、銅、ロジウムおよびルテニウムから選択される1つ以上の金属である。不均一触媒は、炭素、シリカ、炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムに担持させることができる。
【0025】
好ましくは、触媒は均一触媒である。
【0026】
式:
OsQX(CO)(L)(PR
(式中、Qは水素およびフェニルビニル基の1つであってもよく、Xはハロゲン、テトラヒドロボレートおよびアルキル−またはアリール−カルボキシレートの1つであってもよく、Lは酸素分子、ベンゾニトリルまたは配位子なしの1つであってもよく、Rはシクロヘキシル、イソプロピル、第二ブチルおよび第三ブチルの1つであってもよく、前記第三ブチルは1つのRがメチルであるときのみ存在し、但し、QがフェニルビニルであるときにはXはハロゲンであり、Lは配位子なしであり、かつ、Xがアルキル−またはアリール−カルボキシレートであるときにはQは水素であり、Lは配位子なしであり、前記ハロゲンは塩素および臭素から選択される)で表されるオスミウム触媒が特に好適である。好ましくは、Qは水素であり、Xは、塩素、テトラヒドロボレートおよびアセテートから選択され、Lは酸素分子かまたは配位子なしであり、Rはシクロヘキシルまたはイソプロピルである。追加のアルキルまたはアリール−カルボキシレートには、クロロアセテートおよびベンゾエートが含まれる。
【0027】
好適なオスミウム触媒の例には、OsHCl(CO)[P(シクロヘキシル)、OsHCl(CO)[P(イソプロピル)、OsHCl(O)(CO)[P(シクロヘキシル)、OsHCl(O)(CO)[P(イソプロピル)、Os(CH=CH−C)Cl(CO)[P(シクロヘキシル)、Os(CH=CH−C)Cl(CO)[P(イソプロピル)、OsH(BH)(CO)[P(シクロヘキシル)、OsH(BH)(CO)[P(イソプロピル)、OsH(CHCOO)(CO)[P(シクロヘキシル)、OsH(CHCOO)(CO)[P(イソプロピル)、OsHCl(CO)(CCN)[P(シクロヘキシル)、およびOsHCl(CO)(CCN)[P(イソプロピル)が挙げられる。好ましい触媒は、OsHCl(CO)[P(シクロヘキシル)、OsHCl(CO)[P(イソプロピル)、OsHCl(O)(CO)[P(シクロヘキシル)およびOsHCl(O)(CO)P(イソプロピル)である。
【0028】
水素化方法のために必要とされるオスミウム触媒の量はポリマーを基準として約0.01〜約1.0重量%、好ましくはポリマーを基準として約0.02〜約0.2重量%である。
【0029】
選択的水素化は、例えば、ロジウム−またはルテニウム−含有触媒の存在下でも達成することができる。例えば、一般式:
(RB)MX
(式中、Mはルテニウムまたはロジウムであり、基Rは同一であるかまたは異なり、それぞれC〜Cアルキル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C15アリール基またはC〜C15アラルキル基であり、Bはリン、ヒ素、硫黄またはスルホキシド基S=Oであり、Xは水素または陰イオン、好ましくはハロゲン、特に好ましくは塩素または臭素であり、lは2、3または4であり、mは2または3であり、nは1、2または3、好ましくは1または3である)の触媒を使用することが可能である。
【0030】
好ましい触媒は、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)トリクロリドおよびトリス(ジメチルスルホキシド)ロジウム(III)トリクロリドならびにまた式((CP)RhHのテトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウムヒドリド、およびトリフェニルホスフィンがトリシクロヘキシルホスフィンによって完全にまたは部分的に置き換えられた対応する化合物である。触媒は少量で利用することができる。ポリマーの重量を基準として、0.01〜1重量%の範囲の、好ましくは0.03〜0.5重量%の範囲の、特に好ましくは0.1〜0.3重量%の範囲の量が好適である。
【0031】
