説明

中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置

【課題】中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置の提供。
【解決手段】内部に収容空間が形成された一定の長さの弾性チューブ1と、外部電圧の印加の際に上記弾性チューブ1の長さ方向に弾性チューブ1を伸縮するよう弾性チューブ1の外部に嵌められて設けられ、電界を印加すると長さ方向に力と変位を発生させる中空型のアクチュエータ2とを含み、外部電圧の印加の際に中空型のアクチュエータ2が弾性チューブ1の長さ方向に伸長或いは収縮することにより弾性チューブ1の内部空間の体積を縮小或いは拡張させて液を精密に吐出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常に精密で定量を吐出する液滴(droplet)ディスペンシング装置に関するもので、詳しくは、中空型の圧電セラミックの両断面に電極が塗布された素子を複数層に積層し接着して構成された中空型の積層圧電アクチュエータをチューブの外部に設けて構成され、圧電素子が長さ方向に伸縮することによってチューブが収縮或いは伸長し、チューブの内部に内容物が流入或いは排出される中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置に関する。
【0002】
即ち、このように中空型の積層圧電素子で構成して圧電素子に供給される電源を制御することによって、チューブから排出される内容物の量を精密に制御できるようにした中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置に関する。
【背景技術】
【0003】
微細液滴ジェッティング技術は、精密機械、半導体産業分野、化学工程装備産業分野及び医療、バイオ産業分野、特に、次世代半導体/ディスプレイ製造工程において様々なパッケージング或いは超精密カラーパターニング、デジタルプリント(Digital Textile Printing)、小型部品の立体成形、そして化学分析装備及びバイオチップ/センサー産業などに適用できる技術であって、製品の歩留まり向上及び生産性の増加などの側面で重要な核心工程技術の一つである。
【0004】
このような微細液滴ジェッティング技術のうち、現在主に使われているディスペンシング方法は、圧縮空気と電子弁を利用した空気圧駆動方式を適用しているが、空気の圧縮性による精密度の低下及びノズルの詰りによる取替え周期の減少により生産コストの増加などの問題がある。
【0005】
このような短所を補完して開発されたものとして圧電素子を利用して構成された液滴ジェッティングのためのディスペンシング手段がある。
【0006】
このような圧電素子を利用したディスペンサーの中には、薄いディスク型の圧電素子の反り変位を利用したものと、積層型圧電アクチュエータの長さ方向の変位を利用してメタルダイアグラムを作動させるものなどがあるが、これらは構造が複雑で体積が大きいという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような従来技術の問題を解決するために開発されたもので、高速の応答性と大きな力を発生させることのできる中空型のアクチュエータで駆動手段を構成し、より正確で、応答速度の速い中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置を提供することを目的とする。
【0008】
即ち、薄い中空型の圧電セラミックの両面に電極が塗布された素子を複数層に積層し接着して構成された中空型のアクチュエータをチューブの外部に設けてアクチュエータが長さ方向に伸縮することによって、チューブが収縮或いは伸長するようにしてチューブの内部の内容物が流入或いは排出されるようにした中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するための具体的な手段として、本発明は、弾性体からなり内部に収容空間が形成された一定の長さの弾性チューブと、外部電圧の印加時に上記弾性チューブの長さ方向に上記弾性チューブを伸縮するよう上記弾性チューブの外部に嵌められて設けられ、電界を印加すると長さ方向に力と変位を発生させる中空型のアクチュエータと、を含み、外部電圧の印加時に中空型のアクチュエータが弾性チューブの長さ方向に伸長或いは収縮することにより、上記弾性チューブの内部空間の体積を縮小或いは拡張させることを特徴とする中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置を提供する。
