説明

両性界面活性剤を用いた方法

媒質または基材に表面効果を提供する方法であて、式(I)の化合物を、
【化1】


(式中
aは、線状または分岐F(CF2n(CH2CF2m−または線状または分岐F(CF2r−O−B−であり;
Bは、任意選択により2個の炭素原子に各々結合された1〜2個のカテナリー酸素原子により中断された(Cs2s)であり、
(r+s)が最大7であることを条件として、nは2〜4、mは1〜4、rは1〜4、sは1〜4であり、
AはOまたは(CH2k−COOであり、
1は水素またはメチルであり、
2およびR3は各々独立して、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
p、qおよびkは各々独立して、1〜10の整数である。)
媒質または基材と接触させるステップを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の利用分野において表面効果を提供するための方法における少なくとも1つのフッ化ビニリデンまたは酸素部分を含む両性フッ素化スルホン酸塩化合物の使用に関し、油田の利用分野およびコーティングの利用分野に特に適している。
【0002】
フッ素化スルホン酸塩は、さまざまな利用分野において界面活性剤として有用である。市販のフッ素化界面活性剤は通常、ペルフルオロアルキル末端鎖を含む。Hondaらは、「Molecular Aggregation Structure and Surface Properties of Poly(fluoroalkylacrylate) Thin Films」、Macromolecules(2005)、38(13)、5699−5705中で、ペルフルオロアルキル鎖を平行な配向に維持するには、少なくとも8個の炭素のペルフルオロアルキル鎖が必要であることを開示している。連続する過フッ素化炭素を7個以下しか含まないこのようなペルフルオロアルキル鎖については、再配向が発生し、それが所望の表面特性を示す能力を低減させるかあるいは排除する。こうして、所与の濃度でより高いフッ素含有量を有するより長いペルフルオロアルキル鎖が、通常、より優れた性能を提供する。しかしながら、より長いペルフルオロアルキル鎖から誘導されたフッ素化材料は、より高価である。したがって、同じかまたはそれ以上の性能を提供すると共にフッ素含有量を削減することが望ましい。
【0003】
米国特許第6,201,122号明細書は、フルオロ脂肪族ラジカル基が3〜20個の炭素を含みかつ好ましくはCnF2n+1である(なおnは4〜10である)フルオロ脂肪族ラジカル含有スルホンアミドアニオン化合物を開示している。化合物は、液体系中においてアニオン界面活性剤として有用である。しかしながら、アニオン界面活性剤は、消火の利用分野および油田の利用分野において一般に使用されている調合物などの一部の最終用途の利用分野において、調合物から沈殿するものとして公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より低コストで同等かまたは改善された表面性能を達成するために、部分的にフッ素化されたまたはより短かいフッ素化された末端基を含む界面活性剤を用いて表面効果を付与する方法を得ることが所望される。同様に、利用される調合物からの沈殿なくさまざまな利用分野で有用なこのような方法を得ることも所望される。本発明はそのような方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、媒質(medium)または基材に表面効果を提供する方法であって、式(I)の化合物を、
【0006】
【化1】

【0007】
(式中
aは、線状または分岐F(CF2n(CH2CF2m−または線状または分岐F(CF2r−O−B−であり;
Bは、任意選択により2個の炭素原子に各々結合された1〜2個のカテナリー酸素原子により中断された(Cs2s)であり、
(r+s)が最大7であることを条件として、nは2〜4、mは1〜4、rは1〜4、sは1〜4であり、
AはOまたは(CH2k−COOであり、
1は水素またはメチルであり、
2およびR3は各々独立して、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
p、qおよびkは各々独立して、1〜10の整数である。)
媒質または基材と接触させるステップを含む方法を含む。
【0008】
本発明はさらに、上記に定義した式(I)の化合物を媒質と接触させるステップを含む、水性媒質の表面張力を低下させる方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、商標は大文字で示されている。
【0010】
本発明は、上記に定義した式(I)の化合物を媒質または基材と接触させるステップを含む、媒質または基材に対し表面効果を提供する方法を含む。
【0011】
本発明は、両親媒性を有する化合物を利用する低濃度で水性媒質の表面張力を低減させる方法を含む。「両親媒性」とは、化合物が異なる種類の媒質に対して親和性を有することを意味する。
【0012】
本発明の方法は、
【0013】
【化2】

【0014】
という式(I)の化合物であって、式中
aは、線状または分岐F(CF2n(CH2CF2m−または線状または分岐F(CF2r−O−B−であり;
Bは、任意選択により2個の炭素原子に各々結合された1〜2個のカテナリー酸素原子により中断された(Cs2s)であり、
(r+s)が最大7であることを条件として、nは2〜4、mは1〜4、rは1〜4、sは1〜4であり、
AはOまたは(CH2k−COOであり、
1は水素またはメチルであり、
2およびR3は各々独立して、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
p、qおよびkは各々独立して、1〜10の整数である、
化合物を使用する。
【0015】
本発明の方法において使用するために好ましい式(I)の化合物は、RaがF(CF2n(CH2CF2m−であり、式中nが1〜4であり、mが1〜3、好ましくは2である化合物である。同様に好ましいのは、RaがF(CF2r−O−Bであり、式中rが2〜4、好ましくは3〜4であり、Bが(Cs2s)であり、ここでsが2〜3、好ましくは2である化合物である。
【0016】
式(I)の化合物は、
【0017】
【化3】

