説明

中空ペレットの押出成形のための方法および装置

中空ペレットを製造するための押出成形プロセスが記載される。さらに、中空ペレットを製造するために用いることができるペレタイザ装置も開示されている。プロセスおよび装置は、中空ペレットを製造するために、ダイオリフィスと、ダイオリフィス内に配置されるインサートとを有する押出成形ダイを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年5月16日に提出され、「中空ペレットの押出成形のための方法および装置」と題される米国特許仮出願第61/053,984号の利益を主張し、その全体は引用によりここに援用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は中空ペレットを製造するための押出成形プロセスに関し、押出成形ダイのダイ穴にインサートが配置され、そこから溶融材が押出されて中空ペレットを形成する。
【背景技術】
【0003】
2.先行技術の説明
ペレット化装置および押出成形処理による使用は、米国特許公報4,123,207; 4,251,198; 4,500,271; 4,621,996; 4,728,176; 4,888,990; 5,059,103; 5,403,176; 5,624,688; 6,332,765; 6,551,087; 6,793,473; 6,824,371; 6,925,741; 7,033,152; 7,172,397; 米国特許出願公報20050220920, 20060165834; ドイツ特許および出願公報DE 32 43 332, DE 37 02 841, DE 87 01 490, DE 196 42 389, DE 196 51 354, DE 296 24 638; 国際特許出願公報WO2006/087179, WO2006/081140, WO2006/087179, および WO2007/064580; ならびに欧州特許EP 1 218 156 および EP 1 582 327を含む先行技術明細書によって例示されるように、本譲受人による出願において長年紹介および/または用いられてきた。これら特許および出願はすべて本譲受人によって所有され、その全体は引用によりここに援用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの明細書はペレット化プロセスにおいてインサートを用いることについては触れていない。具体的には、これらの明細書は押出成形ダイ内にインサートを用いて、溶融材が押出成形ダイおよびインサートの周りに流れて中空ペレットが生成されることについては触れていない。
【0005】
本発明のさまざまな実施例は、押出成形ダイプレートによる複数のダイオリフィスにおいて同じ数のインサートを用いることにより、再現可能な中空ペレットを用意するための費用効果の高い方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の簡単な概要
好ましい形で簡単に記載されるが、本発明の種々の実施例は、押出成形ダイにおける少なくとも1つのダイオリフィスを通る少なくとも1つのインサートを用いることにより、中空ペレットを押出成形するためのプロセスを提供する。溶融材はインサートを含むダイオリフィスに入り、そこを通る。溶融材は好ましくは圧力によって押出成形され、冷却により中空ペレットをもたらし、形成される中空キャビティは、ペレット全体を通って連続して中空である、またはペレット内において完全にかつ外周が封入されている、またはその様々な組合せのうちの少なくとも1つであり得る。封入された中空キャビティは、少なくとも1つの場所においてペレットの外部に対して少なくとも穿孔されて接続される。
【0007】
中空ペレットは構造において再現可能であり、好ましくはポリマーであるが、どの溶融材およびどのジオメトリであってもよく、そのジオメトリはペレットの形状および中空キャビティの形状のどちらも任意である。得られる中空ペレットは、押出成形粘度、ダイスエリング、材料の組成、溶融物の温度、冷却速度、結晶化度、メルトインデックス、ペレット化プロセスの切削速度などに依存するが、これらに限定されない。
【0008】
したがって本発明の一局面に従い、相対的に一貫したかつ再現可能な中空ペレットを製造するための安価および費用効果の高い方法であって、押出成形ダイの少なくとも1つのオリフィス内において少なくとも1つのインサートを用いて、溶融材が押出成形され、ペレット形状、ペレット径、キャビティ形状、キャビティ径、およびペレット内のおよび/またはペレットを通るキャビティの貫通もしくはその欠如が制御される方法が提供される。
【0009】
特定の実施例において、中空ペレットを製造するための押出成形プロセスは、ダイオリフィスとダイオリフィス内に配置されるインサートとを含む押出成形ダイを介して溶融材を押出成形し、中空キャビティを有するペレットを製造するのに有効な押出成形された溶融材を冷却することを含む。押出成形ダイは、単体押出成形ダイ、取外し可能押出成形ダイアセンブリ、または他の構造を取り得る。一部の場合、押出は圧力を用いて行なうことができる。
