説明

中間体としてのスピロエポキシド

本発明は、式(I)(式中、置換基は、請求項1において定義される通りである)の化合物を提供する。化合物は、除草活性4−フェニル−3,5−ピランジオン、4−フェニル−3,5−チオピランジオンおよび6−フェニルシクロヘキサン−1,3,5−トリオンの調製における好適な中間体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
新規化合物
本発明は、新規化合物、その調製、ならびに除草活性置換4−フェニル−3,5−ピランジオン、4−フェニル−3,5−チオピランジオンおよび6−フェニルシクロヘキサン−1,3,5−トリオンの調製における中間体としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
除草活性を有する4−フェニル−3,5−ピランジオン、4−フェニル−3,5−チオピランジオンおよび6−フェニルシクロヘキサン−1,3,5−トリオン、ならびにこれらの化合物の調製のためのプロセスは、例えば、WO08/071405に記載されている。
【発明の概要】
【0003】
現在、ある特定の置換エポキシケトンが、そのような除草活性ジオンおよびトリオンを調製するためのプロセスにおける重要な中間体として使用可能であることが発見されている。これらは現在、高収率で、既知のプロセスに勝る大きな利点とともに得ることができる。
【0004】
したがって、本発明は、式I
【化1】

(式中、
1は、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルであり、
2は、水素、ハロゲン、メチルスルホニルオキシ、C1−C4ハロアルキルスルホニルオキシ、p−トリルスルホニルオキシ、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、
rは、0、1、2または3であり、
3は、rが1である場合、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、シアノもしくはニトロであり;または、置換基R3は、rが2もしくは3である場合、互いに独立して、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、シアノもしくはニトロであり、
Yは、O、S、SO、SO2またはCOであり、
4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルキルチオC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルフィニルC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルホニルC1−C4アルキル、シクロプロピルあるいはC1−もしくはC2アルキル、C1−もしくはC2ハロアルキルまたはハロゲンで置換されたシクロプロピル;シクロブチルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたシクロブチル;オキセタニルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたオキセタニル;C5−C7シクロアルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキル(シクロアルキル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);C4−C7シクロアルケニルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC4−C7シクロアルケニル(シクロアルケニル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);シクロプロピルC1−C5アルキルあるいはC1−もしくはC2アルキル、C1−もしくはC2ハロアルキルまたはハロゲンで置換されたシクロプロピルC1−C5アルキル;シクロブチルC1−C5アルキルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたシクロブチルC1−C5アルキル;オキセタニルC1−C5アルキルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたオキセタニルC1−C5アルキル;C5−C7シクロアルキルC1−C5アルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキルC1−C5アルキル(シクロアルキル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);C4−C7シクロアルケニルC1−C5アルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC4−C7シクロアルケニルC1−C5アルキル(シクロアルケニル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);フェニルまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたフェニル;ベンジルまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたベンジル;ヘテロアリールまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたヘテロアリールであり;あるいは、
4およびR5、またはR6およびR7は、結合して、メチレン基が酸素もしくは硫黄原子で任意選択で置き換えられた5〜7員飽和もしくは不飽和環、または、環のメチレン基が酸素もしくは硫黄原子で任意選択で置き換えられた、C1−もしくはC2アルキルで置換された5〜7員飽和もしくは不飽和環を形成し;あるいは、
4およびR7は、結合して、C1−もしくはC2アルキル、C1−もしくはC2アルコキシ、C1−もしくはC2アルコキシC1−もしくはC2アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、フェニルまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたフェニル;ヘテロアリールまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたヘテロアリールで置換されていない、または置換された5−7員飽和もしくは不飽和環を形成する)の化合物に関連する。
【0005】
本発明はまた、式Iの化合物の調製のための新規プロセスに関する。
【0006】
本発明は、さらに、式Iの化合物を中間体として使用した、以下に示す式(A)の4−フェニル−3,5−ピランジオン、4−フェニル−3,5−チオピランジオンおよび6−フェニルシクロヘキサン−1,3,5−トリオンの調製のためのプロセスに関する。
【0007】
式Iの化合物の置換基の定義において、1個から6個の炭素原子を有する、アルコキシ、アルキルチオ等のアルキル置換基および(ハロ)アルキル部分は、好ましくは、その直線および分岐状異性体の形態のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルである。好適なシクロアルキル基は、3個から7個の炭素原子を含有し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが好ましい。好適なシクロアルケン基は、4個から7個の炭素原子を含有し、3つまでの二重結合を含有する。好ましいハロゲンは、フッ素、塩素および臭素である。アリールの好ましい例は、フェニルおよびナフチルである。ヘテロアリールの好ましい例は、チエニル、フリル、ピロリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキセタニル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびピリダジニル、ならびに、適切な場合には、N−オキシドおよびその塩である。これらのアリールおよびヘテロアリールは、1つ以上の置換基で置換されていてもよく、好ましい置換基は、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4ハロアルキルチオ、C1−C4ハロアルキルスルフィニル、C1−C4ハロアルキルスルホニル、ニトロまたはシアノである。
【0008】
式Iの化合物の好ましい群において、R1は、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C3−C6シクロアルキルまたはC1−C4−ハロアルコキシである。
【0009】
式Iの化合物の別の好ましい群において、R2は、ハロゲン、アリールもしくはヘテロアリール;または共にハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、フェノキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4ハロアルキルチオ、C1−C4ハロアルキルスルフィニル、C1−C4ハロアルキルスルホニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4アルキルスルホニルオキシ、C1−C4ハロアルキルスルホニルオキシ、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルキルチオC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルフィニルC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルホニルC1−C4アルキル、ニトロ、シアノ、チオシアナト、ヒドロキシ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、C3−C6シクロアルキルアミノ、モルホリノ、チオモルホリノ、C1−C6アルキルカルボニルアミノ、C1−C6アルコキシカルボニルアミノ、C3−C6アルケニルオキシカルボニルアミノ、C3−C6アルキニルオキシカルボニルアミノ、C1−C6アルキルアミノカルボニルアミノ、ジ(C16アルキル)アミノカルボニルアミノ、ホルミル、C1−C6アルキル−カルボニル、C2−C6アルケニルカルボニル、C2−C6アルキニルカルボニル、カルボキシ、C1−C6アルコキシカルボニル、C3−C6アルケニルオキシカルボニル、C3−C6アルキニルオキシカルボニル、カルボキシアミド、C1−C6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニル、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニルオキシもしくはC1−C6アルキルチオカルボニルアミノで置換されたアリールもしくはヘテロアリールである。
【0010】
好ましくは、式Iの化合物中のR2は、ハロゲン、アリールもしくはヘテロアリール;または共にハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェノキシ、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4ハロアルキルチオ、C1−C4ハロアルキルスルフィニル、C1−C4ハロアルキルスルホニル、ニトロもしくはシアノで置換されたアリールもしくはヘテロアリールである。
【0011】
より好ましくは、R2は、フェニル、チエニル、フリル、ピロリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリル、ならびにN−オキシドおよびその塩であり、これらの環は、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4ハロアルキルチオ、C1−C4ハロアルキルスルフィニル、C1−C4ハロアルキルスルホニル、ニトロまたはシアノで置換されていない、または置換されている。
【0012】
式Iのさらにより好ましい化合物において、R2は、フェニルもしくはピリジル、または共にハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C2アルキル、C1−C2ハロアルキル、C1−C2アルコキシもしくはC1−C2ハロアルコキシで置換されたフェニルもしくはピリジルである。
【0013】
化合物の特に好ましい群において、R2は、パラ位でハロゲン(特に塩素)で置換されたフェニルであり、さらに任意選択でハロゲン、ニトロ、C1−C2アルキル、C1−C2ハロアルキル、C1−C2アルコキシまたはC1−C2ハロアルコキシで置換されている。
【0014】
好ましくは、R3は、水素(rは0)またはC1−C6アルキル、特に水素である。
【0015】
好ましくは、R3は、rが1である場合、C1−C3アルキルである。
【0016】
式中、R4、R5、R6およびR7が、互いに独立して、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルキルチオC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルフィニルC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルホニルC1−C4アルキル;C5−C7シクロアルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキル(メチレン基が酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);C5−C7シクロアルキルC1−C5アルキルあるいはC1−C2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキルC1−C5アルキル(メチレン基が酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている)である式Iの化合物が好ましい。
【0017】
より好ましくは、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、C1−C2アルキル、C1−C2ハロアルキルまたはC1−C2アルコキシC1−C2アルキルである。
【0018】
式(I)の化合物の好ましい群において、R1は、エチル、メチルまたはシクロプロピルであり、R2は、フェニルまたはハロゲンもしくはC1−C2アルキルで置換されたフェニルであり、R3は、水素であり、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、C1−C2アルキルである。
【0019】
式(I)の化合物の別の好ましい群において、R1は、メチル、エチル、シクロプロピル、n−プロピル、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルであり、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、メチルおよびエチルであり、R2は、ハロゲン、ハロゲンで置換されたフェニル、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4ハロアルコキシまたはC1−C4アルコキシであり、R3は、水素であり、Yは、酸素であり、
より好ましくは、R1は、エチルまたはシクロプロピルであり、R4、R5、R6およびR7は、メチルであり、R2は、フッ素、塩素、メトキシまたはメチルにより1回または2回置換されたフェニルであり、R3は、水素であり、Yは、酸素であり、
最も好ましくは、R1は、エチルであり、R4、R5、R6およびR7は、メチルであり、R2は、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニルおよび2−フルオロ−4−クロロフェニルであり、R3は、水素であり、Yは、酸素である。
【0020】
式(I)の化合物の別の好ましい群において、R1は、エチル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシフルオロ、臭素またはヨウ素であり、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素またはメチルであり、R2は、臭素、4−クロロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、2,4−ジ−クロロフェニルであり、R3は、水素であり、Yは、Oであり、
より好ましくは、R1は、エチル、シクロプロピルであり、R4、R5、R6およびR7は、メチルであり、R2は、臭素、4−クロロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニルまたは2,4−ジ−クロロフェニルであり、R3は、Hであり、Yは、Oである。
【0021】
ここで、驚くべきことに、本発明のさらなる態様において、式Iの化合物は、酸の存在下で、以下の式(A)の4−フェニル−3,5−ピランジオン、4−フェニル−3,5−チオ−ピランジオンおよび6−フェニルシクロヘキサン−1,3,5−トリオンに容易に変換され得ることが判明した。
【0022】
反応スキーム1
【化2】

