説明

中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤及びアルカリ性回復方法

【課題】中性化コンクリート成型体の表面層だけでなく深部にまでアルカリ性を回復させることができ、そのため、既存の建造物に定期的に塗布等を行なうことでコンクリート成型体中のアルカリ性環境が維持され、内部の鋼材の腐蝕による強度低下が効果的に抑制され、コンクリート成型体の耐久性を向上させることができるアルカリ性回復剤及びアルカリ性回復方法を提供する。
【解決手段】中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤として、下記のA成分及びB成分から成り、該A成分を0.1〜60質量%及び該B成分を40〜99.9質量%(合計100質量%)の割合で含有して成るものを用いた。
A成分:下記の化1で示されるアミド化合物
【化1】


(化1において、
n,m:n+mが3〜15の範囲となる1以上の整数
R:炭素数7〜21の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基)
B成分:炭酸カリウム

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤及びアルカリ性回復方法に関する。一般に、鉄筋コンクリートはアルカリ性を保持し、内部の鉄筋の錆の発生を抑制して、成型体やその構造物を維持している。しかし、鉄筋コンクリートは、長年月が経過すると空気中の炭酸ガスや亜硫酸ガス等の酸性ガスを吸収して、表面から中性化が進行し、やがて深部にまで中性化するという性質があり、鉄筋の腐食や膨張による亀裂の発生が起こって、強度の低下等を招くという劣化現象が知られている。このようなコンクリート成型体の劣化を防止するために、従来、中性化コンクリート成型体(中性化したコンクリート成型体、以下同じ)にアルカリ性回復剤を塗布して含浸させる方法が行なわれている。本発明はかかる中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤及び該アルカリ性回復剤を用いた中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記のようなアルカリ性回復剤としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、芳香族カルボン酸塩のアルコール溶液、アルカリ金属炭酸塩、珪酸アルカリ金属塩、亜硝酸アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩型カチオン活性剤等が報告されており(例えば、特許文献1〜5参照)、これらのアルカリ性回復剤を用いたアルカリ性回復方法も報告されている(例えば、特許文献6〜7参照)。しかし、これら従来のアルカリ性回復剤を用い、中性化コンクリート成型体に塗布して含浸させる方法を試みても、中性化コンクリート成型体は内部の空隙が極めて小さいために表面層の浅い部分のアルカリ性回復だけに留まり、アルカリ性回復剤が中性化コンクリート成型体の深部、すなわち鉄筋近傍にまで浸透することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−117959号公報
【特許文献2】特開平1−167288号公報
【特許文献3】特開平5−332030号公報
【特許文献4】特開2005−90059号公報
【特許文献5】特開2009−107910号公報
【特許文献6】特開平11−79868号公報
【特許文献7】特開2004−323333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、中性化コンクリート成型体の表面層だけでなく深部にまでアルカリ性を回復することができるアルカリ性回復剤及びアルカリ性回復方法を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、特定の2成分の化合物を特定の割合で含有するアルカリ性回復剤及びそれを用いるアルカリ性回復方法が正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記のA成分及びB成分から成り、該A成分を0.1〜60質量%及び該B成分を40〜99.9質量%(合計100質量%)の割合で含有して成ることを特徴とする中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤に係る。
【0007】
A成分:下記の化1で示されるアミド化合物
【0008】
【化1】