【0010】
インサートは、マンドレル、複数のフィン、および複数のフィンテーパを含むことができる。
【0011】
ペレットの中空キャビティは、ペレットの第1表面を貫通し、連続的に延在してペレットの第2表面を通る。代替的に、中空キャビティはペレット内において完全に封入され得る。中空キャビティがペレットの第1表面を貫通し、ペレット本体の内部まで内側に延在することができる。ペレットが2つ以上の中空キャビティを有する場合、この種の中空キャビティを1つ以上ペレット内に導入することができる。
【0012】
溶融材は、ポリオレフィン、架橋性ポリオレフィン、ビニルポリマー、置換ビニルポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ワックス、その共重合体、または前記のうちの少なくとも2つを含む調合物から選択することができる。
【0013】
中空ペレットを製造する別の押出成形プロセスは、溶融材をペレタイザに供給し、圧力を用いてペレタイザの押出成形ダイを介して溶融材を押出成形し、中空キャビティを有するペレットを製造するのに有効な押出成形された溶融材を冷却することにかかわる。ペレタイザは水中ペレタイザであり得る。
【0014】
ペレタイザの押出成形ダイは、ダイオリフィスと、ダイオリフィス内に配置されるインサートとを有することができ、インサートはマンドレル、複数のフィン、および複数のフィンテーパを含む。場合によっては、押出成形ダイは溶融材が押出される複数のダイオリフィスを含み、複数のダイオリフィスの各ダイオリフィスはインサートを有する。
【0015】
一部の実施例に従うペレタイザは、溶融材を受け入れるための入口と、入口の下流にあり、溶融材を押出すためのダイオリフィスと、ダイオリフィス内に配置されるインサートとを含むことができ、インサートはマンドレル、複数のフィン、および複数のフィンテーパを含み、さらに押出された溶融材をペレタイザから搬送するための出口を含む。ペレタイザは水中ペレタイザであり得る。場合によっては、インサートはマンドレルを中心に配置される少なくとも4つのフィンを有し、少なくとも4つのフィンの各々は、隣接するフィンに対して約90°以下離れて配置される。押出された溶融材は、中空キャビティを有するペレットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の単体押出成形ダイアセンブリの一実施例であって、穿孔は単体構造である略縦断面図である。
【図2】本発明の取外し可能インサート押出成形ダイアセンブリであって、穿孔は取外し可能中央構造である略縦断面図である。
【図3】ダイオリフィスとインサートとの関係を示す略縦断面図である。
【図4】インサートの略図である。
【図5】ダイ穴におけるインサートの断面図である。
【図5a】線aにおけるダイ穴内のインサートの水平断面図である。
【図5b】線bにおけるダイ穴内のインサートの水平断面図である。
【図5c】線cにおけるダイ穴内のインサートの水平断面図である。
【図5d】線dにおけるダイ穴内のインサートの水平断面図である。
【図6】上面、断面、および側面のさまざまなペレットジオメトリの図である。
【図6a】中空が完全に貫通する円筒形ペレットの上面図である。
【図6b】図6aの中空略円筒形ペレットの断面図である。
【図6c】図6aの中空略円筒形ペレットの側面図である。
【図6d】ほぼ丸いペレットの上面図である。
【図6e】図6dの丸いペレットを通る断面図である。
【図6f】ほぼ矩形のペレットの上面図である。
【図6g】図6fのペレットを通り、その矩形ペレット内の丸い中空またはキャビティを示す断面図である。
【図6h】ほぼ丸いペレットの上面図である。
【図6i】図6hのペレットを通り、キャビティがペレット壁に向かいかつ貫通する穿孔を有する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
本発明の好ましい実施例のみが詳細に説明されるが、本発明は以下の説明または図面に示される構造および部品の配置の詳細に限定されないことは理解されるであろう。本発明では他の実施例が可能であり、さまざまな態様で実施または行なうことができる。さらに、好ましい実施例の記載において、明瞭にするために特定の用語が用いられる。各特定の用語は、同様の目的を達成するために同様の態様で動作するすべての技術的均等物を含むことは理解されるであろう。
【0018】
図面を参照して、図1は、ペレタイザのコンポーネントに関連する本発明の一実施例を示す。ペレタイザは、溶解および/または混合装置(図示されていない)からの入口ハウジング12を含む。入口ハウジング12は、有機物、オリゴマー、ポリマー、ワックス、およびその組合せであって、これらに限定されない溶融材や他の押出物(以下、集合的に「プロセス溶融物」と呼ぶ)のための通路14を含む。ノーズコーン16はプロセス溶融物を単体押出成形ダイ10の上流側に方向付け、ねじ切りされたロッド(図示されていない)によって取付け可能に接続されている。ねじ切りされたロッドは一方端がノーズコーン16のねじ切りされたボア18内に捩じ込まれ、その遠位端は単体押出成形ダイ10のねじ切りされたボア20に捩じ込まれる。代替的に、ノーズコーン16は単体押出成形ダイ10と一体であることができ、上記のように取付け可能に接続される必要はない。
