説明

中継処理装置、及びその制御方法、プログラム

【課題】管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、該送信先の制限サイズを超えない電子メールを効率的に送信すること。
【解決手段】送信端末から送信された電子メールに係るデータに対して、当該電子メールを中継するために実行が規定された処理を行い、処理されたデータを含む電子メールのデータサイズと、該電子メールの宛先に、過去に送信端末から送信された分割メールのデータサイズとに従って、該電子メールを分割するかを判定し、分割すると判定された場合に、該過去に送信端末から送信された分割メールのデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように該電子メールを分割して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継処理装置、及びその制御方法、プログラムに関し、特に、送信端末から送信された電子メールを中継する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子メールサーバには、電子メールサーバの高負荷や保存領域の逼迫を防ぐために、受信する電子メール1通の最大サイズを制限する設定がなされている場合がある。
【0003】
そこで、ユーザは、メールクライアントソフト(メーラー)が備えている分割機能(電子メールを指定サイズ以下に分割して送信する機能)を利用して、電子メールを分割して送信先の電子メールサーバに送信している。
【0004】
特許文献1や特許文献2には、送信先毎に分割するサイズを事前に登録しておき、1通の電子メールを、事前に登録されたサイズ以下になるように分割して送信する装置(送信者端末)が記載されている。
【0005】
また、この分割処理を、送信者端末ではなく電子メールサーバで自動的に行う仕組みとして、特許文献3には、電子メールのメールサイズが、電子メールサーバに設定されている規定値以上であれば、当該電子メールサーバが当該電子メールを分割して送信する仕組みが記載されている。
【0006】
また、電子メールを安全に送信するために、例えば、電子メールに添付された添付ファイルを自動的に暗号化する等して送信することが求められており、特許文献4には、メールサーバが、電子メールに添付された添付ファイルを暗号化して送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−216221号公報
【特許文献2】特開2001−236275号公報
【特許文献3】特開2001−326691号公報
【特許文献4】特開2009−080847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3において、電子メールを自動的に分割して送信するためには、管理者が、送信先毎に制限サイズを事前に、サーバに設定しておかなければならない。そのため、ユーザが送信する送信先が多ければ多いほど、管理者による各送信先の制限サイズの登録作業が煩雑になってしまう。
【0009】
これを軽減するために、電子メールを送信する送信者端末のメーラーの分割機能を利用して、送信する電子メールを、送信先の制限サイズよりも小さいサイズになるように分割して送信することが考えられる。
【0010】
また、送信される電子メールによる情報漏えい等を防止するために、電子メールを送信する前に、電子メールを中継する中継処理装置(サーバ)が、電子メールに含まれるデータを検査することが考えられるが、中継処理装置は、電子メールが分割された分割メールを受信するため、電子メールに含まれるデータを検査することが困難である。
【0011】
そのため、中継処理装置が、分割メールを結合して生成される電子メールに含まれるデータを検査することが考えられるが、該電子メールのメール全体のデータサイズが、結合される前の分割メールのデータサイズよりも大きくなってしまい、結果として、送信先の制限サイズを越えた電子メールを送信してしまう恐れがある。
【0012】
また、上述のように、安全に電子メールを送信するために、中継処理装置において、例えば、分割されていない電子メールの添付ファイルの暗号化処理を行い、該電子メールを中継することが考えられるが、このような処理を行った電子メールのメール全体のデータサイズが、当該処理前の電子メールのメール全体のデータサイズよりも大きくなってしまい、結果として、送信先の制限サイズを越えた電子メールを送信してしまう恐れがある。
【0013】
そのため、ユーザは、送信先の制限サイズだけではなく、メールを中継する中継処理装置で行われる処理も意識して、電子メールを作成しなければならないため、送信先に対して適切な制限サイズを容易に設定することが困難であった。
【0014】
そこで、本発明の目的は、送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズを記憶し、当該記憶されている最大のデータサイズと、当該送信端末から受信した電子メールのデータサイズとに従って、該電子メールを分割するかを判定し、分割すると判定された場合に、該電子メールを当該記憶されている最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割して送信することにより、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、該送信先の制限サイズを超えない電子メールを効率的に送信することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、送信端末から送信された電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置であって、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズを記憶する記憶手段と、前記送信端末から送信される電子メールを取得する取得手段と、前記取得手段で取得された電子メールのデータサイズと、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズとに従って、前記取得手段で取得された電子メールを分割するかを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記取得手段で取得された電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズを記憶する記憶手段を備え、前記送信端末から送信された電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置の制御方法であって、前記中継処理装置の取得手段が、前記送信端末から送信される電子メールを取得する取得工程と、前記中継処理装置の判定手段が、前記取得工程で取得された電子メールのデータサイズと、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズとに従って、前記取得工程で取得された電子メールを分割するかを判定する判定工程と、前記中継処理装置の分割手段が、前記判定工程により、前記取得工程で取得された電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割工程と、前記中継処理装置の送信手段が、前記分割工程で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズを記憶する記憶手段を備え、前記送信端末から送信された電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置で読み取り実行可能なプログラムであって、前記中継処理装置を、前記送信端末から送信される電子メールを取得する取得手段と、前記取得手段で取得された電子メールのデータサイズと、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズとに従って、前記取得手段で取得された電子メールを分割するかを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記取得手段で取得された電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
電電子メールを、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、該送信先の制限サイズを超えない電子メールを効率的に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1におけるクライアント装置101−1、101−2、管理者用クライアント装置102、内部メールサーバ103、外部メールサーバ106−1、106−2、106−3のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】内部メールサーバ103の機能構成を示す模式図である。
【図4】電子メールの中継処理部321の一例を示すフローチャートである。
【図5】図4のステップS408のメールの分割送信処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】分割メールの結合処理部322の詳細を示すフローチャートである。
【図7】メール制御ルールの入力画面700の一例を示す図である。
【図8】メール制御ルールテーブル341の一例を示す図である。
【図9】送信制限サイズの入力画面900の一例を示す図である。
【図10】送信制限サイズテーブル342の一例を示す図である。
