説明

乗員重量検出装置

【課題】 車両用シートに着座している乗員の重量を感度良く、かつ精度良く検出できる重量検出装置を提供する。
【解決手段】 乗員重量検出装置3は、車両用シートAに着座している乗員の重量を検出する。車両のシート固定部4に対して前記シートAを上下動自在に支持する支持機構Bと、前記シートAに加わる荷重の大きさに応じた距離だけ前記シート固定部4に対して前記シートAが上下動するようにシートAに弾性反発力を付与する弾性反発力付与機構Dと、前記シート固定部4に対する前記シートの上下動距離を検出する上下動距離検出機構Eと、前記シート固定部4に対する前記シートAの上下動範囲を限定する上下動範囲限定機構Eとを有し、前記弾性反発力付与機構D、非線形特性ばね23からなるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用シートに着座している乗員の重量を検出する乗員重量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員の安全性、快適性等の向上を図るために、乗員の重量に応じて車両用シートおよびその周辺機器の各種設定を変更することが提案されている。(例えば特許文献1,2)。これらの文献に記載されている乗員重量検出装置は、車両用シートのシートレールに荷重センサを設置し、この荷重センサにより、乗員の重量を含むシートの重量を直接測定するものである。
【特許文献1】特開平11−11535号公報
【特許文献2】特開平11−304579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の乗員重量検出装置のように、乗員の重量を荷重センサで直接測定する構成であると、センサ自体が荷重を支持することが必要であり、またセンサの持つひょう量(測定可能な最大量)と感度の関係の特性により、広範囲な乗員重量の変動範囲にわたって、乗員のわずかな重量差を感度良く、かつ精度良く測定することが難しいという問題がある。
【0004】
そこで、乗員の重量を荷重センサで直接測定するのではなく、荷重に応じてシートが上下動するようにして、シートの上下動距離から荷重を求めることを試みた。これにより、センサ自体が荷重を支持することが不要となる。上下動距離の測定には種々のセンサが使用可能であるが、センサには種類ごとにそれぞれ特性がある。そのため、シートに加わる荷重とシートの上下動距離とが比例していても、使用されているセンサの特性により、シートに加わる荷重とセンサの出力との関係が線形にならないことがある。その場合、正確な乗員の重量を知るためには、乗員重量検出装置とは別に設けたマイコンやECU(電気制御ユニット)により、センサ出力と荷重との関係を補正する演算をしなければならない。
【0005】
この発明の目的は、広範囲な乗員重量の変動範囲にわたって、車両用シートに着座している乗員の重量を感度良く、かつ精度良く検出でき、センサ出力の補正演算を行う必要がない乗員重量検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる乗員重量検出装置は、車両用シートに着座している乗員の重量を検出する装置であって、車両のシート固定部に対して前記シートを上下動自在に支持する支持機構と、前記シートに加わる荷重の大きさに応じた距離だけ前記シート固定部に対して前記シートが上下動するようにシートに弾性反発力を付与する弾性反発力付与機構と、前記シート固定部に対する前記シートの上下動距離を検出する上下動距離検出機構と、前記シート固定部に対する前記シートの上下動範囲を限定する上下動範囲限定機構とを有し、前記弾性反発力付与機構は、非線形特性ばねからなるものとしたことを特徴とする。例えば、前記非線形特性ばねは、前記シートに加わる荷重の大きさと前記上下動距離検出機構が有するセンサの出力との関係を略線形とする非線形特性を有する。
この構成によれば、乗員がシートに着座した場合、弾性反発力付与機構の作用により、乗員の重量に応じた距離だけシート固定部に対してシートが上下動する。このシートの上下動距離を上下動距離検出機構により検出する。シートの上下動距離とシートに加わる荷重との関係を予め求めておけば、シートの上下動距離からシートに加わる荷重すなわち乗員の重量を求めることができる。
シートに加わる荷重とシートの上下動距離が比例であると、センサの特性により、シートに加わる荷重とセンサの出力との関係が線形にならないが、この発明の構成は、弾性反発力付与機構を非線形特性ばねからなるものとしたため、その非線形特性ばねの荷重と撓みとの関係をセンサの特性に合わせて設定することにより、シートに加わる荷重とセンサの出力との関係を、広範囲な乗員重量の変化範囲にわたり、線形あるいはなだらかな曲線にすることができる。このため、広範囲の乗員重量の変動範囲にわたり、乗員重量を感度良くかつ精度良く検出することができる。センサ特性に対する補正を機械的に行うことで、センサ出力を乗員重量検出装置とは別に設けたマイコンやECUにて補正演算することが不要である。
