乱丁検査機のモニター装置およびその制御方法
【課題】丁合駒ごとの乱丁検査装置の液晶表示装置のバックライトを消灯した場合でも、検査結果を容易に視認できるモニター装置。
【解決手段】乱丁検査機20におけるモニター装置22であって、バックライトを備えた液晶表示部22aと、バックライトを点灯および消灯するスイッチ部22dと、乱丁検査機20に操作情報を入力するための入力部22bと、入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子22cと、乱丁検査機の検査結果を表示するように発光素子を点灯制御する発光素子制御部とを有しており、乱丁検査中にバックライトが消灯されているときは、乱丁検査結果を表示するように発光素子を点滅制御する。
【解決手段】乱丁検査機20におけるモニター装置22であって、バックライトを備えた液晶表示部22aと、バックライトを点灯および消灯するスイッチ部22dと、乱丁検査機20に操作情報を入力するための入力部22bと、入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子22cと、乱丁検査機の検査結果を表示するように発光素子を点灯制御する発光素子制御部とを有しており、乱丁検査中にバックライトが消灯されているときは、乱丁検査結果を表示するように発光素子を点滅制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は,製本機等に使用される乱丁検査機のモニター装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製本中での乱丁、落丁等を検査する乱丁検査機には、モニターとして液晶表示装置が用いられている。
このような液晶表示装置では、液晶部を視認するためのバックライトが液晶部の背後に配置されており、このバックライトで液晶表示装置の消費電力の70〜80%が消費されている。
【0003】
そこで、製本装置の省資源化やコストダウンのために、装置稼働中には該バックライトを消灯するように制御することが提案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−202844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、省エネルギーのためバックライトを消灯するとともに、印刷装置の異常を報知するために該バックライトを点滅させることが記載されている。
しかしながら、バックライトの点滅は、バックライトの点灯制御装置に頻繁に起動を掛けることであるから、該点灯制御装置に過度の負担を掛けてしまうこととなるし、点滅表示だけでは印刷装置がどのような状態にあるかを表示するには十分でない。
また、単に異常時のみの報知とすると、丁合装置がどのような状態にあるかを認識させるには十分でないし、状態を認識させようとすると頻繁に点滅させる必要があるから、消費電力の節約にならない。
このため、乱丁検査装置におけるモニター装置において、液晶表示部のバックライトを消灯しても、表示装置として所要の機能を有するモニター装置およびその制御方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明は、乱丁検査機におけるモニター装置であって、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するように点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置とした。
【0007】
このように構成したことにより、乱丁検査機が稼働中にバックライトが消灯されるのでエネルギー効率が良いと共に、乱丁検査機の検査結果が、リアルタイムで発光素子の点灯状態により表示されるので、製本装置の作業者が、モニター装置の遠方からでも乱丁検査状態を認識しつつ作業することができ、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定変更を見過ごしたりすることがない。
【0008】
また本発明は、前記スイッチ部は、前記入力部からの信号が一定時間出力されない場合に前記バックライトを消灯するように動作することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置とした。
【0009】
このように構成したことにより、さらに、作業者がバックライトを消灯する作業をしないことによる無駄の発生を事前に防止することができる。
【0010】
また本発明は、前記複数の入力部にそれぞれ配置された前記発光素子を順に点滅制御することにより検査結果を表示することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置とした。
【0011】
このように構成したことにより、上記に加えて、乱丁検査機の検査結果が複数の発光素子が順に点滅することで表示されることにより、作業者による検査状態の認識が確実に行われるので、作業者が、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定変更を見過ごしたりすることがない。
【0012】
また本発明は、乱丁検査機におけるモニター装置の制御方法であって、前記モニター装置は、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するよう点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする前記モニター装置の制御方法とした。
【0013】
このように構成したことにより、乱丁検査機が稼働中にバックライトが消灯されるのでエネルギー効率が良いと共に、乱丁検査機の検査結果が、リアルタイムで発光素子の点灯状態により表示されるので、製本装置の作業者が、モニター装置の遠方からでも丁合状態を認識しつつ作業することができ、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定を変更すべき事態を見過ごしたりすることがない。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、このように構成したことにより、乱丁検査機が稼働中にバックライトが消灯されるので消費電力が少なくて済むとともに、乱丁検査機の重要な検査結果が入力装置の発光素子によりリアルタイムで表示されるので、製本装置の作業者が、モニター装置の遠方からでも乱丁検査状態を認識しつつ作業することができ、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定を変更すべき事態を見過ごしたりして、気づかずに丁合不良品を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における乱丁検査機と丁合装置との配置図。
【図2】本発明におけるモニター装置の構成図。
【図3】本発明における丁合動作とバックライト消灯とのタイミングの説明図。
【図4】本発明における乱丁検査機の制御ブロック図。
【図5】本発明における乱丁検査機の制御フロー図。
