乗り過ごし防止車両サーバ及び乗り過ごし防止機能付き端末装置
【課題】遅延の発生や普通、快速、通勤快速、特急等の車種に関係なく、目的駅(又は乗換駅)に到着前に利用者が事前に設定して時間帯で下車駅が近いことを報知する乗り過ごし防止機能付き端末装置を提供する。
【解決手段】車両サーバ22は車両が停車中の駅を発車するタイミングで次の停車駅IDと停車駅までの所要時間とからなる路線情報を車両内に存在する携帯端末20に向けて無線配信する。携帯端末20は事前に路線経路の目的駅(あれば乗換駅も)と下車準備通知時間を設定されている。携帯端末20の専用アプリケーションは、車両サーバ22から配信され路線情報の停車駅が目的駅でも乗換駅でもないときはその情報を廃棄し、路線情報の停車駅が目的駅又は乗換駅であるときは、路線情報の所要時間に基づいて計時を行い、設定された事前通知時刻で下車駅が近いことを利用者に通知する。
【解決手段】車両サーバ22は車両が停車中の駅を発車するタイミングで次の停車駅IDと停車駅までの所要時間とからなる路線情報を車両内に存在する携帯端末20に向けて無線配信する。携帯端末20は事前に路線経路の目的駅(あれば乗換駅も)と下車準備通知時間を設定されている。携帯端末20の専用アプリケーションは、車両サーバ22から配信され路線情報の停車駅が目的駅でも乗換駅でもないときはその情報を廃棄し、路線情報の停車駅が目的駅又は乗換駅であるときは、路線情報の所要時間に基づいて計時を行い、設定された事前通知時刻で下車駅が近いことを利用者に通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り過ごし防止車両サーバ及び乗り過ごし防止機能付き端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的駅である下車駅を監視しつつその情報を、車内で送信装置から発せられる無線信号によって必要な乗客にだけ必要なときに告知し得る下車駅監視装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
また、固定または移動局に設置された発信機と、利用客が所持する受信機によって、利用客の乗換地や最終目的地での乗り越しを防止して確実に目的地にたどり着けるよう利用客を誘導するシステムが提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0004】
尚、通常、携帯端末には目覚まし機能が搭載されているので、この目覚まし機能を用い事前に目的駅(降車駅)に到着する時刻よりも前の任意の時刻に目覚ましを設定しておけば、降車駅への到着を事前に知って、余裕を持って下車の準備をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−069828号公報
【特許文献2】特開平08−332955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される従来技術は、乗車料金支払済証となる切符は、目的駅や必要な乗換え駅の各情報を記憶する記憶部と、無線信号である停車駅情報を受信する受信部と、目的駅及び乗換え駅の各情報と停車駅情報を比較する比較部と振動による告知部を内蔵している。
【0007】
データを記憶するだけであれば、切符に磁性体を添着するだけでよいが、受信部、比較部、振動する告知部等は、ICチップ化して切符に埋め込まなければならないから、切符が極めて高価な構成となって経済性の面から見て実現が困難であるという課題がある。
【0008】
更に、切符に目的駅や必要な乗換え駅の各情報を記憶させるために、これらの情報を切符に入力するための入力装置を、切符を発行する各駅に設置する必要があるから、駅側におけるデータ入力の手数と時間が必要で、乗客輸送サービスの迅速性が失われてしまうという課題もある。
【0009】
また、特許文献2に示される従来技術は、図1や明細書の記載からみて、発信機は駅近傍の適宜の支柱に固定して取り付けられている。駅には上り車線と下り車線があるから、発信機は各駅毎に、上り車線には下り方向の駅近傍の支柱、下り車線には上り方向の駅近傍の支柱と、駅毎に2箇所に設置する必要があるから、設置の費用と保守の費用が掛かりすぎて経済性の面から見て実現が困難であるという課題がある。
【0010】
更に、駅と支柱との間隔は、各駅で同一であるとは限らないから、駅によって次が着駅であるという報知の時間帯が異なってくる。乗車の都度目的駅が同一であるなら問題はないが、目的駅が以前と異なる場合、着駅報知の時間帯を以前の経験として持っている人にとっては、着駅報知と着駅に至るまでの所要時間が以前と異なるので、違和感を生じてかえって不便であるという課題がある。
【0011】
上記いずれの特許文献も、路線運営側から一方的に着駅が報知されるだけであり、利用者側には何らの選択肢もないという課題がある。
【0012】
また、携帯端末の目覚まし機能を利用する方法は、下車駅が近いことを知る時間帯の設定を利用者側で選択することができるが、下車駅到着前の任意の時刻を設定するためには下車駅の到着時刻を事前に調べて知っておく必要があって面倒であるという課題がある。また、利用した車両に遅延が発生した場合には対応できないという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の乗り過ごし防止車両サーバは、車両が停車中の駅を発車するタイミングで、次の停車駅のIDデータと該停車駅に到着するまでの所要時間データとを、車両内に存在する携帯端末に向けて無線で配信するように構成される。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、本発明の乗り過ごし防止機能付き端末装置は、既存のナビゲーション・ポータルサイトにアクセスして該ナビゲーション・ポータルサイトの乗車案内ページを表示装置に表示する機能と、表示装置に表示された乗車案内ページを用いて出発駅と目的駅を入力されたとき出発駅から目的駅までの乗車ルートをナビゲーション・ポータルサイトから取得する機能と、乗り過ごし防止用の専用アプリケーションと、を備えた乗り過ごし防止機能付き端末装置であり、専用アプリケーションは、乗車ルートから取得した目的駅または乗換駅及び目的駅に到着する前に警報を報知すべき時間を外部から入力されて記憶する機能と、乗り過ごし防止機能付き端末装置が車両内に在るとき、該車両のサーバから各駅毎に発車タイミングに合わせて車内に無線で配信される次の停車駅のIDデータと該停車駅までの所要時間データとからなる車内情報を取得する機能と、該車内情報の停車駅のIDデータが目的駅又は乗換駅のIDを示していないとき車内情報を廃棄する機能と、車内情報の停車駅のIDデータが目的駅又は乗換駅のIDを示しているとき車内情報の所要時間データが示す時間の計数を開始する機能と、該計数値が目的駅又は乗換駅に到着する前に警報を報知すべき時間に一致したとき警報を報知する機能と、を有するように構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、乗り過ごし防止機能が目的駅(又は乗換駅)に到着の手前の任意に設定された時間帯で目的駅(又は乗換駅)であることを報知するので車両の利用者は事前に目的駅の到着時刻を調べる必要がなくなるという効果を奏する。
