説明

中仕切部材およびこれを用いた動電型スピーカー用包装装置

【課題】 多くのスピーカーを包装でき、簡易な構成で部品点数が少なくて、輸送時の衝撃に強い動電型スピーカー用包装装置を提供する。
【解決手段】 中仕切部材は、動電型スピーカーのフレームの側面部が載置される第1折曲片と、第1折曲片から折曲部を介して形成されて、フレームのネック部に係合する前側切欠部を有する第2折曲片と、第2折曲片から折曲部を介して第2折曲片に重ね合わされるように形成されて、動電型スピーカーの磁気回路に当接する当接部と、前側切欠部に連通する後側切欠部と、を有する第3折曲片と、第3折曲片から折曲部を介して略三角形の断面を規定するように形成されて、略三角形の折曲頂部に磁気回路の側面部を載置する第4折曲片と、を備え、第1折曲片および第4折曲片が、動電型スピーカー用包装装置の内部平面に載置される底面を規定するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動電型スピーカーを包装もしくは梱包する中仕切部材およびこれを用いた包装装置に関し、特に、複数の動電型スピーカーを運搬する際に使用する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の動電型スピーカーに適用する包装装置においては、運搬時の衝撃や粉塵等から電機電子機器等を保護するという本来の目的で、例えば、ツイーター付きのスピーカーにおいて、突出したスピーカー前面を包装面と直接接しないように完全に覆い、輸送時等における包装の形崩れやスピーカーの前後左右の移動を防止する目的で、一部が突出した被包装物(ツイーター付のスピーカー)に巻き付けて包装する帯状の包装体であって、複数の折り曲げ線を介して複数の包装面を連接形成し、この各包装面の内、スピーカー本体を包む包装面の少なくとも1つにスピーカー本体と当接して位置決めを行なう当接リブを形成すると共に、スピーカー本体前面のツイーターを包みそのツイーター周囲に緩衝空間を画する包装面の少なくとも1つに包装の形くずれを防止する支持リブを形成したものがある(特許文献1)。
【0003】
また、従来には、多数の動電型スピーカーを運搬もしくは移動する目的で、略直方体の外装紙器に中仕切部材を設けて運びやすくするものがある。具体的には、所定厚さを有する段ボール紙等からなり、スピーカーを保持して包装箱内に収納するためのスピーカー包装用保持板において、少なくとも第1乃至第4の折曲片を順次折曲部を介して同一方向に連続して形成すると共に、上記第1の折曲片にはスピーカーの前面に突出したコーンエッジの径より大きくかつスピーカーのフレーム外周径より小さな透孔を、上記第2の折曲片にはスピーカーのフレーム外周径より小さな透孔を形成し、上記第2の折曲片は当該折曲片の透孔にその前方から挿入されるスピーカーのフレーム外周部背面にあてがう一方、上記第1の折曲片は上記第2の折曲片に重ね合わせるように折曲して上記第2の折曲片との間で上記スピーカーのフレーム外周部を挟着し、上記第3の折曲片は上記第2の折曲片の後方に折曲し、かつ上記第4の折曲片は折曲により起立させてスピーカーの後端にあてがう構成としたことを特徴とするスピーカー包装用保持板がある(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】実公平6−15871号公報 (第1図〜第3図)
【特許文献2】実公平7−8412号公報 (第1図〜第6図)
【0005】