【図11】分割情報テーブル343の一例を示す図である。
【図12】クライアント装置101による分割メールの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】クライアント装置(送信端末)から電子メール、又は分割メールを受信される際に実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システムのシステム構成を概略的に示すブロック図である。尚、図1に示す各種端末の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0022】
図1に示すように、本実施形態にかかる情報処理システムのイントラネット100には、クライアント装置101−1、101−2(以下、クライアント装置101と呼ぶ)、内部メールサーバ103、内部メールサーバ103の各種機能を管理する管理者が利用する管理者用クライアント装置102が設置されており、これらの装置は、ローカルエリアネットワーク(LAN)104を介して相互に通信可能に接続されている。
【0023】
図1において、103は内部メールサーバである。
【0024】
この内部メールサーバ103は、ローカルエリアネットワーク104内から広域ネットワーク105に向けて送信命令された電子メールのデータ(本文や添付ファイルなど)の暗号化や圧縮、署名等のデータの付加などの処理を行うことにより、該電子メールのデータ(本文や添付ファイルなど)を変換する変換機能と、該電子メールのデータを検査するデータ検査機能とを有している。また、内部メールサーバ103は、該電子メールに含まれるデータの検査結果に従って、該電子メールを該電子メールの宛先に中継(送信)するか否か(中継を許可するか否か)を決定する機能を備えている。この変換機能による変換処理、及びデータ検査機能によるデータの検査処理は、所定の処理の適用例である。
【0025】
また、内部メールサーバ103は、この変換機能による変換処理を行うか否かを判定するための条件を記憶部に記憶する機能、及び該条件を登録、変更(更新)する機能を有している。ここで、変換処理を行うか否かを判定するための条件は、データ検査機能による検査処理を行う検査内容を示す情報である。この詳細は、後で説明する。
【0026】
また、内部メールサーバ103は、クライアント装置101から受信したサイズ分割された電子メール(分割メールと言う)を結合する結合機能と、該結合機能により結合された電子メール(単にメールとも言う)を変換機能により変換処理された電子メールを分割して送信する機能とを有している。
【0027】
この内部メールサーバ103は、クライアント装置101−1とクライアント装置101−2との間での電子メールの送受信や、クライアント装置101−1とローカルエリアネットワーク104外の装置(図1では外部メールサーバ106−1、106−2、106−3)との間での電子メールの送受信を管理する装置であり、電子メールに設定された送信先(電子メールアドレス)に向けて当該電子メールを送信する処理を行う。
【0028】
なお、内部メールサーバ103は、本発明の中継処理装置(情報処理装置)の適用例である。
【0029】
また、クライアント装置101−1、101−2は、情報処理装置(送信端末)であり、図1に示す通りメールクライアントソフト111(以下メーラー111)がインストールされ、電子メールの送受信機能を有している。クライアント装置101−1、101−2は、本発明の送信端末の適用例である。
【0030】
外部メールサーバ106−1、106−2、106−3は、それぞれ、クライアント装置101−1、101−2から送信された電子メールの宛先(送信先)である不図示の受信端末(情報処理装置)と通信可能である。すなわち、外部メールサーバ106−1、106−2、106−3は、クライアント装置101−1、101−2から送信された電子メールの宛先である不図示の受信端末(情報処理装置)への該電子メールの送信を行う機能を備えている。
【0031】
以下、図2を用いて、図1に示すクライアント装置101−1、101−2、管理者用クライアント装置102、内部メールサーバ103、外部メールサーバ106−1、106−2、106−3のハードウェア構成について説明する。
【0032】
図2は、図1におけるクライアント装置101−1、101−2、管理者用クライアント装置102、内部メールサーバ103、外部メールサーバ106−1、106−2、106−3のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【0033】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PC(情報処理装置)の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0034】
203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0035】
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器(表示部)への表示を制御する。なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0036】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク(HD))や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0037】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0038】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0039】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられるファイル及び各種テーブル等も、外部メモリ211に格納されている。
【0040】
図3は、内部メールサーバ103の機能構成を示す模式図である。
【0041】
図3に示すように、内部メールサーバ103は、メール制御ルール設定手段311、送信制限サイズテーブル登録手段312、メール制御ルールテーブル341(図8)、送信制限サイズテーブル342(図10)、分割情報テーブル343(図11)、分割メール保存キュー344、メールの中継処理部321、分割メールの結合処理部322を備えている。
【0042】
メール制御ルールテーブル341(図8)、送信制限サイズテーブル342(図10)、分割情報テーブル343(図11)は、内部メールサーバ103の外部メモリ211(条件記憶手段)に記憶されており、分割メール保存キュー344は、分割メールを記憶する領域として、内部メールサーバ103の外部メモリ211が割り当てられている。
【0043】
メール制御ルール設定手段311は、クライアント装置から受信した電子メールを変換するための条件(702、703、704)と、その変換方法(詳細は後述する図7、図8)(705)と、送信制御内容708等のメール制御ルールの入力をユーザから受け付け、メール制御ルールテーブル341(図8)に設定(登録、修正、削除等)する。
【0044】
メール制御ルール設定手段311は、メール制御ルールの入力を受け付けるため、例えば、図7に示すようなメール制御ルールの入力画面700を表示するための情報を管理者用クライアント装置102に送信し、管理者用クライアント装置102が、当該受信した情報に従って、ディスプレイ装置(CRT)210に、メール制御ルールの入力画面700を表示する。
【0045】
管理者は、当該メール制御ルールの入力画面700を介して入力したメール制御ルールの登録、修正、削除の指示を行う。
【0046】
図7は、管理者用クライアント装置102のディスプレイ装置(CRT)210に表示されるメール制御ルールの入力画面の一例を示す図である。
【0047】
図7に示す入力画面700では、メール制御ルールとして、メール制御ルールを一意に識別するためのID701、電子メールの送信元のメールアドレスの条件を示すFrom702、宛先のメールアドレスの条件を示すTo703、電子メールのその他の件名や本文、添付ファイルに含まれるキーワード等の条件704、これら条件に一致した電子メールのデータ(本文や添付ファイルなど)を暗号化、圧縮、該データへの署名データの付加などの変換処理を指定する項目705、これら条件(702、703、704)に一致した電子メールの送信制御内容708の入力を受け付けるためのコントロールが用意されており、管理者用クライアント装置102は、この入力画面700を介して入力された各種のデータをメール制御ルールとして受け付ける。また、705には、変換機能による変換処理を行わないことを示す「しない」の指定を受け付けることが可能である。
【0048】
管理者用クライアント装置102は、この入力画面700を介して管理者よりメール制御ルールの入力を受け付け、登録ボタン706が押下されると、当該入力されたメール制御ルールの登録要求を内部メールサーバ103に送信する。そして、内部メールサーバ103のメール制御ルール設定手段311は、この登録要求を受け付けると、当該登録要求に含まれているメール制御ルールを図8に示すメール制御ルールテーブル341に登録(更新)する。
【0049】
また、管理者用クライアント装置102は、この入力画面700を介して、管理者よりメール制御ルールが指定され、削除ボタン707が押下されると、当該指定されたメール制御ルールの削除要求を内部メールサーバ103に送信する。そして、内部メールサーバ103のメール制御ルール設定手段311は、この削除要求を受け付けると、当該削除要求に含まれているメール制御ルールをメール制御ルールテーブル341から削除する。
