乗客コンベアの欄干装置
【課題】デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材相互間の取り付け、取り外しを比較的短時間のうちに行えるようにした。
【解決手段】本発明は、エスカレータ等の乗客コンベアにおいて、ステップ方向に突出する上側モール６及び下側モール７と、上側モール６の上方への動き、及び下側モール７の下方への動きを規制するモール固定材５と、上側モール６と下側モール７との間の空間部に収容され、上側モール６及び下側モール７に係合可能でモール固定材５の角穴５ｃに挿入されるモール固定ワッシャ８とを備えるとともに、上側モール６と下側モール７との間の空間部に収容され、モール固定ワッシャ８のビス穴８ａに挿入され、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７とを一括的に一体に固定するモール固定ビス９を備えた構成にしてある。
【解決手段】本発明は、エスカレータ等の乗客コンベアにおいて、ステップ方向に突出する上側モール６及び下側モール７と、上側モール６の上方への動き、及び下側モール７の下方への動きを規制するモール固定材５と、上側モール６と下側モール７との間の空間部に収容され、上側モール６及び下側モール７に係合可能でモール固定材５の角穴５ｃに挿入されるモール固定ワッシャ８とを備えるとともに、上側モール６と下側モール７との間の空間部に収容され、モール固定ワッシャ８のビス穴８ａに挿入され、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７とを一括的に一体に固定するモール固定ビス９を備えた構成にしてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ステップ方向に突出するモールを備えたエスカレータや動く歩道等の乗客コンベアの欄干装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
乗客コンベア例えばエスカレータは、建屋にトラスが据え付けられ、このトラスに乗客を搬送する複数のステップが無端状に組み込まれ、これらのステップの側方に欄干装置が設けられている。
【０００３】
この種の従来の乗客コンベアの欄干装置として特許文献１に示されるものがある。この従来技術は、ステップの側部に隙間をあけて立設され、トラスに取り付けられたデッキベースに皿ねじで固定されたスカートガードと、このスカートガードを挟んでステップの反対側の位置に立設された欄干パネルと、この欄干パネルとスカートガードとの間に設けられ、スカートガード側の端部がデッキベースに皿ねじで固定された内側デッキとを備えている。また、この従来技術は、スカートガードとデッキベースとを固定する皿ねじ、及び内側デッキとデッキベースとを固定する皿ねじを覆い、ステップ側に突出するモールを備えている。このモールは、当該モール内に収容される隠しボルトによりデッキベースに固定されている。
【０００４】
このように構成された従来技術は、モールを設けたことによりステップの乗客の衣服等が前述の各皿ねじに接触することによる損傷を防ぐことができる。また、モールをステップ側に突出するように設けたことから、ステップの乗客の靴等がスカートガードとステップとの間に形成される隙間に挟まれることを防ぐことができる。また、モール内に収容される隠しボルトによってモールをデッキベースに固定するようにしてあることから、モールが悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる、という利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００９−２２７３５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
前述した従来技術は、スカートガードとデッキベースとを皿ねじによって固定し、内側デッキとデッキベースを別の皿ねじによって固定し、さらに、モールをデッキベースに隠しボルトによって固定するようにしてあり、皿ねじ、隠しボルト等の締結部品の数が多くなることから、デッキベース、スカートガード、内側デッキ、及びモールを含む各部材相互間の取り付け、取り外し作業に時間がかかり、全体の組み付け作業の能率の向上を見込み難い問題があった。
【０００７】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、従来技術と同様の利点を確保できるとともに、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材相互間の取り付け、取り外しを比較的短時間のうちに行うことができる乗客コンベアの欄干装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前記目的を達成するために、本発明に係る乗客コンベアの欄干装置は、無端状に設けられて走行する複数のステップの側部に隙間をあけて立設され、デッキベースに固定されたスカートガードと、このスカートガードを挟んで前記ステップの反対側の位置に立設された欄干パネルと、この欄干パネルと前記スカートガードとの間に設けた内側デッキと、前記ステップ方向に突出するモールとを備えた乗客コンベアの欄干装置において、前記モールの内方に収容され、前記モールに係合可能なモール固定ワッシャと、前記モールの内方に収容され、前記モール固定ワッシャに形成したビス穴に挿入され、前記デッキベースと、前記スカートガードと、前記内側デッキと、前記モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに係合させた前記モールとを一括して一体に固定するモール固定ビスとを備えたことを特徴としている。
【０００９】
