説明

両面粘着テープ用ポリエステルフィルム

【課題】 二軸配向ポリエステルフィルムの巻取り性や作業性を高度に向上させるだけでなく、10μm以下という極めて薄いクリアランスが要求される用途において使用される接着部材として好適な両面粘着テープ用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 面配向度が0.170〜0.190であり、120℃で3分間の収縮率がフィルム長手方向および幅方向ともに2.0%以下であり、厚さが1〜4μmであることを特徴とする両面粘着テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面粘着テープ、さらに詳しくは、携帯電話、PDAなどの携帯端末機器や薄膜表示体等の部材固定用、光ディスクの基板貼り合わせ用、偏光板の固定用などとして好適な、両面粘着テープの基材として使用される両面粘着テープ用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PDAなどの携帯端末機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの電子・光学部品などにおいては、高機能化と並行して、薄型化や軽量化、さらには表示体のペーパー化などが図られている。例えば携帯電話は、表示の拡大化と携帯性とを向上させるために、構成される主要部品それぞれが薄膜化傾向にある。
【0003】
これらの部品の部材固定用として、一部の用途では粘着材層を転写するテープを使用して薄型化に対応しているが、この場合、芯材がないため、耐久性に劣るという問題が生じる。そこで、超薄膜の両面テープが多く開発されるようになり、特許文献1および2などには、基材として2〜6μmのポリエステルフィルムの両面に粘着剤層を有する粘着テープが開示されている。
【0004】
しかしながら、上記文献には、粘着テープの厚さ構成と破断強度、粘着剤層の構成について開示されているが、基材ポリエステルフィルムについては具体的に記載されていない。
【0005】
特に近年、より部品間のクリアランスが狭くなり、10μm以下という極めて狭いクリアランスに要求される10μm未満の粘着テープについては、十分な粘着力を発揮するためには4μm以下の極めて薄いポリエステルフィルムを基材として使用しなければならない。
【0006】
また、クリアランスが狭くなるにつれ、粘着テープの厚さ振れが小さいものが要求されるようになってきているが、基材の厚さ振れが、粘着テープの厚さ振れに特に影響する。そのため、従来の極薄基材フィルムよりも厚さ振れの良い基材フィルムが要求されるようになった。
【0007】
すなわち、携帯電話、PDAなどの携帯端末機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの電子・光学部品において、部材固定用として粘着テープのさらなる薄膜化の要求が求められているが、薄膜化により、粘着テープが基材フィルムの厚さ振れに影響で接着部材に許容されるクリアランスを超えてしまう問題が残ったままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−105212号公報
【特許文献2】特開2007−169327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の従来の問題点を解決しようとするものであり、巻取り性や作業性を向上させるだけでなく、10μm以下という極めて薄いクリアランスを要求される接着部材として好適な両面粘着テープ用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の解決課題について、鋭意検討した結果、以下に記載のフィルムを開発するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の要旨は、面配向度が0.170〜0.190であり、120℃で3分間の収縮率がフィルム長手方向および幅方向ともに2.0%以下であり、厚さが1〜4μmであることを特徴とする両面粘着テープ用二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の両面粘着テープ用二軸配向ポリエステルフィルムは、携帯電話、PDAなどの携帯端末機器、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの電子・光学部品の部材固定用の極めて薄いクリアランスにも用いられる粘着テープの基材フィルムとして好適であり、本発明の工業的価値は高い。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のポリエステルフィルムは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法により押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸したフィルムである。
【0014】
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。その製法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して 重縮合させる方法が採用される。
【0015】
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
【0016】
本発明におけるポリエステルフィルムには、フィルム製膜時の巻き上げ工程や、粘着テープ作製時や使用時の作業性を向上させるため、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り性が付与される。
【0017】
具体的には、フィルムの表面を適当に粗面化するために、通常、平均粒径0.4〜2.0μm、好ましくは0.8〜1.5μmの粒子を通常0.1〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%、さらに好ましくは0.2〜2.0重量%含有させる。
【0018】
かかる粒子の例としては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂や架橋高分子微粉体等の有機粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、2成分以上を同時に用いてもよい。2成分以上用いる場合は、それらの全体の平均粒径および含有量が上記した範囲内にあることが好ましい。
【0019】
平均粒径が0.4μm未満であったり、粒子の含有量が0.1重量%未満であったりする場合は、フィルム表面の粗面化が不足し、十分な巻取り作業性が得られないことがある。また、平均粒径が2.0μmを超える場合、粒子による突起が大きすぎて、突起周辺の厚さが大きくなり、接着部材に許容されるクリアランスを超えてしまう不具合が生じることがある。含有量が5.0重量%を超える場合、フィルム表面が粗面化しすぎて、粘着剤を均一に塗布することが困難となる場合がある。
【0020】
