主としてモアレ効果を低減させるビデオプロジェクタ用投影スクリーン
投影スクリーンが投影面(10、11、17、25)を備えると共に発せられた音波が投影面を通り抜けることができるようにされた複数の通路(10’、10’’、12、13、28、29、30)を備えたシート4を有する。投影スクリーンは、整列パターンを視認することができた場合に少なくとも主要な整列パターンがスクリーンの鉛直縁部および水平縁部に対して0度ではない角度αを有するように上記通路が配置されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影スクリーン、特に、ビデオプロジェクタ用の投影スクリーンに関する。詳細には、本発明は、音波透過性スクリーンに向けられたものである。
【背景技術】
【0002】
音源をスクリーンの裏側に配置して投影映像と音との間に(投影映像が正面投影型であろうと背面投影型であろうと)一致性があることを認識させることができるといった音波透過性スクリーンの利点が知られている。
【0003】
こうした利点は、特に、特許文献1とそれに対応する特許文献2および特許文献3とに記載されている。
【0004】
このように音源、実際には、スピーカーをスクリーンの裏側に配置することは、音を通すことができるようにスクリーンが小さい穴を通常備えている映画館では、通常、行われていることである。
【0005】
ビデオや、特に、家庭内で利用される場合、視聴者がスクリーンに近いことから、穴が見えやすくなってしまうことが多い。通常、穴の大きさとこれら穴の間隔は、スクリーンの寸法とは無関係に、これら穴を開けるために用いられる道具によって決まる。
【0006】
或る製造業者は、近年、スクリーンの総面積に対する穴の面積を略一定の割合に維持しつつ穴の寸法を小さくすると共にこれら穴の間隔を短くするための道具を開発した。
【0007】
また、こうした用途では、「織物」技術を用いたスクリーンも使用されている。
【0008】
最近のビデオプロジェクタのほとんどは、例えば、デジタルライトプロセッサ(DLP)技術や液晶ディスプレイ(LCD)技術を用いた固定画素マトリクスタイプである。これら固定画素プロジェクタは、色と数値データがそれぞれ割り当てられた個々の要素にビデオ映像を分割する。
【0009】
上述した種類のプロジェクタは、映像を投影するのであるが、その映像の中に、特定の状況、特に、推奨距離よりも短い距離から映像を観る状況下で画素列が見えてしまう。そして、これら画素列は、特に、映像の縁部に対して平行に整列する画素間の間隔が直交している場合に明白である。
【0010】
実際には、多くの場合、穴開きタイプのビデオスクリーンの穴間の間隔の寸法のオーダーと投影画素の寸法とが同様であることが見受けられる。このことから、二つの周期的な整列パターン間で目に見える干渉が生じ、望ましくないモアレ効果が生じてしまう。モアレ効果の視認性を低減させるために、五点形の配列で穴を配置することがすでに提案されているが、錯綜した結果しか達成していない。
【0011】
その場しのぎではあるが、一つの解決法は、プロジェクタと投影スクリーンとの間の距離を調節し、投影映像の大きさ、ひいては、画素の大きさを変え、モアレ効果が最も少ない位置を見つけることである。その結果は、錯綜しており、例えば、鮮明度が高いもの、すなわち、画素サイズが異なるものにプロジェクタを交換したときにモアレ現象が再び生じないことを保証するものではない。
【0012】
こうした望ましいとは言えない効果は、織物スクリーンでも直面する。キャンバス構造によって空間が現れたり投影影効果が現れたりすると、その周期的な整列パターンが穴開きタイプのビデオスクリーンにおけるのと同様の望ましくないモアレ効果を発生させてしまう。
【0013】
映像の質と音波透過性との間に良好な妥協点を得る目的で開発された技術は、固定マトリクスタイプ技術との共鳴効果(モアレ効果)のリスクを考慮しておらず、したがって、真に良好な結果を達成することができないことが証明されている。
【0014】
実際には、多くの設備における場合のような、スクリーンの平坦度合や投影軸線に対する直交度合が完全ではない状況では、モアレ効果がますます悪化し、したがって、結果もますます悪化する。
【0015】
こうした理由から、現在のところ、音透過性スクリーンには、固定画素プロジェクタ、すなわち、実際に利用可能なプロジェクタ、特に、ビデオ投影用のプロジェクタの大多数との適合性に関して問題があると考えられている。
【0016】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2810122号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1162499号明細書
【特許文献3】米国特許第6552847号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、音波透過性のあるスクリーンであって、固定画素プロジェクタと共に用いられるときに生じる目に見える光学的な干渉が少なく或いは全くなく、それと同時に、単純で安価でフレーム上で広げられ或いは巻上げ式のスクリーンを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的を達成するために、本発明は、投影面を備えると共に音波を通すことができる複数の通路を備えたシートを有する投影スクリーンであって、前記複数の通路の整列パターンを視認することができた場合に少なくとも主要な整列パターンが当該投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に対して0度ではない角度で傾いている整列パターンであるように前記複数の通路が配置されていることを特徴とする投影スクリーンを提案する。
【0019】
幾つかの整列パターンが存在する場合、本発明では、主要な整列パターンは、最も密な整列パターン、すなわち、単位長さ当たりに最も多くの通路を含む整列パターンである。
【0020】
投影スクリーンの縁部に並列関係がない(すなわち、傾きがある)ことは、投影スクリーンの辺が投影映像の縁部に略平行であることから投影映像の画素構造の鉛直方向の整列パターンおよび水平方向の整列パターンと投影スクリーンの通路構成または横糸構成の鉛直方向の整列パターンおよび水平方向の整列パターンとが一致してしまう危険性を減少させ、望ましくないモアレ効果を排除し或いは大きく減少させることが明らかになっている。
【0021】
0度ではない傾きは、好ましくは、5度よりも大きい傾き、あるいは、10度よりもさらに大きい傾きであり、例えば、5度〜25度の傾きである。
【0022】
また、シートの通路、あるいは、該当する場合、シートの横糸が多数の整列パターンを形成する場合に、これら整列パターン全てが投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に平行ではなく、あるいは、これら整列パターンのほとんどが投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に平行ではない結果を伴うようにこれら整列パターンが傾けられている。
【0023】
また、シートは、好ましくは、複数の糸から作製され、あるいは、列状の糸の外観に似せる方法(例えば、プラスチック材を成形することによる方法、あるいは、中実なシートをカッティングすることによる方法または中実なシートをエキスパンディングすることによる方法)によって作製されるが、小さい穴を開けた中実なシートから作製されてもよい。
【0024】
また、複数の通路または横糸が実質的な形状変化または方向変化を有する場合、干渉の危険性がさらに減少する。
【0025】
こうした実質的な形状変化または方向変化があることから、光線が投影面に向けられると、通路同士の間に種々の物理的な相互作用が起こり、さらにモアレ効果が減退する。
【0026】
例えば、滑らかでない糸、例えば、ブークレ糸を使用すること(通路の外形が縦方向を含めて不規則となる)によって、または、化粧仕上げ処理(化粧仕上げ処理中に通路の外形が初期形状から変更される)のようなシートの処理によって、または、これら両方によって、上記変化が考慮される通路のレベルで個々に存在する。従って、シートは、好ましくは、縮緬(これは、ブークレ糸または起伏のある糸またはこれら両方をしばしば使用して織られたもの或いは編まれたもの、または、化粧仕上げ処理されたものである)である。