このように構成した本発明は、従来技術と同様に、ステップ側に突出するモールを備えたことから、ステップの乗客の靴等がスカートガードとステップとの隙間に挟まれることを防ぐことができる。また本発明は、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールとを含む各部材の固定に用いられるのは、モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに形成されたビス穴に挿入されるモール固定ビスだけであり、これらのモール固定ワッシャとモール固定ビスはモールの内方に収容されることから、ステップの乗客の衣服等がモール固定ビスに接触して損傷することを防ぐことができ、また従来技術と同様に、モールが悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる。すなわち本発明は、基本的に前述した従来技術と同様の利点を確保することができる。
【００１０】
また本発明は、例えば全体の組み付け時には、デッキベースに対してスカートガードと内側デッキを所定の位置に配置し、モール固定ワッシャをモールに係合させた状態で、モール固定ビスをモール固定ワッシャに形成されたビス穴に挿入することによって、容易にデッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材を相互に取り付け、全体を組み付けることができる。また例えば、全体の解体時には、モール固定ビスを緩め、モール固定ワッシャによるモールに対する係合を解き、モール固定ワッシャに形成されたビス穴からモール固定ビスを抜き取ることにより、容易に各部材を取り外し、全体を解体することができる。
【００１１】
すなわち本発明は、モール固定ビスの挿入、抜き取り動作によって、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材相互の取り付け、取り外しを一括的に比較的短時間のうちに行うことができる。
【００１２】
また本発明は、前記発明において、前記モールは、上側モールと、この上側モールの下方に配置される下側モールとから成り、前記モール固定ワッシャと前記モール固定ビスを、前記上側モールと前記下側モールとの間に形成される空間部に配置し、前記上側モール及び前記下側モールのそれぞれは、前記モール固定ワッシャに係合可能な突起部を有し、前記内側デッキ及び前記スカートガードのうちの前記ステップ側に位置する部材に当接するように配置され、前記ステップ側に位置する部材側に位置する前記モール固定ワッシャの部分が挿入可能な穴を形成したモール固定材を備え、前記モール固定材は、前記上側モールの上方への動きを規制する上端部と、前記下側モールの下方への動きを規制する下端部とを有し、前記上側モール及び下側モールのそれぞれの前記突出部が前記モール固定ワッシャと前記モール固定材によって挟持されるようにして、前記上側モール及び下側モールを固定してあり、前記モール固定材を前記モール固定ビスによって、前記デッキベース、前記スカートガード、及び前記内側デッキと一体に固定したことを特徴としている。
【００１３】
また本発明は、前記発明において、前記モール固定材に形成した前記穴は、前記モール固定ワッシャとの接触を回避する大きさの穴から成ることを特徴としている。
【００１４】
また本発明は、前記発明において、前記モールは、ＬＥＤ光源が収容される収容部と、この収容部に収容された前記ＬＥＤ光源の光を前記ステップ側に放射可能にする窓とを有することを特徴としている。
【００１５】
また本発明は、前記発明において、前記モールに取り付けられ、前記ステップの乗客からの落下物を前記ステップ方向に案内可能なドレスガードを備えたことを特徴ことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１６】
本発明は、ステップ方向に突出するモールを備えるとともに、モールの内方に収容され、モールに係合可能なモール固定ワッシャと、モールの内方に収容され、モール固定ワッシャに形成したビス穴に挿入され、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに係合させたモールとを一括して一体に固定するモール固定ビスとを備えた構成にしてある。この構成に伴って、従来技術と同様に、ステップの乗客の衣服等の損傷を防ぐことができ、ステップの乗客の靴等がスカートガードとステップとの隙間に挟まれることを防ぐことができ、また、モールが悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる。これらの従来と同様の利点に加えて本発明は、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材相互の取り付け、取り外しを、モール固定ビスの挿入、抜き取りによって一括的に比較的短時間のうちに行うことができる。これにより本発明は、全体の組み付け作業、及び解体作業の能率を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明に係る乗客コンベアの欄干装置の一実施形態を示す側面図である。
【図２】本実施形態に備えられるスカートガード、モール固定材、上側モール、下側モール、モール固定ワッシャ、及びモール固定ビスの取り付け関係を示す要部斜視図である。
【図３】本実施形態に備えられる上側モール、下側モール、ＬＥＤ光源、及びドレスガードの取り付け関係を示す要部斜視図である。
【図４】本実施形態の取り付け前の要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明に係る乗客コンベアの欄干装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【００１９】
図１に示すように、本実施形態に係る乗客コンベアの欄干装置は、無端状に設けられて走行する図示しない複数のステップの側方に隙間をあけて立設され、図示しないトラスに取り付けられたデッキベース１に固定されたスカートガード２を備えている。また本実施形態は、スカートガード２を挟んで図示しないステップの反対側の位置に立設された欄干パネル３を備えている。また本実施形態は、欄干パネル３とスカートガード２との間に設けられ、図示しないステップ方向に向かって傾斜する内側デッキ４を備えている。また本実施形態は、ステップ方向に突出するモールを備えている。このモールは、例えば上側モール６と、この上側モール６の下方に所定間隔で配置される下側モール７とから成っている。
【００２０】
