説明

中央装置、及び移動局

【課題】時分割多元接続方式の無線通信システムにおいて、隣接する基地局間で同一の周波数を用いる場合に、隣接基地局間の無線ゾーン境界付近に発生する電波干渉による無線通信品質の劣化を抑制する。
【解決手段】通信フレームの所定の位置の第一のタイムスロットを用いて移動体が存在する現通信エリアに対応する基地局である現基地局を介して下り通信データを送出し、通信フレームの前記所定の位置と異なる位置の第二のタイムスロットを用いて現通信エリアに隣接する隣接通信エリアに対応する基地局である隣接基地局を介して前記下り通信データを送出し、現基地局を介する前記第二のタイムスロットを用いた通信、及び隣接基地局を介する前記第一のタイムスロットを用いた通信を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動体に搭載された移動局、及び移動局と複数の基地局を介して時分割多元接続方式で通信する中央装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の列車無線システムなどの無線通信システムでは、無線リソース割当方法として、時分割多元接続方式(TDMA:Time Division Multiple Access)によるタイムスロット(Time Slot)割当方法が知られている。
【0003】
また、移動体に搭載された移動局は、移動体の移動経路に沿って無線ゾーン(通信エリア)が得られるように配置された複数の基地局を介して中央装置と通信するが、移動体が、複数の基地局の無線ゾーンを跨って移動する場合、移動局は、無線通信品質を維持するために、基地局を切り替える。これをハンドオーバという。
【0004】
列車無線システムでは、ハンドオーバ時の瞬断時間を短縮するために、中央装置は、中央装置から移動局への下り方向通信のデータを、移動局が現在存在する無線ゾーンに対応する基地局と、現在存在する無線ゾーンの移動体進行方向に隣接する無線ゾーンに対応する基地局とに、同報送信している。中央装置から移動局への下り方向通信において、複数の基地局は、同一の周波数を使用しているため、基地局間の無線ゾーン境界付近では、隣接する基地局の電波が互いに妨害電波として干渉しあう電波干渉区間が発生する。電波干渉区間では、下り方向通信において、隣接する基地局の電波が、互いに妨害電波として干渉しあい、無線通信品質が劣化するため、移動局が基地局間をハンドオーバする際に、データの瞬断や、これに伴うデータの再送、遅延が発生する。新幹線など、高速移動する移動体の場合、電波干渉区間を次々に通過していくこととなるため、無線通信品質の劣化による通信データの瞬断が頻繁に発生し、ユーザに不快感を与えるという問題点があった。
【0005】
一方、従来の回線交換方式による音声通信では、同報通信しているデータの送信タイミングを同期させることにより、音声通信に割り当てられたタイムスロットのデータを、隣接する基地局のタイムスロットのデータと、完全に一致させることができた。そのため、隣接基地局の無線ゾーンとの境界付近に発生する電波干渉区間において、音声通信に割り当てられたタイムスロットと隣接する基地局のタイムスロットとが、互いに干渉しても、無線通信品質の劣化による瞬断はほとんど無視できる程度であった。
ところが、近年、普及しているIP(Internet Protocol)電話などのパケット交換方式による音声通信では、同報通信しているデータの送信タイミングを同期させたとしても、パケットの到達順が保証されないため、音声通信に割り当てられたタイムスロットのデータを、隣接する基地局のタイムスロットのデータと、完全に一致させることは難しい。そのため、電波干渉区間において、音声通信に割り当てられたタイムスロットと隣接する基地局のタイムスロットとが、互いに干渉して、無線通信品質の劣化が発生し、パケットの再送、遅延を引き起こして、通話が瞬断してしまうことがあった。
【0006】
隣接基地局間で異なる周波数を用いることにより電波干渉を防ぐ方法もあるが、この方法では、システム全体で使用する周波数帯域が多くなり、周波数の利用効率が下がってしまうため、列車無線システムでは、鉄道線路に沿って設置された漏洩同軸ケーブル(LCX:Leaky CoaXial Cable)を使用することにより、隣接基地局間で同一の周波数を用いて周波数利用の効率化を図りつつ、電波干渉区間における電波干渉の影響を軽減するようにしている。
【0007】
また、別の従来技術として、不適切なタイミングでハンドオーバが行われることによって引き起こされる、通信の途絶や通信品質の劣化を防止する列車制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3451543号公報(第3−4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1は、不適切なタイミングでハンドオーバが行われることによって引き起こされる、通信の途絶や通信品質の劣化を防止することはできるが、電波干渉区間における無線通信品質の劣化の発生を抑制することはできないという問題点があった。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、時分割多元接続方式の無線通信システムにおいて、隣接する基地局間で同一の周波数を用いる場合に、隣接基地局間の無線ゾーン境界付近に発生する電波干渉による無線通信品質の劣化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る中央装置は、複数のタイムスロットを有する通信フレームを使用する時分割多元接続方式によって、移動体の移動経路に沿って通信エリアが得られるように配置された複数の基地局を介して、前記移動体に搭載された移動局に下り通信データを送出するものであり、前記通信フレームの所定の位置の第一のタイムスロットを用いて前記移動体が存在する現通信エリアに対応する基地局である現基地局を介して前記下り通信データを送出し、前記通信フレームの前記所定の位置と異なる位置の第二のタイムスロットを用いて前記現通信エリアに隣接する隣接通信エリアに対応する基地局である隣接基地局を介して前記下り通信データを送出し、前記現基地局を介する前記第二のタイムスロットを用いた通信、及び前記隣接基地局を介する前記第一のタイムスロットを用いた通信を禁止するものである。