【0050】
図8は、メール制御ルールテーブル341の一例を示す図である。
【0051】
図8に示すように、メール制御ルールテーブル341は、メール制御ルールを一意に識別するためのID801と、送信元のメールアドレス802と、宛先のメールアドレス803と、電子メールのその他の件名や本文、添付ファイルに含まれるキーワード等の条件804と、802、803、804の条件に一致した電子メールに含まれるデータに対してどのような変換処理を行うかを示す変換処理の内容を示す情報(変換805)と、802、803、804の条件に一致した電子メールを中継(送信)するか否かを示す送信制御内容806とから構成されている。また、変換805には、例えば、ID801が5や6のメール制御ルールのように、変換処理を行わないことを示す「しない」が登録されている。
【0052】
例えば、ID801が1のメール制御ルールは、送信元のメールアドレス802に「taro@example.jp」、宛先のメールアドレス803に任意のアドレスであることを示すワイルドカード「*」、その他の条件804に「キーワード“社外秘”を含む」、変換805に「暗号化」、送信制御内容806に「送信する」が設定されている。
【0053】
これは、例えば、クライアント装置から受信した電子メールの送信元のメールアドレスが、「taro@example.jp」であり、該電子メールに含まれるデータ内(例えば、添付ファイル内)にキーワードとして“社外秘”を含む場合、該電子メールは、IDが「1」のメール制御ルールの条件に合致することを示している。また、この場合、805には、これらの条件に合致した電子メールに含まれるデータ(例えば、添付ファイル)を暗号化することが規定されている。そして、この場合、806には、暗号化されたデータ(例えば、添付ファイル)を含む電子メールを、該電子メールの宛先に中継(送信)することが定められている。
【0054】
また、804には、条件として、電子メールの添付ファイルの形式に応じて、該電子メールに含まれるデータを暗号化したり、該データを圧縮したり、該データへの署名データの付加をしたりすることが規定されている。このように、電子メールに添付されたファイルのファイル形式に従って、そのファイルに対して、どのような変換処理を行うかを規定することができる。例えば、暗号化されていないファイル形式であれば、暗号化を行うなどの設定をすることも可能である。
【0055】
例えば、IDが3の条件804は、電子メールの添付ファイルのファイル形式が「xls」の場合、変換処理(変換805)として、当該添付ファイルを「圧縮」することが規定されている。
【0056】
このように、図8に示す802、803、804は、変換805に示される変換処理、及び、送信制御内容806に示される送信制御(送信するか否か)を実行するための実行条件として用いられる。
【0057】
図3の説明に戻る。
【0058】
図3に示す送信制限サイズテーブル登録手段312は、管理者用クライアント装置102から、送信先のドメインと制限サイズ(詳細は後述する図9の900A、図10の342)の送信制限サイズテーブルへの入力を受け付け、送信制限サイズテーブル342への設定登録を行う。
【0059】
送信制限サイズテーブル登録手段312は、送信制限サイズ情報の入力を受け付けるため、図9に示すような送信制限サイズ情報の入力画面900Aを管理者用クライアント装置102のディスプレイ装置210に表示するべく、入力画面900Aを表示するための情報を管理者用クライアント装置102に送信する。そして、当該情報に従って管理者用クライアント装置102に表示される入力画面900Aを介して送信制限サイズ情報の入力を行い、登録ボタン904Aが管理者により押下されると、管理者用クライアント装置102は、入力された送信制限サイズ情報を内部メールサーバ103に送信し、送信制限サイズテーブル342に、該入力された送信制限サイズ情報を登録する。
【0060】
図9の900Aは、管理者用クライアント装置102のディスプレイ装置210(CRT210)に表示される送信制限サイズ情報の入力画面の一例を示す図である。
【0061】
図9に示す入力画面900Aには、送信制限サイズ情報として、電子メールの宛先902A、制限サイズ903Aなどの項目の入力を受け付けるためのコントロールが設定されている。
そして、この入力画面900Aを介して入力された送信制限サイズ情報は、図10に示す送信制限サイズテーブル(A)342に登録されることになる。
【0062】
図10の342は、送信制限サイズテーブルの一例を示す図である。図10の342に示すように、送信制限サイズテーブルは、送信制限サイズ情報を一意に識別するためのID1001A、及び、そのIDで特定される送信制限サイズ情報(メールの宛先の電子メールアドレス1002A、制限サイズ1003A)が記録されている。
【0063】
例えば、ID1001Aが1の送信制限サイズ情報は、電子メールの宛先1002Aとして、「example3@example.com」が、制限サイズ1003Aとして「1024000」が設定されている。図10の342では、メールの送信先(宛先)として、送信先の電子メールアドレス1002Aを用いて説明しているが、宛先のドメインでもよい。
【0064】
ここで、管理者により設定登録された送信制限サイズ情報は、初期値として用いられる。すなわち、後述するステップS609、ステップS6052、ステップS1305の処理により、送信制限サイズ情報が更新され、その更新された送信制限サイズ情報が用いられる。また、ここで、送信される全ての宛先についての送信制限サイズ情報を登録しなくても、後述するステップS609、ステップS6052、ステップS1305の処理により、新規の宛先のドメインの制限サイズが登録される。
【0065】
図3の説明に戻る。
【0066】
図3に示すメールの中継処理部321は、内部メールサーバ103でメールを受信する毎に実行される処理である。その処理の詳細は、図13を用いて説明する。
【0067】
クライアント装置101から受信した電子メールが分割メールの場合には、該分割メールを分割メール保存キュー344に記憶保存する。
【0068】
分割メール保存キュー344に保存された各分割メールは、定期的に実行される分割メールの結合処理部322(詳細は後述する図6)により結合される。
【0069】
受信した電子メールが分割メールではない場合には、メールの中継処理部321は、当該電子メールに含まれるデータが、メール制御ルールテーブル341のメール制御ルールの条件(802、803、804)に一致するかを判定する。
【0070】
そして、条件に一致したメール制御ルールに従い、該電子メールに含まれるデータの変換処理を行う。変換後のデータを含む電子メールのデータサイズが送信制限サイズテーブル342に登録された制限サイズを超えている場合は、その制限サイズ以下(データサイズ以下)、又はその制限サイズ(データサイズ)よりも小さくなるように当該電子メールを分割して送信される。一方、制限サイズ以下であれば分割することなくそのまま送信される。
【0071】
まず、クライアント装置101が電子メールを作成して送信する処理について、図12を用いて説明する。
【0072】
図12は、クライアント装置101による分割メールの送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
図12に示す各ステップの処理は、クライアント装置101のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0074】
まず、クライアント装置101は、ユーザの操作指示に従って、送信先、メールの題名、メール本文を入力し、ファイルを添付するなどして、電子メールを生成する(ステップS1201)。
【0075】
そして、クライアント装置101は、ステップS1201で生成された電子メールの送信指示をユーザから受け付けると(ステップS1202)、当該電子メールのメール全体のデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先に対応する制限サイズを超えているか否かを判定する(ステップS1203)。
【0076】
ここでは、送信先と、該送信先に送信する電子メールの上限サイズである制限サイズとが関連付けられて、送信先(送信先のドメイン)ごとに記憶されており、この情報を参照することで、送信指示された電子メールのデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先の制限サイズを越えているかを判定する。
【0077】
そして、クライアント装置101は、送信指示された電子メールのデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先の制限サイズを越えていると判定された場合は(ステップS1203:YES)、当該制限サイズ以下又はそれを超えないよう(当該制限サイズ未満になるよう)に、当該電子メールを分割する(ステップS1204)。
【0078】
そして、クライアント装置101は、分割された電子メール(分割メール)を、設定された宛先に送信するために、内部メールサーバ103に送信する(ステップS1205)。
【0079】
また、クライアント装置101は、ステップS1203において、送信指示された電子メールのデータサイズが、当該電子メールに設定されている送信先の制限サイズを越えていないと判定された場合は(NO)、当該電子メールを、設定された宛先に送信するために、内部メールサーバ103に送信する(ステップS1205)。