【0019】
単体押出成形ダイ10は少なくとも1つ、好ましくは複数のダイ穴22を含み、単独で、または複数で同心円状に少なくとも1つのリングとして、単体押出成形ダイ10の上流面24から下流面26に延在するよう配置される。裁断室(図示されていない)における回転可能に駆動されるカッターハブ30に取付けられる複数のナイフブレードアセンブリ28により、押出成形され、冷却され、および少なくとも部分的に凝固されたプロセス溶融物がペレットとして裁断される。こうして形成されたペレットは、機械的に、空気圧で、流体圧で、およびその組合せによって、下流の処理へと搬送される。
【0020】
下流側の面26の領域は、ダイ穴22と円周方向において隣接する少なくとも1つの環状凹所またはキャビティ32を形成するように任意に削り出すことができ、ダイ穴22は、単体押出成形ダイ10のベースプレート36と連続する突出部34内に含まれる。突出部34を有するまたは有さないダイ穴22内において、以下に詳細に説明される同じ数のインサート50がある。環状カバープレート38は、環状凹所またはキャビティ32上に重なり、ろう付け、溶接、または当業者にとって既知である同様の技術により、ベースプレート36および突出部34に取付け可能に接続される。カバープレート38は少なくとも耐摩耗性および耐腐食性のどちらかを有する金属、好ましくはニッケル鋼、耐摩耗加工材、好ましくは炭化タングステン、およびそのいくつもの組合せからなり得る。同様に、ベースプレート36および/または突出部34に対するカバープレート38の取付けは、好ましくは溶接、ろう付けなどによって達成される。カバープレート38の表面および単体押出成形ダイ10の下流面26は、当業者にとって既知であるように、耐薬品性、耐摩耗性、耐腐食性、および耐摩滅性のコートで被覆されてもよい。
【0021】
図2は本発明の第2の実施例の取外し可能インサート押出成形ダイアセンブリ100を示す。取外し可能インサート押出成形ダイアセンブリ100は、ベースプレート105および取外し可能インサート110からなる。図1と同様に、取外し可能インサート押出成形ダイアセンブリ100は、溶解および/または混合装置(図示されていない)からの入口ハウジング12に取付け可能に接続されている。入口ハウジング12は、上記のようにプロセス溶融物のための通路14を含む。ノーズコーン16はプロセス溶融物を取外し可能インサート110の上流側に方向付け、ねじ切りされたロッド(図示されていない)によって取付け可能に接続されている。ねじ切りされたロッドは一方端がノーズコーン16のねじ切りされたボア118内に捩じ込まれ、その遠位端は取外し可能インサート110のねじ切りされたボア120内に捩じ込まれる。
【0022】
取外し可能インサート110は少なくとも1つ、好ましくは複数のダイ穴22を含み、単独で、または複数で同心円状に少なくとも1つのリングとして、取外し可能インサート110の上流面124から下流面126に延在するよう配置される。裁断室(図示されていない)における回転可能に駆動されるカッターハブ30に取付けられる複数のナイフブレードアセンブリ28により、押出成形され、冷却され、および少なくとも部分的に凝固されたプロセス溶融物がペレットとして裁断される。こうして形成されたペレットは、機械的に、空気圧で、流体圧で、およびその組合せによって、下流の処理へと搬送される。
【0023】
下流側の面126の領域は、ダイ穴22と円周方向において隣接する少なくとも1つの環状凹所またはキャビティ132を形成するように任意に削り出すことができ、ダイ穴22は、取外し可能インサート110の取外し可能センターベースプレート136と連続する突出部134に含まれる。突出部134を有するまたは有さないダイ穴22内において、以下に詳細に説明される同じ数のインサート50がある。環状カバープレート138は、環状凹所またはキャビティ132上に重なり、ろう付け、溶接、または当業者にとって既知である同様の技術により、取外し可能センターベースプレート136および突出部134に取付け可能に接続される。カバープレート138は少なくとも耐摩耗性および耐腐食性のどちらかを有する金属、好ましくはニッケル鋼、耐摩耗加工材、好ましくは炭化タングステン、およびそのいくつもの組合せからなり得る。同様に、取外し可能センターベースプレート136および/または突出部134に対するカバープレート138の取付けは、好ましくは溶接、ろう付けなどによって達成される。カバープレート138の表面および取外し可能インサート110の下流面126は、当業者にとって既知であるように、耐薬品性、耐摩耗性、耐腐食性、および耐摩滅性のコートで被覆されてもよい。
【0024】