【0016】
また、車両に遅延が発生しても、目的駅(又は乗換駅)に到着の手前の任意に設定された時間帯で目的駅(又は乗換駅)であることを報知するので、車両の利用者は車両の遅延を意識することなく気楽に利用できるという効果を奏する。
【0017】
また、車両ごとに次の停車駅IDデータと所要時間データの情報配信を行なうので、普通、快速、通勤快速、特急等により停車する駅までの所要時間が異なっても、目的駅(又は乗換駅)に到着の手前の任意に設定された時間帯で下車が近いことを報知でき、常に任意に設定した時間内で下車の準備ができるので安心であるという効果を奏する。
【0018】
目的駅(又は乗換駅)に到着の何分前に報知するかを車両の利用者が選択することができるので、車両の利用者に対し分単位できめ細かく対応でき、特にお年寄りや大きな荷物を持った車両の利用者には、余裕を持って下車の準備ができるので便利であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置の利用方法を示す図である。
【図2】実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置の利用方法の他の例を示す図である。
【図3】乗り過ごし防止機能付き端末装置の利用方法に関係する通信網と乗り過ごし防止機能付き端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置が既存のサービスであるナビゲーション統合サイトの乗車案内ページを表示装置に表示した状態を示す図である。
【図5】乗り過ごし防止機能付き端末装置に搭載されている乗り過ごし防止用の専用アプリケーションによる表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置(以下、単に携帯端末装置という)の利用方法を示す図である。同図は利用者による車両の利用経路である駅と駅間の経路を示す破線の、上方に利用者による設定を示し、下方に後述する車両サーバから配信される情報を示している。
【0022】
利用者による設定は、車両の利用経路と目的地の駅名(実際には駅名を特定するIDであるが、以下の説明では単に駅名とする)である。同図に示す例では、利用者が利用する車両の路線としては、A駅から、B駅、C駅、D駅まで示され、そのうち出発駅はA駅であることが示されている。
【0023】
このA駅で車両に乗車して出発するに際し、利用者によって携帯端末装置に対し、目的地の駅名として「C駅」が事前に設定されたことを示している。そして、携帯端末装置に搭載されている目覚まし機能1が動作する時間として、目的地のC駅に到着する前の所定の時間帯2が設定されたことを示している。
【0024】
また、車両サーバから配信される情報は、停車中の駅を発車するタイミングで配信されることが示されており、その情報は、次に停車する駅名と、発車駅から次の停車駅までの所要時間であることが示されている。
【0025】
同図に示す例では、配信情報は、A駅を発車するタイミングでは、次に停車するB駅の駅名と、A駅からB駅までの所要時間5分が配信されている。また、B駅を発車するタイミングでは、次に停車するC駅の駅名と、B駅からC駅までの所要時間8分が配信されている。
【0026】
図2は、実施例1に係る携帯端末装置の利用方法の他の例を示す図である。同図は利用者が利用する車両の運営会社の路線が、A駅から始まって、B駅、C駅、D駅、E駅で示される一本の路線と、この路線と平行して、F駅、G駅、G駅からC駅に接続する路線が示されている。つまりC駅は乗換駅である。
【0027】
利用者による設定は、同図に示す例では、利用者が利用する車両の路線として、F駅を出発駅とし、このF駅から、G駅を通り過ぎて、C駅で乗換え、C駅からD駅を通り過ぎて目的駅のE駅で下車する予定が示されている。
【0028】
そのF駅で車両に乗車して出発するに際し、事前に利用者によって、携帯端末装置に対し、乗換駅として「C駅」が設定され、目的駅として「E駅」が設定されたことを示している。
【0029】
そして、携帯端末装置に搭載されている目覚まし機能1が動作する時間として、乗換駅の「C駅」ではC駅に到着する前の所定の時間帯3が設定され、目的駅の{E駅」ではE駅に到着する前の所定の時間帯4が設定されたことを示している。
【0030】
図3は、図1又は図2に示した携帯端末装置の利用方法に関係する通信網と携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、端末及びサーバ間で交信されるデータには「データ」の名称を用いず単にデータの内容となる名称のみを用いて説明する。
【0031】
図4は、利用者が所持する携帯端末装置の携帯電話向けブラウザが、既存のサービスであるナビゲーション統合サイトの乗車案内ページを表示装置に表示した状態を示す図である。
図5は、携帯端末装置に搭載されている乗り過ごし防止用の専用アプリケーションが専用の表示画面を表示した状態を示す図である。
【0032】
図4の携帯電話向けブラウザによる表示画面が開いている状態で、図5の専用アプリケーションを円滑に起動させるために、専用アプリケーションをインストールする時に例えば乗車案内ページの右ボタンメニュー等に専用アプリケーションを登録しておくようにする。
【0033】
図3において、先ず、利用者は、自分が所持している例えば携帯電話または無線通信機能のある電子手帳等の携帯端末装置20を操作して、携帯電話向けブラウザにより携帯端末専用サイトのサーバ(以下、携帯サイトサーバという)21に接続する。
