乗用田植機
【課題】ボンネット内に複数の電動モータが搭載された乗用田植機を提供する。
【解決手段】ボンネット6内で、走行・植付駆動モータ18を、出力軸18aを乗用田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで配置すると共に、モータ自体の外形が、走行・植付駆動モータ18よりも小さい油圧ポンプ駆動モータ19を、出力軸19aを乗用田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで、走行・植付駆動モータ18よりも前方に配置する。
【解決手段】ボンネット6内で、走行・植付駆動モータ18を、出力軸18aを乗用田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで配置すると共に、モータ自体の外形が、走行・植付駆動モータ18よりも小さい油圧ポンプ駆動モータ19を、出力軸19aを乗用田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで、走行・植付駆動モータ18よりも前方に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータを動力源とする乗用田植機に係り、詳しくは、乗用田植機のボンネット内での電動モータの配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などの環境問題から、多くの産業分野では動力を、内燃機関(例えばガソリンエンジンなど)から、二酸化炭素などの排気ガスを排出しない電動モータに変更することが研究されている。
【0003】
一般に、自動車では、ガソリンエンジンに代わりに電動モータを動力として走行する電気自動車がよく知られている。このように、ガソリンなどを燃料とするエンジンの代わりとして、電動モータなどを動力とすることは自動車だけに限ったことではない。
【0004】
特に、近年、小規模農家や一般家庭における家庭菜園などが多くなり、市街地でも農作業が行われることも多くなってきたため、排気ガスの問題だけでなく、新たにエンジン音による騒音問題なども生じている。このように、圃場で作業を行う移動農機にあっても、動力をガソリンエンジンから電動モータへと変更する電力化の要求がある。
【0005】
そこで、従来から電動モータを動力とする移動農機が知られている。例えば、エンジンの代わりに走行輪を駆動させる電動モータと、油圧ポンプなどを動かす電動モータなどがボンネット内に搭載されて、これら電動モータを動力として走行するトラクタが案出されている(特許文献1参照)。
【0006】
トラクタは、移動農機の中でも比較的に車体が大きくボンネット自体も大きいため、ボンネット内のスペースは広く、エンジンの代わりとしての複数の電動モータをボンネットに納めることは比較的容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−9607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、乗用田植機にあってはトラクタに比べて車体自体が小さく、また、乗用田植機の車体自体の大きさは、車体の後部に連結される植付作業機の大きさ(植付条数)から決まるため、特に植付条数が少ない乗用田植機にあってはボンネット自体の大きさが小さくなる。
【0009】
さらに、乗用田植機は、運転席からの乗用田植機前方の視認性を高めるのと共に、ボンネットの両サイドには、作業者が乗用田植機上で作業を行うためのステップが設けられるためにボンネットの先端部はテーパー形状に形成される。これにより、ボンネット内のスペースがさらに制限される。
【0010】
このような、スペースが制限される乗用田植機のボンネット内に、複数の電動モータを収納、配置するのは困難を伴う。
【0011】
そこで、本発明は、複数の電動モータを、上記スペースが制限されているボンネット内に効率良く配置して上記課題を解決した乗用田植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、走行輪(2),(3)に支持された走行機体(5)と、該走行機体(5)の前方に設けられたボンネット(6)と、前記走行機体(5)に連結され、油圧シリンダ(13)により昇降される植付作業機(15)と、を備えた乗用田植機(1)において、
前記油圧シリンダ(13)に油圧を供給する油圧ポンプ(24)と、
前記走行輪(2,3)を駆動する第1の電動モータ(18)と、
前記油圧ポンプ(24)を駆動する第2の電動モータ(19)と、を備え、
前記第1の電動モータ(18)の外形は、前記第2の電動モータ(19)よりも大きく、
前記第1の電動モータ(18)及び第2の電動モータ(19)は、その出力軸(18a,19a)を前記乗用田植機(1)の進行方向と直交させた横置きで、ボンネット(6)内に配置されると共に、前記第2の電動モータ(19)は、前記第1の電動モータ(18)に対して、前記乗用田植機(1)の進行方向の前方に配置される、ことを特徴とする。
【0013】
前記第1の電動モータ(18)を制御する第1の制御ユニット(20)と、
前記第2の電動モータ(19)を制御する第2の制御ユニット(21)と、を備え、
前記ボンネット(6)内で、前記第1の制御ユニット(20)は、前記第1の電動モータ(18)の上方に、前記第2の制御ユニット(21)は、前記第2の電動モータ(19)の側方にそれぞれ配置される。
【0014】