【0012】
また、この発明に係る移動局は、移動体に搭載され、複数のタイムスロットを有する通信フレームを使用する時分割多元接続方式によって、前記移動体の移動経路に沿って通信エリアが得られるように配置された複数の基地局を介して、中央装置と通信するものであり、前記中央装置から送出される下り通信データを含む前記通信フレームを無線により受信する無線通信部と、前記移動体が前記通信エリアを跨って移動する際に、前記下り通信データを受信するタイムスロットを所定の位置のタイムスロットから前記所定の位置と異なる位置のタイムスロットに切り替える制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、時分割多元接続方式の無線通信システムにおいて、中央装置からの下り通信データ送出用として、隣接する基地局同士で、互いに位置が異なるタイムスロットを用いるようにしたので、隣接基地局間で同一の周波数を用いる場合に、隣接基地局間の無線ゾーン境界付近に発生する電波干渉による無線通信品質の劣化を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る列車無線システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るタイムスロットパターンを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る中央装置及び移動局の処理の流れを示すフロー図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る列車無線システムの構成を示すシステム構成図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る列車無線システムの構成を示すシステム構成図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る列車無線システムの構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における列車無線システムの構成を示した図である。図1の列車無線システムにおいて、中央装置110は、複数の基地局120、複数の基地局120に接続されたLCX121、及び列車等の移動体130に搭載された移動局131と共に無線通信ネットワークを構成しており、中央装置110は、複数の基地局120及びLCX121を介して、移動局131と、複数のタイムスロットを有する通信フレームを使用する時分割多元接続方式による無線通信を行う。また、指令員111は、中央装置端末112を使用して、移動局端末133を使用する運転士132と、通信する。
なお、便宜上、統制局は中央装置110に含まれるものとして説明する。
【0016】
中央装置110は、移動局131と通信する基地局番号(在線状態)及び移動局131を搭載する移動体130の進行方向を管理する位置登録状態管理テーブル113を有する。
【0017】
複数の基地局120は、中央装置110、及び移動局131の移動経路に沿って配置されたLCX121と接続する。複数の基地局120は、それぞれ無線ゾーン(通信エリア、図示せず)を有しており、隣接する基地局との無線ゾーン境界122付近には、電波干渉区間123が発生する。
【0018】
移動局131は、LCX121との間で無線通信を行う無線通信部134及び通信を制御する制御部135から構成される。制御部135は、中央装置110との通信に用いられる通信フレームのタイムスロットパターンを制御するタイムスロットパターン制御部136を有する。
【0019】
図2は、中央装置110から移動局131への下り方向通信に使用する通信フレームのタイムスロットパターンを示した図である。本実施の形態1では、タイムスロットを10スロット(タイムスロット1からタイムスロット10まで)で構成する通信フレームを用いて説明しているが、本発明は、タイムスロットの数が10に制限されるものではない。
【0020】
中央装置110から移動局131への下り方向通信では、タイムスロットパターンa200又はタイムスロットパターンb201を使用する。タイムスロットパターンb201は、タイムスロットパターンa200の各タイムスロットを時間軸上で逆順に配置させたものとなっており、各タイムスロットの位置が、互いに異なるようにしている。
【0021】
次に、動作について、図3を用いて説明する。ここでは、例として、基地局120aの配下に在線する移動局131が、基地局120aと基地局120bとの間の電波干渉区間123を通過して、基地局120bへハンドオーバする場合について、説明する。ここで、基地局120aは、タイムスロットパターンaを使用、基地局120bは、タイムスロットパターンbを使用、基地局120cは、タイムスロットパターンaを使用するものとし、以降もタイムスロットパターンa、bを繰り返し使用するものとする。この複数の基地局120の配置情報及び複数の基地局120とタイムスロットパターンとの関係は、予め中央装置110に設定されているものとする。また、移動体130の進行方向は、運転士132が移動局端末133を使用し、予め移動局131に入力されているものとする。なお、本実施の形態1では、タイムスロットパターンをa、bの2種類として説明しているが、本発明は、互いに隣接する基地局のタイムスロットパターンが異なるようにすれば、タイムスロットパターンは3以上であってもよい。
