中空軸用ダイナミックダンパ
【課題】低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができ、しかも動的吸振特性のチューニングにおいて弾性体の汎用性を向上させることの可能なダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】振動低減対象の中空軸2の内周に遊挿される質量体11と、この質量体11の軸方向両側に配置されると共に外径部が中空軸2の内周面に嵌着されるゴム状弾性材料からなる一対の弾性体12と、質量体11の内周に挿入されて弾性体12の軸方向一端を質量体11に結合する挿入部材13とを備える。
【解決手段】振動低減対象の中空軸2の内周に遊挿される質量体11と、この質量体11の軸方向両側に配置されると共に外径部が中空軸2の内周面に嵌着されるゴム状弾性材料からなる一対の弾性体12と、質量体11の内周に挿入されて弾性体12の軸方向一端を質量体11に結合する挿入部材13とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のプロペラシャフト等、中空軸の内周空間に取り付けられて、この中空軸に発生する振動や騒音を抑制するダイナミックダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンからトランスミッションを介して出力される駆動力を後輪に伝達するプロペラシャフトの内周空間に取り付けられて、このプロペラシャフトに発生する振動や騒音を抑制するダイナミックダンパの典型的な従来技術が、下記の特許文献1〜4に開示されている。
【0003】
このうち特許文献1に開示されたダイナミックダンパは、図9に示すように、プロペラシャフト100の内周にゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料からなる弾性層104を介して圧入されるアウターリング101と、その内周に配置した金属製の質量体102との間に、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料からなる弾性体103を介在させ、この弾性体103に円周方向等間隔で形成した複数の弾性支持部103aによって、アウターリング101に質量体102を弾性的に連結したものである。この構成によれば、アウターリング101に質量体102を弾性的に支持する弾性体103の弾性支持部103aが軸直角方向の入力振動に対して圧縮ばねとなるため、低周波領域での動的吸振特性を確保するために弾性支持部103aのばね定数を低くするには、弾性支持部103aのボリュームを小さくする必要があり、このため弾性支持部103aの耐久性が低下して破断しやすくなることが懸念される。
【0004】
これに対し、特許文献2に開示されたダイナミックダンパは、図10に示すように、プロペラシャフト200の内周に遊挿される金属製の質量体202の軸方向両側に、プロペラシャフト200の内周面に圧接される筒状の弾性体201を一体成形したものであって、弾性体201が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるため、ばね定数を低くして、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができる。
【0005】
また、特許文献3に開示されたダイナミックダンパは、図11に示すように、プロペラシャフト300の内周に遊挿される金属製の質量体302の軸方向両側に、固定金具303の圧入によってプロペラシャフト300の内周面に圧接される筒状の弾性体301を一体成形したもので、図10に示すダイナミックダンパと同様、弾性体301が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるものである。
【0006】
さらに、特許文献4に開示されたダイナミックダンパも同様であって、図12に示すように、プロペラシャフト400の内周に遊挿される金属製の質量体402の軸方向両側に、プロペラシャフト400の内周面に圧接される環状の弾性体401を一体成形したものであり、弾性体401が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−53686号公報
【特許文献2】特開2007−177830号公報
【特許文献3】特開平5−149386号公報
【特許文献4】特開2003−294025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図10〜図12(特許文献2〜4)のダイナミックダンパは、いずれも弾性体が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるため、ボリュームを大きくしても低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができ、したがって耐久性を向上させることができると共に、加硫成形後の金型からの離型性の点でも有利であるが、質量体の軸方向両側に弾性体を一体成形した構造であるため、ダイナミックダンパ全体としての軸方向サイズが長くなって、金型構造が複雑になり、生産性が制約されやすい。
【0009】