しかしながら、従来技術の動電型スピーカー用の包装装置では、多数の動電型スピーカーを運搬するように中仕切りを井桁形に組む場合に、重量が大きい磁気回路を有して重心バランスが偏った動電型スピーカーを、輸送時の衝撃に耐えられるように包装するには、包蔵装置の部品点数が多くなる等の問題があった。特に、一つの略直方体の外装紙器に、できるだけ多くの動電型スピーカーを納めることが望ましい場合には、包装装置を簡略化してそれぞれの間隔を短くするとしても、動電型スピーカー同士が衝突して破損するのを防ぐために、多くの包装部材が必要となる場合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、動電型スピーカーを包装もしくは梱包する中仕切部材およびこれを用いた包装装置に関し、特に、複数の動電型スピーカーを運搬する際に使用する中仕切部材およびこれを用いた包装装置に関して、多くのスピーカーを包装でき、簡易な構成で部品点数が少なくて、輸送時の衝撃に強い動電型スピーカー用包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の中仕切部材は、段ボール紙を折り曲げ加工して形成する動電型スピーカー用包装装置の中仕切部材であって、動電型スピーカーのフレームの側面部が載置される第1折曲片と、第1折曲片から折曲部を介して形成されて、フレームのネック部に係合する前側切欠部を有する第2折曲片と、第2折曲片から折曲部を介して第2折曲片に重ね合わされるように形成されて、動電型スピーカーの磁気回路に当接する当接部と、前側切欠部に連通する後側切欠部と、を有する第3折曲片と、第3折曲片から折曲部を介して略三角形の断面を規定するように形成されて、略三角形の折曲頂部に磁気回路の側面部を載置する第4折曲片と、を備え、第1折曲片および第4折曲片が、動電型スピーカー用包装装置の内部平面に載置される底面を規定する。
【0008】
好ましくは、本発明の中仕切部材は、重ね合わされる第2折曲片および第3折曲片が、連通する切欠孔をそれぞれ有し、第4折曲片が、切り起こされたフラップ部を有し、フラップ部が切欠孔に嵌入する。
【0009】
好ましくは、本発明の中仕切部材は、第1折曲片が、折曲部を介して形成されて、動電型スピーカーのフレームの前面部を覆う第5折曲片をさらに有する。
【0010】
また、本発明の動電型スピーカー用包装装置は、上記の中仕切部材と、内部平面を有する略直方体の外装紙器と、を備える。
【0011】
好ましくは、本発明の動電型スピーカー用包装装置は、中仕切部材が、重ね合わされる第2折曲片および第3折曲片を連通する連結孔をさらに有し、連結孔を介して複数の中仕切部材を連結する連結部材をさらに備える。
【0012】
以下、本発明の作用について説明する。
【0013】
本発明の動電型スピーカー用包装装置は、動電型スピーカーを支持する中仕切部材と、複数の中仕切部材が載置される内部平面を有する略直方体の外装紙器と、を備える。複数の中仕切部材は、それぞれ段ボール紙を折り曲げ加工して形成するものであって、折曲部を介して形成される複数の折曲片に切欠孔が形成されている。好ましくは、複数の中仕切部材は、同様に段ボール紙を折り曲げ加工して形成される連結部材によって略井桁状に連結され、外装紙器に納められる。
【0014】
具体的には、本発明の中仕切部材は、動電型スピーカーのフレームの側面部が載置される第1折曲片と、第1折曲片から折曲部を介して形成されて、フレームのネック部に係合する前側切欠部を有する第2折曲片と、第2折曲片から折曲部を介して第2折曲片に重ね合わされるように形成されて、動電型スピーカーの磁気回路に当接する当接部と、前側切欠部に連通する後側切欠部と、を有する第3折曲片と、第3折曲片から折曲部を介して略三角形の断面を規定するように形成されて、略三角形の折曲頂部に磁気回路の側面部を載置する第4折曲片と、を備える。つまり、重ね合わされる第2折曲片および第3折曲片を連通する前側切欠部および後側切欠部が、動電型スピーカーのフレームのネック部と磁気回路との連結部を載置するU字状の支持部を形成する。また、第1折曲片および第4折曲片は、外装紙器の内部平面に載置される底面を規定し、中仕切部材は、動電型スピーカーを支持することができる。
【0015】
ここで、第4折曲片は、磁気回路の側面部を載置する略三角形の断面を規定するように折り曲げられ、好ましくは、切り起こされたフラップ部を有し、このフラップ部が、重ね合わされる第2折曲片および第3折曲片を連通する切欠孔に嵌入される。したがって、本発明の中仕切部材は、重量が大きい磁気回路を有して重心バランスが偏った動電型スピーカーを、輸送時の衝撃に耐えられるように安定して支持することができる。折り曲げ加工で容易に形成できる略三角形の折曲頂部は、磁気回路の側面部を載置するのに十分な安定した強度を発揮するので、部品点数を増やすことなく、輸送時の衝撃に強い動電型スピーカー用包装装置を実現することができる。
