説明

並列プロセスを実行する装置および方法

本発明の実施形態は、並列プロセスを実行する装置および方法を指向する。本発明の1つの実施形態は、各ステップが容器13a〜13f内で流体を図示のように前記容器に通して流すことによって実行される複数のステップを有するプロセスを実行する装置を指向する。プロセスのステップは、少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備える。後続ステップの少なくとも1つは最終ステップであり、各ステップは、その実行に関連する時間、つまりステップ期間を有する。少なくとも1つのステップは最長ステップ期間を有し、ステップの合計数に最長ステップ期間を掛けた値がプロセス期間に等しい。装置は複数の容器13a〜13fを備える。複数の容器はそれぞれ、プロセスの全ステップをプロセス期間内に順番に実行するものであり、複数の容器はそれぞれ、プロセスの各ステップを最長ステップ期間内に実行するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2003年6月6日に出願され、連番第60/476,750号で「Parallel Extraction System for High Throughput Analysis in a Liquid Chromatography/Mass Spectrometry System」と題した米国特許仮出願の一部継続出願である。
【0002】
本出願は、並列でプロセスを実行する装置および方法に関する。本発明の実施形態は、薬物または他の対象組成のサンプルを検出器器具で分析することに特に有用性を有し、効率を最大にするために検出器を通る処理済みサンプルの連続的な流れを有することが望ましい。
【背景技術】
【0003】
多くの技術分野が、新しい材料を形成するか、内容または組成を求めるために処理する必要がある多数のサンプルに直面している。その内容または組成および量を求める定量および定性分析は、厄介な作業であった。分析の性質は、高価な検出技術の使用を必要とすることが多い。
【0004】
本書で使用する「検出器」という用語は、組成の有無に応答して信号を生成する器具を指す。典型的な検出器は、例示により、質量分析計、光学センサ、例えばラモン検出器、光散乱検出器、蛍光検出器、化学発光分析器、吸光度検出器、光屈折率検出器、電気化学検出器、粘度検出器、核磁気共鳴検出器の範疇にあるが、これに限定されない。
【0005】
これらの検出器は、購入し、操作するには費用がかかることがある。したがって、結果を得ることが望ましいサンプル間の間隔が最短の状態で検出器を常に使用することが望ましい。
【0006】
「サンプル」という用語は、処理するために受け取る任意の材料を指すのに使用される。臨床状況では、サンプルは生物学的流体または組織を備えてよい。「分析物」という用語は、サンプル中に潜在的に存在する対象組成を意味するのに使用される。
【0007】
「クロマトグラフィ」という用語は、親和力または吸着性の差に基づく化合物の分離を指す。クロマトグラフィでは、化合物を気体、液体または超臨界流体の溶液中に保持する。化合物が溶解した溶液は「溶媒」として知られる。溶解した化合物は、溶解していない媒体に対して吸着性または親和力の差を呈する。この媒体は所定の位置に、溶解した化合物を保持する溶液の流れに対して静止状態で保持される。
【0008】
クロマトグラフィは、一般的な研究道具であり、様々な検出技術で分析用サンプルを処理するために使用することができる。クロマトグラフィは、抽出技術のように、サンプルから多くの化合物を大雑把に分離するために使用することができる。クロマトグラフィは、分子の構造および機能のわずかな変化が、固定化(immobilized)した媒体に対する化合物の親和力を変更する細かい分離技術としても使用することができる。密接な関係がある化合物、例えば薬品と薬品代謝産物とは効果的に分離することができる。
【0009】
クロマトグラフィは、例えば96ウェル抽出プレートなどのウェル状器具のような開放型システム、または閉鎖型システムで実行することができる。クロマトグラフィのカラムおよびカートリッジは閉鎖型システムの例である。器具は通常、化合物が吸着するシリカまたは重合体粒子のような不動態化媒体のパッキングを有する。サンプルは媒体および媒体に吸着する化合物を通って流される。サンプルを媒体に最初に流すことを「ローディング(loading)」と呼ぶ。潜在的な対象化合物を除去することは、「溶離」として知られる。溶離は、往々にして溶剤の組成を変化させることによって実行される。サンプルを受け取る媒体を準備することは、「調整」として知られる。媒体への次のサンプルのローディングを可能にするために媒体から以前のサンプルを確実に除去することは、「洗浄」として知られる。
【0010】
これらのローディング、調整、洗浄などのステップは、時間がかかる。これらのステップは、手作業で実行するには具合が悪い。抽出を実行する装置と連結された検出器がある場合、機器は、意味ある結果が生成されない有意の時間を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
並列プロセスを実行する装置および方法が望ましい。特に分析分野では、手作業の介入なしに検出する状態で、抽出ステップを閉鎖型システムにて、分離ステップを閉鎖型システムにて実行することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態は、並列プロセスを実行する装置および方法を指向する。本発明の1つの実施形態は、各ステップを容器内で、容器を通して流体を流すことによって実行する複数のステップを有するプロセスを実行する装置を指向する。プロセスのステップは、少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備える。後続ステップのうち少なくとも1つは最終ステップであり、各ステップは、その性能に関連する時間、つまりステップ期間を有する。少なくとも1つのステップは最長ステップ期間を有し、ステップの合計数に最長ステップ期間を掛けた値がプロセス期間と等しい。装置は複数の容器を備える。複数の容器はそれぞれ、プロセスの全ステップをプロセス期間中に順次実行するものであり、複数の容器はそれぞれ、プロセスの各ステップを最長ステップ期間で実行するものである。容器はそれぞれ、流体を受け取る入口、および流体を放出する出口を有する。
