説明

中継コネクタ

【課題】中継端子の有無及び中継端子の装着状態が外観検査によって容易に確認できるようにする。
【解決手段】ハウジング本体20に保持されたバスバー23とモータ側フード部Fに設けられたモータ側バスバーBとを導通可能に接続する中継端子40と、この中継端子40を内部に収容するホルダ30とを有する中継コネクタ10であって、ホルダ30は係止片52を備え、係止片52は、ホルダ30内に突出することで中継端子40の挿入経路上に配される初期位置と、中継端子40に押圧されてホルダ30の外面から突出する途中位置と、中継端子40を係止することで中継端子40をホルダ30から抜け止めする係止位置との間を移動可能に形成されているところに特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、中継端子を内部に保持する中継コネクタとして、特許文献1に記載のコネクタが知られている。このものは、相手側コネクタの相手側フード部内に嵌合される合成樹脂製のハウジング本体と、ハウジング本体に保持された導電部材と、導電部材と待受コネクタに保持された相手側導電部材とを導通可能に接続する中継端子と、この中継端子をハウジング本体から抜け止めするホルダとを備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−29021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の中継コネクタによると、中継端子は、ハウジング本体内に中継端子の側面が全周に亘って覆われるように収容されて、ハウジング本体の先端部にホルダが装着されることで抜け止めされている。このため、外観検査によって、ハウジング本体内に中継端子が正規の位置まで挿入されているか否を確認することはもちろん、外観検査によってハウジング本体内に中継端子が挿入されているか否かを確認することもできない。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、中継端子の有無及び中継端子の装着状態が外観検査によって容易に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として本発明は、導電部材間を導通可能に接続する中継端子と、この中継端子を内部に収容するホルダとを有する中継コネクタであって、前記ホルダは、前記中継端子を前記ホルダ内に挿入する挿入方向と交差する方向に変形可能に設けられた係止片を備え、前記係止片は、前記中継端子が前記ホルダに対して未挿入の未挿入状態において、前記ホルダ内に突出することで前記中継端子の挿入経路上に配される初期位置と、前記中継端子が前記ホルダに半挿入状態である半挿入状態において、前記中継端子に押圧されて前記ホルダの外面から突出する途中位置と、前記中継端子が前記ホルダに対して正規の挿入位置まで挿入された状態において、前記中継端子を係止することで前記中継端子を前記ホルダから抜け止めする係止位置との間を移動可能に形成されているところに特徴を有する。
このような構成の中継コネクタによると、ホルダに対して中継端子が未挿入状態の時には、係止片がホルダ内に突出した初期位置に配されており、中継端子がホルダに対して半挿入である半挿入状態の時には、ホルダの外面から係止片が突出した途中位置に配されている。そして、中継端子がホルダに対して正規の位置まで挿入された時には、係止片がホルダ内において中継端子を係止する係止位置に配されている。これにより、係止片の状態を外観検査することで、中継端子の装着状態を容易に検知することができる。
【0007】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記係止片は、弾性変形可能に形成されており、前記係止片は、前記初期位置から前記中継端子に押圧されることで、前記係止位置を経た後に前記途中位置に配され、前記中継端子との当接状態が解除されて弾性復帰することで前記係止位置に配されるようになっており、前記ホルダには、前記係止片を前記係止位置に保持するロック部が形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、係止片が途中位置から係止位置に弾性復帰する際に、係止片を確実に係止位置に保持することができる。
【0008】
前記ロック部は、前記係止片の移動軌道上に弾性変形可能に形成されており、前記係止片が前記係止位置から前記途中位置に至る際に、前記係止片に押圧されて弾性変形することで前記係止片を乗り越えさせ、前記係止片が弾性復帰する際に、前記係止片を前記ホルダの内側方向から係止して、前記係止片を前記係止位置に保持する構成としてもよい。
このような構成によると、ロック部が弾性変形することで係止片を係止位置から途中位置に移動させ、係止片が途中位置から係止位置に弾性復帰する際に、ロック部が係止片をホルダの内側方向から確実に係止することができるので、係止片を係止位置に確実に保持することができる。
【0009】
前記ロック部は、前記係止片の幅方向両側に形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、ロック部を一箇所に設けた場合に比べて、係止片をより確実に係止位置に保持することができる。
【0010】
合成樹脂製のハウジング本体を備え、前記ホルダは、前記ハウジング本体に装着可能で、かつ、前記相手側ハウジングに設けられた相手側フード部内に嵌合可能に形成されており、前記ホルダを前記相手側フード部内に嵌合させる際に、前記途中位置に配された前記係止片が前記相手側フード部の開口縁部と干渉する構成としてもよい。
