串刺し装置
【課題】装置全体の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、所望する設置場所への移動が簡単且つ容易に行える串刺し装置を提供する。
【解決手段】押え装置3と、串打ち装置4と、取除き装置5とを1つのモータ17により駆動する。複数の各材料N…が載置されたトレーTを基台2上の串打ち位置aに供給し、串打ち位置aに置かれたトレーTを押出し位置bへ押し出す。串打ち装置4の串打ち板18により丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された丸串Kを串打ち方向へ打ち出す。押え装置3の押えユニット3AによりトレーTに載置された各材料N…を押えた後、串打ち板18により打ち出される丸串KをトレーTに載置された各材料N…の中心に串打ちする。取除き装置5の取除き板31により押出し位置bに押し出された串打ち済みのトレーTを基台2左側へ搬出する。
【解決手段】押え装置3と、串打ち装置4と、取除き装置5とを1つのモータ17により駆動する。複数の各材料N…が載置されたトレーTを基台2上の串打ち位置aに供給し、串打ち位置aに置かれたトレーTを押出し位置bへ押し出す。串打ち装置4の串打ち板18により丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された丸串Kを串打ち方向へ打ち出す。押え装置3の押えユニット3AによりトレーTに載置された各材料N…を押えた後、串打ち板18により打ち出される丸串KをトレーTに載置された各材料N…の中心に串打ちする。取除き装置5の取除き板31により押出し位置bに押し出された串打ち済みのトレーTを基台2左側へ搬出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば鶏肉、野菜等の材料を串打ちする装置に関し、人の手により串打ちした際と同様に串打ちすることができる串刺し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述の串刺し装置としては、例えばチェーンコンベア機構部と、串ホッパ機構部と、材料押え機構部と、串打ち機構部とからなる特許文献1の自動串刺し機がある。この自動串刺し装置は、チェーンコンベア機構部により串刺し材料が載置された材料供給受トレーを所定位置へ間欠的に移動させる。材料押え機構部により押え部材を降下して所定位置に停止された材料供給受トレーに載置された各材料を押える。串ホッパ機構部により串供給ドラムを回転して、ホッパに投入された串を所定位置に停止された材料供給受トレーに載置された材料に対して打ち込まれる位置に1本ずつ供給する。串打ち機構部により串打ちプッシャーを串打ち方向へ移動させ、前記串供給ドラムにより供給される串を材料供給受トレーに載置された材料に対して串打ちするものである。
【0003】
【特許文献1】実公平5−18958号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の自動串刺し機は、チェーンコンベア機構部と、串ホッパ機構部と、材料押え機構部と、串打ち機構部とを各機構部に設けられた複数の各モータで駆動するものであり、串刺し機全体の構成及び制御が複雑になるだけでなく、大型化するため、広い設置場所が必要である。また、各機構部のタイミングを合せることが難しく、精度の高いモータ制御が必要である。また、モータの台数が多くなるほど駆動時の消費電力が大きくなるので、製造コストが高くなる。また、串刺し機全体の重量が重く、設置場所を変更する作業に手間及び時間が掛かる。
【0005】
この発明は上記問題に鑑み、装置全体の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、所望する設置場所への移動が簡単且つ容易に行える串刺し装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明の串刺し装置は、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串打ちされる串を供給する串供給手段と、該トレーに載置された材料を押える押え手段と、該押え手段により押え込まれた材料に対して串供給手段から供給される串を串打ちする串打ち手段とを備えた串刺し装置であって、前記押え手段を、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ上下移動自在に設け、前記串打ち手段を、前記押え手段により押え込まれた材料に対して前記串が串打ちされる水平方向へ前後移動自在に設け、前記串打ち手段を串打ち方向へ移動する際の移動力により、前記押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ垂直降下し、前記串打ち手段を押え手段により押え込まれた材料に対して串が串打ちされる水平方向へ前進移動する1つの駆動手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
この発明によると、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串を串打ちする際に、押え手段と串打ち手段とを1つの駆動手段により駆動して、押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ移動し、串打ち手段を押え手段により押え込まれた材料に対して串が串打ちされる水平方向へ移動する。つまり、押え手段によりトレーに載置された材料を押えた後、串打ち手段により串供給手段から供給される串を、押え手段により押え込まれた材料に対して串打ちする。
【0008】
前記串は、例えば丸串、鉄砲串、角串、平串、幅広串等で構成することができる。また、材料は、例えば鶏肉、牛肉、豚肉、野菜、魚介類、練製品、燻製品等の食材で構成することができる。また、串供給手段は、例えば複数本の串を1本ずつ供給するためのホッパ、ケース、収容部等で構成することができる。
【0009】
また、押え手段は、例えばプラスチック、金属、ゴム等の材質で形成された押え体、コイルスプリング等の付勢手段で付勢された押え体で構成することができる。また、硬質の材料で形成された押え体の押え面に、ウレタンゴム、スポンジゴム等の柔軟性を有するクッション部材を装着してもよい。また、串打ち手段は、例えば板状部材、棒状部材、ピン部材等の串打ち部材で構成することができる。なお、串打ち部材は、1本の串の後端に対して当接される大きさ及び形状に形成している。また、駆動手段は、例えばモータ、流体圧シリンダ、ソレノイド等で構成することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項1に記載の構成と併せて、前記串供給手段は、前記多数本の各串が串打ち方向に揃えて投入されるホッパと、該ホッパに投入された串を1本ずつ供給するための案内部とを備え、前記案内部に、前記ホッパに投入された1本の串の打ち出しが許容される串打出し通路を設け、前記案内部の側部に、前記串打出し通路と連通して前記串打ち手段による1本の串の打ち出しが許容される開口部を串打ち方向と平行して設けたことを特徴とする。
【0011】
この発明によると、串打ち手段により案内部の串打出し通路に供給された1本の串を、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して打ち込まれる方向へ打ち出すので、1本の串を確実に串打ちすることができる。
【0012】
請求項3に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項2に記載の構成と併せて、前記ホッパの下端を前記案内部の上部外面に対して上下動自在に嵌合し、前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記ホッパを上方へ押し上げる押上げ手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
この発明によると、串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、押上げ手段を、多数本の各串が投入されたホッパを上方へ押し上げる。つまり、押し上げ時に付与される振動により、ホッパに投入された多数本の各串が案内部に向けて投入される位置に寄せ集められるので、ホッパに投入された多数本の各串が案内部に対して1本ずつ供給され、ホッパに投入された多数本の各串を1本ずつ確実に打ち出すことができる。なお、押上げ手段は、例えばコロ、押上げカム等で構成することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の構成と併せて、前記串打ち位置側部の前記トレーが押し出される押出し位置に、該押出し位置に押し出されたトレーの側面と対向して該押出し位置に押し出されたトレーを取り除くための取除き手段を設け、前記取除き手段を、前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記押出し位置からトレーが取り除かれる方向へ移動することを特徴とする。
【0015】
この発明によると、串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、取除き手段を押出し位置からトレーが取り除かれる方向へ移動する。つまり、取除き手段により串打ち位置から押出し位置へ押し出されたトレーを該押出し位置から取り除くので、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串を串打ちする作業と、押出し位置へ押し出されたトレーを取り除く作業とが同時に行える。また、トレーを人為的作業により取り除くような手間及び作業が省け、次のトレーを供給する作業及びトレーに載置された材料に対して串を打ち込む作業が即行える。また、取除き手段は、例えば板状部材、棒状部材、ピン部材等の取除き部材で構成することができる。なお、取除き部材は、1台のトレーの側面に対して当接される大きさ及び形状に形成している。
【0016】
請求項5に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の構成と併せて、前記駆動手段は、前記押え手段と一体的に上下移動されるカムと、前記串打ち手段と一体的に前後移動されるコロとを備え、前記串打ち手段が串打ち方向へ前進移動する際の移動力により、前記カムとコロとを互いに当接して、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ前記押え手段を垂直降下することを特徴とする。
【0017】