【0016】
また、磁気回路の側面部を載置する第4折曲片は、磁気回路の背面部の保護を省略して磁気回路の背面部まで回り込まないので、外装紙器にできるだけ多くの動電型スピーカーを納めることが望ましい場合には、動電型スピーカー同士の間隔を短くすることができる。包装装置が複数の中仕切部材を連結する連結部材をさらに備える場合には、複数の中仕切部材同士の距離を、乱れることなく安定して保つことができる。なお、第1折曲片が、折曲部を介して形成されて、動電型スピーカーのフレームの前面部を覆う第5折曲片をさらに有する場合には、他の包装部材を必要とすることなく、動電型スピーカーで破壊されやすい振動板を保護することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の中仕切部材およびこれを用いた動電型スピーカー用包装装置は、多くのスピーカーを包装でき、簡易な構成で部品点数が少なくて、輸送時の衝撃に強い動電型スピーカー用包装装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の中仕切部材は、多くのスピーカーを包装でき、簡易な構成で部品点数が少なくて、輸送時の衝撃に強い動電型スピーカー用包装装置を提供する目的を、動電型スピーカーのフレームの側面部が載置される第1折曲片と、第1折曲片から折曲部を介して形成されて、フレームのネック部に係合する前側切欠部を有する第2折曲片と、第2折曲片から折曲部を介して第2折曲片に重ね合わされるように形成されて、動電型スピーカーの磁気回路に当接する当接部と、前側切欠部に連通する後側切欠部と、を有する第3折曲片と、第3折曲片から折曲部を介して略三角形の断面を規定するように形成されて、略三角形の折曲頂部に磁気回路の側面部を載置する第4折曲片と、を備え、第1折曲片および第4折曲片が、動電型スピーカー用包装装置の内部平面に載置される底面を規定するようにすることにより、実現した。
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態による中仕切部材およびこれを用いた動電型スピーカー用包装装置について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施形態による包装装置1について説明する図である。包装装置1は、内容物である複数(図示する場合では20個)の動電型スピーカー2を運搬時の衝撃や粉塵等から保護するために、外装紙器3と、後述する複数の中仕切部材10と、下台紙4と、連結部材5と、保護緩衝部材6と、上台紙7と、を備える。例えば、外装紙器3はダンボール紙を略直方体に形成したカートンであり、下台紙4および上台紙7は、長方形のダンボール紙である。また、中仕切部材10と、連結部材5ならびに保護緩衝部材6は、段ボール紙を折り曲げ加工して形成する部材である。外装紙器3は、略直方体の内部に平面を有しているので、下台紙4を介して複数の中仕切部材10が載置され、それぞれの中仕切部材10によって、それぞれの動電型スピーカー2は支持される。
【0021】
本実施例の包装装置1は、1列に2個の動電型スピーカー2を配置し、かつ、10列の中仕切部材10を3つの連結部材5で連結して、合計20個の動電型スピーカー2を収容している。対向する2つの動電型スピーカー2の間には、損傷しやすい振動板同士が、あるいは、磁気回路同士が、互いに接触しないように11枚の保護緩衝部材6が挿入されている。包装装置1は、中仕切部材10を連結する連結部材5を備えているので、これらの中仕切部材10同士を略井桁状に連結し、それらの距離を乱れることなく安定して保つことができる。
【0022】