【0027】
通路同士の間に変化があってもよい。
【0028】
従って、上記変化は、(シートの平面における)通路同士の形状の相違または方向の相違から生じる。すなわち、通路は、例えば、その向きが穴同士の間で変化する大きな寸法を備えた細長い形状を有する。従って、通路の配置が周期的な配列を形成しているとしても、これら通路の配置は、完全に同一であることから投射光線に同じように反応し、通路の配置の配列よりも非常に大きな配列を形成する。この説明によって本発明を限定しようとするのではないが、これは、モアレ効果の危険性を減少させるのに有利なようである。これら変化は、ばらつきであってもよく、適宜には、周期的なばらつきであってもよい。
【0029】
また、こうした変化は、例えば、一つまたは複数の寸法の表面模様が存在することによってシート平面に対する通路の向きが様々なものとなることからも生じる。多次元模様の一例は、菱形模様または矩形模様であり、一次元模様の一例は、直線的に配列された起伏、例えば、一組のリブである。これによれば、たとえ、通路が周期的な配列を形成する配置で形成されたとしても、表面の起伏は、通路が光線と様々に反応することを意味する。
【0030】
シート平面に対して傾斜した一つの以上の方向、例えば、杉綾模様(ここでは、織物糸がジグザグになっている)の配列に実質的に整列した(様々な形状の)通路をもたらすツイードからシートが作製されると有利である。
【0031】
別の形式の織り方は、様々な通路形状の利点に表面の起伏(織物糸の全ての方向のそれぞれに対して傾斜した方向に浮き彫りにされたライン)の利点を組み合わせた織り方であって、個々の糸を一つの方向に織ると共に二つの糸を別の方向に織る織り方である。なお、この種の織物は、デニムジーンズ用の織物と同様である。
【0032】
実際には、通常の視聴距離(典型的には、たとえ、家庭内での利用、ひいては、小さいスクリーンを備えたものであっても、スクリーン幅の1.5倍である)に通常の視聴方向を向いて位置している視聴者には、仮にそうであるとしても、本発明のシートの通路は、あまり見えない。
【0033】
シートは、織物糸から作製されるが、プラスチック材の糸、例えば、ポリエステル糸、好ましくは、ブークレポリエステル糸から作製されてもよい。また、糸は、ウィービング、または、他の工程、例えば、ニッティングによって織り上げ或いは編み上げられる。また、シートは、織物でなくてもよい。
【0034】
個々に利用されても組み合わせて利用されてもよい本発明の好適な特徴は、前記シートが穴が開けられているが中実なものであること、前記シートが織られたものであること、前記シートが様々な数の縦糸と横糸とで織られたものであること、糸の間隔が0.3mm以下であること、シートの投影面が縦糸および横糸の全体的な方向に対して傾いているリブを有すること、ポリ塩化ビニルでコーティングされた糸がウィービングに使用されること、前記シートがニッティングされた糸からなること、糸がブークレ糸であること、糸がポリエステル糸であること、横糸が見えないこと、前記面が縮緬であること、シートが織られたものであってサテンタイプであること、シートが織られたものであってツイードタイプであること、投影スクリーンが第一の層上に略重ね合わせられると共にプロジェクタからの光束に対して第一の層の裏側に配置される音波透過性の第二の層を有すること、音源が投影スクリーンの裏側に配置されると共に光源が投影スクリーンの正面に配置されていること含む。
【0035】
また、本発明は、上述したタイプの投影スクリーンと、該投影スクリーンの裏側に配置された音源と、該投影スクリーンの正面に配置された光源とを有する装置も提案する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の目的、特徴および利点は、以下の記載からも明らかになり、例示的な実施例に制限されずに、添付した図面を参照して定められる。
【0037】
図1は、音波透過性の投影スクリーン4を示す線図である。話している人を表す映像5がスクリーン4上に投影されている。スクリーン4の裏側であってスクリーンの略中心には、音源6(外形を破線で示した)が設置されている。音源6は、通常のビデオでもそうであるように映像を録画したときに話している人の録音された声を再生する。ここで、映像は、(プロジェクタ7による)正面から投影されたものであるが、背面から投影されたものでもよい。
【0038】
録画像と録音声とは同期している。
【0039】
この従来の構成は、音と映像とを同時に且つ一致させて再生することを意図としている。他の場所に音源を設置すると、一致性がなくなり、同期して録音・録画された音と画像との再現性に関する全体的な質が低下してしまう。
【0040】
図1に示した構成が従来型であり、ほとんどの映画館に見受けられ、しばしば、音をステレオ再生するために二つ(右手と左手)の追加の音源(図示略)によって改善されている。
【0041】
しかし、図1に示した構成は、スクリーンが音波透過性のある素材でできている場合にのみ可能である。
【0042】
図2に図式的に示す従来の構成において、こうした素材は、一般的に、プラスチック材、一般的には、ポリ塩化ビニルの薄板(0.2mm〜0.7mm)から作製されている。シート10には、8.0mm〜15.0mmのピッチでスクリーン表面全体に亘って均一に分布された複数の穴10’が開けられている。穴10’の直径は、0.8mm〜1.5mmである。これら穴は、音を透過させるためにスクリーンを形成する素材に設けられ、この音透過性は、素材の性質に固有なものではない。以上説明したスクリーンは、一般的に、映画館で見受けられる。
【0043】
上述したスクリーンは、映画館の装置には概ね申し分ないが、このことは、家庭内ビデオプロジェクタ装置には当てはまらない。ビデオ、特に、家庭内で利用されるビデオでの利用に関連する近年の開発によって、こうしたスクリーンの限界が顕著になってきた。こうした用途では、視聴者が映画館よりもスクリーンに近いところにいるし、スクリーン自体も小さい(多くの場合、基線長が180cm〜320cmである)。したがって、上述したオーダーの大きさの穴は、通常の視聴距離(3m〜10m)で見えてしまう。
【0044】
許容範囲の音透過性が確保されるように短い間隔(典型的には、5.0mm)で小さい直径(典型的には、0.5mm)の穴を利用することによって、穴を開けられたプラスチック材で作製されたスクリーンが改良されてきた。また、これら穴の好ましくない視認性を減少させようとして、これら穴を五点形の配列で配置することも提案されてきた。こうした改良されたスクリーンは、2.0m〜3.5mの基本寸法を備えるものであると、従来型の穴開きタイプの映画館用スクリーンで得られるよりもわずかばかり良好なビデオ映像の質を提供するが、モアレ現象(以下参照)を抑止することはできない。
【0045】
また、それらの音透過性は、未だに低く、映像の質の低下を伴う方法でしか改善できない(投影面の穴をより大きく密集させることで投影面の面積を減少させてしまう。)。
【0046】
従前の走査型プロジェクタを超える多くの利点を提供する固定画素ビデオプロジェクタの開発は、穴開きタイプのスクリーンとの適合性の問題を引き起こしている。
【0047】
固定画素プロジェクタは、行と列とで構成されたマトリクス状に配置された一定の画素数を有する。各画素の行間と列間との境界は、一定値からなるモノクロ領域であるので、スクリーン上に投影された目に見えるラインを形成する。
【0048】
これらラインは、画素マトリクスの行および列に沿った直交するグリッドを形成し、見る距離が十分な場合、それ自体で特に問題となることはない(投影された画素の寸法が人にもよるが1分から5分の角度である可視限界よりも小さいか等しい場合、見る距離が概ね十分であると考えられる)。
【0049】
規則的な水平方向整列パターンおよび鉛直方向整列パターンで配置された穴を開けられたキャンバスの穴によって形成される配列と投影グリッドとの重ね合わせは、投影グリッドのピッチまたは穴の整列パターンのピッチよりも幅広く且つより離れたラインを作り出すモアレ効果で知られる光学干渉を形成する。これらモアレ効果は、非常に目立ち、映像の望ましくない不自然な結果を構成してしまう。
