説明

中空麺の製造方法

本発明は、中空麺の製造方法に係り、より詳しくは、糊化された生地を、中空部を形成するようにデザインされたダイ(Die)を通過させることにより、麺線の内部にチューブ(Tube)状の中空部を有するようになり、調理時間が画期的に短縮され、調理時に汁及び薬味が麺の内部に容易に浸透して、味の向上した麺を製造することができる。また、中空を形成することにより麺の表面積が増加し、それによって、糊化されて射出される麺の表面の水分が早く蒸発し、麺のべたつきを画期的に改善することによって、麺線の付着を減少させる麺を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空麺の製造方法に係り、より詳しくは、糊化された生地を、中空部を形成するようにデザインされたダイ(Die)を通過させることにより、麺線の内部にチューブ(Tube)状の中空部を有するようになり、調理時間が画期的に短縮され、調理時に汁及び薬味が麺の内部に容易に浸透して、味の向上した麺の製造に関する。
【0002】
また、中空を形成することにより麺の表面積が増加し、それによって、糊化されて射出される麺の表面の水分が早く蒸発し、麺のべたつきを画期的に改善することによって、麺線の付着を減少させる麺の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
麺は、全世界的に愛される食べ物である。麺を食べる文化は、韓国、中国、日本の三国の他、ベトナム、タイ、インドネシアなど東洋だけでなく、一日三食のうち二食をパスタとするイタリアを中心にした西洋でも発達した。
【0004】
麺の調理経過時間は加工方法によって大きく左右される。麺の加工方法は油揚げ麺と乾麺とに大別することができる。油揚げ麺は、蒸気で蒸した麺を高温の油で揚げたもので、揚げる過程中パフィング(Puffing)現象によって麺線の内部に多くの多孔を形成する。乾麺は、蒸気で蒸したり、または高温の射出機を通過した麺線を乾燥させた麺で、多孔質の油揚げ麺より緻密で且つ密度が高い。したがって、同じ麺線の太さにおいては、乾麺が油揚げ麺より調理経過時間がさらに多く必要とされる。
【0005】
市販中の乾麺のうち麺線の太いものはスパゲティが大部分である。一例として、スパゲティ麺の太さが1.65mm(外径の実測値)であるものは調理経過時間が8分であり、太さが1.85mmであるものは調理経過時間が11分である。
【0006】
消費者の調査結果によれば、調理経過時間に対する消費者の期待水準は5分を越えてはならない。しかし、ボリューム感のある正統スパゲティ麺の場合、10〜12分を調理しなければならない製品もある。
【0007】
麺の調理経過時間に対する消費者の明白な要求事項は、調理時間を短くすることである。
【0008】
調理時間を短くするための方法には、麺線を細くして麺線の中心部までの水分の浸透時間を減らす方法があるが、細すぎる麺線は、麺のボリューム感を減少させ、嗜好度を低下させる結果をもたらす。また、油揚げ麺において加工中にパフィングの度合いを高める方法があるが、この場合、麺の後半の食感があまりにも早く弱くなる結果をもたらす。
【0009】
麺線のボリュームを維持しながら復元時間を減らす方法の一つとして、麺線の内部に中空(tube)を形成する方法がある。
【0010】
中空麺の製造に関する特許には、特許文献1の‘中空部を有する麺製造装置及びその中空麺’があり、この方法は、二つの麺帯を作った後、これを一つに重ねて切出機(Slitter)を通過させ、中空を有する麺を製造するもので、二つの麺帯を作る設備を構成しなければならないのは勿論、切り出し麺に限定されている製造方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−0264612号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、麺の調理経過時間の画期的な短縮のために案出されたもので、小麦粉、米粉、澱粉などの穀類を用いてこれを糊化させた後、中空を形成するようにデザインされたダイを通過させることにより、麺線の内部に中空を形成して、調理時間を短縮し、調理時に汁及び薬味が麺の内部に容易に浸透して、味が向上した中空麺を提供する。
【0013】
また、中空の形成により麺の表面積が増加し、これによって、糊化されて射出される麺の表面の水分が早く蒸発し、麺のべたつきを画期的に改善することによって、麺線の付着を減少させる麺を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一側面は、麺材料100重量部及び配合水33〜37重量部を第1の射出機において混練及び糊化させる段階と、前記糊化された生地を第2の射出機を通過させて中空麺に成形する段階と、前記成形された中空麺を65〜75℃、相対湿度20%で3〜5分間予備乾燥する段階と、前記予備乾燥した麺を45〜60℃、相対湿度40%で60分間本乾燥する段階と、を含む中空麺の製造方法を提供する。
【0015】
