説明

両親媒性コポリマーゲル化剤を含む泡坦体

【解決課題】本発明は、水、疎水性溶媒、表面活性剤およびゲル化剤を含む、アルコールフリーの美容用または薬用泡担体に関する。
【解決手段】美容用または薬用泡担体は脂肪族アルコールを含まないため非刺激性、非乾燥性である。アルコールフリーの泡担体は、水溶性および油溶性の薬剤および美容剤の双方を包含させるために好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールフリーの美容用または薬用泡坦体およびその使用に関する。より具体的には、本発明は、疎水性溶媒を含み、優れた伸展性を有する美容用または薬用の泡坦体に関する。
【0002】
関連出願
本発明は、米国特許法第119条(e)に基づき、同時係属中の2003年8月4日出願米国特許出願第60/492,385号、表題「美容用および薬用泡剤」について優先権を主張する。これは参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
泡製品は、薬物および化粧品の局所塗布のために用いられる。様々な添加剤が、泡製品を生成し安定させるために用いられてきた。水中油の発泡性乳剤が報告されており、それは安定剤および発泡アジュバントとして脂肪アルコールを含むことができる。本発明の発明者らは、泡アジュバントすなわち脂肪アルコールおよび脂肪酸を安定した泡製剤を維持するための成分として含む、泡および泡乳剤を開発してきた。例えば、同一出願人らによる同時係属中の国際出願 WO2004/037225を参照のこと。
【0004】
疎水性溶媒を配合して、発泡製品または泡生成製品にすることは難しい。更に、発泡性組成物へ疎水性溶媒を加えると、組成物中で用いられる界面活性剤の泡形成能力を妨害する。
【0005】
米国特許第5,679,324号は、投与前の状態では半透明で、すぐに壊れる泡を形成するエアロゾル発泡性芳香組成物について記述している。組成物は界面活性剤、噴霧剤、芳香剤、増粘剤および美容用媒質(好ましくは水)を含んでおり、組成物中の界面活性剤対噴霧剤の比率は約1:1から1:10である。皮膚軟化剤が低レベル(10重量%未満)含まれている。低い皮膚軟化剤レベルが組成物の半透明性を維持するために必要だからである。その結果得られる泡は、エアロゾル容器から放出されると(摩擦力または垂直方向の力を加える必要なく)明らかに自然に壊れるので、安定ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの局面では、疎水性溶媒を含むアルコールフリーの発泡性担体組成物を提供する。それは、エアロゾル容器中で液化ガス噴霧剤と混合されると、局所投与に適した壊れやすい泡を放出する。アルコールフリーの泡担体は、水溶性および油溶性の活性剤を共に包含させるのに適する。本明細書では、発泡性坦体または泡担体(あるいは組成物)は、適当な噴霧剤と共に投与された場合には泡を形成することができる製剤を含むものとする。
【0007】
本発明の1つ以上の実施態様における美容用または薬用の発泡性担体は、水、疎水性溶媒、表面活性剤および特定のゲル化剤を含み、短鎖および長鎖アルコールを含まない。そのような担体をエアロゾル容器に入れて液化ガス噴霧剤と混ぜ合わせると、不透明な水中油乳剤を生成し、それは投与前の状態で安定している。液化ガス噴霧剤は、全組成物重量の約3〜18%量を担体に加える。エアロゾル容器からの放出の際、坦体は壊れやすい泡生成物を形成し、それは局所的投与または粘膜投与に適している。
【0008】
本発明の1つ以上の実施態様において、発泡性担体は重量で10%〜約20%、または重量で約20%〜約75%の濃度の疎水性溶媒を含む。組成物は、さらに重量で約0.1%〜約5%の表面活性剤;重量で約0.01%〜約5%の両親媒性コポリマーゲル化剤、および重量で全組成物の約3%〜約18%の濃度の液化ガス噴霧剤を含む。水および任意の成分を加えて、重量で100%の全物質量とする。担体成分を容器中で噴霧剤と合わせると、安定した乳剤が得られる。エアロゾル容器から投与するとすぐに、泡担体は局所的投与に適した膨張した泡をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書では、全ての構成成分パーセントを、全組成物の重量パーセントとして報告する。
【0010】
本発明の別の局面では、泡担体は、投与前の状態で安定な不透明な水中油乳剤を含み、有用なアルコールフリーの潤滑化泡剤である。潤滑化泡剤は、重量で少なくとも2%のシリコンオイルを含有する重量で2〜75%の疎水性溶媒;重量で発泡性担体の25〜98%から成る量の水;重量で発泡性担体の0.1%〜5%から成る表面活性剤;重量で発泡性担体の0.1%〜5%から成るゲル化剤;および重量で全組成物の約3〜18%の量の液化ガス噴霧剤、を含み、それは、エアロゾル容器中で混合すると、局所投与または粘膜投与に適切な壊れやすい泡の容器からの放出を直ちに促進する。
【0011】
1つ以上の実施態様において、本明細書に記載する発泡性担体を含み、さらに少なくとも1つの活性剤を治療上有効な濃度含む発泡性組成物を提供する。そのような組成物は、ヒトおよび動物の皮膚障害または皮膚病の局所治療に適切である。あるいは組成物は、例えば、洗浄、美化、魅力の増進、または人体構成や機能に影響しない外観の変更のための美容上の処置に適切である。
【0012】
美容用または薬用の発泡性担体または発泡性組成物は流動可能である。本発明の1つ以上の実施態様に記載の発泡性担体は、短鎖脂肪族アルコールまたは長連鎖脂肪族アルコールのいずれも含まない。それにより坦体は非刺激性および非乾燥性となる。泡担体は、懸濁させた活性剤はもちろん、水溶性および油溶性双方の活性剤の包含に適する。さらに、美容上のおよび医学的な障害は、アルコールフリーの泡担体およびアルコールフリーの美容用または医薬用組成物を用いる治療が最良であることが確認され、またそのような担体および製品の利点が実証される。
【0013】
本発明の1つ以上の実施態様に記載の泡担体または泡組成物は、現在の泡組成物より優れた様々な利点を有する。
(1) 泡が軽量であり、したがって、経済的である。
(2) 泡は、任意の望ましい濃度の疎水性溶媒を含んでおり、それは油の再補給効果および皮膚を滑らかにする効果がある。
(3) 泡が治療上有効な濃度のシリコンオイルを含んでいる。
(4) 泡が水溶性および油溶性の両方の活性剤を含む。
(5) 泡は容易に広がり、腕、背中、脚および胸などの広い面積の治療が可能になる。
(6) 泡の流動特性により、泡は襞としわへ効率的に広がり、それにより、広範囲に擦り込む必要なく活性剤の一様な分布および吸収をもたらす。
【0014】
本明細書においては、組成物中の重量%に関して用いられたときの用語「約」とは、報告された重量%+10%を意味する。本明細書において、測定された組成物の特性に関して用いられたときの用語「約」とは、報告された値+20%を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の1つ以上の実施態様による美容用または薬用の発泡性担体は、水、疎水性溶媒、表面活性剤および両親媒性コポリマーを含むゲル化剤を含み、短鎖または長鎖アルコールを含まない。そのような組成物は、エアロゾル容器に入れ、液化ガス噴霧剤と合わせたとき、不透明の水中油乳剤を生成し、それは投薬前の状態において安定である。組成物に、液化ガス噴霧剤を全組成物重量の約3〜18%量加える。エアロゾル容器からの放出に際して、組成物が、局所または粘膜投与に適した壊れやすい泡生成物を形成する。
【0016】
泡担体または泡組成物について記述する。これは下記の成分を含むことができる。
【0017】
1つの実施態様において、クラスA発泡性担体組成物が重量で約10〜約20%の疎水性溶媒を含む。例示的なクラスA組成物は、さらに重量で約0.1〜5%の表面活性剤、両親媒性コポリマーを含む重量で約0.1%〜5%のゲル化剤、および重量で約3%〜18%の液化ガス噴霧剤を含む。水および任意の成分を加えて、総質量を100%とする。
【0018】
さらなる実施態様において、クラスB発泡性担体組成物が重量で約20〜約75%の疎水性溶媒を含む。例示的なクラスB組成物は、さらに重量で約0.1〜5%の表面活性剤、両親媒性コポリマーを含む重量で約0.1%〜5%のゲル化剤、および重量で約3%〜18%の液化ガス噴霧剤を含む。水および任意の成分を加えて、総質量を100%とする。
【0019】
すべての%値は、重量(w/w)ベースで与える。
【0020】
疎水性溶媒
泡担体または泡治療用組成物は疎水性溶媒を含む。疎水性溶媒は、周囲温度で蒸留水に対し100 ml当たり約1g 未満の、または100 ml当たり約0.5g未満の、または100 ml当たり約0.1g未満の溶解度を有する物質を含む。疎水性溶媒は、周囲温度(室温)例えば約20〜30℃で、液体である。
【0021】
疎水性溶媒の含量は重量で2%〜75%の間で変化し得る;しかし、様々な範囲を、予期される美容用または薬用の必要性にしたがって適切な製剤を選択することを容易にするために設定する。一般により高い疎水性溶媒レベルが、乾燥皮膚の治療に、および/または油状媒体に含めて送達された薬剤に対してよりよく応答する疾病の治療に、より適切である。特別な疎水性溶媒レベルを、例えば皮膚中における活性剤の滞留期間の調節を容易にするために選択してもよい。組成物の選択についての別の考察は、生成物がユーザーにとって使用性能がよいか、および許容できるかに関するものである。例えば、ある場合には、高い疎水性溶媒レベルが(すなわち組成物の重量で約25%からの)、使用後の油性感を残すが、それは局所的に使用する組成物には望ましくない。したがって具体的な疎水性溶媒含量は、対象とする人々の具体的な必要性を考慮して選択される。
【0022】
1つの実施態様においては、疎水性溶媒は鉱油である。鉱油(Chemical Abstracts Service 登録番号8012−95−1)は、石油に由来する脂肪族、ナフタリン、および芳香属の液体炭化水素の混合物である。それらは通常は液体であり;それらの粘度は、約35CST〜約100CST(40℃で)の範囲にあり、またそれらの流動点(流動を妨げる過度の量のワックス結晶形成なしに油を取り扱うことのできる最低温度)は0℃未満である。対照的に、「ワセリン」とも名付けられている白色ペトロラタムは、周囲温度で半固形であり、使用後に蝋様で粘着性の感じを残し、衣類を汚す場合もある。したがって、白色ペトロラタムは本発明による疎水性溶媒ではない。
【0023】
さらに他の疎水性溶媒には、植物、海産物、または動物源からの液状油が含まれるが、それらに限られない。不飽和油は、オリーブオイル、コーン油、大豆油、キャノーラ油、綿実油、ヤシ油、胡麻油、ヒマワリ油、ルリヂサ種子油、チョウジ油、麻実油、ニシン油、タラ肝油、サケ油、アマニ油、麦芽油、マツヨイグサ油、およびそれらの任意の割合の混合物、から成る群より選ばれる。
【0024】
特定の種類の油は、ω-3およびω-6脂肪酸を含む多価不飽和油を含む。そのような多価不飽和脂肪酸の例が、リノールおよびリノレン酸、γ-リノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ならびにドコサヘキサエン酸(DHA)である。例を挙げれば、不飽和油は、ω-3油、ω-6油およびその混合物から選択された油を少なくとも6%含むことができる。
【0025】