【0007】
この発明において、前記支持機構は、前記シート側の筒中心が上下方向を向く第1の筒状部材と、前記シート固定部側の筒中心が上下方向を向く第2の筒状部材とを互いに上下方向に摺動自在に嵌合させたものであり、前記弾性反発力付与機構は、前記第1および第2の筒状部材の内周部に配置されているのが好ましい。
第1の筒状部材と第2の筒状部材とが互いに上下方向に摺動自在とされており、第1の筒状部材の動作方向がシートの動作方向が同じであるため、簡易な構成とすることができる。また、弾性反発力付与機構が第1および第2の筒状部材の内周部に配置されているため、弾性反発力付与機構をコンパクトに配置することができ、しかも弾性反発力付与機構が外気等から受ける影響を少なくできる。
【0008】
前記上下動距離検出機構は磁気式センサを用いたものであるのが好ましい。磁気センサとしては、例えばホールセンサ、MRセンサ(磁気抵抗素子センサ)等を用いることができる。
磁気センサを用いると、一般的な他のセンサに比べて、低コストで乗員重量検出装置を構成することができる。例えば、特許文献2には、荷重センサとしてストレインゲージ、圧電式、静電容量式、磁歪式、感圧抵抗式等のセンサを用いることが記載されているが、これらのセンサを用いる場合、デバイスや検出回路が必要となり、さらにそれらの組付けに手間がかかるため、コストが高くつく。
【0009】
前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づきエアバッグの展開量を制御する制御手段に入力される構成とすることができる。
また、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づきステアリングハンドルの上下方向および前後方向のいずれか一方または両方の位置を制御する制御手段に入力される構成としてもよい。
さらに、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づき前記シートの前後方向位置を制御する制御手段に入力される構成としてもよい。
さらに、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づき前記シートの背当て部の前後方向位置を制御する制御手段に入力される構成としてもよい。
さらに、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づき前記シートのヘッドレストの前後方向位置を制御する制御手段に入力される構成としてもよい。
いずれの場合も、上下動距離検出機構の出力により、シートおよびその周辺機器の各種設定を変更して、乗員の安全性、快適性等の向上を図ることができる。
【0010】
この発明の車両用シート装置は、着座部の平面形状が略四角形の車両用シートを、前記着座部の4隅で、前記乗員重量検出装置を介して車両のシート固定部に支持したことを特徴とする。
この車両用シート装置の構成によれば、車両用シートに着座している乗員の重量が、シート着座部の4隅を支持する各乗員重量検出装置にて検出される。各乗員重量検出装置の検出値の総和から、乗員の重量が求められる。求められた乗員の重量から、シートおよびその周辺機器の各種設定を変更して、乗員の安全性、快適性等の向上を図ることができる。
また、各乗員重量検出装置の検出値を比較することで、着座部における重量分布が分かる。この重量分布から、乗員の体格や座り方の特徴を推定することができ、その推定結果にもとに前記各種設定の変更を補正すれば、より実情に即した合理的な設定変更をすることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明の乗員重量検出装置は、車両用シートに着座している乗員の重量を検出する装置であって、車両のシート固定部に対して前記シートを上下動自在に支持する支持機構と、前記シートに加わる荷重の大きさに応じた距離だけ前記シート固定部に対して前記シートが上下動するようにシートに弾性反発力を付与する弾性反発力付与機構と、前記シート固定部に対する前記シートの上下動距離を検出する上下動距離検出機構と、前記シート固定部に対する前記シートの上下動範囲を限定する上下動範囲限定機構とを有するため、広範囲な乗員重量の変動範囲にわたって、車両用シートに着座している乗員の重量を感度良く、かつ精度良く検出できる。