説明

中空PCa部材およびコンクリート柱材

【課題】コスト増を招くことなく凍害を防止することが可能な、中空PCa部材およびコンクリート柱材を提供する
【解決手段】凍結により膨張するコンクリート中の水分量を削減するために、遠心成形により当該コンクリートを締め固めして形成される。遠心成形により締め固めされたコンクリートの、水中養生下における含水率が2.5%以下である。遠心成形により締め固めされたコンクリートの、外部からの水の侵入を防止できる密実性を示す、径が10μm以下の細孔の累積細孔量が0.03ml/g以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コスト増を招くことなく凍害を防止することが可能な、中空PCa部材およびコンクリート柱材に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心成形による中空PCa部材を外殻部分に用いたコンクリート構造体として、例えば特許文献1に示すようなものが知られている。特許文献1では、遠心成形した筒状体のプレキャストコンクリート部材を柱材とする場合において、そのプレキャストコンクリート部材は、コンクリート部分に埋設した柱主筋を上下に貫通突出させ、この柱主筋の下部突出部の外周をコンクリート部分下端に結合する鋼板で囲み、ここを下層柱と上層柱の柱主筋相互の重ね継ぎ手部として、プレキャストコンクリート部材内部にコンクリートを打設する遠心成形PCaコラム工法を開示している。
【特許文献1】特開平5−287802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、寒冷地で使用されるコンクリート構造体は耐凍害性を有する必要がある。凍害は、コンクリート中に存在する水分が凍結膨張によりコンクリートに微細なひび割れを発生させ、そのひび割れにまた水分が入り込むことを繰り返すことにより生じる劣化現象である。コンクリート中に存在する水分としては、材料に含まれていた水分が成形後までコンクリート中に残存するものと、成形後に外部からコンクリート表面の細孔、すなわち微細な空気泡を通じて侵入するものとがあると考えられる。従来、コンクリートの耐凍害性を確保するための基準の一例である「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に規定される住宅の劣化対策等級(構造躯体等)で等級3を得るには、凍結膨張による圧力を逃がしてひび割れの発生を防ぐためにコンクリートのフレッシュ時の空気量を比較的多めの4〜6%とすることが条件となっている。
【0004】
コンクリートを遠心成形すると空気が抜け、空気量が減少するといわれている。また、コンクリートの硬化後にさらに空気量が減少するといわれている。そのため従来、凍害が問題となるような寒冷地で中空PCa部材を使用する場合には、遠心成形以外の製造方法によって中空PCa部材を製造しなければならず、これは製造コストが高くなるため不利であった。また、遠心成形以外の製造方法によって中空PCa部材を製造するにしても、空気連行性を有するAE剤などの混和剤を添加して計画的に細孔(連行空気)を増加させることにより、凍結膨張による圧力を逃がし凍害防止を図る必要があったが、AE剤などの混和剤は高コストであることが問題となっていた。
【0005】
さらには、コンクリート中の空気量を増やすことにともない、コンクリートの強度が低下してしまうため、低下した強度を補填するために材料中のセメント量を増す必要があり、このセメントの割り増しによるコスト増も大きな問題となっていた。特に、普通コンクリートの場合よりも、高強度・超高強度コンクリートの部材を製作する場合には、強度確保のためにセメント量を多く割り増しする必要があり、コスト的に著しく不利となってしまっていた。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、コスト増を招くことなく凍害を防止することが可能な、中空PCa部材およびコンクリート柱材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる中空PCa部材は、凍結により膨張するコンクリート中の水分量を削減するために、遠心成形により当該コンクリートを締め固めして形成される。
【0008】
前記遠心成形により締め固めされたコンクリートの、水中養生下における含水率が2.5%以下であることを特徴とする。
【0009】