図３にも示すように、上側モール６の下側部分には、下方に向かって延設された突起部６ａと、この突起部６ａに連設された溝部６ｂとが形成されている。また、上側モール６には収容部６ｃが形成され、この収容部６ｃ内にハーネス１０ａが接続されたＬＥＤ光源１０がスライド可能に挿入されている。また、上側モール６には、ＬＥＤ光源１０の光を図示しないステップに向けて放射する複数の窓６ｄが形成されている。
【００２１】
また、下側モール７の上側部分には、上方に向かって延設された突起部７ａと、この突起部７ａに連設された溝部７ｂとが形成されている。この下側モール７には、図示しないステップの乗客からの落下物をステップ方向に案内可能な例えば刷毛体から成るドレスガード１１をねじ１２によって取り付けてある。
【００２２】
また本実施形態は、図１に示すように、内側デッキ４及びスカートガード２のうちの図示しないステップ側に位置する部材、例えば内側デッキ４に当接するように配置されるモール固定材５を備えている。このモール固定材５は、上側モール６の上方への動きを規制する折り曲げ上端部５ａと、下側モール７の下方への動きを規制する折り曲げ下端部５ｂとを有している。また図４に示すように、このモール固定材５は、折り曲げ上端部５ａと折り曲げ下端部５ｂとの間に位置する立設部分に水平方向が長尺となる複数の長方形状の角穴５ｃを有している。
【００２３】
また本実施形態は、図１，２に示すように、モールの内方に収容され、すなわち上側モール６と下側モール７との間に形成される空間部内に収容され、上側モール６と下側モール７のそれぞれに係合可能なモール固定ワッシャ８を備えている。このモール固定ワッシャ８は、略長方形状に形成され、その上端部分は上側モール６の溝部６ｂ内に挿入可能になっており、その下端部分は下側モール７の溝部７ｂ内に挿入可能になっている。すなわち、上側モール６及び下側モール７のそれぞれの突起部６ａ，７ａがモール固定ワッシャ８とモール固定材５によって挟持された状態で、上側モール６及び下側モール７が固定されるようになっている。
【００２４】
また本実施形態は、図１，２，４に示すように、モール固定ワッシャ８に形成したビス穴８ａに挿入されるとともに、モール固定材５の角穴５ｃ、内側デッキ４の切り欠き４ａ、スカートガード２のビス穴２ａ、及びデッキベース１のビス穴１ａのそれぞれに挿入されて、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、モール固定ワッシャ８と、このモール固定ワッシャ８に係合させた上側モール６及び下側モール７とを一括的に一体に固定するモール固定ビス９を備えている。なお、図２においては、説明を簡単にするために、スカートガード２とモール固定材５との間に配置される内側デッキ４の側端部は省略して示してある。
【００２５】
なお、前述したモール固定材５に形成した角穴５ｃは、モール固定ワッシャ８が挿入される穴であるが、この角穴５ｃは、モール固定ワッシャ８との接触を回避することができる十分に大きな形状に形成してある。
【００２６】
このように構成した本実施形態の組み付けに際しては、例えばデッキベース１のビス穴１ａのそれぞれにビス穴２ａのそれぞれが適合するようにスカートガード２を配置し、このスカートガード２のビス穴２ａのそれぞれに切り欠き４ａのそれぞれが適合するように内側デッキ４を配置し、スカートガード２のビス穴２ａのそれぞれ及び内側デッキ４の切り欠き４ａのそれぞれに角穴５ｃのそれぞれが適合するように、モール固定材５を配置する。
【００２７】
この状態で、上側モール６の突起部６ａの上側段部がモール固定材５の折り曲げ上端部５ａに係止されるように上側モール６を配置し、下側モール７の突起部７ａの下側段部がモール固定材５の折り曲げ下端部５ｂに係止されるように下側モール７を配置する。
【００２８】
ここで例えば、図４に示すように、モール固定ワッシャ８のそれぞれの長尺方向が水平方向となるように配置してスカートガード２側に位置するモール固定ワッシャ８の部分を、モール固定材５の角穴５ｃ内のそれぞれに挿入し、モール固定ビス９のそれぞれを該当するモール固定ワッシャ８のビス穴８ａ、内側デッキ４の切り欠き４ａ、スカートガード２のビス穴２ａ、及びデッキベース１のビス穴１ａに挿入して、モール固定ワッシャ８のそれぞれを例えば軽く締め付ける。
【００２９】
この状態において、モール固定ワッシャ８のそれぞれを例えば９０度回転させ、モール固定ワッシャ８のそれぞれの上端部分を上側モール６のそれぞれの溝部６ｂ内に挿入させ、それぞれの下端部分を下側モール７それぞれの溝部７ｂ内に挿入させる。すなわち、モール固定ワッシャ８を上側モール６及び下側モール７に係合させる。この状態でモール固定ビス９のそれぞれを強く締め付ける。このようにして、モール固定ビスのそれぞれによって、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、モール固定ワッシャ８と、このモール固定ワッシャ８に係合させた上側モール６及び下側モール７とが一括的に一体に固定され、本実施形態が組み付けられる。
【００３０】
前述とは逆に、部品交換等に際しての本実施形態の解体時には、モール固定ビス９のそれぞれの締め付けを緩めて、モール固定ワッシャ８のそれぞれを例えば９０度回転させて、モール固定ワッシャ８による上側モール６及び下側モール７の係合を解く。これにより、上側モール６及び下側モール７を取り外すことができる。この状態からモール固定ビス９を抜き取ることにより、モール固定材５、内側デッキ４、及びスカートガード２を取り外すことができる。
【００３１】
このように構成した本実施形態は、基本的に前述した従来技術と同様に、図示しないステップ側に突出する上側モール６及び下側モール７を備えたことから、ステップの乗客の靴等がスカートガード２とステップとの隙間に挟まれることを防ぐことができる。また本実施形態は、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７を含む各部材の固定に用いられるのは、モール固定ワッシャ８と、このモール固定ワッシャ８のビス穴８ａに挿入されるモール固定ビス９だけであり、これらのモール固定ワッシャ８とモール固定ビス９は、モールの内方に、すなわち上側モール６と下側モール７との間に形成される空間部に収容されることから、ステップの乗客の衣服等がモール固定ビス９に接触して損傷することを防ぐことができ、また、上側モール６及び下側モール７が悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる。