【0013】
装置はさらに、複数の容器それぞれの入口と連絡し、複数の容器それぞれの出口と連絡する弁手段を備える。弁手段は、プロセスのステップに対応する流体を複数の容器それぞれの入口に配置するために、複数の流体源と連絡した状態で配置可能であり、前記容器それぞれの出口から流体を受け取り、前記容器それぞれがプロセスの全ての前記ステップを順番に実行できるようにし、前記ステップのそれぞれを全ての前記容器内で前記最長ステップ期間内に実行できるようにする。弁手段は、放出流体を受け取るために各出口に少なくとも1つの流出導管を有する。弁手段は、制御手段からの1つまたは複数の信号に応答して、プロセスのステップ毎に流体を複数の流体源のうち少なくとも1つから容器に通して、流出導管内へと配向する。
【0014】
装置はさらに、弁手段と連絡し、最長期間を判断する手段を有する制御手段を備える。制御手段は、1つまたは複数の信号を弁手段に送信して、プロセスを複数の容器にて同時かつ順番に実行し、ここで1つ以下の容器が任意のステップ期間中に最終ステップを終了する。
【0015】
装置は、抽出プロセスまたは分析分離プロセスまたはその両方を複数の段階で実行するのに理想的に適している。例示により、1つの実施形態は、抽出プロセスを実行する第1段階を特徴とする。第1段階は、分離器具または検出器と連絡する分析導管である少なくとも1つの流出導管を有する。分析分離相は複数のステップも含んでよいことが当業者には認識される。本発明の1つの実施形態は、分析分離を実行する第2段階を特徴とする。
【0016】
検出器は、質量分析計、光学センサ、例えばラモン検出器、光散乱検出器、蛍光検出器、化学発光分析器、吸光度検出器、光屈折率検出器、電気化学検出器、粘度検出器、核磁気共鳴検出器を備える検出器のグループから選択される。これらの検出器タイプの多くは、入手し、操作するには費用がかかる。本発明では、望ましい信号に関係ない流体を放出し、検出器が分析にとって望ましい流体を受け取ることに集中することができる。
【0017】
弁手段は、サンプルを容器内に配置するために少なくとも1つの流体源と流体連絡することが好ましい。サンプルを容器内に配置するために好ましい流体源はインジェクタである。好ましいインジェクタである自動サンプラは、サンプルを受け取り、サンプルを流体の流れに噴射する自動化したアセンブリとして市販されている。
【0018】
抽出プロセスを実行する装置は、抽出カラムまたはカートリッジのような閉鎖型容器を有することが好ましい。好ましい抽出カラムまたはカートリッジは、25ミクロン以下の粒子の重合体パッキング媒体、および約2.0から3.0の内径を有する。分析分離を実行する装置は、分析分離カラムを有することが好ましい。好ましい分析分離カラムは、分離する必要がある化合物の性質によって決定される。
【0019】
好ましい制御手段は、ファームウェアまたはソフトウェアによってプログラムされたコンピュータ処理ユニットである。最長期間は、全プロセスを終了するのに予想される時間をプログラムすることによって、または1つのステップまたは全ステップがいつ終了したかを判断する1つまたは複数の検出器によって設定される。
【0020】
装置は起動手順を有することが好ましい。1つの実施形態では、制御手段は、複数の容器から少なくとも1つの第1容器が選択される開始シーケンスを有するが、第1容器は全容器ではない。制御手段は、弁手段に指示して、流体を第1容器内へと配向し、最長ステップ期間を越えない初期ステップ期間中に第1ステップを実行する。初期ステップ期間の後、複数の容器から後続容器が選択されるが、この後続容器は全容器ではなく、以前に選択された容器でもない。制御手段は、弁手段に指示して、流体を後続容器内に配向し、最長ステップ期間を越えない後続初期ステップ期間中に第1ステップを実行する。さらに、制御手段は、弁手段に指示して、流体を第1容器内へ配向し、先行ステップ期間に実行されなかった後続ステップを実行する。
【0021】
装置は、弁手段と連絡する1つまたは複数のポンプを有することが好ましい。ポンプは、1つまたは複数の流体源と連絡した状態で配置される。「流体源」という用語は、他のプロセスからの流体、またはバルクコンテナなどに入った流体を示唆するために広義に使用される。クロマトグラフィ用途における溶液の使用はよく知られている。さらに、流出導管の少なくとも1つが、使用済み流体の適切な取り扱いを容易にするために、廃棄物コンテナと連絡できることが好ましい。
【0022】
クロマトグラフィプロセスにおける典型的なステップは、ローディング、溶離、洗浄、再調整、および傾斜溶離である。本発明の実施形態によって、手作業の介入がほとんど、または全くない状態で、これらのステップを閉鎖型システム内にて実行することができる。
【0023】
本発明のさらなる実施形態は方法を特徴とする。方法は、複数のステップを有するプロセスを実行し、各ステップは、容器内で容器を通して流体を流すことによって実行される。ステップは、少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備える。後続ステップのうち少なくとも1つは最終ステップである。各ステップはステップ期間を有し、少なくとも1つのステップは最長ステップ期間を有する。ステップの合計数に最長ステップ期間を掛けた値がプロセス期間に等しい。方法は、複数の容器を有する装置を提供する工程を有する。複数の容器はそれぞれ、プロセスの全ステップをプロセス期間中に順番に実行するものであり、複数の容器はそれぞれ、プロセスの各ステップを最長ステップ期間で実行するものである。容器はそれぞれ、流体を受け取る入口、および流体を放出する出口を有する。
【0024】