前記麺材料は、米粉、小麦粉、麦粉、蕎麦粉、トウモロコシ粉、トウキビ粉、粟粉、オート麦粉、緑豆粉、キビ粉、きな粉、ヒエ粉及び澱粉からなるグループから一つ以上選択することができる。
【0016】
または、前記麺材料は、米粉70〜90重量部と、馬鈴薯澱粉5〜20重量部と、蕎麦粉、麦粉またはどんぐり粉5〜25重量部と、粉末繊維素0.2〜3重量部とを含むことができる。
【0017】
前記配合水は、前記麺材料100重量部に対して、精製塩0.5〜5重量部、昆布抽出物0.5〜2重量部、米糠風味液0.5〜5重量部、及び精製水を含むことができる。
【0018】
また、前記第1の射出機の設定温度は100〜120℃でよい。
【0019】
また、前記糊化された生地の水分含量は27〜33%でよい。
【0020】
また、前記糊化された生地の糊化度は70〜95%でよい。
【0021】
また、前記第2の射出機の設定温度は30〜50℃でよい。
【0022】
また、前記中空麺の厚さは外径と内径との組合せからなり、0.2mm〜1.0mmでよい。
【0023】
また、前記中空麺の外径は1.5〜2.5mmでよい。
【発明の効果】
【0024】
以上で詳細に説明したように、本発明により製造された中空麺は、穀物を用いた麺類の調理経過時間を画期的に減らすことができるだけでなく、工程中、べたつき適性が大きい麺材料を適用する時にも麺の表面積の増加による早い水分蒸発の効果によって工程適性が良好で、調理中に麺線の内部に汁及び薬味が容易に浸透して、味が向上した麺を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の中空麺の製造工程を示す図である。
【図2】中空麺の麺線の厚さの形成原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0027】
本発明の中空麺の製造方法は、糊化させた生地を、中空を形成するダイを通過させることにより、麺線の内部に中空部を有する麺を製造する。
【0028】
糊化された生地がダイを通過すると、外径及び内径を有する麺線に成形される。
【0029】
この時、厚さは、図2でのように、外径から内径を引いた長さの1/2になる。麺を調理した時に、外径によって麺線に対するボリューム感を感じ、麺線の厚さが小さい分調理経過時間は減少する。太い麺を速く調理して食べたいという消費者の要求事項に符合する麺の製造が可能である。
【0030】
製造例
【0031】
麺材料の混合段階
【0032】
麺材料として、米粉、小麦粉、麦粉、蕎麦粉、トウモロコシ粉、トウキビ粉、粟粉、オート麦粉、緑豆粉、キビ粉、きな粉、ヒエ粉、澱粉などを含むことができる。
【0033】
麺材料として米粉を用いる場合には米粉のみを用いることもできるが、場合によっては、米粉70〜90重量部と、馬鈴薯澱粉5〜20重量部と、蕎麦粉、麦粉またはどんぐり粉5〜25重量部と、粉末繊維素0.2〜3重量部とを含むこともできる。
【0034】
混練及び糊化させる段階
【0035】
麺材料が投入されたニーダーに配合水を追加し、前記ニーダーは混練と同時に100〜120℃の熱を加えて生地を糊化させる。一般的に混練と糊化が起こる時間は20〜40秒で短時間に起こる。糊化度が70〜95%になるように糊化させる。
【0036】
または、前記生地の塊が最適に糊化されるように、120℃で実施することが好ましい。
【0037】
混練のための配合水は、麺材料100重量部に対して、精製塩0.5〜5重量部、昆布抽出物0.5〜2重量部、米糠風味液0.5〜5重量部及び精製水を混合する。
【0038】
昆布抽出物の使用は、米粉などのように澱粉の溶出が多く発生する麺材料を使用する場合に特に有利である。昆布抽出物の添加量が麺材料100重量部に対して、0.4重量部以下であれば、麺の澱粉溶出の制御効果が微々であり、2.1重量部以上であれば、中空麺の組織が固く且つ表面が滑るので、食感が低下するという問題点がある。
【0039】
配合水は、麺材料100重量部に対して、33〜37重量部とする。麺材料100重量部に対して配合水が38重量部以上であれば、射出機の内部で生地の塊の移送が困難で、32重量部以下であれば、中空麺が過度に膨脹して澱粉の溶出が激しくなる。
【0040】
本発明の麺材料と配合水とが混合された生地が糊化された状態は、一般的な餅などの糊化状態とは異なる。本発明の糊化された生地の水分含量は27〜33%で、移送及び加工適性が良好である。それに対し、一般的に餅のような糊化された状態の水分含量は45〜55%と高水分状態で、移送及び中空乾燥麺への加工適性が乏しい。また、本発明の糊化は混練と同時に起こり、麺材料と配合水とが混合された生地を、100〜120℃の第1の射出機において熱だけを加えて20〜40秒間糊化が行われるのに対して、餅のような糊化状態は、スチームを用いて20分以上蒸す方式によって糊化状態になるもので、その糊化方法も互いに異なる。
【0041】
生地の糊化度は70〜95%で、糊化された麺が互いにくっつかないようにする。
【0042】
第2の射出機による麺線の形成段階
【0043】