【0018】
という式(II)の中間体アミンから調製され、ここでRa、p、q、R1、R2およびR3は式(I)において上で定義されているものと同じである。式(II)の化合物は、アルファエチレン酸、脂肪族ラクトンまたはベータ−ハロ−カルボン酸と反応させられて、式(I)の化合物を生成する。例えば、式(II)中の中間体アミンは、約24時間約78℃の温度でクロロ酢酸ナトリウムと反応させられて、Aが(CH2k−C(O)Oである式(I)の化合物を生成する。あるいは、式(II)中の中間体アミンは酸化されて、AがOである式(I)の化合物を生成する。例えば、式(II)の中間体アミンは、約56時間約50℃の温度で過酸化水素と反応させられ、その後過酸化水素の2回目の添加が行なわれ、反応はさらに12時間約50℃に保持されて、AがOである式(I)の化合物を生成する。
【0019】
式(II)の中間体アミンは、アミン、好ましくはジアミノプロピルアミンを
a−(CH2p−SO2Cl (III)
という式(III)のフッ素化塩化スルホニルと反応させることによって合成することができ、ここで式中Raおよびpは式(I)において定義される通りである。
【0020】
式(III)のフッ素化塩化スルホニルは、
a−(CH2p−SCN (IV)a
という式(IV)のフッ素化チオシアン酸塩(なお式中Raおよびpは式(I)に定義されている通りである)を塩素および酢酸と約45℃〜50℃で反応させることによって形成される。
【0021】
式(IV)のフッ素化チオシアン酸塩は、
a−(CH2p−I (V)
という式(V)のヨウ化エチレンを90℃で塩化トリオクチルメチルアンモニウムおよびチオシアン酸カリウムと反応させることによって調製される。
【0022】
式(V)のヨウ化エチレンは、
a−I (VI)
という式(VI)のフッ素化ヨウ化物(なお式中Raは式(I)において上で定義された通りである)を米国特許第3,979,469号明細書(Ciba−Geigy,1976)中に記載された手順によってエチレンと反応させることにより調製される。
【0023】
F(CF2n(CH2CF2mIという式を有する式(VI)のフッ素化ヨウ化物は、フッ化ビニリデン(VDF)を線状または分岐ヨウ化ペルフルオロアルキルと短鎖重合させることにより生成される。例えば、Balagueら、「Synthesis of fluorinated telomers、Part1、Telomerization of vinylidene fluoride with perfluoroalkyl iodides」、J.Flour Chem.(1995)、70(2)、215−23を参照のこと。式(I)の化合物(なおここでRaはF(CF2n(CH2CF2m−である)を製造するのに必要とされるヨウ化物の好ましい例としてはF(CF24(CH2CF2)IおよびF(CF24(CH2CF22Iが含まれる。
【0024】
式F(CF2r−O−B−(なお式中Bは上記に定義した通りである)を有する式(VI)のフッ素化ヨウ化物は、米国特許第5,481,028号明細書に記載されている手順によって製造可能なヨウ化ペルフルオロアルキルエーテルから調製され得る。好ましいのは、実施例8中のプロセスである。この特許は、ペルフルオロ−n−プロピルビニルエーテルからのヨウ化ペルフルオロアルキルエーテルの調製を開示している。RaがF(CF2r−O−B−である式(I)の化合物を製造するために必要とされるヨウ化物の好ましい例は、F(CF23O(CF22I、F(CF22O(CF24IおよびF(CF24O(CF22Iである。
【0025】
本発明の好ましい実施形態において、これらの方法では、
【0026】
【化4】

【0027】
という具体的式を有する式(I)の界面活性剤が使用され、式中、mは1〜4でありn、p、k、R1、R2およびR3は式(I)において上記に定義された通りである。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施形態において、これらの方法では、
【0029】
【化5】

【0030】
という具体的な式を有する式(I)の界面活性剤が使用され、式中r、B、p、q、k、R1、R2およびR3は式(I)において上記に定義された通りである。
【0031】
本発明のさらに好ましい実施形態において、これらの方法では、
【0032】
【化6】

【0033】
という具体的な式を有する式(I)の界面活性剤が使用され、式中mは1〜4であり、n、p、k、R1、R2およびR3は、式(I)において上記に定義された通りである。
【0034】
本発明のさらに好ましい実施形態において、これらの方法では、
【0035】
【化7】