式中、Y、R1、R2、R3、r、R4、R5、R6およびR7は、上で定義される通りである。
【0023】
好適な酸は、鉱酸および有機酸等のブレンステッド酸、例えば硫酸、塩酸、塩化水素、p−トルエンスルホン酸、酢酸およびギ酸等、ならびにルイス酸、例えば三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ(IV)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、過塩素酸リチウム等の金属ハロゲン化物、さらにスカンジウムトリフレートおよびイッテルビウムトリフレート等の金属トリフレート等を含む。そのような酸の混合物もまた使用することができる。式(I)の化合物から式(A)の化合物への変換は、セミピナコール転位の一例と考えることができる(例えば、M.Paulson,M.Daliya and C.Asokan,Synth.Commun.(2007),37(5),661−665;S.Sankararaman and J.Nesakumar,J.Chem.SOC,Perkin Trans.1,(1999),(21),3173−3175;K.Rehse and R.Bienfait,Archiv der Pharmazie,(1984),317(5),385−93;H.Kamath,A.Sahasrabudhe,B.Bapat and S.Kulkarni,Indian J.Chem.,Section B: (1981),20B(12),1094−6;G.Buchanan and D.Jhaveri,J.Org.Chem.(1961),26 4295−9;およびH.House,Richard L.Wasson,J.Am.Chem.Soc.,(1956),78,4394−400を参照されたい)が、そのような転位は、(I)型の化合物に関しては未知である。本発明のプロセスにおいて有用な反応条件は、上述の文献に記載されているものと同様であるか、または当業者により導出され得る。好適な溶媒は、使用される酸に適合するように選択されるものであり、塩素化炭化水素、アルコール、エーテル、芳香族化合物および有機酸、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸、ギ酸、トルエン、ベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびテトラヒドロフランを含む。溶媒の混合物もまた使用することができる。好ましくは、反応は、ジクロロエタン中の濃硫酸を使用して行われる。好ましい反応温度は、約−50℃から83℃、さらにより好ましくは、−50℃から40度の範囲内である。追加的な好ましい反応条件は、0℃から60℃の温度範囲での、酸として0.1〜100mol%のイットリウムと組み合わせた過塩素酸リチウム溶液の使用である。
【0024】
本発明のプロセスは、以下の点で上述の技術より優れている:
(a)出発材料の容易な利用可能性、
(b)短い反応シーケンス、
(c)毒性の高い試薬の回避、
(d)反応物質の高い体積濃度(最大20%まで実証、例P1ステップ4)、
(e)出発化合物としての、広範に(特に2位および5位において)置換されたフェニル誘導体、
(f)概して高い生成物収率、ならびに
(g)除草特性を示すことが知られている式(A)の4−フェニル−3,5−ピランジオン、4−フェニル−3,5−チオピランジオンおよび6−フェニルシクロヘキサン−1,3,5−トリオンの調製のための、連続反応手順の部分的ステップとしてプロセスを使用することができることから得られる、経済的および環境上の利点。
【0025】
従って、本発明の調製プロセスは、式(A)のジオンおよびトリオンのコスト効率の良い大量調製に、特に好適である。
【0026】
式(I)の化合物(これは本発明の別の態様である)は、以下の反応スキームに示されるように、式(B)の化合物のエポキシ化により得ることができる。
【化3】

式中、Y、R1、R2、R3、r、R4、R5、R6およびR7は、上で定義される通りである。式(B)の化合物は新規であり、特に式(I)の化合物の合成のための中間体として設計されており、本発明の別の態様を形成する。
【0027】
エポキシ化は、任意選択で好適な塩基(例えば、アルカリ金属水酸化物もしくは炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物もしくは炭酸塩、または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデカ−7−エン)と組み合わせて、任意選択で好適な溶媒(例えば、アルコール、ハロゲン化炭化水素または芳香族化合物、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタンまたはトルエン)中で、また好適な温度で、有機過酸化物または金属過塩素酸塩、例えばジメチルジオキシラン、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、tert−ブチルペルオキシドまたはトリフルオロ過酢酸等の好適な酸化剤により、式(B)の化合物を処理することにより達成され得る。反応はまた、相間移動試薬もまた典型的に0.001〜50mol%で使用される二相性条件下で行うことができる。相間移動試薬は、好ましくは、第4級アンモニウム塩、クラウンエーテル、ポリエチレングリコール、またはホスホニウム塩であり、好適な温度である。同様の反応は、文献中に知られている(例えば、I.K.Korobitsyna,O.P.Studzinskii,The Russian Journal of Organic Chemistry(1969),5(8),1493−5;A.Halasz,Z.Jambor,A.Levai,C.Nemes,T.Patonay and G.Toth,J.Chem.Soc,Perkin Trans. 1,(1996),(4),395−400;N.Yousif,F.Gad,A.Fahmy,M.Amine and H.Sayed,Phosphorus,Sulfur and Silicon and the Related Elements(1996),117,11−19;T.Ooi,D.Ohara,M.Tamura and K.Maruoka,J.Am.Chem.Soc.,(2004),126(22),6844−6845;A.Amr,H.Hayam and M.Abdulla,Archiv der Pharmazie,(2005),338(9),433−440;K.Drauz,S.M.Roberts,T.Geller and A.Dhanda,US6538105 B1;およびL.S.Chagonda and B.A.Marples,J.Chem.Soc.Perkin 1,1988,875−879を参照されたい)。酸化剤、塩基、および溶媒の混合物もまた使用することができる。好ましくは、エポキシ化は、メタノール中、−10℃から60℃の温度で、過酸化水素および金属水酸化物(特に水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム)を使用して行われる。
【0028】
式(B)の化合物は、好適な塩基の存在下、任意選択で好適な溶媒の存在下での式(D)のベンズアルデヒドとの縮合により、式(C)の化合物から調製され得る(例えば、A.Lagrange,S.Forestier,G.Lang and B.Luppi,EP368717 A1;D.C.Rowlands,US2776239;およびE.Tamate,Journal of the Chemical SOCiety of Japan,(1957),78,1293−7を参照されたい)。
【0029】
【化4】

【0030】
好ましくは、塩基は、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム等の金属水酸化物、またはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドもしくはカリウム−ブトキシド等の金属アルコキシドである。好ましくは、溶媒は、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、またはメタノール、エタノールもしくはイソプロパノール等のアルキルアルコールである。塩基、特に溶媒の混合物もまた使用することができる。
【0031】
式中YがOである式(C)の化合物は、既知の化合物であり(例えば、M.Newman and W.Reichle,Org.Synth.Coll.Vol.V.,(1973),1024;Y.Zal’kind,E.Venus−Danilova and V.Ryabtseva,Russian Journal of General Chemistry,(1950),20,2222−9;M.Bertrand,J.Dulcere,G.Gil,J.Grimaldi and P.Sylvestre−Panthet,Tetrahedron Letters(1976),(18),1507−8を参照されたい)、または、既知の方法により、既知の化合物から調製され得る。式中YがC=Oである式(C)の化合物は、既知の化合物であり(例えば、N.J.Turro,D.R.Morton,E.Hedaya,M.E.Kent,P.D’Angelo,P.Schissel,Tetrahedron Letters(1971),(27),2535−8;P.A.Krapcho,D.R.Rao,M.P.Silvon,B.Abegaz,Journal of Organic Chemistry(1971),36(25),3885−90;S.N.Crane,T.J.Jenkins,D.J.Burnell,Journal of Organic Chemistry(1997),62(25),8722−8729;S.N.Crane,D.J.Burnell,Journal of Organic Chemistry(1998),63(4),1352−1355;S.N.Crane,D.J.Burnell,Journal of Organic Chemistry(1998),63(16),5708−5710;C.E.Elliott,D.O.Miller,D.J.Burnell,Journal of the Chemical SOCiety,Perkin Transactions 1(2002),(2),217−226を参照されたい)、または、既知の方法により、既知の化合物から調製され得る。式中YがS、SOまたはSO2である式(C)の化合物は、既知の化合物であり(例えば、E.R.Buchman,H.Cohen,Journal of the American Chemical Society(1944),66,847−8;A.W.D.Avison,F.Bergel,J.W.Haworth,US2408519:K.G.Mason,M.A.Smith,E.S.Stern,EJ.A.Elvidge,Journal of the Chemical Society[Section]C:Organic(1967),(21),2171−6;T.A.Magee,Thomas A.DE 2033454;I.Tabushi,Y.Tamaru,Z.Yoshida,T.Sugimoto,Journal of the American Chemical Society(1975),97(10),2886−91;P.E.Aldrich,G.H.Berezin,B.I.Dittmar,I.Bruce,DE 2516554;I.Tabushi,Y.Tamaru,Z.Yoshida,Bulletin of the Chemical Society of Japan(1978),51(4),1178−82;D.N.Reinhoudt,J.Geevers,W.P.Trompenaars,S.Harkema,G.J.Van Hummel,Journal of Organic Chemistry(1981),46(2),424−34;F.Duus,Synthesis(1985),(6−7),672−4;J.Schatz,Science of Synthesis(2002),9,287−422を参照されたい)、または、既知の方法により、既知の化合物から調製され得る。
【0032】
式(D)の化合物は、既知の化合物であるか、または式(E)(式中、Halは、塩素、臭素またはヨウ素(好ましくは、臭素またはヨウ素)である)の化合物のホルミル化により調製され得る。
【0033】
【化5】

