説明

中間転写媒体、個人認証媒体および個人認証媒体の製造方法

【課題】 被転写面と画像形成層を含む受像層との密着を強化することが可能にする。
【解決手段】 少なくとも転写可能な受像層が支持体上に形成され、受像層は微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子を形成した画像形成層が支持体上に形成された感熱転写記録媒体を用いて感熱転写された画像形成層を有し、画像形成層が感熱転写された受像層の面を被転写体の被転写面に向けて重ね、加熱加圧することにより受像層と共に画像形成層を前記被転写体上に転写して画像形成体を得る画像形成方法に使用する中間転写媒体において、易接着層が支持体上に前記受像層と共に支持体の面方向に配列して形成され、前記易接着層は透明で、加熱により支持体から剥離可能であり、かつ被転写体および受像層と画像形成層とのいずれにも加熱により接着性を呈することを特徴とする中間転写媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写媒体、個人認証媒体および個人認証媒体の製造方法に関し、特に個人認証に利用可能な画像表示技術を用いる中間転写媒体、個人認証媒体および個人認証媒体の製造方法に係る。
【背景技術】
【0002】
パスポートおよびID(identification)カードなどの個人認証媒体の多くは、目視による個人認証を可能とするために、顔画像を使用している。
【0003】
従来、例えばパスポートでは顔画像を焼き付けた印画紙を冊子体に貼り付けていた。しかしながら、そのようなパスポートには、写真印画の貼り替えによる改竄のおそれがある。
【0004】
このようなことから、近年では顔画像の情報をデジタル化し、これを冊子体上に再現する傾向にある。この画像再現方法としては、例えば転写リボンを用いた感熱転写記録法が検討されている。
【0005】
感熱転写記録法により個人認証媒体を作成する手段の1つとしては、画像および文字などの情報を中間転写媒体に形成・担持し、さらに基材からなる情報記録被転写体に転写形成するものがある。
【0006】
個人認証媒体の作成に用いられる熱転写可能な中間転写媒体は、支持体と、支持体上に剥離層、中間層、接着層などをこの順次設けた転写層とを備える。中間転写媒体の使用において、転写層側が情報記録被転写体の基材に重ねられて加圧され、支持体側または基材側のいずれかから加熱することによって、転写層を基材に転写する。
【0007】
剥離層は、支持体と転写層との界面がそれぞれの材料同士の相性によって、転写の際に転写層が巧く剥離しない場合、これらの良好な剥離を実現させるために設ける層である。
【0008】
中間層は、接着層と剥離層との間に存在する層で必要に応じて適宜設計される。中間層は、例えば両者の間の接着力を向上させる層、または偽造防止対策や装飾性を高めるための層、例えば回折構造を持ったOVD(Optical Variable Device)形成層が挙げられる。
【0009】
接着層は、加熱加圧によって基材との接着を行う層であり、熱移行性材料で画像・文字などの情報を形成する受像層を兼ねた受像層兼接着層とすることができる。
【0010】
受像層および受像層兼接着層とは、感熱転写プリンタまたはインクジェットプリンタ等によって印刷の版無しで画像情報(文字、記号等も含む)を記録できる受像適性を備えた層であり、中間転写媒体の転写前に染料または顔料による印刷画像を設けることが可能である。
【0011】
受像層兼接着層への情報の形成は、中間転写媒体を主要部がドラムおよびサーマルヘッドで構成される転写装置に搬送し、色材が熱移行性材料である感熱転写記録媒体の色材層を中間転写媒体の受像層兼接着層に当接させると共に、前記サーマルヘッドを感熱転写記録媒体側から圧接し、かつ画像データに基づき前記サーマルヘッドの発熱素子群を適宜発熱させて、画像データに基づく画像パターンを受像層兼接着層に形成・印刷する方法が採用される。
【0012】
このような中間転写媒体を用いて基材に画像パターンを転写する方法の一例を挙げると、中間転写媒体の接着層または受像層兼接着層を被転写体の被転写面に当接させ、かつ中間転写媒体の支持体側から熱ロール、熱板等の加熱媒体を圧接し、転写温度に加熱して被転写体である基材に接着層を圧着させると共に、中間転写媒体の支持体を剥離させる。これにより、個人認証媒体を得ることができる。
【0013】
一方、受像層兼接着層への情報の別の形成方法において、基材に剥離層と、微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子を形成した画像形成層と、前記微細な凹凸面に沿って形成され、前記画像形成層よりその屈折率が大きい材料の透過性薄膜層および接着層をこの順序で設けた感熱転写記録媒体を準備する。このような熱移行性材料の感熱転写記録媒体の接着層側を中間転写媒体の受像層兼接着層に当接させ、感熱転写記録媒体に画像情報に基づいた選択的加熱を施すことよって、レリーフ型ホログラムもしくは回折格子による個別情報の画像パターンを中間転写媒体の受像層兼接着層に感熱転写記録する。感熱記録後には、感熱転写記録媒体の基材を剥離するため、中間転写媒体に転写された画像パターンは最表面に剥離層が位置される。