前記弾性反発力付与機構は、非線形特性ばねからなるものとしたため、その非線形特性ばねの荷重と撓みとの関係を、上下動範囲限定機構が有するセンサの特性に合わせて設定することにより、センサ出力の補正演算を行う必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1はこの実施形態の乗員重量検出装置が設けられた車両用シート装置の側面図、図2はその平面図である。この車両用シート装置は、シート本体1とシートレール2とでなる車両用シートAを備える。シート本体1は、平面形状が略長方形の着座部1aと、この着座部1aの後部から上方に立ち上がる背当て部1bと、この背当て部1bの上端に設けられたヘッドレスト1cとでなり、着座部1aの下面が、前後方向に長い左右一対のシートレール2上に前後移動自在に支持されている。左右のシートレール2は、それぞれの前後両端部で、乗員重量検出装置3を介して車両の車体床部の一部であるシート固定部4に設置されている。したがって、シートAは、着座部1aの4隅で、4個の乗員重量検出装置3を介してシート固定部4に支持されている。
【0013】
図3および図4に示すように、乗員重量検出装置3は、車両のシート固定部Aに対してシートAを上下動自在に支持する支持機構Bを有する。支持機構Bは、シートレール2に取付けられた第1の筒状部材であるシートレール取付部材5の内側に、シート固定部4に固定された第2の筒状部材であるシート固定部材6を摺動自在に嵌合させてある。シートレール取付部材5は、筒中心が上下方向を向き上端側が閉塞した筒状部材で、その上端壁部5aから上向きに突出する取付ねじ10によりシートAのシートレール2に取付けられている。取付ねじ10は、シートレール取付部材5と別体としてもよい。シート固定部材6は、筒中心が上下方向を向き下端側が閉塞した筒状部材で、その下端壁部6aから下向きに突出する取付ねじ13によりシート固定部4に取付けられている。取付ねじ13は、シート固定部材6と別体としてもよい。
【0014】
シートレール取付部材5およびシート固定部材6内には、上端がシートレール取付部材5の上端壁部5aに当接し、下端がシート固定部材6の下端壁部6aに当接するコイルばね23が設けられている。このコイルばね23は弾性反発力付与機構Dの主要構成要素であって、シートAに乗員が座ったときにシートレール取付部材5が移動する方向と反対方向、すなわち上向きの弾性反発力をシートレール取付部材5に付与している。これにより、シートAに荷重が加わっていないときにはシートAを所定の無荷重位置(図示せず)に保持し、シートAに荷重が加わるとその荷重の大きさに距離だけシート固定部4に対してシートAが下降することを許容し、シートAに加わっていた荷重が無くなるとシートAを元の無荷重位置に戻すように作用する。
【0015】
上記コイルばね23には、荷重と撓みとの関係が線形でない非線形特性ばねが使用されている。荷重と撓みとの関係は、後述する磁気センサ26の特性(図7)に合わせて設定されている。非線形特性ばねとしては、円すいコイルばね、不等ピッチコイルばね、テーパピッチばね等が利用できる。実施形態のコイルばね23は、円すいコイルばねであり、かつ不等ピッチコイルばねである。図5には、コイルばね23がテーパピッチばねである別実施形態が示してある。
【0016】
予め想定した重量を超える荷重がシートAに加わった場合、シートAが所定高さまで下降することにより、シートレール取付部材5の上端壁部5aにシート固定部材6の上端が当たり、それ以上のシートAの下降が制限される。シートレール取付部材5の上端壁部5aおよびシート固定部材6は、シート固定部4に対するシートAの上下動範囲を限定する上下動範囲限定機構Cを構成している。
【0017】
乗員重量検出装置3は、シート固定部4に対するシートAの上下動距離を検出する上下動距離検出機構Eとして、磁石25および磁気センサ26を有する。磁石25は、シートレール取付部材上端壁部5aの下面に設けられている。磁気センサ26は、シート固定部材下端壁部6aの上面に、上記磁石25と対向させて設けられている。磁気センサ26は、例えばホールセンサ、MRセンサ(磁気抵抗素子センサ)等であり、アナログ出力するものが用いられる。磁石25と磁気センサ26の位置を逆にしてもよい。
【0018】
図6は、磁石25と磁気センサ26間のギャップgと磁石25に与えられる磁束密度との関係を示す図である。図から分かるように、磁気センサ26から磁石25が離れるにつれて磁気密度が小さくなる。ギャップgと磁束密度との関係は非線形で、ギャップgが小さいほど磁束密度の変化が大きくなっている。
図7は前記コイルばね23の特性を示す図であり、荷重と撓みとの関係が、磁気センサ26の特性(図6)に合わせた非線形の関係に設定されている。すなわち、荷重が大きくなるにつれて撓みが大きくなり、かつ荷重が大きくなるほど撓みの変化が小さくなる。このようにコイルばね23の特性を設定することにより、図8に示すように、シートAに加わる荷重とセンサ出力とが線形あるいはなだらかな曲線の関係になる。
