両面2重直接熱画像要素
両面2重直接熱画像要素が提供される。一実施形態では、両面2重直接熱画像要素は、第1の面および第2の面を有する第1の基材と、第1の面および第2の面を有する第2の基材とを備え、第1の基材および第2の基材の両方が、その少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、第1の基材の第2の面が第2の基材の第2の面に剥離可能に付着される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面2重直接熱画像要素に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年3月7日付けの「Two−Sided Thermal Printing」という名称の米国仮特許出願第60/779,781号公報、2006年3月7日付けの「Dual−Sided Thermal Printer」という名称の米国仮特許出願第60/779,782号公報、2006年8月11日付けの「Dual−Sided Thermal Pharmacy Script Printing」という名称の米国特許出願第11/503,326号公報、2006年10月16日付けの「UV and Thermal Guard」という名称の米国特許出願第11/581,318号公報、2006年10月13日付けの「Dual−Sided Thermal Security Features」という名称の米国特許出願第11/549,463号公報、2006年12月4日付けの「Multi−Color Dual−Sided Thermal Printing」という名称の米国特許出願第11/633,300号公報、2006年11月9日付けの「Multisided Thermal Media Combinations」という名称の米国特許出願第11/595,364号公報、2006年11月14日付けの「Two−Sided Thermal Wrap Around Label」という名称の米国特許出願第11/559,515号公報、2006年12月22日付けの「Two−Sided Thermal Print Sensing」という名称の米国特許出願第11/644,262号公報、2007年2月16日付けの「Two−Sided Thermal Print Switch」という名称の米国特許出願第11/675,649号公報、および、2007年2月23日付けの「Two−Sided Thermal Print Configurations」という名称の米国特許出願第11/678,216号公報の優先権を主張する。上記米国特許出願の内容は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0003】
米国特許第6,784,906号公報および第6,759,366号公報に、取引文書およびレシートのような文書の両面直接熱印刷が開示されている。両面直接熱印刷の場合、プリンタは、プリンタを通してフィード・パスに沿って移動する感熱媒体の両面上に同時に印刷することができるように構成されている。このようなプリンタの場合、ダイレクト・サーマル・プリント・ヘッドは、フィード・パスに沿って媒体の各面上に配置されている。動作中、各サーマル・プリント・ヘッドは、各プリント・ヘッドから媒体を横切って対向プラテンの方向を向いている。
【0004】
直接熱印刷の場合には、プリント・ヘッドは、感熱コーティングを含む基材を備える紙または他のシート媒体に選択的に熱を加える。コーティングされた基材上に「印刷」が行われる熱が加わると、コーティングが変色する。両面直接熱印刷の場合には、媒体基材の両面をコーティングすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/779,781号公報
【特許文献2】米国仮特許出願第60/779,782号公報
【特許文献3】米国特許出願第11/503,326号公報
【特許文献4】米国特許出願第11/581,318号公報
【特許文献5】米国特許出願第11/549,463号公報
【特許文献6】米国特許出願第11/633,300号公報
【特許文献7】米国特許出願第11/595,364号公報
【特許文献8】米国特許出願第11/559,515号公報
【特許文献9】米国特許出願第11/644,262号公報
【特許文献10】米国特許出願第11/675,649号公報
【特許文献11】米国特許出願第11/678,216号公報
【特許文献12】米国特許第5,883,043号公報
【特許文献13】米国特許第6,759,366号公報
【特許文献14】米国特許第6,784,906号公報
【特許文献15】米国特許第6,906,735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つまたは複数の基材と、1つまたは複数の基材それぞれの少なくとも片面上の感熱コーティングとを備える両面直接熱印刷のための画像形成要素について記載する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、第1の面および第2の面を有する第1の基材と、第1の面および第2の面を有する第2の基材とを備え、第1の基材および第2の基材がどちらもその少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、第1の基材の第2の面が第2の基材の第2の面に剥離可能に付着される両面2重直接熱画像要素が提供される。
【0008】
両面2重直接熱画像要素は、さらに、第1および第2の基材の第1の面上に販売者対顧客の取引情報を含めるために、熱によって画像形成することができ、第1の基材は、第2の基材から引き離された場合、販売者対顧客の取引に対する顧客レシートとしての役割を果たし、第2の基材は、第1の基材から引き離された場合、販売者対顧客の取引に対する販売者レシートとしての役割を果たす。
【0009】
本発明の代替の特徴、利点、および変形については、以下の説明ならびに添付の図面および特許請求の範囲によって例を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】取引レシートまたはチケットなどの媒体の両面シングルパス印刷に使用可能な両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタの一実施形態を示す概略図である。
【図2A】表面に取引の詳細が印刷されたレシートの一実施形態を示す図である。
【図2B】取引時に決定された可変格納情報などの補足情報が裏面に印刷された図2Aのレシートの一実施形態を示す図である。
【図3A】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3B】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3C】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3D】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3E】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3F】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3G】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3H】両面2重直接サーマル・プリンタの実施形態を示す図である。
【図4】両面サーマル・ガードの例を示す図である。
【図5A】両面感熱用紙/カードの組合せで使用するためのフレキソ印刷機からのシリコーン処理されたパッチの例を示す図である。
【図5B】両面感熱用紙/カードの組合せの例を示す図である。
【図5C】両面感熱用紙/カードの組合せを形成するためにパッチと基材シートとを接合するための装置の例を示す図である。
【図6】セキュリティ・コントロールで使用するための両面熱英数字シーケンスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例えば、本発明の種々の実施形態について、含まれる図面を参照しながら以下の資料で説明する。変形が適合可能である。
【0012】
直接熱印刷および関連する媒体の製造に適用可能な背景資料および一般的な特徴については、米国特許第6,803,344号公報(特許文献3)に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0013】
図1は、発行時に取引レシートまたはチケットの両面シングルパス印刷に使用可能な両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10を示す概略図である。プリンタ10は、米国特許第6,784,906号公報(特許文献1)および第6,759,366号公報(特許文献2)に記載されているような、例えば、感熱性染料で各面がコーティングされたセルロース・ベースまたはポリマーの基材シートを含む両面感熱紙である印刷媒体20上で動作する。多色印刷が望ましい面で異なる温度に対する感度を有する2つ以上の染料を使用することにより、レシートの両面に多色印刷機能が提供される。基材および直接熱印刷媒体に対する感熱変色コーティングは、通常、当業者であれば周知のものである。両面直接熱印刷は、媒体20の対向面に異なる温度に感応する染料を含む媒体20によって、または、媒体20の片面の熱印刷が媒体20の対向面の着色に影響しないように耐熱性のある基材を使用することによって容易に行うことができる。
【0014】
図1に示されるように、プリンタ10は、レシートまたはチケット媒体20と媒体フィード・パス25の対向面に、回転プラテン30および40と、対向するサーマル・プリント・ヘッド50および60とを有する。媒体20の両面直接熱印刷は、取引時に、あるいはレシートまたはチケットの発行時に、シングルパスで実行される。媒体20は、通常、印刷完了時に、個々のレシートまたはチケット文書を提供するために切断または切り離すことができる。
【0015】
図2Aは、レシート80の表面に印刷された発行者識別、時間、日付、ライン・アイテム・エントリ、および取引合計金額などの取引の詳細70を示す。図2Bは、例えば、レシート80の裏面に印刷された、取引時に確認された受領者識別または取引の詳細に基づく顧客情報90を示す。例えば、顧客情報90は、別のまたは複製の取引情報、図に示されたようなクーポン、割引またはコンテスト情報、連載漫画、販売条件、文書画像、広告、セキュリティ機能、チケット情報、あるいは、例えば、受領者識別または取引のデータまたは詳細に基づく顧客情報などの他の情報を含むことができる。
【0016】
例示としての媒体20は、一般的な両面直接熱印刷用途のための不透明な基材および各面の感熱コーティングを備える。基材またはベース・シートは、例えば、不透明な紙などのセルロース(天然)繊維、およびポリエステル(合成)繊維などの合成または天然の繊維から導出された材料を含む従来の直接熱印刷用途で使用される材料を含むことができる。基材は、例えば、カプトン、ポリエチレン、またはポリエステル・ポリマーなどの材料を使用して押出成形されたプラスチック・フィルムなどのプラスチックを含むこともできる。熱画像形成を向上させるために媒体20の各面上に75Bekk以上の平滑度を生成するために、カレンダー処理が施される。仕上げの平滑度および直接熱印刷の品質を上げるために、例えば、主に炭酸カルシウムまたは粘土のサブコートまたはベースコート、および例えば、ラテックス・ベースのバインダなどのバインダ材料を紙の基材上に提供することができる。サブコートがない場合、感熱コーティングを施す前のベース・ペーパのカレンダー処理によって達成される典型的な平滑度は、75〜150Bekkの範囲内となる。サブコートおよびカレンダー処理を使用した場合の典型的な仕上げの平滑度は、250Bekk以上である。例えば、バーコード印刷用などのより高品質の熱画像形成特徴を与えるためには、最低でも300Bekkの仕上げ平滑度を使用すべきである。これが使用された場合の一般的なサブコート重量は、片面または両面につき、約1〜10ポンド(約453.6〜4536g)/3300SFR(平方フィート連(ream))、好ましくは、片面または両面につき2〜5ポンド(約907.2〜2268g)/3300SFRである。
【0017】
媒体20の各面に平滑さを提供するためのカレンダー処理は、1つまたは複数のパス動作において、例えば、オンラインまたはオフラインのソフトまたはソフト・ニップのカレンダー処理またはスーパーカレンダー処理を含むことができる。通常、紙製造ラインからオフラインで実行されるスーパーカレンダー処理は、チルド鋳鉄ロールおよび繊維カバー・ロールの交互のスタックを使用して実行することができる。繊維カバー・ロールは、例えば、未コーティングの紙を処理するために高圧縮ペーパでカバーするか、または、コーティングされた紙を処理するために高圧縮綿でカバーすることができる。ソフト・カレンダーでは、例えば、インライン・プロセスで、合成物カバー・クラウン・ロールを加熱された金属ロールと突き合わせて、所望のシート表面の仕上げおよび光沢を生成することができる。1つのパスで媒体20の両面をカレンダー処理するために、2つ以上のロール・スタックを使用することができる。
【0018】
両面直接熱印刷用の媒体20の両面のカレンダー処理には、所与の用途に必要な印刷品質を達成するために所望の平滑度を提供するという利点がある。媒体20が平滑であるほど、プリント・ヘッドの磨耗、ならびに付随する媒体20の摩滅が少なくなる。また、媒体20のカレンダー処理されたサブコート表面は、基材と感熱コーティング成分との相互作用を最小限にする。
【0019】
感熱コーティングは、例えば、両面直接熱印刷の用途では、特に、媒体20に不透明な紙の基材を使用する場合、好ましくは染料顕色タイプである。こうしたコーティングは、通常、顕色剤、オプションの感光剤、および発色剤または例えば、ロイコ染料などの染料を含み、熱の伝達によって変色する。例えば、染料顕色タイプまたは染料昇華タイプの様々な感熱コーティングを、例えば、プラスチック基材材料と共に使用することができる。例えば、サブコートが使用されている場合、この上に重ねられた染料顕色タイプの感熱コーティングの重量は、一般に、約1〜8ポンド(約453.6〜3629g)/3300SFR、または、好ましくは約1〜3ポンド(約453.6〜1361g)/3300SFRとなる。サブコートがない場合、通常、感熱層の重量はさらに重くなる。
【0020】
サブコートは片面または両面で使用可能であり、カレンダー処理または仕上げの平滑さの度合いは、関連する特定の用途のコストおよび要件の考慮事項に従って、媒体20の各面で同じかまたは異なるものとすることができる。例えば、バーコードの印刷が必要な場合など、片面により高い印刷品質が必要な場合がある。こうした用途では、通常、媒体20のバーコード印刷側にサブコートおよびカレンダー処理を使用して、300Bekk以上の仕上げ平滑度とする必要がある。媒体20の反対側には、同じ仕上げまたはより安価な仕上げを使用する場合もある。同様に、感熱コーティングの特徴、化学組成、感熱性、およびコストも、両面のそれぞれで同じかまたは異なるものとすることができ、例えば、用途に応じて感光剤を媒体20の片面または両面で使用することができる。媒体20の両面で異なる薬品を使用して、異なる環境適合性または特性、あるいは他の所望の製品特徴を提供することができる。
【0021】
使用されるサブコートは、ここでもコストおよび用途の考慮事項に応じて、各面で同じとするか、または媒体20の各面で異なる組成または重量を有することができる。例えば、一方の面に任意のインク・ジェット印刷ならびに直接熱印刷が行われる場合、炭酸カルシウム・サブコートが好ましい可能性がある。
【0022】
媒体20の各面上の感熱コーティングは、媒体20の各面に単色印刷を提供することが可能であり、ここで印刷の色は媒体20の各面で同じかまたは異なる。別の方法として、例えば、米国特許第6,906,735号公報(特許文献4)で教示されたような、複数の感熱コーティングまたはコーティング内の複数の感熱層を使用して、あるいは、使用可能な印刷カラーの選択が媒体20の各面で同じかまたは異なる、コーティング層内で複数の染料を使用して、多色直接熱印刷を片面または両面で実施することも可能である。
【0023】
いくつかの用途では、スポット、ストリップまたはパターン・コーティングの形で、媒体20の片面または両面に感熱コーティングを提供すること、あるいは、スポット、ストリップまたはパターンの特殊またはより高価な仕上げを片面または両面に提供することが望ましい場合がある。例えば、媒体20上の特定の場所にバーコードを印刷する場合、仕上げおよび感熱コーティングに不可欠な平滑度は、その場所に限定することができる。バーコード印刷プロセス中にバーコード印刷場所を識別できるようにするために、媒体20の片面または両面に反復検知マークを添付することができる。いくつかの用途では、この検知マークは、例えば、異なる所期の印刷サイズを可能にするために、媒体20の対向面上で異なる反復長さを有することができる。
【0024】
画像保護および環境耐久性のために、媒体20の片面または両面の感熱コーティング上にトップコートを施すことができる。トップコートは、使用される場合、例えば、バーコード用の追加保護のためのスポット、ストリップまたはパターン・コーティングを含むことができる。特定のトップコート・スポット、ストリップまたはパターンの場所の識別を助けるために、媒体20に反復検知マークを添付することができる。
【0025】
ウエブの切り離しまたは折り畳みを一般的または帳票アプリケーションの形で支援するために、例えば、両面に印刷された折り畳み式複数ページ文書を提供するために、媒体20の切り離しまたは折り畳みが望ましい領域に、ミシン目の繰り返しラインを追加することができる。
【0026】
媒体20には、媒体20の少なくとも片面に、用途要件に応じて、例えば、セキュリティ機能、標準条件の事前印刷、または広告のための、インク、熱印刷、または他の非熱印刷によって事前に印刷された1つまたは複数の領域を提供することができる。事前印刷は、最終画像の色に影響を与える色付きの背景領域を提供することもできる。例えば、赤色の画像感熱紙に黄色のインクを重ねて使用すると、オレンジ色の最終画像カラーを提供することができる。
【0027】
いくつかの用途では、媒体20は、例えば、顧客および販売者のレシートを同時に印刷し、販売時に2つの別々のレシート部分に切り離せるように、2枚重ねにした形とするか、または2枚重ねした基材を含むことができる。
【0028】
図3Aに示されるように、2重ウェブまたは2重基材の形であり、さらに両面2重直接熱画像要素300として識別される媒体20は、第1の面312および第2の面314を有する第1の基材310と、第1の面322および第2の面324を有する第2の基材320とを備えることができる。さらに図3Aに示されるように、第1の基材および第2の基材は、どちらも、その少なくとも第1の面上に1つまたは複数の感熱コーティング316、326を含むことができる。各感熱コーティング316、326は、フル、スポット、またはパターン・コーティングを含むことができ、単色または多色の熱印刷を提供することができる。さらに、第1および/または第2の基材310、320のそれぞれが、それらそれぞれの第1の面および/または第2の面312、314、322、324に関連付けられた1つまたは複数のベースコートおよび/またはトップコート(図示せず)をさらに含むことができる。1つまたは複数のベースコートおよび/またはトップコートが含まれる場合、これらは、1つまたは複数の含まれる感熱コーティング316、326の下および/または上に提供することができる。
【0029】