【0010】
好ましく、上記弾性チューブは、上記中空型のアクチュエータと対応する胴体の外部面に変形部を含み、上記変形部は折り目状に備えられる。
【0011】
好ましく、上記弾性チューブは、胴体の外部面に形成された雄ネジ部にネジ結合されて上記中空型のアクチュエータの一端部に接する雌ネジ部材を備える。
【0012】
好ましく、上記弾性チューブは保護ケースをさらに含み、上記保護ケースは上記弾性チューブの入り口が挿入されて固定される上部開口部と、上記弾性チューブの出口と一定間隔を置いて離隔される下部開口部と、を備える。
【0013】
好ましく、上記弾性チューブは、上記中空型のアクチュエータと対応する胴体の外部面に変形部を含み、上記変形部は内径が一定長さの均一な中央領域と入り口との間を連結する境領域と、上記中央領域と出口との間を連結する他の境領域とを、上記入り口と出口に行くほど内径が小さくなる断面状に備える。
【0014】
好ましく、上記弾性チューブは、入り口と出口の各外部面に形成された雄ネジ部とそれぞれネジ結合されて上記中空型のアクチュエータの上端と下端にそれぞれ接する上部フレンジと下部フレンジを備える。
【0015】
好ましく、上記弾性チューブは、上記中空型のアクチュエータと対応する胴体の外部面に少なくとも一つの変形部を含み、上記変形部は上記弾性チューブの入り口と出口の外径より相対的に小さい外径サイズに備えられ、胴体の外部面が外側に膨らんで曲がる断面状に備えられる。
【0016】
好ましく、上記弾性チューブは、入り口の外部面に形成された雄ネジ部にネジ結合されて上記中空型のアクチュエータの一端部と接する上部フレンジと、上記弾性チューブの出口から外側に延長されて上記中空型のアクチュエータの他端部が接する下部フレンジと、を備える。
【0017】
さらに好ましく、上記弾性チューブは、出口に排出ノズルを備える。
【0018】
さらに好ましく、上記弾性チューブと中空型のアクチュエータとの間には弾性体モールドが満たされる。
【0019】
さらに好ましく、上記弾性チューブは、入り口に逆流防止手段を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、発生変位が印加電圧に高速で応答する中空型のアクチュエータを利用してチューブの内部空間の体積を収縮或いは膨張させる形で加圧してチューブ内の内容物がチューブの内外部に一定量ずつ出入りするよう構成することにより、全体の構造が簡単で組立て構造が単純なため製造コストを低減することができ、体積が小さいため軽薄短小の小型化の製品設計に適しながらも高速の応答性を有することができるという効果がある。
【0021】
また、中空型のアクチュエータがチューブの長さ方向に伸縮する際に垂直及び水平に同時に発生する大きな力を利用することにより、粘度の高い液体などのディスペンシングにも使用しやすいだけでなく、チューブ型のアクチュエータに印加される電圧に比例した力と変位量を利用して外部に排出される吐出量を精密に制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施例によるディスペンシング装置を図示した縦断面図である。
【図2a】図1に図示したディスペンシング装置の作動状態を図示したものとして、吸入状態を図示したものである。
【図2b】図1に図示したディスペンシング装置の作動状態を図示したものとして、排出状態を図示したものである。
【図3】本発明の第2実施例によるディスペンシング装置を図示した縦断面図である。
【図4a】図3に図示したディスペンシング装置の作動状態を図示したものとして、吸入状態を図示したものである。
【図4b】図3に図示したディスペンシング装置の作動状態を図示したものとして、排出状態を図示したものである。
【図5】本発明の第3実施例によるディスペンシング装置を図示した縦断面図である。
【図6a】図5に図示したディスペンシング装置の作動状態を図示したものとして、吸入状態を図示したものである。
【図6b】図5に図示したディスペンシング装置の作動状態を図示したものとして、排出状態を図示したものである。
