説明

中鎖ペルオキシカルボン酸組成物

本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物、それらの組成物の製造方法、及び微生物の個体数を減少させる方法に関する。前記組成物は、有利に高いレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を含むことができ、容易に製造することができ、及び/又は減弱された臭気を呈することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物、これらの組成物を製造する方法、及び微生物の個体数を減少させる方法に関する。前記組成物は、有利に高レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を含むことができ、容易に製造することができ、及び/又は減弱された臭気を呈することできる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
常用のペルオキシカルボン酸組成物は、一般に短鎖ペルオキシカルボン酸、又は短鎖ペルオキシカルボン酸と中鎖ペルオキシカルボン酸の混合物を含む(例えば、米国特許第5,200,189号、同第5,314,687号、同第5,409,713号、同第5,437,868号、同第5,489,434号、同第6,674,538号、同第6,010,729号、同第6,111,963号、及び同第6,514,556号を参照のこと)。一般に、常用の混合されたペルオキシカルボン酸組成物は、大量の短鎖カルボン酸を含んで成り、そして対応する中鎖ペルオキシカルボン酸と比較して限られた量の中鎖ペルオキシカルボン酸しか含んでいない。
【0003】
進行中の調査研究の取り組みは、改善されたペルオキシカルボン酸組成物を目指した。特に、これらの取り組みは、高レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を有するか、容易に作製することができるか、又は短鎖ペルオキシカルボンとカルボン酸を含む常用の組成物と比べて弱い臭気しか持たない組成物を目指した。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物、これらの組成物を製造する方法、及び微生物の個体数を減らす方法に関する。特定の態様において、前記組成物は、有利に高いレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を含むことができ、容易に製造することができ、及び/又は減弱された臭気を呈することができる。
【0005】
態様によっては、当該組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸、中鎖カルボン酸、担体、及び可溶化剤を含むことができる。特定の態様において、前記組成物は、中鎖カルボン酸7に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約2以上;中鎖カルボン酸5に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約2以上;中鎖カルボン酸4に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約2以上;又は中鎖カルボン酸3に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約2を含む。
【0006】
態様によっては、前記可溶化剤は、溶媒、界面活性剤、又はその混合物を含む。態様によっては、前記界面活性剤による可溶化剤は、マイクロエマルジョンを形成する界面活性剤、例えば陰イオン性界面活性剤を含む。態様によっては、前記組成物は、マイクロエマルジョンを含む。態様によっては、前記可溶化剤は、ポリアルキレンオキシド、キャップした(capped)ポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、又はその混合物を含む。態様によっては、前記溶媒型可溶化剤は、ポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含む。
【0007】
態様によっては、当該組成物は、短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸、又はその混合物を含まないか、わずかしか含まないか、あるいは比較的に少量しか含まない。例えば、態様によっては、前記組成物は、追加の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物を実質的に含まなくてもよい。例えば、態様によっては、前記組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸を可溶化するのに不十分なレベルで短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物を含んでもよい。例えば、態様によっては、前記組成物は、不快臭を引き起こすのに不十分なレベルで短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物を含んでもよい。例えば、態様によっては、前記組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含むことができる。
【0008】
態様によっては、前記組成物は、酸化剤、無機酸、安定化剤、他のアジュバント、又は添加剤、あるいはその混合物を同様に含む。
【0009】
態様によっては、本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の製造方法を含む。前記方法は、担体、可溶化剤、酸味料(acidulant)、安定化剤、又はその混合物の存在下、中鎖カルボン酸と酸化剤を反応させることを含んでもよい。前記方法は、有利に短い時間で有利に高いレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を形成できる。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で20%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することを含む。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約25%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することを含む。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約30%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することを含む。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約35%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することを含む。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約40%の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することを含む。
【0010】
態様によっては、本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の使用方法を含む。前記方法は、対象物を当該組成物(例えば、使用組成物(a use composition))と接触させることを含んでもよく、そして対象物上の1以上の微生物の個体数の減少をもたらすことができる。
【0011】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において、慣用句「中鎖カルボン酸」は、以下の:1)同じ濃度の短鎖カルボン酸に付随する悪臭、刺激臭、又は不快臭に比べて弱い臭気しか持たないか又はそれを欠いており、かつ、2)中性のpHで水性バッファー中、1mMより高い臨界ミセル濃度を有するカルボン酸を表す。中鎖カルボン酸は、20℃で非常に溶けやすいか、又は水混和性であるカルボン酸を除く。中鎖カルボン酸は、(760mmHgの圧力にて)180〜300℃の沸点を有するカルボン酸を含む。態様によっては、中鎖カルボン酸は、(760mmHgの圧力にて)200〜300℃の沸点を有するカルボン酸を含む。ある態様、中鎖カルボン酸は、25℃にて1g/Lより低い水中への溶解度を有するものを含む。中鎖カルボン酸の例は、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸を含む。
【0012】
本明細書において、慣用句「中鎖ペルオキシカルボン酸」は、中鎖カルボン酸のペルオキシカルボン酸形態を表す。
【0013】
本明細書において、慣用句「短鎖カルボン酸」は:1)特徴的な悪臭、刺激臭、又は不快臭を有し、そして2)20℃で非常に溶けやすいか、又は水混和性であるカルボン酸を表す。短鎖カルボン酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び酪酸を含む。
【0014】
本明細書において、慣用句「短鎖ペルオキシカルボン酸」は、短鎖カルボン酸のペルオキシカルボン酸形態を表す。
【0015】
本明細書において、用語「可溶化剤」は、中鎖カルボン酸、中鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物を担体(例えば、水)中に溶けるようにするか、又は溶解度を高める当該組成物の構成要素を表す。例えば、態様によっては、可溶化剤は、中鎖カルボン酸、中鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物を含む組成物を溶液状態に保つことができるか、又は分離した層を形成することなく常用の保存条件下で細かくそして均一に分散した前記組成物を維持することができる。前記可溶化剤は、例えば中鎖カルボン酸が酸化剤、例えば過酸化水素と反応することを可能にするのに十分な程度まで中鎖カルボン酸を可溶化できる。可溶化剤は、常用の保存条件、例えば室温、100°F(約38℃)、又は60℃での相分離を計測する試験によって確認されうる。本明細書において、用語「可溶化剤」は、短鎖カルボン酸を含まない。
【0016】
本明細書において、用語「マイクロエマルジョン」は、ある液相が、界面活性剤の界面薄膜により安定化した別の相に熱力学的に安定して分散していることを表す。前記分散液は、水中油型又は油中水型であることができる。マイクロエマルジョンは、液滴直径が約100ナノメートル以下の時、一般的に透明な溶液である。態様によっては、当該マイクロエマルジョン組成物は、ずり流動化粘弾性ゲル(shear thinning viscoelastic gel)又は青色チンダル像を有する液体である。
【0017】
本明細書において、慣用句「青色チンダル像」又は「青色チンダル」は、青色光又は光スペクトルの青色領域の散乱による青みがかった色相を表す。
【0018】
本明細書において、慣用句「粘弾性ゲル」及び「粘弾性液体」は、粘性及び弾性の両方の特徴、あるいは長距離秩序又は構造を示す応答を呈する液体組成物を表す。
【0019】
本明細書において、特定の成分から「本質的に成る」組成物又は組み合わせ物は、それらの成分を含んで成り、かつ、上記組成物又は方法の基本的な及び新規の特徴に影響するあらゆる成分を欠く組成物を表す。慣用句「本質的に成る」は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物を;そのような成分が上記慣用句の後に明確に列挙されない限り、特許請求の範囲に記載された組成物及び方法から除く。
【0020】
本明細書において、1つ以上の成分を「実質的に含まない」組成物又は組み合わせ物は、その成分を含まないか、又はその成分を微量、若しくは偶発的な量だけ含む組成物を表す。微量又は偶発的な量は、不純物として他の成分中に見られるか、又は処方中のわずかな副反応、若しくは中鎖ペルオキシカルボン酸の分解で生じた成分の量を含むことができる。
【0021】
本明細書において、慣用句「可溶化するのに不十分なレベル」は、成分が不溶性物質を可溶化し、かつ、その組成物を実質的に1つの相に維持するのに十分ではない上記成分の濃度を表す。
【0022】
本明細書において、慣用句「好ましくないにおい(objectionable odor)」、「不快なにおい(offensive odor)」、又は「嫌なにおい(malodor)」は、鼻を刺すようなにおい、刺激臭、又は不快臭を、あるいはできれば標準的な人が立ち去る大気環境を表す。ヘドニック・トーンが、臭気が快適であるか又は不快であるかの程度の尺度を提供する。「好ましくないにおい」、「不快なにおい」、又は「嫌なにおい」は、5重量%の酢酸、プロピオン酸、酪酸、又はその混合物の溶液と同じ位不快であるか、あるいはそれより不快であると格付けしたヘドニック・トーンを持つ。
【0023】
本明細書において、用語「微生物」は、あらゆる非細胞又は(クローンのものを含めた)単細胞の生物を表す。微生物は全ての原核生物を含む。微生物は、(シアノバクテリアを含む)細菌、地衣類、真菌、原虫、ビリノ、ウイロイド、ウイルス、ファージ、及び一部の藻類を含む。本明細書において、用語「微生物(microbe)」は、微生物(microorganism)と意味が同じである。
【0024】
本明細書において、用語「対象物」は、直接的、及び/又は間接的に感覚によって感知されることができる何かの物質を表す。対象物は、硬い表面(例えば、ガラス、陶磁器、金属、天然及び合成の岩、木材、並びに重合体)、エラストマー若しくはプラスチック、織物及び不織布下地、食品加工に関する表面(food processing surface)、ヘルスケアに関する表面(health care surface)などを含む表面を含む。対象物は、食品(及びその表面);水域若しくは気体域又は水の流れ若しくは気体の流れ(例えば、空気の流れ);並びに接客部門及び工業部門に利用される表面及び品物を同様に含む。対象物は、生きている生き物の身体又は身体の一部(例えば、手)を同様に含む。
【0025】
本明細書において、慣用句「食品」は、抗菌剤又は抗菌性組成物での処理を必要とするかもしれず、そしてさらなる調理のいる又はいらない食料品であるあらゆる食物物質を含む。食品は、肉(例えば、赤肉と豚肉)、シーフード、家禽、果物及び野菜、卵、生卵、卵製品、インスタント食物、小麦、種子、根、塊茎、葉、茎、球茎、花、芽、調味料、又はその組み合わせを含む。用語「農産物」は、一般に調理せずに、そして多くの場合包装されずに売られ、かつ、時々それを生で食べることができる食品、例えば果物及び野菜、そして植物又は植物由来材料を表す。
【0026】
本明細書において、慣用句「植物製品」は、抗菌剤又は抗菌性組成物での処理を必要とするかもしれないあらゆる植物物質又は植物由来物質を含む。植物製品は、種子、ナッツ、ナッツ・ミート、切花、温室で栽培又は保存されている植物又は農作物、室内用植物などを含む。植物製品は、多くの動物飼料を含む。
【0027】
本明細書において、加工された果物又は野菜は、カットされたか、切り刻まれたか、薄切りにされたか、皮をむかれたか、すり潰されたか、挽かれたか、放射線を照射されたか、冷凍されたか、調理されたか(例えば、湯通しされたか、低温殺菌されたか)、又は均質化された果物又は野菜を表す。本明細書において、洗われたか、色を付けされたか、ワックスを塗られたか、水冷されたか、冷蔵されたか、殻をむかれたか、又は葉、茎、又は皮を除去された果物又は野菜は加工されていない。
【0028】
本明細書において、慣用句「肉製品」は、動物を形成する構成要素の枝肉、筋肉、脂肪、臓器、皮、骨、及び体液などを含めた動物の肉のあらゆる形態を表す。動物の肉は、哺乳動物、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、巻貝類、貝類、甲殻類、他の食用種、例えばロブスター、カニなど、又はシーフードの他の形態の肉を含む。前記の動物の肉の形態は、例えば、単独で又は他の成分との組み合わせで、動物の肉の全体又は一部を含む。典型的な形態は、例えば、加工肉、例えば塩漬け肉、切断され成形された製品、ミンチ製品、細かく切り刻まれた製品、挽き肉及び挽き肉を含む製品、丸ごとの製品などを含む。
【0029】
本明細書において、用語「家禽」は、ニワトリ、七面鳥、ダチョウ、ゲームヘン、ひな鳥、ホロホロチョウ、キジ、ウズラ、アヒル、ガチョウ、エミューなど、及びこれらの鳥の卵を含めた、肉又は卵のために飼育されるか、捕獲されるか、又は家畜化されたあらゆる鳥の全ての形態を表す。家禽は、丸ごとか、切断されたか、加工されたか、調理されたか、又は未加工の家禽を含み、そして家禽の肉及び副産物(by-products及びside products)の全ての形態を網羅する。家禽の肉は、筋肉、脂肪、臓器、皮、骨、及び体液、並びにその動物を形成するそのような構成要素を含む。動物の肉の形態は、例えば、単独で又は他の成分との組み合わせで、動物の肉丸ごとか、又はその一部を含む。典型的な形態は、例えば加工した家禽肉、例えば未加工の家禽肉、切断され成形された製品、ミンチ製品、細かく切り刻まれた製品、及び丸ごとの製品を含む。
【0030】
本明細書において、慣用句「家禽かす」は、加工中に家禽の枝肉又は一部から取り除かれたあらゆる、かす(debris)、残留物(residue)、物質(material)、排泄物(dirt)、廃物(offal)、家禽の一部、家禽の廃棄物、家禽の内臓、家禽の臓器、断片又はそのような物質の組み合わせなどを表し、ごみの流れに入る。
【0031】
本明細書において、慣用句「食品加工に関する表面」は、食品加工、調理、又は保存活動の一部に利用される道具、機械、装置、構造物、建物などの表面を表す。食品加工に関する表面の例は、食品加工又は調理装置(例えば、スライス装置、缶詰装置、又は水路を含む輸送装置)、食品加工用品(例えば、調理用具、皿類、洗浄用具、及びバー用ガラス)の表面、並びにその中で食品加工が起こる構造物の床、壁、又は備品を含む。食品加工に関する表面は、食物を腐敗させない空気循環システム、無菌包装の浄化、食物冷蔵及び冷却器のクリーナー及び清浄剤、用具洗浄の浄化、湯がき器クリーニング及び浄化、食物包装材料、まな板添加剤、サード・シンクの浄化、飲料冷却機及び保温機、肉の冷却水及び熱湯、自動食器清浄剤、浄化ゲル、冷却塔、食品加工用抗菌性衣類スプレー、並びに非水性〜低水性の食物調理滑沢剤、油、及びすすぎ添加剤に見られ、そして利用される。
【0032】
本明細書において、慣用句「空気の流れ」は、食物を腐敗させない空気循環システムを含む。空気の流れは、一般に病室、手術室、病弱なヒトの部屋(infirmity room)、分娩室、死体置場、及び臨床診断室に見られる空気の流れを同様に含む。
【0033】
本明細書において、用語「水」は、食品加工又は輸送用の水を含む。食品加工又は輸送用の水は、生産物輸送用の水(例えば、水路、パイプ輸送、カッター、スライサー、湯がき、レトルト・システム、洗浄機などに見られる)、食物輸送ラインのためのベルト・スプレー、長靴及び手洗い用のディップ・パン(dip-pans)、サード・シンクのすすぎ水などを含む。水は、例えばプール、温泉、レクリエーション用ウォーターシュート、及びウォータースライダー、噴水などの家庭内の及びレクリエーションの水を同様に含む。
【0034】
本明細書において、慣用句「ヘルスケアに関する表面」は、ヘルスケア活動の一部として利用される器具、デバイス、カート、ケージ、家具、構造物、建物などの表面を表す。ヘルスケアに関する表面の例は、医療又は歯科器具、医療又は歯科デバイス、患者の健康状態をモニタリングするために利用される電子装置、並びにその中でヘルスケアが起こる構造物の床、壁、又は備品の表面を含む。ヘルスケアに関する表面は、病室、手術室、病弱なヒトの部屋、分娩室、死体置場、及び臨床診断室に見られる。これらの表面は、「硬い表面」(例えば、壁、床、便器など)、又は織物表面、例えばニット、織物、又は不織布表面(例えば、手術着、カーテン、ベットカバー、包帯など)、患者治療用機器(例えば、レスピレーター、診断機器、シャント、ボディー・スコープ、車椅子、ベッドなど)、又は手術若しくは診断機器として代表されるものであってもよい。ヘルスケアに関する表面は、動物のヘルスケアに利用される品物及び表面を含む。
【0035】
本明細書において、用語「器具」は、本発明による安定した組成物での清浄から利益を得ることができる様々な医療又は歯科用器具又はデバイスを表す。
【0036】
本明細書において、慣用句「医療器具」、「歯科用器具」、「医療デバイス」、「歯科用デバイス」、「医療機器」、又は「歯科用機器」は、医学又は歯科医学で使用される器具、デバイス、道具、器械、装置、及び機器を表す。そのような器具、デバイス、及び機器は、冷滅菌されるか、浸されるか、又は洗浄され、そして加熱殺菌されることができるか、あるいは別の方法で本発明の組成物での清浄によって利益を得ることができる。これらの様々な器具、デバイス、及び機器は、これだけに制限されることなく、以下の:診断器具、トレイ、皿状の器物、ホルダー、棚、鉗子、はさみ、大ばさみ、のこぎり(例えば、骨鋸及びその刃)、止血物質、ナイフ、のみ、骨鉗子、やすり(files)、ニッパー、ドリル、ドリルの錐先、石目やすり、穴ぐり器、開大器、破砕機、エレベーター、クランプ、持針器、キャリア、クリップ、フック、切骨器、キュレット、開創器、ストレイテナー、穴開け器、摘出器、へら、角膜切開刀、スパーテル、エクスプレッサー(expressors)、トロカール、拡張器、ケージ、ガラス用品、チューブ類、カテーテル、カニューレ、プラグ、ステント、スコープ(例えば、内視鏡、聴診器、及び関節鏡(arthoscopes))、並びに関連機器など、又はその組み合わせを含んで成る。
【0037】
本明細書において、「農業に関する」又は「獣医学に関する」対象物又は表面は、動物飼料、動物水やり場及び囲い地、動物舎、動物の獣医師クリニック(例えば、外科区域又は治療区域)、動物の外科区域などを含む。
【0038】
本明細書において、「居住に関する」又は「施設に関する」対象物又は表面は、ヒトが住んでいる構造物に見られるものを含む。そのような対象物又は表面は、浴室表面、排水管、排水管表面、キッチン表面などを含む。
【0039】
本明細書において、慣用句「高密度流体」は、臨界か、臨界未満か、臨界近くか、又は超臨界の状態の流体を表す。前記流体は、一般に1気圧及び0℃の標準的な条件にて気体である。本明細書において、慣用句「超臨界流体」は、それを圧力によって液化することができない温度であるその臨界温度より高く維持される高密度ガスを表す。超臨界流体は、一般に液体より低い粘度しかなく、そしてより容易に拡散する。態様によっては、高密度流体は、その臨界点か、それを上回るか、又はわずかに下回る。本明細書において、慣用句「臨界点」は、物質の液体状態と気体状態が互いに溶け込む転移点であり、物質についての臨界温度及び臨界圧の組み合わせを意味する。前記臨界圧は、臨界温度にて2つの相の出現を引き起こすのにちょうど十分な圧力である。臨界温度及び圧力は、多数の有機及び無機化合物、並びに数個の元素について報告された。
【0040】
本明細書において、用語「臨界近くの」流体又は「臨界未満の」流体は、一般に超臨界流体の臨界温度未満であるが、しかし上記流体への圧力の効果のために流動状態、及び典型的な気体よりも高密度な状態を維持している流体物質を表す。態様によっては、臨界未満又は臨界近くの流体は、その臨界点をわずかに下回る温度及び/又は圧力である。例えば、臨界未満又は臨界近くの流体は、その臨界温度を下回るがその臨界圧を上回るか、その臨界温度を上回るがその臨界圧を下回るか、あるいはその臨界温度も圧力も下回ることができる。用語、臨界近く及び臨界未満は、それらの通常の気体状態又は液体状態にある物質を表さない。
【0041】
本明細書において、重量パーセント(wt-%)(weight percent, percent by weight, % by weightなど)は、組成物の重量で割って100を掛けた物質の重量として物質の濃度を表す同義語である。別段の指定のない限り、成分の量は有効成分の量を表す。
【0042】
本明細書において、「ペルオキシカルボン酸組成物」又は「ペルオキシカルボン酸」に関連して使われる時、用語「混合された」又は「混合物」は、1つ以上のペルオキシカルボン酸を含む組成物又は混合物、例えば過酢酸とペルオキシオクタン酸を含む組成物又は混合物を表す。
【0043】
本明細書において、本発明の組成物中の、又は本発明の方法に利用される成分量を修飾する用語「約」は、例えば典型的な計測、及び濃縮物を製造するために使用される液体の操作手順、又は現実世界における溶液の使用を通して;これらの手順の不注意な誤りを通して;組成物を製造するか又は方法を実行するために利用した成分の製品、供給源、又は純度の相違を通して;などの起こりうる数量の変動を表す。前記用語は、特定の最初の混合物からもたらされる組成物の異なる平衡状態に起因する異なる量を同様に網羅する。用語「約」によって修飾されるかどうかに関わらず、請求項は数量に対する同等物を含む。
【0044】
本願特許出願の目的のために、成功した微生物の減少は、上記微生物の個体数を少なくとも約50%まで減らした時に達成され、又はそれよりも有意に高い値までは水での洗浄によって達成される。微生物の個体数のより大きな減少は、より高いレベルの防護を提供する。
【0045】
本明細書において、用語「清浄剤」は、公衆衛生上の要件によって判断される安全なレベルまで細菌性汚染物質の数を減らす剤を表す。態様によっては、本願発明における使用のための清浄剤は、少なくとも99.999%の減少(5-logの桁の減少)を提供する。これらの減少は、Germicidal and Detergent Sanitizing Action of Disinfectants, Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists、段落960.09及び該当する項、第15版、1990年(EPAガイドライン91-2)で述べられた手順を使って評価されることができる。この参考文献によると、清浄剤は、数個の試験生物に対して室温、25±2℃にて30秒以内に99.999%の減少(5-logの桁の減少)を提供すべきである。
【0046】
本明細書において、用語「殺菌剤」は、A.O.A.C. Use Dilution Methods, Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists、段落955.14及び該当する項、第15版、1990年(EPAガイドライン91-2)で記載された手順を使って認められている病原性微生物の大部分を含む全ての栄養細胞を殺傷する剤を表す。
【0047】
本願発明において、用語「殺胞子剤」は、60℃にて10秒以内にバチルス・セレウス(Bacillus cereus)又はバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)の胞子の個体数の90%超の減少(1-logの桁の減少)を引き起こすことができる能力を持つ物理又は化学剤、あるいは方法を表す。特定の態様において、本発明の殺胞子組成物は、60℃にて10秒以内にそのような個体数の99%超の減少(2-logの桁の減少)か、99.99%超の減少(4-logの桁の減少)か、又は99.999%超の減少(5-logの桁の減少)を提供する。
【0048】
抗微生物性の「殺傷する(-cidal)」又は「静止状態にする(-static)」活性の区別、効能の程度を説明する定義、及びこの効能を計測するための公の実験室プロトコールは、抗微生物剤及び抗微生物性組成物の関連性を理解するため検討材料である。抗微生物性組成物は、2種類の微生物細胞損傷をもたらすことができる。1つ目は、完璧な微生物細胞
の破壊又は無力化をもたらす致命的で不可逆的な作用である。2つ目の細胞損傷のタイプは、生物を剤のない状態にした場合に再び増加できるように可逆的である。前者は殺菌、そして後者は静菌と呼ばれる。定義により、清浄剤(sanitizer)及び消毒剤(disinfectant)は、抗微生物性活性又は殺微生物活性を提供する剤である。対照的に、防腐剤は、一般に抑制又は静菌組成物と説明される。
【0049】
中鎖ペルオキシカルボン酸の抗微生物性組成物
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸組成物を含む。当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物は、常用のペルオキシカルボン酸組成物と比べて高められたレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を含むことができる。本発明組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸と可溶化剤を含むことができる。前記可溶化剤は、中鎖ペルオキシカルボン酸の溶解度を高めるか又は維持することができる。当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物は、マイクロエマルジョンか、マイクロエマルジョンを形成できる界面活性剤を含むことができる。当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物は、大量の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物を含む必要がない。常用の混合ペルオキシカルボン酸組成物において、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物が中鎖ペルオキシカルボン酸を可溶化することができると考えられる。
【0050】
態様によっては、当該組成物は中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。これらの組成物は中鎖カルボン酸を同様に含むことができる。そのような組成物は、有利に高いレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を含むことができる。態様によっては、当該組成物は、7重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。態様によっては、当該組成物は、6重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。態様によっては、当該組成物は、5重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。態様によっては、当該組成物は、4重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。態様によっては、当該組成物は、3重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。
【0051】
態様によっては、当該組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸と可溶化剤を含む。前記可溶化剤は、溶媒、界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。好適な溶媒は、可溶化し、かつ、中鎖ペルオキシカルボン酸を著しく分解しない種々の溶媒のいずれかを含む。特定の態様において、好適な溶媒は、ポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、その混合物などを含む。好適な溶媒は、非イオン性界面活性剤、例えばアルコキシル化界面活性剤を含む。好適なアルコキシル化界面活性剤は、例えばEO/POコポリマー、キャップしたEO/POコポリマー、アルコール・アルコキシラート、キャップしたアルコール・アルコキシラート、その混合物などを含む。溶媒として利用される時、界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤は、従来どおりに利用されるものより高い濃度であってもよい。
【0052】
可溶化剤は、界面活性剤(例えば、マイクロエマルジョンを形成する界面活性剤)を含むことができる。好適な界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、その混合物などを含む。前記可溶化剤は、マイクロエマルジョンを形成する界面活性剤を含むことができる。好適なマイクロエマルジョン形成界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、その混合物などを含む。好適なマイクロエマルジョン形成界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、例えば硫酸エステル塩型界面活性剤、スルホン酸塩型界面活性剤、リン酸エステル塩型界面活性剤(リン酸エステル型界面活性剤)、及びカルボン酸塩型界面活性剤、それの混合物などを含む。
【0053】
態様によっては、当該組成物は大量の短鎖ペルオキシカルボン酸を含む必要がない。例えば、当該組成物は、追加の短鎖ペルオキシカルボン酸を含まなくてもよい。本明細書において、追加の物質を含まないというのは、例えば他の指定成分の構成要素又は不純物として見出されるか、あるいはわずかな副反応から偶発的に産生された偶発的な量又は微量としてだけ含む組成物を表す。
【0054】
態様によっては、当該組成物は、比較的に少量の短鎖ペルオキシカルボン酸しか含まない。例えば、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含むことができる。例えば、当該組成物は、一般的な人に不快な臭気を引き起こすのに不十分なレベルの短鎖ペルオキシカルボン酸しか含まないことができる。特定の態様において、当該組成物は、大量の過酢酸を含まないか、追加の過酢酸を含まないか、過酢酸8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含むか、又は一般的な人に不快な臭気を引き起こすのに不十分なレベルの過酢酸しか含まない。
【0055】
態様によっては、当該組成物は、大量の短鎖カルボン酸を含む必要がない。例えば、当該組成物は、追加の短鎖カルボン酸を含まなくてもよい。態様によっては、当該組成物は、比較的に少量の短鎖カルボン酸しか含まない。さらなる例として、当該組成物は、短鎖カルボン酸8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含むことができる。例えば、当該組成物は、一般的な人に不快な臭気を引き起こすのに不十分なレベルの短鎖カルボン酸しか含まなくてもよい。
【0056】
特定の態様において、当該組成物は、大量の酢酸を含まないか、追加の酢酸を含まないか、酢酸8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含むか、又は一般的な人に不快な臭気を引き起こすのに不十分なレベルの酢酸しか含まない。特定の態様において、当該組成物は、例えば10wt-%未満、5wt-%未満、2wt-%未満、又は1wt-%未満の酢酸しか含まない。特定の態様において、当該使用組成物は、例えば40ppm未満、20ppm未満、10ppm未満、又は5ppm未満の酢酸しか含まない。
【0057】
態様によっては、当該組成物は、大量の短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸、又はその混合物を含む必要がない。例えば、当該組成物は、追加の短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸、又はその混合物を含まなくてもよい。例えば、当該組成物は、一般的な人に不快な臭気を引き起こすのに不十分なレベルの短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物しか含まなくてもよい。特定の態様において、当該組成物は、大量の酢酸、過酢酸、又はその混合物を含まないか;追加の酢酸、過酢酸、又はその混合物を含まないか;酢酸、過酢酸、又はその混合物8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含むか;あるいは一般的な人に不快な臭気を引き起こすのに不十分なレベルの酢酸、過酢酸、又はその混合物しか含まない。
【0058】
態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物7に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物6に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物5に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物4に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物3に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物2に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。態様によっては、当該組成物は、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物1に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含む。
【0059】
態様によっては、当該組成物は、水中の5、4、3、2、又は1wt-%酢酸よりも(例えば、ヘドニック・トーン格付けによって計測された場合に)不快でない臭気を持つ。態様によっては、当該組成物は、水中の5wt-%酢酸よりも(例えば、ヘドニック・トーン格付けによって計測された場合に)不快でない臭気を持つ。態様によっては、当該組成物は、水中の4wt-%酢酸よりも(例えば、ヘドニック・トーン格付けによって計測された場合に)不快でない臭気を持つ。態様によっては、当該組成物は、水中の3wt-%酢酸よりも(例えば、ヘドニック・トーン格付けによって計測された場合に)不快でない臭気を持つ。態様によっては、当該組成物は、水中の2wt-%酢酸よりも(例えば、ヘドニック・トーン格付けによって計測された場合に)不快でない臭気を持つ。態様によっては、当該組成物は、水中の1wt-%酢酸よりも(例えば、ヘドニック・トーン格付けによって計測された場合に)不快でない臭気を持つ。
【0060】
特定の態様において、当該組成物は、酸化剤、酸味料、安定化剤、その混合物などの中の1つ以上(例えば、少なくとも1つ)を含む。当該組成物は、種々の酸化剤のいずれか、例えば過酸化水素を含み得る。前記酸化剤は、中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換するのに有効であり得る。前記酸化剤は、抗菌作用を持ち得るが、そのような活性を示すのに十分な濃度で存在しないかもしれない。当該組成物は、種々の酸味料のいずれか、例えば無機酸を含み得る。前記酸味料は、当該濃縮液組成物のpHを1未満にするか、あるいは当該使用組成物のpHを約5以下、約4以下、約3以下にするのに有効であり得る。前記酸味料は、当該組成物の抗菌作用を増強することができる。当該組成物は、種々の安定化剤のいずれか、例えば金属イオン封鎖剤、例えばホスホン酸塩金属イオン封鎖剤を含み得る。前記金属イオン封鎖剤は、ペルオキシカルボン酸を安定させるのに有効であり得る。
【0061】
態様によっては、当該組成物は、ペルオキシカルボン酸の有利な安定性を示す。周囲条件又は室温にて約1年(又は60℃にて1週間)で、前記組成物のペルオキシカルボン酸の量は、初期値又は使用組成物レベルの約80%以上、約85%以上、約90%以上、又は約95%以上が存在し得ると考えられる。そのような熟成した組成物は本発明の範囲に含まれる。
【0062】
態様によっては、当該組成物は、同じ活性レベルにて他の抗菌性組成物と比べて有利な効能を示す。態様によっては、当該組成物は、常用のペルオキシカルボン酸組成物と比べて低減された揮発性有機化合物を含むか、又は揮発性有機化合物を含まない。態様によっては、当該組成物は、常用のペルオキシカルボン酸組成物と比べてより高い引火点を有する。態様によっては、当該組成物は、常用のペルオキシカルボン酸組成物と比べて改善された操作者又は使用者の安全性を示す。態様によっては、当該組成物は、常用のペルオキシカルボン酸組成物と比べて改善された保存又は輸送での安全性を示す。
【0063】
特定の態様において、当該組成物は、約0.0005〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.3〜約7wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約4wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.8〜約3wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約1〜約3wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、又は約1〜約2wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0064】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約8wt-%の中鎖カルボン酸、約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸、約1〜約8wt-%の中鎖カルボン酸、約1.5〜約6wt-%の中鎖カルボン酸、約2〜約8wt-%の中鎖カルボン酸、約2〜約6wt-%の中鎖カルボン酸、約2〜約4wt-%の中鎖カルボン酸、約2.5〜約5wt-%の中鎖カルボン酸、約3〜約6wt-%の中鎖カルボン酸、又は約3〜約5wt-%の中鎖カルボン酸を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0065】
特定の態様において、当該組成物は、約0〜約98wt-%の担体、約0.001〜約99.99wt-%の担体、約0.2〜約60wt-%の担体、約1〜約98wt-%の担体、約5〜約99.99wt-%の担体、約5〜約97wt-%の担体、約5〜約90wt-%の担体、約5〜約70wt-%の担体、約5〜約20wt-%の担体、約10〜約90wt-%の担体、約10〜約80wt-%の担体、約10〜約50wt-%の担体、約10〜約20wt-%の担体、約15〜約70wt-%の担体、約15〜約80wt-%の担体、約20〜約70wt-%の担体、約20〜約50wt-%の担体、約20〜約40wt-%の担体、約20〜約30wt-%の担体、約30〜約75wt-%の担体、約30〜約70wt-%の担体、約40〜約99.99wt-%の担体、約40〜約90wt-%の担体、又は約60〜約70wt-%の担体を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0066】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約80wt-%の可溶化剤、約0.001〜約60wt-%の可溶化剤、約1〜約80wt-%の可溶化剤、約1〜約25wt-%の可溶化剤、約1〜約20wt-%の可溶化剤、約2〜約70wt-%の可溶化剤、約2〜約60wt-%の可溶化剤、約2〜約20wt-%の可溶化剤、約3〜約65wt-%の可溶化剤、約3〜約15wt-%の可溶化剤、約4〜約10wt-%の可溶化剤、約4〜約20wt-%の可溶化剤、約5〜約70wt-%の可溶化剤、約5〜約60wt-%の可溶化剤、約5〜約20wt-%の可溶化剤、約10〜約70wt-%の可溶化剤、約10〜約65wt-%の可溶化剤、約10〜約20wt-%の可溶化剤、約20〜約60wt-%の可溶化剤、又は約40〜約60のwt-%可溶化剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0067】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約30wt-%の酸化剤、約0.001〜約10wt-%の酸化剤、0.002〜約10wt-%の酸化剤、約2〜約30wt-%の酸化剤、約2〜約25wt-%の酸化剤、約2〜約20wt-%の酸化剤、約4〜約20wt-%の酸化剤、約5〜約10wt-%酸化剤、又は約6〜約10wt-%の酸化剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0068】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約50wt-%の酸味料、約0.001〜約30wt-%の酸味料、約1〜約50wt-%の酸味料、約1〜約30wt-%の酸味料、約2〜約40wt-%の酸味料、約2〜約10wt-%の酸味料、約3〜約40wt-%の酸味料、約5〜約40wt-%の酸味料、約5〜約25wt-%の酸味料、約10〜約40wt-%の酸味料、約10〜約30wt-%の酸味料、約15〜約35wt-%の酸味料、約15〜約30wt-%の酸味料、又は約40〜約60wt-%の酸味料を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0069】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約50wt-%の安定化剤、約0.001〜約5wt-%の安定化剤、約0.5〜約50wt-%の安定化剤、約1〜約50wt-%の安定化剤、約1〜約30wt-%の安定化剤、約1〜約10wt-%の安定化剤、約1〜約5wt-%の安定化剤、約1〜約3wt-%の安定化剤、約2〜約10wt-%の安定化剤、約2〜約5wt-%の安定化剤、又は約5〜約15wt-%の安定化剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0070】
中鎖カルボン酸、及び/又はペルオキシカルボン酸の組成物
ペルオキシカルボン(又は過カルボン)酸は、式R(CO3H)n{ここで、例えばRが、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、芳香族、又は複素環式基であり、そしてnが、1、2、又は3であり、そして親の酸の初めにペルオキシを置くことによって命名される。}を一般に持つ。前記R基は、飽和されていても飽和されていなくてもよく、並びに置換されていても置換されていなくてもよい。本発明の組成物及び方法は、例えば6〜12個の炭素原子を含む中鎖ペルオキシカルボン酸を利用できる。例えば、中鎖ペルオキシカルボン(又は過カルボン)酸は、式R(CO3H)n{ここで、Rが、C5-C11アルキル基、C5-C11シクロアルキル、C5-C11アリールアルキル基、C5-C11アリール基、又はC5-C11複素環式基であり;そしてnが、1、2、又は3である。}を持つことができる。
【0071】
ペルオキシカルボン酸は、カルボン酸に対する酸化剤の直接作用によって、アルデヒドの自動酸化によって、つまり酸塩化物、及び水素化物、又は水素若しくは過酸化ナトリウムを持つカルボン酸無水物から製造され得る。態様によっては、中鎖過カルボン酸は、中鎖カルボン酸に対する過酸化水素の直接的な酸触媒平衡作用によって製造され得る。以下のスキーム(1):
【化1】

