説明

中継機構及び画像形成装置

【課題】互いに接続または分離される電気配線に対する、外力による負荷を軽減する。
【解決手段】コネクタ18aとコネクタ18bとが接続または分離する方向(以下、コネクタの接離方向という)は、排紙トレイ151と基体1aとが分離する方向(以下、排紙トレイ151の分離方向という)に対して予め決められた角度(例えば30°)だけ傾いている。これは排紙トレイ151が基体1aから着脱される場合において、余剰の長さLに応じた長さの配線17bが、Z軸方向及びY軸方向に出し戻しされることによる。つまり、コネクタ18a,18bの接離方向がZ軸方向及びY軸方向の2成分を有する角度となるように、コネクタ18aが排紙トレイ151に固定された場合には、排紙トレイ151が基体1aに分離していない状態または分離した状態の何れにおいても、配線17a,17bに対する外力による負荷が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中継機構及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的に接続された複数の電子機器を互いに着脱自在とする技術として、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1には、自動原稿給紙装置(ADF)のコネクタが、画像形成装置に設けられたメイン基板のADF用コネクタ、及びオプション基板のADF用コネクタのいずれにも接続自在とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−195775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、互いに接続または分離される電気配線に対する、外力による負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、筐体の一の部分に設けられた第一の電子機器に一端が接続される第一の電気配線と、前記筐体の一の部分と分離可能な他の部分に設けられた第二の電子機器に一端が接続される第二の電気配線と、前記第一の電気配線の他端と前記第二の電気配線の他端とにそれぞれ設けられ、互いに接続または分離する第一の接離手段及び第二の接離手段とを備え、前記第一の接離手段と前記第二の接離手段とが接続または分離するときの方向である接離方向は、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離するときの方向である分離方向に対して傾いており、且つ、前記第二の接離手段から前記第一の接離手段が分離するときの方向は、前記筐体内において前記第一の電気配線の少なくとも一部を収容する空間に向く成分を有していることを特徴とする中継機構である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成において、前記接離方向は、前記分離方向に対して傾いており、且つ、当該分離方向に対して垂直な方向でなく、さらに、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離していないときに前記第一の電気配線が延びる方向を成分として持つ方向であることを特徴とする請求項1記載の中継機構である。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の構成において、前記第二の接離手段は、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離するときの前記分離方向に対して突出した形状であることを特徴とする中継機構である。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構成において、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離していないときに前記第一及び前記第二の接離手段と前記第一の電気配線とを収容する空間を形成する収容手段に設けられ、前記第一の電気配線の移動を規制する第一及び第二の規制手段を備え、前記第一の規制手段は、前記第二の規制手段が前記第一の電気配線の移動を規制する位置よりも前記第一の接離手段に近い位置で前記第一の電気配線の移動を規制し、前記第一の規制手段による前記第一の電気配線の移動の規制範囲は、前記第二の規制手段による前記第一の電気配線の移動の規制範囲よりも小さいことを特徴とする中継機構である。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成において、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離していないときに前記第一及び前記第二の接離手段と前記第一の電気配線とを収容する空間を形成する前記収容手段であって、当該第一の電気配線の一部が当該収容手段から外部にはみ出る開口部を有することを特徴とする中継機構である。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の中継機構と、記録媒体に画像を形成する機能を含む複数の機能を前記第一の電子機器及び第二の電子機器を含む複数の電子機器を用いて実現する機能実現手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、互いに接続または分離される電気配線に対する外力による負荷を本構成を有しない場合に比べて軽減することができる。