また、前記第1の電動モータ(18)及び第2の電動モータ(19)は、前記植付作業機(15)を変速する植付変速機構を内装したミッションケース(29)の上方に配置される。
【0015】
さらに、前記第1の電動モータ(18)及び第2の電動モータ(19)は、1つの支持部材(27)で支持されてユニット化されてなる。
【0016】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によると、ボンネット内で、第1の電動モータ及び第2の電動モータを横置きで配置すると共に、第2の電動モータを、モータの外形が第2の電動モータよりも大きい第1の電動モータよりも乗用田植機の進行方向前方に配置することで、複数のモータを乗用田植機のボンネット内に効率良く収納、配置することができる。これにより、従来の内燃エンジンを搭載した乗用田植機における内燃エンジン等の動力装置と略々同じ容積に上記第1及び第2の電動モータ等を納めることができ、同じボンネットを用いて、コストダウン及びデザインコンセプトの共通化を図ることが可能となる。
【0018】
請求項2に係る発明によると、ボンネット内で、第1の電動モータを制御する第1の制御ユニットを第1の電動モータの上方に配置すると共に、第2の電動モータを制御する第2の制御ユニットを第2の電動モータの側方に配置することで、第1の制御ユニット及び第2の制御ユニットをボンネット内に効率良く配置することができる。
【0019】
請求項3に係る発明によると、第1の電動モータ及び第2の電動モータを、植付作業機15の植付速度を変速する植付変速機構を内装したミッションケースの上方に配置することで、第1の電動モータと第2の電動モータを田面に対して高い位置に配置することができると共に、部品を共通化してコストダウンを図ることができる。
【0020】
請求項4に係る発明によると、第1の電動モータ及び第2の電動モータを同一の支持部材で支持してユニット化することで、取付け構造を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した乗用田植機の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】そのボンネット内の電動モータ等の配置を示す斜視図。
【図4】本発明の実施形態に係る乗用田植機の動力装置等の概略を示す斜視図。
【図5】その側面図。
【図6】ボンネット内の構造を示す拡大斜視図。
【図7】その平面図。
【図8】その制御装置を取外した状態の平面図。
【図9】ボンネット内の構造を示す右側面図。
【図10】その左側面図。
【図11】電動モータを支持するブラケットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は背面図、(c)は側面図、(d)は平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る乗用田植機の実施形態について図面に沿って説明する。
【0023】
本実施形態における電動乗用田植機1は(以下、単に田植機という)、図1に示すように、左右一対の前輪2及び後輪3に支持される走行機体5を有している。走行機体5の後方には、油圧シリンダ13を介して、植付作業機15が昇降自在に連結されている。
【0024】
走行機体5には、ステアリングハンドル7及び運転席10などを有する運転操作部11が配設されており、該運転操作部11の後部には、田植機1の駆動電源であるバッテリー25が(図5参照)バッテリーケース12に収納された状態で配置されている。
【0025】
運転操作部11の前方には、後述する田植機1の動力装置17である電動モータなど(図3参照)を覆うボンネット6が設けられている。また、ボンネット6の左右両サイドには、図2に示すように、作業者が田植機1上で作業を行うためのフロントステップ16が設けられている。
【0026】
まず、ボンネット6について説明する。ボンネット6の形状は、図1に示すように、ステアリングハンドル7側から前方に向かって下り勾配からなる側面視円弧形状に形成されていると共に、ボンネット6の両側面は、図2に示すように、ステアリングハンドル7側から前方に向かって平面視円弧形状に形成されている。これにより、ボンネット6自体の外形は、ステアリングハンドル7側から前方に向かって下り勾配のテーパー形状に形成されている。また、ボンネット6自体は走行機体5から脱着可能に構成されており、走行機体の前部には前照灯9が設けられている。
【0027】
次に、田植機1の動力装置17の構成について説明する。田植機1の動力装置17は、図3及び図4に示すように、走行輪(前輪2,後輪3)及び植付作業機15を駆動する第1の電動モータである走行・植付駆動モータ18と、走行・植付駆動モータ18よりモータ自体(外形)が小さくて、田植機1の油圧ポンプ24を駆動する第2の電動モータである油圧ポンプ駆動モータ19とを有している。
【0028】
また、動力装置17は、走行・植付駆動モータ18の動作をコントロールする第1の制御ユニットである走行・植付駆動モータ制御ユニット20と、油圧ポンプ駆動モータ19の動作をコントロールする第2の制御ユニットである油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21とを有していると共に、電圧を変換するためのDCコンバータ22や電源スイッチ23など各ユニットを有している。さらに、動力装置17は、各ユニットを支持固定する支持部材であるブラケット27を有している。
