説明

両面熱印刷の構成

両面直接熱印刷のための装置および方法。一実施形態においては、両面ダイレクト・サーマル・プリンタは、第1のサーマル・プリント・ヘッドと、第2のサーマル・プリント・ヘッドとを備え、第1のサーマル・プリント・ヘッドの表面が、第2のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとしての働きをする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面熱印刷の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2006年3月7日付けの「Two−Sided Thermal Printing」という名称の米国仮特許出願第60/779,781号公報、2006年3月7日付けの「Dual−Sided Thermal Printer」という名称の米国仮特許出願第60/779,782号公報、2006年12月22日付けの「Two−Sided Thermal Print Sensing」という名称の米国特許出願第11/644,262号公報、および2007年2月16日付けの「Two−Sided Thermal Print Switch」という名称の米国特許出願第11/675,649号公報の優先権を主張する。上記米国特許出願の内容は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0003】
米国特許第6,784,906号公報および第6,759,366号公報に、取引文書およびレシートのような文書の両面直接熱印刷が開示されている。両面直接熱印刷の場合、プリンタは、プリンタを通してフィード・パスに沿って移動する感熱媒体の両面上に同時に印刷することができるように構成されている。このようなプリンタの場合、ダイレクト・サーマル・プリント・ヘッドは、フィード・パスに沿って媒体の各面上に配置されている。動作中、各サーマル・プリント・ヘッドは、各プリント・ヘッドから媒体を横切って対向プラテンの方向を向いている。
【0004】
直接熱印刷の場合には、プリント・ヘッドは、感熱コーティングを含む基材を備える紙または他のシート媒体に選択的に熱を加える。コーティングされた基材上に「印刷」が行われる熱が加わると、コーティングが変色する。両面直接熱印刷の場合には、シート媒体基材の両面をコーティングすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/779,781号公報
【特許文献2】米国仮特許出願第60/779,782号公報
【特許文献3】米国特許出願第11/644,262号公報
【特許文献4】米国特許出願第11/675,649号公報
【特許文献5】米国特許第6,784,906号公報
【特許文献6】米国特許第6,759,366号公報
【特許文献7】米国特許出願第11/314,613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタは、プリンタを通してフィード・パスに沿って移動するレシート、文書、ラベルまたは他の感熱媒体の両面上に印刷するためのものである。一実施形態においては、両面ダイレクト・サーマル・プリンタは、媒体フィード・パスの第1の面上の第1のサーマル・プリント・ヘッドと、媒体フィード・パスの第2の面上の第2のサーマル・プリント・ヘッドとを備える。この場合、第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する面は、第2のサーマル・プリント・ヘッドに対してプラテンとしての働きをする。種々の実施形態においては、プリンタ内で感熱媒体を反転または他の回転を含む案内を行うために、および/またはプリンタを通して感熱媒体を移動するために、1つまたは複数の追加の面および/またはローラを、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッドに対してプラテンとして使用するために設置することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
両面直接熱印刷は、データを保管し、顧客へ情報を柔軟に提供するために、レシートのような印刷媒体の両面上に可変情報を印刷するためのものである。両面直接熱印刷は、電子的に、または両面印刷を指示するコンピュータ・アプリケーション・プログラムを使用するコンピュータにより駆動することができる。両面プリンタの機能は、とりわけ、例えば、ハードウェアまたはソフトウェア、エスケープ・シーケンス、リアルタイム・プリンタ・コマンドのセットアップ構成設定等により実施するコマンドを使用する両面印刷機能スイッチにより制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】感熱媒体の両面印刷に使用することができる両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタの略図である。
【図1B】図1Aのその感熱部分を含むプラテン30および40およびサーマル・プリント・ヘッド50および60の構成の詳細図である。
【図2A】両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するための第1の例示としてのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成の詳細図である。
【図2B】両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するための第2の例示としてのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す図である。
【図2C】両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するための第3の例示としてのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す図である。
【図2D】両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するための第4の例示としてのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す図である。
【図2E】両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するための第5の例示としてのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す図である。
【図2F】両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するための第6の例示としてのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す図である。
【図2G】両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するための第7の例示としてのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す図である。
【図3A】表面に印刷された取引の詳細を含む両面レシートである。
【図3B】取引の詳細に基づいて選択した可変格納情報のような、裏面に印刷された補足情報を含む図3Aのレシートである。
【図3C】レシートの表面上に印刷した関連する取引の詳細の一部を含む両面レシートである。
【図3D】その上に関連する取引データの残りの部分が印刷される図3Cのレシートの裏面である。
【図4】小売店の販売時点情報管理(POS)用途のための例示としての両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの斜視図である。
【図5】図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの部分中心線断面の略図である。
【図6】図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの部分ギヤ面の断面の略図である。
【図7】開放位置内にカバーを含む、図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの部分中心線断面の略図である。
【図8】図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの変形版の部分中心線断面の略図である。
【図9】図8の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの部分ギヤ面の断面の略図である。
【図10】図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの変形版の部分中心線断面の略図である。
【図11】図10の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの部分ギヤ面の断面の略図である。
【図12】図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの他の変形版の部分中心線断面の略図である。
【図13】両面ダイレクト・サーマル・プリンタのプリント・ヘッドおよびプラテンの向きおよび媒体フィード・パスの他の変形版の略図である。
【図14】両面ダイレクト・サーマル・プリンタのプリント・ヘッドおよびプラテンの向きおよび媒体フィード・パスの他の変形版の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例示として、添付の図面を参照しながら以下に本発明の種々の実施形態について説明する。これらの実施形態は種々に変更することができる。
【0010】
図1Aは、例えば、発行時に取引レシートまたはチケットのような文書を両面印刷するために使用することができる両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10の略図を示す。プリンタ10は、例えば、両面感熱紙を含む印刷媒体20上で動作する。この両面感熱紙は、その内容を参照により本明細書に組み込むものとする米国特許第6,784,906号公報および第6,759,366号公報に記載されている感熱色素で各面がコーティングされているセルロースまたはポリマー基材シートを備えることができる。
【0011】
両面直接熱印刷は、例えば、媒体20の対向面上に色素を含む媒体20と、媒体20の一方の面上の熱印刷が媒体20の対向面上の色に影響を与えるのを防止するだけの十分な耐熱性を有する基材とを使用することにより容易に行うことができる。このような熱印刷媒体20は、その上にグラフィックスまたはテキストまたは両方を、例えば、商品券、クーポン、レシート、チケットまたは他の物品または文書を供給するために、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10により、媒体20の片面または両面上に印刷することができる、ロール、扇状に折り畳んだスタック、個々のシート等の形で供給することができる。
【0012】
図1Aに示すように、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10は、感熱媒体20の対向面に印刷するために、媒体フィード・パス25の対向側面上にプラテン30および40、および対向サーマル・プリント・ヘッド50および60を含むことができる。しかし、他のプリント・ヘッドおよびプラテン設計および/または構成も使用することができる。さらに、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10は、印刷プロセス中に、プリンタ10を通して媒体20を移動するための媒体駆動システム12を含むことができる。媒体駆動システム12は、両面プリンタ10の動作中に、歯車、リンク、カム、ベルト、プーリのシステムまたはこれらの組合せを駆動するための1つまたは複数のモータ(図示せず)を備えることができる。一実施形態においては、円筒の形で配置されている1つまたは複数のプラテン30および40は、両面プリンタ10を通して印刷媒体20を移動するために、駆動アセンブリ12により回転する。しかし、1つまたは複数の追加の専用駆動ローラ(図示せず)の使用を含む他の駆動手段も使用することができる。
【0013】
さらに図1Aを参照すると、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10は、また、第1および第2の支持アーム14および16を含むこともできる。例えば、両面プリンタ10に容易にアクセスし、容易に修理することができるように、第2の支持アーム16が、第1の支持アーム14に対して枢動または回転することができるように、さらに、第2の支持アーム16をアーム・シャフト18上に軸支することができる。代替実施形態においては、支持アーム14および16は、相互に固定することができる。図1Aの実施形態に示すように、第1のプラテン30および第1のサーマル・プリント・ヘッド60は、第1の支持アーム14と結合することもできるし、または一体に形成することもでき、一方、第2のプラテン40および第2のサーマル・プリント・ヘッド50は、第2の支持アーム16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。別の方法としては、第1のプラテン30および第2のサーマル・プリント・ヘッド50は、第1の支持アーム14と結合することもできるし、または一体に形成することもでき、一方、第2のプラテン40および第1のサーマル・プリント・ヘッド60は、第2の支持アーム16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。第1のプラテン30および第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60が、第1のアーム14と結合され、または一体に形成され、一方、第2のプラテン40が、第2の支持アーム16と結合され、または一体に形成され、または第1および第2のプラテン30および40、および第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60が、第1のアーム14と結合されるか、または一体に形成されている等のようなプリンタ10の設計を含むこのような構成要素の設計および/または構成を修正したものも使用することができる。
【0014】
動作中、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10による媒体20の両面直接熱印刷は、例えば、レシートまたはチケットが発行された場合のような取引が終了した場合に、プリンタ10内を媒体20を1回通過させるだけで行うことができる。代替的に、両面直接熱印刷は、例えば、第1の方向に移動中に、媒体20をサーマル・プリント・ヘッド50および60の一方または両方で画像形成し、次に、第1または第2の後退方向に移動している媒体をサーマル・プリント・ヘッド50および60の一方または両方でさらに画像形成するために後退方向に移動させる場合には、両面直接熱印刷では、媒体を2回以上プリンタを通過させて行うこともできる。印刷が終了すると、媒体20は、そのフォーマット(例えば、ロール、扇状に折り畳んだもの、個々のシート等)により、個々のレシート、チケットまたは他の文書を供給するために、手動によりまたは自動的に切断または切り離すことができる。
【0015】
図1Aに示すように、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10は、さらに、とりわけ、1つまたは複数の両面印刷モードまたは機能を動作可能および/または動作不能にするためのスイッチ70を含むことができる。このような両面印刷機能スイッチ70は、プリンタ10に関連する機械的に作動するスイッチであってもよいし、または、例えば、ホスト・コンピュータ上のプリンタ・ドライバにより、またはプリンタ10上に常駐するファームウェアまたはソフトウェア等により作動する電子的に作動するスイッチであってもよい。一実施形態においては、印刷機能スイッチ70は、例えば、通信制御装置96を使用することにより、プリンタ10に送信されたコマンド・メッセージまたはエスケープ・シーケンスに応じて電子的に動作することができる。通信制御装置96は、プリンタ10へデータを入力し、プリンタ10からデータを出力するための、販売時点情報管理(POS)端末(図示せず)、現金自動預け払い機(ATM)(図示せず)、セルフサービス・キオスク(図示せず)、セルフ・チェックアウト・システム(図示せず)、パーソナル・コンピュータ(図示せず)等のような1つまたは複数のホストまたは補助システムと通信することができる。通信制御装置96は、とりわけ、並列、USB、RS232、RS485、イーサネットおよび/または無線通信(例えば、802.11、802.15およびIR)のような1つまたは複数の通信プロトコルをサポートすることができる。プリンタ10と通信する際には、プリンタ制御言語またはプリンタ・ジョブ言語(「PCL/PJL」)またはエスケープ・コマンド等を使用することができる。例えば、関連するホスト・コンピュータ上で実施するソフトウェア制御ユーティリティ・ページを通して行う設定のようなプリンタ・セットアップ構成プログラム設定も、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10のための機能スイッチ70を電子的に作動させるために使用することができる。