別の種類の油は精油であり、それがしばしば治療効果を示す。そのような油の例は、レチノイドを含み、座瘡および座瘡後瘢痕を縮小させることが知られているバラの実油であり、および抗菌性、抗真菌剤および抗ウイルス性特性を有するチャノキ油である。精油の他の例は、メボウキ、カンファー、カルダモン、ニンジン、コウスイガヤ、オニサルビア(クラリー)、セージ、チョウジ、イトスギ、乳香、ショウガ、グレープフルーツ、ヒソップ、ジャスミン、ラベンダー、レモン、マンダリン、マヨラナ、没薬、ネロリ油、ナツメグ、プチグレン、セージ、タンジェリン、バニラ、およびバーベナである。他の治療上有益な油がハーブ薬物療法の分野で知られており、疎水性溶媒としての使用に適している。
【0026】
別の種類の疎水性溶媒には、局所に処方したとき治療効果を有することが知られている疎水性の植物由来の油剤が含まれるが、しかしそれに限られない。
【0027】
さらなる種類の疎水性溶媒は、皮膚軟化剤、例えば皮膚または粘膜に処方された場合に鎮静させ、湿らせる効果を有する添加剤を含む。この用語の一般性を損なうことなく、実用の適切な皮膚軟化剤の例には、イソステアリン酸誘導体、イソプロピルパルミタート、ラノリン油、ジイソプロピルジメラート、マレイン酸化大豆油、オクチルパルミタート、イソプロピルイソステアラート、セチルラクタート、セチルリシノレアート、トコフェリルアセタート、アセチル化ラノリンアルコール、セチルアセタート、フェニルトリメチコン、グリセリルオレアート、トコフェニルリノレアート、コムギ麦芽グリセリド、アラキジルプロピオナート、ミリスチルラクタート、デシルオレアート、プロピレングリコール・リシノレアート、イソプロピルラノラート、ペンタエリトリチルテトラステアラート、ネオペンチルグリコールジカプリラート/ジカプラート、水素化ココヤシ・グリセリド、イソノニルイソノナノアート、イソトリデシルイソノナノアート、ミリスタルミリスタート、トリイソセチルシトラート、オクチルドデカノール、脂肪酸蔗糖エステル、オクチルヒドロキシステアラート、およびそれらの混合物が含まれる。他の適当な皮膚軟化剤の他の例を Cosmetic Bench Reference, pp.1.19 - 1.22 (1996)に見出すことができる。
【0028】
特定の実施態様において、疎水性溶媒は重量ベースで約2:8 〜 8:2の比率の鉱油と皮膚軟化剤の混合物である。
【0029】
さらなる種類の疎水性溶媒は、疎水性(非水溶性)シリコンオイルを含む。シリコンオイルは、皮膚保護性を与え、また皮膚中における活性剤の滞留期間を容易に調節できるようにする。シリコンオイルは、不揮発性シリコンオイルまたは揮発性のシリコンオイルである。しかしジメチコン・コポリオールなどの水溶性シリコンは、疎水性シリコンオイルの範囲内ではない。例としては、疎水性溶媒は、少なくとも2%(w/w)のシリコンオイル、少なくとも5%(w/w)のシリコンオイルを含むことができる。
【0030】
任意の組合せの1つ以上の疎水性溶媒を用いることができる。
【0031】
表面活性剤
泡担体または泡治療用組成物は、さらに表面活性剤を含む。表面活性剤(界面活性剤)は、組成物中の油成分と水成分の界面特性を変化させて乳剤の形成を助ける任意の薬剤を含む。界面活性剤の親水性/親油性バランス(HLB)は、乳化剤の水または油への親和性を表す。HLB目盛は1(全く親油性)から20(全く親水性)までの範囲であり、10が両方の特性が等しいバランスであることを表わす。親油性乳化剤は、油中水(w/o)乳剤を形成する傾向があり;親水性界面活性剤は、水中油(o/w)乳剤を形成する傾向がある。2つの乳化剤の混合物のHLBは、乳化剤Aの重量分率×そのHLB値 + 乳化剤Bの重量分率×そのHLB値(加重平均)に等しい。
【0032】
陰イオンの、陽イオンの、非イオンの、両性イオンの、両性のおよび両性電解質の界面活性剤、あるいはそれらの組合せから選ばれる任意の界面活性剤を表面活性剤として用いることができる。本発明の1つ以上の実施態様による表面活性剤は、約9〜約14の親水性親油性バランス値(HLB)を有する。それは大部分の油および疎水性溶媒に要求されるHLB(与えられた油のO/W乳剤を安定させるのに必要なHLB)である。このようにして、1つ以上の実施態様において、組成物は約9と14の間のHLB値を有する単一の界面活性剤であり、および1つ以上の実施態様において、泡組成物が1を越える界面活性剤を含有し、それらのHLB値の加重平均は約9と約14の間にある。
【0033】
界面活性剤の限定されない例には、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアラート(トゥイーン60)およびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート(トウィーン80)などのポリソルバート;Myrj45、Myrj49およびMyrj59などのポリオキシエチレン(POE)脂肪酸エステル;ポリ(オキシエチレン)セチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)パルミチルエーテル、ポリエチレンオキシド・ヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコール・セチルエーテル、brij38、brij52、brij56およびbrijW1などのポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル;ショ糖エステル;ソルビタンモノラウラートおよびソルビタンモノラウラート・モノもしくはジグリセリドなどのソルビトールおよびソルビトール無水物の部分的エステル;イソセテス-20、ココイルメチルタウリンナトリウム、メチルオレオイルタウリンナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン ラウリル スルファートおよびベタイン、が挙げられる。
【0034】
いくつかの実施態様においては、表面活性剤は非イオン性界面活性剤である。例示的な非イオン性界面活性剤には、蔗糖と食物脂肪酸のメチルおよびエチルエステルから調製される、またはスクログリセリドから抽出される、蔗糖と食物脂肪酸のモノ-、ジ-、トリ-エステル(ショ糖エステル)が含まれる。さらなる例は、モノエステル含量の高いショ糖エステルであり、より高いHLB値を有する。
【0035】
非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)の組合せを用いてもよい。1つの例において、非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤は、泡担体または泡組成物中で、1:1 〜 20:1、または4:1 〜 10:1の比率で存在する。
【0036】
従来の発泡性組成物と異なり、安定した泡を得るために総量の少ない界面活性剤を使用する。驚いたことに、安定した発泡性組成物を得るためには、より低い界面活性剤レベルが必要である。それは皮膚刺激性を減少させるために好ましい。総界面活性剤のレベルは、発泡性組成物の重量の約0.1%〜5%の範囲であり、また重量で2%未満であり得、また重量で1%未満でさえあり得る。
【0037】
ゲル化剤
泡担体または泡治療用組成物はさらにゲル化剤を含み、その機能は、乳剤の水相の粘度を増加させ、組成物を安定させて、泡に望ましい感覚刺激特性を与える。
【0038】
驚くべきことに、あるゲル化剤が、脂肪酸および脂肪アルコールなどの泡安定剤が存在しない状態でさえ、高い泡安定性および魅力的な感覚刺激感を有する泡を生成する泡組成物をもたらすことを発見した。ゲル化剤は、両親媒性コポリマーの種類から選ばれる。両親媒性コポリマーは、疎水性および親水性の基または領域を有するポリマーを含む。これらの材料を別の呼び方で「ポリマー界面活性剤」という。それはポリマーの親水性および疎水性領域が、それぞれ組成物の親水性および親油性成分と相互作用し、かつそれらを安定させる役目をするからである。コポリマーは、ランダムコポリマー、またはグラフトまたは櫛状コポリマーのブロックコポリマーであってもよい。例示的な両親媒性のコポリマーは、生分解性ポリマーの ジ-、トリ-、 またはマルチ-ブロックコポリマーもしくはグラフトコポリマーを含む。
【0039】
ポリマー界面活性剤は、アクリラート・コポリマーであってもよい。コポリマー中で、疎水性部分が親水性ポリマーに化学的に結合されるか、または親水性部分が疎水性ポリマーに付着させられて、両親媒性界面活性剤および界面安定剤を生成する。例として、適当なポリマー界面活性剤には、アクリル酸と疎水性コモノマーのクロスリンクコポリマー、例えばペミュレンTR-1 および ペミュレンTR-2、ETD 2020 および カルボポル1382(すべてアクリラート/C10−30アルキルアクリラートのクロスコポリマー)、ナトロソルCS Plus 330 および 430 ならびに ポリサーフ67 (すべてセチルヒドロキシエチルセルロース)、アキュリン22(アクリラート/ステアレス-20メタクリラート・コポリマー)、アキュリン25(アクリラート/ラウレス-25 メタクリラート・コポリマー)、アキュリン28(アクリラ−ト/ベヘネス-25メタクリラート・コポリマー)、アキュリン46 (PEG-150/ステアリルアルコール/SMDI・コポリマー)、スタビレン30 (アクリラート/ビニルイソデカノアート)、ストラクチャー 2001(アクリラート/ステアレス-20 イタコナート・コポリマー)、ストラクチャー 3001(アクリラート/セテス-20 イタコナート・コポリマー)、および ストラクチャー Plus(アクリラート/アミノアクリラート/C10-30 アルキルPEG 20 イタコナート・コポリマー)、などが含まれる。ここで、 PEG はポリエチレングリコールであり、PPG はポリプロピレン・グリコールである。
【0040】
他の例示的な両親媒性のコポリマーには、両親媒性のシリコンポリオールまたはコポリオール(例えばセチルジメチコン・コポリオールおよびジメチコン・コポリオール PPG-3オレイルエーテル、アセチル化でんぷん誘導体、両親媒性加工でんぷん、ならびにエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはプロピレングリコール(「ポロキサマー」としても知られている)の両親媒性ブロックコポリマー)のようなシリコンポリマーを含む。
【0041】
ゲル化剤は、両親媒性のコポリマーと組み合わせた他の型のゲル化剤を含んでもよい。例えば、自然に存在する増粘剤を含んでいてもよい。例示的なポリマー材料には、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン寒天、カラゲーニンガム アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、でんぷん、化工でんぷんその他、半合成ポリマー材料例えばセルロースエーテル(例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、可溶性デンプン、カチオン性セルロース、カチオン性グアーその他、および合成ポリマー材料例えばカルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ポリ塩化ビニリデンポリマーその他が含まれる。場合によっては、上記の化合物の混合物を考慮する。[このリストは旧バージョンから受け継いでいる。これらのポリマーのいずれかは、ポリマー界面活性剤として適当であろうか?]