【0019】
図9に示すように、シート着座部1aの4隅下側に設けられた4個の乗員重量検出装置3の磁気センサ26(1)〜26(4)は、それぞれ車両の制御装置30の入力側に接続されている。制御装置30は、例えばコンピュータ式のECU(電気制御ユニット)である。また、制御装置30の出力側には、エアバッグ展開量制御手段31、ステアリングハンドル位置制御手段32、シート位置制御手段33、およびヘッドレスト位置制御手段34がそれぞれ接続されている。各制御手段31〜34は、制御装置30の一部として設けられたものであってもよい。これら制御装置30および各制御手段31〜34の作用については、後で説明する。
【0020】
シートAの着座部1aに乗員が着座すると、シートレール取付部材5に荷重がかかり、シートレール取付部材5が下降する(図4)。弾性反発力付与機構Dの作用により、乗員の重量に応じた距離だけシート取付部材5が下降する。このシートレール取付部材5の上下動距離を磁気センサ26にて検出してアナログ出力する。シートレール取付部材5に加わる荷重とシートレール取付部材5の上下動距離との関係は、前記コイルばね23のばね定数を変えることで調整できる。
【0021】
各磁気センサ26(1)〜26(4)の出力信号は制御装置30に送信される。制御装置30は、シートAに加わる荷重すなわち乗員の重量と、各磁気センサ26(1)〜26(4)の出力値の総和との関係を演算式またはテーブル等により設定した第1の関係設定手段(図示せず)を有し、入力値の総和から前記関係設定手段を用いて乗員の重量を演算する。第1の関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めてある。
シートAに加わる荷重とシートAの上下動距離が比例していると、磁気センサ26の特性により、シートAに加わる荷重と磁気センサ26の出力との関係が線形にならない。しかし、この乗員重量検出装置3は、弾性反発力付与機構Dであるコイルばね23を非線形特性ばねからなるものとし、そのコイルばね23の荷重と撓みとの関係を磁気センサ26の特性に合わせて設定することにより、シートAに加わる荷重と磁気センサ26の出力との関係を、図8のように、広範囲な乗員重量の変化範囲にわたり、線形あるいはなだらかな曲線にすることができる。このため、広範囲の乗員重量の変動範囲にわたり、乗員重量を感度良くかつ精度良く検出することができる。センサ特性に対する補正を機械的に行うので、磁気センサ26の出力を乗員重量検出装置とは別に設けたマイコンやECUにて補正演算することが不要である。
【0022】
また、制御装置30は、各磁気センサ26(1)〜26(4)の出力値と、乗員の体格や座り方の特徴との関係を設定した第2の関係設定手段(図示せず)を有し、各磁気センサ26(1)〜26(4)の出力値から乗員の体格や座り方の特徴を推定する。第2の関係設定手段の設定内容も、予め試験やシミュレーションで求めてある。
【0023】
このように求められた乗員の重量、体格、座り方の特徴等の情報に基づき、各制御手段31〜34に出力信号が出される。エアバッグ展開量制御手段31は、上記乗員情報に基づき、エアバッグ(図示せず)の展開量を制御する。ステアリングハンドル位置制御手段32は、上記乗員情報に基づき、ステアリングハンドル(図示せず)の上下方向および前後方向のいずれか一方または両方の位置を制御する。シート位置制御手段33は、上記乗員情報に基づき、シートAの前後方向位置を制御する。ヘッドレスト位置制御手段34は、上記乗員情報に基づき、ヘッドレスト1cの前後方向位置を制御する。これらの制御を行うことで、乗員の安全性、快適性等の向上を図ることができる。
【0024】
この乗員重量検出装置3は、第1の筒状部材であるシートレール取付部材5と第2の筒状部材であるシート固定部材6とが互いに上下方向に摺動自在とされており、シートレール取付部材5の動作方向がシートAの動作方向が同じであるため、簡易な構成とすることができる。また、弾性反発力付与機構Dであるコイルばね23がシートレール取付部材5およびシート固定部材6の内周部に配置されているため、コイルばね23をコンパクトに配置することができ、しかもコイルばね23が外気等から受ける影響を少なくできる。さらに、シートAに加わる荷重の大きさをシート固定部材6に対するシートレール取付部材5の上下動距離として検出するようにし、その検出用に磁気式センサ26を用いたことにより、デバイスや検出回路が不要となり、さらにそれらの組付けに手間がかからないため、重量検出装置3を低コストで構成することができる。
【0025】