【0050】
さらに、投影面によって形成された平面が投影軸線に対して正確に垂直でない場合、あるいは、その平面度が不完全な場合、目に見えるモアレラインは、もはやそれらモアレラインを作り出すグリッドのラインに対して平行ではなく、それらラインをいっそう目立たせてしまう。
【0051】
さらに、投影グリッドをマスキングする闇の場面と明るい場面とを交互にビデオ動画を投影すると、眼の調節ができなければ、モアレ効果を断続的なものにし、従って、なおさら目立たせてしまう。
【0052】
この現象は、穴開きタイプのスクリーンが固定画素プロジェクタと容易に適合しないということをスクリーンの多くのユーザーが結論づける原因となっている。
【0053】
図3は、音透過性は良好であるが、概ね、ビデオ映像再生の質が低い織物スクリーン11を示す線図である。横糸12は、良好な音透過性を提供する格子間通路13を作り出すように十分離間している。このようなタイプの織物スクリーンは、目に見えるグリッドを出現させ、固定画素ビデオプロジェクタによって投影されたグリッドと光学的に干渉する傾向がある。尚、この織物は、個々の糸の交差が二つの直交する方向に限定されている点で非常に単純である。この特に単純な織物は、しばしば「キャンバス」と呼ばれる。糸の直径は、例えば、0.5mmである。
【0054】
その後の図は、本発明に従ってモアレ効果を大きく減退させるように編んであったり、織ってあったり、織っていなかったり、あるいは、他の方法で組まれていたりする繊維素材またはプラスチック材の糸の様々な配置方法に相当する。
【0055】
これら配置は、投影面と音波を通すことができる複数の通路とを備えるシートの共通の特徴を有し、整列パターンを視認することができた場合に少なくとも主な整列パターンがスクリーンの縁部に対して0度ではない角度で傾いている整列パターンであるように複数の通路が配置されている。さらに、複数の通路の幾つかは、実質的な形状変化または方向変化を有する。
【0056】
本発明の第一の実施形態では、図4に示すように、投影スクリーンが織物シート17で作られているので、縦糸18と横糸19とは、それらをスクリーン平面に対して略法線方向から見ると切れ目無く見える。
【0057】
糸が対にされているが単純な模様、すなわち、キャンバス模様で交互配置されていることから、通路が二つの縦糸の間にあるか否か、そして、二つの横糸の間に位置するか否かに応じて様々な通路間の形状または方向に大きな違いがある。
【0058】
糸自体の直径は、0.02mm〜0.20mmである。
【0059】
従って、こうした種の織物素材の(場合によっては、可視の)配列のピッチは、SXGAマトリクス(現在のところ、家庭用のプロジェクタの最も通常の解像度である1200×1024画素)の投影のピッチよりも10倍から100倍細く、2.4mの基線長のスクリーン上に投影される。
【0060】
このピッチは、近い将来、予想されるものよりも高い解像度を提供するプロジェクタによって投影されるマトリクスのピッチと比較してもまったく異なるオーダーの大きさである。
【0061】
スクリーンは、縦糸と横糸とがスクリーン縁部に対して0度ではない角度を形成しているようにシートをその平面内において回転角度αで傾けることによって得られる。この角度αは、5度〜25度であるのが好ましい(図9参照)。
【0062】
この目的を達するために、スクリーンを構成する矩形片が偏向された状態で該偏向角度で織物から切り出される(図4の一点鎖線参照)。
【0063】
このような傾きは、縁部が配列の主な整列パターンに略平行になっている投影画素構造の周期的な配列からできるだけ離すために、任意の通路の構造、特に、従来の構造にでさえも提供可能である。
【0064】
実際、本発明の第一実施形態に従って1.8m〜3.0mの基線長のスクリーン上へビデオ映像を投影することは、既存のプロジェクタを用いても目に見えるモアレ効果を作り出さないということが分かっている。
【0065】
尚、実際のところ、糸の直径が最大可聴周波数(17.15mm)の波長よりも小さいので、本実施形態の特定の通路の形状の理由から、可聴周波数帯域に亘る織物を通り抜ける音波は、糸周りに回折することによって進行する。
【0066】
図5〜図7に示した本発明のスクリーンの第二実施形態は、デニムジーンズの織り方と同じ、時折、ツイードとして知られているサテンタイプの織物素材からなる投影面25を使用する。
【0067】
こうした織物素材は、外観が異なる二つの面、すなわち、図5に示した面Aと、図6に示した面Bとを有する。
【0068】
一般的に、こうしたシートは、二つの構造、すなわち、縦糸と横糸とが互いに直交する従来からの構造と、一定の角度、例えば、30度の角度で偏向した構造とを有する。
【0069】
図5および図6は、織物素材の平面に対して全体的に傾いた方向から照射されたときの織物繊維を示す。このような照射は、織物素材の起伏を際立たせ、高くなった部分27によって縁取られた溝状の傾いた列26(図5)を全体的に有する。溝26に対する高くなった部分27の高さは、糸の直径と略等しい。
【0070】
傾いた照明は、陰影によって糸間の隙間28を目立たせるが、これら隙間28は、織物素材の面B上に見える隙間29には一致しない。
【0071】
図7は、織物素材の平面に対して略垂直な方向から照射した場合の本発明の本実施形態に用いられる織物素材の面Aを示す。使用時、ビデオプロジェクタによって生成される照射に相当するこうした照射下では、糸間の通路28’は、面Aにおける位置と面Bにおける位置とが異なるので、はっきり見えない(あるいは、あまりはっきりは見えない)。
【0072】
前述から明らかなように、個々の糸の傾きとは関係なく、音波がシートを通り抜けるための通路は、縁部に対して傾いた整列パターンを有する(一点鎖線参照)。同様に、これら通路は、一つの通路とそれに隣接する通路との間でシートに亘って変化する方向および形状を有するので有利である。
【0073】
従って、織物素材は、光に対して略不透明であり、そして、ビデオ投影時にはっきりと見えると共に許容できない程度にまでスクリーン上に投影グリッドと光学的に干渉する傾向がある縁部に対して平行な構造を有していない。
【0074】
視認することができる場合の通路の整列パターンを傾けたことによる好ましい効果は別として、本実施形態の一つの利点は、通路28’の寸法が空気に対するスクリーン25の透過性、ひいては、音波に対するスクリーン25の透過性を最適化するのに十分であるにも関わらず、糸間の通路28’が少なくとも概ね隠れていることにある。
【0075】
選択される糸は、好ましくは、繊維状の芯線を備えるポリ塩化ビニルであり、例えば、グラスファイバー、カーボンファイバー、あるいは、ケブラーファイバーコアであるが、これは本発明を限定しない。
【0076】
糸の直径は、好ましくは、0.10mm〜0.17mmであるが、これも本発明を限定しない。
【0077】
糸間の距離は、好ましくは、0.3mm以下である。
【0078】
上述した実施形態におけるように、縦糸と横糸とがスクリーンの縁部に対して0度ではない角度を向くようにシートがその平面内で回転されているので有利である。
【0079】
図8は、該当する織物素材の表面において個々の横糸が対をなす縦糸に織り込まれている(三つの縦糸対の正面を通る度に一つの縦糸対から次の縦糸対へと通る際に一つの縦糸対分のオフセットがある)別の実施形態を示す線図である。この種の織物素材の裏面は、図7に示した裏面と類似しており、すなわち、縦糸対が裏面では倍になっている。
【0080】
また、この種の織物は、列をなして配置されているが縁部に対して通路列が実質的に傾いている通路30を有する(一点鎖線参照)。
【0081】
従って、真に通路が見えないと言えないまでも、視認することができた場合の整列パターンは、縁部に対して実質的に傾いており、このため、モアレ模様が形成される危険性を大きく減少させている。
【0082】
スクリーンの別の実施形態は、縮緬タイプや畝織タイプの、好ましくは、編んであったり、織ってあったり、あるいは、織っていなかったりする織物素材を用いている。
【0083】
直径が0.02mm〜0.10mmのブークレ糸で編んである縮緬や畝織の織物素材を選択することが好ましい。