この発明によると、串打ち手段が串打ち方向へ前進移動する際の移動力により、串打ち手段のカムと押え手段のコロとを互いに当接して、押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ垂直降下する。つまり、カムとコロとの当接により、押え手段を垂直方向へ垂直降下するので、1つの駆動手段により押え手段と串打ち手段とを駆動することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、押え手段と串打ち手段とを1つの駆動手段により駆動するので、装置全体の構成を簡素化して、小型化及び軽量化を図ることができる。また、装置全体の重量が軽く、小型であるため、串刺し装置を所望する設置場所へ移動する作業が簡単且つ容易に行える。また、従来の自動串刺し機よりも消費電力が少なくて済むため、製造コストの低減を図ることができ、串刺し済み食材を安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この発明は、装置全体の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、所望する設置場所への移動が簡単且つ容易に行えるという目的を、押え手段と串打ち手段とを1つの駆動手段により駆動することで達成した。
【実施例】
【0020】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、串の一例である丸串を、トレーに載置された各材料に対して串打ちする際に用いられる串刺し装置を示し、図1〜図4に於いて、この串刺し装置1は、焼鳥に用いられる複数の各材料N…が載置されたトレーTを、正面から見て基台2の前側上面に設定された串打ち位置aに供給して、串打ち位置aに置かれたトレーTを基台2の後側上面に設定された押出し位置bに押し出す。串打ち位置aの上方に設けられた押え装置3と、串打ち位置aの右側に設けられた串打ち装置4と、押出し位置bの右側に設けられた取除き装置5とを後述するモータ17により駆動する。押え装置3によりトレーTに載置された各材料N…を押えた後、串打ち装置4によりトレーT上の各材料N…に対して丸串Kを串打ちする。取除き装置5により押出し位置bに押し出されたトレーTを基台2左側へ搬出する。
【0021】
丸串用のトレーTは、図6、図7にも示すように、上方から見て矩形に形成された本体T1の上面中央部に、複数の各材料N…が同一線上に並べて載置される載置部Taを形成している。また、載置部Taの底面には、凸状の突起Tbを串打ち方向と直交して幅方向へ形成するとともに、該突起Tbを串打ち方向に対して所定間隔に隔てて複数本配列している。また、本体T1の上面両端中央部に形成された各ガイド溝Tc,Tcは、丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、載置部Taに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされる方向にガイドする。なお、鉄砲串用のトレーTは、本体T1の右側端部を、鉄砲串L後端の突出片Laが支持される大きさ及び形状に形成している。
【0022】
押え装置3は、図4〜図7にも示すように、串打ち位置aに供給されるトレーTの上面と対向して、串打ち位置a上方に設けられた可動板6の下面に取り付けられた丸串用の押えユニット3A又は鉄砲串用の押えユニット3Bを、トレーTに載置された各材料N…が押えられる方向に向けて垂直降下するものである。
【0023】
可動板6の両端部は、串打ち位置aの両側上面に対して垂直に軸受された各支軸7,7の上端部に固定している。また、各支軸7,7は、トレーTの供給が許容される間隔に隔てて串打ち位置a両側部の基台2上面に固定された各軸受部8,8により垂直方向へ上下動自在に軸受している。
【0024】
また、各支軸7,7に装着した各コイルスプリング9,9は、可動板6下面に取り付けられた押えユニット3Aを、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して後述する各押え体20…が離間される上昇方向へ付勢している。
【0025】
基台2下面に突出された各支軸7,7の下端部間には、各支軸7,7を一体的に上下動するための連結板10を架設している。その連結板10の下面には、後述するカム板12のガイド面に対して当接されるコロ11を自由回転自在に軸支している。
【0026】
カム板12は、図3、図4にも示すように、基台2下面に架設されたガイドレール13に対して串打ち方向に向けて前後移動自在に取り付けられている。また、串打ち方向と直交してカム板12側面に対して一端が固定された連結板14は、基台2下面に架設されたタイミングベルト15に連結されている。また、タイミングベルト15は、基台2下面に軸支されたプーリ16,16の間に張架され、一方のプーリ16には、基台2上面に固定された1つのモータ17を直結している。なお、カム板12の後端には、後述する串打ち板18が取り付けられた可動部材42を固定している。
【0027】
つまり、モータ17によりタイミングベルト15を正転すると、カム板12は後述する串打ち板18と一緒に串打ち方向へ移動される。コイルスプリング9,9の復元力に抗して、コロ11がカム板12のガイド面に沿って下方へ垂直に押し下げられるので、押えユニット3A全体が、トレーTに載置された各材料N…が後述する各押え体20…により押えられる仮想線の位置(図4の仮想線参照)に垂直降下する。また、タイミングベルト15を逆転して、カム板12及び串打ち板18を串打ち方向とは逆の方向へ後退移動すると、コイルスプリング9,9の復元力により、コロ11がカム板12のガイド面に沿って上方へ移動するので、押えユニット3A全体が、トレーTに載置された各材料N…に対して後述する各押え体20…が離間される実線の位置(図4の実線参照)に垂直上昇する。
【0028】
カム板12の先端側に形成されたガイド面は、前記コロ11が下方に向けて徐々に押し下げられ、押えユニット3AがトレーTに載置された各材料N…に対して押し付けられる方向に降下される角度に傾斜している。また、カム板12の下端側に形成されたガイド面は、トレーTに載置された各材料N…に対して各押え体20…の押し付け状態が維持される高さに形成している。
【0029】
押えユニット3A,3Bは略同一の構造を有しているので、一方の押えユニット3Aの構造を図面に基づいて詳述する。
【0030】
押えユニット3Aは、図4〜図7にも示すように、可動板6下面に装着される支持板19の下面側に、トレーTに載置された各材料N…を個々に押えるための各押え体20…を該各材料N…と対向する間隔に隔てて取り付けている。また、押え体20上面に固定された各支軸21…は、支持板19下面に対して上下動自在に軸受している。また、各支軸21…に装着された各コイルスプリング22…は、各押え体20…を、串打ち位置aに供給されたトレーT上の各材料N…に対して押し付けられる方向(下方)に付勢している。なお、コイルスプリング22の復元力は、押え体20をトレーTに載置された材料Nに押し付けた際に、材料N自体の弾性により上方へ若干押し戻されるように設定している。
【0031】
支持板19の下面には、トレーTに載置された各材料N…の間に対して挿入される各串ガイド板23…を、各材料N…の間に対して挿入される間隔に隔てて下向きに取り付けている。
【0032】
各串ガイド板23…は、図6〜図9にも示すように、各押え体20…の間と略同一の厚み又は各押え体20…が垂直に規制される厚みに形成している。つまり、各押え体20…を、各串ガイド板23…によりトレーTに載置された各材料N…に対して垂直に押し付けられる方向に向けてガイドするので、各材料N…を各押え体20…で押える際に、各押え体20…の押え位置が変位するのを防止することができる。また、串ガイド板23を、押えユニット3Aの串打ち方向の手前側、すなわち、図4に示す支持板19の左側下面に取り付けられた押え体20と、後述する支持板19の左側端部に取り付けられた串ガイド26との間のみに設けてもよい。
【0033】
支持板19の左右両端に取り付けられた各規制板24,24は、支持板19の左右下面に取り付けられた各押え体20…を、トレーTに載置された左右の各材料N…に対して押し付けられる位置に規制する。また、規制板24の下端部は、トレーTに形成されたガイド溝Tcの上面側開口部と嵌合する大きさ及び形状に形成している。
【0034】
各串ガイド板23…の下端部は、厚み方向及び幅方向に対して、トレーTに載置された各材料N…の間に対して挿入される方向に向けて徐々に先細りとなる厚み及び形状に形成している。また、各串ガイド板23…の下端側中央部に形成された各ガイド溝23a…は、トレーTに載置された各材料N…に対して串が真っ直ぐに串刺される方向にガイドする。また、ガイド溝23aは、串打ち方向に向けて徐々に狭くなるテーパー面に形成されており、後述する丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされる位置にセンタリングする。
【0035】
図4に示す支持板19の左側端部に固定された取付け板25下面には、串打ち位置aのトレーTの右側上面と対向して串ガイド26を取り付けている。また、串ガイド26上面に固定された支軸27は、取付け板25下面に対して上下動自在に軸受され、支軸27に装着したコイルスプリング28は、串ガイド26を、串打ち位置aのトレーTの右側上面に対して押し付けられる方向に付勢している。
【0036】
串ガイド26の下面中央に形成されたガイド溝26aは、図6、図7にも示すように、串打ち方向に向けて徐々に狭くなるテーパー面に形成され、後述する丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、トレーTに載置された各材料N…の中心に対して真っ直ぐに串打ちされる方向にセンタリングする。
【0037】
可動板6の下面側両端部には、支持板19の上面側両端部が係止される一対の各係止部6a,6aを串打ち方向と直交して前後方向に平行して形成している。つまり、可動板6下面に対して押えユニット3A又は押えユニット3Bを装着する際に、可動板6の各係止部6a,6aに支持板19の上面側両端部を係合するので、押えユニット3A,3Bの一方を串打ち位置aに供給されるトレーTと対向する位置に取り付けることができる。
【0038】
可動板6と支持板19との対向面間には、押えユニット3Aを、串打ち位置aに供給されるトレーTと対向する位置に規制するための位置決め装置29を取り付けている。位置決め装置29は、押えユニット3Aの可動板6を支持板19下面に装着した際に、可動板6上面に形成された図示しない孔部に、支持板19下面に対して出没自在に保持された図示しない球体が係合され、図示しないコイルスプリングにより係合される方向に常時付勢されているので、押えユニット3Aを、串打ち位置aに供給されたトレーTと対向する位置に規制することができる。
【0039】
また、串打ち位置a両側の基台2上面に固定された一対の各案内部材a1,a1は、串打ち位置aに供給されるトレーTを押えユニット3Aと対向する位置に規制する。
【0040】
可動板6後端に取り付けられたストッパ30は、可動板6下面に装着される押えユニット3Aを、串打ち位置aのトレーTと対向する位置に規制する。つまり、可動板6下面に装着される支持板19がストッパ30に当接すると、前記位置決め装置29により押えユニット3Aが串打ち位置aのトレーTと対向する位置に停止される。