図3Aに示されるように、両面2重直接熱画像要素300の第1の基材310は、第2の基材320に対して近接して位置することができ、従って、第1の基材310の第2の面314および/またはこれに関連付けられた任意のコーティングが、第2の基材の第2の面324および/またはこれに関連付けられた任意のコーティングと剥離可能に接触する。こうした関係は、とりわけ、図1Aのプリンタ10などの両面ダイレクト・サーマル・イメージング・プリンタ内に給紙するための共通スプールまたはロール・コア上での、第1および第2の基材310、320の相互回転によって達成することができる。
【0030】
図3Bに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、とりわけ、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第1の基材310の第2の面314を、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第2の基材320の第2の面324に剥離可能に付着させるための1つまたは複数の接着層330をさらに備えることができる。適切な接着剤は、第1および第2の基材310、320が分離した場合に残留タックまたは粘着性の程度が低い低タック性接着剤、および/または第1および第2の基材310、320が分離した場合に、タック性または粘着性が残留しない非残留タック性接着剤などを含む。
【0031】
さらに、図3Cに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、これに関連付けられた任意のコーティングを含む、第1および/または第2の基材310、320の第2の面314、324に近接する1つまたは複数の剥離層またはライナー340をさらに備えることができる。1つまたは複数の剥離層またはライナー340が提供される場合、これらは、第1の基材310を第2の基材320に剥離可能に付着させるのを補助することができる。同様に、剥離層またはライナー340を使用することで、第1および第2の基材310、320が分離した場合に、残留するタックまたは粘着性を維持するために、接着層330内の低タック性および/または無タック性接着剤に加えて、高タック性接着剤を使用する機能が与えられる。
【0032】
一実施形態では、第1の基材310から除去された場合、第2の基材320が接着ラベルとしての役割を果たすように、第1の基材310の第2の面314にシリコーン剥離層340が塗布され、第2の基材320の第2の面324に高タック性ホットメルト接着剤330が塗布される。図3Dに示される高または低残留タック性接着剤330が、第1および第2の基材310、320のそれぞれの第2の面314、324に塗布され、それらの間に、2つの接着ラベルを生成するための1つまたは複数の追加の剥離層または剥離ライナー340が提供されるかまたは提供されないような追加の変形例も可能である。
【0033】
図3Eに示されるような、他の実施形態では、1つまたは複数の剥離層340が、第1および第2の基材310、320のそれぞれの第2の面314、324に対して近接しており、それらの間に剥離可能な結合を提供する1つまたは複数の接着層330を伴うように、1つまたは複数の接着層330および/または1つまたは複数の剥離層340を交互に配置することができる。
【0034】
図3Fに示されるように、両面2重直接熱画像要素は、第1および第2の基材310、320の第1の面上に感熱コーティング316、326のうちの1つまたは両方を画像形成する前、する間、および/またはした後に、画像形成するための第1の基材310の第2の面314上の1つまたは複数の感熱コーティング318をさらに備えることができる。さらに図3Fに示されるように、1つまたは複数の接着剤330および/または剥離層340も提供することができ、この接着剤330および/または剥離層340が提供された場合、これらは、両面2重直接熱画像要素300の整合性を維持するのを補助すること、および/または第1および第2の基材310、320が分離した場合に、1つまたは複数のラベル要素の形成などの最終用途での変形例を提供することができる。
【0035】
図3Gに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、第1および第2の基材310、320の第1の面312、322上に感熱コーティング316、326のうちの1つまたは両方を画像形成する前、する間、および/またはした後に、画像形成するための第1および第2の基材310、320の第2の面314、324上の1つまたは複数の感熱コーティング318、328も備えることができる。さらに、図3Gに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、とりわけ、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第1の基材310の第2の面314を、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第2の基材320の第2の面324に剥離可能に付着させるための1つまたは複数の接着層330をさらに備えることができる。任意の両面2重直接熱画像要素300の場合と同様に、1つまたは複数の剥離層340、1つまたは複数のベースコーティング、1つまたは複数のトップ・コーティング、および/または1つまたは複数の接着剤330を第1および/または第2の基材310、320に含めることに関する変形例を提供することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300の、第1の基材310の第1の面312に関連付けられた第1の感熱コーティング316内に第1の情報を熱印刷することができ、第2の基材320の第1の面322に関連付けられている第2の感熱コーティング326内に第2の情報を熱印刷することができる。こうした情報の印刷は、とりわけ、図1のプリンタ10などの両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用して実行することができる。
【0037】
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300の第1の基材310の第2の面314に関連付けられている感熱コーティング318内に第3の情報を熱印刷することができ、および/または第2の基材320の第2の面324に関連付けられている感熱コーティング328内に第4の情報を熱印刷することができる。こうした情報は、とりわけ、図1のプリンタ10などの両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用するマルチパス・プロセスで印刷することができる。代替的にまたは追加的に、こうした情報は、とりわけ、図3Hに関連付けられている両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400などの、適切な両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用するシングルパス・プロセスで印刷することができる。
【0038】
図3Hに示されるように、両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400は、両面2重直接熱画像要素300の第1および第2の基材310、320のそれぞれの第1の面312、322に関連付けられている感熱コーティング316、326を画像形成するための第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420を備えることができる。さらに、こうした両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400は、両面2重直接熱画像要素300の第1および/または第2の基材310、320のそれぞれの裏面314、324に関連付けられている感熱コーティング318、328を画像形成するための第3および/または第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440を備えることができる。
【0039】
さらに、第3および/または第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440による画像形成を容易にするため、および/またはプリンタ400の媒体フィード・パス425に沿った両面2重直接熱画像要素300およびその種々の合わせ(ply)の移送手段を提供するために、1つまたは複数のプラテン450、460を提供することができる。そのように利用される場合、「Two−Sided Thermal Printing」という名称の米国仮特許出願第60/779,781号公報に詳細に説明されるように、さらにプラテン450、460のうちの1つまたは複数を、1つまたは複数のモータ、ギア、プーリ、ベルトなどを備える駆動機構412に結合することができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0040】
さらに図3Hに示されるように、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420の印刷表面が、それぞれ反対の第2および第1のサーマル・プリント・ヘッド420、410に対してプラテンとして使用されるが、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420が使用するために、追加の分離したローラおよび/またはプレート・タイプのプラテン(図示せず)を提供することができる。追加的にまたは代替的に、「Two−Sided Thermal Print Configurations」という名称の米国特許出願第11/678,216号公報に詳細に説明されるように、第3および/または第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440のいずれかまたは両方の、印刷表面を含む表面を、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420に対するプラテンとして使用することができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0041】
また図3Hに示されるように、「Two−Sided Thermal Print Switch」という名称の米国特許出願第11/675,649号公報にまとめて詳細に説明されるように、両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400は、とりわけ、両面熱印刷機能スイッチ470、1つまたは複数のメモリあるいはバッファ要素480、プロセッサまたはコントローラ490、および/または通信モジュール496をさらに含むことができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。同様に、「Two−Sided Thermal Print Sensing」という名称の米国特許出願第11/644,262号公報に詳細に説明されるように、とりわけ、インストール済み媒体タイプを検知するため、1つまたは複数の検知マークを含む熱印刷または他の印刷を検知するため、および/または両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400の制御用に1つまたは複数の追加の信号を提供するために、1つまたは複数のセンサ500を提供することができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0042】
さらに図3Hに示されるように、両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400の他の構成要素の中でも特に、1つまたは複数のサーマル・プリント・ヘッド410、420、430、440、およびプラテン450、460を、とりわけ媒体インストールおよびプリンタ・サービスを容易にするためにピボット418を中心に互いに回転可能でもある1つまたは複数の支持アーム414、416に結合するか、またはこれと一体化して形成することができる。
【0043】
例えば、両面直接熱画像要素300の3つの感熱表面(例えば、図3F参照)上に印刷するため、および/または第3および第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440を1つの支持またはパッケージ内に2つの熱印刷表面を備える1つの両面サーマル・プリント・ヘッドに交換するための、例えば、3つのサーマル・プリント・ヘッド410、420、430を備える変形例も可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300の画像形成のために、図1および図3Hに関して説明するような両面ダイレクト・サーマル・プリンタを、例えば、現金自動預け払い機、デスクトップ・コンピュータ、POS端末、セルフサービス・キオスクなどの固定コンピューティング・システムに関連付けることができる。代替的に、両面ダイレクト・サーマル・プリンタ(例えば、図1および図3Hのプリンタ10および/または400)を、例えば、ウェータまたはウェートレス、レンタカー従業員、小売店店員、病院職員、公安職員などによって運搬されるか、または他の方法で移送されるポータブル・プリンタの形で提供することができる。
【0045】
一実施形態では、両面2重直接熱画像要素に関連付けられた1つまたは複数の感熱コーティング316、318、326、328内に印刷される情報は、販売者対顧客の取引に関する情報を含むことができる。こうした情報は、施設名、住所、および電話番号などの販売者情報、顧客名および支払手段(例えば、現金、クレジットカードなど)などの顧客情報、並びに、購入アイテム名、在庫または目録番号、価格などの取引情報を含むことができ、それらのいずれかまたはすべてを、いずれかまたはすべての感熱コーティング316、318、326、328上に印刷することができる。1つまたは複数の提供された感熱コーティング内に、1つまたは複数の店舗、施設、および/または製品のロゴ、広告、クーポン、コンテスト情報、法的情報(例えば、放棄、保証など)などの追加の情報も提供することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300を備えるそれぞれの基材310、320に関連付けられた1つまたは複数の面312、314、322、324上、任意の提供されたベースコートおよび/またはトップコート(図示せず)の上または下、および/または1つまたは複数の感熱コーティング316、318、326、328上に、情報を事前に印刷することもできる。こうした事前印刷情報は、こうした情報が、事前印刷の目的で販売者対顧客取引に先立って知られている場合、前述の販売者情報、顧客情報、および/または取引情報のうちの、いずれかまたはすべてを含むことができる。さらにこうした事前印刷情報は、リソグラフィおよび/またはフレキソ印刷プロセスなどの、任意の適切な印刷手段を使用して印刷することができる。
【0047】
販売者対顧客取引の一部として、顧客に引き渡すための第1の取引レシートを生成するために、両面2重直接熱画像要素300に関連付けられている第1の基材310を、画像要素300に関連付けられている第2の基材320から引き離すかまたはその他の方法で分離することができる。同様に、販売者対顧客取引の一部として、販売者に引き渡すための第2の取引レシートを生成するために、両面2重直接熱画像要素300に関連付けられている第2の基材320を、第1の基材310から引き離すかまたはその他の方法で分離することができる。こうした第1および第2の取引レシートは、手動で(例えば、印刷後に)、または図3Hの両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタなどの適切な両面ダイレクト・サーマル・プリンタによる印刷プロセス中に、両面2重直接熱画像要素300から分離するかまたは他の方法で引き離すことができる。
【0048】
ある実施形態では、両面2重直接熱画像要素300を使用して別の販売者対顧客レシートを生成する方法は、第1の基材の第1の面上に第1の情報を熱印刷するステップと、第2の基材の第1の面上に第2の情報を熱印刷するステップとを含み、第1および第2の情報は販売者対顧客取引情報を含む。こうした方法は、第1の基材を第2の基材から引き離すステップと、第1の基材を顧客へ、および第2の基材を販売者へ引き渡すステップとをさらに含むことができる。前述のように、第1の基材310は、両面2重直接熱画像要素300の第2の基材320から手動で引き離すこと、または図3Hの両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタなどの適切な両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用して引き離すことができ、この両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ300は、とりわけ、POS端末、または他のコンピューティング・システムに関連付けることができる。
【0049】
他の実施形態では、両面2重直接熱画像要素300は、第1の基材310の少なくとも第1の面312上の隠し印刷(例えば、白色の背景に白色の印刷)をさらに備えることができ、この隠し印刷は、両面2重直接熱画像要素300の第1の面312が図4に関してさらに説明するように画像形成された場合、見えるようになる。こうした隠し印刷は、例えば、店舗または供給者のロゴなどの画像要素300の真正性を妥当性検査するための情報を備えること、および/または賞品、クーポン、または他の値引きなどの獲得通知などの追加の情報を伝達するために使用することができる。
【0050】
両面2重直接熱画像要素は、ロール式、扇状に折り畳んだ、および/またはカット式の連続用紙で提供することができ、その仕上がり長さは、とりわけ、図1Aおよび図3Hに関して説明したような両面ダイレクト・サーマル・プリンタに関連付けられた、とりわけ、自動または手動(例えば、のこぎり歯)ナイフなどの1つまたは複数の手動および/または自動カットまたは切断手段を介して設定することができることに留意されたい。
【0051】
一般的な両面感熱媒体の特性
一般に、感熱媒体20は、用途または最終使用要件に応じて、好ましくは1.8から70ミル(約0.046から1.78ミリメートル)の厚さ、1プライ当たり11から115ポンド(約4990から52164g)/1300 SFRの重量、および80%を上回る不透明度を有するものと予想することができる。
【0052】
セキュリティ機能を備えた両面感熱紙
両面直接熱印刷画像形成要素の片面または両面には、不正行為または偽造を防ぐために、1つまたは複数のセキュリティ機能を追加することができる。その例には、両面感熱紙の片面または両面に熱変色性画像および/またはコーティングを塗布することが含まれる。
【0053】
両面サーマル・セキュリティ
POS用熱印刷、電子ジャーナリング、および取引バーコード化の傾向には、レシート/返品の不正行為を防止するという面が追加されている。今や、多くの取引には、POSレシートに固有のバーコード番号が割り当てられ、これは実際の購入にさかのぼって追跡可能であり、以前に返品されたアイテムがあれば識別することが可能である。セキュリティ・インクまたは材料は、損失防止/不正行為防止の他の層を提供する。セキュリティ・インクまたは材料を追加する主な目的は、返品/レシートの不正行為を最小限にすることである。
【0054】
いくつかの調査により、あらゆる小売業者にとって、全体の「縮小」が主要な問題であることが示された。在庫の「縮小」、従業員の盗難、万引き、ベンダの不正行為、および管理ミスは、2002年には国内の小売業者に約313億ドルの、またはその総売上高の約1.7%の損害を与えるものであった。
【0055】
両面感熱紙の片面または両面に塗布するか、または基材またはコーティングに含めることが可能なセキュリティ・インクまたは材料には、以下を含む多数のタイプが存在する。