【図6】本発明における発光素子による検査状態の表示例。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本件発明の実施の形態例を、丁合装置での乱丁検査機に応用した例を用いて、以下に説明する。
丁合装置10は、図1に示すように、それぞれに折丁収納手段11を有した複数の丁合駒装置10−1〜nを有しており、また、水平方向に延びた回転軸13、当該回転軸13を回転駆動する駆動部16、折り丁収納手段11を支持する折り丁載台12、各折り丁収納手段11に対応して当該回転軸13に配設された複数のドラム14、搬送ライン17(ギャザリングチェーン)及び該搬送ライン状に設けられた鞍(図示せず)、等から構成されている。回転軸13が回転駆動されると、各丁合駒10−1〜nの折り丁載台12に載置された折り丁が、ドラム14の爪(図示せず)にて1部ずつ引き出されて搬送ライン17の鞍上に落下する。
落下した折り丁は、搬送されるに従い各丁合駒から順に上積みされて、丁合装置10終端において当該複数の折り丁全てがページ順に積層された丁合束が形成される。
ここで、多数のページ数を丁合するための横型の丁合装置の場合は、そのページ数分の丁合駒が床に沿って連接されるので、装置の長さは非常に長くなる。
【0017】
本発明の乱丁検査機(乱丁検査装置)20は、図1に示すように、丁合駒毎に配置された駒乱丁検査部20−1〜nと、該駒乱丁検査部20−1〜nとネットワーク(I/O)を介して接続されたライン制御ユニット30と、該ネットワーク(I/O)を介さない乱丁検査情報管理装置40とから構成されている。
したがって、多数のページ数を丁合するための横型の丁合装置に適用される乱丁検査機の場合、つまり上記nが大きな数値となる場合には、その丁合装置と同様に、機長は非常に長くなる。
【0018】
このうち、各駒乱丁検査部20−nは、図4に示すように、折丁を撮像する撮像手段21と、該撮像手段21からの撮像画像と、予め登録しておいた正規の標準画像データとを対比して乱丁を検出する画像処理部21aと、折丁の撮像画像や画像処理部21aからの乱丁検査情報を表示するためのLCD(液晶表示装置)22aと、該LCD22aのバックライトの電源をON−OFFするバックライトスイッチ22dと、各丁合駒装置10−1〜nにおけるQ値等を設定したり、乱丁が連続して何枚発生したら丁合装置を停止するか等を当該駒乱丁検査部20−1〜nに設定したりするための入力設定手段22bと、該入力設定手段22bにそれぞれ配置されて、該入力設定手段22bの操作状況を表示するLED表示器(発光素子)22cと、検査情報を記憶する検査情報記憶手段22eと、当該丁合駒装置10−1〜nや当該駒乱丁検査部20−1〜nの機器情報(例えば、ID情報)を記憶する機器情報記憶手段22fと、それら各手段22a〜fおよび当該丁合駒装置を制御すると共に、乱丁検査機20全体を制御するライン制御ユニット30との間でネットワーク(I/O)を介して制御信号や乱丁検査情報を入出力する駒制御手段22kと、を有している。
そして、この駒制御手段22kには、LED表示器(発光素子)22cの点滅制御をするLED点滅制御手段22k’と、バックライトスイッチ22dをON−OFF制御するバックライトスイッチ制御手段22k’’(図示せず)が設けられている。
【0019】
そして、これらLCD(液晶表示装置)22a、入力設定手段22b、LED表示器(発光素子)22c、バックライトスイッチ22d、検査情報記憶手段22e、機器情報記憶手段22f、駒制御手段22k、LED点滅制御手段22k’、バックライトスイッチ制御手段22k’’は、筐体に収納されて、図2に示すようなモニター装置22を構成している。
したがって、該モニター装置22は各丁合駒毎に配置されることとなり、特に、頁数の多い横型の丁合機・製本機に適用する場合には、モニター装置22もその長い全長に亘り配置されることとなる。
そのため、丁合作業者は、長い距離に亘って配置されたこれらモニター装置22を観察操作しながら、丁合作業を進めることとなる。
【0020】
このモニター装置22の外観について説明する。
図2に示すように、モニター装置22の筐体上部には、当該丁合駒装置が強制停止されるなどの丁合駒装置に緊急状態が発生したことを報知するパトライト22gが配置され、該筐体正面には、LCD(液晶表示装置)22aとともに操作パネルが配置されている。そして、該操作パネルには、各種の入力設定手段22b、該入力設定手段に対応したLED表示器(発光素子)22c、およびバックライトスイッチ22dが配置されている。
該バックライトスイッチ22dによって、LCD(液晶表示装置)22aの背後に配置されたバックライト(図示せず)が、液晶表示の駆動とは関係なくON―OFFされるように構成されている。
また、LCD(液晶表示装置)22aには、撮像手段からの折丁画像や予め入力された標準画像等が表示される画像表示領域と、その表示部の一部(図2では、画面の右側)に、設定情報や検査情報を表示する検査情報表示領域22a’が設けられている。
さらに、操作パネルに配置された入力設定手段22bの内、検査モードを設定するための入力設定手段22b’は、6個の検査モード設定スイッチから構成されており、それぞれにLED表示器(発光素子)22cが配置されている。
このLED表示器(発光素子)22cは、図2の右側の拡大図に示すように、上下段にそれぞれ3個の発光素子22c−1a〜c、22c−2a〜cが配置され、入力設定手段22b’の操作に同期して(より具体的には、入力設定手段22b’を構成するスイッチの押圧に同期して)、所定の短時間点灯するように構成されている。したがって、当該入力設定手段22b’の操作に伴って対応する発光素子22c−1a〜c、22c−2a〜cが点灯することにより、当該入力設定手段22b’の操作を確認することができる。
【0021】
つぎに、ライン制御ユニット30は、複数の駒乱丁検査部20−1〜nにネットワーク(I/O)を介して接続し、1台であるいは最小限の台数で乱丁検査装置20の制御をするものである。
該ライン制御ユニット30は、図4に示すように、各丁合駒に共通する標準時刻を供給する標準時刻供給手段30b(タイムサーバ30b−1及び電波時計30b−2)、各丁合駒装置10−1〜n毎の駒制御手段22kへ各種設定情報を入力する入力操作手段30d、該入力操作手段30dによる入力操作や各乱丁検査装置20の稼働状態等を表示する表示手段30c、各駒乱丁検査部20−1〜nからの検査情報を集計し分析するエラー集計・分析手段30e、該エラー集計・分析手段30eによって集計・分析された丁合管理情報を記憶し、オフラインに持ち出すことができる携帯型メモリ30f、およびスターター15からのスタート信号31、エンコーダー32からのパルス信号及び入力操作手段30dからの入力信号等を受けてライン制御ユニット30を制御するメイン制御手段30aを有している。
さらに、該メイン制御手段30aは、丁合駒装置10―1〜nに乱丁エラーが発生して対応する駒乱丁検査部20−1〜nからエラーの乱丁検査情報(乱丁発生情報)が入力された場合に、丁合装置10全体を自動停止したり、入力操作手段30dによる設定情報に基づき、駒乱丁検査部20−1〜nに対し設定情報を出力したり、或いは丁合装置10におけるストップスイッチを操作者が操作した場合に丁合装置全体を強制停止したりする機能を備えている。