【0042】
ゲル化剤は、泡担体または組成物中に、重量で約0.1〜5.0重量%の量だけ存在する。発泡性組成物に含まれるゲル化剤は、発泡性組成物の重量の1重量%未満であってよい。
【0043】
噴霧剤
泡組成物は、噴霧剤ガスの圧力に耐圧性を有し、加圧下で組成物を泡として出すための適切なバルブ/ノズルを有する容器の中へ入れ、そこから処方することができる。普通の液化噴霧剤を、全組成物の約3〜18%の量加えることができる。液化噴霧剤は、加圧下で液体として存在するガスであり、プロパン、イソブタンおよび n-ブタンなどの炭化水素、ジメチルエーテル、およびクロロフルオロカーボン(CFC)を含む。
【0044】
「アルコールフリー」
泡担体または泡組成物は、米国特許第6,126,920号で開示された脂肪族アルコール、好ましくは40〜90重量%の量の脂肪族アルコールを含む組成物と異なり、脂肪族アルコールを実質的に含まない。更に、組成物は、脂肪アルコールなどの、より長い鎖のアルコール(炭素鎖中に15以上の炭素原子を有する長鎖アルコール)を含まない。本出願の目的にとって、用語「アルコールフリー」とは、炭素主鎖に1〜6個の炭素原子を有する任意の脂肪族アルコールを重量で7.5%以下、あるいはそのような脂肪族アルコールの任意の混合物を重量で7.5%以下しか含まない組成物ならびに重量で0.1%以下の脂肪アルコールしか含まない組成物を指す。
【0045】
オプションの成分
薬用または美容用泡担体は、場合によっては様々な追加の成分を含む。それは製剤の粘稠度を微調整し、製剤成分を分解および酸化から保護し、それらの美容上の受容性を改善するために加える。任意の添加物を用いることができる。それらには安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、香味料、着色剤、および芳香剤、また他の薬用および美容用の処方の従来技術に用いられる配合成分が含まれるが、これらに限られない。
【0046】
組成物と泡の物理的特性
本発明の1つ以上の実施態様において、泡担体を用いて製造される薬用または美容用組成物は非常に使用しやすい。哺乳動物、すなわちヒトまたは動物の傷んだ体表面上に塗布したときに、それは泡の状態であるためにこぼれることなく自由に塗布することができる。例えば体表面上に組成物を擦り込むことにより機械的な力をさらに加えた場合には、それは自由に表面で広がり、急速に吸収される。
【0047】
泡組成物または泡担体は、水、疎水性溶媒、界面活性剤、ゲル化剤および噴霧剤を含み、それにより、周囲温度で少なくとも1年の、または少なくとも2年の良好な貯蔵寿命を有する安定した乳剤を生成する。美容用または医療用の製品の特徴は長期的な安定性である。低分子量炭化水素の混合物である噴霧剤は、乳剤の安定性を害する傾向がある。しかしながら、ゲル化剤として両親媒性コポリマーを含む泡組成物は驚くほど安定していることが観察されてきた。加速安定性試験により、それらが望ましい風合いを有することが実証される;それらは、表面との接触により直ちには壊れず、治療部位の上に容易に広がり、速やかに吸収される微細気泡構造を形成する。
【0048】
組成物はまた自由に流れて、例えばそれが容器の口およびエアロゾル容器中を流れて良好な泡を生成しなければならない。例えば白色ワセリンのような半固形の疎水性溶媒を乳剤の油相の主要成分として含む組成物は、高い粘度を示し、流動性が悪いため、発泡性組成物にとっては不適当な候補である。
【0049】
泡質を以下のように類別することができる:
等級E(優れている):外観において非常に豊かで、クリーム状であり、いかなる気泡構造も示さないか、非常に微細な(小さな)気泡構造を示す;急速には不活性にならない;皮膚上に広がる際に、泡がクリーム状特性を保持し、水っぽく見えない。
【0050】
等級G(良い):豊かで、クリーム状の外観、非常に小さな気泡のサイズ、優れている泡より速く「不活性」となり、皮膚上に広がる際にクリーム状を保持し、水っぽくならない。
【0051】
等級FG(まあ良い):中程度にクリーム状が目立ち、気泡構造が目立つ;皮膚上で広がる際、製品は急速に不活性となり、見かけの粘度が多少低くなる。
【0052】
等級F(並):極めて少ししかクリーム状が目立たない、「まあよい」泡より大きな気泡構造、皮膚上に広がると、外観が薄くなり、水っぽくなる。
【0053】
等級P(劣る):目立つクリーム状なし、大きな気泡構造、また皮膚上に広がるとき、外観は非常に薄く、水っぽくなる。
【0054】
等級VP(非常に劣る):乾燥した泡、大きな非常に不活性の気泡、皮膚上で広がるのが困難。
【0055】
局所的投与が可能な泡は、エアロゾル容器から放出されたとき、通常質等級EまたはGである。より小さな気泡はより安定した泡を示し、容器からの放出によって直ちには自然に崩壊しない。より微細な泡構造は、より滑らかに見えまた感じられ、それにより有用性と魅力が増加する。
【0056】
泡のさらなる局面として、壊れやすさがある。壊れやすい泡は熱に安定であるが、しかし、垂直な力によって壊れる。垂直な力により泡が壊れやすいことは、熱による壊れやすさよりも明らかに有利である。熱に敏感な泡は、皮膚温度に曝されると直ちに崩壊し、したがって、手の上に投与して後で傷んだ部位に送り届けることができない。
【0057】
泡のもう一つの特性は、エアロゾル缶から放出したときに測定される比重である。通常は、泡は0.1 g/ml 未満または0.05 g/ml 未満の比重を有する。
【0058】
医薬品への応用分野
発泡性担体に適切な治療薬を含めることにより、泡組成物は、様々な皮膚障害(「皮膚病」ともいう)のいずれか1つを有する患者の治療に役立つ。皮膚障害には次の群に従って、限定されない例示的な方法により分類されたものなどがある:
接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、手および足の慢性皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、うっ血性皮膚炎、慢性単純性苔癬、おむつかぶれを含む皮膚炎;
蜂巣炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚膿瘍、壊死性皮下感染、ブドウ球菌性火傷様皮膚症候群、毛包炎、フルンケル、汗腺膿瘍、癰、爪甲周囲炎感染、紅色陰癬を含む細菌感染;
皮膚糸状菌感染、酵母菌感染、疥癬を含む真菌感染;シラミ寄生症、クリーピング症を含む真菌感染症;
ウイルス感染;
座瘡、酒さ、口周辺皮膚炎、多毛症(多毛)を含む毛嚢および皮脂腺の障害;壮年性脱毛症、円形脱毛症、全身性脱毛症、および完全脱毛症を含む脱毛;偽鬚髯毛嚢炎、角質嚢腫;
乾癬、バラ色ひこう疹、扁平苔癬、毛孔性紅色ひこう疹を含む剥落丘疹性疾病;
ほくろ、形成障害性あざ、糸状線維腫、脂肪腫、血管腫、化膿性肉芽腫、脂漏角化症、皮膚線維腫、角化棘細胞腫、ケロイドを含む良性腫瘍;
基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性メラノーマ、乳首パジェット病、カポジ肉腫を含む悪性腫瘍;
日焼け、日光の慢性効果、光過敏症を含む日光への反応;
天疱瘡、水疱性類天疱瘡、疱疹状皮膚炎、線状免疫グロブリンA疾病を含む水疱性疾病;
白斑、白化現象および炎症後色素沈着減少症などの色素沈着減少、および黒皮症(褐色斑)、薬物誘発性色素沈着過度、炎症後色素沈着過剰症などの色素沈着過度を含む色素異常症;
魚鱗癬、毛孔性角化症、カルスおよびうおの目、紫外線角化症を含む角化障害;
褥瘡;
発汗障害;および
薬疹、中毒性表皮壊死症を含む炎症反応;多形性紅斑、結節性紅斑、環状肉芽腫。
【0059】
本発明の1つ以上の実施態様によれば、泡組成物は、さらに、非皮膚障害に対して有効な活性剤の経皮的送達を行うことにより、非皮膚障害の治療に役立つ。例を挙げれば、そのような障害には、限局性の痛み一般ならびに関節痛、筋肉痛、背痛、リウマチ痛、関節炎、骨関節炎および急性軟組織損傷およびスポーツ損傷が含まれる。この種の他の病気には、ホルモン補充療法などのホルモン療法により、経皮的ニコチン投与により、治療可能な症状が含まれる。さらに、本発明の1つ以上の実施態様による泡組成物は、局所麻酔剤の送達に役立つ。
【0060】
同じ利点が、粘膜の膜、口腔、膣および直腸に局所的に発泡性組成物を投与する場合に、期待される。
【0061】
活性剤
泡組成物は、皮膚障害の治療、およびスキンケアおよび美容用のケアに役立ちまた有利である。容易に広がる泡の形での、油の再補給、保護、および水分保持特性を有する油の添加により、現在利用可能な皮膚用および美容用のクリーム、ローション、ゲルなどの代替をすることができる。
【0062】
本発明の1つ以上の実施態様において、泡は、医学的障害または美容上の障害の治療を目的とする活性剤を含む。活性剤を、それが提供する利点、または仮定の作用機序により分類することができる。活性剤は、ある場合には1を越える利点を与えるか、または1を越える作用様式によって作用することができる。したがって、分類は便宜のためであって、活性を特定の応用またはリストした応用に制限することを意図するものではない。更に、泡組成物はさらなる有効成分と共にまたはなしで、「コスメシューティカル」製品として使用することに適している。
【0063】
抗菌剤
ある種類の薬物は抗菌剤を含む。本明細書に用いる用語「抗菌性」は、バクテリアに対して破壊的なまたはその成長を阻害する任意の物質、あるいはバクテリアおよび他の微生物の成長を阻害するかまたは破壊する能力を有する任意の物質であって、感染症の治療に用いられるものを含むものとするが、しかしそれらに限られない。細菌感染は、皮膚、目、粘膜の膜、口腔、膣および直腸の様々な表面の障害に関係することは周知である。抗菌薬は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌、原虫類、好気性細菌および嫌気性細菌に対して活性を持つことができる。
【0064】
抗菌薬は、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、合成および半合成ペニシリン、β-ラクタム、キノロン、フルオロキノロン、マクロライド系抗生物質、メトロニダゾールおよびメトロニダゾール誘導体と類似体、アゼライン酸などのジカルボン酸、サリチラート、ペプチド抗生物質、シクロスポリン、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せ、からなる群より選ばれる。抗菌剤の別の群は非特異的であり、それは過酸化水素、漂白剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、カルシウム、またはマグネシウムその他)、ヨウ素、クロロヘキシジンおよび過酸化ベンゾイルなどの、強い酸化剤およびフリーラジカルを遊離する化合物を含む。
【0065】
例示的な発泡性組成物は、切傷、創傷、火傷および潰瘍などの皮膚構造の損傷に伴う二次感染の予防および治療において特に有用かつ有益である。そのような場合にすべて、本製剤は容易に使用できる。塗布されたときは泡の状態であり、皮膚に擦り込まれて液体になるからである。
【0066】
感染の予防および治療に役立つ一方で、抗菌性泡はまた、炭疽菌および天然痘などの戦闘細菌生物に冒された領域の浄化に適用することができる。
【0067】
抗真菌剤
真菌感染は、発泡性組成物を用いる治療処置の別の対象である。皮膚の表層真菌感染症は一般診療で見られる最も一般的な皮膚病の1つである。皮膚糸状菌症が恐らく皮膚の最も一般的な表層真菌感染症である。ヒトの表皮、爪または毛のケラチンを代謝することができる菌類の一群が皮膚糸状菌症を引き起こす。皮膚糸状菌症を引き起こす皮膚糸状菌の3つの属(即ち小胞子菌属、白癬菌属、および皮膚糸状菌属)が存在する。
【0068】
カンジダ症は、fungus candida albicans またはときどきカンジダの他の種によって引き起こされる感染である。カンジダ症の臨床症候群は:(a)口腔カンジダ症(口腔鵞口瘡);(b)皮膚および生殖器粘膜のカンジダ症;(c)爪を冒すカンジダ爪甲周囲炎;および(d)生殖器と膣を冒す性器および腟カンジダ、を含む。
【0069】
医薬品組成物は、皮膚糸状菌およびカンジダに対して有効な抗真菌薬を含むことができる。抗真菌薬は、アゾール、ジアゾール、トリアゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール・グリセオフルビン、シクロピロックス、アモロルフィン、テルビナフィン、アンホテリシンB、ヨウ化カリウム、フルシトシン(5FC)および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せ、から成る群より選ばれる。
【0070】
本発明の1つ以上の実施態様による泡組成物は、例えば、体部白癬、足部白癬、赤色輪癬、爪白癬、頑癬、白癬性毛瘡および癜風の治療、およびカンジダ症およびカンジダ性鞘膜炎などの酵母菌感染の治療のためにも有用である。
【0071】
抗ウイルス剤
任意の既知の抗ウイルス薬の治療に有効な濃度を、泡組成物に組み入れることができる。例示的な組成物は、ウイルス感染の場合に特に有益である。口唇ヘルペスは一型単純ヘルペスウイルスにより引き起こされ、顔面ヘルペスと呼ばれる場合もある。軟疣は、顔面、体幹、下腹部、骨盤、内股、または陰茎に単独にまたは群になって現われる小さなウイルス成長である。帯状疱疹(帯状ヘルペス)は、通常一生に一度だけ生じ、発疹(赤い基部を備えた水泡の集合)として現われる。帯状疱疹は水痘の原因であるウイルスと同じウイルスによって引き起こされる。疣はウイルス感染によって引き起こされるありふれた良性の皮膚腫瘍である。
【0072】
組成物は、上に列記した任意の抗ウイルス薬の浸透速度を高め、また局所への配布を改善するために高レベルの疎水性溶媒を含むことができる。