本発明の一実施形態では、触媒は共触媒と供に使用することができる。好ましくは、この共触媒は式RB(式中、R、mおよびBは上に定義された通りであり、mは好ましくは3である)の配位子である。好ましくは、Bはリンであり、R基は同じかまたは異なるものであることができる。触媒のR基は、トリアリール、トリアルキル、トリシクロアルキル、ジアリールモノアルキル、ジアルキルモノアリール、ジアリールモノシクロアルキル、ジアルキルモノシクロアルキル、ジシクロアルキルモノアリール、またはジシクロアルキルモノアリールであってもよい。好適な共触媒配位子の例は、その開示が参照により援用される、米国特許第4,631,315号明細書に示されている。好ましい共触媒配位子はトリフェニルホスフィンである。共触媒配位子は好ましくは、触媒の重量を基準として、0〜5000重量%、より好ましくは500〜3000重量%の範囲の量で使用される。好ましくはまた、共触媒対ロジウム含有触媒化合物の重量比は範囲0〜50に、より好ましくは範囲5〜30にある。
【0032】
触媒は、多段反応器の1つ以上の異なるチャンバーへ導入されてもよい。
【0033】
水素化は、100℃〜260℃の範囲の、好ましくは100℃〜180℃の範囲の温度で、および0.1〜約50MPaの範囲の、好ましくは0.7MPa〜50MPaの範囲の、より好ましくは3.5〜10.5MPaの範囲の水素圧で実施される。好ましくは、静的内部要素を備えた反応器の入口の温度は、100〜180℃の範囲にあり、水素圧は2MPa〜15MPaである。
【0034】
本発明は、特にニトリルゴムの水素化に関する。
【0035】
略して「NBR」とも言われる、用語ニトリルゴムは、少なくとも1つのα,β−不飽和ニトリルと、少なくとも1つの共役ジエンと、必要ならば、1つ以上のさらなる共重合性モノマーとのコポリマーまたはターポリマーであるゴムを意味する。
【0036】
共役ジエンは、任意の性質のものであることができる。(C〜C)共役ジエンを用いることが好ましい。1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、ピペリレンまたはそれらの混合物が特に好ましい。1,3−ブタジエンおよびイソプレンまたはそれらの混合物が非常に特に好ましい。1,3−ブタジエンが特別に好ましい。
【0037】
α,β−不飽和ニトリルとして、任意の公知のα,β−不飽和ニトリル、好ましくは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルまたはそれらの混合物などの(C〜C)α,β−不飽和ニトリルを使用することが可能である。アクリロニトリルが特に好ましい。
【0038】
特に好ましいニトリルゴムは、このようにアクリロニトリルと1,3−ブタジエンとのコポリマーである。
【0039】
共役ジエンおよびα,β−不飽和ニトリルは別として、当業者に公知の1つ以上のさらなる共重合性モノマー、例えば、α,β−不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸、それらのエステルまたはアミドを使用することが可能である。α,β−不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸として、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。α,β−不飽和カルボン酸のエステルとして、それらのアルキルエステルおよびアルコキシアルキルエステルを用いることが好ましい。α,β−不飽和カルボン酸の特に好ましいアルキルエステルは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートおよびオクチルアクリレートである。α,β−不飽和カルボン酸の特に好ましいアルコキシアルキルエステルは、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートおよびメトキシエチル(メタ)アクリレートである。アルキルエステル、例えば上述のものと、例えば上述のものの形態でのアルコキシアルキルエステルとの混合物を用いることもまた可能である。
【0040】
使用されるべきNBRポリマー中の共役ジエンとα,β−不飽和ニトリルとの割合は、広範囲内で変わり得る。共役ジエンのまたは共役ジエンの合計の割合は通常、総ポリマーを基準として、40〜90重量%の範囲に、好ましくは55〜75重量%の範囲にある。α,β−不飽和ニトリルのまたはα,β−不飽和ニトリルの合計の割合は通常、総ポリマーを基準として、10〜60重量%、好ましくは25〜45重量%である。各場合にモノマーの割合は合計100重量%になる。追加のモノマーは、総ポリマーを基準として、0〜40重量%、好ましくは0.1〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%の量で存在することができる。この場合には、共役ジエン(1種又は複数種)のおよび/またはα,β−不飽和ニトリル(1種又は複数種)の相当する割合は、各場合に全てのモノマーの割合が合計100重量%になる状態で、追加のモノマーの割合によって置き換えられる。