本発明においては上記したような方法により表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、作業性や加工性を考慮すると、フィルム表面の平均粗さ(Ra)は通常0.03〜0.2μm、好ましくは0.04〜0.16μmの範囲となるように便宜、条件を選択する。 本発明におけるポリエステルフィルムに上記した粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
【0021】
本発明で使用するポリエステルの極限粘度は、フィルムにした時に0.40〜0.75dl/g、さらには0.50〜0.70dl/gとなるようにすることが好ましい。フィルムの極限粘度が0.40dl/g未満では、フィルムの機械的強度が弱くなる傾向があり、極限粘度が0.75を超える場合は、溶融粘度が高くなり、押出機に負荷がかかったり、製造コストがかかったりする上、厚さ振れが悪化する傾向がある。
【0022】
本発明におけるポリエステルは上記したポリエステル原料をエクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いでスリット状のダイより溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを二軸方向に延伸してフィルム化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0023】
本発明においては十分な寸法安定性を得るため、フィルムの面配向度が0.170〜0.190、好ましくは0.170〜0.185になるように延伸倍率を面積倍率として16〜25倍、好ましくは18〜24倍とすることが好ましい。またフィルムの面配向度が0.170未満では、薄いクリアランスを要求される両面粘着シートの基材として十分に使用可能な厚さ振れの少ないフィルムを得ることができず、またフィルムの面配向が0.190を超えると横延伸時に破断し、製膜が困難になる。
【0024】
本発明のポリエステルフィルムの厚さは1〜4μm、好ましくは1.5〜3μmである。厚さが4μmを超えると、十分な粘着力を備えた粘着層を付与した時に薄膜両面テープを提供する本発明の目的が達せられない。厚さが1μmより薄くなるとフィルムの腰が損なわれ取り扱いが困難になり作業性が悪化する。
【0025】
本発明のポリエステルフィルムの収縮率は、120℃において2.0%以下、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。2.0%を超えると粘着基材として使用した時、フィルムの収縮によって部材のずれが生じたり、粘着剤の高温保持力が損なわれたりする。
【0026】
本発明のポリエステルフィルムの長手方向と幅方向の破断強度は、通常200MPa以上、好ましくは250MPa以上である。優れた強度を有する粘着テープを得ることができる。
【実施例】
【0027】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における評価方法やサンプルの処理方法は下記のとおりである。また、実施例および比較例中の「部」は「重量部」を示す。
(1)極限粘度の測定方法
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてスト−クスの抵抗値にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
(3)平均粗さRaの測定方法
小坂研究所製表面粗さ測定機SE3500を使用し、JIS−B−0601−1994の方法に準じてRaを測定した。なおカットオフ値は80μmとして測定した。
(4)基材ポリエステルフィルムの厚さの測定方法
試料の重量、長さ、幅、密度より次式にて測定した。
【0028】
厚さ=(試料の重量)÷((試料の長さ)×(試料の幅)×(試料の密度))
(5)面配向度の測定方法
アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値nγ、それに直角の方向の屈折率nβ、およびフィルムの厚さ方向の屈折率nαを測定し、次式より面配向度を算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。
【0029】
面配向度(ΔP)=(nγ+nβ)÷2−nα
(6)収縮率の測定方法
試料を無張力状態で所定の温度(120℃)に保ったオーブン中、3分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて算出した。なお、フィルムの縦方向(MD)と幅方向(TD)のそれぞれについて測定した。
【0030】
収縮率={(熱処理前のサンプル長)−(熱処理後のサンプル長)}/(熱処理前のサンプル長)×100
(7)破断強度の測定方法
インテスコ社製引張り試験機モデル2001型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節された室内において長さ(チャック間)50mm、幅15mmの試料サンプルを200mm/分の歪み速度で引張り、フィルム破断時の荷重を測定し、下記式により破断強度を求めた。なお、フィルムの縦方向(MD)と幅方向(TD)のそれぞれについて測定した。
【0031】
破断強度(MPa)=切断時の荷重(N)/試料フィルムの断面積(mm2
(8)フィルムの厚さ振れの測定方法
安立電気社製連続厚み測定機にて、長手方向に3m測定し、最大、最小および平均厚さを測定し、次式により厚さ斑を測定し、10回の測定の平均値を厚さ振れとした。
【0032】
厚さ斑=100×(フィルム最大厚さ−フィルム最小厚さ)/フィルム平均厚さ
(9)粘着力の測定方法
実施例、比較例にて得られた粘着テープを25mm幅のサンプルにてJIS Z 1528に準じて測定した。すなわち、試験片の一方の粘着面の25mmの長さの部分をステンレス鋼製金属板に貼合した後に、他の一方の面の剥離フィルムを剥ぎ取り、試験片とほぼ同じ大きさのJIS C 2318に規定する厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせて圧着し、JIS Z 0237の10(粘着力)により、試験板(ステンレス鋼製金属板)に対する180°引き剥がし粘着力を求めた。
(10)粘着剤層の厚さ
両面テープ(剥離フィルムA/粘着剤層A/基材ポリエステルフィルム/粘着剤層B/剥離フィルムB)を電子顕微鏡でテープの断面写真を撮影し、粘着剤層の厚さを計測した。測定は10回実施し、10回の平均値を粘着剤層の厚さとした。
(11)剥離フィルムの剥離力
50mm幅のサンプルにて、測定する側と逆側の剥離フィルムを剥ぎ取り、露出した粘着剤面をガラス板に貼付し、測定する側の剥離フィルムを引張試験機をもちいて、300mm/分の速度で180°方向に引き剥がす際の抵抗を測定し、剥離力とした。
(12)適合性;
両面粘着テープを部品間のクリアランスが10μm以下となる部分に適用して、該クリアランスに部品がずれなく適合させることができるか否かで判断し、適合できるものを「○」、適合できないものを「×」とした。
【0033】
以下の実施例および比較例にて使うポリエステル原料は次の方法にて製造した。