【0036】
という具体的な式を有する式(I)の界面活性剤が使用され、式中r、B、p、q、R1、R2およびR3は、式(I)において上記に定義された通りである。
【0037】
本発明の方法は、低濃度で水溶液の表面張力を有意に低減させる。用途としては、膜形成、発泡、濡れ、レベリング、分散および乳化剤として、が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明の一実施形態は、低濃度で式(I)の化合物と水性媒質を接触させるステップを含む、表面張力を低下させる方法にある。この方法は、約0.5重量%未満そして好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは約0.1重量%未満の媒質中の界面活性剤濃度で、水性媒質の表面張力を1メートルあたり約25ミリニュートン未満、好ましくは約20ミリニュートン未満の値まで低下させることができる。これらの方法は、界面上の選択的吸着により低濃度で表面張力を低下させるその効率によって特徴づけされ、それは界面活性剤の両親媒性によって決定される。
【0039】
本発明の方法において使用するためには、多様な媒質のうちのいずれでも適切である。典型的には、媒質は液体である。適切な媒質の例としては、水溶液、水、海水、食塩溶液、炭化水素、ハロカーボン系、コーティング組成物、ラテックス、ポリマー、床仕上げ剤、インク、油田またはガス田添加剤またはストリーム、乳化剤、発泡剤、離型剤、撥水剤、流動性改良剤、膜蒸発抑制剤、濡れ剤、浸透剤、清浄剤、研削剤、電気メッキ剤、腐食防止剤、エッチング溶液、半田剤、分散助剤、微生物剤、パルプ化助剤、すすぎ助剤、艶出剤、パーソナルケア組成物、乾燥剤、帯電防止剤、床磨き剤または結合剤が含まれる。本発明の方法において式(I)の化合物を媒質に添加すると、結果として、化合物の界面活性剤特性に起因して媒質の表面張力が低下することになる。式(I)の化合物は典型的に、媒質と単に配合されるかまたはこれに添加される。表面張力を約25mN/m未満、好ましくは約20nM/m未満まで低下させるには、約0.1重量%の界面活性剤濃度で充分である。
【0040】
本発明の別の実施形態は、媒質または基材に表面効果を提供する方法を含む。表面効果は、式(I)の化合物を媒質または基材と接触させることによって提供される。適切な媒質は、上記に論述された通りである。コーティングされた基材のためには、式(I)の化合物は多くの場合、基材上への堆積に先立ちコーティングベースに添加される。表面効果には、例えば表面張力の低下に加えて、レベリングおよび濡れが含まれる。本明細書で使用される「レベリングおよび濡れ」は、基材に塗布された時のコーティングの被覆均一性を意味する。縞、表面欠陥または縁部における基材表面からのコーティングの剥がれ、その他が存在することは望ましくない。平担なコーティングは、基材表面上により優れた乾燥済みコーティングを提供する。
【0041】
本発明中「コーティングベース」という用語で呼ばれている適切なコーティング組成物には、アルキドコーティング、タイプIのウレタンコーティング、不飽和ポリエステルコーティング、または水分散型コーティングの組成物、典型的には液体調合物が含まれ、これは、基材表面上に長持ちする膜を作り上げる目的で基材に塗布される。これらは、従来の塗料、ステインおよび類似のコーティング組成物である。
【0042】
本発明中で使用されている「アルキドコーティング」という用語は、アルキド樹脂系の従来の液体コーティング、典型的には塗料、透明コーティングまたはステインを意味する。アルキド樹脂は、不飽和脂肪酸残基を含む複雑な分岐および架橋ポリエステルである。従来のアルキドコーティングは、結合剤または膜形成構成成分として、硬化性または乾燥性アルキド樹脂を使用している。アルキド樹脂コーティングは、乾性油に由来する不飽和脂肪酸残基を含む。これらの樹脂は、酸素または空気の存在下で自発的に重合して固い保護膜を生成する。重合は、「乾燥」または「硬化」と呼ばれ、油の脂肪族構成成分中の不飽和炭素−炭素結合の、大気中の酸素による自動酸化の結果として発生する。調合されたアルキドコーティングの薄い液体層として表面に塗布された場合、形成する硬化膜は、比較的硬質で、非溶融性で、未酸化アルキド樹脂または乾性油のための溶剤または希釈液として作用する多くの有機溶剤中で実質的に不溶性である。このような乾性油は油性コーティングの原料として使用されてきており、文献中に記載されている。
【0043】
以下で使用する「ウレタンコーティング」という用語は、タイプIのウレタン樹脂系の従来の液体コーティング、典型的には塗料、透明コーティングまたはステインを意味する。ウレタンコーティングは、典型的には、ポリイソシアネート、通常はジイソシアン酸トルエンと乾性油酸の多価アルコールエステルとの反応生成物を含む。ウレタンコーティングは、ASTM D−1により5つのカテゴリーに分類される。タイプIのウレタンコーティングは、先に引用したSurface Coating Vol.I中に記載されている予備反応した自動酸化性の結合剤を含む。これらは同様に、ウラルキド類、ウレタン変性アルキド類、油変性ウレタン類、ウレタン油またはウレタンアルキドとして公知であり、ポリウレタンコーティングの最大のカテゴリーであり、塗料、透明コーティングまたはステインを含む。硬化したコーティングは、結合剤中の不飽和乾性油残基の空気酸化および重合によって形成される。
【0044】
以下で使用される「不飽和ポリエステルコーティング」という用語は、モノマー中に溶解させられ必要に応じて開始剤および触媒を含み、典型的には塗料、透明コーティングまたはゲルコート調合物としての、不飽和ポリエステル樹脂系の従来の液体コーティングを意味する。不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和プレポリマーとして、無水物形態の不飽和酸、例えばマレイン酸(マレイン酸および飽和酸例えばフタル酸)と、1,2−プロピレングリコールまたは1,3−ブチレングリコールなどのグリコールの縮合重合から得られた生成物を含む。不飽和プレポリマーは、鎖内に不飽和を含む線状ポリマーである。これは、最終的樹脂を生成するため例えばスチレンなどの適切なモノマー中に溶解させられる。フリーラジカル機序を用いて線状ポリマーおよびモノマーの共重合によって、膜が生成される。フリーラジカルは、熱によって、あるいはさらに通常は、別個に包装され使用前に添加される過酸化ベンゾイルなどの過酸化物の添加により生成され得る。このようなコーティング組成物は、頻繁に「ゲルコート」仕上げ剤と呼ばれる。室温でコーティングを硬化させるため、過酸化物のフリーラジカルへの分解は、一部の金属イオン、通常はコバルトによって触媒される。過酸化物とコバルト化合物の溶液は、ミックスに別個に添加され、塗布の前に充分撹拌される。フリーラジカル機序によって硬化する不飽和ポリエステル樹脂は同様に、例えば紫外光を用いた照射硬化にも適している。この硬化形態では、熱が全く発生せず、木材または板材上の膜に特に適している。他の放射線源例えば電子ビームによる硬化も同じく使用される。
【0045】
本明細書中で使用される「水分散型コーティング」という用語は、膜形成材料が水相中に分散したエマルジョン、ラテックスまたは懸濁液などの水を必須分散性構成成分として構成された、基材の装飾または保護用に意図されたコーティングを意味する。「水分散型コーティング」は、数多くの調合物を記述する一般的分類であり、上述の分類の成員ならびに他の分類の成員を含む。水分散型コーティングは一般に他の共通のコーティング成分を含む。水分散型コーティングの例としては、着色コーティング、例えばラテックス塗料、非着色コーティング例えばウッドシーラー、ステインおよび仕上げ剤、石積みおよびセメント用のコーティングそして水性アスファルトエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。水分散型コーティングには、任意選択により、界面活性剤、保護コロイドおよび増粘剤、顔料および体質顔料、防腐剤、防かび剤、凍結融解安定剤、消泡剤、pH制御剤、合体助剤(calescing aids)、およびその他の成分が含まれる。ラテックス塗料のための膜形成材料は、アクリレートアクリル樹脂ビニルアクリル樹脂、ビニルまたその混合物のラテックスポリマーである。このような水分散型コーティング組成物は、C.R.Martensにより「Emulsion and Water−Soluble Paints and Coatings」(Reinhold Publishing Corporation、New York、NY、1965)中に記載されている。
【0046】
本明細書中で使用される「乾燥したコーティング」という用語は、コーティング組成物が乾燥、固化または硬化した後に得られる最終的な装飾的および/または保護的な膜を意味する。このような最終的な膜は、非限定的な例として、硬化、合体、重合、相互侵入、放射線硬化、紫外線硬化または蒸発によって得ることができる。最終的な膜は、同様に、乾式コーティングなどにおいて乾燥した最終状態でも適用可能である。
【0047】