【0014】
ところで、色材からなる文字等が転写された第1中間転写媒体および前述したレリーフ型ホログラムもしくは回折格子による個別情報の画像パターンが転写された第2中間転写媒体を用い、最初に第1中間転写媒体の文字等を被転写体に転写し、その上に第2中間転写媒体のレリーフ型ホログラムもしくは回折格子による個別情報の画像パターンを転写して個人認証媒体を得ることが考えられる。これは、従来の印刷機にさらに追加で印刷機を導入する場合など、異なる印刷機で多重に中間転写記録を行う場合などである。
【0015】
具体的には、個人認証媒体は次の方法により製造されている。
【0016】
印刷機の第1ユニットにおいて、例えば色材からなる第1感熱転写記録媒体を準備し、かつ支持体上に剥離層および受像層を形成した第1中間転写媒体を準備する。第1感熱転写記録媒体を第1中間転写媒体の受像層に当接させ、第1感熱転写記録媒体に文字等の情報に基づいた選択的加熱を施すことよって文字等の画像パターンを第1中間転写媒体の受像層に形成する。つづいて、第1中間転写媒体の文字等の画像パターン側を被転写体の被転写面に当接させ、例えば支持体側から熱ロール、熱板等の加熱媒体を圧接し、転写温度に加熱して被転写体である基材に第1中間転写媒体の文字等の画像パターンを転写し、その後第1中間転写媒体の支持体を剥離する。剥離後において、被転写体は転写された文字等の画像パターンを挟んで最表面に剥離層が存在する。
【0017】
次いで、印刷機の第2ユニットにおいて前述した受像層への情報の別の形成方法に従って第2感熱転写記録媒体のレリーフ型ホログラムもしくは回折格子による個別情報の画像パターンを第2中間転写媒体の受像層に感熱転写記録し、その後第2感熱転写記録媒体の基材を剥離する。このとき、第2中間転写媒体に転写された個別情報の画像パターンは最表面に剥離層が位置される。ひきつづき、第2中間転写媒体の個別情報の画像パターン側を前記被転写体の文字等の画像パターン側に当接させ、例えば支持体側から熱ロール、熱板等の加熱媒体を圧接し、転写温度に加熱して被転写体に第2中間転写媒体の個別情報の画像パターンを転写し、その後第2中間転写媒体の支持体を剥離し、個人認証媒体を製造する。
【0018】
しかしながら、第2中間転写媒体の個別情報の画像パターンを文字等の画像パターンが転写された被転写体にさらに転写する際に、被転写体の最表面は剥離層で覆われ、かつ第2中間転写媒体の個別情報の画像パターンにおける最表面も剥離層で覆われているため、剥離層同士の接着となり、互いに密着することが殆ど困難である。個人認証媒体で各層の密着性が低下すると、そこから剥離して貼り替えるという変造のおそれがある。特に、パスポートでは顔写真の差し替えを防ぐ必要が重要であり、各層の密着を強化することは偽変造を防止する効果がある。
【0019】
これを防止するために、特許文献1には中間転写媒体を被転写体に転写する際に、中間転写媒体に易接着層の熱転写を行う画像形成装置が記載されている。この装置は、色材が熱移行性材料である感熱転写記録媒体に易接着層を設け、中間転写媒体に熱転写を行う構造を有する。この装置によれば被転写面への密着について改善することができる。
【0020】
しかしながら、レリーフ型ホログラムもしくは回折格子による個別情報の画像パターンを感熱転写記録できるような感熱転写記録媒体は、色材の感熱転写記録媒体と比較して、層構成も複雑で、反射層の形成や熱エンボス工程などがあるため、この感熱転写記録媒体に易接着層を追加するのは技術的、コスト的にも不利となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特許第3632516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、被転写体の被転写面が予め中間転写媒体(第1中間転写媒体)の転写により剥離層が存在し、さらにこの剥離層上に画像形成層が感熱転写された受像層を感熱転写記録する際に、被転写面と画像形成層を含む受像層との密着を強化して偽変造の防止が可能な第2中間転写媒体としての中間転写媒体を提供する。
【0023】
本発明は、前記第2中間転写媒体の使用による個人認証媒体を提供する。
【0024】
本発明は、前記第2中間転写媒体を用いて簡単な工程で個人認証媒体を製造し得る方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記の課題を解決するための手段として、本発明の第1側面によると、少なくとも転写可能な受像層が支持体上に形成され、前記受像層は微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子を形成した画像形成層が支持体上に形成された感熱転写記録媒体を用いて感熱転写された前記画像形成層を有し、前記画像形成層が感熱転写された前記受像層の面を被転写体の被転写面に向けて重ね、加熱加圧することにより受像層と共に前記画像形成層を前記被転写体上に転写して画像形成体を得る画像形成方法に使用する中間転写媒体において、
易接着層が前記支持体上に前記受像層と共に前記支持体の面方向に配列して形成され、
