説明

両手用手袋

親指領域、人差し指領域、中指領域、薬指領域、および小指領域すべてを共通の軸に沿って整列させた両手用手袋である。人差し指領域は、中指領域、薬指領域および小指領域すべての向きに対して90度回転するので、手袋に手を挿入し易い。物を把持するのに使用される手袋の表面にはテクスチャ加工パターンが設けられる。このパターンは、浮出した扇形および浮出したひし形のうちいずれか一方である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
技術分野
本発明は概して手袋に関する。より特定的には、本発明は食品包装および加工産業、さらに特定的には赤身肉および家禽類加工産業において使用される保護手袋に関する。具体的には、本発明は、左手にも右手にも使用できる両手用手袋に関し、この手袋の人差し指領域は、この手袋の4本の指の領域が整列する軸に対して90度回転する。
【背景技術】
【0002】
背景情報
手袋は、食品加工および包装産業において、作業者の手を汚染および傷から保護するために使用される。一般的に作業者は、切り傷および擦過傷から保護する綿ニット材料であるかまたはアラミド繊維で作られたライナーを着用する。ライナーの上から着用される、より厚い防水性の手袋によって作業者は保護される。これら手袋は一般的に、これら手袋が使用される食品加工用途の種類に応じて異なるポリマーで製造される。鶏肉加工産業では、たとえば、これら外側の手袋は一般的に天然ゴムラテックスで作られる。牛肉および豚肉加工産業では、この手袋は一般的にアクリロニトリルブタジエン(ニトリル)、ポリクロロプレンまたはポリ塩化ビニルといったさまざまな合成ゴムで作られる。これら2つの業界で手袋に使用される材料が異なる理由は、鶏肉の脂肪で自然発生する化学物質が、天然ゴムラテックス以外の材料を腐食させる傾向があるためである。これは、手袋の表面の早期破損につながり、手袋は膨張し始める。一旦こうなるとこの手袋は廃棄しなければならない。手袋は対になっているので、作業者は一般的に、左右のうち一方しか破損していなくても左右両方の手袋を捨てなければならない。たとえ小規模の食品加工包装工場でも、まだ破損していない手袋をコンテナ1個分毎年廃棄処分にしなければならない。これは、事業のコスト増加につながる傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当該産業では、購入および廃棄しなければならない手袋の数の削減に役立つであろう改良された手袋が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本発明の考案品は、左手にも右手にも着用できるように特別に設計された両手用手袋である。
【0005】
この手袋は、親指領域と、人差し指領域と、中指領域と、薬指領域と、小指領域とを含み、これら領域はすべて共通の軸に沿って整列する。人差し指領域は、中指、薬指および小指領域すべての向きに対して90度回転するので、手袋に手を挿入し易い。物を把持するのに使用される手袋の表面には、テクスチャ加工パターンが設けられる。家禽類加工設備で使用される手袋と牛肉または豚肉加工設備で使用される手袋を区別するために、手袋の、物を把持するのに使用される面には浮出したテクスチャ加工パターンが設けられる。このパターンは、家禽類加工用手袋のための浮出した扇形か、牛肉または豚肉加工用手袋のための浮出したひし形形状の、いずれかである。このパターンは、食肉製品の把持および安全な取扱を助ける浮出したテクスチャである。
【0006】
好ましくは、この手袋は単体構造を有する。この手袋の製造に使用される材料は、手袋の指の内側の材料が手袋で最も厚くなるように徐々に厚みを増す材料であることが好ましい。
【0007】
出願人が原理を適用することを意図する最良の形態を例示する発明の好ましい実施の形態を、以下で説明し図面に示す。この実施の形態は、添付の特許請求の範囲において具体的かつ明確に示され記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に従う両手用手袋の正面図である。
【図2】図1の手袋の右側面図である。
【図3】図1の手袋の上面図である。