本発明の方法においてコーティングベースに対する添加剤として使用される場合、上記に定義された式(I)の化合物は、コーティングベースまたは他の組成物に対して、それを室温または周囲温度で完全に撹拌することで効果的に導入される。機械的振とう機を使用すること、あるいは熱を提供することまたはその他の方法などにより、さらに入念な混合を利用することができる。このような方法は必要なわけではなく、また最終的組成物を実質的に改善するわけでもない。ラテックス塗料に対する添加剤として使用される場合、本発明の組成物は一般に、式(I)の化合物の乾燥重量として約0.001重量%〜約5重量%で湿潤塗料中に添加される。好ましくは、おおよそ約0.01重量%〜約1重量%、そしてより好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%が用いられる。
【0048】
床用ワックス、磨き剤または仕上げ剤(以下「床仕上げ剤」と呼ぶ)は一般に水性または溶剤系のポリマーエマルジョンである。本発明の方法は、このような床仕上げ剤に使用するのに適している。市販の床仕上げ剤組成物は典型的に、1つ以上の有機溶剤、可塑化剤、コーティング助剤、消泡剤、界面活性剤、ポリマーエマルジョン、金属錯化剤、およびワックスである。通常、ポリマーの生成物の粘度、膜硬度および耐劣化性を制御するために、粒径範囲および固形物含有量が制御される。極性基を含むポリマーは、溶解度を高めるために機能し、高い光沢および反射像の高い明瞭度などの優れた光学特性を提供する濡れ剤またはレベリング剤として作用し得る。
【0049】
床仕上げ剤中で使用するための好ましいポリマーとしては、アクリルポリマー、環状エーテルから誘導されたポリマー、ビニル置換芳香族化合物から誘導されたポリマーが含まれる。アクリルポリマーには、さまざまなポリ(アルキルアクリレート類)、ポリ(アルキルメタクリレート類)、ヒドロキシル置換ポリ(アルキルアクリレート類)およびポリ(アルキルメタクリレート類)が含まれる。床仕上げ剤中に使用される市販のアクリルコポリマーとしては、例えばメチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(MMA/BA/MAA)コポリマー;メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(MMA/BA/AA)コポリマーなどが含まれる。市販のスチレン−アクリルコポリマーには、スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸(S/MMA/BA/MMA)コポリマー;スチレン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸(S/MMA/BA/AA)コポリマーなどが含まれる。環状エーテルから誘導されたポリマーは、通常環内に2〜5個の炭素原子を含み、その上で任意選択のアルキル基が置換されている。例としては、さまざまなオキシラン類、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類、ジオキサン類、トリオキサン類およびカプロラクトンが含まれる。ビニル置換芳香族化合物から誘導されたポリマーには、例えば、スチレン類、ピリジン類、共役ジエン類およびそのコポリマーから製造されたものが含まれる。床仕上げ剤には、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類およびポリシロキサン類も同様に使用される。
【0050】
床仕上げ剤において使用されるワックスまたはワックス混合物としては、植物、動物、合成および/または鉱物由来のワックスがある。代表的ワックスには、例えば、カルヌバ、カンデリラ、ラノリン、ステアリン、蜜蝋、酸化ポリエチレンワックス、ポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレン、エチレンとアクリルエステルのコポリマー、水素化ココナツ油または大豆油、およびミネラルワックス、例えばパラフィンまたはセレシンが含まれる。ワックスは典型的に、仕上げ剤組成物の重量に基づいて約0〜約15重量パーセントそして好ましくは約2〜約10重量パーセントの範囲内にある。
【0051】
床仕上げ剤に対する添加剤として使用される場合、上記に定義されている式(I)の化合物は、それを室温または周囲温度で完全に撹拌することで組成物に対して効果的に導入される。機械的振とう機を使用すること、あるいは熱を提供することまたはその他の方法などにより、さらに入念な混合を利用することができる。床仕上げ剤に対する添加剤として使用される場合、式(I)の化合物は一般に、式(I)の化合物の乾燥重量で約0.001重量%〜約5重量%で湿潤組成物中に添加される。好ましくは、おおよそ約0.01重量%〜約1重量%、そしてより好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%が用いられる。
【0052】
床用ワックスまたは磨き剤は水性または溶剤系でありポリマーである。本発明の方法は、これらのいずれについての使用にも適している。水性およびポリマーワックスは、乾燥後にバフ仕上げ無しで高い光沢を示す。溶剤系ワックスは積極的なバフ仕上げを必要とする。アスファルト、ビニル、ビニルアスベストおよびゴムタイル張りの床には水性ワックスが推奨され;溶剤系ワックスは、硬質の光輝仕上げを生成し、木材、コルクおよびテラゾ床には最高である。ポリマーまたは樹脂などの自己研磨性ワックスは、黄変または変色し、通行量の多い部域内ではすり減る。これらは剥ぎ取った後に3層または4層で再塗布しなければならない。
【0053】
本発明の別の実施形態において、本発明の方法は、ガス田および油田の利用分野で有用である。本発明において、炭化水素は、地下ゾーンから産生または回収されるガスまたは石油産物のいずれかである。坑井または坑井掘削孔が掘削されて、このような炭化水素を含む地下ゾーンに貫入するように作成される。本発明の方法は、坑井掘削孔周囲の地下層の表面張力などの濡れ性および表面条件を改質し改善する目的で界面活性剤または発泡剤を提供するために有用であり、かつ浸透性および流速を改善して油井またはガス井の回収および生産性を高めるためにも有用である。
【0054】
本発明中で使用される「掘削流体」という用語は、掘削作業の前またはその最中に炭化水素またはガスを含む地下ゾーンに貫入する坑井または坑井掘削孔に付加される液体を意味する。例としては、水、塩水、溶剤、炭化水素、界面活性剤、油、ケロシン、破砕流体、刺激流体、油性掘削泥、粘土安定剤、処理流体およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0055】
本発明中で使用される「坑井流体」という用語は、炭化水素またはガスを含む地下ゾーンに貫入する坑井または坑井掘削孔内に発生するかまたはそれに添加される液体を意味する。例としては、掘削流体、水、塩水、溶剤、炭化水素、界面活性剤、油、ケロシン、破砕流体、刺激流体、油性掘削泥、粘土安定剤、処理流体およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0056】
本発明中で使用される「液体処理ストリームまたは気体処理ストリーム」という用語は、炭化水素またはガスを抽出する作業において、炭化水素またはガスを含む地下ゾーンに貫入する坑井内にまたは坑井掘削孔部域内に注入される液体組成物または気体組成物またはその組合せを意味する。例としては、蒸気、掘削流体、坑井流体、刺激流体、水、塩水、溶剤、炭化水素、界面活性剤、破砕流体、油性掘削泥、粘土安定剤、処理流体およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0057】
本発明の方法は、油田およびガス田の利用分野のための界面活性剤または発泡剤として作用する式(I)の化合物を提供する。この実施形態において、式(I)の化合物は典型的に、水、食塩溶液、KCl溶液、HCl溶液、炭化水素、ハロカーボン、掘削流体、坑井流体、液体処理ストリーム、気体処理ストリームおよびそれらの混合物からなる群から選択された水性媒質または溶剤媒質中で使用される。本発明の方法は、地下層のための掘削流体、坑井流体および他の処理流体中に添加剤を提供して、このような作業において用いられるかまたは遭遇する流体、油、凝縮物および泥の表面張力、濡れ性または粘度を改変することによりガスまたは石油の回収を増強するために有用である。界面活性剤は地下層の多孔質岩石または土壌媒質を発泡させるためまたは他の公知の坑井または坑井掘削孔処理のために使用可能である。
【0058】
本発明は、式(I)の化合物と媒質を含む界面活性剤または発泡性流体を提供し、ここで式(I)の化合物は、媒質中に、約0.001重量%〜約50重量%の濃度範囲内、好ましくは約0.01重量%〜約30重量%の範囲そしてより好ましくは約0.05重量%〜約20重量%の範囲内で存在する。
【0059】