【0041】
一方、押えユニット3Bは、図8、図9に示すように、串ガイド26のガイド溝26aの一側縁部を、串打ち方向に向けて徐々に低くなるテーパー面に形成している。つまり、後述する鉄砲串用ホッパ34Bの串打出し通路37から打ち出される鉄砲串Lの突出片Laがガイド溝26aのテーパー面に当接すると、串ガイド26は、コイルスプリング28に抗して鉄砲串Lの串打ちが許容される高さに押し上げられる。
【0042】
取除き装置5は、図2、図3、図5にも示すように、串打ち位置a後方の押出し位置bに押し出されたトレーTの右側面と対向して、該トレーTを基台2左側へ搬出するための取除き板31を基台2上面に突設している。また、取除き板31の上端は、押出し位置bの基台2上面に対して串打ち方向と平行して形成された案内孔2aよりも上方へ突出され、押出し位置bに押し出されたトレーTの右側面に対して当接される高さに突出している。また、取除き板31の下端は、案内孔2aを介して、前記カム板12に固定された連結板14に連結している。
【0043】
つまり、連結板14はタイミングベルト15に連結されているので、モータ17によりタイミングベルト15を正逆回転すれば、取除き板31は、押出し位置bに押し出されたトレーTの右側面と対向する取除き開始位置と、該トレーTが基台2左側へ搬出される取除き終了位置とに、前記串打ち板18と一緒に往復移動される。
【0044】
また、押出し位置b後方の基台2上面に対して串打ち方向と平行して固定された案内部材b1は、串打ち位置aから押し出されるトレーTを押出し位置bに停止するとともに、基台2左側へ搬出される方向に串打ち方向と平行して案内する。
【0045】
押出し位置b側部に配置された起動スイッチS1は、図2に示すように、串打ち位置aに供給されるトレーTを串打ち位置aに置かれたトレーTに当接して、先に置かれたトレーTを串打ち位置aから押出し位置bへ押し出した際に、その串打ち位置aから押し出されるトレーTによりON操作される。また、ON操作された際に検知信号を後述する制御部32へ出力する。
【0046】
制御部32は、モータ17側部の基台2上面に固定され、起動スイッチS1から検知信号が出力された際に、モータ17によりタイミングベルト15を正転して、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31とを串打ち方向に向けて平行移動する。なお、制御部32は、図示しない電源コードを介して家庭用の電源(コンセント)に接続される。また、基台2前面には、制御部32に接続された電源スイッチ51と図示しない通電ランプを設けている。
【0047】
また、タイミングベルト15に沿って架設した取付け台33には、図3に示すように、連結板14を検知するための各検知センサS2,S3を串打ち開始位置と串打ち終了位置とに取り付けている。各検知センサS2,S3は、連結板14を検知した際に検知信号を制御部32へ出力する。
【0048】
制御部32は、串打ち終了位置の検知センサS3から検知信号が出力された際に、モータ17によりタイミングベルト15を逆転させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31とを復帰方向へ移動する。また、串打ち開始位置の検知センサS2から検知信号が出力された際には、モータ17及びタイミングベルト15を停止させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、後述する押上げカム47とを復帰位置に待機させる。
【0049】
丸串用ホッパ34Aは、図2、図4、図5に示すように、基台2上面に設置される設置台35の一側上面に、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kが打ち込まれる方向に対して案内するための案内部36を設けている。
【0050】
案内部36には、1本の丸串Kの打ち出しが許容される大きさ及び形状に形成された串打出し通路37を、トレーTに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされる高さ位置に、該各材料N…に対して丸串Kが串打ちされる方向に向けて設けている。
【0051】
案内部36の側部には、串打出し通路37と連通して、前記串打ち板18の前後移動が許容される幅に開口された開口部38を串打ち方向に向けて形成している。
【0052】
開口部38には、串打出し通路37から丸串Kが突出するのを防止するための一対の各串抜止め板39,39を上下動自在に取り付けている。また、各串抜止め板39,39は、コイルスプリング等の付勢手段により開口部38が閉塞される方向に常時付勢されており、串打ち方向へ移動される串打ち板18により上方へ押し上げられる。また、各串抜止め板39,39は、串打出し通路37に供給された丸串KをトレーTに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされるセンタリング位置に規制する。
【0053】
案内部36の上部には、串打出し通路37と連通して、ホッパ40に投入された多数本の丸串Kを1本ずつ供給するための供給部41を設けている。また、供給部41の外面には、多数本の丸串Kが投入されるホッパ40の下端を上下動自在に嵌合している。
【0054】
供給部41の内部は、上端側開口部から下端側開口部に向けて徐々に幅狭となる中空形状に形成され、ホッパ40に投入される多数本の丸串Kを串打ち方向と平行する方向に向けて上下に整列するとともに、案内部36に設けられた串打出し通路37に対して1本ずつ供給する。
【0055】
串打ち装置4は、図2〜図5にも示すように、案内部36の串打出し通路37に供給された丸串Kを打ち出すための串打ち板18を、設置台35側部の基台2上面に形成された案内孔2bよりも上方に突出された可動部材42の上端に対して水平回動自在に取り付けている。また、串打ち板18は、コイルスプリング等の付勢手段により案内部36の串打出し通路37に供給された丸串Kの後端に対して当接される角度に回動復帰される方向に付勢している。つまり、串打ち板18を串打ち方向へ前進移動する際には、丸串Kの後端に対して当接される角度に回動規制され、串打ち方向とは逆の方向へ後退移動する際には、串打出し通路37に供給された丸串Kの側面に沿った角度に回動される。
【0056】
また、串打ち板18は、串打出し通路37の開口部38よりも幅狭に形成され、串打出し通路37に供給された丸串Kの後端に対して当接される厚みに形成している。
【0057】
可動部材42の下端は、基台2上面に対して串打ち方向と平行して形成された長尺の案内孔2bを介して、前記カム板12に固定された連結板14に連結している。
【0058】
つまり、連結板14はタイミングベルト15に連結しているので、モータ17によりタイミングベルト15を正逆回転すれば、串打ち板18は、丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された丸串Kの後端と対向する串打ち開始位置(図2の実線で示す位置)と、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kが打ち込まれる串打ち終了位置(図2の仮想線で示す位置)とに水平方向へ前後移動される。
【0059】
ホッパ40は、該ホッパ40側面に固定された支持板43の両端を、設置台35の他側上面に立設された各支軸44,44により上下動自在に軸受して、コイルスプリング等の付勢手段により押し下げられる方向に付勢している。
【0060】
支持板43の後端に取り付けられた案内板45は、設置台35後方の基台2上面に形成された開口部2cに対して上下動自在に挿入している。また、開口部2cよりも下方に突出された案内板45の下端部には、後述する押上げカム47のガイド面に当接されるコロ46を自由回転自在に軸支している。
【0061】
押上げカム47は、図4、図5にも示すように、前記タイミングベルト15に連結された連結板14の他端側上面に固定されており、モータ17によりタイミングベルト15を正逆回転すれば、前記串打ち板18と一緒に串打ち方向へ往復移動される。つまり、串打ち板18を串打ち開始位置から串打ち終了位置へ水平移動した際に、コロ46が押上げカム47のガイド面に沿って上方へ移動し、ホッパ40全体が押上げカム47の高さだけ上方へ押し上げられる。その押し上げ時に付与される振動により、ホッパ40に投入された多数本の丸串Kが押し上げられ、供給部41に向けて投入される。
【0062】
なお、多数本の丸串Kをホッパ40に投入する場合、先鋭形状に形成された先端を串打ち方向に向けて、前記串打ち板18が当接される後端を串打ち方向とは逆の方向に向けた状態に揃えて投入する。
【0063】
一方、鉄砲串用ホッパ34Bは、図10、図11にも示すように、丸串用ホッパ34Aと略同一の設置構造を有しており、丸串用ホッパ34Aと異なる構造の部分を説明する。つまり、基台2上面に設置される設置台35上部に、多数本の鉄砲串Lを同一方向に向きを揃えて上下に積み重ねて収容するための上面開口型の収容部48を設けている。また、収容部48の右端には、鉄砲串Lの後端に形成された突出片Laが上下に重ね合わせた状態に収容が許容される大きさ及び形状に形成している。また、収容部48の下部には、鉄砲串Lを1本ずつ打ち出すための串打出し通路37を設けている。また、収容部48の前面は、プラスチックやガラス等の透光性を有する板で構成しているので、収容部48に収容された鉄砲串Lの残量を外部から目で確認することができる。
【0064】
丸串用ホッパ34A及び鉄砲串用ホッパ34Bの設置構造は同一であるので、一方の丸串用ホッパ34Aの設置構造を詳述する。つまり、図4、図10に示すように、設置台35下面には、串打ち位置a右側の基台2上面に突設された一対の各フック49,49を係止するための各係止孔35a,35aが所定間隔に隔てて設けられている。また、各係止孔35a,35aの内部には、フック49を係止するためのピン35bがそれぞれ架設されている。また、基台2と設置台35との対向面間にも前記位置決め装置29が取り付けられている。
【0065】
丸串用ホッパ34Aを基台2上面に固定する場合、丸串用ホッパ34Aを串打ち位置a右側の基台2上面に上方から垂直に降下させて、設置台35の各係止孔35a,35aに基台2の各フック49,49を挿入する。丸串用ホッパ34Aを串打ち方向へスライドさせて、係止孔35aのピン35bにフック49を係止すれば、丸串用ホッパ34Aが所定位置に固定される。また、位置決め装置29により所定の設置位置に規制される。
【0066】
また、丸串用ホッパ34Aを基台2から分離する場合、丸串用ホッパ34Aを串打ち方向とは逆の方向へスライドさせて、フック49から係止孔35aのピン35bを抜き取る。丸串用ホッパ34Aを上方へ持ち上げて、基台2の各フック49,49を設置台35の各係止孔35a,35aから抜き取れば分離することができる。上述と同様にして、鉄砲串用ホッパ34Bを基台2に固定するか、基台2から分離する。
