中空コンクリート要素の製造方法
開口中空コンクリート要素を製造する方法であって、基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップであって、型はコンクリート要素の外周形状を成形する筒状型壁と、型壁の内周より小さい内周をそれぞれ有する、コンクリート要素の端面を画成する第1および第2の端縁部とを備え、ローラ軸が回転時にコンクリート要素の内周形状を成形するように第1および第2の端縁部の内周との当接によって型がローラ軸によって回転可能に支持されるステップと、型を回転させるために軸を回転させるステップと、硬化性コンクリートを回転中の型に供給するステップと、型の回転を停止するステップと、硬化後のコンクリート要素を型から取り出すステップとを含み、型壁の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形を画成する方法。このようなコンクリート要素を製造するための構造がさらに提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にはコンクリート要素に関し、特に、開口中空コンクリート要素の製造方法および構成に関する。
【背景技術】
【0002】
開口中空コンクリート要素はさまざまな実装で見られ、主に地下の埋設管として実装されるが、ビル、橋梁、塔等における建築要素としても実装される。
【0003】
細長い鉄筋コンクリート構造物は、さまざまな分野で頻繁に使用される。細長い鉄筋コンクリート構造物の例として、さまざまな種類のマストおよび塔、パイロン、煙突、建築物、円弧形状の梁等が挙げられる。
【0004】
伝統的に、このような細長い構造物は現場で注型成形される。成形は、1回の成形工程で、または連続するいくつかの部分成形工程によって行われる。後者の場合は、前の成形ステップの複数の補強要素を後続の成形ステップで一体化することによって構造物全体にわたって連続した長手方向補強構造を実現する。ただし、現場成形は時間と手間がかかるばかりでなく、成形用設備を現場に輸送する必要がある。さらに、成形工程の完全制御を実現するのは困難であり、そのため構造物の材料特性は最適未満となりやすい。最適未満の材料特性の直接的な結果として、構造物を所定寸法より大きくしなければならない。
【0005】
現場成形の代わりの選択肢の1つは、現場で組み立てるセグメントの工場製造である。セグメントの工場製造は十分に制御された条件下で行え、セグメント全体を1回の一体成形で成形できるので、上記の欠点の多くが回避される。
【0006】
仏国特許出願公開第2872843号、欧州特許出願公開第1645701号、および独国特許出願公開2939472号の各特許文献は、風力タービン用の塔の形態のセグメント化された細長いコンクリート構造物を説明している文献の一部であるが、このような要素の効率的な製造方法については説明していない。国際出願PCT/SE2007/050306号は、セグメント化された塔構造物とこのような要素の製造方法とを開示している。
【0007】
既存の解決策および方法の問題のいくつかは、これらが非効率的であり、コンクリートの硬化前に欠陥および異質部分の検出が困難であることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服する開口中空コンクリート要素の新しい製造方法および構成を提供することである。これは、独立請求項に記載の方法および構成によって達成される。
【0009】
開示される開口中空コンクリート要素の製造方法は、
基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップであって、型は、コンクリート要素の外周形状を画成する筒状型壁と、型壁のそれぞれの端部の内周より小さい内周を有する、コンクリート要素の端面を画成する第1および第2の端縁部とを備え、ローラ軸が回転時にコンクリート要素の内周形状を画成するように第1および第2の端縁部の内周の当接によって型がローラ軸によって回転可能に支持されるステップと、
型を回転させるために軸を回転するステップと、
硬化性コンクリートを回転中の型に供給するステップと、
型の回転を停止するステップと、
硬化後のコンクリート要素を型から取り出すステップと、を含み、
型壁の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形を画成する、方法であって、
新しい種類の考え方を表す。このような開口中空コンクリート要素を製造するための新しい構成がさらに提供される。この構成において、型壁の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形を画成する。このような方法または構成は、上記の従来技術の文献の何れにも記載されていない。
【0010】
開口中空コンクリート要素を製造する本発明の方法および構成は、従来技術に勝る以下の利点を有する。
●より低い孔隙率と、より高いコンクリート密度と、より良好な耐久性とをもたらす。
●より低い水セメント比でコンクリートを注型する可能性をもたらす。
●低セメント量で高いコンクリート強度をもたらす。
●要素当たり約20分の高速製造を可能にする。
●肉厚の制御を可能にする。
●製造中にコンクリート屑を基本的に出さない。
●必要に応じてコンクリートの品質および含有量を管に沿って柔軟に変更可能である。
●不均一な形状および美的なコンクリート要素の製造を可能にする。
【0011】
本発明の他の実施形態は従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1a】細長いコンクリート構造物の一例を示す。
【図1b】細長いコンクリート構造物の一例を示す。
【図2】細長いコンクリート構造物の別の例を示す。
【図3】細長いコンクリート構造物の別の例を示す。
【図4a】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4b】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4c】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4d】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4e】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4f】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4g】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図5a】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素の製造方法のフローチャートを示す。
【図5b】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素の製造方法のフローチャートを示す。
【図6】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図7】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8c】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8d】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9c】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9d】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図10a】本発明の他の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図10b】本発明の他の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図11】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図12】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図13a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図13b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図14a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図14b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図15a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図15b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図16】本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態によるシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、現場で成形される構造物または一体成形されたプレハブ構造物の代わりに、工場で製造されるセグメント化された細長い構造物の使用を可能にする。
【0014】
図1aおよび図1bは、長手方向に複数のセグメントS1〜S4に分割された細長い構造物10を模式的に示す。この細長い構造物は、基底セグメントS1と、少なくとも1つの中間セグメントS2、S3と、終端セグメントS4とを含み、これらのセグメントは基本的に鉄筋コンクリートで構成される。セグメントS1〜S4は、複数の細長い締結部材20によって長手方向に相互に接続される。これらの締結部材20は、基底セグメントS1を終端セグメントS4に長手方向に隙間なく相互接続する長手方向相互接続構造30を共に形成する。言い換えると、複数の細長い締結部材20は、セグメント化された細長い構造物10の全体にわたって連続した長手方向相互接続構造30を共に形成すると言える。以下により詳細に開示されるように、連続した長手方向相互接続構造30はさまざまな形態が可能であり、終端セグメントS4を基底セグメントS1に、基底の取り付け点40から終端セグメントS4まで全長にわたって延在する1つ以上の締結部材20によって直接相互接続することも、あるいは長手方向に重なり合う2つ以上の締結部材20によって間接的に相互接続することもできる。さらに、各セグメントは締結部材案内部50を備える。締結部材案内部50は、セグメントの壁60に形成され、締結部材20を当該セグメントに対して所定の形状に維持するように構成される。
【0015】
図1aおよび図1bに示す実施形態は、軽量でありながら所望の機械的特性をもたらすように設計された薄肉の中空構造物である。このような薄肉構造物は、セグメント化された細長い構造物の構造特性、製造、および組み立てに関して多くの利点をもたらす。ただし、これらのセグメントの全部または一部を肉厚または中実にすることもでき、さらに複数区間を部分的に中実にすることもできる。
【0016】
図1aおよび図1bは、塔の形態の細長い中空構造物10を模式的に示す。構造物10の基底セグメントS1は地面あるいは土台等(不図示)に配置される。セグメントS1〜S4の形状、構造物10が担持する荷重、構造物10が置かれる条件など、いくつかのパラメータに応じて、このような塔は、それぞれのセグメントにおいてそれぞれ異なる種類の荷重を受けることになる。したがって、連続した長手方向相互接続構造30を異なる形態、ひいては異なる剛性、にすることもできる。連続した長手方向相互接続構造30の剛性を規定する1つの方法は、締結部材20の密度を細長い構造物の特定の断面における締結部材の数として規定することである。すなわち、2つのセグメントが交わる面において締結部材の密度が高いことは、2つのセグメントS1〜S4同士が多数の締結部材20によって互いに留め付けられることを意味する。