【0084】
また、合成繊維、ポリエステル糸、あるいは、アクリル糸を選択することが好ましい。
【0085】
上述した種類の織物素材は、非常に単純な織り方で得られるが、縮緬やブークレの糸が通路内で交互配置する効果を作り出す性質を有することから、目に見えない周期的な構造、すなわち、簡単には視認することができない通路の整列パターンを提供する固有の特徴を有する。グリッド状の画素が投影されたとき、映像の大きさやプロジェクタの解像度に関わらず、光学的な干渉が発生することはない。
【0086】
一般に、織物素材は、その密度に関係して空気の浸透に対して耐性を有する。その密度を減少させると、空気の透過性、ひいては、音波の透過性が向上するが、光に対する不透明性も減少し、投影映像の再現性の質が低下してしまう。
【0087】
縮緬タイプまたは畝織タイプの織物素材のスクリーンは、150g/m2〜220g/m2の密度で最適な不透明性と空気に対する最適な透過性とを提供することが分かっている。
【0088】
本発明の別の実施形態は、シートの平面に穴として見えないようにシート平面に対して偏向して形成されるスロット形状で中実なシート内に通路を作り出す。
【0089】
前述から明らかなように、本発明のスクリーンは、通路で構成されている構造を有するシートをその構造がスクリーンの縁部に対して好ましくは5度〜25度の角度で傾いているようにその平面で回転させることによって作り出される(図9参照)。
【0090】
したがって、図10は、縁部が図2のようなシートから偏向されて切断されたスクリーンを示す。図2からの正方形のメッシュ配列をその中で識別するのは簡単である(通路10’’が図2の通路10’に対応する)。
【0091】
図11は、様々な方法で形成された通路40の配列を示す。スクリーンの水平縁部および鉛直縁部に対して角度αで傾いた二つの向きで捉えれば、正方形のメッシュ配列と見ることができる。一方、スクリーンの水平縁部および鉛直縁部に対して角度βで傾いた二つの向きで捉えれば、五点形の配列と見ることができる。最後に、スクリーンの一辺に対する傾き方向αがスクリーンの別の辺に対する傾き方向βと組み合わせられたものとして捉えれば、直方体以外の平行六面体のメッシュネットワークが見られる。さらに、傾きγによって特徴づけられる多くの他の整列パターンも識別できる。本発明によれば、少なくとも主要な整列パターン、ひいては、非常に高い密度の整列パターンがスクリーンの縁部に対して0度ではない傾きを有する。
【0092】
上述したタイプの一つのシートの他に、スクリーンが第一の層上に実質的に重ね合わせられると共にプロジェクタからの光束に対して第一の層の裏側に配置される音波透過性の第二の層を有していてもよい。
【0093】
上述した本発明のすべての実施形態において、スクリーン投影面を構成するために用いられる織物素材は、好ましくは、白である。しかし、特定の用途においては、薄灰色の織物素材、あるいは、白に近い別の色またはそれとは全く異なる色の織物素材を使用することも想定される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】音源の正面に設置された音透過性の投影スクリーンの全体的な斜視図である。
【図2】従来のスクリーン素材の拡大した正面図である。
【図3】従来のキャンバスタイプの織物素材の正面図である。
【図4】その平面を傾けた後の本発明のスクリーンの第一実施形態を構成する織物素材の正面図である。
【図5】本発明のスクリーンの第二実施形態を構成する織物素材の第一面の正面図であって、スクリーンの平面に対する法線に対して約45度の角度で照射されたときの正面図である。
【図6】同じ照射をした同じ織物素材の第二面(裏面)の図である。
【図7】図5と同一の織物素材の正面図であって、スクリーンの平面に対して法線方向に照射されてその中心を通り抜けたときの正面図である。
【図8】本発明のスクリーンの第三実施形態を構成する織物素材の正面図である。
【図9】図2、3、4のスクリーンのような素材のスクリーンの縁部に対して好適な向きを示す線図である。
【図10】スクリーンの縁部に対して穴の整列パターンの好適な向きを示す穴開きタイプのスクリーンの線図である。
【図11】スクリーンの縁部に対して複数の整列パターンを示す、より複雑に(五点形配列で)穴開きタイプのスクリーンの線図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影スクリーン、特に、ビデオプロジェクタ用の投影スクリーンに関する。詳細には、本発明は、音波透過性スクリーンに向けられたものである。
【背景技術】
【0002】
音源をスクリーンの裏側に配置して投影映像と音との間に(投影映像が正面投影型であろうと背面投影型であろうと)一致性があることを認識させることができるといった音波透過性スクリーンの利点が知られている。
【0003】
こうした利点は、特に、特許文献1とそれに対応する特許文献2および特許文献3とに記載されている。
【0004】
このように音源、実際には、スピーカーをスクリーンの裏側に配置することは、音を通すことができるようにスクリーンが小さい穴を通常備えている映画館では、通常、行われていることである。
【0005】
ビデオや、特に、家庭内で利用される場合、視聴者がスクリーンに近いことから、穴が見えやすくなってしまうことが多い。通常、穴の大きさとこれら穴の間隔は、スクリーンの寸法とは無関係に、これら穴を開けるために用いられる道具によって決まる。
【0006】
或る製造業者は、近年、スクリーンの総面積に対する穴の面積を略一定の割合に維持しつつ穴の寸法を小さくすると共にこれら穴の間隔を短くするための道具を開発した。
【0007】
また、こうした用途では、「織物」技術を用いたスクリーンも使用されている。
【0008】
最近のビデオプロジェクタのほとんどは、例えば、デジタルライトプロセッサ(DLP)技術や液晶ディスプレイ(LCD)技術を用いた固定画素マトリクスタイプである。これら固定画素プロジェクタは、色と数値データがそれぞれ割り当てられた個々の要素にビデオ映像を分割する。
【0009】
上述した種類のプロジェクタは、映像を投影するのであるが、その映像の中に、特定の状況、特に、推奨距離よりも短い距離から映像を観る状況下で画素列が見えてしまう。そして、これら画素列は、特に、映像の縁部に対して平行に整列する画素間の間隔が直交している場合に明白である。
【0010】
実際には、多くの場合、穴開きタイプのビデオスクリーンの穴間の間隔の寸法のオーダーと投影画素の寸法とが同様であることが見受けられる。このことから、二つの周期的な整列パターン間で目に見える干渉が生じ、望ましくないモアレ効果が生じてしまう。モアレ効果の視認性を低減させるために、五点形の配列で穴を配置することがすでに提案されているが、錯綜した結果しか達成していない。
【0011】
その場しのぎではあるが、一つの解決法は、プロジェクタと投影スクリーンとの間の距離を調節し、投影映像の大きさ、ひいては、画素の大きさを変え、モアレ効果が最も少ない位置を見つけることである。その結果は、錯綜しており、例えば、鮮明度が高いもの、すなわち、画素サイズが異なるものにプロジェクタを交換したときにモアレ現象が再び生じないことを保証するものではない。
【0012】
こうした望ましいとは言えない効果は、織物スクリーンでも直面する。キャンバス構造によって空間が現れたり投影影効果が現れたりすると、その周期的な整列パターンが穴開きタイプのビデオスクリーンにおけるのと同様の望ましくないモアレ効果を発生させてしまう。
【0013】
映像の質と音波透過性との間に良好な妥協点を得る目的で開発された技術は、固定マトリクスタイプ技術との共鳴効果(モアレ効果)のリスクを考慮しておらず、したがって、真に良好な結果を達成することができないことが証明されている。
【0014】
実際には、多くの設備における場合のような、スクリーンの平坦度合や投影軸線に対する直交度合が完全ではない状況では、モアレ効果がますます悪化し、したがって、結果もますます悪化する。
【0015】
こうした理由から、現在のところ、音透過性スクリーンには、固定画素プロジェクタ、すなわち、実際に利用可能なプロジェクタ、特に、ビデオ投影用のプロジェクタの大多数との適合性に関して問題があると考えられている。
