説明

中性脂肪蓄積促進剤、豊胸剤

【課題】 局所の脂肪細胞における中性脂肪蓄積を促進することにより、脂肪組織の蓄積、増大に有効な中性脂肪蓄積促進剤、および豊胸剤を提供する。
【解決手段】 超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を有効成分とする中性脂肪蓄積促進剤、豊胸剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所の脂肪細胞における中性脂肪蓄積を促進することにより、脂肪組織の蓄積、増大に有効な中性脂肪蓄積促進剤および豊胸剤に関する。
【背景技術】
【0002】
女性の乳房は、主に乳腺と脂肪組織より構成されている。乳房の容量は個人差が大きい上、体重の増減などにより容易に変動し、健常な女性では、これらの乳房の容量は、脂肪組織の容量に依存して変動することが知られている。
一方、脂肪組織を構成している脂肪細胞は、身体部位により脂肪代謝が異なることが明らかにされている。中でも乳房は、下腿部などと比較して、脂肪蓄積作用が低く、脂肪分解作用が高い特徴があるため、豊胸には、脂肪細胞における脂肪蓄積を促進させ、脂肪組織の増大を促すことが望ましい。このような脂肪細胞における脂肪の蓄積を促進する作用を有するものとして、ジオウ、サンショウ、シイタケ、サルビア、カッコン、サイシン、トウニン、ケイヒより抽出した植物エキス(特許文献1参照)、クズ属植物の根またはその処理物、マキ科植物,アヤメ科植物、エンドウ亜科植物の根もしくは亜麻またはその処理物、大豆、ゴマ類、イソフラボン類(特許文献2参照)、カシュウ、ビンロウジ、ハブソウ(特許文献3参照)、アルモアーゼオイル、エルダーオイル、サイプレスオイル、プチグレインオイル、及びミルトルオイル(特許文献4参照)などがすでに知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−199499号公報
【特許文献2】特開2000−302667号公報
【特許文献3】特開2005−126350号公報
【特許文献4】特開2005−187431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来用いられている脂肪蓄積促進剤は、その脂肪蓄積促進効果が必ずしも十分ではないなど、安定性、副作用、効果などの点から未だ十分なものは得られていない。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。従って、本発明の目的は、局所の脂肪細胞における中性脂肪蓄積を促進することにより、脂肪組織の蓄積、増大に有効な中性脂肪蓄積促進剤、および豊胸剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、優れた効果を発揮する中性脂肪蓄積促進剤を見出すために、様々の物質について、脂肪細胞における中性脂肪の蓄積促進作用に関する検討を行った。その結果、超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物に優れた中性脂肪の蓄積促進作用が存在することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を有効成分とする中性脂肪蓄積促進剤に関する。
【0007】
また本発明は、超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を有効成分とする豊胸剤に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を有効成分とすることにより、優れた効果を有する中性脂肪蓄積促進剤、豊胸剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の詳細を説明する。
【0010】
本発明で用いるアサリは、マルスダレガイ科アサリ属に属する二枚貝の総称で、日本、朝鮮半島、台湾、フィリピンまで広く分布する。地中海(アドリア海とティレニア海)、フランス(ブルターニュ地方)、ハワイ諸島、北アメリカの太平洋岸にも移入されている。食用とされ、潮汁・酒蒸し・味噌汁や和え物とするほか、ヴォンゴレスパゲッティやクラムチャウダーの具などにも用いられている。
【0011】
本発明で用いるハマグリは、マルスダレガイ科ハマグリ属に属する二枚貝の総称であり、アジア各地に分布する。食用とされ、焼きハマグリ、佃煮、汁物などに用いられている。
【0012】
本発明で用いるヒメエゾボラは、エゾバイ科エゾボラ属に属する巻貝である。食用とされ、刺身や焼き物、寿司種、和え物、煮物などに用いられている。
【0013】
本発明で用いるトリガイは、ザルガイ科トリガイ属に属する2枚貝で、北海道を除く日本、朝鮮半島、中国沿岸に分布する。食用として寿司種、刺身、酢の物などに広く用いられている。
【0014】
本発明で用いるミルクイは、バカガイ科トレスス属に属する2枚貝で、日本全国に分布する。食用とされ、大きな水管を食用にし、刺身や寿司種、塩焼きなどに用いられている。
【0015】
本発明で用いるウバガイは、バカガイ科ウバガイ属に属するに2枚貝で、日本海北部と茨城県以北の太平洋、シベリア沿岸に分布する。食用とされ、刺身や寿司種のほか、炊き込みご飯、カレーが地域の名物食となっている。
【0016】
本発明で用いるホタテガイは、イタヤガイ科ホタテガイ属に属する2枚貝で、22℃以下の冷水域に分布する。食用として刺身や煮込み、バター焼き、スープなど様々な料理で利用されている。また干した貝柱は中華の高級食材として用いられている。
【0017】
タイラギは、ハボウキガイ科クロタイラギ属に属する2枚貝で、有鱗型、無鱗型等複数の同胞種が確認されており、日本のほか、西太平洋からベンガル湾にかけて広く分布している。食用として刺身、寿司種、焼き物、汁物などに用いられている。
【0018】
本発明では、これらの貝から、超臨界抽出剤として二酸化炭素を用い抽出して得られる抽出物を用いる。
【0019】
本発明における貝類の抽出には、貝類の殻を除いた全体、ヒモ、肝、貝柱などのいずれの部位を用いても構わないが、本発明の有効性の点から、貝類の殻を除いた全体を用いるとよい。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効果を考えると、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いた超臨界流体や亜臨界流体抽出方法で行う。抽出圧力は、適宜選定することができるが、通常は3〜70MPaであることが好ましく、特に二酸化炭素を使用するときは4〜60MPa、好ましくは5〜50MPa、最も好ましくは10〜40MPaである。抽出温度は、使用する抽出剤の臨界温度に応じて適宜選定することができるが、通常は10〜700℃であることが好ましく、特に抽出剤として二酸化炭素を使用するときは15〜200℃、好ましくは20〜150℃、最も好ましくは25〜100℃である。