【0017】
図1aおよび図1bの実施形態において、1つ以上の中間セグメントS2、S3、および終端セグメントS4は、それぞれ3つ以上の締結部材20によって基底セグメントS1に留め付けられる。長手方向の引張力が基底領域において大きく、終端セグメントの領域において小さいと予想される細長い構造物10の場合、図1aおよび図1bの実施形態は、締結部材の密度が基底領域において最も高く、終端セグメントに向かって下がるので、優れた剛性をもたらす。図1の実施形態において、基底セグメントS1と基底セグメントに隣接する中間セグメントS2とを除く各セグメントは、3つ以上の締結部材20によって非隣接セグメントに留め付けられる。
【0018】
締結部材案内部50は、締結部材を取り付け点40間で所定の構成に維持するために配置される。締結部材案内部50は、セグメントの壁に形成される。連続した長手方向相互接続構造30を実現するために、隣り合うセグメントの締結部材案内部50は互いに位置合わせされる。後続セグメントの位置合わせを容易にするために、隣接セグメント間の締結部材案内部50を正しく位置合わせするために役立つ位置合わせ手段(不図示)を隣接セグメントに設けることもできる。一実施形態によると、各セグメントの端面は、締結部材案内部、および位置合わせ手段(存在する場合)、のためのアクセスポイントを含む所望の形状に成形される。一実施形態によると、細長い構造物は、外面に露出される金属部品を基本的に一切備えない。
【0019】
一実施形態によると、締結部材案内部50は、導管として各セグメントの壁内に少なくとも部分的に形成される。セグメントの製造方法の開示に関連して以下に説明するように、このような導管は、取り付け点/交わる面の間に延在する細長い管を型内に配置することによって形成されることが好ましい。開示される各実施形態においては、締結部材20が取り付け点40間に基本的に直線状に延びるように、取り付け点40はセグメントの壁に一体に構成される。一実施形態によると、締結部材案内部50は、セグメントの外周面に溝として少なくとも部分的に形成される。
【0020】
一実施形態によると、締結部材20は、長手方向の補強手段の一部として1つ以上のセグメントに設けられる。締結部材20は、長手方向にプレストレスを与える補強部材として機能する。セグメントの成形時、長手方向補強手段を完全に省くことも可能であるが、長手方向の補強は、輸送および組み立て中の剛性を向上させる。締結部材20は、金属製の棒またはワイヤ、繊維強化複合材料製の棒等、十分な強度を有する何れか適切な材料から成る。
【0021】
細長い構造物は、基本的に如何なる形態でもよく、例えば、均一な直線形状、断面形状が長手方向に変化する形状、ボトル形状、少なくとも1つの円錐部分を長手方向に備える形状にすることもできる。一実施形態によると、細長い構造物は、断面が円形の部分を少なくとも1つ備える。他の断面形状の例として、長円形、三角形、正方形、星形等が挙げられる。
【0022】
図2は、通信設備100を収容するようになっているアンテナ塔体の形態の細長い中空コンクリート構造物10の一例を示す。この塔体は、8つの区画B1〜B8で構成される2つの基底部分S1およびS2と、複数の塔モジュールセグメントS3〜S7とで構成される。基底セグメントを放射状区画B1〜B8で形成することによって、基底部分の製造および輸送が容易になる。放射状区画B1〜B8は、適切な半径方向締結部材によって相互接続される。開示される本実施形態は円形断面を有し、底部の直径は5.0mであり、モジュール式塔セグメントの直径は1.8mである。アンテナ塔はレドーム110を備え、レドーム110を含む全高は40mである。さらに、セグメントS3〜S7のうちの少なくとも2つは、基本的に同一であるため、同じ型で連続して成形できる。このような「同一」セグメントS3〜S7を1つ以上追加または省略することによって、型の設計を変えずに、さまざまな高さの塔を用意できる。一実施形態によると、終端セグメントは、少なくとも1つの中間セグメントと同じ形状である。
【0023】
一実施形態によると、構造物10の中空内部は内部設置軸の機能を有し、塔は、塔体の最上部にある1つ以上の対応アンテナ120に近接させて無線基地局100を設置軸に収容するように構成される。塔体および設置軸の底部の断面積は、最上部の断面積より大きくしうる。塔に設けられる無線基地局は、GSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTE、または将来型の通信方式に属する。
【0024】
1つ以上の無線基地局を塔体の最上部にある1つ以上の対応アンテナの近くに収容するように、設置軸を形成することもできる。無線中断時間を最短化するために、設置軸は、基地局を停止させずに無線基地局への要員アクセスを可能にするように形成される。要員をRBSに適切にアクセスさせるには、RBSの正面空間を占めている要員が通常の保守点検作業を基本的に全て行えるように、設置軸を十分に大きくする必要がある。RBS設備への適切なアクセスを可能にするために必要なRBS近くの設置軸の容積は、RBS設備の大きさに応じて異なる。一実施形態によると、アンテナ塔内のRBS設備は、標準幅が60cmと100cmの間、奥行きが30cmから80cmの標準的な架搭載型ユニット群で構成される。一実施形態によると、無線基地局の設置軸の断面積は、少なくとも、2.0m2、2.5m2、3.0m2、またはそれ以上である。RBSの正面の自由空間は、少なくとも1.0m2から2.0m2であるが、これだけに限定されるものではない。一実施形態によると、無線基地局の高さにおける塔の断面は、基本的に円形とし、半径を少なくとも0.7m、0.9m、または1.3m、またはそれ以上にすることもできる。
【0025】
一実施形態によると、2つ以上の独立した無線基地局が、塔体の最上部の1つ以上の対応アンテナに隣接させて、設置軸に配置される。限定空間を塔の最上部に残しておくために、複数のRBSを互いに積み重ねることもできる。これらのRBSは、型式および通信システムが同じ種類でもよいが、それぞれ異なる運用者または通信システム、例えばGSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTE、または将来型の通信システム、に属するものでもよい。アンテナ塔は、無線IP網等の他の種類の無線通信設備および対応アンテナ、並びに無線またはテレビジョン放送設備をさらに収容することもできる。
【0026】
設置軸は、塔の高さの限られた部分だけに延在させることも、または塔の基底部から最上部まで全体に延在させることもできる。設置軸が塔の全高にわたって延在する場合、設置軸へのアクセスはその下端にある出入り口(不図示)または同様の開口部から行ってもよく、RBSには設置軸の内側の上昇手段またはエレベータ手段によって到達する。
【0027】
図2において、塔体の下部は円錐台として形成され、上部は細長い一様な構造物として形成されており、下部および上部の断面はどちらも基本的に円形である。以下により詳細に説明するように、塔体は多くの異なる形状を取りうる。アンテナを保護し、制御された環境を設置軸の内側に確立するために、細長い塔体から延在してアンテナを取り囲むレドームが配置される。レドームは、RBS設備に対して必要なシェルターを提供するように設計されると同時に、アンテナから発信される無線波を基本的に透過させる。
【0028】
図3に開示されている細長い構造物10は、電気エネルギーを生産するための風力タービンユニット130を支持する。この風力タービンユニットは発生機筐体140を備え、セグメント化された細長い構造物10の上端に枢動可能に配置された複数のタービン翼150を有する。
【0029】
このような細長いコンクリート構造物、並びに1つ以上の開口中空コンクリート要素で構成される他のコンクリート構造物、のためのセグメントは、効率的に製造する必要があると同時に、優れた材料特性を保証する必要がある。開口中空コンクリート要素を複数のコンクリート管部分の形態で製造する方法として比較的成功した方法の1つは、ローラ懸架法である。この方法は、管の軸線に平行に位置合わせされた回転可能なローラ軸に管型を懸架するステップを含む。ローラ軸の回転に伴い、ローラ上に懸架されてローラの周囲に配置されている型は、ローラの周囲を回転する。型が回転しているときに、コンクリートを型の内部に供給する。型はローラに懸架されているので、コンクリートが型の内面とローラの外面との間のニップで圧縮される。このため、コンクリートが十分に圧縮された、一様な肉厚を有する比較的滑らかな管が得られる。ローラ懸架法による管の形成は周知であるので、本願明細書においてこれ以上詳細に説明する必要はない。例えば国際公開第9836886号および英国特許第1391763号を参照されたい。ただし、現在のローラ懸架法は、一様な断面を有する円筒形状の管部分の製造に限られている。
【0030】
図5aおよび図5bのフローチャートに概略的に示され、図4aから図4dに図示されている一実施形態によると、このような開口中空コンクリート要素を製造する方法が提供される。この方法は、
●基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップSt2であって、型は、コンクリート要素の外周形状を画成する筒状の型壁と、型壁のそれぞれの端部の内周より小さい内周を有する、コンクリート要素の端面を画成する第1および第2の端縁部とを備え、ローラ軸が回転時にコンクリート要素の内周形状を画成するように第1および第2の端縁部との内周の当接によって型がローラ軸によって回転可能に支持されるステップSt2と、
●型を回転させるために軸を回転するステップSt3と、
●硬化性コンクリートを回転中の型に供給するステップSt4と、
●型の回転を停止するステップSt5と、
●硬化後のコンクリート要素を型から取り出すステップSt7と、を含み、
●型壁の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形を画成するSt1方法。
【0031】
回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形とは、従来の管形状などの直円柱ではない何れかの形状を指す。このようにして製造されるコンクリート要素の外形は、型壁の内周面によって画成される外形であれば実質的に如何なる外形にもしうる。図4aから図4dにおいて、製造される図示のコンクリート要素は、基本的に肉厚が一定の円錐台として形作られる。完成したコンクリート要素が図4gに示されている。
【0032】
図4aから図4dは、構成の一実施形態を開口中空コンクリート要素の製造方法の各ステップにおいて模式的に示す。構成200は、基本的に水平なローラ軸210と、ローラ軸210に回転可能に支持された型220とを備える。型220は、製造するコンクリート要素240の外周形状を画成する筒状型壁230と、コンクリート要素の240の端面を画成する第1および第2の端縁部250および260とを備える。第1および第2の端縁部250および260の内周は、型壁230の対応端部の内周より小さい。ローラ軸210が回転時にコンクリート要素240の内周形状を画成するように、第1および第2の端縁部250および260が内周251および261に当接することで、型220はローラ軸210によって回転可能に支持される。第1および第2の端縁部250および260は、図4aに点線で示されているローラ軸210の当接部211および212にそれぞれ当接する。
【0033】