【0056】
熱変色性
これは、(擦ることなどによって)熱が加えられると無色の状態または他の色に変化し、熱が除去されるとその元の色に戻る感熱インクである。写真複写は不可能であり、複製は困難であり、再使用可能である。
【0057】
引っ掻き着色
指の爪などによって引っ掻くことによって透明またはある色から他の色へと変化して元に戻すことができないインク。写真複写は不可能であり、複製は困難であるが、再使用不可能である。
【0058】
コイン反応性
コイン反応性インクは、感熱紙の、通常は目立たない隠れた場所に塗布される。コインまたは他の金属物質の端で擦った場合に、画像はグレーに変化する。写真複写は不可能であり、隠されていて、複製は困難である。
【0059】
近赤外線蛍光
近赤外線スペクトルの光にさらされると検出可能であるが、肉眼では不可視の、(感熱基材内などの)インク、コーティング、または材料。写真複写は不可能であり、複製は困難であり、再使用可能であるが、検出装置が必要である。
【0060】
光互変性
UV光にさらされると可逆的に変色するインク。色の反応は素早く、光源が取り除かれるとその元の色(または無色)に戻る。インクは自然の太陽光によっても活性化可能である。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0061】
透かし
人工的な透かし模様を作り出すために使用される白色または透明のインク。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0062】
UV蛍光性
短距離または長距離UV光の下で、またはその両方で蛍光を発するインクまたはコーティング。通常、肉眼では不可視である。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0063】
蛍光性繊維
基材またはコーティングに追加可能であり、UV光を使用して蛍光を発する材料のより糸。写真複写は不可能であり、再生は困難であり、再使用可能である。
【0064】
タガント
肉眼では不可視であるが、顕微鏡、光源、または化学的検出などの外部手段によって構造が固有に検出可能な材料。両面感熱紙の任意の部分(基材、サブコート、または感熱層)に含めることができる。写真複写は不可能であり、再生は非常に困難であり、再使用可能である。
【0065】
カラーシフト・インク
異なる角度から見ると異なる色に見える視覚的に変化するインクなどのインク。写真複写は不可能であり、再生は困難であり、再使用可能である。
【0066】
ホログラフィック画像
紙の片面または両面上に位置するスポットであり、見る角度によって認識される画像が変化する。写真複写は不可能であり、再生は非常に困難であり、再使用可能である。
【0067】
印刷パターン
両面感熱紙の片面または両面上に事前印刷される独特な背景またはデザイン。デザインは肉眼で見えるか、または画像を復号するためのキーが必要である。再使用可能であり、デザインの複雑さによって再生が困難な場合がある。
【0068】
コンビネーションまたは一体化システム
これは、複数レベルのセキュリティを生成するために、上記技術のうちの2つ以上が組み合わされる場合である。構成要素は互いに互換性を持ち、独立して検出可能でなければならない。一般に、最高レベルのセキュリティを提供する。
【0069】
コンビネーション・システムの例は、NCRの「3−in 1」セキュリティ・インクである。これには、3レベルのセキュリティを含む感熱紙に対する特許権(米国特許第5,883,043号公報)が与えられている。感熱紙にインクを塗布すると、かすかな透かし効果が生じ、複写は不可能である。第2レベルのセキュリティは、UV光を使用して見ることができる蛍光性トレーサである。第3レベルのセキュリティは、任意の通常の水性蛍光ペンを塗布することによって画像が見えるようになる特殊なワックス樹脂をインクが含むことである。
【0070】
両面感熱紙を使用する不正検出方法
例えば、レシートなどの両面直接熱印刷紙製品を認証するためのテストには、正本文書または非偽造文書であることを証明するための製品の両面のスコアリングを含めることができる。
【0071】
感熱紙の特徴により、有効な店舗用レシート向けのレシート認証/非認証のローテク(低水準技術)手段が可能である。感熱紙のコーティング面で指の爪またはコインの端をスライドさせる/移動させる/こすり付けることによって、両面感熱紙のそれぞれの面をテストすることができる。両面に感熱コーティングを有する場合は、両面がテストされる。レシートが両面感熱紙であることを確認する黒色の線/マークが表示される。カラー構成が両面感熱の場合、画像は、一方の面ではその色で、他方の面では黒色で表示される。例えば、小売店Aが黒/青の両面感熱紙ロールを使用する場合、一方の面を引っ掻くと画像は黒になり、他方の面の画像は青になる。色は、乾燥させたサンプルのカラー印刷と一致するはずである。
【0072】
多色両面熱印刷
両面直接熱印刷媒体は、媒体の片面または両面上で多色印刷するために、片面または両面に多色機能を含むことができる。
【0073】
この適用は、カスタム可変印刷に両面フルカラー印刷を提供することができる。フルカラー印刷は、サーマル・プリント・ヘッドからの入力に応答して、無色からカラーに遷移する結晶性染料によって達成することができる。
【0074】
ダイレクト・サーマル・プリンタは、ユーザに情報を提供するための多くの用途で使用される。材料を節約するため、および情報の提供に柔軟性を与えるために、レシートまたは他の文書の両面に可変情報を提供できることが望ましい。レシートまたは文書は、熱印刷プロセスを介して可変情報が追加される前に、ある固定情報を(例えば、フレキソまたはリソグラフ印刷によって)事前に印刷することができる。可変情報は、用紙の両面にフルカラーで提供できることが望ましい。この機能を使用して、可能最小スペース内に特別な情報を含めること、または代替的に、以前に使用されていないスペースに広告またはクーポンを提供することができる。
【0075】
媒体基材は、セルロース(紙)ベースまたはポリマー(プラスチック)ベースのいずれかとすることができる。適切なセルロース材料には、不織パルプ・ベース材料が含まれる。適切なポリマー材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、または直接熱印刷の当業者に周知の他の材料を含むことができる。すべての材料は、各面で、サブコート、感熱機能性コート、および/またはトップコートの組合せを使用することができる。これらの層を、最終製品を構築するために、必要に応じてフィルムまたは基材ウェブの片面または両面に塗布することができる。
【0076】
サブコートは、機能性コートの粘着を容易にするための任意の適切な材料とすることができる。好ましい材料の1つが、主に粘土材料を含む水性混合物である。水性混合物は、基材上に広げた後、乾燥させることができる。この層は、多くの場合、機能性コーティングを基材に固有の化学物質から保護するために必要である。
【0077】
機能性コーティングは、画像を形成するために必要なロイコ染料などの染料を含むことができる。フルカラー画像を作るためには、少なくとも3つの染料(シアン、マゼンタ、およびイエロー)が存在しなければならない。これらの染料は、加熱に応答して無色から色付きに変化する結晶性染料の混合物として存在することができる。染料は、コーティングを容易にするため、および最終製品を適切に機能させるために、必要に応じて適切な結合剤、添加物、および溶剤と混合することができる。
【0078】
トップコートは、機能層の特定の性能特性を保護または強化する働きをする任意の適切な構成要素を含むことができる。このトップ・コーティングは、水、UV、引っ掻き傷、および汚れの防止剤を含むことができる。
【0079】
コーティングは、フラッディング、除去、およびその後の乾燥などの任意の適切な手段によって、基材に塗布することができる。代替的に、フラッディングおよび除去の代わりに噴霧または浸漬を使用することができる。材料は、従来のインライン・ペーパ・コーティング・マシンなどの任意の適切なプロセスまたは装置を使用して製造することができる。
【0080】
画像要素は、好ましくは、米国特許第6,759,366号公報に記載のような適切な両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタで印刷される。
【0081】
両面多色熱印刷媒体は、様々な用途で使用可能である。媒体は、両面単色印刷、片面単色印刷および片面フルカラー印刷、または両面フルカラー印刷を含むことができる。基材は、セルロース(紙)ベースまたはポリマー(プラスチック)ベースのいずれかとすることができる。適切なセルロース材料は、不織パルプ・ベース材料を含む。適切なポリマー材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、または熱印刷の当業者に周知の他の材料を含む。すべての画像形成材料は、サブコート、機能性コート、および/またはトップコートの組合せを使用することができる。これらの層を、最終製品を構築するために、必要に応じてフィルムまたは基材の片面または両面に塗布することができる。層およびそれらの組成についての詳細な説明は、Long他の米国特許第6,784,906号公報(例えば、3段目、22〜54行)を参照されたい。
【0082】
機能性または感熱層は、単色熱画像形成構成要素または多色(フルカラー)熱画像形成構成要素からなるものとすることができる。単色層は、ロイコ染料からなるものとすることができる。多色層は、例えば、加熱によって透明から色付きへと変化する少なくとも3タイプの無色染料結晶からなるものとすることができる。フルカラー画像を可能にするには、少なくとも3色(シアン、マゼンタ、およびイエロー)が使用されることになる。両面多色媒体は、少なくとも2つのサーマル・プリント・ヘッドを使用するプリンタで印刷することができる。プリンタが媒体を画像形成する場合、サーマル・プリント・ヘッドからの熱パルスによって染料が画像を形成する。
【0083】
印刷物は、単色または多色の直接熱印刷で印刷するために、媒体の物理特性に基づいて、複数のカテゴリに分割することができる。カテゴリには、カード、チケット、レシート、極小タグ、レター・サイズ(8.5×11インチ(21.6×27.9cm))、および大型サイズが含まれる。各カテゴリが、寸法、厚さ、基材、不透明度、および保護層に対して特定の目標を有することになる。多色印刷は、例えば、文書またはアイテムの片面または両面上に写真または他の識別インデックスを印刷するために使用することができる。
【0084】
カード:
寸法:幅1.5から3インチ(3.81から7.62cm)、長さ2から4インチ(5.08から10.16cm)
厚さ:8から35ミル(0.203から0.889ミリメートル)
基材:セルロースまたはポリマー(好ましくは)
不透明度:一般に不透明
保護層:H2O、UV、引っ掻き傷、および汚れに対する耐性を付与するためのコーティングまたはフィルム
可能な用途:部屋の鍵、クルーズ・セキュリティ、医療用カード、クレジット・カード、ビジネス・カード、小売店ギフトカード、RFID埋込みカード、企業セキュリティ・カード、政府セキュリティ・カード、展示会または会議セキュリティ、小型店頭写真、ライブラリ・カード、駐車許可証、荷物タグ、IDバッジ、および政府高度セキュリティ・カード。
【0085】
チケット:
寸法:幅1から4インチ(2.54から10.16cm)、長さ2から8インチ(5.08から20.32cm)
厚さ:1.5から25ミル(0.038から0.635ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:水、UV、引っ掻き傷、および汚れに対する耐性を付与するためのコーティングまたはフィルム
可能な用途:搭乗券、チケット、ゲームおよび宝くじ券。
【0086】
レシート:
寸法:幅2から8インチ(5.08から20.32cm)、可変長さ
厚さ:1.5から5ミル(0.038から0.127ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:一般に不要、おそらくは耐UV性
可能な用途:ATMレシート/計算書、レシート、POSレシート、キオスク情報。
【0087】
超小型タグ:
寸法:幅1/2から2インチ(1.27から5.08cm)、長さ1から4インチ(2.54から10.16cm)
厚さ:8から35ミル(0.203から0.889ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:一般に不要、おそらくは耐環境性
可能な用途:棚縁ラベル、RFキー・フォブ、価格タグ、洋服品質表示タグ。
【0088】
レター・サイズ:
寸法:一般に、8.5×11インチ(21.59×27.94cm)であるが、用途によって変更可能
厚さ:3から15ミル(0.076から0.381ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明であるが、一般に透明な図柄を除く
保護層:一般に不要
可能な用途:ダイレクト・メール・クーポンおよび広告、POS標識、ラベル、固定物、少量給紙ロール、薬局の処方箋、ウィンドウ図柄、投票機用紙、プロッタ用紙、商用またはホーム・オフィス用書簡、地図、ファックス用紙、または医療グラフ用紙。
【0089】
大型サイズ:
寸法:一般に、8.5×11インチ(21.59×27.94cm)より大きく、最大は幅48インチ(121.92cm)および長さ10フィート(304.8cm)まで可能
厚さ:5から25ミル(0.127から0.635ミリメートル)
基材:セルロースまたはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:水およびUVに対する耐性
可能な用途:幅広形式の標識および広告。
【0090】
単色または多色両面用途
用途は、例えば、両面直接熱印刷媒体の直接熱印刷によって、保有者の写真または他の識別画像が片面に印刷された搭乗券または他のセキュリティ文書を含むことができる。
【0091】
扇状に折り畳んだ両面熱印刷媒体
両面熱印刷媒体は、例えば、薬局処方箋の用途の場合など、プリンタに給紙するためにミシン目の線に沿って折り畳むことができる。媒体は、印刷の位置決めのための検知マークを含むこともできる(例えば、薬局用紙参照)。こうした薬局用の用途では、医薬処方箋は、顧客が引き取る時点で折り畳み印刷媒体から印刷することができる。
【0092】
スポット・カラーを伴う両面感熱紙
コストを節約するために、多色コーティングを含む感熱コーティングは、限定領域のみの印刷が望ましい、全面コーティングとは対照的なスポットまたはパターンとして塗布することができる。
【0093】
両面感熱ラベル
両面感熱紙にネストされたラベルの組合せは、用紙/ラベルの組合せで使用される場合に、特に有用である。両面感熱紙は、ラミネートの前後に画像形成することができる。片面感熱では不可能な特徴は、ラベルをラミネートの前後から取り外せることである。
【0094】
ラベル剥離材料は、スポットまたはパターン化シリコーンを含むことができる。これは、UV硬化シリコーンを使用して実行することができる。好ましい接着剤はホットメルトである。感熱紙への画像形成を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。水性およびUV硬化接着剤も使用することができる。
【0095】
両面感熱用紙/ラベルの組合せは、以下の両面感熱のすべての利点を有する。
単純で頑強なプリンタ。結果として修理サービスの電話が減少し、ジャムが減少し、消耗品が1つのみである。
最初の印刷までが迅速である。
片面感熱紙に比べて印刷速度が2倍である。
消耗品に対するコストが減少する。
【0096】
ライナー・パッチまたはラベル・パッチとして一体化ラベルを作成することができる。例示的用途としては、薬局の処方箋および出荷ラベル/パッキング・リストが挙げられる。
【0097】
ライナー・パッチ
非感熱ライナー
ライナーのシリコーン側に接着剤が塗布される。次に、ライナーは基材シートに貼付される。ラベルは基材シートから切り離される。ライナーの裏面は、画像形成不可である。接着剤は、ホットメルト、水性、またはUV/EB硬化とすることができる。ホットメルトが最も一般的である。ライナーを基材シートに貼り合わせる前に、ホットメルト接着剤を冷却しなければならないことに留意されたい。
【0098】
直接感熱ライナー
この場合、ライナーは片面直接感熱シートである。シートの非画像形成面は、シリコーン処理される。UVまたはEB硬化シリコーンが好ましい。シリコーンは、パターン化されるかまたは連続層とすることができる。接着剤は、ライナーのシリコーン側に塗布される。次にライナーは基材シートに貼付される。ラベルは基材シートから切り離される。接着剤は、ホットメルト、水性、またはUV/EB硬化とすることができる。ホットメルトが最も一般的である。処理中にライナーまたは基材シートの画像形成から生じる熱を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。ホットメルト接着剤の塗布中の早期画像形成は(例えば、冷却真空ローラ、冷却ローラ後の真空ローラなどを使用して)防止すべきである。
【0099】
ラベル・パッチ
この場合、シリコーンのパッチが基材シート上に配置される。接着剤は、直接感熱パッチの非画像形成側に塗布される。次にパッチは基材シートに貼付される。パッチは、より小さなラベルへの打抜きでさらに分割することができる。接着剤はホットメルト、水性、またはUV/EB硬化とすることができる。ホットメルトが最も一般的である。処理中にパッチまたは基材シートの画像形成から生じる熱を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。ホットメルト接着剤塗布中の早期画像形成の防止は、とりわけ、冷却真空ローラ、冷却ローラ後の真空ローラなどの使用を通じて防止することができる。
【0100】
ラベル・パッチは、基材シートと同じ材料である必要はない。ラベルは、より高品質またはより高価な材料とすることができる。この例は、米国特許第6,906,735号公報に記載されたような多色コーティングを含むパッチとなる。これによって、フルカラー・ラベルおよび基材シートの残余部分への単色印刷が可能となる。
【0101】
エッジ接合
エッジ接合方法は、直接感熱ラミネートを両面感熱シートのエッジに取り付ける。ラベル材料および基材シートを接合するために種々の方法が使用される。
【0102】
両面サーマル・ガード
薬ビン内の医薬が過度の熱にさらされるのを防護するための方法が提供される。この防護方法は、ビン上のラベルの一体型部分である。単純な実施形態では、不透明の白色インクを使用して、白色の直接感熱ラベル上に警告メッセージが事前に印刷される。白色の上に白色を印刷すると、最初は不可視である。ラベルが過度の温度にさらされた場合、ラベル全体が画像形成する(例えば、黒色に変化する)。不可視の白色印刷が可視となる。このプロセスは、図4に示されている。
【0103】
図4は、サーマル・ガードの概念を示す。上部は、過度の温度にさらされる前のサーマル・ガード・ラベルを示す。図4では不可視の印刷は明るいグレー色で示されているが、実際のラベルでは不可視となる。下部は、過度の温度にさらされた後のラベルを示す。
【0104】
白色の警告メッセージは、熱によって画像形成されないラベルの部分に最適に配置される。これは図4に示される。白色インクの不透明度を調節することにより、熱によって印刷されるラベルの領域上に不可視の印刷を配置することができる。これは、熱によって画像形成される領域が白色の事前印刷を介してグレーに見えるように、白色の不透明度を調節することによって実施される。熱印刷がまばらである限り、観察者が隠れたメッセージを検出することはない。
【0105】