生地の塊を30〜50℃にセットされた第2の射出機に移送されて 中空麺のサイズを外径と内径とを組合させた麺線を形成する。
【0044】
第2の射出機で麺線に中空を形成する射出ダイ(die)は、後述するように、中空麺の外径の大きさが1.5〜2.5mmで、中空麺の厚さが0.2〜1.0mmである麺線を作ることさえできれば、一般的な中空麺を形成する射出ダイを用いることができる。
【0045】
より詳細に、外径と内径との組合せで麺線の厚さを設定して射出させる段階で、射出された麺線の厚さを0.2mmから1.0mmに製造して切断する。
【0046】
外径は1.5mmから2.5mmの範囲において、内径との組合せで麺線の厚さを定める(図2参照)。
【0047】
麺の厚さが0.2mm未満であれば、中空部が形成された後、形態を維持する力が弱いため変形し、1.0mmを超過すると、厚くなった厚さのため調理経過時間が8分を超過して、組織が固くなるという短所がある。
【0048】
上述した方法において、成形工程は通常の成形条件で実施できる。
【0049】
第2の射出機による中空麺の形成段階は、数秒程度の短時間の間に行われるので、第2の射出機のセッティング温度を30〜50℃に設定しても、100〜120℃の高温で糊化された生地の塊の温度、及び第2の射出機により形成された中空麺自体の温度は第2の射出機のセッティング温度まで冷却されない。したがって、依然として高温である第2の射出機で射出された中空麺は、表面積が大きくなって中空麺から離脱する水分の量が多いため、予備乾燥段階に移送される間、一般麺(非中空麺)とは異なり、麺同士がくっつく現象をなくすために麺線の表面を乾燥する段階が不要である。
【0050】
予備乾燥段階
【0051】
予備乾燥は、切断された中空麺が均一に分散され、空隙が最大に生じるように空気の噴射圧を調節して、成形された麺が固まらないように、65〜75℃の温度、相対湿度20%で3〜5分間行われる。
【0052】
予備乾燥条件は、温度が65℃未満であれば、乾燥がなされず、保存期間中に麺の固まりが発生し、75℃を超過すると、麺線にクラックが発生し、麺線が切れる現象が発生する。
【0053】
本乾燥段階
【0054】
本乾燥では、53℃の温度、相対湿度40%で60分間乾燥し、冷風により常温まで冷却させる。
【0055】
本乾燥条件は、温度が45℃未満であれば、乾燥がなされず、保存期間中に中空麺においてかびが発生し、60℃を超過すると、中空麺の色相変化、すなわち、褐変現象が発生するという問題点がある。
【0056】
乾燥を、相対湿度を調節した状態での低温と高温との2段階に分ける効果は、乾燥が速すぎると、風に触れる表面が先に乾燥して硬化するため、むしろ内部の乾燥が遅れて形状が曲がり、内部の応力に歪みが生じて乾燥中に折れてしまい、乾燥後に裂けるので、このような現象を防止するために乾燥の速度を調節するためである。
【0057】
麺線の表面が乾燥すると、内部との水分差が発生し、その後、内部の水分が表面に移動するが、この内部水分の表面への移動が表面の乾燥よりも遅れると、上記のような悪い状況が発生してしまう。そのため、表面からの蒸発を減少させることで、内部からの拡散効果を図ることが重要である。
【0058】
したがって、まず、相対的に高い温度で湿度を加えた状態で乾燥させることで、前述したように、内部水分を表面に先に移動させる役割をし、また、麺線の空隙を最大化した状態で麺の形を維持できるようになる。
【0059】
また、温度を低くし、相対湿度を高めて2次乾燥させることで、麺の表面における乾燥速度を最小化して、内部の水分拡散及び速度を維持することによって、組織が緻密で且つ透明な射出乾麺を製造できる。
【0060】
以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。先ず、本明細書及び請求範囲において用いられた用語や単語は、通常のまたは辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に基づき、本発明の技術的思想に沿った意味や概念として解釈されるべきである。
【0061】
したがって、本明細書に記載された実施例に示す構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁しているわけではないため、本出願時点においてこれを代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解すべきである。
【0062】
[実施例]
【0063】
実施例1
【0064】
麺材料として、米粉100重量部をニーダーに投入し、米粉100重量部に対して35重量部の配合水を添加する。配合水には、麺材料100重量部に対して、精製塩3重量部、昆布抽出物1.2重量部、米糠風味液3重量部、及び水を混合する。麺材料と配合水をニーダーに投入し、110℃で混練及び糊化させて、糊化された生地の塊は一定の重量だけ切断してエアシフト(Air Shift)に移送した。射出機において、中空麺の外径及び内径の組合せは外径φ2.0mm、内径φ1.0mmにし、厚さを0.5mmに射出させる段階で、射出された麺の付着を極力抑制して切断した。切断された中空麺が均一に分散され、空隙が最大に生じるようにエア噴射圧を調節して、成形された麺が固まらないように70℃の温度、相対湿度20%で3〜5分間予備乾燥した。本乾燥では53℃の温度、相対湿度40%で60分間乾燥し、冷風により常温まで冷却して中空麺を製造した。