装置はさらに、複数の容器それぞれの入口と連絡し、複数の容器それぞれの出口と連絡する弁手段を有する。弁手段は、プロセスのステップに対応する流体を複数の容器それぞれの入口に配置し、容器それぞれの出口から流体を受け取るために、複数の流体源と連絡した状態で配置することができる。弁手段によって、容器はそれぞれプロセスの全ステップを順番に、および全容器の各ステップを最長ステップ期間で実行することができる。弁手段は、放出流体を受け取るために各出口に少なくとも1つの流出導管を有する。弁手段は、制御手段からの1つまたは複数の信号に応答して、プロセスのステップ毎に流体を複数の流体源から容器に通して、流出導管内へと配向する。
【0025】
装置はさらに、弁手段と連絡し、最長期間を判断する手段を有する制御手段を備える。制御手段は、1つまたは複数の信号を弁手段に送信して、プロセスを複数の容器にて同時かつ順番に実行し、ここで1つ以下の容器が任意のステップ期間中に最終ステップを終了する。
【0026】
方法はさらに、複数の容器でプロセスを同時かつ順番に実行するために、複数の容器、弁手段および制御手段を備えた装置を操作する工程を含み、ここで1つ以下の容器が任意のステップ期間中に最終ステップを終了する。
【0027】
方法は、抽出プロセスまたは分析分離プロセスまたはその両方であることが好ましい。方法は、抽出プロセスが実行される第1段階、および分析分離が実行される第2段階を備える段階で実行されることが好ましい。このような状況では、装置は、第2段階流体源としての第2段階の弁手段と連絡する第1段階の少なくとも1つの流出導管を有し、第2段階の少なくとも1つの流体導管は検出器と連絡する。最長期間とは、第1段階および第2段階の両方のうちで最長の時間がかかるステップの期間である。
【0028】
各プロセスのステップは並列で実行され、1つまたは複数のステップによって相殺される。各段階は同時に実行される。したがって、本発明の実施形態は、検出器がサンプルに関連する流体を受け取る間に、洗浄および調整のステップを実行可能にすることによって、検出器を通るサンプルの処理を最大限にする。本発明は、閉鎖型の自動化したシステム内でサンプルの処理を可能にし、環境、使用者およびオペレータによるエラーおよび変動を排除する。
【0029】
以上およびその他の特徴および利点は、図面および以下の詳細な説明から明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施形態について、図に関して本明細書で説明し、説明および図は、抽出および分析分離器具および方法を示す。本発明の特徴は、化学分析を超えた用途を有し、本発明はこのように制限されるべきではないことが認識される。例示により、本発明の実施形態は、診断、産業プロセスの監視および分析、さらに他の用途にも有用性を有するが、これに限定されない。
【0031】
本発明の特徴を実現する装置は、全体的に数字11で指示され、図1のブロック図の形態で図示されている。装置11は以下の主要構成要素を有する。つまり複数の容器13a〜f、弁15、および制御手段17である。装置11は、複数のステップを有するプロセスを実行するものである。各ステップは、容器を通して流体を流すことによって容器13a〜fのような容器内で実行される。ステップは、少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備え、後続ステップの少なくとも1つは最終ステップである。各ステップは、その終了に関連する時間、つまりステップ期間を有する。少なくとも1つのステップが最長ステップ期間を有し、ステップの合計数に最長ステップ期間を掛けた値はプロセス期間となる。
【0032】
好ましいプロセスは抽出プロセスである。1つの典型的な抽出プロセスは、サンプルをカラムにローディングするステップ、望ましくない材料を除去するためにカラムを洗浄するステップ、カラムから1つまたは複数の望ましい化合物を溶離するステップ、および次のステップのためにカラムを再調整するステップを備える。カラムを洗浄するステップおよび再調整するステップは、所望に応じて繰り返すことができる。本明細書の考察では、プロセスは3つの洗浄ステップ、つまり洗浄1、洗浄2および洗浄3を有する。
【0033】
次に図2を参照すると、1つの好ましいプロセス、つまり抽出プロセスが容器13aに関連する線に関して描かれている。プロセスは、ステップ期間1のローディングステップ、ステップ期間2の洗浄1ステップ、ステップ期間3の洗浄2ステップ、ステップ期間4の洗浄3ステップ、ステップ期間5の溶離ステップ、ステップ期間6の再調整ステップを備える。この例では、最終ステップは再調整ステップである。これらのステップはそれぞれ、その終了に関連する時間を有し、少なくとも1つのステップは最長終了時間を有する。全ステップは、この最長時間内に終了することができる。この例では6であるステップの合計数に最長ステップ期間に関連する時間を掛けた値が、プロセス期間に等しい。
【0034】
このプロセスは、96ウェルプレート形式の開放型容器で使用する抽出プロセスに類似している。96ウェルプレート形式は、等しい6つのステップ、つまりステップ期間1のローディングステップ、ステップ期間2の洗浄1ステップ、ステップ期間3の洗浄2ステップ、ステップ期間4の洗浄3ステップ、ステップ期間5の溶離ステップ、ステップ期間6の再調整ステップを有する。
【0035】
次に図1に戻ると、装置11は複数の容器13a〜fを有する。容器13a〜fはそれぞれ、プロセスの全ステップをプロセス期間内で順番に実行するものである。容器13a〜fはそれぞれ、プロセスの各ステップを最長ステップ期間内に実行するものである。好ましい容器13a〜fはクロマトグラフィカラムまたはカートリッジである。クロマトグラフィカラムまたはカートリッジは当技術分野でよく知られ、単純にする目的で詳細には図示されていない。典型的なクロマトグラフィカラムまたはカートリッジは、流体を受け取る入口、および流体を放出する出口を有する。これらのカラムおよびカートリッジは、導管で受ける取付具を有する。
【0036】
