説明

乗客コンベアの欄干

【課題】透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干との一部の部品の共通化を図ることができるとともに、欄干パネル周辺での部品間の隙間の発生・拡大を抑えることができる乗客コンベアの欄干を提供する。
【解決手段】主枠1の幅方向外側から内側へ向けた外力が欄干パネル6に加わり、欄干パネル6が鉛直面に対して傾くように撓み変形した場合には、パネル側当接部材13のコ字の一端部が、外デッキ側当接部材17のL字の先端部に当接して、パネル側当接部材13と外デッキ側当接部材17とが互いに係合する。このときに、欄干パネル6の外縁部が外デッキ16及び支柱7によって支持され、パネル側当接部材13と外デッキ側当接部材17との係合によって、欄干パネル6の外縁部についての外デッキ16から開離する方向への変位が拘束される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主枠(トラス)の上面に立てて設けられる乗客コンベアの欄干に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、乗客コンベアの欄干意匠は、例えばガラスパネルのような透明タイプの欄干パネルを用いたものと、例えば金属パネルのような不透明タイプの欄干パネルを用いたものとに分けられる。
【0003】
透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干では、例えば、特許文献1に示すように、主枠の長手方向に間隔を置いて配置されたパネル保持部材によって欄干パネルの下端部が挟持され、欄干パネルが立った状態で保持されている。また、欄干パネルの上端には、手すり案内レールが嵌め込まれて取り付けられている。さらに、パネル保持部材には、欄干パネルの下端部に隣接するように、外側デッキボードが取り付けられている。このような構成では、欄干の強度及び剛性は、基本的に欄干パネルが担っている。
【0004】
次に、不透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干では、例えば、特許文献2に示すように、主枠の長手方向に間隔をおいて配置された複数の支柱の上端に、手すり案内レール、主デッキ(手すり案内レール基部)及び外側デッキボードが取り付けられている。また、主デッキとスカートガードとの間には、欄干パネルが取り付けられている。このような構成では、欄干の強度及び剛性は、基本的に、支柱、手すり案内レール及び主デッキが担っており、欄干パネルは、主デッキとスカートガードとの間を塞ぐ蓋として用いられる。なお、この場合の欄干パネルは、金属製の薄板によって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−249886号公報
【特許文献2】特開平5−30756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1に示すような透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干と、特許文献2に示すような不透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干とでは、構造が互いに異なっていた。このため、欄干の種類毎に、手すり案内レールや欄干パネルについての支持部材を製造する必要があり、製造コストが比較的大きくなっていた。このことから、異なる種類の欄干同士の間で、部品の共通化が望まれていた。
【0007】
また、特許文献2に示すような不透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干では、強度及び剛性を満足し、欄干パネルを固定するために、主デッキのような部材が必要であった。このため、特許文献2に示すような不透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干では、不透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干に比べて、構造が大掛かりとなり、コスト的にも不利であった。
【0008】
ここで、透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干の構造において、透明タイプの欄干パネルを、不透明タイプの欄干パネルに単純に置き換えた場合には、欄干パネルに外力が加わった際に、欄干パネルの上部が撓み変形して、欄干パネルが鉛直面に対して傾いてしまう。この結果、例えば、外側デッキボードと欄干パネルとの間や、外側デッキボードと手摺案内フレームとの間等、部品間に隙間が空いたり、部品間の隙間が拡大したりするという問題が生じる。