説明

乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法およびそれに用いられる欄干頭部清掃具

【課題】往路側での移動手摺りの移動を利用して欄干頭部の上面を簡易にきれいに清掃できる乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法およびそれに用いられる欄干頭部清掃具を得る。
【解決手段】まず、一対のブラシ保持部を、C字状の内周面を移動手摺り26の両湾曲部26aの外周面に向けて、移動手摺り26の幅方向の外側から移動手摺り26に装着し、基体の復元力により一対のブラシ保持部を移動手摺り26に弾性支持させ、かつブラシを両湾曲部26aに相対する案内レールフレーム22の上面に接するように欄干頭部清掃具を移動手摺り26の往路側の一側に取付ける。ついで、欄干頭部清掃具が移動手摺り26の往路側の他側に移動するように移動手摺り26を走行させる。そして、欄干頭部清掃具が移動手摺り26の往路側の他側に移動した後、移動手摺り26の走行を停止し、欄干頭部清掃具を取り外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エスカレータなどの乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法およびそれに用いられる欄干頭部清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乗客コンベアにおいては、移動手摺りが欄干頭部の上部に取付けられた案内レールに装着され、ステップの移動に同期して案内レールに摺接しつつ循環移動している。そこで、移動手摺りの案内レールに対する摺動により発生する摩耗粉が、移動手摺りと案内レールとの間の移動抵抗を大きくし、移動手摺りの正常な循環移動動作が損なわれる。
【0003】
このような状況を鑑み、ブラシが移動手摺りの内面に挿入可能な幅を有するブラシ台の下面に植設され、一対のブラシ支持腕がブラシ台の移動手摺り幅方向に回動可能に取付けられ、円筒形の湾曲部清掃ブラシが一対のブラシ支持腕のそれぞれに取付けられている移動手摺り内面清掃具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1では、移動手摺りの清掃時、移動手摺りの復路側で、ブラシ台を移動手摺りの内部に装着し、移動手摺り内面清掃具の位置を保って移動手摺りを循環移動させている。そこで、ブラシ台の下面に植設されたブラシが移動手摺りの内面の平坦面に当接し、また湾曲部清掃ブラシが移動手摺りの内面の湾曲部に当接している。そして、移動手摺りが循環移動することで、移動手摺りの内面に付着している摩耗粉が掃き出され、掃除機により吸引される。これにより、摩耗粉に起因する移動手摺りと案内レールとの間の移動抵抗の増大が抑えられ、移動手摺りが正常に循環移動動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−182965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1による移動手摺り内面清掃具では、移動手摺りの往路側での移動手摺り下部の欄干頭部の上面に溜まる摩耗粉などの異物に対しては、何ら対応できなかった。そこで、特許文献1による移動手摺り内面清掃具が掃き出しきれなかった摩耗粉が、移動手摺りとともに移動し、往路側で落下して移動手摺り下部の欄干頭部の上面に溜まる。また、移動手摺りが往路側を移動する際に発生した摩耗粉が、落下して移動手摺り下部の欄干頭部の上面に溜まる。さらには、空気中を浮遊しているごみなどが移動手摺り下部の欄干頭部の上面に溜まる。このように、摩耗粉などの異物が移動手摺り下部の欄干頭部の上面に溜まると、乗客の目の止まり、不快感を与えることになる。
【0007】
そこで、清掃員が、定期的に、掃除機を持って、ステップの一側から他側まで移動しながら、欄干頭部の上面に溜まっている摩耗粉などの異物を残さずに吸引、除去しなければならず、作業負荷が増大してしまう。