このような構成によると、外観検査において、中継端子がホルダに対して半挿入状態であることを見過ごしたとしても、ホルダを相手側ハウジングの相手側フード部内に嵌合させる際に、途中位置に配された係止片が相手側フード部と干渉して、ホルダと相手側フード部とを嵌合させることができなくなる。これにより、ホルダに対して中継端子が半挿入状態で有ることを確実に検知することができる。
【0011】
前記ホルダには、前記中継端子を前記ホルダ内に挿入する端子挿入口が設けられており、前記端子挿入口は前記ホルダを前記ハウジング本体に装着することで閉止される構成としてもよい。
ホルダがハウジング本体に装着されて端子挿入口が閉止されると、ホルダ内に中継端子が収容されているか否かを端子挿入口から確認できなくなるが、上記の構成によると、係止片の状態を外観検査することより、中継端子の有無を容易に検知することができる。
【0012】
前記係止片は、片持ち状に形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、係止片が両持ち状に形成される場合に比べて、係止片をより大きく変形させることができるので、外観検査の際に、係止片が何れの位置に配されているのかを検知し易くすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、中継端子の有無及び中継端子の装着状態が外観検査によって容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る中継コネクタの正面図
【図2】同平面図
【図3】同側面図
【図4】図2のA−A線断面図
【図5】実施形態に係るホルダに中継端子が装着された状態を示す正面図
【図6】同平面図
【図7】同背面図
【図8】実施形態に係るホルダの正面図
【図9】同平面図
【図10】同背面図
【図11】実施形態に係る中継端子の正面図
【図12】同平面図
【図13】同側面図
【図14】図9のC−C線の断面に相当するホルダに図11のD−D線の断面に相当する中継端子を挿入する前の状態を示す断面図
【図15】図14のホルダに対して中継端子が半挿入された状態に相当する断面図
【図16】図6のB−B線断面図
【図17】図16のE−E線断面図
【図18】関連技術1に係る中継コネクタの正面図
【図19】同平面図
【図20】同側面図
【図21】図19のF−F線断面図
【図22】関連技術1に係るハウジング本体の正面図
【図23】同側面図
【図24】実施形態に係るホルダの平面図
【図25】同側面図
【図26】同底面図
【図27】図24のG−G線断面図
【図28】図24のH−H線断面図
【図29】関連技術1に係る中継端子の側面図
【図30】関連技術1に係る中継端子の断面図
【図31】図28のホルダに中継端子を装着した状態に相当する断面図
【図32】関連技術2に係る中継コネクタの正面図
【図33】同平面図
【図34】同側面図
【図35】同底面図
【図36】図33のI−I線断面図
【図37】関連技術2に係るホルダの正面図
【図38】同平面図
【図39】同側面図
【図40】同背面図
【図41】図38のJ−J線の断面に相当するホルダに中継端子を挿入する前の状態を示す断面図
【図42】図41のホルダに対して中継端子が正規の位置まで挿入された状態に相当する断面図
【図43】図41のホルダに対して中継端子が半挿入された状態に相当する断面図であって、ホルダの外部突起とハウジング本体の蓋部とが干渉している状態を示した断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
本発明の実施形態について図1乃至図17を参照して説明する。
本実施形態は、略矩形状の電子制御ユニット(ECU)ケースCに一体に設けられた中継コネクタ10を例示している。この中継コネクタ10は、例えば、モータケースのモータ側ハウジングに設けられたモータ側フード部(本発明の「相手側フード部」の一例)F内に嵌合可能とされている(図4参照)。なお、以下の説明において、上下方向とは図1における上下方向を基準とし、左右方向とは図1における左右方向を基準とし、前後方向とは図3における左右方向を基準とし、ECUケースにおける中継コネクタ10が設けられた側(図3の左側)を前側とする。
【0016】
中継コネクタ10は、ECUケースCと一体に形成されたハウジング本体20と、ハウジング本体20に装着されるホルダ30と、このホルダ30内に収容される中継端子40とを備えて構成されている。
ハウジング本体20は合成樹脂製であって、図3に示すように、ECUケースCの前面から前方に向かって突出する本体部21と、本体部21からさらに前方に突出する蓋部22とを備えて構成されている。
【0017】
本体部21の内部には、ECUケースCを内外に貫通する複数(本実施形態では2つ)のバスバー23(本発明の「導電部材」の一例)が幅方向である左右方向に横並びに保持されている。
バスバー23は、導電性を有する金属板を打ち抜き形成して、曲げ加工を施すことによって、図4に示すように、クランク状に形成されている。このバスバー23は、クランク状の中央部分が本体部21を前後方向に貫通するように本体部21に保持固定されている。
【0018】
バスバー23は、本体部21の前面から前方に突出することでECUケースCから外側に露出した後、下方に屈曲して形成されている。また、バスバー23における下方に延びた部分は、中継端子40と導通可能に接続される平板状のタブ部25とされている。
【0019】
蓋部22は、図4に示すように、ハウジング本体20におけるバスバー23の上方に形成されており、本体部21の前縁上端部から前方に突出した形態をなしている。また、蓋部22は、本体部21の幅寸法とほぼ同じ幅寸法の略板状に形成されている。蓋部22の下面には、図1及び図3に示すように、ホルダ30が下方から装着されている。
【0020】
ホルダ30は、合成樹脂製であって、上方に向かって開口するフード部(本発明の「ホルダ側フード部」の一例)31と、フード部31の左右方向両側に設けられた一対の保持片32とを備えて構成されている。
