説明

両面感熱印字媒体

【課題】両面感熱印字ラベル(媒体)を提供する。
【解決手段】印字媒体であって、第1の面および第2の面を有する第1の支持体と、第1の面および第2の面を有する第2の支持体とを備え、前記第1の支持体が、前記第1の支持体の少なくとも前記第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第2の支持体が、前記第2の支持体の少なくとも前記第2の面上に感熱コーティングを含み、前記第2の支持体の前記第1の面が、前記第1の支持体の第2の面に剥離可能に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接感熱印刷に関するものであり、ある実施形態の場合には、対象物および容器のための直接感熱印刷ラベルに関するものであるが、本発明を制限するものではない。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6,784,906号(特許文献1)および米国特許第6,759,366号(特許文献2)に、取引文書およびレシートのような文書の2面または両面直接感熱印刷が開示されている。両面直接感熱印刷の場合には、プリンタは、プリンタを通ってフィード・パス沿いに移動する感熱媒体または印字媒体の両面に同時に印刷することができるように構成される。このようなプリンタの場合には、直接感熱プリント・ヘッドは、フィード・パスに沿って媒体の各面上に配置される。動作中、各感熱プリント・ヘッドは、各プリント・ヘッドから媒体を横切って対向プラテンの方を向いている。
【0003】
直接感熱印刷の場合には、プリント・ヘッドは、感熱コーティングを含む支持体を備える紙または他の媒体に選択的に熱を加える。コーティングは、それによりコーティングされた支持体上に「印刷」を行うための熱が加わった場合に変色する。両面直接感熱印刷の場合には、シート媒体支持体の両面をコーティングすることができる。
【0004】
種々の産業において、製品またはその容器のような対象物に添付するために所望のまたは必要な多数の情報が存在する。例えば、医薬品業界においては、このような医薬品を患者に提供する場合に、医薬品と一緒に提供しなければならない多数の情報がある。このような情報のうちのいくつかは、医薬品の容器に直接取り付けられるラベル上に印刷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,784,906号
【特許文献2】米国特許第6,759,366号
【特許文献3】米国特許第6,803,344号
【特許文献4】米国特許第6,906,735号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多くの場合、容器のサイズは、医薬品の量によってではなく、ラベルの上の情報の量により決まる。同様に、医薬品のような対象物に添付する所望のまたは必要な追加情報は、追加のリソースを必要とする対象物に添付されているラベルとは別々に印刷することができ、そのため誤配の危険性が増大する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある実施形態の場合には、印字媒体は、表面および裏面を有する第1の支持体を含む。裏面の第1の部分は、製品用容器に取り付けるためのものであって、裏面の第2の部分は、情報を表示するための表面を含む。表面は、情報を表示するためのものであり、印字媒体は、製品用容器上に位置決めするためのものであって、容器の周囲は印字媒体の長さより短い。それ故、製品用容器上に置いた場合、裏面の第1の部分は、製品用容器の周囲を実質的にカバーし、裏面の第2の部分は、容器から延びおよび/または印字媒体の表面の一部をカバーする。印字媒体は、さらに、追加の情報を印刷し、また提供するための第2の支持体を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】両面画像形成直接感熱プリンタの例示としての実施形態の略図である。
【図2】Aはラベルの形をしている印字媒体の第1の面の例示としての実施形態、BはAのラベルの第2の面の例示としての実施形態である。
【図3】容器の形をしている対象物の周囲に巻かれるラベルの例示としての実施形態である。
【図4】Aはラベルの形をしている印字媒体の第1の面のもう1つの例示としての実施形態、BはAのラベルの第2の面の例示としての実施形態である。
【図5】Aはフォーム−ラベルの組合せの例示としての実施形態の断面図、BはAのフォーム−ラベルの組合せの平面図である。
【図6】Aはラベルの形をしている印字媒体のもう1つの例示としての実施形態の断面図、BはAのラベルの第1の面(頂面)の図面、CはAのラベルの第2の面(底面)の図面である。
【図7】Aはラベルの形をしている印字媒体のもう1つの例示としての実施形態の断面図、BはAのラベルの第1の面(頂面)の図面、CはAのラベルの第2の面(底面)の図面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示として、本発明の種々の実施形態について、添付の図面を参照しながら以下に説明する変更を行うことができる。
【0010】
米国特許第6,803,344号(特許文献3)に、直接感熱印刷に適用することができ、媒体の製造およびその共通の機能に関連する背景の資料の概要が開示されている。上記米国特許は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0011】
図1は、とりわけ、発行時に取引レシート、チケット、ラベルまたは他の文書を両面シングルパス印刷するために使用することができる両面画像形成直接感熱プリンタ10の略図である。プリンタ10は、例えば、米国特許第6,784,906号(特許文献1)および第6,759,366号(特許文献2)に開示されている感熱染料で各面がコーティングされているセルロースまたはポリマー系支持体を備える両面感熱紙である印刷媒体20上で動作する。マルチカラー印刷を行いたい場合には、面上の異なる温度に感応する2つ以上の染料を使用して、文書の両面をマルチカラー印刷することができるようにすることができる。直接感熱印刷のための支持体および感熱変色コーティングは、当業者であれば周知のものである。両面直接感熱印刷は、媒体20の対向面上の異なる温度に感応する染料を含む媒体20により、および/または媒体20の片面上の感熱印刷が、媒体20の対向面上の着色に影響を与えるのを防止する熱抵抗支持体を使用することにより容易に行うことができる。
【0012】
図1に示すように、プリンタ10は、印刷媒体または印字媒体20の対向面上に回転プラテン30および40、および対向感熱プリント・ヘッド50および60を有する。媒体20の両面直接感熱印刷は、取引の際または文書の発行の際にシングルパスで行われる。媒体20は、通常、印刷が終了した場合に個々の文書を提供するために、例えば、電気機械的ナイフ(図示せず)によりカットまたは切り離すことができる。