前記遠心成形により締め固めされたコンクリートの、外部からの水の侵入を防止できる密実性を示す、径が10μm以下の細孔の累積細孔量が0.03ml/g以下であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるコンクリート柱材は、請求項1に記載の中空PCa部材により形成される空間内に内部コンクリートが打設充填されて、上記中空PCa部材が表層部に形成されることを特徴とする。
【0011】
前記中空PCa部材および前記内部コンクリートが、ともに普通コンクリートよりも高強度のコンクリートにより形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる中空PCa部材およびコンクリート柱材にあっては、コスト増を招くことなく凍害を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明にかかる中空PCa部材およびコンクリート柱材の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる中空PCa部材は、寒冷地での使用を想定したものであって、基本的には、凍結により膨張するコンクリート中の水分量を削減するために、遠心成形により当該コンクリートを締め固めして形成される。より具体的には、遠心成形後のコンクリートの、水中養生下における含水率が2.5%以下であるとともに、外部からの水の侵入を防止できる密実性を示す、径が10μm以下の細孔の累積細孔量が0.03ml/g以下のものである。
【0014】
凍害の原因となるコンクリート中に存在する水分としては、第一に、コンクリートの材料に含まれていた水分のうち水和や分離、脱水されず成形後まで残存するもの(以下、残存水という)がある。第二に、成形後に外部からコンクリート表面の細孔、すなわち微細な空気泡を通じて侵入するもの(以下、侵入水という)とがあると考えられる。
【0015】
遠心成形は、軸心を中心に回転駆動される外型枠の内部空間にコンクリートを充填し、遠心力により、コンクリートを外型枠の内周面に圧密させつつ硬化させて中空のPCa部材を形成する方法として広く知られている。遠心成形では、材料に含まれる水分が成形の過程で比較的多く分離、排出されるので、通常の打ち込み方法によるコンクリートと比較すると、残存水の水分量が少なくなると考えられる。
【0016】
また、遠心成形を行って締め固めしたコンクリートでは、通常の打ち込み方法のコンクリートと比較して、コンクリート中の空気量が少なくなるといわれている。特に、細孔(例えば径が10μm以下のものなど)の量が低減し、コンクリートの組織が密実な構造になるといわれている。コンクリートの組織が密実な構造となれば、外部からの侵入水の量が少なく抑えられると考えられる。
【0017】
これらのことにより発明者は、遠心成形により締め固めして形成された中空PCa部材であれば、残存水の水分量、および侵入水の水分量をともに少なく抑えることができ、有効な耐凍害性を示すのではないかと考え、これらの点を確認するために試験を行い、本実施形態の中空PCa部材を完成した。この試験については「実施例」で詳述する。
【0018】
上記試験の結果、遠心成形によるコンクリート試験体では、フレッシュ時の空気量を少なく(例えば2%程度に)調整した場合であっても良好な耐凍害性を示した。そして特に、含水率に関して、通常の打ち込み方法により成形した耐凍害性の低いコンクリートでは水中養生下における含水率が3%程度であったが、遠心成形によるコンクリートにあっては、水中養生下における含水率を2.5%以下となるよう調整した場合、特に良好な耐凍害性を有すると考察された。また、遠心成形によるコンクリートの密実性については、径が10μm以下の細孔の累積細孔量が0.03ml/g以下となるよう調整した場合、外部からの侵入水を防ぐ十分な密実性を有し、特に良好な耐凍害性を有すると考察された。これら含水率や累積細孔量の値はコンクリートの調合や遠心成形の条件などを適宜に設定することにより調整可能である。
【0019】