図2および図3は、本実施例の中仕切部材10の基本構成を説明する図である。具体的には、図2(a)は、1個の動電型スピーカー2に対応する中仕切部材10の斜視図であり、図2(b)は、中仕切部材10の側面図であり、図2(c)は、中仕切部材10を組み立てる前の段ボール紙の展開図である。また、図3(a)ならびに図3(b)は、動電型スピーカー2が載置される中仕切部材10を説明する斜視図であり、図3(c)は、側面図である。
【0023】
中仕切部材10は、厚さ約3.0mmの比較的に安価なBフルートと呼ばれる段ボール紙を折り曲げ加工して形成する部材であり、図2(c)に示すように、展開した状態で予め、切欠孔(16〜19、24、34)と、突出するフラップ14fを設けるように切断しておき、点線の折曲部で折り曲げることで構成される。中仕切部材10は、底面を構成する第1折曲片11と、垂直に立ち上がるように折り曲げられる第2折曲片12と、第2折曲片12に重ね合わされるように折り曲げられる第3折曲片13と、第1折曲片11とともに底面を構成し、かつ、略三角形の断面を規定するように形成される第4折曲片14と、に折曲部で分けられる。なお、中仕切部材10は、段ボール紙の中芯の目の方向と直交する方向に折曲部を設けるように折曲加工すると、強度が増して安定する構造にすることができる。
【0024】
第1折曲片11は、図2(b)に示すように、第4折曲片14とともに中仕切部材10の底面10aを構成する部分であって、一方で、図3に示すように、動電型スピーカー2のフレーム2fの側面部が載置される部分である。第1折曲片11は、動電型スピーカー2の前面側であるフレーム2fの全高とほぼ同じだけの長さを有するように折り曲げられて、フレーム2fの内部に構成されているスピーカー振動系を保護する。
【0025】
第2折曲片12および第3折曲片13には、円弧状の前側切欠部26および後側切欠部36を含む略トラック形の切欠孔16が、第2折曲片12と第3折曲片13とを分ける折曲部を渡って形成されている。したがって、第2折曲片12および第3折曲片13が重ね合わされると、図2に示すように、切欠孔16によって動電型スピーカー2のフレーム2fのネック部2nに係合するU字状の支持部が形成される。図3に示すように、動電型スピーカー2のネック部2nと、磁気回路2mとの結合部であって、最も幅が狭くなる部分に切欠孔16が係合するので、第2折曲片12の前側切欠部26の周囲が動電型スピーカー2のフレーム2fに当接し、第3折曲片13の後側切欠部36の周囲が磁気回路2mと当接する。その結果、動電型スピーカー2は、中仕切部材10の第2折曲片12および第3折曲片13によって支持される。
【0026】
また、第2折曲片12および第3折曲片13には、上記の切欠孔16と同様に、直線状の前側切欠部27および後側切欠部37を含む略矩形の切欠孔17が、折曲部を渡って形成されている。図3に示すように、切欠孔17は、動電型スピーカー2のターミナル2tが第2折曲片12に干渉しない幅と長さを有するように、形成されていればよい。なお、中仕切部材10には、切欠孔16および17と同様に、重ね合わされる第2折曲片12および第3折曲片13を連通する連結孔18および19をさらに有する。これらの連結孔18および19には、連結部材5が挿入されて、複数の中仕切部材10同士を連結する。
【0027】
第4折曲片14は、点線で記載する2箇所の折曲部により略三角形の断面を規定するように折り曲げられる。本実施例の場合には、第4折曲片14は、突出するフラップ14fを設けられているので、これらのフラップ14fは、第2折曲片12および第3折曲片13の対応する位置に設けられる連通する2箇所の切欠孔24および34に嵌入される。図2および図3に示すように、フラップ14fが切欠孔24および34に嵌入される結果、第4折曲片14は略三角形の断面を安定に保持することができる。また、切欠孔24および34に嵌入されるフラップ14fは、重ね合わされた第2折曲片12および第3折曲片13が、離れて広がろうとするのを防ぎ、中仕切部材10の形状を維持するように作用する。
【0028】