【0008】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、往路側での移動手摺りの移動を利用して欄干頭部の上面を簡易にきれいに清掃できる乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法およびそれに用いられる欄干頭部清掃具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法は、それぞれC字状に作製された一対のブラシ保持部と、上記一対のブラシ保持部を接近する方向に付勢し、該一対のブラシ保持部を上記移動手摺りに弾性支持させる弾性支持手段と、上記一対のブラシ保持部のそれぞれの外周面の先端側に植設されたブラシと、を備えている欄干頭部清掃具を用いた乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法であって、上記一対のブラシ保持部を、該C字状の内周面を上記移動手摺りの両湾曲部の外周面に向けて、該移動手摺りの幅方向の外側から該移動手摺りに装着し、上記弾性支持手段の付勢力により該一対のブラシ保持部を該移動手摺りに弾性支持させ、かつ上記ブラシを上記両湾曲部に相対する欄干頭部の上面に接するように上記欄干頭部清掃具を該移動手摺りの往路側の一側に取付ける工程と、上記欄干頭部清掃具が上記移動手摺りの往路側の他側に移動するように該移動手摺りを走行させる工程と、上記欄干頭部清掃具が上記移動手摺りの往路側の他側に移動した後、該移動手摺りの走行を停止し、該欄干頭部清掃具を取り外す工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明では、一対のブラシ保持部を、該C字状の内周面を移動手摺りの両湾曲部の外周面に向けて、移動手摺りの幅方向の外側から移動手摺りに装着し、弾性支持手段の付勢力により一対のブラシ保持部を移動手摺りに弾性支持させ、かつブラシを両湾曲部に相対する欄干頭部の上面に接するように欄干頭部清掃具を移動手摺りの往路側の一側に取付けた後、移動手摺りを走行させるだけで、ブラシが欄干頭部の上面上を摺接移動し、欄干頭部の上面に溜まっている異物を掃き落とす。そこで、作業者が掃除機を持って清掃するような作業が不要となり、欄干頭部の上面に溜まっている異物が取り残されることなく確実に掃き落とされるので、欄干頭部の上面を簡易にきれいに清掃できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエスカレータにおける全体構成を説明する模式図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を示す側面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を移動手摺りに取付ける方法を説明する断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を移動手摺りに取付けた状態を示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る欄干頭部清掃具を移動手摺りに取付ける方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエスカレータにおける全体構成を説明する模式図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を示す側面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を移動手摺りに取付ける方法を説明する断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る欄干頭部清掃具を移動手摺りに取付けた状態を示す断面図である。
【0013】
図1において、エスカレータ1は、上下階床間に架け渡されたトラス2と、トラス2の上部機械室3内に設置された電動機5と、上部機械室3内に設置され、電動機5と駆動チェーン6により連結された駆動スプロケット7と、駆動スプロケット7に同軸に取付けられた上部踏み段スプロケット8と、トラス2の下部機械室4内に設置された下部踏み段スプロケット9と、上部踏み段スプロケット8と下部踏み段スプロケット9とに巻き掛けられた無端状の踏み段チェーン10と、踏み段チェーン10に一定の間隔で取付けられた階段軸(図示せず)に固定され、電動機5により駆動されて上部乗降口14と下部乗降口15との間を循環移動する踏み段11と、循環移動する踏み段11の往路側で、踏み段11の両側に踏み段11の移動方向に沿って延在するようにトラス2に立設された一対の欄干20と、移動手摺り駆動装置12により踏み段11と同じ速度で欄干20に案内されて移動する無端状の移動手摺り26と、上部機械室3に設けられ、電動機5の駆動を制御する制御盤13と、を備えている。ここで、往路側とは、乗客を載せて移動させる上部乗降口14と下部乗降口15と間の経路である。