請求項2記載の発明によれば、互いに接続または分離される電気配線に対する外力による負荷を本構成を有しない場合に比べて軽減することができる。
請求項3記載の発明によれば、作業者が第二の接離手段を把持して、筐体の一の部分と他の部分とを分離することができる。
請求項4記載の発明によれば、互いに接続された電気配線を収容し、収容された配線に対する外力による負荷を本構成を有しない場合に比べて軽減することができる。
請求項5記載の発明によれば、互いに接続された電気配線を収容し、収容される配線に対する外力による負荷を本構成を有しない場合に比べて軽減することができる。
請求項6記載の発明によれば、画像形成装置に設けられた電子機器を互いに接続または分離する電気配線に対する外力による負荷を本構成を有しない場合に比べて軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る画像形成装置1の斜視図である。
【図3】同実施形態に係る排紙トレイ151を外された画像形成装置1の斜視図である。
【図4】同実施形態に係るコネクタの向きを説明するための図である。
【図5】同実施形態に係るガイド19の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)構成
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態においては、配線により接続される複数の電子機器の一例としての制御部と表示部とが、画像形成手段を有する画像形成装置に設けられた例を挙げて説明する。この画像形成装置は、記録媒体(以降、記録用紙と称する)に色材(以降、トナーと称する)を用いて画像を形成するものであり、例えばプリントやコピーなどの機能が集約された機器である。
【0014】
図1は、画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、及び画像形成部15を複数の電子機器の一例として備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を備えており、CPUがROMや記憶部12に記憶されているプログラムを実行することによって画像形成装置1の各部を制御する。制御部11は、画像形成装置1の各部と、電気信号の一例である制御信号を伝送する配線17で接続されている。記憶部12は、HD(Hard Disk)などの不揮発性の補助記憶装置であり、各種のプログラムやデータを記憶している。操作部13は、電源スイッチや複数のキーを備えており、利用者の操作を受け付けてその操作に応じた信号を制御部11に供給する。表示部14は、VRAM(Video RAM)、液晶ディスプレイ及び液晶駆動回路を備えており、制御部11から供給される情報に基づいて、処理の進行状況や利用者に操作を案内する情報などを表示する。画像形成部15は、感光体ドラムと、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部と、定着部と、排紙トレイを備えており、図示せぬ通信部がパーソナルコンピュータなどの外部の装置から受け取った画像データに基づいた画像を記録用紙に形成する機能実現手段の一例として機能する。感光体ドラムは、導電性のドラム基体と、このドラム基体の表面にOPC(Organic Photo Conductor:有機電子写真用感光体)を形成した光導電膜とを備えた筒状の部材である。帯電部は、直流成分と交流成分とを重畳した電圧を印加されており、感光体ドラムの外周面に接触したまま回転することにより、感光体ドラムの周面を或る電位に一様に帯電させる。露光部は、レーザやLED(Light Emitting Diode)を備えており、感光体ドラムの周面上を走査しながら光を照射して静電潜像を形成する。現像部は、トナーとキャリアとを混合した現像剤を収容しており、現像剤で感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する。転写部は、現像された画像に逆極性の電圧を印加してこの画像を記録用紙に転写する。定着部は、加熱ロールと加圧ロールとを備えており、転写された画像を加圧及び加熱することにより記録用紙に定着する。排紙トレイは、画像が定着された記録用紙を画像形成装置1の機外へと排出して保持する。
【0015】
次に、画像形成装置1の構造について、図2〜5を参照しつつ説明する。図2〜5においては、作業者が、画像形成装置1を正面から見たときの左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。そして、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向、Z軸正方向、Z軸負方向という。また、X軸正方向の面とは、画像形成装置1の筐体51が有する面のうち、X軸正方向が法線となる面のことである。X軸負方向の面、Y軸正方向の面、Y軸負方向の面、Z軸正方向の面、Z軸負方向の面についても同様である。以下では、X軸正方向の面を面511、Y軸正方向の面を面512、Z軸正方向の面を面513とする。
【0016】
図2は、画像形成装置1の斜視図である。