【0022】
中央装置110は、下り方向通信のデータの通信フレームを送信する際、介することとなる基地局120の基地局番号とデータ送信に使用するタイムスロットパターンを判別するためのタイムスロットパターン種別とを、通信フレームに付与する(S300)。
中央装置110は、例えば、タイムスロットパターンa200のタイムスロット5を用いて、基地局120aを介して、介することとなる基地局120aの基地局番号a及びタイムスロットパターン種別aを送信すると共に、タイムスロットパターンb201のタイムスロット5を用いて、基地局120bを介して、介することとなる基地局120bの基地局番号b及びタイムスロットパターン種別bを送信し、タイムスロットパターンa200のタイムスロット5を用いて、基地局120cを介して、介することとなる基地局120cの基地局番号c及びタイムスロットパターン種別aを送信する。中央装置110は、同様に、全ての複数の基地局120を介して、介することとなる基地局番号とタイムスロットパターン種別とを、送出する。また、中央装置110は、タイムスロットパターンa200のタイムスロット5と電波干渉する可能性のあるタイムスロットパターンb201のタイムスロット6及びタイムスロットパターンb201のタイムスロット5と電波干渉する可能性のあるタイムスロットパターンa200のタイムスロット6を使用禁止タイムスロットとし、これらの使用禁止タイムスロットを下り方向の通信に使用しないようにする。移動局131の制御部135は、タイムスロットパターンa200のタイムスロット5及びタイムスロットパターンb201のタイムスロット5に対応するタイムスロットをそれぞれ復調し、復調できたほうから、基地局番号及びタイムスロットパターン種別を、検出する。このように、基地局番号及びタイムスロットパターン種別を送信するタイムスロットに対応する互いのタイムスロットを使用禁止にすることより、電波干渉区間においても、移動局131は、基地局番号及びタイムスロットパターン種別を、検出することが可能となる。
【0023】
移動局131の制御部135は、無線通信部134で受信した通信フレームから、基地局番号及びタイムスロットパターン種別を検出するが、移動局131が基地局120aの配下に在線している場合には、タイムスロットパターンa200のタイムスロット5のみが復調でき、タイムスロットパターンb201のタイムスロット5が復調できないので、移動局131の制御部135は、基地局番号a及びタイムスロットパターン種別aのみを検出する。これにより、移動局131の制御部135は、移動局131が、基地局120aの配下に在線していることと、タイムスロットパターンaを用いて通信することとを認識する(S310)。タイムスロットパターン制御部136は、タイムスロットパターンaにあわせた通信が実施できるよう制御部135内を設定する(S311)。移動局131の制御部135は、自局の認識する基地局番号a及び進行方向を、位置登録要求として、中央装置110へ送信する(S312)。
中央装置110は、移動局131から送信された位置登録要求を受信し、移動局131並びに移動局131と通信する基地局番号a及び進行方向をそれぞれ対応付けて位置登録状態管理テーブル113に登録することにより、移動局131の在線している基地局番号がaであること及び移動局131の進行方向を認識する(S301)。
【0024】
指令員111は、運転士132と、音声通話やデータ通信を行う。ここで、中央装置110は、下り方向通信のデータを含む通信フレームを基地局120a及びLCX121を介して移動局131へ送信する。下り方向通信のタイムスロットは、移動局ごとに異なるように割り当てられる。ここでは、通信は、基地局番号及びタイムスロットパターン種別を送信するために用いられるタイムスロット(タイムスロットパターンaのタイムスロット5及びタイムスロットパターンbのタイムスロット5)とは異なる位置のタイムスロットである、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3を用いて、基地局120aを介して実施するものとする(S302、S313)。
中央装置110は、予め中央装置110に設定されていた複数の基地局120の配置情報並びに位置登録状態管理テーブル113に登録された移動局131の在線する基地局番号a及び進行方向から、基地局120aの配下に在線する移動局131の進行方向に隣接する基地局が、基地局120bであることを認識する。中央装置110は、移動局131のハンドオーバに伴う瞬断時間を短縮するため、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3と同じデータを、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3を用いて、基地局120bに同報送信する(S303)と共に、基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10、並びに基地局120aのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定する(S304)。中央装置110は、使用禁止タイムスロットに指定されたタイムスロットを用いて、下り方向の送信を行わないようにする。