一対の保持片32は、図3及び図14に示すように、フード部31の上下方向略中央部からECUケース側(後方)に突出した後、上方に張り出した形態とされている。また、保持片32は、図9及び図10に示すように、両保持片32間を左右方向に連結する棚板33によって一体に形成されている。また、両保持片32は、上方に張り出した部分がそれぞれ左右方向に弾性変形可能であって、両保持片32には、図14に示すように、左右方向(板厚方向)に貫通する略矩形状の保持孔32Aが形成されている。一方、ハウジング本体20の本体部21における左右方向両側面には、図3に示すように、この保持孔32Aに嵌合可能な一対の保持突起27が突設されている。
両保持片32は、ホルダ30がハウジング本体20に下方から装着される過程で、保持突起27に押圧されることで互いに離れる方向に弾性変形し、保持片32の保持孔32Aに保持突起27が嵌合されることで弾性復帰する。そして、図3に示すように、保持突起27と保持孔32Aの内面とが係止することで、ホルダ30がハウジング本体20に保持固定されている。
【0021】
フード部31は、図5及び図9に示すように、左右方向に横長に形成されており、フード部31の下半分は、図4に示すように、モータ側フード部F内に嵌合可能とされている。
フード部31の内部には、図9に示すように、隔壁36Aで仕切られた複数(本実施形態では2つ)のキャビティ36が左右方向に並んで形成されている。また、フード部31には、中継端子40を挿入するための端子挿入口34がキャビティ36毎に形成されている。この端子挿入口34は、フード部31における棚板33が設けられた高さ位置において上方に向かって開口した形態に形成されている。
【0022】
各キャビティ36には、フード部31の端子挿入口34から中継端子40が個別に収容可能とされており、キャビティ36内には、図4及び図6に示すように、中継端子40が適合して嵌合されるようになっている。また、フード部31の端子挿入口34は、図1及び図4に示すように、ホルダ30がハウジング本体20に装着されると、ハウジング本体20の蓋部22によって、上方から完全に閉止されるようになっている。このため、図2に示すように、中継コネクタ10の上方からフード部31の内部を視認することができないようになっている。
【0023】
中継端子40は、導電性を有する金属板を打ち抜き形成して、金属板の左右方向両側に位置する両側縁を対向するように曲げ加工を施すことで略角筒状に形成されている。
中継端子40は、図11及び図14に示すように、略角筒状の接続筒部41と、接続筒部41内に配された弾性接触片42とを備えて構成されている。
接続筒部41は、上下方向両側に開口して形成されており、接続筒部41における上端には、タブ部挿入口43が形成されている。このタブ部挿入口43は、ハウジング本体20に設けられたバスバー23のタブ部25が上方から挿入可能とされている。一方、接続筒部41における下端は、モータ側端子挿入口44が形成されている。このモータ側端子挿入口44は、モータ側フード部Fに装着されたモータ側バスバーB(本発明の「導電部材」の一例)が下方から挿入可能とされている。
【0024】
弾性接触片42は、図14に示すように、接続筒部41の下縁から上方に折り返すことで弾性変形可能に形成されている。また、弾性接触片42は、接続筒部41の下縁から上方に向かうほど前方に張り出して、最も前方に張り出した部分を頂点に後方に折り返され、その後、上方に向かうほど後方に張り出して、最も後方に張り出し部分を頂点に前方に折り返された形態をなしている。
【0025】
弾性接触片42における後方に最も張り出した部分は、ハウジング側接点部42Aとされている。このハウジング側接点部42Aは、図4に示すように、接続筒部41のタブ部挿入口43からバスバー23のタブ部25が挿入されて、弾性接触片42のハウジング側接点部42Aと接続筒部41における後側内面との間でタブ部25を弾性的に挟持することで、タブ部25と導通可能に接続されるようになっている。一方、弾性接触片42における前方に最も張り出した部分は、モータ側接点部42Bとされている。このモータ側接点部42Bは、接続筒部41のモータ側端子挿入口44からモータ側バスバーBが挿入されて、弾性接触片42のモータ側接点部42Bと接続筒部41における前側内面との間でモータ側バスバーBを弾性的に挟持することで、モータ側バスバーBと導通可能に接続されるようになっている。
【0026】
一方、ホルダ30におけるフード部31の底壁31Aには、図4及び図9に示すように、複数(本実施形態では2つ)のバスバー挿入口35が左右方向に並んで形成されている。このバスバー挿入口35は、キャビティ36毎に形成されており、バスバー挿入口35には、モータ側フード部Fに設けられたモータ側バスバーBが挿入可能とされている。したがって、図4に示すように、フード部31がモータ側フード部F内に嵌合されると、モータ側バスバーBがバスバー挿入口35から挿入され、フード部31内に収容された中継端子40のモータ側端子挿入口44からモータ側バスバーBが接続筒部41内に挿入されるようになっている。
【0027】
さて、フード部31の前側に位置する前壁部31Eには、図1及び図8に示すように、前壁部31Eを板厚方向(前後方向)に貫通する貫通孔51が左右方向に複数(本実施形態では2つ)並んで形成されている。この貫通孔51は、略矩形状をなし、フード部31のキャビティ36毎にそれぞれ形成されている。
貫通孔51における上側に位置する内周面には、係止片52が形成されている。係止片52は、図9及び図14に示すように、キャビティ36内に突出するように片持ち状に形成されている。また、係止片52は、係止片52の基端部に設けられたくびれ部53と、くびれ部53よりも先端側に設けられた抜け止め部54とを備えて構成されている。