また、ダイナミックダンパの共振周波数による動的吸振特性のチューニングのために、弾性体の剛性(ばね定数)の変更及び質量体の重量(形状)の変更を行う場合、質量体の大きさや形状の変更の都度、質量体への弾性体の一体成形用金型を製作する必要があり、すなわち金型の汎用性が乏しく、したがってコストが高くなる問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができ、しかも動的吸振特性のチューニングにおいて弾性体の汎用性を向上させることの可能なダイナミックダンパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る中空軸用ダイナミックダンパは、振動低減対象の中空軸の内周に遊挿される質量体と、この質量体の軸方向両側に配置されると共に外径部が前記中空軸の内周面に嵌着されるゴム状弾性材料からなる一対の弾性体と、前記質量体の内周に挿入されて前記弾性体の軸方向一端を前記質量体に結合する挿入部材とを備えるものである。なお、ここでいうゴム状弾性材料は、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料のことである。
【0012】
上記構成のダイナミックダンパは、質量体と別個に成形された一対の弾性体を、挿入部材を介して質量体の軸方向両側に結合することによって、容易に組み立てることができる。そして、弾性体は、軸方向一端が質量体に結合されると共に外径部が中空軸の内周面に嵌着されることによって、軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるので、ばね定数を低く設定することができる。このため低周波領域での優れた動的吸振特性が確保され、しかも、質量体を圧縮方向へ支持する場合のようにばね定数を低くするために弾性体のボリュームを小さくする必要がないので、弾性体の耐久性を向上させることができる。
【0013】
また、弾性体が質量体と別個に成形されることに加え、質量体と弾性体を結合する挿入部材も、弾性体をばねとするばね−質量系における質量の一部として機能するので、動的吸振特性(ダイナミックダンパの共振周波数)のチューニングにおいて、質量体の大きさや形状の変更の都度、質量体への弾性体の一体成形用金型を製作する必要がなく、弾性体の汎用性、ひいてはこの弾性体を成形する金型の汎用性を向上させることができる。
【0014】
請求項2の発明に係る中空軸用ダイナミックダンパは、請求項1に記載された構成において、弾性体が挿入部材に一体に加硫接着されたことを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、予め弾性体と挿入部材が加硫接着により一体化されていることによって、組み立ての際には弾性体と一体の挿入部材を質量体に結合するだけで良いので、組み立てが容易になる。また、挿入部材は質量体に比較して十分に小さなもので良いため、弾性体を挿入部材と一体に成形する金型の大型化を来たさないようにすることができる。
【0016】
請求項3の発明に係る中空軸用ダイナミックダンパは、請求項1又は2に記載された構成において、質量体、弾性体及び挿入部材が筒状又は環状であることを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、中空軸の内周空間へ洗浄液などが侵入しても、筒状又は環状をなす質量体、弾性体及び挿入部材の内周を通じて容易に排出されるため、中空軸の内周空間に洗浄液などが残留するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパによれば、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができ、しかも動的吸振特性のチューニングは、弾性体とは別に質量体や挿入部材の大きさや形状等の変更によって行うことができるので、弾性体を成形する金型の汎用性を向上させることができ、さらには、質量体にゴム状弾性材料からなる弾性体が一体に加硫接着されたものではないため、廃却後に質量体を容易に資源リサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第一の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】第一の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て前の状態の断面斜視図である。
【図3】第一の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て状態の断面斜視図である。
【図4】本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第二の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図5】第二の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て前の状態の断面図である。
【図6】本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第三の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図7】第三の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て前の状態の断面斜視図である。
【図8】第三の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て状態の断面斜視図である。