単体押出成形ダイ10および取外し可能インサート押出成形ダイアセンブリ100において、加熱および/または冷却プロセスは、従来開示されているように、電気抵抗、誘導、蒸気または熱伝導流体によって行なうことができる。図2の取外し可能インサート110およびベースプレート105は、代替的に同様のまたは異なる機構により、別々に加熱することができる。好ましくは、図1および図2に示されるように、加熱要素46が単体押出成形ダイ10または取外し可能インサート押出成形ダイアセンブリ100にそれぞれ挿入される。当業者にとって既知である他の構成も、引用により援用されるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
単体押出成形ダイ10の図3を参照して、ダイ穴22内にインサート50が示され、ダイ穴22は上流面24からベースプレート36の任意の突出部34を通ってカバープレート38の下流面26まで延在する。明瞭にするために、任意の環状凹所およびキャビティ32も示されている。同様のアセンブリが、取外し可能インサート110に付随するが、図示されていない。
【0026】
図4はインサート50の構造の詳細を示し、マンドレル52、複数のインサートフィンテーパ54、および複数のフィン56を含む。インサート50は耐摩耗材からなり、好ましくは金属である。この金属は、アルミニウム、黄銅、ブロンズ、銅、鋼、工具鋼、カーボンスチール、バナジウム鋼、ステンレススチール、ニッケル鋼、ニッケルなどであり得るが、これらの限定されない。より好ましくは、この金属は熱伝導に優れている、黄銅、ブロンズ、銅などである。如何なる理論によっても限定される意図はないが、熱伝導金属は図1、図2および図3のダイ穴22内に入って通るプロセス溶融物の温度の均一性を維持すると考えられている。これは材料が複数のフィン56によって形成される複数の通路内を流れる際の熱の損失および/または温度の変動をできるだけ減らすのに有効である。
【0027】
インサート50の寸法は、処理温度におけるダイ穴22の寸法を超えないものでなければならず、インサート50の金属が図1のベースプレート36または図2の取外し可能インサート110の金属と異なる場合には、膨張差を考慮しなければならない。フィン56はプロセス溶融物についての複数の流通通路を形成するだけでなく、ダイ穴22内におけるインサート50の位置を保持する働きがある。フィンの最低個数は少なくとも二つ(2)であり、好ましくは三つ(3)である。インサート50はより好ましくは四つ(4)以上のフィン52がある。複数のフィン56は隣接するフィンに対して任意の角度で配向されて、ポリマー溶融物が流れる通路を形成する。好ましくはフィンは180°以下の角度で離れている。より好ましくは、フィンは120°以下の角度で離れている。最も好ましくは、フィンは90°以下の角度で離れている。
【0028】
図5はダイ穴22内のインサート50を示し、マンドレル52の大部分はダイランド60にあり、インサートフィンテーパ54は寸法的にダイ穴テーパ62とほぼ対応し、フィン56はほぼプリランド管64内にある。ダイランド60の長さは、典型的には少なくとも約0.38ミリメートル(約0.015インチ)から約31.75ミリメートル(約1.25インチ)の範囲にあり、好ましくは少なくとも約0.64ミリメートル(約0.025インチ)から約25ミリメートル(約1.00インチ)である。ダイランド60内のマンドレル52は、好ましくはダイランド60の長さよりも小さく、より好ましくはダイランドの長さよりも少なくとも約0.50ミリメートル(約0.025インチ)小さく、マンドレルの先端は図1のダイの下流面26、または図2の下流面126よりわずかに中にある。ダイランド60および/またはマンドレル52は円筒形または先細り、およびジオメトリにおいて丸、楕円、矩形などであり得る。同様に、ダイランド60およびマンドレル52は同様のまたは異なるジオメトリであり得る。インサート50はダイ穴22内に圧入、好ましくは摺動嵌合される。
【0029】
インサートフィンテーパ54は角度においてダイ穴テーパ62と同様であり、0°から90°の範囲にある角度66を有し、これはダイ穴テーパ62の接合部において、プリランド管64の径にある垂直のシリンダから測定される。好ましくは、ここに記載される角度66は15°から45°の範囲にある。インサートフィンテーパ54は、ダイ穴テーパ62と同じまたは異なる外形であって、寸法上フィン56の径からマンドレル52の径に先細りとなる。同様に、フィン56はプリランド管64のジオメトリと類似、たとえば円筒形もしくは先細りやその組合せと類似、またはジオメトリにおいて異なり得る。好ましくは、プリランド管64およびフィン56は円筒状である。フィン56の長さは、プリランド管64の長さと同じであり得るが、好ましくはプリランド管64の長さよりも短い。より好ましくは、フィンの長さは、フィンがプリランド管64の長さに対して外に突出しないよう、プリランド管64の長さよりも少なくとも約0.50ミリメートル(約0.020インチ)短い。
【0030】
図5aは、線aにおけるプリランド管64内のフィン56の例示的断面配置を示す。図5bは、線bにおけるダイ穴テーパ62のインサートフィンテーパ54の例示的断面配置を示す。図5cは、線cにおける、ダイランド60のインサートフィンテーパ54への装着点でのマンドレル52の例示的断面配置を示す。図5dは、線dにおけるダイランド60の任意に先細りとなるマンドレル52を示す。