【図7】本発明の第3実施例によるディスペンシング装置を図示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照にさらに詳しく説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施例によるディスペンシング装置を図示した縦断面図であり、図2は、図1に図示したディスペンシング装置の作動状態を説明するためのものとして、図2aは吸入状態を図示したもので、図2bは排出状態を図示したものである。
【0025】
本発明の第1実施例による中空型のアクチュエータ駆動型液滴ディスペンシング装置Hは、図1及び図2(a)(b)に図示したように、弾性チューブ1と中空型のアクチュエータ2を含む。
【0026】
上記弾性チューブ1は外力による弾性の変形が可能で、胴体の中央に液体或いは粉末のような内容物が満たされるよう内部空間を形成する一定の長さの中空弾性体からなることができる。
【0027】
上記中空型のアクチュエータ2は上記弾性チューブ1の胴体の外部に嵌められて固定して設けられ、外部電源と電気的に連結され、電源の印加時に上記弾性チューブ1の全体或いは特定の部分を弾性変形させるよう上記弾性チューブの長さ方向に伸長或いは収縮しながら外力を提供する駆動手段である。
【0028】
そして、上記弾性チューブ1は実際にディスペンシング(dispensing)するための液体や粉末などのような内容物が入れられ排出される手段として弾性変形力に優れた金属素材から製造されることができる。
【0029】
上記弾性チューブ1は、図1に図示したように、上記中空型のアクチュエータ2が配置された位置と対応する胴体の外部面に外力による弾性変形が可能な変形部1aを備える。
【0030】
このような変形部1aは、外力による長さ方向の変形量を極大化させることができるよう、縦断面が一定の周期を有する斜断面或いは波形断面の折り目状に備えられることが好ましく、上記弾性チューブ1の胴体の外部面を切削、圧延のような機械加工によって上記変形部1aを形成することができる。
【0031】
これによって、上記中空型のアクチュエータ2が電圧印加の時に長さ方向に伸縮すると、弾性チューブの胴体中央に貫通形成された内部空間は、内径が小さくなることにより体積の変化が発生するよう弾性変形され、このような弾性変形は折り目状からなる変形部1aによってさらに容易かつ大きな変形量からなることができる。
【0032】
上記弾性チューブ1の胴体の外部面に形成された雄ネジ部1bにネジ結合されて弾性チューブの胴体の外部面に沿って移動する雌ネジ部材15を備えることが好ましい。
【0033】
これによって、上記弾性チューブ1の胴体の外部面に配置される中空型のアクチュエータ2の一端部に雌ネジ部材15が接した状態で雄ネジ部1bに沿ってネジ移動すると、上記弾性チューブ1に他端部が接して移動し難いアクチュエータ2をネジ移動方向に加圧しながら上記アクチュエータ2に予備圧縮荷重を与えると同時に上記変形部1aには予備引き張り荷重を与えることができる。
【0034】
この際、上記アクチュエータ2の他端部は、上記弾性チューブ1の胴体の外部面に陥没或いは突出形成される段差部に接して移動し難いよう配置されなければならない。
【0035】
ここで、上記雌ネジ部材15は変形部1aの上側に該当する弾性チューブ1の胴体の外部面に形成された雄ネジ部にネジ結合されて上側から下側にネジ移動するものと図示し説明しているが、これに限定されるものではなく上記変形部1aの下側に該当する弾性チューブの胴体の外部面に形成される雄ネジ部にネジ結合されて下側から上側にネジ移動するもので備えられることもできる。
【0036】
そして、上記アクチュエータ2の上端の一端部は、上記弾性チューブの特定の部分或いは雌ネジ部材15に接するか一体に連結され、上記アクチュエータ2の下端の他端部は、上記弾性チューブの特定の部分に接するか一体に連結される。
【0037】
また、上記中空型のアクチュエータ2は、薄板セラミックシートの両断面に所定の電極が塗布された圧電素子を多層に積層して構成された中空型の積層圧電体(Piezoelectric)からなることができるが、これに限定されるのではなく、電圧を印加すると長さ方向に力と変位を発生することができるようエレクトロ・マグネティック(Electro Magnetic)、エレクトリック・ポリマー・アクチュエータ(Electric Polymer Actuator)、形状記憶合金(Shape Memory Alloy)、電気モータ駆動線形アクチュエータのうちいずれか一つが選択的に採用されることができる。