【図9】従来の中空軸用ダイナミックダンパの一例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図10】従来の中空軸用ダイナミックダンパの他の例を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図である。
【図11】従来の中空軸用ダイナミックダンパの他の例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図12】従来の中空軸用ダイナミックダンパの他の例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。まず図1〜図3は、第一の実施の形態を示すものである。
【0021】
図1において、参照符号1はダイナミックダンパ、2は自動車のプロペラシャフトである。プロペラシャフト2は、請求項1に記載された中空軸に相当するものであって、すなわち中空円筒状であり、ダイナミックダンパ1はプロペラシャフト2の内周空間に取り付けられるものである。
【0022】
ダイナミックダンパ1は、振動低減対象のプロペラシャフト2の内周に遊挿される質量体11と、この質量体11の軸方向両側に配置されると共に外径部12aがプロペラシャフト2の内周面2aに嵌着されるゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなる一対の弾性体12と、この弾性体12の内周に一体的に設けられると共に前記質量体11の内周に挿入されて弾性体12の軸方向一端を前記質量体11に結合する一対の挿入部材13とを備える。
【0023】
質量体11は例えば金属製の比較的厚肉の円筒体からなるものであって、所要の軸方向長さを有し、外周面はプロペラシャフト2の内周面2aよりも小径に形成されている。また、この質量体11の軸方向両端内周縁には面取り11aが形成されている。
【0024】
弾性体12は環状をなすものであって、外径部12aが質量体11の外径より大径に形成されると共に、プロペラシャフト2の内周面2aに対して適当な締め代をもっている。また、この弾性体12の軸方向一端は、挿入部材13の外周面に一体的に加硫接着されており、この接着部12bには、質量体11の内周面11bに対して適当な締め代をもつ円筒状の弾性膜部12cが延在されている。そして、前記接着部12bと外径部12aの間は、プロペラシャフト2と質量体11の軸直角方向の相対変位に伴って主に剪断変形を受けるばね部12dとなっている。また、外径部12aは複数の凹部12eによって円周方向に分割されている。
【0025】
挿入部材13は、金属製の円筒体からなるものであって、その外周面は質量体11の内周面11bよりも小径である。そして図2に示すように、弾性体12と挿入部材13からなる一体成形物は、不図示の加硫成形用金型内に、挿入部材13を位置決めセットし、この挿入部材13の外周側からその軸方向一側の外周側へかけて前記金型によって画成された環状のキャビティに、未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することによって、弾性体12の加硫成形と同時に挿入部材13の外周面に加硫接着したものである。
【0026】
すなわちこのダイナミックダンパ1は、図2に示すように、質量体11の内周へ、その軸方向両側から、弾性体12と挿入部材13の一体成形物における挿入部材13を挿入し、この挿入部材13の外周面に加硫接着された弾性体12の弾性膜部12cを質量体11の内周面11bへ圧入嵌着することによって、図3に示すように組み立てられるものである。このとき、質量体11の軸方向両端内周縁には面取り11aが形成されているため、弾性体12の弾性膜部12cが質量体11への圧入過程で損傷するのを防止することができる。そして前記弾性膜部12cは、挿入部材13の外周面と質量体11の内周面11bの間で径方向に圧縮され、質量体11の内周面11bに対する顕著な嵌着力を補償されるため、質量体11とその軸方向両側の弾性体12は互いにしっかり結合される。
【0027】
ダイナミックダンパ1は、弾性体12(ばね部12d)をばねとし、質量体11及び挿入部材13を質量とするばね−質量系を構成するものであって、その径方向共振周波数は、質量体11と一対の挿入部材13の質量の和と、弾性体12のばね部12dの径方向剪断ばね定数によって、プロペラシャフト2に生じる振動の振幅が最も増大する周波数帯域にチューニングされている。すなわち挿入部材13は、弾性体12の弾性膜部12cへの嵌着力補償手段としてのほか、前記ばね−質量系における質量の一部としても機能するものである。
【0028】
以上のように構成されたダイナミックダンパ1は、図1に示すように、質量体11の軸方向両側の弾性体12における外径部12aを、プロペラシャフト2の内周面2aにおける所定の位置へ圧入嵌着することによって取り付けられる。
【0029】
ここで、ダイナミックダンパ1は、環状である弾性体12と円筒状である挿入部材13及び質量体11からなるものであるため、ダイナミックダンパ1をプロペラシャフト2の内周に取り付けた後でプロペラシャフト2の洗浄を行った場合、洗浄過程でダイナミックダンパ1の内部空間に入り込んだ洗浄液は、ダイナミックダンパ1の内周を通じて容易に排出される。あるいは前記洗浄液の一部は、弾性体12の外径部12aに形成された凹部12eを通じても排出される。このため、プロペラシャフト2の内周空間に洗浄液が残留するのを防止することができる。
