説明

乗用車内の衣類輸送用衣類掛け装置

本発明の対象は、特に乗用車内で衣料品を快適に輸送するために座席の背もたれ及びヘッドレストの裏側で用いられる衣類掛け装置である。本発明は、衣類掛け本体部(1)が、衣類掛け支持棒(2)に固定する方法で取付けられ、衣類掛け支持棒(2)の下端部が接合器具(4)に挿入されるという状態により特徴付けられる。また、本発明の特徴は、接合器具(4)が、前の座席の裏側の上部に直接取付けられ、又はヘッドレストを支持する二つの棒の間に配置される伸縮性のある接続片(3)に固定する方法で取付けられるという状態にあり、接合器具(4)が、好適には長方形の断面を有する管状本体部であり、その内部で同じく長方形断面を有する衣類掛け支持棒(2)が挿入される状態にある。そして、さらに従来の衣類掛けを設置するのに適したホック(5)が衣類掛け本体部(1)を貫通する衣類掛け支持棒(2)の上端部に取付けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明の対象は、乗用車内の衣類輸送用衣類掛け装置であり、前の座席の背もたれの裏側に設置することにより運転者の視界を遮らないようにする。衣類掛け装置は、衣類掛け本体部からなり、取り外し可能な方法で衣類掛け支持棒及び接合器具を用いて座席の背もたれ又はヘッドレスト支持体の上に取り付けられることにより、棒を一動作で取り外すことができ、乗客を後部席で危険なく運搬することができるようにする。接合器具は、常にヘッドレストの垂直面の下方に設置することにより、衝突の場合にさえ事故の原因とならないようにする。
【0002】
自動車内でジャケット、コート等の衣料品を普通の衣類掛けに掛けて、上部に設置される特別なホック又は頭上の安全グリップから直接突き出したホックに掛けることにより、皺を作らないようにしていることはよく知られている。自動車が移動、ブレーキ、又は加速すると、これらの衣料品は通常座席又は床に落下し皺ができてしまう。一方で、ジャケットを襟首に縫い付けられたループを用いて同じホックに掛ける場合もまた皺の原因となる。
【0003】
先行技術では、ハンガリー国特許出願公開第222194号明細書が、乗用車内で頭上のグリップに衣料品を掛けるために用いる衣類掛けについて記載している。当該発明は、一つ若しくは二つの支持アームを備えるハンガーと、両支持アーム間に配置されるホックと、ホックの開口部内に設置され部分的にその開口部を閉鎖する弾性安全要素からなる。この要素は、スプリング力の方が強い時にはホックの開口部を開く。両支持アームは、間に空隙を設けて配置された第一及び第二針金片からなり、針金片の外端部は接合し、ホックが針金片の前方内端部に配置されて、弾性安全要素は追加針金片からなり、他の二つの針金片の内端部と接合する。
【0004】
自動車内で衣料品を掛けて輸送することに関して、もう一つの発明がハンガリー国特許第213765号明細書に記載されている。当該発明は、衣料品を掛け且つ滑らせる輸送棒を備えてホックを輸送棒に掛けることができるようにした輸送トロッコと、輸送棒の方向に合わせて輸送品を滑り落とすことができる傾斜棒と、輸送トロッコから商品を受けるために分配棒の上端部に設置される受取構造体からなる。分配棒は、商品の受け取りに適した位置に到着する輸送トロッコの輸送棒に取付けられ、ホックの内部且つ下方に貫通する受取心棒と輸送棒から下降し延びる各ホックを持ち上げる上部傾斜釘部を備える。
【0005】
当該発明は、自動車内で比較的大量の衣類を輸送すること、特に商業用に役立ち、複雑、高価な構造体を用いており、且つ私人が車で一つか二つの衣料品を輸送するのに機能的に向いていない。
【0006】
本発明の創作にあたっての目的は、自動車に使用することのできる衣類掛け装置を発明することであり、前方座席の背もたれの裏側に単純な方法で設置することができることにより、運転者の視界を遮らないようにする。乗客を自動車で運搬する場合にもまた、衣類掛け支持棒及び衣類掛け本体部はいつでも簡単に一動作で取り外すことができ、衣類掛け支持棒の下端部が挿入される器具はヘッドレストの垂直面の下方に設置されるので、衣類掛け支持棒及び衣類掛け本体部が取り外された場合、残った器具は衝突の場合にさえ事故の原因とはならない。本装置は、ドアの機能を妨害することはなく、使用が容易で車の運転手及び後部席の乗客の双方にとって安全である。