【0038】
そして、図1ないし図2(a)(b)に図示したように、外部環境から上記中空型のアクチュエータ2と弾性チューブ1を保護するよう保護ケース10を備えることもできる。
【0039】
このような保護ケース10は、上記弾性チューブ1の内容物が流入される入り口11の外部面が固定される上部開口部10aと、上記弾性チューブ1の内容物が吐出される出口12と一定の間隔を置いて離隔されて分離される下部開口部10bを備えて上記弾性チューブ1と中空型のアクチュエータ2を保護ケースの内部空間に配置することにより、これらを外部環境から保護できる。
【0040】
ここで、上記弾性チューブ1の出口12は、上記保護ケース10の下部開口部10bと一定の間隔を置いて互いに対向し、同一の仮想の垂直軸上に配置され、上記下部開口部10bの内径は上記出口12の内径と同一或いは大きく形成されて上記弾性チューブ1の出口12から排出される内容物が上記下部開口部10bを通して保護ケース10の外部に排出されることができる。
【0041】
これによって、上記弾性チューブ1のノズル端である出口12を通した内容物の吐出の際に、上記弾性チューブ1の下部端が上記中空型のアクチュエータ2の繰り返し的な伸縮作動によるマイクロ変位によって上下振動するようになっても上記弾性チューブ1の下部端は保護ケース10と接しないだけでなく、上記保護ケースの下部端と上記出口から吐出される内容物が落下する基板のような被作業物同士の間隔を常に一定に維持することができ、これによって吐出される内容物の液滴が安定して所望の位置にディスペンシングされることができる。
【0042】
上記中空型のアクチュエータ2と電気的に連結されて電源を供給するケーブル部材(未図示)は上記保護ケースを貫通して外部に引き出される。
【0043】
図3は、本発明の第2実施例によるディスペンシング装置を図示した縦断面図であり、図4は、図3に図示したディスペンシング装置の作動状態を説明するためのものとして、図4aは吸入状態を図示したもので、図4bは排出状態を示したものである。
【0044】
本発明の第2実施例による中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置H’は、図3と図4(a)(b)に図示したように、弾性チューブ1’と中空型のアクチュエータ2’を含む。
【0045】
上記弾性チューブ1’は外力による弾性の変形が可能で、胴体の中央に液体或いは粉末のような内容物が満たされるよう内部空間を形成する一定の長さの中空弾性体であり、上記中空型のアクチュエータ2’は電源印加の際に上記弾性チューブ1’の全体或いは特定の部分を弾性変形させるよう上記弾性チューブの長さ方向に伸長或いは収縮しながら外力を提供する駆動手段である。
【0046】
このような弾性チューブ1’は、図3に図示したように、上記中空型のアクチュエータ2’が配置された位置と対応する胴体の外部面に外力による弾性の変形が可能な変形部1a’を備える。
【0047】
上記変形部1a’は、内径が一定の長さに均一な中央領域と入り口11’との間を連結する境領域と、上記中央領域と出口12’との間を連結する他の境領域とを、上記入り口と出口に行くほど内径が小さくなる断面状に備えることにより、上記変形部1a’は入り口11’と出口12’の横断面積より相対的に広い横断面積を備えるようになる。
【0048】
これによって、上記中空型のアクチュエータ2’が電圧印加時に長さ方向に伸縮すると、弾性チューブ1’の胴体の中央に貫通形成された内部空間は、内径が小さくなることにより体積の変化が発生するよう弾性変形され、このような弾性変形は入り口と出口より外側に内径が拡張された変形部1a’によって、さらに容易かつ大きな弾性変形量を有することができる。
【0049】
ここで、上記変形部1a’は第1実施例に開示されたように、折り目断面状の変形部から備えられることができる。
【0050】
上記弾性チューブ1’の入り口11’と出口12’の各外部面に形成された雄ネジ部1b’、1c’にそれぞれネジ結合されるよう雌ネジ孔を備えて上記弾性チューブ1’の胴体の外部面に沿って移動し、上記中空型のアクチュエータ2’の上端と下端にそれぞれ接する上部フレンジ20’と下部フレンジ21’を備えて、上記中空型のアクチュエータ2’は上記弾性チューブ1’を覆うよう上記弾性チューブ1’の入り口にネジ組立てられる上部フレンジ20’と上記弾性チューブ1’の出口にネジ組立てられる下部フレンジ21’との間に配置される。