【0030】
次に図1に示す装着状態において、プロペラシャフト2の回転に伴い軸直角方向への振動が発生すると、弾性体12(ばね部12d)をばねとし、質量体11及び挿入部材13を質量とするばね−質量系(ダイナミックダンパ1)の共振周波数は、プロペラシャフト2の振動の振幅が最も増大する周波数帯域にチューニングされているので、このような周波数帯域でダイナミックダンパ1が共振し、その振動波形の位相が入力振動と逆位相となる動的吸振作用によって、入力振動の振幅のピークを低減し、プロペラシャフト2の振動及び騒音を有効に低減することができる。
【0031】
そしてこのダイナミックダンパ1によれば、軸直角方向の入力振動に対して、弾性体12のばね部12dが主に剪断変形を受けるので、径方向ばね定数を低くして、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができる。
【0032】
また、質量体11に対して、弾性体12と挿入部材13との一体成形物を別部材としたため、例えば振動低減対象のプロペラシャフト2の仕様変更等に対して、ダイナミックダンパ1の動的吸振特性を対応させる場合は、例えば弾性体12と挿入部材13の一体成形物の仕様は変更せずに、質量体11の長さの変更等によって質量のみを変更することでばね−質量系の共振周波数をチューニングすることができる。このため質量体11の大きさや形状の変更の都度、弾性体12と挿入部材13の一体成形用金型を製作する必要はなく、チューニングに要するコストを低減することができる。
【0033】
しかも、質量体11にはゴム状弾性材料からなる弾性体12が加硫接着されていないので、廃却後には、質量体11を容易に資源リサイクルすることができる。
【0034】
次に図4及び図5は、本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第二の実施の形態を示すものである。
【0035】
この形態によるダイナミックダンパ1において、上述した第一の実施の形態と異なるところは、弾性体12に挿入部材13の外周面を覆う弾性膜部12cが形成されておらず、質量体11の内周面11bに、挿入部材13の外周面が金属嵌合される点にある。その他の部分は、基本的に第一の実施の形態と同様である。
【0036】
すなわちこの第二の実施の形態は、弾性体12と挿入部材13からなる一体成形物を製作し、図5に示すように、質量体11の軸方向両側から、前記一体成形物の挿入部材13を質量体11の内周へ圧入して金属嵌合することによって組み立てられるもので、第一の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
【0037】
さらに図6〜図8は、本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第三の実施の形態を示すものである。
【0038】
この形態によるダイナミックダンパ1において、上述した第一及び第二の実施の形態と異なるところは、弾性体12と挿入部材13が加硫接着されておらず、挿入部材13が弾性体12における弾性膜部12cの内周面に圧入される点にある。その他の部分は、基本的に第一の実施の形態と同様である。
【0039】
すなわちこのダイナミックダンパ1は、図7に示すように、質量体11の軸方向端部内周面11bへ、軸方向両側から弾性体12の弾性膜部12cを挿入し、その後、挿入部材13を、前記弾性膜部12cの内周へ圧入することによって、図6に示すように組み立てられるものである。そして前記弾性膜部12cは、挿入部材13の圧入によって、質量体11の内周面11bの間で径方向に圧縮され、質量体11の内周面11bに対する顕著な嵌着力を補償されるため、質量体11とその軸方向両側の弾性体12は互いにしっかり結合される。
【0040】
また、先に弾性体12の弾性膜部12cの内周へ挿入部材13を挿入して仮組みしてから、質量体11の軸方向端部内周面11bへ、弾性膜部12cと挿入部材13を同時に圧入することによって組み立てることもできる。
【0041】
この第三の実施の形態によれば、第一の実施の形態と同様の効果が実現されるのに加え、弾性体12と挿入部材13が別体であるため、質量の変更による共振周波数のチューニングを、質量体11の長さや肉厚の変更によって行っても良いし、質量体11の長さや肉厚は変更せずに挿入部材13の長さや肉厚を変更することでチューニングすることも容易であるため、チューニングにおける自由度を向上させることができる。
【0042】
しかも、質量体11及び挿入部材13にはゴム状弾性材料からなる弾性体12が加硫接着されていないので、廃却後には、質量体11ばかりでなく挿入部材13も容易に資源リサイクルすることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ダイナミックダンパ
11 質量体
12 弾性体
12a 外径部
12b 接着部
12c 弾性膜部
12d ばね部
12e 凹部
13 挿入部材
2 プロペラシャフト(中空軸)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のプロペラシャフト等、中空軸の内周空間に取り付けられて、この中空軸に発生する振動や騒音を抑制するダイナミックダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンからトランスミッションを介して出力される駆動力を後輪に伝達するプロペラシャフトの内周空間に取り付けられて、このプロペラシャフトに発生する振動や騒音を抑制するダイナミックダンパの典型的な従来技術が、下記の特許文献1〜4に開示されている。