【0007】
本発明は、以下の認識に由来する。すなわち、衣類を運搬し輸送するのに用いられる衣類掛け装置を自動車の前方座席の背もたれの裏側に設置する場合、一方ではハンガー及びそれに掛けられる衣類は、自動車の運転手の妨害とはまったくならず、側部及び後部への視野を遮ることもない。他方では、衣類掛け本体部が、座席の背もたれ又はヘッドレスト支持部に取付けられる器具と取り外し可能な方法で衣類掛け支持棒により接合されることにより、衣類掛け本体部を一動作で簡単に取り外すことができるようにした場合には、乗客を事故の危険なく後部座席で運搬することができ、衣類掛け本体部が取り外された後に背もたれ又はヘッドレスト支持部上に残った器具が、ヘッドレストの垂直面の下方に設置される場合には、本装置は衝突の場合にさえ後部席の人に対する危険とはならず、したがって本発明は全ての点において設定した目的を達成する。
【0008】
本発明の対象は、とりわけ乗用車内で快適に衣料品を設置するために座席の背もたれ及びヘッドレストの裏側で用いられる衣類掛け装置であり、その装置は衣類掛け支持棒に固定する方法で取付けられ、その下端部が接合器具に挿入される衣類掛け本体部からなる。
【0009】
本発明に係る衣類掛けの他の実施形態では、接合器具は、長方形の断面を有する管状本体部であり、同じく長方形の断面を有する衣類掛け支持棒が取付けられる。
【0010】
本発明に係る衣類掛け装置の他の実施形態では、接合器具は固定する方法で座席の背もたれの上部に直接取付けられる。
【0011】
本発明に係る衣類掛け装置の第三の実施形態では、接合器具は固定する方法で伸縮自在に二つのヘッドレスト支持棒と接合する組立接続片に取り付けられる。
【0012】
さらに、本発明に係る衣類掛け装置の実施形態では、さらに従来の衣類掛けの設置に適合させるのに役立つホックが衣類掛け本体部を貫通する衣類掛け支持棒の上端部に取付けられる。
【0013】
本発明に係る衣類掛け装置の可能な実施形態を図面を通して説明する。
【0014】
図1は、衣類掛け装置がヘッドレスト支持部に取付けられた後の衣類掛け装置の主要部の設置方法を示す。この図に示されるのは、ズボン掛けを備える従来型の三角要素からなる衣類掛け本体部1と、その長さのおよそ三分の二のところで衣類掛け本体部1に取付けられる衣類掛け支持棒2と、ヘッドレスト支持部にその端縁部で取付けられ、その長さが乗用車の多様な型式に併せて伸縮自在に設定することができる接続片3である。接続片3の各端縁部は、鞘のように支持棒にかぶせる管状本体部によりヘッドレスト支持部に取付けられる。
【0015】
図3は、接合器具4を明確に示している。接合器具4は接続片3上に固定する方法で配置され、衣類掛け支持棒2の下端部が挿入されて、もはや必要ではなくなったときに衣類掛け支持棒2は一動作でヘッドレストの裏側から取り外すことができる。
【0016】
図2は、衣類掛け装置がヘッドレストの裏側に設置される方法を示している。衣類掛け支持棒2のZ型面が以下のような態様ではっきりと視認できる。すなわち、衣料品が設置される衣類掛け本体部1は、ヘッドレストの裏側に配置され、運転者の視界を遮らないようにする。当該図はまた、接合器具4の構造を明確に描いており、接合器具4は、接続片3上に配置されヘッドレストの後部垂直面の下方に設置されることにより、衣類掛け支持棒2が取り外された後に乗客が後部席で安全に運搬されることができ、衝突の場合にさえ事故の危険がないようにする。また、図では衣類掛け支持棒2の上部水平部に配置されるホック5の役割を視認することができる。当該部分は、衣類掛け支持棒2に固着される。さらにいくつかの従来の衣類掛けをホック5に掛けることができ、それらの衣類掛けが衣類掛け本体部1に平行となり、衣類掛け本体部1と同様に運転者の視界を遮らないようにする。