【0025】
次に、基地局120aの配下に在線する移動体130が、基地局120b配下に移動する(S314)。この際、基地局120aと基地局120bとの間の無線ゾーン境界122付近には、電波干渉区間123が発生しているが、基地局120aの送信するタイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置と、基地局120bの送信するタイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置とは互いに異なり、かつ基地局120a及び基地局120bの送信タイミングは同期しているため、タイムスロットの位置が重なることによる無線通信品質の劣化は発生せず、通信の瞬断も発生しない。
また、電波干渉区間123では、タイムスロットパターンa200のタイムスロット5とタイムスロットパターンb201のタイムスロット5の両方が復調できるので、基地局番号a及びタイムスロットパターン種別a並びに基地局番号b及びタイムスロットパターン種別bの両方を検出することになる。この場合、移動局131の制御部135は、移動局131が基地局120aの配下から基地局120bの配下に移動中であることを認識できるが、タイムスロットパターン制御部136は、タイムスロットパターンaにあわせた通信を継続するために制御部135内の設定を継続する。
【0026】
その後、移動局131が基地局120bの配下に移動すると、移動局131の制御部135は、無線通信部134の受信した通信フレームから、基地局番号及びタイムスロットパターン種別を検出するが、タイムスロットパターンa200のタイムスロット5が復調できなくなり、タイムスロットパターンb201のタイムスロット5のみが復調できるため、基地局番号b及びタイムスロットパターン種別bのみが検出できる。これにより、移動局131の制御部135は、移動局131が、基地局120bの配下に在線していることと、タイムスロットパターンbを用いて通信することとを認識する(S315)。タイムスロットパターン制御部136は、タイムスロットパターンbにあわせた通信が実施できるよう制御部135内の設定を変更する(S316)。移動局131は、自局の認識する基地局番号b及び進行方向を、位置登録要求として、中央装置110へ送信する(S317)。
中央装置110は、移動局131から送信された位置登録要求を受信し、移動局131及び移動局131と通信する基地局番号b及び進行方向をそれぞれ対応付けて位置登録状態管理テーブル113に登録することにより、移動局131の在線している基地局番号がbであること及び移動局131の進行方向を認識する(S305)。
これにより、移動局131は、基地局120bを介して中央装置110と、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3を用いて、通信を継続する(S306、S318)。
中央装置110は、位置登録状態管理テーブル113に登録された移動局131の在線する基地局番号b及び進行方向並びに予め中央装置110に設定されていた基地局及びタイムスロットパターンの関係から、基地局120bの配下に在線する移動局131の進行方向に隣接する基地局が、基地局120cであることを認識する。中央装置110は、移動局131のハンドオーバに伴う瞬断時間を短縮するため、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3と同じデータを、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3を用いて、基地局120cに同報送信する(S307)と共に、基地局120cのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10並びに基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定する(S308)。
【0027】
このように、本実施の形態1では、中央装置110からの下り通信データ送出用として、隣接する基地局120同士で、互いに位置が異なるタイムスロットを用いるように構成したので、時分割多元接続方式の無線通信システムにおいて、隣接する基地局間で同一の周波数を用いる場合でも、隣接基地局間の無線ゾーン境界付近に発生する電波干渉区間における、電波干渉による無線通信品質の劣化を抑制することが可能となる。
【0028】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2における列車無線システムの構成を示した図である。図1と同じ符号のものは同様の機能を有するので、説明を繰り返さない。図4において、中央装置110は、移動局131との通信で使用するタイムスロットを管理するタイムスロット使用状態管理テーブル114を有する。
【0029】
次に、動作について説明する。中央装置110は、移動局131との通信で使用しているタイムスロット1、2、及び3を、タイムスロット使用状態管理テーブル114に保持させ、タイムスロットが実際に下り通信データの送出に使用されている間だけ、基地局120bに同報送信する。また、実際に下り通信データを送出している通信フレームのタイムスロットパターンである基地局120bのタイムスロットパターンbに対して、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定すると共に、同様に実際に下り通信データの送出に使用されているタイムスロットを有する通信フレームのタイムスロットパターンである基地局120aのタイムスロットパターンaに対して、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定する。