【0003】
このうち特許文献1に開示されたダイナミックダンパは、図9に示すように、プロペラシャフト100の内周にゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料からなる弾性層104を介して圧入されるアウターリング101と、その内周に配置した金属製の質量体102との間に、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料からなる弾性体103を介在させ、この弾性体103に円周方向等間隔で形成した複数の弾性支持部103aによって、アウターリング101に質量体102を弾性的に連結したものである。この構成によれば、アウターリング101に質量体102を弾性的に支持する弾性体103の弾性支持部103aが軸直角方向の入力振動に対して圧縮ばねとなるため、低周波領域での動的吸振特性を確保するために弾性支持部103aのばね定数を低くするには、弾性支持部103aのボリュームを小さくする必要があり、このため弾性支持部103aの耐久性が低下して破断しやすくなることが懸念される。
【0004】
これに対し、特許文献2に開示されたダイナミックダンパは、図10に示すように、プロペラシャフト200の内周に遊挿される金属製の質量体202の軸方向両側に、プロペラシャフト200の内周面に圧接される筒状の弾性体201を一体成形したものであって、弾性体201が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるため、ばね定数を低くして、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができる。
【0005】
また、特許文献3に開示されたダイナミックダンパは、図11に示すように、プロペラシャフト300の内周に遊挿される金属製の質量体302の軸方向両側に、固定金具303の圧入によってプロペラシャフト300の内周面に圧接される筒状の弾性体301を一体成形したもので、図10に示すダイナミックダンパと同様、弾性体301が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるものである。
【0006】
さらに、特許文献4に開示されたダイナミックダンパも同様であって、図12に示すように、プロペラシャフト400の内周に遊挿される金属製の質量体402の軸方向両側に、プロペラシャフト400の内周面に圧接される環状の弾性体401を一体成形したものであり、弾性体401が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−53686号公報
【特許文献2】特開2007−177830号公報
【特許文献3】特開平5−149386号公報
【特許文献4】特開2003−294025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図10〜図12(特許文献2〜4)のダイナミックダンパは、いずれも弾性体が軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるため、ボリュームを大きくしても低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができ、したがって耐久性を向上させることができると共に、加硫成形後の金型からの離型性の点でも有利であるが、質量体の軸方向両側に弾性体を一体成形した構造であるため、ダイナミックダンパ全体としての軸方向サイズが長くなって、金型構造が複雑になり、生産性が制約されやすい。
【0009】
また、ダイナミックダンパの共振周波数による動的吸振特性のチューニングのために、弾性体の剛性(ばね定数)の変更及び質量体の重量(形状)の変更を行う場合、質量体の大きさや形状の変更の都度、質量体への弾性体の一体成形用金型を製作する必要があり、すなわち金型の汎用性が乏しく、したがってコストが高くなる問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができ、しかも動的吸振特性のチューニングにおいて弾性体の汎用性を向上させることの可能なダイナミックダンパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る中空軸用ダイナミックダンパは、振動低減対象の中空軸の内周に遊挿される質量体と、この質量体の軸方向両側に配置されると共に外径部が前記中空軸の内周面に嵌着されるゴム状弾性材料からなる一対の弾性体と、前記質量体の内周に挿入されて前記弾性体の軸方向一端を前記質量体に結合する挿入部材とを備えるものである。なお、ここでいうゴム状弾性材料は、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料のことである。
【0012】
上記構成のダイナミックダンパは、質量体と別個に成形された一対の弾性体を、挿入部材を介して質量体の軸方向両側に結合することによって、容易に組み立てることができる。そして、弾性体は、軸方向一端が質量体に結合されると共に外径部が中空軸の内周面に嵌着されることによって、軸直角方向の入力振動に対して剪断ばねとなるので、ばね定数を低く設定することができる。このため低周波領域での優れた動的吸振特性が確保され、しかも、質量体を圧縮方向へ支持する場合のようにばね定数を低くするために弾性体のボリュームを小さくする必要がないので、弾性体の耐久性を向上させることができる。