式中、R1、R2、R3およびrは上で定義される通りであり、Halはハロゲンである。式(D)の好ましい化合物は、式(D1)の化合物である。
【化6】

式中、R1、R3およびrは、上で定義される通りであり、R20およびR30は、互いに独立して、水素、メチル、メトキシ、フッ素、塩素または臭素である。式(D)の化合物(ただし新規である場合)および式(D1)の新規化合物は、特に式(I)の化合物の合成のための中間体として設計されており、本発明の別の態様を形成する。
【0034】
ハロゲン化アリールのホルミル化を達成するための好適な条件は既知であり、例えば、好適な有機金属試薬(例えば、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムもしくはtert−ブチルリチウム)によるハロゲン化アリールの処理、または好適な溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンもしくはテトラヒドロフラン)中での好適なアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属(例えば、リチウムもしくはマグネシウム)による処理を含む。次いで、得られるアリール金属試薬を、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN−ホルミルモルホリン等の好適なホルミル化試薬と反応させる。あるいは、式(D)の化合物は、好適な触媒、塩基および還元剤の存在下でのカルボニル化剤(例えば、一酸化炭素)による処理により、式(E)(式中、Halは、トリフレート等の擬ハロゲン であってもよい)の化合物から調製され得る(例えば、L.Ashfield and C.Barnard,Org.Process Res.Dev.,11(1),39−43,2007を参照されたい)。式(E)の化合物は、既知の化合物である(例えば、WO2008/071405を参照されたい)か、または、標準的化学転換を使用して、既知の中間体から合成され得る。
【0035】
あるいは、式(I)の化合物は、以下の反応スキームに示されるように、式(F)(式中、ハロゲンは、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素である)の化合物を、式(D)の化合物と反応させることにより調製され得る。
【0036】
【化7】

【0037】
(F)および(D)の反応は、好適な塩基を用い、任意選択で好適な溶媒中で、好適な温度で行うことができる。好ましくは、塩基は、アルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムもしくは水酸化カリウム)、アルカリもしくはアルカリ土類金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドもしくはカリウムtert−ブトキシド)、アルカリもしくはアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム)、金属アミド(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドもしくはリチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジド)、有機金属(例えば、ブチルリチウムもしくはエチルマグネシウムブロミド)または金属水素化物(例えば、水素化ナトリウムもしくは水素化カリウム)である。好適な溶媒は、塩素化炭化水素、エーテル、アルコール、芳香族化合物、および様々な極性非プロトン性溶媒、例えば1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはtert−ブタノールを含み、反応条件下で塩基と適合するように選択される。反応はまた、相間移動試薬もまた典型的に0.001〜50mol%で使用される二相性条件下で行うことができる。相間移動試薬は、好ましくは、第4級アンモニウム塩、クラウンエーテル、ポリエチレングリコール、またはホスホニウム塩である。最も好ましくは、反応は、テトラヒドロフラン中のリチウムジイソプロピルアミドを使用して、−100℃から60℃の温度範囲で行われる。式(F)の化合物から式(I)の化合物への変換は、ダルツェン縮合の一例と考えることができる(例えば、W.N.Wassef,M.M.El−Barky,Journal of Chemical Research,Synopses(1990),(12),402−3;J.Li,X.Liu,X.Li,Youji Huaxue(2007),27(11),1428−1431;Y.Tong,Y.Cheng,X.Guo,S.Wu,Hecheng Huaxue(2007),15(1),102−104;C.Parmenon,J.Guillard,D.Caignard,N.Hennuyer,B.Staels,V.Audinot−Bouchez,J.Boutin,C.Dacquet,A.Ktorza,M.Viaud−Massuard,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(2008),18(5),1617−1622;H.Xiao,X.Han,J.Xiong,Faming Zhuanli Shenqing Gongkai Shuomingshu(2007),p11;J.M.Concellon,E.Bardales,R.Llavona,Journal of Organic Chemistry(2003),68(4),1585−1588を参照されたい)が、そのような転位は、(F)型の化合物に対しては未知である。
【0038】
式中YがOである式(F)の化合物は、既知の化合物である(例えば、H.Richet,R.Dulou,R.,G.Dupont,Bulletin de la Societe Chimique de France(1947),693−9;H.Richet,Ann.Chim.[12](1948),3 317−54;I.K.Korobitsyna,Yu.K.Yur’ev,Yu.A.Cheburkov,E.M.Lukina,Russian Journal of General Chemistry(1955),25,734−8;I.K.Korobitsyna,Yu.K.Yur’ev,Yu.A.Cheburkov,E.M.Lukina,Russian Journal of General Chemistry(1955),25,690−702;F.Leonard,A.Wajngurt,H.Horn,Journal of Organic Chemistry(1956),21,1400−4;I.K.Korobitsyna,I.G.Zhukova,V.A.Kuvshinova,N.N.Gaidamovich,Yu.K.Yur’ev,Doklady Akademii Nauk SSSR(1957),114,327−30;I.K.Korobitsyna,I.G.Zhukova,I.G,Yu.K.Yur’ev,Russian Journal of General Chemistry(1959),29,2190−6;I.K.Korobitsyna,L.L.Rodina,L.M.Stashkova,Chemistry of Heterocyclic Compounds(1966),(6),843−7;G.Hoehne,F.Marschner,K.Praefcke,P.Weyerstahl,Chem.Ber.(1975),108(2),673−82;H.Saimoto,T.Hiyama,H.Nozaki,Bull.Chem.Soc.Jpn.,(1983),56(10),3078−87;A.M.Zvonok,N.M.Kuz’menok,I.G.Tishchenko,L.S.Stanishevskii,Russian Journal of General Chemistry(1985),21(6),1330−4を参照されたい)か、または、既知の条件下で、式(C)の化合物から調製され得る。式中YがS、SOおよびSO2である式(F)の化合物は、既知の化合物である(例えば、M.Polievka,L.Uhlar,V.Patek,Petrochemia(1973),13(5−6),156−60;N.N.Novitskaya,B.V.Flekhter,G.M.Prokhorov,A.S.Lukmanova,G.A.Tolstikov,G.V.Leplyanin,S.A.Lange,M.V.Strashnov,SU 468920 A1;P.H.McCabe,W.Routledge,Tetrahedron Letters(1976),(1),85−6;T.S.Chou,C.Y.Tsai,Tetrahedron Letters(1992),33(29),4201−4を参照されたい)か、または、既知の条件下で、式(C)の化合物から調製され得る。式中YがC=Oである式(F)の化合物は、同様のハロゲン化条件下で、式(C)の化合物から調製され得る。
【0039】
以下の例は、本発明を制限することなくさらに例示する。
【実施例】
【0040】
調製例:

例P1: 4−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化8】

ステップ1: 5−ブロモ−2−エチル−ベンズアルデヒドの調製
【化9】

4−ブロモ−1−エチル−2−ヨードベンゼン(31.8g、103mmol)(WO2008/071405に記載されている)の無水テトラヒドロフラン(250ml)中の−20℃の溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(55ml、110mmol、テトラヒドロフラン中2M溶液)を、滴下により10分間かけて添加する。添加が完了したら、反応混合物を−20℃で3時間撹拌し、続いて無水N,N−ジメチルホルムアミド(16.0ml、200mmol)を滴下により添加する。反応混合物を室温でさらに2.5時間撹拌し、次いで一晩静置する。2M塩酸(90ml)を添加し、粗生成物をジクロロメタン中に抽出する。有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで濾過して濾液を減圧下で蒸発させると、5−ブロモ−2−エチル−ベンズアルデヒド(21.20g)が橙色液体として得られる。
【0041】
ステップ2: 4−(5−ブロモ−2−エチルベンジリデン)−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化10】

ジヒドロ−2,2,5,5−テトラメチル−3(2H)−フラノン(13.4g、94.34mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(32ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(5.6g、103.8mmol)を一度に添加し、反応混合物をこの温度で5分間撹拌する。次いで、得られたスラリーに、5−ブロモ−2−エチル−ベンズアルデヒド(20g、94.34mmol)の1,2−ジメトキシエタン(32ml)中の溶液を、滴下により10分間かけて添加する。次に、溶液を0℃で1時間撹拌し、次いでジエチルエーテルで希釈して2M塩酸で洗浄する(2回)。有機分画を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濾液を真空下で蒸発させると、4−(5−ブロモ−2−エチルベンジリデン)−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(30.2g)が黄色液体として得られる。
【0042】
ステップ3: 2−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化11】

