説明

中枢神経系又は腫瘍のイメージング、診断及び/又は処理への使用のための化合物類

本発明は、18Fによるラベリングのために適切な又は18Fによりすでにラベルされている新規化合物、そのような化合物の調製方法、そのような化合物を含んで成る組成物、そのような化合物又は組成物を含んで成るキット、及び陽電子放射断層撮影法(PET)による診断イメージングのためへのそのような化合物、組成物又はキットの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、18Fによるラベリングのために適切な又は18Fによりすでにラベルされている新規化合物、そのような化合物の調製方法、そのような化合物を含んで成る組成物、そのような化合物又は組成物を含んで成るキット、及び陽電子放射断層撮影法(PET)による診断イメージングのためへのそのような化合物、組成物又はキットの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
分子イメージングは、腫瘍学、神経学及び心臓学の分野において、ほとんどの従来の方法よりも早く、疾病の進行又は治療有効性を検出する能力を有する。光学イメージングMRJ、 SPECT 及び PETとして開発されて来たいくつかの有望な分子イメージング技法のうち、PETは、定量的及び運動学的データを供給するためのその高い感度及び能力のために、薬物開発のために特に興味あるものである。
【0003】
例えば、陽電子放射性同位体は、炭素、ヨウ素、窒素及び酸素を包含する。それらの同位体は、生成物学的に機能し、そしてPETイメージングのために元の分子と化学的に同一であるトレーサーを生成するために、標的化合物におけるそれらの非放射性対応物を置換することができる。それらの同位体の中で、18Fは、診断用トレーサーの調製及び続く生化学工程の研究を可能にするその比較的長い半減期(110分)のために、最も便利なラベリング同位体である。さらに、その低いβ+エネルギー(634keV)がまた好都合である。
【0004】
求核性芳香族及び脂肪族[18F]−フルオロ−弗素化反応は、疾病、例えば固形腫瘍又は脳患者を標的化し、そして可視化するインビボイメージング剤として使用される[18F]−フルオロ−ラベルされた放射性医薬物のために非常に重要なものである。[18F]−フルオロ−ラベルされた放射性医薬物を用いることにおける非常に重要な技術的目標は、18F同位体がわずか約110分の短い半減期を有する事実による、放射性化合物のすばやい調製及び投与である。
【0005】
モノアミンオキシダーゼ(MAO, EC, 1. 4. 3. 4)は、異なった種類のアミンオキシダーゼである。MAOは次の2種の形で存在する:MAO A及びMAO B (Med. Res. Rev. 1984, 4, 323-358)。リガンドにより複合体化されたMAO A及びMAO Bの結晶構造が報告されている(J. Med. Chem. 2004, 47, 1767-1774 及びProc. Nat. Acad. Sci. USA, 2005, 102, 12684-12689)。両イソ酵素に対して選択的であるインヒビターの研究が活動的に実施されて来た(例えば、J. Med. Chem. 2004, 47, 1767-1774及びProc. Nat. Acad. Sci. USA, 2005, 102, 12684-12689)。デプレミル(1)(Biochem Pharmacol. 1972, 5, 393-408)及びクロルギリン(2)は、酵素の不可逆的阻害を誘発するモノアミンオキシダーゼの有能なインヒビターである。デプレニル(3)のL−異性体は、D−異性体よりもより有能なインヒビターである。
【0006】
【化1】

【0007】
インヒビターについての神経保護及び他の医薬効果もまた、記載されている(Nature Reviews Neuroscience, 2006, 295, 295-309, Br. J. Pharmacol., 2006, 147, 5287- 5296)。MAO Bインヒビターは、例えば、CNSにおいてDOPAレベルを高めるために使用され(Progr. Drug Res. 1992, 38, 171-297)、そしてそれらは、高めたられたレベルのMAO Bがアルツハイマープラークに関連する星状膠細胞に包含される事実に基づいて、アルツハイマー病の処理のための臨床試験に使用されて来た(Neuroscience, 1994, 62, 15-30)。
【0008】
弗素化されたMAO インヒビターは、合成されており、そして生化学的に評価されている(再度:Kirk et al. in press)。 F-18及びC−11ラベルされたMAOインヒビターは、インビボで研究されて来た(Journal of the Neurological Science, (2007), 255, 17-22; 再考: Methods 2002, 27, 263- 277)。F-18ラベルされたデプレニル及びJournal of the Neurological Science, (2007), 255, 17-22; review: Methods 2002, 27, 263- 277類似体4-5もまた報告されている(それぞれ、int. J. Radiat. Appl. instrument. Part A, Applied Radiat isotopes, 1991, 42, 121, J. Med. Chem. 1990, 33, 2015-2019 及び Nucl. Med. Biol. 1990, 26, 111-116)。
【0009】
【化2】

【0010】
特に、容易に実現でき、そして一定レベルの星状膠細胞をイメージングできるイメージング剤及び方法を入手できるよう、高められたレベルのMAO受容体に付随する疾病をイメージングできる新規F−18ラベルされた化合物及び方法を入手することが所望される。この課題は次の発明により解決される:
【発明の概要】
【0011】
【表1】

【0012】
・本発明は式Ia及びIbの新規化合物を供給する。式Ia及びIbのそれらの化合物が18F−ラベルされないか、又は19F−ラベルされないが、しかし代わりに、適切な脱離基を含む場合、それらは、式Ia及びIbの18F−ラベルされた又は19F−ラベルされた化合物の合成のための出発材料である。式Ia及びIbの19F−ラベルされた化合物は、式Ia及びIbの18F−ラベルされた化合物への合成の標準の対照化合物である(同定手段として及びすばやい調査のための)。適切な脱離基を含み、そして18F又は19Fを含まない、式Ia及びIbの次の化合物においては、また“式Ia又はIbを有する前駆体化合物”として言及される。さらに、適切な脱離基の代わりに19Fを含む、式Ia及びIbのそれらの化合物はまた、式“Ia又はIbを有する19F標準対照化合物”としても言及される。さらに、18Fを含み、そして適切な脱離基を含まない、式Ia及びIbのそれらの化合物はまた、“式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物”としても言及される。
【0013】
・本発明はさらに、検出できる量の式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物、又は医薬的に許容できるその塩、エステル、アミド又はプロドラッグを、患者に導入することを含んで成る、疾病のイメージング方法を提供する。
・本発明はまた、薬剤として使用するための式Ia及びIbの18F−ラベルされた又は19F−ラベルされた化合物も供給する。
【0014】
・本発明はまた、放射性ラベルされた化合物、好ましくは式Ia及びIbの18F−ラベルされた化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る診断用組成物も適用する。
・本発明のもう1つの観点は、薬剤の製造のためへの式Ia及びIbの化合物、特に式Ia又はIbの18F−又は19F−ラベルされた化合物の使用に向けられる。
【0015】
・本発明はまた、式Ia又はIbを有する前駆体化合物から式Ia及びIbの18F−ラベルされた化合物を合成するための方法も提供する。
・本発明はまた、式Ia又はIbを有する前駆体化合物から式Ia及びIbの19F−ラベルされた化合物を合成するための方法も提供する。
【0016】
・本発明はまた、式IVの化合物と、式VIの化合物とを反応せしめることにより、式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物を合成するための方法も提供する。式IVの化合物は、式Vの化合物を18F−又は19F−弗素化することにより生成され得る。
【0017】
・本発明はまた、予定された量の、
・式Ia又はIbを有する前駆体化合物、又は
・式V及びVIの化合物、
を含む密封されたバイアルを含んで成る、放射性医薬製剤の調製のためのキットを提供する。
【0018】
・本発明はまた、疾病をイメージングするためのキットも提供する。より特定には、本発明の化合物は、CNS疾患、例えば炎症及び自己免疫疾患、アレルギー、感染及び毒素−誘発性及び虚血−誘発性疾患、病理生理学的相応物を有する薬理学的誘発性炎症、神経炎症、神経変性疾患(但し、それらだけには限定されない)をイメージングするために有用である。もう1つの態様においては、本発明の化合物は、組織、特に腫瘍のイメージングのために有用である。
【0019】
炎症及び自己免疫疾患の例は、次のものである:慢性炎症性腸疾患(炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎)、 関節炎、 アテローマ、アテローム性硬化症、 炎症性心筋障害、天疱瘡、 喘息、多発性硬化症、 糖尿病、タイプIインシュリン依存性糖尿病、 リウマチ様関節炎、狼蒼病及び他の膠原病、グレーブス病、橋本病、 "対宿主移植片疾患" 及び移植拒絶。アレルギー、感染及び毒素−誘発性及び虚血−誘発性疾患の例は、次のものである:サルコイドーシス、 喘息、過敏性肺炎、敗血症、敗血症ショック、内毒素ショック、毒素ショック症候群、毒性肝不全、 ARDS (急性呼吸窮促迫症候群)、子癇、悪態症、 急性ウィルス感染(例えば、単核症、激症肝炎)、及び再潅流後器官損傷。病理生理学的相応物を有する薬理学的誘発性炎症は、抗−T−細胞抗体、例えばOKT3の投与後の“最初の用量応答”である。
【0020】
また起源は不明瞭である全身性炎症反応の例は、子癇である。星状膠細胞活性化/MAO調節に関連する神経変性及び神経炎症疾患の例は、次のものである:痴呆、 AIDS痴呆、筋萎縮性側索硬化症、脳炎、神経因性疼痛、クロイツフェルト-ヤコブ病、ダウン症候群、拡散レーヴィ小体病、ハンチングトン病、白質脳症、脳症、敗血症性脳症、 肝脳症、多発性硬化症、パーキンソン病、ピック病、アルツハイマー病、前頭側頭骨性痴呆、海馬硬化、神経嚢虫症、 癲癇、卒中、虚血、脳腫瘍、鬱病、分裂病、薬物乱用。従って、本発明はまた、それらの疾病の診断、及び治療の層別化及び治療モニターリングのためへのイメージング化合物の使用にも関する。
【0021】
好ましい態様においては、本発明の化合物は、多発性硬化症、 アルツハイマー病、前頭側頭骨性痴呆、 レーヴィ小体病を有する痴呆、白質脳症、癲癇、神経因性疼痛、筋萎縮性側索硬化症、 パーキンソン病、脳症、 脳腫瘍、鬱病、薬物乱用、慢性炎症性腸疾患、アテローム、アテローム硬化症、関節炎、リウマチ様関節炎、 医薬的に誘発された炎症、 不明瞭な起源の全身性炎症のイメージングのために有用である。
【0022】
より好ましい態様においては、本発明の化合物は、多発性硬化症、 アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、白質脳症、脳症、 癲癇、脳腫瘍、薬物乱用、慢性炎症性腸疾患、アテローム、リウマチ様関節炎、医薬的に誘発された炎症及び不明瞭な起源の全身性炎症のイメージングのために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、アルツハイマー病の診断を有する4人の患者の脳からのヒト脳切片に対する[18F]化合物13を用いてのオートラジオグラフィーを示す。(A)PhosphorImagerプレート上での照射の後のオートラジオグラフシグナル。アミロイドβプラークを有する領域に対応する組織切片における黒点を注目すること(図3における例を参照のこと)。(B)及び(C)シグナルはそれぞれデプレニル及びパルギリンにより阻止され得、MAO Bに関して[18F]化合物13の特異性を示す。
【図2】図2は、アルツハイマー病の診断を有する4人の患者の脳からのヒト脳切片に対する[18F]化合物13を用いてのオートラジオグラフィーを示す。(A)PhosphorImagerプレート上での照射の後のオートラジオグラフシグナル。アミロイドβプラークを有する領域に対応する組織切片における黒点を注目すること(図3における例を参照のこと)。(B)シグナルは、(C)に見られるように、デプレニルにより完全に阻止され得たが、しかしクロルギリン(MAO Aインヒビター)によっては阻止されず、MAO Bに関して[18F]化合物13の特異性を示す。
【図3】図3は、[18F]化合物13オートラジオグラフィー、及び続いてアミロイド検出物質BAY949172との結合について処理された、アルツハイマー病を有する3人の患者からの脳の組織サンプルを示す。(A)及び(B)(a)及び(b)でより高い倍率で示される脳切片にマークされる四角は典型的なアミロイドβ病理学を示す。(C)(a)及び(b)の2つの四角は、脳切片においてマークされ、そして(a’)及び(b’)において高い倍率で示される。(c)及び(d)は高い倍率で示される領域におけるアミロイドβ病理学を提供する。シグナル密度及び強度がアミロイドβプラーク負荷に対応することを注目すること。オートラジオグラフィーにおいて特定シグナルを欠いている四角(b)はまた、BAY949172結合(d)を示さなかった。
【図4】図4は、反応星状膠細胞に対するオートラジオグラフィーシグナルの対応を示す。(A)AD[18F]化合物13を有する患者からのヒト脳切片に基づいて、結合が示される。(B)Aにおいてマークされる四角が高い倍率で示される。この領域において、反応性星状膠細胞を示す、GFAPに対する免疫反応性が(C)に示される。
【図5】図5は、脳及び血液に関して4時間の時間枠でのγ−検出器を通して検出される[18F]化合物13の分布を示す。
【図6】図6は、120分にわたって標準摂取値(SUV%)で表されるカニクイザルの脳における[11C]デプレニル(C-11ラベルされた化合物3)についての時間活性曲線を示す。
【図7】図7は、120分にわたって標準摂取値(SUV%)で表されるカニクイザルの脳における[18F]化合物13についての時間活性曲線を示す。
【図8】図8は、カニクイザルにおける[11C]デプレニル(C-11ラベルされた化合物3)のインビボ代謝の実証を示す。母化合物[11C]デプレニル(C-11ラベルされた化合物3)、及び代謝化合物a及びbが示される。
【図9】図9は、カニクイザルにおける[18F]化合物13のインビボ代謝の実証を示す。母化合物(C-11ラベルされた化合物3)、及び代謝化合物a及びbが示される。
【図10】図10は、(A)[11C]デプレニル(C-11ラベルされた化合物3)及び(B)[18F]化合物13の注入後、同じカニクイザルの脳の3種の面(横側、冠状面及び球欠面)の像を示す。(C)カニクイザルの線条及び小脳における(a)[11C]デプレニル(C-11ラベルされた化合物3)及び(b)[18F]化合物13についての時間活性曲線。
【図11】図11は、ACE 5-C18-HL 250mmX10mmカラム(Advanced Chromatography Technologies; カタログ番号: ACE 321-2510; 無勾配、0.1% トリフルオロ酢酸中、35% アセトニトリル、 流速: 4 ml/分; tR=17.5分)上での粗生成物(42及び43から化合物13及び39の方に出発する)のラジオクロマトグラムを示す。
【図12】図12は、μ-Bondapak C-18 カラム (300 X 3.9 mm、 10 μm; 水測定器)での逆相HPLCに基づく化合物13の分析クロマトグラムを示し、そしてMeCN-H3PO4(0.01M)(15:85v/v)が2ml/分の流速での溶出溶媒として使用された。溶出物は、放射能検出器(β−流れ;Beckman, Fullerton, CA)と連続して、UV吸光検出器(λ=214nm)によりモニターされた。
【図13】図13は、μ-Bondapak C-18 カラム (300 X 3.9 mm、 10 μm; 水測定器)での逆相HPLCに基づく化合物8の分析クロマトグラムを示し、そしてMeCN-H3PO4(0.01M)(15:85v/v)が2ml/分の流速での溶出溶媒として使用された。溶出物は、放射能検出器(β−流れ;Beckman, Fullerton, CA)と連続して、UV吸光検出器(λ=214nm)によりモニターされた。
【図14】図14は、μ-Bondapak C-18 カラム (300 X 3.9 mm、 10 μm; 水測定器)での逆相HPLCに基づく化合物40の分析クロマトグラムを示し、そしてMeCN-H3PO4(0.01M)(15:85v/v)が2ml/分の流速での溶出溶媒として使用された。溶出物は、放射能検出器(β−流れ;Beckman, Fullerton, CA)と連続して、UV吸光検出器(λ=214nm)によりモニターされた。
【図15】図15は、化合物10から出発して、化合物12及び41への弗素化反応のTLC分析(シリカゲル、モリブダトリン酸ダイビング槽;酢酸エチル:ヘキサン:1:2)を示す。(a):言及される反応の出発材料(10)(不純物を有する(“丸印されている”))。(b):主に化合物41を含むカラム画分。(c):化合物12及び41を含むカラム画分。(d)主に化合物12を含むカラム画分。(e):化合物12及び41を含むカラム画分。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1の観点においては、本発明は、下記式Ia:
【化3】