【0080】
このように、ユーザの操作により、メールを作成して、送信指示することで、電子メールを、当該電子メールの送信先に対するサイズを超えないように分割して送信することができるようになる。
【0081】
次に図4を参照して、内部メールサーバ103のCPU201が、クライアント装置101から電子メールを受信する毎に実行される電子メールの中継処理部321の詳細を説明する。
【0082】
図4は、電子メールの中継処理部321の一例を示すフローチャートである。
【0083】
図4に示す各ステップの処理は、内部メールサーバ103のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0084】
まず、内部メールサーバ103は、クライアント装置101から送信された電子メールを受信(取得)する(ステップS401)。本実施例では、電子メールをメッセージデータとも言う。
【0085】
次に、内部メールサーバ103は、ステップS401で取得したメッセージデータのヘッダ情報の「Content−Type:」フィールドの値に、分割メールを示す値「message/partial」が含まれているか否かを判定することにより、当該取得した電子メールが分割メールであるか否かを判定する(ステップS402)。
【0086】
内部メールサーバ103は、取得した電子メールが分割メールであると判定した場合には(ステップS402でYES)、処理をステップS411に、一方、分割メールではないと判定した場合には(ステップS402でNO)、処理をステップS403に進める。
【0087】
内部メールサーバ103は、ステップS402でNOと判定された場合には、内部メールサーバ103の外部メモリ211に記憶されているメール制御ルールテーブル341(図8)を参照し、当該取得したメッセージデータ(電子メール)が、メール制御ルールテーブル341(図8)の何れかのメール制御ルール(802、803、804の条件)に合致(該当)するか否かを判定する(ステップS403)(条件判定手段)。
【0088】
ステップS403では、例えば、メール制御ルールテーブル(図8)のIDが5のメール制御ルールに、電子メールに含まれるデータが合致するかを判定する場合、該電子メールの宛先が「*@example2.ne.jp」であるか、該電子メールの添付ファイルに「公開」というキーワードが含まれているか否かのデータ検査処理を行うこととなる。そして、IDが5のメール制御ルールに合致する場合は、後で説明するが、変換処理は行わず、該電子メールを中継するべく送信することとなる。
【0089】
このように、本実施例では、ステップS403で実行されるメール制御ルール(802、803、804の条件)に合致(該当)するか否かの判定を行うことで、データの検査処理を行っており、このデータの検査処理は、本発明の所定の処理(処理手段)の適用例として説明している。
【0090】
内部メールサーバ103は、ステップS403で、当該取得したメッセージデータに合致するメール制御ルールがメール制御ルールテーブル341(図8)にあると判定された場合には(ステップS403でYES)、処理をステップS4031に移行し、一方、メッセージデータに合致するメール制御ルールがメール制御ルールテーブル341(図8)に存在しないと判定された場合には(ステップS403でNO)、処理をステップS404に移行する。
【0091】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS403でメール制御ルールに合致すると判定された場合に(YES)、ステップS403で合致すると判定されたメール制御ルールの送信制御内容806が「送信する」であるか、「送信しない」であるかを判定する(ステップS4031)。
【0092】
すなわち、内部メールサーバ103は、当該メール制御ルールに合致すると判定された電子メールを、該電子メールの宛先に中継(送信)を許可するか(送信制御内容806が「送信する」であるか)、中継(送信)を許可しないか(送信制御内容806が「送信しない」であるか)を判定する。
【0093】
そして、内部メールサーバ103は、該電子メールの宛先に中継(送信)を許可する(送信制御内容806が「送信する」である)と判定された場合は(YES)、処理をステップS405に移行する。一方、該電子メールの宛先に中継(送信)を許可しない(送信制御内容806が「送信しない」である)と判定された場合は(NO)、該電子メールを中継(送信)することなく処理を終了する。
【0094】
内部メールサーバ103は、ステップS403でNOと判定された場合には、取得したメッセージデータを、当該メッセージデータに設定された送信先に送信(中継)する(ステップS404)。
【0095】
内部メールサーバ103は、ステップS4031でYESと判定された場合には、取得したメッセージデータに係るデータ(題名、メール本文、添付ファイルなど)に対して、当該メッセージデータに合致するメール制御ルールに関連付けられて定義された変換処理の内容(図8の805)の変換処理を行う(ステップS405)。ここで、変換処理の内容が「しない」である場合は、ステップS405で、電子メールに含まれるデータに対して、変換処理を行わず、処理をステップS406に移行する。ここで、変換処理は、本発明の所定の処理の適用例である。
【0096】
このように、電子メールに含まれるデータについて、データ検査をステップS403で行い、ステップS405で変換処理を行わずに、処理をステップS406に移行する場合、後述ステップS407では、ステップS401で取得された電子メールのデータサイズと、図10に記憶されている、送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズとに従って、当該取得された電子メールを分割するかを判定することとなる。ここで、ステップS401で取得された電子メールのデータサイズとは、データ検査処理などの所定の処理が行われた後のデータを含む電子メールのデータサイズである。
【0097】
次に、ステップS405の例について説明する。
【0098】
例えば、合致するメール変換ルールに関連付けられて定義された変換処理の内容(805)が「暗号化」であれば、取得したメッセージデータに含まれる、例えば添付ファイルを暗号化する処理を行う。また、変換処理の内容(805)が「署名」であれば、署名をメッセージデータに付加する処理(データの付加処理)を行う。また、変換処理の内容(805)が「圧縮」であれば、メッセージデータに含まれる、例えば添付ファイルを圧縮する処理を行う。
【0099】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS405で変換処理されたメッセージデータの送信先の制限サイズを超えていないかどうかを判定するために、内部メールサーバ103の外部メモリ211に記憶された送信制限サイズテーブル(制限サイズテーブル)(図10の342)を検索して、当該宛先の制限サイズを取得する(ステップS406)。
【0100】
ここで、電子メールに宛先(送信先)が複数設定されている場合は、それぞれの宛先のアドレスの制限サイズを取得する。
【0101】
図10は、送信制限サイズテーブル342の一例を示す図である。
【0102】
次に、内部メールサーバ103は、ステップS405で変換処理された後の電子メールのデータサイズと、ステップS406で取得した制限サイズ1003と、を比較して、ステップS405で変換処理された後の電子メールのメッセージデータのデータサイズが、ステップS406で取得した制限サイズのうち、少なくとも1つの宛先の制限サイズを超えるか否かを判定する(ステップS407)。
【0103】
すなわち、ステップS407では、ステップS405で変換処理された電子メールのデータサイズが、過去に受信した当該送信先を宛先とする分割メールの最大データサイズよりも大きいか否か、又は、当該分割メールの最大データサイズ以上か否かを判定する。
【0104】
なお、ステップS406で、送信制限サイズテーブル内に、電子メールに設定されている全ての送信先の制限サイズのデータが検索されなかった場合は、ステップS407で、制限サイズを超えないと判定し(NO)、当該電子メールを送信(中継)する。
【0105】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS407で超えると判定された場合(YES)、ステップS405で変換処理された電子メールを、当該電子メールの宛先毎に、それぞれ該宛先に対応する、制限サイズテーブル内の制限サイズ以下、又は、当該制限サイズよりも小さいサイズになるように分割して、分割して生成された分割メールを宛先に送信する(ステップS408)。
【0106】
ステップS408の詳細処理については、図5を用いて説明する。
【0107】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS408の処理を実行すると処理を終了する。
【0108】
また、内部メールサーバ103は、ステップS407で超えないと判定された場合(NO)、ステップS404に移行し、電子メールを分割することなく、電子メールを宛先に送信し(ステップS404)、処理を終了する。
【0109】
また、内部メールサーバ103は、ステップS401で取得した電子メールが分割メールであると判定した場合には(ステップS402:YES)、取得したメッセージデータ(電子メール)をファイルとして分割メール保存キューに記憶保存する(ステップS409)。
