説明

乗降履歴情報の可視化装置および乗降履歴情報の可視化プログラム

【課題】エレベータ乗降者の乗降履歴を分析し、エレベータ利用状況の傾向を抽出するエレベータ乗降者可視化装置およびエレベータ乗降者可視化プログラムを得る。
【解決手段】乗降者の移動に関する乗降者情報11と乗降装置の運行に関する運行情報12と乗降装置が設置されたビルに関するビル情報13とを含む乗降履歴情報10を蓄積する乗降履歴データベース1と、乗降履歴データベース1に蓄積されている乗降履歴情報10を取得するデータ取得部2と、データ取得部2により取得された乗降履歴情報10に含まれる乗降者情報11をクラスタリングするクラスタリング部3と、クラスタリング部3によりクラスタリングされた乗降者情報11と、必要に応じてデータ取得部により取得された乗降履歴情報10に含まれる運行情報12、ビル情報13とを用いて可視化データに変換して表示する可視化部4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、センサで検出された建物内の乗降装置を利用する乗降者の移動履歴や乗降装置の運行履歴などを含む乗降履歴情報から、乗降者の移動の傾向を読み取るため、乗降履歴情報を可視化する乗降履歴情報の可視化装置および乗降履歴情報の可視化プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に高層ビルには複数のエレベータが設置されているが、朝の通勤ラッシュ時や昼休みの混雑時などには、乗客を効率的に輸送するためにこれら複数のエレベータを連携させて運転する群管理が必要となる。このような複数のエレベータの群管理を効率的に行うためには、「何時に、何人が、どの階で乗って、どの階で降りたか」等の乗降者の移動履歴を計測し、分析して、そのビルにおける乗降者の移動の傾向を把握することが必要となる。よって、計測したデータを分析するために、計測したデータを可視化する可視化装置が必要となる。
【0003】
また、乗降者の移動履歴を視覚的に分かり易く表示する技術については、ビルのテナント配置の最適化等のコンサルティング業務に活用したいというニーズが存在する。
【0004】
従来、特許文献1に記載のように、エレベータ群管理システムにおいて、時間帯毎の階床間の乗降者の移動履歴をOD(Origin Destination)表で表示して、交通流を表現する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−222074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示された構成によれば、エレベータ乗降履歴のOD表は2次元であり、利用時間帯について表示されていないため、利用時間帯による傾向の変化を視覚的に把握することは困難であった。
また、従来、乗降者の移動履歴について単純なヒストグラムで表示する方法も一般的であるが、単純なヒストグラムでは、エレベータ群管理の運行効率を下げている要因となる時間帯や階床を特定することが困難であった。
【0007】
以上説明したように、従来の乗降者の移動履歴の可視化技術は、乗降者の利用傾向を視覚的に分かり易く把握できず、乗降者の移動の傾向を分析するのが困難であるという課題があった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、乗降者の利用傾向を視覚的に分かり易く把握できるように可視化し、乗降者の移動の傾向を分析しやすくする乗降履歴情報の可視化装置および乗降履歴情報の可視化プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の乗降履歴情報の可視化装置は、乗降装置を利用する乗降者の移動に関する乗降者情報と乗降装置の運行に関する運行情報と乗降装置が設置されたビルに関するビル情報とを含む乗降履歴情報を蓄積する乗降履歴データベースと、乗降履歴データベースに蓄積されている乗降履歴情報を取得するデータ取得部と、データ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる乗降者情報をクラスタリングするクラスタリング部と、クラスタリング部によりクラスタリングされた乗降者情報と、必要に応じてデータ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる運行情報、ビル情報とを用いて可視化データに変換して表示する可視化部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
この発明の乗降履歴情報の可視化装置および乗降履歴情報の可視化プログラムは、膨大な乗降者情報を移動傾向によってクラスタリングすることが可能であり、クラス別に乗降者情報を表示することにより、乗降装置の利用傾向を分かり易く可視化することができる。その得られた乗降装置の利用傾向から、ビルメンテナンスにおけるテナント配置の最適化や、複数の乗降装置の運行効率改善に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の乗降履歴情報の可視化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の乗降履歴情報の可視化装置が行う処理の流れのフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の乗降履歴情報の可視化装置の乗降者情報の例を示す図である。