【0020】
抽出の際の貝類と抽出剤との比率は特に限定されないが、貝類1に対して抽出剤0.1〜1000重量倍、特に抽出操作、効率の点で、0.5〜100重量倍が好ましい。また、抽出時間は抽出条件などにより異なるが2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
【0021】
また、抽出剤の溶解度を向上させるためにエントレーナを用いることもできる。エントレーナとしては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の溶媒が挙げられるが、特に限定されない。
【0022】
貝類の超臨界流体による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもでき、これらの生理作用を損なわない範囲で脱色、脱臭、脱塩等の精製処理やカラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。貝類の前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶解して用いることもできる。
【0023】
超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を有効成分とする中性脂肪蓄積促進剤は、優れた中性脂肪蓄積促進作用を発揮し、豊胸剤としても有効である。
【0024】
超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物は、皮膚外用剤、経口剤として用いることもできる。
【0025】
超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を皮膚外用剤や経口剤に配合する際の配合量は、皮膚外用剤や経口剤の種類や使用目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して、0.0001〜50.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜20.0質量%である。
【0026】
超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を配合する皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、ローションなどの可溶化系、クリームや乳液などの乳化系,カラミンローション等の分散系として提供することができる。
【0027】
なお、上記抽出物を配合する皮膚外用剤には、これらの抽出物の他に必要に応じて、通常医薬品,医薬部外品,皮膚化粧料,及び洗浄料に配合される、油性成分,保湿剤,粉体,色素,乳化剤,可溶化剤,洗浄剤,紫外線吸収剤,増粘剤,薬剤,香料,樹脂,防菌防黴剤,アルコール類等を適宜配合することができる。
【0028】
また、超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を配合する経口剤の剤型は任意であるが、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤などの種々の剤型で提供することもでき、必要に応じて、医薬品・医薬部外品・食品などに配合される、油性成分,保湿剤,粉体,乳化剤,可溶化剤,増粘剤,薬剤,香料,防菌防黴剤,アルコール類,砂糖,練乳,小麦粉,食塩,ブドウ糖,鶏卵,バター,マーガリン,水飴,カルシウム,鉄分,調味料,香辛料、ビタミンA及びそれらの誘導体、カロテノイド類、リボフラビン及びその誘導体、ビタミンB類及びそれらの塩若しくは誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、コバラミン類、ビタミンE及びそれらの誘導体、ビタミンK、アデノシン及びその誘導体、フラボノイド類及びタンニン類を配合することもできる。
【実施例】
【0029】
以下に、貝類の抽出物の製造例、中性脂肪蓄積促進作用を評価するための試験、皮膚外用剤や経口剤としての処方例について詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0030】
[抽出物1]
アサリの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は2.7%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物1とした。
【0031】
[抽出物2]
ハマグリの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は3.2%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物2とした。
【0032】
[抽出物3]
ヒメエゾボラの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は4.7%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物3とした。
【0033】
[抽出物4]
トリガイの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は2.9%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物4した。
【0034】
[抽出物5]
ミルクイの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は3.1%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物5とした。
【0035】
[抽出物6]
ウバガイの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は3.8%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物6とした。
【0036】
[抽出物7]
ホタテガイの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は4.4%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物7とした。
【0037】
[抽出物8]
タイラギの殻を取り除いた全体を乾燥させて粉砕し、耐圧セルに投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25MPa、5mL/分、40℃の条件下でそのまま二酸化炭素を流し、抽出成分を気液分離器内に集めた。収率は0.5%であった。抽出成分をエタノールに溶解し、10mg/mLエタノール溶液として抽出物8とした。