【0110】
その後、内部メールサーバ103は、分割メール保存キューに記憶保存した分割メールを解析して、当該分割メールの、ファイル名、受信日時、宛先、メッセージデータのサイズを取得し、ヘッダの「Content−Type:」フィールドから取得した、分割メールを識別する「分割メールID」、分割して生成された分割メールの順番を示す「NUMBER」、1つの電子メールから分割された全ての分割メールの数である「TOTAL」を分割情報テーブル343に記録して(ステップS410)、処理を終了する。
【0111】
以上がメール中継処理についての説明である。
【0112】
次に、図5を参照して、図4のステップS408のメールの分割送信処理の詳細について説明する。
【0113】
図5は、図4のステップS408のメールの分割送信処理の詳細を示すフローチャートである。
【0114】
図5に示す各ステップの処理は、内部メールサーバ103のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0115】
まず、内部メールサーバ103は、電子メールのエンベロープに設定された各宛先を個々に分割して、分割された1つの宛先がエンベロープに設定された電子メールを、それぞれの宛先ごとに生成する(メール分割手段)(ステップS500)。
次に、内部メールサーバ103は、ステップS500で生成された各電子メールのち、1つの電子メールを処理対象とする。
【0116】
内部メールサーバ103のCPU201は、ステップS405で変換されたデータを含むメッセージデータ(電子メール)に設定された各宛先の電子メールアドレス1件毎に以下のS502〜S508の処理を繰り返す。
すなわち、ステップS500で生成された各電子メールの宛先のうち、1つの宛先が設定された電子メールを処理対象にする(ステップS501)。
【0117】
そして、ステップS405で変換されたデータを含むメッセージデータ(電子メール)に設定された各宛先の電子メールアドレス1件毎に以下のS502〜S508の処理を繰り返す。すなわち、ステップS500で生成された全ての電子メールについて、ステップS502からステップS509の処理を繰り返す。
【0118】
そして、内部メールサーバ103は、現在、処理対象の電子メールの送信先の制限サイズを超えていないかどうかを判定するために、送信制限サイズテーブル342を参照し、当該処理対象の送信先の電子メールアドレスが、送信制限サイズテーブル342の宛先1002Aと一致するレコードを検索する(ステップS502)。
【0119】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS405で変換されたデータを含むメッセージデータ(電子メール)のデータサイズが、ステップS502での検索処理で特定されたレコードの制限サイズ1003を超えるか否かを判定する(ステップS503)。
【0120】
すなわち、ステップS503では、ステップS405で変換されたデータを含むメッセージデータ(電子メール)のデータサイズが、テップS502での検索処理で特定されたレコードの制限サイズ1003Aよりも大きいか否か、又は、当該特定されたレコードの制限サイズ1003A以上か否かを判定することにより、当該特定されたレコードの制限サイズ1003Aを超えるか否かを判定する。
【0121】
次に、内部メールサーバ103は、ステップS503で制限サイズを超えると判定された場合には(YES)、処理をステップS505に、一方、制限サイズを超えない(ステップS502で宛先のドメインが一致するレコードが検索されなかった場合も含む)場合には(ステップS503でNO)、処理をステップS504に移行する。
【0122】
ステップS503でNOと判定された場合には、現在処理対象のメッセージデータを送信する(ステップS504)。その後処理をステップS509に移行する。
【0123】
ステップS503でYESと判定された場合には、現在処理対象のメッセージデータを、ステップS502での検索処理で特定されたレコードの制限サイズ以下、または、当該制限サイズよりも小さくなるように分割する(ステップS505)。
【0124】
そして、ステップS505で分割されて生成された各分割メールを1通ずつ送信(中継)する(ステップS507)。ステップS506〜S508では、各分割メールを全て送信するまで、ステップS507の処理を繰り返し実行する。
当該各分割メールを全て送信すると、処理をステップS509に移行する。
【0125】
ステップS509では、ステップS501で分割し生成された全ての電子メールについて、ステップS502からステップS508の処理が終了すれば、本処理を終了する。
【0126】
以上がメールの分割送信処理についての説明である。
【0127】
図3の説明に戻る。
【0128】
図6を参照して、分割メールの結合処理部322の詳細を説明する。
【0129】
図6に示す各ステップの処理は、内部メールサーバ103のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0130】
図6は、分割メールの結合処理部322の詳細を示すフローチャートである。
【0131】
まず、内部メールサーバ103は、一定時間スリープしたか否かを判定し(ステップS601)、一定期間、スリープしていない場合には(ステップS601でNO)、再度スリープし、ステップS601に戻る。
【0132】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS601で一定時間経過していた場合には(ステップS601でYES)、処理をステップS602に移行する。
【0133】
内部メールサーバ103は、ステップS602において、分割情報テーブル343(図11)の中から、結合可能な分割メールを検索する。
図11は、分割情報テーブル343の一例を示す図である。
【0134】
図11に示すように、分割情報テーブル343は、分割メールのファイルの名称である「ファイル名」、該分割メールを受信した日時である「受信日時」、該分割メールの「宛先」、該分割メールのデータサイズを示す「サイズ」、該分割メールを識別する「分割メールID」、電子メールを分割して生成した該分割メールの全分割数の分割順を示す「NUMBER」、1つの電子メールから分割された全ての該分割メールの数である「TOTAL」から構成されている。
【0135】
ここで、「結合可能な分割メール」とは、分割情報テーブル343の分割メールIDが同一の値の分割メールが、NUMBER1106の値が1から始まりTOTAL1107の値と同じ数だけ順に揃っている分割メールの集合をいう。
【0136】
例えば、図11の分割メールID1105が「F1C4BF.F29D3B0@EXAMPLE」の分割メールのTOTAL1107は「3」であり、分割メールID1105が「F1C4BF.F29D3B0@EXAMPLE」の分割メールの各NUMBER506は、それぞれ「1」、「2」、「3」であり、NUMBER1106の値が1から始まりTOTAL1107の値と同じ数だけ順に揃っているため、分割メールID1105が「F1C4BF.F29D3B0@EXAMPLE」の各分割メールは、結合可能な分割メールであることを示している。
【0137】
つまり、「結合可能な分割メール」とは、クライアント装置101で1つの電子メールが分割された分割メールの全てが分割情報テーブルに記憶されている分割メールのことを示している。
【0138】
内部メールサーバ103は、結合可能な分割メールが検索されたか否かを判定し(ステップS603)、結合可能な電子メールがあると判定された場合は(YES)、処理をステップS608に移行し、一方、結合可能な電子メールが無いと判定された場合は(NO)、処理をステップS604に移行する。
【0139】
内部メールサーバ103は、ステップS603でNOと判定された場合には、長時間分割メール保存キューに結合されることなく滞留しているメールがあるかどうかを調べるために、受信日時1102が現在日時から所定時間以上の分割メールを、分割情報テーブル343(図11)を検索して特定する(ステップS604)。
【0140】
そして、内部メールサーバ103は、受信日時1102が現在日時から所定時間以上の分割メールを特定できたか(受信日時1102が現在日時から所定時間以上の分割メールが有るか)否かを判定し(ステップS605)、特定できたと判定された場合は(YES)、送信制限サイズテーブル(A)342を参照して、受信日時1102が現在日時から所定時間以上経過した分割メールのデータサイズが、該分割メールに設定されている宛先の制限サイズよりも大きいか否かを判定する(ステップS6051)。
【0141】
そして、内部メールサーバ103は、該分割メールのデータサイズが制限サイズよりも大きいと判定された場合(YES)は、送信制限サイズテーブル(A)342の該宛先の制限サイズ1003Aを、該宛先が設定されている各分割メールのデータサイズのうち、最大のデータサイズに更新し(ステップS6052)、処理をステップS6053に移行する。
【0142】
内部メールサーバ103は、ステップS6051で、受信日時1102が現在日時から所定時間以上経過した分割メールのデータサイズが、該分割メールに設定されている宛先の制限サイズ以下であると判定された場合は(NO)、処理をステップS6053に移行する。
【0143】
内部メールサーバ103は、分割メールに設定されている全ての宛先に対して、ステップS6051の処理を実行したかを判定して、実行していないと判定された場合は(NO)、次の宛先を処理対象にして、処理をステップS6051に戻す。
【0144】