【0013】
例示としての媒体20は、不透明の支持体、および一般的な両面直接感熱印刷用途用の各面上の感熱コーティングを含む。支持体または基材シートは、例えば、不透明の紙のようなセルロース(天然)繊維、およびポリエステル(合成)繊維のような合成および/または天然繊維からの材料を含む従来の直接感熱印刷用途で使用するこれらの材料を含むことができる。支持体は、また、カプトン、ポリエチレンおよびポリエステル・ポリマーのような材料を使用する押し出し成形プラスチックおよび/またはフィルムを含むこともできる。感熱画像形成を改善するために、媒体20の各面上に75Bekkまたはそれより平滑にするためにカレンダ処理を行うことができる。例えば、炭酸カルシウムまたは粘土を非常に多く含むサブコートまたはベース・コート、およびラテックス系バインダのようなバインダ材料を、仕上げの平滑を改善するために、また直接感熱印刷の品質を改善するために、および/または、とりわけ、支持体が本来含んでいる化学薬品から感熱コーティングを保護するために、紙の支持体上に使用することができる。
【0014】
サブコートを行わない場合には、感熱コーティングを塗布する前のベース・ペーパのカレンダ処理により達成される典型的な平滑度は、75〜150Bekkの範囲である。サブコートを行い、カレンダ処理を行った場合には、仕上げの平滑度は、通常250Bekkまたはそれ以上である。例えば、バーコード印刷のような感熱画像形成の特性をよりよくするためには、最低でも仕上げ平滑度を300Bekkにしなければならない。使用する場合、サブコートの重量は、通常、一方または両方の面の1つの面当たり約1〜10lbs/3300SFR(平方フィート連(ream))、好適には、一方または両方の面の1つの面当たり2〜5lbs/3300SFRであることが好ましい。
【0015】
媒体20の面を平滑にするためのカレンダ処理は、1回以上のパス動作の間にオンラインまたはオフライン・ソフトまたはソフト・ニップ・カレンダ処理またはスーパーカレンダ処理を含むことができる。紙製造ラインからオフラインで通常行われるスーパーカレンダ処理は、交互チルド鋳鉄および繊維カバー・ロールのスタックを使用して行うことができる。繊維カバー・ロールは、例えば、コーティングしていない紙を処理するための高圧縮紙により、またはコーティングで紙を処理するための高圧縮綿でカバーすることができる。ソフト・カレンダ処理の場合には、所望のシート表面仕上げおよび光沢を形成するために、例えばインライン・プロセス中に、合成カバー・クラウン・ロールを加熱金属ロールに押しつけて稼働することができる。1回のパスで媒体20の両面をカレンダ処理するために、2つ以上のロール・スタックを使用することができる。
【0016】
感熱コーティングは、好適には、染料現像タイプであることが好ましく、特に、例えば、両面直接感熱印刷用途の場合に、媒体20用の不透明の紙支持体と一緒に使用する場合には、特に染料現像タイプであることが好ましい。このようなコーティングは、通常、現像液、任意の増感剤、およびロイコ染料のようなカラー・フォーマまたは染料を含んでいて、熱が加わると色が変化する。例えば、染料現像タイプまたは染料昇華タイプのようないくつかの感熱コーティングを使用することができ、例えば、プラスチック支持体材料のような支持体材料により変えることができる。使用した場合サブコートの上に位置する染料現像タイプの感熱コーティングは、通常約1〜8lbs/3300SFRの重量を有するが、好適には、約1〜3lbs/3300SFRの重量を有することが好ましい。サブコートを行わない場合には、感熱層の重量は、通常もっと重い。
【0017】
サブコートは、片面または両面上で使用することができ、カレンダ処理、または仕上げの平滑の程度は、関連する特定の用途のコストおよび要件により、媒体20の各面上で同じであっても異なっていてもよい。例えば、バーコードの印刷が必要な場合のように、片面に対してはより品質の高い印刷が必要な場合がある。このような用途の場合には、通常、媒体20のバーコード印刷面上にサブコートを使用する必要があり、300Bekkまたはそれ以上の仕上げ平滑度にカレンダ処理する必要がある。媒体20の他方の面に対しては、同じ仕上げまたはもっと安価な仕上げを使用することができる。同様に、感熱コーティングの性質、化学的組成、感熱度およびコストは、2つの各面上で同じであっても異なるものであってもよい。例えば、用途により、媒体20の一方の面または両面上で増感剤を使用することができる。媒体20の両面上の異なる化学的性質を、異なる環境互換性または特性または画像形成の色のような他の所望の製品特徴を与えるために使用することができる。
【0018】
使用するサブコートは、この場合もコストおよび用途の考慮事項により、媒体20の各面上で同じものであってもよいし、媒体20の各面上で異なる組成または重量を有するものであってもよい。例えば、1つの面上で任意のインク・ジェット印刷および直接感熱印刷を行う場合には、炭酸カルシウムのサブコートを行うことが好ましい。
【0019】
媒体20の各面上の感熱コーティングは、印刷カラーが媒体20の各面上で同じまたは異なる媒体20の各面上で1つの色の印刷を行うことができる。別の方法としては、複数の色の直接感熱印刷を、例えば、米国特許第6,906,735号(特許文献4)に開示されているような複数の感熱コーティングまたはコーティング内の複数の感熱層を使用して、または使用できる印刷カラーの選択が、媒体20の各面上で同じまたは異なるコーティング層内の複数の染料を使用して、片面または両面上で実施することができる。
【0020】
ある用途の場合には、片面または両面上に特殊なまたはもっとコストが高い仕上げのスポット、ストリップまたはパターンを提供するために、スポット、ストリップまたはパターン・コーティングの形で、媒体20の片面または両面上に感熱コーティングを行うことが望ましい場合もある。例えば、媒体20の特定の位置にバーコードを印刷するために、仕上げおよび感熱コーティングの必要な平滑度をその位置だけに限定することができる。さらに、バーコードのような特定の情報を印刷する位置を印刷プロセス中に識別することができるように、反復検知マークを媒体20の片面または両面の1つまたは複数の位置に塗布することもできる。ある種の用途の場合には、例えば、意図する印刷サイズまたはエリアを異なるものにすることができるように、媒体20の対向面上の検知マークは、異なる反復長さを有することができる。他の実施形態の場合には、ラベル部分のような媒体20の除去することができる部分内の位置を、片面または両面上に所望の情報を印刷する前に決定することができるように、検知マークを使用することができる。用途のいかんにかかわらず、プリンタ10に関連する1つまたは複数のセンサ(図示せず)を、検知マークを識別するために、また適当な領域または位置内への適当な情報の印刷をトリガするために使用することができる。
【0021】