【図4】図1の手袋の下面図であり、手袋の開口を示し、人差し指領域、中指領域、および薬指領域への入口が、これらの指領域の間に位置する手のひら領域の部分とともに見えている。
【図5】本発明に従う両手用手袋の正面図であり、テクスチャ加工パターンが設けられた代替の実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
図1〜図5を参照して、全体を10で示す、本発明に従う両手用またはリバーシブルの手袋の第1の実施の形態が示される。手袋10は、鶏肉加工産業での使用を目的として設計されており、その外面に、以下で説明する扇形の把持パターンを有する。全体を110で示す、本発明に従う両手用手袋の第2の実施の形態が図5に示される。手袋110は、牛肉および豚肉加工産業での使用を目的として設計されており、その外面に、以下で説明する浮出したひし形の把持パターンを有する。手袋10および110は、左手にも右手にも着用できるように設計されている。図1および図4はいずれも、人の左手に着用する向きにされた手袋を示す。この手袋を人の右手に着用する向きにするには、手袋を長手方向の軸「Y」を中心として180度回転させるだけでよい。この回転を図1では矢印「A」で示している。
【0010】
図1〜図4を参照して、手袋10は、好ましくは食品加工および包装産業での使用を目的として設計され、したがって、これらの業界で使用するのに適した材料で製造される。具体的には、図1に示されるように、手袋10は、鶏肉加工および包装産業での使用を目的として設計されている。手袋10はしたがって、鶏肉の脂肪に触れたときに破損し難い天然ゴムラテックスまたはその他任意の適切な材料で製造されることが好ましい。適切な材料はまた、縫い合わせるかそうでなければ互いに固定しなければならない材料とは異なる、型で成型し得る種類のものでもあることが好ましい。
【0011】
手袋10は、手首領域12と、手のひら領域14と、親指領域と16と、4つの指領域18とを含む。手袋10には、表側の外面10aと裏側の外面10bとがある。手袋10は、表側の面10aと裏側の面10bとが外観上実質的に同一の構成を有する。ただし、本明細書では、「表側」および「裏側」という用語は、添付の図面に示される手袋10の特定の向きに言及するために使用されているにすぎない。当然、この手袋10を180度回転させると、表側の面10aが裏側の面10bとなり裏側の面が表側の面となる。好ましくは、手袋10は単体構成品として製造され、したがって、さまざまな領域の間に縫い目やその他の接続手段はない。
【0012】
手首領域12は、人の手首(図示せず)、好ましくは前腕の手首側の部分を覆うように構成される。開口20(図4)は、手首領域12の端部22で定められる。開口20の大きさは、手を挿入できる大きさである。手首領域12は、周長C1および長さL1を有する。手首領域12の端部22は実質的に平面状であり手首領域12の他の部分と同じ厚みを有する。ただし、手首領域12には、端部22から指領域18に向かって内側に延び手袋10に手を挿入し易くするような長手方向に整列するスリットがないことが好ましい。また、第1の領域12には、カフも、手袋10を着用者の手首または前腕の周りに固定するのに使用し得る固定機構もないことが好ましい。
【0013】
手のひら領域14は、手首領域12の端22の反対側の最も内側の端から外側に向かって延びる。手のひら領域14は、人の手のひらと手の甲を覆うように構成され、周長C2および長さL2を有する。長さL2は、手首領域12の最も内側の端から4つの指領域18の起点ゾーンまで測定された長さである。
【0014】
親指領域16は、手のひら14領域から外側に向かって延び、周長C3および長さL3を有する。親指領域16は親指を収容するように構成される。
【0015】
4つの指領域18は、手のひら領域14から外側に向かって延びる。4つの指領域18および親指領域16は、共通軸「X」に沿って実質的に整列しており(図3)、したがって実質的に同一面内にある。4つの指領域18は、人差し指領域24と、中指領域26と、薬指領域28と、小指領域30とを含み、これら領域はそれぞれ、人差し指、中指、薬指、および小指を収容するように構成される。親指領域16および人差し指領域24は、分岐部分32によって分離され、この分岐部分は、親指領域16が手のひら領域14および指領域18に対して動き易くなるように構成される。