抗炎症剤および抗アレルギー剤
活性剤は、抗炎症剤または抗アレルギー剤であってもよい。例示的な抗炎症剤または抗アレルギー剤には、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せが含まれる。
【0073】
抗炎症性活性剤はコルチコステロイドである。コルチコステロイドは、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸ハロベタゾール、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、吉草酸ベタメタゾン、フルオシノロンアセトニド、吉草酸ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せ、から成る群から選択することができる。コルチコステロイド薬は通常疎水性であるため、適切な泡担体は高レベルの疎水性溶媒を含む。疎水性溶媒は局所への配布を促進し、任意のコルチコステロイド薬の浸透速度を増大させる。
【0074】
組成物は、乾癬治療用活性剤を含んでもよい。コルチコステロイド軟膏剤は、水をほとんど含まないまたは水を含まないベトベトした調剤であって、乾癬の治療のために一般に用いられる。それの主な欠点は、処置が完了した後に長期間存続する粘質感であり、それによって処置された患者に潜在的不具合および不快感をもたらす。対照的に、高レベルの油(疎水性溶媒)を含む本発明の1つ以上の実施態様による泡組成物は、いかなる違和感または不愉快な外見も残すことなく患部全体にきわめて容易に広がり皮膚へ吸収される。ステロイドを活性剤として含む発泡性組成物により治療可能な他の炎症性障害の例は、アトピー性皮膚炎、脂漏症、顔面と体幹の脂漏性皮膚炎、脂漏性眼瞼炎、接触性皮膚炎、うっ血性皮膚炎(鬱滞性湿疹; 静脈瘤性湿疹)、剥脱性皮膚炎(紅皮症)、ビダール苔癬、バラ色粃糠疹、および天疱瘡である。
【0075】
現在利用可能な局所用抗ヒスタミン調剤には、1%および2%のジフェンヒドラミン(ベナドリル (登録商標) およびカラドリル (登録商標))、5%ドキセピン(ゾナロン(登録商標))クリーム、マレイン酸フリラミン、クロルフェニラミンおよびトリペレナミン、フェノチアジン、塩酸ブロメタジン(フェネルガン(登録商標))、およびマレイン酸ジメチンデン、が含まれる。これらの薬、ならびに別の抗ヒスタミン剤も使用することができる。
【0076】
ω-3およびω-6脂肪酸(例えば、リノールおよびリノレン酸、ガンマリノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA))を含む多価不飽和脂肪酸もまた、乾癬および他の皮膚炎症症状の治療に役立ち、発泡性組成物に含まれてもよい。
【0077】
非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)は皮膚および全身性の生体異常に対して有用であり、泡組成物に加えることができる。NSAIDに含まれる様々な化合物は当業者に周知である。組成物中で役立つ特異的な非ステロイド性抗炎症剤には:
1)ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカムなどのオキシカム;
2)サリチル酸、サリチル酸エチル、サリチル酸メチル、アスピリン、ジサルシド、ベノリラート、トリリサート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサル、 および フェンドサルなどのサリチル酸類;
3)ジクロフェナク, フェンクロフェナク, インドメタシン, スリンダク, トルメチン, イソキセパク, フロフェナク, チオピナク, ジドメタシン, アセマタシン, フェンチアザク, ゾメピラク, クリンダナク, オキセピナク, フェルビナク, および ケトロラクなどの酢酸誘導体;
4) メフェナム酸, メクロフェナム酸, フルフェナム酸, ニフルム酸,および トルフェナム酸 などのフェナム酸類;
5)イブプロフェン, ナプロキセン, ベノキサプロフェン, フルルビプロフェン, ケトプロフェン, フェノプロフェン, フェンブフェン, インドプロフェン, ピルプロフェン, カルプロフェン, オキサプロジン, プラノプロフェン, ミロプロフェン, チオキサプロフェン, スプロフェン, アルミノプロフェン, および チアプロフェン酸などのプロピオン酸誘導体;および
6)フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾンおよびトリメタゾンなどのピラゾール;
が含まれるが、しかしそれらに限られない。
【0078】
炎症プロセスを予防し、その症状を緩和し、治療しまたは治癒させる能力を有する、任意の他のステロイドおよび非ステロイド性化合物は、一般に抗炎症薬に含まれ得る。
【0079】
医薬品組成物は、炎症性サイトカインの発生を減少させるか、炎症性サイトカインの作用を阻害する抗炎症剤および/または抗アレルギー剤を含んでもよい。
【0080】
任意の抗炎症剤の混合物、ならびに皮膚学的に許容される塩類、エステル、アミド、プロドラッグ、およびこれらの薬剤の誘導体、を組成物に用いることができる。
【0081】
安全で効果的な量のNSAIDを含む泡の局所的塗布は、慢性関節リウマチ、骨関節炎、および痛みの症状の、予防および/または緩和に役立つことができる。泡組成物に組み入れられた局所NSAIDはまた、座瘡、酒さ、毛成長障害、紫外線角化症、およびある種の皮膚癌症状などの皮膚障害の治療に用いることができる。
【0082】
局所麻酔薬
泡組成物は有効な量の局所麻酔剤を含んでもよい。局所麻酔剤は、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、任意の薬学的に許容されるそれらの塩、およびそのような麻酔剤の混合物、から成る群より選択することができる。相乗作用により役立つ麻酔薬の任意の混合物も考慮する。
【0083】
角質溶解性活性剤
角質溶解剤が、発泡性組成物の活性剤として含まれてもよい。本明細書で用いる用語「角質溶解性活性剤」は、皮膚の角質層を緩めて除去するか、または皮膚のケラチン層の構造を変化させる化合物を含む。角質溶解性活性剤は、乾燥皮膚、超角質化(乾癬など)、皮膚掻痒(乾皮症など)、座瘡、および酒さを含む皮膚障害の治療に用いられる。
【0084】
適切な角質溶解性活性剤には、フェノールおよび置換フェノール化合物が含まれる。そのような化合物は、超ケラチン化された組織の細胞内マトリックスを溶解し緩和することが知られている。このように、それらを皮膚障害の治療に用いる。ジヒドロキシベンゼンおよびその誘導体は、強力な角質溶解剤と認められてきた。レゾルシノール(m-ジヒドロキシベンゼン)およびその誘導体を抗座瘡調剤中に用いる。ヒドロキノン(p-ジヒドロキシベンゼン)の有する抗色素沈着特性に加えて、ヒドロキノンはまた角質溶解性であることが知られている。これらの化合物はまた防腐特性を示す。クレゾールはまた、殺菌性および角質溶解性特性を有する。
【0085】
レチノイン酸、イソレチノイン酸、レチノールおよびレチナールなどのビタミンAおよびビタミンA誘導体は、本明細書において「レチノイド」とも名付けられ、別の種類の角質溶解性活性剤である。
【0086】
角質溶解性活性剤の別の群には、乳酸およびグリコール酸およびそれぞれの塩類および誘導体などのα-ヒドロキシ酸、ならびにサリチル酸(o-ヒドロキシ安息香酸)およびサリチル酸塩類などのβ-ヒドロキシ酸、ならびに薬学的に許容される誘導体が含まれる。
【0087】
別の種類の角質溶解性活性剤は、尿素および尿素誘導体を含む。
レチノイド
活性剤の別の群は、レチノール、レチナール、すべてのトランス型レチノイン酸ならびにそれらの誘導体、異性体、および類似体を含み、まとめて「レチノイド」と名付けられる。エトレチナート, アクチレチン, イソトレチノイン, アダパレン, およびタザロテンが、前記レチノイドの異性体および類似体のさらなる例である。活性薬としてレチノイドを含む発泡性組成物を罹患した部域へ塗布することにより、座瘡、脂漏症、様々な皮膚病、皮膚炎、粘膜の膜、膣および直腸の炎症、乾癬、紫外線角化症、ならびに皮膚癌の治療に用いることができる。
【0088】
殺虫剤と防虫剤
カ、サシバエ、ダニ、ブユ、ノミ、ツツガムシ、ヌカカ、サシチョウバエ、シラミおよびマダニなどの昆虫は不快であり、またヒトおよび動物の健康に深刻な危険をもたらす場合がある。米国のある地域では、蚊は、ウマ脳炎およびセントルイス脳炎のような疾病を伝搬する場合がある。サシバエは、何日も持続し、肥大し、化膿状態となる、痛い刺し傷を負わせることができる。マダニは、ライム病およびロッキー山紅斑熱のような重篤な疾病を伝搬することができる。
【0089】
飛ぶ、または刺す昆虫、クモ、マダニおよびダニから人々と動物を保護するために、発泡性組成物に防虫剤を加えてもよい。
【0090】
防虫剤の例には、DEET(N,N-ジエチル m-トルアミド)、フタル酸ジメチル、ピペロニルブトキシドおよびペルメトリンが含まれるが、しかしこれらに限られない。テルペノイド防虫剤は、Hwang, et al, J. Chem. Ecol.,11, 1297 (1985); および Ruledge,J.Am. Mosquito Control Assoc.4,414 (1988) により報告された。
【0091】
防虫剤の特定の群には U. S. Patent No. 5,411,992 に記述されている、次のテルペノイド化合物が含まれる:
(1)テルペノイド-アルコール、即ちテルペン-オールは少なくとも1つの水酸基を有するテルペノイドである。テルペン-オールの例には:C1016O化合物、ペリリルアルコール、カルベオール、ミルテノール、および シス-ベルベノール;C1010O化合物、ミルタノール, イソ-ピノカンフェオール, ジヒドロカルベオール, イソプレゴール, テルピネオール, テルピネン-4-オール, ネロール, ゲラニオール, リナロオール, C1020O化合物, メントール, β-シトロネロール, および ジヒドロ-ミルセノール、が含まれる。
(2)テルペノイドエステルは、テルペン-オールの水酸基が、脂肪鎖上に水酸基またはアミンなどの官能基を含み得る脂肪族カルボン酸と結合した生成物である少なくとも1つのエステル基を有するテルペノイドである。適当な脂肪族カルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、乳酸および様々なアミノ酸が含まれる。テルペノイドエステルの例には:酢酸カルビル、プロピオン酸カルビル、および乳酸メンチルが含まれる。
(3)テルペノイドを含む精油およびテルペノイドを含む香料。テルペン-オールおよびエステルを多く含む精油の限定されない例には、ベルガモット(62%テルペノイド);セージ(>50%テルペノイド);エゴノキ(>50%テルペノイド);ペパーミント(>50%テルペノイド);およびシベリアマツ(75%テルペノイド%)が含まれる。テルペン、アルデヒド、およびケトンは、その有用性において異なるが、一般的な群として、防虫剤としての能力を有する。
【0092】
発泡性組成物は、ヒトおよび動物の皮膚の広い範囲に防虫剤を効果的に一様に展着させることに特に適する。泡組成物中に存在する疎水性溶媒は、防虫剤を肌の表面上に長期間保持するのを助ける。
【0093】
発泡性組成物は、昆虫を殺す薬剤(殺虫剤)のヒトと動物の悩まされる外部表面領域への送達に適する。したがって医薬品または美容用組成物には、ペルメトリン、ヘキサクロロベンゼン、カルバメート、自然に存在するピレスロイド、ペルメトリン、アレスリン、マラチオン、ピペロニルブトキシド、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せから成る群より選ばれる殺虫剤が含まれる。組成物の塗布は非常に便利であり、またそれは毛で覆われた領域にさえも、容易に広がる。泡組成物中に存在する疎水性溶媒は、殺虫剤を治療部位に長期間保持するのを助ける。更に、泡の中に疎水性溶媒が存在すると、櫛によるシラミおよびシラミ卵の機械的な除去を容易にする。
【0094】
抗癌薬
抗癌薬を、基底細胞癌、扁平上皮癌、メラノーマおよびカポジ肉腫などの皮膚悪性腫瘍の治療に対して、また前癌症状である紫外線角化症の治療に対しても、選り抜きの薬として用いることができる。ある場合には、そのような癌を治療または予防するために、5-FUとも呼ばれる 5-フルオロウラシルを含む局所細胞毒性薬および抗増殖薬を用いる。5-FU、および癌医学分野おいて既知の他の抗癌剤も、治療の有効なレベルを泡剤に組み入れることができる。本発明の泡製剤中での使用に適した抗癌薬の例示なファミリーには、タモキシフェンなどの抗エストロゲン剤が含まれる。
【0095】
光感作療法剤
泡組成物はさらに、光増感剤の送達に有用である。光増感剤を、ポルフィリン、修飾されたポルフィリン、ソラレン, 8-メトキシソラレン, 5-メトキシソラレン, ソラレン誘導体, クロリン, バクテリオクロリン, フタロシアニン, ナフタロシアニン, フェオホルビド, プルプリン, m-THPC, モノ-L-アスパルチル クロリンe6, バクテリオクロリン, フタロシアニン, ベンゾポルフィリン誘導体、および アミノレブリン酸(ALA)などの光増感剤前駆体、から成る群より選択することができる。
【0096】
火傷、創傷、切傷および潰瘍用の活性剤
発泡性組成物を用いる火傷、創傷、切傷および潰瘍の治療は、特に有利である。泡剤は抗感染剤(細菌、真菌類および/またはウイルスに対する)、抗炎症剤(ステロイド剤および/またはNSAID)および鎮痛成分の全てを含むことができる。塗布すると、泡が、罹患部域の表面を覆い、痛みを引き起こすことなく容易に広がる。
【0097】