両面感熱紙を使用して、処方箋ラベルを形成する材料の裏面に白色警告メッセージを最適に配置することができる。これによって、ラベルの前面の画像形成スペースを重要な処方情報のために空けることになる。透明または琥珀色の容器を使用することで、容器を通して警告メッセージを見ることができる。ラベルの裏面に警告メッセージを配置することは、警告機能の保全性を保持する働きをし、表面の汚染または化学薬品に潜在的にさらされることも防ぐ。
【0106】
代替的に、処方箋ラベルを形成する両面感熱紙の前面および裏面の両方に、白色警告メッセージを配置することができる。これにより両面機能が提供される。
【0107】
各種注釈
隠れたメッセージを表示させるための起動温度は、用紙の感度を変更することによって調整することができる。
【0108】
不透明な白色は、保護層の上または下とすることができる。
【0109】
この用途は、白色紙および白色インクに限定されない。
【0110】
この用途は、黒色の熱画像形成に限定されない。他の色の感熱紙も使用することができる。
【0111】
これと同じ考えをセキュリティ機能として使用することができる。用紙が熱によって印刷される場合、隠れた印刷を暴露するためにある領域が意図的に印刷される。これによって媒体が認証される。
【0112】
両面薬局ラベル用途
基本的考え
薬ビン上に必要な情報の量は絶えず増加している。そのため、ますます大きな薬ビンラベルが必要である。これにより、より大きな薬ビンを使用する必要がある。薬ビンはすでに、薬を収容するために必要な大きさをはるかに超えている。より費用対効果の高い小さな薬ビンを使用することが望ましい。この用途により、印刷可能領域が拡大された可変的に印刷されたラベルが可能となる。
【0113】
この用途では、ラベルの長さはボトルの円周よりも長い。それ故、ラベルがビンに貼付された場合、その上部が重なる。ラベルの前面は、シリコーン剥離コーティングでカバーされる。これにより、その上に貼られたラベル部分が開きやすくなる。ビンに貼られたラベル部分は、ビンから容易にはがれない。このようにしてエンド・ユーザは、ラベルの一部を開いて、追加情報を明らかにすることができる。
【0114】
両面感熱ライナーなしラベルを使用すると、ラベルの両面に印刷することができる。シリコーン・コーティングを介して直接感熱紙に画像形成することができる。接着面上の画像は、一般に非接着領域に制限される。
【0115】
この用途は、片面および両面感熱紙に適用されることに留意されたい。この考え方は、ロール、折り畳み、またはシート状のラベルを使用して実施することができる。この考え方は、用紙/ラベルの組合せにも使用される。用紙/ラベルの組合せは、現在の製薬市場においても優勢であることに留意されたい。
【0116】
両面直接感熱用紙/カードの組合せ
次に、両面直接感熱用紙/カードの組合せを作成するための例示的な方法について説明する。用紙/カードの組合せは、用紙または基材シートと、カードとの2つの部分を含む。用紙/カードの組合せに、情報を事前印刷することができる。この例は、店舗のロゴおよび装飾的な図版を含む。これは、印刷機を使用して実行することができる。次に、用紙/カードの組合せに可変情報が印刷される。この例には、顧客名、顧客住所、および識別番号が含まれる。この印刷は、レーザ・プリンタ、インクジェット・プリンタ、ダイレクト・サーマル・プリンタ、または熱転写プリンタで実行することができる。次に、用紙/カードの組合せが顧客に送達される。これは、多くの場合、郵便によって実行される。用紙/カードの組合せに対する典型的な用途には、保険カード、ライセンス、報酬カード、メンバシップ・カード、一時識別カード、ポスト・カードなどが含まれる。
【0117】
例示的プロセスの説明
用紙/カードの組合せの製造に関するこのプロセスは、3つのステップを含む。第1のステップは、片面直接感熱ストックを使用してシリコーン処理されたパッチのロールを生成することである。カードは、最終ステップでパッチから切り離されることになる。パッチは、フレキソ印刷機上で生成することができる。図5Aは、フレキソ印刷機から離れた際のウェブの典型的なセクションを示す。裏面のシリコーン下への印刷も可能であるが、図には示されていない。シリコーンのパッチは、好ましくはカードよりもわずかに大きい寸法とされる。これが、図5Bに示される。ステルス・タイの目的は、カードを定位置に保持するのを助けることである。ステルス・タイはオプションである。いくつかの用紙/シリコーンの組合せは、用紙とシリコーンとの間にコーティングを必要とする場合がある。このコーティングは図示されていない。
【0118】
第2のステップは、用紙/ラベルの組合せの用紙部分を生成することである。これは、両面感熱基材シートを使用して実行することができる。このステップでは、基材シートのロールが生成される。基材シートは、パッチが配置されるわずかなくぼみを形成するように型押しすることができる。この型押しは、図5Bに示される。型押しは、基材シートの面より上にパッチが突出するのを減少させるために実行される。型押しはオプションである。
【0119】
第3のステップは、パッチと、基材シートとを接合させることである。このプロセスは、図5Cに例示される。このプロセスでは、ホットメルト接着剤を、パッチの裏面にコーティングすることができる。直接感熱紙への画像形成を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。このプロセスにとって、接着剤は重要である。この接着剤は、メルト内で粘着性があり、室温まで冷却された後も短時間は粘着性を保持するように設計される。この室温での粘着性時間はオープン・タイムと呼ばれる。オープン・タイムが終了した後、接着剤には、もはや粘着性はない。このプロセスには、十分に長いオープン・タイムを備えたホットメルト接着剤が必要である。パッチは、粘着剤コーティングを受け取った後、ウェブから切り離され、次に、基材シートに貼り合わせられる。貼り合わせの時点で、パッチのシリコーン処理されていない部分と基材シートとの間の結合は永続的となる。カードのシリコーン処理された部分と接着剤との間の結合は除去可能である。貼り合わせの直後に、オープン・タイムは終了する。その後、カードはパッチから打ち抜かれる。カードは、シリコーンのすぐ上の領域から切り離される(図5B参照)。シリコーンと接着剤との間の除去可能な結合は、エンド・ユーザがカードを取り除くまでカードを定位置で維持する。カードが取り除かれた場合、接着剤はタック性がないことに留意されたい。ステルス・タイおよび/またはレギュラー・タイを使用して、カードと基材シートとの間の結合を強化することができる。
【0120】
このプロセスによって、以下の両面感熱紙のすべての利点を備えた用紙/カードの組合せが作成される。
単純で頑強なプリンタ。結果として修理サービスの電話が減少し、ジャムが減少し、消耗品が1つのみである。
最初の印刷までが迅速である。
片面感熱紙に比べて印刷速度が2倍である。
消耗品に関するコストが減少する。
【0121】
このプロセスは、いくつかの望ましい特徴を有する。基材シートおよびカード用の材料選択はもはや連携されていない。これにより、従来の用紙/カードの組合せに比べて、より経済的な基材シート材料を使用することができる。
【0122】
基材シートおよびカードの材料を無関係に選択することで、カードに特殊な媒体を使用することができる。例えば、カードに写真品質の用紙を使用して、用紙/カードの組合せを作成することができる。これにより、写真識別の用途に対する用紙/カードの組合せの作成が容易になる。カラーの直接感熱紙から用紙/カードの組合せ全体を作成する場合は、さらに費用がかかることになる。
【0123】
基材シートのキャリパを減らすことで、用紙/カードの組合せの最終的な質量が減少する。これにより、郵送コストが削減される。
【0124】
非粘着剤を使用することで、粘着剤に比べて、プリンタ内での接着剤の堆積を減少させることができる。
【0125】
図5Aは、フレキソ印刷機から離れた際のパッチ材料の3つの例示的な反復を示す。破線領域は、媒体ウェブの裏面上のシリコーンを表す。ウェブを通してシリコーンが示されていることに留意されたい。登録マークもウェブを通して示されている。ロゴ(例えば、NCRロゴ)は、ウェブの前面上にある。
【0126】
図5Bは、用紙/カードの組合せの例を示す。上部は、用紙/カードの組合せを前面から見た図である。下部は、カードの中央を通して見た断面図である。カードの下の領域は、シリコーン剥離層を表す。シリコーンの下の領域は接着層を表す。この用紙/カードの組合せは、タイと共に示されている。タイはオプションである。
【0127】
図5Cは、パッチと基材シートを組み合わせるために使用されるプロセスの例を示す。この図に示されたマシンも、カードを打抜き、用紙/カードの組合せをシート状にする。
【0128】
両面感熱宝くじ券または他の文書に関するセキュリティ文字
セキュリティ番号または文字を、宝くじ券または他の文書などの両面熱印刷媒体要素の片面または両面に印刷することができる。宝くじ業界では、ボンド紙チケットを使用する取引印刷から、直接感熱チケットを使用する取引印刷へと遷移してきている。従来は、宝くじ券およびセキュア・チケット発行の用途では、効果的なセキュリティ・コントロール、事前に印刷されたセキュリティ機能、並びに、当たり券を妥当性検査および認証するように設計された厳密なセキュリティ方法が必要であった。
【0129】
ボンド紙および片面直接感熱紙チケットの両方に使用されてきた重要なセキュリティ機能の1つが、連番の使用である。連番は、チケット変換器によって、他のセキュリティ・インク/機能と共に事前に印刷するか、または宝くじ券プリンタによって生成することができる。
【0130】
事前に印刷された連番は、ボンドまたは直接感熱チケットのいずれかに塗布することができ、現在は容易に使用することができる。宝くじシステム・プロトコルおよび変数印刷セキュリティ・プログラムに依存して、連番を宝くじ券プリンタによって印刷することもできる。既存の片面感熱技術を使用して、チケット・プリンタによって塗布される連番は、文書の片面に限定される。
【0131】
典型的には、連番は、数字または英数字、連続するバーコード番号、係数番号、ゴシック番号、MICR番号、OCR番号、CMC7番号、2D連続バーコード、またはこれらいくつかの番号付けシステムの組合せからなる。
【0132】
宝くじ券プリンタによって生成される連番は、固有のセキュリティ・レベルを提供する。宝くじ券に印刷される番号は、取引の日付およびチケット選択情報などの特定チケットの詳細と共に、データベースに格納することができる。このデータを再度呼び出して、「当たり」を請求するために提示された物理的なチケットと比較することができる。次に、チケットの妥当性を確認することができる。これは、チケットの妥当性を検査するための有効なシステムであるが、完全なまたは絶対に間違いのないシステムではない。熱によって画像形成された番号の損傷または劣化が発生する場合がある。番号の変更が不正行為またはアクシデントのいずれによるものであっても、法的な時間のかかる請求および争議が生じる場合がある。
【0133】
両面感熱紙の導入により、チケットの偽造防止およびチケットの妥当性検査における他の問題に対処することができる。両面感熱チケット・プリンタによって生成されるチケット取引には、チケットの両面上の固有の制御番号セットを割り当てることができる。チケットの片面に損傷または変更が生じた場合、他方の面に塗布された番号を妥当性検査に使用することができる。以下に列挙されるようなセキュリティ・インクをチケット・プリンタによって生成される連番と組み合わせて、追加のセキュリティ・レベルを提供することができる。
【0134】
この2重の番号概念の他の変形例では、2つの完全にリンクされた連番を有することになる。このセキュリティ機能では、文書の妥当性検査のために固有の識別子を作成する。図6の例を参照されたい。
【0135】
事前印刷のためのセキュリティ・インクの例
近赤外線蛍光
近赤外線スペクトルの光にさらされた場合には検出することができるが、肉眼では不可視の、(感熱基材内などの)インク、コーティング、または材料。写真複写は不可能であり、複製は困難であり、再使用可能であるが、検出装置が必要である。
【0136】
透かし
人工の透かし模様を生成するために使用される白色または透明のインク。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0137】
UV蛍光
短距離または長距離のUV光、あるいはその両方の下で蛍光するインクまたはコーティング。通常、肉眼では不可視である。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0138】
印刷パターン
両面感熱紙の片面または両面に事前に印刷される固有の背景またはデザイン。このデザインは肉眼で見ることができるが、画像を復号するためのキーが必要である。再使用可能であり、デザインの複雑さによって再生は困難な場合がある。
【0139】
要約すると、この数値/データ・セキュリティと組み合わされた両面感熱紙の発明により、追加レベルのセキュリティおよび文書の妥当性検査を提供することによって、宝くじ券業界にある種のソリューションを提供することができる。
【0140】
両面英数字シーケンスの例は、図6に示される。
【0141】
前述の説明では、本開示を簡素化するために、種々の機能が1つの実施形態にまとめられている。同様に、過度の繰り返しを避けるために、種々の機能が1つの実施形態のみに関して説明されている。本開示の方法は、特許請求した実施形態が、各請求項に明確に記載された特徴よりも多いかまたは少ない特徴を有することを反映するものとして解釈されることはない。むしろ、添付の特許請求の範囲で反映されるように、発明の主題は、1つの開示された実施形態のすべての特徴よりも多いかまたは少ない特徴にある。それ故、添付の特許請求の範囲は、実施形態の説明に組み込まれ、各請求項は別々の例示的実施形態として独立している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面2重直接熱画像要素に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年3月7日付けの「Two−Sided Thermal Printing」という名称の米国仮特許出願第60/779,781号公報、2006年3月7日付けの「Dual−Sided Thermal Printer」という名称の米国仮特許出願第60/779,782号公報、2006年8月11日付けの「Dual−Sided Thermal Pharmacy Script Printing」という名称の米国特許出願第11/503,326号公報、2006年10月16日付けの「UV and Thermal Guard」という名称の米国特許出願第11/581,318号公報、2006年10月13日付けの「Dual−Sided Thermal Security Features」という名称の米国特許出願第11/549,463号公報、2006年12月4日付けの「Multi−Color Dual−Sided Thermal Printing」という名称の米国特許出願第11/633,300号公報、2006年11月9日付けの「Multisided Thermal Media Combinations」という名称の米国特許出願第11/595,364号公報、2006年11月14日付けの「Two−Sided Thermal Wrap Around Label」という名称の米国特許出願第11/559,515号公報、2006年12月22日付けの「Two−Sided Thermal Print Sensing」という名称の米国特許出願第11/644,262号公報、2007年2月16日付けの「Two−Sided Thermal Print Switch」という名称の米国特許出願第11/675,649号公報、および、2007年2月23日付けの「Two−Sided Thermal Print Configurations」という名称の米国特許出願第11/678,216号公報の優先権を主張する。上記米国特許出願の内容は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0003】
米国特許第6,784,906号公報および第6,759,366号公報に、取引文書およびレシートのような文書の両面直接熱印刷が開示されている。両面直接熱印刷の場合、プリンタは、プリンタを通してフィード・パスに沿って移動する感熱媒体の両面上に同時に印刷することができるように構成されている。このようなプリンタの場合、ダイレクト・サーマル・プリント・ヘッドは、フィード・パスに沿って媒体の各面上に配置されている。動作中、各サーマル・プリント・ヘッドは、各プリント・ヘッドから媒体を横切って対向プラテンの方向を向いている。
【0004】
直接熱印刷の場合には、プリント・ヘッドは、感熱コーティングを含む基材を備える紙または他のシート媒体に選択的に熱を加える。コーティングされた基材上に「印刷」が行われる熱が加わると、コーティングが変色する。両面直接熱印刷の場合には、媒体基材の両面をコーティングすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/779,781号公報
【特許文献2】米国仮特許出願第60/779,782号公報
【特許文献3】米国特許出願第11/503,326号公報
【特許文献4】米国特許出願第11/581,318号公報
【特許文献5】米国特許出願第11/549,463号公報
【特許文献6】米国特許出願第11/633,300号公報
【特許文献7】米国特許出願第11/595,364号公報
【特許文献8】米国特許出願第11/559,515号公報
【特許文献9】米国特許出願第11/644,262号公報
【特許文献10】米国特許出願第11/675,649号公報
【特許文献11】米国特許出願第11/678,216号公報
【特許文献12】米国特許第5,883,043号公報
【特許文献13】米国特許第6,759,366号公報
【特許文献14】米国特許第6,784,906号公報
【特許文献15】米国特許第6,906,735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1つまたは複数の基材と、1つまたは複数の基材それぞれの少なくとも片面上の感熱コーティングとを備える両面直接熱印刷のための画像形成要素について記載する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態では、第1の面および第2の面を有する第1の基材と、第1の面および第2の面を有する第2の基材とを備え、第1の基材および第2の基材がどちらもその少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、第1の基材の第2の面が第2の基材の第2の面に剥離可能に付着される両面2重直接熱画像要素が提供される。
【0008】
両面2重直接熱画像要素は、さらに、第1および第2の基材の第1の面上に販売者対顧客の取引情報を含めるために、熱によって画像形成することができ、第1の基材は、第2の基材から引き離された場合、販売者対顧客の取引に対する顧客レシートとしての役割を果たし、第2の基材は、第1の基材から引き離された場合、販売者対顧客の取引に対する販売者レシートとしての役割を果たす。
【0009】
本発明の代替の特徴、利点、および変形については、以下の説明ならびに添付の図面および特許請求の範囲によって例を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】取引レシートまたはチケットなどの媒体の両面シングルパス印刷に使用可能な両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタの一実施形態を示す概略図である。
【図2A】表面に取引の詳細が印刷されたレシートの一実施形態を示す図である。
【図2B】取引時に決定された可変格納情報などの補足情報が裏面に印刷された図2Aのレシートの一実施形態を示す図である。