【0034】
そして、携帯電話向けブラウザは、携帯サイトサーバ21を介して、例えばナビタイム・ジャパン等が提供しているナビゲーション・ポータルサイトにアクセスする(ステップS20−1)。
【0035】
ナビタイム・ジャパンのナビゲーション・ポータルサイトのトップページはナビゲーション統合サイトを備えている。ナビゲーション統合サイトは上記のアクセスに応じて、初期画面としての乗車案内ページを、携帯サイトサーバ21を介し、携帯端末装置20の携帯電話向けブラウザに返信する(ステップS21−1)。
【0036】
これにより、携帯端末装置20の表示画面には、携帯電話向けブラウザにより、図4に示すように乗車案内ページ5が表示される。
【0037】
この後、利用者の入力と検索が終了するまでは、携帯端末装置20からの入力情報の送信処理(ステップS20−2)と、携帯サイトサーバ21からの経路情報の返信処理(ステップS21−2)が複数回繰り返される。
【0038】
すなわち、ここで利用者が、例えば図4に示す乗車案内ページ5の出発駅の駅名データ入力枠6に「新宿」と入力し、乗換駅の駅名データ入力枠7に「神田」と入力すると、新宿と神田の駅名表示に中間の経路表示枠9に、ナビゲーション統合サイトから返信された経路が「中央線中央特快、東京行き、中・後方車両」と表示される。
【0039】
ここで、「中・後方車両」の表示は、進行方向前から数えて中央部に近い後方の車両の意味であり、乗換えに便利でタイムロスの少ない乗り口を示している。
【0040】
続いて、利用者が、乗車案内ページ5の目的駅の駅名データ入力枠8に「浅草」と入力すると、神田と浅草の駅名表示に中間の経路表示枠10に、ナビゲーション統合サイトから返信された経路が「東京メトロ銀座線、浅草行」と表示される。
【0041】
上記の表示には、経路表示枠9、10のいずれにも、時刻表を表示させるための時刻表ボタンが表示されている。また、目的駅の駅名データ入力枠8には、入力された浅草の駅名と並んでその下方に、浅草周辺の地図や店舗等の情報を表示させるための周辺検索ボタンが表示されている。
【0042】
ここで、利用者は、携帯端末装置20に搭載されている専用アプリケーションを起動する(ステップS20−3)。この起動により、例えば図5に示すように、専用アプリケーションによって、表示画面11が表示される。
【0043】
この表示された表示画面11には、専用アプリケーションが図4に示す表示装置5に表示された乗車案内ページから自動取得した乗換駅「神田」と目的駅「浅草」が、それぞれ乗換駅表示枠12と目的駅表示枠13に表示されている。
【0044】
ここで、利用者は、それらの表示枠の下方に表示されている通知時刻表示枠14のメニューボタン15を押すと、特には図示しないが、種々の通知時刻を示すプルダウンメニューが表示される。
【0045】
図5の表示画面11に示す例では、利用者がプルダウンメニューから任意に選択した所望の通知時刻「3分前」が、通知時刻表示枠14に表示されている。
【0046】
これらの表示に誤りが無ければ、利用者は確定ボタン16を押す。他方、表示に誤りがあれば、キャンセルボタン17を押して通知時刻を選択しなおす、又は待機ボタン18を押して一旦表示画面11を隠して図4の表示画面5に戻り駅名を入力しなおす。
【0047】
図5の表示画面11で確定ボタン16を押した場合は、全ての設定が確定したのであるから、閉じるボタン19を押して、表示を画面から消す。これで出発の準備が整う。
【0048】
上記のように各種の設定が終了して出発の準備が整った携帯端末装置を、専用アプリケーションを起動させたまま携帯して、利用者は図3の時刻t0において電車に乗り込む。
【0049】
図1に示した利用例であると、図4の表示装置5の乗換駅の駅名データ入力枠7には駅名は入力されていない。したがって、図5の専用アプリケーションによる表示画面11の乗換駅表示枠12にも駅名は取得されていない。専用アプリケーションが図4の表示装置5から取得するのは目的駅の駅名のみである。
【0050】
図3において、電車に設置されている車両サーバ22は、先ず、電車が駅(この場合はA駅)を発車しているか否か判別し(ステップS22−1)、発車していなければ(S22−1がN)、発車するまで待機する。
【0051】
そして電車がA駅を発車したならば(S22−1がY)、その発車するタイミングで車両サーバ22は次の停車駅(この場合はB駅)と、A駅からB駅までの所要時間「5分」から成る路線情報を各車両に配信する(ステップS22−2)。
【0052】
利用者の携帯端末装置20の専用アプリケーションは、その配信された路線情報からB駅を取得し、このB駅と乗車前に予め取得している目的駅と一致するか判別する(ステップS20−4)。
【0053】
そして、この場合は目的駅はC駅であるため、B駅とは一致しない(S20−4がN)。したがって、この路線情報を破棄して、次の路線情報の配信を取得するまで待機する。
【0054】
車両サーバ22は、電車が次の停車駅(B駅)に停車したか否かを判別し(ステップS22−3)、停車していなければ(S22−3がN)、停車するまで待機する。そして、停車したならば(S22−3がY)、ステップS22−1に戻ってB駅を発車するまで待機する。
【0055】
そして、B駅を発車したならば(S22−1がY)、その発車するタイミングで車両サーバ22は次の停車駅(この場合はC駅)と、B駅からC駅までの所要時間「8分」から成る路線情報を各車両に配信する(ステップS22−2)。
【0056】
利用者の携帯端末装置20の専用アプリケーションは、その配信された路線情報からC駅を取得し、このC駅と乗車前に予め取得している目的駅と一致するか判別する(ステップS20−4)。
【0057】
そして、この場合は目的駅はC駅であるため、取得した路線情報の次の停車駅C駅と一致する(S20−4がY)。その場合は、専用アプリケーションは、通知機能を起動する(ステップS20−5)。
【0058】
通知機能は減算タイマとブザー又はバイブレーションの報知機能から成り、配信された路線情報から取得した所要時間「8分」に対し「0秒」から減算を開始して、残り時間が通知時間である「3分前」となったか否かを判別する(ステップS20−6)。
【0059】
そして、残り時間が「3分前」でなければ(S20−6がN)、判別を繰り返し、残り時間が「3分前」(図1の時間帯2)になったときは(S20−6がY)、ブザー又はバイブレーションを起動して、利用者に駅に到着3分前であることを報知する。