【0028】
くびれ部53は、図14に示すように、板厚方向にくびれた形態をなしており、係止片52はこのくびれ部53を支点に前後方向に弾性変形可能とされている。すなわち、係止片52は、中継端子40をフード部31に挿入する挿入方向と交差する前後方向に弾性変形可能とされている。
【0029】
抜け止め部54は、ブロック状に形成されている。抜け止め部54には、図14に示すように、後述する初期位置において、くびれ部53から後方に延びて上方に臨む押圧面54Aと、押圧面54Aの下方に位置して前方から後方に向かうほど上方に向かって傾斜する係止面54Bとが形成されている。
【0030】
また、貫通孔51の内周面における左右方向両側には、図1、図8及び図17に示すように、前後方向に弾性変形可能な一対のロック部55が形成されている。このロック部55は、貫通孔51の内側に向かって張り出した形態をなし、係止片52が前記係止位置から前記途中位置に至る移動軌道上に形成されている。
【0031】
一方、係止片52における抜け止め部54の左右方向両側面には、図9及び図17に示すように、一対の被ロック部56が形成されている。一対の被ロック部56は、抜け止め部54における左右方向両側面から互いに離れる方向にそれぞれ突出して形成されており、貫通孔51に設けられた一対のロック部55と対応する位置に配されている。また、被ロック部56は、図17に示すように、抜け止め部54の前縁から後方に向かって抜け止め部54の左右方向両側面から離れる方向に傾斜する傾斜面56Aを有し、傾斜面56Aの後端から僅かに後方に延びて、その後端から抜け止め部54に向かって延びる当接面56Bを有する形状に形成されている。
【0032】
本実施形態の中継コネクタ10は上記のような構造であって、続いて中継端子40をホルダ30に組み付ける際の作用及び効果について説明する。
まず、中継端子40がホルダ30のフード部31に未挿入の未挿入状態では、係止片52は、図8及び図14に示すように、フード部31のキャビティ36内における中継端子40の挿入経路上に突出した初期位置に配されている。そして、フード部31のキャビティ36内に中継端子40を挿入し始めると、係止片52は、抜け止め部54の押圧面54Aが中継端子40の接続筒部41によって下方に向かって押圧され、係止片52が前方に弾性変形して抜け止め部54が接続筒部41に乗り上げることで、図15に示すように、抜け止め部54がフード部31の前面から前方に突出する途中位置に配される。
【0033】
そして、中継端子40がフード部31に対して正規の挿入位置まで挿入されると、抜け止め部54と接続筒部41との当接状態が解除されることで、係止片52は、前記途中位置からフード部31の内側(後側)に向かって弾性復帰し、図1及び図16に示すように、中継端子40の接続筒部41の上端縁を抜け止め部54の係止面54Bによって上方から係止して、中継端子40をフード部31内に抜け止めする係止位置に配される。
【0034】
すなわち、係止片52は、中継端子40に上方から押圧されることで、前記初期位置から前記係止位置を経た後に前記途中位置に配され、中継端子40との当接状態が解除されると後方に向かって弾性復帰することで前記係止位置に配されるようになっている。これにより、係止片52の状態を貫通孔51から外観検査することで、中継端子40の装着状態を容易に検知することができる。したがって、本実施形態のように、フード部31内に中継端子40が収容されているか否かを端子挿入口34から確認できない場合においても、係止片52の状態を外観検査することで中継端子の有無を容易に検知することができる。
【0035】
また、ロック部55は、係止片52が前記係止位置から前記途中位置に至る際に、被ロック部56の傾斜面56Aによって後方から押圧され、前方に向かって弾性変形する。そして、ロック部55は、弾性変形することで、図15に示すように、被ロック部56を乗り越えさせ、被ロック部56との当接状態が解除されることで弾性復帰する。更に、ロック部55は、係止片52が前記途中位置から前記初期位置に向かって弾性復帰する際に、ロック部55の前端面55Aにおいて被ロック部56の当接面56Bをフード部31の内側(後方)から係止することで、図16及び図17に示すように、係止片52を前記係止位置に保持するようになっている。したがって、係止片52が前記初期位置に配された状態では、被ロック部56は、図8乃至図10、図14に示すように、ロック部55よりも後方(キャビティ36内)に配されており、係止片52が前記途中位置及び前記係止位置に配された状態では、被ロック部56は、図1、図5、図15及び図16に示すように、ロック部55よりも前方に配されている。すなわち、ロック部55は、フード部31に中継端子40を挿入する際に、係止片52を前記係止位置から前記途中位置に弾性変形させることを許容し、係止片52が前記途中位置から前記初期位置に向かって弾性復帰する際に、抜け止め部54における被ロック部56の当接面56Bをロック部55の前端面55Aによって後方から確実に係止することができる。これにより、係止片52を前記係止位置に確実に保持することができる。
【0036】
更に、ロック部55を貫通孔51の左右方向両側に設けたことで、ロック部を貫通孔51の内周面に一箇所設けた場合に比べて、係止片52をより確実に前記係止位置に保持することができるようになっている。
【0037】
以上のように、本実施形態によると、係止片52の被ロック部56がロック部55よりも外側(前方)に位置しているか否かを外観検査することで、中継端子40の装着状態を容易、かつ、確実に検知することができる。
【0038】
また、本実施形態によると、係止片52が、貫通孔51の内面に片持ち状に形成されているので、係止片が貫通孔の内面に両持ち状に形成される場合に比べて、係止片52をより大きく弾性変形させることができる。これにより、外観検査の際に、係止片52が何れの位置に配されているのかを検知し易くすることができる。