【００３２】
また本実施形態は、前述のように全体の組み付け時には、モール固定ビス９をモール固定ワッシャ８のビス穴８ａに挿入し、モール固定ワッシャ８を回動させることによって、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７を含む各部材を容易に取り付けて、全体を組み付けることができる。また全体の解体時には、モール固定ビス９を緩め、モール固定ワッシャ８を回動させて、モール固定ビス９を抜き取ることによって、各部材を容易に取り外して、全体を解体することができる。すなわち本実施形態は、モール固定ビス９の挿入、抜き取り動作によって、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７を含む各部材相互間の取り付け取り外しを一括的に、比較的短時間のうちに行うことができる。これにより本実施形態は、全体の組み付け作業、解体作業の能率を向上させることができる。
【００３３】
また本実施形態は、モール固定材５に形成したモール固定ワッシャ８が挿入される角穴５ｃは、モール固定ワッシャ８との接触を回避することのできる大きな形状の穴から成るので、モール固定ワッシャ８を上側モール６及び下側モール７のそれぞれに係合させるために、あるいは係合を解くためにモール固定ワッシャ８を回動させる操作を、モール固定材５との摩擦による抵抗力を受けることなく、容易に行うことができる。
【００３４】
また本実施形態は、上側モール６が、ＬＥＤ光源１０が収容される収容部６ｃと、この収容部６ｃに収容されたＬＥＤ光源１０の光を図示しないステップ側に放射する窓６ｄとを有することから、ステップの乗客の足元を明るくして、注意喚起を促すことができるとともに、乗客が持参していた定期券、搭乗券等がステップに落下した際に、その落下物を容易に識別して拾い上げることが可能となる。なお、下側モール７に、上側モール７と同様の収容部と窓を設け、前述したようなＬＥＤ光源を収容部に収容させて、窓を通してステップ側に投光する構成とすることもできる。
【００３５】
また本実施形態は、下側モール７に、ステップの乗客からの落下物をステップ方向に案内可能なドレスガード１１を備えたことから、乗客からの落下物、例えば前述のように乗客が持参していた定期券、搭乗券等の落下物を、ステップとスカートガードとの隙間に落下させることなく、ステップ上に落下するようにドレスガード１１で案内することができる。また、ステップの上方から落下して来る塵埃とか、火種等も、ステップとスカートガード２との隙間に落下させることなくドレスガード１１でステップの上に落下するように案内することができる。これにより、塵埃、火種等に対する清掃が容易になる。
【符号の説明】
【００３６】
１ デッキベース
１ａ ビス穴
２ スカートガード
２ａ ビス穴
３ 欄干パネル
４ 内側デッキ
４ａ 切り欠き
５ モール固定材
５ａ 折り曲げ上端部
５ｂ 折り曲げ下端部
５ｃ 角穴
６ 上側モール
６ａ 突起部
６ｂ 溝部
６ｃ 収容部
６ｄ 窓
７ 下側モール
７ａ 突起部
７ｂ 溝部
８ モール固定ワッシャ
８ａ ビス穴
９ モール固定ビス
１０ ＬＥＤ光源
１０ａ ハーネス
１１ ドレスガード
１２ ねじ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ステップ方向に突出するモールを備えたエスカレータや動く歩道等の乗客コンベアの欄干装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
乗客コンベア例えばエスカレータは、建屋にトラスが据え付けられ、このトラスに乗客を搬送する複数のステップが無端状に組み込まれ、これらのステップの側方に欄干装置が設けられている。
【０００３】
この種の従来の乗客コンベアの欄干装置として特許文献１に示されるものがある。この従来技術は、ステップの側部に隙間をあけて立設され、トラスに取り付けられたデッキベースに皿ねじで固定されたスカートガードと、このスカートガードを挟んでステップの反対側の位置に立設された欄干パネルと、この欄干パネルとスカートガードとの間に設けられ、スカートガード側の端部がデッキベースに皿ねじで固定された内側デッキとを備えている。また、この従来技術は、スカートガードとデッキベースとを固定する皿ねじ、及び内側デッキとデッキベースとを固定する皿ねじを覆い、ステップ側に突出するモールを備えている。このモールは、当該モール内に収容される隠しボルトによりデッキベースに固定されている。
【０００４】
このように構成された従来技術は、モールを設けたことによりステップの乗客の衣服等が前述の各皿ねじに接触することによる損傷を防ぐことができる。また、モールをステップ側に突出するように設けたことから、ステップの乗客の靴等がスカートガードとステップとの間に形成される隙間に挟まれることを防ぐことができる。また、モール内に収容される隠しボルトによってモールをデッキベースに固定するようにしてあることから、モールが悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる、という利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００９−２２７３５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
前述した従来技術は、スカートガードとデッキベースとを皿ねじによって固定し、内側デッキとデッキベースを別の皿ねじによって固定し、さらに、モールをデッキベースに隠しボルトによって固定するようにしてあり、皿ねじ、隠しボルト等の締結部品の数が多くなることから、デッキベース、スカートガード、内側デッキ、及びモールを含む各部材相互間の取り付け、取り外し作業に時間がかかり、全体の組み付け作業の能率の向上を見込み難い問題があった。
【０００７】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、従来技術と同様の利点を確保できるとともに、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材相互間の取り付け、取り外しを比較的短時間のうちに行うことができる乗客コンベアの欄干装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