前記易接着層は透明で、加熱により支持体から剥離可能であり、かつ前記被転写体および前記受像層と前記画像形成層とのいずれにも加熱により接着性を呈することを特徴とする中間転写媒体が提供される。
【0026】
本発明の第2側面によると、前記第1側面において前記支持体が帯状をなし、前記易接着層と前記受像層が前記支持体上にその支持体の長手方向に沿って交互に形成されることを特徴とする中間転写媒体が提供される。
【0027】
本発明の第3側面によると、前記第1側面または第2側面において前記被転写体の被転写面は前記中間転写媒体とは別の中間転写媒体から転写された剥離層が形成され、かつ前記易接着層が前記剥離層に加熱により接着性を呈することを特徴とする中間転写媒体が提供される。
【0028】
本発明の第4側面によると、前記第1側面から第3側面において前記易接着層と前記受像層は互いに材料構成および厚さが同じであることを特徴とする中間転写媒体が提供される。
【0029】
本発明の第5側面によると、前記第1側面から第4側面において光学的に読取り可能な位置決めマークは前記支持体に前記易接着層と前記受像層とが前記支持体の面方向に配列された位置に対応してさらに設けられることを特徴とする中間転写媒体が提供される。
【0030】
本発明の第6側面によると、前記第1側面から第5側面において透過性反射層が前記感熱転写記録媒体の微細な凹凸パターンで構成される前記画像形成層に前記微細な凹凸面に沿って形成され、前記透過性反射層は画像形成層の屈折率と異なる屈折率を有することを特徴とする中間転写媒体が提供される。
【0031】
本発明の第7側面によると、少なくとも転写可能な受像層が支持体上に設けられ、前記受像層は微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子からなる画像形成層が支持体上に形成される感熱転写記録媒体を用いて感熱転写された感熱転写画像を有する中間転写媒体を準備し、この中間転写媒体の前記感熱転写画像が記録された前記受像層の面を被転写体の被転写面に向けて重ね、加熱加圧することにより前記受像層と共に前記感熱転写画像を前記被転写体上に転写して画像形成体を得る個人認証媒体において、前記中間転写媒体として前記第1側面から第6側面いずれかの中間転写媒体を用いることを特徴とする個人認証媒体が提供される。
【0032】
本発明の第8側面によると、前記第7側面において前記画像形成体が個人認証を行う顔画像を含んだ個人情報であることを特徴とする個人認証媒体が提供される。
【0033】
本発明の第9側面によると、色材からなる第1感熱転写記録媒体を準備する工程;
支持体上に剥離層および受像層をこの順序で形成した第1中間転写媒体を準備する工程;
支持体上に剥離層および微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子からなる画像形成層をこの順序で形成した第2感熱転写記録媒体を準備する工程;
支持体上に転写可能な受像層および易接着層を前記支持体の面方向に配列して形成した、ここで前記易接着層が透明で、加熱により支持体から剥離可能であり、かつ前記剥離層および前記受像層と前記画像形成層とのいずれにも加熱により接着性を呈する、第2中間転写媒体を準備する工程;
前記第1中間転写媒体の前記受像層の面と前記第1感熱転写記録媒体である前記色材とを重ね、色材側から画像情報に基づいた選択的加熱を施して前記受像層上に色材の画像パターンを熱転写する工程;
前記第1中間転写媒体の画像パターンが記録された前記受像層の面を被転写体の被転写面に向けて重ね、前記第1中間転写媒体と被転写体の少なくともいずれかを加熱加圧することにより第1中間転写媒体から前記剥離層と共に前記受像層および前記画像パターンを前記被転写体上に転写する工程;
前記第2中間転写媒体の前記受像層と前記第2感熱転写記録媒体の前記画像形成層とを重ね、前記第2感熱転写記録媒体側から画像情報に基づいた選択的加熱を施して前記受像層に画像形成層を含む画像パターンを熱転写する工程;
前記被転写体の被転写面である前記剥離層と前記第2中間転写媒体の易接着層とを重ね、前記第2中間転写媒体および被転写体の少なくともいずれかの側から選択的加熱を施して前記剥離層上に前記易接着層を熱転写する工程;および
前記被転写体の前記易接着層と前記第2中間転写媒体の前記画像パターンが記録された前記受像層とを重ね、前記第2中間転写媒体および前記被転写体の少なくともいずれかの側を加熱加圧することにより画像パターンを第2中間転写媒体から前記受像層と共に前記被転写体の易接着層に転写して画像形成体を得る工程
を含むことを特徴とする個人認証媒体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0034】
本発明の第1側面によれば、易接着層が支持体上に受像層と共に前記支持体の面方向に配列して形成され、易接着層が加熱により支持体から剥離可能であり、かつ被転写体および受像層と、受像層に感熱転写画像として転写した画像形成層とのいずれにも加熱により接着性を呈するようにすることで、被転写体の被転写面に強固に密着させることが可能な中間転写媒体を提供できる。
【0035】