【0025】
又は下記式Ib:
【化4】

【0026】
[式中、Wは、-C(U1)(U2)-C≡CH及びシクロプロピルを含んで成る群から選択され、U1及びU2は水素及びジュウテリウムから独立して選択され;
Aは、置換されているか又は置換されていないアリール、置換されているか又は置換されていないヘテロアリール、例えばフラニル、(C1-C10)アルキル、G4-(C2-C4)アルキニル、 G4-( C1-C4)アルコキシ、 (G4-( C1-C4)アルキル)アリール、 (G4-(C1-C4)アルコキシ)アリール、 (G4-( C1-C4)アルキル)アリール、及び (G4-( C1-C4)アルコキシ)アリールを含んで成る群から選択され、ここで好ましくは、前記へテロアリール又はフラニルであり、
【0027】
式Ia及び式IbにおけるG1、G2、G3 及び G4は、独立して及び個々に、各出現で、水素、(C1-C4)アルキル、好ましくはメチル、L及び-(C1-C6)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つは、L及び-(G1-G6)アルキル-Lから選択され、そして式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(C1-C6)アルキル-Lから選択され、Lは脱離基であり、又はLはF、好ましくは18F又は19Fであり、ここで好ましくは、Lが19Fである場合、前記化合物は、sp3−ハイブリダイズされた炭素原子に結合される、正確に1つの19F原子を含み、
【0028】
1つの態様においては、Lは18Fであり、
もう1つの態様においては、Lは19Fであり、
nは、0〜6、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2の整数であり、そしてmは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数であり、そしてe及びfは、0〜1の整数であり、但し、e及びfの少なくとも1つは1である]で表される化合物(前記化合物のすべての異性体形は鏡像異性体及びジアステレオマー、及びセラミ混合物を包含するが、但しそれらだけには限定されない)、及びそのいずれかの医薬的に許容できる塩、エステル、アミド、複合体又はプラドラッグに向けられる。
1つの態様においては、Wは-CH2-C≡CHである。
【0029】
1つの態様においては、Aは、置換されているか又は置換されていないフェニル、置換されているか又は置換されていないフラニル、(C1-C4)アルキル、 G4-(C3-C4)、 アルキニル、 G4-(C1-C3)アルコキシ、 (G4- (C1-C3)アルキル)フェニル、 (G4-( C1-C3)アルコキシ)フェニルを含んで成る群から選択され、好ましくはAは、フェニル、フラニル、(G4-(C1- C3)アルキル)フェニル、(G4-( C1- C3)アルコキシ)フェニル、好ましくは 置換されたフェニル、ヒドロキシ-フェニル、 ハロ-フェニル、メトキシ-フェニル、 ジメトキシ-フェニル、 トリフルオロメチル-フェニル、 及び((C1-C4)アルキル)-フェニルを含んで成る群から選択され、そしてより好ましくはAは、フェニル、 (G4-( C1- C3)アルコキシ)フェニル、 ヒドロキシ-フェニル、 フルオロ-フェニル、メトキシ-フェニル、及びメチルフェニルを含んで成る群から選択される。より好ましくは、フラニルは、フラン−2−イル又はフラン−3−イルである。
【0030】
1つの態様においては、式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4は、独立して及び個々に、各出現で、水素、(C1-C4)アルキル、好ましくはメチル、L及び-(C1-C6)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(G1-G4)アルキル-Lから選択され、好ましくは式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4は、独立して及び個々に、各出現で、水素、メチル、L及び-(C1-C2)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(G1-G2)アルキル-Lから選択され、そしてより好ましくは式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4は、独立して及び個々に、各出現で、水素、メチル、L及び-メチル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-メチル-Lから選択される。
【0031】
1つの態様においては、Lは、ハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシを含んで成る群から選択された脱離基である。
【0032】
好ましくは、Lは、クロロ、ブロモ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、 (4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 及び(2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシを含んで成る群から選択された脱離基である。
好ましい“式Ia又はIbを有する前駆体化合物”は、次の通りである:
下記式:
【0033】
【化5】

【0034】
で表されるメタンスルホン酸 2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ) -3-フェニル-プロピルエステル、又は下記式:
【0035】
【化6】

【0036】
で表されるメタンスルホン酸 2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ) -1 -フェニル-プロピルエステル、又は下記式:
【0037】
【化7】

【0038】
で表されるメタンスルホン酸 3-フラン-2-イル-2 -(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ)-プロピルエステル、又は下記式:
【0039】
【化8】

【0040】
で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-インダン-2-イルエステル、又は下記式:
【0041】
【化9】

【0042】
で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-1 ,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-2-イルエステル、又は下記式:
【0043】
【化10】

【0044】
で表されるメタンスルホン酸 1-ベンジル-2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ)-プロピルエステル、又は下記式:
【0045】
【化11】

【0046】
で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-2-フェニル-エチルエステル、又は下記式:
【0047】
【化12】

【0048】
で表されるメタンスルホン酸 2-[(2-フラン-2- イル-1-メチル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミノ]- エチルエステル、又は下記式:
【0049】
【化13】

【0050】
で表されるメタンスルホン酸 2-[(1-メチル-2 -フェニル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミノ]-エチルエステル、又は下記式:
【0051】
【化14】

【0052】
で表されるメタンスルホン酸 2-[プロプ-2-イニル -(1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル)- アミノ]-エチルエステル、又は下記式:
【0053】
【化15】

【0054】
で表されるメタンスルホン酸 2-(インダン-1-イル- プロプ-2-イニル-アミノ)-エチルエステル、又は下記式:
【0055】
【化16】

【0056】
で表されるメタンスルホン酸 2-{4-[2-(メチル-プロプ-2-イニル -アミノ)-プロピル]-フェノキシ}-エチルエステル。
【0057】
一般式Ia又はIbの1つの態様においては、Lは、Fではなく、特に18F及び19Fではなく;それらは前述の“前駆体化合物”である。
一般式Ia又はIbのもう1つの態様においては、Lは18Fであり、又は上記特定の前駆体化合物のいずれかで示されるメシルオキシ基はFにより置換される。それらは、式Ia又はIbを有する18F−ラベルされた化合物である。
【0058】
一般式Ia又はIbのもう1つの態様においては、Lは19Fであり、又は上記特定の前駆体化合物のいずれかで示されるメシルオキシ基はFにより置換される。それらは、式Ia又はIbを有する19F−ラベルされた化合物である。それらは前述の“式Ia又はIbを有する標準対照化合物”である。
【0059】
Lは、当業者に知られているか、又は明白であり、そしてSynthesis (1982), p. 85-125, table 2 (p. 86; (the last entry of this table 2 needs to be corrected: "n-C4F9S(O)2-O- nonaflat" instead of "H-C4HgS(O)2-O- nonaflat"), Carey and Sundberg, Organische Synthese, (1995), page 279-281, table 5.8; or Netscher, Recent Res. Dev. Org. Chem., 2003, 7, 71- 83, scheme 1 , 2, 10 and 15に記載されているか、又は命名されるそれら(但し、それらだけには限定されない)からである脱離基である。
【0060】
この記載において、用語“アリール”、“ヘテロアリール”又は芳香族系を言及するいずれか他の用語が使用される場合、これはまた、そのような芳香族系が1又は複数の適切な置換基、例えばOH, ハロ、アルキル、NH2、 NO2、SO3、等により置換される可能性を包含することが明確である。
【0061】
用語“アリール”とは、単独で又は他の基の一部として、本明細書において使用される場合、環部分に6〜12個の炭素、好ましくは6〜10個の炭素を含む単環式又は二環芳香族基、例えばフェニル、ナフチル又はテトラヒドロナフチルを言及し、それらの基自体は、ハロ、ニトロ(C1-C6)カルボニル、シアノ、ニトリル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C1-C6)スルホニル、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ及び(C1-C6)スルファニルを含んで成る群から、独立して及び個々に選択された1,2又は3個の置換基により置換され得る。上記に概略されるように、そのような“アリール”はさらに、1又はいくつかの置換基により置換され得る。
【0062】
用語“ヘテロアリール”とは、本明細書において使用される場合、5〜14個の環原子;環状アレイにおいて共有される、6,10又は14個のπ電子を有し;そして炭素原子(ハロ、ニトロ(C1-C6)カルボニル、シアノ、ニトリル、トリフルオロメチル、(C1-C6)スルホニル、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ及び(C1-C6)スルファニルにより置換され得る)及び、1,2,3又は4個の酸素、窒素又は硫黄へテロ原子(ヘテロアリール基の例は、次のものを包含する:
【0063】
チェニル、ベンゾ[b]チェニル、ナフト[2,3−b]チェニル、チアントレニル、フリル、フラニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、クロメニル、キサンテニル、フェノキシチリニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キンナゾリニル、シンノリニル、プラリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル及びフェノキサジニル)を含む基を言及する。
【0064】
ヘテロアリールは、ハロ、ニトロ(C1-C6)カルボニル、シアノ、ニトリル、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、(C1-C6)スルホニル、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ及び(C1-C6)スルファニルを含んで成る群から、独立して及び個々に選択された1,2又は3個の置換基により置換され得る。上記に概略されるように、そのような“ヘテロアリール”はさらに、1又はいくつかの置換基により置換され得る。
【0065】
この後、発明の記載及び請求項に使用される場合、用語“アルキル”とは、単独で又は他の基の一部として、1〜20個の炭素原子を有する、直鎖又は枝分れ鎖のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘプチル、ヘキシル、デシルを言及する。アルキル基はまた、例えばハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1-C4−アルコキシ基又はC6-C12−アリール基(また、例えば1〜3個のハロゲン原子により置換され得る)により置換され得る。より好ましくは、アルキルは、C1-C10アルキル、C1-C6アルキル又はC1-C4アルキルである。
【0066】
本発明の記載及び請求項において使用される場合、用語“アルキニル”は、アルキルについてと類似して定義されるが、しかしそれぞれ、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合又は三重結合を含み、より好ましくはC3-C4アルキニルである。
本発明の記載及び請求項において使用される場合、用語“アルコキシ(又はアルキルオキシ)”とは、酸素原子により、それぞれ結合されるアルキル基を言及し、そしてアルキル部分は上記に定義される通りである。
【0067】
用語、“置換される”が使用される場合、“置換された”を用いる表現において示される原子上の1又は複数の水素が示される基からの選択により置換され、但し示される原子の通常の原子価は越えず、そして置換が化学的に安定した化合物、すなわち反応混合物からの有用な程度の純度への単離及び医薬組成物への配合を生存するのに十分に強い化合物をもたらすことを示すことを意味する。前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ、(C1-C6)カルボニル、シアノ、ニトリル、トリフルオロメチル、(C1-C6)スルホニル、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ及び(C1-C6)スルファニルから選択され得る。
【0068】
式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物の好ましい例は、下記の通である:
下記式:
【0069】
【化17】

【0070】
で表される[F-18]-(1-フルオロメチル-2-フェニル-エチル)- メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0071】
【化18】

【0072】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-1-メチル-2-フェニル-エチル)- メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0073】
【化19】

【0074】
で表される[F-18]-(1-フルオロメチル-2-フラン-2-イル-エチル) -メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0075】
【化20】

【0076】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-インダン-1-イル)-メチル-プロプ-2 -イニル-アミン;
下記式:
【0077】
【化21】

【0078】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル) -メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0079】
【化22】

【0080】
で表される[F-18]-(3-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル)- メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0081】
【化23】

【0082】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-1-メチル-3-フェニル-プロピル) -メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0083】
【化24】

【0084】
で表される[F-18]-(1-フルオロ-2-フェニル-エチル)-メチル- プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0085】
【化25】

【0086】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-エチル)-(2-フラン-2-イル-1-メチル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0087】
【化26】

【0088】
で表される[F-18]-フルオロメチル-(1-メチル-2-フェニル-エチル) -プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0089】
【化27】

【0090】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-エチル)-(1-メチル-2-フェニル -エチル)-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0091】
【化28】

【0092】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-エチル)-プロプ-2-イニル-(1,2,3,4-テトラヒドロ- ナフタレン-1-イル)-アミン;
下記式:
【0093】
【化29】

【0094】
で表される[F-18]-(2-フルオロ-エチル)-インダン-1-イル- プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0095】
【化30】

【0096】
で表される[F-18]-{2-[4-(2-フルオロ-エトキシ)-フェニル]-1-メチル-エチル}-メチル-プロプ-2-イニル-アミン。
【0097】
本発明の第2の観点においては、式Ia及びIbの18F−ラベルされた化合物、及び式Ia及びIbの19F標準対照化合物が、薬剤又は医薬として供給される。
本発明はまた、処置のための薬剤又は医薬の製造のためへの式Ia及びIbの18F−ラベルされた化合物、及び式Ia及びIbの19F標準対照化合物の使用にも関する。
【0098】
より好ましくは、態様においては、前記使用は、CNS疾患の処理に関する。CNS疾患は、炎症及び自己免疫疾患、アレルギー、感染及び毒素−誘発性及び虚血−誘発性疾患、病理生理学的相応物を有する薬理学的誘発性炎症、神経炎症、神経変性疾患を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0099】
より好ましくは、CNS患者は、多発性硬化症、 アルツハイマー病、前頭側頭骨性痴呆、 レーヴィ小体病を有する痴呆、白質脳症、癲癇、神経因性疼痛、筋萎縮性側索硬化症、 パーキンソン病、脳症、 脳腫瘍、鬱病、薬物乱用、慢性炎症性腸疾患、アテローム、アテローム硬化症、関節炎、リウマチ様関節炎、 医薬的に誘発された炎症、 不明瞭な起源の全身性炎症から選択される。
【0100】
本発明はまた、適切な量の式Ia又はIbの化合物、好ましくは式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物又は式Ia又はIbの19F標準対照化合物を、患者中に導入する段階を含んで成る、上記に定義されるような中枢神経系の疾患の処理方法にも向けられる。
本発明の第3の観点においては、式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物が、診断用イメージング剤又はイメージング剤として、好ましくはPET適用のためのイメージング剤として供給される。本発明はまた、イメージング剤の製造のためへの式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物の使用にも関する。
【0101】
より好ましくは、態様においては、前記使用は、CNS疾患の処理に関する。CNS疾患は、炎症及び自己免疫疾患、アレルギー、感染及び毒素−誘発性及び虚血−誘発性疾患、病理生理学的相応物を有する薬理学的誘発性炎症、神経炎症、神経変性疾患を包含するが、但しそれらだけには限定されない。より好ましくは、CNS患者は、多発性硬化症、 アルツハイマー病、前頭側頭骨性痴呆、 レーヴィ小体病を有する痴呆、白質脳症、癲癇、神経因性疼痛、筋萎縮性側索硬化症、 パーキンソン病、脳症、 脳腫瘍、鬱病、薬物乱用、慢性炎症性腸疾患、アテローム、アテローム硬化症、関節炎、リウマチ様関節炎、 医薬的に誘発された炎症、 不明瞭な起源の全身性炎症から選択される。
【0102】
本発明はまた、検出できる量の式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物を患者に導入し、そして前記患者をイメージングする段階を含んで成るイメージング方法にも向けられる。
【0103】
本発明の第4の観点においては、式Ia又はIbの化合物、好ましくは式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物、又は式Ia又はIbの18F標準対照化合物、又は医薬的に許容できるその無機又は有機酸の塩、その水和物、複合体、エステル、アミド、溶媒化合物又はプロドラッグを含んで成る医薬組成物が供給される。好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容できるキャリヤー、希釈剤、アジュバント又は賦形剤を含んで成る。
【0104】
好ましい態様においては、本発明の医薬組成物は、式Ia又はIbの化合物、又は医薬的に許容できるその水和物、複合体、エステル、アミド、溶媒化合物又はプロドラッグを含んで成る。
【0105】
この後、発明の記載及び請求項に使用される場合、用語 “無機酸”及び“有機酸”とは、それぞれ、鉱酸、例えば次のもの(但し、それらだけには限定されない):酸、例えばカルボン酸、硝酸、リン酸、塩酸、過塩素酸又は硫酸、又はその酸性塩、例えば硫酸水素カリウム、又は次の適切な有機酸(但し、それらだけには限定されない):酸、例えば脂肪族酸、脂環式酸、カルボン酸及びスルホン酸(それらの例は、キ酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、琥珀酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、ピルビン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、フマル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボニック酸(embonic)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びスルファニル酸である)を言及する。
【0106】
本発明の第5の観点においては、式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物、又は無機酸又は有機酸とのその医薬的に許容できる塩、その水和物、複合体、エステル、アミド、溶媒化合物又はプロドラッグを含んで成る放射性医薬組成物が供給される。
好ましくは、医薬組成物は、生理学的に許容できるキャリヤー、希釈剤、アジュバント又は賦形剤を含んで成る。
【0107】
本発明の化合物、好ましくは本発明により供給される式Ia又はIbの放射性ラベルされた化合物は、いずれかの医薬的に許容できるキャリヤー、例えば従来の媒体、例えば水性塩媒体又は血漿媒体において、静脈注射のための医薬組成物として静脈内投与され得る。そのような媒体はまた、従来の医薬材料、例えば浸透圧を調節するための医薬的に許容できる塩、緩衝液、保存剤及び同様のものを含むことができる。中でも、好ましい媒体は、通常の塩溶液及び血漿である。
【0108】
適切な医薬的に許容できるキャリヤーは、当業者に知られている。これに関しては、例えばRemington's Practice of Pharmacy, 13th ed. and in J. of. Pharmaceutical Science & Technology, Vol. 52, No. 5, Sept-Oct., p. 238-311(引用により本明細書に組み込まれる)に言及されている。
【0109】
例えば、水性媒体中、式Ia及びIbの化合物、本発明の18F−ラベルされた化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤーの濃度は、特定の使用分野により変化する。イメージング標的物(例えば、腫瘍)の満足のゆく可視化が達成できる場合、十分な量が医薬的に許容できるキャリヤーに存在する。
【0110】
本発明の化合物、特に本発明の18F−放射性ラベルされた化合物、すなわち本発明により供給される、式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物は、いずれかの医薬的に許容できるキャリヤー、例えば従来の媒体、例えば水性塩媒体又は血漿媒体において、静脈注射のための医薬組成物として静脈内投与され得る。そのような媒体はまた、従来の医薬材料、例えば浸透圧を調節するための医薬的に許容できる塩、緩衝液、保存剤及び同様のものを含むことができる。中でも、好ましい媒体は、通常の塩溶液及び血漿である。適切な医薬的に許容できるキャリヤーは、当業者に知られている。これに関しては、例えばRemington's Practice of Pharmacy, 13th ed. and in J. of. Pharmaceutical Science & Technology, Vol. 52, No. 5, Sept-Oct., p. 238-311(引用により本明細書に組み込まれる)に言及されている。
【0111】
本発明によれば、天然組成物としてか又は医薬的に許容できるカウンターイオンによる塩としての、一般化学式IIを有する放射性ラベルされた化合物が、単一の単位注入用量で投与される。当業者において知られている通常のキャリヤー、例えば無菌塩溶液又は血漿のいずれかが、本発明に従って種々の器官、腫瘍及び同様のものを診断的にイメージングするためにその注入できる溶液の調製のために放射性ラベリングの後、使用され得る。一般的に診断剤について投与されるべき単位用量は、約0.1〜約100mCi, 好ましくは1〜20mCiの放射能を有する。
【0112】
放射性治療剤に関しては、治療単位用量の放射能は、約10〜700mCi、好ましくは50〜400mCiである。単位投与量で注入されるべき溶液は約0.01〜約30mlである。静脈内投与の後、診断目的のためには、器官又は疾患のインビボイメージングが、数分で生じ得る。しかしながら、メージングは、所望には、患者への注入の後、数時間又はさらに長く生じる。ほとんどの場合、投与される用量の十分な量が、シンチグラフィーイメージングを可能にするために1時間の約0.1以内にイメージングされる領域に蓄積するであろう。診断目的のためのシンチグラフィーイメージングのいずれかの従来の方法が、本発明に従って使用され得る。
【0113】
この後、発明の記載及び請求項に使用される場合、用語“プロドラッグ”とは、式Ia又はIbの活性親医薬、好ましくは式Ia又はIbの18F-ラベルされた化合物を解放するいずれかの共有結合された化合物を意味する。用語“プロドラッグ”とは、このテキストを通して使用される場合、薬理学的に許容できる誘導体、例えばエステル、アミド及びホスフェートを意味し、ここで前記誘導体の得られるインビボ生物転換生成物が式(I)の化合物において定義されるような活性薬物である。
【0114】
プロドラッグを記載するGoodman and Gilman (The Pharmaco- logical Basis of Therapeutics, 8 ed, McGraw-HiM, Int. Ed. 1992,"Biotransformation of Drugs", p 13-15)による引例が本明細書に組込まれる。本発明の化合物のプロドラッグは、変性が通常の操作で又はインビボで、親化合物に分離されるような手段で、化合物に存在する官能基を変性することにより調製される。本発明の化合物のプロドラッグは、例えばヒドロキシ基、例えば不斉炭素原子上のヒドロキシ基が、プロドラッグが患者に投与される場合、それぞれ遊離ヒドロキシル又は遊離アミドを形成するために分解するいずれかの基に結合されるそれらの化合物を包含する。
【0115】
プロドラッグの典型的な例は、例えばWO 99/33795号、WO 99/33815号、WO 99/33793 号及び WO 99/33792号(それらのすべては引用により本明細書に組込まれる)に記載される。
プロドラッグは、卓越した水素溶解性、高められた生物利用能により特徴づけられ、そしてインビボで活性インヒビターに容易に代謝される。
【0116】
第6の観点においては、本発明は、Lが19Fである、式Ia又はIbの化合物に向けられるが、但しそのような化合物はsp3−ハイブリダイズされた炭素原子に結合される、正確に1つの18F−原子を含む。
用語“sp3−ハイブリダイズされた炭素原子”とは、上記[F−19]−フルオロ原子の他に、化学的単結合を通して、3個の追加の原子に結合され、その結果、この炭素原子は、合計4種の結合パターンを得る、炭素原子を言及する。
【0117】
Lが19Fである、式Ia又はIbの好ましい化合物は、次のものである:
下記式:
【0118】
【化31】