前記目的を達成するために、本発明に係る乗客コンベアの欄干装置は、無端状に設けられて走行する複数のステップの側部に隙間をあけて立設され、デッキベースに固定されたスカートガードと、このスカートガードを挟んで前記ステップの反対側の位置に立設された欄干パネルと、この欄干パネルと前記スカートガードとの間に設けた内側デッキと、前記ステップ方向に突出するモールとを備えた乗客コンベアの欄干装置において、前記モールの内方に収容され、前記モールに係合可能なモール固定ワッシャと、前記モールの内方に収容され、前記モール固定ワッシャに形成したビス穴に挿入され、前記デッキベースと、前記スカートガードと、前記内側デッキと、前記モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに係合させた前記モールとを一括して一体に固定するモール固定ビスとを備えたことを特徴としている。
【０００９】
このように構成した本発明は、従来技術と同様に、ステップ側に突出するモールを備えたことから、ステップの乗客の靴等がスカートガードとステップとの隙間に挟まれることを防ぐことができる。また本発明は、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールとを含む各部材の固定に用いられるのは、モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに形成されたビス穴に挿入されるモール固定ビスだけであり、これらのモール固定ワッシャとモール固定ビスはモールの内方に収容されることから、ステップの乗客の衣服等がモール固定ビスに接触して損傷することを防ぐことができ、また従来技術と同様に、モールが悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる。すなわち本発明は、基本的に前述した従来技術と同様の利点を確保することができる。
【００１０】
また本発明は、例えば全体の組み付け時には、デッキベースに対してスカートガードと内側デッキを所定の位置に配置し、モール固定ワッシャをモールに係合させた状態で、モール固定ビスをモール固定ワッシャに形成されたビス穴に挿入することによって、容易にデッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材を相互に取り付け、全体を組み付けることができる。また例えば、全体の解体時には、モール固定ビスを緩め、モール固定ワッシャによるモールに対する係合を解き、モール固定ワッシャに形成されたビス穴からモール固定ビスを抜き取ることにより、容易に各部材を取り外し、全体を解体することができる。
【００１１】
すなわち本発明は、モール固定ビスの挿入、抜き取り動作によって、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材相互の取り付け、取り外しを一括的に比較的短時間のうちに行うことができる。
【００１２】
また本発明は、前記発明において、前記モールは、上側モールと、この上側モールの下方に配置される下側モールとから成り、前記モール固定ワッシャと前記モール固定ビスを、前記上側モールと前記下側モールとの間に形成される空間部に配置し、前記上側モール及び前記下側モールのそれぞれは、前記モール固定ワッシャに係合可能な突起部を有し、前記内側デッキ及び前記スカートガードのうちの前記ステップ側に位置する部材に当接するように配置され、前記ステップ側に位置する部材側に位置する前記モール固定ワッシャの部分が挿入可能な穴を形成したモール固定材を備え、前記モール固定材は、前記上側モールの上方への動きを規制する上端部と、前記下側モールの下方への動きを規制する下端部とを有し、前記上側モール及び下側モールのそれぞれの前記突出部が前記モール固定ワッシャと前記モール固定材によって挟持されるようにして、前記上側モール及び下側モールを固定してあり、前記モール固定材を前記モール固定ビスによって、前記デッキベース、前記スカートガード、及び前記内側デッキと一体に固定したことを特徴としている。
【００１３】
また本発明は、前記発明において、前記モール固定材に形成した前記穴は、前記モール固定ワッシャとの接触を回避する大きさの穴から成ることを特徴としている。
【００１４】
また本発明は、前記発明において、前記モールは、ＬＥＤ光源が収容される収容部と、この収容部に収容された前記ＬＥＤ光源の光を前記ステップ側に放射可能にする窓とを有することを特徴としている。
【００１５】
また本発明は、前記発明において、前記モールに取り付けられ、前記ステップの乗客からの落下物を前記ステップ方向に案内可能なドレスガードを備えたことを特徴ことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１６】
本発明は、ステップ方向に突出するモールを備えるとともに、モールの内方に収容され、モールに係合可能なモール固定ワッシャと、モールの内方に収容され、モール固定ワッシャに形成したビス穴に挿入され、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに係合させたモールとを一括して一体に固定するモール固定ビスとを備えた構成にしてある。この構成に伴って、従来技術と同様に、ステップの乗客の衣服等の損傷を防ぐことができ、ステップの乗客の靴等がスカートガードとステップとの隙間に挟まれることを防ぐことができ、また、モールが悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる。これらの従来と同様の利点に加えて本発明は、デッキベースと、スカートガードと、内側デッキと、モールを含む各部材相互の取り付け、取り外しを、モール固定ビスの挿入、抜き取りによって一括的に比較的短時間のうちに行うことができる。これにより本発明は、全体の組み付け作業、及び解体作業の能率を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明に係る乗客コンベアの欄干装置の一実施形態を示す側面図である。