【0039】
更に、係止片52が前記途中位置に配された状態では、フード部31の前面から抜け止め部54が前方に突出しているので、外観検査において、中継端子40がフード部31に対して半挿入状態であることを見過ごしたとしても、フード部31をモータ側フード部F内に嵌合させる際に、前記途中位置に配された係止片52がモータ側フード部Fの開口縁部と干渉して、フード部31とモータ側フード部Fとを嵌合させることができなくなる。これにより、フード部31に対して中継端子40が半挿入状態で有ることを確実に検知することができる。
【0040】
<関連技術1>
次に、本発明に関連する関連技術1について図18乃至図32を参照して説明する。
関連技術1の中継コネクタ110は、上記実施形態におけるバスバー23のタブ部25と、ホルダ30のフード部31と、中継端子40の接続筒部41の形状を変更したものであって、上記実施形態と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0041】
関連技術1における中継端子140の接続筒部141は、略各筒状に形成されている。接続筒部141は、上記実施形態の接続筒部41と異なり、図29に示すように、左右方向両側面に係止孔145が形成されている。
関連技術1におけるバスバー123のタブ部125は、上記実施形態のタブ部25とは異なり、複数のタブ部125のうち、左右方向両側に配されたタブ部125の外側に位置する側面には、図22に示すように、突出片126がそれぞれ形成されている。この両突出片126は、長細い略矩形の平板状をなし、互いに離れる方向に突出して形成されている。
【0042】
関連技術1におけるホルダ130のフード部131は、図18及び図24に示すように、左右方向に横長に形成されており、上方に向かって開口した形態をなしている。また、フード部131の下半分は、図21に示すように、モータ側フード部F内に嵌合可能とされている。
フード部131の内部には、図24及び図28に示すように、隔壁136Aで仕切られた複数(本関連技術では2つ)のキャビティ136が左右方向に並んで形成されている。また、フード部131には、中継端子140を挿入するための端子挿入口134がキャビティ136毎に形成されている。この端子挿入口134は、フード部131における棚板33が設けられた高さ位置において上方に向かって開口した形態で形成されている。
【0043】
各キャビティ136には、フード部131の端子挿入口134から中継端子140が個別に収容可能とされており、キャビティ136内には、図21及び図31に示すように、中継端子140が適合して内嵌されるようになっている。これにより、中継端子140を予めホルダ130のフード部131内に収容しておくことができるようになっている。また、接続筒部141の外周部分である中継端子140の周辺部分は、全周に亘ってフード部131の壁部によってのみ覆われた状態となっている。すなわち、ホルダ130におけるフード部131の下半分は、図21に示すように、中継端子140が内嵌された状態で、モータ側フード部F内に嵌合可能な状態となっている。そして、ホルダ130のフード部131がモータ側フード部F内に嵌合されると、図21に示すように、ホルダ130におけるフード部131の壁部の内面131Cには中継端子140の接続筒部141が近接した状態で配され、ホルダ130におけるフード部131の壁部の外面131Dには、モータ側フード部Fの内面が近接した状態で配されるようになっている。これにより、中継端子140の周辺部分がハウジング本体の壁部とホルダの壁部との2部材の壁部からなる構造のものに比べて、中継端子140の周辺部分が大型化することを抑制することができる。ひいては、中継端子140の周辺部分を内部に嵌合するモータ側フード部Fが大型化することを抑制することができるようになっている。
【0044】
また、フード部131の端子挿入口134は、図20及び図21に示すように、ホルダ130がハウジング本体20に装着されると、ハウジング本体20の蓋部22によって、上方から閉止されるようになっている。
【0045】
一方、ホルダ130におけるフード部131の底壁131Aには、図26及び図28に示すように、複数(本関連技術では2つ)のバスバー挿入口135が左右方向に並んで設けられている。このバスバー挿入口135は、キャビティ136毎に形成されており、バスバー挿入口135には、モータ側フード部Fに設けられたモータ側バスバーBが挿入可能とされている。したがって、図21に示すように、フード部131がモータ側フード部F内に嵌合されると、モータ側バスバーBがバスバー挿入口135から挿入され、フード部131内に収容された中継端子140における接続筒部141のモータ側端子挿入口44からモータ側バスバーBが接続筒部141内に挿入されるようになっている。
【0046】
また、フード部131の左右方向両側に位置する側壁131Bには、図25に示すように、フード部131の上端縁から下方に向かって切り欠かれた第一スリット137と、フード部131の底壁131Aから上方に向かって切り欠かれた二本の第二スリット138とが形成されている。
【0047】