4−(5−ブロモ−2−エチルベンジリデン)−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(32.07g、95.15mmol)のメタノール(1570ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(8.10ml、142.73mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム水溶液(9.51ml、19.03mmol)を添加する。反応混合物を35℃でちょうど1時間撹拌し、次いで飽和メタ重亜硫酸ナトリウム(340ml)および蒸留水(340ml)でクエンチする。室温で15分間撹拌後、次いで溶媒を真空下で濃縮(約500mlまで)すると、その間生成物が黄色固体として沈殿する。この懸濁液を蒸留水(500ml)に添加し、濾過により生成物を単離する。蒸留水による追加の洗浄後、固体を真空下で一晩乾燥させると、2−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(29.30g)が黄色固体として得られ、これを精製せずに次のステップに使用する。
【0043】
1H NMR(CDCl3): δ 7.47−7.40(m,2H),7.10(d,1H),4.43(s,1H),2.62−2.60(m,2H),1.40(s,3H),1.37(s,3H),1.30−1.20(m,6H),0.78(s,3H)。
【0044】
ステップ4: 4−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化12】

濃硫酸(2ml)の氷冷溶液に、2−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(0.995g、2.82mmol)の1,2−ジクロロエタン(2ml)中の第2の溶液を、5分間かけて滴下により添加する。この二相混合物を0℃で1時間激しく撹拌し、次いで氷冷水(15ml)に注ぎ込む。次いで、この水性混合物を真空下で濃縮して全ての揮発性有機物を除去すると、浮遊性固体が生成される。固体を濾過し、真空下で乾燥させ、次いでヘキサンで洗浄すると、4−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(0.81g)がクリーム色固体として得られる。
【0045】
1H NMR(CDCl3): δ7.48(1H,dd),7.23−7.21(2H,m),5.60(1H,s),2.45−2.33(2H,m),1.60(6H,d),1.48(6H,d),1.10(3H,t)。
【0046】
例P2: 4−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−2,2,6−トリメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化13】

ステップ1: 4−ブロモ−2,2,5−トリメチルジヒドロ−フラン−3−オンの調製
【化14】

酢酸4−ブロモ−2,2,5−トリメチル−2,5−ジヒドロフラン−3−イルエステル(19.14g、0.11mol)(T.Hiyama et al.Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3078−3087(1983)に記載されている)の無水クロロホルム(75ml)中の−20℃の溶液に、臭素(18.00g、0.11mol)の無水クロロホルム(200ml)中の溶液を、45分間かけて滴下により添加する。この温度で30分間撹拌後、反応混合物を室温まで温め、次いでさらに1時間撹拌する。クロロホルム(250ml)での希釈後、有機相を希重炭酸ナトリウム水溶液で、次いでブラインで洗浄し、相を分離する。有機溶媒を減圧下で除去すると、4−ブロモ−2,2,5−トリメチルジヒドロ−フラン−3−オン(23.50g)が暗橙色油として得られる。この材料を精製せずに次のステップに使用する。
【0047】
ステップ2: 2−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−4,6,6−トリメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化15】

リチウムジイソプロピルアミド(0.12mol)の無水テトラヒドロフラン(150ml)中の−70℃の溶液に、4−ブロモ−2,2,5−トリメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−フラノン(23.5g、0.11mol)の無水テトラヒドロフラン(40ml)中の第2の溶液を、−65℃未満の内部温度を維持するような速度で添加する。添加が完了したら、反応混合物を−70℃でさらに20分間撹拌し、続いて2−エチル−5−ブロモベンズアルデヒド(23.9g、0.11mol)を無水テトラヒドロフラン(40ml)中の溶液として、滴下により20分間かけて添加する。−70℃でさらに20分間撹拌後、反応混合物を室温まで温め、次いでさらに30分間撹拌する。次いで反応混合物を氷/水(2M塩酸でpH3に酸性化されている)(500ml)に注ぎ込むことによりクエンチし、酢酸エチルで抽出する(3×100ml)。有機分画を合わせ、水およびブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮すると、2−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−4,6,6−トリメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンおよび2−エチル−5−ブロモベンズアルデヒドの混合物(40.50g)が、約3:1の比で得られる。この材料を精製せずに次のステップに使用する。
【0048】
1H NMR(CDCl3): δ 7.47(m,1H),7.41(m,1H),7.10(d,1H),4.47(q,1H),4.39(s,1H),2.60(q,2H),1.38(s,3H),1.35(s,3H),1.23(t,3H),0.70(d,3H)。
【0049】
ステップ3: 4−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−2,2,6−トリメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化16】

氷冷濃硫酸(50ml)に、粗2−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−4,6,6−トリメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(40g)の1,2−ジクロロエタン(50ml)中の溶液を、20分間かけて添加する。0℃でさらに1時間撹拌後、反応混合物を伸長に氷(500g)に注ぎ込み、2相を分離する。水相をさらにジクロロメタンで抽出し(2×100ml)、次いで全ての有機分画を合わせ、水で洗浄し、減圧下で濃縮する。粗生成物を酢酸エチル(500ml)に再溶解させ、0.5M炭酸カリウム水溶液中に抽出し、追加の酢酸エチルで洗浄する(2回)。次いで水相を慎重に濃塩酸で酸性化し、生成物を酢酸エチルで抽出する(3×150ml)。有機分画を合わせ、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濾液を真空下で濃縮する。粗生成物をさらにフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、4−(5−ブロモ−2−エチルフェニル)−2,2,6−トリメチルピラン−3,5−ジオン(14.10g)が白色発泡体として得られる。
【0050】
1H NMR(CDCl3): δ1.08(m,3H),1.38−1.62(m,9H),2.25(m,2H),4.38 および 4.71(m,1H),5.72 および 5.83(2 x br.s,1H),7.20(m,2H),7.48(m,1H)。
【0051】
例P3: 4−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン
【化17】

ステップ1: 4’−クロロ−4−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルバルデヒドの調製
【化18】

3−クロロ−6−トリフルオロメチルベンズアルデヒド(1.0g、4.79mmol)、4−クロロフェニル ボロン酸(1.12g、7.19mmol)、リン酸カリウム(2.03g、9.59mmol)、ジシクロヘキシル−(2’,6’−ジメトキシ−ビフェニル−2−イル)−ホスファン(0.079g、0.19mmol)および酢酸パラジウム(0.022g、0.096mmol)の混合物に、脱気後のトルエン(9ml)を添加し、次いで混合物をさらに窒素でパージする。次に、懸濁液を密閉し、次いで周囲温度で5分間撹拌し、次いでマイクロ波照射下で160℃で1時間加熱する。冷却後、反応混合物を2M塩酸およびジクロロメタンに分配し、水相をさらにジクロロメタンで抽出する(2回)。有機分画を合わせ、次いで減圧下で蒸発させると粗生成物が得られ、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液として100%ヘキサンからヘキサン中10%酢酸エチル)で精製すると、4’−クロロ−4−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−カルバルデヒド(1.78g)が橙色粘性物質として得られる。この材料を、次のステップにおいて直接使用する。
【0052】
ステップ2: 4−[1−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化19】

2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(0.887g、6.25mmol)の1,2−ジメトキシエタン(10ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(0.405g、7.50mmol)を一度に添加する。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、続いて4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−カルバルデヒド(1.779g、6.25mmol)を1,2−ジメトキシエタン(10ml)中の溶液として滴下により添加する。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで周囲温度でさらに1時間撹拌した後、1M塩酸およびジクロロメタンに分配する。水相を再びジクロロメタンで抽出し、次いで全ての有機物を合わせて蒸発させると、4−[1−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(2.50g)が黄色粘性物質として得られる。この材料を、次のステップにおいて直接使用する。
【0053】
ステップ3: 2−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化20】

4−[1−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(2.50g、6.12mmol)のメタノール(75ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(0.70ml、12.2mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム水溶液(0.76ml、1.52mmol)を添加する。この混合物を35℃で45分間撹拌し、次いで室温まで冷却して飽和メタ重亜硫酸ナトリウム溶液でクエンチする。粗生成物をジエチルエーテルで抽出し(2回)、次いで全ての有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を真空下で濃縮すると、2−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(2.59g)が黄色粘性物質として得られる。この材料を、次のステップにおいて直接使用する。
【0054】
ステップ4: 4−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化21】

粗2−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(2.59g、6.12mmol)のジクロロエタン(25ml)中の氷冷溶液に、濃硫酸(5ml)を添加し、続いてこの温度で2時間撹拌する。反応混合物を氷に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出し(2回)、合わせた有機物を減圧下で蒸発させると、褐色粘性物質が得られる。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてイソヘキサンからイソヘキサン中30%酢酸エチル)、次いで逆相分取HPLCによる精製により、4−(4’−クロロ−4−トリフルオロメチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(0.370g)が白色固体として得られる。
【0055】
1H NMR(CDCl3): δ7.85(d,1H),7.69(d,1H),7.53(d,2H),7.44(d,2H),7.39(s,1H),1.60(app.d,6H),1.48(s,6H)
【0056】
例P4: 4−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化22】

ステップ1: 5−ブロモ−2−ヨードベンズアルデヒドの調製
【化23】

5−ブロモ−2−ヨードベンゾニトリル(5.00g、16.00mmol)の無水テトラヒドロフラン(80ml)中の−80℃の溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(16.0ml、16.0mmol、トルエン中1M溶液)を、滴下により10分間かけて添加する。反応混合物を−80℃で1時間撹拌し、次いで周囲温度まで温め、一晩撹拌する。次に、追加の水素化ジイソブチルアルミニウム(16.0ml、16.0mmol、トルエン中1M溶液)を室温で滴下により添加し、反応混合物をさらに1時間撹拌する。2M塩酸で慎重にクエンチした後(氷浴内で冷却しながら)、粗生成物を酢酸エチルで抽出し(2回)、次いで全ての有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させて濾過する。濾液を減圧下で蒸発させ、次いでフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてイソヘキサンからイソヘキサン中10%酢酸エチル)により精製すると、5−ブロモ−2−ヨードベンズアルデヒド(0.85g)が得られる。
【0057】
ステップ2: 4−[1−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化24】