【0013】
また、弾性体が質量体と別個に成形されることに加え、質量体と弾性体を結合する挿入部材も、弾性体をばねとするばね−質量系における質量の一部として機能するので、動的吸振特性(ダイナミックダンパの共振周波数)のチューニングにおいて、質量体の大きさや形状の変更の都度、質量体への弾性体の一体成形用金型を製作する必要がなく、弾性体の汎用性、ひいてはこの弾性体を成形する金型の汎用性を向上させることができる。
【0014】
請求項2の発明に係る中空軸用ダイナミックダンパは、請求項1に記載された構成において、弾性体が挿入部材に一体に加硫接着されたことを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、予め弾性体と挿入部材が加硫接着により一体化されていることによって、組み立ての際には弾性体と一体の挿入部材を質量体に結合するだけで良いので、組み立てが容易になる。また、挿入部材は質量体に比較して十分に小さなもので良いため、弾性体を挿入部材と一体に成形する金型の大型化を来たさないようにすることができる。
【0016】
請求項3の発明に係る中空軸用ダイナミックダンパは、請求項1又は2に記載された構成において、質量体、弾性体及び挿入部材が筒状又は環状であることを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、中空軸の内周空間へ洗浄液などが侵入しても、筒状又は環状をなす質量体、弾性体及び挿入部材の内周を通じて容易に排出されるため、中空軸の内周空間に洗浄液などが残留するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパによれば、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができ、しかも動的吸振特性のチューニングは、弾性体とは別に質量体や挿入部材の大きさや形状等の変更によって行うことができるので、弾性体を成形する金型の汎用性を向上させることができ、さらには、質量体にゴム状弾性材料からなる弾性体が一体に加硫接着されたものではないため、廃却後に質量体を容易に資源リサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第一の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】第一の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て前の状態の断面斜視図である。
【図3】第一の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て状態の断面斜視図である。
【図4】本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第二の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図5】第二の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て前の状態の断面図である。
【図6】本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第三の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図7】第三の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て前の状態の断面斜視図である。
【図8】第三の実施の形態の中空軸用ダイナミックダンパを、軸心を通る平面で切断して示す組み立て状態の断面斜視図である。
【図9】従来の中空軸用ダイナミックダンパの一例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図10】従来の中空軸用ダイナミックダンパの他の例を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図である。
【図11】従来の中空軸用ダイナミックダンパの他の例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図12】従来の中空軸用ダイナミックダンパの他の例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。まず図1〜図3は、第一の実施の形態を示すものである。
【0021】
図1において、参照符号1はダイナミックダンパ、2は自動車のプロペラシャフトである。プロペラシャフト2は、請求項1に記載された中空軸に相当するものであって、すなわち中空円筒状であり、ダイナミックダンパ1はプロペラシャフト2の内周空間に取り付けられるものである。
【0022】
ダイナミックダンパ1は、振動低減対象のプロペラシャフト2の内周に遊挿される質量体11と、この質量体11の軸方向両側に配置されると共に外径部12aがプロペラシャフト2の内周面2aに嵌着されるゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなる一対の弾性体12と、この弾性体12の内周に一体的に設けられると共に前記質量体11の内周に挿入されて弾性体12の軸方向一端を前記質量体11に結合する一対の挿入部材13とを備える。