画像を保護し、環境を持続するために、トップコートを、媒体20の片面または両面上の感熱コーティング上に塗布することができる。使用する場合、トップコートは、例えば、バーコードのような特定の印刷した情報をさらに保護するために、スポット、ストリップまたはパターン・コーティングを含むことができる。反復検知マークは、特定のトップコート・スポット、ストリップまたはパターン位置の識別を容易にするために、媒体20に塗布することができる。トップコートは、感熱または機能層のいくつかの性能特性を保護または改善する働きをする任意の適当な構成要素を含むことができ、また水、ポリマー、モノマー、UV吸収剤、スクラッチ防止剤、汚れ防止剤等を含むこともできる。
【0022】
媒体20は、用途の要件により、インキで予め印刷した1つまたは複数のエリア、例えば、保安機能のための媒体20の少なくとも片面上の感熱印刷または他の非感熱印刷、標準条件、または広告の事前印刷を含むことができる。事前印刷は、最終的な画像の色に影響を与える着色背景エリアを提供することもできる。例えば、最終画像カラーをオレンジにするために、赤の画像感熱紙上にイエローのインクを使用することができる。
【0023】
両面直接感熱印刷媒体20は、媒体の片面または両面上に複数の色を印刷するために、媒体の片面または両面上に複数のカラー機能を含むことができる。これにより、フルカラー写真品質の画像を含む媒体の片面または両面上に可変情報のカスタム・フルカラー印刷を行うことができる。このようなフルカラー印刷は、感熱プリント・ヘッドからの入力に応じて、透明な状態から着色状態に遷移する結晶性染料により行うことができる。
【0024】
すでに説明したように、感熱または機能コーティングは、画像を形成するために必要なロイコ染料のような染料を含むことができる。フルカラー画像を形成するためには、少なくとも3つの染料(例えば、シアン、マゼンタおよびイエロー)を使用しなければならない。これらの染料は、熱が加わった場合に、無色の状態から着色状態に変化する結晶性染料の混合物であってもよい。染料は、最終製品を容易にコーティングし、適切に機能することができるようにするために、適当なバインダ、添加剤および溶媒と混合することができる。
【0025】
媒体20の片面または両面上への種々のサブ・コーティング、機能コーティングおよびトップ・コーティングは、色分かれ(flooding)、計量およびその後の乾燥のような任意の適当な手段により塗布することができる。別の方法としては、色分かれおよび計量の代わりにスプレーを使用することができる。このような両面感熱印字媒体または媒体20は、従来のインライン紙コーティング機械のような任意の適当なプロセスまたは装置により製造することができる。同様に、好適には、両面感熱印字媒体または媒体20は、米国特許第6,759,366号(特許文献2)に開示されている適当な両面画像形成直接感熱プリンタで印刷することが好ましい。
【0026】
両面感熱印字媒体または媒体20は、個々のタグまたはラベルの形で製造することができるし、入れ子状のタグまたはラベルを有する両面感熱媒体20を含むことができる。例えば、幅約0.5〜2インチ、長さ約1〜4インチ、厚さ3〜35ミルのサイズを有する非常に小さなタグまたはラベルを製造することができる。このようなタグまたはラベルの支持体は、セルロースまたはポリマー性のものであってもよく、ほぼ不透明のものであってもよい。存在する場合には、保護層は、一般に環境上の抵抗を有する。
【0027】
両面感熱紙/入れ子状のラベルの組合せは、フォーム−ラベルの組合せ内で使用した場合に特に役に立つ。組合せは両面性を持っているので、媒体の表面および裏面に画像形成することができる。次に、このような媒体の表面および/または裏面上に内蔵されている除去可能な部分に印刷することができ、媒体から切り離すことができる。このような部分は、スポットまたはパターン配置で塗布することができるUV硬化シリコーンのような適当な剥離材料を含むことができる。役に立つ接着剤としては、ホットメルト、水系、およびUV硬化型接着剤等がある。ホットメルト接着剤を使用する場合には、感熱媒体の望ましくない画像形成を防止するための注意をしなければならない。ホットメルト接着剤を塗布している間の時期尚早な画像形成は、例えば、冷却真空ローラ、冷却ローラおよびその後に位置する真空ローラなどを使用することにより対処することができる。
【0028】
両面感熱フォーム−ラベル組合せは、簡単で丈夫なプリンタ内で画像形成することができるというような両面感熱印字媒体のすべての利点を有し、そのため修理を依頼する回数が少なくてすみ、故障の回数が少なく、たった1つの消耗品(例えば、感熱画像形成することができる媒体)しか必要としない。両面感熱印刷は、さらに、片面感熱装置と比較すると、印刷速度を速くすることができ、紙の消費量を少なくすることができる。
【0029】
両面感熱フォーム−ラベルの例示としての用途としては、とりわけ、処方箋、および出荷ラベル/包装リスト等がある。
【0030】
ある実施形態は、両面感熱製品ラベルを含み、特定の実施形態は、両面感熱医薬品ラベルを含む。これらおよび関連する実施形態は、例えば、丸薬のビンおよび/または他の医薬品用容器のような、製品またはその容器のような対象物に必要であるか、望ましい情報量が多い状況に適している。このような状況の場合には、例えば、より大きい丸薬用ビン・ラベルを必要とし、そのためより大きな丸薬用のビンが必要になる。多くの状況の場合、丸薬用のビンは、丸薬を入れるために必要な大きさよりもすでに遥かに大きくなっている。もっと小さな丸薬用のビンを使用するのが望ましい。何故なら、そのほうがコスト・パフォーマンスがよく、取扱いなどをより容易に行うことができるからである。それ故、これらの実施形態を使用すれば、ラベルの両面上の広い印刷可能なエリアによりラベルを種々に印刷することができる。ラベルの両面上に印刷すれば、所与の量の情報に対する必要なラベルの大きさを最小限度まで低減することができる。
【0031】
一実施形態の場合には、ラベルの長さは、ラベルが張られるビンのような容器の周囲(または周辺)よりも長い。図2Aおよび図2Bは、このようなラベルの例を示す。図2Aは、ラベル200の表面であり、図2Bは、ラベル200の裏面である。最初に図2Bを参照すると、ラベル200の裏面は、第1のセクション230および第2のセクション240を含む。2つのセクション230および240は、極細線215により区切られている。接着剤または他の固定手段がセクション230上に塗布され、次に、ラベル200が製品用容器(図2Aおよび図2Bに図示せず)の周囲に巻かれ、取り付けられる。セクション230の長さは、製品用容器の周囲(または周辺)にほぼ等しいが、表面被覆率をもっと大きくすることもできるし、もっと小さくすることもできる。セクション240は、製品またはその上に印刷された他の情報を有することができる。一実施形態の場合には、セクション230は、また、薬剤用の容器のようなラベル200が透明なまたは半透明な容器に取り付けられた場合、内部をのぞき込むことにより、または容器の外側を通して中をみることにより、情報を見ることができるように、その上に印刷された情報を有することができる。