一実施形態によると、型壁230の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素240の外形を画成する。このため、型220内で形成されるコンクリート要素240は相補的な外形を有することになる。図4aから図4dに開示されている実施形態によると、型壁230は円錐台を画成する。ただし、型壁230の内周面は、例えば、その回転軸線の方向に沿って基本的に回転対称な形状または円形断面など、多種多様な外形をコンクリート要素240に画成するように構成することもできる。さらに、以下により詳細に説明するように、コンクリート要素240の複雑な外形のみならず、さまざまな種類の外面質感も画成するように、型壁230を構成することもできる。
【0034】
一方、ローラ軸210は軸受け270および280によって回転可能に支持される。開示されている実施形態においては、ローラ軸は型230の両側の軸受け270、280によって支持されるが、一代替実施形態(不図示)においては、ローラ軸は片側にある1つ以上の軸受けによって支持される。軸受け270および280は、ローラ軸の回転を可能にし、かつコンクリートが充填された状態で回転中の型220の荷重を担持するように設計された適切な種類のものであれば如何なるものでもよい。ローラ軸210は、型220が充填状態のときに所望の回転速度をもたらすことができる適切なモータ装置(不図示)によって駆動されて回転する。ローラ軸210の回転中、ひいては型220の回転中、型内のコンクリートに作用する遠心力は、約2G未満から約6G超になりうる。通常、ローラ軸210の直径は、端縁部251および261の内周より小さい。
【0035】
一実施形態によると、図4aから図4dのように、ローラ軸210の直径はその回転軸線の方向に沿って変化する。図4aから図4dに開示されているように、第1および第2の端縁部251、261の内周の円周は円周長の比率Cだけ互いに異なり、それぞれの当接部211、212におけるローラ軸の直径も円周長の比率Cだけ互いに異なる。このため、ローラ軸210と端縁部251、261との間には、構成の磨耗、および場合によっては不均衡な挙動、を引き起こすような滑りが生じることはない。端縁部251、261の内周および当接部211、212の外周形状は、円形であることが好ましいが、基本的に均衡した挙動が実現されるのであれば、他の形状にすることもできる。一実施形態によると、圧縮部213、すなわちローラ軸210の当接部211、212間の部分、は型壁230の形状に似せて形作られる。この実施形態は、型壁によって画成される形状の断面が円形であり、肉厚が基本的に均一なコンクリート要素を提供する。ただし、ローラ軸210と型220の回転運動を同期させることによって、外周形状に合わせて半径方向に形作られるコンクリート要素の内周を非円形に仕上げることもできる。
【0036】
一実施形態によると、開口コンクリート要素240の内面を滑らかにするために、ローラ軸210の表面は基本的に滑らかである。ただし、例えば摩擦等を増やすために滑らかでない内面を設けるために、表面をざらつかせることもできる。特定のコンクリート組成物については、回転中にローラ軸の圧縮部213とセメント要素の内周面との間を摺接させうることが分かっており、これは表面の高度な仕上げを実現しうるとして好都合な場合さえある。
【0037】
図4aから図4dでは、硬化前のコンクリート等を型220に供給するためのコンベヤベルト290が設けられている。ただし、型へのコンクリートの供給は何れか適切な供給手段290で行えばよく、例えば手作業、スクリューフィーダ、振動シュート等を用いて行いうる。供給手段290を静止させたままコンクリートを1つ以上の位置に供給することもできるが、図4bおよび図4cに開示されているようにコンクリートを型220内の所望の位置で供給するように、供給手段290を可動式にすることもできる。供給手段290は、所望の肉厚および圧縮率が達成されるまで未硬化コンクリートを型220に供給するように制御される。その後、型220を所定の硬化時間の間回転させることによって、型からのコンクリート要素240の取り出しおよび以降の取り扱いが可能になるようにコンクリートを十分に硬化させる。
【0038】
開示されている方法により、型に供給されるコンクリートの含水量を極めて低くしうるので、このコンクリートはドライコンクリートと称されることもある。このようにして供給されたコンクリートは、遠心力によって、およびローラ軸によって、圧縮される。本発明の目的ための材料の例として、鋼繊維セメント系複合材料、すなわちコンクリートを配合した金属メッシュおよび/または鉄筋、が挙げられる。使用可能と見なされる他の材料として、金属、プラスチック、セメント系材料、木、ガラス、炭素繊維、およびこれらの複合材料等が挙げられるが、これだけに限定されるものではない。一実施形態によると、型220に供給されるコンクリートの少なくとも一部は、繊維強化コンクリートである。図6に模式的に開示されている一実施形態によると、供給するステップSt4は、2つ以上の組成物から成るコンクリートの供給を含む。プラスチックまたは繊維複合材料などの非コンクリート材料を型に供給するステップをさらに設けることもできる。上記の非コンクリート材料は、硬化性材料でもよく、あるいはコンクリートに付着する別の材料等でもよい。例えば、美的効果または機能的効果をコンクリート要素等に加えるための材料を供給することもできる。
【0039】
図4eは、図4aから図4dの型220をその回転軸線の平面に沿った断面図で示す。同様に、図4fは、回転軸210をその回転軸線の平面に沿った断面図で示す。
【0040】
図7に開示されている一実施形態によると、少なくとも1つの端縁部251の内径は、成形されるコンクリート要素240の対応端部の内周より小さい。開示されているこの実施形態において、両端縁部の内径は等しい。そのため、ローラ軸211、212の当接部の直径を等しくする必要がある。ローラ軸の圧縮部213は、所定の肉厚を有するコンクリート要素240の内周を形成するように形作られる。開示されているこの実施形態において、ローラ軸の圧縮部213は基本的に円錐形状であり、一方の端縁部250によって鉛直な底部分が形作られる。成形用構成をより汎用化するために、ローラ軸の圧縮部213を取り外し可能な圧縮部材として設けることもできる。この場合、異なる形状のコンクリート要素240を製造するときに、ローラ軸210を型と一緒に取り替える必要がない。一実施形態において、圧縮部213の鉛直な底部分に隣接する端縁部250は、余分な未硬化コンクリートおよび/または水等を溢れさせるために配置された溢出用開口部400を少なくとも1つ備える。
【0041】
図8aから図8dは、上記の実施形態に比べ、より複雑な形状の開口中空コンクリート要素240を形成するための成形用構成を示す。この実施形態においては、肉厚が基本的に均一なコンクリート要素240を実現するために、ローラ軸210は型壁230の形状に基本的に似せて形作られる。図9aから図9dは、同様の成形用構成200を示しているが、ローラ軸210は型壁230に似せて形作られていない。そのため、肉厚はコンクリート要素の長さ方向に変化する。図示されていない一実施形態によると、ローラ軸210の圧縮部213は、その長手方向に一様である。
【0042】
図10aおよび図10bに模式的に開示されている一実施形態によると、複数の締結部材案内手段410を型220内の所定位置に配置し、端縁部250および260間にそれぞれ延在させる(St3)。成形中の案内手段の曲がり等の変形を防ぐために、案内手段410を所定の力で緊張させることもできるSt9。この場合、硬化後のコンクリート要素を型から取り出す前に、緊張を緩める必要があるSt10。図10bに開示されている一実施形態によると、案内手段410は剛体であり、締結部材420等によって緊張を案内手段410に直接加えることもできる。図10aに開示されている別の実施形態によると、緊張部材430を案内手段に配置しSt11、締結部材420等を用いて所定の力でこの緊張部材を緊張させるSt12ことによって案内手段を緊張させる。上記のように、硬化後のコンクリート要素を型220から取り外す前に、緊張部材430を案内手段410から取り除く必要があるSt13。案内手段410は、図1による細長いコンクリート構造物の組み立て時に締結部材20を案内できる適切な要素であれば、中空の管等、如何なる要素でもよい。一実施形態によると、端縁部250、260の少なくとも一方は、締結部材取り付け点40を1つ以上の案内手段410に画成するように構成される。
【0043】
図11は、複数の案内部材410を有する均一な外形のコンクリート要素200を製造するための構成の一実施形態を開示している。これに対応する開口中空コンクリート要素の製造方法は、
●基本的に水平なローラ軸210の周囲に型220を配置するステップと、型を回転させるために軸を回転するステップと、
●コンクリートを回転中の型220に供給するステップと、
●型220の回転を停止するステップと、
●硬化後のコンクリート要素240を型220から取り出すステップと、を含み、
●この方法は、ローラ軸の周囲に型を配置するステップの前に、
●複数の締結部材案内手段410を型220内の所定位置に配置し、端縁部250、260間に延在させるステップ(St3)を含む。
【0044】
案内部材410は完成した要素を緊張補強する可能性をもたらすが、一部の実施形態は半径方向および/または長手方向に追加の鉄筋補強を必要としうる。図12に模式的に開示されている一実施形態によると、補強網440が型に配置される。
【0045】
図13aおよび図13bに模式的に開示されている一実施形態によると、型220は、コンクリート要素240を1つ以上の軸方向要素区画に分割するために配置された半径方向区画仕切り450を1つ以上備える。図13aおよび図13bに模式的に開示されている別の実施形態によると、型220は、コンクリート要素を1つ以上の半径方向要素区画に分割するための軸方向区画仕切り460を1つ以上備える。図13bに示されている区画化されたコンクリート要素は、図2の細長い中空コンクリート構造物における基底部分S1およびS2の放射状基底セグメントB1〜B8の一例を示す。
【0046】
硬化後のコンクリート要素の取り出しを容易にするために、型220を少なくとも2つの部分に分離可能にしうる。図14aは、分離可能な型220の一実施形態を模式的に示す。この実施形態において、端縁部250、260はボルト470等によって2つ以上の型壁部分231および232にそれぞれ取り外し可能に取り付けられる。図14bは、2つの型壁部分231および232間の分離可能な接合部480の一例を示す。この例において、コンクリート要素240を分割するために配置される軸方向区画仕切り490は、接合部480によって取り付けられる。
【0047】
図15aは、回転対称形状を画成する型壁230を有する成形用型200の一例を断面で開示している。開示されているこの実施形態においては、複数の案内手段410がコンクリート要素内に対称的に配置される。開示されている実施形態は12回の回転対称であるが、2回以上であれば基本的に如何なる回転対称形状でも提供しうる。図15bは、非対称形状または複雑な形状を画成する型壁230を有する成形用型200の一例を断面で開示している。模式的に示されているように、この断面形状は基本的に如何なる形状でもよいが、このような要素を製造するには型を均衡させる必要がありうる。
【0048】
一実施形態によると、これらのコンクリート要素は1つの細長い構造物に組み立てられるように形成され、本発明により製造される複数の開口中空コンクリート要素で構成される、図1によるセグメント化された細長い構造物を組み立てる方法によって組み立てられる。この方法は、
ST20. 締結部材を取り付けるための取り付け点を複数備えた基底セグメントを設けるステップと、
ST21. 1つ以上の中間セグメントを基底セグメントの上に配置するステップであって、各中間セグメントは、締結部材を当該セグメントに対して所定の構成に維持するために配置された締結部材案内部を複数備え、場合によっては締結部材を取り付けるための取り付け点を1つ以上備える、ステップと、