本発明の第2側面によれば、前記支持体が帯状をなし、前記易接着層と前記受像層が前記支持体上にその支持体の長手方向に沿って交互に形成されるため、被転写体の被転写面への易接着層および感熱転写画像として転写した画像形成層を有する受像層の連続供給が可能なフープ(巻回体)の形態を持つ中間転写媒体を提供できる。
【0036】
本発明の第3側面によれば、被転写体の被転写面に中間転写媒体(第1中間転写媒体)を転写において剥離層が形成された場合であっても、その後に被転写体の被転写面に転写する易接着層が剥離層に接着性を有するため、被転写体の被転写面に強固に密着させることが可能な第2中間媒体としての中間転写媒体を提供できる。
【0037】
本発明の第4側面によれば、易接着層と受像層は、前記易接着層と前記受像層は互いに材料構成および厚さが同じであるため、支持体上に一度の塗工工程で易接着層と受像層を形成することが可能な中間転写媒体を提供できる。
【0038】
本発明の第5側面によれば、光学的に読取り可能な位置決めマークを支持体に易接着層と受像層とが前記支持体の面方向に配列された位置に対応して設けることによって、易接着層および受像層を被転写体の被転写面に精度よく転写することが可能な中間転写媒体を提供できる。
【0039】
本発明の第6側面によれば、透過性反射層を感熱転写記録媒体の微細な凹凸パターンで構成される画像形成層に前記微細な凹凸面に沿って形成し、前記透過性反射層が画像形成層の屈折率と異なる屈折率を有することによって、画像形成層からの画像の輝度をより明るくできるため、例えば個人識別をより判別し易くし、より精度良く認証を可能にする中間転写媒体を提供できる。
【0040】
本発明の第7側面によれば、被転写体の被転写面に強固に密着でき、偽変造を防止することが可能な中間転写媒体の使用によって、偽造や改竄を困難にしたセキュリティ性の高い個人認証媒体を提供できる。
【0041】
本発明の第8側面によれば、画像形成体が個人認証を行う顔画像を含んだ個人情報であるため、個人識別を行う審査官が不正行為に対してより判別し易くし、かつより精度良く認証することが可能な個人認証媒体を提供できる。
【0042】
本発明の第9側面によれば、偽造や改竄を困難にしたセキュリティ性の高い個人認証媒体を容易に製造し得る方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一態様に係る感熱転写記録媒体を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一態様に係る中間転写媒体を示す概略図である。
【図3】図2の中間転写媒体を概略的に示す断面図である。
【図4】図3に示す中間転写媒体に図1に示す感熱転写記録媒体を感熱転写した状態を概略的に示す断面図である。
【図5】被転写体に図4に示す中間転写媒体を転写した状態を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の一態様に係る個人認証媒体の製造に用いる印刷機の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様または類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0045】
図1は、本発明の一態様に係る感熱転写記録媒体を概略的に示す断面図である。
【0046】
感熱転写記録媒体10は、支持体12の裏面にバックコート11を形成し、支持体12の表面に剥離層13、画像形成層14、透過性薄膜層15および接着層16をこの順序で積層した構造を有する。
【0047】
支持体12は、例えば樹脂フィルムまたはシートである。支持体12は、例えばポリエチレンテレフタレートのような耐熱性に優れた材料から作られる。
【0048】
バックコート11は、サーマルヘッドに対して密着性を上げ、滑りを円滑にし、かつ熱伝導性を良好にするために設けるもので、例えばシリコンアクリレートなどを用いることができる。
【0049】
剥離層13は、画像形成層14の支持体12からの剥離を安定化する役割を果たす。剥離層13は、光透過性を有し、典型的には透明である。剥離層13は、例えば熱可塑性樹脂から作ることができる。剥離層13は、例えばフッ素樹脂またはシリコーン樹脂を含んだ離型層に置き換えてもよい。
【0050】
画像形成層14は、回折構造として、ホログラムおよび回折格子の少なくとも一方を含んでいる。ここでは、画像形成層14は、表面に回折構造としてレリーフ構造が設けられた透明層である。透明層の材料の例は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含む。なお、画像形成層14は体積ホログラムであってもよい。
【0051】
透過性薄膜層15は、例えば画像形成層14と屈折率が異なる透明材料から作られ、画像形成層の回折構造が表示する輝度が向上し、画像の視認性を向上できる。透明反射層は、単層構造でも、多層構造でもよい。後者の場合、透過性薄膜層は繰り返し反射干渉を生じるように設計されていてもよい。透過性薄膜層は、例えば硫化亜鉛および二酸化チタンのような透明誘電体から作ることができる。透過性薄膜層は真空蒸着またはスパッタリングのような真空成膜法によって形成できる。
【0052】