【0119】
で表される(1-フルオロメチル-2-フェニル-エチル)-メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0120】
【化32】

【0121】
で表される(2-フルオロ-1-メチル-2-フェニル-エチル)-メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0122】
【化33】

【0123】
で表される(1-フルオロメチル-2-フラン-2-イル-エチル) -メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0124】
【化34】

【0125】
で表される(2-フルオロ-インダン-1-イル)-メチル-プロプ-2 -イニル-アミン;
下記式:
【0126】
【化35】

【0127】
で表される(2-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル) -メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0128】
【化36】

【0129】
で表される(3-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル)-メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0130】
【化37】

【0131】
で表される(2-フルオロ-1-メチル-3-フェニル-プロピル)-メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0132】
【化38】

【0133】
で表される(1-フルオロ-2-フェニル-エチル)-メチル-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0134】
【化39】

【0135】
で表される(2-フルオロ-エチル)-(2-フラン-2-イル-1-メチル- エチル)-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0136】
【化40】

【0137】
で表されるフルオロメチル-(1-メチル-2-フェニル-エチル) -プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0138】
【化41】

【0139】
で表される(2-フルオロ-エチル)-(1-メチル-2-フェニル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0140】
【化42】

【0141】
で表される(2-フルオロ-エチル)-プロプ-2-イニル-(1 ,2,3,4-テトラヒドロ- ナフタレン-1-イル)-アミン;
下記式:
【0142】
【化43】

【0143】
で表される(2-フルオロ-エチル)-インダン-1-イル- プロプ-2-イニル-アミン;
下記式:
【0144】
【化44】

【0145】
で表される{2-[4-(2-フルオロ-エトキシ)-フェニル]-1-メチル-エチル}-メチル-プロプ-2-イニル-アミン。
【0146】
異性中心のキラル中心又はもう1つの形が本発明の化合物において存在する場合、そのような異性体のすべての形、例えば、鏡像異性及びジアステレオマーが、転換されることが意図される。キラル中心を含む化合物は、ラセミ混合物として、又は鏡像異性的に富化された混合物として使用され得、又はラセミ混合物は、良く知られている技法を用いて分離され得、そして個々の鏡像異性体は単独で使用され得る。化合物が不飽和の炭素−炭素二重結合を有する場合、シス異性体及びトランス異性体の両者は、本発明の範囲内にある。化合物が互異性形、例えばケト−エノール互異性体で存在する場合、個々の互異性形は、平衡下で又は1つの形で優先的に存在しても、本発明の範囲内に包含されるものとして企画される。
【0147】
特にことわらない限り、本発明の化合物及びそのいずれかの医薬組成物を言及する場合、本発明は、本発明の化合物の水和物、溶媒化合物、複合体及びプロドラッグのすべてを包含する。プロドラッグは、式Ia又はIbの活性親医薬を開放するいずれかの共有結合された化合物である。
【0148】
用語“ハロ”とは、弗素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を言及する。
第7の観点においては、本発明は、Lが18F又は19Fである、式Ia又はIbの化合物の入手方法に向けられる。
驚くべきことには、2種の方法がそのような化合物を得るために同定されている。
第1の態様においては、Lが上記に定義されるような脱離基である、式Ia又はIbの前駆体化合物が、F−弗素化剤と反応せしめられる。
【0149】
好ましくは、前記F−弗素化剤が、F−アニオンを含んで成る化合物、好ましくは4、7、13、16、21、24−ヘキサオキサ−1、10−ジアザビシクロ[8. 8. 8]−ヘキサコサンK F、すなわちクラウンエーテル塩Kryptofix KF、KF、HF、KH、F2、CsF、NaF、及びFのテトラアルキルアンモニウム塩、例えば[18F]テトラブチルアンモニウム弗化物を含んで成る群から選択された化合物であり、そして前記Fは18F又は19Fである。
【0150】
より好ましくは、式Ia及びIbの18F−ラベルされた化合物に関して、式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物を得るための放射性ラベリング方法の第1の態様は、
−式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物を得るために、弗素化剤により、適切な脱離基を有する、式Ib又はIbの化合物を18F−放射性ラベリングする段階を含んで成る。
用語“放射性ラベリング”とは、本明細書において使用される場合、通常、分子中への18F−原子の導入を言及する。
【0151】
弗素化剤は、上記のように定義され、ここでF=18Fである。
第2の態様においては、Lが18F又は19Fである、式Ia及びIbの化合物の合成方法は、
−下記式V:
【0152】
【化45】

【0153】
[式中、Bは、脱離基、好ましくはハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシであり、そしてaは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物を、請求項16記載のF−弗素化剤によりF−弗素化し、下記式IV:
【0154】
【化46】

【0155】
[式中、Fは、18F又は19Fであり、Bは、脱離基、好ましくはハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシであり、そしてaは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物を得、
−前記式IVの化合物を、下記式VI:
【0156】
【化47】

【0157】
[式中、W2は、請求項1又は2記載のWであり、
A2は、R12-O-アリール、R12-O-ヘテロアリール、 アリール、 ヘテロアリール、例えばフラニル、 (C1-C10)アルキル、 (C2-C4)アルキニル、 (C1-C4)アルコキシ、 ((C1-C4)アルコキシ)アリール、 及び((C1-C4) アルキル)アリールを含んで成る群から選択され、
R9及びR10は、独立して及び個々に、各発生で、(C1-C6)アルキル及び水素を含んで成る群から選択され、
【0158】
R11は、(C1-C6)アルキル及びR12を含んで成る群から選択され、但し式VIの化合物は正確に1つのR12を含み、
R12は水素であり、
dは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物により置換する段階を含んで成る。
【0159】
好ましくは、Bは、ヨード、ブロモ、クロロ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ及びノナフルオロブチルスルホニルオキシを含んで成る群から選択される。
【0160】
好ましくは、A2は、R12−O−フェニル、フェニル、フラニル、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルキニル、(C1-C3)アルコキシ及び置換されたフェニルを含んで成る群、より好ましくはR12−O−フェニル、フェニル、フラニル、((C1-C3)アルコキシ)フェニル、ヒドロキシフェニル、ハロ−フェニル、メトキシ−フェニル、ジメトキシ−フェニル、トリフルオロメチル−フェニル及び((C1-C4)アルキル)フェニルを含んで成る群、さらにより好ましくはR12−O−フェニル、フェニル、フラニル、ヒドロキシフェニル、フルオロ−フェニル、メトキシ−フェニル及びメチル−フェニルを含んで成る群から選択される。
【0161】
好ましくは、R9及びR10は、独立して及び個々に、各発生で、(C1-C6)アルキル及び水素を含んで成る群、好ましくはメチル及び水素を含んで成る群から選択される。
好ましくは、R11は、(C1-C6)アルキル及びR12を含んで成る群、好ましくはメチル及びR12を含んで成る群から選択される。
【0162】
より特定には、式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物を得るための放射性ラベリング方法の第2の態様は、
−式IVの化合物を得るために、弗素化剤により式IVの化合物を18F−放射性ラベリングし、そして
−式VIの化合物により、式IVの化合物を置換する段階を含んで成る。
下記式IV:
【0163】
【化48】

【0164】
で表される18F−ラベルされた化合物、又は無機又は有機酸とのその医薬的に許容できる塩、その水和物、複合体、エステル、溶媒化合物、又はプロドラッグであり、式中、
Bは、脱離基であり;
【0165】
前記脱離基Bは、当業者に知られているか又は明白であり、そしてSynthesis (1982), p. 85-125, table 2(p. 86; (the last entry of this table 2 needs to be corrected: "n-C4F9S(O)2-O- nonaflat" instead Carey and Sundberg, Organische Synthese, (1995), page 279-281, table 5.8; 又は Netscher, Recent Res. Dev. Org. Chem., 2003, 7, 71- 83, scheme 1, 2, 10 and 15に記載されているか、又は命名されているそれらであるが、但しそれらだけには限定されず;
【0166】
より好ましい態様においては、Bは、下記群から選択され:
a)ヨード、
b)ブロモ、
c)クロロ、
d)メシルオキシ、
e)トシルオキシ、
f)トリフルオロメチルスルホニルオキシ、及び
g)ノナフルオロブチルスルホニルオキシ;
aは、0〜4、好ましくは0〜2及びより好ましくは0〜1の整数である。
下記式V:
【0167】
【化49】

【0168】
で表される化合物、又は無機又は有機酸とのその医薬的に許容できる塩、その水和物、複合体、エステル、溶媒化合物、又はプロドラッグであり、式中、
Bは、式IVの化合物について上記の通りに定義され、そして
aは、式IVの化合物について上記の通りに定義され。
弗素化剤は、上記の通りに定義される。
【0169】
下記式VI:
【化50】

【0170】
で表される化合物、又は無機又は有機酸とのその医薬的に許容できる塩、その水和物、複合体、エステル、溶媒化合物、又はプロドラッグであり、式中、
A2は、下記群から選択され:
a)R12-0−アリール、
b)R12-0−ヘテロアリール、
c)アリール、
d)へテロアリール
e)(C1-C10)アルキル、
f)(C1-C4)アルキニル、
g)(C1-C4)アルコキシ、
h)((C1-C4)アルコキシ)アリール
i)((C1-C4)アルキル)アリール、及び
j)((C1-C4)アルコキシ)アリール;
【0171】
好ましい態様においては、A2は、下記群から選択され:
a)R12-O−フェニル、
b)フェニル、
c)フラニル、
d)(C1-C4)アルキル、
e)(C3-C4)アルキニル
f)(C1-C3)アルコキシ、及び
g)置換されたフェニル;
【0172】
より好ましい態様においては、A2は下記群から選択され:
a)R12-O−フェニル、
b)フェニル、
c)フラニル、
d)((C1-C3)アルコキシ)フェニル、
e)ヒドロキシ−フェニル、
f)ハロ−フェニル、
g)メトキシ−フェニル、
h)ジメトキシ−フェニル、及び
j)((C1-C4)アルキル)−フェニル;
【0173】
さらにより好ましい態様においては、A2は下記群から選択され:
a)R12-O−フェニル、
b)フェニル、
d)ヒドロキシル−フェニル
e)フルオロ−フェニル
f)メトキシ−フェニル、及び
g)メチル−フェニル;
W2は、下記群から選択され;
a)-C(U3)(U4)-C≡CH、及び
b)シクロプロピル;
【0174】
好ましい態様においては、W2は、-CH2-C≡CHであり;
U3及びU4は独立して及び個々の群から選択され:
a)水素、及び
b)ジュウテリウム;
好ましい態様においては、U3及びU4は、水素であり;
【0175】
R4及びR10は独立して、下記群から選択され;
a)(C1-C6)アルキル、及び
b)水素;
好ましい態様においては、R9及びR10は独立して、下記群から選択され:
a)(C1-C4)アルキル、及び
b)水素):
【0176】
より好ましい態様においては、R9及びR10は独立して、下記群から選択され:
a)メチル、及び
b)水素;
R11は、下記群から選択され:
a)(C1-C6)アルキル、及び
b)R12
【0177】
好ましい態様においては、R11は下記群から選択され:
a)(C1-C4)アルキル、及び
b)R12
好ましい態様においては、R11は下記群から選択され:
a)メチル、及び
b)R12
【0178】
dは、0〜4の整数であり、好ましい態様においては、mは0〜2の整数であり、より好ましい態様においては、mは0〜1の整数であり;
R12は水素であり;
但し、式VIの化合物は、正確に1つのR12を含む。
【0179】
好ましい態様においては、弗素化剤は、弗素放射性同位体誘導体である。より好ましくは、弗素放射性同位体誘導体は、18F誘導体である。より好ましくは、18F誘導体は、4,7,13, 16,21,24-ヘキサオキサ-l,10-ジアザビシクロ [8.8.8]- ヘキサコサンK18F (クラウンエーテル塩 Kryptofix K18F), K18F, H18F, KH18F2, Cs18F, Na18F 又は18F のテトラアルキルアンモニウム塩(例えば、 [F- 18] テトラブチルアンモニウム弗化物)である。より好ましくは、弗素化剤は、K18F、 H18F又は KH18F2 、最も好ましくは K18F (18F 弗化物アニオン)である。
【0180】
放射性弗素化反応は、当業者に知られている典型的な反応容器(例えば、Wheatonバイカル)、又はマイクロ波により加熱され得る。放射性弗素化反応は、塩基として炭酸カリウム及びクラウン−エーテルとして“kryptofix”を用いて、ジメチルホルムアミドにおいて実施される。
【0181】
しかしまた、当業者に良く知られている他の溶媒も使用され得る。それらの可能性ある条件は、溶媒としてジメチルスルホキシド及びアセトニトリル、及び塩基としてテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウムカーボネートを包含するが、但しそれらだけには限定されない。水及び/又はアルコールが、補助溶媒としてそのような反応に包含され得る。放射性弗素化反応は、1〜60分間、実施される。好ましい反応時間は、5〜50分である。さらに好ましい反応時間は、10〜40分である。
【0182】
そのような放射性弗素化のためのこの及び他の条件は、当業者に知られている(Coenen, Fluorine- 18 Labeling Methods: Features and Possibilities of Basic Reactions, (2006), in: Schubiger P.A., Friebe M., Lehmann L., (eds), PET-Chemistry - The Driving Force in Molecular Imaging. Springer, Berlin Heidelberg, pp.15-50)。放射性弗素化は、“ホット−セル”において、及び/又は自動化された又は半自動化された合成を可能にするモジュール(Krasikowa, Synthesis Modules and Automation in F- 18 labeling (2006), in: Schubiger P.A., Friebe M., Lehmann L., (eds), PET-Chemistry - The Driving Force in Molecular Imaging. Springer, Berlin Heidelberg, pp. 289-316)の使用により実施され得る。
【0183】
さらに、本発明は、本発明の化合物及び医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る組成物を供給する。
1つの態様においては、前記化合物は、18F−ラベルされた化合物である。
もう1つの態様においては、前記化合物は、19F−ラベルされた化合物である。
さらにもう1つの態様においては、前記化合物は前駆体化合物である。
【0184】
本発明はまた、医薬又は診断剤又はイメージング剤として使用のためへの、本発明の化合物、好ましくは本発明の18F−又は19F−ラベルされた化合物、又は本発明の組成物を供給する。
【0185】
本発明はまた、中枢神経系(CNS)の疾病の処理及び/又は診断及び/又はイメージングのための薬剤の製造のためへの、本発明の化合物、好ましくは本発明の18F−又は19F−ラベルされた化合物、又は本発明の組成物の使用を提供する。
【0186】
本発明はまた、特に中枢神経系の疾病のための診断剤又はイメージング剤としての使用のための式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物又はそのような化合物を含む組成物を供給する。
【0187】
本発明はまた、予定された量の、
a)式Ia又はIbを有する前駆体化合物、又は
b)上記に定義されるような、式Vの化合物及び式VIの化合物、
を含む密封されたバイアルを含んで成るキットも提供する。
【0188】
本発明はまた、
検出できる量の本発明の18F−ラベルされた化合物又はそのような化合物を含む組成物を患者の身体中に導入し、そして
陽電子放射断層撮影法(PET)により前記化合物又は組成物を検出することを含んで成る、患者の身体におけるモノアミンオキシダーゼの存在を検出するための、好ましくは患者における中枢神経系の疾病をイメージングするための方法も提供する。
【0189】
本発明はまた、適切な量の本発明の化合物、好ましくは本発明の18F−又は19F−ラベルされた化合物を、患者中に導入する段階を含んで成る、中枢神経系の疾病の処理方法も提供する。
【0190】
化合物の合成
フルオロ原子(F-19又はF-18)又は脱離基(G4へのG1の比較)が結合される式Iaの化合物の炭素原子に依存して、異なった合成手段が可能である:(“1)”〜“4)”として以下に番号付けされる)。
1)フルオロ原子(F-19又はF-18)又は脱離基(G3を比較する)は、中心窒素原子にリンカーを通して結合される:
【0191】
一連の異なった適合されたω−置換された1−(アルキル)アルキルアミン(A1)(スキーム1を参照のこと)は市販されている。それらは、例えば臭化プロパルギルによるアルキル化のための出発材料として作用する。他方では、ω−置換された2−ブロモ−アルカン(A2)は、プロパルギルアミン又はシクロブチルアミンとの化学反応においては求電子試薬として作用することができる。
【0192】
【化51】