【0041】
前述のモノマーの重合によるニトリルゴムの製造は、当業者には十分に知られており、ポリマー文献に包括的に記載されている。
【0042】
本発明の目的のために用いることができるニトリルゴムはまた、例えば、Lanxess Deutschland GmbHから商品名Perbunan(登録商標)およびKrynac(登録商標)の製品範囲からの製品として商業的に入手可能である。
【0043】
水素化のために使用されるニトリルゴムは、30〜70、好ましくは30〜50の範囲のムーニー(Mooney)粘度(100℃でML1+4)を有する。これは、200,000〜500,000の範囲の、好ましくは200,000〜400,000の範囲の重量平均分子量Mに相当する。用いられるニトリルゴムはまた、2.0〜6.0の範囲の、好ましくは2.0〜4.0の範囲の多分散性PDI=M/M(ここで、Mは重量平均分子量であり、Mは数平均分子量である)を有する。
【0044】
略して「HNBR」とも言われる水素化ニトリルゴムは、ニトリルゴムの水素化によって製造される。従って、共重合したジエン単位のC=C二重結合は、HNBR中では完全にまたは部分的に水素化されてしまっている。共重合したジエン単位の水素化度は通常、50〜100%の範囲にある。
【0045】
水素化ニトリルゴムは、非常に良好な耐熱性、優れた耐オゾン性、および優れた耐化学薬品性、ならびにまた優れた耐油性を有する特殊ゴムである。
【0046】
HNBRの上述の物理的および化学的特性は、非常に良好な機械的特性、特に、高い耐摩耗性と関連している。それゆえに、HNBRは様々な用途で幅広い用途を見いだしてきた。HNBRは、例えば、自動車部門におけるシール、ホース、ベルトおよび締め付け要素のために、ならびにまた油抽出の分野における固定子、油井シールおよびバルブシールのために、ならびにまた航空機産業、エレクトロニクス産業、機械エンジニアリングおよび造船における多数の部品のために用いられる。
【0047】
商業的に入手可能なHNBRグレードは通常、約100,000〜500,000の範囲の重量平均分子量M(測定方法:ポリスチレン標準品に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC))に相当する35〜105の範囲のムーニー粘度(100℃でML1+4)を有する。ここで測定される、分子量分布の幅に関する情報を与える、多分散性指数PDI(PDI=M/M、ここで、Mは重量平均分子量であり、Mは数平均分子量である)は2.5〜4.5の範囲にある。残存二重結合含有率は通常、1〜18%の範囲にある。
【0048】
水素化度は、ポリマー濃度、用いた触媒の量、ガスおよび液体流量ならびにプロセス条件に左右される。所望の水素化度は約80〜約99.5%、好ましくは約90〜約99%である。
【0049】
水素化度は、フーリエ変換赤外(Fourier Transform Infrared)(FTIR)またはプロトン核磁気共鳴(Proton Nuclear Magnetic Resonance)(NMR)法を用いることによって測定することができる。
【0050】
本発明によれば、静的ミキサー反応器の配置は、垂直であるか、水平であるか、もしくは任意の角度であるか、またはコイル形状であることができ、好ましくは垂直である。長さと直径との比は、1から任意の適度の比までであることができるが、規模に応じて、通常それは好ましくは10〜100である。
【0051】
反応器は加熱および冷却系を備えており、好ましくは加熱および/または冷却流体用のジャケットであって、互いに独立して運転することができる2つ以上のチャンバーを好ましくは有するジャケットを備えていることが必要とされる。しかしながら、コストを低減し、生産性を高めるという目的のためには加熱/冷却系の設計を著しく容易にし得るパイプ熱交換器のように平行に反応器を置くことが最も好ましい。同様にかかる方法において、温度制御を容易にするために外殻構造をゾーン(複数)に分割することができる。
【0052】