<ポリエステルの製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部を出発原料とし、触媒として、酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器に取り、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェ−ト0.04部を添加した後、平均粒子1.1μmの球状有機架橋粒子0.5重量部および三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(A1)のチップを得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.65であった。
実施例1:
<フィルムの製造>
ポリエステル(A1)チップを、ベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、90℃で縦方向に3.0倍延伸した後、さらに83℃で1.4倍延伸し、テンターに導き、110℃で横方向に4.5倍延伸し、さらに225℃で熱処理を行い、厚さ2.0μmの基材ポリエステルフィルムを得た。
【0034】
このポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
<粘着剤組成物(塗工液)の製造>
重量平均分子量80万のアクリル酸エステル系重合体(アクリル酸ブチル95重量%、アクリル酸2重量%およびメタクリル酸メチル3重量%)、濃度30重量%の酢酸エチル溶液100重量部に対し、粘着性付与剤[荒川化学工業社製、商品名「パインクリスタルKE−359」、ロジンエステル系、軟化点94〜104℃、酸価10〜20mgKOH/g]30重量部、およびイソシアネート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS8515」、固形分濃度37.5%]1重量部を加えてトルエンで希釈し、固形分濃度20重量%の粘着剤組成物(塗工液)を製造した。
<両面粘着テープの製造>
軽剥離型ポリエチレンテレフタレート(PET)剥離フィルム[三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイルMRF38」、フィルム厚さ38μm]の剥離処理面に前記塗工液を、乾燥後の膜厚が3.5μmになるようにナイフコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥後、前記の厚さ2.0μmのポリエステルフィルムを貼合して、片面粘着フィルムを得た。
【0035】
次いで重剥離型PET剥離フィルム[三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイルMRX38」、フィルム厚さ38μm]の剥離処理面に前記塗工液を、乾燥後の膜厚が3.5μmになるようにナイフコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥後、前記の片面粘着フィルムのPET面と貼合して両面粘着テープを製造した。
【0036】
得られた両面粘着テープの軽剥離型PET剥離フィルムの剥離力は15mN/10mmであり、重剥離型PETフィルムの剥離力は30mN/10mmであった。この両面テープの特性を下記表1に示す。
実施例2:
実施例1のフィルムの製造において、90℃で縦方向に3.0倍延伸した後、さらに83℃で1.5倍延伸し、テンターに導き、110℃で横方向に4.7倍延伸した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を表1に示す。
実施例3:
実施例1のフィルムの製造において、フィルムの厚さを1.5μmにした以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を表1に示す。
実施例4:
実施例1のフィルムの製造において、フィルムの厚さを4.0μmにした以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し粘着剤層の厚さを2.5μmとした以外は実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。
このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を表1に示す。
実施例5:
実施例1のフィルムの製造において、熱固定温度を210℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を表1に示す。
比較例1:
実施例1のフィルムの製造において、90℃で縦方向に3.0倍延伸した後、さらに83℃で1.2倍延伸し、テンターに導き、110℃で横方向に4.2倍延伸した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を下記表2に示す。
比較例2:
実施例1のフィルムの製造において、90℃で縦方向に3.0倍延伸した後、さらに83℃で1.8倍延伸し、テンターに導き、110℃で横方向に4.8倍延伸した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得たが、横延伸時に破断が多発し、連続して製膜することが困難であった。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を表2に示す。
比較例3:
実施例1のフィルムの製造において、フィルムの厚さを6.0μmにした以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し粘着剤層の厚さを1.5μmとした以外は実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。
このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を表2に示す。
比較例4:
実施例1のフィルムの製造において、熱固定温度を190℃とした以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られた基材フィルムを使用し実施例1と同様の方法で両面粘着テープを製造した。このポリエステルフィルムおよび両面粘着テープの特性を表2に示す。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のフィルムは、例えば、極めて薄いクリアランスが要求される用途において好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面配向度が0.170〜0.190であり、120℃で3分間の収縮率がフィルム長手方向および幅方向ともに2.0%以下であり、厚さが1〜4μmであることを特徴とする両面粘着テープ用二軸配向ポリエステルフィルム。

【公開番号】特開2012−135951(P2012−135951A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289872(P2010−289872)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】