【図4】本発明の乗降履歴情報の可視化装置のクラスタリング部で乗降者情報をクラスタリングした結果の例を示す図である。
【図5】本発明の乗降履歴情報の可視化装置のヒストグラム表示部の表示例を示す図である。
【図6】本発明の乗降履歴情報の可視化装置のアニメーション表示部の表示例を示す図である。
【図7】本発明の乗降履歴情報の可視化装置のアニメーション表示部の表示例を示す図である。
【図8】本発明の乗降履歴情報の可視化装置のアニメーション表示部の表示例を示す図である。
【図9】本発明の乗降履歴情報の可視化装置のFromToマトリックス表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置の構成を示すブロック図である。図1における乗降履歴情報の可視化装置は、乗降者情報11、運行情報12、ビル情報13を含む乗降履歴情報10を保存する乗降履歴データベース1と、乗降履歴データベース1から乗降履歴情報10を取得するデータ取得部2と、データ取得部2で取得された乗降履歴情報10に含まれる乗降者情報11をクラスタリングするクラスタリング部3と、クラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11と運行情報12とビル情報13を可視化データに変換して表示する可視化部4とを備える。
【0013】
図1に示すように、乗降履歴データベース1に保存される乗降履歴情報10の内容は、乗降装置を利用する乗降者に関する乗降者情報11と、乗降装置の運行に関する運行情報12と、乗降装置の設置されたビルに関するビル情報13とから構成される。
【0014】
乗降者情報11とは、例えば、乗降装置の各利用者の乗車階、降車階、乗車時刻、降車時刻、乗降装置乗り場到着時刻、乗降装置待ち時間、利用人数、利用した乗降装置の号機番号、曜日、年度、乗降装置内の映像、乗降装置乗り場の映像、等の乗降装置の利用者に関する情報である。ここで、乗降者情報11は、監視カメラや赤外線、レーザセンサなどにより収集したデータでも良いし、あるいは乗降装置のシミュレータなどが仮想的に生成したデータでも良い。
【0015】
運行情報12とは、例えば、乗降装置の移動履歴、乗降装置内の各種ボタンが押された履歴、各フロアでの乗降装置の呼びボタンが押された履歴等、乗降装置の運行に関する情報である。
【0016】
ビル情報13とは、例えば、ビルの階床数(フロア数)、各階の高さ、ビル内のテナントの情報、ビルに隣接する駅や商業施設の情報、乗降装置の数、乗降装置の種類、乗降装置の停止階情報等のビル設備と乗降装置に関連する情報である。
【0017】
図1に示した乗降履歴情報の可視化装置の構成において、乗降履歴データベース1と、データ取得部2と、クラスタリング部3と、可視化部4はそれぞれ専用のハードウェア(例えば、MPUを実装している半導体集積回路基板)による構成とすることができるが、乗降履歴情報の可視化装置をコンピュータで構成する場合には、各部の処理内容を記述している乗降履歴情報の可視化プログラムをコンピュータのメモリに格納し、コンピュータのCPUにより当該格納されている乗降履歴情報の可視化プログラムが実行される構成としてもよい。
【0018】
図2は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置が行う処理の流れのフローチャートを示す図である。このフローチャートに従って、乗降履歴情報の可視化装置の動作の詳細について説明する。
まず、データ取得部2は、乗降履歴データベース1から乗降履歴情報10を取得する(ステップST101)。
【0019】
データ取得部2に取得された乗降履歴情報10に含まれる乗降者情報11は、多次元のデータであり、例えば、可視化に用いる特徴量が乗降装置の各利用者の「乗車階」、「降車階」、「乗車時刻」の3つである場合、データ取得部2は、乗降履歴データベース1から、対象期間における乗降者情報11について、各利用者の「乗車階」、「降車階」、「乗車時刻」の3次元データを取得する。
【0020】
図3は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置の乗降者情報11の例を示した図であり、あるビルの乗降装置の利用者全員について「乗車階」、「降車階」、「乗車時刻」の3次元空間にプロットしたものであり、プロットされた各点がそれぞれ1人の人物の乗降履歴を示している。
なお、図3において、時刻軸は24時間表示である。
【0021】
また、データ取得部2は、可視化に用いる特徴量の数に応じて、データの次元数を上げて、任意の次元でデータを取得しても良い。
【0022】
例えば、可視化に用いる特徴量が乗降者情報11の「乗車階」、「降車階」、「乗車時刻」、「曜日」、「待ち時間」の5つである場合には、データ取得部2は、乗降履歴データベース1から、対象期間における乗降者情報11について、「乗車階」、「降車階」、「乗車時刻」、「曜日」、「待ち時間」の5次元データを取得する。
【0023】