【0032】
図2Aは、ラベル200の表面を示し、極細線215により区切られている第1のセクション210および第2のセクション220を含む。ある実施形態の場合には、ラベル200の表面のセクション210および220を区切っている極細線215、および図2Bに示すように、ラベル200の裏面のセクション230および240は、セクション220および240を含むラベル200の一部をラベル200から除去することができるように、1つまたは複数のパーフォレーション、カット、回り止め、凹部等を含むことができる。同様に、図2Aおよび図2Bに示すように、ラベル200の表面のセクション210および220、およびラベル200の裏面のセクション230および240は、すでに説明したように、プリンタ10による情報の印刷を、1つまたは複数の所望のセクション、またはその領域内から外側のへはみ出さないようにするために使用することができる1つまたは複数の検知マーク245により区切ることができる。
【0033】
図2Aおよび図2Bにすでに示したように、セクション210の長さは、セクション230の長さにほぼ等しく、セクション220の長さは、セクション240の長さにほぼ等しい。セクション230および240の場合には、両方のセクション210および220は、その上に印刷された製品または他の情報を有することができる。同様に、セクション210の長さは、製品用容器の周囲(または周辺)にほぼ等しい。しかし、セクション230は、もっと広いまたはもっと狭い表面被覆部分を提供することができる。
【0034】
図3は、円形容器の形をしている対象物310の上に貼付した場合のラベル200を含むシステム300である。もちろん、他の対象物およびその形状も使用することができる。図3は、容器310の頂部を上から見下ろした場合のものである。図3を参照すると、ラベル200は、セクション230が、例えば、内蔵接着層により容器310と接触し、取り付けられるように容器310に貼付される。図3に示すように、セクション210および230を含むラベル200の一部は、容器310の周囲に実質的に巻かれ、セクション220および240を含むラベル200の一部は、実質的に容器310の周囲を越えて延びる。その結果、図3にさらに示すように、セクション220および240を含むラベル200の一部は、周囲を包み込みおよび/またはそうでない場合には、セクション210および230を含むラベルの一部の頂部上に位置する。容器から遠ざかる方向に、すなわち、図3の矢印Aの方向に、セクション220および240を含むラベル200の一部を移動することにより、カバーされていたラベル200のセクション210が露出し、その上の情報を読むことができる。同様に、セクション220および240を含むラベル200の一部が、矢印Aの方向に移動すると、セクション240上の情報も露出する。さらに、ラベル200が取り付けられる容器の一部または全部が透明または不透明である場合には、セクション230上に印刷した情報を、外側からまたは内側から容器を通して読むことができる。
【0035】
それ故、ラベル200は、医薬品または丸薬のビンのような容器310に貼付した場合、それ自身の頂部を包み込むことができる。ラベル200は、接着剤、テープまたは他の取付手段によりビンのような容器310に貼付することができる。さらに、セクション210のようなラベルの表面の一部または全部を、とりわけ、セクション210からラベル200のセクション240を容易に離したり、剥がしたりすることができるようにするために、シリコーンのような剥離コーティングでカバーすることができる。対照的に、ラベル200のセクション230は、容器310に取り付けられ、容器310から容易に剥がすことができない。このようにして、最終ユーザは、追加情報を露出するためにラベルの一部を離したり、剥がしたりすることができる。
【0036】
ラベル200のラップアラウンド部分220および240も、とりわけ、プライバシィを保護し、詐欺等をできるだけ避けるために、ラベル200の一部240および/または210上に印刷したある情報を隠すために、または他の方法で読みにくくするために使用することができる。このような場合、近い剥離剤を含んでいるまたは含んでいない第2の接着部分またはストライプ(例えば、図4Bの接着ストライプ255)を、セクション240をセクション210の合わせ部分に除去可能にまたは剥離可能に取り付けるために使用することができる。
【0037】
さらに、容器310を越えて延びるラベル200の一部を、とりわけ、図2Aおよび図2Bに示すように、ラベル200のライン215のところのパーフォレーションのような1つまたは複数のカット、裂け目、凹部、応力集中部分を使用することにより、容器310から除去するようにすることができる。次に、セクション220および240で示す部分の一部または全部を含むことができるラベル200の除去可能な部分を別々に保管するか、買い戻すことができるクーポン、広告、取引レシート等のために使用することができる。
【0038】
図4Aおよび図4Bは、とりわけ、医薬品用のビンのような対象物および容器上で使用するためのラップ・アラウンド・ラベル200のもう1つの実施形態である。図4Aに示すように、ラベル200の表面のセクション210は、シリコーンのような剥離コーティング225を含む。他の実施形態の場合には、剥離コーティング225を、セクション220またはその一部のようなラベル200の他のセクションに、追加的にまたは代替的に塗布することができることに留意されたい。セクション230および240を含む図4Bのラベル200の裏面は、接着剤の2つのパッチ250および255を含む。接着剤の大きい方のパッチ250のサイズは、セクション230のサイズにほぼ等しい。このセクション230は、その上にラベル200が貼付される容器または他の対象物の周囲または周辺を実質的に横切るように設計される。接着パッチ250の主な機能は、ラベル200を容器に貼付することである。他の実施形態の場合には、接着パッチ250は、すべてのセクション230より短いカバーである場合があることに留意されたい。ラベル200の裏面上のセクション240の一部をカバーする接着剤の小さい方のパッチ255は、ラベルが容器に取り付けられ、容器をラップアラウンドした場合に、ラベル200の表面のセクション210上のシリコーンまたは他の剥離コーティング225と一時的な結合を形成するように設計される。この一次的な結合は、使用しない場合、セクション240を含むラベル200の一部をビンに取り付ける。ラベル200の表面上の小さい方の接着剤のパッチ255およびシリコーン・コーティング225により、必要な場合に(例えば、セクション240およびそれでカバーされているセクション210の一部上に印刷された情報を読むために)、ラップしたラベルを容易に剥がすことができ、次に、容器に再度貼付することができる(例えば、セクション240およびそれでカバーされているセクション210上に印刷されている情報の一部または全部を隠すために)。小さい方の接着剤パッチ255のサイズおよび位置は、接着を制御し、セクション240上の製品情報を印刷するエリアを制御するために変えることができる。さらに、例えば、剥離コーティング225を使用して、または使用しないで、接着の永続性または除去しやすさを増大し、または低減するために異なる接着剤250および255を使用することができる。