本発明は、炭化水素を含む地下層内部の表面張力を低下させる方法であって、地下層と接触させられる担体である媒質に対して上述の式(I)の化合物を添加するステップを含む方法を含む。1つの接触方法は、例えばダウンホール、坑井または坑井掘削孔を使用することによる地下層内への担体または媒質の注入である。式(I)の化合物は、地下層から石油またはガスを取り出すための作業中に地下層と接触することになる流体または気体などの担体または媒質に添加される。例としては、掘削流体、坑井流体、刺激流体、液体処理ストリーム、気体処理ストリーム、破砕流体、粘土安定剤または地下層から炭化水素を抽出する時に使用される他の液体または気体が含まれる。式(I)の化合物を利用する本発明の方法は、さまざまな液体のプレフラッシュ(pre−flush)の注入前処理ステージの1つ以上において、またはマトリクスまたは刺激活動において;さまざまな担体流体内の主要ステージにおいて、または特定の時間の地下層の浸漬において;または界面活性剤組成物を含む流体のより良い配置を達成するための変位作業用の後処理ステージにおいて使用可能である。式(I)の化合物は、媒質内で液体、エマルジョン、分散または発泡剤の形で使用される。
【0060】
発泡は、生産および回収の増強のため油田および/またはガス田の利用分野で掘削流体、坑井流体および他の流体に対する添加剤として使用された場合に、本発明の方法において用いられる界面活性剤に所望される特性である。掘削または坑井処理プロセス中に、式(I)の化合物を含む水性または溶剤系の掘削流体、坑井流体、液体または気体処理ストリームまたは他の担体組成物は発泡し、したがって、生産および回収の増強のための利点を提供する。界面活性剤および発泡特性に由来するこのような利点の例としては、ドリル用ビットおよび坑井掘削孔処理部域の周囲の坑井からの微粒子の除去を補助すること、ならびにドリル用ビットおよび坑井掘削孔処理部域の周囲で流体が接触する場合に浸透性および濡れ性を調整することがある。本発明の方法を用いた界面活性剤の添加は、油井/ガス井の掘削流体および処理流体の発泡特性を高める。これらの微粒子が効率良く除去されない場合、結果としてドリル用ビットのヘッドに損傷を与え、交換または修理の時間およびコストがかかる可能性がある。さらに、本発明の方法は、炭化水素の粘度を削減して抽出をより容易にするためにも有用である。
【0061】
上記に定義した式(I)の界面活性剤と炭化水素を含む地下層を接触させることの別の利点は、地下層からの炭化水素抽出作業中に炭化水素の生産を刺激するための方法が提供されるということにある。本発明の方法は、水圧破砕および酸処理などの刺激活動のための刺激流体添加剤として、式(I)の界面活性剤化合物を利用する。これらの状況下では、界面活性剤の安定した泡は、地下層表面(岩石)上の刺激流体の濡れを改善して、坑井掘削孔領域のより深い貫入およびより優れた刺激を可能にする。これらの添加剤の低い表面張力により、本発明の方法を用いてダウンホールからより効率良くかつ容易に刺激流体を回収することができる。その結果、坑井はガスおよび石油をより効率良く生産できるようになる。
【0062】
本発明の方法はさらに、坑井および坑井掘削孔部域内の水ブロックまたは凝縮物ブロックを防止し是正するための助剤を提供する上で有用である。水は、油井またはガス井の坑井掘削孔の近くに蓄積し、石油またはガスの相対的浸透性を低下させることにより(これを水ブロックと呼ぶ)生産性を低減させる可能性があることがわかっている。さらに、液体炭化水素も蓄積して、凝縮物ブロックとして公知の坑井掘削孔領域の近位または遠位でのガス井の生産性の低下をひき起こし得る。本発明の方法において使用される化合物は、水ブロックまたは凝縮物ブロックのこのような液体蓄積の少なくとも一部分の除去を助けるため、あるいはこのようなブロックにおける液体蓄積の形成を削減または防止するために、使用可能である。本発明の方法において用いられる界面活性剤は、その表面活性特性により濡れ性および浸透性を改変するために、地下層用の掘削流体、坑井流体および処理流体中の界面活性剤添加剤として有用である。このような界面活性剤は例えば地下層の多孔質岩石媒質内部で使用され、結果として圧力変化をもたらすことができるか、または泡として、ガスドレン経路を遮断し、結果として石油/ガスの回収を増大させることができる。
【0063】
本発明の方法には、上述の通り、複数の用途および利点がある。これらの方法は、表面張力の低下、レベリングおよび濡れならびに発泡などの表面効果を媒質および基材に提供する。本発明の方法において用いられる式(I)の化合物は、油田の利用分野または他の利用分野において一般的に用いられる調合物から沈殿しない。本発明の方法において用いられる化合物には、より短かい末端ペルフルオロアルキル基が存在しており、これは、存在するフッ素の減少に起因してより長鎖のペルフルオロアルキルよりも経済的でありながら、なお匹敵するかまたはそれ以上の性能を提供する。
【0064】
試験方法および材料
本明細書中の実施例においては、以下の試験方法および材料(中間体)が使用された。中間体の組成および実施例を確認するために、プロトンおよび19F NMRならびにエレクトロスプレー質量分光を使用した。
【0065】
試験方法
試験方法1−表面張力測定
実施例の表面張力は、機器に付属の使用説明書にしたがって、Kruess Tensiometer,K11 Version2.501を介して測定された。Wilhelmy Plate法が使用された。公知の周囲の垂直プレートをはかりに取付け、湿潤化に起因する力を測定した。各希釈度について10個の複製を試験し、以下の機械設定値を使用した:Plate Method SFT、間隔1.0秒、湿潤化長さ40.2mm、読取り限界10、標準偏差2 dynbes/cm min、および9.80665m/s2Gr.Acc。より低い表面張力はより優れた性能を表わしていた。
【0066】
分析すべき最高の濃度のフルオロ界面活性剤例のための原液を調製した。溶液の濃度は、活性成分の百分率、重量百分率またはフッ素百分率によるものであった。この原液は、表面張力が測定される目的である所望の利用分野に応じて、脱イオン水中、床磨き剤(Rohm & Haas、Philadelphia、PAより入手可能なRHOPLEX(登録商標)3829、Formulation N−29−1)中、水中2%のKCl中、または水中15%のHCl中で調製された。この原液は、脱イオン水中で調製された。完全な混合を確実に行うために、原液を一晩撹拌した(およそ12時間)。Mii=Mff(なお式中、Miは原液の濃度であり、Mfは最終溶液の濃度であり、Vfは試料の最終体積であり、Viは最終試料を調合するために必要とされる原液の体積である)という等式にしたがって原液を希釈することにより、分析のための追加の濃度のフルオロ界面活性剤の例を作製した。濃度希釈試料を撤底的に振とうし、次に30分間、かく乱の無い状態に放置した。これらの試料を次に混合し、小型容器に注ぎ込んだ。2%のKClおよび15%のHClの溶液は、坑井掘削孔を下方へ坑井内に圧送される刺激流体タイプとよく似ていることから、油田の利用分野のための表面張力測定において典型的に使用された。2%のKCl溶液は、坑井を水圧破砕するのに用いられる破砕流体の塩分に類似していた。15%のHCl溶液は、坑井内の地層岩石の溶解を助けるために用いられる酸性化刺激処理を模倣していた。床磨き剤は、基材に対する表面効果を提供することを実証するため、消費者、団体および産業部門における利用分野用に使用された。上述の通り機器に付属の使用説明書にしたがって、Kruess Tensiometer,K11 Version2.501を用いて、表面張力を測定した。より低い表面張力は、より優れた性能を表わしていた。
【0067】
試験方法2−レベリングと濡れ
試料の濡れおよびレベリング特性の性能を試験するために、床磨き剤(Rohm & Haas、Philadelphia、PAより入手可能なRHOPLEX3829、Formulation N−29−1)に対し以下の例を添加し、完全に清浄した12インチ×12インチ(30.36cm×30.36cm)のビニルタイル(Estrie、Sherbrooke、QC Canadaから入手可能なInterfuse Vinyl Tiles)の半分に塗布した。タイルを濡らし、粉末酸素漂白洗剤を加え、(3M Company、St.Paul MNから入手可能な)緑色SCOTCH−BRITE研磨パッドを用いて磨くことによって、タイルを完全に清浄した。この磨き手順は、タイル上に予め存在するコーティングを除去するために用いられた。タイルは当初均一な光輝仕上げを有しており、均一に艶の無い状態は、コーティングが除去されたことを表わしていた。タイルを次に一晩、空気乾燥させた。試験すべき界面活性剤の1重量%溶液を、脱イオン水中に希釈することにより調製した。樹脂メーカーのプロトコルにしたがって、RHOPLEX3829調合物の100g分量を調製し、その後1重量%の界面活性剤溶液0.75gを添加して試験用床磨き剤を得た。
【0068】
タイルの中央に試験用磨き剤3mL分量を置き、チーズクロスアプリケータを用いて上から下まで展延させ、最後にアプリケータを用いてタイルを横断して大きな「X字形」を置く。この「X字形」は、後に格付けステップにおいてレベリングの視覚的証拠を提供した。アプリケータは、2層の18×36インチ(46×91cm)のチーズクロスシート(VWR,West Chester PA製)を1つの8層パッドへと2回折り畳むことによって調製した。次にこのパッドのコーナーの1つをアプリケータとして使用した。タイルを30分間乾燥させ、合計5つの被膜(コーティング#1〜5)を塗布し乾燥させ、各コーティングの乾燥毎にX試験を実施した。
【0069】
【表1】