は、片側のカルボン酸及び酸化剤(Ox)と、もう一方の側のペルオキシカルボン酸及び減少した酸化剤(Oxred)の間の平衡を図解する。以下のスキーム(2):
【化2】

は、スキーム(1){式中、片側で酸化剤が過酸化水素であり、そしてもう一方の側でペルオキシカルボン酸と水である。}の平衡の態様を図解する。常用の混合ペルオキシカルボン酸組成物において、スキーム(2)中に図解した反応の平衡定数は、酢酸の平衡を反映するであろう約2.5であると考えられる。本発明に限定しないが、当該組成物は約4の平衡定数を持つと考えられる。
【0072】
本発明の組成物及び方法に有用なペルオキシカルボン酸は、ペルオキシペンタン酸、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、ペルオキシアスコルビン酸、ペルオキシアジピン酸、ペルオキシクエン酸、ペルオキシピメリン酸、又はペルオキシスベリン酸、その混合物などを含む。これらの中鎖ペルオキシカルボン酸のアルキル骨格は、直鎖、分枝、又はその混合物であってよい。1つ以上のカルボキシラート部分を持つカルボン酸のペルオキシ形態は、ペルオキシカルボキシル部分として存在する1つ以上(例えば、少なくとも1つ)のカルボキシル部分を持つことができる。
【0073】
ペルオキシオクタン(又は過オクタン)酸は、例えばn-ペルオキシオクタン酸:CH3(CH26COOOHによって表される式を持つペルオキシカルボン酸である。ペルオキシオクタン酸は、直鎖アルキル部分を持つ酸、分枝アルキル部分を持つ酸、又はその混合物であってよい。ペルオキシオクタン酸は、表面活性であり、そして疎水性表面、例えば微生物の疎水性表面を湿らせるのを助けることができる。
【0074】
本発明の組成物はカルボン酸を含むことができる。一般的に、カルボン酸は、式R-COOH{式中、Rが、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、複素環式基を含み、その全てが置換されても置換されなくてもよく、そして飽和されても飽和されなくてもよい多数の異なる基を意味する。}を持つ。カルボン酸は、1、2、3、又はそれより多くのカルボキシル基を持つことができる。本発明の組成物及び方法は、例えば6〜12個の炭素原子を含む中鎖カルボン酸を一般に利用する。例えば、中鎖カルボン酸は、式R-COOH{式中、Rが、C5-C11アルキル基、C5-C11シクロアルキル基、C5-C11アリールアルキル基、C5-C11アリール基、又はC5-C11の複素環式基であってよい。}を持つことができる。
【0075】
好適な中鎖カルボン酸は、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、アスコルビン酸、クエン酸、アジピン酸、ピメリン酸、及びスベリン酸を含む。これらの中鎖カルボン酸のアルキル骨格は、直鎖、分枝、又はその混合物であってよい。一般に有用であるカルボン酸は、1又は2のカルボキシル基{ここで、R基が、C4〜C11の長さを有する第一アルキル鎖である。}を持つものである。第一アルキル酸は、最大長の炭素原子を持つ分子であって、カルボキシル官能基を直接的に付加する炭素鎖である。
【0076】
当該組成物及び方法は中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、C6〜C12ペルオキシカルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C6〜C12ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、C7〜C12ペルオキシカルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C7〜C12ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、ペルオキシドデカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、C6〜C10ペルオキシカルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C6〜C10ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、C8〜C10ペルオキシカルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C8〜C10ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。特定の態様において、前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシデカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。態様によっては、前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であるか、又はそれを含むことができる。
【0077】
特定の態様において、当該組成物は、約0.0005〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.3〜約7wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.5〜約4wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約0.8〜約3wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、約1〜約3wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸、又は約1〜約2wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0078】
態様によっては、当該組成物及び方法は中鎖カルボン酸を含む。前記中鎖カルボン酸は、C6〜C12カルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C6〜C12カルボン酸は、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。前記中鎖カルボン酸は、C7〜C12カルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C7〜C12カルボン酸は、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。前記中鎖カルボン酸は、C6〜C10カルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C6〜C10カルボン酸は、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。前記中鎖カルボン酸は、C8〜C10カルボン酸であるか、又はそれを含むことができる。前記C8〜C10カルボン酸は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。特定の態様において、前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸、デカン酸、又はその混合物であるか、あるいはそれらを含むことができる。態様によっては、前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸であるか、又はそれを含むことができる。
【0079】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約8wt-%の中鎖カルボン酸、約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸、約1〜約8wt-%の中鎖カルボン酸、約1.5〜約6wt-%の中鎖カルボン酸、約2〜約8wt-%の中鎖カルボン酸、約2〜約6wt-%の中鎖カルボン酸、約2〜約4wt-%の中鎖カルボン酸、約2.5〜約5wt-%の中鎖カルボン酸、約3〜約6wt-%の中鎖カルボン酸、又は約3〜約5wt-%の中鎖カルボン酸を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0080】
態様によっては、前記組成物及び方法は、中鎖ペルオキシカルボン酸と、対応する中鎖カルボン酸を含む。
【0081】
態様によっては、当該組成物は、食品に関係する食物由来病原菌、例えば、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・ジャビアナ(Salmonella javiana)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、及びエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)O157:H7、酵母、カビなどの1つ以上(例えば、少なくとも1つ)を死滅させるのに有効な一定量の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。態様によっては、当該組成物は、ヘルスケアに関する表面及び環境に関係する病原菌、例えばサルモネラ・ティフィムリウム、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、サルモネラ・コレラエスルス(Salmonella choleraesurus)、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エシェリヒア・コリ、ミコバクテリア、酵母、カビなどの1つ以上(例えば、少なくとも1つ)を死滅させるのに有効な一定量の中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。本発明の組成物及び方法は、幅広い種類の微生物、例えばグラム陽性(例えば、リステリア・モノサイトゲネス若しくはスタフィロコッカス・アウレウス)、及びグラム陰性(例えば、エシェリヒア・コリ若しくはシュードモナス・アエルギノーサ)細菌、酵母、カビ、細菌の胞子、ウイルスなどに対する活性がある。先に記載のとおり、本発明の組成物及び方法は、幅広い種類のヒト病原菌に対する活性がある。当該組成物及び方法は、食品加工に関する表面上、食品表面上、食品の洗浄若しくは加工のために使用される水中、ヘルスケアに関する表面上、又はヘルスケア環境中の幅広い種類の微生物を死滅させることができる。
【0082】
本発明の態様は、中鎖カルボン酸と中鎖ペルオキシカルボン酸を含み、そして特定の態様は、短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸、又はその混合物を特に排除する。とはいえ、当該組成物の態様は、短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸、又はその混合物を含むことができる。組成物への短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸、又はその混合物の追加が必然的に組成物を本発明の精神と範囲の外側に排除すべきであるといったことを意図しない。
【0083】
可溶化剤
当該組成物は可溶化剤を含むことができる。本発明は、中鎖カルボン酸と中鎖ペルオキシカルボン酸のための可溶化剤に関する。態様によっては、前記可溶化剤は、中鎖ペルオキシカルボン酸若しくは中鎖カルボン酸の組成物の溶解度を高めるか又は維持することができる。当該組成物及び方法は、種々の好適な可溶化剤のいずれかを含むことができる。例えば、前記可溶化剤は、溶媒、界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。態様によっては、前記界面活性剤は、溶媒として利用されることができる。態様によっては、前記界面活性剤は、マイクロエマルジョンを形成できる。態様によっては、当該可溶化剤を含む組成物は、粘弾性ゲル又は液体の形態をとる。態様によっては、前記可溶化剤は、水中、5wt-%の濃度にてオクタン酸を溶かすのに有効である。態様によっては、前記可溶化剤は、水中、4wt-%の濃度にてオクタン酸を溶かすのに有効である。態様によっては、前記可溶化剤は、水中、3wt-%の濃度にてオクタン酸を溶かすのに有効である。態様によっては、前記可溶化剤は、水中、2wt-%の濃度にてオクタン酸を溶かすのに有効である。
【0084】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約80wt-%の可溶化剤、約0.001〜約60wt-%の可溶化剤、約1〜約80wt-%の可溶化剤、約1〜約25wt-%の可溶化剤、約1〜約20wt-%の可溶化剤、約2〜約70wt-%の可溶化剤、約2〜約60wt-%の可溶化剤、約2〜約20wt-%の可溶化剤、約3〜約65wt-%の可溶化剤、約3〜約15wt-%の可溶化剤、約4〜約10wt-%の可溶化剤、約4〜約20wt-%の可溶化剤、約5〜約70wt-%の可溶化剤、約5〜約60wt-%の可溶化剤、約5〜約20wt-%の可溶化剤、約10〜約70wt-%の可溶化剤、約10〜約65wt-%の可溶化剤、約10〜約20wt-%の可溶化剤、約20〜約60wt-%の可溶化剤、又は約40〜約60wt-%の可溶化剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0085】
溶媒型可溶化剤とそれらを含む組成物
態様によっては、当該組成物及び方法は、可溶化剤として1つ以上(例えば、少なくとも1つ)の溶媒を含むことができる。好適な溶媒は、可溶化するが、中鎖ペルオキシカルボン酸を著しく分解することのない種々の溶媒のいずれかを含む。好適な溶媒は、ポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、グリコール・エーテル、非イオン性界面活性剤、その混合物などを含む。
【0086】
態様によっては、当該組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸;中鎖カルボン酸;担体;及びポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含む。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;約1〜約98wt-%の担体;及び約1〜約80wt-%のポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;約5〜約35wt-%の担体;及び約20〜約65wt-%のポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;約10〜約35wt-%の担体;及び約40〜約60wt-%のポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。態様によっては、当該組成物は、溶媒型可溶化剤、及び35wt-%以下の担体(例えば、水)を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含んで成ることができる。
【0087】
態様によっては、当該組成物は、C8ペルオキシカルボン酸;C8カルボン酸;水;及びポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含む。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%のC8カルボン酸;約1〜約98wt-%の水;及び約1〜約80wt-%のポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%のC8カルボン酸;約5〜約35wt-%の水;及び約20〜約65wt-%のポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%のC8カルボン酸;約10〜約35wt-%の水;及び約40〜約60wt-%のポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、非イオン性界面活性剤、又はその混合物を含むことができる。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0088】
特定の態様において、当該組成物は、可溶化剤として約0.001〜約80wt-%の溶媒、可溶化剤として約0.001〜約60wt-%の溶媒、可溶化剤として約1〜約80wt-%の溶媒、可溶化剤として約5〜約70wt-%の溶媒、可溶化剤として約10〜約65wt-%の溶媒、又は可溶化剤として約20〜約60wt-%の溶媒を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0089】
態様によっては、当該組成物及び方法が可溶化剤としての溶媒を含む時、それらは大量の、というよりむしろ、ほんの少しも短鎖ペルオキシカルボン酸、短鎖カルボン酸、又はその混合物を含む必要がない。短鎖カルボン酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及びブタン酸を含む。短鎖カルボン酸及びペルオキシカルボン酸は、4つ以下の炭素原子を持つものを含んで成る。態様によっては、溶媒型可溶化剤を含む当該組成物及び方法は、大量の短鎖ペルオキシカルボン酸を含む必要がない。態様によっては、溶媒型可溶化剤を含む当該組成物及び方法は、追加の短鎖ペルオキシカルボン酸を含まないこともできる。
【0090】
態様によっては、溶媒型可溶化剤を含む当該組成物及び方法は、常用の組成物で見られるよりも、中鎖ペルオキシカルボン酸を短鎖ペルオキシカルボン酸と比べて高い割合で含むことができる。例えば、当該組成物及び方法は、溶媒型可溶化剤を含むことができ、かつ、短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物8に対して中鎖ペルオキシカルボン酸約1以上を含むことができる。例えば、当該組成物及び方法は、溶媒型可溶化剤を含むことができ、かつ、一般的な人に不快な臭気を引き起こすのに不十分なレベルの短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物しか含まなくてもよい。
【0091】
ポリアルキレンオキシド可溶化剤
好適なポリアルキレンオキシドは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、その混合物などを含む。好適なキャップしたポリアルキレンオキシドは、それぞれのポリアルキレンオキシドのモノアルキル及びジアルキルエーテル、例えばポリアルキレングリコールのモノ及びジメチルエーテル、ポリアルキレングリコールのモノ及びジエチルエーテル、ポリアルキレングリコールのモノ及びジプロピルエーテル、ポリアルキレングリコールのモノ及びジブチルエーテル、その混合物などを含む。好適なキャップしたポリアルキレンオキシドは、メチルポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル)、ジメチルポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル)、その混合物などを含む。
【0092】
グリコールエーテル可溶化剤
好適な溶媒型可溶化剤は、グリコールエーテルを含む。好適なグリコールエーテルは、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-プロピルエーテル、ジエチレングリコール・エチルエーテル、ジエチレングリコール・メチルエーテル、ジエチレングリコールt-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコール・メチルエーテル、ジプロピレングリコール・エチルエーテル、ジプロピレングリコール・プロピルエーテル、ジプロピレングリコールtert-ブチルエーテル、エチレングリコール・ブチルエーテル、エチレングリコール・プロピルエーテル、エチレングリコール・エチルエーテル、エチレングリコール・メチルエーテル、エチレングリコール・メチルエーテルアセタート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコール・エチルエーテル、プロピレングリコール・メチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコール・メチルエーテル、及びトリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチレングリコール・フェニルエーテル(Dow Chemical Co.からDOWANOLEPH(登録商標)として市販されている)、プロピレングリコール・フェニルエーテル(Dow Chemical Co.からDOWANOLPPH(登録商標)として市販されている)などか、又はその混合物を含む。(その全てがUnion Carbide Corp.市販されている)追加の好適な市販のグリコールエーテルは、ブトキチエチルPROPASOL(登録商標)、ブチルCARBITOL(登録商標)アセタート、ブチルCARBITOL(登録商標)、ブチル・CELLOSOLVE(登録商標)アセタート、ブチルCELLOSOLVE(登録商標)、ブチルDIPROPASOL(登録商標)、ブチルPROPASOL(登録商標)、CARBITOL(登録商標)PM-600、CARBITOL(登録商標)低比重、CELLOSOLVE(登録商標)アセタート、CELLOSOLVE(登録商標)、エステルEEP(登録商標)、FILMERIBT(登録商標)、ヘキシルCARBITOL(登録商標)、ヘキシルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルCARBITOL(登録商標)、メチルCELLOSOLVE(登録商標)アセタート、メチルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルDIPROPASOL(登録商標)、メチルPROPASOL(登録商標)アセタート、メチルPROPASOL(登録商標)、プロピルCARBITOL(登録商標)、プロピルCELLOSOLVE(登録商標)、プロピルDIPROPASOL(登録商標)、及びプロピルPROPASOL(登録商標)を含む。
【0093】
非イオン性界面活性剤
溶媒としての使用のために好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化界面活性剤を含む。好適なアルコキシル化界面活性剤は、EO/POコポリマー、キャップしたEO/POコポリマー、アルコール・アルコキシラート、キャップしたアルコール・アルコキシラート、その混合物などを含む。溶媒としての使用のために好適なアルコキシル化界面活性剤は、EO/POブロック共重合体、例えばPluronic及びリバースPluronic界面活性剤;アルコール・アルコキシラート、例えばDehyponLS-54(R-(EO)5(PO)4)及びDehyponLS-36(R-(EO)3(PO)6);並びにキャップしたアルコール・アルコキシラート、例えばPlurafac LF221及びTegoten EC11;その混合物などを含む。溶媒として利用される時、界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤は、界面活性剤として従来どおりに利用されるものより高い濃度であることができる。
【0094】
半極性非イオン性界面活性剤
半極性型の非イオン性界面活性剤は、本発明の組成物に有用な非イオン性界面活性剤のもう1つの種類である。半極性非イオン性界面活性剤は、アミンオキシド、ホスフィンオキシド、スルホキシド、及びそれらのアルコキシル化誘導体を含む。
【0095】
アミンオキシドは、以下の一般式:
【化3】