2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(0.388g、2.73mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(5ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(0.177g、3.27mmol)を一度に添加する。反応混合物をこの温度で5分間撹拌し、続いて5−ブロモ−2−ヨード−ベンズアルデヒド(0.850g、2.73mmol)を1,2−ジメトキシエタン(5ml)中の溶液として滴下により添加する。反応混合物を0℃でさらに30分間撹拌し、次いで周囲温度で1時間撹拌する。1M塩酸およびジクロロメタンに分配した後、有機相を分離し、水相を再びジクロロメタンで抽出する。全ての有機物を合わせ、次いで真空下で濃縮すると、4−[1−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(1.18g)が黄色粘性物質として得られる。
【0058】
ステップ3: 2−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化25】

4−[1−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(1.18g、2.73mmol)のメタノール(50ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(0.31ml、5.46mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム水溶液(0.34ml、0.68mmol)を添加する。この混合物を35℃で3時間撹拌し、次いで飽和メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出する。有機相を分離し、水相を再びジクロロメタンで抽出する。全ての有機物を合わせ、次いで減圧下で蒸発させると、2−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンが油として得られ、これを次のステップにおいて直接使用する。
【0059】
ステップ4: 4−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化26】

粗2−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(ステップ3から)に、氷冷濃硫酸を添加し、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌する。蒸留水による希釈後、生成物をジクロロメタンで抽出し(2回)、次いで合わせた有機相を減圧下で蒸発させる。フラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてイソヘキサン中20%酢酸エチルから酢酸エチル)により精製すると、4−(5−ブロモ−2−ヨードフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(0.225g)が有色固体として得られる。
【0060】
1H NMR(CDCl3): δ7.80(d,1H),7.33(m,1H),7.25(m,1H),1.66(s,3H),1.60(s,3H),1.55(s,3H),1.48(s,3H)。
【0061】
例P5: 4−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化27】

ステップ1: 4−[1−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化28】

2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(2.84g、20.00mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(6ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(1.19g、22.04mmol)を一度に添加する。この温度で5分間撹拌後、5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(4.84g、18.00mmol)の1,2−ジメトキシエタン(6ml)中の溶液を、滴下により10分間かけて添加し、続いて0℃でさらに1時間撹拌する。室温まで温めた後、反応混合物をエーテルで希釈し、2M塩酸で洗浄する(2回)。有機分画を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濾液を真空下で蒸発させると、4−[1−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(7.06g)が橙色液体として得られる。
【0062】
ステップ2: 2−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化29】

4−[1−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(7.06g、18.00mmol)のメタノール(300ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(1.80ml、27.00mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム水溶液(1.80ml、3.60mmol)を添加する。この温度で1時間撹拌後、反応混合物を冷却し、次いで10%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(陰性のKI−デンプン紙試験)でクエンチする。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し(3回)、次いで有機相をさらに飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)、次いでブラインで洗浄する。全ての有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濾液を真空下で濃縮すると、2−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(6.34g、86%)が黄色油として得られる。
【0063】
1H NMR(CDCl3): δ 7.84(s,0.4H,異性体A),7.56(s,0.6H,異性体B),7.52(d,0.6H,異性体B),7.48(d,0.4H,異性体A),7.15(d,0.6H,異性体B),7.07(d,0.4H,異性体A),4.46(m,1H,異性体AおよびB),1.47(s,1.2H,異性体A),1.39−1.28(m,7.8H,異性体AおよびB),1.12(s,1.2H,異性体A),0.83(s,1.8H,異性体B)
【0064】
ステップ3: 4−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化30】

濃硫酸(10ml)の氷冷溶液に、2−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(6.34g、15.00mmol)の1,2−ジクロロエタン(10ml)中の第2の溶液を、滴下により5分間かけて添加する。この二相混合物を0℃で2時間激しく撹拌し、次いで氷水に注ぎ込み、少量の追加の1,2−ジクロロエタン/水で濯ぐ。次いで、浮遊性固体が生成されるまでこの混合物を真空下で蒸発させて全ての有機溶媒を除去する。固体を濾過し、水、次いでイソヘキサンで洗浄し、続いて真空下で一晩乾燥させる。次に固体を酢酸エチルに再溶解させ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して慮液を真空下で濃縮すると、4−(5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(4.17g、68%)が得られる。
【0065】
1H NMR(CDCl3): δ7.57(dd,1H),7.24(d,2H),1.52(br.s,12H)。
【0066】
例P6: 4−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化31】

ステップ1: 4−ブロモ−4’−クロロ−ビフェニル−3−カルバルデヒドの調製
【化32】

4−ブロモ−4’−クロロ−3−ヨードビフェニル(4.80g、0.012mol)(WO2008/071405に記載されている)の無水ジエチルエーテル/テトラヒドロフラン(120ml、1:1比)中の−75℃の溶液に、イソプロピルマグネシウムブロミド(18.96ml、テトラヒドロフラン中15%溶液)を、内部温度を−70℃未満に維持するように滴下により添加する。添加が完了したら、反応混合物を−75℃で2時間撹拌し、次いで−45℃に温める。次に、温度を−40℃未満に維持しながら無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.71g、0.0184mol)を滴下により添加し、続いて室温まで温めて2M塩酸(60ml)でクエンチする。反応混合物をさらにジエチルエーテルで希釈し、2相を分離し、水相を追加のジエチルエーテルで抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濾液を真空下で濃縮する。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中2%酢酸エチルの溶離液)により精製すると、4−ブロモ−4’−クロロ−ビフェニル−3−カルバルデヒド(2.7g、75%)が白色固体として得られる。
【0067】
ステップ2: 4−[1−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化33】

ジヒドロ−2,2,5,5−テトラメチルフラン−3−オン(1.37g、9.68mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(10ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(0.575g、10.60mmol)を一度に添加し、続いてこの温度10分間撹拌する。次いで、このスラリーに、4−ブロモ−4’−クロロ−ビフェニル−3−カルバルデヒド(2.60g、8.80mmol)の1,2−ジメトキシエタン(10ml)中の第2の溶液を滴下により添加する。添加が完了したら、反応混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで2M塩酸(50ml)でクエンチする。さらに1時間撹拌後、溶液をジエチルエーテルで希釈し、2相を分離し、水相をさらにジエチルエーテルで抽出する(2回)。合わせた有機物をさらにブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濾液を真空下で濃縮すると、4−[1−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(3.40g、92%)が黄色粘性物質として得られる。
【0068】
ステップ3: 2−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化34】

4−[1−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(3.40g、9.03mmol)のメタノール(140ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(1.04ml、15.60mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム水溶液(1.15ml、2.30mmol)を添加する。反応混合物を35℃でさらに45分間撹拌し、次いで室温まで冷却し、飽和メタ重亜硫酸ナトリウムでクエンチする。生成物をジエチルエーテル中に抽出した後(3回)、有機相を分離し、追加の水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を真空下で濃縮すると、2−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(3.0g)が黄色固体として得られる。この材料は、次のステップにおいて直接使用するのに十分な純度であった。
【0069】
ステップ4: 4−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化35】

2−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(3.00g、6.90mmol)のジクロロメタン(3.5ml)中の氷冷溶液に、5℃未満の内部温度を維持するような速度で濃硫酸(6.5ml)を添加する。添加の完了後、反応混合物をさらに20分間撹拌し、その後蒸留水(25ml)を0℃で滴下により添加する。 反応混合物を5〜10℃で5分間維持し、次いで真空下で濃縮して有機溶媒を除去する。水相を濾過し、得られた固体をヘキサンで磨砕すると、4−(4−ブロモ−4’−クロロビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(2.56g、85%)が得られる。
【0070】
NMR(CDCl3): δ7.75(d,1H),7.49(d,2H),7.45(dd,1H),7.40(s,2H),7.36(s,1H),5.56(br.s,1H),1.65(s,3H),1.58(s,3H),1.53(s,3H),1.47(s,3H)。
【0071】
例P7: 4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化36】

ステップ1: 4−[1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化37】

ジヒドロ−2,2,5,5−テトラメチルフラン−3−オン(4.56g、32.10mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(25ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(1.91g、35.10mol)を一度に添加する。室温で10分間撹拌後、5−ブロモ−2−フルオロベンズアルデヒド(5.93g、29.10mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(45ml)中の第2の溶液を滴下により添加し、続いて0℃でさらに45分間撹拌する。反応混合物を2M塩酸(50ml)でクエンチし、次いでジエチルエーテルで希釈し、2相を分離する。水相をさらにジエチルエーテルで抽出し(2回)、次いで全ての有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。濾過後、濾液を真空下で濃縮すると、4−[1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(9.30g、96%)が黄色粘性物質として得られる。
【0072】
ステップ2: 2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化38】

4−[1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(9.30g、29.00mmol)のメタノール(280ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(3.36ml、50.40mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム水溶液(3.68ml、7.36mmol)を添加する。この温度で1時間撹拌を継続し、次いで反応混合物を室温まで冷却し、次いで飽和メタ重亜硫酸ナトリウム(100ml)でクエンチし、エーテルで抽出する(3回)。有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで濾過して濾液を真空下で濃縮すると、2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(6.60g、68%)が黄色粘性物質として得られる。
【0073】
ステップ3: 4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化39】