【0030】
このように、本実施の形態2では、タイムスロットが中央装置110と移動局131との間の通信に使用されていないときには、使用禁止タイムスロットの指定を解除するようにしたので、実施の形態1の効果に加え、タイムスロットの使用効率を向上させることが可能となる。
【0031】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3における列車無線システムの構成を示した図である。図4と同じ符号のものは同様の機能を有するので、説明を繰り返さない。図5において中央装置110は、移動体137の詳細な位置を管理する詳細位置情報管理テーブル115を有し、移動体137は、キロ程などによる移動体137自身の詳細な位置情報を取得する在線位置情報取得装置138を有する。
【0032】
次に、動作について説明する。移動局131の制御部135は、在線位置情報取得装置138から、移動体137の詳細な位置情報を取得し、その位置情報を、無線通信部134を介して定期的に中央装置110に送信する。中央装置110は、移動局131の送信した詳細な位置情報を、詳細位置情報管理テーブル115に保持させ、詳細な位置情報の受信ごとに更新するようにする。また、中央装置110には、予め詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報をメモリ(記憶部、図示せず)に記憶させておき、中央装置110は、移動局131の送信した詳細な位置情報及びメモリの記憶する詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報から、移動体137が電波干渉区間123に存在すると判定した場合にのみ、基地局120bに同報送信すると共に、基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10並びに基地局120aのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定する。
また、中央装置110は、移動体137が電波干渉区間123に存在すると判定した場合にのみ、基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット5の位置に相当するタイムスロット6並びに基地局120aのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット5の位置に相当するタイムスロット6についても、使用禁止タイムスロットに指定するようにしてもよい。
【0033】
このように、本実施の形態3では、中央装置110は、移動体137が電波干渉区間123に存在すると判定した場合にのみ、使用禁止タイムスロットを指定するように構成したので、実施の形態1の効果に加え、電波干渉区間123外におけるタイムスロットの使用効率を向上させることが可能となる。
【0034】
なお、本実施の形態3では、中央装置110に、予め詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報を記憶させるようにしたが、電波干渉区間123の替わりに、電波干渉区間123より所定の距離だけ広げた区間とを対応付けた対応情報を記憶させるようにしてもよい。この場合、定期的に送信される移動体137の詳細な位置情報の送信間隔の間に、移動体137が、電波干渉区間123に進入して電波干渉が発生する可能性を減少させることが可能となる。
【0035】
また、詳細な位置情報と電波干渉区間123より所定の距離だけ広げた区間とを対応付けた対応情報を、中央装置110ではなく、移動局131のメモリ(記憶部、図示せず)に記憶させるようにし、移動局131が、移動体137が電波干渉区間123より所定の距離だけ広げた区間に存在するかどうかを判定するようにしてもよい。この場合、移動局131は、移動体137が電波干渉区間123より所定の距離だけ広げた区間に存在すると判定した場合に、移動体137が電波干渉区間123より所定の距離だけ広げた区間に存在することを、制御部135から、無線通信部134を介して中央装置110に送信し、中央装置110は、移動体137が電波干渉区間123より所定の距離だけ広げた区間に存在することを受信した場合にのみ、基地局120bに同報送信すると共に、基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10並びに基地局120aのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定することとなる。
【0036】
さらに、本実施の形態3を、実施の形態2と組み合わせるようにしてもよい。この場合、中央装置110は、移動局131の送信した詳細な位置情報並びにメモリの記憶する詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報から、移動体137が電波干渉区間123に存在すると判定した場合に、タイムスロットが実際に下り通信データの送出に使用されている間だけ、基地局120bに同報送信することとなり、また、実際に下り通信データを送出している通信フレームのタイムスロットパターンである基地局120bのタイムスロットパターンbに対して、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定すると共に、同様に実際に下り通信データの送出に使用されているタイムスロットを有する通信フレームのタイムスロットパターンである基地局120aのタイムスロットパターンaに対して、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定することとなる。