この実施形態では、乗員重量検出装置3の検出結果に基づき車両用シートおよびその周辺機器の各種設定を変更する複数の制御手段31〜34が設けられているが、これら全ての制御手段31〜34を設ける必要はなく、車両の仕様に合った適切な制御手段だけを設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の実施形態に係る乗員重量検出装置を備えた車両用シート装置の側面図である。
【図2】同車両用シート装置の平面図である。
【図3】同乗員重量検出装置の破断側面図である。
【図4】同乗員重量検出装置の異なる状態を示す破断側面図である。
【図5】この発明の異なる実施形態に係る乗員重量検出装置の破断側面図である。
【図6】磁石と磁気センサ間のギャップと磁石に与えられる磁束密度との関係を示す図である。
【図7】シートに加わる荷重とコイルばねの撓みとの関係を示す図である。
【図8】シートに加わる荷重とセンサ出力との関係を示す図である。
【図9】同車両用シート装置の制御系のブロック図である。
【符号の説明】
【0027】
1…シート本体
1a…着座部
1b…背当て部
1c…ヘッドレスト
2…シートレール
3…乗員重量検出装置
4…シート固定部
5…シートレール取付部材
6…シート固定部材
23…コイルばね(非線形特性ばね)
25…磁石
26…磁気センサ
30…制御装置
A…車両用シート
B…支持機構
C…上下動範囲限定機構
D…弾性反発力付与機構
E…上下動距離検出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートに着座している乗員の重量を検出する乗員重量検出装置であって、車両のシート固定部に対して前記シートを上下動自在に支持する支持機構と、前記シートに加わる荷重の大きさに応じた距離だけ前記シート固定部に対して前記シートが上下動するようにシートに弾性反発力を付与する弾性反発力付与機構と、前記シート固定部に対する前記シートの上下動距離を検出する上下動距離検出機構と、前記シート固定部に対する前記シートの上下動範囲を限定する上下動範囲限定機構とを有し、前記弾性反発力付与機構は、非線形特性ばねからなるものとしたことを特徴とする乗員重量検出装置。
【請求項2】
請求項1において、前記非線形特性ばねは、前記シートに加わる荷重の大きさと前記上下動距離検出機構が有するセンサの出力との関係を略線形とする非線形特性を有する乗員重量検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記支持機構は、前記シート側の筒中心が上下方向を向く第1の筒状部材と、前記シート固定部側の筒中心が上下方向を向く第2の筒状部材とを互いに上下方向に摺動自在に嵌合させたものであり、前記弾性反発力付与機構は、前記第1および第2の筒状部材の内周部に配置されている乗員重量検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記上下動距離検出機構は磁気式センサを用いたものである乗員重量検出装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づきエアバッグの展開量を制御する制御手段に入力される乗員重量検出装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づきステアリングハンドルの上下方向および前後方向のいずれか一方または両方の位置を制御する制御手段に入力される乗員重量検出装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づき前記シートの前後方向位置を制御する制御手段に入力される乗員重量検出装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づき前記シートの背当て部の前後方向位置を制御する制御手段に入力される乗員重量検出装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記上下動距離検出機構の出力が、この上下動距離検出機構の検出結果に基づき前記シートのヘッドレストの前後方向位置を制御する制御手段に入力される乗員重量検出装置。
【請求項10】
着座部の平面形状が略四角形の車両用シートを、前記着座部の4隅で、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の乗員重量検出装置を介して車両のシート固定部に支持したことを特徴とする車両用シート装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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