第一スリット137の内部には、タブ部125の突出片126が嵌合可能とされており、ホルダ130をハウジング本体120に装着する際に、図19及び図20に示すように、突出片126が第一スリット137内に上方から嵌合されるようになっている。また、第一スリット137内には、中継端子140の接続筒部141にハウジング本体20のタブ部125が挿入される前に、タブ部125の突出片126が嵌合されるように設定されている。したがって、ホルダ130をハウジング本体20に組み付ける際には、第一スリット137内に突出片126が嵌合されることで、ハウジング本体20に対してホルダ130が正規の姿勢に案内され、ホルダ130がハウジング本体20に対して傾いた姿勢で装着されることを規制できるようになっている。すなわち、ホルダ130がハウジング本体20に対して正規の姿勢で装着されることで、接続筒部141に対してタブ部125が正規の姿勢で挿入されるようになっている。これにより、ハウジング本体20のタブ部125に対して中継端子140の接続筒部141が傾いた姿勢で装着され、接続筒部141内の弾性接触片42とタブ部125との間でこじりが生じて、弾性接触片42やタブ部125が損傷することを抑制することができる。
【0048】
一方、フード部131の側壁131Bにおける二本の第二スリット138の間の部分は、左右方向に弾性変形可能な弾性部138Aとされている。この弾性部138Aの内面には、図24及び図28に示すように、キャビティ136内に突出する仮保持突起139が形成されており、この仮保持突起139は、図31に示すように、中継端子140における接続筒部141の係止孔145に嵌合可能とされている。このため、仮保持突起139は、キャビティ136内に中継端子140が上方から挿入されると、中継端子140の接続筒部141によって押圧され、フード部131の弾性部138Aが弾性変形することで、キャビティ136から押し出される。そして、中継端子140が正規の位置まで挿入されると、仮保持突起139と係止孔145とが嵌合することで弾性部138Aが弾性復帰し、図31に示すように、仮保持突起139と係止孔145の内面とが係止することで、中継端子140がフード部131のキャビティ136内に保持される。これにより、ホルダ130のフード部131の端子挿入口134がハウジング本体20の蓋部22によって閉止されるまで、フード部131のキャビティ136内に中継端子140を仮保持することができるようになっている。
【0049】
<関連技術2>
次に、本発明に関連する関連技術2について図32乃至図43を参照して説明する。
関連技術2の中継コネクタ210は、上記実施形態における中継端子40の挿入方向と、ハウジング本体20の蓋部22及びホルダ30におけるフード部31の形状とを変更したものであって、上記実施形態と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、上記実施形態と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0050】
関連技術2における中継端子40は、上記実施形態のフード部31に対する中継端子40の挿入方向と異なり、図36に示すように、中継端子40を前後に反転させた状態で、関連技術2におけるホルダ230のフード部231に装着されている。したがって、中継端子40のハウジング側接点部42Aは、前方に突出した状態となっており、ハウジング側接点部42Aと接続筒部41の前側内面との間で、タブ部25を弾性的に挟持するようになっている。また、中継端子40のモータ側接点部42Bは、後方に突出した状態となっており、モータ側接点部42Bと接続筒部41の後側内面との間でモータ側バスバーBを挟持するようになっている。
【0051】
関連技術2におけるハウジング本体220の蓋部222は、上記実施形態の蓋部22とは異なり、図32及び図34に示すように、下方に向かって開口したフード状をなし、本体部21よりも左右方向にやや幅広に形成されている。また、蓋部222の内部には、図36に示すように、ホルダ230のフード部231の上部が嵌合可能とされている。
【0052】
蓋部222の前側に位置する壁部222Aの内面には、図35及び図36に示すように、上下方向に延びる突起収容溝228が左右方向に複数(本関連技術では2つ)並んで形成されている。この突起収容溝228は、前方に向かって凹状に凹んだ形態をなし、蓋部222の開口縁部から蓋部222の上下方向略中央部まで延びて形成されている。
【0053】
関連技術2のホルダ230におけるフード部231は、図37及び図38に示すように、左右方向に横長に形成されており、上方に向かって開口した形態をなしている。また、フード部231の下半分は、図36に示すように、モータ側フード部F内に嵌合可能とされている。
フード部231の内部には、図38に示すように、隔壁236Aで仕切られた複数(本関連技術では2つ)のキャビティ236が左右方向に並んで形成されている。フード部231には、中継端子40を挿入するための端子挿入口234がキャビティ236毎に形成されている。この端子挿入口234は、フード部231における棚板33が設けられた高さ位置において上方に向かって開口した形態で形成されている。
【0054】
各キャビティ236には、フード部231の端子挿入口234から中継端子40が個別に収容可能とされており、キャビティ236内には、図36及び図42に示すように、中継端子40が適合して嵌合されるようになっている。また、フード部231は、図32乃至図36に示すように、ホルダ230がハウジング本体220に装着されると、ハウジング本体220のフード状の蓋部222内に嵌合され、フード部231の端子挿入口234が上方から完全に閉止されるようになっている。このため、上記実施形態と同様に、中継コネクタ210の上方からフード部231の内部を視認することができないようになっている。
【0055】
一方、ホルダ230におけるフード部231の底壁231Aには、図36及び図38に示すように、複数(本関連技術では2つ)のバスバー挿入口235が左右方向に並んで設けられている。このバスバー挿入口235は、キャビティ236毎に形成されており、バスバー挿入口235には、モータ側フード部Fに設けられたモータ側バスバーBが挿入可能とされている。したがって、フード部231がモータ側フード部F内に嵌合されると、モータ側バスバーBがバスバー挿入口235から挿入され、フード部231内に収容された中継端子40のモータ側端子挿入口44からモータ側バスバーBが接続筒部41内に挿入されるようになっている。