{式中、矢印が、半極性結合の慣用表示であり;そしてR1、R2、及びR3が、脂肪族、芳香族、複素環式、脂環式、又はその組み合わせであることができる。}に対応する3級アミンオキシドである。一般的に、着目の界面活性剤のアミンオキシドについて、R1が、約8〜約24個の炭素原子から成るアルキル・ラジカルであり;R2及びR3が、1〜3個の炭素原子から成るアルキル若しくはヒドロキシアルキル、又はその混合物であり;R2とR3が、例えば酸素原子若しくは窒素原子を通して互いに接着して環構造を形成することができ;R4が、2〜3個の炭素原子を含むアルキレン又はヒドロキシアルキレン基であり;そしてnが0〜約20の範囲にわたる。
【0096】
有用な水溶性アミンオキシド界面活性剤は、オクチル、デシル、ドデシル、イソドデシル、ヤシ油、又は獣脂アルキル・ジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選ばれ、その具体的な例が、オクチルジメチルアミンオキシド、ノニルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ウンデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、イソドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシド、及び3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドである。
【0097】
界面活性剤型可溶化剤とそれらを含む組成物
態様によっては、当該組成物及び方法は、1つ以上(例えば、少なくとも1つ)の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を可溶化剤として含むことができる。好適な界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、その混合物などを含む。好適なマイクロエマルジョン形成界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、その混合物などを含む。好適なマイクロエマルジョン形成界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤を含む。マイクロエマルジョン形成界面活性剤は、中鎖ペルオキシカルボン酸、中鎖カルボン酸、又はその混合物を含む組成物中にマイクロエマルジョンを形成できる。態様によっては、当該組成物はマイクロエマルジョンを含む。
【0098】
態様によっては、当該組成物は、ずり流動化粘弾性ゲル又は青色チンダル像を有する液体であることについて組成物を調べることによってマイクロエマルジョンであることを判断することができる。本発明を制限しないが、青色チンダル像は、青色光を散乱させる効果がある小さな、懸濁した分散液(例えば、マイクロエマルジョン)の不均質系を示すと考えられる。
【0099】
態様によっては、当該組成物は、界面活性剤型可溶化剤の異なる濃度にて物理的に安定した組成物を形成する能力を試験することによってマイクロエマルジョンであることを判断することができる。マイクロエマルジョンは、それより高い及びより低い濃度では不安定な組成物を有する濃度にて最大限の物理的な安定性を持つ曲線を得ることができる。一般に、溶媒と界面活性剤(例えば、酢酸と界面活性剤)の混合物はマイクロエマルジョンを形成しない。
【0100】
態様によっては、界面活性剤型可溶化剤を含む組成物は、粘弾性ゲル又は液体の形態をとる。中鎖カルボン酸、中鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物の濃度を高めることは、その組成物が粘弾性ゲル又は液体である度合いを高め得る。界面活性剤型可溶化剤の濃度を高めることは、その組成物が粘弾性ゲル又は液体である度合いを高め得る。態様によっては、前記ゲルは、その成形された形をとどめておくのに十分な粘弾性であることができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩型界面活性剤(例えば、LAS)を、その成形された形をとどめることができる粘弾性ゲル又は液体を形成するために利用することができる。態様によっては、粘弾性ゲルを含むアルキルベンゼンスルホン酸塩型界面活性剤は、60℃であってもその形状をとどめることができる。
【0101】
本発明を制限しないが、当該組成物は、マイクロエマルジョンの界面活性剤中に封鎖された中鎖ペルオキシカルボン酸を含んでもよい。これは、バルク水中の不純物又は還元剤から遠ざけることによってペルオキシカルボン酸を安定化させることができる。これは、溶液からペルオキシカルボン酸を取り出すことによってその生成量を増やすことができる。本発明を制限しないが、当該組成物のゲルの粘弾性特性に関する1つの解釈はそれらがマイクロエマルジョン形成界面活性剤によって安定化される分散液/液滴間の反発力に起因するというものであると考えられている。荷電した界面活性剤は、静電反発力を高めるかもしれない。好適な荷電した界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤を含む。
【0102】
態様によっては、当該組成物は、陰イオン性界面活性剤、及び他の界面活性剤(単数又は複数)を含む。例えば、当該組成物は、陰イオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤又は半極性非イオン性界面活性剤を含むことができる。
【0103】
態様によっては、当該組成物は、中鎖ペルオキシカルボン酸;中鎖カルボン酸;担体;及び1つ以上(例えば、少なくとも1つ)の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含む。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;約5〜約97wt-%の担体;及び約1〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;約15〜約80wt-%の担体;及び約1〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;約30〜約70wt-%の担体;及び約2〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含むことができる。態様によっては、当該組成物は、界面活性剤又はマイクロエマルジョン形成可溶化剤、及び35wt-%以上の担体(例えば、水)を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0104】
態様によっては、当該組成物は、C8ペルオキシカルボン酸;C8カルボン酸;水;及び1つ以上(例えば、少なくとも1つ)の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含む。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%のC8カルボン酸;約5〜約97wt-%の水;及び約1〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%のC8カルボン酸;約15〜約80wt-%の水;及び約1〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含むことができる。例えば、当該組成物は、約0.5〜約5wt-%のC8ペルオキシカルボン酸;約1〜約10wt-%のC8カルボン酸;約30〜約70wt-%の水;及び約2〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含むことができる。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0105】
特定の態様において、当該組成物は、可溶化剤として約0.001〜約60wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤として約1〜約25wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤として約1〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤として約2〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤として約3〜約15wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤として約4〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤として約4〜約10wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、可溶化剤として約5〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤、又は可溶化剤として約10〜約20wt-%の界面活性剤、例えばマイクロエマルジョン形成界面活性剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0106】
陰イオン性界面活性剤
当該組成物は、可溶化剤として陰イオン性界面活性剤を含むことができる。好適な陰イオン性界面活性剤は、有機スルホン酸塩型界面活性剤、有機硫酸エステル塩型界面活性剤、リン酸エステル型界面活性剤、カルボン酸塩型界面活性剤、その混合物などを含む。態様によっては、陰イオン性界面活性剤は、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル化ジフェニルオキシドジスルホン酸塩、アルキル化ナフタレンスルホン酸塩、アルコール・アルコキシラートカルボン酸塩、サルコシン酸塩、タウリン酸塩、アシルアミノ酸、アルカン酸エステル、リン酸エステル、硫酸エステル、その塩若しくは酸の形態、又はその混合物を含む。特別な処方及びそこでの必要性に依存して、特定の塩が好適に選ばれる。
【0107】
好適な陰イオン性界面活性剤は、スルホン酸(及び塩)、例えばイセチン酸塩(例えば、アシルイセチン酸塩)、アルキルアリールスルホン酸及びその塩、アルキルスルホン酸塩、2級アルカンスルホン酸塩などを含む。
【0108】
好適な合成の水溶性陰イオン性洗浄剤化合物の例は、アルキル単環式芳香族スルホン酸塩のアンモニウム及び置換されたアンモニウム(例えば、モノ−、ジ−、及びトリエタノールアミン)、並びにアルカリ金属(例えば、ナトリウム、リチウム、及びカリウム)塩、例えば直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基中に約5〜約18個の炭素原子を含むアルキルベンゼンスルホン酸塩、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸又はアルキルトルエン、キシレン、クメン、及びフェノールスルホンスルホン酸の塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアミルナフタレンスルホン酸塩、及びジノニルナフタレンスルホン酸塩、そしてアルコキシル化誘導体又はそれらの遊離酸を含む。好適なスルホン酸塩は、オレフィンスルホン酸塩、例えば長鎖アルケンスルホン酸塩、長鎖ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又はアルケンスルホン酸塩とヒドロキシアルカンスルホン酸塩の混合物を含む。好適なスルホン酸塩は、2級アルカンスルホン酸塩を含む。
【0109】
特定の態様において、陰イオン性界面活性剤、例えば直鎖状C8スルホン酸塩を含む当該組成物は、非泡状又は弱泡状(low foam)組成物であってもよい。そのような組成物は、用途、例えば所定の場所の浄化、機械洗浄、脱色、及び消毒、洗濯洗浄、脱色、消毒などに有利であり得る。
【0110】
発泡が望ましい用途のために、発泡剤が、当該組成物の一部として、又は別々に加えられてもよい。ツーステップ商品において、発泡剤は、非泡状又は弱泡状組成物の希釈液と組み合わせられて、発泡使用溶液を形成することができる。ワンステップ商品において、発泡剤は、濃縮液組成物に組み込まれることができる。1つの好適な発泡剤はLAS酸である。LAS酸は、当該組成物でマイクロエマルジョンを形成できる。LAS酸は、当該組成物で粘弾性ゲル又は液体を形成できる。追加の好適な発泡剤は、2級アルカンスルホン酸塩、アルキル化ジフェニルオキシドジスルホン酸塩(例えば、C12アルキルジフェニルオキシドジスルホン酸塩)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、n=1〜3で)(例えば、ラウレス硫酸ナトリウム(n=1、2、又は3で))、ラウリル硫酸ナトリウムなどを含む。
【0111】
態様によっては、そのような発泡剤は、1つ以上の望ましい発泡特性を有する発泡組成物を提供する。望ましい発泡特性は、例えば、泡を形成した約5分後に目に見えている泡;(例えば、垂直な表面に適用された時に)連続し、そして水はけの良い泡;例えばステンレス表面に目に見える残留物を残さない透明な外観に乾く泡;及び/又は過酢酸を含む常用の泡と比べて中程度の又は弱い臭気だけで適用されることができる泡を含む。
【0112】
当該組成物の使用に好適な陰イオン性硫酸エステル塩型界面活性剤は、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、直鎖及び分枝1級及び2級アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、脂肪族オレイルグリセロール硫酸エステル塩、アルキルフェノールエチレンオキサイドエーテル硫酸エステル塩、C5-C17アシル-N-(C1-C4アルキル)及び-N-(C1-C2ヒドロキシアルキル)グルカミン硫酸エステル塩、並びにアルキルポリサッカライドの硫酸エステル塩、例えばアルキルポリグルコシドの硫酸エステル塩などを含む。同様に含まれるものは、アルキル硫酸エステル塩、アルキルポリ(エチレンオキシ)エーテル硫酸エステル塩及び芳香族ポリ(エチレンオキシ)硫酸エステル塩、例えば(通常1つの分子につき1〜6個のオキシエチレン基を持つ)エチレンオキサイド及びノニルフェノールの硫酸エステル塩又は縮合物を含む。
【0113】
当該組成物の使用に好適な陰イオン性カルボン酸塩型界面活性剤は、カルボン酸(及び塩)、例えばアルカン酸(及び、アルカン酸塩)、エステルカルボン酸(例えば、アルキルコハク酸塩)、エーテルカルボン酸などを含む。そのようなカルボン酸塩は、アルキルエトキシカルボン酸塩、アルキルアリールエトキシカルボン酸塩、アルキルポリエトキシポリカルボン酸塩型界面活性剤、及び石けん(例えば、アルキルカルボキシル)を含む。当該組成物に有用な2級カルボン酸塩は、2級炭素に結び付いたカルボキシル単位を含むものを含む。前記2級炭素は、例えばp-オクチル安息香酸の、又はアルキルで置換されたシクロヘキシルカルボン酸塩の環状構造であってもよい。前記2級カルボン酸塩型界面活性剤は、一般にエーテル結合、エステル結合、及びヒドロキシル基を含んでいない。さらに、それらは、一般に頭部基(両親媒性部分)の窒素原子を欠いている。より多くの炭素原子(例えば、16個まで)が存在することができるが、好適な2級石けん界面活性剤は、一般に11〜13個の総炭素原子を含む。また、好適なカルボン酸塩は、アシルアミノ酸(及び塩)、例えば、アシルグルタミン酸塩、アシルペプチド、サルコシン酸塩(例えば、N-アシルサルコシン酸塩)、タウリン酸塩(例えば、N-アシルタウリン酸塩及びメチルタウリドの脂肪酸アミド)も含む。
【0114】
好適な陰イオン性界面活性剤は、式(3):
【化4】

[式中、Rが、C8〜C22のアルキル基又は
【化5】

{式中、R1が、C4-C16アルキル基である。}であり;nが、1〜20の整数であり;mが、1〜3の整数であり;そしてXが、対イオン、例えば水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、又はアミン塩、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミンである。]によって表されるアルキル又はアルキルアリールエトキシカルボン酸塩を含む。態様によっては、式(3)中、nは4〜10の整数であり、そしてmは1である。態様によっては、式(3)中、RはC8-C16アルキル基である。態様によっては、式(3)中、RはC12-C14アルキル基であり、nは4であり、そしてmは1である。
【0115】
態様によっては、式(3)中、Rは、
【化6】

であり、そしてR1がC6-C12アルキル基である。態様によっては、式(3)中、R1はC9アルキル基であり、nは10であり、そしてmは1である。そのようなアルキル及びアルキルアリールエトキシカルボン酸塩が市販されている。これらのエトキシカルボン酸塩は、陰イオン又は塩型に容易に変換され得る酸性型として一般的に入手可能である。市販のカルボン酸塩は、Neodox 23-4、C12-13アルキルポリエトキシ(4)カルボン酸(Shell Chemical)、及びEmcol CNP-110、C9アルキルアリールポリエトキシ(10)カルボン酸(Witco Chemical)を含む。また、カルボン酸塩は、Clariantから入手可能である、例えば製品Sandopan(登録商標)DTC、C13アルキルポリエトキシ(7)カルボン酸。
【0116】
両性界面活性剤
両性(amphoteric又はampholytic)界面活性剤は、塩基性親水基と酸性親水基の両方、及び有機疎水基を含む。これらのイオン性の実体は、他のタイプの界面活性剤について本明細書に記載した陰イオン基又は陽イオン基のいずれかであることができる。塩基性窒素と酸性カルボン酸塩基は、塩基性及び酸性の親水基として利用される典型的な官能基である。いくつかの界面活性剤において、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、ホスホン酸塩、又はリン酸エステル塩が、負電荷を提供する。
【0117】
両性界面活性剤は、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝であることができ、そして脂肪族置換基の1つが約8〜18個の炭素原子を含み、かつ、1つが陰イオン性水溶性化基、例えばカルボキシ、スルホ、スルファート、ホスファート、又はホスホノ)を含む、脂肪族2級及び3級アミンの誘導体と大まかに表現されることができる。両性界面活性剤は、当業者に知られ、かつ、"Surfactant Encyclopedia" Cosmetics & Toiletries, Vol. 104 (2) 69-71 (1989)中に記載された2つの主なクラスに細分される。1つ目のクラスは、アシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体(例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)とそれらの塩を含む。2つ目のクラスは、N-アルキルアミノ酸とそれらの塩を含む。いくつかの両性界面活性剤は、両方のクラスに適合すると考えることができる。
【0118】
両性界面活性剤は、当業者に知られた方法によって合成されることができる。例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンは、ジアルキルエチレンジアミンを用いた長鎖カルボン酸(又は誘導体)の縮合、そして閉環によって合成される。商業的な両性界面活性剤は、それに続く加水分解、そして、例えばクロロ酢酸又は酢酸エチルを用いたアルキル化によるイミダゾリン環の開環によって誘導体化される。アルキル化中に、1又は2つのカルボキシ−アルキル基が反応して、3級アミン、及び異なる3級アミンを生じる異なるアルキル化剤とのエーテル結合を形成する。
【0119】
本発明に適用される長鎖イミダゾリン誘導体は、一般に以下の一般式:
【化7】

{式中、Rが、約8〜18個の炭素原子を含む非環式疎水基であり、Mが、陰イオンの荷電を中和するための陽イオン(一般にナトリウム)である。}を持つ。当該組成物に利用され得る商業的に有名なイミダゾリンに由来する両性物質は、例えば:ココアンホプロピオナート、ココアンホカルボキシ−プロピオネート、ココアンホグリシナート、ココアンホカルボキシ−グリシナート、ココアンホプロピル−スルホナート、及びココアンホカルボキシ−プロピオン酸を含む。アンホカルボン酸は、アンホジカルボン酸のジカルボン酸官能基がアセト酢酸、及び/又はジプロピオン酸である脂肪族イミダゾリンから製造されることができる。
【0120】
本明細書中で先に頻繁に記載したカルボキシメチル化化合物(グリシナート)は、ベタインと呼ばれる。ベタインは、両性イオン界面活性剤と題する項において本明細書中でこれ以降に議論される両性物質の特殊な種類である。
【0121】
長鎖N-アルキルアミノ酸は、RNH2{式中、Rが、C8-C18直鎖又は分枝鎖アルキルである。}の脂肪族アミンと、ハロゲン化カルボン酸との反応によって容易に調製される。アミノ酸の第一アミノ基のアルキル化は、2級、そして3級アミンをもたらす。アルキル置換基は、2つ以上の反応性窒素中心を提供する追加のアミノ基を持つことができる。ほとんどの商業的なN-アルキルアミン酸が、β-アラニン又はβ-N-(2-カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本願発明に適用される商業的なN-アルキルアミノ酸両性電解質の例は、アルキルβ-アミノジプロピオナート、RN(C2H4COOM)2、及びRNHC2H4COOMを含む。態様によっては、Rは、約8〜約18個の炭素原子を含む非環式疎水基であってもよく、そしてMは、陰イオンの荷電を中和するための陽イオンである。
【0122】
好適な両性界面活性剤は、ヤシ油製品由来のもの、例えばヤシ油又はヤシ油脂肪酸を含む。追加の好適なヤシ油に由来する界面活性剤は、エチレンジアミン部分、アルカノールアミド部分、アミノ酸部分、例えばグリシン、又はその組み合わせ;及び約8〜18個(例えば、12個)の炭素原子から成る脂肪族置換基をそれらの構造の一部として含む。また、そのような界面活性剤は、アルキルアンホジカルボン酸と考えることもできる。これらの両性界面活性剤は、以下の:C12-アルキル-C(O)-NH-CH2-CH2-N+(CH2-CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OH又はC12-アルキル-C(O)-N(H)-CH2-CH2-N+(CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OHとして表される化学構造を含み得る。ココアンホジプロピオン酸二ナトリウムは、好適な両性界面活性剤の1つであり、そしてRhodia Inc., Cranbury, N.J.から商品名Miranol(登録商標)FBSで商業的に入手可能である。ココアンホ二酢酸二ナトリウムの化学名をもつ他の好適なヤシ油由来両性界面活性剤は、同様にRhodia Inc., Cranbury, N.J.からの商品名Mirataine(登録商標)JCHAで販売されている。
【0123】
これらの界面活性剤の両性のクラス及び種の代表的な一覧表は、1975年12月30日にLaughlin及びHeuringに交付された米国特許番号第3,929,678号中に与えられている。さらなる例は、"Surface Active Agents and Detergents"(Schwartz、Perry、及びBerchによる第I巻及び第II巻)で挙げられている。
【0124】
両性イオン性界面活性剤
両性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤の一部として考えることができ、そして陰イオン電荷を含んでもよい。両性イオン性界面活性剤は、おおまかに2級及び3級アミンの誘導体、複素環式2級及び3級アミンの誘導体、又は4級アンモニウム、4級ホスホニウム、若しくは3級スルホニウム化合物の誘導体と言うことができる。一般に、両性イオン性界面活性剤は、陽性荷電した4級アンモニウムか、又は場合によりスルホニウム若しくはホスホニウム・イオン;陰性荷電したカルボキシル基;及びアルキル基を含む。両性イオン性は、一般にその分子の等電部位中でほぼ同程度までイオン化し、そして陽性−陰性電荷中心の間で強い「内部塩」吸引力を生み出すことができる陽イオン基と陰イオン基を含む。そのような両性イオン性合成界面活性剤の例は、脂肪族4級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体を含み、式中、上記脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝であってよく、そして上記脂肪族置換基の1つが8〜18個の炭素原子を含み、かつ、1つが陰イオン性水溶性基、例えばカルボキシ、スルホナート、スルファート、ホスファート、若しくはホスホナートを含む。ベタイン及びスルタイン(sultaine)界面活性剤は、本明細書中の使用のための典型的な両性イオン性界面活性剤である。
【0125】
これらの化合物についての一般式は、以下の:
【化8】