スキンケア活性剤
泡組成物がスキンケアおよび美容用ケアに役立ち、また有利である。容易に広がる泡の形の、保湿特性を有する油と水の組合せは、現在使用されている美容用スキンケアクリーム、ローション、ゲルその他に置き換えて用いることができる。美容用泡組成物は、皮膚の老化、しわ、過度色素沈着(黒皮症、肝斑、そばかす、その他)、鱗片状皮膚および他の皮膚の望ましくない特性、などの「美容」上の皮膚障害を治療するための「コスメシューティカル」製品(治療有益性を有する美容用製品)としての一層の応用に適する。
【0098】
CTFA Cosmetic Ingredient Handbook は、スキンケア産業の中で一般に用いられる、種々様々の限定されない美容用および薬剤用の成分について記述している。それらは本発明の組成物において使用するのに適している。これらの成分の種類の例には:表皮剥脱材、吸収性物質、例えば香水、色素、彩色/着色剤、精油、アストリンゼントなど(例えば丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、ウィッチヘーゼル蒸留液)などの美容成分、抗座瘡剤、抗固化剤、消泡剤、抗菌剤(例えばブチルカルバミン酸ヨードプロピル)、抗酸化剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、充填剤、キレート剤、化学添加物、着色剤、美容用アストリンゼント、美容用殺生物剤、変性剤、薬物アストリンゼント、外用鎮痛薬、塗膜形成要素または材料、例えば組成物の塗膜形成特性および持続性を助けるためのポリマー(例えばエイコセンとビニルピロリドンのコポリマー)、乳白剤、pH調節剤、噴霧剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、皮膚を漂白し明るくする薬剤(例えばヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグルコサミン)、スキンコンディショニング剤(例えば、皮膚中の活性剤の滞留期間の調節を容易にする様々な薬剤および湿潤剤を含む、湿潤剤)、皮膚を鎮静しおよび/または治療する薬剤(例えばパンテノールおよび誘導体(例えばエチルパンテノール)、アロエベラ、パントテン酸およびパントテン酸誘導体、アラントイン、ビサボロール、ならびにグリチルリチン酸二カリウム)、皮膚治療剤、増粘剤、ビタミン、およびそれらの誘導体、が含まれる。
【0099】
抗座瘡活性剤
抗座瘡剤を発泡性組成物中に含めることができる。抗座瘡剤を、レゾルシノール、硫黄、サリチル酸およびサリチラート、α-ヒドロキシ酸、非ステロイド性抗炎症剤、過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、イソレチノイン酸および他のレチノイド化合物、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸およびアゼライン酸誘導体、エリスロマイシンおよびクリンダマイシンなどの抗生物質、亜鉛塩および複合体、および治療上有効な濃度のそれらの組合せ、から成る群より選択することができる。
【0100】
抗しわ活性剤/抗萎縮活性剤および乾燥鱗片状皮膚(乾皮症および魚鱗癬)の治療薬剤
発泡性組成物が、さらに有効な量の抗しわ活性剤および/または少なくとも1つの抗萎縮活性剤を含んでもよい。発泡性組成物において使用に適した例示的な抗しわ/抗萎縮活性剤には、硫黄を含むDおよびLアミノ酸、およびそれらの誘導体および塩、特にN−アセチル誘導体;チオール;ヒドロキシ酸(例えば、乳酸およびグリコール酸などのα-ヒドロキシ酸およびそれらの誘導体および塩;またはサリチル酸およびサリチル酸塩と誘導体などのβ-ヒドロキシ酸)、尿素、ヒアルロン酸、フィチン酸、リポ酸;リゾホスファチジン酸、皮膚剥離剤(例えば、フェノール、レゾルシノール、その他)、ビタミンB3化合物(例えば、ナイアシンアミド、ニコチン酸塩、血管を拡張しないニコチン酸エステル(トコフェリルニコチネートなどの)、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−酸化物およびナイアシンアミドN−酸化物を含む、ニコチン酸塩およびエステル)、ビタミンB5およびレチノイド(例えば、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、アスコルビン酸レチニル)、が含まれる。乾燥した鱗片状皮膚(乾皮症)および魚鱗癬の場合には、そのような薬剤が、これらの症状に伴う痒みの一時的軽減によって症状を緩和することができる。
【0101】
酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー
有効な量の酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを、発泡性組成物に、例えば約0.1%〜約10%(w/w)、または約1%〜約5%(w/w)の量加えることができる。
【0102】
アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、ソルビン酸アスコルビル)、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロールソルバート、トコフェロールアセタート、他のトコフェロールエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびそれらの塩、6-ヒドロキシ-2, 5, 7, 8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(Trolox(登録商標)の商標で市販されている)、没食子酸および没食子酸アルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸および尿酸の塩およびアルキルエステル、ソルビン酸およびソルビン酸塩、リポ酸、アミン(例えば、N, N-ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えばグルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸およびジヒドロキシフマル酸塩、リシンピドラート、アルギニンピロラート、ノルジヒドログアイアレチン酸、バイオフラボノイド、クルクミン、リジン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウ果皮/種子抽出物、メラニンおよびローズマリー抽出物、などの酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを用いることができる。
【0103】
泡剤は、皮膚を保護し再生する酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーの送達に適している。ω−3およびω−6脂肪酸(例えば、リノール酸、リノレン酸、γ-リノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA))を含む多価不飽和脂肪酸が、乾癬および他の皮膚炎症症状の治療に有益である。同様に、皮膚軟化剤およびシリコンオイルが皮膚の保湿および皮膚防護効果を発揮する。このように、疎水性溶媒が、皮膚軟化剤、シリコンオイル、および不飽和脂肪酸が豊富でしたがって酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー薬剤および坦体成分の相乗的治療効果をもたらす油、からなる群より選択される溶媒を、全部あるいは一部分含む皮膚保護泡剤が提供される。
【0104】
自己日焼け活性剤
泡組成物は、日焼け活性剤を皮膚の広い面積に亘って、一様に送達するのに特に適する。組成物は、約0.1%〜約20%、または約2%〜約7%、または約3%〜約6%のジヒドロキシアセトンあるいは人工日焼け活性剤として従来知られている任意の他の化合物を含む。
【0105】
皮膚のライトニング剤およびホワイトニング剤
泡組成物を、皮膚ライトニング剤の一様な送達用の組成物を提供するために調製してもよい。使用する場合には、組成物は皮膚ライトニング剤を約0.1%〜約10%、または約0.2%〜約5%含む。適当な皮膚のライトニング剤またはホワイトニング剤には、従来技術において既知の、ヒドロキノン、アゼライン酸および他の関連するジカルボン酸およびその塩および誘導体、レチノイド、コウジ酸、アルブチン、ニコチン酸とニコチン酸前駆体、塩および誘導体、アスコルビン酸およびその塩と誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウムまたはリン酸アスコルビルナトリウム)、ならびにハーブ抽出物(例えば、クワ抽出物、胎座抽出物)を含む薬剤が挙げられる。
【0106】
本発明の1つ以上の実施態様において、泡組成物は、少なくとも1つの皮膚ホワイトニング剤と、レチノイド、角質溶解性活性剤および抗炎症剤から選ばれる少なくとも1つの追加の活性剤との組合せを含む。
【0107】
1つ以上の実施態様において、組成物は、少なくとも1つの皮膚ホワイトニング剤と、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸およびレチノイドから選択される少なくとも1つの角質溶解剤との組合せを含む。
【0108】
本発明の1つ以上の実施態様において、泡組成物は、皮膚ホワイトニング剤と無機日焼け止め剤との組合せを含む。無機日焼け止め剤(例えば二酸化チタン、酸化亜鉛)を皮膚に擦り込むと、白い被覆を残して即時の(一過性であるが)ホワイトニング効果を提供し、それは、彼/彼女の外観の即時の変化を見たい消費者にとって極めて望ましい。ホワイトニング剤は、泡担体中の無機日焼け止め剤と組み合わせて、容易に一様に皮膚表面に塗布することができ、肌表面に均一に広げるのが難しいクリームと異なり、それによってムラがない即時のホワイトニング作用をもたらす。
【0109】
日焼け止め
紫外線照射により、角質層の過度の剥脱および肌理の変化がもたらされる可能性がある。日焼け止め剤送達用組成物を提供するために、日焼け止め活性剤を含めることにより泡組成物を調製してもよい。日焼け止め泡の塗布は非常に便利であり、それは広い皮膚領域に容易に広がる。入浴中さえも、泡の中に疎水性溶媒が存在することによって永く持続する効果が保証される。
【0110】
本明細書で用いる「日焼け止め活性剤」には、日焼け止め剤および物理的日光遮断剤の両方が含まれる。適当な日焼け止め活性剤は有機剤または無機剤でありえる。本明細書の有用な無機日焼け止め剤には、約15 nm〜約100 nmの平均一次粒子サイズを有する二酸化チタン、約15 nm〜約150 nmの平均一次粒子サイズを有する酸化亜鉛、約15 nm〜約150 nmの平均一次粒子サイズを有する酸化ジルコニウム、約15 nm〜約500 nmの平均一次粒子サイズを有する酸化鉄、およびそれらの混合物、などの金属酸化物が含まれる。本明細書で用いる場合、無機日焼け止め剤が、重量で約0.1%〜約20%、または重量で約0.5%〜約10%、または重量で約1%〜約5%の量が存在する。
【0111】
種々様々の従来の有機日焼け止め活性剤が、本明細書での使用に適する。具体的な適当な日焼け止め活性剤には、例えば p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸塩およびp-アミノ安息香酸誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル;p-ジメチルアミノ安息香酸);アントラニラート(すなわち、o-アミノベンゾアート;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル、および シクロヘキセニル エステル);サリチラート(アミル、フェニル、オクチル、ベンジル、メンチル、グリセリル、および ジ-プロピレングリコールエステル);ケイ皮酸誘導体(メンチルおよびベンジルエステル、a-フェニル シンナモニトリル、ピルビン酸シンナモイルブチル);ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト-ウンベリフェロン);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチン、およびグルコシド、エスクリンおよびダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルアセトン、およびベンザルアセトフェノン;スルホン酸ナフトール (2-ナフトール-3, 6-ジスルホン酸および 2-ナフトール-6, 8-ジスルホン酸のナトリウム塩);ジヒドロキシナフトエ酸、およびジヒドロキシナフトエ酸塩;o- および p-ヒドロキシビフェニルジスルホナート;クマリン誘導体(7-ヒドロキシ、7-メチル、3-フェニル);ジアゾール(2-アセチル-3-ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチル ナフトオキサゾール、様々なアリルベンゾチアゾール);キニーネ塩(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩、およびタンニン酸塩);キノリン誘導体(8-ヒドロキシキノリン塩、2-フェニルキノリン);ヒドロキシ- または メトキシ- 置換ベンゾフェノン;尿酸、およびビオルル酸;タンニン酸およびタンニ酸誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルボトール)(6-プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン (オキシベンゼン, スリソベンゾン, ジオキシベンゾン, ベンゾレソルシノール, 2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン, 2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン, オクタベンゾン; 4-イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン ; エトクリレン ; オクトクリレン ; 3-(4'-メチルベンジリデン ボルナン-2-オン), テレフタリリデン・ジカンファースルホン酸および 4-イソプロピル-ジベンゾイルメタン、が含まれる。