【図3A】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3B】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3C】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3D】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3E】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3F】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3G】両面2重直接熱画像要素の一実施形態を示す図である。
【図3H】両面2重直接サーマル・プリンタの実施形態を示す図である。
【図4】両面サーマル・ガードの例を示す図である。
【図5A】両面感熱用紙/カードの組合せで使用するためのフレキソ印刷機からのシリコーン処理されたパッチの例を示す図である。
【図5B】両面感熱用紙/カードの組合せの例を示す図である。
【図5C】両面感熱用紙/カードの組合せを形成するためにパッチと基材シートとを接合するための装置の例を示す図である。
【図6】セキュリティ・コントロールで使用するための両面熱英数字シーケンスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例えば、本発明の種々の実施形態について、含まれる図面を参照しながら以下の資料で説明する。変形が適合可能である。
【0012】
直接熱印刷および関連する媒体の製造に適用可能な背景資料および一般的な特徴については、米国特許第6,803,344号公報(特許文献3)に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0013】
図1は、発行時に取引レシートまたはチケットの両面シングルパス印刷に使用可能な両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10を示す概略図である。プリンタ10は、米国特許第6,784,906号公報(特許文献1)および第6,759,366号公報(特許文献2)に記載されているような、例えば、感熱性染料で各面がコーティングされたセルロース・ベースまたはポリマーの基材シートを含む両面感熱紙である印刷媒体20上で動作する。多色印刷が望ましい面で異なる温度に対する感度を有する2つ以上の染料を使用することにより、レシートの両面に多色印刷機能が提供される。基材および直接熱印刷媒体に対する感熱変色コーティングは、通常、当業者であれば周知のものである。両面直接熱印刷は、媒体20の対向面に異なる温度に感応する染料を含む媒体20によって、または、媒体20の片面の熱印刷が媒体20の対向面の着色に影響しないように耐熱性のある基材を使用することによって容易に行うことができる。
【0014】
図1に示されるように、プリンタ10は、レシートまたはチケット媒体20と媒体フィード・パス25の対向面に、回転プラテン30および40と、対向するサーマル・プリント・ヘッド50および60とを有する。媒体20の両面直接熱印刷は、取引時に、あるいはレシートまたはチケットの発行時に、シングルパスで実行される。媒体20は、通常、印刷完了時に、個々のレシートまたはチケット文書を提供するために切断または切り離すことができる。
【0015】
図2Aは、レシート80の表面に印刷された発行者識別、時間、日付、ライン・アイテム・エントリ、および取引合計金額などの取引の詳細70を示す。図2Bは、例えば、レシート80の裏面に印刷された、取引時に確認された受領者識別または取引の詳細に基づく顧客情報90を示す。例えば、顧客情報90は、別のまたは複製の取引情報、図に示されたようなクーポン、割引またはコンテスト情報、連載漫画、販売条件、文書画像、広告、セキュリティ機能、チケット情報、あるいは、例えば、受領者識別または取引のデータまたは詳細に基づく顧客情報などの他の情報を含むことができる。
【0016】
例示としての媒体20は、一般的な両面直接熱印刷用途のための不透明な基材および各面の感熱コーティングを備える。基材またはベース・シートは、例えば、不透明な紙などのセルロース(天然)繊維、およびポリエステル(合成)繊維などの合成または天然の繊維から導出された材料を含む従来の直接熱印刷用途で使用される材料を含むことができる。基材は、例えば、カプトン、ポリエチレン、またはポリエステル・ポリマーなどの材料を使用して押出成形されたプラスチック・フィルムなどのプラスチックを含むこともできる。熱画像形成を向上させるために媒体20の各面上に75Bekk以上の平滑度を生成するために、カレンダー処理が施される。仕上げの平滑度および直接熱印刷の品質を上げるために、例えば、主に炭酸カルシウムまたは粘土のサブコートまたはベースコート、および例えば、ラテックス・ベースのバインダなどのバインダ材料を紙の基材上に提供することができる。サブコートがない場合、感熱コーティングを施す前のベース・ペーパのカレンダー処理によって達成される典型的な平滑度は、75〜150Bekkの範囲内となる。サブコートおよびカレンダー処理を使用した場合の典型的な仕上げの平滑度は、250Bekk以上である。例えば、バーコード印刷用などのより高品質の熱画像形成特徴を与えるためには、最低でも300Bekkの仕上げ平滑度を使用すべきである。これが使用された場合の一般的なサブコート重量は、片面または両面につき、約1〜10ポンド(約453.6〜4536g)/3300SFR(平方フィート連(ream))、好ましくは、片面または両面につき2〜5ポンド(約907.2〜2268g)/3300SFRである。
【0017】
媒体20の各面に平滑さを提供するためのカレンダー処理は、1つまたは複数のパス動作において、例えば、オンラインまたはオフラインのソフトまたはソフト・ニップのカレンダー処理またはスーパーカレンダー処理を含むことができる。通常、紙製造ラインからオフラインで実行されるスーパーカレンダー処理は、チルド鋳鉄ロールおよび繊維カバー・ロールの交互のスタックを使用して実行することができる。繊維カバー・ロールは、例えば、未コーティングの紙を処理するために高圧縮ペーパでカバーするか、または、コーティングされた紙を処理するために高圧縮綿でカバーすることができる。ソフト・カレンダーでは、例えば、インライン・プロセスで、合成物カバー・クラウン・ロールを加熱された金属ロールと突き合わせて、所望のシート表面の仕上げおよび光沢を生成することができる。1つのパスで媒体20の両面をカレンダー処理するために、2つ以上のロール・スタックを使用することができる。
【0018】
両面直接熱印刷用の媒体20の両面のカレンダー処理には、所与の用途に必要な印刷品質を達成するために所望の平滑度を提供するという利点がある。媒体20が平滑であるほど、プリント・ヘッドの磨耗、ならびに付随する媒体20の摩滅が少なくなる。また、媒体20のカレンダー処理されたサブコート表面は、基材と感熱コーティング成分との相互作用を最小限にする。
【0019】
感熱コーティングは、例えば、両面直接熱印刷の用途では、特に、媒体20に不透明な紙の基材を使用する場合、好ましくは染料顕色タイプである。こうしたコーティングは、通常、顕色剤、オプションの感光剤、および発色剤または例えば、ロイコ染料などの染料を含み、熱の伝達によって変色する。例えば、染料顕色タイプまたは染料昇華タイプの様々な感熱コーティングを、例えば、プラスチック基材材料と共に使用することができる。例えば、サブコートが使用されている場合、この上に重ねられた染料顕色タイプの感熱コーティングの重量は、一般に、約1〜8ポンド(約453.6〜3629g)/3300SFR、または、好ましくは約1〜3ポンド(約453.6〜1361g)/3300SFRとなる。サブコートがない場合、通常、感熱層の重量はさらに重くなる。
【0020】
サブコートは片面または両面で使用可能であり、カレンダー処理または仕上げの平滑さの度合いは、関連する特定の用途のコストおよび要件の考慮事項に従って、媒体20の各面で同じかまたは異なるものとすることができる。例えば、バーコードの印刷が必要な場合など、片面により高い印刷品質が必要な場合がある。こうした用途では、通常、媒体20のバーコード印刷側にサブコートおよびカレンダー処理を使用して、300Bekk以上の仕上げ平滑度とする必要がある。媒体20の反対側には、同じ仕上げまたはより安価な仕上げを使用する場合もある。同様に、感熱コーティングの特徴、化学組成、感熱性、およびコストも、両面のそれぞれで同じかまたは異なるものとすることができ、例えば、用途に応じて感光剤を媒体20の片面または両面で使用することができる。媒体20の両面で異なる薬品を使用して、異なる環境適合性または特性、あるいは他の所望の製品特徴を提供することができる。
【0021】
使用されるサブコートは、ここでもコストおよび用途の考慮事項に応じて、各面で同じとするか、または媒体20の各面で異なる組成または重量を有することができる。例えば、一方の面に任意のインク・ジェット印刷ならびに直接熱印刷が行われる場合、炭酸カルシウム・サブコートが好ましい可能性がある。
【0022】
媒体20の各面上の感熱コーティングは、媒体20の各面に単色印刷を提供することが可能であり、ここで印刷の色は媒体20の各面で同じかまたは異なる。別の方法として、例えば、米国特許第6,906,735号公報(特許文献4)で教示されたような、複数の感熱コーティングまたはコーティング内の複数の感熱層を使用して、あるいは、使用可能な印刷カラーの選択が媒体20の各面で同じかまたは異なる、コーティング層内で複数の染料を使用して、多色直接熱印刷を片面または両面で実施することも可能である。
【0023】
いくつかの用途では、スポット、ストリップまたはパターン・コーティングの形で、媒体20の片面または両面に感熱コーティングを提供すること、あるいは、スポット、ストリップまたはパターンの特殊またはより高価な仕上げを片面または両面に提供することが望ましい場合がある。例えば、媒体20上の特定の場所にバーコードを印刷する場合、仕上げおよび感熱コーティングに不可欠な平滑度は、その場所に限定することができる。バーコード印刷プロセス中にバーコード印刷場所を識別できるようにするために、媒体20の片面または両面に反復検知マークを添付することができる。いくつかの用途では、この検知マークは、例えば、異なる所期の印刷サイズを可能にするために、媒体20の対向面上で異なる反復長さを有することができる。
【0024】
画像保護および環境耐久性のために、媒体20の片面または両面の感熱コーティング上にトップコートを施すことができる。トップコートは、使用される場合、例えば、バーコード用の追加保護のためのスポット、ストリップまたはパターン・コーティングを含むことができる。特定のトップコート・スポット、ストリップまたはパターンの場所の識別を助けるために、媒体20に反復検知マークを添付することができる。
【0025】
ウエブの切り離しまたは折り畳みを一般的または帳票アプリケーションの形で支援するために、例えば、両面に印刷された折り畳み式複数ページ文書を提供するために、媒体20の切り離しまたは折り畳みが望ましい領域に、ミシン目の繰り返しラインを追加することができる。
【0026】
媒体20には、媒体20の少なくとも片面に、用途要件に応じて、例えば、セキュリティ機能、標準条件の事前印刷、または広告のための、インク、熱印刷、または他の非熱印刷によって事前に印刷された1つまたは複数の領域を提供することができる。事前印刷は、最終画像の色に影響を与える色付きの背景領域を提供することもできる。例えば、赤色の画像感熱紙に黄色のインクを重ねて使用すると、オレンジ色の最終画像カラーを提供することができる。
【0027】
いくつかの用途では、媒体20は、例えば、顧客および販売者のレシートを同時に印刷し、販売時に2つの別々のレシート部分に切り離せるように、2枚重ねにした形とするか、または2枚重ねした基材を含むことができる。
【0028】
図3Aに示されるように、2重ウェブまたは2重基材の形であり、さらに両面2重直接熱画像要素300として識別される媒体20は、第1の面312および第2の面314を有する第1の基材310と、第1の面322および第2の面324を有する第2の基材320とを備えることができる。さらに図3Aに示されるように、第1の基材および第2の基材は、どちらも、その少なくとも第1の面上に1つまたは複数の感熱コーティング316、326を含むことができる。各感熱コーティング316、326は、フル、スポット、またはパターン・コーティングを含むことができ、単色または多色の熱印刷を提供することができる。さらに、第1および/または第2の基材310、320のそれぞれが、それらそれぞれの第1の面および/または第2の面312、314、322、324に関連付けられた1つまたは複数のベースコートおよび/またはトップコート(図示せず)をさらに含むことができる。1つまたは複数のベースコートおよび/またはトップコートが含まれる場合、これらは、1つまたは複数の含まれる感熱コーティング316、326の下および/または上に提供することができる。
【0029】
図3Aに示されるように、両面2重直接熱画像要素300の第1の基材310は、第2の基材320に対して近接して位置することができ、従って、第1の基材310の第2の面314および/またはこれに関連付けられた任意のコーティングが、第2の基材の第2の面324および/またはこれに関連付けられた任意のコーティングと剥離可能に接触する。こうした関係は、とりわけ、図1Aのプリンタ10などの両面ダイレクト・サーマル・イメージング・プリンタ内に給紙するための共通スプールまたはロール・コア上での、第1および第2の基材310、320の相互回転によって達成することができる。
【0030】
図3Bに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、とりわけ、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第1の基材310の第2の面314を、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第2の基材320の第2の面324に剥離可能に付着させるための1つまたは複数の接着層330をさらに備えることができる。適切な接着剤は、第1および第2の基材310、320が分離した場合に残留タックまたは粘着性の程度が低い低タック性接着剤、および/または第1および第2の基材310、320が分離した場合に、タック性または粘着性が残留しない非残留タック性接着剤などを含む。
【0031】
さらに、図3Cに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、これに関連付けられた任意のコーティングを含む、第1および/または第2の基材310、320の第2の面314、324に近接する1つまたは複数の剥離層またはライナー340をさらに備えることができる。1つまたは複数の剥離層またはライナー340が提供される場合、これらは、第1の基材310を第2の基材320に剥離可能に付着させるのを補助することができる。同様に、剥離層またはライナー340を使用することで、第1および第2の基材310、320が分離した場合に、残留するタックまたは粘着性を維持するために、接着層330内の低タック性および/または無タック性接着剤に加えて、高タック性接着剤を使用する機能が与えられる。
【0032】
一実施形態では、第1の基材310から除去された場合、第2の基材320が接着ラベルとしての役割を果たすように、第1の基材310の第2の面314にシリコーン剥離層340が塗布され、第2の基材320の第2の面324に高タック性ホットメルト接着剤330が塗布される。図3Dに示される高または低残留タック性接着剤330が、第1および第2の基材310、320のそれぞれの第2の面314、324に塗布され、それらの間に、2つの接着ラベルを生成するための1つまたは複数の追加の剥離層または剥離ライナー340が提供されるかまたは提供されないような追加の変形例も可能である。
【0033】
図3Eに示されるような、他の実施形態では、1つまたは複数の剥離層340が、第1および第2の基材310、320のそれぞれの第2の面314、324に対して近接しており、それらの間に剥離可能な結合を提供する1つまたは複数の接着層330を伴うように、1つまたは複数の接着層330および/または1つまたは複数の剥離層340を交互に配置することができる。
【0034】
図3Fに示されるように、両面2重直接熱画像要素は、第1および第2の基材310、320の第1の面上に感熱コーティング316、326のうちの1つまたは両方を画像形成する前、する間、および/またはした後に、画像形成するための第1の基材310の第2の面314上の1つまたは複数の感熱コーティング318をさらに備えることができる。さらに図3Fに示されるように、1つまたは複数の接着剤330および/または剥離層340も提供することができ、この接着剤330および/または剥離層340が提供された場合、これらは、両面2重直接熱画像要素300の整合性を維持するのを補助すること、および/または第1および第2の基材310、320が分離した場合に、1つまたは複数のラベル要素の形成などの最終用途での変形例を提供することができる。
【0035】
図3Gに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、第1および第2の基材310、320の第1の面312、322上に感熱コーティング316、326のうちの1つまたは両方を画像形成する前、する間、および/またはした後に、画像形成するための第1および第2の基材310、320の第2の面314、324上の1つまたは複数の感熱コーティング318、328も備えることができる。さらに、図3Gに示されるように、両面2重直接熱画像要素300は、とりわけ、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第1の基材310の第2の面314を、これに関連付けられた任意のコーティングを含む第2の基材320の第2の面324に剥離可能に付着させるための1つまたは複数の接着層330をさらに備えることができる。任意の両面2重直接熱画像要素300の場合と同様に、1つまたは複数の剥離層340、1つまたは複数のベースコーティング、1つまたは複数のトップ・コーティング、および/または1つまたは複数の接着剤330を第1および/または第2の基材310、320に含めることに関する変形例を提供することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300の、第1の基材310の第1の面312に関連付けられた第1の感熱コーティング316内に第1の情報を熱印刷することができ、第2の基材320の第1の面322に関連付けられている第2の感熱コーティング326内に第2の情報を熱印刷することができる。こうした情報の印刷は、とりわけ、図1のプリンタ10などの両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用して実行することができる。
【0037】
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300の第1の基材310の第2の面314に関連付けられている感熱コーティング318内に第3の情報を熱印刷することができ、および/または第2の基材320の第2の面324に関連付けられている感熱コーティング328内に第4の情報を熱印刷することができる。こうした情報は、とりわけ、図1のプリンタ10などの両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用するマルチパス・プロセスで印刷することができる。代替的にまたは追加的に、こうした情報は、とりわけ、図3Hに関連付けられている両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400などの、適切な両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用するシングルパス・プロセスで印刷することができる。