{式中、R1が、0〜10個のエチレンオキサイド部分を持ち、かつ、0〜1個のグリセリル部分を持つ8〜18個の炭素原子から成るアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル・ラジカルを含み;Yが、窒素、リン、及び硫黄原子から成る群から選ばれ;R2が、1〜3個の炭素原子を含むアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Yが硫黄原子である時、xが1であり、及びYが窒素又はリン原子である時、xが2であり、R3が、アルキレン若しくはヒドロキシアルキレンであるか、又は1〜4個の炭素原子から成るヒドロキシアルキレンであり、そしてZが、カルボキシラート、スルホナート、スルファート、ホスホナート、及びホスファート基から成る基から選ばれるラジカルである。}である。
【0126】
先に列挙した構造を持つ両性イオン性界面活性剤の例は、以下の:4-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N-オクタデシルアンモニオ]-ブタン-1-カルボキシラート;5-[S-3-ヒドロキシプロピル-S-ヘキサデシルスルホニオ]-3-ヒドロキシペンタン-1-スルファート;3-[P,P-ジエチル-P-3,6,9-トリオキサテトラコサンホスホニオ]-2-ヒドロキシプロパン-1-ホスファート;3-[N,N-ジプロピル-N-3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル-アンモニオ]-プロパン-1-ホスホナート;3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-プロパン-1-スルホナート;3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシ-プロパン-1-スルホナート;4-[N,N-ジ(2(2-ヒドロキシエチル)-N(2-ヒドロキシドデシル)アンモニオ]-ブタン-1-カルボキシラート;3-[S-エチル-S-(3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル)スルホニオ]-プロパン-1-ホスファート;3-[P,P-ジメチル-P-ドデシルホスホニオ]-プロパン-1-ホスホナート;及びS[N,N-ジ(3-ヒドロキシプロピル)-N-ヘキサデシルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-ペンタン-1-スルファートを含む。前記洗浄剤界面活性剤中に含まれるアルキル基は、直鎖又は分枝であってもよく、かつ、飽和であっても不飽和であってもよい。
【0127】
当該組成物の使用に好適な両性イオン性界面活性剤は、以下の一般構造:
【化9】

によって表されるベタインを含む。これらの界面活性剤ベタインは、一般に極端なpHにて陽イオン又は陰イオンの強い特徴を示さず、それらはそれらの等電範囲内で低下した水溶性も示さない。「外付けの」4級アンモニウム塩と異なり、ベタインは陰イオン物質と適合する。好適なベタインの例は、ヤシ油アシルアミドプロピルジメチル・ベタイン;ヘキサデシルジメチル・ベタイン;C12-14アシルアミドプロピル・ベタイン;C8-14アシルアミドヘキシルジエチル・ベタイン;4-C14-16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ-1-カルボキシブタン;C16-18アシルアミドジメチル・ベタイン;C12-16アシルアミドペンタンジエチル・ベタイン;及びC12-16アシルメチルアミドジメチル・ベタインを含む。
【0128】
本発明に有用なスルタインは、式(R(R12N+R2SO3-{式中、Rが、C6-C18ヒドロカルビル基であり、各R1が、一般に独自にC1-C3アルキル、例えば、メチルであり、そしてR2が、C1-C6ヒドロカルビル基、例えばC1-C3アルキレン又はヒドロキシアルキレン基である。}を持つ化合物を含む。
【0129】
これらの界面活性剤の両性イオン性のクラス及び種の代表的な一覧表は、1975年12月30日にLaughlin及びHeuringに交付された米国特許番号第3,929,678号中に与えられている。さらなる例は、"Surface Active Agents and Detergents"(Schwartz、Perry、及びBerchによる第I巻及び第II巻)で挙げられている。
【0130】
態様によっては、本発明の組成物はベタインを含む。例えば、前記組成物は、ココアミドプロピル・ベタインを含んでもよい。
【0131】
組成物の態様
当該組成物の態様に関する代表的な成分の濃度のいくつかの例を、値が全組成物重量に関する成分のwt-%で与えられる表A〜Cで見つけることができる。特定の態様において、表A〜C中の割合及び量は、「約」によって修飾されてもよい。
【0132】
【表1】

【0133】
【表2】

【0134】
【表3】

【0135】
当該組成物の追加の態様に関する代表的な成分の濃度のいくつかの例を、値が全組成物重量に関する成分のwt-%で与えられる表D〜Fで見つけることができる。特定の態様において、表D〜F中の割合及び量は、「約」によって修飾されてもよい。
【0136】
【表4】