【0067】
基台2前面には、トレーTを載置するための載置板50を上下回動自在に枢着している。つまり、載置板50を、基台2上面と水平となる角度に回動固定しておけば、次に供給されるトレーTを串打ち位置aの手前に待機させておくことができ、串刺し作業が能率よく行える。また、載置板50を、基台2前面と平行して下向きに回動しておけば、作業休止時おいて邪魔にならず、串刺し装置1の設置スペースが小さくて済む。
【0068】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、串刺し装置1による串打ち方法を説明する。
【0069】
先ず、作業開始時において、電源スイッチ51をON操作した後、図1、図2に示すように、複数の各材料N…が串打ち方向と平行して同一線上に並べて1列載置されたトレーTを串打ち方向と平行して基台2上の串打ち位置aへ供給し、串打ち位置aに配置されたトレーT側面に当接する。串打ち位置aに配置されたトレーTを押出し位置bへ押し出して、起動スイッチS1をON操作する。
【0070】
押出し位置bに押し出されたトレーTは、案内部材b1との当接により押出し位置bに停止される。串打ち位置aに供給されたトレーTは、押出し位置bに停止されたトレーTに当接されるので、串打ち位置a上方の押えユニット3Aと対向する位置に規制される。
【0071】
起動スイッチS1からON信号が出力されると、制御部32は、モータ17によりタイミングベルト15を正転させ、押え装置3と、串打ち装置4と、取除き装置5とを駆動する。つまり、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち方向へ水平移動させる。
【0072】
串打ち装置4の串打ち板18を串打ち方向と平行して串打ち開始位置から串打ち終了位置へ水平移動させ、串打ち板18により丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された丸串Kを、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kが打ち込まれる串打ち方向へ打ち出す(図2の仮想線参照)。
【0073】
串打ち板18による串打ち動作を開始した際、つまり、串打ち板18により打ち出される丸串KがトレーTに載置された材料Nに串打ちされるまでに、コロ11とカム板12との当接により、押え装置3の押えユニット3Aを降下させ、各押え体20…によりトレーTに載置された各材料N…を個々に押え込む。各串ガイド板23…の先端を各材料N…の間に挿入して、トレーTに載置された各材料N…を、該各材料N…の中心に対して丸串Kが串打ちされる位置に規制する(図4の仮想線参照)。
【0074】
各押え体20…により各材料N…を押え込んだ後、丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、各串ガイド板23…の各ガイド溝23a…と串ガイド26のガイド溝26aとによりガイドして、トレーTに載置された各材料N…の中心に対して真っ直ぐに串打ちする。
【0075】
串打ち装置4の串打ち板18を串打ち方向へ移動する際の駆動力により、取除き装置5の取除き板31を串打ち方向と平行して取除き開始位置から取除き終了位置へ水平移動させ、取除き板31により押出し位置bに押し出されたトレーTを基台2左側へ搬出する(図2の仮想線参照)。なお、串打ち開始前において、材料Nが載置されていないトレーTを串打ち位置aに配置しておいてもよい。
【0076】
串打ち板18が串打ち終了位置へ移動すると、図3に示す検知センサS3から検知信号が出力される。制御部32は、検知センサS3から出力される検知信号に基づいて、モータ17によりタイミングベルト15を逆転させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち開始前の位置へ復帰移動する。
【0077】
串打ち板18が串打ち開始位置へ移動すると、図3に示す検知センサS2から検知信号が出力される。制御部32は、検知センサS2から出力される検知信号に基づいて、モータ17及びタイミングベルト15を停止させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち動作開始前の位置に待機させる。これにより、トレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kを串打ちする動作が完了する。
【0078】
また、串打ち板18を串打ち方向へ移動する際に、図5に示すように、コロ46と押上げカム47との当接により、丸串用ホッパ34Aのホッパ40を上方へ押し上げる。その押し上げ時に付与される振動により、ホッパ40に投入された多数本の各丸串K…を供給部41に対して投入される位置に寄せ集める。
【0079】
前記と同様に、複数の各材料N…が載置された次のトレーTを串打ち位置aへ供給し、串打ち位置aから押し出されるトレーTにより起動スイッチS1をON操作して、1つのモータ17により、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち方向へ移動する。つまり、押え装置3の各押え体20…によりトレーTに載置された各材料N…を押え込む。また、串打ち装置4の串打ち板18により丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された1本の丸串Kを打ち出し、串打ち位置aに供給されたトレーT上の各材料N…に打ち込む。また、取除き装置5の取除き板31により押出し位置bに押し出された串打ち済みのトレーTが基台2左側へ搬出するので、トレーTに載置された1列の各材料N…に対して丸串Kを打ち込む作業が継続して行える。
【0080】
以上のように、押え装置3と、串打ち装置4と、取除き装置51とを1つのモータ17により駆動して、押え装置3によりトレーTに載置された各材料N…を押える動作と、串打ち装置4によりトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kを串打ちする動作と、取除き装置5により押出し位置bに押し出された串打ち済みのトレーTを基台2左側へ搬出する動作とを行うので、装置全体の構成を簡素化して、小型化及び軽量化を図ることができる。また、装置全体の重量が軽く、小型であるため、串刺し装置1を所望する設置場所へ移動する作業が簡単且つ容易に行える。また、従来の自動串刺し機よりも消費電力が少なくて済むため、製造コストの低減を図ることができ、串刺し済み食材を安価に製造することができる。
【0081】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の押え手段は、実施例の押え装置3に対応し、
以下同様に、
串打ち手段は、串打ち装置4に対応し、
取除き手段は、取除き装置5に対応し、
駆動手段は、モータ17に対応し、
串供給手段は、丸串用ホッパ34Aと、鉄砲串用ホッパ34Bとに対応し、
押上げ手段は、コロ46と、押上げカム47とに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0082】
例えばトレーTを串打ち位置aへ供給する動作と、トレーTを押出し位置bから押出し位置bへ搬出する動作と、トレーTを押出し位置bから排除する動作とを、ベルトコンベアやローラコンベア等の搬送手段により行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の串刺し装置は、実施例の丸串や鉄砲串以外にも、例えば角串、平串、幅広串等の串打ちする作業にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】串刺し装置の斜め正面から見た外観を示す斜視図。
【図2】串刺し装置を構成する各装置の配置を示す平面図。
【図3】串刺し装置の駆動系を示す底面図。
【図4】押え装置及び串打ち装置の駆動系を示す背面図。
【図5】押え装置及び串打ち装置の駆動系を示す側面図。
【図6】丸串用押えユニットの押え構造を示す背面図。
【図7】丸串用押えユニットの押え構造を示す側面図。
【図8】鉄砲串用押えユニットの押え構造を示す背面図。
【図9】鉄砲串用押えユニットの押え構造を示す側面図。
【図10】鉄砲串用ホッパの構造を示す側面図。
【図11】鉄砲串用ホッパの内部構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0085】
K…丸串
L…鉄砲串
T…トレー
N…材料
1…串刺し装置
2…基台
3…押え装置
3A,3B…押えユニット
4…串打ち装置
5…取除き装置
11…コロ
12…カム板
17…モータ
18…串打ち板
31…取除き板
34A…丸串用ホッパ
34B…鉄砲串用ホッパ
37…串打出し通路
40…ホッパ
46…コロ
47…押上げカム
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば鶏肉、野菜等の材料を串打ちする装置に関し、人の手により串打ちした際と同様に串打ちすることができる串刺し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述の串刺し装置としては、例えばチェーンコンベア機構部と、串ホッパ機構部と、材料押え機構部と、串打ち機構部とからなる特許文献1の自動串刺し機がある。この自動串刺し装置は、チェーンコンベア機構部により串刺し材料が載置された材料供給受トレーを所定位置へ間欠的に移動させる。材料押え機構部により押え部材を降下して所定位置に停止された材料供給受トレーに載置された各材料を押える。串ホッパ機構部により串供給ドラムを回転して、ホッパに投入された串を所定位置に停止された材料供給受トレーに載置された材料に対して打ち込まれる位置に1本ずつ供給する。串打ち機構部により串打ちプッシャーを串打ち方向へ移動させ、前記串供給ドラムにより供給される串を材料供給受トレーに載置された材料に対して串打ちするものである。
【0003】
【特許文献1】実公平5−18958号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の自動串刺し機は、チェーンコンベア機構部と、串ホッパ機構部と、材料押え機構部と、串打ち機構部とを各機構部に設けられた複数の各モータで駆動するものであり、串刺し機全体の構成及び制御が複雑になるだけでなく、大型化するため、広い設置場所が必要である。また、各機構部のタイミングを合せることが難しく、精度の高いモータ制御が必要である。また、モータの台数が多くなるほど駆動時の消費電力が大きくなるので、製造コストが高くなる。また、串刺し機全体の重量が重く、設置場所を変更する作業に手間及び時間が掛かる。
【0005】