【0022】
つぎに、乱丁検査情報管理装置40は、図1および図4に示すように、前記駒乱丁検査部20―1〜nおよびライン制御ユニット30とはオフラインに設けられている。
該乱丁検査情報管理装置40は、駒乱丁検査部20―1〜nに設けられる携帯型メモリ(図示せず)やライン制御ユニット30に設けられる携帯型メモリ30fに記憶されている各種の丁合管理情報を読み込んで、それらのデータを分析、保存する機能と、それらを適宜読み出して表示することができる機能を有している。
【0023】
以上のように構成された、本発明の乱丁検査機20の動作について、以下説明する。
丁合装置10の各丁合駒装置10―1〜nでの折丁は、それぞれに対応する駒乱丁検査部20−1〜nの撮像手段21により撮像され、その撮像画像は画像処理部21aで画像処理されて、予め記憶しておいた標準画像と対比され、乱丁と判断された場合には、その検査情報は、機器情報記憶手段22fに記憶されている機器情報が付加された上で、駒制御手段22kを経て、検査情報記憶手段22eに記憶されると共にライン制御ユニット30に出力される。
メイン制御手段30aは、その検査情報および機器情報に基づいて、丁合装置10に対する制御信号を出力する。例えば、乱丁状態が当該駒乱丁検査部20−1〜nに設定されている許容設定を越えて発生している場合には、ネットワーク(I/O)を介して、丁合装置10全体を停止する制御信号が出力される。
また、それら検査情報および機器情報は、エラー集計・分析手段30eによってエラー状況を分析されて、その分析結果は携帯型メモリ30fに保存記憶される。
この携帯型メモリ30fに記憶された分析結果は、ネットワーク(I/O)を介さずにオフラインで設けられている乱丁検査情報管理装置40によって、更に詳細に分析される。
【0024】
ここで、図1および図4に示すように、スターター15は、ドラム14の一回転毎にスタート信号31を発生させるものであり、駒制御手段22kにおいて、メイン制御手段30aを通して供給される該スタート信号31をカウントアップすることにより、乱丁が発生した場合の駒乱丁検査部20−1〜nにおける当該折り丁の特定が可能となる。
また、エンコーダー32はドラム14の回転に同期してパルス信号を発生するものであり、該パルス信号により、折り丁収納手段11に対するドラム14上に設けられた爪の基準位置(回転角度位置)が設定される。
【0025】
そして、図3に示すように、スタート信号31が発生されるタイミングでパルスカウントが開始され、所定のカウントウェイト期間Aを経たところで、折丁1に対して照明用LED(図示せず)を50ms点灯して折丁画像を撮像し、所定のタイミングで、その折丁1の撮像画像を画像処理部21aに取り込み、基準画像との乱丁判定を行う(期間B)。
その判定結果は、駒制御手段22kに出力されて、検査情報記憶手段22eに記憶される(期間C)。
ここで、折丁1の検査結果は、LCD(液晶表示装置)22aの表示画面の右側の検査情報表示領域22a’にデータ表示される。
次の折丁2についても、折丁1と同一のタイミングでの乱丁検査が行われ、その検査結果が、同様に、該LED表示器(発光素子)22c―1aを用いて表示される。
【0026】
ここで、駒制御手段22kは、内蔵するバックライトタイマーによって操作パネル上の入力設定手段22bがいずれも所定時間(例えば1分間)操作されないことを検知した場合には、バックライトスイッチ22dにバックライト消灯信号を出力する。これにより、バックライトスイッチ22dは強制的にOFF制御される。
一方、バックライトが消灯している場合には、操作パネル上のいずれかの入力設定手段22bが操作されると、あるいは丁合エラーが発生して丁合装置10が停止すると、丁合エラーが発生した丁合駒のモニター装置22における駒制御手段22kはバックライトスイッチ22dにバックライト点灯信号を出力し、当該モニター装置22におけるバックライトスイッチ22dは強制的にON復帰するように構成されている。このように入力設定手段22bが操作される場合には、1回目のボタン操作でバックライトが点灯し、2回目以降のボタン操作で入力が可能とされる。
【0027】
このようにバックライトが消灯した場合には、当然ながら、モニター装置22の検査情報表示領域22a’における検査結果の表示も、作業者には観測できなくなる。
そこで本発明では、この検査結果の表示を、操作パネル上の入力設定手段22bのうちの検査モード設定手段22b’に対応して配置された6個のLED表示器(発光素子)22c―1a〜c、22c−2a〜c(図2)を用いた点滅表示によって行う。
【0028】
ここで、折丁画像情報と標準画像情報とを対比した際の一致率が、90%を越える場合(図6において、<<A>>で示す。正常に丁合されたと判断される状態。)には、これら上下2段に配置された6個の発光素子22c―1a〜c、22c−2a〜cが、矢印で示すように、右上から左下に向かって点灯状態が流れるように点滅制御される。なお、○表示が点灯状態を、●表示が消灯状態を示す。
また、一致率が80〜89%の場合(図6において、<<B>>で示す。丁合状態は設定された許容範囲にあるが、注意すべき状態。)には、6個の発光素子22c―1a〜c、22c−2a〜cが、矢印で示すように、左上から右下に向かって点灯状態が流れるように点滅制御される。
さらに、一致率が79%以下の場合(図6において、<<C>>で示す。丁合が正常でなかった状態。)には、6個の発光素子22c―1a〜c、22c−2a〜cが、矢印で示すように、左下から右上に向かって点灯状態が流れるように点滅制御される。
この際、発光素子の点灯時間がそれぞれ40msになるように制御され、順次その時間間隔で次の発光素子が点灯するよう制御される。このようなサイクリックな点滅制御が、LED点滅制御手段22k’により行われる。
1枚の折丁の検査が終了し、次の折丁検査のためのスタート信号31がLED点滅制御手段22k’に入力されると、前記したサイクリックな点滅制御がリセットされ、次の折丁の検査結果がLED点滅制御手段22k’に入力するまで、初期表示位置(全発光素子が消灯される位置、あるいは、22c−1aのみが点灯する位置)で待機する。
【0029】
次に、このように構成された丁合検査機20の制御フローについて、図5を用いて説明する。
操作パネル上の入力設定手段22bの操作(S1)がされない場合には、駒制御手段22kのバックライトタイマーが更新される(S2)。
ここで、スターター15からの信号が入力されると(S3)、図3に示すように、画像取込処理と画像比較処理が行われ(S4)、一致率判定処理が行われる(S5)。
この判定結果を、当該丁合駒装置10―1〜nの駒乱丁検査部20―1〜nに設定された許容値、例えば許容される連続エラー枚数や一致率の大きさ等と対比し(S6)、その許容範囲からはずれている場合(S6、N)には、アラーム音を発生させるなどのエラー処理を行う(S10)。このエラー処理に続き、バックライトの点灯(S11)と、パトライト22gの点灯や「ランクC」での発光素子の点滅表示が行われる(S12)。このような状態となった場合には、丁合作業者は、エラー表示をされた丁合駒装置を特定して、そのエラー解除処理(S14)を行う。