【0137】
【表5】

【0138】
【表6】

【0139】
態様によっては、本発明の組成物は、例えば政府(例えば、FDA又はUSDA)の規則及び規制の21CFR第170〜178部に従って、食品、又は食物の洗浄、取り扱い、若しくは加工に利用されることができる成分だけを含む。態様によっては、本発明の組成物は、USEPA、40CFR第180.940部によって偶発的な食物接触に関して認められた濃度の成分だけを含むことができる。
【0140】
当該組成物は、液体、固体、ゲル、ペースト、単位用量、ゲル・パックなどの形態をとることができる。当該組成物は、種々の容器又は媒体のいずれか、例えば2室式ディスペンサー中に、又はウェットタイプの雑巾、小さなペーパータオル、又はスポンジとして供給されることができる。
【0141】
担体
また、本発明の組成物は担体を含むこともできる。前記担体は、前記組成物の他の成分を溶かすか、懸濁するか、又は保持する媒体を提供する。例えば、前記担体は、ペルオキシカルボン酸の可溶化、懸濁、又は生成のための、及び平衡混合物を形成するための媒体を提供できる。また、前記担体は、対象物上の本発明の抗菌性組成物をデリバリーし、そして湿らせるために作用することもできる。このために、前記担体は、これらの作用を容易にすることができるあらゆる(単数又は複数の)成分を含むことができる。
【0142】
一般的に、前記担体は、溶解度、並びに反応及び平衡のための媒体としての働きを促進することができる水を主に含む。前記担体は、有機溶剤、例えば単純アルキルアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、n-プロパノールなどを含むか、又はそれらを主としてもよい。また、グリセロール、ソルビトールなどを含めたポリオールは有用な担体でもある。
【0143】
好適な担体は、グリコールエーテルを含む。好適なグリコールエーテルは、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールn-プロピルエーテル、ジエチレングリコール・エチルエーテル、ジエチレングリコール・メチルエーテル、ジエチレングリコールt-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコール・メチルエーテル、ジプロピレングリコール・エチルエーテル、ジプロピレングリコール・プロピルエーテル、ジプロピレングリコールtert-ブチルエーテル、エチレングリコール・ブチルエーテル、エチレングリコール・プロピルエーテル、エチレングリコール・エチルエーテル、エチレングリコール・メチルエーテル、エチレングリコール・メチルエーテルアセタート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコール・エチルエーテル、プロピレングリコール・メチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコール・メチルエーテル及びトリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチレングリコール・フェニルエーテル(Dow Chemical Co.からDOWANOL EPH(登録商標)として市販されている)、プロピレングリコール・フェニルエーテル(Dow Chemical Co.からDOWANOL PPH(登録商標)として市販されている)など、あるいはその混合物を含む。追加の好適な(その全てがUnion Carbide Corp.から入手可能である)市販のグリコールエーテルは、ブトキチエチルPROPASOL(登録商標)、ブチルCARBITOL(登録商標)アセタート、ブチルCARBITOL(登録商標)、ブチルCELLOSOLVE(登録商標)アセタート、ブチルCELLOSOLVE(登録商標)、ブチルDIPROPASOL(登録商標)、ブチルPROPASOL(登録商標)、CARBITOL(登録商標)PM-600、CARBITOL(登録商標)低比重、CELLOSOLVE(登録商標)アセタート、CELLOSOLVE(登録商標)、エステルEEP(登録商標)、FILMER IBT(登録商標)、ヘキシルCARBITOL(登録商標)、ヘキシルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルCARBITOL(登録商標)、メチルCELLOSOLVE(登録商標)アセタート、メチルCELLOSOLVE(登録商標)、メチルDIPROPASOL(登録商標)、メチルPROPASOL(登録商標)アセタート、メチルPROPASOL(登録商標)、プロピルCARBITOL(登録商標)、プロピルCELLOSOLVE(登録商標)、プロピルDIPROPASOL(登録商標)、及びプロピルPROPASOL(登録商標)を含む。
【0144】
一般的に、前記担体は、本発明の組成物の大部分を構成し、活性抗菌性成分、可溶化剤、酸化剤、アジュバントなどを別とした組成物のバランスをとることができる。ここで再び、担体の濃度及びタイプは、中鎖ペルオキシカルボン酸の濃度、及び他の要素の量を含めた、全体としての組成物の性質、環境中での保存、及び適用方法に依存する。特に、前記担体は、選ばれて、そして本発明の組成物中の中鎖ペルオキシカルボン酸の抗菌効果を阻害しない濃度で使用されるべきである。
【0145】
特定の態様において、当該組成物は、約0〜約98wt-%の担体、約0.001〜約99.99wt-%の担体、約0.2〜約60wt-%の担体、約1〜約98wt-%の担体、約5〜約99.99wt-%の担体、約5〜約97wt-%の担体、約5〜約90wt-%の担体、約5〜約70wt-%の担体、約5〜約20wt-%の担体、約10〜約90wt-%の担体、約10〜約80wt-%の担体、約10〜約50wt-%の担体、約10〜約20wt-%の担体、約15〜約70wt-%の担体、約15〜約80wt-%の担体、約20〜約70wt-%の担体、約20〜約50wt-%の担体、約20〜約40wt-%の担体、約20〜約30wt-%の担体、約30〜約75wt-%の担体、約30〜約70wt-%の担体、約40〜約99.99wt-%の担体、約40〜約90wt-%の担体、又は約60〜約70のwt-%の担体を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0146】
酸化剤
当該組成物及び方法は、種々の酸化剤のいずれかを含んでもよい。前記酸化剤は、ペルオキシカルボン酸を維持するか又は産生するために使用され得る。
【0147】
無機酸化剤の例は、以下のタイプの化合物、又はこれらの化合物の源、あるいはこれらのタイプの化合物を含めた、又はそれと共に付加物を形成するアルカリ金属塩を含む:
過酸化水素;
群1(IA)酸化剤、例えば過酸化リチウム、過酸化ナトリウムなど;
群2(IIA)酸化剤、例えば過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化バリウムなど;
群12(IIB)酸化剤、例えば過酸化亜鉛など;
群13(IIIA)酸化剤、ホウ素化合物、例えば過ホウ酸塩、例えば式Na2[Br2(O22(OH)4]・6H2Oによって表される過ホウ酸ナトリウム六水和物(また、過ホウ酸ナトリウム四水和物とも呼ばれ、そして以前はNaBO3・4H2Oと記されていた);式Na2Br2(O22[(OH)4]・4H2Oによって表される過ホウ酸ナトリウム四水和物(また、過ホウ酸ナトリウム三水和物とも呼ばれて、以前はNaBO3・3H2Oと記されていた);式Na2[B2(O22(OH)4]によって表される過ホウ酸ナトリウム(また、過ホウ酸ナトリウム一水和物とも呼ばれて、以前はNaBO3・H2Oと記されていた);及び同類のもの;ある態様において、過ホウ酸塩;
群14(IVA)酸化剤、例えば過ケイ酸塩(persilicates)及びペルオキシ炭酸、それらはまた、過炭酸、例えばアルカリ金属の過ケイ酸塩又はペルオキシ炭酸と呼ばれもする;並びに同類のもの;ある態様において、過炭酸;ある態様において、過ケイ酸塩;
群15(VA)酸化剤、例えばペルオキシ亜硝酸及びその塩;ペルオキシリン酸及びその塩、例えば、過リン酸塩;並びに同類のもの;ある態様において、過リン酸塩;
群16(VIA)酸化剤、例えばペルオキシ硫酸及びその塩、例えばペルオキシモノ硫及びペルオキシピロ硫酸及びその塩、例えば過硫酸塩、例えば過硫酸ナトリウム;並びに同類のもの;ある態様において、過硫酸塩;
群VIIa酸化剤、過ヨウ素酸ナトリウム、過塩素酸カリウムなど。
【0148】
他の活性な無機酸素化合物は、遷移金属過酸化物;及び他のそのようなペルオキシゲン化合物、並びにその混合物を含んでもよい。
【0149】
態様によっては、本発明の組成物及び方法は、先に列挙された無機酸化剤の1つ以上(例えば、少なくとも1つ)を利用する。好適な無機酸化剤は、オゾン、過酸化水素、過酸化水素付加物、群IIIAの酸化剤、群VIAの酸化剤、群VAの酸化剤、群VIIAの酸化剤、又はその混合物を含む。そのような無機酸化剤の好適な例は、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、又はその混合物を含む。
【0150】
過酸化水素が、無機酸化剤の1つの好適な例を示す。過酸化水素は、過酸化水素と水の混合物として、例えば水溶液の状態で液体の過酸化水素として提供されることができる。過酸化水素は、水中、35%、70%、及び90%の濃度で市販されている。安全のために、前記35%が一般に使用される。当該組成物は、例えば約2〜約30wt-%又は約5〜約20wt-%の過酸化水素を含むことができる。
【0151】
態様によっては、無機酸化剤は、過酸化水素付加物を含む。例えば、無機酸化剤は、過酸化水素、過酸化水素付加物、又はその混合物を含んでもよい。種々の過酸化水素付加物のどれもが、当該組成物及び方法での使用に好適である。例えば好適な過酸化水素付加物は、過炭酸塩、過酸化尿素、過アセチルホウ酸塩、H2O2及びポリビニルピロリドンの付加物、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、その混合物などを含む。好適な過酸化水素付加物は、過炭酸塩、過酸化尿素、過アセチルホウ酸塩、H2O2及びポリビニルピロリドンの付加物、又はその混合物を含む。好適な過酸化水素付加物は、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、又はその混合物、例えば過炭酸ナトリウムを含む。
【0152】
態様によっては、当該組成物及び方法は、酸化剤として過酸化水素を含んでもよい。過カルボン酸と組み合わせた過酸化水素は、微生物に対する一定の抗菌活性を提供し得る。加えて、過酸化水素は、それが適用されるあらゆる表面を湿らせることができる発泡作用を提供できる。過酸化水素は、対象物の表面をさらに浄化する一度適用された機械的なフラッシング処置と一緒に働くことができる。過酸化水素の追加の利点は、使用及び分解に関するこの組成物の食物適合性である。
【0153】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約30wt-%の酸化剤、約0.001〜約10wt-%の酸化剤、0.002〜約10wt-%の酸化剤、約2〜約30wt-%の酸化剤、約2〜約25wt-%の酸化剤、約2〜約20wt-%の酸化剤、約4〜約20wt-%の酸化剤、約5〜約10wt-%の酸化剤、又は約6〜約10wt-%の酸化剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0154】
酸味料
態様によっては、当該組成物は、酸味料を含んでもよい。前記酸味料は、カルボン酸のペルオキシカルボン酸への変換のための触媒として作用することができる。前記酸味料は、約1以下のpHの濃縮液組成物を形成するのに有効であり得る。前記酸味料は、約5、約5以下、4、約4以下、約3、約3以下、約2、約2以下などのpHの使用組成物を形成するのに有効であり得る。態様によっては、酸味料は無機酸を含む。好適な無機酸は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、その混合物などを含む。
【0155】
態様によっては、酸味料は、4より低いpKaをもつカルボン酸を含む。4より低いpKaをもつ好適なカルボン酸は、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、他のヒドロキシカルボン酸、その混合物などを含む。そのような酸味料は、可溶化剤の役割を果たさない濃度にて存在する。
【0156】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約50wt-%の酸味料、約0.001〜約30wt-%の酸味料、約1〜約50wt-%の酸味料、約1〜約30wt-%の酸味料、約2〜約40wt-%の酸味料、約2〜約10wt-%の酸味料、約3〜約40wt-%の酸味料、約5〜約40wt-%の酸味料、約5〜約25wt-%の酸味料、約10〜約40wt-%の酸味料、約10〜約30wt-%の酸味料、約15〜約35wt-%の酸味料、約15〜約30wt-%の酸味料、又は約40〜約60wt-%の酸味料を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0157】
安定化剤
例えば、過酸及び過酸化水素を安定させるために、並びに本発明の組成物中のこの構成要素の早すぎる酸化を防ぐために1つ以上の安定化剤を本発明の組成物に加えてもよい。
【0158】
好適な安定化剤は、キレート剤又は金属イオン封鎖剤を含む。好適な金属イオン封鎖剤は、溶液中の金属イオン、特に遷移金属イオンを封鎖する有機キレート化合物を含む。そのような金属イオン封鎖剤は、(酸又は可溶性塩の形態のいずれかで)有機アミノ−又はヒドロキシ−ポリホスホン酸を錯化剤、カルボン酸(例えば、高分子ポリカルボキシラート)、ヒドロキシカルボン酸、又はアミノカルボン酸を含む。
【0159】
前記金属イオン封鎖剤は、ホスホン酸又はホスホン酸塩であるか、又はそれらを含む。好適なホスホン酸及びホスホン酸塩は、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(CH3C(PO3H22OH)(HEDP);エチレンジアミンテトラキス・メチレンホスホン酸(EDTMP);ジエチレントリアミンペンタキス・メチレンホスホン酸(DTPMP);シクロヘキサン-1,2-テトラメチレンホスホン酸;アミノ[トリ(メチレンホスホン酸)];(エチレンジアミン[テトラメチレンホスホン酸)];2-ホスフェンブタン-1,2,4-トリカルボン酸;あるいはその塩、例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアルキロイルアミン塩、例えばモノ、ジ、若しくはテトラ−エタノールアミン塩;又はその混合物を含む。
【0160】
好適な有機ホスホナートは、HEDPを含む。
【0161】
市販の食品添加物用キレート剤は、例えばDEQUEST(登録商標)2010としてSt. Louis, MOのMonsanto Industrial Chemicals Co.から入手可能な1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸;DEQUEST(登録商標)2000としてMonsantoから利用可能であるアミノ(トリ(メチレンホスホン酸)、(N[CH2PO3H23);DEQUEST(登録商標)2041としてMonsantoから入手可能なエチレンジアミン[テトラ(メチレンホスホン酸)]を含む商品名DEQUEST(登録商標)で販売されているホスホナート;及びBayhibit AMとしてPittsburgh, PAのMobay Chemical Corporation, Inorganic Chemicals Divisionから入手可能な2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸を含む。
【0162】
前記金属イオン封鎖剤は、アミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤であるか、又はそれを含んでもよい。好適なアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤は、酸又はそのアルカリ金属塩、例えばアミノアセタート及びその塩を含む。好適なアミノカルボキシラートは、N-ヒドロキシエチルアミノアセト酢酸;ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA);エチレンジアミン四酢酸(EDTA);N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA);ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);及びアラニン-N,N-アセト酢酸;並びに同類のもの;そしてその混合物を含む。
【0163】
前記金属イオン封鎖剤は、ポリカルボキシラートであるか、又はそれを含んでもよい。好適なポリカルボキシラートは、例えばポリアクリル酸、マレイン酸/オレフィン・コポリマー、アクリル/マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解ポリアミド−メタクリルアミド・コポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル−メタクリロニトリル・コポリマー、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、アクリル酸及びイタコン酸のコポリマー、ホスフィノポリカルボキシラート、その酸又は塩の形態、その混合物などを含む。
【0164】
特定の態様において、当該組成物は、約0.5〜約50wt-%の金属イオン封鎖剤、約1〜約50wt-%の金属イオン封鎖剤、約1〜約30wt-%の金属イオン封鎖剤、約1〜約15wt-%の金属イオン封鎖剤、約1〜約5wt-%の金属イオン封鎖剤、約1〜約4wt-%の金属イオン封鎖剤、約2〜約10wt-%の金属イオン封鎖剤、約2〜約5wt-%の金属イオン封鎖剤、又は約5〜約15wt-%の金属イオン封鎖剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0165】
特定の態様において、当該組成物は、約0.001〜約50wt-%の安定化剤、約0.001〜約5wt-%の安定化剤、約0.5〜約50wt-%の安定化剤、約1〜約50wt-%の安定化剤、約1〜約30wt-%の安定化剤、約1〜約10wt-%の安定化剤、約1〜約5wt-%の安定化剤、約1〜約3wt-%の安定化剤、約2〜約10wt-%の安定化剤、約2〜約5wt-%の安定化剤、又は約5〜約15wt-%の安定化剤を含む。前記組成物は、これらの範囲、又は約によって修飾されていない量のいずれかを含むことができる。
【0166】
アジュバント
また、本発明の抗菌性組成物は、多数のアジュバントを含むこともできる。特に、本発明の組成物は、抗菌性溶媒、抗菌剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、発泡剤、固化剤、美観向上剤(すなわち、着色剤(例えば、色素)、着臭剤、又は香料)、上記組成物に加えることができる多数の構成要素を含んでもよい。そのようなアジュバントは、本発明の抗菌性組成物と一緒に前もって処方されるか、又はその系に同時に加えられるか、あるいは抗菌性組成物の付加後であってもよい。また、本発明の組成物は、知られていて、かつ、本発明の活性を促すことができる、用途によって必要とされる多数の他の構成要素を含むこともできる。
【0167】
抗微生物性溶媒
種々の溶媒のいずれもが、当該組成物の抗微生物性溶媒として有用であり得る。抗微生物性溶媒は、使用前に使用組成物に加えられてもよい。好適な抗微生物性溶媒は、アセトアミドフェノール;アセトアニリド;アセトフェノン;2-アセチル-1-メチルピロール;酢酸ベンジル;ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;ベンジルオキシエタノール;精油(例えば、ベンズアルデヒド、ピネン、テルピネオール、テルピネン、カルボン、ケイ皮アルデヒド、ボルネオール及びそのエステル、シトラール、イオネン、ジャスミン油、リモネン、ジペンテン、リナロオール、並びにそのエステル);ジカルボン酸ジエステル(例えば、二塩基性エステル類)、例えばアジピン酸ジメチル,コハク酸ジメチル,グルタル酸ジメチル(DuPont Nylonから商品名DBE、DBE-3、DBE-4、DBE-5、DBE-6、DBE-9、DBE-IB、及びDBE-MEで入手可能な製品を含む)、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、並びにグルタル酸ジブチル;セバシン酸ジメチル、ピメリン酸ジメチル、スベリン酸ジメチル;炭酸ジアルキル、例えば炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、及び炭酸ジブチル;オルガノ−ニトリル、例えばアセトニトリル及びベンゾニトリル;そしてフタル酸エステル、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジエチルヘキシル、及びフタル酸ジエチルを含む。所望であれば、抗微生物性溶媒の混合物を使うことができる。
【0168】
その抗微生物性組成物が適用される表面及び微生物の特徴、並びに抗微生物性組成物と接触し、そして場合により上記表面から取り除かれるあらゆるコーティング物質、固形物質、又は他の物質の性質に基づいて、前記抗微生物性溶媒を選ぶことができる。極性溶媒、及び水素結合が可能な溶媒は、一般に種々の表面及び微生物に対してうまく機能するため、そのような用途のために選ばれることができる。特定の適用において、前記抗微生物性溶媒は、高い引火点(例えば、約30℃より高いか、約50℃より高いか、又は約100℃より高い)弱い臭気、及び低いヒト及び動物毒性のために選ばれることができる。
【0169】
態様によっては、前記抗微生物性溶媒は、間接的又は直接的な食品添加物又は栄養素;特に連邦規則集(CFR)、第21章――食品及び医薬品、第170〜186部に記載されるものに準拠する。本発明の組成物は、所望の割合及びタイプの微生物減少を提供するのに十分な抗微生物性溶媒を含むべきである。
【0170】
当該組成物は、効果的な量の抗微生物性溶媒、例えば約0.01wt-%〜約60wt-%の抗微生物性溶媒、約0.05wt-%〜約15wt-%の抗微生物性溶媒、又は約0.08wt-%〜約5wt-%の抗微生物性溶媒を含むことができる。
【0171】
追加の抗微生物剤
本発明の抗微生物性組成物は、追加の抗微生物剤を含んでもよい。追加の抗微生物剤は、使用前に使用組成物に加えてもよい。好適な抗微生物剤は、所望した程度の微生物防護を提供するのに十分な量で、カルボン酸エステル(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸アルキル及びケイ皮酸アルキル)、スルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸)、ヨウ素化合物又は活性なハロゲン化合物(例えば、ハロゲン元素、ハロゲンオキシド(例えば、NaOCl、HOCl、HOBr、ClO2)、ヨウ素、インターハライド(例えば、一塩化ヨウ素、二塩化ヨウ素、三塩化ヨウ素、四塩化ヨウ素、塩化臭素、一臭化ヨウ素、又は二臭化ヨウ素))、ポリハロゲン化合物、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、次亜臭素酸塩、次亜臭素酸、クロロ−及びブロモ−ヒダントイン、二酸化塩素、及び亜塩素酸ナトリウム)、過酸化ベンゾイル、過酸化アルキルベンゾイル、オゾン、一重項酸素ジェネレーター、及びその混合物を含めた有機過酸化物、フェノール誘導体(例えば、o-フェニルフェノール、o-ベンジル-p-クロロフェノール、tert-アミルフェノール、及びC1-C6アルキルヒドロキシベンゾアート)、4級アンモニウム化合物(例えば、アルキルジメチルベンジル塩化アンモニウム、ジアルキルジメチル塩化アンモニウム、及びその混合物)、並びにそのような抗微生物剤の混合物を含む。
【0172】
当該組成物は、効果的な量の抗微生物剤、例えば約0.001wt-%〜約60wt-%の抗微生物剤、約0.01wt-%〜約15wt-%の抗微生物剤、又は約0.08wt-%〜約2.5wt-%の抗微生物剤を含むことができる。
【0173】
湿潤剤又は消泡剤
また、本発明の組成物に有用なものは、湿潤剤及び消泡剤である。湿潤剤は、本発明の抗微生物性組成物の表面接触又は浸透活性を高めるために機能する。本発明の組成物で使用され得る湿潤剤は、本発明の組成物の界面活性を高めることが当該技術分野内で知られているそれらの構成要素のいずれかを含む。
【0174】
一般的に、本発明により使用され得る消泡剤は、シリカ及びシリコーン;脂肪酸又はエステル;アルコール;スルファート又はスルホナート;アミン又はアミド;ハロゲン化化合物、例えばフルオロクロロ炭化水素;植物油、ワックス、及び鉱油、並びにそれらの硫酸化誘導体;脂肪酸石けん、例えばアルカリ、アルカリ土類金属石けん;並びにリン酸塩及びリン酸エステル、例えばアルキル及びアルカリ・ジホスファート、特に、リン酸トリブチル;そしてその混合物を含む。
【0175】
態様によっては、当該組成物は、本発明の方法の適用を前提として食物グレードの品質をもつ泡止め剤又は消泡剤を含んでもよい。このために、より効果的な泡止め剤の1つはシリコーンを含む。シリコーン、例えばジメチルシリコーン、グリコールポリシロキサン、メチルフェノールポリシロキサン、トリアルキル又はテトラアルキルシラン、疎水性シリカ消泡剤、及びその混合物は、全てが消泡用途に使用されることができる。一般に市販の消泡剤は、シリコーン、例えば有機乳濁液中に化合されたシリコーンであるArmour Industrial Chemical Company製のArdefoam(登録商標);シリコーン及び非シリコーン型の消泡剤、並びにシリコーン・エステルであるKrusable Chemical Companyから市販されているFoam Kill(登録商標)又はKresseo(登録商標);そして特に食用型のシリコーンであるDow Corning Corporation製のAnti-Foam A(登録商標)及びDC-200を含む。これらの消泡剤は、約0.01wt-%〜5wt-%、約0.01wt-%〜2wt-%、又は約0.01wt-%〜約1wt-%の濃度範囲で存在することができる。
【0176】
増粘剤又はゲル化剤
当該組成物は、種々の知られている増粘剤のいずれかを含んでもよい。好適な増粘剤は、天然のゴム、例えばキサンタンゴム、グアールガム、又は植物粘液由来の他のゴム;多糖類ベースの増粘剤、例えばアルギナート、スターチ、及びセルロース・ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース);ポリアクリラート増粘剤;そしてハイドロコロイド増粘剤、例えばペクチンを含む。態様によっては、前記増粘剤は、対象物の表面上の汚染残留物を残さない。例えば、前記増粘剤又はゲル化剤は、食物又は接触面内の他の傷つきやすい製品に適合し得る。一般的に、当該組成物又は方法に利用される増粘剤の濃度は、最終組成物内の所望の粘度によって決定される。しかし、一般的な指針として、当該組成物中の増粘剤の粘度は、約0.1wt-%〜約1.5wt-%、約0.1wt-%〜約1.0wt-%、又は約0.1wt-%〜約0.5wt-%の範囲にわたる。
【0177】
固化剤
当該組成物は、当該組成物を固体の形態に維持するのに関与し得る固化剤を含んでもよい。好適な固化剤は、固形のポリエチレングリコール(PEG)、固形のEO/POブロック共重合体など;アミド、例えばステアリンモノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、アルキルアミドなど;酸又はアルカリ処理法を経て水溶性にされたスターチ;水溶性にされたセルロース;無機剤など;ポリ(無水マレイン酸/メチルビニルエーテル);ポリメタクリル酸;高い融点をもつ他の一般に機能的であるか又は不活性な物質;そして同類のものを含む。
【0178】
特定の態様において、前記固化剤は、固形のPEG、例えばPEG 1500〜PEG 20,000を含む。特定の態様において、前記PEGは、PEG 1450、PEG 3350、PEG 4500、PEG 8000、PEG 20,000などを含む。追加の好適な固化剤は、EO/POブロック共重合体、例えば商品名Pluronic 108、Pluronic F68で販売されているもの;アミド、例えばラウリン酸ジエタノールアミド又はココジエチレンアミド;そして同類のものを含む。特定の態様において、前記固化剤は、固化剤の組み合わせ物、例えばPEGとEO/POブロック共重合体(例えば、Pluronic)、及びPEGとアミド(例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド・アミド又はステアリン酸モノエタノール・アミド)の組み合わせ物を含む。
【0179】
香料
態様によっては、当該組成物は香料を含む。前記香料は、前記組成物の安定性又は効能への好ましくない効果を避けるように選ばれることができる。好適な香料は、酢酸アミル、酢酸イソボルニル、及びアルキルサリチラート、例えばサリチル酸メチルを含む。態様によっては、前記香料はアルキルサリチラートを含んでもよい。
【0180】
使用組成物
当該組成物は、濃縮液組成物及び使用組成物を含む。例えば、濃縮液組成物は、例えば水で希釈されて、使用組成物を形成することができる。態様によっては、濃縮液組成物は、対照物への適用前に使用溶液に希釈されてもよい。経済性の理由のために、前記濃縮液が販売されることができ、そして消費者が上記濃縮液を水または水性希釈剤で使用溶液に希釈することができる。
【0181】
前記濃縮液組成物中の活性な構成要素のレベルは、目的とされる希釈係数、及び中鎖ペルオキシカルボン酸化合物の所望の活性に依存している。一般的に、約1液用オンス(約30cm3)の約20ガロン(約76dm3)の水への希釈〜約5液用オンス(約148cm3)の約1ガロン(約3.8dm3)の水への希釈が、水性抗微生物性組成物について使用される。(25℃より高い)高い使用温度又は(30秒より長い)長い照射時間が利用され得る場合、より高い使用希釈液を利用することができる。代表的な使用場所において、前記濃縮液は、水100ガロン(約379dm3)につき約3(約89cm3)〜約20オンス(約591cm3)の濃縮液の希釈比率で、一般に利用可能な蛇口を使った大きな割合の水か、又は物質を混ぜた用水で希釈される。
【0182】
例えば、使用組成物は、約0.01〜約4wt-%の濃縮液組成物と約96〜約99.99wt-%の希釈剤;約0.5〜約4wt-%の濃縮液組成物と約96〜約99.5wt-%の希釈剤;約0.5、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、又は約4wt-%の濃縮液組成物;約0.01〜約0.1wt-%の濃縮液組成物;あるいは約0.01、約0.02、約0.03、約0.04、約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、又は約0.1wt-%の濃縮液組成物を含んでもよい。使用組成物中の成分の量を、濃縮液組成物とこれらの希釈係数について先に列挙した量から計算することができる。
【0183】
当該方法は、1つ以上の微生物の個体数を減らすのに効果的な濃度にて中鎖ペルオキシカルボン酸を利用できる。そのような効果的な濃度は、約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約2〜約300ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約100ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約60ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、5〜約45ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約35ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約25ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約8〜約50ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約10〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約10〜約50ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約40〜約140ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約100〜約250ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、又は約200〜約300ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸を含む。態様によっては、前記使用組成物は、約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸、約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸、約95〜約99.99wt-%の担体、及び/又は希釈剤(例えば、水);並びに約2〜約23,000ppmのポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、アルコキシル化界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、又はその混合物を含んでもよい。
【0184】
使用組成物中の反応種、例えばペルオキシカルボン酸、及び/又は過酸化水素のレベルは、使用組成物中に見出されるか、又は加えられる有機物によって影響を受け、一般に減少させることができる。例えば使用組成物が対象物を洗うために使用される浴剤又はスプレー剤である時、対象物上の土が過酸及び過酸化物を消費し得る。よって、前記使用組成物中の成分の存在量は、有機物が上記使用組成物に加えられた場合にその量が減少するという理解の下、使用前、又は使用後間もない組成物について表す。
【0185】
態様によっては、当該使用組成物は、酸性化カラムを通す前記濃縮液の通過によって、又は上記使用組成物に追加の酸味料を加えることによってより酸性にされることができる。
【0186】
他の流体組成物
当該組成物は、臨界の、臨界近くの、又は超臨界の(高密度)流体、及び抗微生物剤、又は抗微生物剤から成る気体状組成物を含んでもよい。高密度流体は、臨界近くの、臨界の、超臨界の流体、又は超臨界流体の特性を有する他のタイプの流体であってもよい。高密度化に好適な流体は、炭酸ガス、亜酸化窒素、アンモニア、キセノン、クリプトン、メタン、エタン、エチレン、プロパン、特定のフルオロアルカン(例えば、クロロトリフルオロメタン及びモノフルオロメタン)、及び同類のもの、又はその混合物を含む。好適な流体は二酸化炭素を含む。
【0187】
態様によっては、当該組成物又は方法は、高密度化炭酸ガス、中鎖ペルオキシカルボン酸、及び中鎖カルボン酸を含む。そのような組成物は、高密度化流体中鎖ペルオキシカルボン酸組成物と呼ばれることができる。他の態様において、前記抗微生物性組成物は、前記流体、抗微生物剤、及びいずれかの任意の又は加えられた成分を含むが、気体の形態で存在する。
【0188】
高密度化流体抗微生物性組成物は、当業者に知られるいくつかの方法のいずれかによって適用されることができる。そのような方法は、対象物にて高密度化流体及び抗微生物剤を含む容器をぶちまけることを含む。過酸化水素を含む水相は、有利にデバイス内に保持される。ぶちまけられた気体は、高密度化流体ペルオキシカルボン酸組成物の効果的な抗微生物剤を形成する効果的な量の抗微生物剤を含む。
【0189】
本発明の高密度化流体組成物の高圧の性質のために、これらの組成物は、上記組成物を含む容器をぶちまけることによって対象物の適用範囲の迅速で効率的な拡大のために設計された圧力緩衝デバイスを通して一般に適用される。そのような圧力緩衝デバイスを含むデバイスは、スプレイヤー(sprayers)、フォガー(foggers)、フォーマー(foamers)、泡パッド型アプリケーター、ブラシ型アプリケーター、又は前記物質を対象物に適用する一方で、高圧から大気圧への流体物質の膨張をもたらすことができるあらゆる他の装置を含む。また、高密度化流体ペルオキシカルボン酸組成物は、対象物に気体状の剤を適用するために知られている種々の方法のいずれかによって対象物に適用されることもできる。
【0190】
高密度化流体抗微生物性組成物は、高密度化流体を含む媒体中で酸化基質を酸化剤と反応させて、抗微生物性組成物を形成させることによって製造することができる。この反応は、一般に高密度化流体を含むのに好適な容器内で実施される。反応は、前記酸化基質と前記酸化剤を前記容器に加えること、及び高密度化流体を形成するために前記容器に流体を加えることを含んでもよい。態様によっては、前記反応は、中鎖カルボン酸と過酸化水素の間にあり、対応するペルオキシカルボン酸を形成する。前記過酸化水素は、一般に過酸化水素水溶液の形態で供給される。
【0191】
前記流体と一緒に利用され得る超臨界、臨界未満、超臨界近く、並びに他の高密度流体及び溶媒は、1994年4月26日にHoyらに交付された米国特許第5,306,350号で開示されており、上記文献を当該開示のために本明細書中に援用する。超臨界及び他の高密度形態の二酸化炭素、及び共溶媒、共界面活性剤、並びに二酸化炭素のこれらの形態と一緒に利用され得る他の添加剤が、1999年2月2日にDeSimoneらに交付された米国特許第5,866,005号で開示されており、上記文献を当該開示のために本明細書中に援用する。
【0192】
中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の製造
中鎖カルボン酸と酸化剤、例えば過酸化水素を混ぜ合わせるか又は反応させることによって、本発明の組成物又は本発明の方法で使用される組成物を製造することができる。中鎖カルボン酸と酸化剤の混ぜ合わせ又はそれらの反応は、中鎖ペルオキシカルボン酸の発生をもたらす。態様によっては、混ぜ合わせ(combining)は混合(mixing)を含む。また、当該組成物を製造するために混ぜ合わせた処方は、前記可溶化剤、前記酸味料、前記担体、前記安定化剤、その混合物などを含んでもよい。態様によっては、前記処方は可溶化剤を含む。あるいは、1つ以上(例えば、少なくとも1つ)の可溶化剤、酸味料、担体、又はその混合物を、ペルオキシカルボン酸の全部又は一部を作り出した後に加えてもよい。
【0193】
態様によっては、本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸の製造方法を含む。前記方法は、中鎖カルボン酸、担体(例えば、水)、酸化剤(例えば、過酸化水素)、可溶化剤、酸味料、及び安定化剤を混ぜ合わせるか又は反応させることを含んでもよい。前記方法は、約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸、約0〜約98wt-%の担体、約2〜約30wt-%の酸化剤、約1〜約80wt-%の可溶化剤、約1〜約50wt-%の酸味料、及び約0.5〜約50wt-%の安定化剤の濃度で成分を混合することを含んでもよい。前記方法は、約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸、約5〜約97wt-%の担体、約2〜約30wt-%の酸化剤、約1〜約20wt-%の可溶化剤(例えば、マイクロエマルジョン形成界面活性剤)、約1〜約50wt-%の酸味料、及び約0.5〜約50wt-%の安定化剤の濃度で成分を混合することを含んでもよい。また、当該組成物は、成分のこれらの混ぜ合わせが中鎖ペルオキシカルボン酸形成の平衡に達した組成物も含む。
【0194】
態様によっては、当該方法は、有利に短い時間内で有利に高いレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸を作り出す。有利に短い時間は、例えば約24時間以内、約6時間以内、約3時間以内、又は約0.5時間を含む。態様によっては、高いレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸は、ほとんど即座に達成されることができる。高いレベルの中鎖ペルオキシカルボン酸は、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、又は40%の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することによって達成することができる。そのような変換は、室温で、又は室温で始まり、そして発熱によって加熱される反応において達成される。より低い温度では、同じ量の変換に達するまでにより長い時間を必要とする。時間の長さは、一般にカルボン酸、酸化剤、可溶化剤、及び酸味料を混ぜ合わせた又は反応させた時点から計測される。
【0195】
例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で20%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することができる。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約25%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することができる。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約30%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することができる。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約35%以上の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することができる。例えば、態様によっては、当該方法は、約24時間以内で約40%の中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換することができる。
【0196】
態様によっては、当該組成物を製造することは、マイクロエマルジョンを形成することを含む。マイクロエマルジョン形成界面活性剤を含む所望の成分を混合することによって、マイクロエマルジョンを形成することができる。前記方法は、約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸、約5〜約97wt-%の担体(例えば、水)、約2〜約30wt-%の酸化剤、約1〜約20wt-%のマイクロエマルジョン形成界面活性剤、及び約1〜約50wt-%の安定化剤の濃度で成分を混ぜ合わせるか又は混合することを含んでもよい。また、当該組成物は、成分のこれらの混ぜ合わせが中鎖ペルオキシカルボン酸形成の平衡に達した組成物も含む。前記構成要素は、種々の順序のいずれかで加えられることができる。態様によっては、中鎖ペルオキシカルボン酸の形成は、マイクロエマルジョン形成界面活性剤の添加の後に急激に進行し得る。本発明を制限しないが、マイクロエマルジョンの形成は、反応のための(マイクロ液滴としての)中鎖カルボン酸の有効表面積を大幅に増やすことができると考えられる。
【0197】
当該組成物は、濃縮液として工場で製造され、そして使用組成物を形成するために上記濃縮液の希釈だけが必要である消費者へと出荷されてもよい。また、当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物は、使用場所で製造されることもできる。例えば、前記製品は、2つ以上の部分の組成物として、又はキットとして出荷されてもよい。その後、前記消費者は、前記の2つ以上の組成物又は前記キットの構成要素を混ぜ合わせて、当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物を作り出すことができる。あるいは、機器及び原料のコンテナを処方するシステムは、使用場所で提供され、そして当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物を混合し、及び分散させるようにプログラムされるか又は作動させることができる。
【0198】
態様によっては、前記製品は、2部分以上の組成物として供給されてもよい。1つ目の組成物は、カルボン酸、及び可溶化剤、酸味料、担体、安定化剤、その混合物などの1つ以上(例えば、少なくとも1つ)を含むことができる。2つ目の組成物は、酸化剤、及び可溶化剤、酸味料、担体、安定化剤、その混合物などの1つ以上(例えば、少なくとも1つ)を含むことができる。あるいは、前記の可溶化剤、酸味料、担体、安定化剤、その混合物などは、追加の組成物として供給されてもよい。
【0199】
態様によっては、濃縮液組成物のpHは、約1未満又は約2であってもよい。態様によっては、水中の前記混合物の1%又は1.5%溶液のpHは、その1%の溶液の他の構成要素に依存して、約1又は2〜約7である。態様によっては、使用組成物のpHは、他の構成要素に依存して、約2〜約7であることができる。
【0200】
当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の製造方法に有用な成分の代表的な濃度のいくつかの例は、値が組成物総重量に関する上記成分のwt-%で与えられている表G及びHに見ることができる。特定の態様において、表G〜Hの割合及び量は、「約」によって修飾されてもよい。また、当該組成物は、成分のこれらの組み合わせが中鎖ペルオキシカルボン酸形成の平衡に達した組成物も含む。
【0201】
【表7】