【0016】
人差し指領域24は周長C4および長さL4を有する。中指領域26は周長C5および長さL5を有する。薬指領域28は周長C6を有する。薬指領域28の長さも、人差し指領域24の長さとほぼおなじ長さL4である。しかしながら、人差し指領域24および薬指領域28の長さが互いに異なるように製造してもよいことが理解されるであろう。最後に、小指領域30は周長C7および長さL6を有する。
【0017】
図3を参照して、本発明の具体的な特徴の1つに従うと、指領域18および親指領域16はすべて軸「X」に沿って整列する。この整列は、左手にも右手にも手袋10を着用できるようにするのに役立つ。さらに、人差し指領域24は、中指領域26、薬指領域28、小指領域30、および親指領域16と比較すると、軸「X」に対して90度旋回または回転する。この人差し指領域24の向きによって、人差し指領域24上の接触作業表面積の幅および大きさが拡大する。これにより、人指し指領域24および親指領域16上の主な把持面積が、今まで知られている手袋よりも大きくなるので、把持動作が改善される。また、この人差し指領域24の向きによって、ユーザが手を両手用手袋10の中に挿入し易くなる。本発明よりも前に使用されていた業界標準では、すべての指領域が、これら領域を通る軸「X」のような軸に対して実質的に同じ向きである。
【0018】
さまざまな産業において、手袋の製造に関するものを含めてさまざまな自発的合意基準が設けられていることは、当業者には周知であろう。こうした自発的基準は、米国材料試験協会(ASTM)、米国規格協会(ANSI)、および国際標準化機構(ISO)といった組織によって公表されている。これら基準は、当業者が容易に得られるものであり、型または鋳型で製造される手袋のための基準を含む。一般的に、手袋は規格サイズ7、8、9、10および11、またはSS、S、M、L、およびXLで製造される。これらの規格サイズは各々、型、したがって手袋のさまざまな構成要素の幅、長さ、および/または周長について特定の寸法を有する。加えて、これら構成要素は、特定のやり方で相対的に配置され方向付けられる。ある規格の型の寸法の例を、付録「A」として提供する。以下の説明では、さまざまな構成要素について「業界標準」を参照する。発明者がこの「業界標準」を先行技術とみなしていることが読者には理解されるはずである。さらに、本明細書で言及している業界標準の手袋が両手用またはリバーシブルの手袋でないことが理解されるはずである。これは、左手または右手のみに着用されるように設計された手袋である。付録「A」の表は例示を目的としたものにすぎない。
【0019】
本発明の具体的な特徴の1つに従うと、手袋10の手首領域12の周長C1は、手首領域12の業界標準の周長よりも5mmから10mm大きくされる。たとえば、業界標準サイズ7の手袋の場合、手首領域の周長は166mmであるが、本発明の手袋10の場合この周長は192mmである。このように、業界標準と比べて手首領域の周長C1が大きくされていることによって、人は手袋10を左手にも右手にも着用し易い。
【0020】
手のひら領域14の周長C2は、業界標準よりも約6mm大きくされているため、手袋10は左手にも右手にもより着用し易く、また、人は手袋10の下にライナー(図示せず)を着用し易い。たとえば、業界標準ではサイズ10の手袋の手のひら領域の周長は235mmであるのに対し、本発明に従う手袋10の周長C2は271mmである。
【0021】