【0037】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4における列車無線システムの構成を示した図である。図5と同じ符号のものは同様の機能を有するので、説明を繰り返さない。図6において、中央装置110は、移動体139の詳細な位置及び移動体139の速度を管理する詳細位置情報管理テーブル116を有し、移動体139は、移動体139自身の速度情報を取得する列車速度情報取得装置140を有する。
【0038】
次に、動作について説明する。移動局131の制御部135は、在線位置情報取得装置138から、移動体139の詳細な位置情報を取得すると共に、列車速度情報取得装置140から、移動体139の速度情報を取得し、移動体139の詳細な位置情報及び移動体139の速度情報を、無線通信部134を介して定期的に中央装置110に送信する。中央装置110は、移動局131の送信した詳細な位置情報及び速度情報を、詳細位置情報管理テーブル116に保持させ、詳細な位置情報の受信ごとに更新するようにする。また、中央装置110には、予め詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報をメモリ(記憶部、図示せず)に記憶させておき、移動局131の送信した詳細な位置情報及び速度情報及びメモリの記憶する詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報から、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に進入すると判定した場合又は移動体139が電波干渉区間123に存在すると判定した場合にのみ、基地局120bに同報送信すると共に、基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10並びに基地局120aのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定する。
また、中央装置110は、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に侵入すると判定した場合又は移動体139が電波干渉区間123に存在すると判定した場合にのみ、基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット5の位置に相当するタイムスロット6並びに基地局120aのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット5の位置に相当するタイムスロット6についても、使用禁止タイムスロットに指定するようにしてもよい。
【0039】
このように、本実施の形態4では、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に進入すると判定した場合又は移動体139が電波干渉区間123に存在すると判定した場合にのみ、使用禁止タイムスロットを指定するように構成したので、実施の形態1の効果に加え、電波干渉区間123外におけるタイムスロットの使用効率を向上させることが可能となる。また、移動体139が電波干渉区間123に進入する前に、確実に、使用禁止タイムスロットを指定することが可能となる。
【0040】
なお、本実施の形態4では、中央装置110に、予め詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報を記憶させるようにしたが、中央装置110ではなく、移動局131のメモリ(記憶部、図示せず)に記憶させるようにし、移動局131が、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に進入するかどうか及び移動体139が電波干渉区間123に存在するかどうかを判定するようにしてもよい。この場合、移動局131は、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に進入すると判定した場合又は移動体139が電波干渉区間123に存在すると判定した場合に、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に進入すること又は移動体139が電波干渉区間123に存在することを、制御部135から無線通信部134を介して中央装置110に送信し、中央装置110は、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に進入すること又は移動体139が電波干渉区間123に存在することを受信した場合にのみ、基地局120bに同報送信すると共に、基地局120bのタイムスロットパターンbにおける、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10並びに基地局120aのタイムスロットパターンaにおける、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定することとなる。
【0041】