【0016】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2810122号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1162499号明細書
【特許文献3】米国特許第6552847号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、音波透過性のあるスクリーンであって、固定画素プロジェクタと共に用いられるときに生じる目に見える光学的な干渉が少なく或いは全くなく、それと同時に、単純で安価でフレーム上で広げられ或いは巻上げ式のスクリーンを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的を達成するために、本発明は、投影面を備えると共に音波を通すことができる複数の通路を備えたシートを有する投影スクリーンであって、前記複数の通路の整列パターンを視認することができた場合に少なくとも主要な整列パターンが当該投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に対して0度ではない角度で傾いている整列パターンであるように前記複数の通路が配置されていることを特徴とする投影スクリーンを提案する。
【0019】
幾つかの整列パターンが存在する場合、本発明では、主要な整列パターンは、最も密な整列パターン、すなわち、単位長さ当たりに最も多くの通路を含む整列パターンである。
【0020】
投影スクリーンの縁部に並列関係がない(すなわち、傾きがある)ことは、投影スクリーンの辺が投影映像の縁部に略平行であることから投影映像の画素構造の鉛直方向の整列パターンおよび水平方向の整列パターンと投影スクリーンの通路構成または横糸構成の鉛直方向の整列パターンおよび水平方向の整列パターンとが一致してしまう危険性を減少させ、望ましくないモアレ効果を排除し或いは大きく減少させることが明らかになっている。
【0021】
0度ではない傾きは、好ましくは、5度よりも大きい傾き、あるいは、10度よりもさらに大きい傾きであり、例えば、5度〜25度の傾きである。
【0022】
また、シートの通路、あるいは、該当する場合、シートの横糸が多数の整列パターンを形成する場合に、これら整列パターン全てが投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に平行ではなく、あるいは、これら整列パターンのほとんどが投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に平行ではない結果を伴うようにこれら整列パターンが傾けられている。
【0023】
また、シートは、好ましくは、複数の糸から作製され、あるいは、列状の糸の外観に似せる方法(例えば、プラスチック材を成形することによる方法、あるいは、中実なシートをカッティングすることによる方法または中実なシートをエキスパンディングすることによる方法)によって作製されるが、小さい穴を開けた中実なシートから作製されてもよい。
【0024】
また、複数の通路または横糸が実質的な形状変化または方向変化を有する場合、干渉の危険性がさらに減少する。
【0025】
こうした実質的な形状変化または方向変化があることから、光線が投影面に向けられると、通路同士の間に種々の物理的な相互作用が起こり、さらにモアレ効果が減退する。
【0026】
例えば、滑らかでない糸、例えば、ブークレ糸を使用すること(通路の外形が縦方向を含めて不規則となる)によって、または、化粧仕上げ処理(化粧仕上げ処理中に通路の外形が初期形状から変更される)のようなシートの処理によって、または、これら両方によって、上記変化が考慮される通路のレベルで個々に存在する。従って、シートは、好ましくは、縮緬(これは、ブークレ糸または起伏のある糸またはこれら両方をしばしば使用して織られたもの或いは編まれたもの、または、化粧仕上げ処理されたものである)である。
【0027】
通路同士の間に変化があってもよい。
【0028】
従って、上記変化は、(シートの平面における)通路同士の形状の相違または方向の相違から生じる。すなわち、通路は、例えば、その向きが穴同士の間で変化する大きな寸法を備えた細長い形状を有する。従って、通路の配置が周期的な配列を形成しているとしても、これら通路の配置は、完全に同一であることから投射光線に同じように反応し、通路の配置の配列よりも非常に大きな配列を形成する。この説明によって本発明を限定しようとするのではないが、これは、モアレ効果の危険性を減少させるのに有利なようである。これら変化は、ばらつきであってもよく、適宜には、周期的なばらつきであってもよい。
【0029】
また、こうした変化は、例えば、一つまたは複数の寸法の表面模様が存在することによってシート平面に対する通路の向きが様々なものとなることからも生じる。多次元模様の一例は、菱形模様または矩形模様であり、一次元模様の一例は、直線的に配列された起伏、例えば、一組のリブである。これによれば、たとえ、通路が周期的な配列を形成する配置で形成されたとしても、表面の起伏は、通路が光線と様々に反応することを意味する。
【0030】
シート平面に対して傾斜した一つの以上の方向、例えば、杉綾模様(ここでは、織物糸がジグザグになっている)の配列に実質的に整列した(様々な形状の)通路をもたらすツイードからシートが作製されると有利である。
【0031】
別の形式の織り方は、様々な通路形状の利点に表面の起伏(織物糸の全ての方向のそれぞれに対して傾斜した方向に浮き彫りにされたライン)の利点を組み合わせた織り方であって、個々の糸を一つの方向に織ると共に二つの糸を別の方向に織る織り方である。なお、この種の織物は、デニムジーンズ用の織物と同様である。
【0032】
実際には、通常の視聴距離(典型的には、たとえ、家庭内での利用、ひいては、小さいスクリーンを備えたものであっても、スクリーン幅の1.5倍である)に通常の視聴方向を向いて位置している視聴者には、仮にそうであるとしても、本発明のシートの通路は、あまり見えない。
【0033】
シートは、織物糸から作製されるが、プラスチック材の糸、例えば、ポリエステル糸、好ましくは、ブークレポリエステル糸から作製されてもよい。また、糸は、ウィービング、または、他の工程、例えば、ニッティングによって織り上げ或いは編み上げられる。また、シートは、織物でなくてもよい。
【0034】
個々に利用されても組み合わせて利用されてもよい本発明の好適な特徴は、前記シートが穴が開けられているが中実なものであること、前記シートが織られたものであること、前記シートが様々な数の縦糸と横糸とで織られたものであること、糸の間隔が0.3mm以下であること、シートの投影面が縦糸および横糸の全体的な方向に対して傾いているリブを有すること、ポリ塩化ビニルでコーティングされた糸がウィービングに使用されること、前記シートがニッティングされた糸からなること、糸がブークレ糸であること、糸がポリエステル糸であること、横糸が見えないこと、前記面が縮緬であること、シートが織られたものであってサテンタイプであること、シートが織られたものであってツイードタイプであること、投影スクリーンが第一の層上に略重ね合わせられると共にプロジェクタからの光束に対して第一の層の裏側に配置される音波透過性の第二の層を有すること、音源が投影スクリーンの裏側に配置されると共に光源が投影スクリーンの正面に配置されていること含む。
【0035】
また、本発明は、上述したタイプの投影スクリーンと、該投影スクリーンの裏側に配置された音源と、該投影スクリーンの正面に配置された光源とを有する装置も提案する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の目的、特徴および利点は、以下の記載からも明らかになり、例示的な実施例に制限されずに、添付した図面を参照して定められる。
【0037】
図1は、音波透過性の投影スクリーン4を示す線図である。話している人を表す映像5がスクリーン4上に投影されている。スクリーン4の裏側であってスクリーンの略中心には、音源6(外形を破線で示した)が設置されている。音源6は、通常のビデオでもそうであるように映像を録画したときに話している人の録音された声を再生する。ここで、映像は、(プロジェクタ7による)正面から投影されたものであるが、背面から投影されたものでもよい。