【0031】
図6は、本発明に従い形成される中空ペレットのさまざまなジオメトリを示す。図6aは、中空キャビティが完全に貫通する円筒形ペレットの上面図である。図6bは、図6aの中空のほぼ円筒形のペレットの断面図である。図6cは同じペレットの側面図である。図6dはほぼ丸いペレットの上面図であり、図6eはそのペレットの断面を示す。図6fは、ほぼ矩形のペレットの上面図であり、図6gはそのペレットの断面図であり、その矩形ペレット内の丸い中空キャビティを示す。図6hは、ほぼ丸いペレットの上面図であり、図6iはそのペレットの断面図であり、ペレット壁に向かいかつ貫通する穿孔を有するキャビティを示す。本発明の方法に従い、限定されずに多くのペレットの形状およびキャビティの形状が得られることは当業者にとって理解されるであろう。
【0032】
中空ペレットの成形は、溶融物のリオロジー、特に溶融物の粘度によって著しく制御される。部分的に溶解される材料は、上記の図6a、図6b、および図6cに示されるように、典型的にはカラー状の、またはドーナツ状のペレットを形成する。溶融物の粘度が減少し、メルトフローインデックスが増加すると、ペレットのより高い閉鎖性が達成されて、図6d、図6e、図6fおよび図6gに示されるように、完全に封入されたキャビティが形成される。溶融物の粘度がさらに下がり、メルトフローインデックスが増加すると、より完全に封入されていないキャビティは生成され、穿孔が入り、最終的にはキャビティが崩壊または部分的に崩壊して、不規則なキャビティのジオメトリをもたらす。
【0033】
さらに、化学的組成、溶融点範囲や結晶度といったファクタも、プロセス溶融物の流動性および温度に影響するので重要である。結晶化は典型的には発熱を伴い、溶融物プロセス温度を上げて、粘度を下げることになる。溶融点範囲が狭くなればなるほど、凝固を著しく上げるために必要な冷却は少なくなり、キャビティが完全に貫通するカラー状またはドーナツ状のペレットと比べて、より完全に封入されたキャビティを形成することがより困難となる。ポリマーの極性、分岐、および疎水性/親水性相互作用は、溶解位相での特性および凝固をもたらすプロセスに影響を与える。ダイを出る際に膨らむ材料の機能は、特定の径を有するキャビティを含む所望の径のペレットを得るために、ペレットの閉鎖性、ならびに図5のマンドレル52およびダイランド60の径での必要な違いを評価するのに重要な要因である。溶融物の粘度が下がると、これらの変数の制御は下がり、結晶化での温度の影響は、もしあれば、増加する。
【0034】
吸湿性は、ペレット化が好ましい水中ペレット化で行なわれた場合における、水分の可能な封入を解明する手段として評価された。搬送流体、好ましくは水の封じ込めが、生成された中空キャビティで起こった場合、水分は比例して高くなると予測された。驚くべきことに、中空ペレットのより小さい質量に対する同等の径の固体ペレットの質量の違いを考慮すると、水分含有量は予測された量よりも著しく小さいことが見出された。さらに驚くべきことに、材料の極性が強くなるにつれ、水分減少が増えた。たとえば、ポリエチレンおよびポリプロピレンの中空ペレットは、匹敵する径の固体ペレットと匹敵する水分量を有することがわかり、それに対してエチルビニルアセテートの中空ペレットは固体ペレットの水分の約2分の1から3分の2を有することがわかった。
【0035】
本発明に係わる中空ペレットを製造するのに用いられる材料として、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、架橋性ポリオレフィン、ビニルポリマー、置換ビニルポリマーであって、脂肪族および芳香族のポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ワックス、共重合体、ならびにその調合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0036】
予測されたように、押出成形プロセスの背圧はインサートを用いることにより増加し、ダイを通る穴の数を増やすこと、プロセス溶融物の温度を上げること、およびダイの温度を上げることのうちの少なくとも1つにより緩和されることがわかった。これらの要因は、当業者にとって理解されるように、驚くべき結果をもたらすものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空ペレットを製造するための押出成形プロセスであって、
プロセスは
ダイオリフィスおよびダイオリフィス内に配置されるインサートを含む押出成形ダイを介して溶融材を押出成形することと、
中空キャビティを有するペレットを製造するのに有効な押出成形された溶融材を冷却することとを備える、プロセス。
【請求項2】
中空キャビティは、ペレットの第1表面を貫通し、連続的に延在してペレットの第2表面を通る、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