【0039】
図5Aおよび図5Bは、フォーム−ラベル組合せ400と呼ぶことができるもう1つの実施形態である。フォーム−ラベル組合せ400は、フォーム−ラベルのロールとして、フォーム−ラベルを扇のように折り畳んだものとして、個々の(1つの)フォーム−ラベル等として製造することができる。理解しやすいように図5Aおよび図5Bは、1つのフォーム−ラベルの組合せを示す。図5Aに示すように、フォーム−ラベルの組合せ400は、ラベル200、基材シート430、および基材シート430の裏面上のダイカット420を含む。
【0040】
図5Bに示すように、図5Aのフォーム−ラベルの組合せ400は、さらにトップシート205、接着セクション250、255および257、およびシリコーン層410を含む。図5Bに示すように、トップシート205、接着セクション250、255および257、およびダイカット420で囲まれていて、セクション240として識別される基材シート430の一部は、例えば、図2A、図2B、図3、図4Aおよび図4Bのところですでに説明したラベル200の実施形態を含む。
【0041】
図5Aおよび図5Bは、さらに、その上に情報の感熱印刷を含む印刷を行うことができるフォーム−ラベル400の一部を示す。これらのセクションは、トップシート205の表面上の極細線215により区切られているセクション210および220、基材シート430の裏面上のダイカット420により囲まれているセクション240、基材シート430の裏面の残りの部分を含むセクション440、およびラベル200によりカバーされていない基材シート430の表面の一部を含むセクション450を含む。同様に、他の実施形態の場合には、情報の感熱印刷を含む印刷を、とりわけ、セクション210の下のトップシート205の裏面、および剥離層410に近い基材シート430の表面を含むフォーム−ラベル400の追加の部分上に行うことができる。
【0042】
印刷を行うために、一実施形態の場合には、フォーム−ラベル400のトップシート205は、セクション210および220を含むトップシート205の一部上の感熱コーティングを含む片面感熱媒体を含んでいて、基材シート430は、セクション240、440および450を含むその表面および裏面の両方上に感熱コーティングを含む両面感熱媒体を含むが、他の実施形態も同様に使用することができる。
【0043】
基材シート430の感熱印刷を含む印刷により、その先に、そのセクション210、220および240を含むラベル200上に表示することができるまたは実際に行うことができる情報を提供することができる。このような情報は、独立しているものでも、契約情報、取引(レシート)情報、保証情報、値引き情報、広告、クーポンなどを含むが、これらに限定されないものを含むラベル200を含むフォーム−ラベル400の一部上に印刷された情報に関するものであっても、もっと多くの情報を提供するものであってもよい。医薬品用途の場合には、ラベル200は、患者および薬剤名、用量、服用情報のような医薬品の容器に通常表示される情報を含むことができる。一方、基材シート430の残りの部分は、医薬品の配布の際にそうしたい場合または必要に応じて、詳細な薬剤情報、相互作用情報、取引(レシート)情報等を含むことができる。
【0044】
図5Aおよび図5Bのフォーム−ラベルの組合せ400からラベル200を除去したい場合には、例えば、図5Bの点Bからスタートして、基材シート430からラベル200を掴んで引っ張ればよい。ラベル200が基材シート430から引き剥がされると、接着セクション250が、シリコーン剥離層410から分離し、一方、接着セクション250は、ラベル200のトップシート205に取り付けられたままである。ダイカット420の前縁部に達すると、トップシート205と基材シート430間の接着セクション257が、トップシート205と一緒に基材シート430のセクション240を引っ張り、それにより基材シートの残りの部分からこの部分を除去する。ダイカット420の後縁部に達すると、ラベル200に取り付けられていて、ラベル200と一緒に除去される基材シートの一部240が、基材シート430の残りの部分から切り離される。ラベル200がフォーム・ラベルの組合せ400から除去された場合に、トップシート205と一緒に除去される基材シート430のこの部分240は、すでに図3に示したように、ラベル200が容器に取り付けられた後で、例えば、部分210を越えて延び、ラップアラウンドする部分240である。
【0045】
接着セクション250、255および257は、用途により同じまたは異なる接着剤を含むことができることに留意されたい。例えば、接着セクション250および255は、剥離層410を含んでいるまたは含んでいない、容易に剥離可能な接着剤を含むことができ、一方、接着層257は、基材シート430のセクション240をトップシート205のセクション220に永久に取り付けるための永久接着剤を含むことができる。他の接着剤および塗布位置/被覆部分も使用することができる。
【0046】
図6A、図6Bおよび図6Cに示す他の実施形態の場合には、ラベル200は、トップシート205、基材シート430、接着剤250および剥離層410を含む。この実施形態の場合には、トップシート205は、とりわけ、セクション210、212、220、235および240をカスタム画像形成することができるように、両面上に感熱コーティングを有することができ、一方、基材シート430は、セクション230を感熱画像形成することができるように、その片面上に感熱コーティングを有することができる。しかし、セクション230に対向する基材シート430の裏面上に感熱コーティングを含む他の実施形態も使用することができる。
【0047】
図6Bおよび図6Cに示すように、部分210、220、235および240を含むラベル200のうちのいくつかまたは全部には、対象物、容器および/または他の情報のような情報を印刷することができる。同様に、基材シート430のセクション230のうちのいくつかまたは全部には、対象物、容器および/または他の情報のような情報を印刷することができる。一実施形態の場合には、ラベルのトップシート205のセクション210、220、235および240の印刷した部分は、購入した製品情報を含んでいて、基材シート430のセクション230の印刷した部分は、取引(レシート)情報を含んでいる。もう1つの実施形態の場合には、セクション210、220、235および240は、製品および/または取引情報を含んでいて、セクション230は、クーポンまたは広告情報を含んでいる。同様に、他の実施形態の場合には、セクション210、220、235および240は、対象物保管情報を含むことができ、セクション230は、ラベル200が関連する保管している品目を識別および検索するためのクレーム・チケット情報を含むことができる。