したがって、中仕切部材10は、重量が大きい磁気回路2mを有する動電型スピーカー2を、安定して支持することができる。動電型スピーカー2は、磁気回路2mの方に重心バランスが偏るので、第4折曲片14における略三角形の折曲頂部14xは、磁気回路2mの側面部を載置するのに十分な安定した強度を発揮する。このような構成により、折り曲げ加工で容易に形成できる中仕切部材10は、部品点数を増やすことなく、輸送時の衝撃に強い動電型スピーカー用包装装置1を実現することができる。
【0029】
本実施例の中仕切部材10は、第4折曲片14における略三角形の折曲頂部14xを、その全長に渡って折り曲げ加工することで形成しているが、磁気回路2mの長さに相当する部分のみに折曲頂部14xを設けても良い。略三角形の折曲頂部14xは、その長さが短くても十分な安定した強度を発揮するので、動電型スピーカー2を安定して支持することができる。また、折曲頂部14xの全長を動電型スピーカー2の磁気回路2mに対応して短くすると、折曲加工が更に容易になる利点がある。
【0030】
なお、第4折曲片14は、上記のフラップ14fを備えていなくても、略三角形の断面を有して略三角形の折曲頂部14xを維持するように折り曲げられていればよい。フラップ14fを備えない場合は、中仕切部材10の切断外形は長方形になり、更に簡略化して、コストを低減できる。第4折曲片14の端部が、突出するフラップ14fを設けていない直線状であっても、第3折曲片13と第4折曲片14との間の略直角な折曲部に係止されれば、略三角形の折曲頂部14xを有する第4折曲片14を実現することができる。
【0031】
もちろん、第4折曲片14の端部が直線状であっても、一部分を切り起こしてフラップ14fを設けてもよい。フラップ14fは、図示する矩形に限定されるものではなく、先に切欠孔24および34に嵌入される先端側が広がった台形であっても、フラップ14fの幅が一部で広くなる六角形であってもよい。フラップ14fの幅が広くなる部分があると、切欠孔24および34との嵌合が強くなって、重ね合わされた第2折曲片12および第3折曲片13が、離れて広がろうとするのを防ぐことができる。
【0032】
なお、本発明の包装装置1の外装紙器3は、上記の実施例に限られない。外装紙器3を構成する材料は、ダンボール以外であっても、ボール紙、樹脂シート等であってもよい。また、緩衝部材はスチロール樹脂を発泡成型させたパッド以外であってもよく、ダンボール等の紙材料を折曲げや組立等した緩衝部材であってもよい。
【実施例2】
【0033】
図4は、他の実施例の中仕切部材40の基本構成を説明する図である。具体的には、図4(a)ならびに図4(b)は、動電型スピーカー2が載置される中仕切部材40を説明する斜視図であり、図4(c)は、側面図である。本実施例の(図示しない)包装装置は、先の実施例の包装装置1と同様の構成であって、先の実施例の中仕切部材10に代えて、本実施例の中仕切部材40を使用する。中仕切部材40は、連結部材5で連結する構成等も同様であるので、重複する説明を省略する。
【0034】
中仕切部材40は、先の実施例の中仕切部材10と同様に、厚さ約3.0mmの比較的に安価なBフルートと呼ばれる段ボール紙を折り曲げ加工して形成する部材であり、図2(c)に示すように、展開した状態で予め、切欠孔と、突出するフラップを設けるように切断しておき、点線の折曲部で折り曲げることで構成される。中仕切部材40は、底面を構成する第1折曲片41と、垂直に立ち上がるように折り曲げられる第2折曲片42と、第2折曲片42に重ね合わされるように折り曲げられる第3折曲片43と、第1折曲片41とともに底面を構成し、かつ、略三角形の断面を規定するように形成される第4折曲片44と、に折曲部で分けられる。ただし、第1折曲片41からは、動電型スピーカー2のフレーム2fの前面部を覆う第5折曲片45が、折曲部45を介してさらに形成されている。
【0035】
第5折曲片45は、動電型スピーカー2のフレーム2fの前面部を覆う広さの平面であって、第1折曲片41から折曲部を介して略垂直に折り曲げられる。したがって、本実施例の(図示しない)包装装置は、先の実施例の場合の中仕切部材10で必要であった保護緩衝部材6を、省略することができる。簡易な構成で部品点数が少なくて、輸送時の衝撃に強い動電型スピーカー用包装装置を実現できる。