【0070】
試験方法3−発泡
発泡を評価するために用いられる試験手順は、ブレンダー発泡試験ASTM3519−88の改定版であった。ブレンダー、メスシリンダー、ガラス試料瓶およびストップウォッチを使用した。最初に、試験用ベース溶液の原液を作製した。これらの溶液は硬水、水道水、脱イオン水または人工海水であった。所望のベース試験溶液中活性成分0.1%のフルオロ界面活性剤100mLの試料を調製し、一晩撹拌して完全に混合させた。ブレンダーを、脱イオン水、次にアセトン、そしてその後再度脱イオン水で清浄した。ひとたび清浄になった時点で、ブレンダーを使用のために組立てた。100mLの試験用流体試料をブレンダージャー内に注ぎ込んだ。試験用流体の温度を温度計で測定し、記録した。その後、ブレンダーを50〜60%の出力で20秒間作動させた。20秒後、液体と泡を直ちに500mL入りメスシリンダーに注ぎ込んだ。mL単位で当初の液体と泡の高さを測定した。5分、10分および15分後に、液体と泡の高さを再度測定した。この時間中、泡の密度または持続性などの観察事項を全て記録した。ブレンダー発泡試験は、発生する泡の量および泡の持続性を測定するために使用された。この方法における変動によって最大10mLの泡の高さの差異が生み出される。
【0071】
材料
中間体1
窒素下で圧力容器にC37OCF2CF2I(100g、0.24mol)および過酸化ベンゾイル(3g)を投入した。一連の3つの真空/窒素ガスシーケンスを次に−50℃で実施し、エチレン(18g、0.64mol)を導入した。容器を24時間110℃で加熱した。オートクレーブを0℃まで冷却し、脱ガス後に開放した。その後、瓶内に生成物を収集した。生成物を蒸留し、その結果80gのC37OCF2CF2CH2CH2Iを80%収量で得た。沸点は、25mmHg(3333Pa)で56〜60℃であった。
【0072】
水中50gのC37OCF2CF2CH2CH2I(50g、0.11mol)と塩化トリオクチルメチルアンモニウム(0.2222g)の混合物に対してカリウムチオシネート(thiocynate)(21.34g、0.22mol)を添加した。反応を90℃で一晩加熱した。相分離の後、生成物C37OCF2CF2CH2CH2SCNを無色の液体(32g、78%)として蒸留した。
【0073】
塩素ガス(132g、1.86mol)と水(47g、2.6mol)をオートクレーブ内で45〜50℃で10時間にわたり、C37OCF2CF2CH2CH2SCN(231g、0.62mol)と酢酸(130g、2.17mol)の混合物中に補給した。45℃で3時間にわたりさらに10gの塩素を添加し、この温度で1時間加熱した。生成物を撹拌棒付きのフラスコ内で70℃で加熱し、149mLの熱水(70℃)を加えた。有機層を分離し、その後トルエン(125g)を添加した。トルエン中の生成物を70℃で3.5%の塩水溶液(149mL)で2回洗浄した。2回目の洗浄の後、ディーン・スタークストラップをセットして水を除去した。最終生成物は、トルエン中70重量%のC37OCF2CF2CH2CH2SO2Cl(228g、90%)であった。
【0074】
45℃で、ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)の混合物に対しC37OCF2CF2CH2CH2SO2Cl(100g、0.242mol、トルエン中66.8%)を滴下にて添加した。添加後、反応を一晩75℃で加熱した。反応質量を濾過し、60℃のトルエンでウェットケークを洗浄した。トルエンを除去した後、濃縮有機生成物を95℃の脱イオン水200mLで洗浄した。生成物中間体1、C37OCF2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(101g、87.2%)を、減圧下で水を除去した後、コハク色の固体として得た。
【0075】
中間体2
49CH2CF2I(217g、0.87mol)およびd−(+)−リモーネン(1g)を投入したオートクレーブに対してエチレン(25g、0.53mol)を導入し、その後、反応器を12時間240℃で加熱した。19〜24mmHgで81〜91℃の真空蒸留を介して生成物C49CH2CF2CH2CH2Iを62%の収量で得た。水中50gのC49CH2CF2CH2CH2I(50g、0.11mol)と塩化トリオクチルメチルアンモニウム(0.2222g)の混合物に対してカリウムチオシネート(thiocynate)(21.34g、0.22mol)を添加した。反応を90℃で一晩加熱した。相分離の後、生成物C49CH2CF2CH2CH2SCNを無色の液体(38g、95%)として蒸留した。
【0076】
塩素ガス(118g、1.66mol)と水(40g、2.22mol)をオートクレーブ内で45〜50℃で10時間にわたり、C49CH2CF2CH2CH2SCN(205g、0.56mol)と酢酸(109g、1.82mol)の混合物中に補給した。生成物を撹拌棒付きのフラスコ内で70℃で加熱し、熱水(70℃)を加えた。有機層を分離し、その後トルエン(216.25g)を添加した。トルエン中の生成物を70℃で3.5%の塩水溶液で2回洗浄した。2回目の洗浄の後、ディーン・スタークストラップをセットして水を除去した。最終生成物は、トルエン中70重量%のC49CH2CF2CH2CH2SO2Cl(228g、39%)であった。
【0077】
45℃でジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)の混合物に対しC49CH2CF2CH2CH2SO2Cl(100g、0.23mol、トルエン中70.3%)を滴下にて添加した。添加後、反応を一晩75℃まで加熱した。反応質量を濾過し、60℃のトルエンでウェットケークを洗浄した。トルエンを除去した後、濃縮有機生成物を95℃の脱イオン水200mLで洗浄した。生成物中間体2、C49CH2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(106g、96.8%)を、減圧下で水を除去した後、茶色の固体として得た。
【0078】
中間体3
Hastalloy C振とう管反応器にC49(CH2CF22I(327g、0.69mol)を投入し、一連の3回の真空/N2ガスシーケンスを行なった。エチレン(35g、2.57mol)を導入し、容器を3時間240℃まで加熱し、250psigの圧力を維持した。2回の組合せランの真空蒸留により、16〜20mmHgで111〜120℃の沸点を有する生成物C49(CH2CF22CH2CH2Iを572g(83%)得た。
【0079】
フラスコに、窒素下でC49(CH2CF22CH2CH2I(500g、0.996mol)、チオシアン酸カリウム(194g、1.99mol)および塩化トリオクチルメチルアンモニウム(ALIQUAT336)(4.02g、0.00995mol)を投入した。脱イオン水(500g、27.8mol)を添加し、反応混合物を18時間90℃まで加熱した。ガラス分液漏斗内で有機層を分離し、高温(70℃)の脱イオン水で洗浄した。生成物を高真空システム上で蒸留し、結果として407g(94.3%)のC49(CH2CF22CH2CH2SCN.;bp129〜133℃/1.0mmHgを得た。
【0080】
オートクレーブに窒素下でC49(CH2CF22CH2CH2SCN(269g、0.62mol)と酢酸(130g、2.17mol)を投入し、45〜50℃まで加熱した。推定速度で10時間塩素ガス(132g、1.86mol)を補給し、脱イオン水(47g、2.60mol)を8時間推定速度で補給した。補給後、反応を45〜50℃で1時間撹拌放置した。2回目の塩素ガス添加分(25g、0.352mol)を、45〜50℃で2.5時間にわたり補給し、1時間撹拌放置した。粗製生成物を70℃で加熱し、脱イオン水(149g、8.28mol)で洗浄した。有機層をガラス分液漏斗内で分離し、トルエン(125g、1.36mol)に添加し、その後、塩化ナトリウムの3.5%溶液(149g)で2回洗浄した。ディーンスタークトラップを用いて余剰の溶媒を除去し、生成物のトルエン中の活性成分を70.2%にセットし、結果として359g(85.6%)のC49(CH2CF22CH2CH2SO2Clを得た。
【0081】
ジメチルアミノプロピルアミン(41g、0.401mol)およびトルエン(62.6g、0.679mol)を、還流凝縮器、窒素入口、付加漏斗、磁気撹拌器および温度プローブが備わった三つ口丸底フラスコに投入した。混合物を45℃まで加熱し、その後C49(CH2CF22CH2CH2SO2Cl(100g、0.211mol)を滴下にて添加し、結果として発熱がもたらされた。反応混合物を24時間75℃まで加熱し、わずかな真空を用いてフリットガラスフィルターを通して濾過し、ウェットケークを加熱(60℃)したトルエン(89.5g、0.971mol)で洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、有機生成物を加熱(95℃)した脱イオン水(200g、11.1mol)で洗浄し、ガラス分液漏斗内で分離し、塩化ナトリウムの4%溶液(200g)で再度洗浄した。減圧下で、残留溶媒を全て蒸発させて、100g(87.7%)の中間体3、C49(CH2CF22CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32;mp52〜58℃を得た。
【実施例】
【0082】
実施例1
中間体1、C37OCF2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(7g、0.0146mol)を、エタノール(5.4g)、脱イオン水(0.193g、0.0107mol)、クロロ酢酸ナトリウム(1.74g、0.0149mol)およびセライト(2.75g)の混合物に添加した。反応を一晩還流させ、濾過した。エタノールと水を用いて、活性成分が27%になるまで、濾液C37OCF2CF2CH2CH2SO2−N(H)CH2CH2CH2N(CH32+CH2C(O)O-を希釈した。試験方法1〜3を用いて、生成物を試験した。結果は、表2〜7に列挙されている。
【0083】
実施例2
中間体1、C37OCF2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(20g、0.0418mol)およびエタノール(16.7g、0.320mol)の混合物を還流凝縮器、窒素入口、付加漏斗、磁気撹拌器および温度プローブが備わった三つ口丸底フラスコに投入し、50℃まで加熱した。過酸化水素(1.75g、0.514mol)を滴下にて添加し、56時間50℃に保持した。過酸化水素の2回目の添加量(1.75g、0.514mol)を反応に添加し、さらに12時間50℃に保持した酸化マンガン(IV)(0.004g、0.0000460mol)を漸進的に添加し、さらに16時間50℃に保持した。その後反応混合物を、わずかな真空を用いてフリットガラスフィルターを通して濾過し、余剰の溶媒を蒸発させた。これにより、11.8g(51.0%)のC37OCF2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2+(CH32-が生成され、これをエタノール(8.9g、0.193mol)と脱イオン水(8.9g、0.494mol)で希釈して活性成分が40%の濃縮溶液を得た。生成物を、試験方法1〜3を用いて試験した。結果は表2〜7に列挙されている。
【0084】
実施例3
中間体2、C49CH2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(7g、0.0147mol)を、エタノール(5.4g)、脱イオン水(0.193g、0.0107mol)、クロロ酢酸ナトリウム(1.74g、0.0149mol)およびセライト(2.75g)の混合物に添加した。反応を一晩還流させ、濾過した。エタノールと水を用いて、活性成分が27%になるまで、濾液C49CH2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32+CH2C(O)O-を希釈した。試験方法1〜3を用いて、生成物を試験した。結果は、表2〜7に列挙されている。
【0085】
実施例4
還流凝縮器、窒素入口、付加漏斗、磁気撹拌器および温度プローブが備わった三つ口丸底フラスコに、中間体3、C49(CH2CF22CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(20g、0.0370mol)、エタノール(13.6g、0.296mol)、脱イオン水(0.5g、0.0270mol)およびクロロ酢酸ナトリウム(4.4g、0.0377mol)を投入した。反応混合物を24時間、78℃まで加熱し、わずかな真空を用いてフリットガラスフィルターを通して濾過し、ウェットケークを加熱した(75℃)エタノール(150g、3.26mol)で洗浄した。その後、溶媒を減圧下で蒸発させて、9g(40.7%)の生成物、C49(CH2CF22CH2CH2SO2N(H)CH2CH2CH2N(CH32+CH2C(O)O-を得た。最終生成物をエタノール(11.7g、0.254mol)と脱イオン水(12.7g、0.704mol)で希釈して活性成分が27%の濃縮溶液を得た。試験方法1〜3を用いて生成物を試験した。結果は表2〜7に列挙されている。
【0086】
実施例5
中間体2、C49CH2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(20g、0.0420mol)およびエタノール(16.7g、0.363mol)の混合物を還流凝縮器、窒素入口、付加漏斗、磁気撹拌器および温度プローブが備わった三つ口丸底フラスコに投入し、50℃まで加熱した。過酸化水素(4.4g、0.129mol)を滴下にて添加し、17時間50℃に保持した。酸化マンガン(IV)(0.0102g、0.000118mol)を漸進的に添加し、さらに16時間50℃に保持した。その後反応混合物を、わずかな真空を用いてフリットガラスフィルターを通して濾過し、余剰の溶媒を減圧下で蒸発させた。これにより、14.3g(69.0%)のC49CH2CF2CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2+(CH32-が生成され、これを次にエタノール(10.7g、0.233mol)と脱イオン水(10.7g、0.594mol)で希釈して活性成分が40%の濃縮溶液を得た。生成物を、試験方法1〜3を用いて試験した。結果は表2〜7に列挙されている。
【0087】
実施例6
中間体3、C49(CH2CF22CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32(20g、0.0370mol)およびエタノール(14.7g、0.320mol)の混合物を還流凝縮器、窒素入口、付加漏斗、磁気撹拌器および温度プローブが備わった三つ口丸底フラスコに投入し、50℃まで加熱した。過酸化水素(3.9g、0.114mol)を滴下にて添加し、24時間50℃に保持した。酸化マンガン(IV)(0.009g、0.000104mol)を漸進的に添加し、さらに16時間50℃に保持した。その後反応混合物を、わずかな真空を用いてフリットガラスフィルターを通して濾過し、余剰の溶媒を蒸発させた。これにより、15.2g(74.1%)のC49(CH2CF22CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2+(CH32-が生成され、これをエタノール(11.4g、0.248mol)と脱イオン水(11.4g、0.633mol)で希釈して活性成分が40%の濃縮溶液を得た。生成物を、試験方法1〜3を用いて試験した。結果は表2〜7に列挙されている。
【0088】
比較例A
中間体1の手順を反復したが、ここではフッ素化ヨウ化物として式F(CF2nCH2CH2Iのヨウ化ペルフルオロアルキルエチル(式中nは6〜8の範囲内であった)を使用した。典型的混合物は以下の通りであった:n=4が0.68%、n=6が67.8%、n=8が19.5%、n=10が7.2%、n=12が2.4%、n=14が0.79%、n=16が0.23%、n=18が0.07%そしてn=20が0.02%。結果として得た生成物F(CF2nCH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32を、試験方法1にしたがって試験した。結果は表2にある。
【0089】
比較例B
中間体1の手順を反復したが、ここでは、式F(CF26CH2CH2Iのヨウ化ペルフルオロアルキルエチルを使用した。結果として得た生成物中間体を次に、実施例1のように反応させた。結果として得た生成物F(CF26CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2N(CH32+CH2C(O)O-を、試験方法1〜3にしたがって試験した。結果は表3〜7にある。
【0090】
比較例C
中間体1の手順を反復したが、ここでは式F(CF26CH2CH2Iのヨウ化ペルフルオロアルキルエチルを使用した。得られた中間体を次に実施例2と類似の形で反応させた。結果として得たF(CF26CH2CH2SO2N(H)−CH2CH2CH2+(CH32-を、試験方法1〜3の手順にしたがってレベリングおよび濡れについて試験した。結果は表3〜7中にある。
【0091】
【表2】