静的内部要素の構造は、効率的な横混合をもたらし、かつ、逆流および近道を最小限にすることができる様々な形態のものであることができる。本発明では、典型的にはオープン羽根形状を有する静的内部要素を備えた反応器が使用される。かかる羽根構造物は、Koch EngineeringのSulzer SMX(登録商標)もしくはSMXL(登録商標)もしくはSMXL−R(登録商標)、またはSMF(登録商標)もしくはSMV(登録商標)、あるいはChemineer IncのKenics(登録商標)KMX、もしくはKenics(登録商標)螺旋要素などの幾つかの商業的に入手可能な要素であることができる。これらの要素は、放射状混合を高め、かつ、軸方向の分散を低減することができる形状を有する。備えられる要素の数は、2〜100、好ましくは6〜36、最も好ましくは6〜24であることができる。この要素は、中実、または加熱/冷却媒体が温度制御を容易にするために貫流することができるように中空であることができる。好ましくは、反応器直径が0.1m未満であるとき、中実(中空でない)要素が使用され、反応器直径が0.5mより大きいとき、中空の要素が使用される。中空要素を使用することの利点は、各局部温度を正確に制御できることである。
【0053】
本発明によれば、静的ミキサー反応器は、静的ミキサー反応器の前にプレミキサーを備え付けてもよく、またはプレミキサーなしでもよい。
【0054】
好ましい実施形態では、プレミキサーが使用され、不飽和ポリマー、溶媒、および水素は、静的内部要素を備えた反応器に送る前にプレミキサーを通される。
【0055】
プレミキサーは好ましくは、優れた混合性能を有する攪拌機を備えた円筒タンクである。この円筒タンクは、垂直または水平に配置することができる。プレミキサーの容積は、反応器の規模に左右され、反応器の容積の好ましくは1%〜100%である。例えば、規模の点で容積が100Lより大きいときにはプレミキサーと反応器との容積比は好ましくは20%未満、さらに好ましくは10%未満である。長さと直径との比は、プレミキサーが垂直に配置されるときには好ましくは0.5〜3.0、より好ましくは0.5〜1.0であり、プレミキサーが水平に配置されるときには好ましくは1.0〜3.0である。プレミキサーは、プレミキサーの容積およびまたプレミキサー配置の方法(垂直または水平)に応じて、1つまたは多数の攪拌機を有することができる。好ましくは、プレミキサー中の攪拌機は、プレミキサーが垂直に配置されるときには傾斜羽根攪拌機またはタービンなどの高剪断タイプの攪拌機であり、プレミキサーが水平に配置されるときにはタービンかまたは変形ディスクである。変形ディスクはここでは、ディスクの端から中央に向かって均一に12または16のライン(ラインの長さはディスクの直径の1/3〜2/5である)をはさみでカットすることによって、次にそれぞれのそのように形成されたペタル(petal)を隣接ペタルとは反対の方向に30〜60度ねじることによって形成されるようなディスク羽根車である。攪拌機直径とプレミキサーの内径との比は、粘度およびプレミキサーの配置に左右され、好ましくは1/3〜19/20である。好ましくは、例えば、粘度が200cp(0.2Pas)未満であり、プレミキサーが垂直に配置されているとき、直径比は1/3〜2/3であり、粘度が200cp(0.2Pas)未満であり、プレミキサーが水平に配置されるとき、直径比は2/3より大きい。
【0056】
触媒は、プレミキサーおよび/または静的内部要素を備えた反応器の両方に添加することができる。触媒を、静的内部要素を備えた反応器に、その長さに沿った1つ以上の異なる区域に添加することができる。
【0057】
本発明の反応器は好ましくは、不飽和ポリマー溶液、触媒、および水素が、静的内部要素を備えた反応器の底部から最上部へ垂直にポンプ注入されるような方法で運転される。
【0058】
水素は、その一様な分配を確実にするために、ガススパージャ経由でプレミキサーまたは静的ミキサー反応器から、またはプレミキサーおよび静的ミキサー反応器の両方から反応系中に導入することができる。
【0059】
本発明の別の実施形態では、静的内部要素を備えた反応器およびプレミキサーはループモードで運転される。
【0060】
反応器で得られた生成物混合物は好ましくは熱交換器で冷却され、熱交換器からの冷却された生成物混合物は好ましくは気/液分離器に送られる。
【0061】
本発明を、図面および実施例によって以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の方法の一実施形態の略図を示す。
【図2】さらなる構成を示す。
【図3】よりさらなる構成である。
【図4】反応器に好ましくは使用されるKenics(登録商標)−KMX要素である。
【図5】静的内部要素を備えた反応器の好ましい実施形態である。
【0063】
図1は、本発明による水素化エラストマーの連続製造のための好ましい実施形態についての概略設計を例示する第一の構成を示す。参照番号1は、スチームが上方部に供給され、そしてその下方部から抜き取られる状態で静的内部要素を備えた反応器を示す。参照番号2はプレミキサーを示す。水素4および触媒5にくわえて、不飽和ポリマーの溶液3が、静的内部要素を備えた反応器1に供給される。生成物6は、静的ミキサー反応器1の上方部から抜き取られる。