一致率判定処理(S5)において、当該駒乱丁検査部20―1〜nに設定された乱丁許容値の範囲内にある場合(S6、Y)には、バックライトが点灯していれば(S7、Y)LCD表示部22aの検査情報表示領域22a’に検査結果をデータ表示する(S9)。バックライトが点灯していない場合には、発光素子22cを点滅制御して一致率のランク別表示(「ランクA」または「ランクB」)を行う(S8)。この場合には、エラー解除の必要がないので(S13、N)、エラー解除作業をすることなく、次の折丁に対する検査が継続される。
【0030】
S1で操作パネル上の入力設定手段22bの操作がされると、その時点でバックライトタイマーがリセットされ(S21)、バックライトが消灯されている場合(S22、OFF)には、バックライトを点灯し(S24)、その時点でバックライトタイマーがスタートされる。バックライトが点灯している場合には(S22、ON)、入力設定手段22bの操作内容か否かが判断されて(S23)、その操作に基づき当該駒乱丁検査部における設定変更処理や履歴表示処理等が行われ(S25)、その時点でバックライトタイマーがセットされる(S26)。
【0031】
本発明は、上記のように構成されることにより、バックライト消灯時には、イルミネーション的に設定モードのLEDを点滅させて、バックライト消灯時の検査状態を視認し易くすることができるので、モニター装置22の消費電力を小さくすることが可能となると共に、誤操作(エラーレベルや検査モードの設定ミス)又は、設定変更操作及び履歴表示操作による検査中断状態、機械調整不備(スタータセンサのズレ)等による未検査状態となった場合には、それを丁合装置10の操作者に確実に認識させることができるので、製本作業が継続され、折丁の乗せ間違え等により、本来エラーとして検出される事象があっても未検査状態となっていることに気付かずに不良品を良品として扱うような事態を確実に回避することができる。
また、スターター信号に同期して、所定のタイミングで点滅制御を行う為、検査が更新されていることが分かる。
また、検査結果を示す一致率にランクを設け、リアルタイムで一致の度合いを報知する為、ズレやブレ、明るさの変化等で一致率が変動している(検査中である)ことを容易に把握出来る。
さらに、専用の表示器を設けることなく、設定操作及び設定モードを表示するLED表示器を利用して乱丁検査結果を作業者に視認させることができるし、LED表示素子の消費電力はバックライトを点滅する場合の消費電力に比し無視できるほど小さいので、モニター装置をコンパクトかつ安価に構成することができる。
【0032】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想の範囲で様々な変形が可能である。変形例としては、例えば以下のものがある。
(1)上述した実施形態では、バックライトスイッチ22dのバックライトタイマーによって、操作パネル上の入力設定手段22bが所定時間(例えば1分間)操作されない場合に、バックライト消灯信号を出力することによりバックライトスイッチを強制的にOFF制御する、いわゆる自動モードを有しているが、図2に示すように、バックライトスイッチ22dをモニター装置22の操作パネル上に設けることにより、作業者がバックライトのON−OFFを任意に行うことができるように、いわゆる手動モードを付加することもできる。このように構成した場合でも、操作パネル上の入力設定手段22bの操作により、あるいは丁合エラーの発生により、自動的にON復帰するように構成される。
【0033】
(2)上記の実施形態例では、モニター装置22の操作パネル上に設けられる入力設定手段22bのうち、検査モード設定手段22b’に配置された発光素子を、乱丁検査機の検査結果を反映するよう点滅制御される発光素子として用いたが、この検査モード設定手段22b’に配置された発光素子に限らず、他の入力設定手段22bに配置された発光素子22cを用いることもできる。
【0034】
(3)上記の実施形態例では、発光素子の点滅制御により乱丁検査結果を報知したが、発光素子の輝度変化や、発光素子が発色変化を伴うように制御することによって検査結果を表示するように構成することもできる。また、これらの組み合わせによって表示するように構成することもできる。
例えば、上記と同様に、一致率Aの場合には、発光素子を緑色点灯、一致率Bの場合には橙色点灯、一致率Cの場合には赤色点灯とし、更にエラー状態が発生した場合には点滅間隔の短い点滅表示とするなどによって、検査結果を丁合作業者に認識させることができる。
【0035】
(4)上記の実施形態例では、バックライトが点灯している際の検査結果の表示を、LCD表示部22aの検査情報表示領域22a’において行ったが、この検査情報表示領域22a’における表示とともに、入力設定手段22bに対応して配置されたLED表示器(発光素子)22c(本実施の形態例では、図6に示すように、検査モード設定手段22b’に配置されたLED表示器(発光素子)22c―1a)を点滅制御することにより表示しても良い。その場合、図6に示すように、通常の検査中では、該LED表示器(発光素子)22cが点滅制御されるのに対し、丁合エラーが発生した場合には、それが早い点滅に切り替えられるように表示する。
このように、LED表示器(発光素子)22cを用いる表示を併せて行うことにより、丁合作業者が当該モニター装置22dから距離的に離れていても、輝度が比較的高いLED表示器(発光素子)22cによる点滅を観測することができるので、丁合結果の認識が一定程度可能となり、好ましい。
【0036】
(5)上記の実施形態例では、丁合状態の表示を3段階(A〜C)によって行ったが、この区分数は、適宜設定することができる。また、その際の各区分における一致率の範囲の設定も、適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 丁合装置
10−1〜n 丁合駒装置
15 スターター
20 乱丁検査装置(丁合検査機)
20−1〜n 駒乱丁検査部
21 撮像手段(撮像装置)
21a 画像処理部(丁合画像処理部)
22 モニター装置
22a LCD表示部
22a’検査情報表示領域
22b 入力設定手段
22c LED表示器(発光素子)
22d バックライトスイッチ
22k 駒制御手段
22k’LED点滅制御手段
30 ライン制御ユニット
30aメイン制御手段
31 スタート信号
32 エンコーダ
【技術分野】
【0001】
本願発明は,製本機等に使用される乱丁検査機のモニター装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製本中での乱丁、落丁等を検査する乱丁検査機には、モニターとして液晶表示装置が用いられている。
このような液晶表示装置では、液晶部を視認するためのバックライトが液晶部の背後に配置されており、このバックライトで液晶表示装置の消費電力の70〜80%が消費されている。
【0003】
そこで、製本装置の省資源化やコストダウンのために、装置稼働中には該バックライトを消灯するように制御することが提案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−202844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、省エネルギーのためバックライトを消灯するとともに、印刷装置の異常を報知するために該バックライトを点滅させることが記載されている。