【0016】
一実施形態においては、両面印刷機能スイッチ70は、とりわけ、(1)印刷のためのデータ(例えば、内部に格納しているマクロ、外部から受信した取引データ等)、(2)2つのサーマル・プリント・ヘッド50および60のどちらを印刷のために使用するのか、および/または特定のデータを印刷するために使用するのか、(3)媒体20が第1の方向(例えば、前方)または第2の方向(例えば、後方)に移動している場合に、選択したデータを印刷すべきか否か、(4)どの媒体面を含めて、相対的および/または絶対的媒体位置のどちらに特定のデータを印刷するのか、(5)どの方向(例えば、右側を上に、ひっくり返して、ある角度でなど)に、媒体20の上に特定のデータを印刷するのかを選択するためにまたは他の方法で識別するために、構成し、プログラムし、または他の方法で設定することができる。例えば、両面印刷機能スイッチ70の設定は、媒体20の第1(例えば、表)の面に印刷する、選択した外部から受信したおよび/または内部に格納している印刷データのブロックの部分(例えば、第1の半分)、および媒体20の第2(例えば、裏)の面上に印刷する他の部分(例えば、第2の半分)を配列することができる。もう1つの設定の場合には、データの各部分が印刷される媒体面を逆にすることができる。このようにして、レシートの印刷のために必要な媒体20の量を節約しながら、レシートの一方の面上に関連する取引データの一部が印刷され、レシートの他の面上に取引データの残りの部分が印刷される取引レシートのような文書を生成することができる。両面印刷機能スイッチ70は、とりわけ、媒体20の各面上に印刷されるデータの一部、量またはブロックを決定するために、手動で設定されるか、またはそうでない場合には、プリンタ10に送信される、例えば、制御または他のコマンド・メッセージにより、それに応じて構成することができる。データのいくつかのブロック、またはその一部をスイッチ70により選択し、媒体20上の異なる面または位置に配列することができる。
【0017】
一実施形態においては、印刷機能スイッチ70は、レシート紙ロールのような感熱媒体20の第1の面上に印刷するために印刷データの第1の部分を選択し、感熱媒体20の第2の面上に印刷するために印刷データの第2の部分を選択することができる。このような印刷データは、販売時点情報管理(POS)端末(図示せず)、現金自動預け払い機(ATM)(図示せず)、セルフ・チェックアウト・システム(図示せず)、パーソナル・コンピュータ(図示せず)等のようなホスト・コンピュータからプリンタ10が同時に受信したデータ、および/またはプリンタ10の1つまたは複数のメモリまたはバッファ位置80に前もって格納されたデータを備えることができる。印刷データは、(1)例えば、POS端末のようなホスト・コンピュータによりプリンタ10で受信または格納する前に印刷のために処理することができ、(2)例えば、印刷機能スイッチ70、またはプリンタ10に関連するコントローラまたはプロセッサ90によりプリンタ10で受信または格納した後で印刷のために処理することができ、または(3)とりわけ(1)および(2)を組み合わせることができることに留意されたい。同様に、このような処理は、印刷機能スイッチ70により感熱媒体20の第1の面および/または第2の面上に印刷するために印刷データを選択、識別および/または配分する前または後で行うことができる。
【0018】
他の実施形態においては、印刷機能スイッチ70を、そのようなデータを印刷するために必要な媒体の量に基づいて、印刷媒体20の面を含む特定の位置のところに印刷するために印刷データを選択し、または他の方法で識別するために構成することができる。このような量は、とりわけ、(1)印刷するデータの物理印刷サイズ(例えば、長さ、幅、周囲、領域、フォントのサイズ等)、(2)熱により画像形成することができる媒体20の部分(例えば、1つまたは複数の感熱コーティングを有する部分)、(3)予め印刷されるまたは予め画像形成される媒体20の部分、(4)熱または他の画像形成から除外するまたは除外したい媒体20の部分(例えば、マージン、ヘッダ、行間隔、インデント、所望のまたは必要な余白空間等)、(5)プリンタ10の物理特性(例えば、プラテン30および40のサイズ、サーマル・プリント・ヘッド50および60のサイズ、プラテン30および40の間隔、サーマル・プリント・ヘッド50および60の間隔、サーマル・プリント・ヘッド50および60間の媒体フィード・パスの長さ等)等に基づいて決定することができる。
【0019】
ある実施形態においては、印刷機能スイッチ70は、媒体20の第1の面上に印刷するための印刷データの第1の部分、および媒体20の第2の面上に印刷するための印刷データの第2の部分を配分することができる。この場合、第1および第2の部分は、印刷した場合第1および第2の各媒体面上のスペースのほぼ同じ量を占めるように選択される。同様に、印刷機能スイッチ70は、媒体20の第1の面上に印刷するための印刷データの第1の部分、および第1の面に対向する媒体20の第2の面上に印刷するための印刷データの第2の部分を配分することができる。この場合、第1の部分の印刷したサイズが、第2の部分の印刷したサイズより大きくなるように選択される。第1および第2のデータ部分の印刷した場合のサイズの違いは、とりわけ、(1)媒体20の第1および第2の面上で使用することができる印刷可能なスペースの量(例えば、マージン、ヘッダ、フッタ、印刷済みの情報、感熱コーティングの範囲)の違い、(2)所与の面上に印刷するために選択したデータ(例えば、ロゴ、クーポン、広告等のような内部に格納しているマクロ・データに対する購入品目、数量、価格等のような外部から受信した取引データなど)のタイプの違い、(3)サーマル・プリント・ヘッド50および60の位置による媒体20の第1および第2の面上の印刷位置の違いを調整するように選択することができる。両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10のプリント・ヘッド50および60による、媒体20の第1および第2の面上の印刷位置の違いは、媒体20が媒体フィード・パス25に沿って移動している場合に、第2のサーマル・プリント・ヘッドにより感熱媒体20の第2の面を画像形成する前に、第1のサーマル・プリント・ヘッドにより感熱媒体20の第1の面の画像形成となる場合がある、プリンタ10のプリント・ヘッド50および60の垂直方向、水平方向および/または深さ方向の位置の違いにより生じる場合がある。より詳細には、媒体20の第1および第2の面上の印刷位置のズレは、プリント・ヘッド50および60の位置の違い、および媒体フィード・パスに沿ったローラ等のような他の媒体の接触面の位置の違いから起こる場合がある、プリンタ10の媒体フィード・パス25(例えば、図1Aの頂部の矢印方向)に沿ったサーマル・プリント・ヘッド50および60の各印刷部分間の媒体20の長さの違いから起こる場合がある。
【0020】
一実施形態においては、印刷機能スイッチ70は、媒体20の第1の面上に印刷するためのチケット情報のような印刷データの第1の部分、および第1の面に対向する媒体20の第2の面上に印刷するための法的情報のような印刷データの第2の部分を配分することができる。この場合、第1の部分の印刷したサイズ(例えば、印刷領域)が、サーマル・プリント・ヘッド50および60の間の媒体20の第2の面上の媒体フィード・パス25に沿った印刷可能なスペース(例えば、領域)の広さにほぼ等しい広さだけ第2の部分の印刷したサイズ(例えば、印刷領域)より大きくなるように選択される。所与の媒体20の面上の印刷データの印刷したサイズは、所与の面上に印刷されるデータの量を選択することにより、選択したデータが印刷されるサイズ(例えば、フォント、フォント・サイズおよび/またはデータ・スケーリング)を選択することにより、またはその他の方法で制御することができることに留意されたい。
【0021】
他の実施形態においては、印刷データの第1の部分が占めるレシートのような印刷媒体20の第1の面の長さが、プラテン30および40および/または媒体フィード・パス25に沿ったサーマル・プリント・ヘッド50および60の間の媒体の長さにほぼ等しい長さだけ、印刷データの第2の部分が占める印刷媒体20の第2の面の長さより長くなるように、POS取引データのようなプリンタ10が受信したデータの第1および第2の部分を印刷機能スイッチ70により識別することができる。もちろん、印刷データの配分の際に他の関連する長さおよび/または変形版も使用することができる。さらに、受信した印刷データを、媒体20の片面または両面上に印刷するために、印刷機能スイッチ70による識別の前または後で、プリンタ10の1つまたは複数のバッファ80内に格納することができる。
【0022】
他の実施形態においては、印刷機能スイッチ70により媒体20の片面または両面上に印刷するために選択したまたは他の方法で識別したデータは、プリンタ10に関連する1つまたは複数のメモリ80内に格納している1つまたは複数の位置識別子(例えば、アドレス)、施設識別子(例えば、店舗)、コンピュータ識別子(例えば、POS端末)、ロゴ、広告等のような予め定義された印刷データまたはマクロを含むことができる。ある例の場合には、このような予め定義された印刷データのいくつかのまたはすべてを、媒体20の片面または両面上の第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の間の媒体フィード・パス25に沿った媒体20の一部に印刷するために選択することができる。さらに、このような情報を、例えば、同じ文書またはレシート上に含まれるPOS端末から受信した取引データのような任意の同時に受信した印刷データの前に印刷するために選択することができる。それ故、予め定義された印刷データを、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の間の媒体フィード・パス25に沿った媒体20のある領域のような、そうでない場合には、同時情報を印刷するのが難しいか、望ましくない媒体20の領域上に印刷するために選択することができ、それにより媒体20を最大限に使用することができる。
【0023】
他の実施形態においては、印刷機能スイッチ70は、媒体を最適使用するために、感熱媒体20の第1および第2の面間で、内部に格納しているマクロおよび/または受信した取引データを含む印刷データを配分することができる。このような最適化を行いながら、印刷機能スイッチ70は、選択した印刷データの印刷サイズ(例えば、フォント、フォント・サイズ、スケーリングなど)を制御することができる。同様に、印刷機能スイッチ70は、とりわけ、(1)所望のまたは必要なヘッダ、フッタ、マージン等を含む媒体サイズおよび設計パラメータ、(2)感熱コーティングの位置、および(3)媒体20上に予め印刷することができる任意の情報を考慮に入れることができる。一実施形態においては、このような考慮は、選択した印刷データの一部または全部を予め印刷したデータが存在する領域のようなある媒体領域に配分することを避け、選択した印刷データの一部または全部を1つまたは複数の感知マーク等により区切られた領域のようないくつかの媒体領域に配分する印刷機能スイッチ70を備えることができる。さらに、他の実施形態においては、1つまたは複数の感熱および/または光センサのような1つまたは複数のセンサ100を、このような印刷媒体の使用の最適化の一部として配分するおよび配分しない決定を行う目的で、予め印刷した情報の領域および/または1つまたは複数の検出マークで画定された領域を検出するために使用することができる。
【0024】
追加的にまたは代替的に、プリンタ10内に装填されている媒体20のタイプ(例えば、片面感熱、両面感熱、非感熱、ラベル、ロール、扇状に折り畳んだもの、カット紙、予め印刷したものなど)、サイズ(例えば、長さ、幅、厚さなど)、および量(例えば、重量、長さ、容量など)、およびプリンタ10内に媒体が設置されているか否かを確認するために1つまたは複数のセンサ100を設置することができる。次に、このようなセンサからの信号を、とりわけ、媒体20上に印刷するためのデータの分割を容易にし、オペレータにプリンタ10の媒体20のタイプ、サイズおよび/または数量を知らせ、および/または1つまたは複数のセンサ100からの1つまたは複数の信号に基づいて、プリンタ10の1つまたは複数の機能を動作可能にし、および/または動作不能にするために使用することができる。すべての目的のためにその内容を参照により本明細書に組み込むものとする、2006年12月22日付けの「Two−Sided Thermal Print Sensing」という名称の米国特許出願第11/644,262号公報に、両面画像形成サーマル・プリンタ10が行う動作または機能を制御するための1つまたは複数のセンサ100の使用についての追加の詳細が開示されている。
【0025】
他の実施形態においては、媒体20の第1の面上で印刷データが占める媒体フィード・パス25に沿った媒体20の長さが、プラテン30および40の間の間隔に実質的に等しい長さだけ、サーマル・プリント・ヘッド50および60の間の間隔に実質的に等しい長さだけ、サーマル・プリント・ヘッド50および60の間の媒体の長さだけ、および/または媒体フィード・パス25に沿ったその感熱部分の長さなどだけ、媒体20の第2の面上に印刷データが占める媒体フィード・パス25に沿った媒体20の長さとは異なるように、印刷データの配分を印刷機能スイッチ70により行うことができる。図1Bは、図1Aのその感熱部分を含むプラテン30および40およびサーマル・プリント・ヘッド50および60の構成のより詳細な図面を示す。
【0026】
図1Bの構成においては、円筒の形をしている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って搬送される感熱媒体の第1の面上での印刷を容易に行うことができるように、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。同様に、円筒の形をしている第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って送られる感熱媒体の第2の面上での印刷を容易に行うことができるように、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に近接して設置される。図1Aのところで説明したように、一方または両方のプラテン30および40、およびサーマル・プリント・ヘッド50および60は、さらに、1つまたは複数の支持アーム14および16(図示せず)と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。
【0027】
さらに図1Bに示すように、各サーマル・プリント・ヘッド50および60は、1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備える印刷面52および62を含む。1つまたは複数の各熱印刷要素54および64は、媒体フィード・パス25に対して平行および/または垂直に(例えば、図1Bを含むページに対して垂直)、各印刷面52および62のうちのいくつかまたはすべてを包み込むことができる。設置されている場合、1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、媒体フィード・パス25に垂直な感熱媒体の幅、および/または媒体フィード・パス25に平行な感熱媒体の長さのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って同時両面熱印刷を行うことができ、設置感熱媒体などの画像形成を制御するために、複数のレベルの熱を供給することができる。
【0028】
図1Bのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成においては、図1Aのところで説明した駆動システム12と、回転のための第1および/または第2のプラテン30および40を結合することにより、媒体フィード・パス25に沿って感熱媒体を移動させることができる。代替的にまたは追加的に、駆動システム12に回転するために結合している1つまたは複数の別々の駆動ローラ(図示せず)のような別々の駆動手段を使用することにより、媒体フィード・パス25に沿って感熱媒体を移動させることもできる。