この発明は上記問題に鑑み、装置全体の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、所望する設置場所への移動が簡単且つ容易に行える串刺し装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明の串刺し装置は、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串打ちされる串を供給する串供給手段と、該トレーに載置された材料を押える押え手段と、該押え手段により押え込まれた材料に対して串供給手段から供給される串を串打ちする串打ち手段とを備えた串刺し装置であって、前記押え手段を、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ上下移動自在に設け、前記串打ち手段を、前記押え手段により押え込まれた材料に対して前記串が串打ちされる水平方向へ前後移動自在に設け、前記串打ち手段を串打ち方向へ移動する際の移動力により、前記押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ垂直降下し、前記串打ち手段を押え手段により押え込まれた材料に対して串が串打ちされる水平方向へ前進移動する1つの駆動手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
この発明によると、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串を串打ちする際に、押え手段と串打ち手段とを1つの駆動手段により駆動して、押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ移動し、串打ち手段を押え手段により押え込まれた材料に対して串が串打ちされる水平方向へ移動する。つまり、押え手段によりトレーに載置された材料を押えた後、串打ち手段により串供給手段から供給される串を、押え手段により押え込まれた材料に対して串打ちする。
【0008】
前記串は、例えば丸串、鉄砲串、角串、平串、幅広串等で構成することができる。また、材料は、例えば鶏肉、牛肉、豚肉、野菜、魚介類、練製品、燻製品等の食材で構成することができる。また、串供給手段は、例えば複数本の串を1本ずつ供給するためのホッパ、ケース、収容部等で構成することができる。
【0009】
また、押え手段は、例えばプラスチック、金属、ゴム等の材質で形成された押え体、コイルスプリング等の付勢手段で付勢された押え体で構成することができる。また、硬質の材料で形成された押え体の押え面に、ウレタンゴム、スポンジゴム等の柔軟性を有するクッション部材を装着してもよい。また、串打ち手段は、例えば板状部材、棒状部材、ピン部材等の串打ち部材で構成することができる。なお、串打ち部材は、1本の串の後端に対して当接される大きさ及び形状に形成している。また、駆動手段は、例えばモータ、流体圧シリンダ、ソレノイド等で構成することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項1に記載の構成と併せて、前記串供給手段は、前記多数本の各串が串打ち方向に揃えて投入されるホッパと、該ホッパに投入された串を1本ずつ供給するための案内部とを備え、前記案内部に、前記ホッパに投入された1本の串の打ち出しが許容される串打出し通路を設け、前記案内部の側部に、前記串打出し通路と連通して前記串打ち手段による1本の串の打ち出しが許容される開口部を串打ち方向と平行して設けたことを特徴とする。
【0011】
この発明によると、串打ち手段により案内部の串打出し通路に供給された1本の串を、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して打ち込まれる方向へ打ち出すので、1本の串を確実に串打ちすることができる。
【0012】
請求項3に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項2に記載の構成と併せて、前記ホッパの下端を前記案内部の上部外面に対して上下動自在に嵌合し、前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記ホッパを上方へ押し上げる押上げ手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
この発明によると、串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、押上げ手段を、多数本の各串が投入されたホッパを上方へ押し上げる。つまり、押し上げ時に付与される振動により、ホッパに投入された多数本の各串が案内部に向けて投入される位置に寄せ集められるので、ホッパに投入された多数本の各串が案内部に対して1本ずつ供給され、ホッパに投入された多数本の各串を1本ずつ確実に打ち出すことができる。なお、押上げ手段は、例えばコロ、押上げカム等で構成することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の構成と併せて、前記串打ち位置側部の前記トレーが押し出される押出し位置に、該押出し位置に押し出されたトレーの側面と対向して該押出し位置に押し出されたトレーを取り除くための取除き手段を設け、前記取除き手段を、前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記押出し位置からトレーが取り除かれる方向へ移動することを特徴とする。
【0015】
この発明によると、串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、取除き手段を押出し位置からトレーが取り除かれる方向へ移動する。つまり、取除き手段により串打ち位置から押出し位置へ押し出されたトレーを該押出し位置から取り除くので、串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串を串打ちする作業と、押出し位置へ押し出されたトレーを取り除く作業とが同時に行える。また、トレーを人為的作業により取り除くような手間及び作業が省け、次のトレーを供給する作業及びトレーに載置された材料に対して串を打ち込む作業が即行える。また、取除き手段は、例えば板状部材、棒状部材、ピン部材等の取除き部材で構成することができる。なお、取除き部材は、1台のトレーの側面に対して当接される大きさ及び形状に形成している。
【0016】
請求項5に記載した発明の串刺し装置は、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の構成と併せて、前記駆動手段は、前記押え手段と一体的に上下移動されるカムと、前記串打ち手段と一体的に前後移動されるコロとを備え、前記串打ち手段が串打ち方向へ前進移動する際の移動力により、前記カムとコロとを互いに当接して、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ前記押え手段を垂直降下することを特徴とする。
【0017】
この発明によると、串打ち手段が串打ち方向へ前進移動する際の移動力により、串打ち手段のカムと押え手段のコロとを互いに当接して、押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ垂直降下する。つまり、カムとコロとの当接により、押え手段を垂直方向へ垂直降下するので、1つの駆動手段により押え手段と串打ち手段とを駆動することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、押え手段と串打ち手段とを1つの駆動手段により駆動するので、装置全体の構成を簡素化して、小型化及び軽量化を図ることができる。また、装置全体の重量が軽く、小型であるため、串刺し装置を所望する設置場所へ移動する作業が簡単且つ容易に行える。また、従来の自動串刺し機よりも消費電力が少なくて済むため、製造コストの低減を図ることができ、串刺し済み食材を安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この発明は、装置全体の小型化及び軽量化を図ることができるとともに、所望する設置場所への移動が簡単且つ容易に行えるという目的を、押え手段と串打ち手段とを1つの駆動手段により駆動することで達成した。
【実施例】
【0020】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、串の一例である丸串を、トレーに載置された各材料に対して串打ちする際に用いられる串刺し装置を示し、図1〜図4に於いて、この串刺し装置1は、焼鳥に用いられる複数の各材料N…が載置されたトレーTを、正面から見て基台2の前側上面に設定された串打ち位置aに供給して、串打ち位置aに置かれたトレーTを基台2の後側上面に設定された押出し位置bに押し出す。串打ち位置aの上方に設けられた押え装置3と、串打ち位置aの右側に設けられた串打ち装置4と、押出し位置bの右側に設けられた取除き装置5とを後述するモータ17により駆動する。押え装置3によりトレーTに載置された各材料N…を押えた後、串打ち装置4によりトレーT上の各材料N…に対して丸串Kを串打ちする。取除き装置5により押出し位置bに押し出されたトレーTを基台2左側へ搬出する。
【0021】
丸串用のトレーTは、図6、図7にも示すように、上方から見て矩形に形成された本体T1の上面中央部に、複数の各材料N…が同一線上に並べて載置される載置部Taを形成している。また、載置部Taの底面には、凸状の突起Tbを串打ち方向と直交して幅方向へ形成するとともに、該突起Tbを串打ち方向に対して所定間隔に隔てて複数本配列している。また、本体T1の上面両端中央部に形成された各ガイド溝Tc,Tcは、丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、載置部Taに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされる方向にガイドする。なお、鉄砲串用のトレーTは、本体T1の右側端部を、鉄砲串L後端の突出片Laが支持される大きさ及び形状に形成している。
【0022】
押え装置3は、図4〜図7にも示すように、串打ち位置aに供給されるトレーTの上面と対向して、串打ち位置a上方に設けられた可動板6の下面に取り付けられた丸串用の押えユニット3A又は鉄砲串用の押えユニット3Bを、トレーTに載置された各材料N…が押えられる方向に向けて垂直降下するものである。
【0023】
可動板6の両端部は、串打ち位置aの両側上面に対して垂直に軸受された各支軸7,7の上端部に固定している。また、各支軸7,7は、トレーTの供給が許容される間隔に隔てて串打ち位置a両側部の基台2上面に固定された各軸受部8,8により垂直方向へ上下動自在に軸受している。
【0024】
また、各支軸7,7に装着した各コイルスプリング9,9は、可動板6下面に取り付けられた押えユニット3Aを、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して後述する各押え体20…が離間される上昇方向へ付勢している。
【0025】