【0112】
有効な量の有機日焼け止め活性剤、一般的には組成物の約1%〜約20%の重量、より一般的には約2%〜約10%の重量、が用いられる。正確な量は、選ばれた日焼け止め(または複数の日焼け止め)、および所望の日焼け防止指数(SPF)に依存して変更することになる。少なくとも約15のSPFを有する少なくとも1つの日焼け止め剤を含有する組成物は、日焼けから皮膚を保護するために役立つ。1つ以上の実施態様の中で、少なくとも約15のSPFを有する少なくとも1つの日焼け止め剤を包含する組成物は、皮膚色素過剰、皮膚癌、および過度の日光照射に伴う他の皮膚生物学的異常を含む病気の予防に役立つ。少なくとも約30のSPFを有する少なくとも1つの日焼け止め剤を包含する組成物を用いることができる。
【0113】
発毛障害用薬剤
発毛パターンに影響する薬剤を泡組成物に適切に組み入れることができる。禿の最も一般的な原因である壮年性脱毛症(MPB)を、5-α還元酵素によりテストステロンホルモンから変換される男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)の活性が引き起こす。MPBの現在の治療には、ミノキシジル、およびフィナステリド、スピロノラクトン、アゼライン酸、およびアゼライン酸誘導体および塩などの5-α還元酵素を阻害する薬剤が含まれる。泡組成物に他の公知の薬剤と同様にそのような薬剤も泡組成物に組み入れることができる。
【0114】
多価不飽和脂肪酸、すなわちリノール酸およびリノレン酸、γ-リノール酸(GLA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ならびにドコサヘキサエン酸(DHA)などの必須脂肪酸(EFA)のいずれかを含む多価不飽和脂肪酸もまた、発毛に寄与することが知られている。したがって、疎水性溶媒が、そのような不飽和脂肪酸が豊富な油を全部または一部分含む発毛性泡組成物を提供する。
【0115】
姿態形成剤;セルライトの治療剤/痩身剤
泡組成物に、セルライトの治療、および痩身製剤中などで用いる姿態形成剤を適切に組み入れることができる。セルライトの治療および痩身効果の誘導において既知の活性剤の限定されない例示的なリストには:
− ハーブ抽出物:ヒバマタ抽出物、ナギイカダ、トウガラシ、タンポポ、アカツメクサ、イチョウ葉エキス、セイヨウトチノキ、ウィッチヘーゼル、およびルリヂサ油
− ω-3およびω-6油
− カフェー酸、およびその塩と誘導体
− テオフィリンおよびペントキシフィリンなどのキサンチン薬剤
− ニコチン酸、およびその塩と誘導体、
が含まれる。
【0116】
日焼け、火傷、放射線火傷、発疹、および痒みの治療剤
薬物学と美容学において公知の、皮膚炎、軽症皮膚過敏、日焼け、火傷、放射線火傷、を治療し、炎症を阻止するための美容用および製薬用成分を、有益に泡組成物に組み入れることができる。
【0117】
そのような活性剤の例には、カモミール抽出物(matricaria recutitia)、キュウリ溜出液(cucumis sativus)、ラベンダー水(lavendula angustifolia)、バラ水(rosa damascena)、ウィッチヘーゼル(hamamelis virginiana)、アラントイン、ビサボロール、ばらの実油、キンセンカ乾燥花油、アズラエン、メントール、およびカンファーが含まれる。
【0118】
他のスキンケア活性剤
活性剤を、含硫アミノ酸、チオール化合物、α-ヒドロキシ酸、乳酸および乳酸誘導体と塩、グリコール酸、グリコール酸誘導体およびグリコール酸塩、β-ヒドロキシ酸、サリチル酸およびサリチル酸塩と誘導体、フィチン酸、リポ酸、リゾホスファチジン酸、皮膚剥脱剤、フェノール、レゾルシノール、ビタミンB3化合物、ナイアシンアミド、ニコチン酸およびニコチン酸塩とエステル、ニコチン酸トコフェリル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸ニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N-酸化物およびナイアシンアミド N-酸化物、レチノイド、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニルおよびアスコルビン酸レチニル、カフェイン、テオフィリン、ペントキシフィリン、ジヒドロキシアセトン、コウジ酸、アルブチン、ニコチン酸およびニコチン酸前駆体、ニコチン酸塩、ニコチン酸誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩およびアスコルビン酸誘導体、の群より選択することができる。
【0119】
円滑化および保護泡としての泡の使用
泡、特にシリコンオイルをベースにした泡を円滑化泡として用いてもよい。代表例は、髭剃り泡、保湿泡、および減摩用泡である。そのような目的のために、泡は、その泡の基礎的な組成のままで(追加の製剤補助剤および有効成分無しに)、またはそのような添加剤を加えて、使用することができる。
【0120】
さらなる技術的パラメーター
泡組成物をパッチ上に置いてもよい。それは活性剤の皮膚中における、または経皮的送達装置の皮膚接触分画中における滞留期間の調節を容易にするため、および有効な表面治療、または薬物の皮膚へのまたは皮膚を通しての増強された浸透を達成するために、そのような活性剤を皮膚に塗布することを容易にするためである。そのような方策を利用して、現在全身的に投与している、または経皮的な送達が必要な薬物を塗布することができる。そのような薬物の例には、ニコチン、テストステロンおよび他の男性ホルモンおよび男性ホルモン前駆体、エストロゲンおよび他の女性ホルモンおよびホルモン前駆体、成長ホルモン、インシュリン、カフェイン、ステロイド・非ステロイド性抗炎症剤、および甲状腺ホルモン代用薬がある。
【0121】
実施例1において例示されるように、本発明の組成物を生成するために一般的方法を適用することができる。本発明による製薬用担体を、スキンケア剤および香料へ加えることにより美容目的の化粧品を調製するために用いることもできる。
【0122】
実施例
本発明を次の実施例を参照して記述する。本発明はこれらの実施例および実験に限定されない。その全範囲は、特許請求の範囲に記載される。
【実施例1】
【0123】
薬用または美容用泡担体および組成物の生産:一般的方法
薬用泡担体を調整するための方法は、一般に下記の工程を含んでいた。
【0124】
工程1 − 水相:ゲル化剤および表面活性剤を攪拌しながら水に溶解する。溶液を50〜70℃に温める。水溶性美容用または薬用活性成分および任意に選択する水溶性成分を、水相混合物に攪拌しながら加える。熱に敏感な活性成分の場合には、活性成分を工程3の後で攪拌しながら混合物に加える。
【0125】
工程2 − 疎水性相: 疎水性溶媒を同じ温度まで加熱する。油溶性美容用または薬用の活性成分および任意選択の油溶性配合剤を、疎水性相混合物に攪拌しながら加える。熱に敏感な活性成分の場合には、活性成分を工程3の後で攪拌しながら混合物に加える、
工程3 − 暖かい疎水性相を、徐々に暖かい水相へ攪拌しながら注ぎ、続いてUltraturaxによる均質化を行う。混合物を周囲温度まで放冷する。
【0126】
工程4 − 混合物を周囲温度でエアゾル容器に加え、容器を密閉し、適当量の噴霧剤(組成物重量の約10%)を圧縮して容器に詰める。
【実施例2】
【0127】
− 泡組成物
本実施例は、安定したE-等級の泡を脂肪アルコールまたは脂肪酸なしで生成することができることを示す。本実施例における油相は、総計10%〜36%の油成分を含んでいた。上に定義したように、これらの油は他の任意の疎水性溶媒で交換可能である。
【0128】
【表1】

【実施例3】
【0129】
− 薬物を有する泡組成物
本実施例は、脂肪アルコールまたは脂肪酸を含まないE−等級品質の薬物を有する泡を得ることができることを実証する。
【0130】
【表2】

【実施例4】
【0131】
− 泡組成物対従来のクリームの、相対的な許容度および受容性の研究
12名の被験者集団に、二重盲検法により、約0.5gの実施例2試料番号1の泡製剤を1つの腕に、および0.5gの市販のクリームを塗布するように依頼した。被験者たちに、各製剤の塗布の容易性、伸展の容易性、伸展性、および浸透性、についての被験者の感じを記述し、また各製剤に対して0〜3の尺度(0=貧弱な;1=かろうじて許容できる;2=許容できる、および 3=優れた)により、被験者の全体的な評価を与えるよう求めた。
【0132】
次の表に示すように、泡製剤がテストのすべての局面で高い評価を得た。
【0133】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールフリーの発泡性担体として使用するための、投与前の状態では安定な不透明の水中油乳剤であって:
(i)組成物の重量の約10〜75%の、液体で不揮発性の疎水性溶媒;
(ii)組成物の重量の約0.1〜5%の、少なくとも9のHLB値を有する表面活性剤;
(iii)約0.1〜5重量%の、両親媒性コポリマーを含むゲル化剤;および、
(iv)全組成物の重量の約3%〜約18%の濃度の液化ガス噴霧剤、
を含む乳剤。
【請求項2】
前記疎水性溶媒が組成物の重量の約10〜20%を構成する、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項3】
前記疎水性溶媒が組成物の重量の約20〜75%を構成する、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項4】
前記疎水性溶媒が、重量ベースで2:8〜8:2の比率の鉱油および皮膚軟化剤の混合物を含む、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項5】
前記表面活性剤が非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤の混合物である、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤および前記イオン性界面活性剤の前記混合物が1:1〜20:1の比率である、請求項5記載の発泡性担体。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤および前記イオン性界面活性剤の前記混合物が100:1〜6:1の比率である、請求項5記載の発泡性担体。
【請求項8】
前記表面活性剤が実質的に少なくとも1つの非イオン性界面活性剤からなる、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項9】
前記両親媒性コポリマーが、アクリル酸と疎水性コモノマーの架橋されたコポリマー、両親媒性デンプン誘導体、両親媒性シリコンポリオールまたはコポリオール、および両親媒性ブロックポリマーからなる群より選択される、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項10】
両親媒性コポリマーが、ペミュレンポリマー界面活性剤、アクリラート/C10〜30アルキルアクリラート・クロスポリマー、セチルヒドロキシエチルセルロース、アクリラート/ステアレス-20メタクリラート・コポリマー、アクリラート/ラウレス-25メタクリラート・コポリマー、アクリラート/ベヘネス-25メタクリラート・コポリマー、PRG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー、アクリラート/ビニルイソデカノアート、アクリラート/ステアレス-20イタコナート・コポリマー、アクリラート/セテス-20イタコナート・コポリマー、およびアクリラート/アミノアクリラート/C10〜30アルキルPEG20イタコナート・コポリマー、両親媒性シリコンポリマー、アルキルジメチコン・コポリオール、セチルジメチコン・コポリオール、ジメチコン・コポリオールPPG−3オレイルエーテル、アセチル化デンプン誘導体、両親媒性加工デンプン、およびエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはプロピレングリコールの両親媒性ブロックコポリマー、からなる群より選択される、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項11】
ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン寒天、カラゲーニンガム アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、デンプン、化工デンプン、セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、可溶性デンプン、陽イオン性セルロース、陽イオン性グアー、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコールポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、およびポリ塩化ビニリデンポリマーからなる群より選択される増粘剤をさらに含む、請求項9記載の発泡性担体。
