Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
中性子線照射装置
説明

中性子線照射装置

【課題】治療における中性子線の照射時間を短く抑えることができる中性子線照射装置を提供する。
【解決手段】中性子線治療装置1は、荷電粒子を加速し荷電粒子線Pを出射する加速器と、加速器からの荷電粒子線Pが入射され中性子線を生成するターゲットTと、ターゲットTからの中性子線を減速させ出射するモデレータ50と、を備え、モデレータ50から出射される中性子線Nを水ファントム60の入射面60aから入射させた場合に、照射中心軸線C上で水ファントム60の入射面60aから20mmの深さの基準位置Q1における中性子束が5.0×108 neutrons/cm2/sec以上になるように加速器及びターゲットTが設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子線照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
がん治療等における放射線治療の1つとして、中性子線の照射によりがん治療を行うホウ素中性子捕捉療法(BNCT:BoronNCT)がある。従来、このホウ素中性子捕捉療法を行うための中性子線治療装置(BNCT装置)が開発されており、例えば特許文献1には、サイクロトロン等の加速器で陽子線(荷電粒子線)を生成し、タンタルやタングステン等のターゲットに陽子線を照射することにより中性子線を生成し、生成した中性子線を対象へ照射するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−240330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の治療装置では、治療効果を生じさせるための所定の線量の中性子線を被照射体に照射することが必要であるので、中性子線の照射を一定の時間継続する必要がある。被照射体(患者等)の負担軽減、装置の稼動効率の向上、がん細胞中のホウ素の濃度低下の防止等の観点から照射時間は短いことが好ましいので、治療効果を犠牲にすることなく中性子線の照射時間を短くすることが望まれる。ところが、上記特許文献1の装置においては、治療時間・照射時間について何ら考慮されていない。
【0005】
このような事情に鑑み、本発明は、治療における中性子線の照射時間を短く抑えることができる中性子線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の中性子線照射装置は、中性子線を被照射体へ照射する中性子線照射装置であって、荷電粒子を加速し荷電粒子線を出射する加速器と、加速器からの荷電粒子線が入射され中性子線を生成する中性子線生成部と、中性子線生成部からの中性子線を減速させ出射する減速部と、を備え、減速部から出射される中性子線を水ファントムの入射面から当該水ファントム中に入射させた場合に、中性子線の照射野の中心軸線上で入射面から20mmの深さの位置における熱中性子束が5.0×108 neutrons/cm2/sec 以上になるように加速器及び中性子線生成部が設定されていることを特徴とする。
【0007】
上記の条件を満たす中性子線によれば、治療効果を生じさせるために必要とされる中性子線の等価線量が、被照射体に対する約2時間以下の照射で実現される。よって、治療における中性子線の照射時間を、約2時間以下といった短い時間に抑えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の中性子線照射装置によれば、治療における中性子線の照射時間を短く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る中性子線治療装置の構成を示す図である。
【図2】図1の中性子線治療装置における中性子線出力部の近傍を示す概略断面である。
【図3】図1の中性子線治療装置の出射方向前方に水ファントムを設置した状態を示す概略断面図である。
【図4】図3の水ファントム中に中性子線を入射した場合、熱中性子線の中性子束の分布を等値線で示す図である。
【図5】図3の水ファントム中で、照射中心軸線C上における熱中性子線の中性子束(フラックス)の分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、「上流」「下流」の語は、出射する荷電粒子線及び中性子線の上流(加速器側)、下流(患者側)をそれぞれ意味している。