ST22. 終端セグメントを最後の中間セグメントの上に配置するステップであって、終端セグメントは1つ以上の取り付け点を備える、ステップと、
ST23. 締結部材を締結部材案内部に嵌め込み、先行セグメント内の取り付け点と後続セグメント内の取り付け点との間に延在させるステップと、
ST24. 締結部材を緊張させるステップと、を含む。
【0049】
一実施形態によると、本方法は、工場製造された細長いアンテナ塔セグメントのうちの1つの設置軸に、そのセグメントを相互接続する前に、無線基地局とその対応アンテナとを取り付けるステップをさらに含む。
【0050】
図17は、本発明の一実施形態による無線通信用システムを示すブロック図である。無線通信システム300は、ユーザ設備320用のアクセスポイントとして機能するアンテナ無線基地局をそれぞれ少なくとも1つ具備したアンテナ塔構造物310を1つ以上備える。このシステムのアンテナ塔構造物は、中空断面を有する複数の管状塔部分に分割注型される。これらの部分は、アンテナ塔構造物の伸長に伴ってアンテナ無線基地局全体を移動させるための構成を備え、アンテナ無線基地局は管状の塔の内側に配設される。各アンテナ塔構造物は、アンテナ無線基地局の点検用アクセスを可能にするアンテナ塔構造物内への入り口を少なくとも1つ有する。システム30は、アンテナ塔構造物の運用者固有の設計(OP1、OP2、OP3、OP4、OP5等)を可能にする。
【0051】
さらに別の実施形態において、運用者固有の設計は、点検要員が塔内設備の点検、更新、または再構成を行う特定のアンテナ塔構造物を他の塔から区別しやすくする。
【0052】
本発明について特定の例示的実施形態に言及して説明してきたが、本明細書は全般的に本発明の概念を例示することのみを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0053】
当業者は、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲を逸脱せずに本発明に対してさまざまな修正および変更を行いうることを理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にはコンクリート要素に関し、特に、開口中空コンクリート要素の製造方法および構成に関する。
【背景技術】
【0002】
開口中空コンクリート要素はさまざまな実装で見られ、主に地下の埋設管として実装されるが、ビル、橋梁、塔等における建築要素としても実装される。
【0003】
細長い鉄筋コンクリート構造物は、さまざまな分野で頻繁に使用される。細長い鉄筋コンクリート構造物の例として、さまざまな種類のマストおよび塔、パイロン、煙突、建築物、円弧形状の梁等が挙げられる。
【0004】
伝統的に、このような細長い構造物は現場で注型成形される。成形は、1回の成形工程で、または連続するいくつかの部分成形工程によって行われる。後者の場合は、前の成形ステップの複数の補強要素を後続の成形ステップで一体化することによって構造物全体にわたって連続した長手方向補強構造を実現する。ただし、現場成形は時間と手間がかかるばかりでなく、成形用設備を現場に輸送する必要がある。さらに、成形工程の完全制御を実現するのは困難であり、そのため構造物の材料特性は最適未満となりやすい。最適未満の材料特性の直接的な結果として、構造物を所定寸法より大きくしなければならない。
【0005】
現場成形の代わりの選択肢の1つは、現場で組み立てるセグメントの工場製造である。セグメントの工場製造は十分に制御された条件下で行え、セグメント全体を1回の一体成形で成形できるので、上記の欠点の多くが回避される。
【0006】
仏国特許出願公開第2872843号、欧州特許出願公開第1645701号、および独国特許出願公開2939472号の各特許文献は、風力タービン用の塔の形態のセグメント化された細長いコンクリート構造物を説明している文献の一部であるが、このような要素の効率的な製造方法については説明していない。国際出願PCT/SE2007/050306号は、セグメント化された塔構造物とこのような要素の製造方法とを開示している。
【0007】
既存の解決策および方法の問題のいくつかは、これらが非効率的であり、コンクリートの硬化前に欠陥および異質部分の検出が困難であることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服する開口中空コンクリート要素の新しい製造方法および構成を提供することである。これは、独立請求項に記載の方法および構成によって達成される。
【0009】
開示される開口中空コンクリート要素の製造方法は、
基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップであって、型は、コンクリート要素の外周形状を画成する筒状型壁と、型壁のそれぞれの端部の内周より小さい内周を有する、コンクリート要素の端面を画成する第1および第2の端縁部とを備え、ローラ軸が回転時にコンクリート要素の内周形状を画成するように第1および第2の端縁部の内周の当接によって型がローラ軸によって回転可能に支持されるステップと、
型を回転させるために軸を回転するステップと、
硬化性コンクリートを回転中の型に供給するステップと、
型の回転を停止するステップと、
硬化後のコンクリート要素を型から取り出すステップと、を含み、
型壁の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形を画成する、方法であって、
新しい種類の考え方を表す。このような開口中空コンクリート要素を製造するための新しい構成がさらに提供される。この構成において、型壁の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形を画成する。このような方法または構成は、上記の従来技術の文献の何れにも記載されていない。
【0010】
開口中空コンクリート要素を製造する本発明の方法および構成は、従来技術に勝る以下の利点を有する。
●より低い孔隙率と、より高いコンクリート密度と、より良好な耐久性とをもたらす。
●より低い水セメント比でコンクリートを注型する可能性をもたらす。
●低セメント量で高いコンクリート強度をもたらす。
●要素当たり約20分の高速製造を可能にする。
●肉厚の制御を可能にする。
●製造中にコンクリート屑を基本的に出さない。
●必要に応じてコンクリートの品質および含有量を管に沿って柔軟に変更可能である。
●不均一な形状および美的なコンクリート要素の製造を可能にする。
【0011】
本発明の他の実施形態は従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1a】細長いコンクリート構造物の一例を示す。
【図1b】細長いコンクリート構造物の一例を示す。
【図2】細長いコンクリート構造物の別の例を示す。
【図3】細長いコンクリート構造物の別の例を示す。
【図4a】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4b】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4c】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4d】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4e】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4f】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図4g】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図5a】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素の製造方法のフローチャートを示す。
【図5b】本発明の一実施形態による開口中空コンクリート要素の製造方法のフローチャートを示す。
【図6】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図7】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8c】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図8d】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9c】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図9d】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図10a】本発明の他の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図10b】本発明の他の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図11】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図12】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図13a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図13b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図14a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図14b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図15a】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図15b】本発明の別の実施形態による開口中空コンクリート要素を製造するための構成を示す。
【図16】本発明の一実施形態による方法を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態によるシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、現場で成形される構造物または一体成形されたプレハブ構造物の代わりに、工場で製造されるセグメント化された細長い構造物の使用を可能にする。
【0014】
図1aおよび図1bは、長手方向に複数のセグメントS1〜S4に分割された細長い構造物10を模式的に示す。この細長い構造物は、基底セグメントS1と、少なくとも1つの中間セグメントS2、S3と、終端セグメントS4とを含み、これらのセグメントは基本的に鉄筋コンクリートで構成される。セグメントS1〜S4は、複数の細長い締結部材20によって長手方向に相互に接続される。これらの締結部材20は、基底セグメントS1を終端セグメントS4に長手方向に隙間なく相互接続する長手方向相互接続構造30を共に形成する。言い換えると、複数の細長い締結部材20は、セグメント化された細長い構造物10の全体にわたって連続した長手方向相互接続構造30を共に形成すると言える。以下により詳細に開示されるように、連続した長手方向相互接続構造30はさまざまな形態が可能であり、終端セグメントS4を基底セグメントS1に、基底の取り付け点40から終端セグメントS4まで全長にわたって延在する1つ以上の締結部材20によって直接相互接続することも、あるいは長手方向に重なり合う2つ以上の締結部材20によって間接的に相互接続することもできる。さらに、各セグメントは締結部材案内部50を備える。締結部材案内部50は、セグメントの壁60に形成され、締結部材20を当該セグメントに対して所定の形状に維持するように構成される。