【図２】本実施形態に備えられるスカートガード、モール固定材、上側モール、下側モール、モール固定ワッシャ、及びモール固定ビスの取り付け関係を示す要部斜視図である。
【図３】本実施形態に備えられる上側モール、下側モール、ＬＥＤ光源、及びドレスガードの取り付け関係を示す要部斜視図である。
【図４】本実施形態の取り付け前の要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明に係る乗客コンベアの欄干装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【００１９】
図１に示すように、本実施形態に係る乗客コンベアの欄干装置は、無端状に設けられて走行する図示しない複数のステップの側方に隙間をあけて立設され、図示しないトラスに取り付けられたデッキベース１に固定されたスカートガード２を備えている。また本実施形態は、スカートガード２を挟んで図示しないステップの反対側の位置に立設された欄干パネル３を備えている。また本実施形態は、欄干パネル３とスカートガード２との間に設けられ、図示しないステップ方向に向かって傾斜する内側デッキ４を備えている。また本実施形態は、ステップ方向に突出するモールを備えている。このモールは、例えば上側モール６と、この上側モール６の下方に所定間隔で配置される下側モール７とから成っている。
【００２０】
図３にも示すように、上側モール６の下側部分には、下方に向かって延設された突起部６ａと、この突起部６ａに連設された溝部６ｂとが形成されている。また、上側モール６には収容部６ｃが形成され、この収容部６ｃ内にハーネス１０ａが接続されたＬＥＤ光源１０がスライド可能に挿入されている。また、上側モール６には、ＬＥＤ光源１０の光を図示しないステップに向けて放射する複数の窓６ｄが形成されている。
【００２１】
また、下側モール７の上側部分には、上方に向かって延設された突起部７ａと、この突起部７ａに連設された溝部７ｂとが形成されている。この下側モール７には、図示しないステップの乗客からの落下物をステップ方向に案内可能な例えば刷毛体から成るドレスガード１１をねじ１２によって取り付けてある。
【００２２】
また本実施形態は、図１に示すように、内側デッキ４及びスカートガード２のうちの図示しないステップ側に位置する部材、例えば内側デッキ４に当接するように配置されるモール固定材５を備えている。このモール固定材５は、上側モール６の上方への動きを規制する折り曲げ上端部５ａと、下側モール７の下方への動きを規制する折り曲げ下端部５ｂとを有している。また図４に示すように、このモール固定材５は、折り曲げ上端部５ａと折り曲げ下端部５ｂとの間に位置する立設部分に水平方向が長尺となる複数の長方形状の角穴５ｃを有している。
【００２３】
また本実施形態は、図１，２に示すように、モールの内方に収容され、すなわち上側モール６と下側モール７との間に形成される空間部内に収容され、上側モール６と下側モール７のそれぞれに係合可能なモール固定ワッシャ８を備えている。このモール固定ワッシャ８は、略長方形状に形成され、その上端部分は上側モール６の溝部６ｂ内に挿入可能になっており、その下端部分は下側モール７の溝部７ｂ内に挿入可能になっている。すなわち、上側モール６及び下側モール７のそれぞれの突起部６ａ，７ａがモール固定ワッシャ８とモール固定材５によって挟持された状態で、上側モール６及び下側モール７が固定されるようになっている。
【００２４】
また本実施形態は、図１，２，４に示すように、モール固定ワッシャ８に形成したビス穴８ａに挿入されるとともに、モール固定材５の角穴５ｃ、内側デッキ４の切り欠き４ａ、スカートガード２のビス穴２ａ、及びデッキベース１のビス穴１ａのそれぞれに挿入されて、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、モール固定ワッシャ８と、このモール固定ワッシャ８に係合させた上側モール６及び下側モール７とを一括的に一体に固定するモール固定ビス９を備えている。なお、図２においては、説明を簡単にするために、スカートガード２とモール固定材５との間に配置される内側デッキ４の側端部は省略して示してある。
【００２５】
なお、前述したモール固定材５に形成した角穴５ｃは、モール固定ワッシャ８が挿入される穴であるが、この角穴５ｃは、モール固定ワッシャ８との接触を回避することができる十分に大きな形状に形成してある。
【００２６】
このように構成した本実施形態の組み付けに際しては、例えばデッキベース１のビス穴１ａのそれぞれにビス穴２ａのそれぞれが適合するようにスカートガード２を配置し、このスカートガード２のビス穴２ａのそれぞれに切り欠き４ａのそれぞれが適合するように内側デッキ４を配置し、スカートガード２のビス穴２ａのそれぞれ及び内側デッキ４の切り欠き４ａのそれぞれに角穴５ｃのそれぞれが適合するように、モール固定材５を配置する。
【００２７】
この状態で、上側モール６の突起部６ａの上側段部がモール固定材５の折り曲げ上端部５ａに係止されるように上側モール６を配置し、下側モール７の突起部７ａの下側段部がモール固定材５の折り曲げ下端部５ｂに係止されるように下側モール７を配置する。
【００２８】
ここで例えば、図４に示すように、モール固定ワッシャ８のそれぞれの長尺方向が水平方向となるように配置してスカートガード２側に位置するモール固定ワッシャ８の部分を、モール固定材５の角穴５ｃ内のそれぞれに挿入し、モール固定ビス９のそれぞれを該当するモール固定ワッシャ８のビス穴８ａ、内側デッキ４の切り欠き４ａ、スカートガード２のビス穴２ａ、及びデッキベース１のビス穴１ａに挿入して、モール固定ワッシャ８のそれぞれを例えば軽く締め付ける。
【００２９】
この状態において、モール固定ワッシャ８のそれぞれを例えば９０度回転させ、モール固定ワッシャ８のそれぞれの上端部分を上側モール６のそれぞれの溝部６ｂ内に挿入させ、それぞれの下端部分を下側モール７それぞれの溝部７ｂ内に挿入させる。すなわち、モール固定ワッシャ８を上側モール６及び下側モール７に係合させる。この状態でモール固定ビス９のそれぞれを強く締め付ける。このようにして、モール固定ビスのそれぞれによって、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、モール固定ワッシャ８と、このモール固定ワッシャ８に係合させた上側モール６及び下側モール７とが一括的に一体に固定され、本実施形態が組み付けられる。