【0092】
脱イオン水の標準表面張力は72dyne/cmである。上述の界面活性剤を規定の割合で添加した場合、各々の水溶液の表面張力は著しく低下した。4個以下の完全にフッ素化された炭素を含む本発明の方法に使用された実施例1〜6の全てが、より高い濃度で、炭素4〜20個のペルフルオロアルキルの混合物を含む比較例Aに匹敵するかまたはそれ以上の性能を示した。
【0093】
【表3】

【0094】
ペルフルオロアルキル鎖中に介在するCH2またはOを含む本発明の方法において使用された実施例1〜6のフルオロ界面活性剤は、床仕上げ剤((RHOPLEX)調合物中で優れた濡れ性能を示した。実施例1、3および4は、比較例Bと同等の性能を示し、実施例2、5および6は比較例Cと同等の性能を示した。比較例BおよびCは各々、炭素6個のペルフルオロアルキルを1個含み、一方実施例1〜6のものは、炭素4個以下のペルフルオロアルキルを4個含んでいた。
【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【0097】
脱イオン水、2%KCl水溶液および15%HCl水溶液の正常な表面張力は約72〜76dyne/cmである。本発明の方法を用いて規定の速度で実施例1〜6を添加した場合、各水溶液の表面張力は有意に低減された。より高い濃度ではより優れた性能が得られた。ペルフルオロアルキル鎖中に介在するCH2またはOを含む本発明の方法において使用された実施例1、3および4および実施例2、5および6のフルオロ界面活性剤は、より高い濃度で、6個の炭素のペルフルオロアルキルを含むそれぞれ比較例BおよびCに匹敵するかまたはそれ以上の性能を示した。
【0098】
【表6】