【0015】
図1aおよび図1bに示す実施形態は、軽量でありながら所望の機械的特性をもたらすように設計された薄肉の中空構造物である。このような薄肉構造物は、セグメント化された細長い構造物の構造特性、製造、および組み立てに関して多くの利点をもたらす。ただし、これらのセグメントの全部または一部を肉厚または中実にすることもでき、さらに複数区間を部分的に中実にすることもできる。
【0016】
図1aおよび図1bは、塔の形態の細長い中空構造物10を模式的に示す。構造物10の基底セグメントS1は地面あるいは土台等(不図示)に配置される。セグメントS1〜S4の形状、構造物10が担持する荷重、構造物10が置かれる条件など、いくつかのパラメータに応じて、このような塔は、それぞれのセグメントにおいてそれぞれ異なる種類の荷重を受けることになる。したがって、連続した長手方向相互接続構造30を異なる形態、ひいては異なる剛性、にすることもできる。連続した長手方向相互接続構造30の剛性を規定する1つの方法は、締結部材20の密度を細長い構造物の特定の断面における締結部材の数として規定することである。すなわち、2つのセグメントが交わる面において締結部材の密度が高いことは、2つのセグメントS1〜S4同士が多数の締結部材20によって互いに留め付けられることを意味する。
【0017】
図1aおよび図1bの実施形態において、1つ以上の中間セグメントS2、S3、および終端セグメントS4は、それぞれ3つ以上の締結部材20によって基底セグメントS1に留め付けられる。長手方向の引張力が基底領域において大きく、終端セグメントの領域において小さいと予想される細長い構造物10の場合、図1aおよび図1bの実施形態は、締結部材の密度が基底領域において最も高く、終端セグメントに向かって下がるので、優れた剛性をもたらす。図1の実施形態において、基底セグメントS1と基底セグメントに隣接する中間セグメントS2とを除く各セグメントは、3つ以上の締結部材20によって非隣接セグメントに留め付けられる。
【0018】
締結部材案内部50は、締結部材を取り付け点40間で所定の構成に維持するために配置される。締結部材案内部50は、セグメントの壁に形成される。連続した長手方向相互接続構造30を実現するために、隣り合うセグメントの締結部材案内部50は互いに位置合わせされる。後続セグメントの位置合わせを容易にするために、隣接セグメント間の締結部材案内部50を正しく位置合わせするために役立つ位置合わせ手段(不図示)を隣接セグメントに設けることもできる。一実施形態によると、各セグメントの端面は、締結部材案内部、および位置合わせ手段(存在する場合)、のためのアクセスポイントを含む所望の形状に成形される。一実施形態によると、細長い構造物は、外面に露出される金属部品を基本的に一切備えない。
【0019】
一実施形態によると、締結部材案内部50は、導管として各セグメントの壁内に少なくとも部分的に形成される。セグメントの製造方法の開示に関連して以下に説明するように、このような導管は、取り付け点/交わる面の間に延在する細長い管を型内に配置することによって形成されることが好ましい。開示される各実施形態においては、締結部材20が取り付け点40間に基本的に直線状に延びるように、取り付け点40はセグメントの壁に一体に構成される。一実施形態によると、締結部材案内部50は、セグメントの外周面に溝として少なくとも部分的に形成される。
【0020】
一実施形態によると、締結部材20は、長手方向の補強手段の一部として1つ以上のセグメントに設けられる。締結部材20は、長手方向にプレストレスを与える補強部材として機能する。セグメントの成形時、長手方向補強手段を完全に省くことも可能であるが、長手方向の補強は、輸送および組み立て中の剛性を向上させる。締結部材20は、金属製の棒またはワイヤ、繊維強化複合材料製の棒等、十分な強度を有する何れか適切な材料から成る。
【0021】
細長い構造物は、基本的に如何なる形態でもよく、例えば、均一な直線形状、断面形状が長手方向に変化する形状、ボトル形状、少なくとも1つの円錐部分を長手方向に備える形状にすることもできる。一実施形態によると、細長い構造物は、断面が円形の部分を少なくとも1つ備える。他の断面形状の例として、長円形、三角形、正方形、星形等が挙げられる。
【0022】
図2は、通信設備100を収容するようになっているアンテナ塔体の形態の細長い中空コンクリート構造物10の一例を示す。この塔体は、8つの区画B1〜B8で構成される2つの基底部分S1およびS2と、複数の塔モジュールセグメントS3〜S7とで構成される。基底セグメントを放射状区画B1〜B8で形成することによって、基底部分の製造および輸送が容易になる。放射状区画B1〜B8は、適切な半径方向締結部材によって相互接続される。開示される本実施形態は円形断面を有し、底部の直径は5.0mであり、モジュール式塔セグメントの直径は1.8mである。アンテナ塔はレドーム110を備え、レドーム110を含む全高は40mである。さらに、セグメントS3〜S7のうちの少なくとも2つは、基本的に同一であるため、同じ型で連続して成形できる。このような「同一」セグメントS3〜S7を1つ以上追加または省略することによって、型の設計を変えずに、さまざまな高さの塔を用意できる。一実施形態によると、終端セグメントは、少なくとも1つの中間セグメントと同じ形状である。
【0023】
一実施形態によると、構造物10の中空内部は内部設置軸の機能を有し、塔は、塔体の最上部にある1つ以上の対応アンテナ120に近接させて無線基地局100を設置軸に収容するように構成される。塔体および設置軸の底部の断面積は、最上部の断面積より大きくしうる。塔に設けられる無線基地局は、GSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTE、または将来型の通信方式に属する。
【0024】
1つ以上の無線基地局を塔体の最上部にある1つ以上の対応アンテナの近くに収容するように、設置軸を形成することもできる。無線中断時間を最短化するために、設置軸は、基地局を停止させずに無線基地局への要員アクセスを可能にするように形成される。要員をRBSに適切にアクセスさせるには、RBSの正面空間を占めている要員が通常の保守点検作業を基本的に全て行えるように、設置軸を十分に大きくする必要がある。RBS設備への適切なアクセスを可能にするために必要なRBS近くの設置軸の容積は、RBS設備の大きさに応じて異なる。一実施形態によると、アンテナ塔内のRBS設備は、標準幅が60cmと100cmの間、奥行きが30cmから80cmの標準的な架搭載型ユニット群で構成される。一実施形態によると、無線基地局の設置軸の断面積は、少なくとも、2.0m2、2.5m2、3.0m2、またはそれ以上である。RBSの正面の自由空間は、少なくとも1.0m2から2.0m2であるが、これだけに限定されるものではない。一実施形態によると、無線基地局の高さにおける塔の断面は、基本的に円形とし、半径を少なくとも0.7m、0.9m、または1.3m、またはそれ以上にすることもできる。
【0025】
一実施形態によると、2つ以上の独立した無線基地局が、塔体の最上部の1つ以上の対応アンテナに隣接させて、設置軸に配置される。限定空間を塔の最上部に残しておくために、複数のRBSを互いに積み重ねることもできる。これらのRBSは、型式および通信システムが同じ種類でもよいが、それぞれ異なる運用者または通信システム、例えばGSM、WCDMA、HSPA、MIMO、LTE、または将来型の通信システム、に属するものでもよい。アンテナ塔は、無線IP網等の他の種類の無線通信設備および対応アンテナ、並びに無線またはテレビジョン放送設備をさらに収容することもできる。
【0026】
設置軸は、塔の高さの限られた部分だけに延在させることも、または塔の基底部から最上部まで全体に延在させることもできる。設置軸が塔の全高にわたって延在する場合、設置軸へのアクセスはその下端にある出入り口(不図示)または同様の開口部から行ってもよく、RBSには設置軸の内側の上昇手段またはエレベータ手段によって到達する。
【0027】
図2において、塔体の下部は円錐台として形成され、上部は細長い一様な構造物として形成されており、下部および上部の断面はどちらも基本的に円形である。以下により詳細に説明するように、塔体は多くの異なる形状を取りうる。アンテナを保護し、制御された環境を設置軸の内側に確立するために、細長い塔体から延在してアンテナを取り囲むレドームが配置される。レドームは、RBS設備に対して必要なシェルターを提供するように設計されると同時に、アンテナから発信される無線波を基本的に透過させる。
【0028】
図3に開示されている細長い構造物10は、電気エネルギーを生産するための風力タービンユニット130を支持する。この風力タービンユニットは発生機筐体140を備え、セグメント化された細長い構造物10の上端に枢動可能に配置された複数のタービン翼150を有する。
【0029】
このような細長いコンクリート構造物、並びに1つ以上の開口中空コンクリート要素で構成される他のコンクリート構造物、のためのセグメントは、効率的に製造する必要があると同時に、優れた材料特性を保証する必要がある。開口中空コンクリート要素を複数のコンクリート管部分の形態で製造する方法として比較的成功した方法の1つは、ローラ懸架法である。この方法は、管の軸線に平行に位置合わせされた回転可能なローラ軸に管型を懸架するステップを含む。ローラ軸の回転に伴い、ローラ上に懸架されてローラの周囲に配置されている型は、ローラの周囲を回転する。型が回転しているときに、コンクリートを型の内部に供給する。型はローラに懸架されているので、コンクリートが型の内面とローラの外面との間のニップで圧縮される。このため、コンクリートが十分に圧縮された、一様な肉厚を有する比較的滑らかな管が得られる。ローラ懸架法による管の形成は周知であるので、本願明細書においてこれ以上詳細に説明する必要はない。例えば国際公開第9836886号および英国特許第1391763号を参照されたい。ただし、現在のローラ懸架法は、一様な断面を有する円筒形状の管部分の製造に限られている。
【0030】
図5aおよび図5bのフローチャートに概略的に示され、図4aから図4dに図示されている一実施形態によると、このような開口中空コンクリート要素を製造する方法が提供される。この方法は、
●基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップSt2であって、型は、コンクリート要素の外周形状を画成する筒状の型壁と、型壁のそれぞれの端部の内周より小さい内周を有する、コンクリート要素の端面を画成する第1および第2の端縁部とを備え、ローラ軸が回転時にコンクリート要素の内周形状を画成するように第1および第2の端縁部との内周の当接によって型がローラ軸によって回転可能に支持されるステップSt2と、
●型を回転させるために軸を回転するステップSt3と、
●硬化性コンクリートを回転中の型に供給するステップSt4と、
●型の回転を停止するステップSt5と、
●硬化後のコンクリート要素を型から取り出すステップSt7と、を含み、
●型壁の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形を画成するSt1方法。
【0031】
回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素の外形とは、従来の管形状などの直円柱ではない何れかの形状を指す。このようにして製造されるコンクリート要素の外形は、型壁の内周面によって画成される外形であれば実質的に如何なる外形にもしうる。図4aから図4dにおいて、製造される図示のコンクリート要素は、基本的に肉厚が一定の円錐台として形作られる。完成したコンクリート要素が図4gに示されている。