【0060】
そして、その到着前を報知した駅が目的駅(この場合はC駅)であるか否かを判別し(ステップS20−8)、C駅であるので(S20−8がY)、専用アプリケーションを終了する。
【0061】
次に、図2に示した利用例について、同じく図3のフローチャートを用いて説明する。図2示した利用例であると、図4の表示装置5の乗車案内ページには、出発駅の駅名データ入力枠6にはF駅が入力され、乗換駅の駅名データ入力枠7にはC駅が入力され、目的駅の駅名データ入力枠8にはE駅が入力されている。
【0062】
したがって、図5の専用アプリケーションによる表示画面11においては、乗換駅表示枠12にC駅が取得され、目的駅表示枠13にはE駅が取得されている。通知時刻表示枠14には、この場合も「3分前」が選択入力されているものとする。
【0063】
図3において、車両サーバ22の動作では、ステップS22−1〜S22−3の動作は図2に示した利用例においても駅ごとに同一である。以下の説明では、携帯端末装置20のステップS20−4〜S20−8の処理について、図2に従って説明する。
【0064】
経路情報設定で専用アプリケーションの表示画面11で乗換駅C駅と目的駅E駅、及び通知時刻3分前を設定して準備が完了した利用者は、乗車案内ページの経路案内で目的駅までの乗換経路を確認し、案内された経路の出発駅F駅で、専用アプリケーションを起動したままの携帯端末装置20を携帯して電車に乗車する。
【0065】
携帯端末装置20の専用アプリケーションは、車両サーバ22からの配信により、F駅を発車するタイミングで次の停車駅G駅と所要時間6分から成る路線情報を取得する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるので、G駅は下車駅ではない。したがって、この路線情報「G駅、6分」を破棄する。
【0066】
そして、専用アプリケーションは、次の停車駅G駅での出発時の路線情報の配信を待機し、G駅を発車するタイミングで車両サーバ22から配信された次の停車駅C駅と所要時間10分から成る路線情報を取得する。
【0067】
専用アプリケーションは、取得した路線情報のC駅が、乗換駅又は目的駅かを判別する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるので、この路線情報のC駅は乗換駅に合致する。したがって、専用アプリケーションは、この路線情報から取得した所要時間10分を基準として、乗り過ごし防止機能の処理を開始する。
【0068】
そして、乗り過ごし防止機能により、C駅の手前の通知時間帯3において、指定された通知時刻であることを利用者に報知する。利用者はC駅で一旦下車して電車を乗り換える。
【0069】
専用アプリケーションは、C駅を発車するタイミングで次の停車駅D駅と所要時間15分から成る路線情報を取得する。再び専用アプリケーションは、取得した路線情報のD駅が、乗換駅又は目的駅かを判別する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるので路線情報のD駅は利用者の下車駅ではない。したがって、専用アプリケーションは、この路線情報「D駅、15分」を破棄する
【0070】
次に、専用アプリケーションは、D駅を発車するタイミングで次の停車駅E駅と所要時間12分を取得する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるため、この路線情報のE駅は目的駅に合致する。
【0071】
したがって、専用アプリケーションは、この路線情報の所要時間12分を基準として乗り過ごし防止機能の処理を開始する。乗り過ごし防止機能の処理により、E駅の手前の通知時刻帯4において、利用者に対し次の駅が停車駅であることを報知する。利用者はE駅で電車を降車する。
【0072】
専用アプリケーションは、今の停車駅が目的駅であったか否かを判別する。停車駅E駅は、利用者の目的駅Eと一致するので、専用アプリケーションは、処理が全て終了したと判別して、処理機能を停止する。
【0073】
このように本発明によれば、携帯サイトのサーバを介して既存の路線情報案内サービスを利用し、出発駅と目的駅を入力して、最短の路線経路および乗換駅があればその乗換駅名を取得する。
【0074】
そして、乗換駅又は目的駅で下車する際の事前通知の所望の時間帯を選択入力するだけで、乗った車両内で配信される次の停車駅と所要時間からなる路線情報を取得するだけで乗換駅を含む下車駅での下車準備のための所望の事前通知を受け取ることができるので便利である。
【符号の説明】
【0075】
1 機能
2、3、4 到着する前の所定の時間帯
5 表示装置
6 出発駅の駅名データ入力枠
7 乗換駅の駅名データ入力枠
8 目的駅の駅名データ入力枠
9、10 経路表示枠
11 専用アプリケーションによる表示画面
12 乗換駅表示枠
13 目的駅表示枠
14 通知時刻表示枠
15 メニューボタン
16 確定ボタン
17 キャンセルボタン
18 待機ボタン
19 閉じるボタン
20 乗り過ごし防止機能付き端末装置(携帯端末装置)
21 携帯サイトのサーバ
22 車両サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り過ごし防止車両サーバ及び乗り過ごし防止機能付き端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的駅である下車駅を監視しつつその情報を、車内で送信装置から発せられる無線信号によって必要な乗客にだけ必要なときに告知し得る下車駅監視装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
また、固定または移動局に設置された発信機と、利用客が所持する受信機によって、利用客の乗換地や最終目的地での乗り越しを防止して確実に目的地にたどり着けるよう利用客を誘導するシステムが提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【0004】
尚、通常、携帯端末には目覚まし機能が搭載されているので、この目覚まし機能を用い事前に目的駅(降車駅)に到着する時刻よりも前の任意の時刻に目覚ましを設定しておけば、降車駅への到着を事前に知って、余裕を持って下車の準備をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−069828号公報