内部メールサーバ103は、分割メールに設定されている全ての宛先に対して、ステップS6051の処理を実行したと判定された場合は(ステップS6053:YES)、処理をステップS606に移行する。
【0145】
次に、内部メールサーバ103は、ステップS605で特定された分割メールを分割情報テーブルから削除して(ステップS906)、分割メール保存キュー344に記憶保存されている当該分割メールを宛先に送信する(ステップS607)。そして、分割メール保存キュー344に記憶されている当該分割メールを削除して(ステップS612)、処理をステップS601に戻す。
【0146】
一方、ステップS605で特定できなかった(受信日時1102が現在日時から所定時間以上の分割メールが無い)と判定された場合は(NO)、処理をステップS601に戻す。
【0147】
内部メールサーバ103は、ステップS603で、結合可能な分割メールがあると判定された場合(YES)、当該結合可能な分割メールを分割メール保存キュー344から取得して結合して、1通の電子メールを生成する(ステップS608)。
【0148】
そして、内部メールサーバ103は、送信制限サイズテーブル342(図10)内の、ステップS608で結合される分割メールに設定されている宛先の制限サイズ1003Aよりも、ステップS608で結合される各分割メールのそれぞれのサイズ1104の中で最大のデータサイズの方が大きい値であるか否かを判定する(サイズ判定手段)(ステップS6081)。
【0149】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS6081で、送信制限サイズテーブル342(図10)の該宛先の制限サイズ1003Aよりも、ステップS608で結合される各分割メールのそれぞれのサイズ1104の中で最大のデータサイズの方が大きい値であると判定された場合は(YES)、分割情報テーブル343(図11)を参照し、ステップS608で結合される各分割メールのそれぞれのサイズ1104の中で最大のデータサイズ(制限サイズ)を、送信制限サイズテーブル342の該宛先1002Aに対応する制限サイズ1003Aに更新登録し(ステップS609)、処理をステップS6091に移行する。
【0150】
一方、ステップS6081で、ステップS608で結合される各分割メールのそれぞれのサイズ1104の中で最大のデータサイズが、送信制限サイズテーブル342(図10)の該宛先の制限サイズ1003A以下であると判定された場合(NO)は、処理をステップS6091に移行する。
【0151】
内部メールサーバ103は、ステップS608で結合される分割メールに設定されている全ての宛先に対して、ステップS6091の処理を行ったか否かを判定し(ステップS6091)、全ての宛先に対してステップS6091の処理を行ったと判定された場合は(YES)、処理をステップS610に移行する。一方、まだ、全ての宛先に対してステップS6091の処理を行っていないと判定された場合は(NO)、ステップS6081に戻り、次の残りの宛先の制限サイズ1003A(送信制限サイズテーブル342(図10)内の該宛先の制限サイズ1003A)よりも、ステップS608で結合される各分割メールのそれぞれのサイズ1104の中で最大のデータサイズの方が大きい値であるか否かを判定する(ステップS6081)。
【0152】
次に、内部メールサーバ103は、ステップS608で結合された分割メールのレコードを分割情報テーブルから削除して(ステップS610)、処理をステップS611に移行する。
【0153】
ステップS611では、ステップS608で結合して得られる電子メールを処理対象として、図4のステップS402の処理を実行する。そして、図4のステップS402以降の処理を実行し終えると、処理をステップS612に移行する。このように、ステップS402以降の処理を実行することで、結合された電子メールを送信することができる。
【0154】
以上、説明したように、例えば、クライアント装置101から送信された分割メールをステップS401で取得すると、ステップS409で分割メール保存キューに記憶され、ステップS410で、分割情報テーブルに、当該分割メールの各種情報を記憶する。
【0155】
そして、図6の処理を実行して、結合可能な分割メールを受信したと判断されると(ステップS603:YES)、当該分割メールを結合して(ステップS608)、送信制限サイズテーブル342(図10)内の、当該分割メールの宛先1002Aに対応する制限サイズ1003Aを、当該各分割メールのデータサイズのうち、最大のデータサイズに更新し(ステップS609)、分割情報テーブルから当該結合された分割メールのレコードを削除して(ステップS610)、図4のS402の処理に移行する。
【0156】
そして、ステップS402で、当該結合され生成された電子メールは分割メールではないと判定され(NO)、当該電子メールが、メール制御ルールテーブル341(図8)の何れかのメール制御ルール(802、803、804の条件)に合致(該当)するか否かを判定する(ステップS403:YES)。
【0157】
そして、合致すると判定された場合に、電子メールの変換処理を実行し(ステップS405)、送信制限サイズテーブルに記憶されている(更新・登録した)制限サイズを取得して(ステップS406)、当該変換処理された電子メールのデータサイズが、当該取得した制限サイズを超えるか否かを判定する(ステップS407)。
【0158】
そして、制限サイズを超えると判定された場合に(ステップS407:YES)、ステップS405で変換処理された電子メールを、当該制限サイズ以下、又は、当該制限サイズよりも小さいサイズになるように分割して、分割して生成された分割メールを宛先に送信する(ステップS408)。
【0159】
また、分割されていない電子メールをステップS401で受信した場合は、図4で説明した通り、過去に更新された送信制限サイズテーブル内の、受信した電子メールの宛先1002Aに対応する制限サイズ1003A以下になるように、当該電子メールを宛先ごとに分割して送信するため、ユーザは、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、送信先に対するデータサイズの電子メールを送出させることができるようになる。

【0160】
上述した実施例では、クライアント装置から受信した分割メールを受信した場合に、当該分割メールの最大のデータサイズを、送信制限サイズテーブル342(A)に登録、更新することについて説明したが、次に、クライアント装置から、分割メールではない電子メール(サイズ分割されていない電子メール)を受信した場合でも、該電子メールのデータサイズを、送信制限サイズテーブル342(A)に登録、更新することについて、図13を用いて説明する。
具体的には、図13には、図4の処理に、ステップS1301、ステップS1302、ステップS1303の処理が追加されている。
【0161】
次に図13を参照して、内部メールサーバ103のCPU201が、クライアント装置(送信端末)から電子メール、又は分割メールを受信されるたびに実行される処理について説明する。
【0162】
上述した実施例では、図4のステップS401で、クライアント装置(送信端末)から送信された電子メール、又は分割メールを受信する場合について説明したが、以下の実施例では、図13のステップS401で、クライアント装置(送信端末)から送信された電子メール、又は分割メールを受信するたびに実行される処理として説明する。すなわち、以下に示す実施例では、クライアント装置101から電子メールを受信する毎に実行されるのは、図4に示す処理ではなく、図13に示す処理である。
【0163】
図13は、内部メールサーバ103のCPU201が、クライアント装置(送信端末)から電子メール、又は分割メールを受信されるたびに実行される、中継処理部321による処理の一例を示すフローチャートである。
【0164】
図13は、上述した実施例で、既に説明したステップの処理は、同一の符号を付している。そのため、同一符号が付された図13のステップの処理の説明は一部省略する。
【0165】
図13に示す各ステップの処理は、内部メールサーバ103のCPU201が、外部メモリ211等の記憶手段に格納されたプログラムをRAM203にロードして実行することにより実現される。
【0166】
まず、内部メールサーバ103は、クライアント装置101から送信された電子メールを受信(取得)する(ステップS401)。
【0167】
そして、内部メールサーバ103は、ステップS401で取得したメッセージデータのヘッダ情報の「Content−Type:」フィールドの値に、分割メールを示す値「message/partial」が含まれているか否かを判定することにより、当該取得した電子メールが分割メールであるか否かを判定する(ステップS402)。
【0168】
内部メールサーバ103は、取得した電子メールが分割メールであると判定した場合には(ステップS402でYES)、処理をステップS409に移行し、一方、分割メールではないと判定した場合には(ステップS402でNO)、処理をステップS1301に移行する。
ステップS409、410の処理の説明は、上述しているため、ここでは説明を省略する。
【0169】
次に、内部メールサーバ103は、クライアント装置から受信した、分割メールではない電子メールのデータサイズが、該電子メールの各宛先のうち1つの宛先の、送信制限サイズテーブル342(A)の制限サイズ1003Aよりも大きいか否かを判定する(ステップS1301)。
【0170】