【0032】
図4aから図4dは、構成の一実施形態を開口中空コンクリート要素の製造方法の各ステップにおいて模式的に示す。構成200は、基本的に水平なローラ軸210と、ローラ軸210に回転可能に支持された型220とを備える。型220は、製造するコンクリート要素240の外周形状を画成する筒状型壁230と、コンクリート要素の240の端面を画成する第1および第2の端縁部250および260とを備える。第1および第2の端縁部250および260の内周は、型壁230の対応端部の内周より小さい。ローラ軸210が回転時にコンクリート要素240の内周形状を画成するように、第1および第2の端縁部250および260が内周251および261に当接することで、型220はローラ軸210によって回転可能に支持される。第1および第2の端縁部250および260は、図4aに点線で示されているローラ軸210の当接部211および212にそれぞれ当接する。
【0033】
一実施形態によると、型壁230の内周面は、回転軸線に沿って、および/または回転軸線に対して半径方向に、変化するコンクリート要素240の外形を画成する。このため、型220内で形成されるコンクリート要素240は相補的な外形を有することになる。図4aから図4dに開示されている実施形態によると、型壁230は円錐台を画成する。ただし、型壁230の内周面は、例えば、その回転軸線の方向に沿って基本的に回転対称な形状または円形断面など、多種多様な外形をコンクリート要素240に画成するように構成することもできる。さらに、以下により詳細に説明するように、コンクリート要素240の複雑な外形のみならず、さまざまな種類の外面質感も画成するように、型壁230を構成することもできる。
【0034】
一方、ローラ軸210は軸受け270および280によって回転可能に支持される。開示されている実施形態においては、ローラ軸は型230の両側の軸受け270、280によって支持されるが、一代替実施形態(不図示)においては、ローラ軸は片側にある1つ以上の軸受けによって支持される。軸受け270および280は、ローラ軸の回転を可能にし、かつコンクリートが充填された状態で回転中の型220の荷重を担持するように設計された適切な種類のものであれば如何なるものでもよい。ローラ軸210は、型220が充填状態のときに所望の回転速度をもたらすことができる適切なモータ装置(不図示)によって駆動されて回転する。ローラ軸210の回転中、ひいては型220の回転中、型内のコンクリートに作用する遠心力は、約2G未満から約6G超になりうる。通常、ローラ軸210の直径は、端縁部251および261の内周より小さい。
【0035】
一実施形態によると、図4aから図4dのように、ローラ軸210の直径はその回転軸線の方向に沿って変化する。図4aから図4dに開示されているように、第1および第2の端縁部251、261の内周の円周は円周長の比率Cだけ互いに異なり、それぞれの当接部211、212におけるローラ軸の直径も円周長の比率Cだけ互いに異なる。このため、ローラ軸210と端縁部251、261との間には、構成の磨耗、および場合によっては不均衡な挙動、を引き起こすような滑りが生じることはない。端縁部251、261の内周および当接部211、212の外周形状は、円形であることが好ましいが、基本的に均衡した挙動が実現されるのであれば、他の形状にすることもできる。一実施形態によると、圧縮部213、すなわちローラ軸210の当接部211、212間の部分、は型壁230の形状に似せて形作られる。この実施形態は、型壁によって画成される形状の断面が円形であり、肉厚が基本的に均一なコンクリート要素を提供する。ただし、ローラ軸210と型220の回転運動を同期させることによって、外周形状に合わせて半径方向に形作られるコンクリート要素の内周を非円形に仕上げることもできる。
【0036】
一実施形態によると、開口コンクリート要素240の内面を滑らかにするために、ローラ軸210の表面は基本的に滑らかである。ただし、例えば摩擦等を増やすために滑らかでない内面を設けるために、表面をざらつかせることもできる。特定のコンクリート組成物については、回転中にローラ軸の圧縮部213とセメント要素の内周面との間を摺接させうることが分かっており、これは表面の高度な仕上げを実現しうるとして好都合な場合さえある。
【0037】
図4aから図4dでは、硬化前のコンクリート等を型220に供給するためのコンベヤベルト290が設けられている。ただし、型へのコンクリートの供給は何れか適切な供給手段290で行えばよく、例えば手作業、スクリューフィーダ、振動シュート等を用いて行いうる。供給手段290を静止させたままコンクリートを1つ以上の位置に供給することもできるが、図4bおよび図4cに開示されているようにコンクリートを型220内の所望の位置で供給するように、供給手段290を可動式にすることもできる。供給手段290は、所望の肉厚および圧縮率が達成されるまで未硬化コンクリートを型220に供給するように制御される。その後、型220を所定の硬化時間の間回転させることによって、型からのコンクリート要素240の取り出しおよび以降の取り扱いが可能になるようにコンクリートを十分に硬化させる。
【0038】
開示されている方法により、型に供給されるコンクリートの含水量を極めて低くしうるので、このコンクリートはドライコンクリートと称されることもある。このようにして供給されたコンクリートは、遠心力によって、およびローラ軸によって、圧縮される。本発明の目的ための材料の例として、鋼繊維セメント系複合材料、すなわちコンクリートを配合した金属メッシュおよび/または鉄筋、が挙げられる。使用可能と見なされる他の材料として、金属、プラスチック、セメント系材料、木、ガラス、炭素繊維、およびこれらの複合材料等が挙げられるが、これだけに限定されるものではない。一実施形態によると、型220に供給されるコンクリートの少なくとも一部は、繊維強化コンクリートである。図6に模式的に開示されている一実施形態によると、供給するステップSt4は、2つ以上の組成物から成るコンクリートの供給を含む。プラスチックまたは繊維複合材料などの非コンクリート材料を型に供給するステップをさらに設けることもできる。上記の非コンクリート材料は、硬化性材料でもよく、あるいはコンクリートに付着する別の材料等でもよい。例えば、美的効果または機能的効果をコンクリート要素等に加えるための材料を供給することもできる。
【0039】
図4eは、図4aから図4dの型220をその回転軸線の平面に沿った断面図で示す。同様に、図4fは、回転軸210をその回転軸線の平面に沿った断面図で示す。
【0040】
図7に開示されている一実施形態によると、少なくとも1つの端縁部251の内径は、成形されるコンクリート要素240の対応端部の内周より小さい。開示されているこの実施形態において、両端縁部の内径は等しい。そのため、ローラ軸211、212の当接部の直径を等しくする必要がある。ローラ軸の圧縮部213は、所定の肉厚を有するコンクリート要素240の内周を形成するように形作られる。開示されているこの実施形態において、ローラ軸の圧縮部213は基本的に円錐形状であり、一方の端縁部250によって鉛直な底部分が形作られる。成形用構成をより汎用化するために、ローラ軸の圧縮部213を取り外し可能な圧縮部材として設けることもできる。この場合、異なる形状のコンクリート要素240を製造するときに、ローラ軸210を型と一緒に取り替える必要がない。一実施形態において、圧縮部213の鉛直な底部分に隣接する端縁部250は、余分な未硬化コンクリートおよび/または水等を溢れさせるために配置された溢出用開口部400を少なくとも1つ備える。
【0041】
図8aから図8dは、上記の実施形態に比べ、より複雑な形状の開口中空コンクリート要素240を形成するための成形用構成を示す。この実施形態においては、肉厚が基本的に均一なコンクリート要素240を実現するために、ローラ軸210は型壁230の形状に基本的に似せて形作られる。図9aから図9dは、同様の成形用構成200を示しているが、ローラ軸210は型壁230に似せて形作られていない。そのため、肉厚はコンクリート要素の長さ方向に変化する。図示されていない一実施形態によると、ローラ軸210の圧縮部213は、その長手方向に一様である。
【0042】
図10aおよび図10bに模式的に開示されている一実施形態によると、複数の締結部材案内手段410を型220内の所定位置に配置し、端縁部250および260間にそれぞれ延在させる(St3)。成形中の案内手段の曲がり等の変形を防ぐために、案内手段410を所定の力で緊張させることもできるSt9。この場合、硬化後のコンクリート要素を型から取り出す前に、緊張を緩める必要があるSt10。図10bに開示されている一実施形態によると、案内手段410は剛体であり、締結部材420等によって緊張を案内手段410に直接加えることもできる。図10aに開示されている別の実施形態によると、緊張部材430を案内手段に配置しSt11、締結部材420等を用いて所定の力でこの緊張部材を緊張させるSt12ことによって案内手段を緊張させる。上記のように、硬化後のコンクリート要素を型220から取り外す前に、緊張部材430を案内手段410から取り除く必要があるSt13。案内手段410は、図1による細長いコンクリート構造物の組み立て時に締結部材20を案内できる適切な要素であれば、中空の管等、如何なる要素でもよい。一実施形態によると、端縁部250、260の少なくとも一方は、締結部材取り付け点40を1つ以上の案内手段410に画成するように構成される。
【0043】
図11は、複数の案内部材410を有する均一な外形のコンクリート要素200を製造するための構成の一実施形態を開示している。これに対応する開口中空コンクリート要素の製造方法は、
●基本的に水平なローラ軸210の周囲に型220を配置するステップと、型を回転させるために軸を回転するステップと、
●コンクリートを回転中の型220に供給するステップと、
●型220の回転を停止するステップと、
●硬化後のコンクリート要素240を型220から取り出すステップと、を含み、
●この方法は、ローラ軸の周囲に型を配置するステップの前に、
●複数の締結部材案内手段410を型220内の所定位置に配置し、端縁部250、260間に延在させるステップ(St3)を含む。
【0044】
案内部材410は完成した要素を緊張補強する可能性をもたらすが、一部の実施形態は半径方向および/または長手方向に追加の鉄筋補強を必要としうる。図12に模式的に開示されている一実施形態によると、補強網440が型に配置される。
【0045】
図13aおよび図13bに模式的に開示されている一実施形態によると、型220は、コンクリート要素240を1つ以上の軸方向要素区画に分割するために配置された半径方向区画仕切り450を1つ以上備える。図13aおよび図13bに模式的に開示されている別の実施形態によると、型220は、コンクリート要素を1つ以上の半径方向要素区画に分割するための軸方向区画仕切り460を1つ以上備える。図13bに示されている区画化されたコンクリート要素は、図2の細長い中空コンクリート構造物における基底部分S1およびS2の放射状基底セグメントB1〜B8の一例を示す。
【0046】
硬化後のコンクリート要素の取り出しを容易にするために、型220を少なくとも2つの部分に分離可能にしうる。図14aは、分離可能な型220の一実施形態を模式的に示す。この実施形態において、端縁部250、260はボルト470等によって2つ以上の型壁部分231および232にそれぞれ取り外し可能に取り付けられる。図14bは、2つの型壁部分231および232間の分離可能な接合部480の一例を示す。この例において、コンクリート要素240を分割するために配置される軸方向区画仕切り490は、接合部480によって取り付けられる。
【0047】