2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(6.60g、19.30mmol)のジクロロメタン(8ml)中の溶液に、温度を5℃未満に維持しながら濃硫酸(13.8ml)の氷冷溶液を滴下により添加する。反応混合物をさらに30分間撹拌し、次いで蒸留水(50ml)でクエンチする。さらに10分間撹拌後、有機物を真空下で除去し、得られた沈殿物を濾過し、次いで水で磨砕する。ヘキサンで洗浄した後、固体を乾燥させると、4−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(4.30g、65%)が得られる。
【0074】
1H NMR(CDCl3): δ7.5(m,1H),7.34(m,1H),7.06(m,1H),5.69(br.s,1H),1.56(d,6H),1.52(d,6H)。
【0075】
例P8: 4−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化40】

ステップ1: 4’−クロロ−2’−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルバルデヒドの調製
【化41】

5−ブロモサリチルアルデヒド(30.0g、0.15mol)、2−フルオロ−4−クロロフェニルボロン酸(30.0g、0.17mol)および炭酸ナトリウム(24.0g、0.23mol)の混合物に、1,2−ジメトキシエタン(225ml)および蒸留水(75ml)を添加し、懸濁液を窒素雰囲気下で撹拌する。次いで、この混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(4.5g、7.5mmol)を添加し、続いて還流下で一晩加熱する。室温まで冷却し、蒸留水(500ml)およびジクロロメタン(500ml)で希釈した後、2相を分離し、水相を再びジクロロメタン(2×500ml)で抽出する。有機分画を合わせ、ブライン(800ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。 懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。粗材料をフラッシュカラム精製(イソヘキサン中5〜10%酢酸エチル溶離液)により精製すると、4’−クロロ−2’−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルバルデヒド(33.61g、89%)が淡黄色固体として得られる。
【0076】
ステップ2: トリフルオロメタンスルホン酸4’−クロロ−2’−フルオロ−3−ホルミルビフェニル−4−イルエステルの調製
【化42】

4’−クロロ−2’−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルバルデヒド(33.60g、0.13mol)およびピリジン(31.0ml、0.36mol)の無水ジクロロメタン(700ml)中の氷冷混合物に、温度を10℃未満に維持しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(27.0ml、0.16mmol)を滴下により30分間かけて添加する。次いで反応混合物を室温まで温め、続いて一晩撹拌する。蒸留水(500ml)およびジクロロメタン(500ml)で希釈後、2相を分離し、水相を再びジクロロメタンで抽出する(2×500ml)。有機分画を合わせ、ブライン(800ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル溶離液)により精製すると、トリフルオロメタンスルホン酸4’−クロロ−2’−フルオロ−3−ホルミルビフェニル−4−イルエステルが黄色油として得られる。
【0077】
ステップ3: 4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−カルバルデヒドの調製
【化43】

トリフルオロメタンスルホン酸4’−クロロ−2’−フルオロ−3−ホルミルビフェニル−4−イルエステル(30.0g、0.078mol)、シクロプロピルボロン酸(8.80g、0.10mol)、リン酸カリウム(58.40g、0.28mol)および臭化ナトリウム(8.0g、0.078mol)の混合物に、窒素雰囲気下で、トルエン(300ml)、次いで蒸留水(30ml)を添加する。次いで、この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(9.60g、8.40mmol)を一度に添加し、次いで混合物を100℃で一晩加熱する。室温まで冷却後、混合物を蒸留水(500ml)および酢酸エチル(500ml)で希釈し、2相を分離し、水相を再び酢酸エチルで抽出する(2×500ml)。有機分画を合わせ、蒸留水(1L)、次いでブライン(1L)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いでさらに塩基性アルミナでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル溶離液)により精製すると、4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロ−ビフェニル−3−カルバルデヒド(7.6g、36%)が得られる。
【0078】
ステップ4: 4−[1−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン
【化44】

ジヒドロ−2,2,5,5−テトラメチルフラン−3−オン(8.40g、0.059mol)の無水1,2−ジメトキシエタン(75ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(3.60g、0.066mol)を一度に滴下し、混合物をこの温度30分間撹拌する。次いで、温度を10℃未満に維持しながら、4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−カルバルデヒド(14.80g、0.054mmol)の溶液を、滴下により20分間かけて添加する。反応混合物をこの温度で1時間撹拌し、次いで室温まで温めてから、ジエチルエーテルおよび蒸留水で希釈する。2相を分離し、水相を再びジエチルエーテルで抽出する(2回)。有機分画を合わせ、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮すると、4−[1−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(19.80g)が得られるが、これは次のステップにおいて直接使用するのに十分な純度である。
【0079】
ステップ5: 2−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサ−スピロ[2.4]ヘプタン−7−オン
【化45】

4−[1−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(19.80g、0.050mol)のメタノール(830ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(5.00ml、0.075mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム(5.00ml、0.01mol)溶液を添加する。混合物をこの温度でさらに2時間撹拌し、次いで室温まで冷却する。次いで、反応混合物を10%メタ重亜硫酸ナトリウム(陰性のKI−デンプン紙試験)でクエンチし、ジエチルエーテルで希釈する。メタノールのほとんどを真空下で除去し、粗混合物を蒸留水およびジエチルエーテルに分配する。水相をさらにジエチルエーテルで抽出し(2回)、次いで有機物を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム(2回)、次いでブラインで洗浄する。硫酸マグネシウムで脱水後、懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮すると、2−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサ−スピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(18.2g)が橙色発泡体として得られる。この材料は、それ以上精製することなく次のステップにおいて直接使用するのに十分な純度である。
【0080】
1H NMR(CDCl3): δ 7.48(s,1H),7.39(d,1H),7.32(t,1H),7.24−7.12(m,2H),7.00(d,1H),4.76(s,1H),1.84−1.76(m,1H),1.42−1.26(m,9H),1.11−0.96(m,2H),0.88−0.79(m,4H),0.78−0.71(m,1H)。
【0081】
ステップ6: 4−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化46】

2−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(18.20g、0.044mol)およびイッテルビウムトリフレート(2.40g、4.40mmol)の混合物に、5M過塩素酸リチウム(ジエチルエーテル46mlおよび過塩素酸リチウム24.40gから調製される)の溶液を添加する。得られる懸濁液を、室温で3日間撹拌し、次いでジエチルエーテル(85ml)で希釈し、追加のイッテルビウムトリフレート(7.80g、0.014mol)を添加する。室温でさらに3日間撹拌後、追加のイッテルビウムトリフレート(13.63g、0.025mol)を添加し、反応混合物を11日間撹拌する。最後に、過剰の過塩素酸リチウム(24.40g、0.23mol)を一度に添加し、混合物を27℃(内部温度)で1日間加熱する。反応混合物をジエチルエーテルおよび蒸留水に分配し、2相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出する(2回)。有機分画を合わせ、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン中10%酢酸エチル)により精製すると、油が得られ、これをヘキサンで磨砕すると、4−(4’−クロロ−4−シクロプロピル−2’−フルオロビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(4.78g)が白色固体として得られる。
【0082】
1H NMR(CDCl3): δ 7.47(d,1H),7.38(t,1H),7.23(s,1H),7.21−7.12(m,3H),5.68(s,1H),1.75(m,1H),1.62(s,6H),1.49(s,6H),0.92−0.82(m,2H),0.81−0.75(m,1H),0.61−0.53(m,1H)
【0083】
例P9: 4−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化47】

ステップ1: 2’,4’−ジクロロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルバルデヒドの調製
【化48】

5−ブロモサリチルアルデヒド(30.0g、0.15mol)、2,4−ジクロロフェニルボロン酸(32.0g、0.17mol)および炭酸ナトリウム(24.0g、0.23mol)の混合物に、1,2−ジメトキシエタン(225ml)および蒸留水(75ml)を添加し、懸濁液を窒素雰囲気下で撹拌する。次いで、この混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(4.5g、7.5mmol)を添加し、続いて還流下で一晩加熱する。室温まで冷却し、蒸留水(500ml)およびジクロロメタン(500ml)で希釈した後、2相を分離し、水相を再びジクロロメタン(2×500ml)で抽出する。有機分画を合わせ、ブライン(800ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。次いで、粗材料を最後にフラッシュカラム精製(イソヘキサン中10%酢酸エチル溶離液)により精製すると、2’,4’−ジクロロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルバルデヒド(32.73g、82%)が淡黄色固体として得られる。
【0084】
ステップ2: トリフルオロメタンスルホン酸2’,4’−ジクロロ−3−ホルミルビフェニル−4−イルエステルの調製
【化49】

2’,4’−ジクロロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルバルデヒド(31.70g、0.12mol)およびピリジン(25.0ml、0.29mol)の無水ジクロロメタン(650ml)中の氷冷混合物に、温度を0〜10℃に維持しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(22.0ml、0.13mmol)を滴下により30分間かけて添加する。次いで反応混合物を室温まで温め、続いて一晩撹拌する。蒸留水(500ml)およびジクロロメタン(300ml)で希釈後、2相を分離し、有機相をさらに飽和硫酸銅水溶液(3×500ml)、水(500ml)、次いでブライン(500ml)で洗浄する。硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を真空下で除去し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル溶離液)により精製すると、トリフルオロメタンスルホン酸2’,4’−ジクロロ−3−ホルミルビフェニル−4−イルエステルが橙色油として得られる。
【0085】
ステップ3: 2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−カルバルデヒドの調製
【化50】