【0193】
化合物A3は、化合物A4の方へ、その対応するトリフレート(A7)から生成される[F-18]−ω−フルオロ−アルキル−ブロミド(A6)によりアルキル化され得る。化合物A3はまた、A5の方に、ω−官能化された構築ブロックによりアルキル化され得、その結果、次に、A5の後者の脱離基(V)が、化合物A4の [F-18]フルオロ原子に転換される。
【0194】
スキーム1におけるアプローチの具体的例がスキーム2に示されている:アンモニウム塩6(Sigma)が、塩基性水性抽出により、その対応する遊離アミン(7)に生成される。次に、化合物7が、塩基(例えば、水素化ナトリウム)を用いて、[F−18]−2−フルオロ−エチル−ブロミド(Bioorg. Med. Chem.; 13; 20; 2005; 5779 - 5786)によりアルキル化され、化合物8が得られる。
【0195】
【化52】

【0196】
2)フルオロ原子(F-19又はF-18)又は脱離基(置換基G1の比較)が、中心窒素原子にα−位置で結合される:
【0197】
【化53】

【0198】
多くの例が文献において知られているか、又は市販されているアミノアルコール(B1、スキーム3を参照のこと)が、例えば臭化プロパルギルにより、化合物B2の方にアルキル化され得る。脱離基(既知のメシルオキシ、しかしまた、他の脱離基も可能である)の導入が、標準の方法により行われ、化合物B3が得られる。化合物B3の脱離基が、弗素化剤を用いることにより置換され、化合物B4が得られる。
スキーム3の合成の具体的例がスキーム4に示される。
【0199】
【化54】

【0200】
化合物9(J. Organomet. Chem.; 317; 1986; 93-104を参照のこと)が、臭化プロパルギルによりN−アルキル化される。この反応は、ジメチルホルムアミド、及びジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム(例えば、Org. Lett.; 8; 14; 2006; 2945 - 2947)において実施され、アルコール10が得られる。しかしまた、他の塩基、例えば炭酸セシウム又はナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水素化ナトリウム及び他の溶媒、例えばアセトン、テトラヒドロフラン(最終的に、水と共に混合される)(但し、それらだけには限定されない)が可能である。
【0201】
他の可能性ある溶媒及び塩基は、ジクロロエタン、エーテル、酢酸エチル、ジイソプロピルエチルアミン、DABCO、等であるが、但しそれらだけには限定されない。一定の環境下で、メシレート11は、対応する“現場”アジリジンを形成する中間体として作用する。次に、この誘導体(示されていない)は、溶液で存在するクロロ−アニオン−求核試薬により開環され、適合されたクロロ−前駆体分子(スキーム11、化合物42及び43を参照のこと)が導かれる。従って、他のメシル化試薬、例えばメシル無水物(Tetrahedron; 63; 25; 2007; 5470 - 5476を参照のこと)がまた、適切な誘導体としてメシレートを生成するために考慮され得る。それにもかかわらず、クロロ前駆体化合物42及び43がまた、F-18ラベルされた分子を生成するために適合される(スキーム11、化合物13及び39を参照のこと)。化合物13への化合物11の続く放射性弗素化反応は、塩基として炭酸カリウム及びクラウン−エーテルとして“kryptofix”を用いて実施される。
【0202】
しかしまた、当業者に良く知られている他の溶媒も使用され得る。それらの可能な条件は、溶媒としてのジメチルスルホキシド及びアセトニトリル、及び塩基としてのテトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウムカーボネート、又は炭酸セシウムを包含するが、但しそれらだけには限定されない。水及び/又はアルコールが、補助溶媒として、そのような反応に包含され得る。放射性弗素化反応は、105℃で約10分間、実施される。メシレート11はまた、非放射性弗化物12に転換され得る。この反応のための適切な試薬は、アセトニトリル中、弗化カリウム及び“kryptofix”である。反応混合物は任意には、マイクロ波技法により加熱される。他方では、化合物12はまた、ジクロロメタン中、DASTによる処理により、化合物10からも得られる。この方法は、当業者に知られている(J. Med. Chem.; 49; 8; 2006; 2496 - 2511)。
【0203】
3)フルオロ原子(F-19又はF-18)又は脱離基(置換基G2を参照のこと)が、中心窒素原子にβ−位置で結合される:
このアプローチは、2)に記載されるアプローチン類似する。文献において知られているか、又は市販されているアミンアルコールC1から出発することができる。アミノ及びアルコール基は保護され得る(スキーム5には示されていないが、しかしスキームに例示される)。
【0204】
C1は、臭化プロパルギルにより、化合物C2の方にアルキル化され得る。脱離基(示されるメシルオキシ、しかしまた他の脱離基も可能である)の導入が、標準方法により生成され、化合物C3が得られる。化合物C3の脱離基は、弗素化剤を用いることにより置換され、化合物C4が得られる。
【0205】
【化55】

【0206】
このアプローチ(スキーム5)の具体的例が、スキム6に示される。環状カルボメートとして保護されるアミノアルコール13(Aldrich)は、当業者に知られている方法により、プロパルギルハロゲン化物、例えば臭化プロパルギル(Aldrich)によりアルキル化される(J. Org. Chem.; 71; 13; (2006); 5023 - 5026)。この反応は、強塩基、例えば水素化ナトリウムを用いて、DMF又はTHFにおいて実施され、オキサゾリジノン14が得られる。化合物14は、アルコール15の方にリチウムアラネートにより還元され得る(J. Carbohydr. Chem.; 24; 2; (2005); 187 - 197に類似する)。アルコール15は、塩基として、ジクロロメタン及びトリエチルアミン中、塩化メシルを含んで成る標準方法により、メシレート16に転換され得る。トリフレート16は、放射性弗素化のための前駆体として作用する。従って、化合物17への転換は、アセトニトリル中、弗化カリウム及び“kryptofix”を用いて実施される。
【0207】
化合物18は、記載される放射性弗素化反応のための標準対照化合物として作用する。メシレート16はまた、記載される放射性弗素化反応のための標準対照化合物として作用する。メシレート16はまた、非放射性弗化物に転換され得る。この反応のための適切な試薬は、アセトニトリル中、弗化カリウム及び“kryptofix”である。反応混合物は任意には、マイクロ波技法により加熱される。他方では、化合物16はまた、ジクロロメタン中、DASTによる処理により、化合物16からも得られる。この方法は、当業者に知られている(J. Med. Chem.; 49; 8; 2006; 2496 - 2511)。
【0208】
【化56】

【0209】
4)フルオロ原子(F-19又はF-18)又は脱離基(置換気G4を参照のこと)は、中心窒素原子にω−位置で結合される:
【0210】
【化57】

【0211】
多くの例が文献において知られているか、又は市販されているアミノアルコール(D1、スキーム7を参照のこと)(ヒドロキシル官能基は任意には保護され得る;式Iaにおける置換基Aの“スペーサー”)は、化合物D2の方に、臭化プロパルギルによりアルキル化され得る。脱離基(示されるメシルオキシ、しかしまた他の脱離基も可能である)の導入は、化合物D3を得るために標準方法により行われ得る。化合物D3の脱離基は、化合物D4を得るために、弗素化剤を用いることにより置換される。
【0212】
このアプローチの具体的例は、スキーム8に示され;メチルエステル19(Pharmazie (1997), 52, 12, 937)は、硼水素化ナトリウムの使用により、その対応するアルコールに還元される(Tetrahedron; 63; 9; 2007; 2000 - 2008)。続いて、アミノ保護基が、メタノール(水性)及びアルカリ(ナトリウム又はカリウム)炭酸塩に中間体を溶解することにより除去される(例えば、J. Org. Chem., 53, (1988), 3108)。化合物20のアミノ基は、DMF及び炭酸カリウム中、臭化プロパルギルによりアルキル化され(例えば、Org. Lett.; 8; 14; 2006; 2945 - 2947)、化合物21が得られる。アルコール21は、弗素化剤を用いることにより23及び24の方に弗素化される、その対応するメシレート22に転換される。
【0213】
【化58】

【0214】
式Ibの化合物の合成のための例が、スキーム9に示される:
【0215】
【化59】

【0216】
化合物25(Chem. Europ. J.; 11; 19; 2005; 5777 - 5785)は、臭化プロパルギルの使用により、DMF中、塩基として水素化ナトリウムを用いてアルキル化される(J. Org. Chem.; 71; 13; (2006); 5023 − 5026を参照のこと)。Boc−保護されたアミン26は、トリフルオロ酢酸又は他の酸により保護解除され、化合物27が得られる。この第二アミン(27)は、[F-18]−フルオロエチル臭化物(A6、スキーム1を参照のこと)によりアルキル化され、化合物(32)が得られる。
【0217】
化合物27はまた、DMF中、2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−エチル臭化物(Aldrich)及び炭酸カリウムによりアルキル化され得る。保護基(THP)は、酸(例えば、ジクロロメタン中、トシル酸)を用いて除去され、そして次にアルコール29が、ジクロロメタン中、塩化メシル及びトリエチルアミンを用いて、メシレート30に転換される。化合物30は、F-19及びF-18弗素化試薬により、化合物31又は32に転換される。任意には、化合物29は、ジクロロメタン中、DASTを用いることにより、化合物31に転換され得る。
【0218】
式Ibの化合物の合成についてのもう1つの例が、スキーム10に示される:化合物32(J. Am. Chem. Soc; EN; 129; 3; 2007; 562 - 568)が、DMF中、臭化プロパルギル及び水素化ナトリウムによりアルキル化される(例えば、J. Org. Chem.; 71 ; 13; (2006); 5023 − 5026を参照のこと)。Tces及びTBDMS基は、Zn-Cuカップル(J. Am. Chem. Soc; 129; 3; 2007; 562 - 568)及び塩化水素を用いて除去される。第二アミン34が、アセトニトリル及び炭酸ナトリウム中、ヨウ化メチルによりアルキル化され、化合物35が得られる。アルコール35が、塩基としてのトリフルオロメチルスルホニル塩化物及びトリエチルアミンの使用により、その対応するトリフレート36に転換される。トリフレート36は、典型的な[F-18]弗素化剤を用いて、[F-18]−フルオロ誘導体37に転換される。アルコール35はまた、DBU中、ノナフルオロブチルスルホニル弗化物を用いて、弗化物38に転換され得る(Tetrahedron Letters, Vol. 36, No. 15, pp. 2611- 2614, 1995)。
【0219】
【化60】

【0220】
本発明の目的は、モノアミンオキシダーゼBを標的化するPETイメージングにより反応性星状膠細胞を検出するために使用され得る現在の技術状態に比較して、改良されたF-18ラベルされた化合物を見出すことであった。本発明のデータが示すように、前記[18F]化合物13は驚くべきことには、[11C]デプレニル(化合物3を参照のこと)及び化合物5([18F]FHMP; Nuclear Medicine Biology, Vol. 26, pp 111-116, (1999))に比較される場合、改良された代謝安定性を示した。
【0221】
[18F]化合物13の結合が、アルツハイマー病を有する患者及び正常な対照からのヒト脳切片に対して、標準プロトコールを用いて調べられた。手短には、組織がCryostat (Leica, Germany)において18μmの厚さに切断され、ガラススライド上に融解固定され、そして使用の前、少なくとも48時間-20℃で維持された。その後、スライドが除かれ、そして室温にされた。切片を、25mMのHEPES緩衝液により5分間、洗浄し、保湿されたチャンバーにおいて25mMのHEPES/0.1%BSA中、10Bq/μl[18F]化合物13と共に室温で60分間インキュベートされ、そしてそれぞれ25mMのHEPES/0.1%BSAにおいて5分間、5度、洗浄された。切片は、氷冷却された25mMのHEPES/0.1%BSAにおいて5分間、5度、洗浄された。切片は、氷冷却された蒸留水中に2度、浸され、室温で乾燥され、そしてPhosphorlmanger プレート (FUJI BAS 5000)に一晩、照射された。
【0222】
シグナルの特異性の検出のために、それぞれ、過剰(10μM)のDeprenyl, Pargylin (both for MAO B)及びClorgyline (MAO Aについて)が使用された。照射の後、切片は、抗−GFAP抗体により、標準プロトコールを用いて免疫組織化学的に染色され、反応性星状膠細胞が検出された。アミロイドβプラークが、上記のような結合プロトコールを用いて、BAY 949172 (Rowe CC et al. Lancet Neutol 2008; 7: 129-135)により検出された。MAO Bに対する[18F]化合物13の特異性が図1及び2に提供されている。図3及び4は、基本的病理学、すなわちそれぞれアミロイドβプラーク(図3)及び反応性星状膠細胞に対する放射性シグナルの関係を示す。
【0223】
[18F]化合物13の生物分布が、25〜31.5gの体重のNMRIマウスにおいて、5種の時点で調べられた。個々の時点で、3匹のマウスが使用された。マウスは、それぞれ0.178MBqの[18F]化合物13により注射された。それぞれの時点の後、マウスは殺害され、器官が取り出され、そしてγカウンターで測定された。結果は崩壊修正された。化合物は、図5に示されるように4時間後、放射能の高い初期脳摂取(2分のp.i.で7.5±0.04%ID/g)、及び1.34±0.26%ID/gへの低下を伴って、脳から放射能の高い初期排除(30分のp.i.で2.10±0.33%ID/g)を示した。
【0224】
[18F]化合物13がカニクイザルにおいて試験された。それぞれ、155MBqの[11C]デプレニル及び178MBqの[18F]化合物13が、同じサル中に注入された。時間活性曲線が、[18F]化合物13が[11C]化合物に比較される場合、標準の摂取値(SUV)を計算することによりモニターされた。血漿放射能プロフィール時間に対してモニターされた。図8及び9における女化合物についての曲線の比較から見られるように、[18F]化合物13についての血漿放射能は、30及び45分の時点で、[11C]デプレニルについて観察される放射能の約2倍であった。
【0225】
さらに、時間にわたって血漿に存在する代謝物が、両リガンドに関してモニターされた(図8及び9)。図8と図9との比較から見られるように、[18F]化合物13は、[11C]デプレニルよりも安定している。代謝物bの生成は、[11C]デプレニルについての約25%に比較して、[18F]化合物13については約13%のレベルであった。例えば、30分の時点で、代謝物bは、[11C]デプレニルについて観察されるそのわずか1/3であった。化合物13はまた、極性[18F]−ラベルされた代謝物の方にすばやく分解されることが報告されている化合物5よりも、インビボイメージングについて適合されることは明白である。
【0226】
特定領域、例えば線条における摂取及び富化は、[11C]デプレニルに比較して、[18F]化合物13に関して、約10%高かった(図10)。
サルにおけるさらなるブロッキング実験は、サル脳における染色が特異的であることを示す。
【0227】
式Iaを有する好ましい前駆体分子は、次のものである:
下記式:
【0228】
【化61】

【0229】
を有する(2S)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]-3-フェニルプロピル メタンスルホネート;
下記式:
【0230】
【化62】

【0231】
を有する(2S)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]-3-フェニルプロピル 4-メチルベンゼンスルホネート;
下記式:
【0232】
【化63】

【0233】
を有するN-[(2S)-1-クロロ-3-フェニルプロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1 -アミン;
下記式:
【0234】
【化64】

【0235】
を有する(2S)-3-(フラン-2-イル)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]プロピル メタンスルホネート;
下記式:
【0236】
【化65】

【0237】
を有する(2S)-3-(フラン-2-イル)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート;
下記式:
【0238】
【化66】

【0239】
を有するN-[(2S)-1-クロロ-3-(フラン-2-イル)プロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1-アミン;
式Ibにより包含されない好ましい前駆体分子は、次のものである:
下記式:
【0240】
【化67】

【0241】
を有する(3aS,8aR)-3-(プロプ-2-イン-1-イル)-3,3a,8,8a-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1 ,2,3]オキサチアゾール 2,2-ジオキシド;及び
下記式:
【0242】
【化68】

【0243】
を有する(3aS,8aS)-3-(プロプ-2-イン-1-イル)-3,3a,8,8a-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1 ,2,3]オキサチアゾール 2,2-ジオキシド;
式Ia又はIbの18F−ラベルされた化合物の好ましい例は、次のものである:
下記式:
【0244】
【化69】

【0245】
を有するN-[(2S)-1-(18F)フルオロ-3-フェニルプロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1-アミン;
下記式:
【0246】
【化70】

【0247】
を有するN-[(2S)-1-(18F)フルオロ-3-(フラン-2-イル)プロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1 -アミン;
下記式:
【0248】
【化71】

【0249】
を有する(1S,2R)-2-(18F)フルオロ-N-(プロプ-2-イン-1-イル)-2,3-ジヒドロ-1 H-インデン-1-アミン;
下記式:
【0250】
【化72】

【0251】
を有する(1S,2S)-2-(18F)フルオロ-N-(プロプ-2-イン-1-イル)-2,3-ジヒドロ-1 H-インデン-1-アミン。
【0252】
化合物10はまた、弗化物に及び41の混合物にも転換され得、ここで化合物41は転位された反応生成物である(スキーム11)。弗化物に及び41は、カラム上で分離され得る(TLC、図15を参照のこと)。塩化メシルによるアルコール10の転換は、一定の環境下で、適切な前駆体化合物対である、塩化物42及び43の混合物を導き、これは、F-18ラベルされた化合物13及び39に放射性弗素化される。F-18ラベルされた生成物13及び39は、HPLCカラム上で分離でき(図11及び12を参照のこと)、そして別々に調べられ得る。
【0253】
【化73】