【0029】
動力装置17の各ユニットは、図5に示すように、運転席10の後方に配置されたバッテリー25とワイヤハーネスで繋がれており、このバッテリー25から動力装置17の各ユニットへと電力が供給される。このバッテリー25自体はリチウムイオン電池からなる。
【0030】
次に、ボンネット内における動力装置17の各ユニットの配置構成について説明する。動力装置17の各ユニットは、図5及び図6に示すように、ブラケット27に支持されて、植付作業機15の作業速度を変速する植付変速機構を内装するミッションケース29の上方に配置されている。
【0031】
走行・植付駆動モータ18は、図6、図7及び図8に示すように、出力軸18aを田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで、トルクジェネレータ26の前方に配置されていると共に、走行・植付駆動モータ18の前方には、油圧ポンプ駆動モータ19が、出力軸19aを田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで配置されている。
【0032】
走行・植付駆動モータ18の上方には、外形が略直方体の筐体からなる走行・植付駆動モータ制御ユニット20が横置きに配置されている。また、走行・植付駆動モータ制御ユニット20の前方には、DCコンバータ22が配置されている。
【0033】
油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21は、外形が略直方体の筐体で形成され、油圧ポンプ駆動モータ19の側方に縦置きで配置されている。そして、電源スイッチ23が油圧ポンプ駆動モータ19と、縦置きされた油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21との間にできたスペースに、ブラケット27で支持されて配置されている。
【0034】
走行・植付駆動モータの出力軸18aの先端には、図9に示すように、モータプーリ30が取付けられ、モータプーリ30には、走行・植付駆動モータの動力を伝達するVベルト31が巻き掛けられる。Vベルト31は、ミッションプーリ32にも巻き掛けられると共に、Vベルト31自体が弛むことを防ぐための正転時用と逆転時用のテンションプーリ33,35がそれぞれ取付けられている。また、正転時用テンションプーリ33と逆転時用テンションプーリ35の支点軸は同一軸上36からなる。
【0035】
次に、ボンネット6内で動力装置17を支持固定するブラケット27について説明する。ブラケット27は、図11に示すように、動力装置17の各ユニットを支持する本体部27aと、ブラケット27自体をミッションケース29に連結するベース部27bとからなる。
【0036】
ブラケットの本体部27aは、図11(c)に示すように、側面視略矩形形状に形成されていると共に、本体部27aの同一平面上には、大きさが異なる大小二つの孔27c,27dが形成されている。孔27cには、走行・植付駆動モータ18が出力軸18aを貫通させて、ブラケット27に固定されると共に、孔27dには、油圧ポンプ駆動モータ19が出力軸19aを貫通させて、ブラケット27に固定される(図6参照)。
【0037】
図11(d)に示すように、本体部27aの上面27eは、平面視略矩形形状で形成されていると共に、略中央には平面視略矩形形状の孔27fが形成されている。そして、本体部27aの上面27eには、孔27fを覆うようにして、走行・植付駆動モータ制御ユニット20が横置きで配置される(図6,図7参照)。
【0038】
ブラケット27のベース部27bは、図11(c)に示すように、側面視略矩形形状で形成されている共に、図11(b)に示すように、背面視略コ字形状で形成されている。また、ベース部27bには、ブラケット27をミッションケース29に連結固定するための複数の孔が形成されていると共に(図10参照)、ブラケットを走行機体5に連結固定するための支持部27gが形成されている。
【0039】
また、本体部27a及びベース部27bには、図11(a)に示すように、動力装置17を構成する各ユニットをブラケット27に支持固定するための孔が複数形成されている。
【0040】
上述したように、ボンネット6内に、走行・植付駆動モータ18と油圧ポンプ駆動モータ19を、横置きで配置すると共に、油圧ポンプ駆動モータ19を、モータの外形が油圧ポンプ駆動モータ19よりも大きい走行・植付駆動モータ18に対して前方に配置する構成としたので、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19の大きさが異なる複数のモータを、ボンネット6内に効率よく収納、配置することができる。
【0041】
また、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19をボンネット6内に効率よくコンパクトに収納、配置したので、ボンネット6自体の全長を短くすることができる。これにより、田植機1自体の全長を短くすることができて、旋回性の向上など、田植機1の操作性を向上させることができる。
【0042】
また、モータの外形が走行・植付駆動モータ18よりも小さい油圧ポンプ駆動モータ19を走行・植付駆動モータ18の前方に配置したので、田植機1の前方の視認性の向上のためにボンネット6の先端を下り勾配のテーパー形状に形成することができる。
【0043】