透過性薄膜層15は、厚さが20nm未満の金属層を使用してもよい。金属層は、例えばクロム、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銀、金および銅のような単体金属またはそれらの合金から作ることができる。
【0053】
なお、透過性薄膜層15は省略することができる。
【0054】
接着層16は、例えば熱可塑性樹脂から作られる。
【0055】
図2は、本発明の一態様に係る中間転写媒体を示す概略図、図3は図2の中間転写媒体を概略的に示す断面図である。中間転写媒体20は、例えば帯状をなし、他端が巻回した形状をなす。中間転写媒体20は、図3に示すように帯状の支持体21に易接着層22と受像層23が支持体21の面方向に交互に配列した構造を有する。受像層23下の支持体21部分には剥離層24が配置されている。また、易接着層22もしくは受像層23の位置に対応した支持体21の箇所には光学的に読取り可能な位置決めマーク25を設けてある。
【0056】
易接着層22および受像層23は、同じ材料構成でかつ図3に示すように同厚さになっている。このような場合には、易接着層22および受像層23を一度の塗工により支持体21上(受像層23は剥離層24上に形成)に形成でき、中間転写媒体20の作製が容易になる。
【0057】
易接着層22は、透明で、加熱により支持体21から剥離可能であり、かつ被転写体および前記受像層23と前記感熱転写記録媒体から転写される画像形成層とのいずれにも加熱により接着性を呈する。易接着層22は、さらに被転写体の被転写面に剥離層が存在する場合、剥離層に対しも加熱により接着性を呈する。易接着層22は、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を主に含む混合樹脂から作ることができる。
【0058】
受像層23は、感熱転写記録媒体10の画像形成層14、透過性薄膜層15および接着層16が転写、記録できる受像適性を備えた層である。受像層23は、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を主に含む混合樹脂から作ることができる。
【0059】
剥離層24は、支持体21と受像層23との界面がそれぞれの材料同士の相性によって、転写の際に転写層が巧く剥離しない場合、これらの良好な剥離を実現させるために設ける層である。剥離層24は、例えば熱可塑性樹脂から作ることができる。剥離層24は、例えばフッ素樹脂またはシリコーン樹脂を含んだ離型層に置き換えてもよい。剥離層24は、被転写体の被転写面への転写後、支持体21を剥離した時に最表面となることから、保護層の役割も果たすような材料で構成される。
【0060】
易接着層22および受像層23は互いに同形状で、熱転写時の転写面積(有効転写面積)より大きな面積を有することが好ましい。
【0061】
剥離層24と受像層23の間には、必要に応じて中間層を介在させることを許容する。中間層は、例えば両者の間の接着力を向上させる層、または偽造防止対策や装飾性を高めるための層、例えば回折構造を持ったOVD(Optical Variable Device)形成層が挙げられる。
【0062】
なお、易接着層22と受像層23の支持体の面方向の配列は前述したようにそれらの層が交互に隣接する形態に限らず、ランダムであってもよい。
【0063】
次に、前述した図2および図3の中間転写媒体の使用形態、すなわち個人認証媒体の製造に適用した例を図4および図5を参照して説明する。
【0064】
最初に図4に示すよう感熱転写記録媒体10(図1図示)の接着層16を中間転写媒体20(図2図示)の受像層23の有効転写領域に密着させ、感熱転写記録媒体10のバックコート11側からサーマルヘッドで印字を行ことにより印字部40を中間転写媒体20の受像層23に熱転写し、感熱転写記録媒体10のバックコート層11および支持体12を剥離層13から剥離する。ここで、印字部40は受像層23に熱溶融により一体化した接着層16、透過性薄膜層15、画像形成層14および剥離層13をこの順序で積層した構造を有し、剥離層13が最表面に位置される。
【0065】
次いで、図5に示すように基材51に別の中間転写媒体から例えば文字等の画像パターン(図示せず)および剥離層52(最表面)を転写した被転写体50を準備し、この被転写体50の剥離層52に図3および図4に示す中間転写媒体20の易接着層22を熱転写する。さらに、被転写体50の易接着層22に図4で示した中間転写媒体20の受像層23に熱転写された印字部40と受像層23を密着させて熱転写する。この後、中間転写媒体20の支持体21を剥離層24との間で剥離することにより個人認証媒体を得る。
【0066】
以上説明した本発明の一態様にかかる中間転写媒体20は、支持体21に易接着層22と受像層23が支持体21の面方向に配列した構造を有するため、受像層23に印字部40(最表面に剥離層13が位置する)を熱転写し、前記印字部40を被転写体の被転写面に熱転写する際、印字部40および受像層23を前記易接着層22を介して被転写体に良好に密着することが可能になる。
【0067】