【特許文献2】特開平08−332955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される従来技術は、乗車料金支払済証となる切符は、目的駅や必要な乗換え駅の各情報を記憶する記憶部と、無線信号である停車駅情報を受信する受信部と、目的駅及び乗換え駅の各情報と停車駅情報を比較する比較部と振動による告知部を内蔵している。
【0007】
データを記憶するだけであれば、切符に磁性体を添着するだけでよいが、受信部、比較部、振動する告知部等は、ICチップ化して切符に埋め込まなければならないから、切符が極めて高価な構成となって経済性の面から見て実現が困難であるという課題がある。
【0008】
更に、切符に目的駅や必要な乗換え駅の各情報を記憶させるために、これらの情報を切符に入力するための入力装置を、切符を発行する各駅に設置する必要があるから、駅側におけるデータ入力の手数と時間が必要で、乗客輸送サービスの迅速性が失われてしまうという課題もある。
【0009】
また、特許文献2に示される従来技術は、図1や明細書の記載からみて、発信機は駅近傍の適宜の支柱に固定して取り付けられている。駅には上り車線と下り車線があるから、発信機は各駅毎に、上り車線には下り方向の駅近傍の支柱、下り車線には上り方向の駅近傍の支柱と、駅毎に2箇所に設置する必要があるから、設置の費用と保守の費用が掛かりすぎて経済性の面から見て実現が困難であるという課題がある。
【0010】
更に、駅と支柱との間隔は、各駅で同一であるとは限らないから、駅によって次が着駅であるという報知の時間帯が異なってくる。乗車の都度目的駅が同一であるなら問題はないが、目的駅が以前と異なる場合、着駅報知の時間帯を以前の経験として持っている人にとっては、着駅報知と着駅に至るまでの所要時間が以前と異なるので、違和感を生じてかえって不便であるという課題がある。
【0011】
上記いずれの特許文献も、路線運営側から一方的に着駅が報知されるだけであり、利用者側には何らの選択肢もないという課題がある。
【0012】
また、携帯端末の目覚まし機能を利用する方法は、下車駅が近いことを知る時間帯の設定を利用者側で選択することができるが、下車駅到着前の任意の時刻を設定するためには下車駅の到着時刻を事前に調べて知っておく必要があって面倒であるという課題がある。また、利用した車両に遅延が発生した場合には対応できないという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の乗り過ごし防止車両サーバは、車両が停車中の駅を発車するタイミングで、次の停車駅のIDデータと該停車駅に到着するまでの所要時間データとを、車両内に存在する携帯端末に向けて無線で配信するように構成される。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、本発明の乗り過ごし防止機能付き端末装置は、既存のナビゲーション・ポータルサイトにアクセスして該ナビゲーション・ポータルサイトの乗車案内ページを表示装置に表示する機能と、表示装置に表示された乗車案内ページを用いて出発駅と目的駅を入力されたとき出発駅から目的駅までの乗車ルートをナビゲーション・ポータルサイトから取得する機能と、乗り過ごし防止用の専用アプリケーションと、を備えた乗り過ごし防止機能付き端末装置であり、専用アプリケーションは、乗車ルートから取得した目的駅または乗換駅及び目的駅に到着する前に警報を報知すべき時間を外部から入力されて記憶する機能と、乗り過ごし防止機能付き端末装置が車両内に在るとき、該車両のサーバから各駅毎に発車タイミングに合わせて車内に無線で配信される次の停車駅のIDデータと該停車駅までの所要時間データとからなる車内情報を取得する機能と、該車内情報の停車駅のIDデータが目的駅又は乗換駅のIDを示していないとき車内情報を廃棄する機能と、車内情報の停車駅のIDデータが目的駅又は乗換駅のIDを示しているとき車内情報の所要時間データが示す時間の計数を開始する機能と、該計数値が目的駅又は乗換駅に到着する前に警報を報知すべき時間に一致したとき警報を報知する機能と、を有するように構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、乗り過ごし防止機能が目的駅(又は乗換駅)に到着の手前の任意に設定された時間帯で目的駅(又は乗換駅)であることを報知するので車両の利用者は事前に目的駅の到着時刻を調べる必要がなくなるという効果を奏する。
【0016】
また、車両に遅延が発生しても、目的駅(又は乗換駅)に到着の手前の任意に設定された時間帯で目的駅(又は乗換駅)であることを報知するので、車両の利用者は車両の遅延を意識することなく気楽に利用できるという効果を奏する。
【0017】
また、車両ごとに次の停車駅IDデータと所要時間データの情報配信を行なうので、普通、快速、通勤快速、特急等により停車する駅までの所要時間が異なっても、目的駅(又は乗換駅)に到着の手前の任意に設定された時間帯で下車が近いことを報知でき、常に任意に設定した時間内で下車の準備ができるので安心であるという効果を奏する。
【0018】
目的駅(又は乗換駅)に到着の何分前に報知するかを車両の利用者が選択することができるので、車両の利用者に対し分単位できめ細かく対応でき、特にお年寄りや大きな荷物を持った車両の利用者には、余裕を持って下車の準備ができるので便利であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置の利用方法を示す図である。
【図2】実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置の利用方法の他の例を示す図である。
【図3】乗り過ごし防止機能付き端末装置の利用方法に関係する通信網と乗り過ごし防止機能付き端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置が既存のサービスであるナビゲーション統合サイトの乗車案内ページを表示装置に表示した状態を示す図である。
【図5】乗り過ごし防止機能付き端末装置に搭載されている乗り過ごし防止用の専用アプリケーションによる表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1に係る乗り過ごし防止機能付き端末装置(以下、単に携帯端末装置という)の利用方法を示す図である。同図は利用者による車両の利用経路である駅と駅間の経路を示す破線の、上方に利用者による設定を示し、下方に後述する車両サーバから配信される情報を示している。