【0202】
【表8】

【0203】
中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の利用方法
本発明は、中鎖ペルオキシカルボン酸組成物を利用した方法を含む。一般に、これらの方法は、ペルオキシカルボン酸の抗微生物活性又は漂白活性を利用する。例えば、本発明は、微生物の個体数を減らす方法、皮膚上の微生物の個体数を減らす方法、皮膚の病気を治療する方法、臭気を軽減する方法、又は漂白する方法を含む。これらの方法は、対象物上、表面上、体内、又は水若しくは気体の流れの中、などで、上記の対象物、身体、又は流れが、本発明の安定化エステル・ペルオキシカルボン酸組成物と接触することによって機能することができる。接触は、組成物を適用するための多数の方法、例えば上記組成物をスプレーすること、上記組成物中に対象物を浸すこと、上記組成物で対象物を泡若しくはゲル処理すること、又はその組み合わせのいずれかを含むことができる。
【0204】
本発明の組成物は、種々の家庭又は産業上の用途、例えば表面上、若しくは対象物上、又は体内、若しくは水流中の微生物又はウイルスの個体数を減らすために使用されてもよい。前記組成物は、キッチン、浴室、工場、病院、歯科医院、及び食用植物を含む種々の領域で適用されることができ、かつ、平坦な、不非規な、又は多孔性のトポグラフィーを有する種々の硬い又は柔らかい表面に適用されることができる。好適な硬い表面は、例えば構造物の表面(例えば、床、壁、窓、シンク、テーブル、カウンター、及び標識);食器;硬い表面をもつ医療又は手術用の器具及びデバイス;並びに硬い表面をもつ包装材料を含む。そのような硬い表面は、例えば陶磁器、金属、ガラス、木、又は硬質プラスチックを含めた種々の物質から製造されることができる。好適な柔らかい表面は、例えば紙;濾過媒体、病院及び手術用リネン及び衣類;柔らかい表面をもつ医療又は手術用の器具及びデバイス;並びに柔らかい表面をもつ包装材料を含む。そのような柔らかい表面は、例えば紙、繊維、織った布又は不織布、軟質プラスチック、並びにエラストマーを含めた種々の物質から製造されることができる。また、本発明の組成物は、柔らかい表面、例えば食物及び皮膚(例えば、手)に適用されてもよい。当該組成物は、発泡又は不発泡の環境清浄剤又は環境殺菌剤として適用されてもよい。
【0205】
本発明の抗微生物性組成物は、製品、例えば滅菌剤、清浄剤、消毒剤(disinfectants)、防腐剤、脱臭剤、消毒剤(antiseptics)、抗真菌剤、殺菌剤、殺胞子剤、抗ウイルス剤、洗浄薬、漂白剤、硬い表面用のクリーナー、ハンドソープ、水を必要としない手の清浄剤、及び術前又術後のスクラブの中に含まれてもよい。
【0206】
また、抗微生物性組成物は、獣医用の製品、例えば哺乳動物の皮膚治療法に、あるいは動物の囲い、おり、給水所、及び獣医用の治療場所、例えば検査台及び手術室を浄化又は消毒するために使用されてもよい。当該組成物は、家畜又はヒトのための抗微生物性の足浴に利用されてもよい。
【0207】
当該組成物は、病原性微生物、例えばヒト、動物などの病原菌の個体数を減らすために利用してもよい。前記組成物は、真菌、カビ、細菌、胞子、及びウイルス、例えばS.アウレウス、E.コリ、連鎖球菌(Streptococci)、レジオネラ菌(Legionella)、シュードモナス・アエルギノーサ、ミコバクテリア、結核菌(Tuberculosis)、ファージなどを含めた病原菌に対する活性を示すことができる。そのような病原菌は、乳腺炎又は他の哺乳動物の泌乳の病気、結核などを含めた様々な病気及び障害を引き起こし得る。本発明の組成物は、動物の皮膚上、又は他の外部若しくは粘膜表面の微生物の個体数を減らすことができる。さらに、当該組成物は、水、空気、又は表面基質による運搬を通して拡散する病原性微生物を死滅させることができる。前記組成物は、動物の皮膚、他の外部又は粘膜表面、水、空気、あるいは表面に適用されることしか必要としない。
【0208】
また、抗微生物性組成物は、表面の微生物の個体数を減らすために食物及び植物種でも使用され得るか;そのような食物及び植物種を取り扱っている製造又は加工の現場でも使用され得るか;又はそのような現場の周りのプロセス水の処理にも使用され得る。例えば、前記組成物は、食物輸送ラインで(例えば、ベルト・スプレーとして);長靴及び手洗い用のディップ・パン;食物保存場所;腐敗防止空気循環システム;冷蔵及び冷却器装置;飲料冷却機及び保温器、湯がき器、まな板、サード・シンク区域、並びに肉の冷却機又は湯漬けデバイスに使用され得る。本発明の組成物は、水路内に見られる製品輸送用の水、パイプ輸送機関、カッター、スライサー、湯がき器、レトルト・システム、洗浄機などを処理するために使用され得る。本発明の組成物で処理され得る特定の食品は、卵、肉、種子、葉、果物、及び野菜を含む。特定の植物表面は、収穫された及び栽培中の両方の葉、根、種子、皮又は殻、茎、柄、塊茎、球茎、果物などを含む。また、前記組成物は、病原性及び非病原性の両方の微生物レベルを下げるために動物の死体を処理するためにも使用され得る。
【0209】
当該組成物は、容器のクリーニング若しくは浄化、加工施設、又はフードサービス産業若しくは食品加工産業における機器に有用である。前記抗微生物性組成物は、食物包装材料及び機器、特に冷又は熱無菌包装への使用に関して特別な価値を有する。本発明の組成物が利用され得る加工施設の例は、ミルク・ライン乳製品製造所、連続的な醸造システム、食品加工ライン、例えばポンプを使った食物システム及び飲料ラインなどを含む。フードサービス用品を、本発明の組成物で消毒することができる。また、例えば、前記組成物は、用品洗浄機、皿類、ボトルの洗浄機、ボトルの冷却機、保温器、サード・シンクの洗浄機、刃物の領域(例えば、水ナイフ、スライサー、カッター、及びのこぎり)、及び卵の洗浄機の上又はその中で使用され得る。特定の処理可能な表面は、包装材料、例えばボール紙、ボトル、フィルム、及び樹脂;皿類、例えばコップ、プレート、調理用具、ポット、及びなべ;用具洗浄機;むき出しの食物調理領域の表面、例えばシンク、カウンター、テーブル、床、及び壁;加工機器、例えばタンク、バット、ライン、ポンプ、及びホース(例えば、ミルク、チーズ、アイスクリーム、及び他の乳製品を加工するための乳製品加工機器);並びに輸送手段を含む。コンテナは、ガラス・ボトル、PVCの袋又はポリオレフィン・フィルムの袋、缶、様々な容量(100ml〜2リットルなど)のポリエステル・ボトル、PENボトル、又はPETボトル、1ガロンのミルク・コンテナ、板紙のジュース又はミルク・コンテナなどを含む。
【0210】
また、前記抗微生物性組成物は、他の産業機器で又はその中に、並びに他の産業の加工の流れの中、例えばヒーター、冷却塔、ボイラー、レトルト水、すすぎ水、無菌包装の洗浄水などで使用されることもできる。前記組成物は、レクリエーション用の水、例えばプール、温泉、レクリエーション用の水路及びウォータースライダー、噴水などの中の微生物及び臭気を処理するために使用されることができる。
【0211】
前記組成物を含むフィルターは、空気及び液体中の微生物の個体数を減らすことができる。そのようなフィルターは、水及び空気感染する病原菌、例えばレジオネラ菌を取り除くことができる。
【0212】
当該組成物は、排水管又は他の表面上の微生物、ショウジョウバエ、又は他の昆虫の幼虫の個体数を減らすために利用されることができる。
【0213】
また、前記組成物は、食品加工機器を使用溶液中につけ、上記機器の浄化に十分な時間、その機器を浸し、そして上記機器から余分な溶液を拭き取るか又は水切りすることによって利用されることもできる。前記組成物は、さらに、前記使用溶解で食品加工に関する表面にスプレーするか又は拭き、上記表面の浄化に十分な時間、その表面を濡れたままに保ち、そして余分な溶液を拭き取るか、縦にして水きりするか、吸い取ることで除去することによって利用されることができる。
【0214】
また、本発明の組成物は、硬い表面、例えば施設型の機器、用具、食器、ヘルスケア機器又は道具、及び他の硬い表面の浄化方法に使用されることもできる。また、前記組成物は、汚染された衣料品又は生地を浄化するためにも利用されることができる。前記使用溶液を、前述の汚染された表面又は品目のいずれかと、その表面又は品目を浄化、消毒、又は滅菌するのに有効な時間、約4℃〜60℃の範囲の使用温度にて接触させる。例えば、前記濃縮液組成物を、洗濯機の洗濯又はすすぎ水の中に注入し、そして汚染された布が浄化するのに十分な時間、その布と接触させてもよい。その後、余分な溶液は、前記の布をすすぐか又は遠心機にかけることによって除去することができる。
【0215】
前記抗微生物性組成物は、種々の方法を使って、微生物に、あるいは汚れた又はきれいな表面に適用されてもよい。これらの方法は、対象物、表面、身体、又は流れを本発明の組成物と接触させることによって、その対象物上、表面上、体内、又は水若しくは気体の流れの中で機能することができる。接触は、組成物を適用するための多数の方法、例えば上記組成物をスプレーすること、上記組成物中に対象物を浸すこと、上記組成物を用いて対象物を泡又はゲル処理すること、あるいはその組み合わせのいずれかを含むことができる。
【0216】
本発明の組成物の濃縮液又は使用濃度は、対象物に抗微生物性組成物又はクリーニング組成物を適用するための従来の方法又は装置のいずれかによって対象物に適用されるか又は対象物と接触してもよい。例えば、前記対象物は、前記組成物又は前記組成物から作った使用溶液で拭かれるか、それをスプレーされるか、それで泡立てるか、及び/又はその中に浸されてもよい。前記組成物は、表面にスプレーするか、そこで泡立てるか、又はそれを拭くことができるか;前記組成物を、上記表面上を流れるようにすることができるか、あるいは上記表面を上記組成物に浸すことができる。接触は、手作業であるか又は機械によってでもよい。食品加工に関する表面、食品、食品加工又は輸送用の水などは、本発明による液体、泡、ゲル、エアゾール、気体、ワックス、固体、又は粉末の安定化した組成物、あるいはこれらの組成物を含む溶液で処理されてもよい。
【0217】
当該組成物を利用した追加の方法を、中鎖ペルオキシカルボン酸組成物を用いた加工中の家禽の洗浄方法と題した米国特許出願番号第 号;中鎖ペルオキシカルボン酸組成物を用いた枝肉、精肉、又は肉製品の洗浄方法と題した出願番号第 号;並びに中鎖ペルオキシカルボン酸組成物を用いた果物、野菜、及び他の農産物の洗濯及び加工方法と題した出願番号第 号で見ることができ;その各々が同日付で本明細書とともに提出され;その各々を本明細書中に援用する。
【0218】
定置洗浄
一方で、本発明の抗微生物性組成物に関する表面クリーニング用途は、定置洗浄システム(CIP)、取り外し洗浄システム(COP)、洗浄機の脱汚染剤、滅菌剤、織物洗濯機、限外濾過及びナノ濾過システム、及び屋内のエアフィルターを含む。COPシステムは、洗浄タンク、浸漬容器、モップ、バケツ、保持タンク、スクラブ・シンク、輸送手段の部品の洗浄機、不連続バッチ洗浄機及びシステムなどを含めた容易に利用可能なシステムを含んでもよい。
【0219】
一般的に、定置システム又は他の表面の実際のクリーニング(すなわち、そこに不要な廃物の除去)は、温水と一緒に導入されるいろいろな物質、例えば処方された界面活性剤で達成される。このクリーニング・ステップの後に、前記の即席の組成物が、温められていない常温の水中、使用溶液濃度にて前記システムに適用又は導入される。CIPは、一般に、1分につき約40〜約600リットルの水準の流量、常温〜約70℃の温度、及び少なくとも約10秒、例えば約30〜約120秒の接触時間を利用する。当該組成物は、冷水(例えば40°F/4℃)及び温水(例えば140°F/60℃)中で溶液の状態のままである。当該組成物の水性使用溶液は通常は温める必要がないが、いくつかの情況下で、その抗微生物活性をさらに高めるために加熱することが望ましいかもしれない。これらの物質は、考えられるあらゆる温度にて有用である。
【0220】
実質的に固定された定置加工施設を浄化する方法は、以下のステップを含む。本発明の使用溶液は、約4℃〜60℃の範囲の温度にて加工施設内に導入される。前記使用溶液の導入後に、その溶液を、コンテナ内に保持するか、又は加工施設を浄化するのに(すなわち、望ましくない微生物を死滅させるのに)十分な時間、そのシステム全体にわたって循環させる。前記表面が当該組成物によって浄化された後に、前記使用溶液を排出する。浄化ステップの完了した時点で、前記システムを他の物質、例えば飲用水を用いて任意ですすいでもよい。前記組成物は、10分間以下で加工施設を通して循環されることができる。
【0221】
当該方法は、定置洗浄又は他の表面、例えば内部のパイプ及びタンクの表面に空中散布によって当該組成物をデリバリーすることを含んでもよい。この空中散布方法は、必要とされる溶液の量を減らすことができる。
【0222】
食品と中鎖ペルオキシカルボン酸組成物との接触
当該方法及びシステムは、中鎖組成物を適用するのに好適なあらゆる方法又は装置を利用した食品と中鎖組成物との接触を提供する。例えば、本発明の方法及びシステムは、前記組成物のスプレーを用いて、上記組成物中への浸漬、上記組成物を用いて泡又はゲル処理することなどによって食品と接触させ得る。スプレー、泡、ゲルを用いた、又は浸漬による接触は、抗微生物剤を食物に適用するための当業者に知られた種々の方法によって達成され得る。食品の接触は、食品が見られるかもしれないあらゆる場所、例えば田畑、加工現場又は工場、輸送手段、倉庫、小売店、レストラン、又は家庭で生じ得る。また、これらの同じ方法は、本発明の安定化した組成物を他の対象物に適用するために適合させることもできる。
【0223】
当該方法は、顕著な抗微生物効果の発生のために食品と前記組成物の最少接触時間を必要とする。前記接触時間は、前記使用組成物の濃度、前記使用組成物の適用方法、前記使用組成物の温度、食品上の土の量、食品上の微生物数、抗微生物剤のタイプなどと共に変化し得る。曝露時間は、少なくとも約5〜約15秒であることができる。
【0224】
態様によっては、食品の洗浄方法は、前記組成物を含む圧力スプレーを利用する。食品上への前記スプレー溶液の適用中に、食品表面は、機械的な動き、例えば撹拌される、こすられる、ブラシをかけられるなどで動かされてもよい。攪拌は、圧力下の前記スプレー溶液の作用による、超音波処理による食品の物理的なスクラブによって、又は他の方法によってであってもよい。攪拌は、おそらく前記微生物を含む割れ目又は小さいコロニーの中への前記スプレー溶液のより良い曝露のために、微生物を死滅させる上記スプレー溶液の効能を高める。また、効能を高めるために、前記スプレー溶液を、適用前に約15〜20℃、例えば約20〜60℃の温度に加熱してもよい。前記スプレー用の安定化された組成物は、好適に微生物の個体数を減らすのに十分な時間、食品上にそのまま残され、その後食品からすすがれるか、水切りされるか、又は留去されてもよい。
【0225】
スプレーによる物質の適用は、手動のスプレー棒での適用、完璧な接触を確保するための複数のスプレー・ヘッドを使った、生産ラインに沿って動いている食品の自動スプレー、又は他のスプレー装置を使って達成され得る。自動スプレー適用の1つは、スプレー・ブースの使用を伴う。前記スプレー・ブースは、スプレーされた組成物をそのブース内に実質的に閉じ込める。前記生産ラインは、食品が前記ブース内でスプレーによりその外面全面にスプレーされるスプレー・ブース内への入り口を通って食品を移動させる。ブース内での物質の完璧な適用範囲、そして食品からの物質の排水の後に、その食品はブースから出ることができる。前記スプレー・ブースは、本発明の安定化した組成物を適用するのに使用され得るスチーム・ジェットを含んでもよい。これらのスチーム・ジェットは、食品表面に届いている処理が65℃未満、例えば60℃未満であることを確実にするために冷却水と組み合わせて使用されてもよい。食品へのスプレーの温度は、食品がそのスプレーの温度によって実質的に変性しない(調理されない)ことを確実にするために重要である。スプレー・パターンは、事実上有用なスプレー・パターンのいずれかであることができる。
【0226】
液体の安定化した組成物中への食品の浸漬は、当業者に知られる種々の方法のいずれかによって達成されることができる。例えば、食品は、安定化した組成物を含むタンク又は浴槽の中に置かれてもよい。あるいは、食品は、安定化した組成物の水路中で輸送されるか又は加工されてもよい。前記洗浄溶液は、その溶液の効能、及びその溶液が食品に付いている微生物を減らす速度を高めるために撹拌されてもよい。攪拌は、超音波、その溶液を通して空気をバブリングすることによるエアレーションを含めた従来の方法によって、機械的な方法、例えば濾過器、パドル、ブラシ、ポンプ駆動式液体ジェットによって、又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる。前記洗浄溶液は、微生物を死滅させる溶液の効能を高めるために加熱されてもよい。所望の抗微生物効果のために十分な時間、食品が浸漬された後に、その食品は浴槽又は水路から取り出され、そして安定化した組成物は食品からすすがれるか、水切りされるか、又は留去され得る。
【0227】
本発明の他の代わりの態様において、食品は当該組成物の発泡バージョンで処理されてもよい。前記の泡は、使用時に発泡性界面活性剤を洗浄溶液と混合することによって調製され得る。前記発泡性界面活性剤は、性質が非イオン性、陰イオン性、又は陽イオン性であってもよい。有用な界面活性剤のタイプの例は、以下のものに制限されることなく:アルコールエトキシラート、アルコールエトキシラート・カルボキシラート、アミンオキシド、アルキルスルファート、アルキルエーテルスルファート、スルホナート、4級アンモニウム化合物、アルキルサルコシン、ベタイン、及びアルキルアミドを含む。発泡性界面活性剤は、一般に使用時に洗浄溶液と混合される。発泡剤の使用溶液レベルは、約50ppm(約5×10-3wt-%)〜約2.0wt-%である。使用時に、圧縮空気が、前記混合物中に注入されて、その後泡状物質適用デバイス、例えばタンク・フォーマー又は吸気式の壁掛けフォーマーを通して食品表面に適用されてもよい。
【0228】
本発明の他の代わりの態様において、食品は、前記組成物の濃厚又はゲル化バージョンで処理されてもよい。濃厚又はゲル化状態において、前記洗浄溶液は、より長時間、食品表面との接触状態を維持し、それにより抗微生物効能を高める。また、濃厚又はゲル化溶液は、垂直な表面にも接着する。前記組成物又は前記洗浄溶液は、既存の技術:キサンタンゴム、高分子増粘剤、セルロース増粘剤などを使って濃厚に又はゲル化されることができる。また、ロッドミセル形成システム、例えばアミンオキシド及び陰イオンの対イオンを使用することもできた。増粘剤又はゲル形成剤は、濃縮した製品か、又は使用時の、前記洗浄溶液との混合のいずれかにおいて使用されることができる。増粘剤又はゲル化剤の典型的な使用レベルは、約100ppm(約1×10-2wt-%)〜約10wt-%の範囲である。
【0229】
無菌包装
本発明の方法において、無菌包装は、コンテナと本発明による組成物との接触を含む。そのような接触は、前記コンテナの微生物の個体数を一掃するか又は減らすのに十分な時間、前記組成物と上記コンテナの内部とを密に接触するようにスプレー・デバイス、あるいは浸漬タンク又は容器を使って達成され得る。前記コンテナは、その後使用した当該組成物の量を抜かれ空にされる。空になった後に、前記コンテナは、(すすぎ添加剤を含んでもよい)飲用水又は滅菌水でその後すすがれて、そして再び空にされてもよい。すすいだ後に、前記コンテナは、液体飲料で満たされてもよい。前記コンテナは、その後、封をされるか、キャップを閉められるか、又は閉じられて、そしてその後に最終的な販売のための出荷に向けて荷造りされる。
【0230】
図面は、本発明による組成物を使ったボトルのスプレー/ボトリング作業のある態様に関する概略図を示す。前記作業は、低温無菌作業であってもよい。図面は、浄化制度(sanitizing regime)のために中鎖ペルオキシカルボン酸組成物と飲料ボトルを接触させ得る工場(100)を示す。図面において、ボトル(110)は、滅菌トンネル(102)を通過する。その後、浄化されたボトル(110a)は、すすぎトンネル(103)を通過し、そして浄化されすすがれたボトル(110b)として出てくる。
【0231】
前記工程において、大量の中鎖ペルオキシカルボン酸組成物は、保持タンク(101)に加えられる。一般に、前記物質は、タンク(101)内で約22℃の温度で維持される。中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の効果的な使用濃度を得るために、補給水(105)が、前記タンク(101)の中に濃縮した中鎖ペルオキシカルボン酸組成物と組み合わせられる。前記中鎖ペルオキシカルボン酸使用組成物は、ヒーター(108)を通過して、約45〜50℃の温度に達する。前記加熱された中鎖ペルオキシカルボン酸使用組成物は、滅菌トンネル(102)の内側で前記ボトル(110)の中及び全ての表面上にスプレーされる。前記中鎖ペルオキシカルボン酸組成物とボトル(110)の間の密な接触が、浄化レベル(sanitizing level)まで微生物の個体数を減らすために必須である。
【0232】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸使用組成物との接触の後、及び全ての余分な組成物を前記ボトルから取り除いた後、前記浄化されたボトル(110)は、その後、真水すすぎトンネル(103)を通過する。真水(108)は、真水の補給からスプレーすすぎトンネル(103)内に提供される。前記真水は、すすぎ添加剤を含むことができる。余分なスプレーは、すすぎトンネル(103)からの排水管(106)に排水される。前記トンネル(103)内で、浄化されたボトル(110a)は、真水で徹底的にすすがれる。前記ボトル(110a)からの中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の完璧な除去は、飲料製品の高い品質を維持するために重要である。その後、すすがれた及び浄化されたボトル(110b)は、すすぎトンネルから取り出される。
【0233】
前記デイ・タンク(101)、前記滅菌トンネル(102)、及び前記すすぎトンネル(103)は、当該システム構成要素から蒸気又は後ガスを取り除くために洗浄装置、又は排出口(111a)、(111b)、若しくは(111c)に対して全てが個々に通風される。スプレーされ、そして前記ボトル(110a)から水切りされた清浄剤物質は、前記スプレー・トンネル(102)の底に蓄積し、そしてその後リサイクル・ライン及びヒーター(107)を通り前記デイ・タンク(101)に入って再生利用される。
【0234】
ボトルと中鎖ペルオキシカルボン酸抗微生物性組成物の間の接触は、約0℃より高いか、25℃より高いか、又は約40℃より高い温度であってもよい。約40℃〜90℃の温度を使用することができる。特定の態様において、40℃〜60℃にて少なくとも5秒間の接触、例えば少なくとも好ましくは約10秒間の接触時間が利用される。
【0235】
16オンス(約454g)のポリエチレンテレフタレート(PETボトル)又は他の高分子の飲料コンテナの低温無菌充填において、工程には、中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の使用が採用された。中鎖ペルオキシカルボン酸組成物は、約0.1〜約10wt%の使用濃度に希釈され、かつ、約25℃〜約70℃、例えば約40℃〜約60℃の効果的な高められた温度に維持されてもよい。前記物質でのスプレー又はボトルを満たすことは、少なくとも5、例えば約10秒間の上記ボトルと前記清浄剤物質の間の接触を確実にする。満たすのが終わった後に、前記ボトルは、最短2秒間で全ての内容物を排水してもよく、そして任意で、その後に38℃(100°F)にて約200ミリリットルの水を使った滅菌水での5秒の水すすぎが続いてもよい。任意で前記すすぎ水で満たされる場合、その後そのボトルに、少なくとも2秒間、すすぎ滅菌水を排水させ、そして直ちに液体飲料を充填させる。前記すすぎ水は、すすぎ添加剤を含んでもよい。すすぎが終わった後に、前記ボトルは、排水後に通常10ミリリットル未満、好ましくは3ミリリットルのすすぎ水しか保持しない。
【0236】
本発明は、以下の実施例を参照してよりよく理解されることができる。これらの実施例は、本発明の特定の態様を代表することを目的としており、本発明の範囲を制限するつもりではない。
【実施例】
【0237】
実施例1--中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む組成物
表1-5は、中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む当該組成物の説明に役立つ実施例を提示する。前記表中の分量はwt-%単位である。
【0238】
【表9】

【0239】
組成物A〜Qの各々において:前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であり;前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸であり;前記担体は水であり;前記酸化剤は、(35%溶液から供給される)過酸化水素であり;そして前記安定化剤は(60wt-%のHEDPを含むDequest 2010として供給される)HEDPであった。
【0240】
組成物A〜L、O、P、及びQの各々において:前記酸味料は、濃縮された硫酸であった。組成物M及びNにおいて、前記酸味料は、(それぞれ85%及び75%のリン酸として供給される)リン酸であった。
【0241】
前記可溶化剤は、これらの組成物の間で多様であった。組成物A及びBにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコール300であった。組成物C、D、及びEにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル(MPEG 550)であった。組成物Fにおいて、前記可溶化剤は、非イオン性界面活性剤、具体的にはPluronic 17R4、40%のEO及び60%のPOを持つ(PO)x(EO)y(PO)xリバース・トリブロック・コポリマーであった。組成物Gにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコール 300に加えてLAS酸(98%の直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸)であった。組成物Hにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコール 300に加えて(38%の活性として商品名NAS-FALで供給される)1-オクタンスルホナートであった。組成物Iにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコール 300に加えてDowfax Hydrotrope acid(C6アルキル化ジフェニルオキシドジスルホン酸)であった。組成物Jにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル(PolyDME250)及びLAS酸であった。組成物Kにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル(PolyDME250)及びNAS-FALであった。組成物Lにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル(PolyDME250)及びDowfax Hydrotrope acidであった。
【0242】
【表10】