次に、図2に示すように、クラスタリング部3は、データ取得部2が取得した乗降履歴情報10に含まれる多次元の乗降者情報11をクラスタリングする(ステップST102)。
【0024】
クラスタリング部3は、多次元データのクラスタリング手法を用いて、データ取得部2が取得した乗降履歴情報10に含まれる多次元の乗降者情報11についてクラスタリングを行い、複数のクラスに分類する。多次元データのクラスタリング手法は、例えばmean shift法やk−mean法といった既存のクラスタリング手法を用いる。
【0025】
例えば図4は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置のクラスタリング部3で乗降者情報をクラスタリングした結果の例を示す図である。図4では、図3に示す3次元の乗降者情報11をmean shift法によって分類した結果であり、クラスタリング部3でクラスタリングした結果、図3に示す3次元の乗降者情報11は、図4に示すように5つのクラスに分類されている。
【0026】
次に、図2に示すように、可視化部4はクラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11を用いて可視化データに変換して表示したり、クラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11と運行情報12とビル情報13を用いて可視化データに変換して表示する(ステップST103)。
【0027】
図1に示すように、可視化部4はクラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11を用いて可視化データに変換しヒストグラムを表示するヒストグラム表示部41と、クラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11と運行情報12とビル情報13を用いて可視化データに変換しアニメーションを表示するアニメーション表示部42と、クラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11を用いて可視化データに変換し乗車階と降車階を2次元のマトリックス状に配置して各乗降階の人数を示す図を表示するFromToマトリックス表示部43と、から構成されており、各々が個別に、あるいは連動して乗降履歴情報10を可視化する。
【0028】
まず、ヒストグラム表示部41の動作について述べる。
図5は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置のヒストグラム表示部41の表示例を示す図である。例えば、ヒストグラム表示部41は、図4に示すように5つのクラスに分類された乗降者情報11を用いて可視化データに変換し、図5に示すように各クラスについてそれぞれ3種類のヒストグラムを作成して表示する。ここで3種類のヒストグラムの縦軸は全て「乗降者人数」であり、横軸で示す特徴量は「乗車時刻」、「乗車階」、「降車階」である。
【0029】
図5に示すように、各クラスについて作成したヒストグラムを表示することにより、例えば、クラス1に属する乗降者について、クラス1の左図から乗車のピークが12時前後であり、そのピークにおける乗降者数が200人前後であることを読み取ることができ、クラス1の中央図および右図から、10階を中心とするフロアから20階を中心とするフロアに移動している利用者が多いことを読み取ることができる。
【0030】
また、分析に用いる特徴量を「乗車階」、「降車階」、「乗車時刻」、「曜日」、「待ち時間」の5つとする場合には、5次元データについてクラスタリングを行い、クラスタリング結果の各クラスについてそれぞれ5つのヒストグラムを作成することにより、乗降者情報を傾向別に可視化する。
【0031】
本発明のヒストグラム表示部41は、クラスタリング部3においてクラスタリングされた乗降者情報11を用いて、各クラスについてヒストグラムを作成して表示するため、乗降者の利用傾向を視覚的に分かり易く把握できるように可視化し、乗降者の移動の傾向を分析しやすくする。
【0032】
次にアニメーション表示部42の動作について述べる。
アニメーション表示部42は、ビル情報13に含まれるビル設備を示す2次元断面図もしくは3次元モデルとクラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11と運行情報12を用いて可視化データに変換して表示する。
【0033】
図6は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置のアニメーション表示部42の表示例を示す図である。アニメーション表示部42は、図6に示すような表示画面でビル情報13を示し、乗降者情報11と運行情報12を再現する。
【0034】