本発明のさらに別の具体的な特徴に従うと、人差し指領域24および中指領域26それぞれの周長C4およびC5は、これらの指領域の業界標準の周長よりも大きくされる。たとえば、業界標準サイズ7の手袋の場合、人差し指領域の周長は55mmで中指領域の周長は59mmであろう。しかしながら、本発明の手袋10の場合、人差し指領域24の周長C4は65mmで中指領域26の周長C5は74mmである。業界標準サイズ9の手袋の場合、人差し指領域の周長は65mmで中指領域の周長は69mmであろう。しかしながら、本発明の手袋10の場合、人差し指領域24の周長C4は77mmで中指領域26の周長C5は82mmである。本発明の手袋10の場合、人差し指領域24および中指領域の周長C4およびC5は各々、業界標準寸法よりも約1mmから5mm、好ましくは2mmから3mm大きくされる。手袋10の薬指領域28および小指領域30の周長C6およびC7は業界標準で使用されるものと同じままである。人差し指領域24の向きが、中指領域26、薬指領域28および小指領域30の向きとは異なることと、人差し指領域24および中指領域26の周長C4およびC5が大きくされていることとが合わさって、人は左手も右手もより簡単に手袋10に挿入できる。また、これら特徴は、左手の向きであっても右手の向きであっても手袋のフィット性の改善に役立つので、左手および右手いずれにもこの手袋をより簡単に着用し使用することができる。
【0022】
本発明のさらに別の具体的な特徴に従うと、手袋10の分岐部分32も業界標準と異なる。具体的には、分岐部分32がある場所は、人差し指領域24の先端24aからの長さが、業界標準より約7.2%大きい。業界標準サイズ9の手袋の場合、分岐部分は、人差し指領域の先端から長さ121mmだけ下のところにある。本発明の手袋10の場合、分岐部分32は、人差し指領域24の先端24aから長さ130mmだけ下のところにある。業界標準サイズ10の手袋の場合、この分岐部分は、人差し指領域の先端から長さ125mmだけ下のところにある。本発明の手袋10の場合、分岐部分32は、人差し指領域24の先端24aから長さ132mmだけ下のところにある。結果として、分岐部分32は、業界標準の分岐部分よりも、約4から7mm、好ましくは5mmだけ下の場所にある。分岐部分の位置がより低くされていることによって、手袋10を左手に着用したときでも右手に着用したときでもそのフィット性が改善されている。
【0023】
本発明のさらに他の具体的な特徴に従うと、手袋10は、その表側の面10aおよび裏側の面10bどちらにも把持面34が設けられる。この把持面34の形態は、型押しもしくは成型による面10a、10bであるか、または外から施されたものである、テクスチャ加工パターンである。把持面34は、物、特に濡れたまたは湿った物を人が把持するのに役立つ。図1は、手袋10の把持面34に使用されるテクスチャ加工パターンの第1の実施の形態を示す。このパターンは、手袋10のいくつかのゾーンに設けられた浮出した扇形パターン34であることが好ましい。これらゾーンのうちの第1のゾーンは、手袋10の端部22の近くに設けられた環状帯34aとして与えられる。帯34aは、開口20と実質的に同心であり、作業者が手袋10を着用するまたは外すときに引張り易くする。帯34aの形態は、開口20を囲む実質的に一続きの環状帯であっても、これに代えて添付の図面に示されるように手首領域12を囲む複数の離散領域のパターンであってもよい。上記パターン形成ゾーンのうち第2のゾーン34bは、手袋10の表側の外面10aに設けられ、物を把持したときにこの物と接触するであろう手のひら領域14ならびに人差し指、中指、薬指、および小指領域24、26、28、30の表面のほぼすべてに広がっている。好ましくは、パターン形成ゾーン34bは、手のひら領域14の70%から100%と、指領域18の60%から100%とを覆う。たとえば、人差し指領域24では、パターン形成ゾーン34bは業界標準の場合と比較して作業面の平均28%大きい領域を覆う。
【0024】
本発明のある具体的な特徴に従うと、実質的に同一の第3のパターン形成ゾーン34cが手袋10の裏側の外面10bに設けられる。パターン形成ゾーン34cは、手袋10を180度回転させたときに物と接触するであろう手のひら領域ならびに人差し指、中指、薬指、および小指領域24〜30の裏面のほぼすべてに広がっている。結果として、パターン形成ゾーン34cは、手のひら領域14の70%から100%と、指領域18の60%から100%とを覆う。手袋10の表側の外面10aおよび裏側の外面10bは実質的に同一であるため、第2および第3のパターン形成ゾーン34bおよび34cは、表側の面および裏側の面の実質的に同じ場所に位置する。手袋10の表側および裏側の外面でゾーン34bおよび34cが実質的に同じ場所にあることによって、手袋を左手に着用しても右手に着用しても、物を掴むのに必要である人の把持能力は実質的に同じである。