【0051】
これによって、上記中空型のアクチュエータ2’の上下端に上下部フレンジ20’、21’が接した状態で、上記上下部フレンジのいずれか一つが雄ネジ部1b’、1c’に沿ってネジ移動すると、上記中空型のアクチュエータ2’をネジ移動の方向に加圧しながら上記アクチュエータ2’に予備圧縮荷重を与えることができる。
【0052】
また、上記中空型のアクチュエータ2’は、弾性チューブ1’の変形部1a’と一定の間隔を置いて上記変形部1a’を覆うよう配置されて電圧印加の際に長さ方向と共に直径方向にも伸縮変形することができるため、上記中空型のアクチュエータ2’と弾性チューブ1’との間の空間に、第2実施例と同様に弾性体モールド3’が満たされると、上記中空型のアクチュエータの長さ方向と直径方向の変位は上記弾性体モールド3’を通して上記変形部1a’に伝達されて上記弾性チューブ内の内容物を出口を通して外部に吐出したり入り口を通して流入する作動をより一層向上させることができる。
【0053】
また、上記弾性チューブ1’の出口12’には排出ノズル4’をさらに設けることにより、外部に内容物が排出される方向や排出量をより精密に調節することができる。
【0054】
図5は、本発明の第3実施例によるディスペンシング装置を図示した縦断面図であり、図6は図5に図示したディスペンシング装置の作動状態を説明するためのものとして、図6aは吸入状態を図示したもので、図6bは排出状態を図示したものであり、図7は、本発明の第3実施例によるディスペンシング装置を図示した斜視図である。
【0055】
本発明の第3実施例による中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置H’’は、図5ないし図7に図示したように、第1、2実施例と同様に弾性チューブ1’’と中空型のアクチュエータ2’’を含む。
【0056】
上記弾性チューブ1’’は、外力による弾性変形が可能で、胴体の中央に液体或いは粉末のような内容物が満たされるよう内部空間を形成する一定の長さの中空弾性体であり、上記中空型のアクチュエータ2’’は、電源印加時に上記弾性チューブ1’’の全体或いは特定の部分を弾性変形させるよう上記弾性チューブの長さ方向に伸長或いは収縮しながら外力を提供する駆動手段である。
【0057】
このような弾性チューブ1’’は、図5に図示したように、上記中空型のアクチュエータ2’’が配置された位置と対応する胴体の外部面に外力による弾性変形が可能な変形部1a’’を備える。
【0058】
上記変形部1a’’は上記入り口11’と出口12’の外径より相対的に小さい外径サイズに備えられ、胴体の外部面が外側に膨らんで曲がる断面状に備えられる。
【0059】
これによって、上記中空型のアクチュエータ2’’が電圧印加の際に長さ方向に伸縮すると、弾性チューブ1’’の胴体の中央に貫通形成された内部空間は、内径が小さくなることにより体積の変化が発生するよう弾性変形され、このような弾性変形は、入り口と出口より外径が縮小した変形部1a’’によってさらに容易かつ大きな弾性変形量からなることができる。
【0060】
ここで、上記変形部1a’’は第1実施例に開示されたように、折り目断面状の変形部或いは第2実施例に開示されたように、入出口より内径が外側に拡張された断面状の変形部で備えられることができる。
【0061】
上記弾性チューブ1’’の入り口11’’の外部面に形成された雄ネジ部1b’’にネジ結合されるよう雌ネジ孔を備えて上記弾性チューブ1’’の胴体の外部面に沿って移動して上記中空型のアクチュエータ2’’の上端と接する上部フレンジ20’’と、上記弾性チューブ1’’の出口12’’から外側に延長されて上記中空型のアクチュエータ2’’の下部端が接する下部フレンジ21’’とを備えて、上記中空型のアクチュエータ2’’は上記弾性チューブ1’’を覆うよう上記弾性チューブ1’’の入り口にネジ組立てられる上部フレンジ20’と上記弾性チューブ1’’の出口に一体に備えられる下部フレンジ21’’との間に配置される。
【0062】
これによって、上記中空型のアクチュエータ2’’の上下端に上下部フレンジ20’’、21’’が接した状態で上記上部フレンジ20’’が雄ネジ部1b’’に沿ってネジ移動すると、上記中空型のアクチュエータ2’’をネジ移動方向に加圧しながら予備圧縮荷重を与えることができる。
【0063】