以上説明したような本実施形態にかかる中空PCa部材にあっては、遠心成形によりコンクリートを締め固めして形成されることとしたので、通常の打ち込み方法によるコンクリートと比較してコンクリート中の残存水が少なく、かつまたコンクリート組織の密実性が高いため侵入水を少なく抑えることが可能であると考えられ、その結果、良好な耐凍害性を有する。またその際、遠心成形によるコンクリートにあっては、フレッシュ時の空気量が例えば2%程度であっても良好な耐凍害性を有するため、従来の、通常の打ち込み方法によるコンクリートのように、混和剤などを使用してフレッシュ時の空気量を4〜6%と高めに調整する必要がない。さらには、空気量を増加させることにより低減した強度を補填するためにセメントを割り増す必要もない。従って、混和剤やセメントの割増などにより発生するコストを削減することができるため、非常に有利である。さらにまた、材料に混和剤などを添加したりセメントを割り増ししたりする必要がないため、作業工程を簡単化することができ、作業性や施工性も向上する。
【0020】
特に、遠心成形により締め固めされたコンクリート中に存在する水分量を示す含水率が、水中養生下において2.5%以下である場合、確実な耐凍害性を有するものと考察された。また、遠心成形により締め固めされたコンクリートの、外部からの水の侵入を防止できる密実性を示す、径が10μm以下の細孔の累積細孔量が0.03ml/g以下である場合も確実な耐凍害性を有するものと考察された。
【0021】
本実施形態にかかる耐凍害性を有する中空PCa部材を柱材に適用する場合は、本実施形態の中空PCa部材によりその中心に形成される空間内に内部コンクリートが打設充填され、中空PCa部材が表層部を構成するよう形成される。このようなコンクリート柱材にあっては、凍害に対する被覆部を構成する表層部の中空PCa部材が十分な耐凍害性を有しているため、内部コンクリートについては耐凍害性に対する特別な措置を必要としない。その結果、中空PCa部材のみならず内部コンクリートについても、空気量が多くなるよう調整するため混和剤を添加したり、強度の低下を補填するためセメントを割り増したりする必要がないため、コストを低く抑えることができるので有利である。
【0022】
また、上記本実施形態にかかる中空PCa部材を柱材に適用する場合は、内部コンクリートを普通コンクリートよりも高強度のコンクリートから形成し、高強度・超高強度の柱材を形成することも可能である。さらにこの場合、中空PCa部材をも、単なる型枠や凍害対策の被覆として機能させるだけでなく、普通コンクリートよりも高強度のコンクリートとなるよう形成し内部コンクリートとともに強度を負担するようにすることも可能である。従来、高強度・超高強度のコンクリート部材の場合には、特にセメント量を多く割り増しする必要があり、コスト的に非常に不利であった。ところが、上記本実施形態にかかる中空PCa部材を適用した高強度・超高強度柱材にあってはその必要がなくコスト的により有利であるとともに、前述のように作業性や施工性も向上する。
【実施例】
【0023】
次に、本発明者が行ったコンクリートの耐凍害性に関する試験について詳細に説明する。
(1)試験計画と要因
遠心成形中空PCa部材の耐凍害性に関する資料を得ることを目的として、試験体の成形方法、混和材の有無、空気量および養生方法を要因とした実験を計画した。その要因の組み合わせを表1に示している。「CA2」などの試験体記号の、一番左の文字は、遠心成形による試験体をC、JIS標準による打込み方法(以下、JIS成形という)の試験体をJとしている。真ん中の文字は、混和材を用いた調合のものをA、用いない場合をnとしている。最後の数字はフレッシュ時の空気量を示し、1→1%、2→2%、4→4.5%を示している。「Jn4」は標準養生の試験体とした。
【0024】
【表1】

試験評価項目としては、成形されたコンクリートの、耐凍害性(JIS A 1148のコンクリートの凍結融解試験方法A法)、含水率(絶乾質量法)、密実性を示す細孔径分布および累積細孔量(水銀圧入法)、および硬化後の空気量を示す気泡間隔係数(リニアトラバース法ASTM C−457)などである。
(2)調合と使用材料
調合と使用材料を表2に示している。各試験体のフレッシュ時の空気量は、表2に示す混和剤のうち、AE助剤、もしくは消泡剤を用いて調整した。
【0025】
【表2】

(3)試験体の製作
コンクリートの練り混ぜ方法を図1に示している。100リットル強制練りミキサを用い、セメント、細・粗骨材、混和剤を投入し60秒間練り、次に、水、減水剤を投入し60秒間練った。遠心成形試験体は、その次に、図2に示すφ600の円柱状の型枠1の内部を図3に示す15.5×10×60cmの寸法の角柱状の仕切り型枠3で仕切ってコンクリート2を打ち込み、遠心成形し、角柱状の試験体として取り出される。表3には、遠心成形の具体的な条件を示している。
【0026】
【表3】