【0036】
また、重ね合わされる第2折曲片42および第3折曲片43は、動電型スピーカー2のフレーム2fのネック部2nと磁気回路2mとの連結部を載置するU字状の支持部を形成する。また、第4折曲片44は、略三角形の断面を規定するように折り曲げられ、磁気回路2mの側面部を載置する略三角形の折曲頂部44xを有する。したがって、中仕切部材40は、重量が大きい磁気回路2mを有して重心バランスが偏った動電型スピーカー2を、輸送時の衝撃に耐えられるように安定して支持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の包装装置は、トラック形の振動板並びにフレームを有する動電型スピーカーに限られず、丸型のフレームを有する動電型スピーカーの包装装置にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の好ましい実施形態による包装装置について説明する図である。(実施例1)
【図2】本発明の包装装置の中仕切部材の構成を説明する図である。(実施例1)
【図3】本発明の包装装置の中仕切部材の構成を説明する図である。(実施例1)
【図4】本発明の包装装置の他の包装装置の中仕切部材の構成を説明する図である(実施例2)
【符号の説明】
【0039】
1 包装装置
2 動電型スピーカー
3 外装紙器
4 下台紙
5 連結部材
6 保護緩衝部材
7 上台紙
10、40 中仕切部材
11、41 第1折曲片
12、42 第2折曲片
13、43 第3折曲片
14、44 第4折曲片
45 第5折曲片
16、17 切欠孔
18、19 連結孔
24、34 切欠孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール紙を折り曲げ加工して形成する動電型スピーカー用包装装置の中仕切部材であって、
該動電型スピーカーのフレームの側面部が載置される第1折曲片と、
該第1折曲片から折曲部を介して形成されて、該フレームのネック部に係合する前側切欠部を有する第2折曲片と、
該第2折曲片から折曲部を介して該第2折曲片に重ね合わされるように形成されて、該動電型スピーカーの磁気回路に当接する当接部と、該前側切欠部に連通する後側切欠部と、を有する第3折曲片と、
該第3折曲片から折曲部を介して略三角形の断面を規定するように形成されて、該略三角形の折曲頂部に該磁気回路の側面部を載置する第4折曲片と、を備え、
該第1折曲片および該第4折曲片が、該動電型スピーカー用包装装置の内部平面に載置される底面を規定する、中仕切部材。
【請求項2】
重ね合わされる前記第2折曲片および前記第3折曲片が、連通する切欠孔をそれぞれ有し、前記第4折曲片が、切り起こされたフラップ部を有し、該フラップ部が該切欠孔に嵌入する、請求項1に記載の中仕切部材。
【請求項3】
前記第1折曲片が、折曲部を介して形成されて、該動電型スピーカーのフレームの前面部を覆う第5折曲片をさらに有する、
請求項1または2に記載の中仕切部材。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の中仕切部材と、前記内部平面を有する略直方体の外装紙器と、を備える、動電型スピーカー用包装装置。
【請求項5】
前記中仕切部材が、重ね合わされる前記第2折曲片および前記第3折曲片を連通する連結孔をさらに有し、該連結孔を介して複数の該中仕切部材を連結する連結部材をさらに備える、請求項4に記載の動電型スピーカー用包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−95268(P2010−95268A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265914(P2008−265914)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】