特に有利なクロマトグラフィカートリッジは、25ミクロンの粒子が充填され(packed)、2.1ミリメートル×20ミリメートルの寸法を有するOASIS(登録商標)HLB抽出カートリッジである。特に有利なクロマトグラフィカラムは、20ミクロンの粒子が充填され、2.0ミリメートル×15ミリメートルの寸法を有するOASIS(登録商標)HLB抽出カラムである。これらのカラムおよびカートリッジは、ほとんど、または全く処理されていないサンプルで高速流状態にて抽出プロセスを実行可能である。例えば、無制限に、このようなカートリッジおよびカラムは血漿を処理可能である。
【0037】
弁手段15は、直接接続によって、または導管によって弁13a〜fそれぞれの入口と連絡し、弁13a〜fそれぞれの出口と連絡する。導管は当技術分野でよく知られ、図示されているが、単純にする目的で数字の指定によっては別個に識別されていない。典型的な導管は、カラムまたはカートリッジの取付具および弁手段15に対して適切にサイズを決定された可撓性のステンレス鋼管である。
【0038】
弁手段15は、プロセスのステップに対応する流体を容器13a〜fそれぞれの入口に配置するために、ポンプ21a〜eによって表される複数の流体源と連絡した状態で配置することができる。ポンプ21a〜fは当技術分野でよく知られ、一般的に1つまたは複数の溶剤および溶液を含むバルクコンテナに配管される。好ましいポンプはWaters(登録商標)515ポンプである。
【0039】
弁手段15は、弁13a〜fそれぞれの出口と連絡する。したがって、容器13a〜fは流体を受け取り、プロセスの全ステップを順番に実行する。さらに、容器は流体を受け取り、各ステップを最長ステップ期間で実行する。弁手段15は、排出流体を受け取るために、出口毎に少なくとも1つの流出導管を有し、その2つ、流出導管25aおよび25bが図示される。25aおよび25b以外の流出導管を通して放出される流体は、当技術分野で知られている方法で廃棄物へと配向される。
【0040】
弁手段15は、制御手段17からの1つまたは複数の信号に応答して、プロセスのステップ毎に流体を複数の流体源21a〜eから弁13a〜fに通して流出導管内へと配向する。好ましい弁手段15は、LabPRO(商標)(Rheodyne,Rohnert Park,CA,USA)およびWaters(商標)Column SelectorおよびWater(商標)Switching Valve(Waters Corporation,Milford,MA,USA)として販売されているような6および10個ポートの弁である。図1で図示した装置11では、合計で18の弁が必要である。
【0041】
制御手段17は弁手段15と連絡する。つまり、制御手段17は1つまたは複数の信号を生成し、信号は弁手段15によって受信され、容器13a〜fとポンプ21a〜eまたは流出導管25aおよび25bおよび図示されていない導管との接続を開閉したり変更したりする。
【0042】
制御手段17は、一般的にパーソナルコンピュータに組み込まれているコンピュータ処理ユニットであることが好ましい。制御手段17は、計器制御ソフトウェアおよびデータ管理ソフトウェアを有することが好ましい。好ましいソフトウェアはWaters(商標)EMPOWERまたはWater(商標)MASSLINXソフトウェア(Waters Corporation,Milford,MA,USA)である。制御手段は、最長期間を決定する手段を有する。最長期間を決定する手段は、当業者によって経験的に決定され、制御手段17のソフトウェアプログラムにプログラムすることができる。代替例では、装置11は終了するために重要なステップを監視する検出器(図示せず)を有してよい。
【0043】
制御手段17は、1つまたは複数の信号を弁手段15に送信して、容器13内で同時および順番にプロセスを実行し、1つ以下の容器が任意のステップ期間で最終ステップを終了する。
【0044】
例示により、無制限で、次に図2を参照すると、容器13a〜fは抽出プロセスを実行する。6つの容器13a〜fを使用する6ステップのプロセスでは、任意のステップ期間に1つの容器しかプロセスを終了しない。各容器13a〜fは、異なるステップ期間にプロセスを開始する。
【0045】
装置11は、記載されたように抽出プロセスを、または分析分離プロセスまたはその両方を実行することが好ましい。図示のように、装置11は、容器13a〜fを備える第1段階によって抽出プロセスを、第2段階で分析分離プロセスを実行する。
【0046】
第2段階、つまり分析分離プロセスは、ステップ期間1のローディングステップ、ステップ期間2の溶離ステップ、およびステップ期間3の再調整ステップを備える。この例では、最終ステップは再調整ステップである。これらのステップはそれぞれ、その終了に関連する時間を有し、少なくとも1つのステップは、最長終了時間を有する。全ステップはこの最長時間内に終了することができる。この例では3であるステップの合計数に、最長ステップ期間に関連する時間を掛けた値は、分析分離プロセスのプロセス期間に等しい。第1段階と第2段階のステップ数は等しいか、相互の整数倍であることが好ましく、したがって残りがない状態で、第1段階のプロセスステップを第2段階のプロセスステップと一致させることができる。
【0047】
第2段階、つまり分析分離プロセスは第1段階と同時に実行される。最長ステップ期間は、第1段階の最長終了時間を有するステップ期間を、第2段階の最長終了時間を有するステップ期間と比較することによって決定される。第2段階のステップは、第1段階のステップと重ね合わされ、したがって第2段階のプロセスは、溶離ステップを有する図2で示すように、第1段階のステップ期間5で開始する。
【0048】
装置11は、分析分離プロセスを実行するために複数の容器33aおよび33bを有する。各分析分離プロセスステップは、流体を容器に通して流すことによって、容器33aおよび33bのような容器内で実行される。ステップは、少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備え、後続ステップのうち少なくとも1つは最終ステップである。各ステップは、終了に関連する時間、つまりステップ期間を有する。第1段階および第2段階の少なくとも1つのステップは、最長ステップ期間を有する。第2段階のステップの合計数に最長ステップ期間を掛けた値は、第2段階プロセス期間となる。図示のように、これより少なくステップを有する第2段階は、抽出プロセス段階のプロセス期間内で2回実行することができる。第2段階に同じ量の時間がかかる場合は、容器33の数を増加したいと考える可能性が非常に高い。第2段階が第1段階より長くかかる場合は、容器13より容器33の数を多くすることができる。