【0048】
対象物に貼付した場合、図6A、図6Bおよび図6Cのラベル200は、ラベル200の領域235がハンドルのような対象物の一部を囲み、接着剤250がセクション240に接触し、接着するように、極細線215および217を中心にして折り曲げることができる。このようなラベルは、例えば、トップシート205が手荷物のタグになり、基材シート430が引換えチケットになる手荷物処理システム内で使用することができる。
【0049】
上記手荷物処理用途を含むがこれに限定されない図6A、図6Bおよび図6Cのラベル200のもう1つの実施形態の場合には、基材シート430および接着層および剥離層250および410は、それぞれトップシート205の裏面のすべてに等しい部分の被覆を含むトップシート205のエリアと等しいか、それより大きいかまたは小さいエリアをカバーすることができる。そのような場合、基材シート430は、両面上に感熱コーティングを有することができ、トップシート205は、その頂面上だけに感熱コーティングを有することができる。
【0050】
さらに、用途により、ラベル200上に印刷した情報のうちのいくつかまたはすべてを、図1の感熱プリンタ10のような片面または両面感熱プリンタにより感熱印刷することができる。同様に、このような情報のうちのいくつかまたはすべてを、平版印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、グラビア印刷、または任意の他の適当な印刷方法により印刷することができる。感熱印刷を行う場合には、ラベル200の適当な部分を、1つまたは複数のロイコ染料、現像液および増感剤を含むことができ、ラベル200上の位置(例えば、セクションまたは部分)とともに変化することができる、1つまたは複数の感熱インクでコーティングすることができる。
【0051】
通常、ラベル200上に印刷された情報は、それとラベル200が関連する、またはその上にラベル200が貼付される製品または品目に関連する情報を含むことができる。この情報は、製品または品目名、または他の識別、成分、仕様、サイズ、重量、保管および処理、コスト等を含むことができる。さらに、製品または品目を含み、典型的なレシート情報(例えば、店舗名、および/またはロゴ、日付、時間、製品名および/またはコード、価格、税金、支払い方法等)を含む、購入または他の取引に関連する情報も、ラベル200またはその一部上に記載することができる。さらに、提供する情報を用途により変えることもできる。
【0052】
例えば、医薬品用途の場合には、提供する情報は、とりわけ、(1)名前、住所、電話番号および/または写真を含む患者の情報、(2)事業者名、グループ番号等のような保険の情報、(3)コストおよび/または支払い情報、(4)用量情報、服用情報、好ましくないおよび/または他の相互作用情報等、(5)名前、住所、ロゴ等を含む薬剤情報、(6)警告情報、(7)広告、(8)ロイヤルティ情報等を含むことができる。同様に、手荷物タグとして使用する場合には、このような情報は、とりわけ、(1)サイズ、重量、色および/またはバッグの他の識別のための特徴のような手荷物情報、(2)名前、住所、電話番号および/または写真を含む乗客情報、(3)チケット番号、出発地および目的地および/または事業者名等を含む輸送手段情報を含むことができる。他の用途およびタイプの提供情報も含むことができる。
【0053】
写真を提出する場合には、このような写真は、例えば、図1のプリンタ10のような感熱プリンタが、ラベル200上に印刷するために接続している、コンピュータまたは端末に取り付けているまたは関連しているデジタル・カメラにより、同時に記録および印刷することができる。同様に、このような写真は、顧客ロイヤリティ・プログラム、またはプリンタ10が接続しているコンピュータにより検索することができる、政府機関(例えば、運転免許証、パスポート等)の関連する記録写真を含むことができる。
【0054】
図7A、図7Bおよび図7Cは、ラベル200のもう1つの実施形態である。図7Aは、ラベル200の平面図である。図7Aに示すように、ラベル200は、頂部剥離層412を有する基材シート205、頂部接着剤255、その頂面上の頂部シート432、および底部接着剤250、底部剥離層410、およびその底面上の底部シート430を含む。この実施形態の場合には、すべての頂面シート432、基材シート205、および底面シート430は、その片面上に感熱コーティングを有する感熱媒体を含む。しかし、1つまたは複数の頂面シート432、基材シート205、および底面シート430が、その両面上に感熱コーティングを有する両面感熱媒体を含む実施形態を含む他の実施形態も使用することができる。
【0055】
図7A、図7Bおよび図7Cの実施形態の場合には、基材シート205は、その表面(頂面)上に感熱コーティングを有するセルロース支持体(例えば、紙)を含む。しかし、異なる基材シート205支持体および/またはコーティング(例えば、両面上に感熱コーティングを有するスパンボンド・オレフィンのようなポリマー・シート)を含む異なる実施形態も使用することができる。
【0056】
図7Aおよび図7Bに示すように、基材シート205の表面は、その上に感熱印刷したものを含む情報を印刷することができるセクション210を含む。同様に、トップシート432の表面は、その上に感熱印刷したものを含む情報を印刷することができるセクション220を含む。トップシート432は、ホットメルト・グルーまたは感圧接着剤のような頂部接着剤255、およびUVまたはEB硬化シリコーンのような頂部剥離層412により基材シート205に除去可能に取り付けられる。除去した場合、トップシート432は、基材シート205上に頂部剥離層412を残して、頂部シート432と一緒に除去される頂部接着剤255により、文書のような対象物に永久にまたは除去できるように取り付けることができる。
【0057】
図7Aおよび図7Cに示すように、底部シート430の裏面は、その上に感熱印刷したものを含む情報を印刷することができるセクション230およびセクション240を含む。底部シート430は、ホットメルト・グルーまたは感圧接着剤のような底部接着剤250、およびUVまたはEB硬化シリコーンのような剥離コーティング410により、基材シート205の裏面に除去可能に取り付けられる。底部剥離層410は、基材シート205を医薬品または他の容器のような対象物に接着するための底部接着剤250を残して、底部シート430と一緒に除去される。
【0058】