【0064】
図2は、本発明による水素化エラストマーの連続製造のための概略設計のさらなる構成を示しており、静的ミキサー反応器の下方部の入口で入る主触媒流れに加えて、触媒5が静的ミキサー反応器1の長さに沿った様々な区域に供給される。
【0065】
水素化反応は、より高い濃度のポリマー溶液については、極めて発熱性であるので、静的ミキサー反応器の長さに沿って反応温度を制御することは非常に困難である。図2に示される構成は、静的ミキサー反応器を等温で運転するのに有益である。また、様々な区域でのジャケットの温度は、冷却か加熱かのどちらにも利用できる別個のゾーンにジャケットを設計することによって制御することができる。
【0066】
図3は、プレミキサー2と静的内部要素を備えた反応器1とをループモードで運転することを含む、さらに好ましい実施形態を示す。不飽和ポリマーおよび水素は、触媒と一緒に静的内部要素を備えた反応器に入る。静的内部要素を備えた反応器1からの反応したポリマーは次に、プレミキサー2へ通され、そこで触媒の一部が加えられる。プレミキサー2からの主生成物は次に冷却器Cを通過し、流れ6として抜き出されるが、生成物の一部は、静的内部要素を備えた反応器1にループモードで送られる。このモードの運転は、非常に高いポリマー濃度が水素化のために使用される時に特に有利である。
【0067】
図4は、オープン羽根形状を有する静的内部要素(一例としてKenics−KMX(登録商標))の構造を示す。
【0068】
反応器中の静的内部要素は、各要素がその隣接要素と90°の角度であるように配置される。アスペクト比(静的内部要素の長さ対直径比)は好ましくは0.5〜3、さらに好ましくは0.5〜1.5である。
【0069】
構造の詳細は図4に示される。直径Dは、示された好ましい実施形態では、3.81cmであり、羽根の厚さtは0.19cmであり、さらに羽根の幅wは0.48cmである。
【0070】
静的内部要素を備えた反応器の長さおよび直径は、最高の水素化度を達成するのに十分な滞留時間を反応原料が有するように設計され、配置構成される。本発明による反応器の典型的な寸法は図5に示されている。
【0071】
反応器1は、6.35cmの内径Dのスチームジャケットを有し、反応器それ自体は3.81cmの内径Dを有する。ジャケットはスチール40S製であり、反応器それ自体はスチール80 SS製である。静的内部要素を備えた反応器ゾーンの長さLは93.76cmであり、反応器の全長Lは123.19cmである。
【0072】
反応原料は予熱器へポンプ注入され、その混合物は、静的内部要素を備えた反応器1に入る前に加熱される。静的内部要素を備えた反応器1の入口で、ガススパージャを使用して水素4を一様に分配する。触媒溶液5は、予熱器からの反応原料と同時に触媒ボンベからポンプ注入される。
【0073】
以下の実施例は、本発明の範囲を例示しているが、それを限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0074】
[実施例1]
図5に示したオープン羽根内部構造および形状を有する24の混合要素と1ミリメートル穴のガススパージャとを備えた反応器1を使用して、約38重量パーセントのアクリロニトリル含有率を有するブタジエンアクリロニトリルポリマー(モノクロロベンゼン中の溶液として用いた)を水素化した。分子式OsHCl(CO)[P(シクロヘキシル)のオスミウム系錯体を、モノクロロベンゼン中の溶液の形態で触媒として用いた。水素は、本質的に純粋なガスとして使用した。運転温度および圧力がそれぞれ138℃および3.45MPaである状態で、モノクロロベンゼン中の2.5重量パーセントのポリマー溶液を用い、80μMの触媒を用いた。この連続プロセスで達成された最高水素化度は98%であった。詳細を表Iに示す。
【0075】
【表1】

【0076】
異なる平均滞留時間について定常状態後に連続反応器で得られた水素化度を表IIに示す。
【0077】
【表2】

【0078】
[実施例2]
触媒濃度が130μMであることを除いて、実施例1で記載された方法を、表IIIに記載の異なる水素流量、不飽和ポリマーの水素化および運転条件で繰り返した。この場合には、不飽和ポリマーの濃度は、実施例1で使用したポリマーの2倍であり、それ故に液体ホールドアップ(liquid holdup)は少なかった。
【0079】
【表3】

【0080】
表IIIに記載の条件で定常状態後に連続プロセスで得られた水素化度を表IVに示す。