基台2下面に突出された各支軸7,7の下端部間には、各支軸7,7を一体的に上下動するための連結板10を架設している。その連結板10の下面には、後述するカム板12のガイド面に対して当接されるコロ11を自由回転自在に軸支している。
【0026】
カム板12は、図3、図4にも示すように、基台2下面に架設されたガイドレール13に対して串打ち方向に向けて前後移動自在に取り付けられている。また、串打ち方向と直交してカム板12側面に対して一端が固定された連結板14は、基台2下面に架設されたタイミングベルト15に連結されている。また、タイミングベルト15は、基台2下面に軸支されたプーリ16,16の間に張架され、一方のプーリ16には、基台2上面に固定された1つのモータ17を直結している。なお、カム板12の後端には、後述する串打ち板18が取り付けられた可動部材42を固定している。
【0027】
つまり、モータ17によりタイミングベルト15を正転すると、カム板12は後述する串打ち板18と一緒に串打ち方向へ移動される。コイルスプリング9,9の復元力に抗して、コロ11がカム板12のガイド面に沿って下方へ垂直に押し下げられるので、押えユニット3A全体が、トレーTに載置された各材料N…が後述する各押え体20…により押えられる仮想線の位置(図4の仮想線参照)に垂直降下する。また、タイミングベルト15を逆転して、カム板12及び串打ち板18を串打ち方向とは逆の方向へ後退移動すると、コイルスプリング9,9の復元力により、コロ11がカム板12のガイド面に沿って上方へ移動するので、押えユニット3A全体が、トレーTに載置された各材料N…に対して後述する各押え体20…が離間される実線の位置(図4の実線参照)に垂直上昇する。
【0028】
カム板12の先端側に形成されたガイド面は、前記コロ11が下方に向けて徐々に押し下げられ、押えユニット3AがトレーTに載置された各材料N…に対して押し付けられる方向に降下される角度に傾斜している。また、カム板12の下端側に形成されたガイド面は、トレーTに載置された各材料N…に対して各押え体20…の押し付け状態が維持される高さに形成している。
【0029】
押えユニット3A,3Bは略同一の構造を有しているので、一方の押えユニット3Aの構造を図面に基づいて詳述する。
【0030】
押えユニット3Aは、図4〜図7にも示すように、可動板6下面に装着される支持板19の下面側に、トレーTに載置された各材料N…を個々に押えるための各押え体20…を該各材料N…と対向する間隔に隔てて取り付けている。また、押え体20上面に固定された各支軸21…は、支持板19下面に対して上下動自在に軸受している。また、各支軸21…に装着された各コイルスプリング22…は、各押え体20…を、串打ち位置aに供給されたトレーT上の各材料N…に対して押し付けられる方向(下方)に付勢している。なお、コイルスプリング22の復元力は、押え体20をトレーTに載置された材料Nに押し付けた際に、材料N自体の弾性により上方へ若干押し戻されるように設定している。
【0031】
支持板19の下面には、トレーTに載置された各材料N…の間に対して挿入される各串ガイド板23…を、各材料N…の間に対して挿入される間隔に隔てて下向きに取り付けている。
【0032】
各串ガイド板23…は、図6〜図9にも示すように、各押え体20…の間と略同一の厚み又は各押え体20…が垂直に規制される厚みに形成している。つまり、各押え体20…を、各串ガイド板23…によりトレーTに載置された各材料N…に対して垂直に押し付けられる方向に向けてガイドするので、各材料N…を各押え体20…で押える際に、各押え体20…の押え位置が変位するのを防止することができる。また、串ガイド板23を、押えユニット3Aの串打ち方向の手前側、すなわち、図4に示す支持板19の左側下面に取り付けられた押え体20と、後述する支持板19の左側端部に取り付けられた串ガイド26との間のみに設けてもよい。
【0033】
支持板19の左右両端に取り付けられた各規制板24,24は、支持板19の左右下面に取り付けられた各押え体20…を、トレーTに載置された左右の各材料N…に対して押し付けられる位置に規制する。また、規制板24の下端部は、トレーTに形成されたガイド溝Tcの上面側開口部と嵌合する大きさ及び形状に形成している。
【0034】
各串ガイド板23…の下端部は、厚み方向及び幅方向に対して、トレーTに載置された各材料N…の間に対して挿入される方向に向けて徐々に先細りとなる厚み及び形状に形成している。また、各串ガイド板23…の下端側中央部に形成された各ガイド溝23a…は、トレーTに載置された各材料N…に対して串が真っ直ぐに串刺される方向にガイドする。また、ガイド溝23aは、串打ち方向に向けて徐々に狭くなるテーパー面に形成されており、後述する丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされる位置にセンタリングする。
【0035】
図4に示す支持板19の左側端部に固定された取付け板25下面には、串打ち位置aのトレーTの右側上面と対向して串ガイド26を取り付けている。また、串ガイド26上面に固定された支軸27は、取付け板25下面に対して上下動自在に軸受され、支軸27に装着したコイルスプリング28は、串ガイド26を、串打ち位置aのトレーTの右側上面に対して押し付けられる方向に付勢している。
【0036】
串ガイド26の下面中央に形成されたガイド溝26aは、図6、図7にも示すように、串打ち方向に向けて徐々に狭くなるテーパー面に形成され、後述する丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、トレーTに載置された各材料N…の中心に対して真っ直ぐに串打ちされる方向にセンタリングする。
【0037】
可動板6の下面側両端部には、支持板19の上面側両端部が係止される一対の各係止部6a,6aを串打ち方向と直交して前後方向に平行して形成している。つまり、可動板6下面に対して押えユニット3A又は押えユニット3Bを装着する際に、可動板6の各係止部6a,6aに支持板19の上面側両端部を係合するので、押えユニット3A,3Bの一方を串打ち位置aに供給されるトレーTと対向する位置に取り付けることができる。
【0038】
可動板6と支持板19との対向面間には、押えユニット3Aを、串打ち位置aに供給されるトレーTと対向する位置に規制するための位置決め装置29を取り付けている。位置決め装置29は、押えユニット3Aの可動板6を支持板19下面に装着した際に、可動板6上面に形成された図示しない孔部に、支持板19下面に対して出没自在に保持された図示しない球体が係合され、図示しないコイルスプリングにより係合される方向に常時付勢されているので、押えユニット3Aを、串打ち位置aに供給されたトレーTと対向する位置に規制することができる。
【0039】
また、串打ち位置a両側の基台2上面に固定された一対の各案内部材a1,a1は、串打ち位置aに供給されるトレーTを押えユニット3Aと対向する位置に規制する。
【0040】
可動板6後端に取り付けられたストッパ30は、可動板6下面に装着される押えユニット3Aを、串打ち位置aのトレーTと対向する位置に規制する。つまり、可動板6下面に装着される支持板19がストッパ30に当接すると、前記位置決め装置29により押えユニット3Aが串打ち位置aのトレーTと対向する位置に停止される。
【0041】
一方、押えユニット3Bは、図8、図9に示すように、串ガイド26のガイド溝26aの一側縁部を、串打ち方向に向けて徐々に低くなるテーパー面に形成している。つまり、後述する鉄砲串用ホッパ34Bの串打出し通路37から打ち出される鉄砲串Lの突出片Laがガイド溝26aのテーパー面に当接すると、串ガイド26は、コイルスプリング28に抗して鉄砲串Lの串打ちが許容される高さに押し上げられる。
【0042】
取除き装置5は、図2、図3、図5にも示すように、串打ち位置a後方の押出し位置bに押し出されたトレーTの右側面と対向して、該トレーTを基台2左側へ搬出するための取除き板31を基台2上面に突設している。また、取除き板31の上端は、押出し位置bの基台2上面に対して串打ち方向と平行して形成された案内孔2aよりも上方へ突出され、押出し位置bに押し出されたトレーTの右側面に対して当接される高さに突出している。また、取除き板31の下端は、案内孔2aを介して、前記カム板12に固定された連結板14に連結している。
【0043】
つまり、連結板14はタイミングベルト15に連結されているので、モータ17によりタイミングベルト15を正逆回転すれば、取除き板31は、押出し位置bに押し出されたトレーTの右側面と対向する取除き開始位置と、該トレーTが基台2左側へ搬出される取除き終了位置とに、前記串打ち板18と一緒に往復移動される。
【0044】
また、押出し位置b後方の基台2上面に対して串打ち方向と平行して固定された案内部材b1は、串打ち位置aから押し出されるトレーTを押出し位置bに停止するとともに、基台2左側へ搬出される方向に串打ち方向と平行して案内する。
【0045】
押出し位置b側部に配置された起動スイッチS1は、図2に示すように、串打ち位置aに供給されるトレーTを串打ち位置aに置かれたトレーTに当接して、先に置かれたトレーTを串打ち位置aから押出し位置bへ押し出した際に、その串打ち位置aから押し出されるトレーTによりON操作される。また、ON操作された際に検知信号を後述する制御部32へ出力する。
【0046】
制御部32は、モータ17側部の基台2上面に固定され、起動スイッチS1から検知信号が出力された際に、モータ17によりタイミングベルト15を正転して、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31とを串打ち方向に向けて平行移動する。なお、制御部32は、図示しない電源コードを介して家庭用の電源(コンセント)に接続される。また、基台2前面には、制御部32に接続された電源スイッチ51と図示しない通電ランプを設けている。
【0047】
また、タイミングベルト15に沿って架設した取付け台33には、図3に示すように、連結板14を検知するための各検知センサS2,S3を串打ち開始位置と串打ち終了位置とに取り付けている。各検知センサS2,S3は、連結板14を検知した際に検知信号を制御部32へ出力する。
【0048】
制御部32は、串打ち終了位置の検知センサS3から検知信号が出力された際に、モータ17によりタイミングベルト15を逆転させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31とを復帰方向へ移動する。また、串打ち開始位置の検知センサS2から検知信号が出力された際には、モータ17及びタイミングベルト15を停止させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、後述する押上げカム47とを復帰位置に待機させる。
【0049】
丸串用ホッパ34Aは、図2、図4、図5に示すように、基台2上面に設置される設置台35の一側上面に、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kが打ち込まれる方向に対して案内するための案内部36を設けている。
【0050】