【0017】
図3は、接合器具(4)の第二の構成を図示する。接合器具は、座席の裏側の上部に固着される。接合器具(4)は、長方形の断面を有する管状構造体であり、その中により小さな長方形断面を有する衣類掛け支持棒(2)の下端部が挿入され、もはや必要ではなくなったときに一動作で取り外すことができるようにし、背もたれの上部に残った接合器具(4)により後部席で乗客を安全に運搬できるようにする。これらの要素の長方形構造により、衣類掛け支持棒(2)が回転して所定位置から外れるのを防ぐ。
【0018】
本発明に係る衣類掛け装置の使用の可能性について、本発明の目的を述べつつ本明細書の導入部で説明し、その目的が十分達成されることを説明した。本発明に係る解決策がもたらす利点は、以下の通りである。
− 輸送される衣料品を保持する衣類掛け装置は、自動車内で前の座席のヘッドレストの下方に配置されることで、運転手の視界を遮らないようにする。
− 当該装置は、もはや必要ではなくなったときには一動作で簡単に取り外すことができ、したがって自動車の後部で運搬される人の安全に対して危険を与えない。
− 接続片又は他の実施形態で前の座席の背もたれの上部に残った接合器具が、ヘッドレストの後部垂直線の下方に配置される態様であるため、衝突の場合にさえ事故の原因とはならない。
− 衣類掛け装置は、好適には金属又は弾性プラスチックからなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る衣類掛け装置の背面図である。
【図2】ヘッドレスト支持棒間の接続片を含む実施形態の側面図である。
【図3】本発明に係る衣類掛け装置の接合器具の設置並びに衣類掛け支持棒が接合器具に挿入される方法を示す。
【符号の説明】
【0020】
1 衣類掛け本体部
2 衣類掛け支持棒
3 接続片
4 接合器具
5 ホック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に乗用車内の衣料品の快適な輸送のために座席の背もたれ及びヘッドレストの裏側で用いられ、衣類掛け本体部からなり、衣類掛け本体部(1)は、衣類掛け支持棒(2)に固定する方法で取付けられ、その下端部が接合器具(4)に挿入されることを特徴とする衣類掛け装置。
【請求項2】
接合器具(4)は、長方形の断面を有する管状本体部であり、その中に同じく長方形断面を有する衣類掛け支持棒(2)が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の衣類掛け装置。
【請求項3】
接合器具(4)は、座席の背もたれの上部に固定する方法で直接取付けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の衣類掛け装置。
【請求項4】
接合器具(4)は、二つのヘッドレスト支持棒を接合し伸縮自在に組立てられる接続片(3)に固定した方法で取付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣類掛け装置。
【請求項5】
さらに従来の衣類掛けを設置するのに適したホック(5)が、衣類掛け本体部(1)を貫通する衣類掛け支持棒(2)の上端部に取付けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の衣類掛け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−515350(P2007−515350A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546343(P2006−546343)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/HU2004/000116
【国際公開番号】WO2005/061275
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506213773)
【Fターム(参考)】