【0014】
欄干20は、図2に示されるように、踏み段11の両側に、踏み段11の移動方向に所定の間隔でトラス2に立設された欄干柱21と、欄干柱21の頭部に装着されて、上部乗降口14と下部乗降口15との間に延設された案内レールフレーム22と、案内レールフレーム22に装着されて、踏み段11の往路側を画成する内側板23と、案内レールフレーム22の頭部に取付けられ、上部乗降口14と下部乗降口15との間に延設された案内レール24と、踏み段11の両側に踏み段11との間の隙間を保って踏み段11の移動方向に沿って延設されたスカートガード(図示せず)などを備えている。
案内レール24は、欄干20の幅方向両側に突出し、踏み段11の移動方向に延在する一対のフランジ部25を有している。そして、断面C字状の移動手摺り26が、フランジ部25を湾曲部26a内に納めるように案内レール24に装着されている。
【0015】
ここで、欄干頭部清掃具30について図3および図4を参照しつつ説明する。
欄干頭部清掃具30は、平板状の基部31a、およびそれぞれC字状をなし、該C字状の内周面が相対するように、基部31aの両側から延設された一対のブラシ保持部31bを備え、移動手摺り26の外形形状より僅かに小さい内形形状を有する基体31と、基体31の一対のブラシ保持部31bの外周面の先端側に植設されたブラシ32と、を備えている。なお、基体31は、ゴムなどの弾性材を用い作製され、移動手摺り26に取り付けられた際に、一対のブラシ保持部31bを接近させる方向に付勢力を発生し、一対のブラシ保持部31bを移動手摺り26に弾性支持させる弾性支持手段を構成している。
【0016】
つぎに、欄干頭部清掃具30を用いた欄干頭部の清掃方法について図5および図6を参照しつつ説明する。
【0017】
まず、エスカレータ1の運転を停止し、例えば上部乗降口14側で、図5に示されるように、欄干頭部清掃具30の基体31の一対のブラシ保持部31bが口開き状に広がるように基体31を弾性変形させ、上方から移動手摺り26に被せる。そして、一対のブラシ保持部31bを口開き状に広げるのを止める。これにより、弾性変形された基体31は元の状態に復元する。そして、基体31が移動手摺り26の外形形状より僅かに小さい内形形状に作製されているので、基体31は完全に元の状態に復元できず、その残留復元力が一対のブラシ保持部31bを移動手摺り26の湾曲部26aに押圧する付勢力となり、基体31が移動手摺り26に弾性支持される。これにより、欄干頭部清掃具30が、図6に示されるように、移動手摺り26に取付けられ、一対のブラシ保持部31bの内周面が湾曲部26aの外周面に当接し、ブラシ32が移動手摺り26の湾曲部26aに相対する案内レールフレーム22の上面に接触状態となっている。
【0018】
ついで、エスカレータ1の運転を再開し、踏み段11を上部乗降口14から下部乗降口15に向かって移動させる。そして、欄干頭部清掃具30が下部乗降口15の間近に到達すると、エスカレータ1の運転を停止する。これにより、ブラシ32が案内レールフレーム22の上面に摺接しつつ上部乗降口14から下部乗降口15まで移動し、案内レールフレーム22の上面に溜まっている摩耗粉などの異物が掃き落とされる。
ついで、一対のブラシ保持部31b間が広がるように基体31を押し広げ、欄干頭部清掃具30を移動手摺り26から取り外す。そして、欄干頭部清掃具30を上部乗降口14側で移動手摺り26に再度装着し、エスカレータ1の運転を再開する。
この操作を複数回繰り返し、欄干頭部の清掃作業が終了する。
【0019】
この清掃作業を定期的に実施すれば、案内レールフレーム22の上面、即ち欄干頭部の上面に溜まっていた摩耗粉などの異物が取り残こされることなく除去され、欄干頭部の上面が常にきれいに保持され、乗客が異物を見て不快感をもつようなことが未然に回避される。