【0029】
図1Bは、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10(例えば、図1Aの構成)で使用するための1つのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成の詳細を示しているが、サーマル・プリント・ヘッドおよびプラテンの設計および構成を種々に修正できることに留意されたい。より詳細には、1つまたは複数のサーマル・プリント・ヘッドに関連する1つまたは複数の面が、1つまたは複数の追加のサーマル・プリント・ヘッドに対してプラテンとして機能するような種々の修正を行うことができる。図2Aは、図1Aの両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するためのこのようなプリント・ヘッドおよびプラテンの一構成を示す。
【0030】
図2Aは、図1Aに示すような両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するための第2のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す。図2Aに示すように、円筒の形をしている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第1の面上での印刷を容易にするために、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。しかし、図1Bとは異なり、第2のプラテン40は、第1のサーマル・プリント・ヘッド50の印刷面52の一部となっている。図2Aの場合には、第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第2の面上での印刷を容易にするために、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に近接して設置される。図1Aのところですでに説明したように、1つまたは複数のプラテン30および40、およびサーマル・プリント・ヘッド50および60は、さらに、1つまたは複数の支持アーム14および16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。
【0031】
図2Aにさらに示すように、各サーマル・プリント・ヘッド50および60は、それぞれが1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備える印刷面52および62を含む。各プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、感熱媒体の長さ、幅またはエリアのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って印刷することができ、設置されている感熱媒体等の画像形成を制御するために、複数のレベルの熱を供給することができる。
【0032】
さらに、サーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部またはすべては、移動を容易にし、媒体フィード・パス25に沿った感熱媒体へのおよび/または感熱媒体からの損傷を最小限にするために、1つまたは複数の摩擦低減材料56および66を含むことができる。このような摩擦低減材料は、各印刷面52および62の別々の部分、層またはコーティングとして供給することができる。一実施形態においては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFE(例えば、無電解ニッケル・マトリックス内に分散しているPTFE粒子)のような摩擦低減材料56および/または66のコーティングまたは層が、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部または全部に塗布される。しかし、種々の修正した方法を使用することもできる。
【0033】
図2Aの媒体フィード・パス25に沿った感熱媒体の移動は、図1Aのところで説明した駆動システム12による第1のプラテン30の回転により行うことができる。同様に、感熱媒体の移動は、単独でまたは第1のプラテン30の回転と組み合わせて、別々のおよび/または共有の駆動システム12に回転のために結合している1つまたは複数の別々の駆動ローラ(図示せず)のような別々の駆動手段を使用して行うこともできる。
【0034】
図2Bは、図1Aのような両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するための第3のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す。図2Bに示すように、円筒の形をしている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第1の面上での印刷を容易にするために、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。さらに、図2Bの構成においては、第2のプラテン40は、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に関連する面の一部となっている。図2Aの場合のように、第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第2の面上での印刷を容易にするために、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に近接して設置される。
【0035】
図2Bにさらに示すように、各サーマル・プリント・ヘッド50および60は、それぞれが1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備えることができる印刷面52および62を含む。各プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、感熱媒体の長さ、幅またはエリアのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って印刷することができ、設置されている感熱媒体等の画像形成を制御するために、複数のレベルの熱を供給することができる。
【0036】
さらに、印刷面52および62の一部または全部、または第2のプラテン40を備える面のようなサーマル・プリント・ヘッド50および60の他方の面は、移動を容易にし、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体へのまたは感熱媒体からの損傷を最小限にするために摩擦低減材料56を含むことができる。このような摩擦低減材料は、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の各面の個々の部分、層またはコーティングとして供給することができる。一実施形態においては、摩擦低減材料56は、プラテン40を備える第1のサーマル・プリント・ヘッド50の一部または全部の面に塗布されている、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFEの層を含む。しかし、他の材料および位置も使用することができる。
【0037】
図2Bの構成は、さらに、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60により、その対向面上に印刷するために媒体の向きを変えるローラ72を含む。図2Bの媒体フィード・パス25沿いの感熱媒体の移動は、図1Aのところで説明した駆動システム12と結合している第1のプラテン30および/またはローラ72の回転により行うことができるし、および/またはこのような移動は、駆動システム12に回転のために結合している1つまたは複数の別々の駆動ローラ(図示せず)のような別々の駆動手段を使用して行うこともできる。
【0038】
同様に、図1Aのところですでに説明したように、一方または両方のプラテン30および40、およびサーマル・プリント・ヘッド50および60、およびローラ72は、さらに、1つまたは複数の支持アーム14および16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。一実施形態においては、第1のプラテン30および第2のサーマル・プリント・ヘッド60は、第1の支持アーム14と結合しているか、または一体に形成されていて、一方、第1のサーマル・プリント・ヘッド50およびローラ72は、第2の支持アーム16と結合しているか、または一体に形成されている。
【0039】
図2Cは、図1Aの両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するための第4のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す。図2Cに示すように、円筒の形をしている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第1の面上での印刷を容易にするために、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。さらに、第2のプラテン40は、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に関連する面の一部となっている。図2Cの構成においては、第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第2の面上での印刷を容易にするために、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に近接して設置される。
【0040】
図2Cにさらに示すように、各サーマル・プリント・ヘッド50および60は、それぞれが1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備える印刷面52および62を含む。各プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、感熱媒体の長さ、幅またはエリアのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って印刷することができ、設置されている感熱媒体等の画像形成を制御するために複数のレベルの熱を供給することができる。
【0041】
さらに、印刷面52および62の一部または全部、または第2のプラテン40を備える第1のサーマル・プリント・ヘッド50の面の一部または全部のようなサーマル・プリント・ヘッド50および60の他方の面は、移動を容易にし、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体へのまたは感熱媒体からの損傷を最小限にするために1つまたは複数の摩擦低減材料56および66を含むことができる。このような摩擦低減材料は、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の各面の個々の部分、層またはコーティングとして供給することができる。一実施形態においては、1つまたは複数の摩擦低減材料56および66は、プラテン40を備える第1のサーマル・プリント・ヘッド50の一部または全部の面に取り付けられているおよび1つまたは複数の印刷要素64に関連する領域を含むことができる第2のサーマル・プリント・ヘッド60の一部または全部の印刷面62に取り付けられているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFEの1つまたは複数のブロックを含む。しかし、他の材料および位置も使用することができる。
【0042】
図2Cの構成は、さらに、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60により、その対向面上に印刷するために媒体の向きを変えるローラ72を含む。図2Cの媒体フィード・パス25沿いの感熱媒体の移動は、図1Aのところで説明した駆動システム12の使用による第1のプラテン30および/またはローラ72の回転により行うことができるし、および/またはこのような移動は、駆動システム12に回転のために結合している1つまたは複数の別々の駆動ローラ(図示せず)のような別々の駆動手段を使用して行うこともできる。
【0043】
同様に、図1Aのところですでに説明したように、一方または両方のプラテン30および40、サーマル・プリント・ヘッド50および60、および/またはローラ72は、さらに、1つまたは複数の支持アーム14および16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。一実施形態においては、第1のプラテン30および第2のサーマル・プリント・ヘッド60は、第1の支持アーム14と結合しているか、または一体に形成されていて、一方、第1のサーマル・プリント・ヘッド50およびローラ72は、第2の支持アーム16と結合しているか、または一体に形成されている。
【0044】
図2Dは、図1Aの両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するための第5のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す。図2Dに示すように、円筒の形をしている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第1の面上での印刷を容易にするために、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。さらに、図2Dの構成においては、第2のプラテン40は、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に関連する面の一部となっている。図に示すように、第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第2の面上での印刷を容易にするために、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に近接して設置される。
【0045】
図2Dにさらに示すように、各サーマル・プリント・ヘッド50および60は、それぞれが1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備える印刷面52および62を含む。各プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、感熱媒体の長さ、幅またはエリアのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って印刷することができ、設置されている感熱媒体等の画像形成を制御するために複数のレベルの熱を供給することができる。
【0046】
さらに、印刷面52および62の一部または全部、または第2のプラテン40を備える面のようなサーマル・プリント・ヘッド50および60の他方の面は、移動を容易にし、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体へのまたは感熱媒体からの損傷を最小限にするために摩擦低減材料56を含むことができる。このような摩擦低減材料は、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の各面の個々の部分、層またはコーティングとして供給することができる。一実施形態においては、摩擦低減材料56は、プラテン40を備える第1のサーマル・プリント・ヘッド50の一部または全部の面に塗布されているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFEの層を含む。しかし、他の材料および位置も使用することができる。
【0047】
図2Dの構成は、さらに、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60によりその対向面上に印刷するために、媒体の向きを変える1つまたは複数のローラ72を含む。図2Dの実施形態においては、1つまたは複数のローラ72を使用し、向きを調整することにより、サーマル・プリント・ヘッド50および60によるその両面上の印刷をサポートする2つの面(公称で、一方は270度の角度を有し、他方は90度の角度を有する)内での感熱媒体の方向転換または他の回転を容易に行うことができる。
【0048】