【0049】
図示のように、分離容器33aおよび33bは、導管25a’および25b’を介して弁手段15’と連絡する。弁手段15’は、さらなる導管27を介して検出器35と流体連絡する。この検討のために、検出器35は質量分析計である。しかし、検出器は選択の問題である。例示により無制限で、検出器35は光学センサ、電気化学センサ、核磁気共鳴検出器を備えることができる。
【0050】
検出ステップは、ある期間実行される。検出ステップが最長ステップである場合、検出ステップは、他の全ステップが実行されるステップになる。本発明の実施形態は、検出器へと流れる流体を制御し、分離容器25aおよび25bによって表されたタイプの分離容器からの所望の流体の流れに制限することによって、有意義な分析のために検出器を使用することを可能にする。
【0051】
図示のように、装置11は、サンプルを容器13aから13bに配置するために少なくとも1つの流体源21aと流体連絡する弁手段15を有する。サンプルインジェクタ37は、導管(数字の指定で識別せず)と連絡して、ポンプ21aを弁手段15に連結する。好ましいサンプルインジェクタは、Waters Corporation(Milford,MA,USA)が販売するModel 2777 Autosamplerのような自動サンプラである。
【0052】
典型的な自動サンプラは、96ウェルプレートのような複数ウェルの器具内でサンプルを受け取る。好ましい制御手段17は、抽出ステップから分離ステップを通して検出までサンプルを監視し、このようなサンプル8に関連する値を記録することができるソフトウェアで操作される。好ましいソフトウェアはWaters Corporation(Milford,MA,USA)が販売するEmpower(登録商標)データおよび計器管理ソフトウェアである。
【0053】
次に図2を参照すると、制御手段17は、容器13aから13fのうち少なくとも1つの容器を選択する開始シーケンスを有する。この第1容器は、考察目的で本書では13aを指定し、全ての容器13aから13fではない。制御手段17は弁手段15に指示して、流体を選択された第1容器13aへと配向させ、最長ステップ期間を越えない初期ステップ期間中に第1ステップを実行する。
【0054】
初期ステップ期間の後、考察目的で本書では容器13bと指定される後続容器が選択される。この場合も、この後続容器13bは全ての容器13aから13fではなく、以前に選択した容器13aではない。制御手段は、弁手段15に指示して、流体を後続容器に配向させ、最長ステップ期間を越えない後続の初期ステップ期間中に第1ステップを実行する。また、制御手段15は、第1容器13a内の流体を配向して、先行するステップ期間中に実行されなかった後続ステップを実行する。このプロセスは、全容器13aから13fが選択されるまで繰り返される。次に、プロセスは自動化した方法で繰り返される。
【0055】
抽出プロセスが図2に図示され、容器13aから15によって実行される。プロセスは、少なくとも1つのローディングステップ、1つの溶離ステップ、少なくとも1つの洗浄ステップ、少なくとも1つの再調整ステップを有する。洗浄および再調整ステップは通常、廃棄流体を生成する。
【0056】
明快にする目的で、図1は、廃棄物コンテナと連絡する流出導管を図示していない。抽出器具13aから13fおよび分離器具33aおよび33bからの流れであり検出器35へと配向されない流体の流れは通常、廃棄物コンテナ(図示せず)に配向されることが、当業者には即座に認識される。
【0057】
溶離ステップは、制御手段17によって制御された弁手段15が、ポンプ21aから21eから選択された2つのポンプによって表される2つの源からの流体を、容器13aから13bおよび/または分離容器33aおよび33bへと配向する勾配によって実行することができる。
【0058】
本発明の使用は、複数のステップを有するプロセスを実行する方法の以下の説明によって実証される。各ステップは、流体を容器に通して流すことによって容器内で実行される。ステップは、少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備え、後続ステップの少なくとも1つは最終ステップを備える。各ステップは、少なくとも1つのステップが最長ステップ期間を有するステップ期間を有し、ステップの合計に最長ステップ期間を掛けた値がプロセス期間となる。方法は、抽出、分離および検出プロセスとして説明される。抽出ステップは第1段階で実行され、分離ステップは第2段階で実行され、検出ステップは第3段階で実行される。
【0059】
方法は、第1抽出相、第2分析分離相、および第3検出段階を含む分析プロセスを実行するために装置11を提供するステップを含む。抽出相、分析分離相および検出相はそれぞれ複数のステップを有し、各ステップは、流体を容器または検出器に通して流すことによって容器13aから13fまたは33aおよび33bまたは検出器(通常は容器の性質の閉鎖型システム)内で実行される。ステップは少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備え、後続ステップの少なくとも1つは最終ステップとなる。各ステップは、少なくとも1つのステップが最長ステップ期間を有するステップ期間を有し、ステップの合計数に最長ステップ期間を掛けた値はプロセス期間となる。
【0060】
装置11は、複数の容器13aから13fを有する第1段階を有する。複数の容器13aから13fはそれぞれ、図2で示した抽出プロセスの全ステップを順番に実行する。抽出プロセスのステップは、プロセス期間内で実行される。また、容器13aから13fはそれぞれ、最長ステップ期間内でプロセスの全ステップを実行する。典型的な期間は3分である。
【0061】