アニメーション表示部42が表示する画面は、図6に示すように、例えば、乗降者情報11を示すフロアにおける待ち人数アイコン51と、乗降装置位置と乗降装置内人数アイコン54と、運行情報12と乗降装置乗り場のボタンが押されたことを示す、乗り場呼びアイコン(呼びがある場合、色を塗りつぶす)53と、乗降装置が上方向に配車割り当てされることを示す割当(UP)点灯アイコン55と、乗降装置が下方向に配車割り当てされることを示す割当(DOWN)点灯アイコン56と、乗降装置内の該当階床のボタンが押されたことを示す乗降装置呼び点灯アイコン59と、ビル情報13を示す階床表示アイコン52と、停止しない階を塗りつぶすアイコン57と、乗降装置の号機番号の表示アイコン58とから構成される。表示画面は、乗降装置乗降履歴データベース1に記録された任意の時刻について再現する。
【0035】
ここで、アニメーション表示部42は、クラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11を用いることにより、フロアにおける待ち人数アイコン51や乗降装置位置と乗降装置内人数アイコン54の色をクラス毎に色分けして再現してもよい。これにより、任意の時刻におけるビル全体における各クラスの乗降者および運行装置の状態が把握できる。
【0036】
また、アニメーション表示部42は、表示画面上にて、フロアにおける待ち人数アイコン51または乗降装置位置と乗降装置内人数アイコン54の箇所をマウスクリックやタッチパネルなどの手段で選択すると、該当する乗降装置内または乗降装置乗り場の映像を呼び出して再生し、前記クラスタリング部3のクラスタリング結果に基づいて映像に映る人物の領域をクラス毎に色分けして表示してもよい。図7は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置のアニメーション表示部42の表示画面上で乗降装置位置と乗降装置内人数アイコン54をユーザが選択した場合に映像を再生する表示例を示す図である。
【0037】
またアニメーション表示部42は、表示されたアニメーションにおいて、乗降装置や乗り場の箇所をマウスクリックやタッチパネルなどの手段で選択すると、前記ヒストグラム表示部41を呼び出して、該当時刻および該当場所におけるクラス毎のヒストグラムを表示しても良い。
【0038】
また、アニメーション表示部42は、クラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11をアニメーションでなく1枚の静止画に要約表示してもよい。図8は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置のアニメーション表示部42がクラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11を1枚の静止画に要約表示した表示例を示す図である。この時、クラスタリング部3のクラスタリング結果に基づいて、人数が多いクラスのみを抽出して可視化データに変換し、そのクラスの乗降者の移動について乗車階から降車階へ伸びる矢印で表示する。ここで例えば、図8に示すように表示画面上において、矢印の太さがクラスの移動人数合計を表し、矢印の色をクラス毎に色分けして表すようにしてもよい。
【0039】
このように、アニメーション表示部42は、ビル情報13に含まれるビル設備を示す2次元断面図もしくは3次元モデルとクラスタリング部3でクラスタリングされた乗降者情報11と運行情報12を用いて可視化データに変換し表示することで、ビル設備の位置関係を把握しながら、乗降者情報11や運行情報12を把握できる利点がある。またアニメーションと映像を連動することで、より実態に即した分析が可能である。例えば、乗降者の待ち時間が異常に長かった場合や、乗降装置のドアが長く開いたままであった場合、その状態を撮影した映像で確認することで、原因を把握することができる。
【0040】
次にFromToマトリックス表示部43の動作について述べる。
図9は、この発明の乗降履歴情報の可視化装置のFromToマトリックス表示部43の表示例を示す図である。FromToマトリックス表示部43は、クラスタリング部3でクラスタリングした乗降者情報11を用いて可視化データに変換し、横軸に降車階、縦軸に乗車階を表示し、該当時間帯と、単位時間当たりの移動人数合計をアイコンの大きさと数値で表示したものであり、人数が多いほどアイコンのサイズを大きくする。また、クラスタリング部3で乗降者情報11をクラスタリングしたクラス毎にアイコンを色分けする。図9の例では10時20分から10時30分までの10分間におけるFromToマトリックスを示している。
【0041】
FromToマトリックス表示部43は、ユーザが表示画面上の各アイコンをマウスクリックや、タッチパネルの操作などの動作で選択した場合、その時間帯や階床に関連する撮影や、ヒストグラム表示部41によるヒストグラムや、アニメーション表示部42によるアニメーションをポップアップで表示してもよい。
【0042】
このように、FromToマトリックス表示部43は、クラス別に色分けされたFromToマトリックスの表示をすることで、待ち時間を増加させた原因である階床の特定が可能である。
【0043】
本実施の形態により、乗降履歴情報を見やすく可視化することで,乗降装置の運行状況や不具合箇所を容易に把握することができ,乗降装置の運行効率化や保守作業を円滑に実施することができる。