媒体フィード・パス25沿いの感熱媒体の移動は、図1Aのところで説明した駆動システム12と結合している第1のプラテン30および/またはローラ72の回転により行うことができるし、および/またはこのような移動は、駆動システム12に回転のために結合している、1つまたは複数の別々の駆動ローラ(図示せず)のような別々の駆動手段を使用して行うこともできる。
【0049】
同様に、図1Aのところですでに説明したように、一方または両方のプラテン30および40、およびサーマル・プリント・ヘッド50および60、およびローラ72は、さらに、1つまたは複数の支持アーム14および16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。一実施形態においては、第1のプラテン30および第2のサーマル・プリント・ヘッド60は、第1の支持アーム14と結合することもできるし、または一体に形成することもでき、一方、第1のサーマル・プリント・ヘッド50およびローラ72は、第2の支持アーム16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。
【0050】
図2Eは、図1Aに示すような両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するための第6のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す。図2Eに示すように、第2のサーマル・プリント・ヘッド60の印刷面62の一部となっている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第1の面上での印刷を容易にするために、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。同様に、第1のサーマル・プリント・ヘッド50の印刷面52の一部となっている第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第2の面上での印刷を容易にするために、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に近接して設置される。
【0051】
図2Eにさらに示すように、サーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62は、それぞれ1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備えることができる。各プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、感熱媒体の長さ、幅またはエリアのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って印刷することができ、設置されている感熱媒体等の画像形成を制御するために、複数のレベルの熱を供給することができる。
【0052】
図2Eにさらに示すように、サーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部または全部は、移動を容易にし、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体へのまたは感熱媒体からの損傷を最小限にするために1つまたは複数の摩擦低減材料56および66を含むことができる。このような摩擦低減材料は、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の各印刷面52および62の個々の部分、層またはコーティングとして供給することができる。一実施形態においては、摩擦低減材料56および66は、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部または全部に塗布されているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFEのコーティングを含むことができる。しかし、他の材料および熱印刷要素54および64のいくつかまたは全部を含む位置のような他の位置も使用することができる。
【0053】
図2Eの構成は、さらに、媒体フィード・パス25に沿った感熱媒体の移動を容易にするために、1つまたは複数のローラ72および74を含むことができる。図1Aのところで説明したように、駆動システム12に、回転のためにローラ72および74の一方または両方を結合することにより、このような移動を容易に行うことができる。しかし、他の構成および/または駆動手段も使用することができる。
【0054】
図1Aのところですでに説明したように、ローラ72および74の一方または両方を含んでいるまたは含んでいない一方または両方のサーマル・プリント・ヘッド50および60、および関連するプラテン30および40は、さらに1つまたは複数の支持アーム14および16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。一実施形態においては、関連する第2のプラテン40および第1および第2のローラ72および74を含む第1のサーマル・プリント・ヘッド50は、第1の支持アーム14と結合することもできるし、または一体に形成することもできるし、一方、関連する第1のプラテン30を含む第2のサーマル・プリント・ヘッド60は、第2の支持アーム16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。しかし、他の構成も使用することができる。
【0055】
図2Fは、図1Aに示すような両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するための第7のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す。図2Fに示すように、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に関連する印刷面62の一部となっている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第1の面上での印刷を容易にするために、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。同様に、第1のサーマル・プリント・ヘッド50の印刷面52の一部となっている第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第2の面上での印刷を容易にするために、第2のサーマル・プリント・ヘッド60に近接して設置される。
【0056】
図2Fにさらに示すように、サーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62は、それぞれ1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備えることができる。各プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、感熱媒体の長さ、幅またはエリアのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って印刷することができ、設置されている感熱媒体等の画像形成を制御するために、複数のレベルの熱を供給することができる。
【0057】
図2Fにさらに示すように、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の印刷要素54および64は、媒体フィード・パス25を横切って相互に実質的に対向している。そのため、1つまたは複数の印刷要素54を備える第1のサーマル・プリント・ヘッド50の領域は、第2のサーマル・プリント・ヘッド60による印刷に対して第2のプラテン40としての働きをし、1つまたは複数の印刷要素64を備える第2のサーマル・プリント・ヘッド60の領域は、第1のサーマル・プリント・ヘッド50による印刷に対して第1のプラテン30としての働きをする。
【0058】
図2Fにさらに示すように、サーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部または全部は、移動を容易にし、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体へのまたは感熱媒体からの損傷を最小限にするために1つまたは複数の摩擦低減材料56および66を備えることができる。このような摩擦低減材料は、とりわけ、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の各印刷面52および62の個々の部分、層またはコーティングとして供給することができる。一実施形態においては、摩擦低減材料56および66は、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部または全部に取り付けられているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFEのブロックを含むことができる。しかし、他の材料および熱印刷要素54および64のいくつかまたは全部を含む位置のような他の位置も使用することができる。
【0059】
図2Fにさらに示すように、1つまたは複数のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成は、さらに、媒体フィード・パス25に沿った感熱媒体の移動を容易にするために1つまたは複数のローラ72および74を含むことができる。図1Aのところで説明したように、駆動システム12に、回転のためにローラ72および74の一方または両方を結合することにより、このような移動を容易に行うことができる。しかし、他の構成および/または駆動手段も使用することができる。
【0060】
図1Aのところですでに説明したように、ローラ72および74の一方または両方を含んでいるまたは含んでいない一方または両方のサーマル・プリント・ヘッド50および60、および関連するプラテン30および40は、さらに1つまたは複数の支持アーム14および16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。一実施形態においては、関連する第2のプラテン40および第1のローラ72を含む第1のサーマル・プリント・ヘッド50は、第2の支持アーム16と結合することもできるし、または一体に形成することもできるし、一方、関連する第1のプラテン30および第2のローラ74を含む第2のサーマル・プリント・ヘッド60は、第1の支持アーム14と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。しかし、他の構成も使用することができる。
【0061】
図2Gは、図1Aに示すような両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10と一緒に使用するための第7のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成を示す。図2Gに示すように、円筒の形をしている第1のプラテン30は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第1の面上での印刷を容易にするために、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に近接して設置される。図2Gにさらに示すように、第1のサーマル・プリント・ヘッド50の印刷面52の一部となっている第2のプラテン40は、媒体フィード・パス25に沿って移動する感熱媒体の第2の面上の第2のサーマル・プリント・ヘッド60による印刷を容易にするために使用される。図1Aのところですでに説明したように、1つまたは複数のプラテン30および40、およびサーマル・プリント・ヘッド50および60は、1つまたは複数の支持アーム14および16と結合することもできるし、または一体に形成することもできる。
【0062】
図2Gの各サーマル・プリント・ヘッド50および60は、それぞれが1つまたは複数の熱印刷要素54および64を備える印刷面52および62を含む。各プリント・ヘッド50および60の1つまたは複数の熱印刷要素54および64は、感熱媒体の長さ、幅またはエリアのような感熱媒体の片面または両面の一部を横切って印刷することができ、設置されている感熱媒体等の画像形成を制御するために、複数のレベルの熱を供給することができる。
【0063】
さらに、サーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部または全部は、図2Gに示す第1のサーマル・プリント・ヘッド50の印刷面52と関連する摩擦低減材料56のような1つまたは複数の摩擦低減材料を含むことができる。ある実施形態においては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFE(例えば、無電解ニッケル・マトリックス内に分散しているPTFE粒子)のコーティングまたはブロックの形の摩擦低減材料を、熱印刷要素54および64のいくつかまたは全部を含む第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の印刷面52および62の一部または全部に塗布することができる。しかし、この方法を種々に修正した方法も使用することができる。
【0064】
図2Gの媒体フィード・パス25に沿った感熱媒体の移動は、とりわけ、図1Aのところで説明した駆動システム12による第1のプラテン30の回転により行うことができる。同様に、感熱媒体の移動は、単独でまたは第1のプラテン30の回転と組み合わせて、別々のおよび/または共有の駆動システム12に回転のために結合している1つまたは複数の別々の駆動ローラ(図示せず)のような別々の駆動手段を使用して行うこともできるし、他の手段により行うこともできる。
【0065】
図2Gのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成は、エッジ型サーマル・プリント・ヘッドの形で設置されている図2Gの第2のサーマル・プリント・ヘッド60を含む図2Aのプリント・ヘッドおよびプラテンの構成に類似している。この点について、図1A〜図1Bおよび図2A〜図2Fのサーマル・プリント・ヘッド50および/または60のうちの任意のもの、および図5〜図7のプリント・ヘッド210および/または270は、他の形状にすることもできるが、平型(例えば、プレート)、エッジ型、コーナー・エッジ型または図1Aの両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10のようなダイレクト・サーマル・プリンタで使用するのに適している任意の他のタイプまたは形状のサーマル・プリント・ヘッドであってもよいことに留意されたい。
【0066】
図1B〜図2Gの印刷要素54および64のような特定の印刷要素による熱の出力の制御を含む図1A〜図1Bおよび図2A〜図2Gのサーマル・プリント・ヘッド50または60のようなサーマル・プリント・ヘッドによる熱の出力の制御は、設置されている感熱媒体20の画像形成を制御するのに重要である場合がある。このような制御のニーズは、とりわけ、両面サーマル・プリンタ10の設計および/または動作、および/または設置されている媒体20の設計および/または構造により異なる。より詳細には、図2Eおよび図2Fの実施形態に示すように、1つまたは複数のプリント・ヘッド50および60、および/または印刷要素54および64が、プリンタ10内で互いに実質的に横切るように位置している場合には、両面画像形成が、設置されている媒体20の第1および第2の面の近接領域で行われる場合、第2のプリント・ヘッド60および/または要素64に対向する第1のプリント・ヘッド50および/または54による熱の出力の制御を行うことが必要になる場合もあるし、または望ましい場合もある。すべての目的のために参照により本明細書に組み込むものとする2005年12月21日付けの米国特許出願第11/314,613号公報に記載されているように、特定の媒体を画像形成するために、および/または媒体20を均一に印刷するためにこのような制御が必要になる場合もあるし、または望ましい場合もある。
【0067】
ある実施形態においては、第1のサーマル・プリント・ヘッド50により印刷するための熱出力は、熱が第2のサーマル・プリント・ヘッド60により出力される感熱媒体20の領域においては低減することができる。同様に、第2のサーマル・プリント・ヘッド60により印刷するための熱出力は、熱が第1のサーマル・プリント・ヘッド50により出力される感熱媒体20の領域においては低減することができる。他の実施形態においては、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60による熱出力は、熱が第2および/または第1の各サーマル・プリント・ヘッド60および50に出力される感熱媒体20の領域において増大することができる。