図7A、図7Bおよび図7Cの実施形態の場合には、セクション210および220および230および240を分離している極細線215は、底部シートのセクション230の近くの基材シート205の一部が、基材シート205が取り付けられる容器のような対象物の周囲または周辺を実質的にラップアラウンドするように位置する。次に、セクション220に対応していて、底部シート430のセクション240の近くに位置する基材シート205のこの部分は、この取り付けた部分を越えてかなり延びるか、および/またはラップアラウンドする。トップシート432および関連する頂部接着剤255を除去した場合、ベース・シート205のこの部分は、底部接着剤250の関連する部分および頂部剥離層412により、基材シート205の頂面に除去可能に接着することができる。
【0059】
その上の感熱コーティングにより、図1のプリンタ10のような片面または両面感熱プリンタにより、可変情報をラベル200のセクション210、220、230および240上に感熱印刷することができる。すでに説明したように、このような情報は、ラベル200のうちのいくつかまたは全部が関連するまたは取り付けられる製品のような対象物に関連する情報を含むことができる。同様に、すでに説明したように、このような情報は、品目、数量、店舗、日付、時間、税金および支払情報のような取引情報を含むことができる。このような一実施形態の場合には、ラベル200の基材シート205は、医薬品容器のような対象物に取り付けることができる。この場合、医薬品に関連する情報は、セクション210上に印刷され、その購入に関連する情報は、除去した場合、底部シート430が購入取引のためのレシートになるように、セクション230および240上に印刷される。このような実施形態の場合には、トップシート432は、医薬品カウンタ等のところの記録帳の署名ラインに接着するための医薬品情報のような追加の製品を含むことができる。別の方法としてまたは追加的に、頂部シート432は、警告情報および服用情報等を含む、容器の頂部のような製品の他の部分に接着するための追加情報を含むことができる。広告、クーポンまたは他の販売促進情報も、別々に処理されおよび/または償還することができるように、底部シート430のセクション230および240上に印刷することができる。
【0060】
両面感熱ラベルを使用することにより、ラベルの両面上に所望の情報を感熱印刷することができる。次に、このようなラベルを、関連情報を提供するためにさらに製品または容器に取り付けることができる。ラベルの設計および/または用途により、ホットメルト接着剤、感圧接着剤等のような1つまたは複数の接着剤、および/またはUV硬化シリコーンのような剥離層を使用することができる。同様に、ラベルの1つまたは複数の印刷可能な部分を、別々の保管、使用、償還等のために除去することができる。
【0061】
すでに説明したように、シリコーンのような剥離層を有する感熱媒体のいくつかの部分を、このような剥離層を通して感熱画像形成することができる。同様に、ラベルを容器に取り付けるために接着剤を使用するある実施形態の場合には、接着剤側上の感熱画像を、非接着エリアからはみ出さないようにすることもできるし、接着剤を塗布する前に印刷することもできる。さらに、実施形態によっては、ラベルの一部または全部に対して片面または両面感熱紙を使用することができる。さらに、種々の実施形態を、ロール、扇のように折り畳んだまたはシート状のラベルおよび/またはフォーム−ラベルの組合せを使用して実施することができる。今日、薬剤市場においては、フォーム−ラベルの組合せが非常に盛んに使用されている。
【0062】
図の実施形態は、単に例示としてのものであって、本発明を制限するものではないことに留意されたい。それ故、いずれかの図面に示すラベルまたはその一部の相対的および絶対的長さ、厚さ、サイズおよびエリアは変更することができる。
【0063】
上記説明は、例示としてのものであって、本発明を制限するものではない。上記説明を読めば、当業者であれば多くの他の実施形態を思い付くことができるだろう。それ故、実施形態の範囲は、このような請求項が資格を有する等価物の全範囲と一緒に添付の特許請求の範囲を参照して決めるべきである。
【0064】
米国特許法施行規則1.72条(b)項の規定により要約を添付してある。読者は技術的開示の性質および要旨を迅速に確認することができるだろう。要約は、この要約を請求項の意味の範囲を解釈し制限するために使用しないという了解の下に提出するものである。
【0065】
実施形態の上記説明においては、種々の機能を説明を簡単にするために1つの実施形態内に一緒にしてある。開示のこの方法は、特許請求の範囲の実施形態が各請求項に明示したものより多くの機能を有していることを反映していると解釈すべきではない。それどころか、添付の請求項が反映しているように、本発明の主題は、1つの開示の実施形態のすべての機能より少ないという点にある。それ故、それにより添付の特許請求の範囲は、実施形態の説明内に組み込まれていて、各請求項は別々の例示としての実施形態としてそれ自身に立脚している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体であって、
第1の面および第2の面を有する第1の支持体と、
第1の面および第2の面を有する第2の支持体とを備え、
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の少なくとも前記第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第2の支持体が、前記第2の支持体の少なくとも前記第2の面上に感熱コーティングを含み、
前記第2の支持体の前記第1の面が、前記第1の支持体の第2の面に剥離可能に取り付けられる印字媒体。
【請求項2】
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第2の面上に感熱コーティングを含む、請求項1に記載の印字媒体。
【請求項3】
前記第1の支持体の前記第2の面の表面積が、前記第2の支持体の前記第1の面の表面積より大きい、請求項1に記載の印字媒体。
【請求項4】
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第2の面の少なくとも第1の部分上に第1の接着剤を含み、前記第2の支持体が、前記第1の接着剤に近い前記第2の支持体の前記第1の面の少なくとも第1の部分上に第1の剥離剤を含む、請求項1に記載の印字媒体。
【請求項5】
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第2の面の少なくとも第2の部分上に第2の接着剤をさらに含み、前記第2の支持体が、前記第2の接着剤に近い前記第2の支持体の前記第1の面の少なくとも第2の部分上に第2の剥離剤を含む、請求項4に記載の印字媒体。
【請求項6】
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第1の面の少なくとも第1の部分上に第3の剥離剤をさらに含む、請求項5に記載の印字媒体。
【請求項7】
前記第1の支持体が、前記第1の接着剤の下に印刷した情報を含む、請求項4に記載の印字媒体。