次に図1に戻ると、容器13aから13fはそれぞれ、流体を受け取る入口および流体を放出する出口を有する。流体を放出する出口は弁手段15に配管される。弁手段は、溶離ステップからの流体を第2段階の分析導管25aおよび25bに配向する。残りの流体は廃棄物(図示せず)へと配向される。
【0062】
装置11は、複数の容器33aおよび33bを有する第2段階を有する。複数の容器33aおよび33bはそれぞれ、分析分離プロセスの全ステップを順番に実行する。分析分離プロセスのステップは、プロセス期間内で実行される。また、容器33aおよび33bはそれぞれ最長ステップ期間内でプロセスの全ステップを実行する。
【0063】
容器33aおよび33bはそれぞれ、流体を受け取る入口および流体を放出する出口を有する。流体を放出する出口は弁手段15に配管される。弁手段は、分離ステップからの流体を第3段階の分析分離導管33aおよび33b、および検出器35へとつながる弁手段15’に配向する。残りの流体は廃棄物(図示せず)へと配向される。
【0064】
弁手段15および15”は、複数の容器13a〜fまたは25aおよび25bおよび検出器35のそれぞれの入口と連絡する。弁手段15は、複数の容器13aから13fおよび25aおよび25bのそれぞれの出口と連絡する。弁手段15は、プロセスのステップに対応する流体を複数の容器13aから13fおよび25aおよび25bのそれぞれの入口に配置するために、複数の流体源と連絡する状態で配置することができる。また、弁手段15は、容器13aから13fおよび25aおよび25bのそれぞれの出口から流体を受け取り、各容器が抽出プロセスおよび分離プロセスの全ステップをそれぞれ順番に実行することができる。弁手段は、ステップ毎にこのような流体を最長ステップ期間内で容器に入れる。弁手段15および15’は、制御手段17からの1つまたは複数の信号に応答して、プロセスのステップ毎に複数の流体源21aから21bおよび23aおよび23bからの流体を、容器13aから13fおよび25aおよび25bを通して流出導管内へと配向する。
【0065】
制御手段17は弁手段と連絡し、最長期間を決定する手段を有する。制御手段17は、1つまたは複数の信号を弁手段15に送信して、複数の容器13aから13fおよび25aおよび25bおよび検出器35内でプロセスを同時かつ順番に実行し、任意のステップ期間内では1つ以下の容器が段階の最終ステップを終了する。
【0066】
ステップ期間は通常、15秒から4分の継続時間を有するが、これより短い期間および長い期間も可能である。典型的な好ましいステップ期間は、約1分から3分である。開始シーケンスは5つの期間にわたって実行される。3分という典型的なステップ期間では、開始シーケンスは15分の期間がかかることがある。本発明の実施形態は、1ミリリットル当たり1.0ピコグラムから0.01ナノグラムの品質のレベルを呈する。本発明の実施形態は、3分のステップ期間では1日当たり500のサンプルを、または1分のステップ期間では1日当たり1400のサンプルを処理することができる。
【0067】
以上およびその他の特徴および利点は、本発明の好ましい実施形態を開示する説明を読み、図を概観すると、当業者には明白になる。したがって、本発明は本明細書で述べた厳密な詳細には制限されず、特許請求の範囲の主題を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の特徴を組み込んだ装置のブロック図である。
【図2】本発明の特徴を組み込んだプロセスのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ステップが容器内で、流体を前記容器に通して流すことによって実行される複数のステップを有するプロセスを実行する装置であって、前記ステップが少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを備え、前記後続ステップの少なくとも1つが最終ステップ、および生成物が生成される少なくとも1つのステップを備え、各ステップが、少なくとも1つのステップが最長ステップ期間を有するステップ期間を有し、前記装置が、
複数の容器を備え、前記複数の容器がそれぞれ、前記プロセスの全ての前記ステップを順番に実行するものであり、前記複数の容器がそれぞれ、前記プロセスの各ステップを最長ステップ期間内で実行するものであり、前記容器がそれぞれ、流体を受け取る入口および流体を放出する出口を有し、さらに、
前記複数の容器それぞれの入口と連絡し、前記複数の容器それぞれの出口と連絡する弁手段を備え、前記弁手段が、前記プロセスのステップに対応する流体を前記複数の容器それぞれの入口に配置するように複数の流体源と連絡した状態で配置可能であり、前記容器それぞれの出口から流体を受け取り、前記容器それぞれがプロセスの全ての前記ステップを順番に実行できるようにし、前記ステップのそれぞれを全ての前記容器内で前記最長ステップ期間内に実行できるようにし、前記弁手段が、生成物を受け取り、放出するために少なくとも1つの流出導管を有し、前記弁手段が制御手段からの1つまたは複数の信号に応答して、前記複数の流体源からの流体を前記プロセスのステップ毎に前記容器に通し、生成物を前記流出導管内へと配向し、さらに、
前記弁手段と連絡し、最長期間を決定する手段を有する制御手段を備え、前記制御手段が1つまたは複数の信号を前記弁手段に送信し、前記複数の容器内で前記プロセスを同時かつ順番に実行し、任意のステップ期間内では1つ以下の容器が前記最終ステップを終了するものである装置。
【請求項2】
前記容器が抽出プロセスを実行する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記容器が分析分離プロセスを実行する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの流出導管が分析導管であり、前記分析導管が、分離器具と連絡する状態で配置することができる請求項2に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの流出導管が分析導管であり、前記分析導管が、少なくとも1つの検出器と流体連絡する状態で配置することができる請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記検出器が、質量分析計、光学センサ、電気化学センサ、核磁気共鳴検出器を備える検出器のグループから選択される請求項5に記載の装置。