案内部36には、1本の丸串Kの打ち出しが許容される大きさ及び形状に形成された串打出し通路37を、トレーTに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされる高さ位置に、該各材料N…に対して丸串Kが串打ちされる方向に向けて設けている。
【0051】
案内部36の側部には、串打出し通路37と連通して、前記串打ち板18の前後移動が許容される幅に開口された開口部38を串打ち方向に向けて形成している。
【0052】
開口部38には、串打出し通路37から丸串Kが突出するのを防止するための一対の各串抜止め板39,39を上下動自在に取り付けている。また、各串抜止め板39,39は、コイルスプリング等の付勢手段により開口部38が閉塞される方向に常時付勢されており、串打ち方向へ移動される串打ち板18により上方へ押し上げられる。また、各串抜止め板39,39は、串打出し通路37に供給された丸串KをトレーTに載置された各材料N…の中心に対して串打ちされるセンタリング位置に規制する。
【0053】
案内部36の上部には、串打出し通路37と連通して、ホッパ40に投入された多数本の丸串Kを1本ずつ供給するための供給部41を設けている。また、供給部41の外面には、多数本の丸串Kが投入されるホッパ40の下端を上下動自在に嵌合している。
【0054】
供給部41の内部は、上端側開口部から下端側開口部に向けて徐々に幅狭となる中空形状に形成され、ホッパ40に投入される多数本の丸串Kを串打ち方向と平行する方向に向けて上下に整列するとともに、案内部36に設けられた串打出し通路37に対して1本ずつ供給する。
【0055】
串打ち装置4は、図2〜図5にも示すように、案内部36の串打出し通路37に供給された丸串Kを打ち出すための串打ち板18を、設置台35側部の基台2上面に形成された案内孔2bよりも上方に突出された可動部材42の上端に対して水平回動自在に取り付けている。また、串打ち板18は、コイルスプリング等の付勢手段により案内部36の串打出し通路37に供給された丸串Kの後端に対して当接される角度に回動復帰される方向に付勢している。つまり、串打ち板18を串打ち方向へ前進移動する際には、丸串Kの後端に対して当接される角度に回動規制され、串打ち方向とは逆の方向へ後退移動する際には、串打出し通路37に供給された丸串Kの側面に沿った角度に回動される。
【0056】
また、串打ち板18は、串打出し通路37の開口部38よりも幅狭に形成され、串打出し通路37に供給された丸串Kの後端に対して当接される厚みに形成している。
【0057】
可動部材42の下端は、基台2上面に対して串打ち方向と平行して形成された長尺の案内孔2bを介して、前記カム板12に固定された連結板14に連結している。
【0058】
つまり、連結板14はタイミングベルト15に連結しているので、モータ17によりタイミングベルト15を正逆回転すれば、串打ち板18は、丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された丸串Kの後端と対向する串打ち開始位置(図2の実線で示す位置)と、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kが打ち込まれる串打ち終了位置(図2の仮想線で示す位置)とに水平方向へ前後移動される。
【0059】
ホッパ40は、該ホッパ40側面に固定された支持板43の両端を、設置台35の他側上面に立設された各支軸44,44により上下動自在に軸受して、コイルスプリング等の付勢手段により押し下げられる方向に付勢している。
【0060】
支持板43の後端に取り付けられた案内板45は、設置台35後方の基台2上面に形成された開口部2cに対して上下動自在に挿入している。また、開口部2cよりも下方に突出された案内板45の下端部には、後述する押上げカム47のガイド面に当接されるコロ46を自由回転自在に軸支している。
【0061】
押上げカム47は、図4、図5にも示すように、前記タイミングベルト15に連結された連結板14の他端側上面に固定されており、モータ17によりタイミングベルト15を正逆回転すれば、前記串打ち板18と一緒に串打ち方向へ往復移動される。つまり、串打ち板18を串打ち開始位置から串打ち終了位置へ水平移動した際に、コロ46が押上げカム47のガイド面に沿って上方へ移動し、ホッパ40全体が押上げカム47の高さだけ上方へ押し上げられる。その押し上げ時に付与される振動により、ホッパ40に投入された多数本の丸串Kが押し上げられ、供給部41に向けて投入される。
【0062】
なお、多数本の丸串Kをホッパ40に投入する場合、先鋭形状に形成された先端を串打ち方向に向けて、前記串打ち板18が当接される後端を串打ち方向とは逆の方向に向けた状態に揃えて投入する。
【0063】
一方、鉄砲串用ホッパ34Bは、図10、図11にも示すように、丸串用ホッパ34Aと略同一の設置構造を有しており、丸串用ホッパ34Aと異なる構造の部分を説明する。つまり、基台2上面に設置される設置台35上部に、多数本の鉄砲串Lを同一方向に向きを揃えて上下に積み重ねて収容するための上面開口型の収容部48を設けている。また、収容部48の右端には、鉄砲串Lの後端に形成された突出片Laが上下に重ね合わせた状態に収容が許容される大きさ及び形状に形成している。また、収容部48の下部には、鉄砲串Lを1本ずつ打ち出すための串打出し通路37を設けている。また、収容部48の前面は、プラスチックやガラス等の透光性を有する板で構成しているので、収容部48に収容された鉄砲串Lの残量を外部から目で確認することができる。
【0064】
丸串用ホッパ34A及び鉄砲串用ホッパ34Bの設置構造は同一であるので、一方の丸串用ホッパ34Aの設置構造を詳述する。つまり、図4、図10に示すように、設置台35下面には、串打ち位置a右側の基台2上面に突設された一対の各フック49,49を係止するための各係止孔35a,35aが所定間隔に隔てて設けられている。また、各係止孔35a,35aの内部には、フック49を係止するためのピン35bがそれぞれ架設されている。また、基台2と設置台35との対向面間にも前記位置決め装置29が取り付けられている。
【0065】
丸串用ホッパ34Aを基台2上面に固定する場合、丸串用ホッパ34Aを串打ち位置a右側の基台2上面に上方から垂直に降下させて、設置台35の各係止孔35a,35aに基台2の各フック49,49を挿入する。丸串用ホッパ34Aを串打ち方向へスライドさせて、係止孔35aのピン35bにフック49を係止すれば、丸串用ホッパ34Aが所定位置に固定される。また、位置決め装置29により所定の設置位置に規制される。
【0066】
また、丸串用ホッパ34Aを基台2から分離する場合、丸串用ホッパ34Aを串打ち方向とは逆の方向へスライドさせて、フック49から係止孔35aのピン35bを抜き取る。丸串用ホッパ34Aを上方へ持ち上げて、基台2の各フック49,49を設置台35の各係止孔35a,35aから抜き取れば分離することができる。上述と同様にして、鉄砲串用ホッパ34Bを基台2に固定するか、基台2から分離する。
【0067】
基台2前面には、トレーTを載置するための載置板50を上下回動自在に枢着している。つまり、載置板50を、基台2上面と水平となる角度に回動固定しておけば、次に供給されるトレーTを串打ち位置aの手前に待機させておくことができ、串刺し作業が能率よく行える。また、載置板50を、基台2前面と平行して下向きに回動しておけば、作業休止時おいて邪魔にならず、串刺し装置1の設置スペースが小さくて済む。
【0068】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、串刺し装置1による串打ち方法を説明する。
【0069】
先ず、作業開始時において、電源スイッチ51をON操作した後、図1、図2に示すように、複数の各材料N…が串打ち方向と平行して同一線上に並べて1列載置されたトレーTを串打ち方向と平行して基台2上の串打ち位置aへ供給し、串打ち位置aに配置されたトレーT側面に当接する。串打ち位置aに配置されたトレーTを押出し位置bへ押し出して、起動スイッチS1をON操作する。
【0070】
押出し位置bに押し出されたトレーTは、案内部材b1との当接により押出し位置bに停止される。串打ち位置aに供給されたトレーTは、押出し位置bに停止されたトレーTに当接されるので、串打ち位置a上方の押えユニット3Aと対向する位置に規制される。
【0071】
起動スイッチS1からON信号が出力されると、制御部32は、モータ17によりタイミングベルト15を正転させ、押え装置3と、串打ち装置4と、取除き装置5とを駆動する。つまり、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち方向へ水平移動させる。
【0072】
串打ち装置4の串打ち板18を串打ち方向と平行して串打ち開始位置から串打ち終了位置へ水平移動させ、串打ち板18により丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された丸串Kを、串打ち位置aのトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kが打ち込まれる串打ち方向へ打ち出す(図2の仮想線参照)。
【0073】
串打ち板18による串打ち動作を開始した際、つまり、串打ち板18により打ち出される丸串KがトレーTに載置された材料Nに串打ちされるまでに、コロ11とカム板12との当接により、押え装置3の押えユニット3Aを降下させ、各押え体20…によりトレーTに載置された各材料N…を個々に押え込む。各串ガイド板23…の先端を各材料N…の間に挿入して、トレーTに載置された各材料N…を、該各材料N…の中心に対して丸串Kが串打ちされる位置に規制する(図4の仮想線参照)。
【0074】
各押え体20…により各材料N…を押え込んだ後、丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37から打ち出される丸串Kを、各串ガイド板23…の各ガイド溝23a…と串ガイド26のガイド溝26aとによりガイドして、トレーTに載置された各材料N…の中心に対して真っ直ぐに串打ちする。
【0075】
串打ち装置4の串打ち板18を串打ち方向へ移動する際の駆動力により、取除き装置5の取除き板31を串打ち方向と平行して取除き開始位置から取除き終了位置へ水平移動させ、取除き板31により押出し位置bに押し出されたトレーTを基台2左側へ搬出する(図2の仮想線参照)。なお、串打ち開始前において、材料Nが載置されていないトレーTを串打ち位置aに配置しておいてもよい。
【0076】
串打ち板18が串打ち終了位置へ移動すると、図3に示す検知センサS3から検知信号が出力される。制御部32は、検知センサS3から出力される検知信号に基づいて、モータ17によりタイミングベルト15を逆転させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち開始前の位置へ復帰移動する。
【0077】