【0025】
ただし、手首領域12、手のひら領域14、親指領域16、および指領域18の部分40は、人がこの手袋を用いて物を把持しているときにこの物に接触する場所に位置していないので、これら部分40には必ずしもテクスチャ加工パターンを設ける必要はない。これら部分40における手袋10の表面は、好ましくは実質的に平滑である。それでもやはり、必要に応じて、これら部分40にも型押しされたパターン34を設けてもよい。
【0026】
第4のテクスチャ加工表面パターン34dが、親指領域16の内側の側面42に設けられる。このパターンを側面42全体に設けることは、人が物を把持するのに役立つ。親指領域16の残りの部分および分岐部分32は、テクスチャ加工なしの部分40のうちの1つを含む。この第4のテクスチャ加工表面パターン34dは、親指領域16の30%から50%に設けられ、これは、内側の側面42に設けられているパターン34dのほぼ100%である。
【0027】
好ましくは、第1、第2、第3および第4のパターン形成ゾーンすべてに、扇形パターンが設けられる。このパターンは、把持している物と直に接触する手袋の表面から水分を逃がすのに役立つので、人の手から物が滑り落ちにくい。このテクスチャ加工面はまた、掴んでいる物の外面に少し食い込むので、この物を物理的に把持し易い。これらゾーンにおいて扇形以外のパターンを利用してもよいことが理解されるであろう。しかしながら、手袋10に扇形パターンが設けられていることによって、家禽類の取扱用に特別に製造された手袋を着用していることを作業者が確認するのに視覚的に役立つ。手袋10の指領域すべてに設けられた扇形パターンは、今まで知られている特定の手のためのどの手袋、すなわち今まで知られている両手用でないどの手袋と比較しても、より大きな部分を覆いより大きな把持作業面を与える。
【0028】
図5を参照して、本発明に従う、全体的に110で示された両手用手袋の第2の実施の形態が示される。手袋110は、牛肉および豚肉加工および包装産業での使用を目的として設計され、したがって、一般的には、アクリロニトリルブタジエン(ニトリル)、ポリクロロプレンまたはポリ塩化ビニルといったさまざまな合成ゴムで製造される。しかしながら、この目的に適した他の材料を使用し得ることが理解されるであろう。手袋110は、手首領域112、手のひら領域114、親指領域116および4つの指領域118を含むという点で、手袋10の構成と実質的に同一である。指領域118は、人差し指領域124と、中指領域126と、薬指領域128と、小指領域130とを含む。手袋10と手袋110の唯一の違いは、後者には、把持ゾーン134a、134bおよび134dに、手袋10に設けられた扇形パターンの代わりに浮出したひし形パターンが設けられている点である。(手袋10と同様、ここでは示されていない手袋110の裏側の面には、134bと実質的に同じパターン形成ゾーンが設けられている。)ゾーン134に設けられた浮出したひし形パターンの機能は、手袋10のゾーン34のパターンの機能と全く同じである。結果として、浮出したひし形パターンによって、作業者は物を把持し易くなり、掴んでいる物に直に接触する手袋110の表面から水分を逃がし易い。
【0029】
本発明の手袋10、110は、これら手袋を右手か左手いずれかの上に引っ張り上げることができるよう適切な向きにすることによって使用される。食品加工および包装工場は、作業者が使用できるようさまざまなサイズの両手用手袋の箱を提供するだけでよい。手袋を使用している間に手袋が破損するかまたは手袋に穴が開いた場合、作業者は、その片方の手袋を手から外して廃棄するだけでよい。作業者の反対側の手の未損傷の手袋を外して捨てる必要はない。この作業者は次に適切なカートンから代わりの両手用手袋を1つ選び露出した手に嵌める。このように、本発明に従う両手用手袋は、加工設備で使用される手袋の数の減少につながる。
【0030】