図2においては、説明の便宜上、画像形成装置1の、正面とは反対側の背面を前にした状態が図示されている。画像形成装置1は、ボックス状の筐体51によって外形が構成される。筐体51の面512には、制御部11を収納するための空間である収納部52が設けられている。収納部52は、着脱可能なカバー部材53によって覆われており、制御部11を衝撃等から保護している。図2の収納部52は、カバー部材53を取り外した状態を例示している。また、面513には、画像形成部15の排紙トレイ151と一体的に表示部14が設けられている。つまり、表示部14は、排紙トレイ151に固定されており、排紙トレイ151から取り外せないようになっている。制御部11と表示部14とは、図中点線で示されたように筐体51内を通る電気配線17(以下単に配線17という)によって電気的に接続されている。
【0017】
図3は、排紙トレイ151が外された画像形成装置1の斜視図である。
ここで、排紙トレイ151が外されたときの画像形成装置1の本体側を基体1aと称する。排紙トレイ151は、例えば画像形成装置1のメンテナンスなどの際に基体1aから取り外されることがある。つまり、排紙トレイ151は筐体の他の部分の一例であり、基体1aは筐体の一の部分の一例として機能する。排紙トレイ151に設けられた第二の電子機器の一例である表示部14は、基体1aに設けられた第一の電子機器の一例である制御部11と配線17によって接続されている。また、配線17は、画像形成装置1の省スペース化などの為に、表示部14と制御部11とを結線するのに最低限必要な長さに比べて僅かな余剰分の長さLを有している。したがって、作業者は、排紙トレイ151を基体1aから余剰分の長さLしか離すことができず、作業を行う空間のZ軸方向の高さが余剰分の長さLに制限されることになる。
【0018】
そこで、配線17は、途中で分離し得るように、表示部14に接続されている配線17aおよびコネクタ18aと、制御部11に接続されている配線17bおよびコネクタ18bとに二分されている。コネクタ18aとコネクタ18bとは、互いに噛み合う形状をした1対の部材であり、配線17aと配線17bとを電気的に接続したり分離したりする。つまり配線17aは第二の電気配線の一例であり、コネクタ18aは第二の接離手段の一例であり、配線17bは第一の電気配線の一例であり、コネクタ18bは第一の接離手段の一例として機能する。表示部14から延びる配線17aに設けられたコネクタ18aは、排紙トレイ151の裏面(Z軸負方向の面)のX軸正方向の端部に設けられている。一方、コネクタ18bは、制御部11から延びる配線17bに設けられている。この配線17bの長さには上述した余剰の長さLが含まれている。この配線17bは、基体1aの内部に収納されており、排紙トレイ151が基体1aから着脱されるたびに、Z軸正方向およびY軸負方向に向かって基体1aの内部から引き出されたり、Z軸負方向およびY軸正方向に向かって基体1aの内部に押し戻されたりする。つまり基体1aの内部は、第一の電気配線の少なくとも一部を収容する空間の一例として機能する。以降、配線17bが基体1aの内部から引き出されたり、基体1aの内部に押し戻されたりすることを「出し戻し」と称する。ガイド19は、排紙トレイ151と基体1aとを着脱する際に生じる配線17bの出し戻しを主にY軸方向に制限するために設けられている。排紙トレイ151が基体1aに取り付けられている状態において、ガイド19は、基体1aにおいて、排紙トレイ151に設けられたコネクタ18aに対向する位置に設けられており、コネクタ18a,18bを内部に収容する。つまり、配線17aと、コネクタ18aと、配線17bと、コネクタ18bと、ガイド19とは、中継機構の一例として機能する。
【0019】
図4は、コネクタの向きを説明するための図であり、それぞれ、基体1aから排紙トレイ151を外したときの状態を、面511と向かい合う方向から見たときの図である。図4(a)が本実施形態のコネクタを示した図であり、図4(b)、(c)が本実施形態との比較例となるコネクタを示した図である。これら図4(a)(b)(c)に示すコネクタ18a,20a,21aは、それぞれ長手方向の長さW1と、幅方向の長さW2とが等しい。ただし、長手方向の長さW1は、幅方向の長さW2よりも長いものとする。
【0020】
図4(a)に示すように、配線17aは、Y軸の負方向から正方向に延びるとともにZ軸の正方向から負方向に延びてきてコネクタ18aに接続されている。一方、配線17bは、Y軸の正方向から負方向に延びるとともにZ軸の負方向から正方向に延びてきてコネクタ18bに接続されている。コネクタ18aとコネクタ18bとが接続または分離する方向(以下、コネクタの接離方向という)は、排紙トレイ151と基体1aとが分離する方向(以下、排紙トレイ151の分離方向という)に対して予め決められた角度(例えば30°)だけ傾いている。コネクタ18aは、コネクタ18a,18bの接離方向が上記のような方向となるように台座18cに固定されている。このため、台座18cにおけるコネクタ18aの取り付け面は、配線17bの少なくとも一部を収容する空間がある方向(より詳細には配線17bが延びる方向)に向いている。このような構成を採るのは、排紙トレイ151が基体1aから着脱される場合において、余剰の長さLに応じた長さの配線17bが、Z軸方向及びY軸方向に出し戻しされることによる。つまり、コネクタ18a,18bの接離方向がZ軸方向及びY軸方向の2成分を有する角度となるように、コネクタ18aが排紙トレイ151に固定された場合には、排紙トレイ151が基体1aに分離していない状態または分離した状態の何れにおいても、配線17a,17bに対する外力による負荷が抑制される。また、台座18cは、排紙トレイ151の分離方向に対して突出した形状である。作業者は、この突出した形状の台座18c及びコネクタ18aを手で持ちながら、コネクタ18aとコネクタ18bとを着脱する。