図15aは、回転対称形状を画成する型壁230を有する成形用型200の一例を断面で開示している。開示されているこの実施形態においては、複数の案内手段410がコンクリート要素内に対称的に配置される。開示されている実施形態は12回の回転対称であるが、2回以上であれば基本的に如何なる回転対称形状でも提供しうる。図15bは、非対称形状または複雑な形状を画成する型壁230を有する成形用型200の一例を断面で開示している。模式的に示されているように、この断面形状は基本的に如何なる形状でもよいが、このような要素を製造するには型を均衡させる必要がありうる。
【0048】
一実施形態によると、これらのコンクリート要素は1つの細長い構造物に組み立てられるように形成され、本発明により製造される複数の開口中空コンクリート要素で構成される、図1によるセグメント化された細長い構造物を組み立てる方法によって組み立てられる。この方法は、
ST20. 締結部材を取り付けるための取り付け点を複数備えた基底セグメントを設けるステップと、
ST21. 1つ以上の中間セグメントを基底セグメントの上に配置するステップであって、各中間セグメントは、締結部材を当該セグメントに対して所定の構成に維持するために配置された締結部材案内部を複数備え、場合によっては締結部材を取り付けるための取り付け点を1つ以上備える、ステップと、
ST22. 終端セグメントを最後の中間セグメントの上に配置するステップであって、終端セグメントは1つ以上の取り付け点を備える、ステップと、
ST23. 締結部材を締結部材案内部に嵌め込み、先行セグメント内の取り付け点と後続セグメント内の取り付け点との間に延在させるステップと、
ST24. 締結部材を緊張させるステップと、を含む。
【0049】
一実施形態によると、本方法は、工場製造された細長いアンテナ塔セグメントのうちの1つの設置軸に、そのセグメントを相互接続する前に、無線基地局とその対応アンテナとを取り付けるステップをさらに含む。
【0050】
図17は、本発明の一実施形態による無線通信用システムを示すブロック図である。無線通信システム300は、ユーザ設備320用のアクセスポイントとして機能するアンテナ無線基地局をそれぞれ少なくとも1つ具備したアンテナ塔構造物310を1つ以上備える。このシステムのアンテナ塔構造物は、中空断面を有する複数の管状塔部分に分割注型される。これらの部分は、アンテナ塔構造物の伸長に伴ってアンテナ無線基地局全体を移動させるための構成を備え、アンテナ無線基地局は管状の塔の内側に配設される。各アンテナ塔構造物は、アンテナ無線基地局の点検用アクセスを可能にするアンテナ塔構造物内への入り口を少なくとも1つ有する。システム30は、アンテナ塔構造物の運用者固有の設計(OP1、OP2、OP3、OP4、OP5等)を可能にする。
【0051】
さらに別の実施形態において、運用者固有の設計は、点検要員が塔内設備の点検、更新、または再構成を行う特定のアンテナ塔構造物を他の塔から区別しやすくする。
【0052】
本発明について特定の例示的実施形態に言及して説明してきたが、本明細書は全般的に本発明の概念を例示することのみを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0053】
当業者は、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲を逸脱せずに本発明に対してさまざまな修正および変更を行いうることを理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口中空コンクリート要素の製造方法であって、
基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップであって、前記型は、前記コンクリート要素の外周形状を成形する筒状型壁と、前記型壁のそれぞれの端部における内周より小さい内周を有する、前記コンクリート要素の端面を成形する第1および第2の端縁部とを備え、前記ローラ軸が回転時に前記コンクリート要素の内周形状を成形するように前記第1および第2の端縁部の前記内周との当接によって前記型が前記ローラ軸によって回転可能に支持されるステップと、
前記型を回転させるために前記軸を回転させるステップと、
硬化性コンクリートを前記回転中の型に供給するステップと、
前記型の前記回転を停止するステップと、
硬化後の前記コンクリート要素を前記型から取り出すステップと、を含み、
前記型壁の内周面は、前記回転軸線の方向に沿う方向および前記回転軸線の方向に対する半径方向の少なくとも一方について変化する前記コンクリート要素の外形を成形することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ローラ軸の直径はその回転軸線の方向に沿って異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1および第2の端縁部の前記内周の円周は円周長の比率Cだけ互いに異なり、前記ローラ軸の前記それぞれの当接部の直径は前記円周長の比率Cだけ互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ローラ軸は前記型壁の形状に似せて形作られることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記型壁は基本的に回転対称の形状を画成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記型壁は、その回転軸線の方向に沿って円形断面を画成することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記型壁は円錐台を画成することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記型壁は前記コンクリート要素の複雑な外形を画成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ローラ軸の周囲に前記型を配置するステップの前に、複数の締結部材案内手段を前記型内の所定位置に配置して前記端縁部間にそれぞれ延在させるステップ(St3)をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記案内手段を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記案内手段の緊張を緩めるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
緊張部材を前記案内手段に配置するステップと、
前記緊張部材を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記緊張部材を解放して前記案内手段から取り出すステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記案内手段は管であることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記端縁部の一方は、締結部材取り付け点(40)を前記案内手段の1つ以上に画成することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ローラ軸の周囲に前記型を配置するステップの前に、補強網を前記型内に配置するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記型に供給される前記コンクリートの少なくとも一部は繊維強化コンクリートであることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記供給するステップは、2つ以上の組成物から成るコンクリートの供給を含むことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
非コンクリート硬化材料を前記型に供給するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の軸方向要素区画に分割するように配置された1つ以上の半径方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の半径方向要素区画に分割するように構成された1つ以上の軸方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記型は、前記硬化後のコンクリート要素の取り出しを容易にするために、少なくとも2つの部分に分離可能であることを特徴とする請求項1乃至19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
開口中空コンクリート要素の製造方法であって、
基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップであって、前記型は、前記コンクリート要素の外周形状を成形する筒状型壁と、前記型壁のそれぞれの端部における内周より小さい内周を有する、前記コンクリート要素の端面を成形する第1および第2の端縁部とを備え、前記ローラ軸が回転時に前記コンクリート要素の内周形状を成形するように前記第1および第2の端縁部の前記内周との当接によって前記型が前記ローラ軸によって回転可能に支持されるステップと、
前記型を回転させるために前記軸を回転させるステップと、
コンクリートを前記回転中の型に供給するステップと、
前記型の前記回転を停止するステップと、
硬化後の前記コンクリート要素を前記型から取り出すステップと、を含み、
前記ローラ軸の周囲に前記型を配置するステップの前に、複数の締結部材案内手段を前記型内の所定位置に配置して前記端縁部間に延在させるステップ(St3)を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記案内手段を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記案内手段の緊張を緩めるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
緊張部材を前記案内手段に配置するステップと、
前記緊張部材を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記緊張部材を解放して前記案内手段から取り出すステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
開口中空コンクリート要素を製造するための構造であって、
基本的に水平なローラ軸と、
前記コンクリート要素の外周形状を成形する筒状型壁と、前記型壁のそれぞれの端部における内周より小さい内周を有する、前記コンクリート要素の端面を成形する第1および第2の端縁部とを備える型であって、前記ローラ軸が回転時に前記コンクリート要素の内周形状を成形するように前記第1および第2の端縁部の前記内周との当接によって前記ローラ軸によって回転可能に支持される型と、
を備え、
前記型壁の内周面は、前記回転軸線の方向に沿う方向および前記回転軸線の方向に対する半径方向の少なくとも一方について変化する前記コンクリート要素の外面を成形することを特徴とする構造。
【請求項25】
前記ローラ軸の直径はその回転軸線の方向に沿って変化することを特徴とする請求項24に記載の構造。
【請求項26】
前記第1および第2の端縁部の前記内周の円周は円周長の比率Cだけ互いに異なり、前記ローラ軸の前記それぞれの当接部における直径は前記円周長の比率Cだけ互いに異なることを特徴とする請求項25に記載の構造。
【請求項27】
前記ローラ軸は前記型壁の形状に似せて形作られることを特徴とする請求項25または26に記載の構造。
【請求項28】
前記型壁は基本的に回転対称の形状を画成することを特徴とする請求項24乃至26の何れか1項に記載の構造。
【請求項29】
前記型壁はその回転軸線の方向に沿って円形断面を画成することを特徴とする請求項24乃至27の何れか1項に記載の構造。