【0081】
【表4】

【符号の説明】
【0082】
1・・・反応器、2・・・プレミキサー、4・・・水素、5・・・触媒(触媒溶液)、6・・・生成物(生成物の流れ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒および触媒の存在下において、水素化ポリマーを製造するための、共役ジオレフィンと少なくとも1つの他の共重合性モノマーとをベースとする不飽和ポリマー中の炭素−炭素二重結合の連続水素化方法であって、前記不飽和ポリマー、前記触媒、および水素を、静的内部要素を備えた反応器に通す方法。
【請求項2】
前記内部要素がオープン羽根形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記静的内部要素を備えた反応器内の温度が100〜260℃、好ましくは100℃〜180℃の範囲にあり、かつ前記静的内部要素を備えた反応器内の圧力が0.1〜50MPa、好ましくは0.7MPa〜50MPa、より好ましくは約3.5〜10.5MPaの範囲にある、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記共役ジオレフィンが、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、および2,3−ジメチルブタジエン、好ましくはブタジエンおよび/またはイソプレンから選択される1つ以上の物質、最も好ましくはブタジエンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの他の共重合性モノマーが、アクリロニトリル、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルメタクリレート、メタクリロニトリル、ブチルメタクリレート、およびスチレンから選択される1つ以上の物質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒が均一触媒か不均一触媒かのいずれかである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が有機金属触媒、好ましくは金属または好ましくは金属化合物の形態のいずれかのロジウム、ルテニウム、チタン、オスミウム、パラジウム、白金、コバルト、ニッケル、またはイリジウムである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記不均一触媒が、白金、パラジウム、ニッケル、銅、ロジウム、およびルテニウムの金属の1つ以上を含み、かつ好ましくは、炭素、シリカ、炭酸カルシウム、または硫酸バリウムに担持されている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記有機金属触媒が、下記式
(RB)MX
(式中、Mはルテニウムまたはロジウムであり、Rは同一であるかまたは異なり、且つそれぞれがC〜Cアルキル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C15アリール基またはC〜C15アラルキル基であり;Bはリン、ヒ素、硫黄、またはスルホキシド基S=Oであり;Xは水素または陰イオン、好ましくはハロゲン、特に好ましくは塩素または臭素であり;lは2、3または4であり;mは2または3であり;nは1、2または3、好ましくは1または3である)
で表されるロジウムまたはルテニウム含有錯体触媒であり、特に好ましい触媒がトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)トリクロリド、およびトリス(ジメチルスルホキシド)ロジウム(III)トリクロリド、ならびに式((CP)RhHのテトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウムヒドリド、および前記トリフェニルホスフィンが完全にまたは部分的にトリシクロヘキシルホスフィンで置き換えられたものに相当する化合物である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記有機金属触媒が下記式
OsQX(CO)(L)(PR