【0068】
印刷のための第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60による熱出力の量の制御は、その時間的長さを含む、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60へ供給される電圧および/または電流を制御することにより行うことができる。代替的にまたは追加的に、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60の熱出力の制御は、印刷媒体の特定の部分を画像形成するために使用する印刷要素54および/または64の数を制御することによっても行うことができる。例えば、第1および第2の各サーマル・プリント・ヘッド50および60に関連する2つ以上の印刷要素54および64が、画像形成したい感熱媒体20に近接して設置される場合には、第1および/または第2の媒体面の各領域を画像形成するために使用する印刷要素54および/または64の数を変えることができる。
【0069】
一実施形態においては、第1のプリント・ヘッド50と関連する印刷要素54の第1の数を、第2のサーマル・プリント・ヘッド60により媒体20の第2の面上に印刷が行われる領域に近接する感熱媒体20の第1の面のある領域を画像形成するために使用することができる。一方、感熱媒体20の第2の面の近接領域が第2のサーマル・プリント・ヘッド60により画像形成が行われない場合には、第1の数より多い印刷要素54の第2の数を媒体20の第1の面のある領域を画像形成するために使用することができる。例えば、特定の領域内の感熱媒体20の片面だけを画像形成したい他の実施形態においては、第1のサーマル・プリント・ヘッド50に関連する第1の数の印刷要素54を使用することができ、一方、特定の領域内の感熱媒体20の第1および第2の両方の面を画像形成したい場合には、第2の数の印刷要素を使用することができる。
【0070】
手段が何であれ、(i)プリント・ヘッド50および60および/または印刷要素54および64の間隔、(ii)プリント・ヘッド50および60および印刷要素54および64間の媒体フィード・パス25に沿った媒体20の量、(iii)印刷速度、(iv)媒体の構造および/またはタイプ、(v)これらの組合せ等に基づいて、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド50および60、および/または1つまたは複数の関連する印刷要素54および64による熱出力の制御を含む、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10による印刷のための熱出力の制御の基礎となるものを修正することができる。さらに、手段または基礎となるものが何であれ、両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10による印刷のための熱出力に対する制御を、両面印刷機能スイッチ70の動作、両面プリンタ10に関連する制御装置またはプロセッサ90、POSシステム、ATM、セルフ・サービス・キオスク、パーソナル・コンピュータ等のような関連するホスト・コンピュータからの外部制御信号により行うことができる。
【0071】
図3Aは、レシート110の第1の面(表面)に印刷された発行者の識別、時刻、日付、ライン・アイテム・エントリおよび取引合計のような取引の詳細120を含むレシート110の形をしている両面サーマル文書を示す。図3Bは、表面に印刷された取引の詳細な情報120と同時に、レシート110の第2の面(裏面)に印刷された顧客情報130を示す。例えば、顧客情報130は、他のまたはコピーの取引情報、クーポン(図に示す)、割引またはコンテスト情報、連載漫画、販売条件、文書画像、広告、セキュリティ機能、チケット情報、法的情報(放棄、保証等)または他の情報を含むことができる。さらに、顧客情報130は、受取人/購入者の識別、取引データ、取引の詳細120、店舗在庫または特価品、メーカの在庫または特価品等、またはとりわけ可能なオプションのデータベースからランダムに選択したものに基づいて目標を決めることができる。
【0072】
図3Cは、レシート150の表面160に印刷されている関連する取引の詳細の一部を含む両面レシート150を示す。図3Dは、図3Cのレシート150の裏面170を示す。この場合、関連する取引データの残りの部分は、レシート150の裏面170に印刷されている。「表面」、「裏面」、「面1」、「面2」等のような表示は、レシート150の両面の性質、または見ているレシート150の各面160および170を表示するために、レシート150(図に示す)の両面160および170に表示することができる。いずれかの面160および170からレシート150を容易に識別することができ、および/または両面160および170のコピー画像を容易に識別することができるようにするために、レシート150の両面160および170に、レシートまたは取引番号、端末番号、店舗識別子、日付、時刻等のような識別表示を印刷することもできる。
【0073】
図4は、販売時点情報管理(POS)端末アプリケーション用の例示としての両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタ200の斜視図を示す。
【0074】
図5は、閉(動作)位置に位置する、図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタ200の部分センターライン立面概略図を示す。図に示すように、プリンタ200は、プリント・ヘッド210、プラテン220およびガイド・ローラ230を含み、これらの部材は、すべて支持アームまたは基部構造240と結合している。プリント・ヘッド210、プラテン220およびガイド・ローラ230は、供給ロール260からの両面感熱刷媒体のフィード・パス250の一方の側に位置している。プリンタ200は、また、プリント・ヘッド270、プラテン280、およびガイド・ローラ290を含む。これらの部材は、すべて、例えば、用紙の交換および修理をすることができるように、ヒンジ・ライン310を中心にして枢動する枢動自在な支持アームまたはカバー300と結合している。アーム300が閉位置(図に示す)に位置している場合には、媒体紙を、プリント・ヘッド210と対向プラテン280との間、プリント・ヘッド270と対向プラテン220との間、およびガイド・ローラ230と290との間に係合させることができる。印刷媒体との接触圧および印刷媒体の張力は、例えば、バネ320、330および、340により種々のプリンタ要素をバネ負荷により維持することができる。
【0075】
図5にさらに示すように、プリンタ200は、さらに、制御速度でカバー300を開けることができ、それにより例えば重力の加速によりカバー300上に加わる力によりカバー300が何もしないのに閉まるのを防止することができるように、枢動自在な支持アームまたはカバー300のためのバネ350を含むことができる。用紙を使い尽くした状態を検出し、印刷を不能にするために使用することができる信号を生成し、供給ロール260等を交換するようにPOSオペレータ(図示せず)に通知する等するために、さらにセンサ360を設置することができる。また、検出マークまたは他の予め印刷したデータを含む領域の識別を含む印刷のための媒体の領域を識別するためにセンサ360を設置することもできる。
【0076】
プリンタ200は、また、取引レシートの印刷のような印刷タスクを終了した場合に、印刷媒体を切断するために、電子的に作動する機械的切断またはナイフ・ブレード機構370を含むこともできる。また、媒体印刷ロールの交換、再装填等を行った場合のような取引の終了の際に印刷媒体を手動で切断することができるように、鋸の歯が付いている縁部380を使用することができる。
【0077】
図5に示すように、プリンタ200は、また、プリンタ200の動作を制御するための制御エレクトロニクスを備えることもできる。制御エレクトロニクスは、マザーボード390、マイクロプロセッサまたはCPU90、および1つまたは複数のDRAMおよび/またはNVRAM印刷バッファ・メモリ素子を含むメモリ80を含むことができる。プリンタ200は、さらに、プリンタ200へデータを入力し、プリンタ200からデータを出力するためのPOS端末(図示せず)のような1つまたは複数のホストまたは補助システムと通信するための通信コントローラ396を備えることができる。通信コントローラ396は、とりわけ、USB、イーサネットおよび/または無線通信(例えば、802.11、802.15およびIR)をサポートすることができる。印刷のためのデータは、通常、通信コントローラ396を介してプリンタ200と通信するホストPOS端末(図示せず)により供給される。製品および割引クーポン情報のような印刷のための補足データも、例えば、通信コントローラ396によりプリンタ200に直接データを供給する、またはホストPOS端末を通して間接的にデータを供給するネットワーク・サーバ(図示せず)により供給することができる。印刷のための補足データは、販売する商品またはサービス、店内、チェーン内またはメーカの特価品、顧客の識別および/または1つまたは複数の他の取引態様により変更することができる。
【0078】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタ200のメモリ80は、印刷媒体の片面または両面に繰り返して印刷される予め定義された印刷データの1つまたは複数のブロックを格納するために、予め定義された印刷データ記憶エリアを有することができる。予め定義された印刷データのブロックは、例えば、店舗識別子、ロゴ、クーポン、広告等を含むことができる。予め定義された印刷データは、同じまたは対向媒体面に、POS端末(図示せず)に関連するアプリケーション・ソフトウェアが提出したデータと一緒に印刷することができる。予め定義された印刷データ記憶エリア内に複数のデータ・ブロックを格納している場合には、それらが印刷される媒体の面上の位置などとして、ハードウェアまたはソフトウェア・スイッチ70を使用して、ブロックを印刷のために交互に選択することができる。
【0079】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタ200は、すでに説明したように、例えば、片面ダイレクト・サーマル・プリンタと一緒に使用するために開発した、従来のまたは他のアプリケーション・プログラム・ソフトウェアにより作動することができる。このような場合、片面アプリケーション・プログラム・ソフトウェアからの入力を使用して両面感熱媒体印刷を行うことができるように、両面の論理的または機械的印刷機能スイッチ70を使用することができる。
【0080】
スイッチ70は、手動設定、または通信コントローラ396を介してプリンタ200に送信したコマンド・メッセージまたはエスケープ・シーケンス、またはすでに説明したように、ドライバまたはユーティリティ・インタフェースによる構成設定に応じて1つまたは複数の両面印刷機能を作動可能にすることもできるし、作動不能にすることもできる。ある例の場合には、片面アプリケーション・ソフトウェアは、従来、1つの媒体面上への提出されたデータの印刷を制御してきたが、スイッチ70は、例えば、対向媒体面上の追加情報の印刷を可能にする。この機能を使用すれば、カスタム印刷モード・アプリケーションまたは他の新しいアプリケーション・プログラムまたはインタフェース・ソフトウェアに投資する前に、または投資しなくても、従来のソフトウェアにより、両面ダイレクト・サーマル・プリンタの利点を利用することができる。
【0081】
それ故、片面印刷アプリケーション・プログラムは、媒体シートの片面上の直接熱印刷を制御することができる。この場合、両面印刷機能スイッチ70は、他方の媒体面に熱印刷を行うことができるように構成される。機能スイッチ70の制御下で印刷されたデータは、すでに説明したように、反復印刷のためにプリンタ200のメモリ80内に格納しているデータのブロックであってもよい。印刷するデータのブロックは、例えば、取引の詳細データのような片面印刷アプリケーション・プログラムから受信したデータの関数として、コマンドまたはエスケープ・メッセージにより選択することもできるし、またはすでに説明したように、ランダムに選択することもできる。
【0082】
片面印刷アプリケーション・プログラムにより媒体シートの片面に印刷することができるようにすることにより、また、1つまたは複数の両面直接熱印刷機能を作動可能にし、および作動不能にする機能スイッチ70の動作により、シートの対向面に印刷することができるようにすることにより、アプリケーション・プログラム・ソフトウェアの要件を簡単なものにすることができる。それ故、すべての両面直接熱印刷機能を直接作動しない片面印刷のための従来のまたは他のアプリケーション・プログラム・ソフトウェアを媒体シートの片面に印刷するために使用することができる。次に、格納しているデータ、またはプリンタ200が受信した、またはプリンタ200が使用することができる他のデータをシート媒体の対向面に印刷することができる。
【0083】
他の例の場合には、両面ダイレクト・サーマル・プリンタ200は、媒体シートの両面に従来のまたは他のアプリケーション・プログラム・ソフトウェアが供給したデータを印刷するために動作することができる。このような場合、両面の論理的または機械的印刷機能スイッチ70を、2つの媒体面間で片面アプリケーション・プログラム・ソフトウェアから受信したデータを分割し、配分するために両面サーマル・プリンタ200の動作のもう1つのモードを動作可能にするために使用することができる。このような分割は、例えば、媒体の各面にデータの半分を印刷するというように均等に行ってもよいし、またはそうでない場合には、任意の予め印刷した素材、または片面アプリケーション・プログラム・ソフトウェアが供給したデータと一緒に印刷する補足情報等を考慮に入れて、媒体を最大限使用するために配分することもできる。
【0084】
もう1つのオプションとして、両面サーマル・プリンタ200は、感熱媒体の表面または裏面、または各面に別々に印刷することができるように設計することもできる。
【0085】
図6は、カバー300が閉位置に位置している、図4および図5の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタ200の例示としての部分駆動または歯車面の立面概略図を示す。図に示すように、プラテン220および280は、それぞれ、第1の歯車400および第2の歯車410により回転することができるように、その端部のところで結合している。第1の歯車400は、動作することができるように第2の歯車410および第3の歯車415と接触している。第3の歯車415は、第1および第2の歯車400および410およびその各プラテン220および280を駆動するためにモータ416と結合している。図に示すように、モータ416により時計方向に回転すると、第3の歯車415は、第1および第2の歯車400および410、およびその各プラテン220および280を駆動するので、印刷媒体は、順方向の供給方向に、印刷ロール260から遠ざかる方向に各プリント・ヘッド上を移動する。同様に、モータ416により反時計方向に回転すると、第3の歯車415は、第1および第2の歯車400および410、およびその各プラテン220および280を駆動するので、印刷媒体は、逆の供給方向または後退する方向に向けて、印刷ロール260の方向に各プリント・ヘッド上を移動する。しかし、他のモータおよび歯車配置および駆動手段(例えば、ベルト駆動、直接駆動、摩擦駆動など)および回転も使用することができる。
【0086】
図6のプリンタ200は、また、動作を制御する際、またはプリンタ200の状態を知らせる際に使用するための信号を供給する、1つまたは複数の制限スイッチ420のような1つまたは複数の追加センサを含む。例えば、POSオペレータにプリンタ200のカバー300が適切に閉じていないことを知らせるために、第1の制限スイッチ420からの信号を使用することができる。同様に、カバー300が適切に閉じられるまで印刷を自動的に動作不能にするために、第1の制限スイッチ420からの信号を使用することができる。同様に、確実にカバー300を適切に閉めるために、第2の制限スイッチ420からの信号を、第1の制限スイッチ420からの信号と一緒に使用することができる。このことは、印刷の前に対向プリント・ヘッド(210および270)およびプラテン(280および220)がその幅を横切って完全に均一に接触するように、カバー300が基部240に対して適切に整合しているか否かの判別を含む。
【0087】