すなわち、図4に示すように中間転写媒体20の受像層23に印字部40を熱転写した時の状態は最表面に感熱転写記録媒体10の剥離層13が位置する。このような印字部40をそのまま被転写体に転写すると、この剥離層13部分で密着不良が発生する恐れがある。特に、図5に示すように被転写体50が中間転写により印字したもので、最表面に剥離層52が存在する場合には、この剥離層52と印字部40の剥離層13とが当接するため、それらを密着することは殆ど困難である。
【0068】
このようなことから本発明の一態様にかかる中間転写媒体20は支持体21に受像層23と共に易接着層22が支持体21の面方向に配列した構造を有し、図5に示すように前記易接着層22を用いて被転写面である剥離層52に予め転写することによって、印字部40の最表面に剥離層13が位置しても、印字部40の剥離層13と被転写体50の最表面の剥離層52とが直接当接することなく、それらの間に易接着層22を介在できるため、印字部40を被転写体50に易接着層22を介して良好に密着でき、同時に受像層23も易接着層22を介して被転写体50に良好に密着できる。その結果、個人情報となる印字部40の貼り替える変造の防止効果の高い個人認証媒体を得ることができる。
【0069】
さらに、易接着層22と受像層23を同じ材料構成にすれば、前記印字部40を被転写体の被転写面に熱転写する際、前記易接着層22を用いて被転写面に予め転写することによって、印字部40が熱転写される受像層23と易接着層22が一体化して強固に密着するため、印字部40を受像層23と易接着層22の内部に挟まった形態で埋め込むことができる。その結果、個人情報となる印字部40の改竄がより一層困難な個人認証媒体を得ることができる。
【0070】
中間転写媒体20の支持体21を剥離することで、最表面には剥離層24が残り、表面の保護の役割を果たして耐久性の向上と改竄の防止効果の向上を達成した個人認証媒体を得ることができる。
【0071】
次に、本発明の一態様に係る個人認証媒体の製造方法を図6を参照して説明する。図6は本発明の一態様に係る個人認証媒体の製造方法に用いる印刷装置の一例を示す概略図である。
【0072】
この印刷装置は、第1ユニット110と第2ユニット210によって構成されている。
【0073】
第1ユニット110は、色材からなる第1感熱転写記録媒体であるインクリボン111と第1中間媒体112を備える。インクリボン111はその供給部113から第1印字部であるプラテンロール114と第1サーマルヘッド115の間を通過して巻取り部116で巻取られる。第1中間転写媒体112はその供給部117からプラテンロール114とインクリボン111の間を通過し、さらに第1転写部であるラミネートロール118と熱ロール119の間を通過して巻取り部120で巻き取られる。なお、供給部117と巻取り部120はリバーシブルで第1中間媒体112は順方向および逆方向に移動可能になっている。
【0074】
前記第1中間転写媒体112は、支持体に剥離層と受像層をこの順序で形成した構成を有する。
【0075】
第2ユニット210は、第2感熱転写記録媒体211と第2中間転写媒体212を備える。第2感熱転写記録媒体211はその供給部213から第2印字部であるプラテンロール214と第2サーマルヘッド215の間を通過して巻取り部216で巻取られる。第2中間転写媒体212はその供給部217からプラテンロール214と第2感熱転写記録媒体211の間を通過し、さらに第2転写部であるラミネートロール218と熱ロール219の間を通過して巻取り部220で巻き取られる。なお、第2ユニット210には搬送ベルト221が配置されている。搬送ベルト221は、後述するように第1ユニット110で文字等の画像パターンが熱転写された被転写体(例えばパスポート冊子)を第2転写部に搬送する。また、供給部217と巻取り部220はリバーシブルで第2中間媒体212は順方向および逆方向に移動可能になっている。
【0076】
前記第2感熱転写記録媒体211は、前述した図1と同様な構造、すなわち支持体12の裏面にバックコート11を形成し、支持体の表面に剥離層13、微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子からなる画像形成層14、透過性薄膜層15および接着層16をこの順序で積層した構造を有する。
【0077】
前記第2中間転写媒体212は、前述した図3および図4と同様な構造、すなわち支持体21に易接着層22と受像層23が支持体21の面方向に交互に配列した構造を有する。受像層23下の支持体21部分には剥離層24が配置されている。また、易接着層22もしくは受像層23の位置に対応した支持体21の箇所には光学的に読取り可能な位置決めマーク25を設けてある。
【0078】
最初に、第1ユニット110において供給部113から供給された前記第1感熱転写記録媒体であるインクリボン111と供給部117から供給された第1中間媒体112の受像層とをプラテンロール114とサーマルヘッド115との間で重ね、サーマルヘッド115をインクリボン111側に移動させてその発熱素子群により画像情報に基づいた選択的加熱を施してインクリボン111に適宜発熱させて、第1中間媒体112の受像層に文字等の画像パターンを熱転写する。つづいて、巻取り部120で第1中間転写媒体112を所望長さ巻取り、第1中間転写媒体112の画像パターンを第1転写部のラミネートロール118と熱ロール119の間で被転写体であるパスポート冊子300に密着させ、ラミネートロール118と熱ロール119で加熱加圧して第1中間媒体112の画像パターンを受像層および剥離層と共に冊子300に熱転写する。このとき、冊子300に熱転写された画像パターンの最表面は剥離層が位置する。