【0254】
アルコール10はまた、トシル無水物を用いて、トシレート44に転換され得る。この誘導体はまた、化合物13への放射性ラベリングのための適切な前駆体である。
誘導体15は、化合物18の方にDASTを用いることにより転換され得る(スキーム12を参照のこと)。塩化物45への化合物15の転換は、塩化メシルを用いて実現される。塩化物45は、化合物46の方への放射性弗素化のための適切な前駆体分子である(図14を参照のこと)。
【0255】
【化74】

【0256】
化合物18のジアステレオマーは、アルコール49を通して2段階で(1R, 2R)シュードエケドリン48から合成される化合物47である(スキーム13を参照のこと)。弗化物47への臭化プロパルギルによるアルキル化により(1R, 2R)シュードエケドリンから合成されるアルコール49の転換は、DASTの使用により実現される。化合物49はまた、塩化メシルの使用により、前駆体分子50に転換され得る。
【0257】
【化75】

【0258】
化合物8は、塩化物52の放射性弗素化の生成物である。この前駆体塩化物は、塩化メシルの使用により、アルコール51から誘導される。F-18ラベルされた弗化物8の参照化合物(53)はまた、スキーム14に示されており、そしてDASTを用いてアルコール51から合成され得る。
【0259】
【化76】

【0260】
式Ibの[F-18]ラベルされた化合物の合成についての例は、スキーム15に記載されている:
【0261】
【化77】

【0262】
アミノアルコール54(市販されている)は、SO2Cl2の使用により、スルファミデート55に転換される(Tetrahedron Assymetry (1990), 1, 12, 877-880を参照のこと)。プロプ−2−イン−1−オール、トリフェニルホスフィン及びジプロパン−2−イル(E)−ジアゼン−1,2−ジカルボキシレートを用いてのMitsonobu反応は、前駆体化合物56を導き、次にこれは、テトラブチルアンモニウム水素化物による[18F]弗素化及びスルフェート成分(F-19類似体57を参照のこと)の続く保護解除により、化合物58に転換され得る。類似するアプローチが、その対応するF-19誘導体59を得るために可能である(Posakony et al. Synthesis (2002), 6, 766-770)。
【0263】
本発明は、下記にも関する:
1.下記式Ia:
【化78】

【0264】
又は下記式Ib:
【化79】

【0265】
[式中、Wは、-C(U1)(U2)-C≡CH及びシクロプロピルを含んで成る群から選択され、U1及びU2は水素及びジュウテリウムから独立して選択され;
Aは、置換されているか又は置換されていないアリール、置換されているか又は置換されていないヘテロアリール、例えばフラニル、(C1-C10)アルキル、G4-(C2-C4)アルキニル、 G4-( C1-C4)アルコキシ、 (G4-( C1-C4)アルキル)アリール、 (G4-(C1-C4)アルコキシ)アリール、 (G4-( C1-C4)アルキル)アリール、及び (G4-( C1-C4)アルコキシ)アリールを含んで成る群から選択され、ここで好ましくは、前記へテロアリール又はフラニルであり、
【0266】
式Ia及び式IbにおけるG1、G2、G3 及び G4は、独立して及び個々に、各出現で、水素、(C1-C4)アルキル、好ましくはメチル、L及び-(C1-C6)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つは、L及び-(G1-G6)アルキル-Lから選択され、そして式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(C1-C6)アルキル-Lから選択され、Lは脱離基であり、又はLはF、好ましくは18F又は19Fであり、ここで好ましくは、Lが19Fである場合、前記化合物は、sp3−ハイブリダイズされた炭素原子に結合される、正確に1つの19F原子を含み、
【0267】
nは、0〜6、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2の整数であり、そしてmは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数であり、そしてe及びfは、0〜1の整数であり、但し、e及びfの少なくとも1つは1である]で表される化合物(前記化合物のすべての異性体形は鏡像異性体及びジアステレオマー、及びセラミ混合物を包含するが、但しそれらだけには限定されない)、及びそのいずれかの医薬的に許容できる塩、エステル、アミド、複合体又はプラドラッグ。
【0268】
2.Wが-CH2-C≡CHである、1記載の化合物。
3.Aが、置換されているか又は置換されていないフェニル、置換されているか又は置換されていないフラニル、特にフラン-2-イル、フラン-3-イル、 (C1-C4)アルキル、 G4-(C3-C4)、 アルキニル、 G4-(C1-C3)アルコキシ、 (G4- (C1-C3)アルキル)フェニル、 (G4-( C1-C3)アルコキシ)フェニルを含んで成る群から選択される、1又は2記載の化合物。
【0269】
4.Aが、置換されているか又は置換されていないフェニル、置換されているか又は置換されていないフラニル、(G4-(C1- C3)アルキル)フェニル、(G4-( C1- C3)アルコキシ)フェニル、 ヒドロキシ-フェニル、 ハロ-フェニル、メトキシ-フェニル、 ジメトキシ-フェニル、 トリフルオロメチル-フェニル、 及び((C1-C4)アルキル)-フェニルを含んで成る群から選択される、3記載の化合物。
【0270】
5.Aが、置換されているか又は置換されていないフェニル、 (G4-( C1- C3)アルコキシ)フェニル、 ヒドロキシ-フェニル、 フルオロ-フェニル、メトキシ-フェニル、及びメチルフェニルを含んで成る群から選択される、4記載の化合物。
【0271】
6.式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4が、独立して及び個々に、各出現で、水素、(C1-C4)アルキル、好ましくはメチル、L及び-(C1-C6)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(G1-G4)アルキル-Lから選択される、1〜5のいずれかの記載の化合物。
【0272】
7.式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4が、独立して及び個々に、各出現で、水素、メチル、L及び-(C1-C2)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(G1-G2)アルキル-Lから選択される、6記載の化合物。
【0273】
8.式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4が、独立して及び個々に、各出現で、水素、メチル、L及び-メチル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-メチル-Lから選択される、7記載の化合物。
【0274】
9.Lが、ハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシを含んで成る群から選択された脱離基である、1〜8のいずれかの記載の化合物。
【0275】
10.Lが、クロロ、ブロモ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、 (4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 及び(2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシを含んで成る群から選択された脱離基である、9記載の化合物。
【0276】
11.下記式:
【化80】

【0277】
で表されるメタンスルホン酸 2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ) -3-フェニル-プロピルエステル、又は下記式:
【0278】
【化81】

【0279】
で表されるメタンスルホン酸 2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ) -1 -フェニル-プロピルエステル、又は下記式:
【0280】
【化82】

【0281】
で表されるメタンスルホン酸 3-フラン-2-イル-2 -(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ)-プロピルエステル、又は下記式:
【0282】
【化83】

【0283】
で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-インダン-2-イルエステル、又は下記式:
【0284】
【化84】

【0285】
で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-1 ,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-2-イルエステル、又は下記式:
【0286】
【化85】

【0287】
で表されるメタンスルホン酸 1-ベンジル-2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ)-プロピルエステル、又は下記式:
【0288】
【化86】

【0289】
で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-2-フェニル-エチルエステル、又は下記式:
【0290】
【化87】

【0291】
で表されるメタンスルホン酸 2-[(2-フラン-2- イル-1-メチル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミノ]- エチルエステル、又は下記式:
【0292】
【化88】

【0293】
で表されるメタンスルホン酸 2-[(1-メチル-2 -フェニル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミノ]-エチルエステル、又は下記式:
【0294】
【化89】

【0295】
で表されるメタンスルホン酸 2-[プロプ-2-イニル -(1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル)- アミノ]-エチルエステル、又は下記式:
【0296】
【化90】

【0297】
で表されるメタンスルホン酸 2-(インダン-1-イル- プロプ-2-イニル-アミノ)-エチルエステル、又は下記式:
【0298】
【化91】

【0299】
で表されるメタンスルホン酸 2-{4-[2-(メチル-プロプ-2-イニル -アミノ)-プロピル]-フェノキシ}-エチルエステル、又は下記式:
【0300】
【化92】

【0301】
で表される(2S)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1 -イル)アミノ]-3-フェニルプロピル メタンスルホネート、又は下記式:
【0302】
【化93】

【0303】
で表される(2S)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]-3-フェニルプロピル 4-メチルベンゼンスルホネート、又は下記式:
【0304】
【化94】

【0305】
で表されるN-[(2S)-1-クロロ-3-フェニルプロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1 -アミン、又は下記式:
【0306】
【化95】

【0307】
で表される(2S)-3-(フラン-2-イル)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]プロピル メタンスルホネート、又は下記式:
【0308】
【化96】

【0309】
で表される(2S)-3-(フラン-2-イル)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート、又は下記式:
【0310】
【化97】

【0311】
で表されるN-[(2S)-1-クロロ-3-(フラン-2-イル)プロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1-アミンである、1〜10のいずれかの記載の化合物。
【0312】
12.Lが、Fではなく、特に18F及び19Fではない、1〜10のいずれかの記載の化合物。
13.Lが18Fであり、又は請求項11記載のいずれかの化合物に示されるメシルオキシ基、クロロ基及びトシル基が18Fにより置換される、1〜11のいずれかの記載の化合物。
14.Lが19Fであり、又は請求項11記載のいずれかの化合物に示されるメシルオキシ基、クロロ基及びトシル基が19Fにより置換される、1〜11のいずれかの記載の化合物。
15.9又は12記載の化合物がF−弗素化剤(ここで、F=18F又は19F)と反応せしめられる、13又は14記載の化合物の合成方法。
【0313】
16.前記F−弗素化剤が、F−アニオンを含んで成る化合物、好ましくは4、7、13、16、21、24−ヘキサオキサ−1、10−ジアザビシクロ[8. 8. 8]−ヘキサコサンK F、すなわちクラウンエーテル塩Kryptofix KF、KF、HF、KH、F2、CsF、NaF、及びFのテトラアルキルアンモニウム塩、例えば[18F]テトラブチルアンモニウム弗化物を含んで成る群から選択された化合物であり、そして前記Fは18F又は19Fである、15記載の方法。
【0314】
17.−下記式V:
【化98】

【0315】
[式中、Bは、脱離基、好ましくはハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシであり、そしてaは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物を、16記載のF−弗素化剤によりF−弗素化し、下記式IV:
【0316】
【化99】

[式中、Fは、18F又は19Fであり、Bは、脱離基、好ましくはハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシであり、そしてaは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物を得、
−前記式IVの化合物を、下記式VI:
【0317】
【化100】