【請求項12】
治療上有効な濃度の薬物の有効な量をさらに含む 請求項1記載の発泡性担体。
【請求項13】
前記疎水性溶媒が、植物油、魚油、鉱油、皮膚軟化剤、シリコン油、植物由来の治療用油、および任意の割合のそれらの任意の混合物からなる群より選択される、請求項1記載の発泡性担体。
【請求項14】
前記表面活性剤および前記ゲル化剤が発泡性組成物の約8%(w/w)未満を構成する、請求項1記載の起泡性担体。
【請求項15】
前記表面活性剤および前記ゲル化剤が発泡性組成物の約5%(w/w)未満を構成する、請求項1記載の起泡性担体。
【請求項16】
投与前の状態では安定している不透明の水中油乳剤の治療用発泡性組成物であって:
(i)組成物の重量の約10〜75%の、液体で不揮発性の疎水性溶媒;
(ii)組成物の重量の約0.1〜5%の、少なくとも9のHLB値を有する表面活性剤;
(iii)約0.1〜5重量%の、両親媒性コポリマーを含むゲル化剤;
(iv)治療上有効な量の少なくとも1つの活性剤;および、
(v)全組成物の重量の約3%〜約18%の濃度の液化ガス噴霧剤、
を含む治療用組成物。
【請求項17】
前記疎水性溶媒が組成物の重量の約10〜20%を構成する、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項18】
前記疎水性溶媒が組成物の重量の約20〜75%を構成する、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項19】
前記活性剤が薬物である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項20】
前記活性剤が美容効果を有する薬剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項21】
前記疎水性溶媒が、植物油、魚油、鉱油、皮膚軟化剤、シリコン油、植物由来の治療用油、および任意の割合のそれらの任意の混合物からなる群より選択される、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項22】
前記疎水性溶媒が、鉱油および皮膚軟化剤が重量ベースで実質的に2:8〜8:2の比率で含まれる混合物を含む、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項23】
前記両親媒性コポリマーが、アクリル酸と疎水性コモノマーの架橋コポリマー、両親媒性デンプン誘導体、両親媒性シリコンポリオールまたはコポリオール、および両親媒性ブロックポリマーからなる群より選択される、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項24】
両親媒性コポリマーが、高分子量のアクリル酸と疎水性コモノマーの架橋コポリマー、ペミュレンポリマー界面活性剤、アクリラート/C10〜30のアルキルアクリラート・クロスポリマー、セチルヒドロキシエチルセルロース、アクリラート/ステアレス-20メタクリラート・コポリマー、アクリラート/ラウレス-25メタクリラート・コポリマー、アクリラート/ベヘネス-25メタクリラート・コポリマー、PRG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー、アクリラート/ビニルイソデカノアート、アクリラート/ステアレス-20イタコナート・コポリマー、アクリラート/セテス-20イタコナート・コポリマー、およびアクリラート/アミノアクリラート/C10〜30アルキルPEG20イタコナート・コポリマー、両親媒性シリコンポリマー、アルキルジメチコン・コポリオール、セチルジメチコン・コポリオール、ジメチコン・コポリオールPPG−3オレイルエーテル、アセチル化デンプン誘導体、両親媒性加工デンプン、およびエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはプロピレングリコールの両親媒性ブロックコポリマーからなる群より選択される、請求項16の治療用組成物。
【請求項25】
ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン寒天、カラゲーニンガム・アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、デンプン、化工デンプン、セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、可溶性デンプン、陽イオン性セルロース、陽イオン性グアー、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコールポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、およびポリ塩化ビニリデンポリマーよりなる群より選択される増粘剤をさらに含む、請求項23記載の治療用組成物。
【請求項26】
前記表面活性剤が非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤の混合物である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項27】
前記非イオン性界面活性剤および前記イオン性界面活性剤の前記混合物が20:1〜1:1の比率である、請求項26記載の治療用組成物。
【請求項28】
前記非イオン性界面活性剤および前記イオン性界面活性剤の前記混合物が100:1〜6:1の比率である、請求項26記載の治療用組成物。
【請求項29】
前記表面活性剤が実質的に少なくとも1つの非イオン性界面活性剤からなる、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項30】
前記表面活性剤および前記ゲル化剤が治療用組成物の約8%(w/w)未満を構成する、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項31】
前記表面活性剤および前記ゲル化剤が治療用組成物の約5%(w/w)未満を構成する、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項32】
薬物が、バクテリア、菌類、ウイルス、寄生生物、炎症、自己免疫、アレルギー、ホルモン、悪性腫瘍、およびそれらの任意の組合せから成る群より選択される病因を有する疾病の治療を対象とする、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項33】
前記薬物が生物学的異常の治療のために選択される、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項34】
前記薬物が体表面の症状の治療を対象とする、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項35】
前記薬物が、皮膚、粘膜の膜、目、耳、膣、および直腸の障害の治療のために選択される、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項36】
前記薬物が、皮膚病、皮膚炎、細菌感染症、真菌感染症、寄生虫感染症、ウイルス感染症、毛嚢および皮脂線の障害、座瘡、酒さ、剥脱丘疹性疾病、良性腫瘍、悪性腫瘍、日光反応、水疱性疾病、色素沈着性疾患、角化障害、褥瘡、発汗障害、炎症反応、乾皮症、魚鱗癬、アレルギー、火傷、創傷、切傷、および前記薬物の経皮的な送達に応答する非皮膚障害、からなる群より選択される障害の治療を対象とする、請求項19の治療用組成物。
【請求項37】
前記薬物が抗菌物質である、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項38】
前記抗菌物質が、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、合成および半合成ペニシリン、β-ラクタム、キノロン、フルオロキノロン、マクロライド系抗生物質、ペプチド抗生物質、サイクロスポリン、メトロニダゾール、フリーラジカル生成剤、ヨウ素、クロロヘキシジン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せからなる群より選択される、請求項37記載の治療用組成物。
【請求項39】
前記薬物が抗真菌物質である、請求項19の治療用組成物。
【請求項40】
前記抗真菌薬が皮膚糸状菌またはカンジダに対して有効である、請求項39記載の治療用組成物。
【請求項41】
前記抗真菌薬が、アゾール、ジアゾール、トリアゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール、グリセオフルビン、シクロピロックス、アモロルフィン、テルビナフィン、アンホテリシンB、ヨウ化カリウム、フルシトシン(5FC)、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せ、から成る群より選択される、請求項39記載の治療用組成物。
【請求項42】
前記薬物が抗ウイルス薬である、請求項19の治療用組成物。
【請求項43】
前記抗ウイルス薬が、ビダラビン、アシクロビル、ガンシクロビル、ヌクレオシドアナログの逆転写酵素阻害剤、AZT(ジドブジン)、ddl(ジダノシン)、ddC(ザルシタビン)、d4T(スタブジン)、3TC(ラミブジン)、非-ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、ネビラピン、デラビルジン、プロテアーゼ阻害剤、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、リバビリン、アマンタジン、リマンタジン、およびインターフェロン、から成る群より選択される、請求項42記載の治療用組成物。
【請求項44】
前記活性剤が殺虫剤と防虫剤の群より選択される、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項45】
前記活性剤が、ヘキサクロロベンゼン、カルバマート、自然に存在するピレスロイド、ペルメトリン、アレスリン、マラチオン、ピペロニルブトキシド、任意のテルペノールおよびその誘導体、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せ、からなる群より選択される抗寄生生物剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項46】
前記活性剤が抗アレルギー剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項47】
前記抗アレルギー剤が、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、免疫修飾剤、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せ、から成る群より選択される、請求項46記載の治療用組成物。
【請求項48】
前記活性剤が抗炎症剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項49】
前記抗炎症剤が、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、免疫抑制剤、免疫修飾剤、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せから成る群より選択される、請求項48記載の治療用組成物。
【請求項50】
前記抗炎症剤が、クロベタゾールプロピオナート、ハロベタゾールプロピオナート、ベータメタゾンジプロピオナート、ベータメタゾンバレラート、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベータメタゾンバレラート、フルオシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾンバレラート、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せから成る群より選択される、請求項48記載の治療用組成物。
【請求項51】
前記抗炎症剤が非ステロイド性抗炎症薬である、請求項48記載の治療用組成物。
【請求項52】
前記抗炎症剤が、オキシカム、ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカム、サリチラート、アスピリン、ジサルシド、ベノリラート、トリリサート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサル、 フェンドサル、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク, フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラク、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナク、ケトロラク、フェナマート、メフェナム酸、 メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、プロピオン酸誘導体、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロペン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ピラゾール、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン、およびトリメタゾンから成る群より選択される、請求項48記載の治療用組成物。