【0243】
【表11】

【0244】
【表12】

【0245】
【表13】

【0246】
組成物M、N、O、及びPにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル(PolyDME250)及びNAS-FALであった。組成物Qにおいて、前記可溶化剤は、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル(PolyDME250)及び(93%の1-オクタンスルホン酸として供給される)NAS酸であった。
【0247】
これらの組成物は、5wt-%の中鎖カルボン酸を含む組成物から製造される。
【0248】
組成物R〜Zの各々において:前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であり;前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸であり;前記担体は水であり;前記酸化剤は、(35%の溶液から供給される)過酸化水素であり;そして前記安定化剤は、(60wt-%のHEDPを含むDequest 2010として供給される)HEDPであった。
【0249】
組成物R及びSにおいて、前記酸味料は、(75%のリン酸として供給される)リン酸であった。組成物T、U、及びVの各々において、前記酸味料は、試薬用の98%の濃硫酸(15wt-%)及び(75%のリン酸として供給される)リン酸(23wt-%)であった。組成物W、X、Y、及びZにおいて、前記酸味料は、濃硫酸(25wt-%)及び(75%のリン酸として供給される)リン酸(14wt-%)であった。
【0250】
前記可溶化剤は、これらの組成物の間で多様であった。組成物Rにおいて、前記可溶化剤は、1-オクタンスルホナート(1.9wt-%)及び(ブトキシ・キャップしたアルコールエトキシラート、速湿潤性界面活性剤)Tegotens EC-11(15wt-%)であった。組成物S、T、及びWにおいて、前記可溶化剤は、Tegotens EC-11であった。組成物U及びYにおいて、前記可溶化剤は、Dehypon LS-54(R(EO)5(PO)4)、速湿潤性界面活性剤)であった。組成物V及びZにおいて、前記可溶化剤は、Dehypon LT-104(ブチル・キャップしたアルコールエトキシラート)であった。組成物Xにおいて、前記可溶化剤は、LF-221(ブトキシ・キャップしたアルコールエトキシラート)であった。
【0251】
組成物AA〜VVの各々において:前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であり;前記中鎖カルボン酸はオクタン酸であり;前記担体は水であり;前記酸化剤は、(水中、35%の過酸化水素として供給される)過酸化水素であり;そして前記安定化剤は、(60wt-%のHEDPを含むDequest 2010として供給される)HEDPであった。
【0252】
組成物AA、AA-O、DD、EE、GG、KK、LL、MM、NN、OO、PP、QQ、RR、SS、TT、UU、及びVVの各々において、前記酸味料は、(75%のリン酸として供給される)リン酸であった。組成物BB及びHHにおいて、前記酸味料は、濃硫酸(試薬用、98%)であった。組成物CCにおいて、前記酸味料は、メタンスルホン酸(99.5%+Aldrich)であった。組成物FFにおいて、前記酸味料は、(70%の硝酸として供給される)硝酸であった。組成物IIにおいて、前記酸味料は、濃硫酸(工業用、93%)であった。組成物JJにおいて、前記酸味料は、(50%の硫酸として供給される)硫酸であった。
【0253】
前記可溶化剤は、これらの組成物の間で多様であった。組成物AA、AA-O、BB、CC、DD、FF、LL、HH、II、及びJJにおいて、前記可溶化剤は、1-オクタンスルホナートであった。組成物EE及びGGにおいて、前記可溶化剤は、1-オクタンスルホナート(3.8wt-%)及びDehypon LS-54(0.2wt-%)であった。組成物KKにおいて、前記可溶化剤は、1-オクタンスルホナート(NAS-FAL)であった。組成物MMにおいて、前記可溶化剤は、1-オクタンスルホナート(3.8wt-%)及びBarlox 12(ドデシルジメチルアミンオキシド、30%の活性)(0.25wt-%)であった。組成物NNにおいて、前記可溶化剤は、1-オクタンスルホナート(3.8wt-%)及びBarlox 12(0.5wt-%)であった。組成物OOにおいて、前記可溶化剤は、1-オクタンスルホナート(3.8wt-%)及びBarlox 12(1wt-%)であった。組成物PP、QQ、RR、及びSSにおいて、前記可溶化剤は、LAS酸であった。組成物TTにおいて、前記可溶化剤は、(39%の固形物を含む商品名Miranol(登録商標)FBSで供給される)ココアンホジプロピオン酸二ナトリウムであった。組成物UUにおいて、前記可溶化剤は、(42%の固形物を含む商品名Mirataine(登録商標)JC-HAで供給される)アミノプロプリオナート・ベタインであった。組成物VVにおいて、前記可溶化剤は、(90%の活性を含む商品名Neodox 23-4で供給される)C12-13アルコールにEOを4モル付加したカルボン酸であった。
【0254】
中鎖ペルオキシカルボン酸の量を、組成物PP、QQ、RR、及びSSにおいて、60℃で7.5日後に測定した。
【0255】
【表14】

【0256】
組成物WW、XX、YY、ZZ、及びBAの各々において:前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であり;前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸であり;前記担体は水であり;前記酸化剤は、(水中、35%の過酸化水素として供給される)過酸化水素であり;前記安定化剤は、(60wt-%のHEDPを含むDequest 2010として供給される)HEDPであり;そして前記可溶化剤は、NAS-FALであった。
【0257】
前記酸味料は、これらの組成物の間で多様であった。組成物WWにおいて、前記酸味料は、(75%のヒドロキシ酢酸として供給される)ヒドロキシ酢酸(19wt-%)及び硫酸(試薬用、98%)(5wt-%)であった。組成物XXにおいて、前記酸味料は、(75%のヒドロキシ酢酸として供給される)ヒドロキシ酢酸(19wt-%)及びメタンスルホン酸(99.5%+Aldrich)(5wt-%)であった。組成物YYにおいて、前記酸味料は、(75%のヒドロキシ酢酸として供給される)ヒドロキシ酢酸であった。組成物ZZにおいて、前記酸味料は、精製されたヒドロキシ酢酸であった。組成物BAにおいて、前記酸味料は、(22%の3-ヒドロキシプロピオン酸として供給される)ヒドロキシプロピオン酸であった。
【0258】
これらの組成物において、前記ヒドロキシカルボン酸は、中鎖カルボン酸の可溶化に実質的に寄与しなかった。前記組成物は可溶化剤を必要とした。
【0259】
例示した組成物の製造
表6は、組成物KKの製造において達成されたペルオキシオクタン酸の迅速な生成を示す。
【0260】
【表15】

【0261】
酸味料として高レベルの硫酸が使われた時(実施例は、B、E、O、及びQを含む)、強い発熱が得られ、中鎖ペルオキシカルボン酸が迅速に、例えば事実上即座に、生成された。これらの組成物のいくつかについて、硫酸を、ゆっくりと、そして170°F(約77℃)未満、いや120°F(約49℃)未満の温度を保つように冷却しながら加える必要があった。中鎖ペルオキシカルボン酸を迅速に又はほとんど即座に生成することができる前述の製剤を、使用場所での現場生成のために利用することができる。
【0262】
当該実施例で報告されるペルオキシオクタン酸の濃度を、十分に確立され、そして標準化された滴定プロトコールによって測定した。まず、過酸化水素含量を、硫酸セリウムを用いた酸化−還元滴定によって測定した。この滴定の終点に達した後に、過剰量のヨウ化カリウムを前記溶液に加えた。ヨウ化カリウムは、ペルオキシカルボン酸と反応してヨウ素を発生する。前記発生したヨウ素を、チオ硫酸ナトリウムの標準液で滴定して、ペルオキシカルボン酸の濃度を得た。カルボン酸の残留レベルを計算することができる。
【0263】
当該実施例に利用されるオクタン酸は、Procter & Gamble Chemicalsを含む供給源から得られて、そして少量のヘキサン酸(約2%)、デカン酸(約2%)、及びドデカン酸(<0.5%)と共に最低95%のオクタン酸を含む。
【0264】
実施例2--中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む組成物の安定性
本発明による組成物を、物理的な安定性、及び中鎖ペルオキシカルボン酸の有利な安定性について評価し、そして証明した。
【0265】
材料と方法
当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物のいくつかを、中鎖ペルオキシカルボン酸の安定性について評価した。前記組成物を含む封をしたコンテナを、高温のオーブン内に置くか、又は一定時間、室温で放置した。その温度及び時間は、以下の表に報告されている。60℃における1週間は、室温(RT)における1年に相当するとみなされることができる。ペルオキシカルボン酸の量を、滴定によって測定した。
【0266】
また、当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物のいくつかを、物理的な安定性についても評価した。サンプルを、ペルオキシカルボン酸レベルも同様に測定される間隔で視覚的に調べた。
【0267】
結果
中鎖ペルオキシカルボン酸の安定性、及び物理的な安定性の測定に関して得られた結果を、以下に表7及び8で報告する。
【0268】
組成物M及びNに関する表7に示された結果は、リン酸が25%〜35%に増える時に、中鎖ペルオキシカルボン酸の安定性が低下すること示している。これは、溶媒型可溶化剤を含む組成物が工業用リン酸中に存在する不純物によって引き起こされる分解に影響を受けやすいことを示唆している。
【0269】
表8で示された結果、特に青色チンダル像は、これらの組成物の各々がマイクロエマルジョンの形態であったことを示している。
【0270】
混合ペルオキシカルボン酸組成物の促進老化調査は、混合過酸組成物中のペルオキシオクタン酸が60℃にて7日で顕著な分解を受けたことを証明した。7日後に、3つのサンプルが、20、23、及び54%の分解を受けた。
【0271】
前記マイクロエマルジョン組成物は、不純物による分解に左右されなかった。例えば、組成物KK及びLLは、工業用のリン酸を含んでいながら、良好な安定性を示した。対照的に、リン酸がペルオキシカルボン酸の常用の製剤に使用されるべき場合には、許容できない分解を回避するために、高純度グレードが求められる。
【0272】
組成物A、B、C、D、及びEは、二相組成物であった。
【0273】
【表16】

【0274】
【表17】

【0275】
実施例3--中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む組成物のずり流動化粘度
本発明による組成物を、マイクロエマルジョンの特徴である有利なずり流動化粘度を持つことを評価し、そして証明した。
【0276】
材料と方法
当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物のいくつかを、LVT粘度計及びN2スピンドルを使った主軸回転速度の関数として粘度について評価した。前記組成物の温度は、室温(約75°F(約24℃))であった。
【0277】
結果
当該組成物の粘度の測定に関して得られた結果を、以下に表7で報告する。主軸回転速度の増加を伴う粘度の減少は、マイクロエマルジョンの特徴であるずり流動化を示す。試験した組成物の各々が、ずり流動化粘度を示した。
【0278】
【表18】

【0279】
【表19】

【0280】
【表20】

【0281】
結論
当該組成物のずり流動化粘度は、構造化組成物、例えばマイクロエマルジョンの特徴である。
【0282】
実施例4--中鎖ペルオキシカルボン酸及び可溶化剤を含む当該組成物の抗微生物性の効能
本発明による組成物を、微生物、例えばグラム陰性細菌、グラム陽性細菌、真菌、胞子、ウイルス、及びミコバクテリアに対する有利な抗微生物活性について評価し、そして証明した。
【0283】
材料と方法
抗微生物活性を、2つの十分に確立された方法に従って測定した。第1の方法は、Germicidal and Detergent Sanitizing Action of Disinfectants, Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists、第960.09節及び該当部分、第15版、1990年(EPAガイドライン 91-2)で述べられた手順であった。第2の方法は、A.O.A.C. Use Dilution Methods, Official Methods of Analysis of the Association of Official Analytical Chemists、第955.14節及び該当部分、第15版、1990年(EPAガイドライン 91-2)に記載された手順であった。要するに、標的微生物を含む1mLアリコートを所望の温度にて所望の濃度の試験物質99mLにさらすことによって、当該組成物の抗微生物活性を測定した。規定の接触時間の後に、前記微生物を含む試験液1mLを中和し、そして生き残った菌を数えた。
【0284】
ステンレス担体上で標的微生物を乾かし、そして上記担体を規定の接触時間、所望の温度にて所望の濃度の試験組成物10mLにさらすことによって、当該組成物の病院消毒の効能を測定した。その後、その担体を、中和物/継代培養培地に無菌的に移した。
【0285】
単純ヘルペス・ウイルス1型に対する抗ウイルス活性を、既知の手順によって測定した。手短に言えば:単純ヘルペス・ウイルス1型を、ガラス表面上で乾かした。ウイルスのフィルムを、室温で10分間、試験物質にさらした。その後、フィルムと試験物質の混合物を、ゲル濾過に供して、ウイルス粒子から小分子を分離した。回収したウイルスを、許容されるアッセイ方法によって感染力についてアッセイした。
【0286】
ポリオ・ウイルス1型に対する抗ウイルス活性を、既知の手順によって測定した。手短に言えば:ポリオ・ウイルス1型を、ガラス表面上で乾かした。ウイルスのフィルムを、室温で5分間、試験物質にさらした。その後、フィルムと試験物質の混合物を、ゲル濾過に供し、ウイルス粒子から小分子を分離した。回収したウイルスを、許容されるアッセイ方法によって感染力についてアッセイした。
【0287】
結果
表12〜21は、いくつかの異なるタイプの試験において細菌、真菌、及び胞子に対して試験した時に、当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物が抗微生物活性を有することを示すデータを含んでいる。
【0288】
表12で示されるデータは、当該組成物が希釈剤でpH4未満まで希釈された時に顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。前記組成物を希釈し、その後pHを4以下にした場合、効能はそれほど大きくなかった。これらの結果は、有意水準の酸味料を含む当該組成物が、特定の情況下、有利な活性を示したことを説明している。
【0289】
表13で示されるデータは、当該組成物がpH2.6〜3.5にて顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。これらの結果は、pH6.1にて、11ppmのペルオキシオクタン酸(POOA)が、>7.04の対数までのS.アウレウスの減少という点で、依然として有効であることを示している。表14で示されるデータは、希釈し、その後pHを4未満にした場合に、この組成物の効能がE.コリに対してそれほど大きくないことを証明している。
【0290】
表15で示されるデータは、当該組成物が顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。試験された全ての製剤が、500ppmの合成硬水中に希釈した時、0.069%にて30秒で>5のエシェリヒア・コリの対数減少を達成した。また、これらの組成物は、500ppmの合成硬水中に希釈した時、0.082%にて30秒でシュードモナス・アエルギノーサの完全な死滅(>7の対数減少)を達成した。1つの組成物におけるより高いpHとより低いppmの組み合わせが、より低い対数減少の原因となった可能性がある。
【0291】
表16で示されるデータは、当該組成物がいくつかの真菌及び細菌に対する顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。当該組成物は、低レベルの中鎖ペルオキシカルボン酸にて細菌及び真菌に対する広範囲の抗微生物活性を示した。これらの結果は、組成物106が組成物DDよりさらに有効であることを示している。組成物BBは、同じレベルのペルオキシカルボン酸にてA.ニガー(A. niger)及びP.アエルギノーサのより高い減少を達成した。
【0292】
表17で示されるデータは、当該組成物がいくつかの真菌及びいくつかの細菌に対する顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。
【0293】
表18で示されるデータは、当該組成物の1つ(KK)がE.コリO157:H7、S.ティフィムリウム、及びL.モノサイトゲネスに対して顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。この組成物は、30秒以内の露出時間で99.999%を超える減少を達成した。
【0294】
表19で示されるデータは、当該組成物が病院消毒試験においていくつかの細菌に対する顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。前記病院消毒試験は、その組成物がステンレス担体上の微生物の全てを死滅させたかどうかを計測する。10/10と一覧に記載されている組成物は、10個の各々の担体上の細菌の全てを死滅させた。同様に、60/60の結果は、組成物が60個の各々の担体上の細菌の全てを死滅させたことを示している。これらの結果は、抗微生物剤にとってより大きな難題を提起している。なぜなら、それが5%のウシ胎仔血清存在下での活性を必要とするからである。そのため、それは、当該組成物が血液汚れの存在下での病院殺菌剤として有効だったことを示している。
【0295】
表20で示されるデータは、当該組成物の1つが、常用の市販の抗微生物剤と比較した病院消毒試験において、いくつかの細菌に対して優れた抗微生物活性を示したことを証明している。前記病院消毒試験は、前記組成物が特定の担体上の微生物の全てを死滅させたかどうかを計測する。本発明による組成物、すなわちAA-Oは、60個の担体の中の59個での完全な死滅により病院消毒試験に合格した。(活性物質として過酸化水素を含む)常用の抗微生物剤は、試験に合格しなかった。それは、60個の担体の中の58個でしか完全な死滅を得なかった。これらの結果は、ウシ胎仔血清の存在下で、かつ、合成硬水中に希釈された時に、当該組成物は市販の病院殺菌剤よりもさらに有効であったことを示している。
【0296】
表21で示されるデータは、当該組成物が細菌胞子に対して顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。細菌胞子は死滅させるのが困難である。これらの結果は、高められた温度にて、短くなった接触時間での効果的な死滅で規定される当該組成物の有効性が高まったことを示している。
【0297】
表22で示されるデータは、当該組成物が、常用の過酸化物及びペルオキシカルボン酸抗微生物薬と比較して細菌胞子に対する優れた抗微生物活性を示したことを証明している。当該組成物は、同等以下の抗微生物活性物質濃度にてより大きな死滅をもたらした。これらの結果は、当該組成物が常用の抗微生物薬と比べて優れた抗微生物活性を示したことを示している。
【0298】
表23で示されるデータは、当該組成物がマイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)に対して効果的な抗微生物活性を示したことを証明している。当該組成物(B)は、6分ほどの短い曝露時間で、4ガロン(約15dm3)につき1オンス(約30cm3)及び6ガロン(約23dm3)につき1オンス(約30cm3)の希釈にてM.ボビスBCGの完全な死滅を提供した。これらの結果は、本発明の組成物が結核菌殺菌剤として利用されることができることを示している。
【0299】
単純ヘルペス・ウイルス1型に対する試験は、このウイルスの完全な死滅をもたらした。前記ウイルスを硬い表面上で乾かした。前記硬い表面上のウイルスを、6ガロン(約23dm3)につき1オンス(約30cm3)又は8ガロン(約30dm3)につき1オンス(約30cm3)で希釈した組成物Bと10分間、接触させた。どちらの希釈物も完全な死滅、つまりウイルスの5.3を超える対数減少をもたらした。ウイルス及び細胞は、適当な対照において生き残った。これらの結果は、当該組成物が効果的な抗ウイルス剤であることを示している。
【0300】
ポリオ・ウイルス1型に対する試験は、このウイルスのほぼ完全な死滅をもたらした。前記ウイルスを硬い表面上で乾かした。前記硬い表面上のウイルスを、1ガロン(約3.8dm3)につき1オンス(約30cm3)又は0.5ガロン(約1.9dm3)につき1オンス(約30cm3)で希釈した組成物LLと10分間、接触させた。1オンス(約30cm3)の1ガロン(約3.8dm3)への希釈物は、5つの異なる力価にてポリオ・ウイルスを完全に死滅させ、最も高い力価にてウイルスを死滅さることが無く、2番目及び3番目に高い力価にて不完全に死滅をもたらした。この希釈物は、ウイルス力価の1.5の対数減少を示した。1オンス(約30cm3)の0.5ガロン(約1.9dm3)への希釈物は、試験した全ての力価にてポリオ・ウイルスを完全に死滅させた。この希釈物は、ウイルス力価の>4の対数減少をもたらした。ウイルス及び細胞は、適当な対照において生き残った。これらの結果は、当該組成物が効果的な一般的な抗ウイルス剤であることを示している。
【0301】
表24で示されるデータは、当該組成物が組成物に加えられる合成中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物の抗微生物活性より優れた抗微生物活性を示したことを証明している。より良い効能は、Milli-Q水で作られたより低いpHの溶液で見られた。60ppmのサンプルは、30秒で5の対数減少をほぼ達成した。しかし、このデータは、試験液のpHが活性POOAのppmよりもさらに重要である可能性があることを示している。
【0302】
表25で示されるデータは、当該組成物が組成物に加えられる合成中鎖ペルオキシカルボン酸を含む組成物の抗微生物活性より優れた抗微生物活性を示したことを証明している。これらのデータは、どのような希釈剤を使用しても〜4.0のpH及び濃度>5ppmにてPOOAがエシェリヒア・コリに対してより高い活性を示すことをさらに示唆している。スタフィロコッカス・アウレウスに対して、POOAは、5ppmの濃度及び〜5のpHにて5の対数減少を達成した。どちらの生物に関してもMilli-Q水中で見られる減少と、軟水中で見られる減少の間に違いはなかった。
【0303】
【表21】

【0304】
【表22】

【0305】
【表23】

【0306】
【表24】

【0307】
【表25】

【0308】
【表26】

【0309】
【表27】

【0310】
【表28】

【0311】
【表29】

【0312】
【表30】

【0313】
【表31】

【0314】
【表32】

【0315】
【表33】

【0316】
【表34】

【0317】
実施例5--中鎖ペルオキシカルボン酸と可溶化剤を含む組成物
表26は、中鎖ペルオキシカルボン酸と可溶化剤を含む当該組成物の説明に役立つ追加の例を提供する。前記表中の分量はwt-%である。
【0318】
組成物AB〜AQの各々において:前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であり;前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸であり;前記担体は水であり;前記酸化剤は、(35%の溶液から供給される)過酸化水素であり;前記安定化剤は、(60wt-%のHEDPを含むDequest 2010として供給される)HEDPであり;そして前記酸味料は、(75%のリン酸として供給される)リン酸であった。組成物ACは、香料(1wt-%)、具体的にはミント・アップル香料を含んでいた。
【0319】
前記可溶化剤はこれらの組成物の間で多様であった。組成物AB〜AD、AH、AI、ANの各々において、前記可溶化剤はLAS酸であった。組成物AE及びAJにおいて、前記可溶化剤は、LAS酸に加えてn-オクチルアミンであった。組成物AGにおいて、前記可溶化剤は、LASに加えてC8ジメチルアミンであった。組成物AFにおいて、前記可溶化剤は、LAS酸に加えてC8ジメチルアミンであった。組成物AKにおいて、前記可溶化剤は、LAS酸に加えてアルキル化されたジフェニルオキシド・ジスルホナート(酸の形態)であった。組成物ALにおいて、前記可溶化剤は、アルキル化されたジフェニルオキシド・ジスルホナート(酸の形態)であった。組成物AMにおいて、前記可溶化剤は、LAS酸に加えてアルキル化されたジフェニルオキシドジスルホナート(酸の形態)及びC8アミンオキシドであった。組成物AOにおいて、前記可溶化剤は、ラウレス硫酸ナトリウム;試験した好適なラウレス硫酸ナトリウムは、n=1及び3のものを含む。組成物APにおいて、前記可溶化剤は、アルキル化されたジフェニルオキシド・ジスルホナート(塩の形態)であった。組成物AQにおいて、前記可溶化剤は、アルキル化されたジフェニルオキシド・ジスルホナート(塩の形態)に加えてNAS-FALであった。
【0320】
組成物AR〜AWの各々において:前記担体は水であり;前記酸化剤は、(35%の溶液から供給される)過酸化水素であり;前記安定化剤は、(60wt-%のHEDPを含むDequest 2010として供給される)HEDPであり;前記酸味料は、(75%のリン酸として供給される)リン酸であり、そして前記可溶化剤はLAS酸であった。
【0321】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸及び中鎖カルボン酸は、これらの組成物の間で多様であった。組成物ARにおいて、前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシノナン酸であり、そして前記中鎖カルボン酸は、ノナン酸(直鎖ノナン酸)であった。
【0322】
【表35】