【請求項7】
弁手段が、サンプルを容器内に配置するために少なくとも1つの流体源と流体連絡する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
サンプルを備える前記少なくとも1つの流体源が自動サンプラである請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記容器がそれぞれ抽出器具である請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御手段が、少なくとも1つの第1容器が前記複数の容器から選択される開始シーケンスを有し、第1容器が全容器ではなく、前記制御手段が前記弁手段に指示し、流体を前記第1容器に配向して、最長ステップ期間を越えない初期ステップ期間中に前記第1ステップを実行する請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記初期ステップ期間の後に前記複数の容器から後続容器が選択され、後続容器が全容器ではなく、以前に選択された容器でもなく、前記制御手段が前記弁手段に指示し、流体を前記後続容器へと配向して、最長ステップ期間を越えない後続の初期ステップ期間中に前記第1ステップを実行し、流体を前記第1容器へと配向して、先行するステップ期間に実行されなかった後続ステップを実行する請求項10に記載の装置。
【請求項12】
さらに、流体を前記弁手段内に配置するように、1つまたは複数の流体源と連絡する1つまたは複数のポンプを備える請求項1に記載の装置。
【請求項13】
さらに検出器を備える請求項5に記載の装置。
【請求項14】
前記流出導管の少なくとも1つが廃棄物コンテナと連絡可能である請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセスが、少なくとも1つのローディングステップおよび1つの溶離ステップを有する請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセスがさらに、少なくとも1つの洗浄ステップを備える請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセスがさらに、少なくとも1つの再調整ステップを備える請求項15に記載の装置。
【請求項18】
各ステップが容器内で、流体を前記容器に通して流すことによって実行される複数のステップを有するプロセスを実行する方法であって、前記ステップが少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを含み、前記後続ステップの少なくとも1つが、最終ステップ、および生成物が形成される少なくとも1つのステップを含み、各ステップが、少なくとも1つのステップが最長ステップ期間を有するステップ期間を有し、前記方法が、
複数の容器であって、前記複数の容器がそれぞれ、前記プロセスの全ての前記ステップを順番に実行するものであり、前記複数の容器がそれぞれ、前記プロセスの各ステップを最長ステップ期間内で実行するものであり、前記容器がそれぞれ、流体を受け取る入口および流体を放出する出口を有する、複数の容器を提供する工程と、
前記複数の容器それぞれの入口と連絡し、前記複数の容器それぞれの出口と連絡する弁手段であって、前記弁手段が、前記プロセスのステップに対応する流体を前記複数の容器それぞれの入口に配置するように複数の流体源と連絡した状態で配置可能であり、前記容器それぞれの出口から流体を受け取り、前記容器それぞれがプロセスの全ての前記ステップを順番に実行できるようにし、前記ステップのそれぞれを全ての前記容器内で前記最長ステップ期間内に実行できるようにし、前記弁手段が、前記生成物を放出するために少なくとも1つの流出導管を有し、前記弁手段が制御手段からの1つまたは複数の信号に応答して、前記複数の流体源からの流体を前記プロセスのステップ毎に前記容器に通し、前記生成物を流出導管内へと配向する、弁手段を提供する工程と、
前記弁手段と連絡し、最長期間を決定する手段を有する制御手段であって、前記制御手段が1つまたは複数の信号を前記弁手段に送信し、前記複数の容器内で前記プロセスを同時かつ順番に実行し、任意のステップ期間内では1つ以下の容器が前記最終ステップを終了する、制御手段を提供する工程と、
前記複数の容器内で前記プロセスを同時かつ順番に実行するために、前記複数の容器、弁手段および制御手段を操作する工程であって、任意のステップ期間では1つ以下の容器が前記最終ステップを終了するものである工程とを含む、方法。
【請求項19】
前記容器が抽出プロセスを実行する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記容器が分析分離プロセスを実行する請求項18に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つの流出導管が分析導管であり、前記分析導管が分離器具と連絡する状態で配置可能である請求項19に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの流出導管が分析導管であり、前記分析導管が少なくとも1つの検出器と流体連絡する状態で配置可能である請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記検出器が、質量分析計、光学センサ、電気化学センサ、核磁気共鳴検出器を含む検出器のグループから選択される請求項21に記載の方法。
【請求項24】
サンプルを容器内に配置するように、弁手段が少なくとも1つの流体源と流体連絡する請求項18に記載の方法。
【請求項25】