しかしながら、バックライトの点滅は、バックライトの点灯制御装置に頻繁に起動を掛けることであるから、該点灯制御装置に過度の負担を掛けてしまうこととなるし、点滅表示だけでは印刷装置がどのような状態にあるかを表示するには十分でない。
また、単に異常時のみの報知とすると、丁合装置がどのような状態にあるかを認識させるには十分でないし、状態を認識させようとすると頻繁に点滅させる必要があるから、消費電力の節約にならない。
このため、乱丁検査装置におけるモニター装置において、液晶表示部のバックライトを消灯しても、表示装置として所要の機能を有するモニター装置およびその制御方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明は、乱丁検査機におけるモニター装置であって、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するように点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置とした。
【0007】
このように構成したことにより、乱丁検査機が稼働中にバックライトが消灯されるのでエネルギー効率が良いと共に、乱丁検査機の検査結果が、リアルタイムで発光素子の点灯状態により表示されるので、製本装置の作業者が、モニター装置の遠方からでも乱丁検査状態を認識しつつ作業することができ、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定変更を見過ごしたりすることがない。
【0008】
また本発明は、前記スイッチ部は、前記入力部からの信号が一定時間出力されない場合に前記バックライトを消灯するように動作することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置とした。
【0009】
このように構成したことにより、さらに、作業者がバックライトを消灯する作業をしないことによる無駄の発生を事前に防止することができる。
【0010】
また本発明は、前記複数の入力部にそれぞれ配置された前記発光素子を順に点滅制御することにより検査結果を表示することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置とした。
【0011】
このように構成したことにより、上記に加えて、乱丁検査機の検査結果が複数の発光素子が順に点滅することで表示されることにより、作業者による検査状態の認識が確実に行われるので、作業者が、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定変更を見過ごしたりすることがない。
【0012】
また本発明は、乱丁検査機におけるモニター装置の制御方法であって、前記モニター装置は、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するよう点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする前記モニター装置の制御方法とした。
【0013】
このように構成したことにより、乱丁検査機が稼働中にバックライトが消灯されるのでエネルギー効率が良いと共に、乱丁検査機の検査結果が、リアルタイムで発光素子の点灯状態により表示されるので、製本装置の作業者が、モニター装置の遠方からでも丁合状態を認識しつつ作業することができ、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定を変更すべき事態を見過ごしたりすることがない。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、このように構成したことにより、乱丁検査機が稼働中にバックライトが消灯されるので消費電力が少なくて済むとともに、乱丁検査機の重要な検査結果が入力装置の発光素子によりリアルタイムで表示されるので、製本装置の作業者が、モニター装置の遠方からでも乱丁検査状態を認識しつつ作業することができ、丁合エラーを見過ごしたり、丁合装置の設定を変更すべき事態を見過ごしたりして、気づかずに丁合不良品を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における乱丁検査機と丁合装置との配置図。
【図2】本発明におけるモニター装置の構成図。
【図3】本発明における丁合動作とバックライト消灯とのタイミングの説明図。
【図4】本発明における乱丁検査機の制御ブロック図。
【図5】本発明における乱丁検査機の制御フロー図。
【図6】本発明における発光素子による検査状態の表示例。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本件発明の実施の形態例を、丁合装置での乱丁検査機に応用した例を用いて、以下に説明する。
丁合装置10は、図1に示すように、それぞれに折丁収納手段11を有した複数の丁合駒装置10−1〜nを有しており、また、水平方向に延びた回転軸13、当該回転軸13を回転駆動する駆動部16、折り丁収納手段11を支持する折り丁載台12、各折り丁収納手段11に対応して当該回転軸13に配設された複数のドラム14、搬送ライン17(ギャザリングチェーン)及び該搬送ライン状に設けられた鞍(図示せず)、等から構成されている。回転軸13が回転駆動されると、各丁合駒10−1〜nの折り丁載台12に載置された折り丁が、ドラム14の爪(図示せず)にて1部ずつ引き出されて搬送ライン17の鞍上に落下する。
落下した折り丁は、搬送されるに従い各丁合駒から順に上積みされて、丁合装置10終端において当該複数の折り丁全てがページ順に積層された丁合束が形成される。
ここで、多数のページ数を丁合するための横型の丁合装置の場合は、そのページ数分の丁合駒が床に沿って連接されるので、装置の長さは非常に長くなる。
【0017】
本発明の乱丁検査機(乱丁検査装置)20は、図1に示すように、丁合駒毎に配置された駒乱丁検査部20−1〜nと、該駒乱丁検査部20−1〜nとネットワーク(I/O)を介して接続されたライン制御ユニット30と、該ネットワーク(I/O)を介さない乱丁検査情報管理装置40とから構成されている。
したがって、多数のページ数を丁合するための横型の丁合装置に適用される乱丁検査機の場合、つまり上記nが大きな数値となる場合には、その丁合装置と同様に、機長は非常に長くなる。
【0018】
このうち、各駒乱丁検査部20−nは、図4に示すように、折丁を撮像する撮像手段21と、該撮像手段21からの撮像画像と、予め登録しておいた正規の標準画像データとを対比して乱丁を検出する画像処理部21aと、折丁の撮像画像や画像処理部21aからの乱丁検査情報を表示するためのLCD(液晶表示装置)22aと、該LCD22aのバックライトの電源をON−OFFするバックライトスイッチ22dと、各丁合駒装置10−1〜nにおけるQ値等を設定したり、乱丁が連続して何枚発生したら丁合装置を停止するか等を当該駒乱丁検査部20−1〜nに設定したりするための入力設定手段22bと、該入力設定手段22bにそれぞれ配置されて、該入力設定手段22bの操作状況を表示するLED表示器(発光素子)22cと、検査情報を記憶する検査情報記憶手段22eと、当該丁合駒装置10−1〜nや当該駒乱丁検査部20−1〜nの機器情報(例えば、ID情報)を記憶する機器情報記憶手段22fと、それら各手段22a〜fおよび当該丁合駒装置を制御すると共に、乱丁検査機20全体を制御するライン制御ユニット30との間でネットワーク(I/O)を介して制御信号や乱丁検査情報を入出力する駒制御手段22kと、を有している。