【0065】
実施例2
【0066】
昆布抽出物の添加量を、米粉100重量部に対して、1.0重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0067】
実施例3
【0068】
昆布抽出物の添加量を、米粉100重量部に対して、1.5重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0069】
実施例4
【0070】
配合水の添加量を、米粉100重量部に対して、34重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0071】
実施例5
【0072】
配合水の添加量は、米粉100重量部に対して、36重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0073】
実施例6
中空麺の外径及び内径の組合せを外径φ2.0mm、内径φ1.2mmにし、厚さを0.4mmに射出させるのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0074】
実施例7
【0075】
中空麺の外径及び内径の組合せを外径φ2.5mm、内径φ1.1mmにし、厚さを0.7mmに射出させるのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0076】
実施例8
【0077】
中空麺を、温度67℃、相対湿度20%で3〜5分間予備乾燥するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0078】
実施例9
【0079】
中空麺を、温度73℃、相対湿度20%で3〜5分間予備乾燥するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0080】
実施例10
【0081】
本乾燥では、48℃の温度、相対湿度40%で60分間乾燥し、冷風により常温まで冷却するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0082】
実施例11
【0083】
本乾燥では、57℃の温度、相対湿度40%で60分間乾燥し、冷風により常温まで冷却するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0084】
比較例1
【0085】
昆布抽出物を使用しないのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0086】
比較例2
【0087】
昆布抽出物の添加量を、米粉100重量部に対して、0.4重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0088】
比較例3
【0089】
昆布抽出物の添加量を、米粉100重量部に対して、2.1重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0090】
比較例4
【0091】
配合水の添加量を、米粉100重量部に対して、32重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0092】
比較例5
【0093】
配合水の添加量を、米粉100重量部に対して、38重量部の割合で添加するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0094】
比較例6
【0095】
中空麺の外径及び内径の組合せを外径φ2.0mm、内径φ1.8mmにし、厚さを0.1mmに射出させるのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0096】
比較例7
【0097】
中空麺の外径及び内径の組合せを外径φ2.7mm、内径φ0.5mmにし、厚さを1.1mmに射出させるのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0098】
比較例8
【0099】
中空麺を、温度64℃、相対湿度20%で3〜5分間予備乾燥するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0100】
比較例9
【0101】
中空麺を、温度76℃、相対湿度20%で3〜5分間予備乾燥するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0102】
比較例10
【0103】
本乾燥では、44℃の温度、相対湿度40%で60分間乾燥し、冷風により常温まで冷却するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0104】