トリフルオロメタンスルホン酸2’,4’−ジクロロ−3−ホルミルビフェニル−4−イルエステル(30.0g、0.075mol)、シクロプロピルボロン酸(8.50g、0.097mol)、リン酸カリウム(56.30g、0.27mol)および臭化ナトリウム(7.7g、0.075mol)の混合物に、窒素雰囲気下で、トルエン(300ml)、次いで蒸留水(30ml)を添加する。次いで、この混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(9.30g、0.0081mol)を一度に添加し、次いで混合物を100℃で一晩加熱する。室温まで冷却後、混合物を蒸留水(500ml)および酢酸エチル(500ml)で希釈し、2相を分離する。水相を再び酢酸エチルで抽出し(2×500ml)、次いで全ての有機分画を合わせてから、蒸留水(1L)、次いでブライン(1L)で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中2〜10%酢酸エチル溶離液)により精製し、次いでさらに塩基性アルミナでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル溶離液)により精製すると、2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−カルバルデヒド(11.7g、54%)が得られる。
【0086】
ステップ4: 4−[1−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン
【化51】

ジヒドロ−2,2,5,5−テトラメチルフラン−3−オン(15.70g、0.11mol)の無水1,2−ジメトキシエタン(285ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(6.50g、0.12mol)を一度に添加し、混合物をこの温度で30分間撹拌する。次いで、温度を10℃未満に維持しながら、2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−カルバルデヒド(13.70g、0.047mmol)の溶液を、滴下により20分間かけて添加する。反応混合物をこの温度で2時間撹拌し、次いで室温まで温めてから、ジエチルエーテルおよび蒸留水で希釈する。2相を分離し、水相を再びジエチルエーテルで抽出する(2回)。有機分画を合わせ、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。水相をさらに2M塩酸で酸性化し、次いで再びジエチルエーテルで抽出し(2回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。全ての有機物を合わせ、次いでトルエンで希釈して共沸させる(4回)と、4−[1−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(20.0g)が得られるが、これは次のステップにおいて直接使用するのに十分な純度である。
【0087】
ステップ5: 2−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサ−スピロ[2.4]ヘプタン−7−オン
【化52】

4−[1−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(20.0g、0.048mol)のメタノール(800ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(4.80ml、0.072mmol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム(4.80ml、9.60mmol)溶液を添加する。混合物をこの温度でさらに2時間撹拌し、次いで室温まで冷却する。次いで、反応混合物を10%メタ重亜硫酸ナトリウム(陰性のKI−デンプン紙試験)でクエンチし、ジエチルエーテルで希釈する。メタノールのほとんどを真空下で除去し、粗混合物を蒸留水およびジエチルエーテルに分配する。水相をさらにジエチルエーテルで抽出し(2回)、次いで有機物を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム(2回)、次いでブラインで洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥後、懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮すると、2−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサ−スピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(17.80g)が橙色発泡体として得られる。この材料は、それ以上精製することなく次のステップにおいて直接使用するのに十分な純度である。
【0088】
1H NMR(CDCl3): δ 7.49(s,1H),7.37(s,1H),7.37−7.25(m,2H),7.20(d,1H),6.99(d,1H),4.75(s,1H),1.80(m,1H),1.40−1.28(m,9H),1.10−0.98(m,2H),0.90−0.80(m,4H),0.75−0.80(m,1H)。
【0089】
ステップ6: 4−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化53】

2−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサ−スピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(17.80g、0.041mol)およびイッテルビウムトリフレート(2.20g、4.41mmol)の混合物に、5M過塩素酸リチウム(ジエチルエーテル42mlおよび過塩素酸リチウム22.30gから調製される)の溶液を添加する。得られる懸濁液を、室温で17日間撹拌し、この段階で、さらなるジエチルエーテル(42ml)、過塩素酸リチウム(22.3g、0.21mol)およびイッテルビウムトリフレート(19.8g、0.035mol)を添加する。次いで反応混合物を27℃(内部温度)で1日間加熱し、続いてジエチルエーテルおよび蒸留水に分配する。2相を分離し、水相をジエチルエーテルで抽出し(2回)、次いで全ての有機分画を合わせ、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。粗材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン溶離液)により精製すると、油が得られ、これをヘキサンで磨砕すると、4−(2’,4’−ジクロロ−4−シクロプロピルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(2.80g)が白色固体として得られる。
【0090】
1H NMR(CDCl3): δ7.48(s,1H),7.38(dd,1H),7.29(s,2H),7.16−7.11(m,2H),5.69(s,1H),1.76(m,1H),1.61(d,6H),1.49(d,6H),0.92−0.86(m,2H),0.82−0.76(m,1H),0.62−0.54(m,1H)。
【0091】
例P10: 4−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化54】

ステップ1: 2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−カルバルデヒドの調製
【化55】

5−ブロモ−2−エチルベンズアルデヒド(1.0g、4.7mmol)、2,4−ジクロロフェニルボロン酸(1.34g、7.0mmol)および炭酸ナトリウム(0.99g、7.98mmol)の1,2−ジメトキシエタン(12ml)および蒸留水(4ml)の混合溶媒系中の懸濁液を、窒素雰囲気下で撹拌し、次いで窒素で洗浄する(2回)。次いで、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(1.15g、1.41mmol)を一度に追加し、懸濁液を再び窒素で洗浄し、次いで還流下で一晩加熱する。室温まで冷却後、反応混合物を蒸留水(10ml)で希釈し、ジクロロメタン(10ml)で抽出する。水相を再びジクロロメタンで抽出し(2回)、合わせた有機分画を最後にブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサンから75:25イソヘキサン/酢酸エチル比の溶離液)により精製すると、2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−カルバルデヒドが黄色油として得られる。
【0092】
ステップ2: 4−[1−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化56】

2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(1.15g、0.0081mol)の1,2−ジメトキシエタン(2ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(0.481g、0.0089mol)を一度に添加する。次いで反応混合物をこの温度で5分間撹拌し、続いて2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−カルバルデヒド(2.02g、0.0072mol)の1,2−ジメトキシエタン(2.7ml)中の第2の溶液を添加する。0℃でさらに2時間撹拌後、反応混合物を室温で一晩静置する。 粗溶液を2M塩酸に注ぎ込み、エーテルで抽出する(3回)。有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中5%酢酸エチルからイソヘキサン中25%酢酸エチル)により精製すると、4−[1−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンが黄色粘性物質として得られる。
【0093】
ステップ3A: 2−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化57】

4−[1−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(2.04g、0.0051mol)のメタノール(24ml)中の55℃の溶液に、過酸化水素溶液(0.43ml、0.0076mmol、50重量%溶液)を添加し、その直後に水酸化リチウム水溶液(0.25ml、0.0005mol)を添加する。反応混合物をこの温度で30分間加熱し、次いで室温まで急冷し、飽和チオ硫酸ナトリウムでクエンチする。粗生成物をジエチルエーテルで抽出し(3回)、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中5%酢酸エチルからイソヘキサン中25% 酢酸エチル)により精製すると、2−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンが黄色粘性物質として得られる。
【0094】
ステップ3B: 2−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化58】

4−[1−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(0.500g、1.24mmol)のトルエン(3.7ml)中の溶液に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(3.30g、6.20mmol、14%活性塩素)およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(0.013g、0.04mmol)を添加し、次いで二相混合物を50℃で4時間撹拌する。次いで反応混合物を追加のトルエンで希釈し、相を分離し、有機相を再び蒸留水で洗浄する(2回)。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで真空下で濃縮すると、2−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンが白色固体として得られる。
【0095】
ステップ4A: 4−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化59】

濃硫酸(6ml)の氷冷溶液に、2−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(1.90g、0.0045mol)の1,2−ジクロロエタン(6ml)中の第2の溶液を、滴下により5分間かけて添加する。この二相混合物を0℃で2時間激しく撹拌し、次いで氷に注ぎ込み、ジエチルエーテルで抽出する。全ての有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで真空下で濃縮する。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中5%酢酸エチルからイソヘキサン中25%酢酸エチル)により精製すると、4−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンが黄色粘性物質として得られる。
【0096】
1H NMR(CDCl3): δ 7.48(d,1H),7.43(m,2H),7.30(m,2H),7.13(d,1H),5.71(br.s,1H),2.55−2.44(m,2H),1.62(s,6H),1.49(app.d,6H),1.17(t,3H)。
【0097】
ステップ4B: 4−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化60】

2−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(0.0418g、0.10mmol)のトルエン(0.3ml)中の溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.019g、0.10mmol)を添加する。次いで混合物を150℃で1時間加熱し、その後室温まで冷却する。反応混合物を蒸留水に注ぎ込み、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで真空下で濃縮すると、4−(2’,4’−ジクロロ−4−エチルビフェニル−3−イル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンが得られる。
【0098】
例P11: 4−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化61】

ステップ1: 5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシベンズアルデヒドの調製
【化62】

5−ブロモサリチルアルデヒド(7.60g、0.038mol)および炭酸セシウム(17.30g、0.053mol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(55ml)中の懸濁液に、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(13.30g、0.087mol)、続いて蒸留水(10ml)を添加する。反応混合物を100℃で6時間加熱し(固体の大きな塊はスパチュラで破砕する)、次いで室温まで冷却し、濃塩酸(15ml)でクエンチする。さらに2時間撹拌後、反応混合物を蒸留水で希釈し、酢酸エチルで抽出する(2回)。有機分画を合わせ、2M水酸化ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮すると、次のステップにおいて直接使用するのに十分な濃度の5−ブロモ−2−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド(5.66g)が得られる。
【0099】
ステップ2: 4−[1−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オンの調製
【化63】