【0009】
化1において、
n,m:n+mが3〜15の範囲となる1以上の整数
R:炭素数7〜21の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素
【0010】
B成分:炭酸カリウム
【0011】
また本発明は、該アルカリ性回復剤を水で希釈して水溶液とし、該水溶液を中性化コンクリート成型体に塗布又は注入して該中性化コンクリート成型体内部に浸透させ、該中性化コンクリート成型体内部の深部にまでアルカリ性を付与することを特徴とする中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復方法に係る。
【0012】
先ず、本発明に係るアルカリ性回復剤(以下本発明のアルカリ性回復剤という)について説明する。本発明のアルカリ性回復剤に供するA成分は化1で示されるアミド化合物である。かかるアミド化合物としては、例えば、各種の脂肪酸にジエタノールアミンを反応させたアミド化物にエチレンオキサイドを付加したものが挙げられる。化1中のRは炭素数7〜21の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基であり、かかる脂肪族炭化水素基を形成する脂肪酸の例としては、1)カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、及び2)オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。なかでもRは炭素数17の脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、かかる脂肪族不飽和炭化水素基を形成する脂肪酸としては、オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。また本発明において、脂肪酸とジエタノールアミンのアミド化物にエチレンオキサイドを付加してポリオキシエチレン基を形成するオキシエチレン単位の数であるn及びmは、n+mが3〜15の範囲、好ましくは4〜12の範囲となる1以上の整数である。かかるA成分は一つ又は二つ以上を混合して用いることができる。
【0013】
A成分としての化1で示されるアミド化合物は公知の方法によって合成することができる。例えば、蒸留、滴下、撹拌機、温度制御等の計装設備を装備した反応缶に所定量のジエタノールアミン及び触媒(ナトリウムメトキシドのメタノール溶液)を仕込み、メタノールを蒸留により反応系外に除去した後、脂肪酸のメチルエステルを徐々に滴下しながら85〜95℃の温度下でエステル交換反応によるアミド化反応を完結させることによって、先ず脂肪酸とジエタノールアミンのアミド化物を得る。続いて、得られたアミド化物の所定量を触媒とともにオートクレーブに仕込み、エチレンオキサイドの所定量を加温、加圧下で付加反応させることによって、化1で示されるアミド化合物を得ることができる。
【0014】
本発明のアルカリ性回復剤に供するB成分は炭酸カリウムであり、かかるB成分はA成分と併用したときに特異的に優れた効果を示す。
【0015】
本発明のアルカリ性回復剤は、以上説明したA成分とB成分から成るものであるが、A成分を0.1〜60質量%及びB成分を40〜99.9質量%(合計100質量%)の割合で含有するものであり、好ましくはA成分を0.5〜30質量%及びB成分を70〜99.5質量%(合計100質量%)の割合で含有するものである。
【0016】
本発明のアルカリ性回復剤を適用する中性化コンクリート成型体は、水、セメント、骨材、混和材等を含有する水硬性セメント組成物を硬化して得られる成型体であるが、なかでも本発明のアルカリ回復剤は、水/セメント比が50〜85%、好ましくは55〜75%の水硬性セメント組成物を硬化した低中強度領域の中性化鉄筋コンクリート成型体を対象にする場合に効果の発現が高い。
【0017】
次に本発明に係る中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復方法(以下本発明のアルカリ性回復方法という)について説明する。本発明のアルカリ性回復方法は、本発明のアルカリ性回復剤の水溶液を中性化コンクリート成型体の表面に塗布又は予め必要箇所に削った孔から注入し、中性化コンクリート成型体内部に浸透させ、中性化コンクリート成型体内部の深部にまでアルカリ性を付与する方法である。塗布又は注入に用いるアルカリ性回復剤の水溶液の濃度は、固形分換算濃度で、0.1〜40質量%とするのが好ましく、1〜20質量%とするのがより好ましい。また塗布する場合の塗布量は、水性液の状態で50〜500g/mとなるようにするのが好ましく、100〜350g/mとなるようにするのがより好ましい。かかる塗布は、必要に応じ繰り返して行うことが好ましい。
【0018】
本発明のアルカリ性回復方法において、本発明のアルカリ性回復剤を塗布するか又は注入するかの選択は補修現場の実情によるが、通常は中性化コンクリート成型体の表面を傷つけずに簡便に補修作業が可能な観点から塗布する方法が好ましい。またアルカリ性回復剤の水溶液を塗布してアルカリ性回復剤を浸透させるための処理期間は、目的に応じて適宜選択するが、例えば数年間隔で行なわれる内部のアルカリ性維持のための定期的な処理に用いる場合には、アルカリ性回復剤の浸透深さが0.1〜2.0cmとなることを要するため、その処理期間は1日〜3ヶ月が好ましく、また中性化コンクリート成型体内部に存在する鉄筋等の鋼材周辺までアルカリ性回復剤を浸透させる場合には、アルカリ性回復剤の浸透深さが2.0〜5.0cmとなることを要するため、その処理期間は1日〜6ヶ月が好ましい。
【0019】
本発明のアルカリ回復剤が優れた効果を発揮する理由については明確でないが、以下の1)や2)等の理由によるものと推察される。すなわち、1)中性化コンクリート成型体に発生した水に不溶の炭酸カルシウムの蓄積層に対して、カルシウムよりイオン化傾向が高く水の溶解度が高いB成分の炭酸カリウムが他のアルカリ性物質よりも拡散して浸透し易く、また2)A成分の脂肪酸とジエタノールアミンのアミド化物のエチレンオキサイド付加物は、水の表面張力を低下させると同時に、B成分の炭酸カリウムと併用したときに、カリウムイオンが中性化コンクリート成型体の深部にまで拡散して毛細管に浸透する性質を助長する作用効果に優れる等の理由が挙げられ、これらの相乗効果によって、本発明のアルカリ性回復剤はその浸透終了時において鉄筋に接触している領域のコンクリート成型体をpHが11以上の鋼材が錆びないアルカリ環境条件にすることができる。
【0020】
本発明において対象となる中性化コンクリート成型体には、コンクリートを使用した建築構造物の他に橋やダム等の土木構造物、コンクリート製の隔壁やオブジェ等の構造物が含まれる。
【0021】
本発明のアルカリ性回復方法では、本発明のアルカリ性回復剤の使用に際して、支障がない範囲で合目的的に他の剤を併用することができる。かかる他の剤としては、消泡剤、防腐剤、pHの微調節のための苛性カリ等が挙げられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、本発明のアルカリ性回復剤は中性化コンクリート成型体への浸透性が極めて優れているため、塗布等の簡便な方法によって、中性化コンクリート成型体の表面層だけでなく深部にまでアルカリ性を回復させることができ、そのため、既存の建造物に定期的に塗布等を行なうことでコンクリート成型体中のアルカリ性環境が維持され、内部の鋼材の腐蝕による強度低下が効果的に抑制され、コンクリート成型体の耐久性を向上させることができる。
【0023】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
【実施例】
【0024】
試験区分1(A成分の合成)
・化1示されるアミド化合物(a−1)の合成
蒸留管、滴下管、撹拌羽根、温度調節器等の計装設備を装備した反応缶にジエタノールアミン2100g及び触媒としてナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)27gを仕込み、反応系を75〜90℃の温度に加温してメタノールを蒸留により反応系外に除去した。次にオレイン酸メチルエステル5920gを滴下管より3時間かけて徐々に添加しながら90〜95℃の反応温度でエステル交換反応させ、更に4時間熟成してアミド化反応を完結させて、脂肪酸とジエタノールアミンのアミド化物を得た。続いて、滴下管、撹拌羽根、温度調節等の計装設備を装備した5リットル容量のオートクレーブに、得られたアミド化物2635g及び触媒として水酸化カリウム粉末8gを仕込み、撹拌しながら反応系を窒素置換した。続いて、反応系の温度を125〜135℃の温度に保ちながら、滴下管よりエチレンオキサイド505mlを徐々に添加し、加圧下で付加反応させて、アミド化合物(a−1)3083gを合成した。
【0025】
・化1示されるアミド化合物(a−2)〜(a−8)及び比較のためのアミド化合物(ar−1)〜(ar−5)の合成
アミド化合物(a−1)と同様にして、表1に記載のアミド化合物(a−2)〜(a−8)及び(ar−1)〜(ar−5)を合成した。


