【0023】
質量体11は例えば金属製の比較的厚肉の円筒体からなるものであって、所要の軸方向長さを有し、外周面はプロペラシャフト2の内周面2aよりも小径に形成されている。また、この質量体11の軸方向両端内周縁には面取り11aが形成されている。
【0024】
弾性体12は環状をなすものであって、外径部12aが質量体11の外径より大径に形成されると共に、プロペラシャフト2の内周面2aに対して適当な締め代をもっている。また、この弾性体12の軸方向一端は、挿入部材13の外周面に一体的に加硫接着されており、この接着部12bには、質量体11の内周面11bに対して適当な締め代をもつ円筒状の弾性膜部12cが延在されている。そして、前記接着部12bと外径部12aの間は、プロペラシャフト2と質量体11の軸直角方向の相対変位に伴って主に剪断変形を受けるばね部12dとなっている。また、外径部12aは複数の凹部12eによって円周方向に分割されている。
【0025】
挿入部材13は、金属製の円筒体からなるものであって、その外周面は質量体11の内周面11bよりも小径である。そして図2に示すように、弾性体12と挿入部材13からなる一体成形物は、不図示の加硫成形用金型内に、挿入部材13を位置決めセットし、この挿入部材13の外周側からその軸方向一側の外周側へかけて前記金型によって画成された環状のキャビティに、未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することによって、弾性体12の加硫成形と同時に挿入部材13の外周面に加硫接着したものである。
【0026】
すなわちこのダイナミックダンパ1は、図2に示すように、質量体11の内周へ、その軸方向両側から、弾性体12と挿入部材13の一体成形物における挿入部材13を挿入し、この挿入部材13の外周面に加硫接着された弾性体12の弾性膜部12cを質量体11の内周面11bへ圧入嵌着することによって、図3に示すように組み立てられるものである。このとき、質量体11の軸方向両端内周縁には面取り11aが形成されているため、弾性体12の弾性膜部12cが質量体11への圧入過程で損傷するのを防止することができる。そして前記弾性膜部12cは、挿入部材13の外周面と質量体11の内周面11bの間で径方向に圧縮され、質量体11の内周面11bに対する顕著な嵌着力を補償されるため、質量体11とその軸方向両側の弾性体12は互いにしっかり結合される。
【0027】
ダイナミックダンパ1は、弾性体12(ばね部12d)をばねとし、質量体11及び挿入部材13を質量とするばね−質量系を構成するものであって、その径方向共振周波数は、質量体11と一対の挿入部材13の質量の和と、弾性体12のばね部12dの径方向剪断ばね定数によって、プロペラシャフト2に生じる振動の振幅が最も増大する周波数帯域にチューニングされている。すなわち挿入部材13は、弾性体12の弾性膜部12cへの嵌着力補償手段としてのほか、前記ばね−質量系における質量の一部としても機能するものである。
【0028】
以上のように構成されたダイナミックダンパ1は、図1に示すように、質量体11の軸方向両側の弾性体12における外径部12aを、プロペラシャフト2の内周面2aにおける所定の位置へ圧入嵌着することによって取り付けられる。
【0029】
ここで、ダイナミックダンパ1は、環状である弾性体12と円筒状である挿入部材13及び質量体11からなるものであるため、ダイナミックダンパ1をプロペラシャフト2の内周に取り付けた後でプロペラシャフト2の洗浄を行った場合、洗浄過程でダイナミックダンパ1の内部空間に入り込んだ洗浄液は、ダイナミックダンパ1の内周を通じて容易に排出される。あるいは前記洗浄液の一部は、弾性体12の外径部12aに形成された凹部12eを通じても排出される。このため、プロペラシャフト2の内周空間に洗浄液が残留するのを防止することができる。
【0030】
次に図1に示す装着状態において、プロペラシャフト2の回転に伴い軸直角方向への振動が発生すると、弾性体12(ばね部12d)をばねとし、質量体11及び挿入部材13を質量とするばね−質量系(ダイナミックダンパ1)の共振周波数は、プロペラシャフト2の振動の振幅が最も増大する周波数帯域にチューニングされているので、このような周波数帯域でダイナミックダンパ1が共振し、その振動波形の位相が入力振動と逆位相となる動的吸振作用によって、入力振動の振幅のピークを低減し、プロペラシャフト2の振動及び騒音を有効に低減することができる。
【0031】
そしてこのダイナミックダンパ1によれば、軸直角方向の入力振動に対して、弾性体12のばね部12dが主に剪断変形を受けるので、径方向ばね定数を低くして、低周波領域での優れた動的吸振特性を確保することができる。
【0032】
また、質量体11に対して、弾性体12と挿入部材13との一体成形物を別部材としたため、例えば振動低減対象のプロペラシャフト2の仕様変更等に対して、ダイナミックダンパ1の動的吸振特性を対応させる場合は、例えば弾性体12と挿入部材13の一体成形物の仕様は変更せずに、質量体11の長さの変更等によって質量のみを変更することでばね−質量系の共振周波数をチューニングすることができる。このため質量体11の大きさや形状の変更の都度、弾性体12と挿入部材13の一体成形用金型を製作する必要はなく、チューニングに要するコストを低減することができる。
