説明

両面露光装置

【課題】 面倒な調整や制御を行わずに同一の露光条件で基板の表裏を露光できる両面露光装置を提供する。
【解決手段】 光源ランプ10から出た光は楕円ミラー11によって集光され、反射ミラー12で折り返された後、フライアイレンズ13部分で焦点を結び、分光ミラー20により反射光と透過光に分光され、光源シャッター21により光量を制御され、コリメーションミラー3で反射され、平行光となり、フォトマスク51、フォトマスク52を透過して基板50の表側と裏側へ照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリント配線基板の両面を露光する両面露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線基板の表面と裏面を同時に露光する平行光両面同時露光装置においては、従来は表面と裏面それぞれを露光するために光源を表面用と裏面用の二灯設けていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の装置では、光源装置が2台あるため、それぞれの装置やランプの個体差により、表面と裏面の露光条件が変わる場合があり、表裏で同一の露光を行うための調整や制御が難しく、手間がかかる問題があった。
【0004】
また、1台の露光装置に対して、光源装置を2台分搭載することになるため、コストが高くまた装置が大型化する問題があった。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の両面露光装置は、1つの光源と、該光源の光の半分を反射し他の半分を透過する分光体と、該分光体が反射した光を露光対象であるプリント配線基板の一面側に照射する第1のコリメーションミラーと、該分光体を透過した光を露光対象であるプリント配線基板の一面側に照射する第2のコリメーションミラーと、前記分光体と第1のコリメーションミラーとの間に設けられ分光体からの光量を調節する第1の光源シャッターと、前記分光体と第2のコリメーションミラーとの間に設けられ分光体からの光量を調節する第2の光源シャッターと、を有することを特徴とする。
以上の構成において、 単一の光源を用い、この光源から入射した光の半分を反射し.もう半分を透過する分光体により、2つの光束に分光することにより両面同時露光を実現できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の両面露光装置によれば、光源が単一であるため、保守管理しやすい。また交換作業時間が短縮され、ランプ個体差等による表面と裏面の露光条件の変化などが無い。また装置が小型化、設置スペースが小さくて良く、メンテナンススペースなどを広くとれる効果がある。更に装置の構造の簡単化、装置コストやランニングコストの低下などを実現出来る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、露光対象である基板50はフォトマスク52の上に載置され、基板50の上方に位置するフォトマスク51とフォトマスク52に描かれたパターンが基板50の表裏に露光される構成になっている。
【0008】
この両面露光装置の光源装置は単一の光源部1と分光ユニット2及び基板50の表側と裏側それぞれ設けられたコリメーションミラー3、3を有する。
光源部1は光源ランプ10と楕円ミラー11と反射ミラー12及びフライアイレンズ13を有し、光源ランプ10から出た光は楕円ミラー11によって集光され、反射ミラー12で折り返された後、フライアイレンズ(fly eye lens)13部分で焦点を結ぶように構成されている。
【0009】
分光ユニット2は、分光ミラー20と光源シャッター21、21を有しており、フライアイレンズ13から出た光が分光ミラー20により反射光と透過光に分光され、それぞれ基板50の表面及び裏面の露光用の光となるようになっている。
分光ミラー20の両側にはそれぞれ光源シャッター21、21が設けられており、この光源シャッター21により光量を制御するように構成されている。
分光ミラー20には種々のものがあり、例えばガラスにSiO2(二酸化ケイ素)やTa2O2(五酸化タンタル)などの多層膜を形成したもの、或いは市松状にアルミ蒸着したもの等が一般的であるが、これらの構成を採用可能である。
【0010】
コリメーションミラー3(collimation mirror) は基板50の表側と裏側の両方にそれぞれ配設されている。分光ミラー20を反射した光は基板50の表側(上側)のコリメーションミラー3で反射され、平行光となり、フォトマスク51を透過して基板50の表側上へ照射される。
一方分光ミラー20を透過した光は基板50の裏側(下側)のコリメーションミラー3で反射され、同様に平行光となり、フォトマスク52を透過して基板50の裏側上へ照射される。
なおコリメーションミラー3、3には積算光量計(図示せず)が設けられており、この積算光量計の光量測定に基づいて光源シャッター21、21の制御を行い、光量の調整を行うように構成されている。
【0011】
以上の構成により、単一の光源部1の露光光は分光ミラー20において分光され、コリメーションミラー3、3により基板50の表裏に露光されるから、単一の光源部1による両面露光が可能になる。
そのため、光源部1や光源ランプ10の個体差がなく、面倒な調整や制御を行わずに基板50の表面と裏面の露光条件を同一にすることができる。また、コストの低減、装置の小型化を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略図。
【符号の説明】
【0013】
1:光源部、2:分光ユニット、3:コリメーションミラー、10:光源ランプ、11:楕円ミラー、12:反射ミラー、13:フライアイレンズ、20:分光ミラー20、21:光源シャッター、50:基板、51:フォトマスク、52:フォトマスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの光源と、
該光源の光の半分を反射し、他の半分を透過する分光体と、
該分光体が反射した光を、露光対象であるプリント配線基板の一面側に照射する第1のコリメーションミラーと、
該分光体を透過した光を、露光対象であるプリント配線基板の一面側に照射する第2のコリメーションミラーと、
前記分光体と第1のコリメーションミラーとの間に設けられ、分光体からの光量を調節する第1の光源シャッターと、
前記分光体と第2のコリメーションミラーとの間に設けられ、分光体からの光量を調節する第2の光源シャッターと、
を有することを特徴とする両面露光装置。

【図1】
image rotate