【0011】
図1に示す中性子線治療装置(中性子線照射装置)1は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT:BoronNCT)を用いたがん治療を行う装置であり、ホウ素10(10B)が投与された患者(被照射体)40に対し中性子線Nを照射する。中性子線治療装置1は、加速器10(例えば、サイクロトロン)を備え、加速器10は、荷電粒子(例えば、陽子)を加速して、荷電粒子線P(例えば、陽子線)を作り出し、出射する。ここでの加速器10は、例えば、ビーム半径40mm、60kW(=30MeV×2mA)の荷電粒子線Pを生成する能力を有している。
【0012】
加速器10から出射された荷電粒子線Pは、水平型ステアリング12、4方向スリット14、水平垂直型ステアリング16、四重極電磁石18,19,20、90度偏向電磁石22、四重極電磁石24、水平垂直型ステアリング26、四重極電磁石28、4方向スリット30、電流モニタ32、荷電粒子線走査部34を順次に通過し、中性子線出力部36に導かれる。中性子線出力部36では荷電粒子線PがターゲットTに照射されることで生成された中性子線Nを出射(出力)し、当該中性子線Nが治療台38上の患者40に照射される。
【0013】
水平型ステアリング12、水平垂直型ステアリング16,26は、例えば電磁石を用いて荷電粒子線Pのビーム軸調整を行うものである。同様に、四重極電磁石18,19,20,24,28は、例えば電磁石を用いて荷電粒子線Pのビームの発散を抑制するものである。4方向スリット14,30は、端のビームを切ることにより、荷電粒子線Pのビーム整形を行うものである。
【0014】
90度偏向電磁石22は、荷電粒子線Pの進行方向を90度偏向するものである。なお、90度偏向電磁石22には、切替部42が設けられており、切替部42によって荷電粒子線Pを正規の軌道から外してビームダンプ44に導くことが可能になっている。ビームダンプ44は、治療前などにおいて荷電粒子線Pの出力確認を行うことができる。
【0015】
電流モニタ32は、中性子線出力部36のターゲットTに照射される荷電粒子線Pの電流値(つまり、電荷,照射線量率)をリアルタイムで測定するものである。電流モニタ32は、荷電粒子線Pに影響を与えずに電流測定可能な非破壊型のDCCT(DC Current Transformer)が用いられている。この電流モニタ32には、所定のコントローラが接続されている。なお、「線量率」とは、単位時間当たりの線量を意味する(以下、同じ)。
【0016】
荷電粒子線走査部34は、荷電粒子線Pを走査し、ターゲットTに対する荷電粒子線Pの照射制御を行うものである。ここでの荷電粒子線走査部34は、例えば、荷電粒子線PのターゲットTに対する照射位置や、荷電粒子線Pのビーム径等を制御する。
【0017】
図2に示すように、中性子線出力部36は、荷電粒子線Pを通すビームダクト48の下流端部に配設されたターゲット(中性子線生成部)Tと、ターゲットTで発生した中性子線Nを減速させるモデレータ(減速部)50と、これらを覆うように設けられた遮蔽体52と、遮蔽体52の下流端に取り付けられたコリメータ46と、を含んで構成されている。
【0018】
ターゲットTは、荷電粒子線Pの照射を受けて中性子線Nを発生させるものである。ここでのターゲットTは、例えば、ベリリウム(Be)により形成され、直径160mmの円板状を成している。モデレータ50は、ターゲットTから出射される中性子線Nを減速させ、エネルギーが低減された治療用中性子線Nとするものである。モデレータ50は、例えば異なる複数の材料から成る積層構造とされている。
【0019】