さらに、もう1つのセンサ(図示せず)からの信号を、対向プリント・ヘッドとプラテンとの間の印刷圧力が適切なものであることを示すために使用することができる。同様に、もう1つのセンサ(図示せず)を、印刷媒体上に適切な張力がかかっているか否かを表示するために、または1つまたは複数のラッチ430のようなロッキング機構が適切に係合しているか否かを表示するために使用することができる。制限スイッチ420の場合には、任意のこのようなセンサからの信号を、POS端末(図示せず)にエラー・メッセージを送信することにより、および/または正常な状態になるまで、いくつかまたはすべてのプリンタの動作を不能にすることにより、オペレータ(図示せず)に状態が正常でないという通知をトリガするために使用することができる。
【0088】
1つまたは複数のラッチまたは留め金430のようなロッキング機構も、枢動自在な支持アーム300を適切な位置に固定し、印刷動作中の媒体の幅を横切っての適切な接触圧力および/または媒体フィード・パス250に沿った媒体の張力の維持を含む対向プリント・ヘッド(210および270)、プラテン(220および280)およびガイド・ローラ(230および290)の適切な位置関係を維持するためにプリンタ200に備えられている。図に示すように、ラッチ430は、停止434に対してバネ432により付勢されていて、ボタン435を押すことにより解放される。停止434から遠ざかる方向にラッチ430を移動させるばかりでなく、ボタン435を押すと、加わっている接触圧および摩擦力によりプリント・ヘッドをプラテンから分離させ、それによりカバー300を自由に開くのに十分な上方への力がカバー300上に加わる。
【0089】
ラッチ430は、バネ350と一緒に、また、枢動自在な支持アームまたはカバー300が開いたり、落下した場合に、枢動自在な支持アーム300が、支持アームまたは基部構造240またはプリント・ヘッド210、プラテン220および/またはガイド・ローラ230のようなプリンタ200の他の構成要素と衝突するのを防止する。
【0090】
図7は、例えば、両面印刷媒体のロール260の挿入および交換および他の修理ができるように、枢動自在な支持アームまたはカバー300が開いている、図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタ200の部分センターライン立面概略図を示す。リンク435は、カバー300の開位置を制限するために、カバー300および基部構造240と接続している(図に示す)か、そうでない場合には、動作可能に接触している。リンク435は、さらに、バネ350の力によりカバー300が開いた場合に、カバー300の運動を減衰するための減衰要素を備えることもできる。リンク435とバネ350との組合せは、カバー300を開閉した場合のプリンタの構成要素への損傷の可能性を軽減するために、両面ダイレクト・サーマル・プリンタ200のための枢動自在な支持アームまたはカバー300の運動を制御するための機構を備える。より一般的には、枢動自在な支持アームまたはカバー300の運動を制御するための機構は、バネのような1つまたは複数のねじれ要素および/またはその開放速度を遅くするなどして、枢動自在な支持アームまたはカバー300の運動を制御するための緩衝装置またはブッシュのような1つまたは複数の摩擦または減衰要素を含むことができる。
【0091】
図8は、カバー300が閉じている、図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタの変形例の部分センターライン立面概略図を示す。図に示すように、図のプリンタ440は、印刷媒体フィード・パス250の対向側面上に、2つのプリント・ヘッド450および460、および2つのプラテン470および480を含む。プリント・ヘッド450および460は、実質的に直線上に位置していて、実質的に対向している。その結果、もしプリント・ヘッド450および460が実質的に直線上に位置するならば、印刷媒体のフィード・パス250は、実質的に直線の経路になる。このような構成になっているので、ATM、キオスクまたは他のセルフサービス端末のようなプリンタ440に関連する機械の正面から印刷媒体を容易に取り出すことができる。直線フィード・パスは、また、第2のプリント・ヘッド460およびプラテン480へおよびこれらを通して、第1のプリント・ヘッド450およびプラテン470からの媒体の自動的な取り出しを含めて、媒体の交換の自動化を容易にする。このことは、プリント・ヘッド210および270が実質的に垂直方向を向くようにある角度を有していて、媒体フィード・パス250が、プリンタ200の頂部から排出するように印刷媒体に対して上方を向いている図5のプリンタ200とは対照的である。しかし、自動媒体供給および後退は、また、図5のプリント・ヘッドおよびプラテンの構成により行うことができるが、他の構成(例えば、図2A乃至図2F)も使用することができる。さらに、プリント・ヘッド(452および462)およびプラテンおよび/またはフィード・ローラ(472および482)および結果としての媒体フィード・パス(250)を、図13および図14に示すように、他の方向に向けることもできる。
【0092】
図9は、図8の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタ440の部分駆動または歯車面の立面概略図を示す。図9の場合には、第1および第2の歯車490および500は、それぞれ第1および第2のプラテン470および480と結合している。このような構成になっているので、それぞれ第1の歯車490および第2の歯車500に動作可能に結合している、1つまたは複数のモータ(図示せず)により、第1のプラテン470および第2のプラテン480を互いに独立して駆動することができる。このような場合、印刷媒体をロール260から遠ざかる方向に引っ張り、第2のプラテン500の方向に移動するために、第1のプラテン470を独立して駆動することができる。同様に、印刷媒体をロール260および/または第1のプラテン490から遠ざかる方向に引っ張り、プリンタ440から引き出すために、第2のプラテン480を独立して駆動することができる。同様に、印刷媒体を出口から遠ざかる方向に引っ張り、プリンタ440内に戻し、および/または第2のプリント・ヘッド460およびプラテン480から遠ざかる方向に引っ張るために、第1および/または第2のプラテンを互いに独立して駆動することができる。このような二重駆動媒体供給機構を使用して印刷媒体の自動後退を容易にすることができ、従って、プリント・ヘッド450および460の用紙の経路に沿った空間内のズレにより、そうでない場合には使用できない媒体の一部に印刷を行うことができる。同様に、印刷媒体の一方の面のすべてまたは一部に印刷を行うことができ、その後で、印刷媒体の他方の面のすべてまたは一部に印刷するために、媒体を後退させることができるようにすることにより、他方の面と比較した場合、このような二重駆動供給機構を使用して印刷媒体の一方の面の印刷を遅らせることができる。媒体ロール260のような媒体の順方向および/または逆方向の別個の駆動(図示せず)も行うことができる。
【0093】
図10は、図8の両面サーマル・プリンタ440のもう1つの変形例の部分センターライン立面概略図を示す。この例の場合、プリンタ440は、印刷媒体および/または比較的大きな媒体のロール260のサイズを迅速に容易に交換することができるようにするために、カバー300の外側のシートロール260のような印刷媒体を支持するように設計されている。図8のプリンタ440の場合には、図10の両面サーマル・プリンタのプリント・ヘッド450および460は、実質的に直線上に位置していて実質的に対向している。その結果、印刷媒体のフィード・パス250も実質的に直線上に位置していて、印刷媒体の自動交換および装填を容易に行うことができる。媒体を整合させ、それにより自動媒体装填および供給を容易にするために、1つまたは複数の媒体ガイド505も設置されている。
【0094】
図11は、図10の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタ440の部分駆動または歯車面の立面概略図を示す。この場合、媒体フィード・パス250に沿って順方向および/または逆方向に印刷媒体を別々におよび/または一緒に移動するために、第1および第2の駆動歯車470および480が、第1および第2の各プラテン490および500に取り付けられている。
【0095】
図12は、図4の両面ダイレクト・サーマル・レシート・プリンタのもう1つの変形例の部分センターライン立面概略図を示す。このプリンタの構成は、プリンタ510が、それぞれ、プラグイン・モジュール540および550の一部である第1および第2のプリント・ヘッド520および530を有するモジュール構造を使用している。同様に、プリンタ510は、それぞれ、プラグイン・モジュール580および590の一部である、第1および第2のプラテン560および570を有する。このようなモジュール構造の場合には、片面印刷モードで動作するための1つのプリント・ヘッドおよびプラテンを備えるプリンタの製造が容易になり、同時に現場での両面プリンタ機能への将来のアップグレードが容易になる。同様に、モジュール構造を使用すると、将来機能が増えた場合、または種々のプリント・ヘッド520および530およびプラテン560および570が磨耗した場合、交換および/またはアップグレードを容易に行うことができる。
【0096】
他の構成の場合には、モジュラ・プリンタ510は、単一の第1のモジュール内に結合している第1のプリント・ヘッド520および第1のプラテン560、および単一の第2のモジュール内に結合している第2のプリント・ヘッド530および第2のプラテン570を有することができる。同様に、別の変形版においては、第1のプリント・ヘッド520および第2のプラテン570を、第1のモジュール内に結合することができ、第2のプリント・ヘッド530および第1のプラテン560を第2のモジュール内に結合することができる。追加のモジュール・プリント・ヘッドおよび/またはプラテン構成および結合も使用することができる。
【0097】
構成が何であれ、カバー300および/または基部240に、種々のモジュールのうちの任意のものを取り付けるために使用する任意のアタッチメント600は、種々のモジュール上の機械的応力を軽減し、印刷動作中、各プリント・ヘッドおよびプラテンにより印刷媒体上に必要な接触圧を維持するのを助けるための静的または動的(例えば、バネ装着)カップリングを備えることができる。実際には、各カバー300および基部240は、各モジュールおよび関連するアタッチメント600を容易に収容できるように適当に修正される(図示せず)。アタッチメント600は、取付モジュール・タイプ(例えば、プラテン、プリント・ヘッド、およびプラテンおよびプリント・ヘッド)等により、電気接点、電気機械的接点および/または機械的接点を備えることができることに留意されたい。
【0098】
今までの説明は、感熱印刷媒体の両面に印刷するための両面サーマル・プリンタに関するものであることを理解することができるだろう。いくつかの別のおよび/または追加の実施形態について以下に説明する。
【0099】
固定上部支持アームまたはカバー
上記両面ダイレクト・サーマル・プリンタの例は、ヒンジ・ピン310を中心にして下部支持アームまたは基部240に対して枢動自在な上部支持アームまたはカバー300を示しているが、上部支持アームまたはカバー300は、また、固定状態で取り付けることもできるし、下部支持アームまたは基部240に別の方法で結合し、枢動できないようにすることもできる。ある例の場合には、上部支持アームまたはカバー300は、ネジのような1つまたは複数の固定具により、下部支持アームまたは基部240に取り付けられる。
【0100】
両面サーマル・プリンタ・プリント・ヘッドの構成
ATMのおよび種々の他のセルフ・サービス端末のようなオートメーション化したまたは自動交換媒体供給(例えば、交換感熱紙ロールまたは扇状に折り畳んだスタックのオートメーション化した送り込み)を備える装置においては、図10のプリンタ440のような両面サーマル・プリンタ440は、通常、実質的に直線上または同一面内に位置するプリント・ヘッド450および460を有する。手動交換ロール紙の供給を使用している小売業での用途の場合には、図5のプリンタ200のような両面サーマル・プリンタは、例えば、レシートを頂部から取り出すことができるように、例えば、約90度の角度のような相互にある角度を有するプリント・ヘッド210および270を有することができる。このように角度を有しているので、1回のパスの直接熱印刷プロセス中に、印刷していないエリアまたは媒体の対向面上の白紙の空間の長さを最小限に低減するために、プリント・ヘッド210および270間の空間を小さくすることができる。他方のおよび/またはその各プラテンに対する一方のプリント・ヘッドの適当な角度、面および位置は、プリンタの最終使用および特定の印刷媒体および/または印刷環境(すなわち、キオスク・プリンタ、薬局プリンタ、POSプリンタ等)のニーズにより異なる。
【0101】
最適なプリント・ヘッド空間
第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド(例えば、図1の間隔55)の横方向の間隔は、第1のプリント・ヘッドにより両面画像形成要素の第1の面に加えられた熱が十分放散することができるように最適化される。そのため、第2のプリント・ヘッドにより画像形成要素の第2の面に加えられた熱は、第1の面に望ましくない印刷を行わない。最適の間隔は、各プリント・ヘッドが加える熱の量、画像形成材料、および/または画像形成要素で使用する色素、コーティングの厚さを含む画像形成要素で使用する任意のコーティングの特性、熱伝導性、基材の厚さ、熱の伝導性、印刷速度等を含む画像形成要素で使用する任意の基材の特性の関数である。
【0102】
両面サーマル・プリンタ・ガイド・ローラの構成
両面サーマル・プリンタ200または400は、印刷媒体の適当な張力を維持し、プリンタを通して媒体を案内するための一対のガイド・ローラ230および290を備えることができる。ローラは、それぞれ、プリント・ヘッドおよびプラテンを支持する枢動する対向アームと結合することができる。例えば、プリント・ヘッド、プラテンおよびガイド・ローラは、媒体フィード・パスの片側上の支持アームまたは基部構造と結合することができる。対向プリント・ヘッド、プラテン、およびガイド・ローラ要素は、例えば、媒体フィード・パスの対向側上で整合している基部構造に対して枢動する構造のような第2の支持アームと結合することができる。それ故、各プリント・ヘッドは、プラテンに対して対向することができ、ガイド・ローラは、媒体フィード・パスを横切って相互に対向することもできるし、近接して位置することもできる。プラテンに対してプリント・ヘッドを付勢する1つまたは複数のバネにより、印刷媒体に対して接触圧を維持することができる。同様に、印刷媒体に対して適当なローラ接触圧を維持するために、一方または両方のガイド・ローラをバネ負荷することができる。別の構成の場合には、プラテンがない状態でフィード・パスを横切って、2つのプリント・ヘッドを相互に直接対向させることができる。このような一構成の場合には、2つの各支持アームを、関連するガイド・ローラおよびプリント・ヘッドの一方に結合することができる。他の構成の場合には、ガイド・ローラは、一対の間隔を置いて同軸に整合しているガイド・ローラを備えることができる。同軸に整合しているガイド・ローラ間に間隔があるので、可変サイズの用紙のガイドを追加すれば、ロール状、扇状に折り畳んだ状態、シート状または他の形状の幅の異なる媒体を収容することができる。
【0103】
プラテンの構成
図5のプリンタ200のような両面ダイレクト・サーマル・プリンタにおいては、プラテン220および280は実質的に円い断面を有することができる。同様に、他の実施形態においては、プラテン220および280は、実質的に四角形または矩形の断面を有することができ、またはそうでない場合には、プリント・ヘッド210および270の一方または両方に実質的に平面を供給することができる。さらに、プロファイルが何であろうとも、各プラテン220および280は、実質的に同じサイズであってもよいし、および/または実質的に同じ断面プロファイルおよび/または面積を有することもできるし、または一方のプラテンは、長さを含めて1つまたは複数の点で他方のプラテンと異なるものであってもよい。
【0104】