【0038】
[試験例]中性脂肪蓄積促進作用
皮下脂肪由来正常ヒト前駆脂肪細胞Cryo HPRAD−SQを1ウェル当り5.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはPGM培地(10%FBS,2mML−glutamine,100units/mL Penicilline,100μg/mL Streptomycine含有)を用いた。48時間培養後、抽出物1〜8をそれぞれ添加して表1、2に示す濃度になるように調整したPGM分化用培地(10μg/mLインシュリン,1μM Dexamethasone,200μM Indomethacin,500μM Isobutylmethylxanthine含有)に交換し、脂肪細胞への分化誘導を行った。分化誘導開始後、コントロール群が成熟して細胞内に多数の脂肪滴が蓄積されるまで、10〜14日間培養した。細胞を回収後、10%中性緩衝ホルムアルデヒド溶液を用いて細胞を固定した。PBS(−)にて洗浄後、0.5質量/体積%オイルレッドO溶液を添加し、37℃で2時間培養した。PBS(−)にて洗浄後、メタノールを添加し、色素を抽出し、550nmの吸光度を測定した。同時に、濁度として650nmの吸光度を測定し、両測定値の差を用いて中性脂肪蓄積促進作用を評価した。評価結果を試料無添加のコントロールにおける中性脂肪蓄積量を100とした時の相対値にて表1、表2に示す。この試験結果について、t検定における有意確率P値に対し、有意確率5%未満(P<0.05)を*、有意確率1%未満(P<0.01)を**で表す。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
表1、2から明らかなように抽出物1〜8には、有意なヒト前駆脂肪細胞中性脂肪蓄積促進作用が認められた。このことから、特定の貝類のの超臨界抽出物には、優れた中性脂肪蓄積促進作用を有し、かかる貝類の超臨界抽出物を局所的な皮膚外用剤に用いることにより豊胸剤として有用であることが明らかとなった。
【0042】
[処方例1]豊胸用乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 53.85
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)抽出物1 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、冷却を開始し、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0043】
[処方例2]豊胸用化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 78.38
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)抽出物2 5.0
製法:(1)に(2)及び(3)を溶解する。溶解後、(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0044】
[処方例3]豊胸用クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 36.7
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)抽出物3 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。乳化終了後、(11)を加え、冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0045】
[処方例4]豊胸用美容液
(1)精製水 27.45(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)抽出物4 5.0
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、50℃にて(15)を加える。さらに40℃まで冷却し、(16)を加え、均一に混合する。
【0046】
[処方例5]豊胸用水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 78.7
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)抽出物5 10.0
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加え、均一に攪拌混合する。
【0047】
[処方例10]豊胸用油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 30.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)抽出物6 5.0
(11)精製水 43.4
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを攪拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。乳化終了後に冷却を開始し、40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0048】
[処方例11]豊胸用パック
(1)精製水 58.9(質量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 17.0
(4)グリセリン 5.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)抽出物7 5.0
(7)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却を開始する。40℃まで冷却し、(6)と(7)を加え、均一に混合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を有効成分とする脂肪蓄積促進剤。
【請求項2】
超臨界抽出剤として二酸化炭素を用いアサリ、ハマグリ、ヒメエゾボラ、トリガイ、ミルクイ、ウバガイ、ホタテガイ、タイラギより選ばれる1種又は2種以上の貝類より抽出して得られる抽出物を有効成分とする豊胸剤。

【公開番号】特開2011−12030(P2011−12030A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158676(P2009−158676)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】