【0022】
利用者による設定は、車両の利用経路と目的地の駅名(実際には駅名を特定するIDであるが、以下の説明では単に駅名とする)である。同図に示す例では、利用者が利用する車両の路線としては、A駅から、B駅、C駅、D駅まで示され、そのうち出発駅はA駅であることが示されている。
【0023】
このA駅で車両に乗車して出発するに際し、利用者によって携帯端末装置に対し、目的地の駅名として「C駅」が事前に設定されたことを示している。そして、携帯端末装置に搭載されている目覚まし機能1が動作する時間として、目的地のC駅に到着する前の所定の時間帯2が設定されたことを示している。
【0024】
また、車両サーバから配信される情報は、停車中の駅を発車するタイミングで配信されることが示されており、その情報は、次に停車する駅名と、発車駅から次の停車駅までの所要時間であることが示されている。
【0025】
同図に示す例では、配信情報は、A駅を発車するタイミングでは、次に停車するB駅の駅名と、A駅からB駅までの所要時間5分が配信されている。また、B駅を発車するタイミングでは、次に停車するC駅の駅名と、B駅からC駅までの所要時間8分が配信されている。
【0026】
図2は、実施例1に係る携帯端末装置の利用方法の他の例を示す図である。同図は利用者が利用する車両の運営会社の路線が、A駅から始まって、B駅、C駅、D駅、E駅で示される一本の路線と、この路線と平行して、F駅、G駅、G駅からC駅に接続する路線が示されている。つまりC駅は乗換駅である。
【0027】
利用者による設定は、同図に示す例では、利用者が利用する車両の路線として、F駅を出発駅とし、このF駅から、G駅を通り過ぎて、C駅で乗換え、C駅からD駅を通り過ぎて目的駅のE駅で下車する予定が示されている。
【0028】
そのF駅で車両に乗車して出発するに際し、事前に利用者によって、携帯端末装置に対し、乗換駅として「C駅」が設定され、目的駅として「E駅」が設定されたことを示している。
【0029】
そして、携帯端末装置に搭載されている目覚まし機能1が動作する時間として、乗換駅の「C駅」ではC駅に到着する前の所定の時間帯3が設定され、目的駅の{E駅」ではE駅に到着する前の所定の時間帯4が設定されたことを示している。
【0030】
図3は、図1又は図2に示した携帯端末装置の利用方法に関係する通信網と携帯端末装置の動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、端末及びサーバ間で交信されるデータには「データ」の名称を用いず単にデータの内容となる名称のみを用いて説明する。
【0031】
図4は、利用者が所持する携帯端末装置の携帯電話向けブラウザが、既存のサービスであるナビゲーション統合サイトの乗車案内ページを表示装置に表示した状態を示す図である。
図5は、携帯端末装置に搭載されている乗り過ごし防止用の専用アプリケーションが専用の表示画面を表示した状態を示す図である。
【0032】
図4の携帯電話向けブラウザによる表示画面が開いている状態で、図5の専用アプリケーションを円滑に起動させるために、専用アプリケーションをインストールする時に例えば乗車案内ページの右ボタンメニュー等に専用アプリケーションを登録しておくようにする。
【0033】
図3において、先ず、利用者は、自分が所持している例えば携帯電話または無線通信機能のある電子手帳等の携帯端末装置20を操作して、携帯電話向けブラウザにより携帯端末専用サイトのサーバ(以下、携帯サイトサーバという)21に接続する。
【0034】
そして、携帯電話向けブラウザは、携帯サイトサーバ21を介して、例えばナビタイム・ジャパン等が提供しているナビゲーション・ポータルサイトにアクセスする(ステップS20−1)。
【0035】
ナビタイム・ジャパンのナビゲーション・ポータルサイトのトップページはナビゲーション統合サイトを備えている。ナビゲーション統合サイトは上記のアクセスに応じて、初期画面としての乗車案内ページを、携帯サイトサーバ21を介し、携帯端末装置20の携帯電話向けブラウザに返信する(ステップS21−1)。
【0036】
これにより、携帯端末装置20の表示画面には、携帯電話向けブラウザにより、図4に示すように乗車案内ページ5が表示される。
【0037】
この後、利用者の入力と検索が終了するまでは、携帯端末装置20からの入力情報の送信処理(ステップS20−2)と、携帯サイトサーバ21からの経路情報の返信処理(ステップS21−2)が複数回繰り返される。
【0038】
すなわち、ここで利用者が、例えば図4に示す乗車案内ページ5の出発駅の駅名データ入力枠6に「新宿」と入力し、乗換駅の駅名データ入力枠7に「神田」と入力すると、新宿と神田の駅名表示に中間の経路表示枠9に、ナビゲーション統合サイトから返信された経路が「中央線中央特快、東京行き、中・後方車両」と表示される。
【0039】
ここで、「中・後方車両」の表示は、進行方向前から数えて中央部に近い後方の車両の意味であり、乗換えに便利でタイムロスの少ない乗り口を示している。
【0040】
続いて、利用者が、乗車案内ページ5の目的駅の駅名データ入力枠8に「浅草」と入力すると、神田と浅草の駅名表示に中間の経路表示枠10に、ナビゲーション統合サイトから返信された経路が「東京メトロ銀座線、浅草行」と表示される。
【0041】
上記の表示には、経路表示枠9、10のいずれにも、時刻表を表示させるための時刻表ボタンが表示されている。また、目的駅の駅名データ入力枠8には、入力された浅草の駅名と並んでその下方に、浅草周辺の地図や店舗等の情報を表示させるための周辺検索ボタンが表示されている。
【0042】
ここで、利用者は、携帯端末装置20に搭載されている専用アプリケーションを起動する(ステップS20−3)。この起動により、例えば図5に示すように、専用アプリケーションによって、表示画面11が表示される。
【0043】
この表示された表示画面11には、専用アプリケーションが図4に示す表示装置5に表示された乗車案内ページから自動取得した乗換駅「神田」と目的駅「浅草」が、それぞれ乗換駅表示枠12と目的駅表示枠13に表示されている。
【0044】