【請求項8】
前記第1の支持体の前記第2の面の少なくとも第1の部分を前記第2の支持体の前記第1の面の第1の部分に固定可能に接着する第1の接着剤と、
前記第1の支持体のダイカット部分が、前記第2の支持体と一緒に除去することができるように、前記第1の支持体の前記第2の面の前記第1の部分の閉じている部分を貫通するダイカットとをさらに含む、請求項1に記載の印字媒体。
【請求項9】
前記第1の支持体の第1の部分が、前記第1の支持体から除去することができるように、前記第1の支持体が、パーフォレーションをさらに含む、請求項1に記載の印字媒体。
【請求項10】
システムであって、
印字媒体であって、その第1および第2の各面上に感熱コーティングを有する第1の支持体を含む印字媒体と、
対象物とを備え、
前記第1の支持体の長さが、前記対象物の周囲より長く、
第1の支持体の前記第2の面の第1の部分が、前記対象物に取り付けられ、前記第1の部分が、前記対象物の前記周囲を実質的にカバーするシステム。
【請求項11】
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第2の面の前記第1の部分上に第1の接着剤をさらに有し、前記第1の支持体の前記第2の面の前記第1の部分が、前記第1の接着剤により前記対象物に取り付けられる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第2の面の第2の部分上に第2の接着剤をさらに有し、前記第2の接着剤が、前記第1の支持体の前記第2の面の前記第2の部分を、前記第1の支持体の前記第1の面に剥離可能に固定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の支持体の前記第1の面および前記第2の面の少なくとも第2の部分が、感熱印刷した情報を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記対象物が、医薬品容器を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記情報が、前記医薬品に関連する情報を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記情報が、前記医薬品の指定の服用者に関連する情報をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記医薬品の前記指定の服用者に関連する前記情報が、前記医薬品の前記指定の服用者の写真をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記印字媒体が、その少なくとも第1の面上に感熱コーティングを有する第2の支持体をさらに含み、前記第2の支持体が、前記第1の支持体に除去可能に取り付けられる、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2の支持体が、感熱印刷した情報を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記感熱印刷した情報が、取引情報を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
第1の支持体および第2の支持体を有する印字媒体であって、前記第1の支持体および前記第2の支持体が、それぞれ、その少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第2の支持体が、前記第1の支持体に除去可能に取り付けられる印字媒体と、
対象物とを備え、
前記第1の支持体の長さが、前記対象物の周囲よりも長く、
前記第1の支持体の第2の面の第1の部分が、前記対象物の前記周囲を実質的にラップアラウンドするように、前記第1の支持体が前記対象物に取り付けられるシステム。
【請求項22】
前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第2の面の少なくとも第2の部分上に第1の接着剤をさらに含み、前記第1の支持体が、前記第1の支持体の前記第2の面の前記第2の部分を、接着剤により前記第1の支持体の前記第2の面の少なくとも第3の部分に接着することにより前記対象物に取り付けられる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2の支持体が、感熱印刷した情報を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記感熱印刷した情報が、前記対象物に対する苦情チェック情報を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
第1および第2の面を有する第1の支持体と、第1および第2の面を有する第2の支持体とを備える印字媒体を受け入れるステップであって、前記第1の支持体が、前記第1の支持体の少なくとも前記第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第2の支持体が、前記第2の支持体の少なくとも前記第2の面上に感熱コーティングを含み、前記第2の支持体の前記第1の面が、前記第1の支持体の第2の面に剥離可能に取り付けられるステップと、
前記第1および前記第2の支持体上に情報を感熱印刷するステップと、
前記印字媒体から前記第2の支持体を除去するステップと、
前記第1の支持体を対象物に取り付けるステップとを含む方法。
【請求項26】
前記第1および前記第2の支持体上に情報を感熱印刷するステップが、前記第1の支持体上に前記対象物に関連する情報および前記第2の支持体上に前記対象物を含む取引に関連する情報を感熱印刷するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の支持体が、前記第2の支持体の前記第1の面の少なくとも第1の部分上に剥離剤をさらに含み、前記第1の支持体が、前記剥離剤に近い前記第1の支持体の前記第2の面の少なくとも第1の部分上に接着剤をさらに含み、前記印字媒体から前記第2の支持体を除去するステップが、前記第1の支持体および関連する接着剤から前記第2の支持体および関連する剥離剤を除去するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記対象物に前記第1の支持体を取り付けるステップが、前記接着剤により前記対象物に前記第1の支持体を接着するステップを含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−28155(P2011−28155A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176196(P2009−176196)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】