【0033】
しかも、質量体11にはゴム状弾性材料からなる弾性体12が加硫接着されていないので、廃却後には、質量体11を容易に資源リサイクルすることができる。
【0034】
次に図4及び図5は、本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第二の実施の形態を示すものである。
【0035】
この形態によるダイナミックダンパ1において、上述した第一の実施の形態と異なるところは、弾性体12に挿入部材13の外周面を覆う弾性膜部12cが形成されておらず、質量体11の内周面11bに、挿入部材13の外周面が金属嵌合される点にある。その他の部分は、基本的に第一の実施の形態と同様である。
【0036】
すなわちこの第二の実施の形態は、弾性体12と挿入部材13からなる一体成形物を製作し、図5に示すように、質量体11の軸方向両側から、前記一体成形物の挿入部材13を質量体11の内周へ圧入して金属嵌合することによって組み立てられるもので、第一の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
【0037】
さらに図6〜図8は、本発明に係る中空軸用ダイナミックダンパの第三の実施の形態を示すものである。
【0038】
この形態によるダイナミックダンパ1において、上述した第一及び第二の実施の形態と異なるところは、弾性体12と挿入部材13が加硫接着されておらず、挿入部材13が弾性体12における弾性膜部12cの内周面に圧入される点にある。その他の部分は、基本的に第一の実施の形態と同様である。
【0039】
すなわちこのダイナミックダンパ1は、図7に示すように、質量体11の軸方向端部内周面11bへ、軸方向両側から弾性体12の弾性膜部12cを挿入し、その後、挿入部材13を、前記弾性膜部12cの内周へ圧入することによって、図6に示すように組み立てられるものである。そして前記弾性膜部12cは、挿入部材13の圧入によって、質量体11の内周面11bの間で径方向に圧縮され、質量体11の内周面11bに対する顕著な嵌着力を補償されるため、質量体11とその軸方向両側の弾性体12は互いにしっかり結合される。
【0040】
また、先に弾性体12の弾性膜部12cの内周へ挿入部材13を挿入して仮組みしてから、質量体11の軸方向端部内周面11bへ、弾性膜部12cと挿入部材13を同時に圧入することによって組み立てることもできる。
【0041】
この第三の実施の形態によれば、第一の実施の形態と同様の効果が実現されるのに加え、弾性体12と挿入部材13が別体であるため、質量の変更による共振周波数のチューニングを、質量体11の長さや肉厚の変更によって行っても良いし、質量体11の長さや肉厚は変更せずに挿入部材13の長さや肉厚を変更することでチューニングすることも容易であるため、チューニングにおける自由度を向上させることができる。
【0042】
しかも、質量体11及び挿入部材13にはゴム状弾性材料からなる弾性体12が加硫接着されていないので、廃却後には、質量体11ばかりでなく挿入部材13も容易に資源リサイクルすることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ダイナミックダンパ
11 質量体
12 弾性体
12a 外径部
12b 接着部
12c 弾性膜部
12d ばね部
12e 凹部
13 挿入部材
2 プロペラシャフト(中空軸)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動低減対象の中空軸の内周に遊挿される質量体と、この質量体の軸方向両側に配置されると共に外径部が前記中空軸の内周面に嵌着されるゴム状弾性材料からなる一対の弾性体と、前記質量体の内周に挿入されて前記弾性体の軸方向一端を前記質量体に結合する挿入部材とを備えることを特徴とする中空軸用ダイナミックダンパ。
【請求項2】
弾性体が挿入部材に一体に加硫接着されたことを特徴とする請求項1に記載の中空軸用ダイナミックダンパ。
【請求項3】
質量体、弾性体及び挿入部材が筒状又は環状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空軸用ダイナミックダンパ。
【請求項1】
振動低減対象の中空軸の内周に遊挿される質量体と、この質量体の軸方向両側に配置されると共に外径部が前記中空軸の内周面に嵌着されるゴム状弾性材料からなる一対の弾性体と、前記質量体の内周に挿入されて前記弾性体の軸方向一端を前記質量体に結合する挿入部材とを備えることを特徴とする中空軸用ダイナミックダンパ。
【請求項2】
弾性体が挿入部材に一体に加硫接着されたことを特徴とする請求項1に記載の中空軸用ダイナミックダンパ。
【請求項3】
質量体、弾性体及び挿入部材が筒状又は環状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中空軸用ダイナミックダンパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−241822(P2012−241822A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113462(P2011−113462)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】
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