上記説明において、いくつかの用語は、簡潔性、明瞭性および理解を目的として使用されている。このような用語は説明のために使用され広く解釈されることを意図しているので、これらの用語は先行技術の要件を超える不必要な限定を含意することを意図しない。
【0031】
加えて、本発明の説明および例は一例であり、本発明は図示または説明された詳細事項だけに限定されない。
【0032】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
両手用手袋であって、
人の手首および前腕の手首側の部分を覆うように構成された手首領域を含み、前記手首領域は、その中の、人の手を挿入するための開口を定める終端を含み、
前記手首領域から外側に向かって延在し手のひらおよび甲を覆うように構成された手のひら領域と、
前記手のひら領域から外側に向かって延在し親指を収容するように構成された親指領域と、
前記手のひら領域から外側に向かって延在し手の4本の指を収容するように構成された4つの指領域とを含み、前記指領域および親指領域は、ある軸に沿って互いに実質的に整列し、
前記指領域は、前記親指領域の隣に配置され手の人差し指を収容するように構成された人差し指領域を含み、前記人差し指領域は、前記軸と、残り3つの指領域および前記親指領域の向きとに対して90度の向きにされる、両手用手袋。
【請求項2】
前記人差し指領域は幅を有し、前記残り3つの指領域各々は幅を有し、前記人差し指領域の幅は、前記残り3つの指領域各々の幅より大きい、請求項1に記載の手袋。
【請求項3】
前記残り3つの指領域は、前記人差し指領域の隣にあり中指を収容するように構成された中指領域を含み、前記中指領域の幅は残り2つの指領域の幅より大きい、請求項2に記載の手袋。
【請求項4】
前記手首領域、手のひら領域、親指領域、および指領域はすべて、牛肉、豚肉、および家禽類のうち1つの取扱に適した材料で製造され、前記手首領域の材料は厚みを有し、前記手首領域の材料の厚みは、前記開口を定める終端から前記手のひら領域まで実質的に均一である、請求項1に記載の手袋。
【請求項5】
前記手首領域、手のひら領域、親指領域、および指領域の外面にテクスチャ加工パターンが設けられ、前記テクスチャ加工パターンは、前記手のひら領域の外面の70%から100%に設けられる、請求項1に記載の手袋。
【請求項6】
前記テクスチャ加工パターンは、前記指領域各々の外面の60%から100%に設けられる、請求項5に記載の手袋。
【請求項7】
指領域は、人差し指を収容するように構成された人差し指領域を含み、前記親指領域は、前記人差し指領域の隣に配置された内側の側面を含み、前記テクスチャ加工パターンは、前記親指領域の30%から50%に設けられる、請求項5に記載の手袋。
【請求項8】
前記親指領域の前記テクスチャ加工パターンの実質的に100%が、前記親指領域の前記内側の側面に設けられる、請求項7に記載の手袋。
【請求項9】
前記テクスチャ加工パターンは、前記手首領域の外面に環状帯として設けられ、前記環状帯は、前記手首領域の終端から内側に距離を隔てた場所に配置される、請求項5に記載の手袋。
【請求項10】
前記テクスチャ加工パターンは、前記手首領域、手のひら領域、指領域、および親指領域のうち1つ以上の外面に、互いに接するように配置され型押しされた、複数の浮出した扇形部分および複数の浮出したひし形部分のうち一方で形成された把持面を含む、請求項5に記載の手袋。
【請求項11】
前記手首領域、手のひら領域、親指領域および指領域は天然ゴムを成型したものである、請求項10に記載の手袋。
【請求項12】
前記テクスチャ加工パターンは、前記手首領域、手のひら領域、指領域、および親指領域のうち1つ以上の外面に、互いに接するように配置され型押しされた、複数の浮出したひし形部分で形成された把持面を含む、請求項5に記載の手袋。
【請求項13】
前記手首領域、手のひら領域、親指領域および指領域は、アクリロニトリルブタジエン、ポリクロロプレンまたはポリ塩化ビニルのうち1つからなる合成ゴムを成型したものである、請求項12に記載の手袋。
【請求項14】
前記指領域は、人差し指を収容するように構成された人差し指領域を含み、前記人差し指領域は周長を有し、前記人差し指領域の周長は業界標準よりも2〜3mm大きくされている、請求項1に記載の手袋。