【0079】
次いで、第2ユニット210において供給部213から供給された第2感熱転写記録媒体211の接着層と供給部217から供給された第2中間媒体212の受像層とをプラテンロール214とサーマルヘッド215との間で重ね、サーマルヘッド215を第2感熱転写記録媒体211のバックコート11側に移動させてその発熱素子群により画像情報に基づいた選択的加熱を施して適宜発熱させ、第2中間転写媒体212の受像層に個人情報の画像パターン(接着層、透過性薄膜層、画像形成層および剥離層の積層物)を第2感熱転写記録媒体211から熱転写する。このとき、第2中間転写媒体212に転写された画像パターンは、最表面に剥離層が存在する。つづいて、巻取り部220で第2中間転写媒体212を所望長さ巻取り、第2中間転写媒体212の易接着層(前記受像層の前段に隣接して配列される)を第2転写部のラミネートロール218と熱ロール219の間で搬送ベルト221にて搬送されたパスポート冊子300に密着させ、ラミネートロール218と熱ロール219で加熱加圧して第2中間媒体212の易接着層を冊子300に熱転写する。ひきつづき、第2中間媒体212と冊子300の密着を解除し、冊子300をラミネートロール218と熱ロール219の手前で搬送ベルト221にて移動させ、巻取り部220で第2中間転写媒体212を所望長さ巻戻し、第2中間転写媒体212の個人情報の画像パターンをラミネートロール218と熱ロール219の間で冊子300側に密着させ、ラミネートロール218と熱ロール219の間で加熱加圧して第2中間媒体212の画像パターンを受像層および剥離層と共に冊子300に熱転写し、文字の画像パターンおよび個別情報の画像形成体を有する個人認証媒体を製造する。なお、第2中間転写媒体212の易接着層と冊子との位置合わせおよび第2中間転写媒体212の受像層と冊子との位置合わせは第2中間転写媒体212の支持体に設けた位置決めマークをセンサ230で読み取ることによって行う。
【0080】
以上のような工程によって、第1ユニット110においてパスポート冊子300に第1中間転写媒体112で文字等の画像パターンを熱転写したときにその転写画像パターンの最表面に剥離層が位置し、第2ユニット210において第2中間転写媒体212に第2感熱転写記録媒体211で熱転写された個人情報の画像パターンの最表面に剥離層が位置しても、第1ユニット110から搬送されたパスポート冊子300に第2中間転写媒体212の前記個人情報の画像パターン(最表面に剥離層が位置する)を熱転写する前に、第2中間転写媒体212の易接着層を冊子300に熱転写することによって、第1ユニット110においてパスポート冊子300に第1中間転写媒体112で画像パターンを熱転写した後、第2ユニット210においてパスポート冊子300に第2中間転写媒体212の画像パターンを強固な密着力で熱転写できるため、偽造や改竄を困難にしたセキュリティ性の高い個人認証媒体を製造できる。
【0081】
なお、前述した一態様に係る個人認証媒体の製造方法ではユニットを2つ用いて連続して印字を行ったが、異なる装置ですでに印字された冊子に追加で印字することも可能である。特に、パスポートなどでは印字機を交換するには莫大な金額となるため、従来の印字機に追加として装置を導入したりすることにより印字機のコストを低減することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、パスポートや査証などの冊子等の画像形成体付き物品上に個人特定の要である顔画像や指紋を印刷・印字・描画する画像形成体の作製に用いる中間転写媒体に関し、特に正当な所有者の顔や指紋の画像といった画像情報などの個人認証情報を回折格子を設けたセルを複数配置して構成し、その上下層に彩紋や万線模様を施した有色層を設け、さらにそれらの層との密着を強固なものとすることで、偽造や改竄を困難にし、さらに個人識別を行う審査官に対してより不正行為があるものを判別し易くし、より精度良く認証ができる。
【符号の説明】
【0083】
10…感熱転写記録媒体、11、21…支持体、13、24…剥離層、14…画像形成層、20…中間転写媒体、22…易接着層、23…受像層、50…被転写体、51…基材、110…第1ユニット、111…インクリボン、112…第1中間転写媒体、210…第1ユニット、211…第2巻熱転写媒体、112…第1中間転写媒体、300…パスポート冊子(被転写体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも転写可能な受像層が支持体上に形成され、前記受像層は微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子を形成した画像形成層が支持体上に形成された感熱転写記録媒体を用いて感熱転写された前記画像形成層を有し、前記画像形成層が感熱転写された前記受像層の面を被転写体の被転写面に向けて重ね、加熱加圧することにより受像層と共に前記画像形成層を前記被転写体上に転写して画像形成体を得る画像形成方法に使用する中間転写媒体において、