【0026】
【表1】

【0027】
表1において、
*1:オレイン酸/リノール酸=70/30(質量比)の混合物
【0028】
試験区分2(アルカリ性回復剤の調製)
・実施例1:アルカリ性回復剤(P−1)の調製
A成分として試験区分1で合成した化1で示されるアミド化合物(a−1)の40%水溶液10部及びB成分として炭酸カリウムの40%水溶液190部を混合してアルカリ性回復剤(P−1)の40%水溶液を調製した。
【0029】
・実施例2〜11及び比較例1〜17
同様にアルカリ性回復剤(P−2)〜(P−11)及び(R−1)〜(R−17)を調製した。各例のアルカリ性回復剤の内容を表2にまとめて示した。
















【0030】
【表2】

【0031】
表2において、
a−1〜a−8、ar−1〜ar−5:表1に記載した化1で示されるアミド化合物等
b−1:炭酸カリウム
b−2:炭酸ナトリウム
b−3:炭酸リチウム
b−4:亜硝酸ナトリウム
b−5:珪酸ナトリウム
b−6:アルミン酸ナトリウム
b−7:水酸化リチウム
ar−6:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
ar−7:オレイルアルコールのエチレンオキサイド(10モル)付加物
*2:1質量%濃度水溶液のpH
【0032】
試験区分3(コンクリート成型体の作製及びその中性化)
・コンクリート成型体の作製
表3に記載の配合条件で、練り混ぜ水(水道水)、普通ポルトランドセメント(密度=3.16g/cm)、細骨材(大井川水系産陸砂、密度=2.57g/cm、粗粒率=2.70)、粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.68g/cm、実績率=60%)、AE減水剤(竹本油脂社製の商品名チューポールEX20)及びAE調節剤(竹本油脂社製の商品名AE200)の各所定量を50リットルのパン型強制練りミキサーに投入して90秒間練り混ぜ、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4.5±1%の範囲としたAEコンクリートを調製した。次に、このコンクリートを幅(横)10cm、厚さ(縦)10cm、長さ40cmの型枠に流し込み、硬化後に脱型してコンクリート成型体を作製した。
【0033】
【表3】