【００３０】
前述とは逆に、部品交換等に際しての本実施形態の解体時には、モール固定ビス９のそれぞれの締め付けを緩めて、モール固定ワッシャ８のそれぞれを例えば９０度回転させて、モール固定ワッシャ８による上側モール６及び下側モール７の係合を解く。これにより、上側モール６及び下側モール７を取り外すことができる。この状態からモール固定ビス９を抜き取ることにより、モール固定材５、内側デッキ４、及びスカートガード２を取り外すことができる。
【００３１】
このように構成した本実施形態は、基本的に前述した従来技術と同様に、図示しないステップ側に突出する上側モール６及び下側モール７を備えたことから、ステップの乗客の靴等がスカートガード２とステップとの隙間に挟まれることを防ぐことができる。また本実施形態は、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７を含む各部材の固定に用いられるのは、モール固定ワッシャ８と、このモール固定ワッシャ８のビス穴８ａに挿入されるモール固定ビス９だけであり、これらのモール固定ワッシャ８とモール固定ビス９は、モールの内方に、すなわち上側モール６と下側モール７との間に形成される空間部に収容されることから、ステップの乗客の衣服等がモール固定ビス９に接触して損傷することを防ぐことができ、また、上側モール６及び下側モール７が悪戯などにより剥がされることを防ぐことができる。
【００３２】
また本実施形態は、前述のように全体の組み付け時には、モール固定ビス９をモール固定ワッシャ８のビス穴８ａに挿入し、モール固定ワッシャ８を回動させることによって、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７を含む各部材を容易に取り付けて、全体を組み付けることができる。また全体の解体時には、モール固定ビス９を緩め、モール固定ワッシャ８を回動させて、モール固定ビス９を抜き取ることによって、各部材を容易に取り外して、全体を解体することができる。すなわち本実施形態は、モール固定ビス９の挿入、抜き取り動作によって、デッキベース１と、スカートガード２と、内側デッキ４と、モール固定材５と、上側モール６及び下側モール７を含む各部材相互間の取り付け取り外しを一括的に、比較的短時間のうちに行うことができる。これにより本実施形態は、全体の組み付け作業、解体作業の能率を向上させることができる。
【００３３】
また本実施形態は、モール固定材５に形成したモール固定ワッシャ８が挿入される角穴５ｃは、モール固定ワッシャ８との接触を回避することのできる大きな形状の穴から成るので、モール固定ワッシャ８を上側モール６及び下側モール７のそれぞれに係合させるために、あるいは係合を解くためにモール固定ワッシャ８を回動させる操作を、モール固定材５との摩擦による抵抗力を受けることなく、容易に行うことができる。
【００３４】
また本実施形態は、上側モール６が、ＬＥＤ光源１０が収容される収容部６ｃと、この収容部６ｃに収容されたＬＥＤ光源１０の光を図示しないステップ側に放射する窓６ｄとを有することから、ステップの乗客の足元を明るくして、注意喚起を促すことができるとともに、乗客が持参していた定期券、搭乗券等がステップに落下した際に、その落下物を容易に識別して拾い上げることが可能となる。なお、下側モール７に、上側モール７と同様の収容部と窓を設け、前述したようなＬＥＤ光源を収容部に収容させて、窓を通してステップ側に投光する構成とすることもできる。
【００３５】
また本実施形態は、下側モール７に、ステップの乗客からの落下物をステップ方向に案内可能なドレスガード１１を備えたことから、乗客からの落下物、例えば前述のように乗客が持参していた定期券、搭乗券等の落下物を、ステップとスカートガードとの隙間に落下させることなく、ステップ上に落下するようにドレスガード１１で案内することができる。また、ステップの上方から落下して来る塵埃とか、火種等も、ステップとスカートガード２との隙間に落下させることなくドレスガード１１でステップの上に落下するように案内することができる。これにより、塵埃、火種等に対する清掃が容易になる。
【符号の説明】
【００３６】
１ デッキベース
１ａ ビス穴
２ スカートガード
２ａ ビス穴
３ 欄干パネル
４ 内側デッキ
４ａ 切り欠き
５ モール固定材
５ａ 折り曲げ上端部
５ｂ 折り曲げ下端部
５ｃ 角穴
６ 上側モール
６ａ 突起部
６ｂ 溝部
６ｃ 収容部
６ｄ 窓
７ 下側モール
７ａ 突起部
７ｂ 溝部
８ モール固定ワッシャ
８ａ ビス穴
９ モール固定ビス
１０ ＬＥＤ光源
１０ａ ハーネス
１１ ドレスガード
１２ ねじ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
無端状に設けられて走行する複数のステップの側部に隙間をあけて立設され、デッキベースに固定されたスカートガードと、このスカートガードを挟んで前記ステップの反対側の位置に立設された欄干パネルと、この欄干パネルと前記スカートガードとの間に設けた内側デッキと、前記ステップ方向に突出するモールとを備えた乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールの内方に収容され、前記モールに係合可能なモール固定ワッシャと、
前記モールの内方に収容され、前記モール固定ワッシャに形成したビス穴に挿入され、前記デッキベースと、前記スカートガードと、前記内側デッキと、前記モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに係合させた前記モールとを一括して一体に固定するモール固定ビスとを備えたことを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項２】
請求項１に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールは、上側モールと、この上側モールの下方に配置される下側モールとから成り、
前記モール固定ワッシャと前記モール固定ビスを、前記上側モールと前記下側モールとの間に形成される空間部に配置し、