中空キャビティは、ペレット内において完全に封入されている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
中空キャビティは、ペレットの第1表面を貫通し、ペレット本体の内部まで内側に延在する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
押出成形は圧力押出成形を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
溶融材は、ポリオレフィン、架橋性ポリオレフィン、ビニルポリマー、置換ビニルポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリスルホン、ワックス、その共重合体、または前記のうちの少なくとも2つを含む調合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
インサートは、マンドレル、複数のフィン、および複数のフィンテーパを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
押出成形ダイは、単体押出成形ダイまたは取外し可能押出成形ダイアセンブリである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
中空ペレットを製造するための押出成形プロセスであって、プロセスは
溶融材をペレタイザに供給することと、
圧力を用いてペレタイザの押出成形ダイを介して溶融材を押出成形することとを備え、押出成形ダイは、ダイオリフィスと、ダイオリフィス内に配置されるインサートとを含み、インサートはマンドレル、複数のフィン、および複数のフィンテーパを含み、さらに
中空キャビティを有するペレットを製造するのに有効な押出成形された溶融材を冷却することを備え、中空キャビティはペレットの第1表面を貫通し、連続的に延在してペレットの第2表面を通り、またはペレット内において完全に封入され、またはペレットの第1表面を貫通し、ペレット本体の内部まで内側に延在する、押出成形プロセス。
【請求項10】
押出成形ダイは単体押出成形ダイまたは取外し可能押出成形ダイアセンブリである、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
押出成形ダイは溶融材が中を押出成形される複数のダイオリフィスを含み、複数のダイオリフィスの各ダイオリフィスはインサートを含む、請求項9に記載のプロセス。
【請求項12】
ペレタイザは水中ペレタイザである、請求項9に記載のプロセス。
【請求項13】
ペレタイザであって、
溶融材を受入れるための入口と、
入口下流において、溶融材を押出成形するためのダイオリフィスと、
ダイオリフィス内に配置されるインサートとを備え、インサートは、マンドレル、複数のフィン、および複数のフィンテーパを含み、さらに
押出成形された溶融材をペレタイザから搬送するための出口を備える、ペレタイザ。
【請求項14】
インサートは少なくとも4つのフィンを含み、少なくとも4つのフィンの各々は、マンドレルを中心に、隣接するフィンに対して約90°以下離れて配置される、請求項13に記載のペレタイザ。
【請求項15】
ペレタイザは水中ペレタイザである、請求項13に記載のペレタイザ。
【請求項16】
押出成形された溶融材は、中空キャビティを有するペレットを含む、請求項13に記載のペレタイザ。
【請求項17】
中空キャビティは、ペレットの第1表面を貫通し、連続的に延在してペレットの第2表面を通り、またはペレット内において完全に封入され、またはペレットの第1表面を貫通し、ペレット本体の内部まで内側に延在する、請求項16に記載のペレタイザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図6f】
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【図6g】
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【図6h】
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【図6i】
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【公表番号】特表2011−522715(P2011−522715A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509774(P2011−509774)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044220
【国際公開番号】WO2009/140643
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(500092365)ガラ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (23)
【氏名又は名称原語表記】Gala Industries, Inc.
【Fターム(参考)】