モデレータ50の材料は、荷電粒子線Pのエネルギー等の諸条件によって適宜選択される。例えば、加速器10からの出力が30MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてベリリウムターゲットを用いる場合には、モデレータ50の材料は、鉛、鉄、アルミニウム、又はフッ化カルシウムとする。また、加速器10からの出力が11MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてベリリウムターゲットを用いる場合には、モデレータ50の材料は、重水(D2O)又はフッ化鉛とする。また、加速器10からの出力が2.8MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてリチウムターゲットを用いる場合には、モデレータ50の材料は、フルエンタール(商品名;アルミニウム、フッ化アルミ、フッ化リチウムの混合物)とする。また、加速器10からの出力が50MeVの陽子線であり、ターゲットTとしてタングステンターゲットを用いる場合には、モデレータ50の材料は、鉄又はフルエンタールとする。
【0020】
遮蔽体52は、中性子線N、及び当該中性子線Nの発生に伴って生じたガンマ線等が外部へ放出されないよう遮蔽するものであり、治療室の床に取り付けられている。コリメータ46は、治療用中性子線Nの出力口となる円形の開口46aを備え、治療用中性子線Nの照射野を規定する。以下、コリメータ46で規定される照射野の中心(開口46aの中心)を通り治療用中性子線Nの上下流方向に延在する仮想の軸線を「照射中心軸線」と称し、符号「C」を付して示す。なお、照射中心軸線Cは、コリメータ46の開口46aの下流端面に直交している。
【0021】
中性子線出力部36においては、荷電粒子線走査部34で走査された荷電粒子線Pがターゲット(中性子線生成部)Tに照射され、これにより中性子線が発生する。発生した中性子線は、モデレータ50で減速されて治療用中性子線Nとなる。そして、モデレータ50から出射された治療用中性子線Nが、コリメータ46の開口46aを通過して治療台38上の患者40へ照射される。治療用中性子線Nのビームには、ガンマ線、速中性子線、熱外中性子線、及び熱中性子線が含まれている。このうちの熱中性子線が、主に、患者40体内の腫瘍中に取り込まれたホウ素10と核反応し、有効な治療効果を発揮する。なお、治療用中性子線Nのビームに含まれる熱外中性子線の一部も、患者40の体内で減速されて上記治療効果を発揮する熱中性子線となる。熱中性子線は、0.5eV以下のエネルギーの中性子線である。
【0022】
続いて、中性子線治療装置1から出力される治療用中性子線Nの強度の設定について説明する。
【0023】
治療用中性子線Nの強度設定では、患者40に対する治療の等価線量率を適切に調整する必要がある。ここで、治療の等価線量率に影響を与える項目としては、主に、(ア)熱中性子線とホウ素10との反応、(イ)熱中性子線と生体構成元素である窒素との反応、(ウ)速中性子線と生体構成元素である水素との反応、及び(エ)ガンマ線と生体との反応がある。すなわち、治療用中性子線Nによる治療の等価線量率は、下式(A)のように表される。
(治療の等価線量率)=
(熱中性子束)・a1+(熱中性子束)・a2+(速中性子束)・b+(ガンマ線束)・1.0 …(A)
但し、式(A)中のa1,a2,bは、既知の係数である。
そして、式(A)の右辺のうち熱中性子束に関係する第1項が、治療の等価線量率の90〜95%を占める。従って、中性子線治療装置1においては、熱中性子束を調整することによって、治療用中性子線Nによる治療の等価線量率を調整するものとする。以下、治療用中性子線Nにおける熱中性子束の調整について説明する。
【0024】
図3に示すように、コリメータ46の下流側に水ファントム60を設置し、治療用中性子線Nを水ファントム60の入射面60aから入射させた場合を考える。このとき、水ファントム60の入射面60aをコリメータ46の開口46aに当接させた状態とする。コリメータ46の開口46aの径は、直径100〜250mmとする。
【0025】
ここで、上記のような水ファントム60中に中性子線を入射した場合、熱中性子線の中性子束は図4のような分布を示す。なお、図4は、照射中心軸線Cを含む平面内における、熱中性子線の中性子束の等値線を示すものである。図4においては、水平位置=0mmの直線が照射中心軸線Cに対応しており、縦軸(水平位置)は照射中心軸線Cからの距離を表し、横軸(深さ)は入射面60aから照射中心軸線C方向に測った深さを表す。図4中の各等値線に付された各値は、ピークの中性子束値(1.0)に対する各箇所の中性子束値の比を表している。また、水ファントム60中で、照射中心軸線C上における熱中性子線の中性子束(フラックス)は、図5のような分布を示す。
【0026】
図4及び図5から理解されるように、熱中性子線の中性子束のピークは、当該治療用中性子線Nを照射した水ファントム60中において、照射中心軸線C上の深さ約20mmの位置にある。