内部メールサーバ103は、クライアント装置から受信した電子メールのデータサイズが、当該1つの宛先の制限サイズ1003Aよりも大きいと判定された場合に(YES)、該宛先の制限サイズ1003Aの値を、クライアント装置から受信した電子メールのデータサイズに更新登録し(ステップS1302)、処理をステップS1303に移行する。一方、クライアント装置から受信した電子メールのデータサイズが、当該1つの宛先の制限サイズ1003A以下の値であると判定された場合は(NO)、処理ステップS1303に移行する。
【0171】
内部メールサーバ103は、クライアント装置から受信した電子メールに設定された全ての宛先について、ステップS1301の処理を実行したか否かを判定して(ステップS1303)、まだ、全ての宛先について実行していないと判定された場合は(NO)、処理をステップS1301に移行して、まだ処理対象としていない宛先を処理対象として、クライアント装置から受信した電子メールのデータサイズが、該宛先の制限サイズ1003Aよりも大きいか否かを判定する(ステップS1301)。
【0172】
一方、ステップS1303で、クライアント装置から受信した電子メールに設定された全ての宛先について、ステップS1301の処理を実行したと判定された場合は(YES)、処理をステップS403に移行する。ステップS403移行の処理は、上述しているため、説明を省略する。
【0173】
以上の通り、クライアント装置から、分割メールではない電子メール(サイズ分割されていない電子メール)を受信した場合でも、該電子メールのデータサイズを、送信制限サイズテーブル342(A)に登録、更新することができるようになる。
【0174】
また、図9の送信制限サイズ情報の入力画面(A)900A、及び図10の送信制御サイズテーブル(A)342では、宛先の電子メールアドレス単位で制限サイズを設定しているが、宛先の電子メールアドレスだけではなく、送信先のドメイン単位で制限サイズを設定するようにしてもよい。
【0175】
また、上述した実施例では、図9の送信制限サイズ情報の入力画面(A)900A、及び図10の送信制御サイズテーブル(A)342に示すように、宛先ごとに、制限サイズを登録するようにしているが、これに代えて、図9の送信制限サイズ情報の入力画面(B)900B、及び図10の送信制御サイズテーブル(B)342Bに示すように、送信元ごとに、制限サイズを登録するようにしてもよい。
【0176】
この場合、図9の送信制限サイズ情報の入力画面(B)900Bを介して、ユーザの操作により、送信元902B、及びその送信元から送信される電子メールの制限サイズ903Bが入力され、登録ボタン904Aが押下されると、図10の送信制御サイズテーブル(B)342Bにその入力内容が登録される。
【0177】
そして、ステップS407、ステップS507、ステップS6051、ステップS6081、ステップS1301で、超えているかを判定している制限サイズは、図10の送信制御サイズテーブル(A)342の代わりに、図10の送信制御サイズテーブル(B)342Bを用いて判定する。
【0178】
すなわち、電子メールの送信元から送信可能な電子メールのデータサイズが、電子メールの送信元ごとに、送信制御サイズテーブル(B)342Bに登録されており、受信した電子メールのデータサイズと、該電子メールの送信元の制限サイズとを比較して、受信した電子メールのデータサイズが、該電子メールの送信元の制限サイズを超えると判定された場合に分割して送信する。
【0179】
また、ステップS6052、ステップS609、ステップS1302での制限サイズテーブルの更新は、図10の送信制御サイズテーブル(B)342Bを更新する。
【0180】
図10の送信制御サイズテーブル(B)342Bは、内部メールサーバ103の外部メモリに記憶されており、クライアント装置から送信される分割メールの送信元毎の最大のデータサイズが記憶される。
【0181】
このように、上述した実施例では、宛先ごとの制限サイズに応じて、分割するか否かを判定する構成になっているが、ここで説明したように、送信元ごとの制限サイズに応じて、分割するか否かを判定するようにしてもよい。
【0182】
以上説明したように、本実施の形態によれば、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、サーバにおける電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、該送信先の制限サイズを超えない電子メールを効率的に送信することができる。
【0183】
また、過去に送信された送信先毎の電子メールのサイズに従って決定される送信先毎の制限サイズに従って、各送信先の電子メールを分割することにより、管理者による、送信先に対する制限サイズのサーバへの登録作業を軽減すると共に、中継処理装置における電子メールに係る処理を送信者が意識することなく、送信先に対するデータサイズの電子メールを送出する仕組みを提供することができる。
【0184】
また、本発明によれば、メールの変換を行うサーバでの変換後のメールに対する分割指示と、送信先毎の分割サイズをサーバ管理者が特別に設定することなく、メールの送信者が変換前のメールを通常の分割方法で送信するだけで、送信先毎の制限サイズ情報を記憶し管理できる。
【0185】
また、送信者は、中継処理装置でのメールの変換処理を意識すること無く、送信先の制限サイズでメールを分割して送信するだけで、中継処理装置での変換後のメールも送信先に合ったサイズで送信できるようになる。
【0186】
なお、本実施の形態によれば、送信端末が電子メールを受信者が受理できるサイズに分割して送信することにより、中継処理装置が、送信先に対する分割の必要性と制限サイズを認識し、変換後の電子メールも送信先の制限サイズ以下になるよう自動的に分割して送信することができる。
【0187】
これにより、ユーザや管理者は、メールの変換を行うサーバへの、変換後のメールに対する分割指示や、送信先毎の分割サイズをサーバ管理者が特別に設定することが軽減される。
【0188】
従来、電子メールに含まれるデータの暗号化、電子メールへのデータ(署名等)の付加などの処理を行った電子メールのメール全体のデータサイズが、当該処理前の電子メールのメール全体のデータサイズよりも大きくなってしまい、結果として、送信先の制限サイズを越えた電子メールを送信してしまう恐れがあったが、本実施例により、これを解消することが可能となる。
【0189】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、装置が実行可能なプログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0190】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0191】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0192】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0193】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0194】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0195】
100 イントラネット
101−1 クライアント装置
101−2 クライアント装置
102 管理者用クライアント装置
103 内部メールサーバ
104 ローカルエリアネットワーク(LAN)
105 広域ネットワーク
106−1 外部メールサーバ
106−2 外部メールサーバ
106−3 外部メールサーバ
111 メーラー
112 WEBブラウザ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信端末から送信された電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置であって、
前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズを記憶する記憶手段と、
前記送信端末から送信される電子メールを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された電子メールのデータサイズと、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズとに従って、前記取得手段で取得された電子メールを分割するかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記取得手段で取得された電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、
前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする中継処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、更に、前記送信端末から送信された分割メールの宛先と、該分割メールの最大のデータサイズとを関連付けて記憶し、
前記判定手段は、前記取得手段で取得された電子メールのデータサイズと、該電子メールの宛先に関連づけられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズとに従って、前記取得手段で取得された電子メールを分割するか否かを判定し、