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干との一部の部品の共通化を図ることができるとともに、欄干パネル周辺での部品間の隙間の発生・拡大を抑えることができる乗客コンベアの欄干を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の乗客コンベアの欄干は、主枠の上面部に設けられたパネル保持部材と、前記パネル保持部材によって立てた状態で保持され、かつ前記主枠の長手方向に沿って配置された不透明タイプの欄干パネルと、前記欄干パネルの外縁部に記主枠の長手方向に沿って取り付けられ、かつ前記欄干パネルの外縁部から前記主枠の幅方向両側へ張り出すように配置され、移動手摺の走行を案内する手摺案内フレームと、前記欄干パネルの高さ方向に沿って前記主枠の上面部に立てて設けられ、かつ前記主枠の幅方向の前記欄干パネルの外側に配置された外デッキ支持部材と、上面が前記手摺案内フレームの近傍で前記移動手摺の往路側経路よりも下方に位置するように前記外デッキ支持部材に取り付けられ、かつ前記主枠の長手方向に沿って配置された外デッキと、前記欄干パネルの外縁部の前記外デッキから開離する方向への変位を拘束する変位拘束機構とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明の乗客コンベアの欄干によれば、欄干パネル及び手摺案内フレームの支持構造が、透明タイプの欄干パネルを用いた乗客コンベアの欄干における欄干パネル及び手摺案内フレームの支持構造と同等であることから、一部の部品の共通化を図ることができる。これとともに、パネル側係合部と外デッキ側係合部とが互いに係合することによって欄干パネルの撓み変形が拘束されるので、欄干パネル周辺での部品間の隙間の発生・拡大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1による乗客コンベアの欄干を示す断面図である。
【図2】図1の欄干パネルの撓み変形状態を示す断面図である。
【図3】図1の乗客コンベアの欄干の据付作業の一工程を説明するための断面図である。
【図4】透明タイプの欄干パネルを用いた場合の乗客コンベアの欄干を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2による乗客コンベアの欄干を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3による乗客コンベアの欄干を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による乗客コンベアの欄干を示す断面図である。
図1において、主枠(トラス)1の上面における主枠1の幅方向の一端部には、その主枠1の長手方向に間隔をおいて、複数のパネル保持部材2が取り付けられている。なお、パネル保持部材2の奥行寸法は、例えば15cm程度である。また、互いに隣り合うパネル保持部材2同士の間隔寸法は、例えば2m程度である。
【0014】
パネル保持部材2は、主枠固定面部2a、欄干挟持部2b及び支柱固定面部2cを有している。主枠固定面部2a及び支柱固定面部2cは、上下方向に互いに間隔をおいて、対向配置されている。主枠固定面部2aは、ボルト3によって、主枠1の上面に固定されている。
【0015】
欄干挟持部2bの形状は、凹状である。欄干挟持部2bの内部には、挟持片4が設けられている。欄干挟持部2bの一側面部には、ボルト通し孔が設けられ、そのボルト通し孔には、ボルト5が挿入されている。ボルト5の先端は、挟持片4に当接している。また、欄干挟持部2bには、上方から欄干パネル6の下端部が挿入されている。複数のパネル保持部材2の支柱固定面部2cの上面には、それぞれ複数の支柱(外デッキ支持部材)7が主枠1の高さ方向に沿って立てて設けられている。
【0016】
欄干パネル6は、主枠1の長手方向に沿って配置されている。また、欄干パネル6は、主枠1の長手方向に連続するように複数並べられている。さらに、欄干パネル6の下端部は、パッキン8を介して、欄干挟持部2bの内壁(図1の左側の内壁)、及び挟持片4によって挟持されている。即ち、欄干パネル6は、欄干挟持部2b及び挟持片4によって、主枠1の上面に立てた状態で保持されている。
【0017】
欄干パネル6の外縁部(図1の上端部)には、その全長に亘って、グリップ部材9を介して手摺案内フレーム10が嵌め込まれて取り付けられている。手摺案内フレーム10には、移動手摺11が設けられており、手摺案内フレーム10は、移動手摺11の走行を案内する。欄干パネル6の下端部には、パッキン8を介して、内デッキ12が取り付けられている。パネル保持部材2における欄干挟持部2bの周辺は、内デッキ12によって覆われている。
【0018】
手摺案内フレーム10の下面における主枠1の幅方向の欄干パネル6の外側(図1の左側)には、パネル側係合部としてのパネル側当接部材(振れ止め部材)13が取り付けられている。パネル側当接部材13は、手摺案内フレーム10の長手方向の全体に亘るように配置されている。また、パネル側当接部材13の形状は、コ字状である。さらに、パネル側当接部材13は、コ字の開口側が下方を向くように、即ちコ字の両端部が下方へ突出するように配置されている。このコ字の両端部は、一対の突出部をなしている。