【0038】
録画像と録音声とは同期している。
【0039】
この従来の構成は、音と映像とを同時に且つ一致させて再生することを意図としている。他の場所に音源を設置すると、一致性がなくなり、同期して録音・録画された音と画像との再現性に関する全体的な質が低下してしまう。
【0040】
図1に示した構成が従来型であり、ほとんどの映画館に見受けられ、しばしば、音をステレオ再生するために二つ(右手と左手)の追加の音源(図示略)によって改善されている。
【0041】
しかし、図1に示した構成は、スクリーンが音波透過性のある素材でできている場合にのみ可能である。
【0042】
図2に図式的に示す従来の構成において、こうした素材は、一般的に、プラスチック材、一般的には、ポリ塩化ビニルの薄板(0.2mm〜0.7mm)から作製されている。シート10には、8.0mm〜15.0mmのピッチでスクリーン表面全体に亘って均一に分布された複数の穴10’が開けられている。穴10’の直径は、0.8mm〜1.5mmである。これら穴は、音を透過させるためにスクリーンを形成する素材に設けられ、この音透過性は、素材の性質に固有なものではない。以上説明したスクリーンは、一般的に、映画館で見受けられる。
【0043】
上述したスクリーンは、映画館の装置には概ね申し分ないが、このことは、家庭内ビデオプロジェクタ装置には当てはまらない。ビデオ、特に、家庭内で利用されるビデオでの利用に関連する近年の開発によって、こうしたスクリーンの限界が顕著になってきた。こうした用途では、視聴者が映画館よりもスクリーンに近いところにいるし、スクリーン自体も小さい(多くの場合、基線長が180cm〜320cmである)。したがって、上述したオーダーの大きさの穴は、通常の視聴距離(3m〜10m)で見えてしまう。
【0044】
許容範囲の音透過性が確保されるように短い間隔(典型的には、5.0mm)で小さい直径(典型的には、0.5mm)の穴を利用することによって、穴を開けられたプラスチック材で作製されたスクリーンが改良されてきた。また、これら穴の好ましくない視認性を減少させようとして、これら穴を五点形の配列で配置することも提案されてきた。こうした改良されたスクリーンは、2.0m〜3.5mの基本寸法を備えるものであると、従来型の穴開きタイプの映画館用スクリーンで得られるよりもわずかばかり良好なビデオ映像の質を提供するが、モアレ現象(以下参照)を抑止することはできない。
【0045】
また、それらの音透過性は、未だに低く、映像の質の低下を伴う方法でしか改善できない(投影面の穴をより大きく密集させることで投影面の面積を減少させてしまう。)。
【0046】
従前の走査型プロジェクタを超える多くの利点を提供する固定画素ビデオプロジェクタの開発は、穴開きタイプのスクリーンとの適合性の問題を引き起こしている。
【0047】
固定画素プロジェクタは、行と列とで構成されたマトリクス状に配置された一定の画素数を有する。各画素の行間と列間との境界は、一定値からなるモノクロ領域であるので、スクリーン上に投影された目に見えるラインを形成する。
【0048】
これらラインは、画素マトリクスの行および列に沿った直交するグリッドを形成し、見る距離が十分な場合、それ自体で特に問題となることはない(投影された画素の寸法が人にもよるが1分から5分の角度である可視限界よりも小さいか等しい場合、見る距離が概ね十分であると考えられる)。
【0049】
規則的な水平方向整列パターンおよび鉛直方向整列パターンで配置された穴を開けられたキャンバスの穴によって形成される配列と投影グリッドとの重ね合わせは、投影グリッドのピッチまたは穴の整列パターンのピッチよりも幅広く且つより離れたラインを作り出すモアレ効果で知られる光学干渉を形成する。これらモアレ効果は、非常に目立ち、映像の望ましくない不自然な結果を構成してしまう。
【0050】
さらに、投影面によって形成された平面が投影軸線に対して正確に垂直でない場合、あるいは、その平面度が不完全な場合、目に見えるモアレラインは、もはやそれらモアレラインを作り出すグリッドのラインに対して平行ではなく、それらラインをいっそう目立たせてしまう。
【0051】
さらに、投影グリッドをマスキングする闇の場面と明るい場面とを交互にビデオ動画を投影すると、眼の調節ができなければ、モアレ効果を断続的なものにし、従って、なおさら目立たせてしまう。
【0052】
この現象は、穴開きタイプのスクリーンが固定画素プロジェクタと容易に適合しないということをスクリーンの多くのユーザーが結論づける原因となっている。
【0053】
図3は、音透過性は良好であるが、概ね、ビデオ映像再生の質が低い織物スクリーン11を示す線図である。横糸12は、良好な音透過性を提供する格子間通路13を作り出すように十分離間している。このようなタイプの織物スクリーンは、目に見えるグリッドを出現させ、固定画素ビデオプロジェクタによって投影されたグリッドと光学的に干渉する傾向がある。尚、この織物は、個々の糸の交差が二つの直交する方向に限定されている点で非常に単純である。この特に単純な織物は、しばしば「キャンバス」と呼ばれる。糸の直径は、例えば、0.5mmである。
【0054】
その後の図は、本発明に従ってモアレ効果を大きく減退させるように編んであったり、織ってあったり、織っていなかったり、あるいは、他の方法で組まれていたりする繊維素材またはプラスチック材の糸の様々な配置方法に相当する。
【0055】
これら配置は、投影面と音波を通すことができる複数の通路とを備えるシートの共通の特徴を有し、整列パターンを視認することができた場合に少なくとも主な整列パターンがスクリーンの縁部に対して0度ではない角度で傾いている整列パターンであるように複数の通路が配置されている。さらに、複数の通路の幾つかは、実質的な形状変化または方向変化を有する。
【0056】
本発明の第一の実施形態では、図4に示すように、投影スクリーンが織物シート17で作られているので、縦糸18と横糸19とは、それらをスクリーン平面に対して略法線方向から見ると切れ目無く見える。
【0057】
糸が対にされているが単純な模様、すなわち、キャンバス模様で交互配置されていることから、通路が二つの縦糸の間にあるか否か、そして、二つの横糸の間に位置するか否かに応じて様々な通路間の形状または方向に大きな違いがある。
【0058】
糸自体の直径は、0.02mm〜0.20mmである。
【0059】
従って、こうした種の織物素材の(場合によっては、可視の)配列のピッチは、SXGAマトリクス(現在のところ、家庭用のプロジェクタの最も通常の解像度である1200×1024画素)の投影のピッチよりも10倍から100倍細く、2.4mの基線長のスクリーン上に投影される。
【0060】
このピッチは、近い将来、予想されるものよりも高い解像度を提供するプロジェクタによって投影されるマトリクスのピッチと比較してもまったく異なるオーダーの大きさである。
【0061】
スクリーンは、縦糸と横糸とがスクリーン縁部に対して0度ではない角度を形成しているようにシートをその平面内において回転角度αで傾けることによって得られる。この角度αは、5度〜25度であるのが好ましい(図9参照)。
【0062】
この目的を達するために、スクリーンを構成する矩形片が偏向された状態で該偏向角度で織物から切り出される(図4の一点鎖線参照)。
【0063】
このような傾きは、縁部が配列の主な整列パターンに略平行になっている投影画素構造の周期的な配列からできるだけ離すために、任意の通路の構造、特に、従来の構造にでさえも提供可能である。
【0064】
実際、本発明の第一実施形態に従って1.8m〜3.0mの基線長のスクリーン上へビデオ映像を投影することは、既存のプロジェクタを用いても目に見えるモアレ効果を作り出さないということが分かっている。
【0065】
尚、実際のところ、糸の直径が最大可聴周波数(17.15mm)の波長よりも小さいので、本実施形態の特定の通路の形状の理由から、可聴周波数帯域に亘る織物を通り抜ける音波は、糸周りに回折することによって進行する。
【0066】
図5〜図7に示した本発明のスクリーンの第二実施形態は、デニムジーンズの織り方と同じ、時折、ツイードとして知られているサテンタイプの織物素材からなる投影面25を使用する。