2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(3.60g、0.025mol)の無水1,2−ジメトキシエタン(8ml)中の氷冷溶液に、ナトリウムメトキシド(1.51g、0.028mol)を一度に添加する。この温度で5分間撹拌後、5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシ−ベンズアルデヒド(5.66g、0.023mol)の1,2−ジメトキシエタン(8ml)中の溶液を、滴下により10分間かけて滴下し、続いて0℃でさらに1時間撹拌する。室温まで温めた後、反応混合物をエーテルで希釈し、2M塩酸で洗浄する(2回)。有機分画を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発させると、4−[1−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(8.89g)が橙色油として得られる。
【0100】
ステップ3: 2−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オンの調製
【化64】

4−[1−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)メチリデン]−2,2,5,5−テトラメチルジヒドロフラン−3−オン(8.89g、0.023mol)のメタノール(380ml)中の35℃の溶液に、50%過酸化水素水溶液(2.30ml、0.034mol)を添加し、その直後に2M水酸化リチウム水溶液(2.30ml、0.0046mmol)を添加する。この温度で1時間撹拌後、反応混合物を冷却し、次いで10%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(陰性のKI−デンプン紙試験)でクエンチする。 反応混合物をジエチルエーテルで抽出し(3回)、次いで有機相をさらに飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)、次いでブラインで洗浄する。全ての有機物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して濾液を真空下で濃縮すると、2−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(7.22g)が黄色粘性物質として得られる。
【0101】
ステップ4: 4−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオンの調製
【化65】

濃硫酸(12ml)の氷冷溶液に、2−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−4,4,6,6−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.4]ヘプタン−7−オン(7.22g、18.00mmol)の1,2−ジクロロエタン(12ml)中の第2の溶液を、滴下により5分間かけて添加する。この二相混合物を0℃で2時間激しく撹拌し、次いで室温で一晩静置する。反応混合物を氷水に注ぎ込み、少量の追加の1,2−ジクロロエタン/水で濯ぎ、次いで真空下で濃縮して全ての有機溶媒を除去する。次に、組成生物を酢酸エチル中に抽出し(3回)、次いで全ての有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮し、次いでフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン中10%から25%酢酸エチル)により精製すると、油が得られ、これをヘキサンで磨砕すると、4−(5−ブロモ−2−ジフルオロメトキシフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピラン−3,5−ジオン(2.08g)が白色固体として得られる。
【0102】
1H NMR(CDCl3): δ 7.54(dd,0.75H,異性体A),7.51(dd,0.25H,異性体B),7.37(d,0.75H,異性体A),7.32(d,0.25H,異性体B),7.15(d,0.75H,異性体A),7.06(d,0.25H,異性体),6.32(t,0.75H,異性体A),6.29(t,0.25H,異性体B)1H),5.86(s,0.75H,異性体A),5.28(s,0.25H,異性体A),1.58−1.44(m,12H,異性体AおよびB)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(式中、
1は、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルであり、
2は、水素、ハロゲン、メチルスルホニルオキシ、C1−C4ハロアルキルスルホニルオキシ、p−トリルスルホニルオキシ、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換されたヘテロアリールであり、
rは、0、1、2または3であり、
3は、rが1である場合、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、シアノもしくはニトロであり;または、置換基R3は、rが2もしくは3である場合、互いに独立して、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、シアノもしくはニトロであり、
Yは、O、S、SO、SO2またはCOであり、
4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルキルチオC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルフィニルC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルホニルC1−C4アルキル、シクロプロピルあるいはC1−もしくはC2アルキル、C1−もしくはC2ハロアルキルまたはハロゲンで置換されたシクロプロピル;シクロブチルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたシクロブチル;オキセタニルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたオキセタニル;C5−C7シクロアルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキル(シクロアルキル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);C4−C7シクロアルケニルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC4−C7シクロアルケニル(シクロアルケニル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);シクロプロピルC1−C5アルキルあるいはC1−もしくはC2アルキル、C1−もしくはC2ハロアルキルまたはハロゲンで置換されたシクロプロピルC1−C5アルキル;シクロブチルC1−C5アルキルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたシクロブチルC1−C5アルキル;オキセタニルC1−C5アルキルまたはC1−もしくはC2アルキルで置換されたオキセタニルC1−C5アルキル;C5−C7シクロアルキルC1−C5アルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキルC1−C5アルキル(シクロアルキル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);C4−C7シクロアルケニルC1−C5アルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC4−C7シクロアルケニルC1−C5アルキル(シクロアルケニル部分のメチレン基は、酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);フェニルまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたフェニル;ベンジルまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたベンジル;ヘテロアリールまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたヘテロアリールであり;あるいは、
4およびR5、またはR6およびR7は、結合して、メチレン基が酸素もしくは硫黄原子で任意選択で置き換えられた5〜7員飽和もしくは不飽和環、または、環のメチレン基が酸素もしくは硫黄原子で任意選択で置き換えられた、C1−もしくはC2アルキルで置換された5〜7員飽和もしくは不飽和環を形成し;あるいは、
4およびR7は、結合して、C1−もしくはC2アルキル、C1−もしくはC2アルコキシ、C1−もしくはC2アルコキシC1−もしくはC2アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、フェニルまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたフェニル;ヘテロアリールまたはC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニルもしくはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたヘテロアリールで置換されていない、または置換された5〜7員飽和もしくは不飽和環を形成する)の化合物。
【請求項2】
1は、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C3−C6シクロアルキルまたはC1−C4−ハロアルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2は、ハロゲン、アリールもしくはヘテロアリール;または共にハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、フェノキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4ハロアルキルチオ、C1−C4ハロアルキルスルフィニル、C1−C4ハロアルキルスルホニル、C3−C6シクロアルキル、C1−C4アルキルスルホニルオキシ、C1−C4ハロアルキルスルホニルオキシ、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルキルチオC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルフィニルC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルホニルC1−C4アルキル、ニトロ、シアノ、チオシアナト、ヒドロキシ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、C3−C6シクロアルキルアミノ、モルホリノ、チオモルホリノ、C1−C6アルキルカルボニルアミノ、C1−C6アルコキシカルボニルアミノ、C3−C6アルケニルオキシカルボニルアミノ、C3−C6アルキニルオキシカルボニルアミノ、C1−C6アルキルアミノカルボニルアミノ、ジ(C16アルキル)アミノカルボニルアミノ、ホルミル、C1−C6アルキル−カルボニル、C2−C6アルケニルカルボニル、C2−C6アルキニルカルボニル、カルボキシ、C1−C6アルコキシカルボニル、C3−C6アルケニルオキシカルボニル、C3−C6アルキニルオキシカルボニル、カルボキシアミド、C1−C6アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニル、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ(C1−C6アルキル)アミノカルボニルオキシもしくはC1−C6アルキルチオカルボニルアミノで置換されたアリールもしくはヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式Iの化合物中のR2は、ハロゲン、アリールもしくはヘテロアリール;または共にハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェノキシ、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4ハロアルキルチオ、C1−C4ハロアルキルスルフィニル、C1−C4ハロアルキルスルホニル、ニトロもしくはシアノで置換されたアリールもしくはヘテロアリールである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
2は、フェニル、チエニル、フリル、ピロリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピリダジニル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリル、ならびにN−オキシドおよびその塩であり、これらの環は、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルホニル、C1−C4ハロアルキルチオ、C1−C4ハロアルキルスルフィニル、C1−C4ハロアルキルスルホニル、ニトロまたはシアノで置換されていない、または置換されている、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
2は、フェニルもしくはピリジル、または共にハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C2アルキル、C1−C2ハロアルキル、C1−C2アルコキシもしくはC1−C2ハロアルコキシで置換されたフェニルもしくはピリジルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
2は、パラ位でハロゲンで置換されたフェニルであり、任意選択でさらにハロゲン、ニトロ、C1−C2アルキル、C1−C2ハロアルキル、C1−C2アルコキシまたはC1−C2ハロアルコキシで置換されている、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
3は、水素またはC1−C6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
3は、rが1である場合、C1−C3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシC1−C4アルキル、C1−C4アルキルチオC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルフィニルC1−C4アルキル、C1−C4アルキルスルホニルC1−C4アルキル;C5−C7シクロアルキルあるいはC1−もしくはC2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキル(メチレン基が酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている);C5−C7シクロアルキルC1−C5アルキルあるいはC1−C2アルキルまたはC1−もしくはC2ハロアルキルで置換されたC5−C7シクロアルキルC1−C5アルキル(メチレン基が酸素もしくは硫黄原子またはスルフィニルもしくはスルホニル基で任意選択で置き換えられている)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、水素、C1−C2アルキル、C1−C2ハロアルキルまたはC1−C2アルコキシC1−C2アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Yは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
1は、エチル、メチルまたはシクロプロピルであり、R2は、フェニルまたはハロゲンもしくはC1−C2アルキルで置換されたフェニルであり、R3は、水素であり、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立して、C1−C2アルキルであり、Yは、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
式I
【化2】

(式中、R1からR7およびnは、請求項1において定義される通りである)の化合物の調製のための方法であって、式(F)
【化3】

の化合物を、式(D)
【化4】

の化合物と反応させるステップを含む方法。
【請求項15】
式I
【化5】

(式中、R1からR7およびnは、請求項1において定義される通りである)の化合物の調製のための方法であって、式(C)
【化6】

の化合物を、式(D)
【化7】

の化合物と反応させ、式(B)の化合物を得るステップと、
【化8】

酸化剤とのさらなる反応と、を含む方法。
【請求項16】
式(A)
【化9】

の化合物の調製のための方法であって、式(I)
【化10】

の化合物を、酸と反応させるステップを含む方法。

【公表番号】特表2012−528104(P2012−528104A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512334(P2012−512334)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057121
【国際公開番号】WO2010/136431
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】