【請求項53】
前記抗炎症剤が、炎症性サイトカインの発生を減少させるか、または炎症性サイトカインの作用を阻害する、請求項48記載の治療用組成物。
【請求項54】
前記抗アレルギー剤が、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、フリラミンマレアート、クロルフェニラミンおよびトリペレナミン、フェノチアジン、塩酸ブロメタジン、ジメチンデンマレアート、および治療上有効な濃度のそれらの任意の組合せから成る群より選択される、請求項46記載の治療用組成物。
【請求項55】
前記活性剤が抗癌剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項56】
前記活性剤が光感作療法剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項57】
前記薬物が局所麻酔剤である、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項58】
前記麻酔剤が、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノールからなる群より選択される、請求項54記載の治療用組成物。
【請求項59】
前記薬物が非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項60】
前記活性剤がレチノイドである、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項61】
前記レチノイドが、レチノール、レチナール、レチノイン酸、エトレチナート、 アクチレチン、イソトレチノイン、アダパレン、およびタザロテン、からなる群より選択される、請求項60記載の治療用組成物。
【請求項62】
前記活性剤が抗しわ剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項63】
前記活性剤が、含硫アミノ酸、チオール化合物、α-ヒドロキシ酸、乳酸および乳酸誘導体と塩、グリコール酸、グリコール酸誘導体およびグリコール酸塩、β-ヒドロキシ酸、サリチル酸およびサリチル酸塩と誘導体、フィチン酸、リポ酸、リゾホスファチジン酸、皮膚剥脱剤、フェノール、レゾルシノール、ビタミンB3化合物、ナイアシンアミド、ニコチン酸およびニコチン酸塩とエステル、ニコチン酸トコフェリル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸 N-酸化物およびナイアシンアミド N-酸化物、レチノイド、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニルおよびアスコルビン酸レチニル、カフェイン、テオフィリン、ペントキシフィリン、ジヒドロキシアセトン、コウジ酸、アルブチン、ニコチン酸およびニコチン酸前駆体、ニコチン酸塩、ニコチン酸誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、およびアスコルビン酸誘導体からなる群より選択される、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項64】
前記活性剤がラジカルスカベンジャーである、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項65】
前記活性剤がハーブ抽出物である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項66】
前記活性剤が、脂肪酸のアスコルビルエステル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、アスコルビルソルバート、トコフェロール、トコフェロールソルバート、トコフェロールアセタート、他のトコフェロールエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびそれらの塩、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸、没食子酸と没食子酸アルキルエステル、没食子酸プロピル、尿酸、尿酸の塩およびアルキルエステル、ソルビン酸とソルビン酸塩、リポ酸、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、アミノグアニジン、スルフヒドリル化合物、グルタチオン、ジヒドロキシ-フマル酸およびフマル酸塩、リシンピドラート、アルギニンピロラート、ノルジヒドログアイアレチン酸、ビオフラボノイド、クルクミン、リジン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウ果皮/種子抽出物、メラニンおよびローズマリー抽出物、からなる群より選択される、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項67】
前記活性剤が自己日焼け剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項68】
前記活性剤が抗座瘡活性剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項69】
前記活性剤が、レゾルシノール、硫黄、サリチル酸、サリチル酸塩、過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、イソトレチノイン、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸およびアゼライン酸誘導体、抗生薬剤、エリスロマイシンとクリンダマイシン、および亜鉛塩と複合体からなる群より選択される、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項70】
前記活性剤が皮膚ホワイトニング剤である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項71】
レチノイド、角質溶解性活性剤、および抗炎症剤からなる群より選択される少なくとも1つの薬剤をさらに含む、請求項68記載の治療用組成物。
【請求項72】
日焼け止め剤をさらに含む、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項73】
前記日焼け止め剤がUVA吸収剤およびUVB吸収剤からなる群より選択される、請求項72記載の治療用組成物。
【請求項74】
前記薬物が経皮的送達のために選択される、請求項19記載の治療用組成物。
【請求項75】
酸化剤、ヨウ素、ヨウ素化合物、クロロヘキシジン、漂白剤、および表面活性剤からなる群より選択される汚染除去剤をさらに含む、請求項16記載の起泡性担体。
【請求項76】
皮膚障害を治療し、緩和し、または予防する方法であって、治療上有効な量の、不透明な水中油乳剤であり、投与前の状態では安定で、
(i)組成物の重量の約10〜75%の、液体の不揮発性疎水性溶媒;
(ii)組成物の重量の約0.1〜5%の、少なくとも9のHLB値を有する表面活性剤;
(iii)約0.1〜5重量%の、両親媒性コポリマーを含むゲル化剤;
(iv)治療上有効な量の少なくとも1つの活性剤;および、
(v)全組成物の重量の約3%〜約18%の濃度の液化ガス噴霧剤、
を含む壊れやすい治療用泡組成物を罹患部位へ局所的に投与すること、を含む方法。
【請求項77】
前記疎水性溶媒が重量ベースで2:8 〜 8:2の比率の鉱油と皮膚軟化剤の混合物を含む、請求項76記載の方法。
【請求項78】
前記表面活性剤が、1:1 〜 20:1の比率の非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤の混合物である、請求項76記載の方法。
【請求項79】
前記表面活性剤が実質的に非イオン性である、請求項76記載の方法。
【請求項80】
前記両親媒性コポリマーが、アクリル酸および疎水性コモノマーの架橋コポリマー、両親媒性デンプン誘導体、両親媒性シリコンポリオールまたはコポリオール、および両親媒性ブロックポリマーからなる群より選択される、請求項76記載の方法。
【請求項81】
両親媒性コポリマーが、アクリル酸および疎水性コモノマーの架橋コポリマー、ペミュレンポリマー界面活性剤、アクリラート/C10〜30アルキルアクリラート・クロスポリマー、セチルヒドロキシエチルセルロース、アクリラート/ステアレス-20メタクリラート・コポリマー、アクリラート/ラウレス-25メタクリラート・コポリマー、アクリラート/ベヘネス-25メタクリラート・コポリマー、PRG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー、アクリラート/ビニルイソデカノアート、アクリラート/ステアレス-20イタコナート・コポリマー、アクリラート/セテス-20イタコナート・コポリマー、およびアクリラート/アミノアクリラート/C10〜30アルキルPEG20イタコナート・コポリマー、両親媒性シリコンポリマー、アルキルジメチコン・コポリオール、セチルジメチコン・コポリオール、ジメチコンコポリオールPPG-3オレイルエーテル、アセチル化デンプン誘導体、両親媒性加工デンプン;およびエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはプロピレングリコールの両親媒性ブロックコポリマーからなる群より選択される、請求項76記載の方法。
【請求項82】
ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン寒天、カラゲーニンゴム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、デンプン、化工デンプン、セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、可溶性デンプン、陽イオン性セルロース、陽イオン性グアー、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコールポリアクリル酸ポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、およびポリ塩化ビニリデンポリマー、 よりなる群より選択される増粘剤をさらに含む、請求項80記載の方法。
【請求項83】
前記非イオン界面活性剤が蔗糖エステルを含む、請求項76記載の方法。
【請求項84】
前記活性剤が、細菌、真菌、ウイルス、寄生生物、炎症、自己免疫、アレルギー、ホルモン、悪性腫瘍、およびそれらの組合せからなる群より選択される病因を有する疾病を治療するために選択される薬物である、請求項76記載の方法。
【請求項85】
前記薬物が、抗菌薬、抗真菌薬、抗炎症薬、抗アレルギー薬、非ステロイド性抗炎症薬、レチノイド、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、角質溶解薬、抗増殖薬、抗癌薬、および抗色素沈着薬からなる群より選択される、請求項76記載の方法。
【請求項86】
前記活性剤が殺虫剤および防虫剤からなる群より選択される、請求項76記載の方法。
【請求項87】
前記活性剤が、皮膚病、皮膚炎、細菌感染症、真菌感染症、寄生生物感染症、ウイルス感染症、毛嚢と脂線の障害、剥脱丘疹性疾病、良性腫瘍、悪性腫瘍、日光反応、水疱性疾病、色素沈着障害、角化障害、褥瘡、発汗障害、炎症反応、乾皮症、魚鱗癬、アレルギー、火傷、創傷、切傷からなる群より選択される皮膚障害、および前記活性剤の経皮的な送達に応答する非皮膚障害、の治療のために選択される、請求項76の方法。
【請求項88】
前記活性剤が発毛促進剤である、請求項76記載の方法。
【請求項89】
前記活性剤が実質的に発毛を制限するか、または阻止する、請求項76記載の方法。
【請求項90】
前記活性剤が剥脱剤である、請求項76記載の方法。
【請求項91】
前記活性剤が脱毛剤である、請求項76記載の方法。
【請求項92】
前記活性剤が除毛剤である、請求項76記載の方法。
【請求項93】
日焼け止め剤および皮膚ホワイトニング剤をさらに含む、請求項76記載の方法。
【請求項94】
皮膚癌を予防し、または皮膚色素過剰を予防する方法であって、治療上有効な量の、不透明な水中油乳剤であり、投与前の状態では安定で、
(i)組成物の重量の約10〜75%の、液体で不揮発性の疎水性溶媒;
(ii)組成物の重量の約0.1〜5%の表面活性剤;
(iii)重量で約0.1〜5%の、両親媒性コポリマーを含むゲル化剤;
(vi)全組成物の重量の約3%〜約18%濃度の液化ガス噴霧剤;および
(v)少なくとも約30のSFP値を与える少なくとも1つの日焼け止め剤、
を含む組成物を、危険のある対象に局所的に投与することを含む方法。
【請求項95】
前記抗アレルギー剤が炎症性サイトカインの産生を減少させるか、または炎症性サイトカインの作用を阻害する、請求項46記載の治療用組成物。

【公表番号】特表2007−508243(P2007−508243A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522442(P2006−522442)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002583
【国際公開番号】WO2005/011567
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506038039)フォーミックス エルティーディー. (7)
【Fターム(参考)】