その設計および/または使用方法により、1つまたは複数のプラテンまたはプラテン面は、1つまたは複数のコーティングまたは材料を含むことができる。例えば、図5のプラテン220および280のように、プリンタを通して媒体を供給するためにプラテンが使用される場合には、プラテンおよび/またはその面は、天然ゴムおよび/または合成ゴムのような摩擦を増大するための材料を含むことができる。他の方法も使用することができる。同様に、プラテンが平板状の面を有している場合には、プラテンは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/または無電解ニッケル含有PTFE(例えば、無電解ニッケル・マトリックス内に分散しているPTFE粒子)のような摩擦を低減する材料を含むこともできるし、またはこのような材料でコーティングすることもできる。しかし、他の方法も使用することができる。
【0105】
一実施形態においては、プラテンは、直径約3/8から1/2インチ(0.95〜1.27cm)の実質的に丸い断面を有することができ、実質的に同じ長さのものであってもよい。
【0106】
他の実施形態においては、2つのサーマル・プリント・ヘッドが、媒体フィード・パスを横切って相互に実質的に対向していて、相互にそれぞれプラテンとしての働きをする。このような場合、一方または両方のサーマル・プリント・ヘッドは、摩擦低減材料を備えることもできるし、またはこのような材料でコーティングすることもできる。
【0107】
駆動機構
両面ダイレクト・サーマル・プリンタにおいては、媒体の供給は、1つまたは複数のベルト、ホイール、ローラ等により行うことができる。図6のある例の場合には、媒体フィード・パス250の対向側上のプラテン220および280の形をしている駆動ローラは、歯車により回転するように結合している。別の方法としては、一方または両方のプラテンを、とりわけ、(1)1つまたは複数のベルトまたはバンド、(2)2つ以上の噛合い歯車、(3)1つまたは複数のダイレクト・ドライブ、および/または(4)1つまたは複数の直接接触摩擦要素により一緒に結合することもできるし、または独立して駆動することもできる。これらのうちの任意のものまたはすべてを、1つまたは複数の駆動モータまたはアクチュエータと動作可能に接触させることもできるし、またはそれらにより直接駆動することもできる。
【0108】
同様に、個々にまたは同時に動作することができるモータ駆動の上流および下流のプラテンのような上流および下流のプラテン駆動機構を使用することもできる。都合のよいことに、前方に画像形成要素を移動させたい場合には、電力が下流のプラテンを駆動するために供給され、後方に画像形成媒体を移動させたい場合には、電力が上流のプラテンを駆動するために供給される。二重駆動供給機構を使用することにより、両面プリンタのプリント・ヘッドの間隔55のズレ等のために、そうでない場合には使用されない要素の一部に印刷することができるように、画像形成要素を自動的に後退させることができる。自動後退機能は、例えば、プラテンが、図6および図9に示すように1つまたは複数のベルト、または2つ以上の歯車等による回転のために一緒に結合している場合、両方のプラテンを駆動する1つのモータにより実施することもできる。
【0109】
均一なプリント・ヘッド接触圧
両面画像形成要素の幅全体にわたって、プラテンに対する所望する均一なプリント・ヘッドの接触圧を、プリンタの動作中に加えることができる。それ故、そのための機構は、プリント・ヘッド、プラテンおよび/または共通の支持体上に、またはこれらに関連して、例えば、図5のバネ320、330および/または350のような1つまたは複数のバネ、図12のバネ負荷されたアタッチメント等を含むことができる。
【0110】
プリンタ動作許容要件
媒体の存在および/またはその上の印刷を検出するための1つまたは複数の用紙センサの形をしている1つまたは複数のセンサ100、360および420のような、および印刷のための印刷要素の適切な機械的配置および整合を検出するための接触スイッチのような制御エレクトロニクスを、両面サーマル・プリンタおよび/または両面サーマル・プリンタ機能の動作を許可し(例えば、許容要件として)、制御するために使用することができる。例えば、第1および第2のプリント・ヘッドが第1および第2のプラテンに対して適切に位置していて、第1および第2のプリント・ヘッドおよびその各プラテン間に適切な接触圧がかかっていて、および/または支持枢動自在なアーム構造またはカバー300が適切に固定されている等の場合だけ、プリンタが動作することができるようにするために1つまたは複数の接触センサを設置することができる。同様に、媒体上の熱印刷の位置決めを可能にし、それを制御するために、印刷媒体上の印刷の存在を検出するために、1つまたは複数の光センサを設置することができる。
【0111】
後退可能な印刷機構
使用していないプリント・ヘッドまたはプラテンの磨耗を最小限にする一方で、片面印刷モードでプリンタが機能することができるようにするために、両面プリンタの一方または両方のプリント・ヘッドおよび/またはプラテンを個々に後退させるための機構(図示せず)を設置することができる。後退機構は、手動で作動するものまたは例えば電子的作動または電気機械的作動のような自動的に作動するものであってもよい。
【0112】
プリンタの機能
両面印刷のための両面サーマル・プリンタおよび関連するファームウェアは、下記の機能を有利にサポートすることができる。
1.片面印刷モード:この印刷モードは、基本的な片面印刷をサポートし、媒体フィード・パスの一方の側上のサーマル・プリント・ヘッドの動作を可能にする。
2.片面コマンドによる両面モード(例えば、バッファ印刷モード):この印刷モードの場合には、媒体を画像形成する前に、プリンタにより印刷データの一部または全部を格納することができる。例えば、POS端末(図示せず)から受信した印刷データは、ナイフ(切断)コマンドのような取引終了メッセージを受信するまで印刷バッファ80内に格納される。ナイフ・コマンドを受信すると、ファームウェアは、バッファしている印刷データを分割し、媒体の第1の面(例えば、表面)に印刷するためのデータの第1の半分のような第1の部分と、媒体の第2の面(例えば、裏面)に印刷するための残りの半分のようなデータの第2の部分に指定する。指定されたデータを第1および第2の各面に印刷した後で、ロール媒体のナイフ・ブレード機構370により物理的なナイフ切断、シート媒体の終わりへのライン供給等を行うことができ、これで印刷ジョブが終了する。両面バッファ印刷モードは、プリンタ等にエスケープ・コードまたは例えば、1F11xxコマンドのようなコマンドを送信することにより、診断設定ルーチンを使用して、1つまたは複数のDIPまたは他のスイッチまたはジャンパを手動で設定することにより動作可能にすることができる。
3.両面コマンドによる両面モード(例えば、アプリケーション制御印刷モード):この印刷モードを使用すれば、POS端末上で稼働している取引ソフトウェアのようなアプリケーション・プログラムにより、両面印刷機能を制御することができる。このようなアプリケーションは、レシートのような媒体の第1の面(例えば、表面)および第2の面(例えば、裏面)上にアプリケーション・データを印刷する時、およびその順序のような印刷データの位置を制御することにより、印刷を制御することができる。両面コマンド・モードの場合には、印刷する前に1つまたは複数のバッファまたは他のメモリ位置にアプリケーション印刷データを格納することができる。同様に、アプリケーション印刷データを使用して、または使用しないで、媒体の片面または両面の1つまたは複数の位置に、1つまたは複数のバッファまたは他のメモリ位置から予め定義されたデータを選択することができる。両面コマンド・モードは、1つまたは複数の両面印刷コマンド、診断ルーチンを受信した場合に、またスイッチまたはジャンパ等を手動で設定することにより開始することができる。
4.予め定義されたデータによる両面印刷モード:このモードで動作している場合、1つまたは複数の予め定義された印刷データ記憶機構(例えば、バッファまたは他のメモリ位置)からの予め定義されたデータを両面感熱媒体の一方の面に印刷することができ、POS端末取引情報のようなアプリケーション・データを、予め定義されたデータ印刷面とは別の他方の面に印刷することができる。このモードを選択した場合には、プリンタは、媒体の両面上で印刷を開始することもできるし、または両面印刷を開始するためのコマンドを受信するまで、データ記憶装置80内にアプリケーション印刷データを格納することもできる。予め定義されたデータによる両面印刷モードは、1つまたは複数の関連するコマンドを受信した場合に、診断ルーチンを使用することにより、スイッチまたはジャンパを手動設定すること等により開始させることができる。
【0113】
プリンタの能力
好適には、両面サーマル・プリンタ200は、下記の能力を備えていることが好ましい。
印刷速度:55ワットの電力の供給を受けた場合に、4.0インチ/秒(IPS)(10.2cm/秒)。この場合、表面および裏面印刷を含む。
印刷速度:75ワットの電力の供給を受けた場合に、6.7IPS(17.0cm/秒)。この場合、表面および裏面印刷を含む。
印刷バッファ:44文字/行 ロゴ/テキスト記憶装置の場合、7.5行/インチ(LPI)で、最高450印刷行
【0114】
好適なデフォルト制限
印刷中、文字の属性が、レシートの表面および裏面に対して同じであることが好ましい。例えば、表面に高さが2倍の印刷を行う場合には、裏面の印刷も高さが2倍の印刷であることが好ましい。しかし、別の表面/裏面文字サイズおよび/またはフォントも使用することができる。
【0115】
両面バッファ印刷モードで印刷していて、印刷バッファ80の容量を超えた場合には、プリンタは、媒体の各面に印刷するためにバッファしているデータを分配し、次に、ナイフによる切断を行う前に、例えば、レシートの表面のような一方の面に残りのデータを印刷することができる。別の方法としては、プリンタは、2つの面の間でバッファしているデータを分配し、印刷することができ、次に、追加の印刷データを印刷バッファ80内に格納し、ナイフ切断コマンドのような取引終了メッセージを受信するまでこのプロセスを続行することができる。
【0116】
状態更新メッセージ
下記の表に、各識別子が指定している例示としての両面サーマル・プリンタ・センサまたは状態情報、および識別子の値に対する3番目のバイトの下位4ビットの意味を示す。
【表1】

【0117】
例示としてのプリンタ設定変更コマンド:
【表2】

【0118】
例示としての両面プリンタ・コマンド(例えば、リアルタイム・コマンド)
例示としての熱印刷モード選択コマンド
ASCII:US ‘ n
16進:1F60 n
10進:31 96 n
nの値:
0=片面モード
1=片面コマンドによる両面モード
2=両面コマンドによる両面モード
3=予め定義されたデータによる両面モード
【0119】
デフォルト:n=0(片面モード)。熱印刷モードを選択;片面または両面印刷モード。片面モードを選択した場合には、レシート用紙の片面(例えば、表面)上だけで、熱印刷を行うことができる。両面モードを選択した場合には、レシート用紙の表面および/または裏面で印刷を行うことができる。n=0を選択した場合には、印刷フォーマットは、既存のファームウェアと同じ。
【0120】
n=1(片面コマンドによる両面モード)を選択した場合には、印刷データは、バッファされ、2つの部分に分割される。印刷バッファの第1の部分は、レシート用紙のような媒体の第1の面(例えば、表面)に印刷され、印刷バッファの第2の部分は、レシート用紙のような媒体の第2の面(例えば、裏面)に印刷される。データの印刷は、例えば、プリンタにナイフ・コマンドまたは他の取引終了コマンドを送信することにより行うことができる(例外:感熱印刷面選択コマンドおよび両面印刷開始コマンドは無視される)。
【0121】
n=2(両面コマンドによる両面モード)を選択すると、印刷データは、選択的にバッファされ、POS端末により実行されたソフトウェアのようなアプリケーション・プログラムからのコマンドにより、レシート用紙のような媒体の表面および裏面に印刷される。POS端末取引情報のようなアプリケーション・プログラムから受信した印刷データの他に、このような印刷データは、プリンタの1つまたは複数のバッファ、または他のメモリ位置に格納している予め定義された印刷データを含むことができる。
【0122】
n=3(予め定義されたデータによる両面モード)を選択した場合には、POS端末取引データのようなアプリケーション・プログラム・データはバッファされ、および/または感熱媒体の第1の面に印刷することができ、1つまたは複数の広告、販売促進、クーポン、割引または他の情報のような予め定義されたデータは、感熱媒体の第2の面に印刷することができる。所与の媒体面に印刷されたデータは、例えば、取引データを表面上に印刷し、予め定義されたデータを裏面上に印刷したり、その逆を行うというように交換することができる。同様に、所与の予め定義されたデータ・ブロックをレシートのような所与の文書に1回だけ印刷することもできる。文書の長さは、より広いスペースを必要とする印刷データ(例えば、取引対予め定義されたデータ)により決まる。
【0123】
このコマンドの設定は、NVRAM/フラッシュ・メモリ内に格納されない。
【0124】
設定を格納するには、プリンタ設定変更コマンド(例えば、1FH11H)が使用される。
【0125】
1Fh 62hを送信すると、データが印刷される。
【0126】
例示としての感熱印刷面選択コマンド:
ASCII:US a n
16進:1F 61 n
10進:31 97 n
nの値:
0=表面
1=裏面
デフォルト:0(表面)
【0127】
感熱印刷面:表面または裏面の選択。このコマンドは、熱印刷モード、両面コマンドによる両面モードを選択した場合(n=2)に実行する。そうでない場合には、このコマンドは無視される。このコマンドは以降のラインに対して有効である。
【0128】
データがバッファ・サイズを超えた場合には、プリンタは、自動的にプリントアウトし、印刷バッファはクリアされる。プリンタ・モードは変化しないでもとのままである。
【0129】
例示としての制限:
文字属性は、両面に対して同じものである。例えば、表面印刷文字が2倍幅である場合には、裏面の印刷文字も2倍幅である。印刷エリアの一方の面が印刷バッファ(TBD:XXインチ)より大きい場合には、プリンタは、印刷を自動的に開始し、次に、片面印刷に戻る。
【0130】
例示としての両面印刷開始コマンド:
ASCII:US b
16進:1F 62
10進:31 98
【0131】
両面印刷の開始。このコマンドは、熱印刷モード、両面コマンドによる両面モードを選択した場合(n=2)に実行する。そうでない場合には、このコマンドは無視される。用紙の長さは、印刷データの最も長い面により決まる。
【0132】
例示としての両面モードに対する倒立印刷の選択または取消しコマンド:
ASCII:US c n2
16進:1F 63 n
10進:31 99 n
nの値
ビット0=0:表面倒立印刷の取消し
ビット0=1:表面倒立印刷可能
ビット1=0:裏面倒立印刷の取消し
ビット1=1:裏面倒立印刷可能
印刷面(表面/裏面)は、印刷の物理面である。
デフォルト:0(両面に対する倒立印刷の取消し)
【0133】
このコマンドを使用すれば、最初の行が最後の行になり、最初の行の最初の文字が最後の行の最後の文字になる。このコマンドは、両面モードの時だけ有効である。両面印刷を開始する前は、最後に受信した倒立印刷の選択または取消しコマンドだけが有効である。このコマンドの設定は、NVRAM/フラッシュ・メモリ内に格納されない。設定を格納するには、プリンタ設定変更コマンド(例えば、1FH11H)が使用される。
【0134】
例示としての表面および裏面交換コマンド:
ASCII:US d n
16進:1F 64 n
10進:31 100 n
nの値
0:交換の取消し
1:表面および裏面の交換。もとの表面データが裏面上に印刷され、もとの裏面データが表面上に印刷される。
デフォルト:0(交換の取消し)
【0135】
このコマンドは、プリンタが両面モードである場合に、表面データと裏面データの印刷を交換する。表面と裏面とを交換する前に、表面データが表面サーマル・ヘッドにより印刷される。交換後は、表面データが裏面サーマル・ヘッドにより印刷される。
【0136】
両面印刷を開始する前は、最後に受信した表面および裏面交換コマンドだけが有効である。
【0137】
このコマンドの設定は、NVRAM/フラッシュ・メモリ内に格納されない。
【0138】
設定を格納するためには、プリンタ設定変更コマンド(例えば、1FH11H)が使用される。
【0139】
例示としての制限:片面コマンドによる両面モードの場合には、用紙を切断する直前にロゴが印刷される場合、交換後に、表面(交換前の裏面)上の印刷パターンにブランク(例えば、35mm長さ)部分ができる。
【0140】
プリンタ・バッファROM内に予め定義された1行のテキスト・メッセージをダウンロードする。
ASCII:US e n k dl d2...dkNUL
16進:1F 65 n k d1 d2...dk0
10進:31 101 n k d1 d2...dk0
nの値
n:行番号.n=0,1,2,3.