【0027】
この知見に鑑み、本実施形態においては、水ファントム60中で照射中心軸線C上の深さ20mmの位置を治療用中性子線Nの強度設定のための基準位置Q1とする。そして、治療用中性子線Nを水ファントム60に入射させた場合に、上記基準位置Q1における熱中性子束が5.0×108 neutrons/cm2/sec 以上となるように、中性子線治療装置1を設定するものとする。この条件は、水ファントム60中における基準位置Q1の等価線量率が12.5mGy-Eq/min以上になるような照射に対応する。治療用中性子線Nを水ファントム60に入射させた場合に、基準位置Q1における熱中性子束が5.0×108 neutrons/cm2/sec 以上になるとの上記条件を、以下、「基準照射条件」という。上記の基準照射条件を満足するような等価線量率は、主に、ターゲットTの種類を適切に選択すると共に加速器10からターゲットTに入射するイオン(荷電粒子線P)の電流量を調整することにより実現される。
【0028】
水ファントム60中の基準位置Q1における熱中性子束は、次の方法で測定される。水ファントム60中に金の試料(例えば金線)を入れておき、図3に示されるように水ファントム60を設置した状態で、中性子線治療装置1からの治療用中性子線Nを水ファントム60に照射する。金は熱中性子を吸収して放射化する性質を有するので、水ファントム60中の金試料は治療用中性子線Nによって放射化される。その照射の終了後、金試料を回収し、金試料から放射される特定のガンマ線を測定して金試料の放射化量を測定する。更に、上記と同様の照射及び測定を、カドミウムで覆った金試料を用いて行い、当該試料の放射化量を測定する。
【0029】
これらの試料の放射化量と熱中性子束との間には既知の相関関係があるので、金試料の放射化量から、カドミウムで覆った金試料の放射化量を減算することで、上記相関関係に基づき熱中性子束を算出することができる。金試料及びカドミウムで覆った金試料のうち基準位置Q1に位置していた部位について上記の分析を行うことで、基準位置Q1における熱中性子束が求められる。
【0030】
なお、治療用中性子線Nの速中性子束も、上記の金試料に代えてインジウム試料又はアルミニウム試料を用いることで、試料の放射化量から算出することができる。また、治療用中性子線Nのガンマ線束も、TLD(熱ルミネッセンス測定子)を用いて測定することができる。
【0031】
基準照射条件を満足するためには、例えば、加速器10から出力される荷電粒子線Pのエネルギーが1核子あたり1MeV以上で、荷電粒子線Pの電流が0.5mA以上になるように設定される。基準照射条件を満足するための加速器10及びターゲットTの組み合わせについて、更に具体的な設定の例を、以下の設定例1〜3として挙げる。
【0032】
(設定例1)
加速器10として、静電加速器又は線形加速器を使用する。加速器10から出力される荷電粒子線は陽子線であり、陽子線の陽子エネルギーは1.9〜10MeVとする。例えば、加速器10から、2.8MeVの陽子線を20mA以上で出力すればよい。ターゲットTとしては、リチウムターゲットを使用する。この場合、金属リチウム(固体)をターゲットTとしてもよく、液体リチウムを循環させてターゲットTとして用いてもよい。
【0033】
(設定例2)
加速器10として、線形加速器、サイクロトロン、又はFFAG(固定磁場強収束型加速器)を使用する。加速器10から出力される荷電粒子線は陽子線であり、陽子エネルギーは8〜40MeVで0.6mA以上とする。ターゲットTとしては、ヘリウムターゲット又はベリリウムターゲットを使用する。
【0034】
(設定例3)
加速器10として、サイクロトロン、シンクロトロン、又はFFAGを使用する。加速器10から出力される荷電粒子線は陽子線であり、陽子エネルギーは30MeV以上とする。ターゲットTとしては、タンタル、タングステン、又は水銀などの重金属のターゲットを使用する。
【0035】
続いて、上述のように基準照射条件を満足するように設定された中性子線治療装置1の作用効果について説明する。
【0036】
中性子線治療装置1を用いて患者40に対するホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を行う場合を考える。BNCTにおける治療用中性子線Nの照射時間を決定するにあたり、典型的なBNCT治療例として以下の値が採用される。