また、走行・植付駆動モータ制御ユニット20を走行・植付駆動モータの上方に横置きで配置すると共に、油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21を油圧ポンプ駆動モータ19の側方に縦置きで配置する構成としたので、走行・植付駆動モータ制御ユニット20及び油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21をボンネット6内に効率良く配置することができると共に、他のユニットを配置するスペースを作ることもできる。これにより、従来の内燃エンジンを搭載した田植機1におけるボンネット6と同じものを用いて、該ボンネット6内で、内燃エンジンの代わりに本発明による電動モータ及び制御ユニット等の動力装置17を配置することができる。
【0044】
また、田植機1の動力装置17をブラケット27で支持して、ミッションケース29の上方に配置したので、走行・植付駆動モータ18や油圧ポンプ駆動モータ19を田面に対して高い位置に配置することができる。これにより、例えば、乗用田植機1で水田に植付け作業を行っているときに、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19が水田の水を被ることを防ぐことができるなど、水によるモータへの影響を抑えることができる。
【0045】
また、動力装置17をブラケット27で支持してミッションケース29の前方ではなく上方に配置したので、動力装置17をミッションケース29の前方に配置する場合よりも、ミッションケース29から動力装置17までの全長を短くすることができる。これにより、田植機1自体の全長を短くすることができて、旋回性の向上など、田植機1の操作性を向上させることができる。
【0046】
更に、ボンネット6内に配置される動力装置17の各ユニットを1つのブラケット27で支持して1ユニット化としたので、取付け構造を単純化することができる。これにより、例えば、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19などの交換が容易になり、田植機1のメンテナンス性を向上させることができる。
【0047】
また、走行・植付駆動モータの出力軸15aの先端に取付けられたモータプーリ30及びミッションプーリ32へ巻き掛けられたVベルト31に、テンションをかけるためのテンションプーリ33,35を正転時用と逆転時用の2つ取付ける構成としたので、走行・植付駆動モータ18が正逆転しても、Vベルト31を弛めることなくVベルト31にテンションをかけることができる。
【0048】
また、正転時用テンションプーリ33と逆転時用テンションプーリ35のそれぞれの支点軸を同一軸上36に構成したので、2つのテンションプーリ33,35それぞれに支点軸を設ける必要がなく構造を単純化することができる。これにより、製造コストなどを抑えることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、走行・植付駆動モータ18、及び油圧ポンプ駆動モータ19それぞれの出力軸(18a,19a)を田植機1の進行方向に対して左側に突き出した状態の横置きで配置したが、これに限らず、田植機1の進行方向に対して右側に突き出した横置きで配置してもよい。
【0050】
また、走行・植付駆動モータ18、又は油圧ポンプ駆動モータ19の出力軸(18a,19a)それぞれを田植機1の進行方向に対して左右に異なる方向に突き出す状態の横置きで配置してもよい。
【0051】
また、本実施形態では4条クラスの小型の田植機を例として説明したが、これに限らず、10条クラスの田植機などの他の田植機に本発明を適用しても当然に良い。
【符号の説明】
【0052】
1 乗用田植機
2 走行輪(前輪)
3 走行輪(後輪)
5 走行機体
6 ボンネット
13 油圧シリンダ
15 植付作業機
18 第1の電動モータ(走行・植付駆動モータ)
19 第2の電動モータ(油圧ポンプ駆動モータ)
20 第1の制御ユニット(走行・植付駆動モータ制御ユニット)
21 第2の制御ユニット(油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット)
24 油圧ポンプ
27 支持部材(ブラケット)
29 ミッションケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータを動力源とする乗用田植機に係り、詳しくは、乗用田植機のボンネット内での電動モータの配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などの環境問題から、多くの産業分野では動力を、内燃機関(例えばガソリンエンジンなど)から、二酸化炭素などの排気ガスを排出しない電動モータに変更することが研究されている。
【0003】
一般に、自動車では、ガソリンエンジンに代わりに電動モータを動力として走行する電気自動車がよく知られている。このように、ガソリンなどを燃料とするエンジンの代わりとして、電動モータなどを動力とすることは自動車だけに限ったことではない。
【0004】
特に、近年、小規模農家や一般家庭における家庭菜園などが多くなり、市街地でも農作業が行われることも多くなってきたため、排気ガスの問題だけでなく、新たにエンジン音による騒音問題なども生じている。このように、圃場で作業を行う移動農機にあっても、動力をガソリンエンジンから電動モータへと変更する電力化の要求がある。
【0005】