【0038】
図3Hに示されるように、両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400は、両面2重直接熱画像要素300の第1および第2の基材310、320のそれぞれの第1の面312、322に関連付けられている感熱コーティング316、326を画像形成するための第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420を備えることができる。さらに、こうした両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400は、両面2重直接熱画像要素300の第1および/または第2の基材310、320のそれぞれの裏面314、324に関連付けられている感熱コーティング318、328を画像形成するための第3および/または第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440を備えることができる。
【0039】
さらに、第3および/または第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440による画像形成を容易にするため、および/またはプリンタ400の媒体フィード・パス425に沿った両面2重直接熱画像要素300およびその種々の合わせ(ply)の移送手段を提供するために、1つまたは複数のプラテン450、460を提供することができる。そのように利用される場合、「Two−Sided Thermal Printing」という名称の米国仮特許出願第60/779,781号公報に詳細に説明されるように、さらにプラテン450、460のうちの1つまたは複数を、1つまたは複数のモータ、ギア、プーリ、ベルトなどを備える駆動機構412に結合することができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0040】
さらに図3Hに示されるように、第1および第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420の印刷表面が、それぞれ反対の第2および第1のサーマル・プリント・ヘッド420、410に対してプラテンとして使用されるが、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420が使用するために、追加の分離したローラおよび/またはプレート・タイプのプラテン(図示せず)を提供することができる。追加的にまたは代替的に、「Two−Sided Thermal Print Configurations」という名称の米国特許出願第11/678,216号公報に詳細に説明されるように、第3および/または第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440のいずれかまたは両方の、印刷表面を含む表面を、第1および/または第2のサーマル・プリント・ヘッド410、420に対するプラテンとして使用することができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0041】
また図3Hに示されるように、「Two−Sided Thermal Print Switch」という名称の米国特許出願第11/675,649号公報にまとめて詳細に説明されるように、両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400は、とりわけ、両面熱印刷機能スイッチ470、1つまたは複数のメモリあるいはバッファ要素480、プロセッサまたはコントローラ490、および/または通信モジュール496をさらに含むことができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。同様に、「Two−Sided Thermal Print Sensing」という名称の米国特許出願第11/644,262号公報に詳細に説明されるように、とりわけ、インストール済み媒体タイプを検知するため、1つまたは複数の検知マークを含む熱印刷または他の印刷を検知するため、および/または両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400の制御用に1つまたは複数の追加の信号を提供するために、1つまたは複数のセンサ500を提供することができる。その内容は参照により本明細書に組み込むものとする。
【0042】
さらに図3Hに示されるように、両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ400の他の構成要素の中でも特に、1つまたは複数のサーマル・プリント・ヘッド410、420、430、440、およびプラテン450、460を、とりわけ媒体インストールおよびプリンタ・サービスを容易にするためにピボット418を中心に互いに回転可能でもある1つまたは複数の支持アーム414、416に結合するか、またはこれと一体化して形成することができる。
【0043】
例えば、両面直接熱画像要素300の3つの感熱表面(例えば、図3F参照)上に印刷するため、および/または第3および第4のサーマル・プリント・ヘッド430、440を1つの支持またはパッケージ内に2つの熱印刷表面を備える1つの両面サーマル・プリント・ヘッドに交換するための、例えば、3つのサーマル・プリント・ヘッド410、420、430を備える変形例も可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300の画像形成のために、図1および図3Hに関して説明するような両面ダイレクト・サーマル・プリンタを、例えば、現金自動預け払い機、デスクトップ・コンピュータ、POS端末、セルフサービス・キオスクなどの固定コンピューティング・システムに関連付けることができる。代替的に、両面ダイレクト・サーマル・プリンタ(例えば、図1および図3Hのプリンタ10および/または400)を、例えば、ウェータまたはウェートレス、レンタカー従業員、小売店店員、病院職員、公安職員などによって運搬されるか、または他の方法で移送されるポータブル・プリンタの形で提供することができる。
【0045】
一実施形態では、両面2重直接熱画像要素に関連付けられた1つまたは複数の感熱コーティング316、318、326、328内に印刷される情報は、販売者対顧客の取引に関する情報を含むことができる。こうした情報は、施設名、住所、および電話番号などの販売者情報、顧客名および支払手段(例えば、現金、クレジットカードなど)などの顧客情報、並びに、購入アイテム名、在庫または目録番号、価格などの取引情報を含むことができ、それらのいずれかまたはすべてを、いずれかまたはすべての感熱コーティング316、318、326、328上に印刷することができる。1つまたは複数の提供された感熱コーティング内に、1つまたは複数の店舗、施設、および/または製品のロゴ、広告、クーポン、コンテスト情報、法的情報(例えば、放棄、保証など)などの追加の情報も提供することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、両面2重直接熱画像要素300を備えるそれぞれの基材310、320に関連付けられた1つまたは複数の面312、314、322、324上、任意の提供されたベースコートおよび/またはトップコート(図示せず)の上または下、および/または1つまたは複数の感熱コーティング316、318、326、328上に、情報を事前に印刷することもできる。こうした事前印刷情報は、こうした情報が、事前印刷の目的で販売者対顧客取引に先立って知られている場合、前述の販売者情報、顧客情報、および/または取引情報のうちの、いずれかまたはすべてを含むことができる。さらにこうした事前印刷情報は、リソグラフィおよび/またはフレキソ印刷プロセスなどの、任意の適切な印刷手段を使用して印刷することができる。
【0047】
販売者対顧客取引の一部として、顧客に引き渡すための第1の取引レシートを生成するために、両面2重直接熱画像要素300に関連付けられている第1の基材310を、画像要素300に関連付けられている第2の基材320から引き離すかまたはその他の方法で分離することができる。同様に、販売者対顧客取引の一部として、販売者に引き渡すための第2の取引レシートを生成するために、両面2重直接熱画像要素300に関連付けられている第2の基材320を、第1の基材310から引き離すかまたはその他の方法で分離することができる。こうした第1および第2の取引レシートは、手動で(例えば、印刷後に)、または図3Hの両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタなどの適切な両面ダイレクト・サーマル・プリンタによる印刷プロセス中に、両面2重直接熱画像要素300から分離するかまたは他の方法で引き離すことができる。
【0048】
ある実施形態では、両面2重直接熱画像要素300を使用して別の販売者対顧客レシートを生成する方法は、第1の基材の第1の面上に第1の情報を熱印刷するステップと、第2の基材の第1の面上に第2の情報を熱印刷するステップとを含み、第1および第2の情報は販売者対顧客取引情報を含む。こうした方法は、第1の基材を第2の基材から引き離すステップと、第1の基材を顧客へ、および第2の基材を販売者へ引き渡すステップとをさらに含むことができる。前述のように、第1の基材310は、両面2重直接熱画像要素300の第2の基材320から手動で引き離すこと、または図3Hの両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタなどの適切な両面ダイレクト・サーマル・プリンタを使用して引き離すことができ、この両面2重ダイレクト・サーマル・プリンタ300は、とりわけ、POS端末、または他のコンピューティング・システムに関連付けることができる。
【0049】
他の実施形態では、両面2重直接熱画像要素300は、第1の基材310の少なくとも第1の面312上の隠し印刷(例えば、白色の背景に白色の印刷)をさらに備えることができ、この隠し印刷は、両面2重直接熱画像要素300の第1の面312が図4に関してさらに説明するように画像形成された場合、見えるようになる。こうした隠し印刷は、例えば、店舗または供給者のロゴなどの画像要素300の真正性を妥当性検査するための情報を備えること、および/または賞品、クーポン、または他の値引きなどの獲得通知などの追加の情報を伝達するために使用することができる。
【0050】
両面2重直接熱画像要素は、ロール式、扇状に折り畳んだ、および/またはカット式の連続用紙で提供することができ、その仕上がり長さは、とりわけ、図1Aおよび図3Hに関して説明したような両面ダイレクト・サーマル・プリンタに関連付けられた、とりわけ、自動または手動(例えば、のこぎり歯)ナイフなどの1つまたは複数の手動および/または自動カットまたは切断手段を介して設定することができることに留意されたい。
【0051】
一般的な両面感熱媒体の特性
一般に、感熱媒体20は、用途または最終使用要件に応じて、好ましくは1.8から70ミル(約0.046から1.78ミリメートル)の厚さ、1プライ当たり11から115ポンド(約4990から52164g)/1300 SFRの重量、および80%を上回る不透明度を有するものと予想することができる。
【0052】
セキュリティ機能を備えた両面感熱紙
両面直接熱印刷画像形成要素の片面または両面には、不正行為または偽造を防ぐために、1つまたは複数のセキュリティ機能を追加することができる。その例には、両面感熱紙の片面または両面に熱変色性画像および/またはコーティングを塗布することが含まれる。
【0053】
両面サーマル・セキュリティ
POS用熱印刷、電子ジャーナリング、および取引バーコード化の傾向には、レシート/返品の不正行為を防止するという面が追加されている。今や、多くの取引には、POSレシートに固有のバーコード番号が割り当てられ、これは実際の購入にさかのぼって追跡可能であり、以前に返品されたアイテムがあれば識別することが可能である。セキュリティ・インクまたは材料は、損失防止/不正行為防止の他の層を提供する。セキュリティ・インクまたは材料を追加する主な目的は、返品/レシートの不正行為を最小限にすることである。
【0054】
いくつかの調査により、あらゆる小売業者にとって、全体の「縮小」が主要な問題であることが示された。在庫の「縮小」、従業員の盗難、万引き、ベンダの不正行為、および管理ミスは、2002年には国内の小売業者に約313億ドルの、またはその総売上高の約1.7%の損害を与えるものであった。
【0055】
両面感熱紙の片面または両面に塗布するか、または基材またはコーティングに含めることが可能なセキュリティ・インクまたは材料には、以下を含む多数のタイプが存在する。
【0056】
熱変色性
これは、(擦ることなどによって)熱が加えられると無色の状態または他の色に変化し、熱が除去されるとその元の色に戻る感熱インクである。写真複写は不可能であり、複製は困難であり、再使用可能である。
【0057】
引っ掻き着色
指の爪などによって引っ掻くことによって透明またはある色から他の色へと変化して元に戻すことができないインク。写真複写は不可能であり、複製は困難であるが、再使用不可能である。
【0058】
コイン反応性
コイン反応性インクは、感熱紙の、通常は目立たない隠れた場所に塗布される。コインまたは他の金属物質の端で擦った場合に、画像はグレーに変化する。写真複写は不可能であり、隠されていて、複製は困難である。
【0059】
近赤外線蛍光
近赤外線スペクトルの光にさらされると検出可能であるが、肉眼では不可視の、(感熱基材内などの)インク、コーティング、または材料。写真複写は不可能であり、複製は困難であり、再使用可能であるが、検出装置が必要である。
【0060】
光互変性
UV光にさらされると可逆的に変色するインク。色の反応は素早く、光源が取り除かれるとその元の色(または無色)に戻る。インクは自然の太陽光によっても活性化可能である。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0061】
透かし
人工的な透かし模様を作り出すために使用される白色または透明のインク。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0062】
UV蛍光性
短距離または長距離UV光の下で、またはその両方で蛍光を発するインクまたはコーティング。通常、肉眼では不可視である。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0063】
蛍光性繊維
基材またはコーティングに追加可能であり、UV光を使用して蛍光を発する材料のより糸。写真複写は不可能であり、再生は困難であり、再使用可能である。
【0064】
タガント
肉眼では不可視であるが、顕微鏡、光源、または化学的検出などの外部手段によって構造が固有に検出可能な材料。両面感熱紙の任意の部分(基材、サブコート、または感熱層)に含めることができる。写真複写は不可能であり、再生は非常に困難であり、再使用可能である。
【0065】
カラーシフト・インク
異なる角度から見ると異なる色に見える視覚的に変化するインクなどのインク。写真複写は不可能であり、再生は困難であり、再使用可能である。
【0066】
ホログラフィック画像
紙の片面または両面上に位置するスポットであり、見る角度によって認識される画像が変化する。写真複写は不可能であり、再生は非常に困難であり、再使用可能である。
【0067】
印刷パターン
両面感熱紙の片面または両面上に事前印刷される独特な背景またはデザイン。デザインは肉眼で見えるか、または画像を復号するためのキーが必要である。再使用可能であり、デザインの複雑さによって再生が困難な場合がある。
【0068】
コンビネーションまたは一体化システム
これは、複数レベルのセキュリティを生成するために、上記技術のうちの2つ以上が組み合わされる場合である。構成要素は互いに互換性を持ち、独立して検出可能でなければならない。一般に、最高レベルのセキュリティを提供する。
【0069】
コンビネーション・システムの例は、NCRの「3−in 1」セキュリティ・インクである。これには、3レベルのセキュリティを含む感熱紙に対する特許権(米国特許第5,883,043号公報)が与えられている。感熱紙にインクを塗布すると、かすかな透かし効果が生じ、複写は不可能である。第2レベルのセキュリティは、UV光を使用して見ることができる蛍光性トレーサである。第3レベルのセキュリティは、任意の通常の水性蛍光ペンを塗布することによって画像が見えるようになる特殊なワックス樹脂をインクが含むことである。
【0070】
両面感熱紙を使用する不正検出方法
例えば、レシートなどの両面直接熱印刷紙製品を認証するためのテストには、正本文書または非偽造文書であることを証明するための製品の両面のスコアリングを含めることができる。
【0071】
感熱紙の特徴により、有効な店舗用レシート向けのレシート認証/非認証のローテク(低水準技術)手段が可能である。感熱紙のコーティング面で指の爪またはコインの端をスライドさせる/移動させる/こすり付けることによって、両面感熱紙のそれぞれの面をテストすることができる。両面に感熱コーティングを有する場合は、両面がテストされる。レシートが両面感熱紙であることを確認する黒色の線/マークが表示される。カラー構成が両面感熱の場合、画像は、一方の面ではその色で、他方の面では黒色で表示される。例えば、小売店Aが黒/青の両面感熱紙ロールを使用する場合、一方の面を引っ掻くと画像は黒になり、他方の面の画像は青になる。色は、乾燥させたサンプルのカラー印刷と一致するはずである。
【0072】
多色両面熱印刷
両面直接熱印刷媒体は、媒体の片面または両面上で多色印刷するために、片面または両面に多色機能を含むことができる。
【0073】
この適用は、カスタム可変印刷に両面フルカラー印刷を提供することができる。フルカラー印刷は、サーマル・プリント・ヘッドからの入力に応答して、無色からカラーに遷移する結晶性染料によって達成することができる。
【0074】
ダイレクト・サーマル・プリンタは、ユーザに情報を提供するための多くの用途で使用される。材料を節約するため、および情報の提供に柔軟性を与えるために、レシートまたは他の文書の両面に可変情報を提供できることが望ましい。レシートまたは文書は、熱印刷プロセスを介して可変情報が追加される前に、ある固定情報を(例えば、フレキソまたはリソグラフ印刷によって)事前に印刷することができる。可変情報は、用紙の両面にフルカラーで提供できることが望ましい。この機能を使用して、可能最小スペース内に特別な情報を含めること、または代替的に、以前に使用されていないスペースに広告またはクーポンを提供することができる。
【0075】
媒体基材は、セルロース(紙)ベースまたはポリマー(プラスチック)ベースのいずれかとすることができる。適切なセルロース材料には、不織パルプ・ベース材料が含まれる。適切なポリマー材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、または直接熱印刷の当業者に周知の他の材料を含むことができる。すべての材料は、各面で、サブコート、感熱機能性コート、および/またはトップコートの組合せを使用することができる。これらの層を、最終製品を構築するために、必要に応じてフィルムまたは基材ウェブの片面または両面に塗布することができる。
【0076】
サブコートは、機能性コートの粘着を容易にするための任意の適切な材料とすることができる。好ましい材料の1つが、主に粘土材料を含む水性混合物である。水性混合物は、基材上に広げた後、乾燥させることができる。この層は、多くの場合、機能性コーティングを基材に固有の化学物質から保護するために必要である。
【0077】