【0318】
[式中、W2は、1又は2記載のWであり、
A2は、R12-O-アリール、R12-O-ヘテロアリール、 アリール、 ヘテロアリール、例えばフラニル、 (C1-C10)アルキル、 (C2-C4)アルキニル、 (C1-C4)アルコキシ、 ((C1-C4)アルコキシ)アリール、 及び((C1-C4) アルキル)アリールを含んで成る群から選択され、
R9及びR10は、独立して及び個々に、各発生で、(C1-C6)アルキル及び水素を含んで成る群から選択され、
【0319】
R11は、(C1-C6)アルキル及びR12を含んで成る群から選択され、但し式VIの化合物は正確に1つのR12を含み、
R12は水素であり、
dは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物により置換する段階を含んで成る、13又は14記載の化合物の合成方法。
【0320】
18.Bが、ヨード、ブロモ、クロロ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ及びノナフルオロブチルスルホニルオキシを含んで成る群から選択される、17記載の方法。
【0321】
19.A2が、R12−O−フェニル、フェニル、フラニル、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルキニル、(C1-C3)アルコキシ及び置換されたフェニルを含んで成る群、より好ましくはR12−O−フェニル、フェニル、フラニル、((C1-C3)アルコキシ)フェニル、ヒドロキシフェニル、ハロ−フェニル、メトキシ−フェニル、ジメトキシ−フェニル、トリフルオロメチル−フェニル及び((C1-C4)アルキル)フェニルを含んで成る群、さらにより好ましくはR12−O−フェニル、フェニル、フラニル、ヒドロキシフェニル、フルオロ−フェニル、メトキシ−フェニル及びメチル−フェニルを含んで成る群から選択される、17又は18記載の方法。
【0322】
20.R9及びR10が、独立して及び個々に、各発生で、(C1-C6)アルキル及び水素を含んで成る群、好ましくはメチル及び水素を含んで成る群から選択される、17〜19のいずれかの記載の方法。
21.R11が、(C1-C6)アルキル及びR12を含んで成る群、好ましくはメチル及びR12を含んで成る群から選択される、17〜20のいずれかの記載の方法。
【0323】
22.1〜14のいずれかの記載の化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る組成物。
23.前記化合物が、13記載の化合物である、22記載の組成物。
24.前記化合物が、14記載の化合物である、22記載の組成物。
25.前記化合物が、12記載の化合物である、22記載の組成物。
26.医薬剤又は診断剤又はイメージング剤としての使用のための、1〜14のいずれかの記載の化合物、好ましくは13又は14記載の化合物、又は22、23、24又は25のいずれかの記載の組成物。
【0324】
27.中枢神経系(CNS)の疾病の処理及び/又は診断及び/又はイメージングのための薬剤の製造のためへの、1〜14のいずれかの記載の化合物、好ましくは13又は14記載の化合物、又は22、23、24又は25のいずれかの記載の組成物の使用。
28.特に中枢神経系の疾病のための診断剤又はイメージング剤としての使用のための、13記載の化合物又は23記載の組成物。
【0325】
29.予定された量の、
a)12記載の化合物、又は
b)17〜21のいずれかの記載の式V及びVIの化合物、
を含む密封されたバイアルを含んで成るキット。
【0326】
30.患者の身体におけるモノアミンオキシダーゼの存在を検出するための、好ましくは患者における中枢神経系の疾病をイメージングするための方法であって、
検出できる量の13記載の化合物又は23記載の組成物を患者の身体中に導入し、そして
陽電子放射断層撮影法(PET)により前記化合物又は組成物を検出することを含んで成る方法。
31.適切な量の)1〜14のいずれかの記載の化合物、好ましくは13又は14記載の化合物を、患者中に導入する段階を含んで成る、中枢神経系の疾病の処理方法。
【0327】
実験
一般方法
A:非放射性[F-19]弗化物による弗素化
0.5mlのアセトニトリル中、0.25mモルの出発材料の溶液に、16mg(0.27mモル)の弗化カリウム及び104mg(1.1当量)のkrytofixを添加する。その反応混合物を、10mlのジエチルエーテル及び10mlの水により希釈する。有機相を分離する。水性相を10mlのジエチルエーテルにより3度、抽出する。組合された有機相を、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒を蒸発し、そして残渣を、酢酸エチル−ヘキサングラジエントを用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0328】
B:放射性[F-18]弗化物による弗素化
0.75mlのアセトニトリル中、2.5mgのKryptofix(2. 2. 2Kryptand)、及び0.5mgの炭酸カリウムにより充填されたWheatonバイアル(5ml)に、弗素含有水(0.5−2.5GBq、200−300μl)を添加する。溶媒を、窒素流下で120℃で10分間の加熱により、除去する。無水MeCN(1ml)を添加し、そして前述のようにして蒸発する。この段階を再び反復する。0.70mlの無水MeCN中、出発材料(2mg)の溶液を添加する。
【0329】
110℃での30分の加熱の後、粗反応混合物を、分析用HPLC:ACE3-C18 50mm×4.6mm;溶媒グラジエント:開始5%アセトニトリル−7分で水中、95%アセトニトリル、流速:2ml/分を用いて分析する。所望するF-18ラベルされた生成物を、分析用HPLCに基づいて、その対応する非放射性F-19フルオロ−標準との同時注入により確かめる。粗生成物(50-400MBq)を、分離用HPLCカラムにより精製する:所望する生成物を、分析用HPLCに基づいて、非放射性F-19フルオロ標準との同時注入により再確認する。
【0330】
C:[F-18]弗化物による弗素化
[18O]富化された水中、[18F]弗化物の溶液を、Sep-Pak QMA 光カートリッジ (preconditioned with K2CO3 [0.5 M, 10 mL], 18 MΩ H2O, 15 mLにより予備調整された)を通してフラッシュし、[18F]弗化物を単離し、次にこれを、カートリッジから、水[18MΩ、43μl]及びアセトニトリル(2ml)中、K2CO3(7μモル)、Kryptofix 2. 2. 2(130μモル)の溶液により溶出した。溶媒を、160℃での連続した窒素流下で蒸発し、そして[18F]F" /K2CO3/K2.2.2の黄色の残渣を残した。次に、その残渣を25℃に冷却し、そしてDMSO(600μl)中、前駆体(約0.01mモル、約2mg)を添加した。閉じられた反応容器を、120℃で20分間、加熱し、そして室温に冷却した。反応混合物を一般的に、HPLC精製の前、水により希釈し、5mlの合計体積にした。
【0331】
例えば、F-18ラベルされた化合物13, 39, 8及び30をまた、μ-Bondapak C- 18 カラム (300 X 7.8 mm, 10 μm; Waters計測器)上で、逆相HPLCにより精製し、そしてMeCN-H3PO4 (0.01 M) (15:85 v/v)を、4ml/分の流速での溶出溶媒として使用した(図11, 12, 13及び14を参照のこと)。溶出物を、GM管放射能検出器と共、UV吸光検出器(λ=214nm)を用いてモニターした。所望する化合物の画分を集め、そして蒸発乾燥した。残渣を、無菌リン酸ニナトリウムリン酸緩衝溶液(PBS:pH=7.4;10ml)に溶解し、そして無菌フィルター(0.22μml;Millipore, Bedford, MA)を通して濾過し、[18F]放射性リガンドの無菌及び発熱性溶液を得た。個々の放射性リガンドの放射性化学純度を、μ- Bondapak C- 18 カラム (300 X 3.9 mm, 10 μm; Waters計測器)上で、逆相HPLCにより分析し、そしてMeCN- H3PO4 (0.01 M) (15:85 v/v)を、2ml/分の流速での溶出溶媒として使用した。溶出物を、放射能検出器(β-flow; Beckman, Fullerton, CA)と共に、UV吸光検出器(λ=214nm)を用いてモニターした。
【0332】
放射性化学純度は、すべての3種の化合物について99%以上であった。他方では、集められたHPLCが分を、40mlの水により希釈し、そしてSep-Pak Plus Cl 8 cartridge (Waters)上に固定し、これを5mlの水により洗浄し、そして1mlのエタノールにより溶出し、99%以上の放射性化学純度での生成物を得た。
安定性及び放射性化学収率を、シリカゲル上でのHPLC及びTLCにより分析した。TLCプレートを、AR-2000 Imaging Scannerにより走査し、そしてWirscan2.2ソフトフェアを用いて分析した。弗素化反応の組込み収率は、40%〜70%であった。
【0333】
放射性化学純度は、すべての3種の放射性リガンドについて99%以上であった。放射性リガンドは、実験の間、PBS緩衝溶液において安定していることが見出された。放射性化学純度は、HPLC及びTLCにより決定された、PBSとの配合の後、3時間で99%以上であった。他方では、化合物13及び39をまた、分離用HPLCカラム及び方法(図11を参照のこと)により分離した:ACE 5-C18-HL 250mmxl0mm, Advanced Chromatography Technologies; カタログ番号: ACE 321-2510; 無勾配, 0.1% トリフルオロ酢酸中、35% アセトニトリル, 流速: 4 ml/分; tR=17.5分。集められたHPLC画分を、40mlの水により希釈し、そしてSep-Pak Plus Cl 8 カートリッジ (Waters)上に固定し、これを5mlの水により洗浄し、そして1mlのエタノールにより溶出し、99%以上の放射性化学純度で化合物13を得た。所望する生成物13を、分析用HPLC上への非放射性F-19フルオロ標準12と共に同時注入することにより特徴づけた。
【0334】
D:[F-18]ラベルされた置換基によるNH−カルバメートのアルキル化
1mlの無水テトラヒドロフラン(THF)及び7.7mモルの水素化ナトリウム(ヘキサンにより洗浄されている)の懸濁液に、1mlのTHF中、7mモルの出発材料を滴下する。その反応混合物を20分間、撹拌する。テトラヒドロフラン中、調製された[F-19]−フルオロ−アルキル臭化物(100−500GBq;文献から知られている)を、前記懸濁液中に滴下する。その反応混合物を50℃に20分間、加熱する。反応混合物を室温に冷却する。粗反応混合物を、分析用HPLCにより分析する。所望するF-18ラベルされた生成物を、分析用HPLC上への非放射性F-19フルオロ−標準との同時注入により確かめる。
【0335】
E:テトラブチルアンモニウム水酸化物を用いての[F-18]弗化物による弗素化及び続く保護解除
また、J. Med. Chem. 2007, 50, 1028-1040を参照のこと。[18F]弗化物を、テトラブチルアンモニウム水酸化物(2μl)により、前もって処理されたVacutainerに移した。[18O]H2Oを、アセトニトリル(3度、0.75ml)、N2及び加熱を伴って共沸蒸留により除去した(Nucl. Med. Biol. 2003, 30, 397-404)。前駆体(3.0μモル)を、容器に添加し、そしてDMSO(400μl)に溶解した。得られる混合物を、マイクロ波照射(3度、20秒間)により加熱した。粗混合物を、CH3CN(3ml)と共に、シリカピペットカラム(50mg)上に通し、そして次に、揮発性有機物を、減圧下で除去した。
【0336】
[18F]生成物の粗混合物を含むバイアルを、CH3CN(500μl)に溶解し、そして4Nの硫酸(0.5ml)により処理した。得られる混合物を、マイクロ波照射(3度、20秒間)により加熱した。所望する生成物を、分離用HPLCカラム及び方法により分離した:ACE 5-C18-HL 250mmxl0mm, Advanced Chromatography Technologies; カタログ番号: ACE 321-2510; 無勾配, 0.1% トリフルオロ酢酸中、35% アセトニトリル, 流速: 4 ml/分。集められたHPLC画分を、40mlの水により希釈し、そしてSep-Pak Plus Cl 8 カートリッジ (Waters)上に固定し、これを5mlの水により洗浄し、そして1mlのエタノールにより溶出し、99%以上の放射性化学純度で化合物13を得た。所望する生成物13を、分析用HPLC上への非放射性F-19フルオロ標準との同時注入により特徴づけた。
【0337】
F:NH−カルバメートのアルキル化
20mlの無水DMF及び11mモルの水素化ナトリウム(ヘキサンにより洗浄されている)の撹拌された懸濁液に、5mlのDMF中、10mモルの出発材料を0℃で滴下する。反応混合物を20分間、撹拌する。5mlのテトラヒドロフランに希釈された15mモルのアルキル化剤を、前記撹拌された懸濁液に滴下する。その反応混合物を16〜10時間、撹拌する。反応混合物を、氷−水及びジエチルエーテルの激しく撹拌された混合物上に注ぐ。有機相を分離する。水性相を、30mlのジエチルエーテルにより3度、抽出する。組合された有機相を、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒を蒸発し、そして残渣を、酢酸エチル−ヘキサングラジエントを用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0338】
G:[F-18]ラベルされた置換基によるNH−アミンのアルキル化
0.7mlのジメチルホルムアミド中、2mgの第二アミン(出発材料)及び3mgの炭酸カリウムの溶液に、文献のプロトコールから調製されたジメチルホルムアミド中、[F-18]フルオロ−アルキル化剤(約200−1000MBq)を添加し、その反応混合物を、110℃に20分間、加熱する。反応混合物を室温に冷却する。所望するF-18ラベルされた生成物を、分析用HPLC上への非放射性F-19フルオロ−標準との同時注入により確かめる。粗生成物(約50−400MBq)を、分離用HPLCカラムにより精製する。分析用HPLC上への非放射性F-19フルオロ標準との同時注入により再確認される場合、所望する生成物(約15−200MBq)を得る。
【0339】
H:NH−アミン(第二アミン)又はフェノールのアルキル化
6mlのジメチルホルムアミド中、2mモルの出発材料及び0.415g(3mモル)の炭酸カリウムの撹拌された溶液に、2.5mモルのアルキル化剤を添加した。反応混合物を、マイクロ波により110℃に15分間、加熱した。反応混合物の溶媒を蒸発した。水(8ml)及びジエチルエーテル又はジクロロメタン/イソプロパノール混合物(1:10−8ml)を添加する。有機相を分離する。水性相を30mlのジエチルエーテルにより3度、抽出する。組合された有機相を水(2度、約5ml)、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒を蒸発し、そして残渣を、酢酸エチル−ヘキサングラジエントを用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0340】
I:アルコールの対応するO−スルホネートへの転換(バージョン1)
1.5mlのジクロロメタン中、0.5mモルの出発材料及び0.103g(0.8mm)のジイソプロピルエチルアミンの溶液に、0.1mlのジクロロメタン中、0.6mモルの塩化メシル又はメシル無水物を、−10℃で滴下した。その撹拌された反応混合物を、室温に4.5時間にわたって暖め、そしてジクロロメタンにより希釈した。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム、水及びブラインにより洗浄した。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物ヲ、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサングラジエント)により精製した。
【0341】
K:アルコールの対応するO−スルホネートへの転換(バージョン2)
5mlのジクロロメタン及びピリジン中、3mモルの出発材料の溶液に、3mlのジクロロメタン中、3.3mモルのアリールスルホニル塩化物を、−10℃で滴下した。その撹拌された反応混合物を、室温に4.5時間にわたって暖め、そしてジクロロメタンにより希釈した。有機相を0.5Nの硫酸(3度)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及びブラインにより洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥した。粗生成物を、シリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサングラジエント)により精製した。
【0342】
M:酸不安定保護基の保護解除(バージョン1)
湿潤トリフルオロ酢酸−ジクロロメタン混合物(1:1)中、5mモルの出発材料の溶液を、4〜7時間、撹拌した。反応混合物を蒸発した。残渣をジクロロメタンに溶解し、そしてその溶液を再び蒸発する。最後の段階を3度反復する。残渣を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−ペンタングラジエント、アミノ酸)により精製する。
【0343】
N:酸不安定保護基の保護解除(バージョン2)
(J. Am. Chem. Soc, 6644, 92, (1970)による)。1mlのエタノール中、0.5mモルの出発材料の撹拌された溶液に、1mlの3Nの水性塩化水素を、0℃で添加する。その溶液を室温で16時間、撹拌する。反応をpH=9.5まで、水性NaOH(4N)により処理する。水(10ml)及びジクロロメタン−イソプロパノール(10ml;10:1)を添加する。有機相を分離する。水性相を、10mlのジクロロメタン−イソプロパノール(10:1)により3度、抽出する。組合された有機相をブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒を蒸発し、そして残渣を、エーテル−ペンタングラジエントを用いてのカラムクロマトグラフィーにより、又は分離用HPLC方法により精製する。
【0344】
P:混合された無水物による酸のアルコールへの還元
Journal of Medicinal Chemistry, 2006, Vol. 49, No. 15, p. 4544, 化合物94による。THF(300ml)中、11mモルのカルボン酸(出発材料)及びトリエチルアミン(1.9ml、14mモル)の撹拌された溶液に、エチルクロロホルメート(13ml、14mモル)を-5℃で添加した。その混合物を20分間、撹拌し、そして次に、硼水素化ナトリウム(1.72g、44mモル)及びメタノール(32ml)を連続的に添加した。その混合物を-5℃で30分間、撹拌し、そして次に、飽和NH4Clを添加し、反応を停止した。その混合物をEt2O(約50ml)により抽出し、そして組合された有機層をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/AcOEt 1/1)処理により、所望する生成物を得た。
【0345】
Q:N−メチルアミノ−アルコールへのオキサゾリジノンの還元
10mlのTHF中、5mモルの出発材料(オキサゾリジノン)の撹拌された溶液に、10mモルの水素化リチウムアルミニウムを0℃で添加した。その反応懸濁液を室温で4時間、撹拌した。激しく撹拌された反応混合物を、10mlの1MのNaOH(水性)溶液により少しずつ処理した。その反応混合物を、30分間、撹拌し、そして濾過した。濾液を濃縮し、そして残渣をシリカクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサングラジエント)により精製した。
【0346】
S:アルコールへのエステルの還元
15mlの水/THF(1:1)中、15mモル(555mg)のNaBH4の溶液に、20mlのTHFに溶解された10mモルのエステル(出発材料)を滴下する。反応混合物を4時間、撹拌する。反応混合物を、氷冷却をされた水及びジエチルエーテルの撹拌混合物(200ml、1:1)中に注ぐ。有機相を分離する。水性相を、10mlのジエチルエーテルにより3度、抽出する。組合された有機相を、ブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒を蒸発し、そして残渣を、酢酸エチル−ヘキサングラジエントを用いて、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0347】
T:対応するトリフレートへのアルコールの転換
Chem. Eur. J. (2007), 13, 1 15 - 134による:ピリジン(0.25ml、3.13mモル)及びTf2O(0.32ml、1.88mモル)を、CH2Cl2(50ml)中、出発材料(1.34mモル)の溶液に、-20℃で連続的に添加し、そして得られる混合物を、その温度で1時間、撹拌した。淡いピンク色の溶液を、水性KHSO4(30ml、10%)及び氷を含む分離漏斗中に移した。水性層をCH2Cl2により抽出し、組合された有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を、0℃で温度を維持しながら、注意して蒸発した。所望する生成物を、酢酸エチル−ヘキサン溶媒混合物を用いて、シリカ層を通して濾過する。
【0348】
U:アルカンへのメシレートの還元
Org. Lett.; 2004; 6(24) pp 4439 - 4442に類似する:無水エーテル(20ml)中、出発材料(0.5mモル)の溶液に、水素化リチウムアルミニウム(65mg)を、0℃で添加し、同じ温度で24時間、撹拌した。-10℃で0.263mlの2MのNaOH溶液の添加の後、反応混合物を室温で30分間、撹拌し、そして濾過した。濾液を濃縮し、そして残渣を、さらに精製しないで使用した。
【0349】
V:第二アルコールの弗素化(DBU/NfF)
Tetrahedron Letters, Vol. 36, No. 15, pp. 261 1-2614, 1995による:トルエン(20mモル)中、第二アルコール(2.5mモル)及びDBU(1.12ml、7.5mモル)の冷却された溶液に、C4F9SO2F(ノナ−フルオロ−ブチル−スルホニル−弗化物)(1.13g、3.75mモル)を、0℃で撹拌下で添加した。0℃での1時間後、反応混合物を真空下で蒸発し、そして残渣を、ヘキサン/酢酸エチルグラジエントを用いて、シリカカラム上でクロマトグラフィー処理した。
【0350】
次の例に関しては、NMRスペクトルを、400MHz、600MHz(1H)、100MHz及び151MHz(13C)NMR測定器上に記録した。1H NMRスペクトルは、CDCl3(δ1H7.26)上で内部的に参照され、そして13C NMRスペクトルは、CDCl3(δ13C77.20)上で内部的に参照された。液体クロマトグラフィー分析(LC)は、Merck-Hitochiグラジエントポンプ及びMerch-Hitachi, L-4000可変波長UV-検出器により行われた。μ-Bondapak C- 18カラム (300 X 7.8 mm, 10 μm; waters 測定装置は、2ml/分の流速で使用された。LC-MSは、Waters Acquity UPLC 測定器と結合されるWaters Quattra-Tof Premierマイクロマスを用いて実施された。使用されるイオン化モードは、電気スプレー陽性イオン化(ESI+)であった。分析用TLCは、0.25mmのシリカゲルプレート上で実施された。
【0351】
すべての溶媒及び化学物質は、市販源から得られ、そしてさらに精製しないで使用された。
【実施例】
【0352】
例1
a)((S)−1−ヒドロキシメチル−2−フェニル−エチル)−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1a)の合成
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−3−フェニル−プロピオン酸(Fluka)を、一般方法Pに従って還元し、化合物1aを、80%収率(8.8mモル、2.34g)で得る。
MS-ESI: 266 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 67.90% H 8.74% N 5.28%
実測値: C 67.87% H 8.72% N 5.27%
【0353】
b)(S)−2−メチルアミノ−3−フェニル−プロパン−1−オール(1b)の合成
化合物1aを、一般方法Mに従って保護解除し、化合物1bを77%収率(630mg、3.8mモル)で得る。
MS-ESI: 166 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 72.69% H 9.15% N 8.48%
実測値: C 72.66% H 9.13% N 8.47%
【0354】
c)(S)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール(1c)の合成
化合物1cを、一般方法Hに従って、出発材料1b から、2.5 モルの臭化プロパルギル(298mg)を用いて合成する。所望する化合物を、60%収率(243mg、1.2mモル)で得る。
MS-ESI: 204 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 76.81% H 8.43% N 6.89%
実測値: C 76.77% H 8.42% N 6.88%
【0355】
d)メタンスルホン酸(S)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−3−フェニル−プロピルエステル(1d)の合成
化合物1dを、一般方法Iにより、出発材料1cから91%収率(126mg、0.45mモル)で合成する。
MS-ESI: 282 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 59.76% H 6.81% N 4.98%
実測値: C 59.78% H 6.82% N 4.99%
【0356】
e)((S)−1−フルオロメチル−2−フェイル−エチル)−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(1e)の合成
化合物1eを、一般方法Aにより、出発材料1dから48%収率(24mg、0.12mモル)で合成する。
MS-ESI: 206 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 76.07% H 7.86% N 6.82%
実測値: C 76.04% H 7.85% N 6.83%
【0357】
f)((S)−[18F]−1−フルオロメチル−2−フェニル−エチル)−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(1e)の合成
化合物1fを、一般方法Bにより化合物1eから調製する。所望する生成物1eを、1.12GBqから出発して254MBqのF-18弗化物(崩壊修正された)により得る。
【0358】
g)(2S)−2−(メチルアミノ)−3−フェニルプロパン−1−オール(1b)の合成
無水THF(600ml)中、N−メチル−L−フェニルアラニン(Sigma, 10g, 55.8mモル)の溶液に、水素化リチウムアルミニウム3.18g(83.7mモル)を-5℃で添加した。その反応混合物を一晩、撹拌し、そして-5℃に冷却した。追加の2.12g(55.8mモル)のリチウムアラナートを添加した。その反応混合物を一晩、還流し、そして次に、-5℃に冷却した。この混合物に、21.5mlのNaOH溶液(2N)を滴下し、そして室温で、さらに30分間、撹拌した。その混合物を濾過し、そしてフィルターケークをジエチルエーテル(50ml)により洗浄した。濾液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去し、生成物1bを淡黄色の固形物として得た。
【0359】
MS-ESI: 204 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 72.69% H 9.15% N 8.48%
実測値: C 72.65% H 9.13% N 8.45%
【0360】
h)N−[(2S)−1−クロロ−3−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(1h)及びN−(2−クロロ−3−フェニルプロピル)−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(1i)の混合物の合成
THF(2ml)中、1c(100mg、0.49mモル)及びトリエチルアミン(1.0mモル)の撹拌溶液を、室温で30分間、撹拌した。この撹拌された混合物に、塩化メシル(0.60mモル)を、-7℃で滴下し、そしてその反応混合物を室温でさらに30分間、撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液(1ml)を添加し、そして30分間、撹拌した。有機層を、CH2Cl2(15ml)と水(10ml)との間に分けた。有機相を分離し、そして飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル3:1)により精製し、そしてNMR、HPLC及びLC-MSにより分析した。最終生成物を、1h及び1iの混合物として得た。
【0361】
1h:
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.21 (t, J=2.38 Hz, 1 H) 2.38 (s, 3 H) 2.73 (d, J=6.97 Hz, 2 H) 2.95 (dd, J=14.31, 8.07 Hz, 1 H) 3.23 (dd, /=14.31, 4.77 Hz, 1 H) 3.43 (dd, J=10.45, 2.38 Hz, 2 H) 4.10 - 4.18 (m, 1 H) 7.28 - 7.35 (m, 5 H)
13C NMR (151 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 34.77 (1 C) 38.29 (1 C) 43.58 (1 C) 44.24 (s, 1C) 64.28 (1 C) 73.37 (1 C) 79.24 (1 C) 126.38 (1 C) 128.54 (1 C) 129.24 (1 C) 138.86 (1C)
【0362】
1i
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.21 (t, J=2.38 Hz, 1 H) 2.38 (s, 3 H) 2.73 (d, J=6.97 Hz, 2 H) 2.95 (dd, J=14.31, 8.07 Hz, 1 H) 3.23 (dd, J=14.31 , 4.77 Hz, 1 H) 3.43 (dd,J=10.45, 2.38 Hz, 2 H) 4.10 - 4.18 (m, 1 H) 7.28 - 7.35 (m, 5 H)