ここで、利用者は、それらの表示枠の下方に表示されている通知時刻表示枠14のメニューボタン15を押すと、特には図示しないが、種々の通知時刻を示すプルダウンメニューが表示される。
【0045】
図5の表示画面11に示す例では、利用者がプルダウンメニューから任意に選択した所望の通知時刻「3分前」が、通知時刻表示枠14に表示されている。
【0046】
これらの表示に誤りが無ければ、利用者は確定ボタン16を押す。他方、表示に誤りがあれば、キャンセルボタン17を押して通知時刻を選択しなおす、又は待機ボタン18を押して一旦表示画面11を隠して図4の表示画面5に戻り駅名を入力しなおす。
【0047】
図5の表示画面11で確定ボタン16を押した場合は、全ての設定が確定したのであるから、閉じるボタン19を押して、表示を画面から消す。これで出発の準備が整う。
【0048】
上記のように各種の設定が終了して出発の準備が整った携帯端末装置を、専用アプリケーションを起動させたまま携帯して、利用者は図3の時刻t0において電車に乗り込む。
【0049】
図1に示した利用例であると、図4の表示装置5の乗換駅の駅名データ入力枠7には駅名は入力されていない。したがって、図5の専用アプリケーションによる表示画面11の乗換駅表示枠12にも駅名は取得されていない。専用アプリケーションが図4の表示装置5から取得するのは目的駅の駅名のみである。
【0050】
図3において、電車に設置されている車両サーバ22は、先ず、電車が駅(この場合はA駅)を発車しているか否か判別し(ステップS22−1)、発車していなければ(S22−1がN)、発車するまで待機する。
【0051】
そして電車がA駅を発車したならば(S22−1がY)、その発車するタイミングで車両サーバ22は次の停車駅(この場合はB駅)と、A駅からB駅までの所要時間「5分」から成る路線情報を各車両に配信する(ステップS22−2)。
【0052】
利用者の携帯端末装置20の専用アプリケーションは、その配信された路線情報からB駅を取得し、このB駅と乗車前に予め取得している目的駅と一致するか判別する(ステップS20−4)。
【0053】
そして、この場合は目的駅はC駅であるため、B駅とは一致しない(S20−4がN)。したがって、この路線情報を破棄して、次の路線情報の配信を取得するまで待機する。
【0054】
車両サーバ22は、電車が次の停車駅(B駅)に停車したか否かを判別し(ステップS22−3)、停車していなければ(S22−3がN)、停車するまで待機する。そして、停車したならば(S22−3がY)、ステップS22−1に戻ってB駅を発車するまで待機する。
【0055】
そして、B駅を発車したならば(S22−1がY)、その発車するタイミングで車両サーバ22は次の停車駅(この場合はC駅)と、B駅からC駅までの所要時間「8分」から成る路線情報を各車両に配信する(ステップS22−2)。
【0056】
利用者の携帯端末装置20の専用アプリケーションは、その配信された路線情報からC駅を取得し、このC駅と乗車前に予め取得している目的駅と一致するか判別する(ステップS20−4)。
【0057】
そして、この場合は目的駅はC駅であるため、取得した路線情報の次の停車駅C駅と一致する(S20−4がY)。その場合は、専用アプリケーションは、通知機能を起動する(ステップS20−5)。
【0058】
通知機能は減算タイマとブザー又はバイブレーションの報知機能から成り、配信された路線情報から取得した所要時間「8分」に対し「0秒」から減算を開始して、残り時間が通知時間である「3分前」となったか否かを判別する(ステップS20−6)。
【0059】
そして、残り時間が「3分前」でなければ(S20−6がN)、判別を繰り返し、残り時間が「3分前」(図1の時間帯2)になったときは(S20−6がY)、ブザー又はバイブレーションを起動して、利用者に駅に到着3分前であることを報知する。
【0060】
そして、その到着前を報知した駅が目的駅(この場合はC駅)であるか否かを判別し(ステップS20−8)、C駅であるので(S20−8がY)、専用アプリケーションを終了する。
【0061】
次に、図2に示した利用例について、同じく図3のフローチャートを用いて説明する。図2示した利用例であると、図4の表示装置5の乗車案内ページには、出発駅の駅名データ入力枠6にはF駅が入力され、乗換駅の駅名データ入力枠7にはC駅が入力され、目的駅の駅名データ入力枠8にはE駅が入力されている。
【0062】
したがって、図5の専用アプリケーションによる表示画面11においては、乗換駅表示枠12にC駅が取得され、目的駅表示枠13にはE駅が取得されている。通知時刻表示枠14には、この場合も「3分前」が選択入力されているものとする。
【0063】
図3において、車両サーバ22の動作では、ステップS22−1〜S22−3の動作は図2に示した利用例においても駅ごとに同一である。以下の説明では、携帯端末装置20のステップS20−4〜S20−8の処理について、図2に従って説明する。
【0064】
経路情報設定で専用アプリケーションの表示画面11で乗換駅C駅と目的駅E駅、及び通知時刻3分前を設定して準備が完了した利用者は、乗車案内ページの経路案内で目的駅までの乗換経路を確認し、案内された経路の出発駅F駅で、専用アプリケーションを起動したままの携帯端末装置20を携帯して電車に乗車する。
【0065】
携帯端末装置20の専用アプリケーションは、車両サーバ22からの配信により、F駅を発車するタイミングで次の停車駅G駅と所要時間6分から成る路線情報を取得する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるので、G駅は下車駅ではない。したがって、この路線情報「G駅、6分」を破棄する。
【0066】
そして、専用アプリケーションは、次の停車駅G駅での出発時の路線情報の配信を待機し、G駅を発車するタイミングで車両サーバ22から配信された次の停車駅C駅と所要時間10分から成る路線情報を取得する。
【0067】
専用アプリケーションは、取得した路線情報のC駅が、乗換駅又は目的駅かを判別する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるので、この路線情報のC駅は乗換駅に合致する。したがって、専用アプリケーションは、この路線情報から取得した所要時間10分を基準として、乗り過ごし防止機能の処理を開始する。
【0068】