串打ち板18が串打ち開始位置へ移動すると、図3に示す検知センサS2から検知信号が出力される。制御部32は、検知センサS2から出力される検知信号に基づいて、モータ17及びタイミングベルト15を停止させ、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち動作開始前の位置に待機させる。これにより、トレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kを串打ちする動作が完了する。
【0078】
また、串打ち板18を串打ち方向へ移動する際に、図5に示すように、コロ46と押上げカム47との当接により、丸串用ホッパ34Aのホッパ40を上方へ押し上げる。その押し上げ時に付与される振動により、ホッパ40に投入された多数本の各丸串K…を供給部41に対して投入される位置に寄せ集める。
【0079】
前記と同様に、複数の各材料N…が載置された次のトレーTを串打ち位置aへ供給し、串打ち位置aから押し出されるトレーTにより起動スイッチS1をON操作して、1つのモータ17により、カム板12と、串打ち板18と、取除き板31と、押上げカム47とを串打ち方向へ移動する。つまり、押え装置3の各押え体20…によりトレーTに載置された各材料N…を押え込む。また、串打ち装置4の串打ち板18により丸串用ホッパ34Aの串打出し通路37に供給された1本の丸串Kを打ち出し、串打ち位置aに供給されたトレーT上の各材料N…に打ち込む。また、取除き装置5の取除き板31により押出し位置bに押し出された串打ち済みのトレーTが基台2左側へ搬出するので、トレーTに載置された1列の各材料N…に対して丸串Kを打ち込む作業が継続して行える。
【0080】
以上のように、押え装置3と、串打ち装置4と、取除き装置51とを1つのモータ17により駆動して、押え装置3によりトレーTに載置された各材料N…を押える動作と、串打ち装置4によりトレーTに載置された各材料N…に対して丸串Kを串打ちする動作と、取除き装置5により押出し位置bに押し出された串打ち済みのトレーTを基台2左側へ搬出する動作とを行うので、装置全体の構成を簡素化して、小型化及び軽量化を図ることができる。また、装置全体の重量が軽く、小型であるため、串刺し装置1を所望する設置場所へ移動する作業が簡単且つ容易に行える。また、従来の自動串刺し機よりも消費電力が少なくて済むため、製造コストの低減を図ることができ、串刺し済み食材を安価に製造することができる。
【0081】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の押え手段は、実施例の押え装置3に対応し、
以下同様に、
串打ち手段は、串打ち装置4に対応し、
取除き手段は、取除き装置5に対応し、
駆動手段は、モータ17に対応し、
串供給手段は、丸串用ホッパ34Aと、鉄砲串用ホッパ34Bとに対応し、
押上げ手段は、コロ46と、押上げカム47とに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0082】
例えばトレーTを串打ち位置aへ供給する動作と、トレーTを押出し位置bから押出し位置bへ搬出する動作と、トレーTを押出し位置bから排除する動作とを、ベルトコンベアやローラコンベア等の搬送手段により行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の串刺し装置は、実施例の丸串や鉄砲串以外にも、例えば角串、平串、幅広串等の串打ちする作業にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】串刺し装置の斜め正面から見た外観を示す斜視図。
【図2】串刺し装置を構成する各装置の配置を示す平面図。
【図3】串刺し装置の駆動系を示す底面図。
【図4】押え装置及び串打ち装置の駆動系を示す背面図。
【図5】押え装置及び串打ち装置の駆動系を示す側面図。
【図6】丸串用押えユニットの押え構造を示す背面図。
【図7】丸串用押えユニットの押え構造を示す側面図。
【図8】鉄砲串用押えユニットの押え構造を示す背面図。
【図9】鉄砲串用押えユニットの押え構造を示す側面図。
【図10】鉄砲串用ホッパの構造を示す側面図。
【図11】鉄砲串用ホッパの内部構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0085】
K…丸串
L…鉄砲串
T…トレー
N…材料
1…串刺し装置
2…基台
3…押え装置
3A,3B…押えユニット
4…串打ち装置
5…取除き装置
11…コロ
12…カム板
17…モータ
18…串打ち板
31…取除き板
34A…丸串用ホッパ
34B…鉄砲串用ホッパ
37…串打出し通路
40…ホッパ
46…コロ
47…押上げカム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串打ちされる串を供給する串供給手段と、該トレーに載置された材料を押える押え手段と、該押え手段により押え込まれた材料に対して串供給手段から供給される串を串打ちする串打ち手段とを備えた串刺し装置であって、
前記押え手段を、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ上下移動自在に設け、
前記串打ち手段を、前記押え手段により押え込まれた材料に対して前記串が串打ちされる水平方向へ前後移動自在に設け、
前記串打ち手段を串打ち方向へ移動する際の移動力により、前記押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ垂直降下し、前記串打ち手段を押え手段により押え込まれた材料に対して串が串打ちされる水平方向へ前進移動する1つの駆動手段を設けたことを特徴とする
串刺し装置。
【請求項2】
前記串供給手段は、前記多数本の各串が串打ち方向に揃えて投入されるホッパと、該ホッパに投入された串を1本ずつ供給するための案内部とを備え、
前記案内部に、前記ホッパに投入された1本の串の打ち出しが許容される串打出し通路を設け、
前記案内部の側部に、前記串打出し通路と連通して前記串打ち手段による1本の串の打ち出しが許容される開口部を串打ち方向と平行して設けたことを特徴とする
請求項1に記載の串刺し装置。
【請求項3】
前記ホッパの下端を前記案内部の上部外面に対して上下動自在に嵌合し、
前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記ホッパを上方へ押し上げる押上げ手段を設けたことを特徴とする
請求項2に記載の串刺し装置。
【請求項4】
前記串打ち位置側部の前記トレーが押し出される押出し位置に、該押出し位置に押し出されたトレーの側面と対向して該押出し位置に押し出されたトレーを取り除くための取除き手段を設け、
前記取除き手段を、前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記押出し位置からトレーが取り除かれる方向へ移動することを特徴とする
請求項1〜3のいずれか一つに記載の串刺し装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記押え手段と一体的に上下移動されるカムと、前記串打ち手段と一体的に前後移動されるコロとを備え、
前記串打ち手段が串打ち方向へ前進移動する際の移動力により、前記カムとコロとを互いに当接して、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ前記押え手段を垂直降下することを特徴とする
請求項1〜4のいずれか一つに記載の串刺し装置。
【請求項1】
串打ち位置のトレーに載置された材料に対して串打ちされる串を供給する串供給手段と、該トレーに載置された材料を押える押え手段と、該押え手段により押え込まれた材料に対して串供給手段から供給される串を串打ちする串打ち手段とを備えた串刺し装置であって、
前記押え手段を、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ上下移動自在に設け、
前記串打ち手段を、前記押え手段により押え込まれた材料に対して前記串が串打ちされる水平方向へ前後移動自在に設け、
前記串打ち手段を串打ち方向へ移動する際の移動力により、前記押え手段をトレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ垂直降下し、前記串打ち手段を押え手段により押え込まれた材料に対して串が串打ちされる水平方向へ前進移動する1つの駆動手段を設けたことを特徴とする
串刺し装置。
【請求項2】
前記串供給手段は、前記多数本の各串が串打ち方向に揃えて投入されるホッパと、該ホッパに投入された串を1本ずつ供給するための案内部とを備え、
前記案内部に、前記ホッパに投入された1本の串の打ち出しが許容される串打出し通路を設け、
前記案内部の側部に、前記串打出し通路と連通して前記串打ち手段による1本の串の打ち出しが許容される開口部を串打ち方向と平行して設けたことを特徴とする
請求項1に記載の串刺し装置。
【請求項3】
前記ホッパの下端を前記案内部の上部外面に対して上下動自在に嵌合し、
前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記ホッパを上方へ押し上げる押上げ手段を設けたことを特徴とする
請求項2に記載の串刺し装置。
【請求項4】
前記串打ち位置側部の前記トレーが押し出される押出し位置に、該押出し位置に押し出されたトレーの側面と対向して該押出し位置に押し出されたトレーを取り除くための取除き手段を設け、
前記取除き手段を、前記串打ち手段が水平方向へ前後移動する際の移動力により、前記押出し位置からトレーが取り除かれる方向へ移動することを特徴とする
請求項1〜3のいずれか一つに記載の串刺し装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記押え手段と一体的に上下移動されるカムと、前記串打ち手段と一体的に前後移動されるコロとを備え、
前記串打ち手段が串打ち方向へ前進移動する際の移動力により、前記カムとコロとを互いに当接して、前記トレーに載置された材料が押え込まれる垂直方向へ前記押え手段を垂直降下することを特徴とする
請求項1〜4のいずれか一つに記載の串刺し装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−44998(P2009−44998A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213529(P2007−213529)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(598174543)有限会社的場電器エムテック (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(598174543)有限会社的場電器エムテック (1)
【Fターム(参考)】
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