例えば、新しくビル内のテナントを入れ替えるときに、乗降装置の待ち時間を増大させているテナントを特定し、このテナントを乗降装置の利用が必要のない1階に移設する等して乗降装置の運用効率を上げる、などの乗降装置設営のコンサルティング業務に利用できる。また、新規乗降装置のリプレース工事前と工事後で、運行状況を比較表示することで、乗降装置改修の効果を視覚的に把握することができる。
【0044】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 乗降履歴データベース、2 データ取得部、3 クラスタリング部、4 可視化部、10 乗降履歴情報、11 乗降者情報、12 運行情報、13 ビル情報、41 ヒストグラム表示部、42 アニメーション表示部、43 FromToマトリックス表示部、51 フロアにおける待ち人数アイコン、52 階床表示アイコン、53 乗り場呼びアイコン、54 乗降装置位置と乗降装置内人数アイコン、55 割当(UP)点灯アイコン、56 割当(DOWN)点灯アイコン、57 停止しない階を塗りつぶすアイコン、58 号機番号の表示アイコン、59 乗降装置呼び点灯アイコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗降装置を利用する乗降者の移動に関する乗降者情報と前記乗降装置の運行に関する運行情報と前記乗降装置が設置されたビルに関するビル情報とを含む乗降履歴情報を蓄積する乗降履歴データベースと、
前記乗降履歴データベースに蓄積されている乗降履歴情報を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる乗降者情報をクラスタリングするクラスタリング部と、
前記クラスタリング部によりクラスタリングされた乗降者情報と、必要に応じて前記データ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる運行情報、ビル情報とを用いて可視化データに変換して表示する可視化部と
を備えたことを特徴とする乗降履歴情報の可視化装置。
【請求項2】
前記可視化部は、前記クラスタリング部によりクラスタリングされた乗降者情報を用いて各クラスについて乗降者人数に関するヒストグラムを作成して表示するヒストグラム表示部を備えたことを特徴とする請求項1記載の乗降履歴情報の可視化装置。
【請求項3】
前記可視化部は、前記クラスタリング部によりクラスタリングされた乗降者情報と、前記データ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる運行情報、ビル情報とを用いて、ビル設備を示す2次元断面図又は3次元モデル上に、乗降装置、乗降装置乗り場及びクラス毎に乗降者を示すアイコンを有するアニメーションを表示するアニメーション表示部を備えることを特徴とする請求項1記載の乗降履歴情報の可視化装置。
【請求項4】
前記乗降履歴データベースには乗降装置内と乗降装置乗り場の映像データが蓄積され、
前記アニメーション表示部により表示されている乗降装置又は乗降装置乗り場を示すアンコンが選択された場合に、前記アニメーション表示部は前記乗降履歴データベースに蓄積されている乗降装置内又は乗降装置乗り場の映像データに含まれる乗降者をクラス毎に表示する
ことを特徴とする請求項3記載の乗降履歴情報の可視化装置。
【請求項5】
前記可視化部は、前記クラスタリング部によりクラスタリングされた乗降者情報と、前記データ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる運行情報、ビル情報とを用いて、ビル設備を示す2次元断面図又は3次元モデル上に、クラス毎に乗降者の移動に関する情報を静止画で表示するアニメーション表示部を備えることを特徴とする請求項1記載の乗降履歴情報の可視化装置。
【請求項6】
前記可視化部は、前記クラスタリング部によりクラスタリングされた乗降者情報を用いて、乗車階と降車階における乗降者人数を各クラスについてマトリクス状に表示するFromToマトリックス表示部を備えることを特徴とする請求項1記載の乗降履歴情報の可視化装置。
【請求項7】
乗降装置を利用する乗降者の移動に関する情報を分析するためのコンピュータを、
乗降履歴データベースに蓄積されている乗降装置を利用する乗降者の移動に関する乗降者情報と前記乗降装置の運行に関する運行情報と前記乗降装置が設置されたビルに関するビル情報とを含む乗降履歴情報を取得するデータ取得部、
前記データ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる乗降者情報をクラスタリングするクラスタリング部、
前記クラスタリング部によりクラスタリングされた乗降者情報と、必要に応じて前記データ取得部により取得された乗降履歴情報に含まれる運行情報、ビル情報とを用いて可視化データに変換して表示する可視化部、
として機能させるための乗降履歴情報の可視化プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−246115(P2012−246115A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120543(P2011−120543)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】