人体構成元素である窒素の濃度 :2%
投入薬剤であるホウ素10の人体中の濃度 :25ppm
正常な皮膚のCBE値 :2.5
正常な皮膚に対する最大線量 :11Gy-Eq
また、一般にBNCTの治療効果を得るためには、腫瘍に対して20Gy-Eqの線量の照射が必要とされている。
【0037】
上記の治療例に基づいて算出すれば、BNCTにおいて中性子線治療装置1の治療用中性子線Nを患者40に照射した場合、照射中心軸線C上の患者40の身体内部の深さ20mmの位置で中性子線量率がピークになる。そして、照射を2時間継続した場合に、当該深さ20mmの位置における合計の等価線量は約60Gy-Eq以上となり、患者40の身体内部の深さ80mmの位置における合計の等価線量は約20Gy-Eq以上となる。またこのとき、患者40の皮膚表面における合計の等価線量を11Gy-Eq以下に抑えることも可能である。なお、BNCTにおける合計の等価線量は、熱中性子とホウ素の核反応による等価線量(ホウ素線量)と、熱中性子と窒素の核反応による等価線量(窒素線量)と、速中性子による反跳水素による等価線量(水素線量)と、ガンマ線による等価線量と、の和として表わされる。
【0038】
従って、基準照射条件を満足する設定の中性子線治療装置1によれば、患者40の腫瘍が身体内部の深さ20〜80mmの位置に存在する場合に、2時間の治療用中性子線Nの照射で腫瘍に対する十分な治療効果を得ることができる。その結果、治療効果を得ながら、治療用中性子線Nの照射時間を2時間以下という短い時間に抑えることができる。治療用中性子線Nの照射中においては、患者40は身体を動かすことが許されないなどの負担を強いられるが、上記の2時間以下という照射時間は、患者40の負担の許容範囲内であると考えられる。また、中性子線治療装置1によれば、照射時間を短くし治療時間を短くすることにより、稼働率向上が図られるといった効果もある。
【0039】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。
【0040】
例えば、90度偏向磁石22を用いて荷電粒子線Pを90度偏向する構成に限らず、90度偏向磁石を設置せずに、加速器からターゲットまでを一直線上に配置してもよい。また、固定照射を行うタイプの治療装置に限らず、ターゲット及び中性子線出力部を患者の周りに回転させる回転照射を行うタイプの治療装置に本発明を適用してもよい。また、荷電粒子線走査部34を設けずに、ターゲット上の定位置に荷電粒子線を照射するようにしてもよい。また、電流モニタ32を設けずに、中性子線の線量を直接測定できる測定手段を設けてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…中性子線治療装置(中性子線照射装置)、10…加速器、40…患者(被照射体)、50…モデレータ(減速部)、60…水ファントム、60a…入射面、C…照射中心軸線(照射野の中心軸線)、N…治療用中性子線、P…荷電粒子線、Q1…基準位置、T…ターゲット(中性子線生成部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中性子線を被照射体へ照射する中性子線照射装置であって、
荷電粒子を加速し荷電粒子線を出射する加速器と、
前記加速器からの前記荷電粒子線が入射され中性子線を生成する中性子線生成部と、
前記中性子線生成部からの前記中性子線を減速させ出射する減速部と、を備え、
前記減速部から出射される前記中性子線を水ファントムの入射面から当該水ファントム中に入射させた場合に、
前記中性子線の照射野の中心軸線上で前記入射面から20mmの深さの位置における熱中性子束が5.0×108 neutrons/cm2/sec 以上になるように前記加速器及び前記中性子線生成部が設定されていることを特徴とする中性子線照射装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−62193(P2013−62193A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201028(P2011−201028)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】