そして、この駒制御手段22kには、LED表示器(発光素子)22cの点滅制御をするLED点滅制御手段22k’と、バックライトスイッチ22dをON−OFF制御するバックライトスイッチ制御手段22k’’(図示せず)が設けられている。
【0019】
そして、これらLCD(液晶表示装置)22a、入力設定手段22b、LED表示器(発光素子)22c、バックライトスイッチ22d、検査情報記憶手段22e、機器情報記憶手段22f、駒制御手段22k、LED点滅制御手段22k’、バックライトスイッチ制御手段22k’’は、筐体に収納されて、図2に示すようなモニター装置22を構成している。
したがって、該モニター装置22は各丁合駒毎に配置されることとなり、特に、頁数の多い横型の丁合機・製本機に適用する場合には、モニター装置22もその長い全長に亘り配置されることとなる。
そのため、丁合作業者は、長い距離に亘って配置されたこれらモニター装置22を観察操作しながら、丁合作業を進めることとなる。
【0020】
このモニター装置22の外観について説明する。
図2に示すように、モニター装置22の筐体上部には、当該丁合駒装置が強制停止されるなどの丁合駒装置に緊急状態が発生したことを報知するパトライト22gが配置され、該筐体正面には、LCD(液晶表示装置)22aとともに操作パネルが配置されている。そして、該操作パネルには、各種の入力設定手段22b、該入力設定手段に対応したLED表示器(発光素子)22c、およびバックライトスイッチ22dが配置されている。
該バックライトスイッチ22dによって、LCD(液晶表示装置)22aの背後に配置されたバックライト(図示せず)が、液晶表示の駆動とは関係なくON―OFFされるように構成されている。
また、LCD(液晶表示装置)22aには、撮像手段からの折丁画像や予め入力された標準画像等が表示される画像表示領域と、その表示部の一部(図2では、画面の右側)に、設定情報や検査情報を表示する検査情報表示領域22a’が設けられている。
さらに、操作パネルに配置された入力設定手段22bの内、検査モードを設定するための入力設定手段22b’は、6個の検査モード設定スイッチから構成されており、それぞれにLED表示器(発光素子)22cが配置されている。
このLED表示器(発光素子)22cは、図2の右側の拡大図に示すように、上下段にそれぞれ3個の発光素子22c−1a〜c、22c−2a〜cが配置され、入力設定手段22b’の操作に同期して(より具体的には、入力設定手段22b’を構成するスイッチの押圧に同期して)、所定の短時間点灯するように構成されている。したがって、当該入力設定手段22b’の操作に伴って対応する発光素子22c−1a〜c、22c−2a〜cが点灯することにより、当該入力設定手段22b’の操作を確認することができる。
【0021】
つぎに、ライン制御ユニット30は、複数の駒乱丁検査部20−1〜nにネットワーク(I/O)を介して接続し、1台であるいは最小限の台数で乱丁検査装置20の制御をするものである。
該ライン制御ユニット30は、図4に示すように、各丁合駒に共通する標準時刻を供給する標準時刻供給手段30b(タイムサーバ30b−1及び電波時計30b−2)、各丁合駒装置10−1〜n毎の駒制御手段22kへ各種設定情報を入力する入力操作手段30d、該入力操作手段30dによる入力操作や各乱丁検査装置20の稼働状態等を表示する表示手段30c、各駒乱丁検査部20−1〜nからの検査情報を集計し分析するエラー集計・分析手段30e、該エラー集計・分析手段30eによって集計・分析された丁合管理情報を記憶し、オフラインに持ち出すことができる携帯型メモリ30f、およびスターター15からのスタート信号31、エンコーダー32からのパルス信号及び入力操作手段30dからの入力信号等を受けてライン制御ユニット30を制御するメイン制御手段30aを有している。
さらに、該メイン制御手段30aは、丁合駒装置10―1〜nに乱丁エラーが発生して対応する駒乱丁検査部20−1〜nからエラーの乱丁検査情報(乱丁発生情報)が入力された場合に、丁合装置10全体を自動停止したり、入力操作手段30dによる設定情報に基づき、駒乱丁検査部20−1〜nに対し設定情報を出力したり、或いは丁合装置10におけるストップスイッチを操作者が操作した場合に丁合装置全体を強制停止したりする機能を備えている。
【0022】
つぎに、乱丁検査情報管理装置40は、図1および図4に示すように、前記駒乱丁検査部20―1〜nおよびライン制御ユニット30とはオフラインに設けられている。
該乱丁検査情報管理装置40は、駒乱丁検査部20―1〜nに設けられる携帯型メモリ(図示せず)やライン制御ユニット30に設けられる携帯型メモリ30fに記憶されている各種の丁合管理情報を読み込んで、それらのデータを分析、保存する機能と、それらを適宜読み出して表示することができる機能を有している。
【0023】
以上のように構成された、本発明の乱丁検査機20の動作について、以下説明する。
丁合装置10の各丁合駒装置10―1〜nでの折丁は、それぞれに対応する駒乱丁検査部20−1〜nの撮像手段21により撮像され、その撮像画像は画像処理部21aで画像処理されて、予め記憶しておいた標準画像と対比され、乱丁と判断された場合には、その検査情報は、機器情報記憶手段22fに記憶されている機器情報が付加された上で、駒制御手段22kを経て、検査情報記憶手段22eに記憶されると共にライン制御ユニット30に出力される。
メイン制御手段30aは、その検査情報および機器情報に基づいて、丁合装置10に対する制御信号を出力する。例えば、乱丁状態が当該駒乱丁検査部20−1〜nに設定されている許容設定を越えて発生している場合には、ネットワーク(I/O)を介して、丁合装置10全体を停止する制御信号が出力される。
また、それら検査情報および機器情報は、エラー集計・分析手段30eによってエラー状況を分析されて、その分析結果は携帯型メモリ30fに保存記憶される。
この携帯型メモリ30fに記憶された分析結果は、ネットワーク(I/O)を介さずにオフラインで設けられている乱丁検査情報管理装置40によって、更に詳細に分析される。
【0024】
ここで、図1および図4に示すように、スターター15は、ドラム14の一回転毎にスタート信号31を発生させるものであり、駒制御手段22kにおいて、メイン制御手段30aを通して供給される該スタート信号31をカウントアップすることにより、乱丁が発生した場合の駒乱丁検査部20−1〜nにおける当該折り丁の特定が可能となる。
また、エンコーダー32はドラム14の回転に同期してパルス信号を発生するものであり、該パルス信号により、折り丁収納手段11に対するドラム14上に設けられた爪の基準位置(回転角度位置)が設定される。
【0025】