κ:文字属性
d1,d2,...,dk。1行のテキスト・メッセージのストリング。NULで終わるストリング。
【0141】
このコマンドは、1行のテキストをROM内にダウンロードする。このメッセージは、すべての両面モードの場合に使用される。ユーザは、表面の下部および/または裏面の上部のところに、1行/2行のテキスト・メッセージを自動的に追加することを選択することができる。表面はライン0およびライン1を使用し、裏面はライン2およびライン3を使用する。印刷面(表面/裏面)は、印刷の論理面である。
【0142】
ダウンロード・コマンド文字属性の例示としての設定:
【表3】

【0143】
例示としての予め定義された下部/上部メッセージ・イネーブル・コマンド:
ASCII:US f n
16進:1F 66n
10進:31 102n
nの値
ビット0=0:表面の予め定義された下部メッセージの動作不能
ビット0=1:表面の予め定義された下部メッセージの動作可能
ビット1=0:裏面の予め定義された上部メッセージの動作不能
ビット1=1:裏面の予め定義された上部メッセージの動作可能
デフォルト:0(予め定義された下部および上部メッセージの動作不能。
【0144】
この機能が動作可能になると、プリンタは、レシートの表面/裏面の下部/上部のところに、1行または2行のテキスト・メッセージを自動的に追加する。このコマンドは、両面モード(片面コマンドによるおよび両面コマンドによるおよび予め定義されたデータによるすべて)の場合にだけ有効である。このコマンドの設定は、NVRAM/フラッシュ・メモリ内に格納されない。
【0145】
設定を格納するには、プリンタ設定変更コマンド(例えば、1FH11H)が使用される。
【0146】
例示としてのn番目のマクロ選択コマンド:
ASCII:US g n
16進:1F 67 n
10進:31 103 n
nの値:1〜25
デフォルト:n=1
定義または実行のためのn番目のマクロを選択する。
【0147】
マクロの定義中にこのコマンドを受信した場合には、現在の定義がクリアされる。マクロを定義し、マクロを実行するために同じコマンドが使用される。
【0148】
開始または終了マクロの定義(GS:)
マクロ(GS^)の実行 マクロ・サイズは、それぞれ2048バイトである。
【0149】
例示としての制限:1行を超える文字は無視される。コマンド・シーケンスが、US e n k NULである場合には、プリンタは、フラッシュROM内のn番目の行のメッセージをクリアする。1行だけを定義する場合には、プリンタは、定義された行だけを印刷する。いくつかの属性はサポートされない。スクリプト・モード、2ドット・アンダーライン・モード、ダブル・ストライク・モード、90°左/右回転、黒/赤、印刷開始位置、文字サイズ≧3。1行内で属性を変更することはできない。
【0150】
例示としての予め定義された裏面印刷の開始または終了コマンド:
ASCII:US h
16進:1F 68
10進:31 104
【0151】
予め定義された裏面印刷の開始または終了、およびプリンタのバッファROM内への格納。正常動作中にこのコマンドを受信すると、予め定義された裏面印刷定義が開始し、予め定義された裏面印刷定義中にこのコマンドを受信すると、予め定義された裏面印刷定義が終了する。プリンタが、「予め定義された裏面印刷の開始または終了」の前の受信の直後に、第2の「予め定義された裏面印刷の開始または終了」を受信した場合には、プリンタは、予め定義された裏面印刷をクリアする。マクロの定義(GS:)中でこのコマンドを受信した場合には、現在のマクロ定義がクリアされる。予め定義された裏面印刷の定義中に、コマンドGS:(マクロ定義の開始または終了)を受信すると、現在の定義がクリアされる。
【0152】
例示としての最短レシート長さの定義コマンド:
ASCII:USi n1 n2
16進:1F 69 n1n2
10進:31 105 n1 n2
nlの範囲:0〜255
n2の範囲:0〜255
デフォルト:
n1=0
n2=0
【0153】
このコマンドは、片面印刷から両面印刷への変換を始動するために、最短媒体(例えば、レシート)の長さを定義する。この設定は、「片面コマンドによる両面モード」に対してだけ行うことができる。
【0154】
例示としての媒体チェック・モード印刷コマンド:
値n:
0=媒体チェック不能モード
1=媒体チェック可能モード
【0155】
プリンタ診断中に、印刷媒体チェック・モードを動作可能または動作不能にすることができる。設定(値)は、EEPROM内に保存される。媒体チェック動作可能モードを選択した場合には、識別した媒体(例えば、片面、両面、非感熱等)と、熱印刷モード選択コマンド設定(例えば、片面モード、片面コマンドによる両面モード、両面コマンドによる両面モード、および予め定義されたデータによる両面モード)との組合せにより、熱印刷モード選択コマンド(例えば、1F 60 n)を無視することができる。
【0156】
一実施形態においては、媒体チェック・モード・コマンドは、媒体チェック可能に設定され、例示としての熱印刷モード選択コマンドは、片面コマンドによる両面モードに設定される。チェックを行った場合で、媒体が両面感熱であると判別された場合には、片面コマンドによる選択した両面モードで動作が続行する。しかし、媒体が片面感熱であると判別された場合には、片面モードにより動作が進行し、それにより熱印刷モード選択コマンド(例えば、IF 60 n)設定が無視(例えば、無効化)される。
【0157】
以下の表に一実施形態のさらなる詳細を示す。
【表4】

(1)例えば、1F6Cおよび1F6Dコマンドのビット4および5
(2)例えば、「警告:2ST用紙が装填されていない」
【0158】
上記実施形態のところで説明したように、両面感熱媒体ではなく片面感熱媒体が検出された場合には、片面媒体の感熱面上に、ユーザに両面感熱紙が装填されていないことを知らせるエラー・メッセージが印刷される。1つまたは複数の可視アラーム、可聴アラームおよび/または触覚アラームを含むユーザへの他の通知方法も使用することができる。
【0159】
例示としての熱印刷モード・バッチ戻りコマンド:
ASCII:US I n
16進:1F 6C n
10進:31 108 n
nの値:
1=熱印刷モード状態
n=1の場合には、熱印刷モード・バッチ戻りコマンドは、受信バッファ内の現在のすべてのデータを処理した後で状態を送信する。
【0160】
例示としての熱印刷モード・リアルタイム戻りコマンド:
2.14.15.1 ION USB またはRS232
ASCII:US m n
16進:1F 6D n
10進:31 109 n
2.14.15.2 標準USB
ASCII:このコマンドは制御を移動することにより使用されるので、コマンド列は定義されない。
16進:06 00 n(bRequest=0x06,wValue=0x00 n)
10進:06 00 n
nの値:
1=熱印刷モード状態
【0161】
n=1である場合には、熱印刷モード・リアルタイム戻りコマンドは、現在のプリンタ・モード状態を送信する。
【0162】
熱印刷モード・バッチ戻りコマンドおよび熱印刷モード・リアルタイム戻りコマンド両方の場合、戻った熱印刷モード状態は、下記のビット指定を有する。
【表5】

【0163】
すでに説明したように、選択した印刷モードおよび検出した媒体タイプにより、熱印刷モード・バッチ戻りコマンドおよび熱印刷モード・リアルタイム戻りコマンドのビット4および5は下記の指定を有する。
【表6】

【0164】
フォーミュラ:
最短文書/レシート長さを、1/203インチ(0.01cm)のデフォルト水平運動単位で、2インチ(5.08cm)に設定するために、4バイト列を送信。
US i 150 1
2インチ(5.08cm)=406/203および406=(1×256)+150の場合
【0165】
例示としての制限:
文字属性は両面に対して同じである。例えば、表面印刷文字が2倍幅であれば、裏面印刷文字も2倍幅である。印刷エリアのどちらかの面が印刷バッファより大きい場合には、プリンタは、自動的に印刷を開始し、次に、プリンタは片面印刷に戻る。
【0166】
例示としての構成メニュー両面印刷設定:
希望の両面印刷設定のために用紙供給ボタンを押す。
デフォルトにはアスタリスク()が付いている。
**熱印刷モード設定か?
はい>ロング・クリック
いいえ>ショート・クリック
片面>1クリック
片面コマンドによる両面>2クリック
両面コマンドによる両面>3クリック
予め定義されたデータによる両面>4クリック
コードを入力し、確認のために少なくとも1秒間ボタンを押し続ける。
**倒立モード設定か?
はい>ロング・クリック
いいえ>ショート・クリック
F:正常、B:正常>1クリック
F:倒立、B:正常>2クリック
F:正常、B:倒立>3クリック
F:倒立、B:倒立>4クリック
コードを入力し、確認のために少なくとも1秒間ボタンを押し続ける。
**表面および裏面の交換設定か?
はい>ロング・クリック
いいえ>ショート・クリック
動作不能>1クリック
動作可能>2クリック
コードを入力し、確認のために少なくとも1秒間ボタンを押し続ける。
**下部および上部メッセージ設定か?
はい>ロング・クリック
いいえ>ショート・クリック
上部:動作不能、下部:動作不能>1クリック
上部:動作可能、下部:動作不能>2クリック
上部:動作不能、下部:動作可能>3クリック
上部:動作可能、下部:動作可能>4クリック
コードを入力し、確認のために少なくとも1秒間ボタンを押し続ける。
**最短レシート長さの設定か?
はい>ロング・クリック
いいえ>ショート・クリック
動作不能>1クリック
5インチ(12.7cm)>2クリック
10インチ(25.4cm)>3クリック
15インチ(38.1cm)>4クリック
コードを入力し、確認のために少なくとも1秒間ボタンを押し続ける。
**エラーの場合の再印刷設定か?
はい>ロング・クリック
いいえ>ショート・クリック
エラー行から印刷再開>1クリック
エラー・ページから再印刷>2クリック
コードを入力し、確認のために少なくとも1秒間ボタンを押し続ける。
【0167】
上記説明は例示としてのものであって、これに制限されない。より詳細に説明すると、第1および第2のプリント・ヘッド、プラテン、歯車等、並びに媒体の表面および裏面または媒体の上部または下部のデザイン、レイアウトおよび/または指定は実施形態により変更することができる。
【0168】
さらに、上記説明を読めば、当業者であれば多くの他の実施形態を思い付くことができるだろう。従って、実施形態の範囲は、この特許請求の範囲の等価物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0169】
米国特許法施行規則第1.72条第(b)項の規定により要約を添付してあるので、読む人は、技術的内容の性質および要旨を容易に理解することができるだろう。この要約は、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または制限するためのものではないことを理解されたい。
【0170】
実施形態の上記説明においては、説明を分かりやすくするために、1つの実施形態内に種々の特徴を一緒にグループ分けしてある。同様に、反復を避けるために、1つの実施形態だけについて種々の特徴を説明してある。本明細書で説明する方法は、特許請求の範囲に記載する実施形態が、各請求項に明示してあるよりも多くのまたは少ない特徴を有することを意味するものと解釈すべきではない。それどころか、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本発明の主題は、1つの開示の実施形態のすべての特徴だけに含まれているのではなく、それより少ないまたは多い特徴にも含まれている。それ故、添付の特許請求の範囲は、それにより実施形態の説明内に組み込まれ、各請求項は、別々の例示としての実施形態としてそれ自身上に立脚している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタであって、
媒体フィード・パスの第1の面上の第1のサーマル・プリント・ヘッドと、
前記媒体フィード・パスの第2の面上の第2のサーマル・プリント・ヘッドと、
前記第1および前記第2のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷を制御することができる印刷機能スイッチと、
を備え、
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する面が、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドに対してプラテンとしての働きをする両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項2】
前記第2のサーマル・プリント・ヘッドに関連する面が、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに対してプラテンとしての働きをする、請求項1に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項3】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する前記面が、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面を含む、請求項1に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項4】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する前記面が、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面を含み、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドに関連する前記面が、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面を含む、請求項2に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項5】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する1つまたは複数の印刷要素が、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドと関連する1つまたは複数の印刷要素から前記媒体フィード・パスと実質的に直線上に位置し、前記媒体フィード・パスを横切る、請求項4に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項6】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のために発生した熱が、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のために熱が発生した場合に低減する、請求項1に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項7】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のために発生した熱が、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のための熱が発生する場所に近接する前記第1のサーマル・プリント・ヘッドの領域内で低減する、請求項5に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項8】
前記第2のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のために発生した熱が、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のための熱が発生する場所に近接する前記第2のサーマル・プリント・ヘッドの領域内で低減する、請求項7に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項9】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する前記面が、摩擦低減材料を含む、請求項1に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項10】
前記摩擦低減材料が、ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項9に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項11】
前記摩擦低減材料が、無電解ニッケル・マトリックス内に分散しているポリテトラフルオロエチレン粒子を含む、請求項10に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項12】
第1のアームと、
第2のアームと、
をさらに備え、
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドが前記第1のアームと結合され、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが前記第2のアームと結合される、請求項1に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項13】
枢軸をさらに備え、
前記第1のアームが、前記第2のアームに対して前記枢軸を中心にして枢動自在である、請求項12に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項14】
両面ダイレクト・サーマル・プリンタであって、
媒体フィード・パスの第1の面上の第1のサーマル・プリント・ヘッドと、
前記媒体フィード・パスの第2の面上の第2のサーマル・プリント・ヘッドと、
1つまたは複数の媒体センサと、
を備え、
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面が、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドに対してプラテンとしての働きをし、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面が、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに対してプラテンとしての働きをする両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項15】
前記1つまたは複数の媒体センサが、媒体タイプ・センサ、媒体サイズ・センサ、媒体量センサ、および媒体設置センサのうちの少なくとも1つを備える、請求項14に記載の両面ダイレクト・サーマル・プリンタ。
【請求項16】
媒体フィード・パスの第1の面上の第1のサーマル・プリント・ヘッドと、前記媒体フィード・パスの第2の面上の第2のサーマル・プリント・ヘッドと、前記第1および前記第2のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷を制御することができる印刷機能スイッチとを備える両面ダイレクト・サーマル・プリンタを作動する方法であって、
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する面を、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップを含む方法。
【請求項17】
前記第2のサーマル・プリント・ヘッドに関連する面を、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する面を、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップが、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面を、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドに関連する面を、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップが、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面を、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップを含み、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドに関連する印刷面を、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップが、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドの印刷面を、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドのためのプラテンとして使用するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のために熱が発生した場合に、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドが印刷のために発生した熱を低減するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のための熱が発生する場所に近接する前記第1のサーマル・プリント・ヘッドの領域内で、前記第1のサーマル・プリント・ヘッドが印刷のために発生した熱を低減するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のための熱が発生する場所に近接する前記第2のサーマル・プリント・ヘッドの領域内で、前記第2のサーマル・プリント・ヘッドが印刷のために発生した熱を低減するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のサーマル・プリント・ヘッドによる印刷のために発生した熱を低減する際に、印刷のために作動した第1のサーマル・プリント・ヘッドと関連する印刷要素の数を低減するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−513090(P2010−513090A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542759(P2009−542759)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/021300
【国際公開番号】WO2008/079176
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】