その後、図4に示すように、25℃前置き1時間、25℃から80℃まで昇温10時間、80℃保持7時間、その後自然冷却という条件で蒸気養生を行った。翌日、材齢一日で、脱型し、図5に示すように試験体4を10×10×40cmの寸法に切断し、今度は、温度20±2℃、相対湿度60±5%の環境で7日間、気中養生を行い(その間に切断面4aにエポキシ樹脂によりコーティングを施した)、次に水温20±3℃で7日間、すなわち材齢14日まで水中養生を行った。
【0027】
他方、JIS成形による試験体JA2、Jn2は、10×10×40cmの寸法を有する型枠にコンクリートを打ち込み、その後遠心成形の試験体と同様の蒸気養生→気中養生→水中養生(表1の中では「蒸気」と示している)を行った。ただし標準試験体であるJn4は標準養生、すなわち打設後20℃で湿潤養生し、翌日脱型後、材齢4週まで水温20±3℃で水中養生を行った。以上のようにして各試験体を製作した。
(4)試験結果1:含水率
各試験体の含水率の測定結果を図6に示している。図中、白抜きの菱形(◇)で示す試験体は、外部からの水分の浸透を調べるため材齢1日〜7日のみならず7日〜14日までも気中養生を行った試験体である。遠心成形による試験体はいずれも、遠心成形により見かけの単位水量が小さくなるため、JIS成形の試験体よりも含水率が小さく、かつまた外部から浸透する水分量も小さかった。具体的には、材齢1〜14日まで気中養生を行った試験体のうち、遠心成形による試験体の含水率はいずれも1.5%前後であり、JIS成形の試験体JA2、Jn2は2%を上回る値であった。また、材齢7〜14日までは水中養生を行った試験体のうち、遠心成形による試験体の含水率はいずれも2.5%以下の、2%未満であり、これに対しJIS成形の試験体JA2、Jn2は3%に近い値であった。これは、遠心成形を行った試験体はJIS成形の試験体よりも残存水が少ない上、コンクリートの組織が密実となるため外部からの侵入水が少ないためと考えられる。
(5)硬化後の空気量
フレッシュ時の空気量の測定値と硬化後の空気量の測定値との比較を図7に示している。JIS成形による試験体においても硬化後の空気量に減少傾向が見られるが、遠心成形の試験体の空気量の減少はそれよりも大きく、CA4においては4.2%から0.93%へと大きく減少している。
(6)細孔径分布と累積細孔量
各試験体の、細孔径分布の測定値を図8(a)および図9(a)に、累積細孔量の測定値を図8(b)および図9(b)に示している。細孔径とはコンクリート内の微細な空隙(気泡)の径であり、この細孔径の大きさと量からコンクリートの組織の緻密さ(密実性)が評価できる。今回の測定では、径が0.003μmから10μmまでの細孔径の測定を行った。
【0028】
図8からわかるように、CA2試験体の細孔径分布は全孔径にわたり細孔量が少なく、密実な細孔構造であることがうかがえる。累積細孔量については、JIS成形による試験体Jn4の累積細孔量は最も大きく0.05ml/gであり、1μmと0.02μmにピークが存在している。また、Cn2はJn2より累積細孔量が小さく、CA2はJA2よりも累積細孔量が小さい。試験体Jn2の累積細孔量は0.04ml/g程度であった。また、図9からわかるようにCA1、CA2、CA4の細孔径分布および累積細孔量はほぼ同じであり、いずれもその累積細孔量は0.03ml/g以下であった。
(7)凍結融解試験
凍結融解試験における相対動弾性係数の測定値を図10に示している。遠心成形を行ったCA2の試験体の相対動弾性係数は、300サイクルで、JASS(日本建築学会建築工事標準仕様書)5 26節のコンクリート性能区分Aにあたる60%を上回る90%以上であり、耐凍害性が高いことを示している。これに対し、JIS成形による試験体Jn2は、200サイクル以降において相対動弾性係数の低下が大きく、270サイクルで60%を下回り、耐凍害性が低いことを示している。遠心成形を行ったCA1、CA4の相対動弾性係数は300サイクルで90%以上であり、CA2と同様、耐凍害性が高いことを示した。
【0029】