さらに、本実施の形態4を、実施の形態2と組み合わせるようにしてもよい。この場合、中央装置110は、移動局131の送信した詳細な位置情報及び速度情報及びメモリの記憶する詳細な位置情報と電波干渉区間123とを対応付けた対応情報から、移動体139が電波干渉区間123に所定の時間内に進入すると判定した場合又は移動体139が電波干渉区間123に存在すると判定した場合に、タイムスロットが実際に下り通信データの送出に使用されている間だけ、基地局120bに同報送信することとなり、また、実際に下り通信データを送出している通信フレームのタイムスロットパターンである基地局120bのタイムスロットパターンbに対して、タイムスロットパターンaのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定すると共に、同様に実際に下り通信データの送出に使用されているタイムスロットを有する通信フレームのタイムスロットパターンである基地局120aのタイムスロットパターンaに対して、タイムスロットパターンbのタイムスロット1、2、及び3の位置に相当するタイムスロット8、9、及び10を使用禁止タイムスロットに指定することとなる。
【0042】
上記実施の形態1乃至4では、移動局131が基地局番号及びタイムスロットパターン種別を検出するために、中央装置110は、移動局131へ基地局番号及びタイムスロットパターン種別を送信すると共に、使用禁止タイムスロットを指定するようにしたが、移動局131に、キロ程などによる移動体130、137、139の詳細な位置情報を在線位置情報取得装置138から取得させると共に、制御部135のメモリ(記憶部、図示せず)に、予め移動体130、137、139の詳細な位置情報、並びに基地局番号及びタイムスロットパターン種別を対応付けた対応情報を記憶させておき、在線位置情報取得装置138から取得した移動体130、137、139の詳細な位置情報、並びにメモリの記憶する移動体130、137、139の詳細な位置情報、基地局番号、及びタイムスロットパターン種別を対応付けた対応情報より、基地局番号及びタイムスロットパターン種別を検出するようにしてもよい。この場合、移動局131の制御部135は、在線位置情報取得装置138から取得した移動体130、137、139の詳細な位置情報、並びにメモリの記憶する移動体130、137、139の詳細な位置情報、基地局番号、及びタイムスロットパターン種別を対応付けた対応情報から検出した基地局番号及び進行方向を、位置登録要求として、中央装置110へ送信することとなる。これにより、中央装置110から移動局131へ基地局番号及びタイムスロットパターン種別を送信するためにタイムスロットを使用する必要がなくなり、それぞれ対応するタイムスロットを使用禁止タイムスロットに指定する必要がなくなるので、タイムスロットの使用効率を下げることなく、移動局131は基地局番号及びタイムスロットパターン種別を検出することが可能となる。
【0043】
なお、上記実施の形態1乃至4では、タイムスロットパターンbは、タイムスロットパターンaの各タイムスロットを時間軸上で逆順に配置させたものとなっているが、同報されるタイムスロットの位置が、互いに異なるようにすることができるものであれば、タイムスロットのパターンがどのような順に並んでいてもよい。
【符号の説明】
【0044】
110 中央装置
111 指令員
112 中央装置端末
113 位置登録状態管理テーブル
114 タイムスロット使用状態管理テーブル
115、116 詳細位置情報管理テーブル
120 基地局
121 LCX
122 無線ゾーン境界
123 電波干渉区間
130、137、139 移動体
131 移動局
132 運転士
133 移動局端末
134 無線通信部
135 制御部
136 タイムスロットパターン制御部
138 在線位置情報取得装置
140 列車速度情報取得装置
200、201 タイムスロットパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイムスロットを有する通信フレームを使用する時分割多元接続方式によって、移動体の移動経路に沿って通信エリアが得られるように配置された複数の基地局を介して、前記移動体に搭載された移動局に下り通信データを送出する中央装置において、
前記移動局に割り当てられた前記通信フレームの所定の位置の第一のタイムスロットを用いて前記移動体が存在する現通信エリアに対応する基地局である現基地局を介して前記下り通信データを送出し、
前記通信フレームの前記所定の位置と異なる所定の位置の第二のタイムスロットを用いて前記現通信エリアに隣接する隣接通信エリアに対応する基地局である隣接基地局を介して前記下り通信データを送出し、
前記現基地局を介する前記第二のタイムスロットを用いる通信、及び前記隣接基地局を介する前記第一のタイムスロットを用いる通信を禁止することを特徴とする中央装置。
【請求項2】
前記現基地局を介する通信のうち、前記第一のタイムスロットを用いて前記移動局へ前記下り通信データを送出する前記通信フレームに対して、前記第二のタイムスロットの使用を禁止し、前記隣接基地局を介する通信のうち、前記第二のタイムスロットを用いて前記移動局へ前記下り通信データを送出する前記通信フレームに対して、前記第一のタイムスロットの使用を禁止することを特徴とする請求項1記載の中央装置。
【請求項3】
隣接する前記基地局同士の電波が互いに干渉する電波干渉区間と前記移動経路上の位置情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部を備え、