機能性コーティングは、画像を形成するために必要なロイコ染料などの染料を含むことができる。フルカラー画像を作るためには、少なくとも3つの染料(シアン、マゼンタ、およびイエロー)が存在しなければならない。これらの染料は、加熱に応答して無色から色付きに変化する結晶性染料の混合物として存在することができる。染料は、コーティングを容易にするため、および最終製品を適切に機能させるために、必要に応じて適切な結合剤、添加物、および溶剤と混合することができる。
【0078】
トップコートは、機能層の特定の性能特性を保護または強化する働きをする任意の適切な構成要素を含むことができる。このトップ・コーティングは、水、UV、引っ掻き傷、および汚れの防止剤を含むことができる。
【0079】
コーティングは、フラッディング、除去、およびその後の乾燥などの任意の適切な手段によって、基材に塗布することができる。代替的に、フラッディングおよび除去の代わりに噴霧または浸漬を使用することができる。材料は、従来のインライン・ペーパ・コーティング・マシンなどの任意の適切なプロセスまたは装置を使用して製造することができる。
【0080】
画像要素は、好ましくは、米国特許第6,759,366号公報に記載のような適切な両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタで印刷される。
【0081】
両面多色熱印刷媒体は、様々な用途で使用可能である。媒体は、両面単色印刷、片面単色印刷および片面フルカラー印刷、または両面フルカラー印刷を含むことができる。基材は、セルロース(紙)ベースまたはポリマー(プラスチック)ベースのいずれかとすることができる。適切なセルロース材料は、不織パルプ・ベース材料を含む。適切なポリマー材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、または熱印刷の当業者に周知の他の材料を含む。すべての画像形成材料は、サブコート、機能性コート、および/またはトップコートの組合せを使用することができる。これらの層を、最終製品を構築するために、必要に応じてフィルムまたは基材の片面または両面に塗布することができる。層およびそれらの組成についての詳細な説明は、Long他の米国特許第6,784,906号公報(例えば、3段目、22〜54行)を参照されたい。
【0082】
機能性または感熱層は、単色熱画像形成構成要素または多色(フルカラー)熱画像形成構成要素からなるものとすることができる。単色層は、ロイコ染料からなるものとすることができる。多色層は、例えば、加熱によって透明から色付きへと変化する少なくとも3タイプの無色染料結晶からなるものとすることができる。フルカラー画像を可能にするには、少なくとも3色(シアン、マゼンタ、およびイエロー)が使用されることになる。両面多色媒体は、少なくとも2つのサーマル・プリント・ヘッドを使用するプリンタで印刷することができる。プリンタが媒体を画像形成する場合、サーマル・プリント・ヘッドからの熱パルスによって染料が画像を形成する。
【0083】
印刷物は、単色または多色の直接熱印刷で印刷するために、媒体の物理特性に基づいて、複数のカテゴリに分割することができる。カテゴリには、カード、チケット、レシート、極小タグ、レター・サイズ(8.5×11インチ(21.6×27.9cm))、および大型サイズが含まれる。各カテゴリが、寸法、厚さ、基材、不透明度、および保護層に対して特定の目標を有することになる。多色印刷は、例えば、文書またはアイテムの片面または両面上に写真または他の識別インデックスを印刷するために使用することができる。
【0084】
カード:
寸法:幅1.5から3インチ(3.81から7.62cm)、長さ2から4インチ(5.08から10.16cm)
厚さ:8から35ミル(0.203から0.889ミリメートル)
基材:セルロースまたはポリマー(好ましくは)
不透明度:一般に不透明
保護層:H2O、UV、引っ掻き傷、および汚れに対する耐性を付与するためのコーティングまたはフィルム
可能な用途:部屋の鍵、クルーズ・セキュリティ、医療用カード、クレジット・カード、ビジネス・カード、小売店ギフトカード、RFID埋込みカード、企業セキュリティ・カード、政府セキュリティ・カード、展示会または会議セキュリティ、小型店頭写真、ライブラリ・カード、駐車許可証、荷物タグ、IDバッジ、および政府高度セキュリティ・カード。
【0085】
チケット:
寸法:幅1から4インチ(2.54から10.16cm)、長さ2から8インチ(5.08から20.32cm)
厚さ:1.5から25ミル(0.038から0.635ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:水、UV、引っ掻き傷、および汚れに対する耐性を付与するためのコーティングまたはフィルム
可能な用途:搭乗券、チケット、ゲームおよび宝くじ券。
【0086】
レシート:
寸法:幅2から8インチ(5.08から20.32cm)、可変長さ
厚さ:1.5から5ミル(0.038から0.127ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:一般に不要、おそらくは耐UV性
可能な用途:ATMレシート/計算書、レシート、POSレシート、キオスク情報。
【0087】
超小型タグ:
寸法:幅1/2から2インチ(1.27から5.08cm)、長さ1から4インチ(2.54から10.16cm)
厚さ:8から35ミル(0.203から0.889ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:一般に不要、おそらくは耐環境性
可能な用途:棚縁ラベル、RFキー・フォブ、価格タグ、洋服品質表示タグ。
【0088】
レター・サイズ:
寸法:一般に、8.5×11インチ(21.59×27.94cm)であるが、用途によって変更可能
厚さ:3から15ミル(0.076から0.381ミリメートル)
基材:セルロース(好ましくは)またはポリマー
不透明度:一般に不透明であるが、一般に透明な図柄を除く
保護層:一般に不要
可能な用途:ダイレクト・メール・クーポンおよび広告、POS標識、ラベル、固定物、少量給紙ロール、薬局の処方箋、ウィンドウ図柄、投票機用紙、プロッタ用紙、商用またはホーム・オフィス用書簡、地図、ファックス用紙、または医療グラフ用紙。
【0089】
大型サイズ:
寸法:一般に、8.5×11インチ(21.59×27.94cm)より大きく、最大は幅48インチ(121.92cm)および長さ10フィート(304.8cm)まで可能
厚さ:5から25ミル(0.127から0.635ミリメートル)
基材:セルロースまたはポリマー
不透明度:一般に不透明
保護層:水およびUVに対する耐性
可能な用途:幅広形式の標識および広告。
【0090】
単色または多色両面用途
用途は、例えば、両面直接熱印刷媒体の直接熱印刷によって、保有者の写真または他の識別画像が片面に印刷された搭乗券または他のセキュリティ文書を含むことができる。
【0091】
扇状に折り畳んだ両面熱印刷媒体
両面熱印刷媒体は、例えば、薬局処方箋の用途の場合など、プリンタに給紙するためにミシン目の線に沿って折り畳むことができる。媒体は、印刷の位置決めのための検知マークを含むこともできる(例えば、薬局用紙参照)。こうした薬局用の用途では、医薬処方箋は、顧客が引き取る時点で折り畳み印刷媒体から印刷することができる。
【0092】
スポット・カラーを伴う両面感熱紙
コストを節約するために、多色コーティングを含む感熱コーティングは、限定領域のみの印刷が望ましい、全面コーティングとは対照的なスポットまたはパターンとして塗布することができる。
【0093】
両面感熱ラベル
両面感熱紙にネストされたラベルの組合せは、用紙/ラベルの組合せで使用される場合に、特に有用である。両面感熱紙は、ラミネートの前後に画像形成することができる。片面感熱では不可能な特徴は、ラベルをラミネートの前後から取り外せることである。
【0094】
ラベル剥離材料は、スポットまたはパターン化シリコーンを含むことができる。これは、UV硬化シリコーンを使用して実行することができる。好ましい接着剤はホットメルトである。感熱紙への画像形成を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。水性およびUV硬化接着剤も使用することができる。
【0095】
両面感熱用紙/ラベルの組合せは、以下の両面感熱のすべての利点を有する。
単純で頑強なプリンタ。結果として修理サービスの電話が減少し、ジャムが減少し、消耗品が1つのみである。
最初の印刷までが迅速である。
片面感熱紙に比べて印刷速度が2倍である。
消耗品に対するコストが減少する。
【0096】
ライナー・パッチまたはラベル・パッチとして一体化ラベルを作成することができる。例示的用途としては、薬局の処方箋および出荷ラベル/パッキング・リストが挙げられる。
【0097】
ライナー・パッチ
非感熱ライナー
ライナーのシリコーン側に接着剤が塗布される。次に、ライナーは基材シートに貼付される。ラベルは基材シートから切り離される。ライナーの裏面は、画像形成不可である。接着剤は、ホットメルト、水性、またはUV/EB硬化とすることができる。ホットメルトが最も一般的である。ライナーを基材シートに貼り合わせる前に、ホットメルト接着剤を冷却しなければならないことに留意されたい。
【0098】
直接感熱ライナー
この場合、ライナーは片面直接感熱シートである。シートの非画像形成面は、シリコーン処理される。UVまたはEB硬化シリコーンが好ましい。シリコーンは、パターン化されるかまたは連続層とすることができる。接着剤は、ライナーのシリコーン側に塗布される。次にライナーは基材シートに貼付される。ラベルは基材シートから切り離される。接着剤は、ホットメルト、水性、またはUV/EB硬化とすることができる。ホットメルトが最も一般的である。処理中にライナーまたは基材シートの画像形成から生じる熱を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。ホットメルト接着剤の塗布中の早期画像形成は(例えば、冷却真空ローラ、冷却ローラ後の真空ローラなどを使用して)防止すべきである。
【0099】
ラベル・パッチ
この場合、シリコーンのパッチが基材シート上に配置される。接着剤は、直接感熱パッチの非画像形成側に塗布される。次にパッチは基材シートに貼付される。パッチは、より小さなラベルへの打抜きでさらに分割することができる。接着剤はホットメルト、水性、またはUV/EB硬化とすることができる。ホットメルトが最も一般的である。処理中にパッチまたは基材シートの画像形成から生じる熱を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。ホットメルト接着剤塗布中の早期画像形成の防止は、とりわけ、冷却真空ローラ、冷却ローラ後の真空ローラなどの使用を通じて防止することができる。
【0100】
ラベル・パッチは、基材シートと同じ材料である必要はない。ラベルは、より高品質またはより高価な材料とすることができる。この例は、米国特許第6,906,735号公報に記載されたような多色コーティングを含むパッチとなる。これによって、フルカラー・ラベルおよび基材シートの残余部分への単色印刷が可能となる。
【0101】
エッジ接合
エッジ接合方法は、直接感熱ラミネートを両面感熱シートのエッジに取り付ける。ラベル材料および基材シートを接合するために種々の方法が使用される。
【0102】
両面サーマル・ガード
薬ビン内の医薬が過度の熱にさらされるのを防護するための方法が提供される。この防護方法は、ビン上のラベルの一体型部分である。単純な実施形態では、不透明の白色インクを使用して、白色の直接感熱ラベル上に警告メッセージが事前に印刷される。白色の上に白色を印刷すると、最初は不可視である。ラベルが過度の温度にさらされた場合、ラベル全体が画像形成する(例えば、黒色に変化する)。不可視の白色印刷が可視となる。このプロセスは、図4に示されている。
【0103】
図4は、サーマル・ガードの概念を示す。上部は、過度の温度にさらされる前のサーマル・ガード・ラベルを示す。図4では不可視の印刷は明るいグレー色で示されているが、実際のラベルでは不可視となる。下部は、過度の温度にさらされた後のラベルを示す。
【0104】
白色の警告メッセージは、熱によって画像形成されないラベルの部分に最適に配置される。これは図4に示される。白色インクの不透明度を調節することにより、熱によって印刷されるラベルの領域上に不可視の印刷を配置することができる。これは、熱によって画像形成される領域が白色の事前印刷を介してグレーに見えるように、白色の不透明度を調節することによって実施される。熱印刷がまばらである限り、観察者が隠れたメッセージを検出することはない。
【0105】
両面感熱紙を使用して、処方箋ラベルを形成する材料の裏面に白色警告メッセージを最適に配置することができる。これによって、ラベルの前面の画像形成スペースを重要な処方情報のために空けることになる。透明または琥珀色の容器を使用することで、容器を通して警告メッセージを見ることができる。ラベルの裏面に警告メッセージを配置することは、警告機能の保全性を保持する働きをし、表面の汚染または化学薬品に潜在的にさらされることも防ぐ。
【0106】
代替的に、処方箋ラベルを形成する両面感熱紙の前面および裏面の両方に、白色警告メッセージを配置することができる。これにより両面機能が提供される。
【0107】
各種注釈
隠れたメッセージを表示させるための起動温度は、用紙の感度を変更することによって調整することができる。
【0108】
不透明な白色は、保護層の上または下とすることができる。
【0109】
この用途は、白色紙および白色インクに限定されない。
【0110】
この用途は、黒色の熱画像形成に限定されない。他の色の感熱紙も使用することができる。
【0111】
これと同じ考えをセキュリティ機能として使用することができる。用紙が熱によって印刷される場合、隠れた印刷を暴露するためにある領域が意図的に印刷される。これによって媒体が認証される。
【0112】
両面薬局ラベル用途
基本的考え
薬ビン上に必要な情報の量は絶えず増加している。そのため、ますます大きな薬ビンラベルが必要である。これにより、より大きな薬ビンを使用する必要がある。薬ビンはすでに、薬を収容するために必要な大きさをはるかに超えている。より費用対効果の高い小さな薬ビンを使用することが望ましい。この用途により、印刷可能領域が拡大された可変的に印刷されたラベルが可能となる。
【0113】
この用途では、ラベルの長さはボトルの円周よりも長い。それ故、ラベルがビンに貼付された場合、その上部が重なる。ラベルの前面は、シリコーン剥離コーティングでカバーされる。これにより、その上に貼られたラベル部分が開きやすくなる。ビンに貼られたラベル部分は、ビンから容易にはがれない。このようにしてエンド・ユーザは、ラベルの一部を開いて、追加情報を明らかにすることができる。
【0114】
両面感熱ライナーなしラベルを使用すると、ラベルの両面に印刷することができる。シリコーン・コーティングを介して直接感熱紙に画像形成することができる。接着面上の画像は、一般に非接着領域に制限される。
【0115】
この用途は、片面および両面感熱紙に適用されることに留意されたい。この考え方は、ロール、折り畳み、またはシート状のラベルを使用して実施することができる。この考え方は、用紙/ラベルの組合せにも使用される。用紙/ラベルの組合せは、現在の製薬市場においても優勢であることに留意されたい。
【0116】
両面直接感熱用紙/カードの組合せ
次に、両面直接感熱用紙/カードの組合せを作成するための例示的な方法について説明する。用紙/カードの組合せは、用紙または基材シートと、カードとの2つの部分を含む。用紙/カードの組合せに、情報を事前印刷することができる。この例は、店舗のロゴおよび装飾的な図版を含む。これは、印刷機を使用して実行することができる。次に、用紙/カードの組合せに可変情報が印刷される。この例には、顧客名、顧客住所、および識別番号が含まれる。この印刷は、レーザ・プリンタ、インクジェット・プリンタ、ダイレクト・サーマル・プリンタ、または熱転写プリンタで実行することができる。次に、用紙/カードの組合せが顧客に送達される。これは、多くの場合、郵便によって実行される。用紙/カードの組合せに対する典型的な用途には、保険カード、ライセンス、報酬カード、メンバシップ・カード、一時識別カード、ポスト・カードなどが含まれる。
【0117】
例示的プロセスの説明
用紙/カードの組合せの製造に関するこのプロセスは、3つのステップを含む。第1のステップは、片面直接感熱ストックを使用してシリコーン処理されたパッチのロールを生成することである。カードは、最終ステップでパッチから切り離されることになる。パッチは、フレキソ印刷機上で生成することができる。図5Aは、フレキソ印刷機から離れた際のウェブの典型的なセクションを示す。裏面のシリコーン下への印刷も可能であるが、図には示されていない。シリコーンのパッチは、好ましくはカードよりもわずかに大きい寸法とされる。これが、図5Bに示される。ステルス・タイの目的は、カードを定位置に保持するのを助けることである。ステルス・タイはオプションである。いくつかの用紙/シリコーンの組合せは、用紙とシリコーンとの間にコーティングを必要とする場合がある。このコーティングは図示されていない。
【0118】
第2のステップは、用紙/ラベルの組合せの用紙部分を生成することである。これは、両面感熱基材シートを使用して実行することができる。このステップでは、基材シートのロールが生成される。基材シートは、パッチが配置されるわずかなくぼみを形成するように型押しすることができる。この型押しは、図5Bに示される。型押しは、基材シートの面より上にパッチが突出するのを減少させるために実行される。型押しはオプションである。
【0119】
第3のステップは、パッチと、基材シートとを接合させることである。このプロセスは、図5Cに例示される。このプロセスでは、ホットメルト接着剤を、パッチの裏面にコーティングすることができる。直接感熱紙への画像形成を防ぐために、特別な注意を払わなければならない。このプロセスにとって、接着剤は重要である。この接着剤は、メルト内で粘着性があり、室温まで冷却された後も短時間は粘着性を保持するように設計される。この室温での粘着性時間はオープン・タイムと呼ばれる。オープン・タイムが終了した後、接着剤には、もはや粘着性はない。このプロセスには、十分に長いオープン・タイムを備えたホットメルト接着剤が必要である。パッチは、粘着剤コーティングを受け取った後、ウェブから切り離され、次に、基材シートに貼り合わせられる。貼り合わせの時点で、パッチのシリコーン処理されていない部分と基材シートとの間の結合は永続的となる。カードのシリコーン処理された部分と接着剤との間の結合は除去可能である。貼り合わせの直後に、オープン・タイムは終了する。その後、カードはパッチから打ち抜かれる。カードは、シリコーンのすぐ上の領域から切り離される(図5B参照)。シリコーンと接着剤との間の除去可能な結合は、エンド・ユーザがカードを取り除くまでカードを定位置で維持する。カードが取り除かれた場合、接着剤はタック性がないことに留意されたい。ステルス・タイおよび/またはレギュラー・タイを使用して、カードと基材シートとの間の結合を強化することができる。
【0120】
このプロセスによって、以下の両面感熱紙のすべての利点を備えた用紙/カードの組合せが作成される。
単純で頑強なプリンタ。結果として修理サービスの電話が減少し、ジャムが減少し、消耗品が1つのみである。
最初の印刷までが迅速である。
片面感熱紙に比べて印刷速度が2倍である。
消耗品に関するコストが減少する。
【0121】
このプロセスは、いくつかの望ましい特徴を有する。基材シートおよびカード用の材料選択はもはや連携されていない。これにより、従来の用紙/カードの組合せに比べて、より経済的な基材シート材料を使用することができる。
【0122】
基材シートおよびカードの材料を無関係に選択することで、カードに特殊な媒体を使用することができる。例えば、カードに写真品質の用紙を使用して、用紙/カードの組合せを作成することができる。これにより、写真識別の用途に対する用紙/カードの組合せの作成が容易になる。カラーの直接感熱紙から用紙/カードの組合せ全体を作成する場合は、さらに費用がかかることになる。