そして、図3に示すように、スタート信号31が発生されるタイミングでパルスカウントが開始され、所定のカウントウェイト期間Aを経たところで、折丁1に対して照明用LED(図示せず)を50ms点灯して折丁画像を撮像し、所定のタイミングで、その折丁1の撮像画像を画像処理部21aに取り込み、基準画像との乱丁判定を行う(期間B)。
その判定結果は、駒制御手段22kに出力されて、検査情報記憶手段22eに記憶される(期間C)。
ここで、折丁1の検査結果は、LCD(液晶表示装置)22aの表示画面の右側の検査情報表示領域22a’にデータ表示される。
次の折丁2についても、折丁1と同一のタイミングでの乱丁検査が行われ、その検査結果が、同様に、該LED表示器(発光素子)22c―1aを用いて表示される。
【0026】
ここで、駒制御手段22kは、内蔵するバックライトタイマーによって操作パネル上の入力設定手段22bがいずれも所定時間(例えば1分間)操作されないことを検知した場合には、バックライトスイッチ22dにバックライト消灯信号を出力する。これにより、バックライトスイッチ22dは強制的にOFF制御される。
一方、バックライトが消灯している場合には、操作パネル上のいずれかの入力設定手段22bが操作されると、あるいは丁合エラーが発生して丁合装置10が停止すると、丁合エラーが発生した丁合駒のモニター装置22における駒制御手段22kはバックライトスイッチ22dにバックライト点灯信号を出力し、当該モニター装置22におけるバックライトスイッチ22dは強制的にON復帰するように構成されている。このように入力設定手段22bが操作される場合には、1回目のボタン操作でバックライトが点灯し、2回目以降のボタン操作で入力が可能とされる。
【0027】
このようにバックライトが消灯した場合には、当然ながら、モニター装置22の検査情報表示領域22a’における検査結果の表示も、作業者には観測できなくなる。
そこで本発明では、この検査結果の表示を、操作パネル上の入力設定手段22bのうちの検査モード設定手段22b’に対応して配置された6個のLED表示器(発光素子)22c―1a〜c、22c−2a〜c(図2)を用いた点滅表示によって行う。
【0028】
ここで、折丁画像情報と標準画像情報とを対比した際の一致率が、90%を越える場合(図6において、<<A>>で示す。正常に丁合されたと判断される状態。)には、これら上下2段に配置された6個の発光素子22c―1a〜c、22c−2a〜cが、矢印で示すように、右上から左下に向かって点灯状態が流れるように点滅制御される。なお、○表示が点灯状態を、●表示が消灯状態を示す。
また、一致率が80〜89%の場合(図6において、<<B>>で示す。丁合状態は設定された許容範囲にあるが、注意すべき状態。)には、6個の発光素子22c―1a〜c、22c−2a〜cが、矢印で示すように、左上から右下に向かって点灯状態が流れるように点滅制御される。
さらに、一致率が79%以下の場合(図6において、<<C>>で示す。丁合が正常でなかった状態。)には、6個の発光素子22c―1a〜c、22c−2a〜cが、矢印で示すように、左下から右上に向かって点灯状態が流れるように点滅制御される。
この際、発光素子の点灯時間がそれぞれ40msになるように制御され、順次その時間間隔で次の発光素子が点灯するよう制御される。このようなサイクリックな点滅制御が、LED点滅制御手段22k’により行われる。
1枚の折丁の検査が終了し、次の折丁検査のためのスタート信号31がLED点滅制御手段22k’に入力されると、前記したサイクリックな点滅制御がリセットされ、次の折丁の検査結果がLED点滅制御手段22k’に入力するまで、初期表示位置(全発光素子が消灯される位置、あるいは、22c−1aのみが点灯する位置)で待機する。
【0029】
次に、このように構成された丁合検査機20の制御フローについて、図5を用いて説明する。
操作パネル上の入力設定手段22bの操作(S1)がされない場合には、駒制御手段22kのバックライトタイマーが更新される(S2)。
ここで、スターター15からの信号が入力されると(S3)、図3に示すように、画像取込処理と画像比較処理が行われ(S4)、一致率判定処理が行われる(S5)。
この判定結果を、当該丁合駒装置10―1〜nの駒乱丁検査部20―1〜nに設定された許容値、例えば許容される連続エラー枚数や一致率の大きさ等と対比し(S6)、その許容範囲からはずれている場合(S6、N)には、アラーム音を発生させるなどのエラー処理を行う(S10)。このエラー処理に続き、バックライトの点灯(S11)と、パトライト22gの点灯や「ランクC」での発光素子の点滅表示が行われる(S12)。このような状態となった場合には、丁合作業者は、エラー表示をされた丁合駒装置を特定して、そのエラー解除処理(S14)を行う。
一致率判定処理(S5)において、当該駒乱丁検査部20―1〜nに設定された乱丁許容値の範囲内にある場合(S6、Y)には、バックライトが点灯していれば(S7、Y)LCD表示部22aの検査情報表示領域22a’に検査結果をデータ表示する(S9)。バックライトが点灯していない場合には、発光素子22cを点滅制御して一致率のランク別表示(「ランクA」または「ランクB」)を行う(S8)。この場合には、エラー解除の必要がないので(S13、N)、エラー解除作業をすることなく、次の折丁に対する検査が継続される。
【0030】
S1で操作パネル上の入力設定手段22bの操作がされると、その時点でバックライトタイマーがリセットされ(S21)、バックライトが消灯されている場合(S22、OFF)には、バックライトを点灯し(S24)、その時点でバックライトタイマーがスタートされる。バックライトが点灯している場合には(S22、ON)、入力設定手段22bの操作内容か否かが判断されて(S23)、その操作に基づき当該駒乱丁検査部における設定変更処理や履歴表示処理等が行われ(S25)、その時点でバックライトタイマーがセットされる(S26)。
【0031】
本発明は、上記のように構成されることにより、バックライト消灯時には、イルミネーション的に設定モードのLEDを点滅させて、バックライト消灯時の検査状態を視認し易くすることができるので、モニター装置22の消費電力を小さくすることが可能となると共に、誤操作(エラーレベルや検査モードの設定ミス)又は、設定変更操作及び履歴表示操作による検査中断状態、機械調整不備(スタータセンサのズレ)等による未検査状態となった場合には、それを丁合装置10の操作者に確実に認識させることができるので、製本作業が継続され、折丁の乗せ間違え等により、本来エラーとして検出される事象があっても未検査状態となっていることに気付かずに不良品を良品として扱うような事態を確実に回避することができる。
また、スターター信号に同期して、所定のタイミングで点滅制御を行う為、検査が更新されていることが分かる。
また、検査結果を示す一致率にランクを設け、リアルタイムで一致の度合いを報知する為、ズレやブレ、明るさの変化等で一致率が変動している(検査中である)ことを容易に把握出来る。
さらに、専用の表示器を設けることなく、設定操作及び設定モードを表示するLED表示器を利用して乱丁検査結果を作業者に視認させることができるし、LED表示素子の消費電力はバックライトを点滅する場合の消費電力に比し無視できるほど小さいので、モニター装置をコンパクトかつ安価に構成することができる。