【0019】
ここで、欄干パネル6は、手摺案内フレーム10(及び往路側の移動手摺11)を支持する樹脂製案内フレーム支持板と、この樹脂製案内フレーム支持板のステップ側の外面を覆うように設けられ(貼り付けられ)、かつ欄干の意匠面をなす意匠板とによって構成されている。この意匠板には、例えばステンレス綱の板材等を用いることができる。なお、樹脂製案内フレーム支持板の両面に意匠板を設けてもよい。
【0020】
また、欄干パネル6の厚み寸法は、例えば10mm程度であり、透明タイプの欄干パネル(図4の符号26参照)の厚み寸法と同等である。これにより、欄干パネル6は、一定の強度・剛性をともなって自立可能となっている。
【0021】
支柱7の下端部は、ボルト14によって支柱固定面部2cに固定されている。支柱7の上端部には、L字状のデッキ取付腕15の側面部が取り付けられている。デッキ取付腕15の上面部には、外デッキ16が取り付けられている。外デッキ16は、主枠1の長手方向に沿って配置されている。さらに、外デッキ16は、複数の支柱7によって支持されており、互いに隣り合う支柱7同士の間を渡すように配置されている。また、外デッキ16の上面は、手摺案内フレーム10の下面における主枠1の幅方向の欄干パネル6の外側と上下方向に間隔をおいて対向配置されている。
【0022】
外デッキ16の上面における主枠1の幅方向の欄干パネル6側の端部には、外デッキ側係合部としての外デッキ側当接部材17が取り付けられている。外デッキ側当接部材17は、外デッキ16の長手方向の全体に亘るように配置されている。また、外デッキ側当接部材17は、上下方向でパネル側当接部材13と重なるように配置されている。
【0023】
さらに、外デッキ側当接部材17の形状は、L字状である。外デッキ側当接部材17のL字の一端面部は、外デッキ16の上面から上方へ向けて突出している。また、外デッキ側当接部材17のL字の一端面部は、外デッキ16の上面から上方へ向けて突出し、パネル側当接部材13のコ字の両側面部の間に配置されている。さらに、外デッキ側当接部材17は、パネル側当接部材13と係合可能である。
【0024】
外デッキ16の上面における主枠1の幅方向の反欄干パネル6側の端部には、外デッキカバー(図1において2点破線で示す)が取付可能となっている。この外デッキカバーを取り付けた場合には、パネル保持部材2及び支柱7を含む欄干パネル6の反ステップ側(図1の左側)の空間が外デッキカバーによって覆われる。
【0025】
ここで、主枠1の幅方向外側から内側(図2の左側から右側)へ向けた外力が欄干パネル6に加わり、欄干パネル6が鉛直面に対して傾くように撓み変形した場合には、図2に示すように、パネル側当接部材13のコ字の一端部(図2の右側の端部)が、外デッキ側当接部材17のL字の先端部に当接して、パネル側当接部材13と外デッキ側当接部材17とが互いに係合する。
【0026】
このときに、欄干パネル6の外縁部が外デッキ16及び支柱7によって支持され、パネル側当接部材13と外デッキ側当接部材17との係合(部材13,17の相互作用によって)によって、欄干パネル6の外縁部についての外デッキ16から開離する方向への変位が拘束される。従って、パネル側当接部材13及び外デッキ側当接部材17は、変位拘束機構を構成している。
【0027】
また、図2とは逆方向(図2の右側から左側)へ向けた外力が欄干パネル6に加わった場合についても、パネル側当接部材13と外デッキ側当接部材17とが係合することによって、欄干パネル6の外縁部についての外デッキ16に接近する方向への変位が拘束される。
【0028】
次に、実施の形態1の乗客コンベアの欄干の据付作業について説明する。図3は、図1の乗客コンベアの欄干の据付作業の一工程を説明するための断面図である。まず、主枠1の上面に支柱7が取り付けられる。そして、その支柱7の上端部に、デッキ取付腕15を介して外デッキ16が取り付けられ、外デッキ16の上面部の主枠1内側の端部に、外デッキ側当接部材17が取り付けられる。なお、事前に外デッキ側当接部材17を外デッキ16に取り付けてもよい。
【0029】
この後に、パネル保持部材2の欄干挟持部2bに、パッキン8を介して、欄干パネル6の下端部が挿入される。そして、欄干挟持部2b及び挟持片4によって、欄干パネル6の下端部が挟持されて固定される。また、手摺案内フレーム10の下面にパネル側当接部材13が事前に取り付けられ、欄干パネル6の外縁部に、グリップ部材9を介して、手摺案内フレーム10が嵌め込まれて取り付けられる。
【0030】
以上のように、実施の形態1の乗客コンベアの欄干によれば、欄干パネル6及び手摺案内フレーム10の支持構造が、図4に示すような透明タイプの欄干パネル26を用いた乗客コンベアの欄干における欄干パネル26及び手摺案内フレーム10の支持構造と同等であることから、一部の部品の共通化を図ることができる。具体的に、図1,4に示すように、パネル保持部材2、挟持片4、パッキン8、グリップ部材9、手摺案内フレーム10、内デッキ12及び外デッキ16について、部品の共通化を図ることができる。この結果、部品の種類と製造コストとを削減することができる。なお、製造誤差等による欄干パネル6の厚み寸法の増減に対して、パッキン8及びグリップ部材9の寸法変更等によって調整可能である。