【請求項15】
前記指領域は、中指を収容するように構成された中指領域を含み、前記中指領域は周長を有し、前記中指領域の周長は業界標準よりも2〜3mm大きくされている、請求項1に記載の手袋。
【請求項16】
前記手のひら領域は周長を有し、前記手のひら領域の周長は業界標準よりも6mm大きくされている、請求項1に記載の手袋。
【請求項17】
前記手首領域は周長を有し、前記手首領域の周長は業界標準よりも5mm〜10mm大きくされている、請求項1に記載の手袋。
【請求項18】
前記指領域は、前記手のひら領域からある距離だけ離れた先端で終端をなす人差し指領域を含み、前記人差し指領域は前記親指領域の隣に配置され分岐部分によって前記親指領域から分離され、前記分岐部分の位置と前記人差し指領域の先端との間の長さは、業界標準よりも5〜10mm長い、請求項1に記載の手袋。
【請求項19】
前記指領域は、前記手のひら領域からある距離だけ離れた先端で終端をなす人差し指領域を含み、前記人差し指領域は前記親指領域の隣に配置され分岐部分によって前記親指領域から分離され、前記分岐部分の位置と前記人差し指領域の先端との間の長さは、業界標準よりも約7.2%長い、請求項1に記載の手袋。
【請求項20】
前記手袋は使い捨て可能であり、前記手のひら領域の表側の外面は手のひらを覆うように構成され裏側の外面は手の甲を覆うように構成され、前記表側の外面および前記裏側の外面各々の実質的に同じ場所にテクスチャ加工された把持パターンが設けられる、請求項1に記載の手袋。
【請求項21】
前記指領域は中指を収容するように構成された中指領域を含み、前記中指領域は前記手のひら領域から離れた場所に最外端を有し、前記手袋は前記中指領域の最外端と前記手首領域の終端との間に延びる長手方向の軸を有し、前記手袋は、前記手袋を人の左手および右手いずれにも着用できるよう前記長手方向の軸を中心として回転可能である、請求項1に記載の手袋。
【請求項22】
左手および右手いずれにも使用されるリバーシブル手袋であって、前記手袋は、
手を挿入する開口を一端に有する手のひら領域と、
前記手のひら領域から外側に向かって延在する親指領域と、
前記手のひら領域から外側に向かって延在し分岐部分によって前記親指領域から分離された4つの指領域とを含み、前記4つの指領域は同一面にあり、
前記4つの指領域は、
前記親指領域の隣に配置された人差し指領域と、
前記人差し指領域の隣の中指領域と、
前記中指領域の隣の薬指領域と、
前記薬指領域の隣の小指領域とを含み、
前記親指領域、人差し指領域、中指領域、薬指領域、および小指領域は同一面に沿って整列し、前記人差し指領域は、前記親指領域、中指領域、薬指領域、および小指領域が整列する前記面に対して90度回転する、リバーシブル手袋。
【請求項23】
前記人差し指領域、中指領域、薬指領域、および小指領域は各々周長を有し、前記人差し指領域および中指領域各々の周長は、前記薬指領域および小指領域各々の周長より大きい、請求項22に記載の手袋。
【請求項24】
前記手のひら領域、指領域、および親指領域は、手で把持された物と接触するように構成された部分において浮出したパターンを含み、前記人差し指領域において前記パターンが形成された部分は、業界標準よりも平均28%大きい、請求項22に記載の手袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−523505(P2012−523505A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504672(P2012−504672)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/001042
【国際公開番号】WO2010/117450
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511244089)サミット・グラブ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SUMMIT GLOVE INC.
【Fターム(参考)】