【0067】
こうした織物素材は、外観が異なる二つの面、すなわち、図5に示した面Aと、図6に示した面Bとを有する。
【0068】
一般的に、こうしたシートは、二つの構造、すなわち、縦糸と横糸とが互いに直交する従来からの構造と、一定の角度、例えば、30度の角度で偏向した構造とを有する。
【0069】
図5および図6は、織物素材の平面に対して全体的に傾いた方向から照射されたときの織物繊維を示す。このような照射は、織物素材の起伏を際立たせ、高くなった部分27によって縁取られた溝状の傾いた列26(図5)を全体的に有する。溝26に対する高くなった部分27の高さは、糸の直径と略等しい。
【0070】
傾いた照明は、陰影によって糸間の隙間28を目立たせるが、これら隙間28は、織物素材の面B上に見える隙間29には一致しない。
【0071】
図7は、織物素材の平面に対して略垂直な方向から照射した場合の本発明の本実施形態に用いられる織物素材の面Aを示す。使用時、ビデオプロジェクタによって生成される照射に相当するこうした照射下では、糸間の通路28’は、面Aにおける位置と面Bにおける位置とが異なるので、はっきり見えない(あるいは、あまりはっきりは見えない)。
【0072】
前述から明らかなように、個々の糸の傾きとは関係なく、音波がシートを通り抜けるための通路は、縁部に対して傾いた整列パターンを有する(一点鎖線参照)。同様に、これら通路は、一つの通路とそれに隣接する通路との間でシートに亘って変化する方向および形状を有するので有利である。
【0073】
従って、織物素材は、光に対して略不透明であり、そして、ビデオ投影時にはっきりと見えると共に許容できない程度にまでスクリーン上に投影グリッドと光学的に干渉する傾向がある縁部に対して平行な構造を有していない。
【0074】
視認することができる場合の通路の整列パターンを傾けたことによる好ましい効果は別として、本実施形態の一つの利点は、通路28’の寸法が空気に対するスクリーン25の透過性、ひいては、音波に対するスクリーン25の透過性を最適化するのに十分であるにも関わらず、糸間の通路28’が少なくとも概ね隠れていることにある。
【0075】
選択される糸は、好ましくは、繊維状の芯線を備えるポリ塩化ビニルであり、例えば、グラスファイバー、カーボンファイバー、あるいは、ケブラーファイバーコアであるが、これは本発明を限定しない。
【0076】
糸の直径は、好ましくは、0.10mm〜0.17mmであるが、これも本発明を限定しない。
【0077】
糸間の距離は、好ましくは、0.3mm以下である。
【0078】
上述した実施形態におけるように、縦糸と横糸とがスクリーンの縁部に対して0度ではない角度を向くようにシートがその平面内で回転されているので有利である。
【0079】
図8は、該当する織物素材の表面において個々の横糸が対をなす縦糸に織り込まれている(三つの縦糸対の正面を通る度に一つの縦糸対から次の縦糸対へと通る際に一つの縦糸対分のオフセットがある)別の実施形態を示す線図である。この種の織物素材の裏面は、図7に示した裏面と類似しており、すなわち、縦糸対が裏面では倍になっている。
【0080】
また、この種の織物は、列をなして配置されているが縁部に対して通路列が実質的に傾いている通路30を有する(一点鎖線参照)。
【0081】
従って、真に通路が見えないと言えないまでも、視認することができた場合の整列パターンは、縁部に対して実質的に傾いており、このため、モアレ模様が形成される危険性を大きく減少させている。
【0082】
スクリーンの別の実施形態は、縮緬タイプや畝織タイプの、好ましくは、編んであったり、織ってあったり、あるいは、織っていなかったりする織物素材を用いている。
【0083】
直径が0.02mm〜0.10mmのブークレ糸で編んである縮緬や畝織の織物素材を選択することが好ましい。
【0084】
また、合成繊維、ポリエステル糸、あるいは、アクリル糸を選択することが好ましい。
【0085】
上述した種類の織物素材は、非常に単純な織り方で得られるが、縮緬やブークレの糸が通路内で交互配置する効果を作り出す性質を有することから、目に見えない周期的な構造、すなわち、簡単には視認することができない通路の整列パターンを提供する固有の特徴を有する。グリッド状の画素が投影されたとき、映像の大きさやプロジェクタの解像度に関わらず、光学的な干渉が発生することはない。
【0086】
一般に、織物素材は、その密度に関係して空気の浸透に対して耐性を有する。その密度を減少させると、空気の透過性、ひいては、音波の透過性が向上するが、光に対する不透明性も減少し、投影映像の再現性の質が低下してしまう。
【0087】
縮緬タイプまたは畝織タイプの織物素材のスクリーンは、150g/m2〜220g/m2の密度で最適な不透明性と空気に対する最適な透過性とを提供することが分かっている。
【0088】
本発明の別の実施形態は、シートの平面に穴として見えないようにシート平面に対して偏向して形成されるスロット形状で中実なシート内に通路を作り出す。
【0089】
前述から明らかなように、本発明のスクリーンは、通路で構成されている構造を有するシートをその構造がスクリーンの縁部に対して好ましくは5度〜25度の角度で傾いているようにその平面で回転させることによって作り出される(図9参照)。
【0090】
したがって、図10は、縁部が図2のようなシートから偏向されて切断されたスクリーンを示す。図2からの正方形のメッシュ配列をその中で識別するのは簡単である(通路10’’が図2の通路10’に対応する)。
【0091】
図11は、様々な方法で形成された通路40の配列を示す。スクリーンの水平縁部および鉛直縁部に対して角度αで傾いた二つの向きで捉えれば、正方形のメッシュ配列と見ることができる。一方、スクリーンの水平縁部および鉛直縁部に対して角度βで傾いた二つの向きで捉えれば、五点形の配列と見ることができる。最後に、スクリーンの一辺に対する傾き方向αがスクリーンの別の辺に対する傾き方向βと組み合わせられたものとして捉えれば、直方体以外の平行六面体のメッシュネットワークが見られる。さらに、傾きγによって特徴づけられる多くの他の整列パターンも識別できる。本発明によれば、少なくとも主要な整列パターン、ひいては、非常に高い密度の整列パターンがスクリーンの縁部に対して0度ではない傾きを有する。
【0092】
上述したタイプの一つのシートの他に、スクリーンが第一の層上に実質的に重ね合わせられると共にプロジェクタからの光束に対して第一の層の裏側に配置される音波透過性の第二の層を有していてもよい。
【0093】
上述した本発明のすべての実施形態において、スクリーン投影面を構成するために用いられる織物素材は、好ましくは、白である。しかし、特定の用途においては、薄灰色の織物素材、あるいは、白に近い別の色またはそれとは全く異なる色の織物素材を使用することも想定される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】音源の正面に設置された音透過性の投影スクリーンの全体的な斜視図である。
【図2】従来のスクリーン素材の拡大した正面図である。
【図3】従来のキャンバスタイプの織物素材の正面図である。
【図4】その平面を傾けた後の本発明のスクリーンの第一実施形態を構成する織物素材の正面図である。
【図5】本発明のスクリーンの第二実施形態を構成する織物素材の第一面の正面図であって、スクリーンの平面に対する法線に対して約45度の角度で照射されたときの正面図である。
【図6】同じ照射をした同じ織物素材の第二面(裏面)の図である。
【図7】図5と同一の織物素材の正面図であって、スクリーンの平面に対して法線方向に照射されてその中心を通り抜けたときの正面図である。
【図8】本発明のスクリーンの第三実施形態を構成する織物素材の正面図である。
【図9】図2、3、4のスクリーンのような素材のスクリーンの縁部に対して好適な向きを示す線図である。
【図10】スクリーンの縁部に対して穴の整列パターンの好適な向きを示す穴開きタイプのスクリーンの線図である。