【0034】
・コンクリート成型体の中性化
前記コンクリート成型体の中性化を図るため、該コンクリート成型体を二酸化炭素濃度5%のチャンバー内に静置した後、切断し、切断面にフェノールフタレインを吹き付けて、赤色化しない部分の表面からの中性化深さが約50mmに達するまで、中性化の促進を行なった。
【0035】
試験区分4(中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復処理及び評価)
アルカリ性回復処理を以下のように行なった。
・実施例12
試験区分2で調製したアルカリ性回復剤の水溶液をいずれも固形分濃度7%になるよう水で希釈して濃度調整したものを、試験区分3で調製した中性化コンクリート成型体表面に塗布量が300g/mとなるよう塗布した後、表面をポリエステルシートで被覆して、13週間静置した。13週間静置後、中性化コンクリート成型体を切断し、切断面にフェノールフタレイン溶液を吹き付け、呈色反応を確認したところ、深さ41.5mmまでpHが11以上の領域が形成されていた。
【0036】
・実施例13〜22及び比較例18〜34
実施例12と同様にして、実施例13〜22及び比較例18〜34のアルカリ性回復処理を行なった。
【0037】
アルカリ性回復処理の評価を以下のように行なった。結果を表4にまとめて示した。
・アルカリ性回復深さの測定:中性化コンクリート成型体の切断面にフェノールフタレインを吹き付けて赤色化した部分の表面からの深さを測定した。
・中性化領域のpHの測定:中性化コンクリート成型体の切断面にフェノールフタレインを吹き付けて赤色化しない部分と同じ深さの位置において、別に作製しておいた中性化コンクリート成型体から試料をサンプリングし、微粉砕したものの10%水懸濁液のpHを測定した。
・アルカリ性回復領域のpHの測定:中性化コンクリート成型体の切断面にフェノールフタレインを吹き付けて赤色化した部分と同じ深さの位置において、別に作製しておいた中性化コンクリート成型体から試料をサンプリングし、微粉砕したものの10%水懸濁液のpHを測定した。


【0038】
【表4】

【0039】
表4からも明らかなように、本発明のアルカリ性回復剤を使用し、中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復処理を行なうことによって、中性化コンクリート成型体の深部にまでpHが11を超えるアルカリ性が付与されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA成分及びB成分から成り、該A成分を0.1〜60質量%及び該B成分を40〜99.9質量%(合計100質量%)の割合で含有して成ることを特徴とする中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤。
A成分:下記の化1で示されるアミド化合物
【化1】

(化1において、
n,m:n+mが3〜15の範囲となる1以上の整数
R:炭素数7〜21の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基)
B成分:炭酸カリウム
【請求項2】
A成分が、化1中のn及びmがn+mが4〜12の範囲となる1以上の整数であり、且つRが炭素数17の脂肪族不飽和炭化水素基である場合のものである請求項1記載の中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤。
【請求項3】
A成分を0.5〜30質量%及びB成分を70〜99.5質量%(合計100%)の割合で含有する請求項1又は2記載の中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤。
【請求項4】
中性化コンクリート成型体が、水/セメント比が50〜85%の水硬性セメント組成物を硬化したコンクリート成型体である請求項1〜3のいずれか一つの項記載の中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つの項記載のアルカリ性回復剤を水で希釈して水溶液とし、該水溶液を中性化コンクリート成型体に塗布又は注入して該中性化コンクリート成型体内部に浸透させ、該中性化コンクリート成型体内部の深部にまでアルカリ性を付与することを特徴とする中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復方法。
【請求項6】
アルカリ性回復剤の水溶液を中性化コンクリート成型体の表面に塗布して該中性化コンクリート成型体内部に浸透させる請求項5記載の中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復方法。
【請求項7】
中性化コンクリート成型体が内部に鋼材を有するものであって、アルカリ性回復剤の水溶液を該中性化コンクリート成型体に塗布又は注入して該中性化コンクリート成型体内部に浸透させた後、該鋼材に接触している領域におけるコンクリート成型体のpHが11以上となるようにする請求項5又は6記載の中性化コンクリート成型体のアルカリ性回復方法。

【公開番号】特開2011−173774(P2011−173774A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40735(P2010−40735)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(592182698)株式会社竹中道路 (14)
【出願人】(000210654)竹本油脂株式会社 (138)
【Fターム(参考)】