フレッシュ時の空気量を4.7%と高く設定したJn4は、300サイクルで約100%であり、相対動弾性に変化は見られず、高い耐凍害性を示した。一般に、気泡間隔係数が250μm以下であれば十分な耐凍害性を有すると報告されているが、Jn4試験体についての気泡間隔係数について測定試験の結果(図示省略)、気泡間隔係数は約200μmであり、この報告通りの結果であった。他方、CA1およびCA2はフレッシュ時の空気量(それぞれ約1%、2%)と硬化後の空気量とがともに少なく、気泡間隔係数も大きいにも関わらず良好な耐凍害性を示した。またCA4も、硬化後の空気量については前述のように0.93%と非常に少ないにも関わらず良好な耐凍害性を示した。これら遠心成形による試験体CA1、CA2、CA4がいずれも良好な耐凍害性を示したのは、細孔径分布および累積細孔量の測定結果が示すようにいずれも密実性が高いこと、かつ、含水率の測定結果が示すようにいずれも凍結膨張による劣化現象を引き起こすコンクリート中の水分が少ないことが原因であると考察される。これに対し、Jn2の耐凍害性が低いのは、細孔径分布および累積細孔量の測定結果が示すように密実性が小さく、かつ、含水率の測定結果が示すように凍結膨張による劣化現象を引き起こすコンクリート中の水分量が多いことが原因であると考察される。
(8)まとめ
コンクリートを遠心成形した場合は、密実性が高く、含水率が低くなるため、フレッシュ時の空気量が例えば2%程度であっても良好な耐凍害性を有することができると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験のコンクリートの練り混ぜ方法を示す説明図である。
【図2】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験における遠心成形に使用される型枠の(a)側面図、および(b)平面図である。
【図3】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験における遠心成形された角柱状の試験体を製作するため、円柱状の型枠(図2)内を仕切る角柱状型枠の(a)側面図、および(b)正面図である。
【図4】図3の型枠により製作された試験体の材齢1日までの蒸気養生の温度条件を示すグラフである。
【図5】図3の型枠により製作された試験体を所定の寸法に切断した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験の含水率の測定結果を示すグラフである。
【図7】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験の空気量の測定値を示すグラフである。
【図8】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験の細孔径分布および累積細孔量の測定値を示すグラフである。
【図9】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験の細孔径分布および累積細孔量の測定値を示す別のグラフである。
【図10】本発明の中空PCa部材の好適な一実施形態にかかる、耐凍害性に関する試験の相対動弾性係数の測定値を示すグラフである。
【符号の説明】
【0031】
1 型枠
2 コンクリート
3 仕切型枠
4 試験体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結により膨張するコンクリート中の水分量を削減するために、遠心成形により当該コンクリートを締め固めして形成されることを特徴とする中空PCa部材。
【請求項2】
前記遠心成形により締め固めされたコンクリートの、水中養生下における含水率が2.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の中空PCa部材。
【請求項3】
前記遠心成形により締め固めされたコンクリートの、外部からの水の侵入を防止できる密実性を示す、径が10μm以下の細孔の累積細孔量が0.03ml/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の中空PCa部材。
【請求項4】
前記請求項1に記載の中空PCa部材により形成される空間内に内部コンクリートが打設充填されて、上記中空PCa部材が表層部に形成されることを特徴とするコンクリート柱材。
【請求項5】
前記中空PCa部材および前記内部コンクリートが、ともに普通コンクリートよりも高強度のコンクリートにより形成されることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート柱材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−341402(P2006−341402A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167302(P2005−167302)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】