【0031】
これに加えて、パネル側当接部材13と外デッキ側当接部材17とが互いに係合することによって、欄干パネル6の外縁部(上端部)の外デッキ16から開離する方向への変位が拘束される。この構成により、欄干パネル6の周辺での部品間の隙間の発生・拡大を抑えることができる。
【0032】
また、欄干パネル6及び手摺案内フレーム10からなる主欄干部と、支柱7及び外デッキ16からなる外欄干部とは、機械的に分離されている。このことから、乗客コンベアの据付途中に実施される建築工事の際には、図3に示すような状態とし、その建築工事の後に、主欄干部のパネル保持部材2への取付作業を行うことによって、その建築工事における乗客コンベアの内側からの外装工事の妨げにならないようにすることができる。
【0033】
さらに、欄干パネル6が、樹脂製案内フレーム支持板と意匠板とによって構成されている。この構成により、欄干パネル6について一定の強度・剛性を保ちつつ軽量化を図ることができ、据付の作業性を向上させることができる。
【0034】
また、欄干パネル6に撓み変形が生じていない状態において、パネル側当接部材13と外デッキ側当接部材17との間に隙間が開けられている。この構成により、地震時の揺れを逃がすことができる。
【0035】
実施の形態2.
実施の形態1では、パネル側当接部材13の形状がコ字状であった。これに対して、実施の形態2では、図5に示すように、パネル側当接部材33の形状がL字状である。他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0036】
この実施の形態2の構成では、主枠1の幅方向外側から内側(図4の左側から右側)へ向けた外力が欄干パネル6に加わった場合には、実施の形態1と同様に、パネル側当接部材33と外デッキ側当接部材17とが当接して係合することによって、欄干パネル6の外縁部の外デッキ16から開離する方向への変位が拘束される。
【0037】
これに対して、主枠1の幅方向内側から外側(図4の右側から左側)へ向けた外力が欄干パネル6に加わった場合には、外デッキ側当接部材17と欄干パネル6とが接することによって、欄干パネル6の外デッキ16へ接近する方向への変位が拘束される。
【0038】
以上のように、実施の形態2の乗客コンベアの欄干によれば、パネル側当接部材33と外デッキ側当接部材17とが当接して係合することによって、欄干パネル6の外縁部の外デッキ16から開離する方向への変位が拘束される。この構成により、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。これとともに、実施の形態1のパネル側当接部材13に比べて、パネル側当接部材33を手摺案内フレーム10に取り付ける際の加工法の自由度を向上させることができる。
【0039】
実施の形態3.
実施の形態3では、図6に示すように、パネル側当接部材33と外デッキ側当接部材17との当接箇所に、例えばゴム等の弾性体からなる緩衝材としてのパッキン40A,40Bが取り付けられている。即ち、パネル側当接部材33及び外デッキ側当接部材17のそれぞれのL字の先端部がパッキン40A,40Bによって覆われている。パッキン40A,40Bの形状は、コ字状であり、パッキン40A,40Bは、主枠1の長手方向に沿って配置されている。他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0040】
以上のように、実施の形態3の乗客コンベアの欄干によれば、パネル側当接部材33と外デッキ側当接部材17との当接箇所にパッキン40A,40Bが取り付けられた構成であっても、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、特に瞬間的に欄干パネル6に外力が加わった際に、パネル側当接部材33又は欄干パネル6と、外デッキ側当接部材17との干渉音を軽減することができる。
【0042】
さらに、パネル側当接部材33に対して、パッキン40Aが上下方向に若干量移動可能な構造とした場合には、製作・据付誤差によって生じるパネル側当接部材33と外デッキ16との間の隙間を塞ぐことができ、欄干内部への水や異物の侵入を防ぐことができる。
【0043】
なお、この発明は、エスカレータの欄干にも動く歩道の欄干にも適用できる。
【0044】
また、実施の形態3の構成を実施の形態1の構成に適用してもよい。即ち、コ字状の両端部にパッキン40Aに相当する緩衝材を取り付けてもよい。
【0045】
さらに、実施の形態3において、パッキン40A,40Bのいずれか一方のみを用いて、他方を省略してもよい。
【0046】
また、実施の形態1〜3では、パネル側当接部材13又は33と、外デッキ側当接部材17とによって変位拘束機構が構成されていた。しかしながら、変位拘束機構の構成は、この例に限定するものではなく、例えば、欄干パネル6又は手摺案内フレーム10と外デッキ16とを繋ぐ板ばねを変位拘束機構として用いてもよい。