【請求項30】
前記型壁は円錐台を画成することを特徴とする請求項24乃至28の何れか1項に記載の構造。
【請求項31】
前記型壁は前記コンクリート要素の複雑な外形を画成することを特徴とする請求項24乃至29の何れか1項に記載の構造。
【請求項32】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の軸方向要素区画に分割するように配置された1つ以上の半径方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項24乃至30の何れか1項に記載の構造。
【請求項33】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の半径方向要素区画に分割するように配置された1つ以上の軸方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項24乃至31の何れか1項に記載の構造。
【請求項34】
前記型は、前記硬化後のコンクリート要素の取り出しを容易にするために、少なくとも2つの部分に分離可能であることを特徴とする請求項24乃至32の何れか1項に記載の構造。
【請求項1】
開口中空コンクリート要素の製造方法であって、
基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップであって、前記型は、前記コンクリート要素の外周形状を成形する筒状型壁と、前記型壁のそれぞれの端部における内周より小さい内周を有する、前記コンクリート要素の端面を成形する第1および第2の端縁部とを備え、前記ローラ軸が回転時に前記コンクリート要素の内周形状を成形するように前記第1および第2の端縁部の前記内周との当接によって前記型が前記ローラ軸によって回転可能に支持されるステップと、
前記型を回転させるために前記軸を回転させるステップと、
硬化性コンクリートを前記回転中の型に供給するステップと、
前記型の前記回転を停止するステップと、
硬化後の前記コンクリート要素を前記型から取り出すステップと、を含み、
前記型壁の内周面は、前記回転軸線の方向に沿う方向および前記回転軸線の方向に対する半径方向の少なくとも一方について変化する前記コンクリート要素の外形を成形することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ローラ軸の直径はその回転軸線の方向に沿って異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1および第2の端縁部の前記内周の円周は円周長の比率Cだけ互いに異なり、前記ローラ軸の前記それぞれの当接部の直径は前記円周長の比率Cだけ互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ローラ軸は前記型壁の形状に似せて形作られることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記型壁は基本的に回転対称の形状を画成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記型壁は、その回転軸線の方向に沿って円形断面を画成することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記型壁は円錐台を画成することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記型壁は前記コンクリート要素の複雑な外形を画成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ローラ軸の周囲に前記型を配置するステップの前に、複数の締結部材案内手段を前記型内の所定位置に配置して前記端縁部間にそれぞれ延在させるステップ(St3)をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記案内手段を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記案内手段の緊張を緩めるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
緊張部材を前記案内手段に配置するステップと、
前記緊張部材を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記緊張部材を解放して前記案内手段から取り出すステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記案内手段は管であることを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記端縁部の一方は、締結部材取り付け点(40)を前記案内手段の1つ以上に画成することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ローラ軸の周囲に前記型を配置するステップの前に、補強網を前記型内に配置するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記型に供給される前記コンクリートの少なくとも一部は繊維強化コンクリートであることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記供給するステップは、2つ以上の組成物から成るコンクリートの供給を含むことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
非コンクリート硬化材料を前記型に供給するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の軸方向要素区画に分割するように配置された1つ以上の半径方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の半径方向要素区画に分割するように構成された1つ以上の軸方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記型は、前記硬化後のコンクリート要素の取り出しを容易にするために、少なくとも2つの部分に分離可能であることを特徴とする請求項1乃至19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
開口中空コンクリート要素の製造方法であって、
基本的に水平なローラ軸の周囲に型を配置するステップであって、前記型は、前記コンクリート要素の外周形状を成形する筒状型壁と、前記型壁のそれぞれの端部における内周より小さい内周を有する、前記コンクリート要素の端面を成形する第1および第2の端縁部とを備え、前記ローラ軸が回転時に前記コンクリート要素の内周形状を成形するように前記第1および第2の端縁部の前記内周との当接によって前記型が前記ローラ軸によって回転可能に支持されるステップと、
前記型を回転させるために前記軸を回転させるステップと、
コンクリートを前記回転中の型に供給するステップと、
前記型の前記回転を停止するステップと、
硬化後の前記コンクリート要素を前記型から取り出すステップと、を含み、
前記ローラ軸の周囲に前記型を配置するステップの前に、複数の締結部材案内手段を前記型内の所定位置に配置して前記端縁部間に延在させるステップ(St3)を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記案内手段を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記案内手段の緊張を緩めるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
緊張部材を前記案内手段に配置するステップと、
前記緊張部材を所定の力で緊張させるステップと、
前記硬化後のコンクリート要素を前記型から取り出す前に、前記緊張部材を解放して前記案内手段から取り出すステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
開口中空コンクリート要素を製造するための構造であって、
基本的に水平なローラ軸と、
前記コンクリート要素の外周形状を成形する筒状型壁と、前記型壁のそれぞれの端部における内周より小さい内周を有する、前記コンクリート要素の端面を成形する第1および第2の端縁部とを備える型であって、前記ローラ軸が回転時に前記コンクリート要素の内周形状を成形するように前記第1および第2の端縁部の前記内周との当接によって前記ローラ軸によって回転可能に支持される型と、
を備え、
前記型壁の内周面は、前記回転軸線の方向に沿う方向および前記回転軸線の方向に対する半径方向の少なくとも一方について変化する前記コンクリート要素の外面を成形することを特徴とする構造。
【請求項25】
前記ローラ軸の直径はその回転軸線の方向に沿って変化することを特徴とする請求項24に記載の構造。
【請求項26】
前記第1および第2の端縁部の前記内周の円周は円周長の比率Cだけ互いに異なり、前記ローラ軸の前記それぞれの当接部における直径は前記円周長の比率Cだけ互いに異なることを特徴とする請求項25に記載の構造。
【請求項27】
前記ローラ軸は前記型壁の形状に似せて形作られることを特徴とする請求項25または26に記載の構造。
【請求項28】
前記型壁は基本的に回転対称の形状を画成することを特徴とする請求項24乃至26の何れか1項に記載の構造。
【請求項29】
前記型壁はその回転軸線の方向に沿って円形断面を画成することを特徴とする請求項24乃至27の何れか1項に記載の構造。
【請求項30】
前記型壁は円錐台を画成することを特徴とする請求項24乃至28の何れか1項に記載の構造。
【請求項31】
前記型壁は前記コンクリート要素の複雑な外形を画成することを特徴とする請求項24乃至29の何れか1項に記載の構造。
【請求項32】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の軸方向要素区画に分割するように配置された1つ以上の半径方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項24乃至30の何れか1項に記載の構造。
【請求項33】
前記型は、前記コンクリート要素を1つ以上の半径方向要素区画に分割するように配置された1つ以上の軸方向区画仕切りを備えることを特徴とする請求項24乃至31の何れか1項に記載の構造。
【請求項34】
前記型は、前記硬化後のコンクリート要素の取り出しを容易にするために、少なくとも2つの部分に分離可能であることを特徴とする請求項24乃至32の何れか1項に記載の構造。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図16】
【図17】
【図15a】
【図15b】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図16】
【図17】
【図15a】
【図15b】
【公表番号】特表2011−510844(P2011−510844A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544908(P2010−544908)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050456
【国際公開番号】WO2009/099360
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050456
【国際公開番号】WO2009/099360
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
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