そして、乗り過ごし防止機能により、C駅の手前の通知時間帯3において、指定された通知時刻であることを利用者に報知する。利用者はC駅で一旦下車して電車を乗り換える。
【0069】
専用アプリケーションは、C駅を発車するタイミングで次の停車駅D駅と所要時間15分から成る路線情報を取得する。再び専用アプリケーションは、取得した路線情報のD駅が、乗換駅又は目的駅かを判別する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるので路線情報のD駅は利用者の下車駅ではない。したがって、専用アプリケーションは、この路線情報「D駅、15分」を破棄する
【0070】
次に、専用アプリケーションは、D駅を発車するタイミングで次の停車駅E駅と所要時間12分を取得する。利用者の目的駅はE駅、乗換駅はC駅であるため、この路線情報のE駅は目的駅に合致する。
【0071】
したがって、専用アプリケーションは、この路線情報の所要時間12分を基準として乗り過ごし防止機能の処理を開始する。乗り過ごし防止機能の処理により、E駅の手前の通知時刻帯4において、利用者に対し次の駅が停車駅であることを報知する。利用者はE駅で電車を降車する。
【0072】
専用アプリケーションは、今の停車駅が目的駅であったか否かを判別する。停車駅E駅は、利用者の目的駅Eと一致するので、専用アプリケーションは、処理が全て終了したと判別して、処理機能を停止する。
【0073】
このように本発明によれば、携帯サイトのサーバを介して既存の路線情報案内サービスを利用し、出発駅と目的駅を入力して、最短の路線経路および乗換駅があればその乗換駅名を取得する。
【0074】
そして、乗換駅又は目的駅で下車する際の事前通知の所望の時間帯を選択入力するだけで、乗った車両内で配信される次の停車駅と所要時間からなる路線情報を取得するだけで乗換駅を含む下車駅での下車準備のための所望の事前通知を受け取ることができるので便利である。
【符号の説明】
【0075】
1 機能
2、3、4 到着する前の所定の時間帯
5 表示装置
6 出発駅の駅名データ入力枠
7 乗換駅の駅名データ入力枠
8 目的駅の駅名データ入力枠
9、10 経路表示枠
11 専用アプリケーションによる表示画面
12 乗換駅表示枠
13 目的駅表示枠
14 通知時刻表示枠
15 メニューボタン
16 確定ボタン
17 キャンセルボタン
18 待機ボタン
19 閉じるボタン
20 乗り過ごし防止機能付き端末装置(携帯端末装置)
21 携帯サイトのサーバ
22 車両サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が停車中の駅を発車するタイミングで、次の停車駅のIDデータと該停車駅に到着するまでの所要時間データとを、前記車両内に存在する携帯端末に向けて無線で配信する、ことを特徴とする乗り過ごし防止車両サーバ。
【請求項2】
既存のナビゲーション・ポータルサイトにアクセスして該ナビゲーション・ポータルサイトの乗車案内ページを表示装置に表示する機能と、前記表示装置に表示された前記乗車案内ページを用いて出発駅と目的駅を入力されたとき前記出発駅から前記目的駅までの乗車ルートを前記ナビゲーション・ポータルサイトから取得する機能と、乗り過ごし防止用の専用アプリケーションと、を備えた乗り過ごし防止機能付き端末装置であり、
前記専用アプリケーションは、前記乗車ルートから取得した目的駅または乗換駅及び目的駅に到着する前に警報を報知すべき時間を外部から入力されて記憶する機能と、
前記乗り過ごし防止機能付き端末装置が車両内に在るとき、該車両のサーバから各駅毎に発車タイミングに合わせて車内に無線で配信される次の停車駅のIDデータと該停車駅までの所要時間データとからなる車内情報を取得する機能と、
該車内情報の前記停車駅のIDデータが前記目的駅又は乗換駅のIDを示していないとき前記車内情報を廃棄する機能と、
前記車内情報の前記停車駅のIDデータが前記目的駅又は乗換駅のIDを示しているとき前記車内情報の前記所要時間データが示す時間の計数を開始する機能と、
該計数値が前記目的駅又は乗換駅に到着する前に警報を報知すべき時間に一致したとき警報を報知する機能と、
を有することを特徴とする乗り過ごし防止機能付き端末装置。
【請求項1】
車両が停車中の駅を発車するタイミングで、次の停車駅のIDデータと該停車駅に到着するまでの所要時間データとを、前記車両内に存在する携帯端末に向けて無線で配信する、ことを特徴とする乗り過ごし防止車両サーバ。
【請求項2】
既存のナビゲーション・ポータルサイトにアクセスして該ナビゲーション・ポータルサイトの乗車案内ページを表示装置に表示する機能と、前記表示装置に表示された前記乗車案内ページを用いて出発駅と目的駅を入力されたとき前記出発駅から前記目的駅までの乗車ルートを前記ナビゲーション・ポータルサイトから取得する機能と、乗り過ごし防止用の専用アプリケーションと、を備えた乗り過ごし防止機能付き端末装置であり、
前記専用アプリケーションは、前記乗車ルートから取得した目的駅または乗換駅及び目的駅に到着する前に警報を報知すべき時間を外部から入力されて記憶する機能と、
前記乗り過ごし防止機能付き端末装置が車両内に在るとき、該車両のサーバから各駅毎に発車タイミングに合わせて車内に無線で配信される次の停車駅のIDデータと該停車駅までの所要時間データとからなる車内情報を取得する機能と、
該車内情報の前記停車駅のIDデータが前記目的駅又は乗換駅のIDを示していないとき前記車内情報を廃棄する機能と、
前記車内情報の前記停車駅のIDデータが前記目的駅又は乗換駅のIDを示しているとき前記車内情報の前記所要時間データが示す時間の計数を開始する機能と、
該計数値が前記目的駅又は乗換駅に到着する前に警報を報知すべき時間に一致したとき警報を報知する機能と、
を有することを特徴とする乗り過ごし防止機能付き端末装置。
【図3】
【図5】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図1】
【図2】
【図4】
【公開番号】特開2011−183965(P2011−183965A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52363(P2010−52363)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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