そこで、従来から電動モータを動力とする移動農機が知られている。例えば、エンジンの代わりに走行輪を駆動させる電動モータと、油圧ポンプなどを動かす電動モータなどがボンネット内に搭載されて、これら電動モータを動力として走行するトラクタが案出されている(特許文献1参照)。
【0006】
トラクタは、移動農機の中でも比較的に車体が大きくボンネット自体も大きいため、ボンネット内のスペースは広く、エンジンの代わりとしての複数の電動モータをボンネットに納めることは比較的容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−9607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、乗用田植機にあってはトラクタに比べて車体自体が小さく、また、乗用田植機の車体自体の大きさは、車体の後部に連結される植付作業機の大きさ(植付条数)から決まるため、特に植付条数が少ない乗用田植機にあってはボンネット自体の大きさが小さくなる。
【0009】
さらに、乗用田植機は、運転席からの乗用田植機前方の視認性を高めるのと共に、ボンネットの両サイドには、作業者が乗用田植機上で作業を行うためのステップが設けられるためにボンネットの先端部はテーパー形状に形成される。これにより、ボンネット内のスペースがさらに制限される。
【0010】
このような、スペースが制限される乗用田植機のボンネット内に、複数の電動モータを収納、配置するのは困難を伴う。
【0011】
そこで、本発明は、複数の電動モータを、上記スペースが制限されているボンネット内に効率良く配置して上記課題を解決した乗用田植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、走行輪(2),(3)に支持された走行機体(5)と、該走行機体(5)の前方に設けられたボンネット(6)と、前記走行機体(5)に連結され、油圧シリンダ(13)により昇降される植付作業機(15)と、を備えた乗用田植機(1)において、
前記油圧シリンダ(13)に油圧を供給する油圧ポンプ(24)と、
前記走行輪(2,3)を駆動する第1の電動モータ(18)と、
前記油圧ポンプ(24)を駆動する第2の電動モータ(19)と、を備え、
前記第1の電動モータ(18)の外形は、前記第2の電動モータ(19)よりも大きく、
前記第1の電動モータ(18)及び第2の電動モータ(19)は、その出力軸(18a,19a)を前記乗用田植機(1)の進行方向と直交させた横置きで、ボンネット(6)内に配置されると共に、前記第2の電動モータ(19)は、前記第1の電動モータ(18)に対して、前記乗用田植機(1)の進行方向の前方に配置される、ことを特徴とする。
【0013】
前記第1の電動モータ(18)を制御する第1の制御ユニット(20)と、
前記第2の電動モータ(19)を制御する第2の制御ユニット(21)と、を備え、
前記ボンネット(6)内で、前記第1の制御ユニット(20)は、前記第1の電動モータ(18)の上方に、前記第2の制御ユニット(21)は、前記第2の電動モータ(19)の側方にそれぞれ配置される。
【0014】
また、前記第1の電動モータ(18)及び第2の電動モータ(19)は、前記植付作業機(15)を変速する植付変速機構を内装したミッションケース(29)の上方に配置される。
【0015】
さらに、前記第1の電動モータ(18)及び第2の電動モータ(19)は、1つの支持部材(27)で支持されてユニット化されてなる。
【0016】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によると、ボンネット内で、第1の電動モータ及び第2の電動モータを横置きで配置すると共に、第2の電動モータを、モータの外形が第2の電動モータよりも大きい第1の電動モータよりも乗用田植機の進行方向前方に配置することで、複数のモータを乗用田植機のボンネット内に効率良く収納、配置することができる。これにより、従来の内燃エンジンを搭載した乗用田植機における内燃エンジン等の動力装置と略々同じ容積に上記第1及び第2の電動モータ等を納めることができ、同じボンネットを用いて、コストダウン及びデザインコンセプトの共通化を図ることが可能となる。
【0018】
請求項2に係る発明によると、ボンネット内で、第1の電動モータを制御する第1の制御ユニットを第1の電動モータの上方に配置すると共に、第2の電動モータを制御する第2の制御ユニットを第2の電動モータの側方に配置することで、第1の制御ユニット及び第2の制御ユニットをボンネット内に効率良く配置することができる。
【0019】
請求項3に係る発明によると、第1の電動モータ及び第2の電動モータを、植付作業機15の植付速度を変速する植付変速機構を内装したミッションケースの上方に配置することで、第1の電動モータと第2の電動モータを田面に対して高い位置に配置することができると共に、部品を共通化してコストダウンを図ることができる。
【0020】
請求項4に係る発明によると、第1の電動モータ及び第2の電動モータを同一の支持部材で支持してユニット化することで、取付け構造を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した乗用田植機の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】そのボンネット内の電動モータ等の配置を示す斜視図。
【図4】本発明の実施形態に係る乗用田植機の動力装置等の概略を示す斜視図。
【図5】その側面図。