【0099】
【表7】

【0100】
発泡は、油田の利用分野にとって重要な所望される特性である。利用された試験方法中における変動により、最大10mLの泡の高さの差異が生み出される。ペルフルオロアルキル鎖中に介在するCH2またはOを含む実施例1〜6は、6個の炭素のペルフルオロアルキルを含む比較例BおよびCと実質的に同等かまたはそれ以上の性能を示した。実施例は、同等かまたはそれ以上の泡の生成を当初実証し、経時的に泡を維持した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒質または基材に表面効果を提供する方法であって、式(I)の化合物を、
【化1】

(式中
aは、線状または分岐F(CF2n(CH2CF2m−または線状または分岐F(CF2r−O−B−であり;
Bは、任意選択により2個の炭素原子に各々結合された1〜2個のカテナリー酸素原子により中断された(Cs2s)であり、
(r+s)が最大7であることを条件として、nは2〜4、mは1〜4、rは1〜4、sは1〜4であり、
AはOまたは(CH2k−COOであり、
1は水素またはメチルであり、
2およびR3は各々独立して、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、
p、qおよびkは各々独立して、1〜10の整数である。)前記媒質または基材と接触させるステップを含む方法。
【請求項2】
aがF(CF2n(CH2CF2m−(式中nは2〜4、mが2である。)であるか、あるいはRaがF(CF2r−O−B−(式中rは3または4である。)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面効果が、表面張力の低下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記媒質中の前記式(I)の化合物の濃度が約0.5重量%未満で、前記媒質の前記表面張力が1メートルあたり約25ミリニュートン未満である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記媒質が、水、食塩溶液、KCl溶液、HCl溶液、掘削流体、坑井流体、地下層および坑井掘削孔部域用液体処理または気体処理ストリーム、炭化水素、ハロカーボン系、コーティング組成物、ラテックス、ポリマー、床仕上げ剤、床磨き剤、消火剤、インク、乳化剤、発泡剤、離型剤、撥水剤、流動性改良剤、膜蒸発抑制剤、濡れ剤、浸透剤、清浄剤、研削剤、電気メッキ剤、腐食防止剤、エッチング溶液、半田剤、分散助剤、微生物剤、パルプ化助剤、すすぎ助剤、艶出剤、パーソナルケア組成物、乾燥剤、帯電防止剤および結合剤からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記表面効果が、濡れ、浸透、延展、レベリング、流動、乳化、分散、撥水、離型、潤滑、エッチング、結合、および安定化からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記レベリングおよび濡れが、前記基材上へのコーティングベースの堆積に先立ち前記コーティングベースに前記式(I)の化合物を添加することによって、コーティングされた基材に対して提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティングベースが水分散型コーティング、アルキドコーティング、タイプIのウレタンコーティング、不飽和ポリエステルコーティング、床磨き剤または床仕上げ剤である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記式(I)の化合物が、炭化水素担持地下層と接触させるための媒質に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記媒質が、水、食塩溶液、KCl溶液、HCl溶液、炭化水素、ハロカーボン、掘削流体、坑井流体、刺激流体、地下層および坑井掘削孔部域用液体処理または気体処理ストリームからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記式(I)の化合物が約0.001重量%〜約50重量%の濃度で前記媒質中に存在する、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2013−508475(P2013−508475A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534233(P2012−534233)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/051742
【国際公開番号】WO2011/046795
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】