前記分割手段は、前記判定手段により、前記取得手段で取得された電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、該電子メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割することを特徴とする請求項1に記載の中継処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、更に、前記送信端末から送信される分割メールを取得し、
前記取得手段で取得された分割メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されているデータサイズを、前記取得手段で取得された分割メールの最大のデータサイズに更新する更新手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の中継処理装置。
【請求項4】
前記取得手段で取得された分割メールのデータサイズが、該分割メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズよりも大きいか否かを判定するサイズ判定手段を更に備え、
前記更新手段は、前記サイズ判定手段で、前記取得手段で取得された分割メールのデータサイズが、該分割メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズよりも大きいと判定された場合に、当該分割メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されているデータサイズを、前記取得手段で取得された分割メールの最大のデータサイズに更新することを特徴とする請求項3に記載の中継処理装置。
【請求項5】
前記取得手段で取得された電子メールに含まれるデータに対して、所定の処理を行う処理手段を更に備え、
前記判定手段は、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールのデータサイズと、該電子メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズとに従って、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割するか否かを判定し、
前記分割手段は、前記判定手段により、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、該電子メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の中継処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、複数の宛先が設定されている電子メールを取得し、
前記取得手段で取得された電子メールに設定された複数の宛先を個々の宛先に分割するメール分割手段を更に備え、
前記判定手段は、更に、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールのデータサイズと、前記記憶手段に記憶されている、前記メール分割手段により分割された宛先に関連付けられたデータサイズとに従って、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割するかを、前記メール分割手段により分割された宛先ごとに判定し、
前記分割手段は、前記判定手段で分割すると判定された宛先の電子メールを、該宛先に関連付けて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割することを特徴とする請求項5に記載の中継処理装置。
【請求項7】
前記処理手段により行われる所定の処理は、前記取得手段で取得される電子メールに含まれるデータのファイル形式を他のファイル形式に変換する変換処理、又は該電子メールにデータを付加する付加処理、又は該電子メールに含まれるデータの検査を行うデータ検査処理の何れかを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の中継処理装置。
【請求項8】
前記変換処理は、前記取得手段で取得される電子メールに含まれるデータを暗号化することにより、該電子メールに含まれるデータのファイル形式を他のファイル形式に変換する処理であることを特徴とする請求項7に記載の中継処理装置。
【請求項9】
前記処理手段により行われる処理の内容に対応して、該内容の処理を実行する条件を示す実行条件を記憶する条件記憶手段と、
前記取得手段で取得される電子メールに含まれるデータが、前記条件記憶手段に記憶された実行条件に合致するかを判定する条件判定手段と、
前記条件判定手段で、前記取得手段で取得される電子メールに含まれるデータが、前記条件記憶手段に記憶された実行条件に合致すると判定された場合に、当該合致すると判定された実行条件に対応して前記条件記憶手段に記憶されている処理の内容を、前記処理手段により行われる所定の処理の内容として決定する決定手段と、
を更に備え、
前記処理手段は、前記決定手段で決定された内容の処理を、前記取得手段で取得される電子メールに含まれるデータに対して行うことを特徴とする請求項3乃至8の何れか1項に記載の中継処理装置。
【請求項10】
前記判定手段は、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールのデータサイズが、該電子メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズよりも大きいか否か、又は該電子メールの宛先に関連付けられて前記記憶手段に記憶されている最大のデータサイズ以上であるか否かを判定することにより、前記処理手段で処理されたデータを含む電子メールを分割するか否かを判定することを特徴とする請求項3乃至9の何れか1項に記載の中継処理装置。
【請求項11】
前記取得手段で取得された分割メールを結合する結合手段を更に備え、
前記処理手段は、前記結合手段で結合されることで得られる電子メールに含まれるデータに対して、前記所定の処理を行うことを特徴とする請求項3乃至10のいずれか1項に記載の中継処理装置。
【請求項12】
前記送信端末は、任意の送信端末であり、
前記記憶手段は、前記送信端末から送信される分割メールの送信元毎の最大のデータサイズが記憶されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の中継処理装置。
【請求項13】
送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズを記憶する記憶手段を備え、前記送信端末から送信された電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置の制御方法であって、
前記中継処理装置の取得手段が、前記送信端末から送信される電子メールを取得する取得工程と、
前記中継処理装置の判定手段が、前記取得工程で取得された電子メールのデータサイズと、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズとに従って、前記取得工程で取得された電子メールを分割するかを判定する判定工程と、
前記中継処理装置の分割手段が、前記判定工程により、前記取得工程で取得された電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割工程と、
前記中継処理装置の送信手段が、前記分割工程で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする中継処理装置の制御方法。
【請求項14】
送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズを記憶する記憶手段を備え、前記送信端末から送信された電子メールを該電子メールの宛先に中継する中継処理装置で読み取り実行可能なプログラムであって、
前記中継処理装置を、
前記送信端末から送信される電子メールを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された電子メールのデータサイズと、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズとに従って、前記取得手段で取得された電子メールを分割するかを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記取得手段で取得された電子メールを分割すると判定された場合に、該電子メールを、前記記憶手段に記憶されている、前記送信端末から送信された分割メールの最大のデータサイズ以下、又は該データサイズよりも小さいサイズになるように分割する分割手段と、
前記分割手段で該電子メールが分割されることで得られる分割メールを中継するべく送信する送信手段として機能させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−84289(P2013−84289A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−270608(P2012−270608)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2011−127710(P2011−127710)の分割
【原出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【出願人】(312000206)キヤノンMJアイティグループホールディングス株式会社 (259)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】