【図11】スクリーンの縁部に対して複数の整列パターンを示す、より複雑に(五点形配列で)穴開きタイプのスクリーンの線図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影面を備えると共に発せられた音波を通すことができる複数の通路を備えたシートを有する投影スクリーンであって、前記複数の通路の整列パターンを視認することができた場合に少なくとも主要な整列パターンが当該投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に対して0度ではない角度で傾いている整列パターンであるように前記複数の通路が配置されていることを特徴とする投影スクリーン。
【請求項2】
前記複数の通路が実質的な形状変化または方向変化を有することを特徴とする請求項1に記載の投影スクリーン。
【請求項3】
前記シートに穴が開けられていることを特徴とする請求項1に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項4】
前記シートが織られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項5】
前記シートが様々な数の縦糸と横糸とで織られたものであることを特徴とする請求項4に記載の投影スクリーン。
【請求項6】
前記糸の間隔が0.3mm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項7】
前記シートが縦糸と横糸の全体的な方向に対して傾いているリブを投影面に有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項8】
ウィービングがポリ塩化ビニルでコーティングされた糸を利用することを特徴とする請求項4〜7のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項9】
前記シートが編まれた糸からなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項10】
前記糸がブークレ糸であることを特徴とする請求項1および2および4〜9のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項11】
前記糸がポリエステル糸であることを特徴とする請求項10に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項12】
前記横糸が見えないものであることを特徴とする請求項1および2および4〜11のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項13】
前記面が縮緬であることを特徴とする請求項1および2および4〜12のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項14】
前記シートがサテンタイプの織物シートであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の投影スクリーン。
【請求項15】
前記シートがツイードタイプの織物シートであることを特徴とする請求項1および2および4〜12のいずれか一つに記載の投影スクリーン。
【請求項16】
第一の層上に略重ね合わせられると共にプロジェクタからの光束に対して前記第一の層の裏側に配置される音波透過性の第二の層を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一つに記載の投影スクリーンと、該投影スクリーンの裏側に配置される音源と、該投影スクリーンの正面に配置される光源とを具備するビデオ投影装置。
【請求項1】
投影面を備えると共に発せられた音波を通すことができる複数の通路を備えたシートを有する投影スクリーンであって、前記複数の通路の整列パターンを視認することができた場合に少なくとも主要な整列パターンが当該投影スクリーンの鉛直縁部および水平縁部に対して0度ではない角度で傾いている整列パターンであるように前記複数の通路が配置されていることを特徴とする投影スクリーン。
【請求項2】
前記複数の通路が実質的な形状変化または方向変化を有することを特徴とする請求項1に記載の投影スクリーン。
【請求項3】
前記シートに穴が開けられていることを特徴とする請求項1に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項4】
前記シートが織られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項5】
前記シートが様々な数の縦糸と横糸とで織られたものであることを特徴とする請求項4に記載の投影スクリーン。
【請求項6】
前記糸の間隔が0.3mm以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項7】
前記シートが縦糸と横糸の全体的な方向に対して傾いているリブを投影面に有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項8】
ウィービングがポリ塩化ビニルでコーティングされた糸を利用することを特徴とする請求項4〜7のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項9】
前記シートが編まれた糸からなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項10】
前記糸がブークレ糸であることを特徴とする請求項1および2および4〜9のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項11】
前記糸がポリエステル糸であることを特徴とする請求項10に記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項12】
前記横糸が見えないものであることを特徴とする請求項1および2および4〜11のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項13】
前記面が縮緬であることを特徴とする請求項1および2および4〜12のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項14】
前記シートがサテンタイプの織物シートであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の投影スクリーン。
【請求項15】
前記シートがツイードタイプの織物シートであることを特徴とする請求項1および2および4〜12のいずれか一つに記載の投影スクリーン。
【請求項16】
第一の層上に略重ね合わせられると共にプロジェクタからの光束に対して前記第一の層の裏側に配置される音波透過性の第二の層を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載のビデオ投影スクリーン。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一つに記載の投影スクリーンと、該投影スクリーンの裏側に配置される音源と、該投影スクリーンの正面に配置される光源とを具備するビデオ投影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−504486(P2007−504486A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524397(P2006−524397)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002241
【国際公開番号】WO2005/024506
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(506069549)スクリーン リサーチ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002241
【国際公開番号】WO2005/024506
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(506069549)スクリーン リサーチ (1)
【Fターム(参考)】
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