サンプルを備える前記少なくとも1つの流体源が自動サンプラである請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記容器がそれぞれ抽出器具である請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記制御手段が、少なくとも1つの第1容器が前記複数の容器から選択される開始シーケンスを有し、第1容器が全容器ではなく、前記制御手段が前記弁手段に指示し、流体を前記第1容器へと配向して、最長ステップ期間を越えない初期ステップ期間中に前記第1ステップを実行する請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記初期ステップ期間後に、後続容器が前記複数の容器から選択され、後続容器が全容器ではなく、以前に選択された容器でもなく、前記制御手段が前記弁手段に指示し、流体を前記後続容器へと配向して、最長ステップ期間を越えない後続の初期ステップ期間中に前記第1ステップを実行し、流体を前記第1容器内に配向して、先行ステップ期間中に実行されなかった後続ステップを実行する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
流体を前記弁手段内に配置するように、1つまたは複数のポンプが1つまたは複数の流体源と連絡する請求項18に記載の方法。
【請求項30】
検出器が前記分析導管と連絡する請求項22に記載の方法。
【請求項31】
前記流出導管の少なくとも1つが廃棄物コンテナと連絡可能である請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記プロセスが少なくとも1つのローディングステップおよび1つの溶離ステップを有する請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記プロセスがさらに、少なくとも1つの洗浄ステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記プロセスがさらに、少なくとも1つの再調整ステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項35】
第1段階で第1プロセスを、第2段階で第2プロセスを実行する装置であって、前記第1段階および第2段階がそれぞれ、各ステップが容器内で、流体を前記容器に通して流すことによって実行される複数のステップを有し、前記ステップが、少なくとも第1ステップおよび少なくとも1つの後続ステップを含み、前記後続ステップの少なくとも1つが最終ステップを含み、前記ステップの少なくとも1つが生成物を生成し、各ステップが、少なくとも1つのステップが最長ステップ期間を有するステップ期間を有し、前記装置が、
複数の第1段階容器を備え、前記複数の第1段階容器がそれぞれ、第1段階生成物を生成するように前記第1段階プロセスの全ての前記ステップを順番に実行するものであり、前記複数の第1段階容器がそれぞれ、前記第1プロセスの全ステップを最長ステップ期間内に実行するものであり、前記第1段階容器がそれぞれ、流体を受け取る入口および流体を放出する出口を有し、さらに、
複数の第2段階容器を備え、前記複数の第2段階容器がそれぞれ、第2段階生成物を生成するように前記第2段階プロセスの全ての前記ステップを順番に実行するものであり、前記複数の第2段階容器がそれぞれ、前記第2プロセスの全ステップを最長ステップ期間内に実行するものであり、前記第2段階容器がそれぞれ、流体を受け取る入口および流体を放出する出口を有し、さらに、
前記複数の第1段階容器それぞれの入口と連絡し、前記複数の第1段階容器それぞれの出口と連絡する第1段階弁手段を備え、前記弁手段が、前記第1プロセスのステップに対応する流体を、前記複数の第1段階容器それぞれの入口、および前記複数の第2段階容器の入口に配置するように、複数の流体源と連絡する状態で配置可能であり、前記第1段階容器それぞれの出口から流体を受け取り、前記第1段階容器それぞれが第1段階プロセスの全ての前記ステップを順番に実行できるようにし、前記ステップそれぞれが全ての前記第1段階容器内で前記最長ステップ期間内に実行できるようにし、前記弁手段が、第1段階生成物を放出するために複数の第1段階流出導管を有し、前記弁手段が、制御手段からの1つまたは複数の信号に応答して、前記複数の流体源からの流体を前記プロセスのステップ毎に前記容器に通し、第1段階生成物を前記複数の流出導管へと配向し、前記第2段階容器がそれぞれ第2段階生成物を生成する場合は、前記第1段階流出導管がそれぞれ、前記第2段階容器の少なくとも1つと連絡して、第2プロセスのステップに対応する流体を入口に配置し、さらに、
前記弁手段と連絡し、最長期間を決定する手段を有する制御手段を備え、前記制御手段が1つまたは複数の信号を前記弁手段に送信して、前記複数の第1段階容器内で前記第1段階プロセスを同時かつ順番に実行し、任意のステップ期間では1つ以下の容器が前記最終ステップを終了し、第1生成物を生成して、さらに第1段階プロセスが実行されるにつれ、前記第2段階容器内で前記第2段階プロセスを同時かつ順番に実行して、第2段階生成物を生成するものである装置。
【請求項36】
前記弁手段が、前記第2段階容器の前記出口と連絡して、前記第2段階生成物を受け取り、前記弁手段が第2段階流出導管を有する請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記装置が、前記流出段階導管と連絡する少なくとも1つの検出器を有する請求項36に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−527370(P2006−527370A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515264(P2006−515264)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/018040
【国際公開番号】WO2005/001589
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)
【Fターム(参考)】