13C NMR (151 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 42.08 (1 C) 42.33 (1 C) 45.94 (1 C) 60.43 (1 C) 61.52 (1 C) 73.49 (1 C) 77.98 (1 C) 126.76 (1 C) 128.33 (1 C) 129.50 (1 C) 138.94 (1 C)
【0363】
i)N−[(2S)−1−フルオロ−3−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(1e)及びN−(2−フルオロ−3−フェニルプロピル)−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(1k)の合成
ジクロロメチル(5ml)中、1c(300mg、1.48mモル)の撹拌溶液に、DAST(2.0モル)を-5℃で滴下し、そしてその反応混合物を、同じ温度で、さらに20分間、撹拌した。飽和炭酸ナトリウム(4.0ml)を添加し、未処理のDASTを停止した。有機層を、CH2Cl2(25ml)と水(15ml)の間に分けた。有機相を分離し、そしてブライン(10ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル3:1)により精製し、1e及び1kを単離された生成物として得た(TLC:図15を参照のこと)。
【0364】
1e:
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.27 (t, 1 H) 2.52 (s, 3 H) 2.74 (dd, J=13.39, 10.09 Hz, 1 H) 2.97 - 3.03 (m, 1 H) 3.03 - 3.14 (m, 1 H) 3.53 (t, J=2.75 Hz, 2 H) 4.38 (ddd, J=47.32, 10.09, 4.95 Hz, 1 H) 4.51 (ddd, J=48.05, 10.27, 2.57 Hz, 1 H)。
13C NMR (151 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 32.91 (d, J=6.13 Hz, 1 C) 38.20 (d, J=1.67 Hz, 1 C) 43.94 (d, J=2.23 Hz, 1 C) 63.83 (d, J=17.54 Hz, 1 C) 72.83 (1 C) 80.15 (s, 1 C) 82.27 (d, J=172.08 Hz, 1 C) 126.31 (1 C) 128.51 (1 C) 129.24 (1 C) 139.01 ( 1 C)。
【0365】
1k:
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.21 (t, J=2.38 Hz, 1 H) 2.37 (s, 3 H) 2.59 - 2.72 (m, 2 H) 2.90 - 3.01 (m, 2 H) 3.41 (dd, J=4.95, 2.38 Hz, 2 H) 4.75 - 4.89 (m, 1 H) 7.20- 7.32 (m, 5H)。
13C NMR (151 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 39.66 (d, J=21.44 Hz, 1 C) 42.40 (d, J=1.39 Hz, 1 C) 46.30 (d, J=1.67 Hz, 1 C) 58.53 (d, J=20.88 Hz, 1 C) 73.37 (s, 1 C) 78.22 (s, 1 C) 92.84 (d, J=173.19 Hz, 1 C) 126.63 (1 C) 128.45 (1 C) 129.37 (1 C) 136.85 (d, J=4.46 Hz, 1 C)
【0366】
j)N−[(2S)−1−(18F)フルオロ−3−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(1f)及びN−[2−(18F)フルオロ−3−フェニルプロピル]−N−メチルプロプ−2−イン−2−アミン(1m)の合成
粗生成物1f及び1mを、一般方法Cに従って得た。生成物1f及び1mを、一般方法Cに従って分離し、そしてHPLC分離の後、別々に調べた(HPLCクロマトグラム図11及び12を参照のこと)。
【0367】
例2
a)(4R, 5S)−4−メチル−5−フェニル−3−プロプ−2−イニル−オキサゾリジン−2−オン(2a)の合成
化合物2aを、一般方法Fに従って、15mモル(1.79g)の臭化プロパルギル(Aldrich)を用いて、(4R, 5S)−(+)−4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン(Aldrich)から合成した。化合物2aを、76%収率(7.6mモル、1.61g)で得た。
MS-ESI: 216 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 72.54% H 6.09% N 6.51%
実測値: C 72.52% H 6.11% N 6.52%
【0368】
b)(1S, 2R)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−1−フェニル−プロパン−1−オール(2b)の合成
化合物2bを、一般方法Qにより、出発材料2aから、89%収率(0.91g、4.5mモル)で合成する。
MS-ESI: 204 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 76.81% H 8.43% N 6.89%
実測値: C 76.82% H 8.41% N 6.88%
【0369】
c)メタンスルホン酸(1S, 2R)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−1−フェニル−プロピルエステル(2c)の合成
化合物2cを、一般方法Tにより、出発材料2bから、78%収率(352mg、1.05mモル)で合成する。
MS-ESI: 336 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 50.14% H 4.81% N 4.18%
実測値: C 50.17% H 4.82% N 4.16%
【0370】
d)((1R, 2R)−[18F]−2−フルオロ−1−メチル−2−フェニル−エチル)−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(2d)の合成
化合物2dを、一般方法Bにより、化合物2cから調製する。所望する生成物2dを、1.09GBqから出発して198MBqのF-18弗化物(崩壊修正された)として得る。
【0371】
e)((1R, 2R)−2−フルオロ−1−メチル−2−フェニル−エチル)−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(2e)の合成
化合物2eを、一般方法Vにより、出発材料2bから、58%収率(297mg、1.45mモル)で合成する。
MS-ESI: 206 (M+ +1 , 100)。
元素分析:
計算値: C 76.07% H 7.86% N 6.82%
実測値: C 76.04% H 7.84% N 6.83%
【0372】
f)N−[(1R, 2R)−1−クロロ−1−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(2f)の合成
THF(2ml)中、2b(120mg、0.54mモル)及びトリエチルアミン(1.0mモル)の撹拌溶液を、室温で30分間、撹拌した。この撹拌された混合物に、塩化メシル(0.60mモル)を、-7℃で滴下し、そしてその反応混合物を室温でさらに30分間、撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液(1ml)を添加し、そして30分間、撹拌した。有機層を、CH2Cl2(15ml)と水(10ml)との間に分けた。有機相を分離し、そして飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル3:1)により精製した。
【0373】
MS-ESI: 221 (M+ 35Cl +1,82)。
元素分析:
計算値: C 70.42% H 7.27% Cl 15.99% N 6.32%
実測値: C 70.38% H 7.25% Cl 15.97% N 6.30%。
【0374】
g)N−[(1S, 2R)−1−(18F)フルオロ−1−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(2g)の合成
所望する生成物(2g)を、一般方法Cに従って、2fから得た。
【0375】
例3
a)4−フラン−2−イルメチル−3−プロプ−2−イニル−オキサゾリジン−2−オン(3a)の合成
化合物3aを、一般方法Fに従って、出発材料4−フラン−2−イルメチル−オキサゾリジン−2−オン(J. Am. Chem. Soc.; 125; 42; 2003; 12694 -12695)から、4mモル規模で合成する。所望する化合物3aを、アルキル化剤として6mモルの臭化プロパギルを用いて、60%収率(2.4mモル)で得る。
MS-ESI: 205 (M+ +1 , 100)。
元素分析:
計算値: C 64.38% H 5.40% N 6.83%
実測値: C 64.41% H 5.41% N 6.82%
【0376】
b)3−フラン−2−イル−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−プロパン−1−オール(3b)の合成
化合物3bを、一般方法Q(半分の規模)により、出発材料3aから、70%収率(338mg、1.75mモル)で合成する。
MS-ESI: 194 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 68.37% H 7.82% N 7.25%
実測値: C 68.37% H 7.81% N 7.26%
【0377】
c)メタンスルホン酸3−フラン−2−イル−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−プロピルエステル(3c)の合成
化合物3cを、一般方法Iにより、出発材料3bから、88%収率(120mg、0.44mモル)で合成する。
MS-ESI: 272 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 53.12% H 6.32% N 5.16%
実測値: C 53.15% H 6.34% N 5.18%
【0378】
d)1−フルオロメチル−2−フラン−2−イル−エチル)−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(3d)の合成
化合物3dを、一般方法Aにより、出発材料3cから、61%収率(29.9mg、0.153mモル)で合成する。
MS-ESI: 196 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 67.67% H 7.23% N 7.17%
実測値: C 67.67% H 7.23% N 7.18%
【0379】
e)(1−フルオロメチル−2−フラン−2−イル−エチル)−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(3e)の合成
化合物3eを、一般方法Aにより、出発材料3cから、F-18弗化物0.96GBqを伴って合成する。所望する化合物を得る(124MBq)。
【0380】
例4
a)(S)−4−ベンジル−3−プロプ−2−イニル−オキサゾリジン−2−オン(4a)の合成
化合物4aを、一般方法Fにより、出発材料(S)−4−ベンジル−オキサゾリジン−2−オン(Aldrich)から、72%収率(1.58g、7.2mモル)で合成する。
MS-ESI: 216 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 72.54% H 6.09% N 6.51%
実測値: C 72.51% H 6.08% N 6.53%
【0381】
b)(S)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−3−フェニル−プロパン−1−オール(4b)の合成
化合物4bを、一般方法Qにより、4aから、68%収率(690mg、3.4mモル)で合成する。
MS-ESI: 204 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 76.81% H 8.43% N 6.89%
実測値: C 76.78% H 8.41% N 6.90%
【0382】
c)4−ブロモ−ベンゼンスルホン酸(S)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−3−フェニル−プロピルエステル(4c)の合成
化合物4cを、一般方法Kにより、4bのp−ブロモ−ベンゼンスルホニルクロリドから、47%収率(1.58g、1.41mモル)で合成する。
MS-ESI: 424 (M+Br-isotope 80 +1, 76).
元素分析:
計算値: C 54.03% H 4.77% N 3.32%
実測値: C 54.03% H 4.77% N 3.32%
【0383】
例5
a)(S)−4−[4−(2−メトキシメトキシ−エトキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−2−オン(5a)の合成
化合物5aを、一般方法Hにより、(S)−(−)−4−(4−ヒドロキシベンジル)−2−オキサゾリジノン(Tetrahedron; EN; 57; 39; 2001; 8313 - 8322)及び2−ブロモ−エチル−メトキシ−メチル−エーテル(Aldrich)から、10倍規模で、77%収率(15.4mモル、4.33g)で合成する。
MS-ESI: 282 (M+ + 1 , 100)。
元素分析:
計算値: C 59.78% H 6.81% N 4.98%
実測値: C 59.81% H 6.83% N 4.97%
【0384】
b)(S)−4−[4−(2−メトキシメトキシ−エトキシ)−ベンジル]−3−プロプ−2−イニル−オキサゾリジン−2−オン(5b)の合成
化合物5bを、一般方法Fにより、化合物5aから、65%収率(6.5mモル、2.07g)で合成する。
MS-ESI: 320 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 63.94% H 6.63% N 4.39%
実測値: C 63.92% H 6.64% N 4.40%
【0385】
c)(S)−3−[4−(2−メトキシメトキシ−エトキシ)−フェニル]−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−プロパン−1−オール(5c)の合成
化合物5cを、一般方法Qにより、化合物5bから74%収率(3.7mモル、1.14g)で合成する。
MS-ESI: 308 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 66.43% H 8.20% N 4.56%
実測値: C 66.46% H 8.21% N 4.55%
【0386】
d){(R)−2−[4−(2−メトキシメトキシ−エトキシ)−フェニル]−1−メチル−エチル}−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(5d)の合成
化合物5dを、一般連続方法I(5倍規模で)及びUにより、化合物5cから、2段階にわたって81%収率(2.02mモル、589mg)で合成する。
MS-ESI: 292 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 70.07% H 8.65% N 4.81%
実測値: C 70.11% H 8.63% N 4.82%
【0387】
e)2−{4−[(R)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−プロピル]−フェノキシ}−エタノール(5e)の合成
化合物5eを、一般連続方法N(4倍規模で)により、化合物5dから、88%収率(1.76mモル、436mg)で合成する。
MS-ESI: 248 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 72.84% H 8.56% N 5.66%
実測値: C 72.81% H 8.55% N 5.67%
【0388】
f)メタンスルホン酸2−{4−[(R)−2−(メチル−プロプ−2−イニル−アミノ)−プロピル]−フェノキシ}−エチルエステル(5f)の合成
化合物5fを、一般連続方法Iにより、化合物5eから、93%収率(0.47mモル、153mg)で合成する。
MS-ESI: 326 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 59.05% H 7.12% N 4.30%
実測値: C 59.07% H 7.11% N 4.30%
【0389】
g){(R)−2−[4−(2−フルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−メチル−エチル}−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(5g)の合成
化合物5gを、一般方法Aにより、化合物5fから、61%収率(0.153mモル、38mg)で合成する。
MS-ESI: 250 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 72.26% H 8.09% N 5.62%
実測値: C 72.22% H 8.07% N 5.60%
【0390】
h)[F-18] {(R)−2−[4−(2−フルオロ−エトキシ)−フェニル]−1−メチル−エチル}−メチル−プロプ−2−イニル−アミン(5h)の合成
化合物5hを、一般方法Bにより、化合物5fから合成する(1.41GBqからの単離された210MBq)。
【0391】
例6
a)((R)−1−メチル−2−フェニル−エチル)−プロプ−2−イニル−アミン(6a)の合成
840mg(4mモル)の((R)−1−メトキシ−2−フェニル−エチル)−プロプ−2−イニル−アンモニウム塩酸塩(Sigma)を、10mlのジクロロメタン及び1Mの水性炭酸ナトリウムに溶解する。有機相を分離する。水性相を、10mlのジクロロメタンにより3度、抽出する。組合された有機相をブラインにより洗浄し、そして硫酸マグネシウムにより乾燥する。粗生成物6aを、さらに精製しないで、使用する。
【0392】
b)(2−フルオロ−エチル)−((R)−1−メチル−2−フェニル−エチル)−プロプ−2−イニル−アミン(6b)の合成
化合物6bを、一般方法Hにより、化合物6aから、60%収率(1.2mモル、262mg)で合成する。
MS-ESI: 220 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 76.68% H 8.27% N 6.39%
実測値: C 76.66% H 8.26% N 6.38%
【0393】
c)[F−18](2−フルオロ−エチル)−((R)−1−メチル−2−フェニル−エチル)−プロプ−2−イニル−アミン(6c)の合成
化合物6cを、一般方法Gにより、化合物6a及び[F-18]−2−フルオロ−エチル−ブロミド(Bioorg. Med. Chem.; 13; 20; 2005; 5779 - 5786)から合成する。所望する生成物6cを、1.98GBqから出発して178MBqのF-18弗化物(崩壊修正された)として得る。
【0394】
d)2−{[(2R)−1−フェニルプロパン−2−イル](プロプ−2−イン−1−イル)アミノ}エタノール(6d)の合成
MeCN(5ml)中、デスメチルデプレニル(Sigma, 150mg, 0.72mモル)及びNaOH(60mg、1.5mモル)の混合物を、室温で30分間、撹拌した。その撹拌された混合物に、1−ブロモエタノール(1.0mモル)を添加し、そしてその反応混合物を一晩、還流した。反応混合物を室温に冷却し、そして溶媒を減圧下で蒸発した。残渣を、CH2Cl2(20mg)と水(10ml)との間に分けた。有機層を分離し、そして飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を、淡黄色の液体として得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル8:2)により精製した。
【0395】
MS-ESI: 218 (M+ +1 , 100)。
元素分析:
計算値: C 77.38% H 8.81% N 6.45% O 7.36%
実測値: C 77.35% H 8.79 % N 6.43% O 7.35 %
【0396】
e)N−(2−クロロエチル)−N−[(2R)−1−フェニルプロパン−2−イル]プロプ−2−イン−1−アミン(6e)の合成
THF(3ml)中、2(150mg、0.69mモル)及びトリエチルアミン(1.5mモル)の混合物を、室温で30分間、撹拌した。この撹拌された混合物に、塩化メシル(1.4mモル)を-7℃で滴下し、そしてその反応混合物を室温で、さらに30分間、撹拌した。飽和Na2CO3溶液(2ml)を添加し、そしてさらに30分間、撹拌した。有機層を、CH2Cl2(20ml)と水(10ml)との間に分けた。有機相を分離し、そして飽和NaHCO3(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル3:1)により精製した。
【0397】
MS-ESI: 235 (M+ C135 , 100).
元素分析:
計算値: C 71 .33% H 7 .70% N 5.94%
実測値: C 71 .30% H 7 .68% N 5.92%
【0398】
f)N−(2−フルオロエチル)−N−[(2R)−1−フェニルプロパン−2−イル]プロプ−2−イン−1−アミン(6b)の合成
無水DMF(2ml)中、N−[(2R)−1−フェニルプロパン−2−イル]プロプ−2−イン−1−アンモニウム塩化物(Sigma, 100mg, 0.578mモル)の溶液に、水素化ナトリウム(48.0mg、2mモル)を添加した。その反応混合物を室温で30分間、撹拌し、その後、1−ブロモ−2−フルオロエタン(0.85mg、0.603mモル)を添加した。反応混合物を一晩、撹拌し、水(10ml)により希釈し、そしてCH2Cl2(3×15ml)により抽出した。有機相を分離し、そして飽和NaHCO3(15ml)及びブライン(15ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル80:20)により精製し、そしてNMR, HPLC及びLC-MSにより分析した。
【0399】
MS-ESI: 220 (M+ +1 , 100)。
元素分析:
計算値: C 76.68% H 8.27% N 6.39%
実測値: C 76.65% H 8.25% N 6.36%
【0400】
g)N−(2-(18F)フルオロエチル)−N−[(2R)−1−フェニルプロパン−2−イル]プロプ−2−イン−1−アミン(6c)の合成
所望する生成物6cを、一般方法Cに従って、6eから得た。
【0401】
例7
a)(1R, 2R)−2−[メチル(プロプ−2−イン−1−イル)アミノ]−1−フェニルプロパン−1−オール(7a)の合成
MeCN(5ml)中、(lR,2R)シュウドエヘドリン(150mg, 0.72mモル)及びNaOH(60mg、1.5mモル)の混合物を、室温で30分間、撹拌した。その撹拌された混合物に、臭化プロパルギル(1.0mモル)を添加し、そしてその反応混合物を一晩、還流した。反応混合物を室温に冷却し、そして溶媒を減圧下で蒸発した。残渣を、CH2Cl2(20mg)と水(10ml)との間に分けた。有機層を分離し、そして飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を、淡黄色の液体として得た。粗生成物7aを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル8:2)により精製した。
【0402】
MS-ESI: 204 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 76.81% H 8.43% N 6.89%
実測値: C 76.78 % H 8.42% N 6.88%
【0403】
b)N−[(1S, 2R)−1−フルオロ−1−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(7b)の合成
ジクロロメタン(3ml)中、7a(150mg、0.74mモル)の撹拌溶液に、DAST(1.0モル)を-5℃で滴下し、そしてその反応混合物を、同じ温度で、さらに20分間、撹拌した。飽和炭酸ナトリウム(2.0ml)を添加し、未処理のDASTを停止した。有機層を、CH2Cl2(15ml)と水(10ml)との間に分けた。有機相を分離し、そしてブライン(10ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル4:1)により精製した。
【0404】
MS-ESI: 206 (M+ +1, 100)。
元素分析:
計算値: C 76.07% H 7.86% N 6.82%
実測値: C 76.02% H 7.85% N 6.81%
【0405】
c)N−[(1S, 2R)−1−クロロ−1−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルプロプ−2−イン−1−アミン(7c)の合成
THF(2ml)中、7a (120mg, 0.54mモル)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(1.0mモル)を添加した。その混合物を室温で30分間、撹拌した。この撹拌された混合物に、塩化メシル(0.60mモル)を、-7℃で滴下し、そしてその反応混合物を室温でさらに30分間、撹拌した。飽和炭酸ナトリウム溶液(1ml)を添加し、そして30分間、撹拌した。有機層を、CH2Cl2(15ml)と水(10ml)との間に分けた。有機相を分離し、そして飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を淡黄色の油状物として得た。粗生成物7cを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル3:1)により精製した。
【0406】
MS-ESI: 221 (M+ 35Cl +1,70)。
元素分析:
計算値: C 70.42% H 7.27% Cl 15.99% N 6.32%
実測値: C 70.39% H 7.25 % Cl 15.97% N 6.30%
【0407】
例8
a)(3aS, 8aR)−3, 3a, 8, 8a−テトラヒドロインデノ[1,2−d][1,2,3]オキサチアゾール2,2−ジオキシド(8a)の合成
200mlのジクロロメタン及び9.3ml(67mモル)のトリエチルアミン中、5g(33mモル)の市販の(1S, 2R)−1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−オールの撹拌溶液に、80mlのジクロロメタン中、3.25ml(40mモル)の塩化スルホリル(SO2Cl2)を−65℃で添加した。その反応混合物を3時間、撹拌し、そして室温にゆっくり暖め、そしてこの温度で18時間、撹拌した。沈殿物を濾過し、そして濾液を、水及び次にブラインにより3度、洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮した。残渣を少量のジクロロメタンにより希釈し、そしてヘキサン下で再結晶化した。生成物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン 0:100→100:0)により精製し、2.2gの所望する生成物8aを得た。
【0408】
MS-ESI: 212 (M++ 1)
元素分析:
計算値: C 51 .17% H 4.29% N 6.63%
実測値: C 57 .20 % H 4.30% N 6.61%
【0409】
b)(3aS, 8aR)−3−(プロプ−2−イン−1−イル)−3, 3a, 8, 8a−テトラヒドロインデノ[1,2−d][1,2,3]オキサチアゾール2,2−ジオキシド(8b)の合成
120mlのジメチルホルムアミド中、2.2g(10.4mモル)の8aの撹拌溶液に、1.35ml(22.8mモル)のプロプ−2−イン−1−オール及び6g(22.8mモル)のトリフェニルホスフィン及び4.42ml(22.8mモル)のジプロパン−2−イル(E)−ジアゼン−1,2−ジカルボキシレートを添加した。その反応混合物を2時間、撹拌し、そして濃縮した。残渣を、2回の連続したカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン 1:20→2:1)により精製し、970mg(37%)の所望する生成物8bを得た。
【0410】
MS-ESI: 250 (M++ 1)
元素分析:
計算値: C 57.82% H 4.45% N 5.62%
実測値: C 57.85% H 4.46% N 5.61%
【0411】
c)[(1S, 2S)−2−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]プロプ−2−イン−1−イルスルファミン酸(8c)の合成
2mlの無水THF中、100mg(0.4mモル)の8bの撹拌溶液に、139mg(0.44mモル)のテトラブチルアンモニウム弗化物を添加した。その反応混合物を90分間、撹拌し、そして濃縮した。残渣を、分離用HPLCにより精製した。少量のTBAFを含む所望する生成物8cを、10%収率で得た。
【0412】
d)(1S, 2S)−2−フルオロ−N−(プロプ−2−イン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミン(8d)の合成
2mlの無水THF中、100mg(0.4mモル)の8bの撹拌溶液に、0℃で139mg(0.44mモル)のテトラブチルアンモニウム弗化物を添加した。その反応混合物を90分間、撹拌し、そして濃縮した。2mlの3Nの硫酸を添加し、そしてその溶液を電子レンジにおいて10分間、加熱した。その溶液を20mlの氷冷却され、そして激しく撹拌された0.35Nの水酸化ナトリウム溶液中に注いだ。水性相をジクロロメタン−イソプロピルアルコール混合物(10:1)により抽出し、そして有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮した。残渣を分離用HPLCにより精製し、化合物8dを、14mgのバッチとして得た。
【0413】
e)(1S, 2S)−2−(18F)フルオロ−N−(プロプ−2−イン−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−アミン(8e)の合成
所望する生成物を8eを、一般方法Eに従って得た。
本明細書、請求項及び/又は添付図面に開示される本発明の特徴は、別々に、又はそのいずれかの組み合わせにおいて、その種々の形で本発明を実現するための材料であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Ia:
【化1】