また、上記中空型のアクチュエータ2’’は、弾性チューブ1’’の変形部1a’’と一定の間隔を置いて上記変形部1a’’を覆うよう配置されて、電圧印加の際に長さ方向と共に直径方向にも伸縮変形されることができるため、上記中空型のアクチュエータ2’’と弾性チューブ1’’との間の空間に、第2実施例と同様に弾性体モールド3’’が満たされると、上記中空型のアクチュエータの長さ方向と直径方向の変位は上記弾性体モールド3’’を通して上記変形部1a’’に伝達されて、上記弾性チューブ内の内容物を出口を通して外部に吐出したり入り口を通して流入する作動をより一層向上させることができる。
【0064】
また、上記弾性チューブ1’’の出口12’’にも排出ノズル4’’をさらに設けることにより、外部に内容物が排出される方向や排出量をより精密に調節することができる。
【0065】
第1ないし3実施例による中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置H、H’、H’’は、図2(a)(b)、図4(a)(b)及び、図6(a)(b)に図示したように、弾性チューブの変形部に対応して配置された中空型のアクチュエータの伸縮作動の際に、長さ方向に伸縮弾性変形されることにより弾性チューブ内の内容物を外部から吸入しながら外部に定量吐出するマイクロポンプ作動を上記中空型のアクチュエータの1回伸縮作動の度に繰り返し的に行うものである。
【0066】
即ち、図2(a)、4(a)及び図6(a)に図示したように、上記中空型のアクチュエータが長さ方向に伸長すると、弾性チューブの内部空間の体積は、初期の待機状態より相対的に拡張することにより入り口を通して内容物が流入される。この際、上記中空型のアクチュエータが長さ方向に伸長すると同時に半径方向の内側に収縮するが、長さ方向に伸長する弾性変形量が半径方向に収縮する弾性変形量より相対的に多いため、弾性チューブの内部空間を拡張させて内容物を内部に流入する吸入作動を円滑に行うことができる。
【0067】
そして、上記弾性チューブの内部空間に液体や粉末のような内容物が満たされた状態で中空型のアクチュエータが長さ方向に収縮すると、図2(b)、図4(b)及び図6(b)に図示したように、長さ方向に弾性変形された弾性チューブの変形部が元の状態に戻ると同時に長さ方向に収縮し、これによって弾性チューブの内部空間の体積は初期の待機状態と同一であるか相対的に縮小することにより、出口を通して内容物が定量ずつ吐出される。この際、上記中空型のアクチュエータが長さ方向に縮小すると同時に半径方向の外側に拡張するが、長さ方向に収縮する弾性の変形量が半径方向に拡張する弾性変形量より相対的に多いため、弾性チューブの内部空間を縮小させて内容物を外部に吐出する排出作動を円滑に行うことができる。
【0068】
このような中空型のアクチュエータの伸縮作動による弾性チューブの吸入作動と排出作動を繰り返して、弾性チューブ内の内容物を予め設定された吐出量に所望の所に精密に提供することができる。
【0069】
一方、上記弾性チューブの入り口には弾性チューブの内部に流入された液体や粉末のような内容物が再び入り口に逆流することを防ぐようオリフィスのような逆流防止手段11aを備えることが好ましい。
【0070】
即ち、弾性チューブの内部を向き徐々に内径が狭くなる流路が形成され、内側の端部に段差が形成されたオリフィス形状に構成された逆流防止手段11aを入り口に設けることにより、入り口11に流入された内容物が内側の端部に形成された段差により入り口11に逆流することを防ぐことができる。
【0071】
ここで、上記逆流防止手段11aは、オリフィス構造の他に逆流防止板などを選択的に設けて逆流防止効果をより高めることができる。
【0072】
本発明は特定の実施例に関して図示し説明したが、添付の特許請求範囲によって備えられた本発明の精神や分野を外れない範囲内で本発明が多様に改造及び変化できるということを当業界において通常の知識を有した者は容易に分かることを明らかにする。
【符号の説明】
【0073】
1、1’、1’’ 弾性チューブ
1a、1a’、1a’’ 変形部
2、2’、2’’ 中空型のアクチュエータ
3’、3’’ 弾性体モールド
4’、4’’ 排出ノズル
10 保護ケース
11、11’、11’’ 入り口
12、12’、12’’ 出口
11a 逆流防止手段
15 雌ネジ部材
20’、20’’ 上部フレンジ
21’、21’’ 下部フレンジ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性体からなり、内部に収容空間が形成された一定の長さの弾性チューブと、