【図6】ボンネット内の構造を示す拡大斜視図。
【図7】その平面図。
【図8】その制御装置を取外した状態の平面図。
【図9】ボンネット内の構造を示す右側面図。
【図10】その左側面図。
【図11】電動モータを支持するブラケットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は背面図、(c)は側面図、(d)は平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る乗用田植機の実施形態について図面に沿って説明する。
【0023】
本実施形態における電動乗用田植機1は(以下、単に田植機という)、図1に示すように、左右一対の前輪2及び後輪3に支持される走行機体5を有している。走行機体5の後方には、油圧シリンダ13を介して、植付作業機15が昇降自在に連結されている。
【0024】
走行機体5には、ステアリングハンドル7及び運転席10などを有する運転操作部11が配設されており、該運転操作部11の後部には、田植機1の駆動電源であるバッテリー25が(図5参照)バッテリーケース12に収納された状態で配置されている。
【0025】
運転操作部11の前方には、後述する田植機1の動力装置17である電動モータなど(図3参照)を覆うボンネット6が設けられている。また、ボンネット6の左右両サイドには、図2に示すように、作業者が田植機1上で作業を行うためのフロントステップ16が設けられている。
【0026】
まず、ボンネット6について説明する。ボンネット6の形状は、図1に示すように、ステアリングハンドル7側から前方に向かって下り勾配からなる側面視円弧形状に形成されていると共に、ボンネット6の両側面は、図2に示すように、ステアリングハンドル7側から前方に向かって平面視円弧形状に形成されている。これにより、ボンネット6自体の外形は、ステアリングハンドル7側から前方に向かって下り勾配のテーパー形状に形成されている。また、ボンネット6自体は走行機体5から脱着可能に構成されており、走行機体の前部には前照灯9が設けられている。
【0027】
次に、田植機1の動力装置17の構成について説明する。田植機1の動力装置17は、図3及び図4に示すように、走行輪(前輪2,後輪3)及び植付作業機15を駆動する第1の電動モータである走行・植付駆動モータ18と、走行・植付駆動モータ18よりモータ自体(外形)が小さくて、田植機1の油圧ポンプ24を駆動する第2の電動モータである油圧ポンプ駆動モータ19とを有している。
【0028】
また、動力装置17は、走行・植付駆動モータ18の動作をコントロールする第1の制御ユニットである走行・植付駆動モータ制御ユニット20と、油圧ポンプ駆動モータ19の動作をコントロールする第2の制御ユニットである油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21とを有していると共に、電圧を変換するためのDCコンバータ22や電源スイッチ23など各ユニットを有している。さらに、動力装置17は、各ユニットを支持固定する支持部材であるブラケット27を有している。
【0029】
動力装置17の各ユニットは、図5に示すように、運転席10の後方に配置されたバッテリー25とワイヤハーネスで繋がれており、このバッテリー25から動力装置17の各ユニットへと電力が供給される。このバッテリー25自体はリチウムイオン電池からなる。
【0030】
次に、ボンネット内における動力装置17の各ユニットの配置構成について説明する。動力装置17の各ユニットは、図5及び図6に示すように、ブラケット27に支持されて、植付作業機15の作業速度を変速する植付変速機構を内装するミッションケース29の上方に配置されている。
【0031】
走行・植付駆動モータ18は、図6、図7及び図8に示すように、出力軸18aを田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで、トルクジェネレータ26の前方に配置されていると共に、走行・植付駆動モータ18の前方には、油圧ポンプ駆動モータ19が、出力軸19aを田植機1の進行方向に対して直交する左側に突き出した状態の横置きで配置されている。
【0032】
走行・植付駆動モータ18の上方には、外形が略直方体の筐体からなる走行・植付駆動モータ制御ユニット20が横置きに配置されている。また、走行・植付駆動モータ制御ユニット20の前方には、DCコンバータ22が配置されている。
【0033】
油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21は、外形が略直方体の筐体で形成され、油圧ポンプ駆動モータ19の側方に縦置きで配置されている。そして、電源スイッチ23が油圧ポンプ駆動モータ19と、縦置きされた油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21との間にできたスペースに、ブラケット27で支持されて配置されている。
【0034】
走行・植付駆動モータの出力軸18aの先端には、図9に示すように、モータプーリ30が取付けられ、モータプーリ30には、走行・植付駆動モータの動力を伝達するVベルト31が巻き掛けられる。Vベルト31は、ミッションプーリ32にも巻き掛けられると共に、Vベルト31自体が弛むことを防ぐための正転時用と逆転時用のテンションプーリ33,35がそれぞれ取付けられている。また、正転時用テンションプーリ33と逆転時用テンションプーリ35の支点軸は同一軸上36からなる。