前記上側モール及び前記下側モールのそれぞれは、前記モール固定ワッシャに係合可能な突起部を有し、
前記内側デッキ及び前記スカートガードのうちの前記ステップ側に位置する部材に当接するように配置され、前記ステップ側に位置する部材側に位置する前記モール固定ワッシャの部分が挿入可能な穴を形成したモール固定材を備え、
前記モール固定材は、前記上側モールの上方への動きを規制する上端部と、前記下側モールの下方への動きを規制する下端部とを有し、
前記上側モール及び下側モールのそれぞれの前記突出部が前記モール固定ワッシャと前記モール固定材によって挟持されるようにして、前記上側モール及び下側モールを固定してあり、
前記モール固定材を前記モール固定ビスによって、前記デッキベース、前記スカートガード、及び前記内側デッキと一体に固定したことを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項３】
請求項２に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モール固定材に形成した前記穴は、前記モール固定ワッシャとの接触を回避する大きさの穴から成ることを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールは、ＬＥＤ光源が収容される収容部と、この収容部に収容された前記ＬＥＤ光源の光を前記ステップ側に放射可能にする窓とを有することを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項５】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールに取り付けられ、前記ステップの乗客からの落下物を前記ステップ方向に案内可能なドレスガードを備えたことを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項１】
無端状に設けられて走行する複数のステップの側部に隙間をあけて立設され、デッキベースに固定されたスカートガードと、このスカートガードを挟んで前記ステップの反対側の位置に立設された欄干パネルと、この欄干パネルと前記スカートガードとの間に設けた内側デッキと、前記ステップ方向に突出するモールとを備えた乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールの内方に収容され、前記モールに係合可能なモール固定ワッシャと、
前記モールの内方に収容され、前記モール固定ワッシャに形成したビス穴に挿入され、前記デッキベースと、前記スカートガードと、前記内側デッキと、前記モール固定ワッシャと、このモール固定ワッシャに係合させた前記モールとを一括して一体に固定するモール固定ビスとを備えたことを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項２】
請求項１に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールは、上側モールと、この上側モールの下方に配置される下側モールとから成り、
前記モール固定ワッシャと前記モール固定ビスを、前記上側モールと前記下側モールとの間に形成される空間部に配置し、
前記上側モール及び前記下側モールのそれぞれは、前記モール固定ワッシャに係合可能な突起部を有し、
前記内側デッキ及び前記スカートガードのうちの前記ステップ側に位置する部材に当接するように配置され、前記ステップ側に位置する部材側に位置する前記モール固定ワッシャの部分が挿入可能な穴を形成したモール固定材を備え、
前記モール固定材は、前記上側モールの上方への動きを規制する上端部と、前記下側モールの下方への動きを規制する下端部とを有し、
前記上側モール及び下側モールのそれぞれの前記突出部が前記モール固定ワッシャと前記モール固定材によって挟持されるようにして、前記上側モール及び下側モールを固定してあり、
前記モール固定材を前記モール固定ビスによって、前記デッキベース、前記スカートガード、及び前記内側デッキと一体に固定したことを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項３】
請求項２に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モール固定材に形成した前記穴は、前記モール固定ワッシャとの接触を回避する大きさの穴から成ることを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項４】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールは、ＬＥＤ光源が収容される収容部と、この収容部に収容された前記ＬＥＤ光源の光を前記ステップ側に放射可能にする窓とを有することを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【請求項５】
請求項１〜３のいずれか１項に記載の乗客コンベアの欄干装置において、
前記モールに取り付けられ、前記ステップの乗客からの落下物を前記ステップ方向に案内可能なドレスガードを備えたことを特徴とする乗客コンベアの欄干装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−２４０８４１（Ｐ２０１２−２４０８４１Ａ）
【公開日】平成２４年１２月１０日（２０１２．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１１６０１１（Ｐ２０１１−１１６０１１）
【出願日】平成２３年５月２４日（２０１１．５．２４）
【出願人】（０００２３２９５５）株式会社日立ビルシステム (895)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１２月１０日（２０１２．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月２４日（２０１１．５．２４）
【出願人】（０００２３２９５５）株式会社日立ビルシステム (895)
【Ｆターム（参考）】
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