また、保守点検時、移動手摺り26の内面に付着する摩耗粉の除去作業をした後に、本清掃作業を実施すれば、除去しきれず移動手摺り26の内面に付着して往路側に移動して案内レールフレーム22の上面に落下した摩耗粉を確実に除去できる。この場合、欄干頭部清掃具30を装着しての清掃作業は移動手摺り26が少なくとも一周するまで繰り返し行うことが好ましい。
【0020】
この実施の形態1によれば、欄干頭部清掃具30が、ゴムなどの弾性材を用いて作製され、平板状に形成された基部31a、およびそれぞれC字状に形成され、そのC字状の内周面が相対するように基部31aの両端からそれぞれ延設された一対のブラシ保持部31bを有し、移動手摺り26の外形形状より僅かに小さい内形形状を有する基体31と、基体31の一対のブラシ保持部31bの外周面の先端側に植設されたブラシ32と、を備えている。そこで、一対のブラシ保持部31bが口開き状になるように基体31を弾性変形させて、移動手摺り26に被せた後、弾性変形させるのを止めるだけで、基体31を移動手摺り26に装着できる。このとき、基体31が移動手摺り26の外形形状より僅かに小さい内形形状を有しているので、基体31が元の状態に戻りきらず、その残留復元力が一対のブラシ保持部31bを湾曲部26aに押し付ける付勢力となり、基体31が移動手摺り26に弾性支持される。また、一対のブラシ保持部31bが口開き状になるように基体31を弾性変形させて持ち上げるだけで、欄干頭部清掃具30を移動手摺り26から取り外せる。このように、欄干頭部清掃具30は、安価に構成できるとともに、移動手摺り26への着脱が簡易となり、欄干頭部の清掃作業を簡易できる。
【0021】
また、欄干頭部清掃具30を上部乗降口14側で移動手摺り26に装着し、欄干頭部清掃具30が下部乗降口15間近に到達するようにエスカレータ1を運転しているので、清掃者が掃除機を持って案内レールフレーム22の上面を清掃するような煩雑な作業が不要となるとともに、摩耗粉などの異物が案内レールフレーム22の上面上に部分的に残るような事態もなくなる。従って、作業性に優れ、作業負荷を軽減できるとともに、異物を確実に除去できる清掃方法が得られる。
【0022】
なお、上記実施の形態1では、基部と一対のブラシ保持部とからなる基体がゴムなどの弾性材で作製されているものとしているが、基部と一対のブラシ保持部との両者が必ずしも弾性部材で作製されている必要はなく、少なくとも一方が弾性材で作製されていればよい。
【0023】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係る欄干頭部清掃具を移動手摺りに取付ける方法を説明する断面図である。
【0024】
図7において、欄干頭部清掃具40は、C字状の一対のブラシ保持部41と、ブラシ保持部41のそれぞれの基端から延設された基部42と、を備え、ブラシ保持部41のC字状の内周面が相対するようにして、基部42の後端が軸43回りに回動自在に連結されている。
欄干頭部清掃具40は、ブラシ保持部41のそれぞれの外周面の先端側に植設されたブラシ44と、一対のブラシ保持部41を近接する方向に付勢するように基部42間に配設された弾性支持手段としてのバネ45と、一対のブラシ保持部41のC字状の内周面に配設され、移動手摺り26より軟らかい材料で作製された保護部材46と、を更に備える。
【0025】
このように構成された欄干頭部清掃具40を移動手摺り26に取付けるには、まずバネ45の付勢力に抗して一対のブラシ保持部41が口開き状に広がるように軸43回りに基部42を回動させ、上方から移動手摺り26に被せる。これにより、バネ45が伸長され、復元力が蓄勢される。ついで、基部42を軸43回りに回動させるのを止める。そこで、口開き状に広げられた一対のブラシ保持部41がバネ45の蓄勢力により閉じられる。ここで、バネ45は、一対のブラシ保持部41が移動手摺り26の湾曲部26aに当接しても、その蓄勢力が放勢しきれないように構成されているので、バネ45の残留蓄勢力が一対のブラシ保持部41を移動手摺り26の湾曲部26aに押圧する付勢力となり、ブラシ保持部41および基部42が移動手摺り26に弾性支持される。
【0026】
これにより、欄干頭部清掃具40が、移動手摺り26に取付けられ、ブラシ44が、移動手摺り26の湾曲部26aに相対する案内レールフレーム22の上面に接触状態となっている。このとき、保護部材46が湾曲部26aに接し、欄干頭部清掃具40を取付けることにより移動手摺り26が傷付くことがなくなる。