【0035】
次に、ボンネット6内で動力装置17を支持固定するブラケット27について説明する。ブラケット27は、図11に示すように、動力装置17の各ユニットを支持する本体部27aと、ブラケット27自体をミッションケース29に連結するベース部27bとからなる。
【0036】
ブラケットの本体部27aは、図11(c)に示すように、側面視略矩形形状に形成されていると共に、本体部27aの同一平面上には、大きさが異なる大小二つの孔27c,27dが形成されている。孔27cには、走行・植付駆動モータ18が出力軸18aを貫通させて、ブラケット27に固定されると共に、孔27dには、油圧ポンプ駆動モータ19が出力軸19aを貫通させて、ブラケット27に固定される(図6参照)。
【0037】
図11(d)に示すように、本体部27aの上面27eは、平面視略矩形形状で形成されていると共に、略中央には平面視略矩形形状の孔27fが形成されている。そして、本体部27aの上面27eには、孔27fを覆うようにして、走行・植付駆動モータ制御ユニット20が横置きで配置される(図6,図7参照)。
【0038】
ブラケット27のベース部27bは、図11(c)に示すように、側面視略矩形形状で形成されている共に、図11(b)に示すように、背面視略コ字形状で形成されている。また、ベース部27bには、ブラケット27をミッションケース29に連結固定するための複数の孔が形成されていると共に(図10参照)、ブラケットを走行機体5に連結固定するための支持部27gが形成されている。
【0039】
また、本体部27a及びベース部27bには、図11(a)に示すように、動力装置17を構成する各ユニットをブラケット27に支持固定するための孔が複数形成されている。
【0040】
上述したように、ボンネット6内に、走行・植付駆動モータ18と油圧ポンプ駆動モータ19を、横置きで配置すると共に、油圧ポンプ駆動モータ19を、モータの外形が油圧ポンプ駆動モータ19よりも大きい走行・植付駆動モータ18に対して前方に配置する構成としたので、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19の大きさが異なる複数のモータを、ボンネット6内に効率よく収納、配置することができる。
【0041】
また、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19をボンネット6内に効率よくコンパクトに収納、配置したので、ボンネット6自体の全長を短くすることができる。これにより、田植機1自体の全長を短くすることができて、旋回性の向上など、田植機1の操作性を向上させることができる。
【0042】
また、モータの外形が走行・植付駆動モータ18よりも小さい油圧ポンプ駆動モータ19を走行・植付駆動モータ18の前方に配置したので、田植機1の前方の視認性の向上のためにボンネット6の先端を下り勾配のテーパー形状に形成することができる。
【0043】
また、走行・植付駆動モータ制御ユニット20を走行・植付駆動モータの上方に横置きで配置すると共に、油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21を油圧ポンプ駆動モータ19の側方に縦置きで配置する構成としたので、走行・植付駆動モータ制御ユニット20及び油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット21をボンネット6内に効率良く配置することができると共に、他のユニットを配置するスペースを作ることもできる。これにより、従来の内燃エンジンを搭載した田植機1におけるボンネット6と同じものを用いて、該ボンネット6内で、内燃エンジンの代わりに本発明による電動モータ及び制御ユニット等の動力装置17を配置することができる。
【0044】
また、田植機1の動力装置17をブラケット27で支持して、ミッションケース29の上方に配置したので、走行・植付駆動モータ18や油圧ポンプ駆動モータ19を田面に対して高い位置に配置することができる。これにより、例えば、乗用田植機1で水田に植付け作業を行っているときに、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19が水田の水を被ることを防ぐことができるなど、水によるモータへの影響を抑えることができる。
【0045】
また、動力装置17をブラケット27で支持してミッションケース29の前方ではなく上方に配置したので、動力装置17をミッションケース29の前方に配置する場合よりも、ミッションケース29から動力装置17までの全長を短くすることができる。これにより、田植機1自体の全長を短くすることができて、旋回性の向上など、田植機1の操作性を向上させることができる。
【0046】
更に、ボンネット6内に配置される動力装置17の各ユニットを1つのブラケット27で支持して1ユニット化としたので、取付け構造を単純化することができる。これにより、例えば、走行・植付駆動モータ18及び油圧ポンプ駆動モータ19などの交換が容易になり、田植機1のメンテナンス性を向上させることができる。
【0047】
また、走行・植付駆動モータの出力軸15aの先端に取付けられたモータプーリ30及びミッションプーリ32へ巻き掛けられたVベルト31に、テンションをかけるためのテンションプーリ33,35を正転時用と逆転時用の2つ取付ける構成としたので、走行・植付駆動モータ18が正逆転しても、Vベルト31を弛めることなくVベルト31にテンションをかけることができる。