【0032】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想の範囲で様々な変形が可能である。変形例としては、例えば以下のものがある。
(1)上述した実施形態では、バックライトスイッチ22dのバックライトタイマーによって、操作パネル上の入力設定手段22bが所定時間(例えば1分間)操作されない場合に、バックライト消灯信号を出力することによりバックライトスイッチを強制的にOFF制御する、いわゆる自動モードを有しているが、図2に示すように、バックライトスイッチ22dをモニター装置22の操作パネル上に設けることにより、作業者がバックライトのON−OFFを任意に行うことができるように、いわゆる手動モードを付加することもできる。このように構成した場合でも、操作パネル上の入力設定手段22bの操作により、あるいは丁合エラーの発生により、自動的にON復帰するように構成される。
【0033】
(2)上記の実施形態例では、モニター装置22の操作パネル上に設けられる入力設定手段22bのうち、検査モード設定手段22b’に配置された発光素子を、乱丁検査機の検査結果を反映するよう点滅制御される発光素子として用いたが、この検査モード設定手段22b’に配置された発光素子に限らず、他の入力設定手段22bに配置された発光素子22cを用いることもできる。
【0034】
(3)上記の実施形態例では、発光素子の点滅制御により乱丁検査結果を報知したが、発光素子の輝度変化や、発光素子が発色変化を伴うように制御することによって検査結果を表示するように構成することもできる。また、これらの組み合わせによって表示するように構成することもできる。
例えば、上記と同様に、一致率Aの場合には、発光素子を緑色点灯、一致率Bの場合には橙色点灯、一致率Cの場合には赤色点灯とし、更にエラー状態が発生した場合には点滅間隔の短い点滅表示とするなどによって、検査結果を丁合作業者に認識させることができる。
【0035】
(4)上記の実施形態例では、バックライトが点灯している際の検査結果の表示を、LCD表示部22aの検査情報表示領域22a’において行ったが、この検査情報表示領域22a’における表示とともに、入力設定手段22bに対応して配置されたLED表示器(発光素子)22c(本実施の形態例では、図6に示すように、検査モード設定手段22b’に配置されたLED表示器(発光素子)22c―1a)を点滅制御することにより表示しても良い。その場合、図6に示すように、通常の検査中では、該LED表示器(発光素子)22cが点滅制御されるのに対し、丁合エラーが発生した場合には、それが早い点滅に切り替えられるように表示する。
このように、LED表示器(発光素子)22cを用いる表示を併せて行うことにより、丁合作業者が当該モニター装置22dから距離的に離れていても、輝度が比較的高いLED表示器(発光素子)22cによる点滅を観測することができるので、丁合結果の認識が一定程度可能となり、好ましい。
【0036】
(5)上記の実施形態例では、丁合状態の表示を3段階(A〜C)によって行ったが、この区分数は、適宜設定することができる。また、その際の各区分における一致率の範囲の設定も、適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 丁合装置
10−1〜n 丁合駒装置
15 スターター
20 乱丁検査装置(丁合検査機)
20−1〜n 駒乱丁検査部
21 撮像手段(撮像装置)
21a 画像処理部(丁合画像処理部)
22 モニター装置
22a LCD表示部
22a’検査情報表示領域
22b 入力設定手段
22c LED表示器(発光素子)
22d バックライトスイッチ
22k 駒制御手段
22k’LED点滅制御手段
30 ライン制御ユニット
30aメイン制御手段
31 スタート信号
32 エンコーダ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乱丁検査機におけるモニター装置であって、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するように点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置。
【請求項2】
請求項1において、前記スイッチ部は、前記入力部からの信号が一定時間出力されない場合に前記バックライトを消灯するように動作することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置。
【請求項3】
請求項1ないし2において、前記複数の入力部にそれぞれ配置された前記発光素子を順に点滅制御することにより検査結果を表示することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置。
【請求項4】
乱丁検査機におけるモニター装置の制御方法であって、前記モニター装置は、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するよう点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする前記モニター装置の制御方法。
【請求項1】
乱丁検査機におけるモニター装置であって、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するように点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置。
【請求項2】
請求項1において、前記スイッチ部は、前記入力部からの信号が一定時間出力されない場合に前記バックライトを消灯するように動作することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置。
【請求項3】
請求項1ないし2において、前記複数の入力部にそれぞれ配置された前記発光素子を順に点滅制御することにより検査結果を表示することを特徴とする乱丁検査機のモニター装置。
【請求項4】
乱丁検査機におけるモニター装置の制御方法であって、前記モニター装置は、バックライトを備えた液晶表示部と、前記バックライトを点灯および消灯するスイッチ部と、前記乱丁検査機に操作情報を入力するための入力部と、前記入力部に配置されて当該入力部の入力状態を表示する発光素子と、前記発光素子を、前記乱丁検査機の検査結果を表示するよう点灯制御する発光素子制御部とを有しており、
乱丁検査中に前記バックライトが消灯されているときは、前記発光素子を、乱丁検査結果を表示するように点灯制御することを特徴とする前記モニター装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−71479(P2012−71479A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217506(P2010−217506)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】
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