【0021】
上記の実施形態に対し、例えば図4(b)に示すように、コネクタの接離方向が、排紙トレイ151の分離方向に対して平行である場合を考える。この場合、配線17aは、図中点線で囲んだ箇所4bで鋭角に折れ曲がることによって、図4(a)の点線で囲んだ箇所4aで鈍角に折れ曲がる場合よりも大きな外力による負荷がかかる。特に最近は、配線17aに用いられる被膜部材として、環境への配慮の為に従来添加されていたハロゲン族(臭素(Br)、塩素(Cl)など)に属する物質を添加しないハロゲンフリーの素材で製造された部材などを用いることが多い。このような素材で形成された配線を用いた場合、その配線が鋭角に折れ曲げられることによって生じた負荷に耐え切れられずに破れてしまい、内部に設けられた金属線が外部に露出することになる。
【0022】
次に、図4(c)に示すように、コネクタの接離方向が、排紙トレイ151の分離方向に対して垂直である場合を考える。この場合、コネクタ21aのZ軸方向の長さ(W1)は、図4(a)に示すコネクタ18aのZ軸方向の長さ(0.5W1)、及び図4(b)に示すコネクタ20aのZ軸方向の長さ(W2)よりも長くなる。したがって、排紙トレイ151が基体1aに取り付けられている場合において、コネクタ21aを収容するガイド19cは、図4(a)(b)に示すガイド19a,19bよりもZ軸方向の長さを長く設ける必要がある。つまり、Z軸方向の長さを長く設けたガイド19cは、容積が大きくなるから画像形成装置1の省スペース化の妨げとなる。また、作業者は、排紙トレイ151を基体1aから取り外した場合において、作業を行う空間のZ軸方向の高さが前述した長さLに制限されているが、更に、作業を行う空間のZ軸方向の高さLからコネクタ21aのZ軸方向の長さ(W1)分だけ制限されることになる。よって、図4(a)に示すコネクタ18aよりもZ軸方向に長いコネクタ21aを用いると、作業の妨げとなる。
【0023】
図5は、ガイド19の構造を示す斜視図である。
ガイド19は、接続された状態のコネクタ18a,18bと配線17bとを収容する収容手段の一例であり、図5に示した手前側の面が筐体51の面511の裏面に接した状態でその筐体51に固定されている。ガイド19の側面において切り欠かれた部位である切り欠き部191は、コネクタ18a,18bをガイド19に収容する際に、干渉を防ぐために設けられている。この切り欠き部191の形状は、接続された状態のコネクタ18aとコネクタ18bの断面形状とほぼ一致している。座屈防止部192は、ガイド19のZ軸負方向に設けられた開口部であり、ガイド19によって形成された収容空間から配線17がはみ出る開口部の一例として機能する。例えば、排紙トレイ151を基体1aに取り付ける際に、配線17bには、Z軸負方向およびY軸正方向へと押し戻すための力が加えられる。しかし、配線17bは、加えられた力に応じた長さだけZ軸負方向およびY軸正方向へと移動しないと、ガイド19の内部で弛むことになる。そして、配線17bには、弛んだ長さに応じてガイド19から押されて負荷がかけられる。そのため、座屈防止部192は、この弛んだ配線17bの一部をガイド19の外へとはみ出させるために、ガイド19のZ軸負方向を開口しても設けられている
【0024】
挟み部194は、X軸正方向が法線となるガイド19の面からX軸正方向またはX軸負方向に突出し、さらにZ軸負方向に屈曲した部材である。挟み部194は、排紙トレイ151を基体1aに取り付ける際に押し戻される配線17bがガイド19よりもZ軸正方向に弛むのを抑制する。結束部193は、配線17bを束ねて挟み込むための部材であり、配線17bの出し戻しを主にY軸方向に制限する第一の規制手段の一例として機能する。開口部195は、ガイド19のY軸正方向の面を開口して設けられており、配線17bの出し戻しを主にY軸方向に制限する第二の規制手段の一例として機能する。結束部193は、開口部195が設けられた位置よりもコネクタ18bに近い、Y軸負方向の位置に設けられている。また、結束部193は、開口部195よりも配線17bを束ねて挟み込む範囲の面積が小さくなるように設けられており、開口部195よりも配線17bの出し戻しを小さい範囲に制限する。
【0025】
(2)変形例
(2−1)変形例1
コネクタ18aは、排紙トレイ151の分離方向に対して30°の角度を成すように台座18cに設けられているとした。しかし、コネクタ18aが排紙トレイ151の分離方向に対して設けられる角度はこれに限らない。コネクタ18aは、排紙トレイ151が基体1aに着脱された何れの場合においても配線17a,17bにかかる負荷を抑制するような、Y軸方向及びZ軸方向の2成分を有する角度で排紙トレイ151に設けられていればよい。
(2−2)変形例2