【0048】
また、正転時用テンションプーリ33と逆転時用テンションプーリ35のそれぞれの支点軸を同一軸上36に構成したので、2つのテンションプーリ33,35それぞれに支点軸を設ける必要がなく構造を単純化することができる。これにより、製造コストなどを抑えることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、走行・植付駆動モータ18、及び油圧ポンプ駆動モータ19それぞれの出力軸(18a,19a)を田植機1の進行方向に対して左側に突き出した状態の横置きで配置したが、これに限らず、田植機1の進行方向に対して右側に突き出した横置きで配置してもよい。
【0050】
また、走行・植付駆動モータ18、又は油圧ポンプ駆動モータ19の出力軸(18a,19a)それぞれを田植機1の進行方向に対して左右に異なる方向に突き出す状態の横置きで配置してもよい。
【0051】
また、本実施形態では4条クラスの小型の田植機を例として説明したが、これに限らず、10条クラスの田植機などの他の田植機に本発明を適用しても当然に良い。
【符号の説明】
【0052】
1 乗用田植機
2 走行輪(前輪)
3 走行輪(後輪)
5 走行機体
6 ボンネット
13 油圧シリンダ
15 植付作業機
18 第1の電動モータ(走行・植付駆動モータ)
19 第2の電動モータ(油圧ポンプ駆動モータ)
20 第1の制御ユニット(走行・植付駆動モータ制御ユニット)
21 第2の制御ユニット(油圧ポンプ駆動モータ制御ユニット)
24 油圧ポンプ
27 支持部材(ブラケット)
29 ミッションケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行輪に支持された走行機体と、該走行機体の前方に設けられたボンネットと、前記走行機体に連結され、油圧シリンダにより昇降される植付作業機と、を備えた乗用田植機において、
前記油圧シリンダに油圧を供給する油圧ポンプと、
前記走行輪を駆動する第1の電動モータと、
前記油圧ポンプを駆動する第2の電動モータと、を備え、
前記第1の電動モータの外形は、前記第2の電動モータよりも大きく、
前記第1の電動モータ及び第2の電動モータは、その出力軸を前記乗用田植機の進行方向と直交させた横置きで、ボンネット内に配置されると共に、前記第2の電動モータは、前記第1の電動モータに対して、前記乗用田植機の進行方向の前方に配置される、
ことを特徴とする乗用田植機。
【請求項2】
前記第1の電動モータを制御する第1の制御ユニットと、
前記第2の電動モータを制御する第2の制御ユニットと、を備え、
前記ボンネット内で、前記第1の制御ユニットは、前記第1の電動モータの上方に、前記第2の制御ユニットは、前記第2の電動モータの側方にそれぞれ配置される、
請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項3】
前記第1の電動モータ及び第2の電動モータは、前記植付作業機を変速する植付変速機構を内装したミッションケースの上方に配置される、
請求項1又は2に記載の乗用田植機。
【請求項4】
前記第1の電動モータ及び第2の電動モータは、1つの支持部材で支持されてユニット化される、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乗用田植機。
【請求項1】
走行輪に支持された走行機体と、該走行機体の前方に設けられたボンネットと、前記走行機体に連結され、油圧シリンダにより昇降される植付作業機と、を備えた乗用田植機において、
前記油圧シリンダに油圧を供給する油圧ポンプと、
前記走行輪を駆動する第1の電動モータと、
前記油圧ポンプを駆動する第2の電動モータと、を備え、
前記第1の電動モータの外形は、前記第2の電動モータよりも大きく、
前記第1の電動モータ及び第2の電動モータは、その出力軸を前記乗用田植機の進行方向と直交させた横置きで、ボンネット内に配置されると共に、前記第2の電動モータは、前記第1の電動モータに対して、前記乗用田植機の進行方向の前方に配置される、
ことを特徴とする乗用田植機。
【請求項2】
前記第1の電動モータを制御する第1の制御ユニットと、
前記第2の電動モータを制御する第2の制御ユニットと、を備え、
前記ボンネット内で、前記第1の制御ユニットは、前記第1の電動モータの上方に、前記第2の制御ユニットは、前記第2の電動モータの側方にそれぞれ配置される、
請求項1に記載の乗用田植機。
【請求項3】
前記第1の電動モータ及び第2の電動モータは、前記植付作業機を変速する植付変速機構を内装したミッションケースの上方に配置される、
請求項1又は2に記載の乗用田植機。
【請求項4】
前記第1の電動モータ及び第2の電動モータは、1つの支持部材で支持されてユニット化される、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乗用田植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−34439(P2013−34439A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174206(P2011−174206)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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