易接着層が前記支持体上に前記受像層と共に前記支持体の面方向に配列して形成され、
前記易接着層は透明で、加熱により支持体から剥離可能であり、かつ前記被転写体および前記受像層と前記画像形成層とのいずれにも加熱により接着性を呈することを特徴とする中間転写媒体。
【請求項2】
前記支持体が帯状をなし、前記易接着層と前記受像層が前記支持体上にその支持体の長手方向に沿って交互に形成されることを特徴とする請求項1記載の中間転写媒体。
【請求項3】
前記被転写体の被転写面は、前記中間転写媒体とは別の中間転写媒体から転写された剥離層が形成され、かつ前記易接着層が前記剥離層に加熱により接着性を呈することを特徴とする請求項1または2に記載の中間転写媒体。
【請求項4】
前記易接着層と前記受像層は、互いに材料構成および厚さが同じであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の中間転写媒体。
【請求項5】
光学的に読取り可能な位置決めマークは、前記支持体に前記易接着層と前記受像層とが前記支持体の面方向に配列された位置に対応してさらに設けられることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の中間転写媒体。
【請求項6】
透過性反射層は、前記感熱転写記録媒体の微細な凹凸パターンで構成される前記画像形成層に前記微細な凹凸面に沿って形成され、前記透過性反射層は画像形成層の屈折率と異なる屈折率を有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載の中間転写媒体。
【請求項7】
少なくとも転写可能な受像層が支持体上に設けられ、前記受像層は微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子からなる画像形成層が支持体上に形成される感熱転写記録媒体を用いて感熱転写された感熱転写画像を有する中間転写媒体を準備し、この中間転写媒体の前記感熱転写画像が記録された前記受像層の面を被転写体の被転写面に向けて重ね、加熱加圧することにより前記受像層と共に前記感熱転写画像を前記被転写体上に転写して画像形成体を得る個人認証媒体において、前記中間転写媒体として請求項1ないし6いずれか1項記載の中間転写媒体を用いることを特徴とする個人認証媒体。
【請求項8】
前記画像形成体が個人認証を行う顔画像を含んだ個人情報であることを特徴とする請求項7記載の個人認証媒体。
【請求項9】
色材からなる第1感熱転写記録媒体を準備する工程;
支持体上に剥離層および受像層をこの順序で形成した第1中間転写媒体を準備する工程;
支持体上に剥離層および微細な凹凸パターンで構成されるレリーフ型ホログラムもしくは回折格子からなる画像形成層をこの順序で形成した第2感熱転写記録媒体を準備する工程;
支持体上に転写可能な受像層および易接着層を前記支持体の面方向に配列して形成した、ここで前記易接着層が透明で、加熱により支持体から剥離可能であり、かつ前記剥離層および前記受像層と前記画像形成層とのいずれにも加熱により接着性を呈する、第2中間転写媒体を準備する工程;
前記第1中間転写媒体の前記受像層の面と前記第1感熱転写記録媒体である前記色材とを重ね、色材側から画像情報に基づいた選択的加熱を施して前記受像層上に色材の画像パターンを熱転写する工程;
前記第1中間転写媒体の画像パターンが記録された前記受像層の面を被転写体の被転写面に向けて重ね、前記第1中間転写媒体と被転写体の少なくともいずれかを加熱加圧することにより第1中間転写媒体から前記剥離層と共に前記受像層および前記画像パターンを前記被転写体上に転写する工程;
前記第2中間転写媒体の前記受像層と前記第2感熱転写記録媒体の前記画像形成層とを重ね、前記第2感熱転写記録媒体側から画像情報に基づいた選択的加熱を施して前記受像層に画像形成層を含む画像パターンを熱転写する工程;
前記被転写体の被転写面である前記剥離層と前記第2中間転写媒体の易接着層とを重ね、前記第2中間転写媒体および被転写体の少なくともいずれかの側から選択的加熱を施して前記剥離層上に前記易接着層を熱転写する工程;および
前記被転写体の前記易接着層と前記第2中間転写媒体の前記画像パターンが記録された前記受像層とを重ね、前記第2中間転写媒体および前記被転写体の少なくともいずれかの側を加熱加圧することにより画像パターンを第2中間転写媒体から前記受像層と共に前記被転写体の易接着層に転写して画像形成体を得る工程
を含むことを特徴とする個人認証媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−126004(P2012−126004A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279184(P2010−279184)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】