又は下記式Ib:
【化2】

[式中、Wは、-C(U1)(U2)-C≡CH及びシクロプロピルを含んで成る群から選択され、U1及びU2は水素及びジュウテリウムから独立して選択され;
Aは、置換されているか又は置換されていないアリール、置換されているか又は置換されていないヘテロアリール、例えばフラニル、(C1-C10)アルキル、G4-(C2-C4)アルキニル、 G4-( C1-C4)アルコキシ、 (G4-( C1-C4)アルキル)アリール、 (G4-(C1-C4)アルコキシ)アリール、 (G4-( C1-C4)アルキル)アリール、及び (G4-( C1-C4)アルコキシ)アリールを含んで成る群から選択され、ここで好ましくは、前記へテロアリール又はフラニルであり、
式Ia及び式IbにおけるG1、G2、G3 及び G4は、独立して及び個々に、各出現で、水素、(C1-C4)アルキル、好ましくはメチル、L及び-(C1-C6)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つは、L及び-(G1-G6)アルキル-Lから選択され、そして式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(C1-C6)アルキル-Lから選択され、Lは脱離基であり、又はLはF、好ましくは18F又は19Fであり、ここで好ましくは、Lが19Fである場合、前記化合物は、sp3−ハイブリダイズされた炭素原子に結合される、正確に1つの19F原子を含み、
nは、0〜6、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2の整数であり、そしてmは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数であり、そしてe及びfは、0〜1の整数であり、但し、e及びfの少なくとも1つは1である]で表される化合物(前記化合物のすべての異性体形は鏡像異性体及びジアステレオマー、及びラセミ混合物を包含するが、但しそれらだけには限定されない)、及びそのいずれかの医薬的に許容できる塩、エステル、アミド、複合体又はプラドラッグ。
【請求項2】
Wが-CH2-C≡CHである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aが、置換されているか又は置換されていないフェニル、置換されているか又は置換されていないフラニル、特にフラン-2-yl、フラン-3-yl、 (C1-C4)アルキル、 G4-(C3-C4)、 アルキニル、 G4-(C1-C3)アルコキシ、 (G4- (C1-C3)アルキル)フェニル、 (G4-( C1-C3)アルコキシ)フェニルを含んで成る群から選択される、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
Aが、置換されているか又は置換されていないフェニル、置換されているか又は置換されていないフラニル、(G4-(C1- C3)アルキル)フェニル、(G4-( C1- C3)アルコキシ)フェニル、 ヒドロキシ-フェニル、 ハロ-フェニル、メトキシ-フェニル、 ジメトキシ-フェニル、 トリフルオロメチル-フェニル、 及び((C1-C4)アルキル)-フェニルを含んで成る群から選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Aが、置換されているか又は置換されていないフェニル、 (G4-( C1- C3)アルコキシ)フェニル、 ヒドロキシ-フェニル、 フルオロ-フェニル、メトキシ-フェニル、及びメチルフェニルを含んで成る群から選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4が、独立して及び個々に、各出現で、水素、(C1-C4)アルキル、好ましくはメチル、L及び-(C1-C4)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(G1-G4)アルキル-Lから選択される、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4が、独立して及び個々に、各出現で、水素、メチル、L及び-(C1-C2)アルキル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-(G1-G2)アルキル-Lから選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
式IaにおけるG1、G2、G3 及び G4及び式IbにおけるG3及びG4が、独立して及び個々に、各出現で、水素、メチル、L及び-メチル-Lを含んで成る群から選択され、但し、式IaにおけるG1〜G4の正確に1つ及び式IbにおけるG3及びG4の正確に1つは、L及び-メチル-Lから選択される、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
Lが、ハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシを含んで成る群から選択された脱離基である、請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
Lが、クロロ、ブロモ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、 (4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 及び(2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシを含んで成る群から選択される、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
下記式:
【化3】

で表されるメタンスルホン酸 2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ) -3-フェニル-プロピルエステル、又は下記式:
【化4】

で表されるメタンスルホン酸 2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ) -1 -フェニル-プロピルエステル、又は下記式:
【化5】

で表されるメタンスルホン酸 3-フラン-2-イル-2 -(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ)-プロピルエステル、又は下記式:
【化6】

で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-インダン-2-イルエステル、又は下記式:
【化7】

で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-1 ,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-2-イルエステル、又は下記式:
【化8】

で表されるメタンスルホン酸 1-ベンジル-2-(メチル-プロプ-2-イニル-アミノ)-プロピルエステル、又は下記式:
【化9】

で表されるメタンスルホン酸 1 -(メチル-プロプ -2-イニル-アミノ)-2-フェニル-エチルエステル、又は下記式:
【化10】

で表されるメタンスルホン酸 2-[(2-フラン-2- イル-1-メチル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミノ]- エチルエステル、又は下記式:
【化11】

で表されるメタンスルホン酸 2-[(1-メチル-2 -フェニル-エチル)-プロプ-2-イニル-アミノ]-エチルエステル、又は下記式:
【化12】

で表されるメタンスルホン酸 2-[プロプ-2-イニル -(1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イル)- アミノ]-エチルエステル、又は下記式:
【化13】

で表されるメタンスルホン酸 2-(インダン-1-イル- プロプ-2-イニル-アミノ)-エチルエステル、又は下記式:
【化14】

で表されるメタンスルホン酸 2-{4-[2-(メチル-プロプ-2-イニル -アミノ)-プロピル]-フェノキシ}-エチルエステル、又は下記式:
【化15】

で表される(2S)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1 -イル)アミノ]-3-フェニルプロピル メタンスルホネート、又は下記式:
【化16】

で表される(2S)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]-3-フェニルプロピル 4-メチルベンゼンスルホネート、又は下記式:
【化17】

で表されるN-[(2S)-1-クロロ-3-フェニルプロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1 -アミン、又は下記式:
【化18】

で表される(2S)-3-(フラン-2-イル)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]プロピル メタンスルホネート、又は下記式:
【化19】

で表される(2S)-3-(フラン-2-イル)-2-[メチル(プロプ-2-イン-1-イル)アミノ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート、又は下記式:
【化20】

で表されるN-[(2S)-1-クロロ-3-(フラン-2-イル)プロパン-2-イル]-N-メチルプロプ-2-イン-1-アミンである、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
Lが、Fではなく、特に18F及び19Fではない、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
Lが18Fであり、又は請求項11記載のいずれかの化合物に示されるメシルオキシ基、クロロ基及びトシルオキシ基が18Fにより置換される、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
Lが19Fであり、又は請求項11記載のいずれかの化合物に示されるメシルオキシ基、クロロ基及びトシルオキシ基が19Fにより置換される、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
請求項9又は12記載の化合物がF−弗素化剤(ここで、F=18F又は19F)と反応せしめられる、請求項13又は14記載の化合物の合成方法。
【請求項16】
前記F−弗素化剤が、F−アニオンを含んで成る化合物、好ましくは4、7、13、16、21、24−ヘキサオキサ−1、10−ジアザビシクロ[8. 8. 8]−ヘキサコサンK F、すなわちクラウンエーテル塩Kryptofix KF、KF、HF、KH、F2、CsF、NaF、及びFのテトラアルキルアンモニウム塩、例えば[18F]テトラブチルアンモニウム弗化物を含んで成る群から選択された化合物であり、そして前記Fは18F又は19Fである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
−下記式V:
【化21】

[式中、Bは、脱離基、好ましくはハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシであり、そしてaは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物を、請求項16記載のF−弗素化剤によりF−弗素化し、下記式IV:
【化22】

[式中、Fは、18F又は19Fであり、Bは、脱離基、好ましくはハロ、特にクロロ、ブロモ、ヨード、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、ノナ−フルオロブチルスルホニルオキシ、(4-ブロモ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (2-ニトロ-フェニル)スルホニルオキシ、 (4-イソプロピル- フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリ-イソプロピル-フェニル)スルホニルオキシ、 (2、4、6-トリメチル- フェニル)スルホニルオキシ、 (4-tert-ブチル-フェニル)スルホニルオキシ、 及び(4-メトキシ-フェニル)スルホニルオキシであり、そしてaは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物を得、
−前記式IVの化合物を、下記式VI:
【化23】

[式中、W2は、請求項1又は2記載のWであり、
A2は、R12-O-アリール、R12-O-ヘテロアリール、 アリール、 ヘテロアリール、例えばフラニル、 (C1-C10)アルキル、 (C2-C4)アルキニル、 (C1-C4)アルコキシ、 ((C1-C4)アルコキシ)アリール、 及び((C1-C4) アルキル)アリールを含んで成る群から選択され、
R9及びR10は、独立して及び個々に、各出現で、(C1-C6)アルキル及び水素を含んで成る群から選択され、
R11は、(C1-C6)アルキル及びR12を含んで成る群から選択され、但し式VIの化合物は正確に1つのR12を含み、
R12は水素であり、
dは、0〜4、好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1の整数である]で表される化合物により置換する段階を含んで成る、請求項13又は14記載の化合物の合成方法。
【請求項18】
Bが、ヨード、ブロモ、クロロ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ及びノナフルオロブチルスルホニルオキシを含んで成る群から選択される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
A2が、R12−O−フェニル、フェニル、フラニル、(C1-C4)アルキル、(C3-C4)アルキニル、(C1-C3)アルコキシ及び置換されたフェニルを含んで成る群、より好ましくはR12−O−フェニル、フェニル、フラニル、((C1-C3)アルコキシ)フェニル、ヒドロキシフェニル、ハロ−フェニル、メトキシ−フェニル、ジメトキシ−フェニル、トリフルオロメチル−フェニル及び((C1-C4)アルキル)フェニルを含んで成る群、さらにより好ましくはR12−O−フェニル、フェニル、フラニル、ヒドロキシフェニル、フルオロ−フェニル、メトキシ−フェニル及びメチル−フェニルを含んで成る群から選択される、請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
R9及びR10が、独立して及び個々に、各出現で、(C1-C4)アルキル及び水素を含んで成る群、好ましくはメチル及び水素を含んで成る群から選択される、請求項17〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
R11が、(C1-C4)アルキル及びR12を含んで成る群、好ましくはメチル及びR12を含んで成る群から選択される、請求項17〜20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る組成物。
【請求項23】
前記化合物が、請求項13記載の化合物である、請求項22記載の組成物。
【請求項24】
前記化合物が、請求項14記載の化合物である、請求項22記載の組成物。
【請求項25】
前記化合物が、請求項12記載の化合物である、請求項22記載の組成物。
【請求項26】
医薬剤又は診断剤又はイメージング剤としての使用のための、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物、好ましくは請求項13又は14記載の化合物、又は請求項22、23、24又は25のいずれか1項記載の組成物。
【請求項27】
中枢神経系(CNS)の疾病の処理及び/又は診断及び/又はイメージングのための薬剤の製造のためへの、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物、好ましくは請求項13又は14記載の化合物、又は請求項22、23、24又は25のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項28】
特に中枢神経系の疾病のための診断剤又はイメージング剤としての使用のための、請求項13記載の化合物又は請求項23記載の組成物。
【請求項29】
予定された量の、
a)請求項12記載の化合物、又は
b)請求項17〜21のいずれか1項記載の式V及びVIの化合物、
を含む密封されたバイアルを含んで成るキット。
【請求項30】
患者の身体におけるモノアミンオキシダーゼの存在を検出するための、好ましくは患者における中枢神経系の疾病をイメージングするための方法であって、
検出できる量の請求項13記載の化合物又は請求項23記載の組成物を患者の身体中に導入し、そして
陽電子放射断層撮影法(PET)により前記化合物又は組成物を検出することを含んで成る方法。
【請求項31】
適切な量の請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物、好ましくは請求項13又は14記載の化合物を、患者中に導入する段階を含んで成る、中枢神経系の疾病の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−501756(P2011−501756A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530307(P2010−530307)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008668
【国際公開番号】WO2009/052970
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】