比較例11
【0105】
本乾燥では、61℃の温度、相対湿度40%で60分間乾燥し、冷風により常温まで冷却するのを除いては、実施例1と同一の方法で中空麺を製造した。
【0106】
実験例
【0107】
前記実施例1乃至10、及び比較例1乃至11の中空麺に対して専門の官能評価要員32人が味、麺の組織感、麺の伸び程度、及び溶出度に対して官能評価を実施した。
【0108】
その結果を下記の表1に記載した。
【0109】
【表1】

【0110】
上記表1によれば、本発明による中空麺の製造時に麺線の厚さが0.2mm未満(比較例6)であれば、調理後に麺の組織が不良で且つ伸びやすくなり、1.0mmを超過(比較例7)すると、中空麺の組織が固く、調理経過時間が10分になるため、時間が多くかかるという問題点がある。
【0111】
配合水の添加量は、米粉100重量部に対して、35重量部の割合で添加する。33重量部未満(比較例4)であれば、中空麺及び麺の過度な膨化現象が発生して、中空麺の澱粉溶出が激しくなり、37重量部を超過(比較例5)すると、射出機の内部において生地の塊が容易に移送されないという問題点がある。
【0112】
中空麺の外径及び内径の組合せで製造された麺線の厚さが0.2mm未満(比較例6)であれば、中空麺の麺線が細くて糊化されやすいため、澱粉の溶出が激しく、麺の食感が低下し、1.0mmを超過(比較例7)すると、中空麺の調理経過時間が長く、組織が固いという短所がある。
【0113】
予備乾燥条件は、温度が65℃未満(比較例8)であれば、乾燥がなされず、保存期間中に中空麺の固まり現象が発生し、75℃を超過(比較例9)すると、中空麺の炭化物が発生するという問題点がある。
【0114】
本乾燥条件は、温度が45℃未満(比較例10)であれば、乾燥がなされず、保存期間中に中空麺においてかびが発生するなど、保存性に問題を招くことがあり、60℃を超過(比較例11)すると、中空麺の色相の変化、すなわち、褐変現象が発生するという問題点がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺材料100重量部及び配合水33〜37重量部を第1の射出機において混練及び糊化させる段階と、
前記糊化された生地を第2の射出機を通過させて中空麺に成形する段階と、
前記成形された中空麺を65〜75℃、相対湿度20%で3〜5分間予備乾燥する段階と、
前記予備乾燥した麺を45〜60℃、相対湿度40%で60分間本乾燥する段階とを含む、中空麺の製造方法。
【請求項2】
前記麺材料は、米粉、小麦粉、麦粉、蕎麦粉、トウモロコシ粉、トウキビ粉、粟粉、オート麦粉、緑豆粉、キビ粉、きな粉、ヒエ粉及び澱粉からなるグループから一つ以上選択される、請求項1に記載の中空麺の製造方法。
【請求項3】
前記麺材料は、米粉70〜90重量部と、馬鈴薯澱粉5〜20重量部と、蕎麦粉、麦粉またはどんぐり粉5〜25重量部と、粉末繊維素0.2〜3重量部とを含む、請求項2に記載の中空麺の製造方法。
【請求項4】
前記配合水は、前記麺材料100重量部に対して、精製塩0.5〜5重量部、昆布抽出物0.5〜2重量部、米糠風味液0.5〜5重量部、及び精製水を含む、請求項1に記載の中空麺の製造方法。
【請求項5】
前記第1の射出機の設定温度は100〜120℃である、請求項1に記載の中空麺の製造方法。
【請求項6】
前記糊化された生地の水分含量は27〜33%である、請求項1に記載の中空麺の製造方法。
【請求項7】
前記糊化された生地の糊化度は70〜95%である、請求項1または6に記載の中空麺の製造方法。
【請求項8】
前記第2の射出機の設定温度は30〜50℃である、請求項1に記載の中空麺の製造方法。
【請求項9】
前記中空麺の厚さは外径と内径との組合せからなり、0.2mm〜1.0mmである、請求項1に記載の中空麺の製造方法。
【請求項10】
前記中空麺の前記外径は1.5〜2.5mmである、請求項9に記載の中空麺の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−514078(P2013−514078A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544340(P2012−544340)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007595
【国際公開番号】WO2011/074730
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(500394591)株式會社農心 (3)
【氏名又は名称原語表記】NONG SHIM CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】370,Shindaebang−Dong,Dongjak−Gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】