【0123】
基材シートのキャリパを減らすことで、用紙/カードの組合せの最終的な質量が減少する。これにより、郵送コストが削減される。
【0124】
非粘着剤を使用することで、粘着剤に比べて、プリンタ内での接着剤の堆積を減少させることができる。
【0125】
図5Aは、フレキソ印刷機から離れた際のパッチ材料の3つの例示的な反復を示す。破線領域は、媒体ウェブの裏面上のシリコーンを表す。ウェブを通してシリコーンが示されていることに留意されたい。登録マークもウェブを通して示されている。ロゴ(例えば、NCRロゴ)は、ウェブの前面上にある。
【0126】
図5Bは、用紙/カードの組合せの例を示す。上部は、用紙/カードの組合せを前面から見た図である。下部は、カードの中央を通して見た断面図である。カードの下の領域は、シリコーン剥離層を表す。シリコーンの下の領域は接着層を表す。この用紙/カードの組合せは、タイと共に示されている。タイはオプションである。
【0127】
図5Cは、パッチと基材シートを組み合わせるために使用されるプロセスの例を示す。この図に示されたマシンも、カードを打抜き、用紙/カードの組合せをシート状にする。
【0128】
両面感熱宝くじ券または他の文書に関するセキュリティ文字
セキュリティ番号または文字を、宝くじ券または他の文書などの両面熱印刷媒体要素の片面または両面に印刷することができる。宝くじ業界では、ボンド紙チケットを使用する取引印刷から、直接感熱チケットを使用する取引印刷へと遷移してきている。従来は、宝くじ券およびセキュア・チケット発行の用途では、効果的なセキュリティ・コントロール、事前に印刷されたセキュリティ機能、並びに、当たり券を妥当性検査および認証するように設計された厳密なセキュリティ方法が必要であった。
【0129】
ボンド紙および片面直接感熱紙チケットの両方に使用されてきた重要なセキュリティ機能の1つが、連番の使用である。連番は、チケット変換器によって、他のセキュリティ・インク/機能と共に事前に印刷するか、または宝くじ券プリンタによって生成することができる。
【0130】
事前に印刷された連番は、ボンドまたは直接感熱チケットのいずれかに塗布することができ、現在は容易に使用することができる。宝くじシステム・プロトコルおよび変数印刷セキュリティ・プログラムに依存して、連番を宝くじ券プリンタによって印刷することもできる。既存の片面感熱技術を使用して、チケット・プリンタによって塗布される連番は、文書の片面に限定される。
【0131】
典型的には、連番は、数字または英数字、連続するバーコード番号、係数番号、ゴシック番号、MICR番号、OCR番号、CMC7番号、2D連続バーコード、またはこれらいくつかの番号付けシステムの組合せからなる。
【0132】
宝くじ券プリンタによって生成される連番は、固有のセキュリティ・レベルを提供する。宝くじ券に印刷される番号は、取引の日付およびチケット選択情報などの特定チケットの詳細と共に、データベースに格納することができる。このデータを再度呼び出して、「当たり」を請求するために提示された物理的なチケットと比較することができる。次に、チケットの妥当性を確認することができる。これは、チケットの妥当性を検査するための有効なシステムであるが、完全なまたは絶対に間違いのないシステムではない。熱によって画像形成された番号の損傷または劣化が発生する場合がある。番号の変更が不正行為またはアクシデントのいずれによるものであっても、法的な時間のかかる請求および争議が生じる場合がある。
【0133】
両面感熱紙の導入により、チケットの偽造防止およびチケットの妥当性検査における他の問題に対処することができる。両面感熱チケット・プリンタによって生成されるチケット取引には、チケットの両面上の固有の制御番号セットを割り当てることができる。チケットの片面に損傷または変更が生じた場合、他方の面に塗布された番号を妥当性検査に使用することができる。以下に列挙されるようなセキュリティ・インクをチケット・プリンタによって生成される連番と組み合わせて、追加のセキュリティ・レベルを提供することができる。
【0134】
この2重の番号概念の他の変形例では、2つの完全にリンクされた連番を有することになる。このセキュリティ機能では、文書の妥当性検査のために固有の識別子を作成する。図6の例を参照されたい。
【0135】
事前印刷のためのセキュリティ・インクの例
近赤外線蛍光
近赤外線スペクトルの光にさらされた場合には検出することができるが、肉眼では不可視の、(感熱基材内などの)インク、コーティング、または材料。写真複写は不可能であり、複製は困難であり、再使用可能であるが、検出装置が必要である。
【0136】
透かし
人工の透かし模様を生成するために使用される白色または透明のインク。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0137】
UV蛍光
短距離または長距離のUV光、あるいはその両方の下で蛍光するインクまたはコーティング。通常、肉眼では不可視である。写真複写は不可能であり、再使用可能である。
【0138】
印刷パターン
両面感熱紙の片面または両面に事前に印刷される固有の背景またはデザイン。このデザインは肉眼で見ることができるが、画像を復号するためのキーが必要である。再使用可能であり、デザインの複雑さによって再生は困難な場合がある。
【0139】
要約すると、この数値/データ・セキュリティと組み合わされた両面感熱紙の発明により、追加レベルのセキュリティおよび文書の妥当性検査を提供することによって、宝くじ券業界にある種のソリューションを提供することができる。
【0140】
両面英数字シーケンスの例は、図6に示される。
【0141】
前述の説明では、本開示を簡素化するために、種々の機能が1つの実施形態にまとめられている。同様に、過度の繰り返しを避けるために、種々の機能が1つの実施形態のみに関して説明されている。本開示の方法は、特許請求した実施形態が、各請求項に明確に記載された特徴よりも多いかまたは少ない特徴を有することを反映するものとして解釈されることはない。むしろ、添付の特許請求の範囲で反映されるように、発明の主題は、1つの開示された実施形態のすべての特徴よりも多いかまたは少ない特徴にある。それ故、添付の特許請求の範囲は、実施形態の説明に組み込まれ、各請求項は別々の例示的実施形態として独立している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面および第2の面を有する第1の基材と、
第1の面および第2の面を有する第2の基材と、
を備え、
前記第1の基材および前記第2の基材の両方が、その少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第1の基材の前記第2の面が、前記第2の基材の前記第2の面に剥離可能に付着される両面2重直接熱画像要素。
【請求項2】
前記第1の基材が、その前記第2の面上に感熱コーティングをさらに含む、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項3】
前記第2の基材が、その前記第2の面上に感熱コーティングをさらに含む、請求項2に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項4】
前記第1の基材の前記第2の面に関連付けられている第1の接着剤をさらに備え、
前記第1の基材の前記第2の面が、前記第1の接着剤を介して前記第2の基材の前記第2の面に剥離可能に付着される、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項5】
前記第2の基材の前記第2の面に関連付けられている剥離層をさらに備え、
前記剥離層が、前記第2の基材の前記第2の面からの前記第1の基材の前記第2の面の剥離を容易にする、請求項4に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項6】
前記第2の基材の前記第2の面に関連付けられている第2の接着剤と、
前記第1および第2の接着剤の間に配置されている剥離ライナーと、
をさらに備え、
前記第1の基材の前記第2の面が、前記剥離ライナーを介して前記第2の基材の前記第2の面に除去可能に付着される、請求項4に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項7】
第1の情報が前記第1の基材の前記第1の面上に熱印刷され、第2の情報が前記第2の基材の前記第1の面上に熱印刷される、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項8】
前記第1および第2の情報が、販売者対顧客の取引情報を含む、請求項7に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項9】
前記第1の基材が、前記販売者対顧客の取引の顧客レシートを備え、前記第2の基材が、前記販売者対顧客の取引の販売者レシートを備える、請求項8に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項10】
前記第1の基材が、前記顧客への引き渡しのために前記第2の基材から引き離され、前記第2の基材が、前記販売者への引き渡しのために前記第1の基材から引き離される、請求項9に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項11】
前記第1の基材が、両面ダイレクト・サーマル・プリンタによって前記第2の基材から引き離される、請求項10に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項12】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタが、POS端末に関連付けられる、請求項11に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項13】
前記第1の基材の前記第1の面の少なくともある領域上に隠し印刷をさらに備え、前記両面2重直接熱画像要素の前記領域が画像形成された場合、前記隠し印刷が見えるようになる、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項14】
第1の面および第2の面を有する第1の基材と、第1の面および第2の面を有する第2の基材とを備える両面2重直接熱取引レシートを生成する方法であって、前記第1の基材および前記第2の基材の両方が、その少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第1の基材の前記第2の面が、前記第2の基材の前記第2の面に剥離可能に付着され、
前記第1の基材の前記第1の面上に第1の情報を熱印刷するステップと、
前記第2の基材の前記第1の面上に第2の情報を熱印刷するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記第1および前記第2の情報が、販売者対顧客取引情報を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の基材を前記第2の基材から引き離すステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の基材を前記顧客に引き渡すステップと、
前記第2の基材を前記販売者に引き渡すステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記両面2重直接熱取引レシートの前記第1の基材が、その前記第2の面上に感熱コーティングをさらに含み、
前記第1の基材の前記第2の面上に第3の情報を熱印刷するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および前記第2の情報が、販売者対顧客の取引情報を含み、前記第3の情報が、クーポン、コンテスト、および広告の情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1および前記第2の情報が、両面ダイレクト・サーマル・プリンタによって熱印刷される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタによって、前記第2の基材から前記第1の基材を引き離すステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタが、POSシステムに関連付けられる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタが、販売者によって動作されるポータブル・プリンタを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項1】
第1の面および第2の面を有する第1の基材と、
第1の面および第2の面を有する第2の基材と、
を備え、
前記第1の基材および前記第2の基材の両方が、その少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第1の基材の前記第2の面が、前記第2の基材の前記第2の面に剥離可能に付着される両面2重直接熱画像要素。
【請求項2】
前記第1の基材が、その前記第2の面上に感熱コーティングをさらに含む、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項3】
前記第2の基材が、その前記第2の面上に感熱コーティングをさらに含む、請求項2に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項4】
前記第1の基材の前記第2の面に関連付けられている第1の接着剤をさらに備え、
前記第1の基材の前記第2の面が、前記第1の接着剤を介して前記第2の基材の前記第2の面に剥離可能に付着される、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項5】
前記第2の基材の前記第2の面に関連付けられている剥離層をさらに備え、
前記剥離層が、前記第2の基材の前記第2の面からの前記第1の基材の前記第2の面の剥離を容易にする、請求項4に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項6】
前記第2の基材の前記第2の面に関連付けられている第2の接着剤と、
前記第1および第2の接着剤の間に配置されている剥離ライナーと、
をさらに備え、
前記第1の基材の前記第2の面が、前記剥離ライナーを介して前記第2の基材の前記第2の面に除去可能に付着される、請求項4に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項7】
第1の情報が前記第1の基材の前記第1の面上に熱印刷され、第2の情報が前記第2の基材の前記第1の面上に熱印刷される、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項8】
前記第1および第2の情報が、販売者対顧客の取引情報を含む、請求項7に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項9】
前記第1の基材が、前記販売者対顧客の取引の顧客レシートを備え、前記第2の基材が、前記販売者対顧客の取引の販売者レシートを備える、請求項8に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項10】
前記第1の基材が、前記顧客への引き渡しのために前記第2の基材から引き離され、前記第2の基材が、前記販売者への引き渡しのために前記第1の基材から引き離される、請求項9に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項11】
前記第1の基材が、両面ダイレクト・サーマル・プリンタによって前記第2の基材から引き離される、請求項10に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項12】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタが、POS端末に関連付けられる、請求項11に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項13】
前記第1の基材の前記第1の面の少なくともある領域上に隠し印刷をさらに備え、前記両面2重直接熱画像要素の前記領域が画像形成された場合、前記隠し印刷が見えるようになる、請求項1に記載の両面2重直接熱画像要素。
【請求項14】
第1の面および第2の面を有する第1の基材と、第1の面および第2の面を有する第2の基材とを備える両面2重直接熱取引レシートを生成する方法であって、前記第1の基材および前記第2の基材の両方が、その少なくとも第1の面上に感熱コーティングを含み、前記第1の基材の前記第2の面が、前記第2の基材の前記第2の面に剥離可能に付着され、
前記第1の基材の前記第1の面上に第1の情報を熱印刷するステップと、
前記第2の基材の前記第1の面上に第2の情報を熱印刷するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記第1および前記第2の情報が、販売者対顧客取引情報を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の基材を前記第2の基材から引き離すステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の基材を前記顧客に引き渡すステップと、
前記第2の基材を前記販売者に引き渡すステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記両面2重直接熱取引レシートの前記第1の基材が、その前記第2の面上に感熱コーティングをさらに含み、
前記第1の基材の前記第2の面上に第3の情報を熱印刷するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および前記第2の情報が、販売者対顧客の取引情報を含み、前記第3の情報が、クーポン、コンテスト、および広告の情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1および前記第2の情報が、両面ダイレクト・サーマル・プリンタによって熱印刷される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタによって、前記第2の基材から前記第1の基材を引き離すステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタが、POSシステムに関連付けられる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記両面ダイレクト・サーマル・プリンタが、販売者によって動作されるポータブル・プリンタを備える、請求項20に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【公表番号】特表2010−520094(P2010−520094A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552267(P2009−552267)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000725
【国際公開番号】WO2008/107662
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000725
【国際公開番号】WO2008/107662
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】
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