【0056】
フード部231の前側に位置する前壁231Eには、図37に示すように、前壁231Eを板厚方向に貫通するU字状のスリット261を複数設けることで、複数(本関連技術では2つ)の弾性片262が形成されている。
【0057】
このスリット261は、フード部231の下端よりやや上方の位置から上方に延びる二本のスリットの上端部を左右方向に連結することでU字状に形成されており、スリット261に囲まれた部分が弾性片262とされている。このため、フード部231のキャビティ236内に中継端子40が挿入されると、図32に示すように、スリット261からフード部231内を視認することができるようになっている。これにより、ホルダ230がハウジング本体220に装着された後でも、フード部231内に中継端子40が挿入されているか否かを容易に確認することができる。
【0058】
弾性片262は、フード部231の底壁231A側に位置する基端部を支点に前後方向に弾性変形可能に形成されている。すなわち、弾性片262は、フード部231内に中継端子40を挿入する挿入方向と交差する前後方向に弾性変形可能となっている。
【0059】
弾性片262の先端部(上端部)には、図38乃至図41に示すように、フード部231のキャビティ236内に突出する内部突起263と、フード部231の前面(外面)231Fから前方に突出する外部突起264とが形成されている。
【0060】
内部突起263は、図41に示すように、弾性片262の上端から下方に延びるほど弾性片262から離れるように傾斜する押圧面263Aを有し、この押圧面263Aから僅かに下方に延びた後、この下端部から前方に向かって延びる係止面263Bを有する形態に形成されている。また、内部突起263の下方に位置するフード部231の底壁231Aには、内部突起263を形成するための型抜き孔265が設けられている。この型抜き孔265は、図35に示すように、略矩形状をなしている。また、フード部231の底壁231Aにおいて型抜き孔265が設けられた位置は、図36及び図42に示すように、フード部231に中継端子40が装着された状態において、フード部231の前側内面と中継端子40の接続筒部41の前面との間の隙間266と対応する位置とされている。これにより、ホルダ230がハウジング本体220に装着された後に、図示しない導通プローブを型抜き孔265に挿入することで、中継端子40とタブ部25との導通状態を確認することができるようになっている。すなわち、内部突起263の型抜き孔265を導通プローブを挿入する孔として利用することで、フード部231に導通プローブを挿入するための孔を別途形成することなく、中継端子40とタブ部25との装着状態を導通プローブによって検知することができる。
【0061】
また、内部突起263は、図38及び図41に示すように、フード部231のキャビティ36内における中継端子40の挿入経路上に配されている。
このため、中継端子40をフード部231のキャビティ236内に挿入する過程では、内部突起263における押圧面263Aが中継端子40の接続筒部41によって下方に押圧されることで、弾性片262が外側(前方)に向かって弾性変形し、内部突起263がキャビティ236内における中継端子40の挿入経路上から押し出される。そして、中継端子40がフード部231に対して正規の位置まで挿入されると、内部突起263と中継端子40の接続筒部41との当接状態が解除され、図42に示すように、弾性片262が弾性復帰することで内部突起263が中継端子40の上方に配され、内部突起263の係止面263Bが接続筒部41の上端縁を上方から係止する。これにより、中継端子40がフード部231から抜け止めされる。
【0062】
外部突起264は、図41に示すように、弾性片262の先端から前方に延びる前止め面264Aを有し、この前止め面264Aの前端部から下方に向かうほど弾性片262に近づくように傾斜した形状をなす側面視略三角形状に形成されている。
【0063】
この外部突起264は、中継端子40をフード部231のキャビティ236内に挿入する過程において、内部突起263が中継端子40に押圧され、弾性片262が前方に弾性変形すると、図43に示すように、フード部231の前面231Fより更に前方に突出する干渉位置に配されるように設定されている。したがって、中継端子40がフード部231に対して半挿入である半挿入状態では、外部突起264は、フード部231の前面231Fから更に前方に突出した前記干渉位置に配された状態となり、この状態のまま、フード部231をハウジング本体220の蓋部222内に嵌合させると、前記干渉位置に配された外部突起264の前止め面264Aと蓋部222の開口縁部とが干渉してフード部231と蓋部222とを嵌合させることができなくなる。すなわち、外部突起264をフード部231に対して中継端子40が半挿入状態であることを検知させる半挿入検知手段として機能させることができる。
【0064】
また、外部突起264は、フード部231がハウジング本体220の蓋部222内に嵌合された際に、図35及び図36に示すように、蓋部222の突起収容溝228内に嵌合されるように形成されている。すなわち、外部突起264を突起収容溝228内に嵌合させることで、外部突起264をフード部231と蓋部222とを嵌合させる際のガイドとして機能させることができる。
【0065】