本実施形態においては、配線17a,17bは、制御部11と表示部14とを接続した。しかし、配線17a,17bが接続する電子機器は、制御部11と表示部14に限らない。例えば、配線は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部、画像形成部15の何れかを接続しても良いし、その他の電子機器を接続しても良い。つまり、配線は、電気的に電子機器を接続すればよく、接続される電子機器の個数も特に限定されない。また、それらの電子機器を用いる本体装置は、画像形成手段を有する画像形成装置とは限らない。本体装置としては、少なくとも電子機器を用いて処理を実施するような装置であればよい。
また、配線17a,17bは、データを伝送するものに限らず、データの伝送とともに、または、データの伝送とは独立して、電力を供給するものであってもよい。
(2−3)変形例3
配線17a,17bに用いられる被膜部材は、従来添加されていたハロゲン族に属する物質を、環境への配慮の為に添加しないハロゲンフリーの素材で製造されているとした。しかし、配線17a,17bに用いられる被膜部材の素材および強度は、特に限定されない。
(2−4)変形例4
上記実施形態においては、コネクタ18aと台座18cは、別の部材であるとしたがこれに限らず、同一の部材から構成されていても良い。つまり、コネクタ18aは、排紙トレイ151が基体1aに着脱された何れの場合においても配線17a,17bにかかる負荷を抑制するような方向を向いて固定されていれば良い。
【符号の説明】
【0026】
1…画像形成装置、1a…基体、11…制御部、12…記憶部、13…操作部、14…表示部、15…画像形成部、151…排紙トレイ、17…配線、18…コネクタ、18c…台座、19…ガイド、191…切り欠き部、192…座屈防止部、193…結束部、194…挟み部、195…開口部、20…コネクタ、21…コネクタ、51…筐体、52…収納部、53…カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の一の部分に設けられた第一の電子機器に一端が接続される第一の電気配線と、
前記筐体の一の部分と分離可能な他の部分に設けられた第二の電子機器に一端が接続される第二の電気配線と、
前記第一の電気配線の他端と前記第二の電気配線の他端とにそれぞれ設けられ、互いに接続または分離する第一の接離手段及び第二の接離手段とを備え、
前記第一の接離手段と前記第二の接離手段とが接続または分離するときの方向である接離方向は、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離するときの方向である分離方向に対して傾いており、且つ、前記第二の接離手段から前記第一の接離手段が分離するときの方向は、前記筐体内において前記第一の電気配線の少なくとも一部を収容する空間に向く成分を有している
ことを特徴とする中継機構。
【請求項2】
前記接離方向は、前記分離方向に対して傾いており、且つ、当該分離方向に対して垂直な方向でなく、さらに、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離していないときに前記第一の電気配線が延びる方向を成分として持つ方向である
ことを特徴とする請求項1記載の中継機構。
【請求項3】
前記第二の接離手段は、前記筐体の一の部分と他の部分とが分離するときの前記分離方向に対して突出した形状である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の中継機構。
【請求項4】
前記筐体の一の部分と他の部分とが分離していないときに前記第一及び前記第二の接離手段と前記第一の電気配線とを収容する空間を形成する収容手段に設けられ、前記第一の電気配線の移動を規制する第一及び第二の規制手段を備え、
前記第一の規制手段は、前記第二の規制手段が前記第一の電気配線の移動を規制する位置よりも前記第一の接離手段に近い位置で前記第一の電気配線の移動を規制し、
前記第一の規制手段による前記第一の電気配線の移動の規制範囲は、前記第二の規制手段による前記第一の電気配線の移動の規制範囲よりも小さい
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の中継機構。
【請求項5】
前記筐体の一の部分と他の部分とが分離していないときに前記第一及び前記第二の接離手段と前記第一の電気配線とを収容する空間を形成する前記収容手段であって、当該第一の電気配線の一部が当該収容手段から外部にはみ出る開口部を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の中継機構。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の中継機構と、
記録媒体に画像を形成する機能を含む複数の機能を前記第一の電子機器及び第二の電子機器を含む複数の電子機器を用いて実現する機能実現手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−66512(P2011−66512A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213321(P2009−213321)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】