【0047】
さらに、実施の形態1〜3では、外デッキ支持部材として支柱7即ち柱状体を用いた。しかしながら、この例に限定するものではなく、例えば板材やブロック体等を外デッキ支持部材として用いてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 主枠、2 パネル保持部材、6 不透明タイプの欄干パネル、7 支柱(外デッキ支持部材)、10 手摺案内フレーム、11 移動手摺、11 手摺案内フレーム、12 内デッキ、13,33 パネル側当接部材(パネル側係合部)、16 外デッキ、17 外デッキ側当接部材(外デッキ側係合部)、26 透明タイプの欄干パネル、40A,40B パッキン(緩衝材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主枠の上面部に設けられたパネル保持部材と、
前記パネル保持部材によって立てた状態で保持され、かつ前記主枠の長手方向に沿って配置された不透明タイプの欄干パネルと、
前記欄干パネルの外縁部に記主枠の長手方向に沿って取り付けられ、かつ前記欄干パネルの外縁部から前記主枠の幅方向両側へ張り出すように配置され、移動手摺の走行を案内する手摺案内フレームと、
前記欄干パネルの高さ方向に沿って前記主枠の上面部に立てて設けられ、かつ前記主枠の幅方向の前記欄干パネルの外側に配置された外デッキ支持部材と、
上面が前記手摺案内フレームの近傍で前記移動手摺の往路側経路よりも下方に位置するように前記外デッキ支持部材に取り付けられ、かつ前記主枠の長手方向に沿って配置された外デッキと、
前記欄干パネルの外縁部の前記外デッキから開離する方向への変位を拘束する変位拘束機構と
を備えることを特徴とする乗客コンベアの欄干。
【請求項2】
前記変形拘束機構は、
前記欄干パネルの外縁部に設けられ、かつ前記主枠の幅方向の前記欄干パネルの外側に配置されたパネル側係合部と、
前記外デッキに設けられ、かつ前記パネル側係合部と係合可能であり、前記パネル側係合部と係合することによって、前記欄干パネルの外縁部の前記外デッキから開離する方向への変位を拘束する外デッキ側係合部と
を有していることを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの欄干。
【請求項3】
前記パネル側係合部は、
前記手摺案内フレームにおける前記主枠の幅方向外側への張り出し箇所から下方へ向けて突出し、かつ前記欄干パネルと間隔をおいて対向配置されたパネル側突出部材であり、
前記外デッキ側係合部は、
前記外デッキの上面における幅方向の前記欄干パネル側の端部から上方へ向けて突出し、かつ前記パネル側突出部材と前記欄干パネルとの間に配置された外デッキ側突出部材であり、
前記外デッキ側突出部材は、前記パネル側突出部材と当接することによって、前記欄干パネルの外縁部の前記外デッキから開離する方向への変位を拘束する
ことを特徴とする請求項2記載の乗客コンベアの欄干。
【請求項4】
前記パネル側係合部は、
前記手摺案内フレームにおける前記主枠の幅方向外側への張り出し箇所から下方へ向けて突出し、前記主枠の幅方向で互いに間隔をおいて対向配置された一対の突出部を有するパネル側突出部材であり、
前記外デッキ側係合部は、
前記外デッキの上面における幅方向の前記欄干パネル側の端部から上方へ向けて突出し、かつ前記一対の突出部の間に配置された外デッキ側突出部材であり、
前記外デッキ側突出部材は、前記パネル側突出部材の前記一対の突出部のうち前記主枠の幅方向内側に配置された突出部と当接することによって、前記欄干パネルの外縁部の前記外デッキから開離する方向への変位を拘束する
ことを特徴とする請求項2記載の乗客コンベアの欄干。
【請求項5】
前記パネル側突出部材及び前記外デッキ側突出部材の少なくともいずれか一方に取り付けられ、前記パネル側突出部材及び前記外デッキ側突出部材の当接の際の衝撃を緩衝する緩衝材
をさらに備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の乗客コンベアの欄干。
【請求項6】
前記欄干パネルは、
手摺案内フレームを支持する樹脂製案内フレーム支持板と、
前記樹脂製案内フレーム支持板のステップ側の外面を覆うように設けられ、かつ欄干の意匠面をなす意匠板と
を有していることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の乗客コンベアの欄干。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−173711(P2011−173711A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40559(P2010−40559)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】