説明

中性糖修飾後タンパク質に含まれる中性糖の含有量を低下させる方法

【課題】医薬品、工業製品、化粧品、食品等として商業的に一層価値がある高性能な多用途素材となるような新規な中性糖修飾後タンパク質を見出し、見出された新規な中性糖修飾後タンパク質を取得するために利用される方法等の開発が求められていた。
【解決手段】酵母内に存在する中性糖被修飾タンパク質遺伝子の発現により産生される中性糖被修飾タンパク質が前記酵母内で中性糖により修飾されて得られる中性糖修飾後タンパク質に含まれる中性糖の含有量を低下させる方法であり、特性(A)及び(B)を有する中性糖被修飾タンパク質の遺伝子を発現する酵母内にHsp47をコードするポリヌクレオチドを導入する工程、または、Hsp47をコードするポリヌクレオチドを発現する酵母内に特性(A)及び(B)を有する中性糖被修飾タンパク質の遺伝子を導入する工程のいずれかの一つの工程を含むことを特徴とする方法等。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵母内に存在する中性糖被修飾タンパク質遺伝子の発現により産生される中性糖被修飾タンパク質が前記酵母内で中性糖により修飾されて得られる中性糖修飾後タンパク質に含まれる中性糖の含有量を低下させる方法であり、
下記の特性(A)及び(B)を有する中性糖被修飾タンパク質の遺伝子を発現する酵母内にHsp47をコードするポリヌクレオチドを導入する工程、または、Hsp47をコードするポリヌクレオチドを発現する酵母内に下記の特性(A)及び(B)を有する中性糖被修飾タンパク質の遺伝子を導入する工程のいずれかの一つの工程を含むことを特徴とする方法。

<特性(A)>
中性糖被修飾タンパク質におけるポリペプチド鎖が、連続するGly-Xaa-Yaaの繰り返し配列を含み、且つ、当該繰り返し配列は下記の結合配列I乃至Vのいずれか1つ以上の結合配列を含む。
I:Thr-Gly-Xaa-Arg-Gly
II:Pro-Gly-Xaa-Arg-Gly
III:Ser-Gly-Xaa-Arg-Gly
IV:Val-Gly-Xaa-Arg-Gly
V:Ala-Gly-Xaa-Arg-Gly

<特性(B)>
中性糖被修飾タンパク質におけるポリペプチド鎖が、3本を一組にした三重螺旋構造を形成する。
【請求項2】
中性糖被修飾タンパク質が、コラーゲンであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記酵母が、プロリン水酸化酵素遺伝子を共発現する酵母であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
下記の特性を有する中性糖修飾後タンパク質の取得方法であり、
(1)下記の特性(A)及び(B)を有する中性糖被修飾タンパク質の遺伝子を発現する酵母内にHsp47をコードするポリヌクレオチドを導入する工程、または、Hsp47をコードするポリヌクレオチドを発現する酵母内に下記の特性(A)及び(B)を有する中性糖被修飾タンパク質の遺伝子を導入する工程のいずれかの一つの第一工程
(2)第一工程により得られる形質転換体を培養することにより、当該形質転換体内に存在する中性糖被修飾タンパク質遺伝子の発現により産生される中性糖被修飾タンパク質が前記形質転換体内で中性糖により修飾されて得られる中性糖修飾後タンパク質を前記形質転換体に製造させる第二工程
(3)第二工程で製造された中性糖修飾後タンパク質を回収する第三工程
を含むことを特徴とする方法。

<取得される中性糖修飾後タンパク質の特性>
取得される中性糖修飾後タンパク質は、(a)第一工程において、Hsp47をコードするポリヌクレオチドが導入されていないこと以外は同等な形質転換体、または、(b)第一工程において、Hsp47をコードするポリヌクレオチドを発現しないこと以外は同等な形質転換体のいずれかの一つの形質転換体を培養することにより、当該形質転換体内に存在する中性糖被修飾タンパク質遺伝子の発現により産生される中性糖被修飾タンパク質が前記形質転換体内で中性糖により修飾されて得られる中性糖修飾後タンパク質に含まれる中性糖の含有量よりも低い中性糖の含有量である。

<特性(A)>
中性糖被修飾タンパク質におけるポリペプチド鎖が、連続するGly-Xaa-Yaaの繰り返し配列を含み、且つ、当該繰り返し配列は下記の結合配列I乃至Vのいずれか1つ以上の結合配列を含む。

I:Thr-Gly-Xaa-Arg-Gly
II:Pro-Gly-Xaa-Arg-Gly
III:Ser-Gly-Xaa-Arg-Gly
IV:Val-Gly-Xaa-Arg-Gly
V:Ala-Gly-Xaa-Arg-Gly

<特性(B)>
中性糖被修飾タンパク質におけるポリペプチド鎖が、3本を一組にした三重螺旋構造を形成する。
【請求項5】
中性糖被修飾タンパク質が、コラーゲンであることを特徴とする請求項4記載の取得方法。
【請求項6】
前記酵母が、プロリン水酸化酵素遺伝子を共発現する酵母であることを特徴とする請求項4又は5記載の取得方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかの請求項記載の取得方法により取得された中性糖修飾後タンパク質。
【請求項8】
請求項5又は6記載の取得方法により取得されたコラーゲン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−188798(P2011−188798A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57482(P2010−57482)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【出願人】(591071104)株式会社高研 (38)
【Fターム(参考)】