更に、外部突起264は、フード部231が蓋部222に対して嵌合完了位置まで嵌合されると、図36に示すように、突起収容溝228の奥壁228Aと外部突起264の前止め面264Aとが当接するようになっている。これにより、外部突起264をフード部231と蓋部222とが嵌合完了位置に至った際の前止まりとして機能させることができる。なお、突起収容溝228の奥壁228Aと外部突起264の前止め面264Aとが当接した際に、蓋部222の開口縁部と、ホルダ230の棚板33とが当接し、より確実にフード部231を前止めすることができるようになっている。
【0066】
このように、関連技術2によると、外部突起264を、半挿入検知機能とガイド機能と前止まり機能として兼用させることができるようになっている。
【0067】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0068】
(1)上記実施形態では、ホルダ30に中継端子40を2つ収容する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ホルダ30に中継端子40を1つや3つ以上内嵌して収容する構成にしてもよい。
(2)上記実施形態では、1つの接続筒部41内にタブ部25とモータ側バスバーBを挿入する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、中継端子の両端部に接続筒部をそれぞれ形成し、一方の接続筒部にタブ部を挿入し、他方の接続筒部にモータ側バスバーBを挿入するように構成してもよい。
(3)上記実施形態では、係止片52をフード部31の前壁部31Eに形成した構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、係止片をフード部31の側壁に形成してもよい。
(4)上記実施形態では、係止片52をロック部55と当接させることで、係止片52を係止位置に保持する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、係止片の先端に突起を設けて、この突起を中継端子40の前面に当接させることで、係止片52を係止位置に保持する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10:中継コネクタ
20:ハウジング本体
23:バスバー(導電部材)
30:ホルダ
34:端子挿入口
40:中継端子
51:貫通孔
52:係止片
55:ロック部
B:モータ側バスバー(導電部材)
F:モータ側フード部(相手側フード部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電部材間を導通可能に接続する中継端子と、この中継端子を内部に収容するホルダとを有する中継コネクタであって、
前記ホルダは、同ホルダの壁部において、前記中継端子を前記ホルダ内に挿入する挿入方向と交差する方向に変形可能に設けられた係止片を備え、
前記係止片は、前記中継端子が前記ホルダに対して未挿入の未挿入状態において、前記ホルダ内に突出することで前記中継端子の挿入経路上に配される初期位置と、前記中継端子が前記ホルダに半挿入状態である半挿入状態において、前記中継端子に押圧されて前記ホルダの外面から突出する途中位置と、前記中継端子が前記ホルダに対して正規の挿入位置まで挿入された状態において、前記中継端子を係止することで前記中継端子を前記ホルダから抜け止めする係止位置との間を移動可能に形成されていることを特徴とする中継コネクタ。
【請求項2】
前記係止片は、弾性変形可能に形成されており、
前記係止片は、前記初期位置から前記中継端子に押圧されることで、前記係止位置を経た後に前記途中位置に配され、前記中継端子との当接状態が解除されて弾性復帰することで前記係止位置に配されるようになっており、
前記ホルダには、前記係止片を前記係止位置に保持するロック部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の中継コネクタ。
【請求項3】
前記ロック部は、前記係止片の移動軌道上に弾性変形可能に形成されており、
前記係止片が前記係止位置から前記途中位置に至る際に、前記係止片に押圧されて弾性変形することで前記係止片を乗り越えさせ、前記係止片が弾性復帰する際に、前記係止片を前記ホルダの内側方向から係止して、前記係止片を前記係止位置に保持することを特徴とする請求項2記載の中継コネクタ。
【請求項4】
前記ロック部は、前記係止片の幅方向両側に形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の中継コネクタ。
【請求項5】
合成樹脂製のハウジング本体を備え、
前記ホルダは、前記ハウジング本体に装着可能で、かつ、前記相手側ハウジングに設けられた相手側フード部内に嵌合可能に形成されており、
前記ホルダを前記相手側フード部内に嵌合させる際に、前記途中位置に配された前記係止片が前記相手側フード部の開口縁部と干渉することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の中継コネクタ。
【請求項6】
前記ホルダには、前記中継端子を前記ホルダ内に挿入する端子挿入口が設けられており、
前記端子挿入口は前記ホルダを前記ハウジング本体に装着することで閉止されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の中継コネクタ。
【請求項7】
前記係止片は、片持ち状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の中継コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2013−20718(P2013−20718A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150868(P2011−150868)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】