(式中、Qは水素およびフェニルビニル基の1つであってよく;Xはハロゲン、テトラヒドロボレート、およびアルキル−またはアリール−カルボキシレートの1つであってよく;Lは、酸素分子、ベンゾニトリル、または配位子なしの1つであってもよく;Rはシクロヘキシル、イソプロピル、第二ブチル、および第三ブチルの1つであってよく、前記第三ブチルは1つのRがメチルであるときのみ存在し;但し、QがフェニルビニルであるときにはXはハロゲンであり且つLは配位子なしであり、また、Xがアルキル−またはアリール−カルボキシレートであるときにはQは水素であり且つLは配位子なしであり、前記ハロゲンは塩素および臭素から選択され、好ましくは、Qは水素であり、Xは塩素、テトラヒドロボレート、およびアセテートから選択され、Lは酸素分子であるか又は配位子なしであり、Rはシクロヘキシルまたはイソプロピルである)
で表されるオスミウム含有触媒である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
共触媒、好ましくはトリフェニルホスフィンがさらに存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記連続水素化が、炭化水素溶媒、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンおよびテトラヒドロフランから選択される溶媒、好ましくはモノクロロベンゼンおよびテトラヒドロフランから選択される溶媒、最も好ましくはモノクロロベンゼンの存在下で実施される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記溶媒中の前記不飽和ポリマーの濃度が約1重量%〜40重量%、好ましくは約2〜20重量%である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
水素(4)が、ガススパージャ経由で前記静的内部要素を備えた反応器(1)へ導入される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記静的内部要素を備えた反応器(1)が、加熱および/または冷却用のジャケットを有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
加熱および/または冷却用の前記ジャケットが、独立して運転することができる2つ以上のチャンバーを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記不飽和ポリマー、前記溶媒、および前記水素が、前記静的内部要素を備えた反応器に送られる前にプレミキサーを通される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記触媒が、前記プレミキサーに、および/または前記静的内部要素を備えた反応器に加えられる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記触媒が、前記静的内部要素を備えた反応器に、その長さに沿った1つ以上の異なる区域で添加される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記プレミキサーが攪拌機を備えている、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記攪拌機が、傾斜羽根攪拌機またはタービンである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記不飽和ポリマー溶液、前記触媒、および水素が、前記静的内部要素を備えた反応器の底部から最上部へ垂直にポンプ注入される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記静的内部要素を備えた反応器と前記プレミキサーとが、ループモードで運転される、請求項17〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記静的内部要素を備えた反応器で得られた生成物混合物が、熱交換器で冷却される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記熱交換器からの前記生成物混合物が、気/液分離器に送られる、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−31276(P2010−31276A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−172454(P2009−172454)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(506241042)ランクセス・インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】