【0323】
【表36】

【0324】
【表37】

【0325】
組成物AS〜AWにおいて、前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸及びペルオキシノナン酸であり、そして前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸及びノナン酸であって;((3つのペンダント・メチル基を持つ6炭素主鎖であると考えられる)イソノナン酸のような)ノナン酸は、AS〜AWについて、それぞれ、0.5、1、0.1、0.2、及び0.3wt-%にて存在した。
【0326】
組成物AX〜AZ及びBC〜BFの各々において:前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であり;前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸であり;前記担体は水であり;前記酸化剤は、(35%の溶液から供給される)過酸化水素であり;前記安定化剤は、(60wt-%のHEDPを含む、Dequest 2010として供給される)HEDPであり;そして前記酸味料は、(75%のリン酸として供給される)リン酸であった。
【0327】
前記可溶化剤は、これらの組成物の間で多様であった。組成物AXにおいて、前記可溶化剤は、LAS酸に加えてラウリル硫酸ナトリウムであった。組成物AYにおいて、前記可溶化剤は、LAS酸に加えてラウリル硫酸ナトリウム及びC8ジメチルアミンであった。組成物AZ及びBC〜BFにおいて、前記可溶化剤は、2級アルカンスルホナート(商品名Hostapur SASで販売されているスルホン化されたパラフィンの混合物)であった。
【0328】
組成物BG〜BKの各々において:前記中鎖ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシオクタン酸であり;前記中鎖カルボン酸は、オクタン酸であり;前記担体は水であり;前記酸化剤は、(35%の溶液から供給される)過酸化水素であり;前記安定化剤は、(60wt-%のHEDPを含む)Dequest 2010として供給される)HEDPであり;前記可溶化剤は、2級アルカンスルホナート(商品名、Hostapur SASで販売されているスルホン化されたパラフィンの混合物)に加えてNAS-FALであり;そして前記酸味料は硫酸であった。
【0329】
可溶化剤としてLAS、2級アルカンスルホナート、アルキル化されたジフェニルオキシドジスルホナート、又はラウリル硫酸ナトリウムを含む組成物は、発泡組成物であった。具体的には、組成物AB及びACが発泡組成物である。
【0330】
前記組成物のほとんどが相安定であった。特に:組成物AX及びAYは、60℃にて相安定であることが測定された。例えば、中鎖ペルオキシカルボン酸のwt-%が測定されなかったいくつかの(nd)組成物は、相安定ではなかった。すなわち、それらは、40°F(約4℃)、室温、100°F(約38℃)、又は140°F(60℃)の1つ以上(例えば、少なくとも1つ)にて規定の時間の後に1つ以上の相に分離した。
【0331】
当該実施例で報告されたペルオキシオクタン酸の濃度を、十分に確立された、そして標準化された滴定プロトコールによって測定した。まず、過酸化水素含量を、過マンガン酸カリウムによる酸化−還元滴定によって測定した。この滴定の終点に達した後に、過剰量のヨウ化カリウムを前記溶液に加えた。前記ヨウ化カリウムが、ペルオキシカルボン酸と反応して、ヨウ素を遊離する。遊離されたヨウ素を、チオ硫酸ナトリウムの標準液で滴定して、ペルオキシカルボン酸の濃度を得た。カルボン酸の残留レベルを、計算することができる(そして、計算した)。
【0332】
前記ペルオキシカルボン酸を、実験室において実際的であった処方後の時点で滴定した。例えば、サンプルを室温にて0日、2日間(BD)、又は3日間(AP、AU、及びAV)放置した後に、組成物AB、AD、AE、AF、AG、AH、AK、AL、AO、AP、AQ、AU、AV、AZ、BC、及びBDについてペルオキシカルボン酸を滴定した。例えば、サンプルを100°Fにて4日間(AC)又は7日間(BG〜BK)放置した後に、組成物AC及びBG〜BKについて前記ペルオキシカルボン酸を滴定した。例えば、サンプルを140°F(60℃)にて1日間(AI、AR、及びBE)又は4日間(AN及びBF)放置した後に、組成物AI、AN、AR、BE、及びBFについて前記ペルオキシカルボン酸を滴定した。
【0333】
組成物ABについて、140°F(60℃)にて7日間、上記組成物を老化させることによるペルオキシカルボン酸の分解は観察されなかった。組成物ACについて、100°Fにて34日間、上記組成物を老化させることによるペルオキシカルボン酸の分解は観察されなかった。また、他の組成物が、安定したペルオキシカルボン酸を含むことも観察された。
【0334】
当該実施例に利用されるオクタン酸は、Procter & Gamble Chemicalsを含めた供給源から得られて、そして少量のヘキサン酸(約2%)、デカン酸(約2%)、及びドデカン酸(<0.5%)と共に最低95%のオクタン酸を含む。
【0335】
香料
前記組成物の中には相安定性について、及び香料添加後の臭いについて評価された物がいくつかある。特に、組成物AB及びAGを評価した。評価される香料は、Green Meadow(Klabin);Vinegar Mask I(J&E Sozio);Vinegar Mask II(J&E Sozio);酢酸アミル;酢酸イソボルニル;及びサリチル酸メチルを含んでいた。
【0336】
組成物ACは、香料(1wt-%)、具体的には、アルキルサリチラートであるか又はそれを含むと考えられるミント・アップル香料を含んでいた。組成物ACは、40°F(約4℃)、室温、及び70°F(約21℃)にて単相のままである10wt-%のLASを含むように変更した。
【0337】
発泡
表27の結果は、当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物が所望の品質の泡を作り出したことを示す。この研究は、わずかに湿った泡を作り出すように、つまり中間点から2回転に設定した「FOAM IT」ブランドのタンク・フォーマーを利用した。前記泡を、95〜98°F(約35〜37℃)にて使用組成物から分注した。前記泡を、約10フィート(約3m)の距離から垂直なステンレス表面(約15フィート×15フィート(約5m×5m))にスプレーした。表27の結果は、当該組成物が所望のハング・タイム及び密度を有する泡を提供したことを証明している。前記組成物の各々は、1オンス/6ガロン(約30cm3/約23dm3)で試験され、そして、例えば、その泡の崩壊を約5分間見ることができる、その泡が、垂直な表面からよくはける、垂直な表面への良好なシーティング・ダウン(sheeting down)を示す、及び目に見える残留物なしに均一に乾くといった所望の特徴を有する泡を提供した。
【0338】
実施例6--中鎖ペルオキシカルボン酸と可溶化剤を含む当該成物の抗微生物効果
本発明による追加の組成物を、微生物、例えばグラム陰性細菌、グラム陽性細菌、真菌、胞子、ウイルス、及びミコバクテリアに対する有利な抗微生物活性について評価し、そして証明した。
【0339】
【表38】

【0340】
材料と方法
抗微生物活性を、実施例4で先に記載されるように測定した。
【0341】
結果
表27〜28は、当該中鎖ペルオキシカルボン酸組成物がいくつかの異なるタイプの試験において細菌、真菌、及び胞子に対して試験した時に抗微生物活性を持っていたことを示すデータを含む。
【0342】
表28で示されるデータは、当該組成物が顕著な抗微生物活性を示したことを証明している。試験1は、室温での組成物ABに対する微生物の5分間の曝露を含んでいた。試験1における微生物は、E.アエロゲネス(E. aerogenes)ATCC13048及びS.アウレウスATCC6538を含んでいた。試験2は、室温での組成物ABに対する微生物の30秒の曝露を含んでいた。試験2における微生物は、S.アウレウスATCC6538、E.コリATCC11229、及びP.アエルギノーサATCC13442を含んでいた。
【0343】
表29で示されるデータは、本発明による組成物の殺胞子活性を証明している。
【0344】
ポリオ・ウイルス1型に対する試験は、このウイルスの完全な死滅に終わった。ウイルスを、硬い表面上で乾かした。前記硬い表面上のウイルスを、1ガロン(約4dm3)につき1オンス(約30cm3)又は0.5ガロン(約2dm3)につき1オンス(約30cm3)で希釈した組成物AGと10分間、接触させた。組成物AGは、20℃にて3分又は5分の曝露のいずれの後でもポリオ・ウイルス1型の完璧な不活化を証明した。前記組成物は、3及び5分のそれぞれにおいて>6及び>5.3の対数減少を実現した。ウイルス及び細胞は、適当な対照において生き残った。これらの結果は、当該組成物が効果的な一般的な抗ウイルス剤であることを示している。
【0345】
香料を含んだ組成物は、その香料由来の抗微生物性の効能へのマイナス効果を示さなかった。いくつかの追加の組成物が、抗微生物活性について試験され、そしてこの実施例で報告された結果と同様の結果が示された。
【0346】
【表39】

【0347】
【表40】

【0348】
注目すべきは、本願明細書及び添付される請求項において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」が、別段のはっきりと指示する内容のない限り、複数の指示物を含むことである。よって、例えば、「a compound」を含む組成物への言及は、2つ以上の化合物から成る混合物を含む。同様に、注意すべきは、用語「or」は、別段のはっきりと指示する内容のない限り、「and/or」を含めたその意味で一般に利用されることである。
【0349】
本願明細書中の全ての刊行物及び特許出願書は、本願発明に関連する技術分野の当業者のレベルを示す。
【0350】
本発明は、様々な具体的な、好ましい態様及び技術に関して記載された。しかし、当然のことながら、本発明の精神及び範囲の中に留まりながら、多くの変更及び修飾が行なわれうる。
【図面の簡単な説明】
【0351】
【図1】炭酸飲料又は無炭酸飲料を調合し、そしてボトル詰めすることができる低温無菌充填工場を含めた飲料工場の図解である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.5〜約5wt-%のペルオキシオクタン酸;
約1〜約10wt-%のオクタン酸;
約5〜約97wt-%の水;
約1〜約20wt-%の陰イオン性界面活性剤;
約5〜約10wt-%の酸化剤;
約15〜約35wt-%の無機酸;及び
約1〜約5wt-%の金属イオン封鎖剤、
を含んで成る、マイクロエマルジョンを形成する組成物。
【請求項2】
約15〜約80wt-%の水;及び
約3〜約20wt-%の陰イオン性界面活性剤、
を含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約30〜約70wt-%の水;及び
約4〜約20wt-%の陰イオン性界面活性剤、
を含んで成る、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
7重量部のオクタン酸に対して少なくとも約2重量部のペルオキシオクタン酸を含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種類の短鎖カルボン酸及び短鎖ペルオキシカルボン酸をさらに含んで成り;そして
8重量部の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物に対して少なくとも約1重量部のペルオキシオクタン酸を含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記酸化剤が過酸化水素を含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記無機酸が、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、及び硝酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記金属イオン封鎖剤がHEDPを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
60℃にて1週間後に、中鎖ペルオキシカルボン酸の濃度が、保存1日目のレベルの約80%より高い、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
約0.0005〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
約0.001〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;
約0.001〜約99.99wt-%の担体;及び
約0.001〜約80wt-%の、上記中鎖ペルオキシカルボン酸及び上記中鎖カルボン酸を可溶化するのに有効な可溶化剤、
を含んで成り;
7重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、マイクロエマルジョンを形成する組成物。
【請求項11】
約0.5〜約5wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;
約1〜約98wt-%の担体;及び
約1〜約80wt-%の可溶化剤、
を含んで成り;
上記可溶化剤が、ポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、アルコキシル化界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び両性イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記可溶化剤が、ポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、及び非イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成り;
組成物が:
約2〜約60wt-%の担体;及び
約10〜約70wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記可溶化剤が、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成り;
組成物が:
約30〜約70wt-%の担体;及び
約2〜約20wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸;
約5〜約2000ppmの中鎖カルボン酸;
約95〜約99.99wt-%の担体;及び
約2〜約23,000ppmの可溶化剤、
を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
4重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項16】
3重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシペンタン酸、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、及びペルオキシドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項18】
前記中鎖カルボン酸が、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項19】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、C6〜C12ペルオキシカルボン酸を含み;そして前記中鎖カルボン酸が、C6〜C12カルボン酸を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項20】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、及びペルオキシドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記中鎖カルボン酸が、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、C7〜C12ペルオキシカルボン酸を含み;そして前記中鎖カルボン酸が、C7〜C12カルボン酸を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項23】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、及びペルオキシドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記中鎖カルボン酸が、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、C6〜C10ペルオキシカルボン酸を含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、C6〜C10カルボン酸を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項26】
前記C6〜C10ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記C6〜C10カルボン酸が、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、オクタン酸及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項29】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項30】
前記中鎖カルボン酸が、オクタン酸及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項31】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項32】
前記中鎖カルボン酸が、オクタン酸を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項33】
前記可溶化剤が、ポリアルキレンオキシド、キャップしたポリアルキレンオキシド、及び非イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項34】
前記可溶化剤が、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールのモノメチルエーテル、及びポリエチレングリコールのジメチルエーテルの中の少なくとも1つを含んで成る、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記可溶化剤が非イオン性界面活性剤を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項36】
前記非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化界面活性剤及びアミンオキシド界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記アルコキシル化界面活性剤が、EO/POコポリマー、キャップしたEO/POコポリマー、アルコール・アルコキシラート、及びキャップしたアルコール・アルコキシラートの中の少なくとも1つを含んで成る、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記可溶化剤が陰イオン性界面活性剤を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項39】
前記陰イオン性界面活性剤が、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸、2級アルカンスルホン酸塩、アルキル化されたジフェニルオキシドジスルホン酸塩、及びアルキルエーテル硫酸エステル塩の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
非イオン性界面活性剤及び半極性非イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つをさらに含んで成る、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記可溶化剤が、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び両性イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項42】
短鎖カルボン酸及び短鎖ペルオキシカルボン酸の中の少なくとも1つをさらに含んで成り;そして
8重量部の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物に対して約1重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項43】
短鎖カルボン酸及び短鎖ペルオキシカルボン酸の中の少なくとも1つをさらに含んで成り;そして
不快臭を引き起こすのに不十分なレベルの短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物しか含まない、請求項10に記載の組成物。
【請求項44】
追加の短鎖カルボン酸及び追加の短鎖ペルオキシカルボン酸の中の少なくとも1つを実質的に含まない、請求項10に記載の組成物。
【請求項45】
酸化剤、無機酸、及び安定化剤の中の少なくとも1つをさらに含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項46】
前記酸化剤が、オゾン、過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、及び過ケイ酸塩の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記酸味料が、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項48】
前記安定化剤が、ホスホン酸、重合ポリカルボキシラート、及びアミノカルボン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項49】
抗微生物性溶媒、追加の抗微生物剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、発泡剤、固化剤、及び美観向上剤の中の少なくとも1つをさらに含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項50】
酸化剤を含んで成り;そして
その酸化剤が過酸化水素を含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項51】
約2〜約30wt-%の酸化剤を含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項52】
無機酸を含んで成り;そして
その無機酸が、硫酸、硝酸、リン酸、及びメタンスルホン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項53】
約1〜約50wt-%の無機酸を含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項54】
金属イオン封鎖剤を含んで成り;そして
その金属イオン封鎖剤がHEDPを含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項55】
約0.5〜約50wt-%の安定化剤を含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項56】
約2〜約30wt-%の酸化剤;
約1〜約50wt-%の無機酸;及び
約0.5〜約50wt-%の安定化剤、
を含んで成る、請求項45に記載の組成物。
【請求項57】
約0.5〜約4wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
約2〜約6wt-%の中鎖カルボン酸;
約10〜約80wt-%の担体;及び
約3〜約65wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項58】
約1〜約3wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
約2.5〜約5wt-%の中鎖カルボン酸;
約20〜約70wt-%の担体;及び
約5〜約60wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
約5〜約50wt-%の担体;及び
約10〜約65wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項12に記載の組成物。
【請求項60】
約20〜約40wt-%の担体;及び
約20〜約60wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
約15〜約70wt-%の担体;及び
約3〜約15wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項13に記載の組成物。
【請求項62】
約30〜約75wt-%の担体;及び
約4〜約10wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
約4未満のpHを持つ、請求項10に記載の組成物。
【請求項64】
4未満のpKaを持つ有機酸をさらに含んで成る、請求項10に記載の組成物。
【請求項65】
前記4未満のpKaを持つ有機酸が、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロパン酸、及びヒドロキシ酪酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
60℃にて1週間後に、中鎖ペルオキシカルボン酸の濃度が、保存1日目のレベルの約80%より高い、請求項10に記載の組成物。
【請求項67】
約0.3〜約7wt-%の中鎖ペルオキシカルボン酸;
約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;
約5〜約97wt-%の担体;及び
約1〜約25wt-%のマイクロエマルジョン・フォーマー、
を含んで成る、マイクロエマルジョンを形成する組成物。
【請求項68】
前記マイクロエマルジョン・フォーマーが陰イオン性界面活性剤を含んで成り;そして
約15〜約70wt-%の担体;及び
約3〜約15wt-%の陰イオン性界面活性剤、
を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項69】
約30〜約75wt-%の担体:及び
約4〜約10wt-%の陰イオン性界面活性剤、
を含んで成る、請求項68に記載の組成物。
【請求項70】
青色チンダル像及びずり流動化粘度を示す、請求項67に記載の組成物。
【請求項71】
7重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項72】
4重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
3重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、請求項72に記載の組成物。
【請求項74】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、及びペルオキシドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項75】
前記中鎖カルボン酸が、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項76】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、C7〜C12ペルオキシカルボン酸を含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、C7〜C12カルボン酸を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項77】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、及びペルオキシドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
前記中鎖カルボン酸が、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項76に記載の組成物。
【請求項79】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、C6〜C10ペルオキシカルボン酸を含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、C6〜C10カルボン酸を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項80】
前記C6〜C10ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項79に記載の組成物。
【請求項81】
前記C6〜C10カルボン酸が、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項79に記載の組成物。
【請求項82】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、オクタン酸及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項83】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項84】
前記中鎖カルボン酸が、オクタン酸及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項85】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸がペルオキシオクタン酸を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項86】
前記中鎖カルボン酸がオクタン酸を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項87】
前記マイクロエマルジョン形成界面活性剤が、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項88】
前記陰イオン性界面活性剤が、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸、2級アルカンスルホン酸塩、アルキル化されたジフェニルオキシドジスルホン酸塩、及びアルキルエーテル硫酸エステル塩の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項87に記載の組成物。
【請求項89】
非イオン性界面活性剤及び半極性非イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つをさらに含んで成る、請求項87に記載の組成物。
【請求項90】
前記マイクロエマルジョン・フォーマーが、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び両性イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項91】
短鎖カルボン酸及び短鎖ペルオキシカルボン酸の中の少なくとも1つをさらに含んで成り;そして
8重両部の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物に対して約1重量部以上の中鎖ペルオキシカルボン酸を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項92】
短鎖カルボン酸及び短鎖ペルオキシカルボン酸の中の少なくとも1つをさらに含んで成り;そして
不快臭を引き起こすのに不十分なレベルで短鎖カルボン酸及び短鎖ペルオキシカルボン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項93】
追加の短鎖カルボン酸及び追加の短鎖ペルオキシカルボン酸の中の少なくとも1つを実質的に含まない、請求項67に記載の組成物。
【請求項94】
酸化剤、無機酸、及び安定化剤の中の少なくとも1つをさらに含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項95】
前記酸化剤が、オゾン、過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、及び過ケイ酸塩の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項96】
前記酸味料が、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びベンゼンスルホン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項97】
前記安定化剤が、ホスホン酸、重合ポリカルボキシラート、及びアミノカルボン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項98】
抗微生物性溶媒、追加の抗微生物剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、発泡剤、固化剤、及び美観向上剤の中の少なくとも1つをさらに含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項99】
酸化剤を含んで成り;
その酸化剤が過酸化水素を含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項100】
約2〜約30wt-%の酸化剤を含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項101】
無機酸を含んで成り;そして
その無機酸が、硫酸、リン酸、及びメタンスルホン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項102】
約1〜約50wt-%の無機酸を含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項103】
金属イオン封鎖剤を含んで成り;そして
その金属イオン封鎖剤がHEDPを含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項104】
約1〜約50wt-%の安定化剤を含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項105】
約2〜約30wt-%の酸化剤;
約1〜約50wt-%の無機酸;及び
約0.5〜約50wt-%の安定化剤、
を含んで成る、請求項94に記載の組成物。
【請求項106】
約15〜約70wt-%の担体;及び
約3〜約15wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項107】
約30〜約75wt-%の担体;及び
約4〜約10wt-%の可溶化剤、
を含んで成る、請求項106に記載の組成物。
【請求項108】
約4未満のpHを持つ、請求項67に記載の組成物。
【請求項109】
4未満のpKaを持つ有機酸をさらに含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項110】
前記4未満のpKaを持つ有機酸が、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロパン酸、及びヒドロキシ酪酸の少なくとも1つを含んで成る、請求項67に記載の組成物。
【請求項111】
60℃にて1週間後に、中鎖ペルオキシカルボン酸の濃度が、保存1日目のレベルの約80%より高い、請求項67に記載の組成物。
【請求項112】
約1〜約10wt-%の中鎖カルボン酸;
約5〜約97wt-%の担体;
約2〜約30wt-%の酸化剤;及び
約1〜約25wt-%のマイクロエマルジョン・フォーマー、
を混ぜ合わせるステップ;
マイクロエマルジョンを形成するステップ;及び
約24時間以内に20%以上の上記中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換するステップ、
を含む中鎖ペルオキシカルボン酸組成物の製造方法。
【請求項113】
前記マイクロエマルジョン・フォーマーが、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
約24時間以内に約25%以上の前記中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換するステップを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
約24時間以内に約30%以上の前記中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換するステップを含んで成る、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
約24時間以内に約35%以上の前記中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換するステップを含んで成る、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
約24時間以内に約40%の前記中鎖カルボン酸を中鎖ペルオキシカルボン酸に変換するステップを含んで成る、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記混合物に、1重量部の中鎖カルボン酸に対して約2重量部以下の短鎖カルボン酸、短鎖ペルオキシカルボン酸、又はその混合物しか加えないステップをさらに含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項119】
前記混合ステップが、無機酸、安定化剤、又はその混合物を混合するステップをさらに含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項120】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、及びペルオキシドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項121】
前記中鎖カルボン酸が、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項122】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、C7〜C12ペルオキシカルボン酸を含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、C7〜C12カルボン酸を含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項123】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、ペルオキシウンデカン酸、及びペルオキシドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記中鎖カルボン酸が、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、C8〜C10ペルオキシカルボン酸を含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、C8〜C10カルボン酸を含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項126】
前記C8〜C10ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記C8〜C10カルボン酸が、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成り;そして前記中鎖カルボン酸が、オクタン酸及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項129】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸が、ペルオキシオクタン酸及びペルオキシデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項130】
前記中鎖カルボン酸が、オクタン酸及びデカン酸の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項131】
前記中鎖ペルオキシカルボン酸がペルオキシオクタン酸を含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項132】
前記中鎖カルボン酸がオクタン酸を含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項133】
前記陰イオン性界面活性剤が、ノルマルアルキルスルホン酸塩を含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項134】
前記マイクロエマルジョン・フォーマーが、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び両性イオン性界面活性剤の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項112に記載の方法。
【請求項135】
対象物上の微生物の個体数を減少させる方法であって:
上記対象物を、
約2〜約500ppmの中鎖ペルオキシカルボン酸;
約5〜約2,000ppmの中鎖カルボン酸;
約95〜約99.99wt-%の担体;及び
約2〜約4,000ppmのマイクロエマルジョン・フォーマー、
を含む中鎖ペルオキシカルボン酸組成物と接触させるステップ、
を含む前記方法。
【請求項136】
前記対象物が、食品、食品加工に関する表面、ヘルスケアに関する表面、植物製品、水域又は水の流れ、気体域又は気体の流れ、接客部門に関する表面、工業部門に関する表面、農業に関する表面、及び獣医学に関する表面の少なくとも1つを含んで成る、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記対象物が硬い表面を含んで成る、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記対象物が空気の流れを含んで成る、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記対象物が、エラストマー、プラスチック、織物下地、及び不織布下地の中の少なくとも1つを含んで成る、請求項135に記載の方法。
【請求項140】
前記接触ステップが、前記組成物をスプレーするステップ、前記対象物を前記組成物中に浸すステップ、及び前記対象物を前記組成物で泡処理又はゲル処理するステップの中の少なくとも1つを含んで成る、請求項135に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−520479(P2007−520479A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549351(P2006−549351)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/000151
【国際公開番号】WO2005/070205
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】