そして、移動手摺り26を移動させることにより、案内レールフレーム22の上面に溜まっている異物がブラシ44により掃き落とされる。
また、欄干頭部清掃具40を取り外す場合には、基部42を軸43回りに回動させて一対のブラシ保持部41間を広げればよい。
【0027】
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態2では、保護部材46がブラシ保持部41の内周面に配設されているので、ブラシ保持部41および基部42を金属材で作製しても、移動手摺り25を傷つけることがなく、欄干頭部清掃具40の耐久性を高めることができる。
【0028】
なお、上記各実施の形態では、エスカレータに適用するものとして説明しているが、本発明はエスカレータ以外の乗客コンベア、例えば動く歩道に適用しても、同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0029】
20 欄干、22 案内レールフレーム(欄干頭部)、26 移動手摺り、26a 湾曲部、30 欄干頭部清掃具、31 基体(弾性支持手段)、31a 基部、31b ブラシ保持部、32 ブラシ、40 欄干頭部清掃具、41ブラシ保持部、42 基部、43 軸、44 ブラシ、45 バネ(弾性支持手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれC字状に作製された一対のブラシ保持部と、上記一対のブラシ保持部を接近する方向に付勢し、該一対のブラシ保持部を上記移動手摺りに弾性支持させる弾性支持手段と、上記一対のブラシ保持部のそれぞれの外周面の先端側に植設されたブラシと、を備えている欄干頭部清掃具を用いた乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法であって、
上記一対のブラシ保持部を、該C字状の内周面を上記移動手摺りの両湾曲部の外周面に向けて、該移動手摺りの幅方向の外側から該移動手摺りに装着し、上記弾性支持手段の付勢力により該一対のブラシ保持部を該移動手摺りに弾性支持させ、かつ上記ブラシを上記両湾曲部に相対する欄干頭部の上面に接するように上記欄干頭部清掃具を該移動手摺りの往路側の一側に取付ける工程と、
上記欄干頭部清掃具が上記移動手摺りの往路側の他側に移動するように該移動手摺りを走行させる工程と、
上記欄干頭部清掃具が上記移動手摺りの往路側の他側に移動した後、該移動手摺りの走行を停止し、該欄干頭部清掃具を取り外す工程と、
を備えていることを特徴とする乗客コンベアの欄干頭部の清掃方法。
【請求項2】
それぞれC字状に作製され、該C字状の内周面が相対するように配置され、乗客コンベアの移動手摺りの両湾曲部に、該移動手摺りの幅方向の外側から装着される一対のブラシ保持部と、
上記一対のブラシ保持部を接近する方向に付勢し、該一対のブラシ保持部を上記移動手摺りに弾性支持させる弾性支持手段と、
上記一対のブラシ保持部のそれぞれの外周面の先端側に植設されたブラシと、
を備えていることを特徴とする乗客コンベアの欄干頭部清掃具。
【請求項3】
上記一対のブラシ保持部の基端同士が基部により連結一体化され、該基部および一対のブラシ保持部の少なくとも一方が弾性材により作製され、上記弾性支持手段を構成していることを特徴とする請求項2記載の乗客コンベアの欄干頭部清掃具。
【請求項4】
上記一対のブラシ保持部のそれぞれの基端から一体に延設された一対の基部が、該一対のブラシ保持部のC字状の内周面を対向させ、かつ、該一対のブラシ保持部を開閉可能に軸回りに回動自在に連結され、
上記弾性支持手段が上記一対のブラシ保持部を閉じる方向に付勢するように上記一対の基部間に配設されたバネであることを特徴とする請求項2記載の乗客コンベアの欄干頭部清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−241545(P2010−241545A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91146(P2009−91146)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】