入力された前記移動体の現在位置の情報及び前記記憶部の記憶する前記対応情報に基づき前記移動体が前記電波干渉区間に存在すると判定した場合に、前記第二のタイムスロットを用いて前記隣接基地局を介して前記下り通信データを送出し、前記現基地局を介する通信のうち前記第二のタイムスロットを用いた通信、及び前記隣接基地局を介する通信のうち前記第一のタイムスロットを用いた通信を禁止することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の中央装置。
【請求項4】
隣接する前記基地局同士の電波が互いに干渉する電波干渉区間と前記移動経路上の位置情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部を備え、
入力された前記移動体の現在位置の情報及び前記移動体の前記速度情報、並びに前記記憶部の記憶する前記対応情報に基づき前記移動体が所定の時間内に前記電波干渉区間に進入すると判定した場合又は前記移動体が前記電波干渉区間に存在すると判定した場合に、前記第二のタイムスロットを用いて前記隣接基地局を介して前記下り通信データを送出し、前記現基地局を介する通信のうち前記第二のタイムスロットを用いた通信、及び前記隣接基地局を介する通信のうち前記第一のタイムスロットを用いた通信を禁止することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の中央装置。
【請求項5】
前記複数の基地局の配置情報、前記現基地局を特定する情報、及び前記移動体の進行方向から、前記隣接基地局を特定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の中央装置。
【請求項6】
前記通信フレームの前記第一のタイムスロット及び前記第二のタイムスロットと異なる位置の第三のタイムスロットを用いて、介する前記基地局を特定する情報及び前記下り通信データを送出するために用いるタイムスロットの構成を特定するタイムスロット情報を送出し、
他の前記タイムスロットの構成を用いた通信に対し、前記第三のタイムスロットの使用を禁止することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の中央装置。
【請求項7】
移動体に搭載され、複数のタイムスロットを有する通信フレームを使用する時分割多元接続方式によって、前記移動体の移動経路に沿って通信エリアが得られるように配置された複数の基地局を介して、中央装置と通信する移動局において、
前記中央装置から送出される下り通信データを含む前記通信フレームを無線により受信する無線通信部と、
前記移動体が前記通信エリアを跨って移動する際に、前記下り通信データを受信するタイムスロットを所定の位置の第一のタイムスロットから前記所定の位置と異なる位置の第二のタイムスロットに切り替える制御部とを備えたことを特徴とする移動局。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第一のタイムスロット及び前記第二のタイムスロットと異なる位置の第三のタイムスロットから、前記移動体が存在する通信エリアに対応する基地局を特定する情報及び前記中央装置が下り通信データを送出するために用いるタイムスロットの構成を特定するタイムスロット情報を抽出し、
抽出した前記基地局を特定する情報及び前記タイムスロット情報に基づき、前記下り通信データを受信する前記タイムスロットの位置を前記第一のタイムスロットの位置から前記第二のタイムスロットの位置に切り替えることを特徴とする請求項7記載の移動局。
【請求項9】
前記移動経路上の位置情報、前記基地局を特定する情報、及び前記中央装置が下り通信データを送出するために用いるタイムスロットの構成を特定するタイムスロット情報を対応付けた対応情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、入力された前記移動体が現在存在する現在位置の情報及び前記記憶部が記憶した前記対応情報に基づき、前記下り通信データを受信する前記タイムスロットの位置を前記第一のタイムスロットの位置から前記第二のタイムスロットの位置に切り替えることを特徴とする請求項7記載の移動局。
【請求項10】
前記制御部は、
抽出した前記基地局を特定する情報を、入力された前記移動体の進行方向と共に、前記無線通信部を介して前記中央装置に送信することを特徴とする請求項8記載の移動局。
【請求項11】
前記制御部は、
前記現在位置の情報及び前記対応情報に基づき、前記移動体が存在する現通信エリアに対応する基地局である現基地局を特定し、前記現基地局を特定する情報及び入力された前記移動体の進行方向を、前記無線通信部を介して前記中央装置に送信することを特徴とする請求項9記載の移動局。
【請求項12】
前記制御部は、
入力された前記移動体が現在存在する現在位置の情報を、前記無線通信部を介して前記中央装置に送信することを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の移動局。
【請求項13】
前記制御部は、
前記現在位置の情報を、前記無線通信部を介して前記中央装置に送信することを特徴とする請求項9記載の移動局。
【請求項14】
前記制御部は、
入力された前記移動体の速度情報を、前記無線通信部を介して前記中央装置に送信することを特徴とする請求項12または13のいずれかに記載の移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−55481(P2013−55481A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191866(P2011−191866)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】