外部電圧の印加の際に前記弾性チューブの長さ方向に前記弾性チューブを伸縮するよう前記弾性チューブの外部に嵌められて設けられ、電界を印加すると長さ方向に力と変位を発生させる中空型のアクチュエータと、を含み、
外部電圧の印加の際に中空型のアクチュエータが弾性チューブの長さ方向に伸長或いは収縮することにより、前記弾性チューブの内部空間の体積を縮小或いは拡張させることを特徴とする中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項2】
前記弾性チューブは、前記中空型のアクチュエータと対応する胴体の外部面に変形部を含み、
前記変形部は折り目状に備えられることを特徴とする請求項1に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項3】
前記弾性チューブは、胴体の外部面に形成された雄ネジ部にネジ結合されて前記中空型のアクチュエータの一端部に接する雌ネジ部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項4】
前記弾性チューブは保護ケースをさらに含み、
前記保護ケースは、前記弾性チューブの入り口が挿入されて固定される上部開口部と、前記弾性チューブの出口と一定の間隔を置いて離隔される下部開口部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項5】
前記弾性チューブは、前記中空型のアクチュエータと対応する胴体の外部面に変形部を含み、
前記変形部は、内径が一定の長さ均一な中央領域と入り口との間を連結する境領域と、前記中央領域と出口との間を連結する他の境領域とを前記入り口と出口に行くほど内径が小さくなる断面状に備えることを特徴とする請求項1に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項6】
前記弾性チューブは、入り口と出口の各外部面に形成された雄ネジ部とそれぞれネジ結合されて前記中空型のアクチュエータの上端と下端にそれぞれ接する上部フレンジと下部フレンジを備えることを特徴とする請求項1に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項7】
前記弾性チューブは前記中空型のアクチュエータと対応する胴体の外部面に少なくとも一つの変形部を含み、
前記変形部は、前記弾性チューブの入り口と出口の外径より相対的に小さい外径サイズに備えられ、胴体の外部面が外側に膨らんで曲がる断面状に備えられることを特徴とする請求項1に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項8】
前記弾性チューブは、入り口の外部面に形成された雄ネジ部にネジ結合されて前記中空型のアクチュエータの一端部と接する上部フレンジと、前記弾性チューブの出口から外側に延長されて前記中空型のアクチュエータの他端部が接する下部フレンジと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項9】
前記弾性チューブは、出口には排出ノズルを備えることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項10】
前記弾性チューブと中空型のアクチュエータとの間には、弾性体モールドが満たされることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。
【請求項11】
前記弾性チューブは、入り口に逆流防止手段を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の中空型のアクチュエータ駆動方式の液滴ディスペンシング装置。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−104986(P2010−104986A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244697(P2009−244697)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(501384562)コリア インスティチュート オブ マシナリー アンド マテリアルズ (15)
【Fターム(参考)】